IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイヤトレンド株式会社の特許一覧

特開2024-97453作業工程動画公開装置、方法及びシステム
<>
  • 特開-作業工程動画公開装置、方法及びシステム 図1
  • 特開-作業工程動画公開装置、方法及びシステム 図2
  • 特開-作業工程動画公開装置、方法及びシステム 図3
  • 特開-作業工程動画公開装置、方法及びシステム 図4
  • 特開-作業工程動画公開装置、方法及びシステム 図5
  • 特開-作業工程動画公開装置、方法及びシステム 図6
  • 特開-作業工程動画公開装置、方法及びシステム 図7
  • 特開-作業工程動画公開装置、方法及びシステム 図8
  • 特開-作業工程動画公開装置、方法及びシステム 図9
  • 特開-作業工程動画公開装置、方法及びシステム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097453
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】作業工程動画公開装置、方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20240711BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20240711BHJP
   G05B 19/418 20060101ALN20240711BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q10/06
G05B19/418 Z
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000906
(22)【出願日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】300059692
【氏名又は名称】ダイヤトレンド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】宮下 清哉
(72)【発明者】
【氏名】正守 聡
【テーマコード(参考)】
3C100
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100AA38
3C100AA57
3C100AA58
3C100BB17
3C100BB34
3C100CC03
5L010AA06
5L049AA06
5L049CC04
5L050CC04
(57)【要約】
【課題】作業状況を容易に確認できるように公開する装置、方法及びシステムを提供する。
【解決手段】作業を撮影した動画を公開するための作業工程動画公開装置であって、作業を撮影させることにより撮影動画データを取得する動画撮影管理部と、1又は複数の工程を含む作業中の各工程の内容及び各工程の完了を記録した個別工程動画データを取得する個別工程動画取得部と、撮影動画データ及び個別工程動画データを合成することにより公開用動画データを作成する動画編集部と、公開用動画データをストレージに格納することと格納場所に対応するアクセス情報を取得することを行うアクセス情報取得部と、アクセス情報を用いた公開要求を受け取ることに応じて、ストレージから取得した公開用動画データを、公開要求した端末に送信する公開実行部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の工程を含む作業を撮影した動画を公開するための作業工程動画公開装置であって、
撮影装置を制御して作業を撮影させることにより撮影動画データを取得する動画撮影管理部と、
1又は複数の工程を含む作業中に各工程の内容及び各工程の完了を記録した個別工程動画データを取得する個別工程動画取得部と、
前記撮影動画データ及び前記個別工程動画データを合成することにより公開用動画データを作成する動画編集部と、
前記公開用動画データのストレージへの格納と、前記公開用動画データの格納場所に対応するアクセス情報の取得とを行うアクセス情報取得部と、
通信ネットワークを介して前記アクセス情報を用いた公開要求を受け取ることに応じて、前記ストレージから取得した公開用動画データを、公開要求した端末に送信する公開実行部と、を有する作業工程動画公開装置。
【請求項2】
前記個別工程動画取得部は、1又は複数の工程を含む作業の各工程の完了情報を入力させるための画面を作業者端末に表示させ、前記作業者端末への入力に基づく画面の遷移をキャプチャ録画することにより、前記個別工程動画データを取得することを特徴とする請求項1に記載の作業工程動画公開装置。
【請求項3】
作業の各工程が未完了であることを示す画面を初期画面として前記作業者端末に表示させ、
各工程の完了時に作業者端末に入力された工程完了情報を受け取り、
前記工程完了情報を受け取ることに応じて、当該工程が完了したことを示すマークを前記作業者端末に表示させることを特徴とする請求項2に記載の作業工程動画公開装置。
【請求項4】
作業の全工程の完了時に作業者端末に入力された全工程完了情報を受け取り、
前記全工程完了情報を受け取ることに応じて、画面のキャプチャ録画を終了し、
前記動画撮影管理部は、
前記個別工程動画取得部が全工程完了情報を受け取ったときに、前記撮影装置による撮影を終了させることを特徴とする請求項3に記載の作業工程動画公開装置。
【請求項5】
前記個別工程動画取得部は、1又は複数の工程を含む作業の各工程の完了情報を入力させるための画面を作業者端末に表示させ、前記作業者端末への入力に基づく画面の遷移を第2の撮影装置に撮影させることにより、前記個別工程動画データを取得することを特徴とする請求項1に記載の作業工程動画公開装置。
【請求項6】
作業対象の物品に付けるラベル、作業対象の物品自体、又は作業対象の物品の包装部材に印刷可能なプリンタを制御する印刷実行部を有し、前記印刷実行部は、前記アクセス情報を含む二次元コードを前記プリンタに印刷させることを特徴とする請求項1に記載の作業工程動画公開装置。
【請求項7】
前記動画撮影管理部は、
作業対象の物品に付された製品識別情報を読み取ったコードリーダから当該製品識別情報を取得したことに応じて、前記撮影装置による作業の撮影を開始させることを特徴とする請求項1に記載の作業工程動画公開装置。
【請求項8】
前記動画撮影管理部は、
作業対象の物品の一覧表を前記作業者端末に表示させ、前記一覧表から1つの物品を選択する情報を前記作業者端末から取得したことに応じて、前記撮影装置による作業の撮影を開始させることを特徴とする請求項1に記載の作業工程動画公開装置。
【請求項9】
前記ストレージがファイルストレージであり、前記アクセス情報取得部は、前記ファイルストレージの階層構造のディレクトリにおける前記公開用動画データが格納された場所を基にURLであるアクセス情報を作成することを特徴とする請求項1に記載の作業工程動画公開装置。
【請求項10】
前記ストレージがオブジェクトストレージであり、前記アクセス情報取得部は、前記オブジェクトストレージのオブジェクトとして格納された前記公開用動画データのIDであるURLをアクセス情報として取得することを特徴とする請求項1に記載の作業工程動画公開装置。
【請求項11】
前記アクセス情報が、作業対象の物品に一意に割り当てられたキーワードであることを特徴とする請求項1に記載の作業工程動画公開装置。
【請求項12】
アクセス情報をそれぞれ含む複数の二次元コードが予め印刷されており、前記アクセス情報取得部は、作業の全行程の完了時に前記複数の二次元コードのうちの1つから読み取られたアクセス情報を取得し、取得したアクセス情報に対応する前記ストレージの格納場所に前記公開用動画データを格納することを特徴とする請求項1に記載の作業工程動画公開装置。
【請求項13】
1又は複数の工程を含む作業を撮影した動画を公開するための作業工程動画公開方法であって、
撮影装置を制御して作業を撮影させることにより撮影動画データを取得する工程と、
1又は複数の工程を含む作業中の各工程の内容及び各工程の完了を記録した個別工程動画データを取得する工程と、
前記撮影動画データ及び前記個別工程動画データを合成することにより公開用動画データを作成する工程と、
前記公開用動画データのストレージへの格納と、前記公開用動画データの格納場所に対応するアクセス情報の取得とを行う工程と、
通信ネットワークを介して前記アクセス情報を用いた公開要求を受け取ることに応じて、前記ストレージから読み出した公開用動画データを、公開要求した端末に送信する工程と、をサーバコンピュータが実行する作業工程動画公開方法。
【請求項14】
前記個別工程動画データを取得する工程において、1又は複数の工程を含む作業の各工程の完了情報を入力させるための画面を作業者端末に表示させ、前記作業者端末への入力に基づく画面の遷移をキャプチャ録画することにより、前記個別工程動画データを取得することを特徴とする請求項13に記載の作業工程動画公開方法。
【請求項15】
前記個別工程動画データを取得する工程において、1又は複数の工程を含む作業の各工程の完了情報を入力させるための画面を作業者端末に表示させ、前記作業者端末への入力に基づく画面の遷移を第2の撮影装置に撮影させることにより、前記個別工程動画データを取得することを特徴とする請求項13に記載の作業工程動画公開方法。
【請求項16】
請求項1~12のいずれかに記載の作業工程動画公開装置と、
動画を撮影可能なカメラ機能と前記作業工程動画公開装置との間で通信可能な通信機能とを具備する撮影装置と、
印刷機能と前記作業工程動画公開装置との間で通信可能な通信機能とを具備するプリンタと、
前記作業工程動画公開装置との間で通信可能な通信機能を具備する作業者端末と、を有する作業工程動画公開システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品検査等の作業の信頼性を高めるためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
製品を製造し又は仕入れして顧客に販売する企業において、販売前に良品と不良品を選別する製品検査が行われている。例えば特許文献1では、製品の外観をカメラで撮影した撮影画像に基づき良品か不良品かを判断し、不良品の原因を調べるために画像を記憶する外観検査を行っている。
【0003】
特許文献2の作業評価装置では、製品組み立て時の作業者の実際の作業状態を動画として撮影すると共に、作業区域内のワークの状態を検知し、両者を関連付けて記憶する。さらに、製品の検査工程での検査情報も付加して記憶する。そして不良品発生の有無により作業者を評価する。
特許文献3の生産ラインにおける製品検査情報記録システムでは、物品の製造工程を撮影すると共に製品の検査工程終了後に良品と不良品をそれぞれ撮影し、各画像データと製品の識別データを関連付けて記憶する。顧客からクレームがあった場合に製造工程の画像及び検査工程終了後の画像を確認する。
【0004】
一般的には、製品に問題がないことを示す検査合格証、検品証などの書類を製品と共に梱包して製品の出荷が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8-334475号公報
【特許文献2】特開2005-242418号公報
【特許文献3】特開2008-293142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
検査合格証が同梱されていたにも拘わらず製品に初期不良があることも、全くないとは言えない。そのような事態が生じた場合は製品及び当該製品の提供者に対する信頼性が損なわれる。製品の信頼性をより高めるためには、製品検査の信頼性を高めることが重要である。しかしながら、上述した従来の製品検査記録技術は、主として製品提供者の内部での確認用に留まり、顧客に公開することを主目的としたものではなかった。上記特許文献3のシステムでも、購入者からクレームがあった場合、記録された画像を製品提供者が確認するが、その記録画像は購入者に公開することは想定されていない。また、複数の工程を含む作業では、個別の工程が適切に完了したかを記録することは十分に行われていない。現状では、実際に製品検査が行われたかどうかについて顧客が疑義を抱きかねないことがしばしば生じている。加えて、検査対象製品が多く、検査内容が多岐に渡る状況で、不特定多数の顧客に対して適切な検査証明書を発行することが難しいことも問題となっている。また、製品検査作業以外の作業においても、作業の各工程が正常に行われたかを後で証明又は確認したいという要望があり、その場合にも同様の問題がある。
【0007】
上記の現状から本発明は、製品検査状況等の作業状況を、作業完了後に容易に確認できる装置、方法及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を提供する。
本発明の態様は、1又は複数の工程を含む作業を撮影した動画を公開するための作業工程動画公開装置であって、
撮影装置を制御して作業を撮影させることにより撮影動画データを取得する動画撮影管理部と、
1又は複数の工程を含む作業中に各工程の内容及び各工程の完了を記録した個別工程動画データを取得する個別工程動画取得部と、
前記撮影動画データ及び前記個別工程動画データを合成することにより公開用動画データを作成する動画編集部と、
前記公開用動画データのストレージへの格納と、前記公開用動画データの格納場所に対応するアクセス情報の取得とを行うアクセス情報取得部と、
通信ネットワークを介して前記アクセス情報を用いた公開要求を受け取ることに応じて、前記ストレージから取得した公開用動画データを、公開要求した端末に送信する公開実行部と、を有する。
上記態様において、前記個別工程動画取得部は、1又は複数の工程を含む作業の各工程の完了情報を入力させるための画面を作業者端末に表示させ、前記作業者端末への入力に基づく画面の遷移をキャプチャ録画することにより、前記個別工程動画データを取得することを特徴とする。
上記態様において、作業の各工程が未完了であることを示す画面を初期画面として前記作業者端末に表示させ、
各工程の完了時に作業者端末に入力された工程完了情報を受け取り、
前記工程完了情報を受け取ることに応じて、当該工程が完了したことを示すマークを前記作業者端末に表示させることを特徴とする。
上記態様において、作業の全工程の完了時に作業者端末に入力された全工程完了情報を受け取り、
前記全工程完了情報を受け取ることに応じて、画面のキャプチャ録画を終了し、
前記動画撮影管理部は、
前記個別工程動画取得部が全工程完了情報を受け取ったときに、前記撮影装置による撮影を終了させることを特徴とする。
上記態様において、前記個別工程動画取得部は、1又は複数の工程を含む作業の各工程の完了情報を入力させるための画面を作業者端末に表示させ、前記作業者端末への入力に基づく画面の遷移を第2の撮影装置に撮影させることにより、前記個別工程動画データを取得することを特徴とする。
【0009】
上記態様において、作業対象の物品に付けるラベル、作業対象の物品自体、又は作業対象の物品の包装部材に印刷可能なプリンタを制御する印刷実行部を有し、前記印刷実行部は、前記アクセス情報を含む二次元コードを前記プリンタに印刷させることを特徴とする。
上記態様において、前記動画撮影管理部は、
作業対象の物品に付された製品識別情報を読み取ったコードリーダから当該製品識別情報を取得したことに応じて、前記撮影装置による作業の撮影を開始させることを特徴とする。
上記態様において、前記動画撮影管理部は、
作業対象の物品の一覧表を前記作業者端末に表示させ、前記一覧表から1つの物品を選択する情報を前記作業者端末から取得したことに応じて、前記撮影装置による作業の撮影を開始させることを特徴とする。
上記態様において、前記ストレージがファイルストレージであり、前記アクセス情報取得部は、前記ファイルストレージの階層構造のディレクトリにおける前記公開用動画データが格納された場所を基にURLであるアクセス情報を作成することを特徴とする。
上記態様において、前記ストレージがオブジェクトストレージであり、前記アクセス情報取得部は、前記オブジェクトストレージのオブジェクトとして格納された前記公開用動画データのIDであるURLをアクセス情報として取得することを特徴とする。
上記態様において、前記アクセス情報が、作業対象の物品に一意に割り当てられたキーワードであることを特徴とする。
上記態様において、アクセス情報をそれぞれ含む複数の二次元コードが予め印刷されており、前記アクセス情報取得部は、作業の全行程の完了時に前記複数の二次元コードのうちの1つから読み取られたアクセス情報を取得し、取得したアクセス情報に対応する前記ストレージの格納場所に前記公開用動画データを格納することを特徴とする。
【0010】
本発明の別の態様は、1又は複数の工程を含む作業を撮影した動画を公開するための作業工程動画公開方法であって、
撮影装置を制御して作業を撮影させることにより撮影動画データを取得する工程と、
1又は複数の工程を含む作業中の各工程の内容及び各工程の完了を記録した個別工程動画データを取得する工程と、
前記撮影動画データ及び前記個別工程動画データを合成することにより公開用動画データを作成する工程と、
前記公開用動画データのストレージへの格納と、前記公開用動画データの格納場所に対応するアクセス情報の取得とを行う工程と、
通信ネットワークを介して前記アクセス情報を用いた公開要求を受け取ることに応じて、前記ストレージから読み出した公開用動画データを、公開要求した端末に送信する工程と、をサーバコンピュータが実行する。
上記態様において、前記個別工程動画データを取得する工程において、1又は複数の工程を含む作業の各工程の完了情報を入力させるための画面を作業者端末に表示させ、前記作業者端末への入力に基づく画面の遷移をキャプチャ録画することにより、前記個別工程動画データを取得することを特徴とする。
上記態様において、前記個別工程動画データを取得する工程において、1又は複数の工程を含む作業の各工程の完了情報を入力させるための画面を作業者端末に表示させ、前記作業者端末への入力に基づく画面の遷移を第2の撮影装置に撮影させることにより、前記個別工程動画データを取得することを特徴とする。
【0011】
本発明のさらに別の態様は、上記いずれかに記載の作業工程動画公開装置と、
動画を撮影可能なカメラ機能と前記作業工程動画公開装置との間で通信可能な通信機能とを具備する撮影装置と、
印刷機能と前記作業工程動画公開装置との間で通信可能な通信機能とを具備するプリンタと、
前記作業工程動画公開装置との間で通信可能な通信機能を具備する作業者端末と、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、作業及びその個別工程を記録した動画を、作業完了後に容易に確認することができるため、製品等に対する信頼性及びその検査等の作業に対する信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の作業工程動画公開装置を含むシステムの全体構成の一例を概略的に示した構成図である。
図2図2は、図1のシステム構成の変形形態の一例を概略的に示した構成図である。
図3図3(a)(b)(c)は、図1又は図2の動画管理データベースの構成例を概略的に示した図である。
図4図4(a)(b)は、図1又は図2のストレージに格納された動画データを模式的に示している。
図5図5は、撮影動画データ及び個別工程動画データとしてのキャプチャ動画データを取得する処理フローの一例を概略的に示している。
図6図6は、図5の個別工程動画取得部の処理フローと共に、作業者端末及び作業者の操作の様子を模式的に示している。
図7図7は、撮影動画データ及び個別工程動画データを取得する処理フローの一例を概略的に示している。
図8図8は、公開用動画データの作成、アクセス情報(URL)の取得、及びラベル印刷の処理フローの一例を概略的に示している。
図9図9は、アクセス情報(URL)の取得及びラベル印刷の処理フローの別の例を概略的に示している。
図10図10は、公開用動画データの公開及び公開後の情報管理の処理フローの一例を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、例示としての図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の作業工程動画公開装置を含むシステムの全体構成の一例を概略的に示した構成図である。ここでは、1又は複数の工程を含む作業として、製品検査作業を例として説明するが、作業の種類は製品検査作業に限られない。その作業の各工程が正しい手順で行われたことの証明や確認が、後に必要となる可能性のある作業が対象となる。また、販売(有償)される製品よりも広い意味での物品が作業対象となる場合もある。例えば、販売目的ではなく無償で提供される物品である。また、公開用動画の公開先は、製品を購入する顧客とは限らず、製品提供者の内部(例えば企業内)での公開も含まれる。
【0015】
作業工程動画公開システムは、作業工程動画公開装置1を有する。作業工程動画公開装置1は、LAN(local area network)等の構内ネットワーク2を介して、作業者端末40、撮影装置50、プリンタ60、コードリーダ70等の各電子機器と接続されている。なお、これらの周辺装置を構内ネットワーク2を介して接続する形態は一例である。作業工程動画公開装置1は、インターネット3にも接続されている。
【0016】
図1にはさらに、製品検査作業を行っている作業者P、検査対象製品W、作業台、検査済の製品Wに付けるラベルL、出荷時に製品Wを梱包する包装部材B、及び製品を購入した顧客Cも模式的に示されている。製品Wは、例えば電気ケーブル、光学ケーブル等である。端末90は、インターネット3に接続可能なクライアントコンピュータであり、典型的には顧客Cが使用する。
【0017】
作業工程動画公開装置1は、所定のアプリケーションプログラムを実行するサーバコンピュータ(以下「サーバ」と称する)により構築される。図1ではサーバを1台の物理サーバとして示しているが、サーバは物理サーバでも仮想サーバでもよい。物理サーバの場合は1台である必要はなく、サーバにより実行される処理機能10の一部又は1つの処理機能の一部を複数の物理サーバに分散してもよい。また仮想サーバは、1台又は複数台の物理サーバの一部に所定のサーバ環境を構築したものでもよい。仮想サーバはインターネットを介して接続された物理サーバに設けてもよく、例えばクラウドサーバやVPS(Virtual Private Server)などである。
【0018】
図1では、作業工程動画公開装置1のハードウェア構成とソフトウェア構成を同時に示している。コンピュータとしてのハードウェア構成は、バスに接続されたCPU、メモリ(RAM、ROM等)、通信部、インターフェース、ストレージ30を少なくとも有する。作業工程動画公開装置1としての機能を実行するためのアプリケーションプログラムがストレージ30及び/又はROMにインストールされている。アプリケーションプログラムをRAMに読み込みCPUが演算処理を実行することにより、本発明の各処理機能10を実現する。これにより、サーバが作業工程動画公開装置1として稼動する。
【0019】
インターフェースは、作業者端末40、撮影装置50、プリンタ60、コードリーダ70、ストレージ30等の周辺装置に対するインターフェースとして機能する。通信部は、構内ネットワーク2又はインターネット3との通信処理を担う。作業工程動画公開装置1は、これらの通信ネットワークを介してこれらの通信ネットワークに接続された各機器との間でデータ伝送することができる。
【0020】
ストレージ30は、補助記憶装置であり、ハードディスクドライブ又はフラッシュメモリ装置(USBメモリ/メモリカード/SSD等)が好適である。図1の例では、ストレージ30を1台の外部ストレージとして示しているが、ストレージ30は、複数台の物理的なストレージの組み合わせでもよい。また、ストレージ30は、作業工程動画公開装置1の内部ストレージでもよい。別の例として、インターネット3を介してアクセス可能なオンラインストレージとすることもできる。
【0021】
作業者端末40は、サーバである作業工程動画公開装置1に対するクライアントコンピュータであり、作業工程動画公開装置1とデータ伝送するための通信機能と、入力機能と、表示機能とを少なくとも備えている。作業者端末40の入力機能は、表示機能を兼ねたタッチスクリーンであることが好ましい。作業者端末40は、例えばタブレット型コンピュータである。作業者端末40は、製品検査を行う作業者Pによって製品検査の作業中に使用される。したがって、例えば図1に示すように作業台の上において、検査作業に支障がなくかつ作業者が入力操作を行い易い場所に置かれる。
【0022】
撮影装置50は、動画を撮影可能なビデオカメラ機能と、作業工程動画公開装置1との間で通信するための通信機能とを少なくとも備えている。撮影装置50の機能は、作業工程動画公開装置1により遠隔制御可能である。例えば、撮影の開始及び終了、カメラのパン及びチルト並びにズームなどの制御である。そのために作業工程動画公開装置1は、適切なドライバソフトウェアを備えている。図1の撮影装置50の位置は、単に説明のためのものであり、実際には検査作業状況の撮影に適した位置に設置される。例えば、作業台を真上から撮すことができる適切な高さ位置に設置することによって、その撮影範囲内に作業者Pの両手と検査対象製品Wが入ることができる。撮影装置50は、1台だけでなく複数台とすることもできる。その場合、異なる画角から製品検査作業をそれぞれ撮影することができる。撮影装置50は、例えばネットワークカメラとすることができる。
【0023】
プリンタ60は、一般的な印刷機能と、作業工程動画公開装置1との間で通信するための通信機能とを少なくとも備えている。プリンタ60の機能は、作業工程動画公開装置1により遠隔制御可能である。そのために作業工程動画公開装置1は、適切なドライバソフトウェアを備えている。プリンタ60は、検査済の製品Wの出荷時に付けるラベルLを印刷するために用いられる。ラベルLは製品Wに直接貼付することが望ましい。ラベルLには、作業工程動画公開装置1から送信された二次元コードが印刷される。二次元コードは、例えばQRコード(登録商標)である。この二次元コードには、作業工程動画公開装置1において割り当てられた1つのURL(Uniform Resource Locator)等のアクセス情報が含まれる。
【0024】
コードリーダ70は、1つの例示的な実施形態において、撮影開始のトリガーとして用いられる。例えば、検査対象製品Wにバーコードや二次元コード等の製品識別情報が貼付又は印字されている場合、コードリーダ70は、その製品識別情報を読み取ることができる。コードリーダ70は、作業工程動画公開装置1との間で通信するための通信機能を備えている。図1の例では、コードリーダ70は構内ネットワーク2を介して作業工程動画公開装置1と接続される。別の例として、コードリーダ70を作業者端末40の周辺装置として作業者端末40に接続し、作業者端末40を介して作業工程動画公開装置1に読み取り情報を送信してもよい。一実施形態においては、コードリーダ70が読み取った製品識別情報を作業工程動画公開装置1に送信し、作業工程動画公開装置1が受信することに応じて、動画の撮影が開始される。撮影開始のトリガーとなる別の手段がある場合、コードリーダ70は不要である。
【0025】
なお、コードリーダ70が読み取るバーコードや二次元コード等には、製品Wの製品識別情報に加えて、製品Wの受注情報及び製品Wの検査項目を特定する情報等を含むことができる。作業工程動画公開装置1は、コードリーダ70からこれらの情報を受信し、動画管理データベース31に適宜格納する。
【0026】
作業工程動画公開装置1の処理機能10は、サーバの実行するアプリケーションプログラムにより実現される。図1に示した処理機能10は、説明の便宜上区分したものであって必ずしも明確な境界はない。各処理機能は完全に独立したものではなく互いに連係して動作する。
【0027】
主な処理機能10として、動画撮影部11、個別工程動画取得部12、動画編集部13、アクセス情報取得部14、印刷実行部15、公開実行部16、及び公開管理部17がある。
【0028】
動画撮影部11は、撮影装置50による動画撮影動作を制御する。例えば、動画撮影の開始と終了の指示を撮影装置50に送信する。動画撮影部11は、動画撮影中に撮影装置50から送信される撮影動画データを受信する。動画撮影部11は、受信した撮影動画データをバッファメモリ等に一時的に蓄積していき、撮影終了時に、1つの製品Wに対応する撮影動画データを取得する。複数台の撮影装置50を設けた場合は、1つの製品Wに対応する複数の撮影動画データが得られる。未編集の撮影動画データ32aをストレージ30に格納してもよい。これにより、未編集の撮影動画データ32aを後から確認できる。
【0029】
個別工程動画取得部12は、1又は複数の工程を含む作業中の各工程の内容及び各工程の完了を記録した個別工程動画データを取得する。一例として、個別工程動画取得部12は、作業者端末40に表示される画面をキャプチャ録画する。個別工程動画取得部12は、検査作業開始時に作業者端末40の画面に初期画面を表示させる。検査作業中、作業者Pは、製品検査の1又は複数の工程の各々の完了時に作業者端末にその工程の完了情報を入力する。個別工程動画取得部12は、この入力された工程完了情報を受け取り、それに応じて当該工程の完了マークを作業者端末40の画面に表示させる。各工程が完了する毎に、作業者端末40の画面は初期画面から次第に変化していく。個別工程動画取得部12は、その画面の遷移をキャプチャ録画する。そのようなアプリケーションは「画面録画」又は「スクリーンレコーディング」とも称される。作業完了時に、個別工程動画取得部12は、1つの製品Wに対応する1つのキャプチャ動画データを、個別工程動画データとして取得する。未編集の個別工程動画データ32bをストレージ30に格納してもよい。これにより、未編集の個別工程動画データ32bを後から確認できる。
【0030】
なお、作業者端末40は、シンクライアント(thin client)であることが好ましく、作業端末40の画面録画のためのアプリケーションは、サーバの個別工程動画取得部12で実行されることが好ましい。別の例として、画面録画のためのアプリケーションを作業者端末40で実行し、作業完了時に作業者端末40からサーバの個別工程動画取得部12にキャプチャ動画データを送信してもよい。
【0031】
個別工程動画取得部12の別の例として、作業者端末40の画面の遷移をキャプチャ録画することに替えて、作業者端末40の画面を撮影可能な位置に配置された第2の撮影装置(図示せず)に撮影させることによって個別工程動画データを取得してもよい。個別工程動画データは、第2の撮影装置から作業工程動画公開装置1へ送信され、個別工程動画取得部12がこれを受け取る。
【0032】
個別工程動画取得部12のさらに別の例として、1又は複数の工程を含む作業の各工程の内容を印刷した紙や記載したホワイトボード等を準備しておき、作業者Pは、各工程の完了時に紙又はホワイトボード等の上に完了マークを追記していく。それらの紙又はホワイトボード等を第2の撮影装置(図示せず)に撮影させることによって個別工程動画データを取得してもよい。個別工程動画データは、第2の撮影装置から作業工程動画公開装置1へ送信され、個別工程動画取得部12がこれを受け取る。
【0033】
動画編集部13は、動画撮影部11により取得された撮影動画データと、個別工程動画取得部12により取得された個別工程動画データとを読み込み、両者を合成することによって1つの公開用動画データを作成する。例えば、以下のような処理が含まれるが、これらの全てが必須ではない。
・撮影動画データと個別工程動画データの開始と終了を同期させる。
・1つの画面上における撮影動画と個別工程動画の配置と大きさを決定する。複数の撮影動画データがある場合は、複数の撮影動画を画面に配置する。
・撮影動画の前後にオープニングやエンディングの動画又は静画像を付加する。
・再生終了操作や一時停止操作のためのボタン機能を付加する。
・撮影用動画データ及び/又は個別工程動画データの必要部分のみを抽出して合成する(又は合成した後に必要部分を抽出する)。
【0034】
アクセス情報取得部14は、動画編集部13により作成された公開用動画データにURL等のアクセス情報を割り当てる。同時に、ストレージ30に公開用動画データ32cを格納する。公開用動画データ32cに割り当てるアクセス情報は、製品Wが顧客に引き渡された後に顧客が動画公開用ウェブサイトにアクセスして再生するためのものである。アクセス情報がURLの場合は、顧客がブラウザに当該URLを入力することで、当該URLに紐付けられた公開用動画にアクセスできる。またアクセス情報は、例えば英数字記号等の組合せからなるキーワードでもよい。その場合ユーザは、例えば、先ず製品提供者のウェブサイトにアクセスし、そのサイト内の所定の動画公開用ページで当該キーワードを入力することで、当該キーワードに紐付けられた公開用動画を見ることができる。したがって、このアクセス情報は、公開用動画データ32cの格納場所を示すものである。公開用動画データ32cの格納方式は、ストレージの管理方式によって複数の異なる態様が可能である。以下では主として、アクセス情報がURLである場合を例として説明する。
【0035】
ストレージ30がファイルストレージである場合、ファイルストレージの階層構造のディレクトリにおいて公開用動画データ32cが格納された場所を基にURLを作成する。例えば、https://で始まるURLのホスト名、ドメイン名に続くリソースへのパスの部分に公開用動画データ32cへのパスを入れる。よって、URLの末尾は、公開用動画データ32cのファイル名となり、公開用動画データ32cを一意に識別するキーとなる。アクセス情報取得部14は、公開用動画データ32cを格納すると同時にURLを作成する。
【0036】
別の例として、ストレージ30はオブジェクトストレージとすることができる。オブジェクトストレージでは階層構造がなく、公開用動画データ32cのファイルは個々のオブジェクトとして保存される。個々のオブジェクトにはID(固有の識別名)が付与される。ウェブサーバ機能による公開を想定するオブジェクトストレージの場合、個々のオブジェクトに対してURLがIDとして割り当てられる。URLの割り当ては、公開用動画データ32cを保存すると同時に実行されるので、アクセス情報取得部14は保存と同時に割り当てられたURLをアクセス情報として取得することができる。この場合も、URLの末尾が公開用動画データ32cを一意に識別するキーとなっている。
【0037】
印刷実行部15は、プリンタ60による印刷動作を制御する。印刷実行部15は、アクセス情報取得部14が公開用動画データ32cのURLを取得したとき、直ちにプリンタ60に対してURL情報を含むラベルLの印刷の実行を指示する。このラベルLには、URL情報を含む二次元コードが印刷されている(別の例として、アクセス情報がキーワードの場合はキーワードが印字されている)。このラベルLは、検査済の製品Wに付けられる。例えばラベルLの表面に二次元コードが印刷され、裏面は粘着剤と剥離紙が付いている場合、剥離紙を剥がして製品Wに貼付する。また、ラベルLの一部に孔が空いている場合、孔に通した結束バンドを製品Wに巻き付け固定する。ラベルLが製品Wから容易に脱落しないように製品Wに取り付ける。
【0038】
公開実行部16は、ストレージ30に保存された公開用動画データ32cを、インターネット等の通信ネットワークを介して公開するウェブサーバ機能を有する。すなわち公開用動画データ32cを公開する動画公開用ウェブサイトを構成するhtmlファイル等の各種ファイルを保有する。例えば、顧客Cの端末90から、製品Wに付されたURLを用いてインターネット3を介して公開要求があったとき、当該URLにより指定された公開用動画データ32cをストレージ30から読み出し、端末90に対して送信し、再生させる。その場合、公開用動画データ32cを自動再生させてもよい。
【0039】
公開管理部17は、公開を実行した記録を保管する。例えば、公開用動画データ32cを公開した日時、再生の完了又は未完、再生回数等を記録する。また、再生完了に対して顧客Cに特典としてクーポンを付与する場合、付与したクーポン数を記録し、その後に利用されたクーポン数を差し引くようなクーポン管理を行ってもよい。本装置にクーポンシステムを組み込むことで、販促機能を付与できる。
【0040】
図2は、図1のシステム構成の変形形態の一例を概略的に示した構成図である。図2では、作業工程動画公開装置1のみを示している。図2について、図1とは異なる部分のみを説明する。図2の形態では、インターネット3を介して接続された物理サーバに仮想的に設けられたオンラインサーバ1Aを作業工程動画公開装置1の一部として利用している。オンラインサーバ1Aには、ストレージ30及び処理機能10の一部を分担させている。
【0041】
図1では公開用動画データ32cはストレージ30に格納されていたが、図2の例では、オンラインサーバ1Aに設けられたオンラインストレージ30Aに格納される。図2の例では、オンラインサーバ1Aは、動画編集部13及びアクセス情報取得部14とも連係する。動画編集部13が、公開用動画データ32cをオンラインストレージ30Aに格納したとき、オンラインストレージ30Aが公開用動画データ32cにURLを割り当て、そのURLをアクセス情報取得部14に渡すようにできる。
【0042】
図2では、上述した公開実行部16のウェブサーバ機能をオンラインサーバ1Aが担当する。例えば、顧客Cの端末90から公開用動画データ32cのURLを用いてインターネット3を介して公開要求があったとき、オンラインサーバ1Aの公開実行部16が、当該URLにより指定された公開用動画データ32cをストレージ30Aから読み出し、端末90に対して送信し、再生させる。その後、実行した公開に関連する情報を、インターネット3を介して公開管理部17に送る。
【0043】
図3(a)~(c)は、図1又は図2のストレージ30に格納された動画管理DB(データベース)31の構成を示している。図3のデータベース構成は一例であり、かつ極めて模式的に示したものである。動画管理DB31は、製品Wを提供する企業の取引DBと連係するものでもよく、取引DBの一部に組み込まれたものでもよい。
【0044】
図3(a)は、製品受注管理テーブル31aであり、製品Wの受注情報等を管理する。テーブル31aの項目は、「受注No.」、「受注日」、「発注者」、「製品名」、「単価」、「数量」、「クーポン利用」等である。「クーポン利用」は、例えば、以前の注文で発注者が獲得済のクーポンを、今回の注文で値引きのために利用する場合に「有」と入力される。
製品Wの受注情報は、製品Wに付加された製品識別情報に含めておいてもよい。その場合、コードリーダ70が製品識別情報から受注情報を読み取って作業工程動画公開装置1に送信し、作業工程動画公開装置1がそれを受信してテーブル31aに格納してもよい。
【0045】
図3(b)は、作業工程動画管理テーブル31bであり、「受注No.」によりテーブル31aと紐付けられている。受注数量が100個であれば、各製品に「動画ID」及び「製品識別情報」が一意に割り当てられる。「撮影日」及び「撮影時間」には、製品検査作業を撮影した日時が入力される。「撮影動画格納場所」、「個別工程動画格納場所」、及び「公開用動画格納場所」は、撮影動画データ、個別工程動画データ、及び公開用動画データの格納場所情報がそれぞれ入力される。図3(b)はファイルストレージの例であり、ディレクトリパスが入力されている。「アクセス情報」は、公開用動画データに割り当てられたURLが入力される。なお、アクセス情報は、URLに替えて所定のキーワードでもよい。製品Wが100個あれば、100の公開用動画データが作成され、製品Wは公開用動画データとは1対1で対応する。
【0046】
図3(c)は、動画公開管理テーブル31cであり、「動画ID」によりテーブル31bと紐付けられている。公開用動画データが公開されたとき(再生完了したとき)、「公開日時」に再生完了日時が入力される。「クーポン付与」の項目には、再生完了したときに付与されるクーポンの数量が入力される。このクーポンは、例えば次回に製品を発注する際の値引きとして利用することができる。別の例として、再生が途中で中断されたことや、再生完了した回数等を合わせて記録してもよい。
【0047】
図4(a)は、図1のストレージ30にファイルストレージ方式で格納された撮影動画データ32a、個別工程動画データ32b、及び公開用動画データ32cを模式的に示している。ファイルストレージでは、階層ディレクトリによりファイルが管理される。
【0048】
図4(b)は、図2のストレージ30にファイルストレージ方式で格納された撮影動画データ32a及び個別工程動画データ32bと、オンラインストレージ30Aにオブジェクトストレージ方式で格納された公開用動画データ32cを模式的に示している。オブジェクトストレージでは、各公開用動画データ32cがオブジェクトとして格納される。オブジェクトのメタデータには、IDが含まれている。ウェブ公開を目的としたオブジェクトストレージでは、URLをIDとして割り当てることが好ましい。
【0049】
図5は、撮影動画データ及び個別工程動画データを取得する処理フローの一例を概略的に示している。この処理は、図1又は図2の動画撮影部11及び個別工程動画取得部12により実行される。なお、説明において図1又は図2中の符号を参照する場合がある(以下のフロー図においても同様)。
【0050】
ステップ101は、撮影開始のトリガーの一例である。ここでは、作業者Pがコードリーダ70で製品Wの製品識別情報を読み取り、コードリーダ70が作業工程動画公開装置1に読み取り情報を送信し、それを動画撮影部11が受け取る。これを撮影開始のトリガーとする。
【0051】
ステップ101の別の例として、作業開始前から撮影装置50で作業台の様子を撮影し、その動画データを撮影装置50から作業工程動画公開装置1に送信し、それを動画撮影部11が受け取り、作業台の様子に動きがないかを解析する。このような解析は、画像フレームデータの集まりである動画データの各画像フレームデータの変化を演算することで行うことができる。例えば、作業台上に製品及び作業者Pの手が置かれたことによる画像フレームデータの変化を検知すると、それが撮影開始のトリガーとなる。この場合、撮影開始前に受信した動画データは、後述する動画編集で撮影動画データから削除する。
【0052】
ステップ101のさらに別の例として、図1には示していないがモーションセンサを設置しておき、作業台の上の動きを検知したモーションセンサが作業工程動画公開装置1に信号を送信し、それを動画撮影部11が受け取る。これを撮影開始のトリガーとする。
【0053】
ステップ101のさらに別の例として、動画撮影部11が、例えば図3の作業工程動画管理テーブル31b等を基に、検査対象の製品Wの一覧表を作業者端末40に表示させる。表示された一覧表の中から、作業者Pがこれから検査を開始する製品Wを選択し、作業者端末40に選択情報を入力する。動画撮影部11は、製品Wの選択情報を作業者端末40から受け取り、これを撮影開始のトリガーとする。
【0054】
ステップ102では、動画撮影部11が、撮影装置50に撮影開始を指示すると同時に、個別工程動画取得部12に画面のキャプチャ録画を指示する。
【0055】
ステップ103において、撮影装置50が撮影を開始すると、撮影装置50から連続的に撮影動画データが作業工程動画公開装置1に送信される。動画撮影部11は撮影動画データを受け取る。撮影動画データは一時的にバッファメモリ等に保存される。
【0056】
好ましくは、作業者Pは、作業開始した際に製品Wに貼付又は印字等された製品識別情報を撮影装置により撮影させ、撮影動画データの中に製品識別情報が映り込むようにする。それにより、撮影動画データと製品Wとの一意の対応付け、すなわち検査作業と製品Wとの一意の対応付けが明確となり、後からでも確認することができる。
【0057】
ステップ104において、動画撮影部11は撮影装置50に撮影終了を指示する。この例では、動画撮影部11は、撮影終了のトリガーを個別工程動画取得部12から受け取り、それに応じて撮影終了を指示する。別の例として、作業台の上の製品Wや作業者Pの動きがなくなったことを検知した時点で撮影を終了してもよい。
【0058】
ステップ105において、動画撮影部11は撮影動画データを適宜の記憶装置に格納する。この場合、その後に直ちに行われる編集のために一時的なバッファメモリにそのまま撮影動画データを残しておいてもよい。それと併せて、後からでも撮影動画データの原データを確認できるようにストレージ30に格納してもよい。その場合、ストレージ30内の撮影動画データ32aの格納場所情報を図3のテーブル31bに格納する。
【0059】
個別工程動画取得部12は、動画撮影部11からの指示を受け取ると作業者端末40の画面のキャプチャ録画を開始する。ステップ111からステップ116までの個別工程動画取得部12の処理フローを、図6を参照して説明する。
【0060】
図6は、図5のステップ111からステップ116までの個別工程動画取得部12の処理フローと共に、作業者端末40及び作業者Pの操作の様子を模式的に示したものである。作業者端末40は好ましくはシンクライアントであり、表示と入力以外の処理は、作業工程動画公開装置1のアプリケーションの処理として行われる。
【0061】
先ず、ステップ111において、作業者端末40のディスプレイ41に初期画面を表示させ、画面のキャプチャ録画を開始する。ディスプレイ41は、好ましくはタッチスクリーンであり入力装置を兼ねている。初期画面では、画面上の1又は複数の区画411、412、413、414の各々に、製品検査作業の各工程の内容が表示される。その表示方法は、画面デザインも含め多様に採用し得る。
【0062】
ここでは矩形の区画411、412、413、414の各々に工程内容のテキストが表示されている。例えば、区画411には「(1)ラッチが正常に機能すること」、区画412には「(2)コネクタやカバーの破損がないこと」、区画413には「(3)カバーから銅箔テープがはみ出していないこと」、区画414には「(4)カバーの爪が正常にロックされ隙間がないこと」と表示されている。別の例として、テキストに加え、正常な状態を示す静止画を表示してもよい。なお、一画面内に全ての工程を表示する必要はなく、作業の進行に伴って自動的にスクロールする機能を備えてもよい。
【0063】
初期画面では「完了」ボタン415も表示されているが、これは製品検査作業が全て完了したときにタップされるものであるので、初期画面では入力不可(淡色表示)の状態である。
【0064】
ステップ112は、各作業工程の完了毎に行われる処理である。1つの作業工程の完了時に作業者端末40から作業工程動画公開装置1に工程完了情報が送信され、個別工程動画取得部12はこれを受け取る。具体的には、作業者Pが作業者端末40の画面上の当該作業工程に対応する区画をタップすることで作業者端末40が入力を受け付ける。これにより工程完了情報が送信される。
【0065】
ステップ113において、工程完了情報を受信した個別工程動画取得部12は、作業者端末40の画面上の当該作業工程の区画に工程完了マーク416を表示させる。工程完了マーク416の表示形態は図示の例に限られず、多様に採用し得る。このようにして、各工程が完了する毎に、画面は初期画面から変遷していく。個別工程動画取得部12はこの画面の変遷をキャプチャ動画データとして取得し、一時的なバッファメモリ等に格納する。
【0066】
ステップ114は、全作業工程の完了時に行われる処理である。最後の作業工程が完了して最後の工程完了マーク418が表示されると、「完了」ボタン415が入力可能(濃色表示)となる。作業者Pが「完了」ボタン415をタップすることにより、全工程完了情報が作業工程動画公開装置1に送信され、個別工程動画取得部12が受け取る。
【0067】
ステップ115において、全工程完了情報を受け取ったことに応じて、画面のキャプチャ録画を終了する。同時に、動画撮影部11に対して動画撮影の終了を指示する。
【0068】
ステップ116において、個別工程動画取得部12はキャプチャ動画データを、個別工程動画データとして適宜の記憶装置に格納する。この場合、その後に直ちに行われる編集のために一時的なバッファメモリにそのままキャプチャ動画データを残しておいてもよい。それと併せて、後からでもキャプチャ動画データの原データを確認できるようにストレージ30に格納してもよい。その場合、ストレージ30内のキャプチャ動画データの格納場所情報を図3のテーブル31bに格納する。
【0069】
図7は、撮影動画データ及び個別工程動画データを取得する処理フローの別の例を概略的に示している。この処理は、図1又は図2の動画撮影部11及び個別工程動画取得部12により実行される。動画撮影部11によるステップ101~ステップ105は、基本的に図5の例と同じである。個別工程動画取得部12の処理フローについて、主として図6のステップ111~116とは異なる点を説明する。
【0070】
ステップ121は、図6のステップ111と同じである。
ステップ122において、図1の撮影装置50とは別の第2の撮影装置(図1では示さず)に作業者端末40の画面の撮影開始を指示する。第2の撮影装置は、撮影装置50と同様の構成を有し、作業工程動画公開装置1に接続されている。第2の撮影装置は、作業者端末40の画面を撮影可能な位置であって、作業者Pの作業や操作を妨げない位置に配置される。第2の撮影装置が撮影を開始すると、第2の撮影装置から連続的に個別工程動画データが作業工程動画公開装置1に送信される。個別工程動画取得部12は個別工程動画データを受け取る。個別工程動画データは一時的にバッファメモリ等に保存される。
【0071】
ステップ123~ステップ125は、図6のステップ112~114と同じである。
ステップ126において、全工程完了情報を受け取ったことに応じて、第2の撮影装置に対して撮影終了を指示する。同時に、動画撮影部11に対して動画撮影の終了を指示する。
【0072】
ステップ127において、個別工程動画取得部12は、第2の撮影装置から受信した個別工程動画データを適宜の記憶装置に格納する。また、図6のステップ116と同様に、その後に直ちに行われる編集のために一時的なバッファメモリにそのまま個別工程動画データを残しておいてもよい。それと併せて、後からでも個別工程動画データの原データを確認できるようにストレージ30に格納してもよい。その場合、ストレージ30内の個別工程動画データの格納場所情報を図3のテーブル31bに格納する。
【0073】
図8は、公開用動画データの作成、URL等のアクセス情報の取得、及びラベル印刷の処理フローの一例を概略的に示している。この処理は、図1又は図2の動画編集部13、アクセス情報取得部14、及び印刷実行部15により実行される。ここでも主として、アクセス情報がURLの場合を例として説明する。
【0074】
ステップ201では、動画編集部13が、撮影動画データと個別工程動画データをそれらの格納場所から読み込む。
【0075】
ステップ202において、撮影動画データの前後に余分なデータが含まれる場合、検査作業の開始時から終了時までを適切に切り出す。撮影動画データは中断のない連続的な動画データである。これは、製品検査の信頼性を担保するためである。好ましくは、撮影動画データの前にオープニングの動画又は静止画を、後にエンディングの動画又は静止画を追加する。動画内にCMやクーポン情報などを挿入することで、販促機能を付与することもできる。
【0076】
ステップ203において、撮影動画データと個別工程動画データを合成し、公開用動画データを作成する。具体的には、撮影動画データと個別工程動画データの時系列が一致するように両者を同期させる。さらに、撮影動画データと個別工程動画データの各々の画面上での配置及び大きさを決定する。複数の撮影動画データがある場合は、各々の画面上での配置と大きさを決定する。検査作業中の撮影動画と検査項目の個別工程動画を合成しリンクさせることによって、その二つの動画が同じ時間に撮られたものであることを実感でき、公開用動画に対する信憑性を高めることができる。また、作成された公開用動画データに対し、その後の改竄がないことを証明するタイムスタンプを付与してもよいが、第三者機関サーバによるサービスが必要となる。
【0077】
上述したように撮影動画データと個別工程動画データ及びそれらから作成した公開用動画データは連続的であることが好ましいが、状況に応じて、必要な部分のみを抽出する編集を行ってもよい。
【0078】
ステップ204において、アクセス情報取得部14は、作成された公開用動画データを適切なストレージ30、30Aに格納する。公開用動画データをファイルストレージに格納した場合は、続くステップ205において、そのファイル格納場所のディレクトリを基にURLを作成する。また、公開用動画データをオブジェクトストレージに格納した場合は、ステップ205において、IDとして割り当てられたURLを取得する。別の例として、アクセス情報がキーワードの場合、アクセス情報取得部14は、製品Wに一意のキーワードを割り当てることで取得する。いずれの場合も取得したURL又はキーワードを図3のテーブル31bに保存する。さらに、アクセス情報取得部14は、URL情報を印刷実行部15に渡す。
【0079】
ステップ206において、印刷実行部15は、URL情報を受け取り、URL情報を含む二次元コードを作成する。その後、ステップ207において、プリンタ60に対し、二次元コードを印字したラベルLの印刷を指示する。それに応じてプリンタ60が、二次元コードを印字したラベルLを印刷出力する。別の例として、アクセス情報がキーワードの場合、印刷実行部15はキーワード情報を受け取り、プリンタ60にキーワードを印字させる。
【0080】
ステップ206の別の例として、製品W又は包装部材Bに二次元コードを直接印刷できるプリンタを用いる場合、プリンタ60が製品W又は包装部材Bに二次元コードを直接印刷する。この場合、ラベルLは不要である。
【0081】
ステップ207は、作業工程動画公開装置1の処理ではなく、人の作業になる。好ましくは、プリンタ60によるラベルLの印刷は、作業者Pの近くで行われる。そしてラベルLが印刷されたならば、直ちに作業者Pは検査済みの製品WにラベルLを付ける(貼付又は結束等)。その後、製品Wは適宜梱包されて顧客Cに出荷される。
【0082】
図9は、図8に示したアクセス情報取得部14及び印刷実行部15の処理フローの別の例と示す。なお、図8の動画編集部13による動画編集は同様に実行され、公開用動画データが作成される。
【0083】
ステップ220において、印刷実行部15は、複数の製品Wに付ける複数のラベルL1、L2...を予めまとめて印刷しておく(右上図参照)。例えば、複数のラベルL1、L2...が1枚のシート上に印刷され、そのシートの裏面には粘着剤と剥離紙が付いており、各ラベルを1つずつ剥がすことが可能である。それらのラベルL1、L2...には、それぞれ異なるURLの情報を含む二次元コードが印刷されている。
【0084】
ステップ221において、1つの製品Wの検査が完了したとき、作業者Pは、ラベルL1、L2...のうちの1つ、例えばラベルL1の二次元コードをコードリーダ70で読み取る。コードリーダ70により読み取られた情報は作業工程動画公開装置1に送信される。
【0085】
別の例として、製品W又は包装部材Bに二次元コードを直接印刷できるプリンタを用いる場合、製品W又は包装部材Bに予め二次元コードを印刷しておき、ステップ221において、製品W又は包装部材Bの二次元コードをコードリーダ70で読み取ってもよい。この場合、ラベルL1、L2...は不要である。
【0086】
ステップ222において、アクセス情報取得部14は、ラベルL1の読み取り情報を受け取り、それに含まれるURLを取得する。ステップ223において、アクセス情報取得部14は、取得したURLを動画IDと紐付けて図3のテーブル31bに保存する。
【0087】
ステップ224において、アクセス情報取得部14は、取得したURLに対応する場所に公開用動画データを格納する。一方、ステップ225において、作業者PはラベルL1をシートから剥がし、検査済みの製品Wに付ける(右下図参照)。その後、製品Wは適宜梱包されて顧客Cに出荷される。
【0088】
図10は、公開用動画データの公開及び公開後の情報管理の処理フローの一例を概略的に示している。この処理は、図1又は図2の公開実行部16及び公開管理部17により実行される。出荷された製品Wを受け取った顧客Cは、二次元コード読み取り機能を有する顧客端末90を用いて製品Wに付されたラベルLの二次元コードを読み取る。別の例では、製品W又は包装部材Bに直接印刷された二次元コードを読み取る。顧客端末90は、例えばスマートホンやパーソナルコンピュータ等である。顧客端末90はブラウザ機能を有しており、二次元コードに含まれるURL情報を用いて動画公開用ウェブサイトにアクセスする。本システムでは、動画公開用ウェブサイトへのアクセスは、単にURLを用いるだけであり、ユーザIDやパスワードは必要ないため簡易なシステムとすることができる。また、顧客Cも、ユーザIDやパスワードを入力する煩わしさがないため、動画公開用ウェブサイトへのアクセスを行い易い。
【0089】
別の例として、アクセス情報がURLではなくキーワードの場合、図10の公開実行部16での流れが若干異なる。例えば顧客Cが顧客端末のブラウザから、サーバに設置された製品提供者のウェブサイトにアクセスする。さらに、そのウェブサイト内の所定の動画公開用ページに移行して所定の入力欄に当該キーワードを入力する。公開実行部16は、当該キーワードに対応する公開用動画データを格納場所から取得し、顧客端末のブラウザで公開用動画を再生させる。
【0090】
ステップ301では、公開実行部16が、インターネット3を介して顧客端末90のブラウザからの要求を受け取る。ステップ302において、公開実行部16は、そのウェブサーバ機能により当該URLに対応する公開用動画データをその格納場所から読み出す。
【0091】
続いてステップ303において、読み出した公開用動画データを顧客端末のブラウザに送信し、公開用動画を再生させる。したがって、顧客端末90は、URLに紐付けられた1つの公開用動画のみを再生することができる。このとき、公開用動画が送信と同時に自動再生されるようにウェブサイトのhtmlを記述してもよい。なお、自動再生に対応しないブラウザの場合、顧客端末90において再生操作を行う。顧客Cは、ブラウザの画面で製品Wの製品検査作業の各工程を確認しつつ、手元にある実際の製品Wと比べることができる。また、製品Wの製品識別情報が公開用動画に映し込まれている場合、手元にある製品Wの検査作業状況であることを確認できる。
【0092】
ステップ304において、公開用動画の再生が完了する。顧客端末90がブラウザを閉じるとアクセスは終了する。別の例として、再生完了時に画面を閉じるボタンや一時停止ボタン等の操作用入力手段を公開用動画に組み込んでもよい。公開用動画の再生が完了したとき、公開実行部16は、公開管理部17に再生終了情報を送る。
【0093】
ステップ305において、公開管理部17は、図3のテーブル31cに動画IDに紐付けて公開日時を格納し、所定のクーポンを付与する。なお、クーポンシステムは必須ではない。
【0094】
以上の作業工程動画公開装置1に関する説明は、本発明による作業工程動画公開方法に関する説明としても適用される。当該方法は、1又は複数の工程を含む作業を撮影した動画を公開するための作業工程動画公開方法であって、
撮影装置を制御して作業を撮影させることにより撮影動画データを取得する工程と、
1又は複数の工程を含む作業中の各工程の内容及び各工程の完了を記録した個別工程動画データを取得する工程と、
撮影動画データ及び個別工程動画データを合成することにより公開用動画データを作成する工程と、
公開用動画データのストレージへの格納と、公開用動画データの格納場所に対応するアクセス情報の取得とを行う工程と、
インターネットを介してアクセス情報を用いた公開要求を受け取ることに応じて、ストレージから読み出した公開用動画データを、公開要求した端末に送信する工程と、をサーバコンピュータが実行するものである。
【0095】
上記方法の個別工程動画データを取得する工程において、1又は複数の工程を含む作業の各工程の完了情報を入力させるための画面を作業者端末に表示させ、前記作業者端末への入力に基づく画面の遷移をキャプチャ録画することにより、個別工程動画データを取得することが好ましい。
【0096】
また上記方法の個別工程動画データを取得する工程において、1又は複数の工程を含む作業の各工程の完了情報を入力させるための画面を作業者端末に表示させ、作業者端末への入力に基づく画面の遷移を第2の撮影装置に撮影させることにより、個別工程動画データを取得することが好ましい。
【0097】
さらに、作業工程動画公開装置1は、図1に示した撮影装置50、プリンタ70、作業者端末40と共に作業工程動画公開システムを構成する。
【0098】
以上に述べた本発明の実施形態は、本発明の主旨に沿う限りにおいて多様な変形形態が考えられ、それらについても本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
1 作業工程動画公開装置
2 構内ネットワーク
3 インターネット
10 処理機能部
11 動画撮影部
12 個別工程動画取得部
13 動画編集部
14 アクセス情報取得部
15 印刷実行部
16 公開実行部
17 公開管理部
30 ストレージ
30A オンラインストレージ
31 動画管理データベース
32a 撮影動画データ
32b 個別工程動画データ
32c 公開用動画データ
40 作業者端末
41 ディスプレイ
50 撮影装置
60 プリンタ
70 コードリーダ
90 顧客端末
P 作業者
W 製品
L ラベル
B 包装部材
C 顧客
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10