(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097461
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】電子機器、電子機器の制御方法、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/00 20060101AFI20240711BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240711BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20240711BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
B41J29/00 T
G06F3/01 510
G06F3/048
H04N1/00 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000919
(22)【出願日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】平田 弘樹
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ05
2C061CQ04
2C061CQ24
5C062AA05
5C062AB17
5C062AB20
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5C062AB40
5C062AC15
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5E555AA71
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5E555FA00
(57)【要約】
【課題】タッチパネルの操作面の角度、及び上下方向の位置の少なくとも一方を適正に調整する。
【解決手段】プリンター1は、人感センサー14と、カメラ121と、ユーザーからの操作を受け付けるタッチパネル122と、人感センサー14、カメラ121、及びタッチパネル122と通信可能に接続される制御部11と、を備えるプリンター1であって、制御部11は、人感センサー14が、プリンター1の周囲に存在するユーザーUの人体を検出したか否かを判定する判定部111と、人感センサー14がユーザーUの人体を検出したと判定部111が判定した場合に、カメラ121からユーザーUの顔を含む撮像画像PCを取得する取得部112と、撮像画像PCに基づき、タッチパネル122の操作面12Aの角度θ、及び上下方向の位置の少なくとも一方を調整する調整部115と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人感センサーと、撮像部と、ユーザーからの操作を受け付ける操作部と、前記人感センサー、前記撮像部、及び前記操作部と通信可能に接続される制御部と、を備える電子機器であって、
前記制御部は、
前記人感センサーが、前記電子機器の周囲に存在するユーザーの人体を検出したか否かを判定する判定部と、
前記人感センサーがユーザーの人体を検出したと前記判定部が判定した場合に、前記撮像部から前記人体の顔を含む撮像画像を取得する取得部と、
前記撮像画像に基づき、前記操作部の操作面の角度、及び上下方向の位置の少なくとも一方を調整する調整部と、
を備える、電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、
前記撮像画像に基づき、前記ユーザーの目の画像を抽出し、前記目の上下方向における中央を通る第1基準線を設定し、前記撮像画像に基づき、前記ユーザーの黒目の画像を抽出し、前記黒目の上下方向における中央を通る第2基準線を設定する角度基準設定部、を備え、
前記調整部は、前記第1基準線、及び前記第2基準線に基づき、前記操作部の操作面の角度を調整する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記調整部は、前記第1基準線と前記第2基準線との距離が、第1閾値以下となるように、前記操作部の操作面の角度を調整する、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記角度基準設定部は、前記ユーザーの左目及び右目の画像を抽出し、前記左目、及び前記右目の各々の第1基準線を設定し、前記左目、及び前記右目の各々の黒目の画像を抽出し、前記左目の黒目、及び前記右目の黒目の各々の第2基準線を設定し、
前記操作部の操作面の角度を所定角度以上変更したときに、前記右目の前記第1基準線と前記第2基準線との距離の変化量が第3閾値以上であり、且つ、前記左目の前記第1基準線と前記第2基準線との距離の変化量が前記第3閾値未満である場合には、前記調整部は、前記右目の前記第1基準線、及び前記第2基準線に基づき、前記操作部の操作面の角度を調整し、
前記操作部の操作面の角度を前記所定角度以上変更したときに、前記右目の前記第1基準線と前記第2基準線との距離の変化量が前記第3閾値未満であり、且つ、前記左目の前記第1基準線と前記第2基準線との距離の変化量が前記第3閾値以上である場合には、前記調整部は、前記左目の前記第1基準線、及び前記第2基準線に基づき、前記操作部の操作面の角度を調整する、
請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、
前記撮像画像に基づき、前記撮像画像の上下方向における中央を通る第3基準線を設定し、前記撮像画像に基づき、前記ユーザーの顔の画像、及び前記ユーザーの目の画像を抽出し、前記顔の画像の上下方向における前記目の中央を通る第4基準線を設定する位置基準設定部、を備え、
前記調整部は、前記第3基準線、及び前記第4基準線に基づき、前記操作部の操作面の上下方向の位置を調整する、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記調整部は、前記第3基準線と前記第4基準線との距離が、第2閾値以下となるように、前記操作部の操作面の上下方向の位置を調整する、
請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
人感センサーと、撮像部と、ユーザーからの操作を受け付ける操作部と、前記人感センサー、前記撮像部、及び前記操作部と通信可能に接続される制御部と、を備える電子機器の制御方法であって、
前記人感センサーが、前記電子機器の周囲に存在するユーザーの人体を検出したか否かを判定する判定ステップと、
前記人感センサーがユーザーの人体を検出したと前記判定ステップで判定した場合に、前記撮像部から前記人体の顔を含む撮像画像を取得する取得ステップと、
前記撮像画像に基づき、前記操作部の操作面の角度、及び上下方向の位置の少なくとも一方を調整する調整ステップと、
含む、電子機器の制御方法。
【請求項8】
人感センサーと、撮像部と、ユーザーからの操作を受け付ける操作部と、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記人感センサー、前記撮像部、前記操作部、及び前記画像形成部と通信可能に接続される制御部と、を備える画像形成装置であって、
前記制御部は、
前記人感センサーが、前記画像形成装置の周囲に存在するユーザーの人体を検出したか否かを判定する判定部と、
前記人感センサーがユーザーの人体を検出したと前記判定部が判定した場合に、前記撮像部から前記人体の顔を含む撮像画像を取得する取得部と、
前記撮像画像に基づき、前記操作部の操作面の角度、及び上下方向の位置の少なくとも一方を調整する調整部と、
を備える、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器、電子機器の制御方法、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、操作パネルの角度を手動で調整可能なMFP(Multi―Functional Peripheral)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ユーザー個人の体格差があり、車椅子を用いるユーザーもいるため、操作パネルの角度調整を手動で行い難いケースもあり、使い勝手が不充分な場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する一態様に係る電子機器は、人感センサーと、撮像部と、ユーザーからの操作を受け付ける操作部と、前記人感センサー、前記撮像部、及び前記操作部と通信可能に接続される制御部と、を備える電子機器であって、前記制御部は、前記人感センサーが、前記電子機器の周囲に存在するユーザーの人体を検出したか否かを判定する判定部と、前記人感センサーがユーザーの人体を検出したと前記判定部が判定した場合に、前記撮像部から前記人体の顔を含む撮像画像を取得する取得部と、前記撮像画像に基づき、前記操作部の操作面の角度、及び上下方向の位置の少なくとも一方を調整する調整部と、を備える。
【0006】
上記課題を解決する別の一態様に係る電子機器の制御方法は、人感センサーと、撮像部と、ユーザーからの操作を受け付ける操作部と、前記人感センサー、前記撮像部、及び前記操作部と通信可能に接続される制御部と、を備える電子機器の制御方法であって、前記人感センサーが、前記電子機器の周囲に存在するユーザーの人体を検出したか否かを判定する判定ステップと、前記人感センサーがユーザーの人体を検出したと前記判定ステップで判定した場合に、前記撮像部から前記人体の顔を含む撮像画像を取得する取得ステップと、前記撮像画像に基づき、前記操作部の操作面の角度、及び上下方向の位置の少なくとも一方を調整する調整ステップと、含む。
【0007】
上記課題を解決する更に別の一態様に係る画像形成装置は、人感センサーと、撮像部と、ユーザーからの操作を受け付ける操作部と、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記人感センサー、前記撮像部、前記操作部、及び前記画像形成部と通信可能に接続される制御部と、を備える画像形成装置であって、前記制御部は、前記人感センサーが、前記画像形成装置の周囲に存在するユーザーの人体を検出したか否かを判定する判定部と、前記人感センサーがユーザーの人体を検出したと前記判定部が判定した場合に、前記撮像部から前記人体の顔を含む撮像画像を取得する取得部と、前記撮像画像に基づき、前記操作部の操作面の角度、及び上下方向の位置の少なくとも一方を調整する調整部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係るプリンターの主要構成の一例を示す図。
【
図2】プリンターの駆動機構の構成の一例を示す側面図。
【
図8】制御部の目決定処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本実施形態について説明する。
【0010】
まず、
図1を参照して、本実施形態に係るプリンター1について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンター1の構成の一例を示す図である。
プリンター1は、「電子機器」の一例に対応する。また、プリンター1は、「画像形成装置」の一例に対応する。
プリンター1は、印刷用紙等の印刷媒体に、文字、図形、写真等の画像を印刷する装置である。
【0011】
図1に示すように、プリンター1は、プリンター本体10と、操作パネル12と、駆動機構13と、を備える。
図1において左側の図は、プリンター1の側面図であり、
図1において右側の図は、プリンター1の正面図である。
操作パネル12は、カメラ121と、タッチパネル122と、を含む。
【0012】
カメラ121は、CCD(Charge-Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等のイメージセンサーを備え、制御部11からの指示に従って、ユーザーUの顔を含む撮像画像PCを生成する。カメラ121は、生成した撮像画像PCを制御部11へ送信する。カメラ121は、操作パネル12の幅方向の中央部、且つ、上下方向の上端部に配置される。カメラ121は、タッチパネル122と一体に構成される。上下方向は、鉛直方向と平行な方向である。幅方向は、水平方向と平行な方向である。
カメラ121は、「撮像部」の一例に対応する。
制御部11については、
図3を参照して更に説明する。
【0013】
タッチパネル122は、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイと、タッチセンサーと、を有する。タッチセンサーは、ディスプレイの表示面と一体に構成される。そして、ディスプレイの表示面は、ユーザーからの操作を受け付ける操作面12Aとして機能する。タッチパネル122は、ユーザーからの操作を受け付ける。タッチパネル122は、ユーザーからの操作に対応する操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部11へ送信する。
タッチパネル122は、「操作部」の一例に対応する。
【0014】
駆動機構13は、制御部11からの指示に従って、タッチパネル122の操作面12Aの角度を調整する。また、駆動機構13は、制御部11からの指示に従って、タッチパネル122の上下方向の位置を調整する。
駆動機構13については、
図2を参照して更に説明する。
【0015】
プリンター本体10には、人感センサー14が配置される。人感センサー14は、例えば、操作パネル12の下方に配置される。人感センサー14は、プリンター1の周囲に位置するユーザーUの人体を検出する。例えば、人感センサー14は、人感センサー14から所定距離以下の範囲に位置するユーザーUの人体を検出する。所定距離は、例えば、1.5mである。人感センサー14の検出信号は、制御部11へ送信される。
【0016】
次に、
図2を参照して、駆動機構13の構成について説明する。
図2は、プリンター1の駆動機構13の構成の一例を示す側面図である。
図2に示すように、駆動機構13は、第1軸部材131と、アーム132と、第2軸部材133と、を含む。
第1軸部材131は、前後方向、すなわち、
図2における紙面に垂直な方向に延び、プリンター本体10に対して回転自在に配置される。第1軸部材131は、第1モーターM1によって回転駆動される。第1軸部材131が回転することによって、アーム132は、第1軸部材131を中心に回転し、アーム132の第1軸部材131を中心とする回転角を示す角度φが変化する。角度φを調整することによって、タッチパネル122の上下方向の位置を調整できる。
例えば、アーム132が水平方向と平行である場合には、角度φは、「0」である。また、アーム132の左端部が、アーム132の右端部よりも上に位置する場合には、角度φは、正である。また、アーム132の左端部が、アーム132の右端部よりも下に位置する場合には、角度φは、負である。アーム132の角度φは、タッチパネル122の上下方向の位置に対応する。
【0017】
例えば、第1モーターM1が第1軸部材131を右回転させることによって、アーム132を角度φが増加する方向に回動できる。その結果、タッチパネル122の上下方向の位置を上方向に移動できる。また、例えば、第1モーターM1が第1軸部材131を左回転させることによって、アーム132を角度φが減少する方向に回動できる。その結果、タッチパネル122の上下方向の位置を下方向に移動できる。
【0018】
アーム132は、第1軸部材131と第2軸部材133とを連結する。アーム132の一方端部は、第1軸部材131を介して、プリンター本体10に対して回転自在に固定される。また、アーム132の他方端部は、第2軸部材133を介して、操作パネル12を支持する。アーム132の一方端部は、
図2に示すアーム132の右端部である。アーム132の他方端部は、
図2に示すアーム132の左端部である。
【0019】
第2軸部材133は、前後方向、すなわち、
図2における紙面に垂直な方向に延び、操作パネル12に対して回転自在に配置される。第2軸部材133は、第2モーターM2によって回転駆動される。第2軸部材133が回転することによって、アーム132の他方側端部に対して操作パネル12が回転し、操作パネル12の第2軸部材133を中心とする回転角を示す角度θが変化する。角度θを調整することによって、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを調整できる。
例えば、タッチパネル122の操作面12Aが鉛直方向と平行である場合には、角度θは、「0」である。また、タッチパネル122の操作面12Aの上端が下端よりも前面(
図2では左側)に位置する場合には、角度θは負である。また、タッチパネル122の操作面12Aの下端が上端よりも前面(
図2では左側)に位置する場合には、角度θは正である。
【0020】
例えば、第2モーターM2が第2軸部材133を右回転させることによって、操作パネル12を、角度θが増加する方向に回転できる。その結果、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを増加できる。また、例えば、第2モーターM2が第2軸部材133を左回転させることによって、操作パネル12を、角度θが減少する方向に回転できる。その結果、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを減少できる。
【0021】
次に、
図3を参照して、プリンター1の制御部11の構成について説明する。
図3は、プリンター1の制御部11の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、プリンター1は、
図1及び
図2を参照して説明した操作パネル12、駆動機構13、及び人感センサー14に加えて、制御部11と、印刷機構15と、インク供給部16と、印刷媒体収容部17と、を備える。
図1に示すプリンター本体10は、制御部11、印刷機構15、インク供給部16、及び印刷媒体収容部17を含む。
【0022】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサー11A、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリー11Bを備え、プリンター1の各部を制御する。メモリー11Bは、制御プログラムPGMを記憶する。また、メモリー11Bが、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気的記憶装置、SSD(Solid State Drive)等の半導体記憶装置を備えてもよい。
制御部11では、プロセッサー11Aが、メモリー11Bに記憶された制御プログラムPGMを読み出して処理を実行する。換言すれば、制御部11は、ハードウェア及びソフトウェアの協働によって処理を実行する。
また、制御部11は、人感センサー14、カメラ121、タッチパネル122、及び印刷機構15と通信可能に接続される。
【0023】
プロセッサー11Aは、単一のプロセッサーで構成されてもよいし、複数のプロセッサーがプロセッサー11Aとして機能する構成であってもよい。
【0024】
本実施形態では、プロセッサー11Aは、制御プログラムPGMを実行してプリンター1の各部を制御するが、これに限定されない。制御部11が、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を備え、ASICが、実装された機能によって処理を実行してもよい。また、制御部11は、例えば、信号処理回路を備え、信号処理回路が、信号処理を行って処理を実行してもよい。
【0025】
印刷機構15は、制御部11の制御に従って、インクによって、印刷用紙等の印刷媒体に文字、図形、写真等の画像を印刷する。印刷機構15は、印刷に関する構成として、印刷ヘッド151、キャリッジ152、走査モーター153、及び搬送モーター154を備える。
印刷ヘッド151は、インクジェット方式であり、インク供給部16から供給されるインクを印刷媒体に向けて吐出する。キャリッジ152は、印刷ヘッド151を搭載して、主走査方向に走査する。主走査方向は、副走査方向と交差する方向である。副走査方向は、印刷媒体の搬送方向を示す。走査モーター153は、キャリッジ152を主走査方向に走査させる。搬送モーター154は、印刷媒体を搬送方向に搬送する。
印刷ヘッド151がインクを印刷媒体に向けて吐出しながら、キャリッジ152が印刷ヘッド151を搭載して主走査方向に走査する。また、搬送モーター154が印刷媒体を副走査方向に搬送する。印刷機構15は、印刷ヘッド151の主走査方向の走査と、印刷媒体の副走査方向の搬送とを、交互に、且つ繰り返し実行する。その結果、印刷媒体に画像が印刷される。
印刷機構15は、「画像形成部」の一例に対応する。
【0026】
インク供給部16は、インクを貯留するインクタンクを収容し、インクタンクから印刷機構15の印刷ヘッド151にインクを供給する。インク供給部16が供給するインクは、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及び、ブラック(K)の各色のインクである。
【0027】
印刷媒体収容部17は、印刷媒体を収容可能に構成される。印刷媒体がカット紙である場合には、印刷媒体収容部17は、収容したカット紙を搬送モーター154の搬送によって、図略の搬送路に繰り出す。印刷媒体収容部17は、印刷後の印刷媒体である印刷物を回収する構成を備えてもよい。印刷物を回収する構成は、カット紙を積層して載置する構成でもよい。
【0028】
次に、プリンター1の制御部11が備える機能ブロックについて説明する。
制御部11は、機能ブロックとして、判定部111、取得部112、角度基準設定部113、位置基準設定部114、調整部115、及び印刷制御部116、を備える。
プロセッサー11Aが制御プログラムPGMを実行することによって、プロセッサー11Aは、判定部111、取得部112、角度基準設定部113、位置基準設定部114、調整部115、及び印刷制御部116、として機能する。
【0029】
判定部111は、人感センサー14が、プリンター1の周囲に存在するユーザーUの人体を検出したか否かを判定する。人感センサー14は、例えば、人感センサー14から1.5m以下の範囲に位置するユーザーUの人体を検出する。
【0030】
取得部112は、人感センサー14がユーザーUの人体を検出したと判定部111が判定した場合に、カメラ121からユーザーUの顔を含む撮像画像PCを取得する。
人感センサー14がユーザーUの人体を検出したと判定部111が判定した場合には、例えば、取得部112は、カメラ121に対して撮像画像PCを生成することを指示する。そして、カメラ121は、取得部112からの指示に従って、撮像画像PCを生成する。また、カメラ121は、生成した撮像画像PCを制御部11へ送信する。
【0031】
角度基準設定部113は、撮像画像PCに基づき、ユーザーUの目の画像を抽出し、目の上下方向における中央を通る第1基準線L1を設定する。
例えば、角度基準設定部113は、ユーザーUの目の画像から、目の輪郭を検出する。そして、左目の上端位置と下端位置とを結ぶ線分の中心位置と、右目の上端位置と下端位置とを結ぶ線分の中心位置とを通る直線を、第1基準線L1として設定する。
【0032】
また、角度基準設定部113は、撮像画像PCに基づき、ユーザーUの黒目の画像を抽出し、黒目の上下方向における中央を通る第2基準線L2を設定する。第2基準線L2は、第1基準線L1と平行な直線である。
例えば、角度基準設定部113は、ユーザーUの黒目の画像から、黒目の輪郭を検出する。そして、左目の黒目における上端位置と下端位置とを結ぶ線分の中心位置、又は、右目の黒目における上端位置と下端位置とを結ぶ線分の中心位置、を通り、第1基準線L1と平行な直線を、第2基準線L2として設定する。
なお、例えば、角度基準設定部113が、黒目の上端位置、又は黒目の下端位置を検出できない場合には、角度基準設定部113は、黒目の形状を円形と仮定して、黒目の輪郭を推定し、黒目の中心位置を推定する。
第1基準線L1、及び第2基準線L2については、
図4を参照して更に説明する。
【0033】
また、角度基準設定部113は、「目決定処理」を実行する。「目決定処理」とは、角度基準設定部113が、第1基準線L1及び第2基準線L2を設定するときに、右目の第1基準線L1及び第2基準線L2を設定するか、左目の第1基準線L1及び第2基準線L2を設定するかを決定する処理である。以下に、「目決定処理」について説明する。
角度基準設定部113は、撮像画像PCに基づき、ユーザーUの左目及び右目の画像を抽出し、左目、及び右目の各々の第1基準線L1を設定する。また、角度基準設定部113は、撮像画像PCに基づき、ユーザーUの左目、及び右目の各々の黒目の画像を抽出し、左目の黒目、及び右目の黒目の各々の第2基準線L2を設定する。
また、角度基準設定部113は、タッチパネル122の操作面12Aを所定角度以上変更したときに、右目の第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1の変化量が第3閾値TH3以上であるか否かを判定する。また、角度基準設定部113は、タッチパネル122の操作面12Aを所定角度以上変更したときに、左目の第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1の変化量が第3閾値TH3以上であるか否かを判定する。第3閾値TH3の詳細については、後述する。
所定角度は、例えば、20度であり、第3閾値TH3は、例えば、5mmである。
【0034】
また、タッチパネル122の操作面12Aを所定角度以上変更したときに、右目の第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1の変化量が第3閾値TH3以上であり、且つ、左目の第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1の変化量が第3閾値TH3未満である場合に、調整部115は、右目の第1基準線L1及び第2基準線L2に基づき、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを調整する。
また、タッチパネル122の操作面12Aを所定角度以上変更したときに、右目の第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1の変化量が第3閾値TH3未満であり、且つ、左目の第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1の変化量が第3閾値TH3以上である場合に、調整部115は、左目の第1基準線L1及び第2基準線L2に基づき、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを調整する。
また、タッチパネル122の操作面12Aを所定角度以上変更したときに、右目の第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1の変化量が第3閾値TH3以上であり、且つ、左目の第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1の変化量が第3閾値TH3以上である場合に、調整部115は、左目の第1基準線L1及び第2基準線L2と、右目の第1基準線L1及び第2基準線L2とに基づき、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを調整する。
【0035】
位置基準設定部114は、撮像画像PCに基づき、撮像画像PCの上下方向における中央を通る第3基準線L3を設定する。
例えば、位置基準設定部114は、撮像画像PCの上辺の中央位置と、撮像画像PCの下辺の中央位置とを結ぶ線分の中央を通り、撮像画像PCの上辺と平行な直線を第3基準線L3として設定する。
【0036】
また,位置基準設定部114は、撮像画像PCに基づき、ユーザーUの顔の画像、及びユーザーUの目の画像を抽出し、顔の画像の上下方向における目の中央を通る第4基準線L4を設定する。第4基準線L4は、第3基準線L3と平行な直線である。
例えば、位置基準設定部114は、顔の画像の上下方向における右目の中央位置と、顔の画像の上下方向における左目の中央位置を求め、右目の中央位置と左目の中央位置とを結ぶ線分の中央を通り、第3基準線L3と平行な直線を第4基準線L4として設定する。
また、例えば、位置基準設定部114は、顔の画像の上下方向における右目の中央、又は、左目の中央を通り、第3基準線L3と平行な直線を第4基準線L4として設定してもよい。
第3基準線L3、及び第4基準線L4については、
図5を参照して更に説明する。
【0037】
調整部115は、撮像画像PCに基づき、タッチパネル122の操作面12Aの角度θ、及びアーム132の角度φを調整する。
アーム132の角度φは、操作パネル12の「上下方向の位置」の一例に対応する。
【0038】
調整部115は、第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1が、第1閾値TH1以下となるように、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを調整する。第1閾値TH1は、例えば、2mmである。
また、調整部115は、第3基準線L3と第4基準線L4との距離D2が、第2閾値TH2以下となるように、アーム132の角度φを調整する。第2閾値TH2は、例えば、3cmである。
調整部115の処理については、
図4及び
図5を参照して更に説明する。
【0039】
印刷制御部116は、操作パネル12に対するユーザーUの指示に基づき、印刷機構15を制御することによって、印刷媒体に画像を形成する。
【0040】
次に、
図4を参照して、調整部115の「角度調整処理」について説明する。「角度調整処理」とは、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを調整する処理である。
図4は、調整部115の角度調整処理の一例を示す図である。
なお、
図4では、調整部115が、ユーザーUの左目の画像、及びユーザーUの左目の黒目の画像に基づき、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを調整する場合について説明する。
【0041】
図4の上段には、ユーザーUの左目の黒目の位置を示す画像として、第1画像EA、第2画像EB、及び第3画像ECを記載している。第1画像EA、第2画像EB、及び第3画像ECは、撮像画像PCの一部に対応する。
図4の下段には、第1画像EA、第2画像EB、及び第3画像ECの各々に対応するタッチパネル122の操作面12Aの第1角度θA、第2角度θB、及び第3角度θCを示す側面図を記載している。
【0042】
図4の上段に示すように、第1基準線L1は、目の上端位置UEと目の下端位置DEとの中央に位置する。
また、
図4の上段の左右方向の左部に示すように、第1画像EAでは、黒目の位置が、目の上下方向の中央に位置している。このときには、第2基準線L2Aは、第1基準線L1の位置と一致する。第2基準線L2Aは、第1画像EAに対応する第2基準線L2である。
また、
図4の下段の左右方向の左部に示すように、操作面12Aの中心位置の法線VNAは、第1画像EAに対応する目の位置を通る。法線VNAは、第1画像EAに対応する操作面12Aの中心位置の法線VNである。この場合には、操作面12Aは、ユーザーUの目の正面を向いているため、操作面12Aの第1角度θAは適正な角度θである。第1角度θAは、第1画像EAに対応する角度θである。この場合には、調整部115は、角度θを調整しない。
【0043】
また、
図4の上段の左右方向の中央部に示すように、第2画像EBでは、黒目の位置が、中央よりも下に位置している。このとき、第2基準線L2Bは、第1基準線L1よりも下に位置する。第2基準線L2Bは、第2画像EBに対応する第2基準線L2である。
また、
図4の下段の左右方向の中央部に示すように、操作面12Aの中心位置の法線VNBは、第2画像EBに対応する目の下側の位置を通る。法線VNBは、第2画像EBに対応する操作面12Aの中心位置の法線VNである。この場合には、操作面12Aは、ユーザーUの目の正面よりも下側を向いているため、操作面12Aの第2角度θBは第1角度θAよりも小さい。第2角度θBは、第2画像EBに対応する角度θである。この場合には、調整部115は、角度θを調整量Δθだけ大きくするように調整する。すなわち、調整部115は、操作パネル12を右廻りに調整量Δθだけ回転する。
【0044】
図4の左右方向の中央部に示すように、調整部115は、第2基準線L2が第1基準線L1よりも下に位置する場合には、調整部115は、角度θを調整量Δθだけ大きくするように調整する。なお、調整部115は、調整量Δθは、第2基準線L2Bと第1基準線L1との間の距離D1に基づいて算出する。
【0045】
また、
図4の上段の左右方向の右部に示すように、第3画像ECでは、黒目の位置が、中央よりも上に位置している。このとき、第2基準線L2Cは、第1基準線L1よりも上に位置する。第2基準線L2Cは、第3画像ECに対応する第2基準線L2である。
また、
図4の下段の左右方向の右部に示すように、操作面12Aの中心位置の法線VNCは、第3画像ECに対応する目の上側の位置を通る。法線VNCは、第3画像ECに対応する操作面12Aの中心位置の法線VNである。この場合には、操作面12Aは、ユーザーUの目の正面よりも上側を向いているため、操作面12Aの第3角度θCは第1角度θAよりも大きい。第3角度θCは、第3画像ECに対応する角度θである。この場合には、調整部115は、角度θを調整量Δθだけ小さくするように調整する。すなわち、調整部115は、操作パネル12を左廻りに調整量Δθだけ回転する。
【0046】
図4の左右方向の右部に示すように、調整部115は、第2基準線L2が第1基準線L1よりも上に位置する場合には、調整部115は、角度θを調整量Δθだけ小さくするように調整する。なお、調整部115は、調整量Δθは、第2基準線L2と第1基準線L1との間の距離D1に基づいて算出する。
【0047】
図4を参照して説明したように、調整部115は、第1基準線L1に対する第2基準線L2の位置と、第1基準線L1と第2基準線L2との間の距離D1に基づいて、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを適正に調整できる。
【0048】
次に、
図5を参照して、調整部115の「位置調整処理」について説明する。「位置調整処理」とは、タッチパネル122の操作面12Aの上下方向の位置、すなわち、アーム132の角度φを調整する処理である。
図5は、調整部115の位置調整処理の一例を示す図である。
なお、
図5では、顔の画像の上下方向における左目の中央位置と、顔の画像の上下方向における右目の中央位置とが一致する場合について説明する。
【0049】
図5の上段には、ユーザーUの顔の画像の上下方向における目の位置を示す画像として、第4画像ED、第5画像EE、及び第6画像EFを記載している。第4画像ED、第5画像EE、及び第6画像EFの各々は、撮像画像PCの一例に対応する。
図5の下段には、第4画像ED、第5画像EE、及び第6画像EFの各々に対応するユーザーUの視線LSと、タッチパネル122の操作面12Aとの関係を示す側面図を記載している。
【0050】
図5の上段に示すように、第3基準線L3は、第4画像ED、第5画像EE、及び第6画像EF、すなわち、撮像画像PCの上端位置UPと、撮像画像PCの下端位置DPとの中央に位置する。
また、
図5の上段の左右方向の左部に示すように、第4画像EDでは、目の位置が、第4画像EDの上下方向の中央に位置している。このときには、第4基準線L4Dは、第3基準線L3の位置と一致する。第4基準線L4Dは、第4画像EDに対応する第4基準線L4である。
また、
図5の下段の左右方向の左部に示すように、視線LSDは、タッチパネル122の操作面12Aの上下方向の中央を通る。視線LSDは、第4画像ED対応するユーザーUの視線LSである。視線LSは、ユーザーUの目の正面方向を示す。換言すれば、視線LSDは、ユーザーUの黒目が目の中央に位置するときの視線を示す。この場合には、ユーザーUの視線LSDは、操作面12Aの上下方向の中央を通るため、操作面12Aの第4角度φDは適正な角度φである。換言すれば、操作面12Aの上下方向の位置は、適切な位置である。第4角度φDは、第4画像EDに対応する角度φである。この場合には、調整部115は、角度φを調整しない。
【0051】
また、
図5の上段の左右方向の中央部に示すように、第5画像EEでは、目の位置が、第5画像EEの上下方向の中央よりも上に位置している。このときには、第4基準線L4Eは、第3基準線L3よりも上に位置する。第4基準線L4Eは、第5画像EEに対応する第4基準線L4である。
また、
図5の下段の左右方向の中央部に示すように、視線LSEは、タッチパネル122の操作面12Aの上下方向の中央よりも上を通る。視線LSEは、第5画像EEに示すユーザーUの視線LSである。この場合には、ユーザーUの視線LSEは、操作面12Aの上下方向の中央よりも上を通るため、操作面12Aの第5角度φEは適正な角度φよりも小さい。換言すれば、操作面12Aの上下方向の位置は、適正な位置、すなわち、中央位置よりも下に位置する。第5角度φEは、第5画像EEに対応する角度φである。調整部115は、第3基準線L3と第4基準線L4との距離D2が第2閾値TH2よりも大である場合には、調整部115は、角度φを大きくするように調整する。すなわち、調整部115は、アーム132を右廻りに回転する。
【0052】
図5の左右方向の中央部に示すように、調整部115は、第4基準線L4が第3基準線L3よりも上に位置する場合には、調整部115は、角度φを調整量Δφだけ大きくするように調整する。なお、調整部115は、調整量Δφは、第4基準線L4と第3基準線L3との間の距離D2に基づいて算出する。
【0053】
また、
図5の上段の左右方向の右部に示すように、第6画像EFでは、目の位置が、第6画像EFの上下方向の中央よりも下に位置している。このときには、第4基準線L4Fは、第3基準線L3よりも下に位置する。第4基準線L4Fは、第6画像EFに対応する第4基準線L4である。
また、
図5の下段の左右方向の右部に示すように、視線LSFは、タッチパネル122の操作面12Aの上下方向の中央よりも下を通る。視線LSFは、第6画像EFに示すユーザーUの視線LSである。この場合には、ユーザーUの視線LSFは、操作面12Aの上下方向の中央よりも下を通るため、操作面12Aの第6角度φFは適正な角度φよりも大きい。換言すれば、操作面12Aの上下方向の位置は、適切な位置、すなわち中央位置よりも上に位置する。第6角度φFは、第6画像EFに対応する角度φである。調整部115は、第3基準線L3と第4基準線L4との距離D2が第2閾値TH2よりも大である場合には、調整部115は、角度φを小さくするように調整する。すなわち、調整部115は、アーム132を左廻りに回転する。
【0054】
図5の左右方向の右部に示すように、調整部115は、第4基準線L4が第3基準線L3よりも下に位置する場合には、調整部115は、角度φを調整量Δφだけ小さくするように調整する。なお、調整部115は、調整量Δφを、第4基準線L4と第3基準線L3との間の距離D2に基づいて算出する。
【0055】
図5を参照して説明したように、調整部115は、第3基準線L3に対する第4基準線L4の位置と、第3基準線L3と第4基準線L4との間の距離D2に基づいて、アーム132の角度φ、すなわち、操作面12Aの上下方向の位置を適正に調整できる。
【0056】
次に、
図6-
図8を参照して、制御部11の処理について説明する。
図6、及び
図7は、制御部11の処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、ステップS101において、判定部111は、人感センサー14が、プリンター1の周囲に存在するユーザーUの人体を検出したか否かを判定する。
プリンター1の周囲に存在するユーザーUの人体を検出していないと判定部111が判定した場合(ステップS101;NO)には、処理が待機状態になる。プリンター1の周囲に存在するユーザーUの人体を検出したと判定部111が判定した場合(ステップS101;YES)には、処理がステップS103へ進む。
【0057】
そして、ステップS103において、角度基準設定部113は、「目決定処理」を実行する。「目決定処理」については、
図8を参照して更に説明する。
次に、ステップS105において、取得部112は、カメラ121からユーザーUの顔を含む撮像画像PCを取得する。
次に、ステップS107において、角度基準設定部113は、撮像画像PCに基づき、ステップS103の目決定処理において決定された目の画像を抽出し、目の上下方向における中央を通る第1基準線L1を設定する。
次に、ステップS109において、角度基準設定部113は、撮像画像PCに基づき、ステップS103の目決定処理において決定された黒目の画像を抽出し、黒目の上下方向における中央を通る第2基準線L2を設定する。
【0058】
次に、ステップS111において、調整部115は、第2基準線L2が第1基準線L1よりも上に位置するか否かを判定する。
第2基準線L2が第1基準線L1よりも上に位置すると調整部115が判定した場合(ステップS111;YES)には、処理がステップS121へ進む。第2基準線L2が第1基準線L1よりも上に位置しないと調整部115が判定した場合(ステップS111;NO)には、処理がステップS113へ進む。
そして、ステップS113において、調整部115は、第2基準線L2が第1基準線L1よりも下に位置するか否かを判定する。
第2基準線L2が第1基準線L1よりも下に位置しないと調整部115が判定した場合(ステップS113;NO)には、処理が
図7のステップS127へ進む。第2基準線L2が第1基準線L1よりも下に位置すると調整部115が判定した場合(ステップS113;YES)には、処理がステップS115へ進む。
【0059】
そして、ステップS115において、調整部115は、第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1が第1閾値TH1よりも大であるか否かを判定する。
第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1が第1閾値TH1よりも大ではないと調整部115が判定した場合(ステップS115;NO)には、処理が
図7のステップS127へ進む。第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1が第1閾値TH1よりも大であると調整部115が判定した場合(ステップS115;YES)には、処理がステップS117へ進む。
そして、ステップS117において、調整部115は、第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1に基づいて、タッチパネル122の操作面12Aの角度θの調整量Δθを算出する。
次に、ステップS119において、調整部115は、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを調整量Δθだけ増加するように調整する。その後、処理がステップS105に戻る。
【0060】
ステップS111でYESの場合には、ステップS121において、調整部115は、第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1が第1閾値TH1よりも大であるか否かを判定する。
第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1が第1閾値TH1よりも大ではないと調整部115が判定した場合(ステップS121;NO)には、処理が
図7のステップS127へ進む。第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1が第1閾値TH1よりも大であると調整部115が判定した場合(ステップS121;YES)には、処理がステップS123へ進む。
そして、ステップS123において、調整部115は、第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1に基づいて、タッチパネル122の操作面12Aの角度θの調整量Δθを算出する。
次に、ステップS125において、調整部115は、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを調整量Δθだけ減少するように調整する。その後、処理がステップS105に戻る。
【0061】
ステップS113でNO、ステップS115でNO、及び、ステップS121でNOの場合には、
図7に示すように、ステップS127において、取得部112は、カメラ121からユーザーUの顔を含む撮像画像PCを取得する。
次に、ステップS129において、位置基準設定部114は、撮像画像PCに基づき、撮像画像PCの上下方向における中央を通る第3基準線L3を設定する。
次に、ステップS131において、位置基準設定部114は、撮像画像PCに基づき、ユーザーUの顔の画像、及びユーザーUの目の画像を抽出し、顔の画像の上下方向における目の中央を通る第4基準線L4を設定する。
【0062】
次に、ステップS133において、調整部115は、第4基準線L4が第3基準線L3よりも上に位置するか否かを判定する。
第4基準線L4が第1基準線L1よりも上に位置すると調整部115が判定した場合(ステップS133;YES)には、処理がステップS143へ進む。第4基準線L4が第3基準線L3よりも上に位置しないと調整部115が判定した場合(ステップS133;NO)には、処理がステップS135へ進む。
そして、ステップS135において、調整部115は、第4基準線L4が第3基準線L3よりも下に位置するか否かを判定する。
第4基準線L4が第3基準線L3よりも下に位置しないと調整部115が判定した場合(ステップS135;NO)には、処理が終了する。第4基準線L4が第3基準線L3よりも下に位置すると調整部115が判定した場合(ステップS135;YES)には、処理がステップS137へ進む。
【0063】
そして、ステップS137において、調整部115は、第3基準線L3と第4基準線L4との距離D2が第2閾値TH2よりも大であるか否かを判定する。
第3基準線L3と第4基準線L4との距離D2が第2閾値TH2よりも大ではないと調整部115が判定した場合(ステップS137;NO)には、処理が終了する。第3基準線L3と第4基準線L4との距離D2が第2閾値TH2よりも大であると調整部115が判定した場合(ステップS137;YES)には、処理がステップS139へ進む。
そして、ステップS139において、調整部115は、第3基準線L3と第4基準線L4との距離D2に基づいて、タッチパネル122の上下方向の位置、すなわちアーム132の角度φの調整量Δφを算出する。
次に、ステップS141において、調整部115は、タッチパネル122の上下方向の位置、すなわちアーム132の角度φを調整量Δφだけ減少するように調整する。その後、処理がステップS127に戻る。
【0064】
ステップS133でYESの場合には、ステップS143において、調整部115は、第3基準線L3と第4基準線L4との距離D2が第2閾値TH2よりも大であるか否かを判定する。
第3基準線L3と第4基準線L4との距離D2が第2閾値TH2よりも大ではないと調整部115が判定した場合(ステップS143;NO)には、処理が終了する。第3基準線L3と第4基準線L4との距離D2が第2閾値TH2よりも大であると調整部115が判定した場合(ステップS143;YES)には、処理がステップS145へ進む。
そして、ステップS145において、調整部115は、第3基準線L3と第4基準線L4との距離D2に基づいて、タッチパネル122の上下方向の位置、すなわちアーム132の角度φの調整量Δφを算出する。
次に、ステップS147において、調整部115は、タッチパネル122の上下方向の位置、すなわちアーム132の角度φを調整量Δφだけ増加するように調整する。その後、処理がステップS127に戻る。
【0065】
図6-
図7を参照して説明したように、調整部115は、第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1が、第1閾値TH1以下となるように、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを調整する。したがって、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを適正に調整できる。
また、調整部115は、第3基準線L3と第4基準線L4との距離D2が、第2閾値TH2以下となるように、アーム132の角度φを調整する。したがって、タッチパネル122の上下方向の位置、すなわちアーム132の角度φを適正に調整できる。
【0066】
なお、ステップS101は、「判定ステップ」の一例に対応する。ステップS105、及びステップS127は、「取得ステップ」の一例に対応する。ステップS119、ステップS125、ステップS141、及びステップS147は、「調整ステップ」の一例に対応する。
【0067】
また、
図6-
図7を参照して説明したように、本実施形態では、調整部115が「角度調整処理」を実行した後、「位置調整処理」を実行する場合について説明するが、これに限定されない。例えば、調整部115が「位置調整処理」を実行した後、「角度調整処理」を実行してもよい。また、調整部115が、「角度調整処理」と「位置調整処理」とを交互に複数回実行してもよい。
【0068】
次に、
図8を参照して、「目決定処理」について説明する。
図8は、制御部11の目判定処理の一例を示すフローチャートである。なお、目判定処理は、
図6のステップS103において実行される。
また、
図8では、便宜上、タッチパネル122の操作面12Aを所定角度以上変更したときにおいて、第1基準線L1の位置が変化しない場合について説明する。この場合には、第1基準線L1と第2基準線L2との間の距離D1の変化量は、第2基準線L2の位置の変化量と一致する。したがって、
図8では、第2基準線L2の位置の変化量に基づいて、「目決定処理」を実行する場合について説明する。
【0069】
まず、ステップS201において、取得部112は、カメラ121からユーザーUの顔を含む撮像画像PCを取得する。
次に、ステップS203において、角度基準設定部113は、撮像画像PCに基づき、ユーザーUの左目、及び右目の各々の黒目の画像を抽出し、左目の黒目、及び右目の黒目の各々の第2基準線L2を設定する。
次に、ステップS205において、制御部11は、タッチパネル122の操作面12Aを所定角度以上変更する。例えば、制御部11は、タッチパネル122の操作面12Aを30度変更する。
【0070】
次に、ステップS207において、取得部112は、カメラ121からユーザーUの顔を含む撮像画像PCを取得する。
次に、ステップS209において、角度基準設定部113は、撮像画像PCに基づき、ユーザーUの左目、及び右目の各々の黒目の画像を抽出し、左目の黒目、及び右目の黒目の各々の第2基準線L2を設定する。
次に、ステップS211において、角度基準設定部113は、タッチパネル122の操作面12Aを変更する前後における右目の第2基準線L2の位置の変化量が、第3閾値TH3以上であるか否かを判定する。
右目の第2基準線L2の位置の変化量が第3閾値TH3以上であると角度基準設定部113が判定した場合(ステップS211;YES)には、処理がステップS219ヘ進む。右目の第2基準線L2の位置の変化量が第3閾値TH3以上ではないと角度基準設定部113が判定した場合(ステップS211;NO)には、処理がステップS213へ進む。
【0071】
そして、ステップS213において、角度基準設定部113は、タッチパネル122の操作面12Aを変更する前後における左目の第2基準線L2の位置の変化量が、第3閾値TH3以上であるか否かを判定する。
左目の第2基準線L2の位置の変化量が、第3閾値TH3以上ではないと角度基準設定部113が判定した場合(ステップS213;NO)には、処理がステップS215へ進む。
そして、ステップS215において、制御部11は、タッチパネル122の操作面12Aの角度の変更量を増加する。例えば、制御部11は、タッチパネル122の操作面12Aの角度の変更量を10度だけ増加する。その後、処理がステップS201に戻る。
左目の第2基準線L2の位置の変化量が、第3閾値TH3以上であると角度基準設定部113が判定した場合(ステップS213;YES)には、処理がステップS217へ進む。
そして、ステップS217において、角度基準設定部113は、第1基準線L1及び第2基準線L2を設定するときに、左目の第1基準線L1及び第2基準線L2を設定することを決定する。その後、処理が
図6のステップS105へリターンされる。
【0072】
ステップS211でYESの場合には、ステップS219において、角度基準設定部113は、タッチパネル122の操作面12Aを変更する前後における左目の第2基準線L2の位置の変化量が、第3閾値TH3以上であるか否かを判定する。
左目の第2基準線L2の位置の変化量が第3閾値TH3以上ではないと角度基準設定部113が判定した場合(ステップS219;NO)には、処理がステップS221へ進む。
そして、角度基準設定部113は、第1基準線L1及び第2基準線L2を設定するときに、右目の第1基準線L1及び第2基準線L2を設定することを決定する。その後、処理が
図6のステップS105へリターンされる。
左目の第2基準線L2の位置の変化量が第3閾値TH3以上であると角度基準設定部113が判定した場合(ステップS219;YES)には、処理がステップS223へ進む。
そして、角度基準設定部113は、第1基準線L1及び第2基準線L2を設定するときに、両目の第1基準線L1及び第2基準線L2を設定することを決定する。その後、処理が
図6のステップS105へリターンされる。
【0073】
図8を参照して説明したように、角度基準設定部113は、タッチパネル122の操作面12Aを所定角度以上変更したときにおいて、第2基準線L2の位置の変化量が第3閾値TH3以上であるか否かよって、以下の処理を実行する。すなわち、角度基準設定部113は、第1基準線L1及び第2基準線L2を設定するときに、左目の第1基準線L1及び第2基準線L2を設定するか、右目の第1基準線L1及び第2基準線L2を設定するか、又は、両目の第1基準線L1及び第2基準線L2を設定するか、を決定する。よって、ユーザーUが、例えば、斜視である場合に、黒目の位置が正常に動く方の目の第1基準線L1及び第2基準線L2を設定する。したがって、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを適正に調整できる。
【0074】
以上、図面を参照して説明したように、本実施形態に係るプリンター1は、人感センサー14と、カメラ121と、ユーザーからの操作を受け付けるタッチパネル122と、人感センサー14、カメラ121、及びタッチパネル122と通信可能に接続される制御部11と、を備えるプリンター1であって、制御部11は、人感センサー14が、プリンター1の周囲に存在するユーザーUの人体を検出したか否かを判定する判定部111と、人感センサー14がユーザーUの人体を検出したと判定部111が判定した場合に、カメラ121からユーザーUの顔を含む撮像画像PCを取得する取得部112と、撮像画像PCに基づき、タッチパネル122の操作面12Aの角度θ、及び上下方向の位置の少なくとも一方を調整する調整部115と、を備える。
【0075】
この構成によれば、人感センサー14がユーザーUの人体を検出したと判定部111が判定した場合に、取得部112は、カメラ121からユーザーUの顔を含む撮像画像PCを取得する。そして、調整部115は、撮像画像PCに基づき、タッチパネル122の操作面12Aの角度、及び上下方向の位置の少なくとも一方を調整する。
よって、タッチパネル122の操作面12Aの角度θ、及び上下方向の位置の少なくとも一方を適正に調整できる。したがって、ユーザーUの利便性を向上できる。
【0076】
また、本実施形態に係るプリンター1において、制御部11は、撮像画像PCに基づき、ユーザーUの目の画像を抽出し、目の上下方向における中央を通る第1基準線L1を設定し、撮像画像PCに基づき、ユーザーUの黒目の画像を抽出し、黒目の上下方向における中央を通る第2基準線L2を設定する角度基準設定部113、を備え、調整部115は、第1基準線L1、及び第2基準線L2に基づき、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを調整する。
【0077】
この構成によれば、角度基準設定部113が、撮像画像PCに基づき、ユーザーUの目の画像を抽出し、目の上下方向における中央を通る第1基準線L1を設定する。また、角度基準設定部113が、撮像画像PCに基づき、ユーザーUの黒目の画像を抽出し、黒目の上下方向における中央を通る第2基準線L2を設定する。また、調整部115は、第1基準線L1、及び第2基準線L2に基づき、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを調整する。よって、
図4を参照して説明したように、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを適正に調整できる。したがって、ユーザーUの利便性を向上できる。
【0078】
また、本実施形態に係るプリンター1において、調整部115は、第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1が、第1閾値TH1以下となるように、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを調整する。
【0079】
この構成によれば、
図4を参照して説明したように、第2基準線L2が第1基準線L1よりも下に位置する場合には、操作面12Aの法線VNは、ユーザーUの目の下側の位置を通る。第2基準線L2が第1基準線L1よりも上に位置する場合には、操作面12Aの法線VNは、ユーザーUの目の上側の位置を通る。第2基準線L2が、第1基準線L1の位置と一致する場合には、操作面12Aの法線VNAは、ユーザーUの目の位置を通る。よって、第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1が、第1閾値TH1以下となるように、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを調整することによって、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを適正に調整できる。したがって、ユーザーUの利便性を向上できる。
【0080】
また、本実施形態に係るプリンター1において、角度基準設定部113は、ユーザーUの左目及び右目の画像を抽出し、左目、及び右目の各々の第1基準線L1を設定し、左目、及び右目の各々の黒目の画像を抽出し、左目の黒目、及び右目の黒目の各々の第2基準線L2を設定し、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを所定角度以上変更したときに、右目の第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1の変化量が第3閾値TH3以上であり、且つ、左目の第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1の変化量が第3閾値TH3未満である場合には、調整部115は、右目の第1基準線L1、及び第2基準線L2に基づき、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを調整し、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを所定角度以上変更したときに、右目の第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1の変化量が第3閾値TH3未満であり、且つ、左目の第1基準線L1と第2基準線L2との距離D1の変化量が第3閾値TH3以上である場合には、調整部115は、左目の第1基準線L1、及び第2基準線L2に基づき、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを調整する。
【0081】
この構成によれば、ユーザーUが、例えば、斜視である場合に、黒目の位置が正常に動く方の目の第1基準線L1及び第2基準線L2を設定する。よって、タッチパネル122の操作面12Aの角度θを適正に調整できる。したがって、ユーザーUの利便性を向上できる。
【0082】
また、本実施形態に係るプリンター1において、制御部11は、撮像画像PCに基づき、撮像画像PCの上下方向における中央を通る第3基準線L3を設定し、撮像画像PCに基づき、ユーザーUの顔の画像、及びユーザーの目の画像を抽出し、顔の画像の上下方向における目の中央を通る第4基準線L4を設定する位置基準設定部114、を備え、調整部115は、第3基準線L3、及び第4基準線L4に基づき、タッチパネル122の操作面12Aの上下方向の位置を調整する。
【0083】
この構成によれば、位置基準設定部114が、撮像画像PCに基づき、撮像画像PCの上下方向における中央を通る第3基準線L3を設定する。また、位置基準設定部114が、撮像画像PCに基づき、ユーザーUの顔の画像、及びユーザーの目の画像を抽出し、顔の画像の上下方向における目の中央を通る第4基準線L4を設定する。そして、調整部115は、第3基準線L3、及び第4基準線L4に基づき、タッチパネル122の操作面12Aの上下方向の位置を調整する。よって、
図5を参照して説明したように、タッチパネル122の操作面12Aの上下方向の位置を適正に調整できる。したがって、ユーザーUの利便性を向上できる。
【0084】
また、本実施形態に係るプリンター1において、調整部115は、第3基準線L3と第4基準線L4との距離D2が、第2閾値TH2以下となるように、タッチパネル122の操作面12Aの上下方向の位置を調整する。
【0085】
この構成によれば、
図5を参照して説明したように、第4基準線L4Eが第3基準線L3よりも上に位置する場合には、ユーザーUの視線LSは、操作面12Aの上下方向の中央よりも上を通る。また、第4基準線L4Eが第3基準線L3よりも下に位置する場合には、ユーザーUの視線LSは、操作面12Aの上下方向の中央よりも下を通る。第4基準線L4Dは、第3基準線L3の位置と一致する場合には、ユーザーUの視線LSは、操作面12Aの上下方向の中央を通る。よって、第3基準線L3と第4基準線L4との距離D2が、第2閾値TH2以下となるように、タッチパネル122の操作面12Aの上下方向の位置を調整することによって、タッチパネル122の操作面12Aの上下方向の位置を適正に調整できる。したがって、ユーザーUの利便性を向上できる。
【0086】
本実施形態に係るプリンター1の制御方法は、人感センサー14と、カメラ121と、ユーザーからの操作を受け付けるタッチパネル122と、人感センサー14、カメラ121、及びタッチパネル122と通信可能に接続される制御部11と、を備えるプリンター1の制御方法であって、人感センサー14が、プリンター1の周囲に存在するユーザーUの人体を検出したか否かを判定する判定ステップと、人感センサー14がユーザーUの人体を検出したと判定ステップで判定した場合に、カメラ121からユーザーUの顔を含む撮像画像PCを取得する取得ステップと、撮像画像PCに基づき、タッチパネル122の操作面12Aの角度θ、及び上下方向の位置の少なくとも一方を調整する調整ステップと、含む。
【0087】
この構成によれば、本実施形態に係るプリンター1と同様の効果を奏する。
【0088】
本実施形態は、一態様を示すものであり趣旨に逸脱しない範囲内で任意に変形および応用が可能である。
【0089】
本実施形態では、「電子機器」がプリンター1である場合について説明するが、これに限定されない。「電子機器」が、制御部11と、操作パネル12と、カメラ121と、駆動機構13と、人感センサー14と、を備えればよい。「電子機器」が、例えば、検査機器や、工業製品の製造ラインを構成する製造機器でもよい。
【0090】
本実施形態では、「画像形成装置」がプリンター1である場合について説明するが、これに限定されない。「画像形成装置」が、制御部11と、操作パネル12と、カメラ121と、駆動機構13と、人感センサー14と、印刷機構15と、を備えればよい。「画像形成装置」が、例えば、複合機でもよい。また、「画像形成装置」が、例えば、コピー機でもよい。
【0091】
本実施形態では、操作パネル12がタッチパネル122を備える場合について説明するが、これに限定されない。操作パネル12が、ユーザーUの操作を受け付ければよい。例えば、操作パネル12が、タッチパネル122に換えて、又は、加えて、複数の操作キー、操作ボタン等を備えてもよい。
【0092】
本実施形態では、人感センサー14が1つである場合について説明するが、これに限定されない。複数の人感センサー14がプリンター本体10に配置されてもよい。
【0093】
本実施形態では、調整部115は、撮像画像PCに基づき、タッチパネル122の操作面12Aの角度θ、及びタッチパネル122の上下方向の位置を調整する場合について説明するが、これに限定されない。調整部115は、撮像画像PCに基づき、タッチパネル122の操作面12Aの角度θ、及びタッチパネル122の上下方向の位置の少なくとも一方を調整すればよい。
【0094】
本実施形態は、プリンター1が備えるプロセッサー11Aが制御プログラムPGMを実行することによって実現されるプリンター1の制御方法について説明するが、この制御方法を実現するためにプロセッサー11Aが実行する制御プログラムPGMを、コンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体、或いは、この制御プログラムPGMを伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。
上記記録媒体は、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。記録媒体には、フレキシブルディスク、HDD、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu-ray(登録商標)Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリー、カード型記録媒体等の可搬型の、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。
上記記録媒体は、プリンター1が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置でもよい。
【0095】
制御部11の機能は、1つ又は複数のプロセッサー、或いは、半導体チップにより実現してもよい。制御部11が、SoC(System―on―a―Chip)、MCU(Micro Control Unit)、FPGA(Field―Programmable Gate Array)等の副処理装置(co―processor)を更に備える構成であってもよい。制御部11は、CPU及び副処理装置の双方を協働させるか、あるいは双方のうちの一方を選択的に用いて各種の制御を行ってもよい。
【0096】
図6-
図8の各々のフローチャートの処理単位は、制御部11の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、限定されることはない。フローチャートの処理単位は、処理内容に応じて、更に多くの処理単位に分割してもよい。1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割してもよい。処理の順番は、趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ換えてもよい。
【0097】
図3に示した各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に限定されない。必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも可能である。上述した実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部は、ハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアでもよい。その他、プリンター1の他の各部の具体的な細部構成も、趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【符号の説明】
【0098】
1…プリンター(画像形成装置、電子機器)、10…プリンター本体、11…制御部、11A…プロセッサー、11B…メモリー、111…判定部、112…取得部、113…角度基準設定部、114…位置基準設定部、115…調整部、116…印刷制御部、12…操作パネル、121…カメラ(撮像部)、122…タッチパネル(操作部)、13…駆動機構、14…人感センサー、15…印刷機構(画像形成部)、131…第1軸部材、132…アーム、133…第2軸部材、L1…第1基準線、L2、L2A、L2B、L2C…第2基準線、L3…第3基準線、L4、L4D、L4E、L4F…第4基準線、LS、LSD、LSE、LSF…視線、PC…撮像画像、PGM…制御プログラム、TH1…第1閾値、TH2…第2閾値、TH3…第3閾値、U…ユーザー、VN、VNA、VNB、VNC…法線、Δθ…調整量、Δφ…調整量、θ…角度、φ…角度。