(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097281
(43)【公開日】2024-07-18
(54)【発明の名称】飲料用演出グラス
(51)【国際特許分類】
A47G 19/22 20060101AFI20240710BHJP
【FI】
A47G19/22 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023009053
(22)【出願日】2023-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】510286433
【氏名又は名称】株式会社ネットアプリ
(72)【発明者】
【氏名】西田 誠
【テーマコード(参考)】
3B001
【Fターム(参考)】
3B001AA02
3B001BB10
3B001CC01
3B001CC02
3B001DA01
3B001DB20
(57)【要約】
【課題】 本発明はグラス内壁面で且つ側面に映る映像の投影位置を鉛直方向に変更又はシフト操作させる事が可能な飲料用演出グラスを提供することを課題とする。
【解決手段】 上部開口を有する有底の筒状体であるグラス本体と、映像表示装置を前記グラス本体の側面に固定する固定機構と、反射鏡とを備え、前記グラス本体の側面に光を透過する平坦な透明部を備え、前記グラス本体の内壁面に光を反射する平坦な反射面を備え、前記反射面は前記透明部と前記上部開口の間に配置されており、前記透明部と前記反射面は鉛直方向に並んだ状態でアレイ配置されており、前記反射鏡は前記グラス本体の内部に配置されており、前記透明部を透過した前記映像表示装置の映像が前記反射鏡で反射した後に前記反射面にて反射して前記上部開口に至ることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口を有する有底の筒状体であるグラス本体と、
映像表示装置を前記グラス本体の側面に固定する固定機構と、
反射鏡と
を備え、
前記グラス本体の側面に光を透過する平坦な透明部を備え、
前記グラス本体の内壁面に光を反射する平坦な反射面を備え、
前記透明部は前記グラス本体の底部の近傍に配置されており、
前記反射面は前記透明部と前記上部開口の間に配置されており、
前記透明部と前記反射面は鉛直方向に並んだ状態でアレイ配置されており、
前記反射鏡は前記グラス本体の内部に配置されており、
前記反射鏡は前記透明部を透過した光を前記反射面の方向に反射するように配置されており、
前記透明部を透過した前記映像表示装置の画像が前記反射鏡で反射した後に前記反射面にて反射して前記上部開口に至ることを特徴とする飲料用演出グラス。
【請求項2】
前記反射鏡の向きを鉛直方向に変更又は切り替え可能であることを特徴とする請求項1に記載の飲料用演出グラス。
【請求項3】
前記反射面が光透過性を有する素材から成る事を特徴とする請求項1~2のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料用演出グラスに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料を入れる機能以外に様々な機能を持ったグラスが開発されている。
例えば特許文献1には本願発明者が発明した飲料用演出グラスが開示されている。この飲料用演出グラスは、グラス側面に固定された映像表示装置と、グラス本体内部に配置されたビームスプリッターとを備えてりおり、映像表示装置の映像を疑似的にグラス内部に投影する演出が可能なグラスである。
例えば特許文献2には本願発明者が発明した飲料用演出グラスが開示されている。この飲料用演出グラスは、水面に対して傾斜した状態で映像表示装置をグラス側面に配置することにより、グラス内の飲料の水面をビームスプリッター代わりに反射させる演出が可能なグラスである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6528162号
【特許文献2】特許第6727593号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1~2はグラス内壁面で且つグラス底部近傍に映る映像の投影位置を鉛直方向に変更又はシフト操作させる事は物理的に不可能である。
【0005】
本発明は上記問題を鑑み、グラス内壁面で且つ側面に映る映像の投影位置を鉛直方向に変更又はシフト操作させる事が可能な飲料用演出グラスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の飲料用演出グラスは、上部開口を有する有底の筒状体であるグラス本体と、映像表示装置を前記グラス本体の側面に固定する固定機構と、反射鏡とを備え、前記グラス本体の側面に光を透過する平坦な透明部を備え、前記グラス本体の内壁面に光を反射する平坦な反射面を備え、前記透明部は前記グラス本体の底部の近傍に配置されており、前記反射面は前記透明部と前記上部開口の間に配置されており、前記透明部と前記反射面は鉛直方向に並んだ状態でアレイ配置されており、前記反射鏡は前記グラス本体の内部に配置されており、前記反射鏡は前記透明部を透過した光を前記反射面の方向に反射するように配置されており、前記透明部を透過した前記映像表示装置の画像が前記反射鏡で反射した後に前記反射面にて反射して前記上部開口に至ることを特徴とする。
また、前記反射鏡の向きを鉛直方向に変更又は切り替え可能であることを特徴とする。
また、前記反射面が光透過性を有する素材から成る事を特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の飲料用演出グラス(或いは飲料用演出グラスシステム)はグラス内壁面に備えた反射面とグラス内部の反射鏡を用いる事でグラス内壁面に画像の投影を可能にしている。
本発明の飲料用演出グラスは反射鏡の鉛直方向の向きを変更することによりグラス内壁面の映像投影位置を鉛直方向に変更またはシフト移動させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施の形態の飲料用演出グラスを示す斜視図(a)及び断面図(b)
【発明を実施するための形態】
【0009】
[飲料用演出グラスの第1の実施の形態]
以下、本発明の飲料用演出グラスの第1の実施の形態を図面を用いて示す。
図1(a)に示すように、本実施の形態の飲料用演出グラス1はグラス本体10と映像表示装置80を固定するための固定機構15とグラス本体側面の透明部20と反射面21と反射鏡30(反射鏡)から概略構成される。
グラス本体10は上部開口11を有する有底の筒状体であり、その内部に飲料を充填する事が出来る飲料用容器である。グラス本体10はガラスやアクリル樹脂等の透明な材料から成る。グラス本体10の形状の例としては
図1のような半月型他に、取っ手を備えるビールジョッキ型等が挙げられる。なお、グラス本体10は通常のコップやビールジョッキと同じく水平方向に湾曲している(つまりグラス本体10の形状は通常のコップやビールジョッキと同じく円筒形状の筒状体である)。
固定機構15はスマートフォンや小型のディスプレイデバイス等の映像表示装置80をグラス本体10の側面(又は側面近傍)に固定するための固定機構である。
図1(a)の例では固定機構15としてポケット機構を用いて映像表示装置80をグラス本体10側面に固定している。固定機構15としてポケット機構以外にマグネット機構やネジ等を用いても良い。映像表示装置80は
図1(a)や
図1(b)のようにその映像表示面81をグラス本体10の中心方向に向けた状態でグラス本体10の側面に固定される。
透明部20は映像表示装置80(より厳密には映像表示面81)の画像82をグラス本体10内部に透過するためにグラス本体10の側面に設けられた平坦で且つ透明なエリアである。透明部20は映像表示装置80の投射光(つまり画像82)を乱反射させないように平坦である事が望ましい。
図1(a)に示すように透明部20はグラス底部近傍に配置されている。
反射面21は反射鏡30にて反射した映像表示装置80の画像82を上部開口11の方向に反射させるためにグラス内壁面に設けられた平坦な反射面である。反射面21は映像表示装置80の投射光(つまり画像82)を乱反射させないように平坦である事が望ましい。
図1(a)に示すように反射面21は透明部20と鉛直方向に並んだ状態でアレイ配置されており、反射面21は透明部20と上部開口11の間に配置されている。
反射鏡30は映像表示装置80の画像82をグラス内壁面より厳密には反射面21に向けて反射させるために用いられる。反射鏡30は透明部20を透過した映像表示装置80の画像82(或いは画像82の光)を反射面21の方向に反射させる状態(或いは向き)でグラス本体10の内部に配置される。
【0010】
映像表示装置80の画像82の投射光路について補足説明をする。
図1(a)或いは
図1(b)のように映像表示装置80の画像82(或いは画像82の光)は透明部20を透過した後に、反射鏡30にて反射面21の方向に向けて反射し上部開口11に至る。
なお、
図1(b)中の破線矢印は説明のために映像表示装置80(又は映像表示面81)から投影される画像82の光路Pのイメージを表現した物である。
本発明の飲料用演出グラス1では透明部20と反射面21が鉛直方向(縦方向)にアレイ配置されているため反射鏡30を介する事によりユーザーUは上部開口11よりグラス底面近傍の画像82を反射面21の位置に視認する事が可能である。
本発明の飲料用演出グラス1では透明部20と反射面21が鉛直方向(縦方向)にアレイ配置されているため反射鏡30の鉛直方向の向き(或いはグラス本体10底面と反射鏡30とのなす角a)を変更または切り替える事により反射面21で映る反射像83(つまり画像82)の投影位置を鉛直方向に変更またはシフトする事が可能である。そのためユーザーUはグラス本体10の底面近傍をわざわざ覗き込まなくてもグラス本体10の底部近傍を透過した画像82を反射像83として反射面21の位置(つまり上部開口11に近い位置)に視認する事が可能である。
【0011】
反射面21について補足説明をする。
反射面21は光(つまり反射鏡30にて反射した画像82の光)を反射する平坦な面なら何でも良く材料も問わない。反射面21はビームスプリッター等の光透過性を有する素材又はまたはデバイスを用いても構わない。光学の基本法則により異なる光屈折率を有する物体間の境界では光は必ず反射するため反射面21としてグラス本体10内の飲料と他の物質(具体的にはグラス本体10の内壁面)の境界面を反射面21として用いても良い。
【0012】
反射鏡30について補足説明をする。
反射鏡30をグラス本体10の内部に固定する方法としては、ネジ機構、マグネット機構、多軸アーム機構を用いた方法等が考えられる。
【0013】
本発明は、グラス側面に鉛直方向にアレイ配置された透明部20と反射面21そして反射鏡30を用いる事により、ユーザーUはグラス本体10の底面近傍をわざわざ覗き込まなくてもグラス本体10の底部近傍を透過した画像82を反射像83として反射面21の位置(つまり上部開口11に近い位置)に視認する事が可能である。また、反射鏡30の鉛直方向の向き(或いはグラス本体10底面と反射鏡30とのなす角a)を変更または切り替える事により反射面21で映る反射像83(つまり画像82)の投影位置を鉛直方向に変更またはシフトする事が可能である。以上より本発明は産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0014】
U ユーザー
a なす角(反射鏡のグラス底面に対するなす角或いは傾斜角)
P 光路(画像の光の投射光路)
L 飲料
1 飲料用演出グラス
10 グラス本体
11 上部開口
15 固定機構(ポケット機構)
20 透過面
21 反射面
30 反射鏡
80 映像表示装置
81 映像表示面
82 画像
83 反射像