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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097348
(43)【公開日】2024-07-18
(54)【発明の名称】配達順路管理方法、配達順路管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20240101AFI20240710BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024078053
(22)【出願日】2024-05-13
(62)【分割の表示】P 2023220076の分割
【原出願日】2023-12-26
(31)【優先権主張番号】P 2022208857
(32)【優先日】2022-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520024120
【氏名又は名称】住吉販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】平 哲也
(57)【要約】
【課題】新聞以外の荷物を配送先近くの新聞販売店が効率的に配送する配達順路を管理する。
【解決手段】配達順路管理方法において、配達順路管理装置(412)は、新聞とは異なる荷物(商品Q)の配送先を含む配達員個配地域を示す配達員個配地域コードを取得するステップ(S13)と、配送先を示す配送先情報を取得するステップ(S11)と、配達員個配地域コードに対応する配達員個配地域に設定された配達順路を示す配達順路情報を取得するステップ(S14、S16)と、配達順路情報に、新聞の個配先として配送先が含まれない場合、配送先を追加して配達順路を再編成するステップ(S17)とを実行する。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
新聞販売店は、配達員が新聞を個配する配達員個配地域を少なくとも1つ管轄するとともに、各配達員個配地域には新聞を個配する配達順路が設定されており、
新聞とは異なる荷物の配送先を含む前記配達員個配地域を示す配達員個配地域コードを取得するステップと、
前記配送先を示す配送先情報を取得するステップと、
前記配達員個配地域コードに対応する前記配達員個配地域に設定された前記配達順路を示す配達順路情報を取得するステップと、
前記配達順路情報に、新聞の個配先として前記配送先が含まれない場合、前記配送先を追加して前記配達順路を再編成するステップとを、
配達順路管理装置が実行する配達順路管理方法。
【請求項2】
前記配達員個配地域コードに対応する前記配達員個配地域を担当する配達員が前記荷物を配送できない場合、当該配達員個配地域とは異なる前記配達員個配地域である代行配達員個配地域を決定するステップと、
前記代行配達員個配地域を示す代行配達員個配地域コードに対応する前記配達員個配地域に設定された前記配達順路を示す配達順路情報を取得するステップと、
前記代行配達員個配地域に設定された前記配達順路を、前記配送先を追加して再編成するステップとを、
前記配達順路管理装置がさらに実行する請求項1に記載の配達順路管理方法。
【請求項3】
前記配達員個配地域コードに対応する前記配達員個配地域を管轄する前記新聞販売店の配達員が前記荷物を配送できない場合、当該新聞販売店と管轄する地域が隣接する前記新聞販売店である代行新聞販売店を決定するステップを、
前記配達順路管理装置がさらに実行する請求項2に記載の配達順路管理方法。
【請求項4】
前記荷物に貼付された配送票には、前記配送先を新聞を個配する管轄地域に含む新聞販売店を示す新聞販売店コードおよび前記配達員個配地域コードが一体化されたコードが印刷されており、
前記配達員個配地域コードを取得するステップでは、前記配達順路管理装置が、前記配送票に記載された前記コードから前記配達員個配地域コードを取得する
請求項1に記載の配達順路管理方法。
【請求項5】
前記荷物に貼付された配送票には、前記配送先を新聞を個配する管轄地域に含む新聞販売店を示す新聞販売店コード、および、前記配送先を示す配送先情報が印刷されており、
前記配達員個配地域コードを取得するステップでは、前記配達順路管理装置が、前記新聞販売店コードに対応する前記新聞販売店が管轄し、かつ、前記配送先を含む前記配達員個配地域を示す前記配達員個配地域コードを取得する
請求項1に記載の配達順路管理方法。
【請求項6】
新聞販売店は、配達員が新聞を個配する配達員個配地域を少なくとも1つ管轄するとともに、各配達員個配地域には新聞を個配する配達順路が設定されており、
新聞とは異なる荷物の配送先を含む前記配達員個配地域を示す配達員個配地域コードを取得する個配地域取得部と、
前記配送先を示す配送先情報を取得する配送先取得部と、
前記配達員個配地域コードに対応する前記配達員個配地域に設定された前記配達順路を示す配達順路情報を取得する順路取得部と、
前記配達順路情報に、新聞の個配先として前記配送先が含まれない場合、前記配送先を追加して前記配達順路を再編成する順路再編成部とを、
備えた配達順路管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新聞以外の荷物を発送する配達順路管理方法、および配達順路管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネット通販(オンラインショッピング)の利用者の増加に伴い、購入された商品の宅配も急増している。購入された商品の宅配は、配送先が不在のため再配達になる場合が多い上に、配送ドライバーも不足している。このため、物流の最終拠点と配送先との間で、配送効率の低下という問題(いわゆるラストワンマイル問題)が生じている。
【0003】
一方、紙媒体の新聞(以後、電子新聞以外の紙媒体の新聞を「新聞」と称す。)は、電子新聞が普及するにつれ、購読者が減少しており、新聞の配送にかかる人的および物的資源に余裕が生じている。このため新聞販売店が、ネット通販の商品の配送を行うことがよく見受けられる。
【0004】
下記の特許文献1には、印刷された新聞を仕分けし、配送先の新聞販売店名を記載した宛て名札を発送時間順に印刷し、配送車に積載する直前の新聞に貼付ける新聞の発送方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9-274631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記特許文献1の技術では、例えば、ネット通販で購入した商品等の新聞以外の荷物を新聞配送店に配送することができない。また、新聞配送店においては、新聞以外の荷物を効率的に個配することができない。本発明の一態様は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、新聞以外の荷物を配送先近くの新聞販売店に効率的に配送し、新聞販売店が効率的に荷物を配送先に配送する配達順路を管理する配達順路管理方法および配達順路管理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
新聞販売店は、配達員が新聞を個配する配達員個配地域を少なくとも1つ管轄するとともに、各配達員個配地域には新聞を個配する配達順路が設定されている。本発明の態様1に係る配達順路管理方法は、新聞とは異なる荷物の配送先を含む前記配達員個配地域を示す配達員個配地域コードを取得するステップと、前記配送先を示す配送先情報を取得するステップと、前記配達員個配地域コードに対応する前記配達員個配地域に設定された前記配達順路を示す配達順路情報を取得するステップと、前記配達順路情報に、新聞の個配先として前記配送先が含まれない場合、前記配送先を追加して前記配達順路を再編成するステップとを、配達順路管理装置が実行する。
【0008】
本発明の態様2に係る配達順路管理方法は、上記態様1において、前記配達員個配地域コードに対応する前記配達員個配地域を担当する配達員が前記荷物を配送できない場合、当該配達員個配地域とは異なる前記配達員個配地域である代行配達員個配地域を決定するステップと、前記代行配達員個配地域を示す代行配達員個配地域コードに対応する前記配達員個配地域に設定された前記配達順路を示す配達順路情報を取得するステップと、前記代行配達員個配地域に設定された前記配達順路を、前記配送先を追加して再編成するステップとを、前記配達順路管理装置がさらに実行してもよい。
【0009】
本発明の態様3に係る配達順路管理方法は、上記態様2において、前記配達員個配地域コードに対応する前記配達員個配地域を管轄する前記新聞販売店の配達員が前記荷物を配送できない場合、当該新聞販売店と管轄する地域が隣接する前記新聞販売店である代行新聞販売店を決定するステップを、前記配達順路管理装置がさらに実行してもよい。
【0010】
本発明の態様4に係る配達順路管理方法は、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記荷物に貼付された配送票には、前記配送先を新聞を個配する管轄地域に含む新聞販売店を示す新聞販売店コードおよび前記配達員個配地域コードが一体化されたコードが印刷されており、前記配達員個配地域コードを取得するステップでは、前記配達順路管理装置が、前記配送票に記載された前記コードから前記配達員個配地域コードを取得してもよい。
【0011】
本発明の態様5に係る配達順路管理方法は、上記態様1から4のいずれかにおいて、前記荷物に貼付された配送票には、前記配送先を新聞を個配する管轄地域に含む新聞販売店を示す新聞販売店コード、および、前記配送先を示す配送先情報が印刷されており、前記配達員個配地域コードを取得するステップでは、前記配達順路管理装置が、前記新聞販売店コードに対応する前記新聞販売店が管轄し、かつ、前記配送先を含む前記配達員個配地域を示す前記配達員個配地域コードを取得してもよい。
【0012】
新聞販売店は、配達員が新聞を個配する配達員個配地域を少なくとも1つ管轄するとともに、各配達員個配地域には新聞を個配する配達順路が設定されている。本発明の態様6に係る配達順路管理装置は、新聞とは異なる荷物の配送先を含む前記配達員個配地域を示す配達員個配地域コードを取得する個配地域取得部と、前記配送先を示す配送先情報を取得する配送先取得部と、前記配達員個配地域コードに対応する前記配達員個配地域に設定された前記配達順路を示す配達順路情報を取得する順路取得部と、前記配達順路情報に、新聞の個配先として前記配送先が含まれない場合、前記配送先を追加して前記配達順路を再編成する順路再編成部とを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、新聞以外の荷物を配送先近くの新聞販売店が効率的に配送する配達順路を管理することができる。例えば、新聞配達店は、既存の新聞購読者への新聞の個配順路および配達員を活用して、新聞以外の荷物を配送先に効率よく配送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態1に係る配送方法の一例を説明する図である。
図2】配送店コード情報の一例を示す図である。
図3】QRコード伝票の一例を示す図である。
図4】配送先伝票の一例を示す図である。
図5図1に示す配送票作成装置の要部構成の一例を示すブロック図である。
図6】本発明の実施形態2に係る配送方法の一例を説明する図である。
図7】本発明の実施形態3に係る配送方法の一例を説明する図である。
図8】購入者端末、オンラインショップサーバ、配送票作成装置および販売店コード管理サーバにおける処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施形態4に係る配送方法の一例を説明する図である。
図10】本発明の実施形態5に係る配送方法の一例を説明する図である。
図11】本発明の実施形態6に係る配送方法の一例を説明する図である。
図12図11に示すは配達順路管理装置の要部構成の一例を示すブロック図である。
図13】配達員個配地域コード情報データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図14】既存の配達順路の一例を示す図である。
図15】新配達順路の一例を示す図である。
図16】配達順路管理装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。
図17】本発明の実施形態7に係る配送方法の一例を説明する図である。
図18】配達員個配地域コード情報データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
<新聞配送網>
始めに、本発明の実施形態1に係る配送方法1についての理解を容易にするために、新聞の配送システムについて概略的に説明する。
【0017】
各地に存在する新聞販売店は、当該新聞販売店が管轄する地域内において、独占的に新聞を販売し、個配する権利を有している。新聞は新聞印刷所で印刷されてから束にされ、トラック等の配送車に積込まれ、各新聞販売店へ配送される。各新聞販売店は、配送された新聞を、各新聞販売店が管轄する地域内に個配する。ここで個配とは、個別世帯単位の配送を意味し、一世帯宛または一企業宛に荷物を配送することを意味する。
【0018】
新聞の配送には、独自の配送システムが構築されており、新聞印刷所から各新聞販売店までを配送ルートで結ぶ新聞配送網が整備されている。また、新聞印刷所および新聞販売店等には、毎日作業員または配達員が常駐しているため、急な配送依頼でも対応可能である。さらに、夜中に大量に印刷された新聞を、朝までに個配する必要があるため、新聞を迅速に配送する種々の工夫がなされている。
【0019】
例えば、各新聞販売店には、その新聞販売店を一意に識別する新聞販売店コード(以後「販売店コード」と称す。)が新聞社から付与されている。印刷された新聞は、配送先の新聞販売店ごとに束にされ、配送先の販売店コードを記載した配送票が貼付けられ、各新聞販売店に配送される。
【0020】
このように、整備された新聞配送網および販売店コードを利用することにより、新聞を効率的に配送することができる。そして、本願発明者は、新聞とは異なる荷物を効率的に配送するために、上記のような新聞配送網および販売店コードを利用するための仕組みを想到した。
【0021】
<配送方法1の概観>
次に、本発明の実施形態1に係る配送方法1の概観を説明する。なお、実施形態1では、所定の店舗32で販売された商品Qを、新聞配送網および販売店コードを利用して配送先に配送する方法を説明する。
【0022】
図1は、実施形態1に係る配送方法1の一例を説明する図である。図中に示される太線の矢印は「商品Q」の流れ、点線の矢印は「新聞」の流れ、1点鎖線の矢印は「情報等」の流れを示す。
【0023】
図1には、A管轄エリア3、B管轄エリア4、新聞印刷所5、および販売店コード管理サーバ6が示されている。
【0024】
管轄エリア(管轄地域)は、所定の新聞販売店が管轄するエリアであり、例えば、「〇〇市北町」、「東町1丁目から5丁目」等で示されるような地域であり、新聞販売店が新聞を配達する管轄地域のことである。
【0025】
A管轄エリア3内には、例えば、A管轄エリア3を管轄するA新聞販売店31(集荷側新聞販売店:以後「A販売店」と称す。)、および、店舗32が含まれる。
【0026】
A販売店31は、A管轄エリア3内の新聞の販売および配送を独占して行う新聞販売店である。
【0027】
店舗32は、商品Qを販売する店舗であり、配送票作成装置33を店内に備えている。
【0028】
配送票作成装置33は、後述する配送票331(配送票)を作成する装置である。配送票作成装置33の詳細については後述する。
【0029】
B管轄エリア4内には、例えば、B管轄エリア4を管轄するB新聞販売店41(個配側新聞販売店:以後「B販売店」と称す。)、および、配送先42が含まれる。
【0030】
B販売店41は、B管轄エリア4内の新聞の販売および配送を独占して行う新聞販売店である。
【0031】
配送先42は商品Qの配送先であり、商品Qを配送する家や企業等である。
【0032】
新聞印刷所5は、新聞を印刷し、印刷した新聞を配送先の新聞販売店ごとに束にして、配送車で各新聞販売店に配送する。新聞印刷所5は、新聞の束を配送するための複数の配送車を備えている。
【0033】
販売店コード管理サーバ6は、上述した新聞販売店を識別する販売店コードを、当該新聞販売店の情報と対応付けた販売店コード情報を保管する販売店コード情報データベース(販売店コード情報DB)61を格納する。新聞販売店の情報とは、例えば、当該新聞販売店の名称(販売店名)、新聞を配達する管轄エリア、および所在地等の情報である。
【0034】
図2は、販売店コード情報の一例を示す図である。図2は、販売店コード、販売店名、管轄エリア、および所在地の情報を対応付けたリストである。
【0035】
販売店コード情報データベース61を参照することにより、販売店コードに対応する新聞販売店名、管轄エリア、所在地の情報を取得することができる。また、商品Qの配送先の住所に対応する管轄エリア、当該管轄エリアを管轄する新聞販売店名、当該新聞販売店の販売店コードおよび所在地の情報を取得することができる。
【0036】
図2の例では、配送先が〇〇市北町3丁目5番地の場合、対応する販売店コードはAA001であり、商品Qの配送先の新聞配送店は北町販売店であることがわかる。
【0037】
販売店コード情報データベース61を格納する販売店コード管理サーバ6と、配送票作成装置33とは、インターネット等により通信可能に接続される。
【0038】
ここで、配送方法1の概略を簡単に説明する。図1に示すように、商品Qが購入されると、店舗32の属するA管轄エリア3を管轄するA販売店31は、店舗32から購入された商品Qを受け取る。次に、A販売店31は、A販売店31に新聞の束を届けたトラックを利用して、商品Qを新聞印刷所5に配送する。次に、新聞印刷所5は、商品Qの配送先42の属するB管轄エリア4を管轄するB販売店41に、新聞の束と一緒に、商品Qを配送する。B販売店41は、新聞と一緒に商品Qを配送先42に個配する。
【0039】
このように、商品Qは、店舗32から直接配送先42へ個配されるのではなく、店舗32の近くにあるA販売店31、新聞印刷所5、配送先42の近くにあるB販売店41、配送先42へと、この順で配送される。これにより、新聞配達網を利用して効率的かつ迅速に商品Qを配送することができる。
【0040】
商品Qの発送の際には、配送先42の近くにある新聞販売店(以後「配送店」と称することがある。)を配送先に指定して発送される。配送店とは、配送先に指定された新聞販売店であり、配送先42に商品Qを個配する新聞販売店のことである。図1の例では、B販売店41が配送店にあたる。
【0041】
具体的に説明すると、商品Qは発送されるとき、配送店の販売店コードを含む配送票331が貼付けられる。販売店コードは、上述したように、新聞販売店を識別するものであり、当該販売店コードによって、各新聞販売店を特定することができる。
【0042】
図1に示す例では、商品Qは、B販売店41の販売店コードであるB販売店コード411を含む配送票331が貼付けられる。B販売店コード411によって、新聞印刷所5は、迅速に、B販売店41に商品Qを配送することができる。
【0043】
<配送方法1の詳細>
以下、新聞販売網および販売店コードを利用した配送方法1の詳細について、再び図1を参照して説明する。
【0044】
店舗32の商品Qが購入されたとき、配送先42を含む配送先情報が、配送票作成装置33に入力される。または、配送先情報は、伝票等の所定の用紙に手書きされる。配送先情報とは、配送する商品名、配送先42、届け先の氏名または名称、電話番号等を含む情報である。
【0045】
店舗32が備える配送票作成装置33は、詳しくは後述するが、撮像部371、キーボード372、タッチパネル373等の入力部37を有している。
【0046】
配送票作成装置33は、キーボード372、またはタッチパネル373により配送先情報が入力された場合、当該入力された配送先情報のテキストデータを取得する。一方、配送先情報が伝票等に手書きで記載された場合、当該伝票を撮像部371で撮像し、テキスト情報に変換してテキストデータを取得する(配送先情報取得ステップ)。
【0047】
配送票作成装置33は、インターネットを介して販売店コード管理サーバ6と通信し、配送先情報のテキストデータを送信する。販売店コード管理サーバ6は、販売店コード情報データベース61から、荷物Qの配送先情報が示す配送先42を、新聞を個配する管轄地域に含む新聞販売店を示す新聞販売店コードを取得して、配送票作成装置33に送信する。図1の例では、配送先42を含む管轄エリアはB管轄エリア4であり、管轄する新聞販売店はB販売店41、販売店コードはB販売店コード411である。
【0048】
配送票作成装置33は、B販売店コード411を含む販売店コード情報を取得し、B販売店コード411を、後述する記憶部35に保管する。
【0049】
配送票作成装置33は、配送票331に記載する販売店コードをB販売店コード411に決定(コード決定ステップ)するとともに、B販売店コード411が示すB販売店41(個配側新聞販売店)を、商品Q(荷物)の配送店として決定する。
【0050】
なお、配送票作成装置33は、販売店コード管理サーバ6から取得した販売店コードを、配送票331に記載する販売店コードとして決定してもよい。これに限らず、配送票作成装置33の記憶部35に販売店コード情報データベース61を記憶しておき、配送票作成装置33において販売店コード情報データベース61を参照して該当する販売店コード情報を読出して、販売店コードを決定してもよい。
【0051】
配送票作成装置33は、販売店コードを含む配送票331を印刷し作成する(配送票作成ステップ)。配送票作成装置33は、販売店コード管理サーバ6から取得した販売店コードを、マトリクス型二次元コード(いわゆるQRコード:登録商標)に変換する。
【0052】
配送票331は、販売店コードがQRコードの形態で印刷されたQRコード伝票332(配送票)、および配送先情報を印刷した配送先伝票333(配送票)を備える。
【0053】
QRコード伝票332には、QRコードの形態で印刷される販売店コードが含まれる。販売店コードは、これに限らず、英数字または記号等の形態(以後「英数字コード」と称す。)で印刷されてもよいし、QRコードと英数字コードとの両方が印刷されてもよい。英数字コードを添えることにより、QRコードの内容を人が確認することができる。
【0054】
配送先伝票333には、配送される商品名、配送先42、氏名または名称、電話番号等の配送先情報が印刷される。なお、配送先伝票333は、配送先情報と一緒に販売店コードが印刷されてもよい。販売店コードは、英数字コードであってもよくQRコードであってもよい。または、その両方であってもよい。また、販売店コードが印刷されていない手書きの伝票を配送先伝票333としてもよい。
【0055】
なお、配送票331は、QRコード伝票332と配送先伝票333とに分けずに、一枚の伝票として構成されてもよい。
【0056】
図3は、QRコード伝票332の一例を示す図である。図3に示すように、QRコード伝票332には、例えば、配送店である新聞販売店の店名、英数字コードおよびQRコードで表された販売店コード等が印刷されている。
【0057】
これにより、QRコード伝票332が貼付けられた商品Qから、QRコードリーダにより、販売店コードを読取ることができる。
【0058】
図4は、配送先伝票333の一例を示す図である。図4に示すように、配送先伝票333は、例えば、お届け先、ご依頼主、商品Qの商品名、お届け日、および新聞販売店の情報が記載されている。これにより、配送店であるB販売店41は、商品Qを個配する配送先情報を知ることができる。
【0059】
再び図1を参照して説明する。店舗32は、販売店コードを記載したQRコード伝票332、および、配送先情報を記載した配送先伝票333を商品Qに貼付ける。
【0060】
次に、店舗32(荷物の発送元)と同じA管轄エリア3内に存在するA販売店31は、QRコード伝票332および配送先伝票333が貼られた商品Qを集荷する(矢印Q1、集荷ステップ)。商品Qは、A販売店31が新聞を店舗32に配達する際(矢印P31)に受取ってもよいし、新聞配達とは別に、店舗32に取りに行ってもよい。また、店舗32が商品QをA販売店31に届けてもよい。
【0061】
商品Qを受け取ったA販売店31は、A販売店31が個配する新聞の束を、新聞印刷所5からA販売店31に配送した(矢印P32)配送車51Aを利用して商品Qを出荷する(出荷ステップ)。A販売店31は、配送車51Aの帰りの便に、商品Qを積み込んで新聞印刷所5へ配送させる(矢印Q2)。これにより、配送車51Aの新聞印刷所5への帰路を無駄にせず、効率的に商品Qを新聞印刷所5へ配送することができる。
【0062】
なお、これに限らず、新聞印刷所5は、新聞の束をA販売店31に配送するときとは別途のタイミングで、商品QをA販売店31に取りに行ってもよい。また、A販売店31が新聞印刷所5に商品Qを届けてもよい。
【0063】
商品Qを受け取った新聞印刷所5は、QRコード伝票332に記載されたB販売店コード411に対応するB販売店41に、B販売店41が個配する新聞の束と一緒に、商品Qを配送車51Bに載せて配送する(矢印Q3、P41、販売店配送ステップ)。
【0064】
このとき、商品Qは、例えば、配送先別に新聞の束の仕分けをするベルトコンベアー等に載置され、搬送される。ベルトコンベアーに設置されたQRコードリーダは、商品Qに貼付けられたQRコード伝票332から、B販売店コード411を読取る(コード取得ステップ)。商品Qは、新聞印刷所5の制御装置(図示せず)が、取得したB販売店コード411に対応するB販売店41行きの配送車51Bへ向かう搬送路を選択することにより、配送車51Bに案内される(配送店決定ステップ)。商品Qは、B販売店41が個配する新聞の束と一緒に、B販売店41行きの配送車51Bに積込まれ、B販売店41に配送される。
【0065】
なお、これに限らず、商品Qは、B販売店41が個配する新聞の束とは別途にB販売店41に配送されてもよいし、B販売店41が新聞印刷所5まで商品Qを取りに行ってもよい。
【0066】
商品Qを受け取ったB販売店41は、商品Qに付された配送先伝票333に印刷された配送先情報に従って、B販売店41から配送先42へ、新聞と一緒に商品Qを個配する(矢印Q4、P42,個配ステップ)。B販売店41は、これに限らず、新聞とは別に商品Qを配送してもよい。
【0067】
これにより、新聞の束をB販売店41に配送する配送車51Bを利用することができるため、効率的に商品QをB販売店41に配送することができる。また、B販売店41への新聞の配送量が減少している場合は、配送車51Bの積載量の余剰分を無駄にすることなく利用することができる。
【0068】
なお、上記では、新聞印刷所5を利用した商品Qの配送について説明したが、これに限らず、例えば、新聞印刷所5の代わりに折込みチラシ印刷所を利用してもよい。折込みチラシ印刷所とは、新聞に折り込む折込みチラシを印刷する工場等のことである。折込みチラシ印刷所は、各新聞販売店がチラシを折込んで配送準備をするまでに、各新聞販売店に折込みチラシを配送する。
【0069】
この場合、商品Qの配送は、次のようになる。商品Qが購入されると、A販売店31は、店舗32から購入された商品Qを受け取る。A販売店31は、A販売店31に折込みチラシを届けたトラックを利用して、商品Qを折込みチラシ印刷所に配送する。折込みチラシ印刷所は、商品Qの配送先42の属するB管轄エリア4を管轄するB販売店41に、折込みチラシと一緒に、商品Qを配送する。B販売店41は、新聞と一緒に商品Qを配送先42に個配する。
【0070】
これに限らず、折込みチラシ印刷所は、折込みチラシをA販売店31に配送するときとは別途のタイミングで、商品QをA販売店31に取りに行ってもよいし、A販売店31が折込みチラシ印刷所に商品Qを届けてもよい。また、商品Qは、B折込みチラシとは別途にB販売店41に配送されてもよいし、B販売店41が折込みチラシ印刷所まで商品Qを取りに行ってもよい。
【0071】
<要部構成>
図5は、配送票作成装置33の要部構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、配送票作成システム100は、配送票作成装置33および販売店コード管理サーバ6を含んで構成される。配送票作成装置33は、購入者端末2および販売店コード管理サーバ6と、インターネットを介して、通信可能に接続される。
【0072】
配送票作成装置33は、配送票作成装置33を統括的に制御する制御部34、制御部34が使用する各種データを記憶する記憶部35、他の装置と通信するための通信部36、入力操作を受け付ける入力部37、および配送票331を印刷する印刷部38を備える。
【0073】
制御部34は、テキストデータ変換部341、配送先情報取得部342、販売店コード決定部343、出力制御部344を備える。記憶部35は、配送先情報351を格納する。
【0074】
入力部37は、例えば、撮像部371、キーボード372、タッチパネル373等を備える。上述したように、配送先情報が、伝票等に手書きで記載された場合、撮像部371は当該伝票を撮像し、撮像した画像データをテキストデータ変換部341に送信する。
【0075】
なお、撮像部371は、配送票作成装置33と別体に構成されてもよく、例えば、スマートフォンの撮像部を、撮像部371として利用してもよい。この場合、スマートフォンで撮像された画像データは、通信部36を介してテキストデータ変換部341に送信される。
【0076】
テキストデータ変換部341は、送信された画像データをテキストデータに変換し、配送先情報のテキストデータを取得する。テキストデータ変換部341は、取得した配送先情報のテキストデータを、記憶部35の配送先情報351に格納する。なお、テキストデータ変換部341は制御部34ではなく、販売店コード管理サーバ6に設けられ、販売店コード管理サーバ6にてテキスト変換を行ってもよい。この場合、通信部36を介して、画像データが販売店コード管理サーバ6に送信される。
【0077】
一方、キーボード372またはタッチパネル373により配送先情報が入力された場合、配送先情報取得部342は、入力部37から配送先情報のテキストデータを取得し、記憶部35の配送先情報351に格納する。
【0078】
また、購入者端末2から、後述するオンラインショップサーバ9(図7参照)を介して、配送先情報のテキストデータが送信された場合、配送先情報取得部342が、送信された配送先情報のテキストデータを取得する。
【0079】
次に、制御部34は、インターネットを介して販売店コード管理サーバ6と通信し、取得した配送先情報のテキストデータを販売店コード管理サーバ6に送信する。販売店コード管理サーバ6は、販売店コード情報データベース61から、荷物Qの配送先情報が示す配送先42を、新聞を個配する管轄地域に含む新聞販売店を示す販売店コード情報を読込む。図1の例では、配送先42を含む管轄エリアはB管轄エリア4であり、管轄する新聞販売店はB販売店41、販売店コードはB販売店コード411である。
【0080】
販売店コード管理サーバ6は、読込んだB販売店コード411を含む販売店コード情報を、制御部34の販売店コード決定部343に送信する。
【0081】
販売店コード決定部343は、取得した販売店コード情報に基づいて、販売店コードをB販売店コード411に決定するとともに、商品Qの配送店をB販売店41に決定する。
【0082】
販売店コード決定部343は、B販売店コード411を、QRコードに変換する。販売店コード決定部343は、QRコードが印刷されたQRコード伝票332のデータ、および、配送先情報を含む配送先伝票333のデータを作成し、出力制御部344を介して、印刷部38から印刷する。
【0083】
なお、QRコードへの変換、配送先伝票333のデータ作成、およびQRコード伝票332のデータ作成は、販売店コード管理サーバ6が行い、作成したデータを配送票作成装置33に送信してもよい。
【0084】
このように、印刷されたQRコード伝票332および配送先伝票333は、商品Qに貼付けられて出荷される。
【0085】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。以後の実施形態についても同様である。
【0086】
図6は、本発明の実施形態2に係る配送方法1Aの一例を説明する図である。図6に示すように、実施形態2の店舗32Aは、商品を保管する倉庫72をA管轄エリア3の外にあるC管轄エリア7内に備える点で、実施形態1の店舗32と相違する。
【0087】
店舗32Aは、商品を倉庫72に保管しているため、商品QをC管轄エリア7内の倉庫72から出荷する。また、配送票作成装置33もC管轄エリア7内の倉庫72内に設置されている。
【0088】
商品Qが購入されると、配送票作成装置33は、インターネットを介して販売店コード管理サーバ6と通信し、配送先情報のテキストデータを送信する。販売店コード管理サーバ6は、販売店コード情報データベース61から、荷物Qの配送先情報が示す配送先42を、新聞を個配する管轄地域に含む新聞販売店を示す新聞販売店コードを取得して、配送票作成装置33に送信する。図2の例では、実施形態1と同様に、配送先42を含む管轄エリアはB管轄エリア4であり、管轄する新聞販売店はB販売店41、販売店コードはB販売店コード411である。
【0089】
配送票作成装置33は、実施形態1と同様に、B販売店コード411を含む販売店コード情報を取得し、販売店コードを含む配送票331およびQRコード伝票332を作成する。作成した配送票331およびQRコード伝票332は商品Qに貼付けられる。
【0090】
商品Qが保管されている倉庫72の属するC管轄エリア7を管轄する新聞販売店であるC販売店71は、倉庫72からQRコード伝票332および配送先伝票333が貼られた商品Qを集荷する(矢印Q1)。商品Qは、C販売店71が倉庫72に取りに行ってもよいし、倉庫72から商品QをC販売店71に届けてもよい。
【0091】
商品Qを受け取ったC販売店71は、C販売店71が個配する新聞の束を、新聞印刷所5からC販売店71に配送した(矢印P71)配送車51Aを利用して商品Qを出荷する。C販売店71は、配送車51Aの帰りの便に、商品Qを積み込んで新聞印刷所5へ配送させる(矢印Q2)。これにより、店舗32Aの属する管轄エリアと、倉庫72の属する管轄エリアとが相違しても、配送車51Aの新聞印刷所5への帰路を無駄にせず、効率的に商品Qを新聞印刷所5へ配送することができる。
【0092】
〔実施形態3〕
図7は、本発明の実施形態3に係る配送方法1Bの一例を説明する図である。図7に示すように、実施形態3の店舗はオンラインショップサーバ9である点で、実施形態2の店舗32Aと相違する。
【0093】
オンラインショップサーバ9は、購入者端末2から商品Qの購入操作を受付ける。
【0094】
配送票作成装置33は、オンラインショップサーバ9を介して、購入者端末2から送信された配送先情報のテキストデータを取得する。配送票作成装置33は、配送先情報のテキストデータを販売店コード管理サーバ6に送信して、荷物Qの配送先情報が示す配送先42を、新聞を個配する管轄地域に含むB販売店41を示すB販売店コード411を取得する。
【0095】
配送票作成装置33は、B販売店コード411を含むQRコード伝票332および配送先伝票333を作成し、作成されたQRコード伝票332および配送先伝票333は、商品Qに貼付けられる。
【0096】
商品Qが保管されている倉庫72の属するC管轄エリア7を管轄するC販売店71は、倉庫72からQRコード伝票332および配送先伝票333が貼付けられた商品Qを集荷する(矢印Q1)。
【0097】
<処理の流れ>
図8は、購入者端末2、オンラインショップサーバ9、配送票作成装置33、および販売店コード管理サーバ6における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図8を参照して、実施形態3における、購入者端末2、オンラインショップサーバ9、配送票作成装置33、および販売店コード管理サーバ6における処理の流れを説明する。
【0098】
図8は、オンラインショップサーバ9が、購入者端末2から商品Qの購入操作を受付けた後の処理を示している。
【0099】
購入者端末2は、商品Qの配送先情報が入力されたことを検知して(S1)、入力された配送先情報をオンラインショップサーバ9に送信する(S2)。
【0100】
オンラインショップサーバ9は、送信された配送先情報を取得して(S3)、配送票作成装置33に配送先情報を送信し、配送票作成を指示する(S4)。
【0101】
配送票作成装置33は、オンラインショップサーバ9から送信された配送先情報を取得し、配送票作成指示を受付ける(S5)。
【0102】
配送票作成装置33は、取得した配送先情報を販売店コード管理サーバ6へ送信し、配送先42に対応する販売店コード情報の問合わせを行う(S6)。
【0103】
販売店コード管理サーバ6は、配送票作成装置33からの問合せを受けて、配送先42に対応する販売店コード情報を、販売店コード情報データベース61から読込む(S7)。
【0104】
販売店コード管理サーバ6は、読込んだ販売店コード情報を配送票作成装置33に送信する(S8)。
【0105】
配送票作成装置33は、送信された販売店コード情報に基づいて、販売店コードおよび配送店を決定する(S9)。
【0106】
配送票作成装置33は、販売店コードをQRコードに変換し、販売店コードを記載したQRコード伝票332、および、配送先情報を記載した配送先伝票333を印刷して作成する(S10)。
【0107】
〔実施形態4〕
近年、インターネットを介して自宅で診察を受ける在宅医療が増加している。その場合、処方された薬は、患者の自宅まで配達されることが望ましい。
【0108】
図9は、本発明の実施形態4に係る配送方法1Cの一例を説明する図である。図9に示すように、実施形態4の配送される荷物は、オンライン診察等において処方された処方薬Rである点で、実施形態1と相違する。
【0109】
患者等である利用者82は、利用者82の所有するスマートフォン等の情報処理装置821、および病院81の情報処理装置811を介して、オンラインで診察を受けている。利用者82は、患者等の他、患者の親族等であってもよい。また病院81は、オンライン診療を行っている医療機関であればよく、例えば、診療所等であってもよい。
【0110】
診察後、利用者82は、病院81の情報処理装置811から通信によって処方箋データを受け取り、処方箋データを情報処理装置821に保存する。
【0111】
利用者82は、任意の薬局83へ、処方箋データおよび配送先42の住所データ等を送信し、処方薬Rの処方および処方薬Rの配送をメール等で依頼する。配送先42の住所は、利用者82の自宅の住所であってもよいし、利用者82が入所している施設や滞在先の住所等であってもよい。
【0112】
薬局83は、処方箋を受け付けている薬局であればよく、ドラッグストア等であってもよい。薬局83は、A販売店31が管轄するA管轄エリア3内に位置し、配送票作成装置33を店内に備えている。
【0113】
配送票作成装置33は、利用者82から送信された配送先42の住所データに対応する販売店コードを、販売店コード管理サーバ6から取得する。図9の例では、配送先42を含む管轄エリアはB管轄エリア4であり、管轄する新聞販売店はB販売店41、販売店コードはB販売店コード411である。
【0114】
配送票作成装置33は、販売店コードがQRコードの形態で印刷されたQRコード伝票332、および配送先情報を印刷した配送先伝票333を作成する。QRコード伝票332および配送先伝票333は、処方薬Rの包装に貼付けられる。
【0115】
次に、薬局83と同じA管轄エリア3内に位置するA販売店31は、QRコード伝票332および配送先伝票333が貼られた処方薬Rを集荷する(矢印R1)。処方薬Rは、A販売店31が新聞を薬局83に配達する際に受取ってもよいし、新聞配達とは別に、薬局83に取りに行ってもよい。また、薬局83が処方薬RをA販売店31に届けてもよい。
【0116】
処方薬Rを受け取ったA販売店31は、A販売店31が配送する新聞の束を新聞印刷所5からA販売店31に配送した配送車51Aを利用して、処方薬Rを出荷する(矢印R2)。処方薬Rを受け取った新聞印刷所5は、QRコード伝票332に記載されたB販売店コード411に対応するB販売店41に、新聞の束と一緒に処方薬Rを配送する(矢印R3、P41)。
【0117】
処方薬Rを受け取ったB販売店41は、処方薬Rに付された配送先伝票333に印刷された配送先情報に従って、B販売店41から配送先42へ、新聞と一緒に処方薬Rを個配する(矢印R4、P42)。B販売店41は、これに限らず、新聞とは別に処方薬Rを配送してもよい。
【0118】
〔実施形態5〕
(配送先と薬局が同じ管轄エリア内の場合)
図10は、本発明の実施形態5に係る配送方法1Dの一例を説明する図である。図10に示すように、実施形態5の配送先42と薬局83Bとが同じ管轄エリア内である点で、実施形態4と相違する。
【0119】
利用者82は、利用者82の自宅の近傍の薬局83B(不図示)に、処方薬Rの処方および処方薬Rの配送をメール等で依頼してもよい。この場合、薬局83Bは、利用者82の自宅が位置するB管轄エリア4内に位置し、配送票作成装置33を店内に備えている。
【0120】
配送票作成装置33は、利用者82から送信された配送先42の住所データに対応する販売店コードを、販売店コード管理サーバ6から取得する。この例では、配送先42を含む管轄エリアはB管轄エリア4であり、管轄する新聞販売店はB販売店41となる。つまり、薬局83B、B販売店41、および配送先42は、全て同じB管轄エリア4内に位置している。
【0121】
配送票作成装置33は、QRコード伝票332、および配送先情報を印刷した配送先伝票333を作成する。QRコード伝票332および配送先伝票333は、処方薬Rの包装に貼付けられる。
【0122】
B販売店41は、同じB管轄エリア4内に位置する薬局83Aから、処方薬Rを集荷する。処方薬Rは、B販売店41が新聞を薬局83Bに配達する際に受取ってもよいし、新聞配達とは別に、薬局83Bに取りに行ってもよい。また、薬局83Bが処方薬RをB販売店41に届けてもよい。
【0123】
処方薬Rを受け取ったB販売店41は、処方薬Rに付された配送先伝票333に印刷された配送先情報に従って、B販売店41から配送先42へ、新聞と一緒に処方薬Rを個配する(矢印R4、P42)。B販売店41は、これに限らず、新聞とは別に処方薬Rを配送してもよい。
【0124】
なお、配送先がB管轄エリア4外である場合、上述したように、新聞印刷所5経由で、当該配送先を管轄する他販売所へ処方薬Rが配送され、当該他販売所から配送先42へ処方薬Rが配送される。
【0125】
これにより、新聞配送網および販売店コードを利用して、効率的に処方薬Rを患者の自宅等に配送することができる。
【0126】
なお、配送先42が過疎地等の場合は、連携する介護タクシー業者等が、B販売店41から処方薬Rを受け取り、処方薬Rを配送先42に配送してもよい。
(配送先がコンビニエンスストアの場合)
【0127】
利用者82は、利用者82の自宅の近傍の薬局83Bに、利用者82の自宅の近傍のコンビニエンスストア5D(不図示)まで、処方薬Rの配送をメール等で依頼してもよい。なお、コンビニエンスストア5Dは、処方薬Rの配送業務と連携している複数のコンビニエンスストアのうちの一つである。
【0128】
配送票作成装置33は、利用者82が配送を希望するコンビニエンスストア5Dの住所データに対応する販売店コードを、販売店コード管理サーバ6から取得する。この例では、コンビニエンスストア5Dの住所を含む管轄エリアはB管轄エリア4であり、管轄する新聞販売店はB販売店41となる。つまり、薬局83B、B販売店41、およびコンビニエンスストア5Dは、全て同じB管轄エリア4内に位置している。
【0129】
配送票作成装置33は、QRコード伝票332、およびコンビニエンスストア5Dへの配送先情報を印刷した配送先伝票333を作成する。QRコード伝票332および配送先伝票333は、処方薬Rの包装に貼付けられる。
【0130】
薬局83Bは、同じB管轄エリア4内に位置するB販売店41に、新聞印刷所5を介さずに直接、処方薬Rを集荷する。処方薬Rは、B販売店41が新聞を薬局83Bに配達する際に受取ってもよいし、新聞配達とは別に、薬局83Bに取りに行ってもよい。また、薬局83Bが処方薬RをB販売店41に届けてもよい。
【0131】
処方薬Rを受け取ったB販売店41は、処方薬Rに付された配送先伝票333に印刷された配送先情報に従って、B販売店41からコンビニエンスストア5Dへ、新聞と一緒に処方薬Rを個配する(矢印R4、P42)。B販売店41は、これに限らず、新聞とは別に処方薬Rを配送してもよい。
【0132】
このとき、B販売店41またはコンビニエンスストア5D等から、コンビニエンスストア5Dへの配送が完了した旨の通知が、利用者82になされる。通知を受けた利用者82は、コンビニエンスストア5Dへ処方薬Rを取りに行く。
【0133】
〔実施形態6〕
以下では、新聞とは異なる荷物である商品Qを、新聞配達網を利用して配送する場合を例に挙げて説明する。しかし、これに限定されず、処方箋薬局およびドラッグストア等から発送された処方薬R、任意の送り主から発送される任意の荷物(例えば、家族への仕送りされる物品)等も、新聞配達網を利用して配送可能である。
【0134】
本実施形態においては、配達順路管理装置412について説明する。A販売店31の配達順路管理装置312、および、後述するD販売店41aの配達順路管理装置412aは、配達順路管理装置412と同様の機能を備えていてもよい。
【0135】
<配送方法1Eの概観>
図11は、実施形態6に係る配送方法1Eの一例を説明する図である。図中に示される太線の矢印は「商品Q(荷物)」の流れ、点線の矢印は「新聞」の流れ、1点鎖線の矢印は「情報等」の流れを示す。
【0136】
A管轄エリア3内には、例えば、A管轄エリア3を管轄するA販売店、および、配送先39が含まれる。A販売店31は、A管轄エリア3内の新聞の販売、配達、および商品Qの配送を独占して行う新聞販売店である。配送先39は商品Qの配送先であり、商品Qを配送する家や企業等である。
【0137】
A販売店コード311は、A販売店31の販売店コードである。A販売店コード311を含む配送票331および/またはQRコード伝票332が貼付けられた商品Qは、A販売店31に配送される(Q1)。商品Qを受け取ったA販売店31は、商品Qに付された配送先伝票333に印刷された配送先情報に従って、A販売店31から配送先39へ、新聞と一緒に商品Qを個配する(矢印Q5、P33、個配ステップ)。A販売店31は、これに限らず、新聞とは別に商品Qを配送可能である。
【0138】
A販売店31には、配達順路管理装置312が設置されていてもよい。配達順路管理装置312は、A管轄エリア3における新聞の配達先および配達順路に関する配達順路情報を管理するコンピュータである。配達順路情報には、A販売店31の配達員に関する情報(配達員の勤怠情報を含む)、新聞購読者の住所等に関する情報、および新聞配達時の配達順路を示す配達順路に関する情報等が含まれていてもよい。
【0139】
配達順路管理装置312は、A販売店31の店員によって使用されるコンピュータであり、店員が携帯可能なタブレットおよびスマートフォン等であってもよいし、A販売店31内に設置されたコンピュータであってもよい。
【0140】
B管轄エリア4内には、例えば、B管轄エリア4を管轄するB販売店、および、配送先42が含まれる。B販売店41は、B管轄エリア4内の新聞の販売、配達、および商品Qの配送を独占して行う新聞販売店である。配送先42は商品Qの配送先であり、商品Qを配送する家や企業等である。
【0141】
B販売店コード411は、B販売店41の販売店コードである。B販売店コード411を含む配送票331、QRコード伝票332、および/または、配送先伝票333が貼付けられた商品Qは、B販売店41に配送される。商品Qを受け取ったB販売店41は、商品Qに付された配送先伝票333に印刷された配送先情報に従って、B販売店41から配送先42へ商品Qを個配する(矢印Q4、P42、個配ステップ)。
【0142】
B販売店41には、配達順路管理装置412が設置されていてもよい。配達順路管理装置412は、B管轄エリア4における新聞の配達先および配達順路に関する配達順路情報を管理するコンピュータである。配達順路情報には、B販売店41の配達員に関する情報(配達員の勤怠情報を含む)、新聞購読者の住所等に関する情報、および新聞配達時の配達順路を示す配達順路に関する情報等が含まれていてもよい。
【0143】
配達順路管理装置412は、B販売店41の店員によって使用されるコンピュータであり、店員が携帯可能なタブレットおよびスマートフォン等であってもよいし、B販売店41内に設置されたコンピュータであってもよい。配達順路管理装置412の詳細については後述する。
【0144】
<配達順路管理装置412の構成>
図12は、配達順路管理装置412の要部構成の一例を示すブロック図である。図12に示すように、配達順路管理装置412は、入力部47、配達順路管理装置412を統括的に制御する制御部4121、制御部4121が使用する各種データを記憶する記憶部4122、および印刷部48を備えている。なお、A販売店31の配達順路管理装置312は、配達順路管理装置412と同様の機能を備えるため、説明を省略する。
【0145】
制御部4121は、配送先住所取得部41211(配送先取得部)、配達員個配地域コード取得部41212(個配地域取得部、順路取得部)、順路再編成部41213、および出力制御部41214を備える。
【0146】
各新聞販売店は、配達員の各々の配達員個配地域を示す配達員個配地域コードを管理していてもよい。記憶部4122は、各配達員の配達順路情報および配達員個配地域コード情報を含む配達員個配地域コード情報DB41221を記憶している。
【0147】
入力部47は、例えば、読取部471、キーボード472、タッチパネル473等を備える。
【0148】
読取部471は、B販売店41に届いた商品Qに貼付されている配送先伝票333に含まれる配送先を示す配送先情報を読み取る。読取部471は、配達順路管理装置412と通信可能な、配達順路管理装置412とは別体の任意の装置であってもよい。読取部471は、例えば、配達順路管理装置412と通信可能に接続されたカメラを用いたOCR(Optical Character Recoanition)システムを含んでいてもよい。
【0149】
キーボード472およびタッチパネル473は、配達順路管理装置412を使用する店員による各種操作を受け付ける。例えば、配送先伝票333に含まれる配送先を示す配送先情報は、人によって配達順路管理装置412に入力されてもよい。
【0150】
配送先住所取得部41211は、新聞とは異なる商品Qの配送先を示す配送先情報を取得する。配送先情報は、配送先住所を示す情報、および商品Qの受取人を示す情報等を含んでいてもよい。配送先住所取得部41211は、入力部47を介して配送先情報を取得する。以下、配送先情報が配送先住所を示す情報である場合を例に挙げて説明する。
【0151】
配達員個配地域コード取得部41212は、標品Qの配送先住所を含む個配先領域に対応する個配先第1コードを取得する。また、配達員個配地域コード取得部41212は、取得した個配先第1コードに対応する当該配達員個配地域に設定された配達順路を示す配達順路情報を取得する。
【0152】
例えば、取得された配送先住所が既存の新聞購読者の住所(すなわち新聞の個配先)である場合、配達員個配地域コード取得部41212は、配達員個配地域コード情報データベース(配達員個配地域コード情報DB)41221を参照して、当該配送先住所を含む個配先領域に対応する個配先第1コードを取得する。個配先第1コードについては、後に説明する。配達員個配地域コード取得部41212は、取得した個配先第1コードに対応する既存の配達順路、および/または、当該配達員個配地域を担当する配達員を特定してもよい。このように、新聞販売店は、各新聞販売店の配達員が新聞を個配する配達員個配地域を少なくとも1つ管轄するとともに、各配達員個配地域には新聞を個配する配達順路が設定されている。
【0153】
例えば、取得された配送先住所が既存の新聞購読者の住所では無い場合、配達員個配地域コード取得部41212は、配達員個配地域コード情報DB41221を参照して、取得された配送先住所を含む既存の個配先領域を特定する。また、配達員個配地域コード取得部41212は、当該個配先領域に対応する個配先第1コードを取得し、取得した個配先第1コードに対応する既存の配達順路を特定する。
【0154】
順路再編成部41213は、既存の配達順路に配送先を追加して配達順路を再編成する。順路再編成部41213は、配送先住所の近辺を通る既存の配達順路から、商品Qの配送先住所を含む新配達順路を作成する。なお、既存の配達順路に、新たな配達先を追加して、配達順路を再編成する処理には、既存のアルゴリズムが利用できる。
【0155】
ここで、配達員個配地域コード取得部41212は、配送先住所、および/または取得した個配先第1コードに新配達順路を関連付けて、配達員個配地域コード情報DB41221に登録してもよい。新配達順路は、既存の新聞購読者の住所と商品Qの配送先住所とを含む配達順路である。たとえば、次回以降、同じ配送先に商品Qまたは商品Qとは異なる荷物を配送する場合に、新配達順路は活用され得る。
【0156】
出力制御部41214は、配達員個配地域コード取得部41212が取得した配達員個配地域コード等を含む配送票等を印刷部48に印刷させてもよい。印刷された配送票が添付された商品Qは、配送票に示された配達員個配地域コードに対応する配達員個配地域を担当する配達員によって配送される。配達員が所持する端末で配達順路が確認できるように、配達員が利用する(携帯可能であってもよい)端末装置に当該配達順路を出力してもよい。
【0157】
上記の構成によれば、新聞以外の荷物をB販売店41が、配送先42へ効率的に配送する配達順路を管理することができる。例えば、B販売店41は、既存の新聞購読者への新聞の個配順路および配達員を活用して、新聞以外の荷物を配送先に効率よく配送することができる。
【0158】
<配達員個配地域コード情報データベース41221>
次に、配達員個配地域コード情報データベース41221について図13を用いて説明する。図13は、配達員個配地域コード情報データベース41221のデータ構造の一例を示す図である。配達員個配地域コード情報データベース41221は、販売店コード「0005」であるB販売店41の配達員毎の個配地域コードを含んでいる。
【0159】
配達員個配地域コード情報データベース41221は、B販売店41の各配達員が担当する個配地域に関する情報を含んでいてもよい。個配地域に関する情報は、個配先の領域情報(個配先第1コード)、個配先の番地情報(個配先第2コード)、および配達順路における起点位置を示す情報、等を含んでいてもよい。ここで、起点位置は、配達順路において最初の配達先となる位置である。また、個配地域に関する情報は、個配先住所を示す情報、新聞購読の契約者(例えば個配先の住人の名前および個配先の名称)に関する情報、配達順路を示した地図情報、等を含んでいてもよい。
【0160】
販売店コードは、一例において、4桁の英数字「xxxx」によって示される。個配先第1コードは、一例において、4桁の英数字「yyyy」によって示される。個配先第2コードは、一例において、3桁の英数字「zzz」によって示される。この場合、販売店コードを含めた配達員個配地域コードは、「xxxx-yyyy-zzz」と表記され得る。例えば、B販売店41の場合、配達員個配地域コードは、「0005-yyyy-zzz」と表記される。
【0161】
例えば、新聞購読者の住所が「○○市東町1丁目N1番地n1号」であれば、当該住所に対応する配達員個配地域コードは「0001-001」であり、当該住所への新聞配達を担当する配達員は、配達員IDが「D1」である配達員である。例えば、新聞購読者の住所が「○○市東町2丁目T1番地t1号」であれば、当該住所に対応する配達員個配地域コードは「0025-001」であり、当該住所への新聞配達を担当する配達員は、配達員IDが「D25」である配達員である。なお、B販売店41が配達する新聞の個配先、および商品Qの配送先の販売店コードはすべて「0005」であるため、ここでは、個配先第1コードおよび個配先第2コードのみを示している。
【0162】
図14は、既存の配達順路の一例を示す図である。配達員IDが「D1」である配達員は、図14に示す配達順路を示す順路に従って個配を行う。図14に示す順路は、以下である。図14において、黒い星マーク「★」は既存の新聞購読者の住所を示している。
・まず、「○○市東町1丁目N1番地n1号」(配達員個配地域コードは「0001-001」)が起点位置。
・次に、「○○市東町1丁目N3番地n2号」(配達員個配地域コードは「0001-520」)。
・次に、「○○市東町1丁目N5番地n3号」(配達員個配地域コードは「0001-022」)。
【0163】
上記の構成によれば、新聞以外の荷物である商品Qを配送先近くの新聞販売店が効率的に配送する配達順路を管理することができる。例えば、B販売店41は、既存の新聞購読者への新聞の個配順路および配達員を活用して、商品Qを配送先42に効率よく配送することができる。
【0164】
例えば、商品Qの配送先住所が「○○市東町1丁目N3番地n2号」であれば、配達員個配地域コード取得部41212は、配達員個配地域コード「0001-520」を取得する。
【0165】
例えば、商品Qの配送先住所が「○○市東町1丁目N4番地n4号」であり、配達員個配地域コード情報データベース41221に無い場合、配達員個配地域コード取得部41212は、配達員個配地域コード情報DB41221を参照して、当該配送先住所を含む配達員個配地域に対応する配達員個配地域コード(例えば「0001」)を取得する。さらに、配達員個配地域コード取得部41212は、取得した配達員個配地域コードが示す個配先を含む配達順路(例えば、図14に示す配達順路)を特定する。なお、図15に示す例では、商品Qの配送先住所「○○市東町1丁目N4番地n4号」には、配達員個配地域コード「0001-0250」が割り当てられている。
【0166】
順路再編成部41213は、既存の配達順路(例えば、図14に示す配達順路)に商品Qの配送先住所を追加して配達順路(例えば、図15に示す配達順路)を再編成する。順路再編成部41213は、配送先住所の近辺を通る既存の配達順路から、商品Qの配送先住所を含む新配達順路を作成する。図15は、新配達順路の一例を示す図である。図15に示す順路は、以下である。図15において、黒い星マーク「★」は既存の新聞購読者の住所を示しており、黒い三角形マークは商品Qの配送先住所を示している。
・まず、「○○市東町1丁目N1番地n1号」(配達員個配地域コードは「0001-001」)が起点位置。
・次に、「○○市東町1丁目N3番地n2号」(配達員個配地域コードは「0001-520」)。
・次に、商品Qの配送先住所である「○○市東町1丁目N4番地n4号」(配達員個配地域コードは「0001-250」)。
・次に、「○○市東町1丁目N5番地n3号」(配達員個配地域コードは「0001-022」)。
【0167】
この構成によれば、B販売店41は、商品Qの配送先が既存の新聞購読者への新聞の個配順路には含まれていない場合であっても、既存の配達順路を再編成した新配達順路に従って、商品Qを配送先42に効率よく配送することができる。
【0168】
配達員が朝刊の配達担当または夕刊の配達担当である場合、配達車が勤務時間外のため不在である場合が想定される。このような場合、商品Qを配送する配達順路および配達員を決定しても、当該配達員が不在である可能性がある。そこで、取得した配達員個配地域コードに対応する配達員個配地域を担当する配達員が商品Qを配送できない場合、配達員個配地域コード取得部41212は、当該配達員個配地域とは異なる配達員個配地域である代行配達員個配地域を決定してもよい。そして、配達員個配地域コード取得部41212は、決定した代行配達員個配地域を示す代行配達員個配地域コードに対応する配達員個配地域に設定された配達順路を示す配達順路情報を取得してもよい。この場合、順路再編成部41213は、配達員個配地域コード取得部41212が取得した代行配達員個配地域に設定された配達順路を、商品Qの配送先を追加して再編成すればよい。
【0169】
例えば、配達員IDが「D1」である配達員が不在であっても、B販売店41の他の配達員が代行して、商品Qを配送先42に配送することが可能である。例えば、配達員IDが「D25」である配達員が代行する場合、順路再編成部41213は、配達員個配地域コード取得部41212が取得した個配先第1コードが「0025」である配達員個配地域に設定された配達順路を、商品Qの配送先を追加して再編成すればよい。
【0170】
B販売店41には配達員が常駐している。商品Qを配送先42に配送することに最適な配達員が不在であっても、代行配達員の既存の配達順路を再編成した新配達順路に従って、当該代行配達員が商品Qを配送先42に効率よく配送することができる。
【0171】
<配達順路管理装置412が行う処理>
次に、配達順路管理装置412が実行する配達順路管理方法について、図16を用いて説明する。図16は、配達順路管理装置412が行う処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す処理における各工程の順序はこれに限定されるものではなく、適宜、順序を変更して、あるいは、同時に実行されてもよい。
【0172】
まず、配送先住所取得部41211は、商品Qに貼付された配送先伝票333に記載の配送先住所を取得する(S11)。
【0173】
次に、配達員個配地域コード取得部41212は、取得した配送先住所は既存の新聞購読者の住所か否かを判定する(S12)。取得した配送先住所は既存の新聞購読者の住所である場合(S12にてYES)、配達員個配地域コード取得部41212は、当該配送先住所を含む個配先領域に対応する個配先第1コードを取得する(S13)。
【0174】
次に、配達員個配地域コード取得部41212は、取得した個配先第1コードに対応する既存の配達順路、および/または、当該配達順路によって配送する配達員を特定する(S14)。
【0175】
一方、取得した配送先住所は既存の新聞購読者の住所ではない場合(S12にてNO)、配達員個配地域コード取得部41212は、当該配送先住所を含む既存の個配先領域を特定し、当該個配先領域に対応する個配先第1コードを取得する(S15)。そして、S15にて取得した個配先第1コードに対応する既存の配達順路を特定する(S16)。
【0176】
次に、順路再編成部41213は、配達員個配地域コード取得部41212が特定した既存の配達順路を再編成して、配送先住所を含む新配達順路を作成する(S17)。
【0177】
続いて、配達員個配地域コード取得部41212は、配送先住所、および/またはS15にて取得した個配先第1コードに、新配達順路を関連付けて配達員個配地域コード情報DB41221に登録してもよい(S18)。配達員個配地域コード取得部41212は、新配達順路に従って配送する配達員を特定する(S19)。
【0178】
次に、配達員個配地域コード取得部41212は、特定した配達員が配送可能か否かを判定する(S20)。例えば、配達員個配地域コード情報DB41221に配達員の勤怠に関する情報が含まれていれば、配達員個配地域コード取得部41212は、配達員個配地域コード情報DB41221を参照して、特定した配達員が配送可能か否かを判定してもよい。あるいは、特定した配達員が配送可能か否かをB販売店41に駐在する者に判断させるための表示を表示装置(図示せず)等に提示してもよい。この場合、配達員個配地域コード取得部41212は、B販売店41に駐在する者によって入力部47を介して入力された判断結果に基づいて、特定した配達員が配送可能か否かを判定すればよい。
【0179】
もし、配達員個配地域コード取得部41212が特定した配達員が商品Qを配送先42に配送可能であれば(S20にてYES)、処理は終了する。
【0180】
一方、配達員個配地域コード取得部41212が特定した配達員が不在等の理由により配送不可であれば(S20にてNO)、配達員個配地域コード取得部41212は、S14またはS19にて特定した配達員が担当する配達先領域に隣接する(または近い)個配先領域を特定し、特定した個配先領域に対応する個配先第1コードを取得し、当該個配先第1コードに対応する既存の配達順路を特定する(S21)。この場合は、配送可能な配達員が特定されるまでS17~S20の処理が繰り返される。あるいは、S21の代替として、配達員個配地域コード取得部41212は、商品Qを配送可能な配達員に関する情報を、B販売店41に駐在する者に入力させる構成であってもよい。この場合、配達順路管理装置412は、S17~S20の処理をもう一度繰り返せばよい。
【0181】
〔実施形態7〕
商品Qの配送先がB管轄エリア4内である場合、当該商品QはB販売店41に配送される。しかし、B販売店41の配達員によって当該商品Qの配送が困難である場合も想定される。このような場合、B管轄エリア4の近隣のD管轄エリア4aにて新聞を配達しているD販売店41aの配達員に商品Qの配送代行を依頼してもよい。
【0182】
<配送方法1Fの概観>
図17は、実施形態7に係る配送方法1Fの一例を説明する図である。図中に示される太線の矢印は「商品Q(荷物)」の流れ、点線の矢印は「新聞」の流れ、1点鎖線の矢印は「情報等」の流れを示す。
【0183】
D管轄エリア4a内には、例えば、D管轄エリア4aを管轄するD販売店、および、配送先42aが含まれる。D販売店41aは、D管轄エリア4a内の新聞の販売、配達、および商品Qの配送を独占して行う新聞販売店である。配送先42aは商品Qの配送先であり、商品Qを配送する家や企業等である。
【0184】
D販売店コード411aは、D販売店41aの販売店コードである。D販売店コード411aを含む配送票331および/またはQRコード伝票332が貼付けられた商品Qは、D販売店41aに配送される(Q3a)。商品Qを受け取ったD販売店41aは、商品Qに付された配送先伝票333に印刷された配送先情報に従って、D販売店41aから配送先42aへ、新聞と一緒に商品Qを個配する(Q4a、P42a、個配ステップ)。D販売店41aは、これに限らず、新聞とは別に商品Qを配送可能である。
【0185】
D販売店41aには、配達順路管理装置412aが設置されていてもよい。配達順路管理装置412aは、D管轄エリア4aにおける新聞の配達先および配達順路に関する配達順路情報を管理するコンピュータである。配達順路情報には、D販売店41aの配達員に関する情報(配達員の勤怠情報を含む)、新聞購読者の住所等に関する情報、および新聞配達時の配達順路を示す配達順路に関する情報等が含まれていてもよい。
【0186】
配達順路管理装置412aは、D販売店41aの店員によって使用されるコンピュータであり、店員が携帯可能なタブレットおよびスマートフォン等であってもよいし、D販売店41a内に設置されたコンピュータであってもよい。
【0187】
B販売店コード411を含む配送票331および/またはQRコード伝票332が貼付けられた商品Qは、B販売店41に配送される(Q3)。商品Qを受け取ったB販売店41が配送先42へ当該商品Qを配送できない場合、D販売店41aが、当該商品QをB管轄エリア4内の配送先42に配送してもよい。
【0188】
この場合、配達員個配地域コード取得部41212は、B販売店41の配達員が商品Qを配送先42に配送できない場合、B販売店と管轄する地域が隣接するD販売店41aを代行販売店(代行新聞販売店)として決定してもよい。B販売店の配達員のいずれかがD販売店41aまで商品Qを配送する(Q6)。
【0189】
例えば、配達順路管理装置412aの記憶部には、配達員個配地域コード情報データベース41221と同様の配達員個配地域コード情報データベース41221aが格納されている。図18は、配達員個配地域コード情報データベース41221aのデータ構造の一例を示す図である。配達員個配地域コード情報データベース41221aは、販売店コード「0006」であるD販売店41aの配達員毎の個配地域コードを含んでいる。
【0190】
図17のQ6により商品Qを受け取ったD販売店41aの配達順路管理装置412aは、商品Qに付された配送先伝票333に印刷された配送先情報を取得し、図16に示す処理のうち、S15~S21の処理を実行すればよい。配達順路管理装置412aによって特定された配達順路に従い、D販売店41aの配達員が配送先42へ商品Qを配送する(Q7)。例えば、商品Qの配送先住所が「○○市西町5丁目」に近い場合、配達順路管理装置412aは、D販売店41aの配達員IDが「Da17」である配達員の既存の配達順路に、商品Qの配送先住所を加えた新配達順路を作成する。配達員IDが「Da17」である配達員は、新配達順路に従って、商品Qを配送する。
【0191】
B販売店41において、商品Qを配送先42に配送することに最適な配達員が不在であっても、代行新聞販売店(例えば、D販売店41a)の配達員の既存の配達順路を再編成した新配達順路に従って、当該配達員が商品Qを配送先に効率よく配送することができる。
【0192】
〔実施形態8〕
各新聞販売店の配達員の各々の配達員個配地域を示す配達員個配地域コード(例えば、個配先第1コード)を、販売店コード管理サーバ6にて管理する構成であってもよい。上記実施形態1~7では、商品Qに貼付される配送票331には、配送先42を、新聞を個配する管轄地域に含むB販売店41を示す販売店コード「0005」のみが含まれる場合を例に挙げて説明したが、本発明は、この構成に限定されない。
【0193】
販売店コード管理サーバ6の販売店コード情報DB61に、各新聞販売店の販売店コードに加え、新聞販売店毎の配達員個配地域コード情報も登録されていてもよい。この場合、配送票作成装置33は、販売店コード管理サーバ6から取得した販売店コードおよび新聞販売店毎の配達員個配地域コード情報を、配送票331に記載する販売店コードとして決定してもよい。そして、配送票作成装置33は、販売店コードおよび当該販売店の配達員個配地域コード情報も含む配送票331、QRコード伝票332、および配送先伝票333等を作成可能である。
【0194】
商品Qに貼付された配送先伝票333には、配送先42を新聞を個配する管轄地域に含むB販売店41を示す販売店コード「0005」および配達員個配地域コードが一体化された配達員個配地域コードが印刷されていてもよい。ここで、配達員個配地域コードは、個配先第1コード(yyyy)(例えば、「0001」)を含んでいてもよい。なお、配達員個配地域コードは、さらに、個配先第2コード(zzz)(例えば、「520」)を含んでいてもよい。
【0195】
この場合、配送先伝票333から「0005-0001」を取得することができるため、配達員個配地域コード取得部41212が図16におけるS12~S13等の処理を行う必要はない。商品Qを配送先に配送するB販売店41では、配送先伝票333から「0005-0001」を取得して、配達順路の特定または再編成を行えばよい。
【0196】
〔ソフトウェアによる実現例〕
配達順路管理装置312、412、412a(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部3121、4121、4121aに含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0197】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0198】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0199】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0200】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0201】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0202】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F 配送方法
3 A管轄エリア
4 B管轄エリア
4a D管轄エリア
6 販売店コード管理サーバ(記憶部)
7 C管轄エリア
31 A販売店(集荷側新聞販売店)
33 配送票作成装置(配送票作成部)
41 B販売店(個配側新聞販売店)
41a D販売店(個配側新聞販売店)
39、42、42a 配送先
51A,51B 配送車(配送車両)
71 C販売店(集荷側新聞販売店)
100 作成システム
331 配送票
332 QRコード伝票(配送票)
333 配送先伝票(配送票)
342 配送先情報取得部
343 販売店コード決定部
312、412、412a 配達順路管理装置
41211 配送先住所取得部(配送先取得部)
41212 配達員個配地域コード取得部(個配地域取得部、順路取得部)
41213 順路再編成部
41221 配達員個配地域コード情報データベース
Q 商品(荷物)
R 処方薬(荷物)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図16
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図18