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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097279
(43)【公開日】2024-07-18
(54)【発明の名称】風味改善剤
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20240710BHJP
   A23L 27/10 20160101ALI20240710BHJP
   A23L 27/20 20160101ALI20240710BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20240710BHJP
   A23L 2/56 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
A23L27/00 Z
A23L27/10 C
A23L27/20 D
A23L2/00 B
A23L2/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023009051
(22)【出願日】2023-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】000210067
【氏名又は名称】池田食研株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】佐野 優一
【テーマコード(参考)】
4B047
4B117
【Fターム(参考)】
4B047LB08
4B047LF07
4B047LG12
4B047LG21
4B117LC03
4B117LG02
4B117LG18
4B117LK04
4B117LL02
4B117LP09
(57)【要約】
【課題】 本発明は、ジンギベレンを有効成分とする、風味改善剤を提供し、ジンギベレンを有効成分として、飲食品に含有させることで、ショウガ風味以外の飲食品の風味を改善する方法を提供する。また、ショウガ風味以外の風味が改善された飲食品を提供する。
【解決手段】 ジンギベレンを飲食品に添加することで、ショウガ風味以外の風味を改善する効果があることを見出し、本発明を完成した。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジンギベレンを有効成分とする、風味改善剤(ただし、ショウガ風味付与増強用を除く)。
【請求項2】
柑橘系飲食品の柑橘風味増強用、高甘味度甘味料の甘味後引き低減用、又はノンアルコール飲料のコク味若しくは味の厚み付与用である、請求項1記載の風味改善剤。
【請求項3】
ジンギベレンを有効成分として、飲食品に含有させることを特徴とする、飲食品の風味改善方法(ただし、ショウガ風味の付与増強を除く)。
【請求項4】
柑橘系飲食品の柑橘風味を増強する、高甘味度甘味料の甘味の後引きを低減する、又はノンアルコール飲料にコク味若しくは味の厚みを付与する、請求項3記載の風味改善方法。
【請求項5】
請求項1又は2記載の風味改善剤を含む、ショウガ風味以外の風味が改善された飲食品。
【請求項6】
請求項1記載の風味改善剤を含む、柑橘風味が増強された柑橘系飲食品。
【請求項7】
請求項1記載の風味改善剤を含む、甘味の後引きが低減された高甘味度甘味料含有飲食品。
【請求項8】
請求項1記載の風味改善剤を含む、コク味又は味の厚みが付与されたノンアルコール飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食品の風味改善剤、風味改善方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノンアルコール飲料や、アルコール度数が1%以下の微アルコール飲料の需要が高まっている。しかし、アルコールが含まれていない場合は、アルコール飲料特有の複雑味が感じられにくく、また柑橘風味の飲料は、風味の弱さや味の厚み等に未だ課題があり、より嗜好性の高い商品が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、柑橘風味飲料の後味のしまりを増強させるとともに墨汁臭を低減させる目的で、ボルネオールの含有量が0.3ppm以上とし、ノナナールの含有量が0.4ppm以上とする柑橘風味飲料の製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-78382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ジンギベレンを有効成分とする、風味改善剤を提供し、ジンギベレンを有効成分として、飲食品に含有させることで、ショウガ風味以外の飲食品の風味を改善する方法を提供する。また、ショウガ風味以外の風味が改善された飲食品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者らは、ジンギベレンを飲食品に添加することで、ショウガ風味以外の風味を改善する効果があることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の[1]~[8]の態様に関する。
[1]ジンギベレンを有効成分とする、風味改善剤(ただし、ショウガ風味付与増強用を除く)。
[2]柑橘系飲食品の柑橘風味増強用、高甘味度甘味料の甘味後引き低減用、又はノンアルコール飲料のコク味若しくは味の厚み付与用である、[1]記載の風味改善剤。
[3]ジンギベレンを有効成分として、飲食品に含有させることを特徴とする、飲食品の風味改善方法(ただし、ショウガ風味の付与増強を除く)。
[4]柑橘系飲食品の柑橘風味を増強する、高甘味度甘味料の甘味の後引きを低減する、又はノンアルコール飲料にコク味若しくは味の厚みを付与する、[3]記載の風味改善方法。
[5][1]又は[2]記載の風味改善剤を含む、ショウガ風味以外の風味が改善された飲食品。
[6][1]記載の風味改善剤を含む、柑橘風味が増強された柑橘系飲食品。
[7][1]記載の風味改善剤を含む、甘味の後引きが低減された高甘味度甘味料含有飲食品。
[8][1]記載の風味改善剤を含む、コク味又は味の厚みが付与されたノンアルコール飲料。
【発明の効果】
【0008】
本発明によってジンギベレンを有効成分とする、風味改善剤を提供でき、ジンギベレンを有効成分として、飲食品に含有させることで、ショウガ風味以外の飲食品の風味を改善する方法を提供できる。また、ショウガ風味以外の風味が改善された飲食品を提供でき、柑橘風味が増強された柑橘系飲食品、甘味の後引きが改善された高甘味度甘味料含有飲食品、コク味又は味の厚みが付与されたノンアルコール飲料を提供することで、より嗜好性に優れた満足感の高い飲食品を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の風味改善剤は、ジンギベレンを有効成分として含有する風味改善剤(ただし、ショウガ風味付与増強用を除く)で、好ましくは、柑橘系飲食品の柑橘風味増強用、高甘味度甘味料の甘味後引き低減用、又はノンアルコール飲料のコク味若しくは味の厚み付与用の風味改善剤である。
【0010】
本発明に記載のジンギベレンは、ショウガ根茎に由来し、ショウガの精油の主要成分であり、下記の構造式で表される化合物である。
【0011】
【化1】
【0012】
本発明では、有効成分となるジンギベレンは、風味改善効果を発揮できれば特に限定されず、ジンギベレン含有物を使用すればよく、精製したジンギベレンを使用してもよく、ジンギベレンを含むショウガ抽出物を使用してもよい。精製する場合は、逆相クロマトグラフィー等一般的な精製方法により精製できる。ショウガ抽出物としては、例えば、生のショウガ根茎を乾燥後、超臨界抽出法、水蒸気蒸留法、溶媒抽出法等の抽出法で抽出し、不織布、メッシュ等を用いたろ過、遠心分離等により、固液分離後、濃縮したショウガ抽出物を使用でき、例えば、精油成分を含む市販のショウガオイルを使用できるが、ショウガ特有の辛味が少ない抽出物が好ましく、6-ジンゲロールより6-ショウガオールが少ない抽出物が好ましく、ショウガオール/ジンゲロール(S/G)比が0.5以下が好ましく、0.4以下がより好ましく、ジンギベレン100重量部に対して、6-ジンゲロールは10重量部以下が好ましく、5重量部以下がより好ましく、6-ショウガオールは5重量部以下が好ましく、2重量部以下がより好ましい。
【0013】
飲食品に添加するジンギベレンは、ジンギベレンを含む乳化物として使用するのが好ましく、例えばショウガ抽出物等のジンギベレン含有物、リゾレシチン等のリン脂質、HLB値が10~20又は12~18のポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン、還元水あめ等のポリオール及び水を含む乳化物が好ましく、ポリオールは二種以上を使用するのが好ましい。ジンギベレン含有物を1重量部とした場合に、リン脂質は0.2~10重量部が好ましく、0.5~5重量部がより好ましく、ポリグリセリン脂肪酸エステルは0.2~10重量部が好ましく、0.5~5重量部がより好ましく、ポリオールは一種類につ
が好ましく、2~40重量部がより好ましく、高圧ホモジナイザー、コロイドミル、超音波乳化機、ホモミキサー、ホモディスパー等の乳化装置を用いて乳化処理すればよく、二種類以上の装置を組み合わせてもよく、乳化処理して得られるジンギベレン含有乳化液を使用できる。
【0014】
本発明の風味改善剤は、飲食品に、ジンギベレンを有効成分として含有させることで、ショウガ風味以外の風味を改善し、ショウガ風味以外の風味が改善された飲食品が得られる。特に、柑橘系飲食品に含有させることで柑橘風味を増強し、柑橘風味が増強された柑橘系飲食品が得られ、高甘味度甘味料含有飲食品に含有させることで甘味の後引きを低減し、甘味の後引きが低減された高甘味度甘味料含有飲食品が得られ、また、ノンアルコール飲料に含有させることでコク味又は味の厚みを付与し、コク味又は味の厚みが付与されたノンアルコール飲料が得られる。
【0015】
本発明の飲食品は、ジンギベレンを有効成分とする風味改善剤でショウガ以外の風味を風味改善できる飲食品であれば特に限定されないが、レモン、グレープフールーツ、ミカン等の風味を有する柑橘系飲食品、高甘味度甘味料を含む飲食品、ノンアルコール飲料等が例示でき、詳細には、飲料、キャンディー、ゼリー、氷菓、グミ、ガム等の飲食品が例示できるが、特に、柑橘風味を有する、高甘味度甘味料を含む又はビールテイストの非アルコール飲料、アルコール飲料等の飲料が好ましい。該飲食品に対して、ジンギベレンとして、0.1ppm以上の添加が好ましく、0.2ppm以上の添加がより好ましく、0.5ppm以上の添加がさらに好ましく、また、100ppm以下の添加が好ましく、80ppm以下の添加がより好ましく、50ppm以下の添加がさらに好ましい。また、飲食品に対して、好ましくないショウガ風味の影響を抑えるためには、ジンギベレン含有物中のジンゲロール及びショウガオールの飲食品への持ち込み量を抑えることが好ましく、ジンギベレン含有物添加による飲食品中のジンゲロール濃度は3ppm以下が好ましく、2ppm以下がより好ましく、1ppm以下がさらに好ましく、0.5ppm以下が特に好ましく、ショウガオール濃度は1ppm未満が好ましく、0.8ppm以下がより好ましく、0.5ppm以下がさらに好ましく、0.2ppm以下が特に好ましい。
【実施例0016】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の例によって限定されるものではない。尚、本発明において、%は別記がない限り全て重量%である。
【実施例0017】
ショウガ根茎抽出物であるGinger Oil(Ozone Naturals製)をODSカラムに供し、エタノールで溶出させ、ジンギベレンの含有量が比較的高い画分を分取し、濃縮することで、ジンギベレン高含有画分(ジンギベレン:58.1%、β-セスキフェランドレン20.3%、β-ビサボレン13.5%、γ-カジネン8.1%)を得た。尚、6-ジンゲロール及び6-ショウガオールは検出されなかった。
【0018】
水道水2.6g、リゾレシチンであるSLPホワイトリゾ(辻製油株式会社製)0.70g、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるNIKKOL Decaglyn 1-OVEXF(日光ケミカルズ株式会社製)0.90g、食品添加物グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)4.0g及び還元水あめであるPO-500(三菱商事ライフサイエンス株式会社製)2.9gを混合した後、前記ジンギベレン高含有画分0.40gを添加して、ヒスコトロン(株式会社マイクロテック・ニチオン製)で12,500rpm、5分間の乳化処理を行うことで、実施品1のジンギベレン含有乳化液(ジンギベレン:2.0%、6-ジンゲロール:不検出、6-ショウガオール:不検出)を調製した。
【0019】
[比較例]
ジンギベレン高含有画分の代わりに中鎖脂肪酸油脂であるサンクリスタル(日清オイリオグループ株式会社製)を同量添加する以外は、実施例1記載と同様に乳化処理を行い、中鎖脂肪酸油脂含有乳化液(比較品1)を調製した。
【0020】
[評価試験1]
市販のノンアルコールチューハイ(レモン風味、高甘味度甘味料(アセスルファムカリウム、スクラロース)含有)に対して、実施品1を0.5%(実施例1-1)、0.05%(実施例1-2)、0.005%(実施例1-3)又は0.0005%(実施例1-4)添加し、実施品1-1~1-4とした。同様に比較品1を0.5%添加し、比較品とした。実施品1-1~1-4及び比較品について、訓練された5名のパネラーにより、「柑橘風味」及び「甘味の後引き」について官能評価を行った。官能評価は、添加前の飲料をブランクとし、「柑橘風味」及び「甘味の後引き」について下記基準により評価した。実施品1-1~1-4及び比較品のジンギベレン濃度、6-ジンゲロール濃度及び6-ショウガオール濃度、並びに官能評価結果を表1に示す。
【0021】
「柑橘風味の増強」
ブランクと比較して、柑橘風味について以下の5段階で評価した。点数が高い程、増強されていることを示している。
1:かなり弱まった、2:少し弱まった、3:変化しなかった、4:少し強まった、5:かなり強まった
「甘味の後引き改善」
ブランクと比較して、甘味の後引きについて以下の5段階で評価した。点数が高い程、甘味の後引きが改善されていることを示している。
1:かなり強まった、2:少し強まった、3:変化しなかった、4:少し弱まった、5:かなり弱まった
【0022】
【表1】
【0023】
高甘味度甘味料を含有する柑橘風味のノンアルコールチューハイに、精製したジンギベレンを含むジンギベレン含有乳化液として、ジンギベレンの終濃度で0.1~100ppm添加することで、柑橘風味が増強され、甘味度の後引きが抑制されることが確認された。
【実施例0024】
水道水67.5g、リゾレシチンであるSLPホワイトリゾ19.5g、ポリグリセリン脂肪酸エステルNIKKOL Decaglyn 1-OVEXF22.5g、食品添加物グリセリン105g、還元水あめPO-50075gを混合させた後、ショウガ根茎抽出物であるGinger Oil(Ozone Naturals製)10.5gを添加して、CLEARMIX(エム・テクニック株式会社製)を用いて20,000rpm、5分間の乳化処理を行うことで、実施品2のジンギベレン含有乳化液(ジンギベレン:1.0%、6-ジンゲロール:0.032%、6-ショウガオール:0.010%)を調製した。
【0025】
[評価試験2]
ムカリウム、スクラロース)含有)に対して、実施品2を1%(実施例2-1)、0.1%(実施例2-2)、0.01%(実施例2-3)又は0.001%(実施例2-4)添加し、実施品2-1~2-4とした。実施品2-1~2-4について、評価試験1と同様に「柑橘風味」及び「甘味の後引き」について官能評価した。実施品2-1~2-4のジンギベレン濃度、6-ジンゲロール濃度及び6-ショウガオール濃度、並びに官能評価結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
高甘味度甘味料を含有する柑橘風味のノンアルコールチューハイに、ショウガ抽出物を含むジンギベレン含有乳化液として、ジンギベレンの終濃度で0.1ppm以上添加することで、柑橘風味が増強され、甘味度の後引きが抑制されることが確認された。
また、実施品2-1は、ショウガ特有の風味が強く、正確な官能評価ができなかったことから、ショウガ抽出物中の6-ジンゲロール又は6-ショウガオールの持ち込みは3.2ppm未満又は1.0ppm未満に抑えた方が良いことが分かった。
【実施例0028】
対して、実施品2を1%(実施例3-1)、0.1%(実施例3-2)、0.01%(実施例3-3)又は0.001%(実施例3-4)添加し、実施品3-1~3-4とした。実施品3-1~3-4について、評価試験1と同様に「柑橘風味」について官能評価した。実施品3-1~3-4のジンギベレン濃度、6-ジンゲロール濃度及び6-ショウガオール濃度、並びに官能評価結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
高甘味度甘味料を含まない柑橘風味のノンアルコールチューハイに、ショウガ抽出物を含むジンギベレン含有乳化液として、ジンギベレンの終濃度で0.1ppm以上添加することで、柑橘風味が増強されることが確認された。
また、実施品3-1は、ショウガ特有の風味が強く、正確な官能評価ができなかったことから、ショウガ抽出物中の6-ジンゲロール又は6-ショウガオールの持ち込みは3.2ppm未満又は1.0ppm未満に抑えた方が良いことが分かった。
【実施例0031】
市販のノンアルコールビールに対して、実施品2を1%(実施例4-1)、0.1%(実施例4-2)、0.01%(実施例4-3)又は0.001%(実施例4-4)添加し、実施品4-1~4-4とした。実施品4-1~4-4について、訓練された5名のパネラーにより、「味の厚み」及び「コク」について官能評価を行った。官能評価は、添加前の飲料をブランクとし、「味の厚み」及び「コク」について下記基準により評価した。実施品4-1~4-4のジンギベレン濃度、6-ジンゲロール濃度及び6-ショウガオール濃度、並びに官能評価結果を表4に示す。
【0032】
「味の厚み」
ブランクと比較して、味の厚みについて以下の5段階で評価した。点数が高い程、味の厚みが増強されていることを示している。
1:かなり弱まった、2:少し弱まった、3:変化しなかった、4:少し強まった、5:かなり強まった
「コク」
ブランクと比較して、コクについて以下の5段階で評価した。点数が高い程、コクが増強されていることを示している。
【0033】
【表4】
【0034】
ノンアルコールビールに、ショウガ抽出物を含むジンギベレン含有乳化液として、ジンギベレンの終濃度で0.1ppm以上添加することで、味の厚み及びコクが付与されることが確認された。
また、実施品4-1は、ショウガ特有の風味が強く、正確な官能評価ができなかったことから、ショウガ抽出物中の6-ジンゲロール又は6-ショウガオールの持ち込みは3.2ppm未満又は1.0ppm未満に抑えた方が良いことが分かった。
【実施例0035】
市販の炭酸水(レモン風味)に対して、実施品2を1%(実施例5-1)、0.1%(実施例5-2)、0.01%(実施例5-3)又は0.001%(実施例5-4)添加し、実施品5-1~5-4とした。実施品5-1~5-4について、評価試験1と同様に「柑橘風味」について官能評価した。実施品5-1~5-4のジンギベレン濃度、6-ジンゲロール濃度及び6-ショウガオール濃度、並びに官能評価結果を表5に示す。
【0036】
【表5】
【0037】
柑橘風味の炭酸水に、ショウガ抽出物を含むジンギベレン含有乳化液として、ジンギベレンの終濃度で0.1ppm以上添加することで、柑橘風味が増強されることが確認された。
また、実施品5-1は、ショウガ特有の風味が強く、正確な官能評価ができなかったことから、ショウガ抽出物中の6-ジンゲロール又は6-ショウガオールの持ち込みは3.2ppm未満又は1.0ppm未満に抑えた方が良いことが分かった。