(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009751
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】未固化複合材料についての特性予測
(51)【国際特許分類】
B29C 70/30 20060101AFI20240116BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
B29C70/30
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023076770
(22)【出願日】2023-05-08
(31)【優先権主張番号】17/811,433
(32)【優先日】2022-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ティファニー・アリソン・ステュワート
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・ウィリアムソン・シャハン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ・マイケル・ハンドリー
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・マックナイト
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・エル・バウアー
(72)【発明者】
【氏名】グウェン・マリー・ランフィア・グロス
(72)【発明者】
【氏名】マーク・イー・ロガルスキー
(57)【要約】
【課題】未固化複合材料の製造が完了したときに未固化複合材料が有することになる特性を、製造プロセスが行われている間に予測するための方法、装置、システム、及びコンピュータプログラム製品を提供する。
【解決手段】未固化複合材料を製造するための方法、装置、システム、及びコンピュータプログラム製品。複合材料製造システム用のセンサシステムから、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に、センサデータを受信する。複合材料製造システムでの製造により完成したときの未固化複合材料のいくつかの部分について、一組の予測特性を、センサデータを用いて決定する。未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性に基づいて、未固化複合材料のいくつかの部分についての品質レベルを特定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステム(210)と、
前記コンピュータシステム(210)内の複合材料マネージャ(132、212)とを備え、
前記複合材料マネージャ(132、212)は、
複合材料製造システム(206、500、600、708)用のセンサシステム(220)から、前記複合材料製造システム(206、500、600、708)による未固化複合材料(204、702)の製造中に、センサデータ(134、218、722)を受信し、
前記複合材料製造システム(206、500、600、708)での製造により完成したときの前記未固化複合材料(204、702)のいくつかの部分(226)についての一組の予測特性(224)を、前記センサデータ(134、218、722)を用いて決定し、
前記未固化複合材料(204、702)の前記いくつかの部分(226)についての前記一組の予測特性(224)に基づいて、前記未固化複合材料(204、702)の前記いくつかの部分(226)についての品質レベル(230)を特定する、
ように構成されている、複合材料管理システム(202)。
【請求項2】
前記複合材料マネージャ(132、212)は、
前記未固化複合材料(204、702)の前記いくつかの部分(226)について特定された前記品質レベル(230)に基づいて、マーキング作動(300)を実行する、
ように構成されている、請求項1に記載の複合材料管理システム(202)。
【請求項3】
前記未固化複合材料(204、702)の前記いくつかの部分(226)について特定された前記品質レベル(230)に基づいて前記マーキング作動(300)を実行する際に、
前記複合材料マネージャ(132、212)は、
前記未固化複合材料(204、702)の前記いくつかの部分(226)のうちの、ある部分(302、700、824)を、前記部分(302、700、824)の前記品質レベル(230)が許容誤差(312)外であることに基づいて、使用不可(304)とマーキングする、
ように構成されている、請求項2に記載の複合材料管理システム(202)。
【請求項4】
前記未固化複合材料(204、702)の前記いくつかの部分(226)について特定された前記品質レベル(230)に基づいて前記マーキング作動(300)を実行する際に、
前記複合材料マネージャ(132、212)は、
前記未固化複合材料(204、702)の前記いくつかの部分(226)のうちの、前記部分(302、700、824)を、前記部分(302、700、824)の前記品質レベル(230)が許容誤差(312)内であることに基づいて、使用可(306)とマーキングする、
ように構成されている、請求項2又は3に記載の複合材料管理システム(202)。
【請求項5】
前記未固化複合材料(204、702)の前記いくつかの部分(226)について特定された前記品質レベル(230)に基づいて前記マーキング作動(300)を実行する際に、
前記複合材料マネージャ(132、212)は、
前記未固化複合材料(204、702)の前記いくつかの部分(226)を、前記品質レベル(230)でマーキングする、
ように構成されている、請求項2又は3に記載の複合材料管理システム(202)。
【請求項6】
前記未固化複合材料(204、702)の前記いくつかの部分(226)について特定された前記品質レベル(230)に基づいて前記マーキング作動(300)を実行する際に、
前記複合材料マネージャ(132、212)は、
前記未固化複合材料(204、702)の前記いくつかの部分(226)についての前記品質レベル(230)のうちの少なくとも1つを記録する、
ように構成されている、請求項2又は3に記載の複合材料管理システム(202)。
【請求項7】
前記複合材料製造システム(206、500、600、708)をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の複合材料管理システム(202)。
【請求項8】
前記複合材料製造システム(206、500、600、708)は、炭素繊維プリプレグ被覆ライン、強化繊維樹脂含浸ライン、樹脂混合物処理システム、樹脂フィルミングライン、プリプレグシステム、及びスリット加工システムのうちの1つである、請求項3に記載の複合材料管理システム(202)。
【請求項9】
前記センサシステム(220)内の一組のセンサ(222、716)は、前記複合材料製造システム(206、500、600、708)内の第1の点(704)と第2の点(706)との間に位置付けられているセンサ箇所(660、662、664、666、667、669、671、718、812)にあり、
前記第1の点(704)は、前記未固化複合材料(204、702)の前記部分(302、700、824)が前記第1の点(704)を通るときに、前記未固化複合材料(204、702)の前記部分(302、700、824)に対して一組の作動(241、710、720)を実行する点である、請求項1から3のいずれか一項に記載の複合材料管理システム(202)。
【請求項10】
機械学習モデル(138、236)をさらに備え、
前記複合材料マネージャ(132、212)は、前記センサデータ(134、218、722)及び前記機械学習モデル(138、236)を用いて、前記未固化複合材料(204、702)の前記部分(302、700、824)についての前記一組の予測特性(224)を決定する、請求項1から3のいずれか一項に記載の複合材料管理システム(202)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「REAL TIME MANAGEMENT IN MANUFACTURING UNCONSOLIDATED COMPOSITE MATERIALS」という発明の名称の、2022年7月8日に出願され、代理人整理番号22-0421-US-NP2であり同じ譲受人に譲渡された特許出願に関連する。前述の出願は、参照によって全体が本明細書に引用される。
【0002】
本開示は、一般に複合材料の製造に関し、特に未硬化複合材料の製造に関する。さらにより詳細には、本開示は、未硬化複合材料の製造中に、その未硬化複合材料についての特性を予測するための方法、装置、システム、及びコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0003】
航空機は、複合材料の割合をますます増大して設計及び製造されている。複合材料は、航空機の重量を削減し、設計を通じて航空機効率を改善するために、航空機に使用されている。この重量の削減により、積載量の増加や、燃料効率の上昇など、性能形態が改善される。さらに、複合材料により、航空機の様々な構成要素の耐用年数がより長くなる。
【0004】
複合材料は、2以上の機能部品を組み合わせることによって作り出される丈夫で軽量な材料である。例えば、複合材料は、ポリマー樹脂マトリクス状に結合される強化繊維を含んでもよい。繊維は、一方向性であってもよく、織布又は織物の形状をとってもよい。繊維及び樹脂は、複合材料を形成するように配置され硬化される。
【0005】
さらに、複合材料を用いて航空宇宙用複合材料構造体を作り出すことにより、航空機の一部をより大きな断片又は部品で製造することが潜在的に可能になる。例えば、航空機の胴体は、円筒形の部品に作り出され、次いで航空機の胴体を形成するように組み立てられる場合がある。他の例には、翼を形成するように接合される翼部品、又は安定板を形成するように接合され安定板部品が含まれるが、これに限定されない。
【0006】
複合材料構造体の製造では、通常、複合材料の層はツール上にレイアップされる。これらの層は、シート状の繊維から構成されていてもよい。これらのシートは、織物、テープ、トウの形状、又は他の適切な形状をとってもよい。場合によっては、シートの中に樹脂を注入又は予備含浸してもよい。これらの種類のシートは、一般に「プリプレグ」と呼ばれる。プリプレグは長いシート状に製造され得、プリプレグが複合材料構造体を製造するために使用されるまではロール状に保管される。
【0007】
プリプレグの異なる層は、異なる向きでレイアップされる場合があり、製造されている複合材料構造体の厚さに応じて、異なる数の層が用いられる場合がある。これらの層は、手でレイアップされても、テープ積層機や繊維配置システムなどの自動積層機器を用いてレイアップされてもよい。
【0008】
複合材料の異なる層がツール上にレイアップされた後、複合材料の層は、温度及び圧力に曝露されると固化及び硬化することで最終的な複合材料構造体を形成してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
最終的な複合材料構造体の品質は、非破壊試験を含む試験を用いて決定され得る。さらに、複合材料構造体の製造に使用される構成要素もまた、品質目的で監視及び試験され得る。複合材料構成要素について所望の品質を維持することにより、最終的な複合材料構造体の品質を上げることができる。例えば、プリプレグは、厚さが指定された許容誤差範囲内であるか否かを判定するために検査され得る。プリプレグ構成要素などの複合材料構成要素の品質試験は、所望の時間よりも時間を要する場合がある。
【0010】
したがって、上述の課題の少なくとも一部、及び他の考えられる課題を考慮する方法並びに装置を有することが望ましいであろう。例えば、プリプレグ構成要素の品質試験での技術的問題を克服する方法、装置、システム、及びコンピュータプログラム製品を有することが望ましいだろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の一実施形態は、コンピュータシステムと、コンピュータシステム内の複合材料マネージャとを備える複合材料管理システムを提供する。複合材料マネージャは、複合材料製造システム用のセンサシステムから、センサデータを受信する。センサデータは、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に受信される。複合材料マネージャは、複合材料製造システムでの製造により完成したときの未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性を、センサデータを用いて決定する。複合材料マネージャは、未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性に基づいて、未固化複合材料のいくつかの部分についての品質レベルを特定する。
【0012】
本開示の別の実施形態では、複合材料管理システムは、繊維及び樹脂被覆フィルムから、ある長さのプリプレグを製造するように動作する炭素繊維プリプレグ被覆ラインと、炭素繊維プリプレグ被覆ラインの動作中に、炭素繊維プリプレグ被覆ラインについてのセンサデータを生成するように動作可能なセンサシステムと、複合材料マネージャとを備える。複合材料マネージャは、複合材料製造システム用のセンサシステムから、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に、センサデータを受信する。複合材料マネージャは、複合材料製造システムでの製造により完成したときのプリプレグのいくつかの部分についての一組の予測特性を、センサデータを用いて決定する。複合材料マネージャは、未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性に基づいて、プリプレグのいくつかの部分についての品質レベルを特定する。
【0013】
本開示のさらに別の実施形態では、方法が未固化複合材料を製造する。複合材料製造システム用のセンサシステムから、センサデータを受信する。複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に、センサデータを受信する。複合材料製造システムでの製造により完成したときの未固化複合材料のいくつかの部分について、一組の予測特性を、センサデータを用いて決定する。未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性に基づいて、未固化複合材料のいくつかの部分についての品質レベルを特定する。
【0014】
本開示のさらに別の実施形態では、コンピュータプログラム製品が未固化複合材料を製造する。コンピュータプログラム製品は、プログラム命令を具現化させるコンピュータ可読記憶媒体を備える。プログラム命令は、複合材料製造システム用のセンサシステムからセンサデータを受信する方法をコンピュータシステムに実行させるために、コンピュータシステムによって実行可能である。複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に、センサデータを受信する。コンピュータシステムは、複合材料製造システムでの製造により完成したときの未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性を、センサデータを用いて決定し、未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性に基づいて、未固化複合材料のいくつかの部分についての品質レベルを特定する。
【0015】
形態及び機能は、本開示の様々な実施形態において独立に達成することができ、又は以下の説明及び図面を参照してさらなる詳細を理解することができるさらに別の実施形態において組み合わされてもよい。
【0016】
例示的な実施形態の特徴であると考えられる新規の形態が、添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、例示的な実施形態、並びにそれらの使用法の好ましいモード、さらなる目的及び形態は、本開示の例示的な一実施形態の以下の詳細な説明を参照し、添付の図面と併せて読むと最もよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】例示的な実施形態を実装することが可能なデータ処理システムのネットワークを絵で表現している図である。
【
図2】例示的な一実施形態による複合材料製造環境のブロック図である。
【
図3】例示的な一実施形態による、未固化複合材料の部分についての予測特性を用いてとられ得る作動のブロック図の例示である。
【
図4】例示的な一実施形態による、未固化複合材料を製造するための製造プロセスフローの例示である。
【
図5】例示的な一実施形態による、フィルミング処理を実行するように構成されている複合材料製造システムの例示である。
【
図6】例示的な一実施形態による、プリプレグ生産プロセスを実行するように構成されている複合材料製造システム例示である。
【
図7】例示的な一実施形態による、複合材料製造システム内のセンサ箇所のブロック図の例示である。
【
図8】例示的な一実施形態による、複合材料製造システムの一部の側面図の例示である。
【
図9】例示的な一実施形態による、複合材料製造システムの一部の上面図の例示である。
【
図10】例示的な一実施形態による、未固化複合材料の部分についての品質レベルを特定するためのプロセスのフローチャートの例示である。
【
図11】例示的な一実施形態による、未固化複合材料をマーキングするためのプロセスのフローチャートの例示である。
【
図12】例示的な一実施形態による、未固化複合材料の許容誤差外である部分を使用不可とマーキングするためのプロセスのフローチャートの例示である。
【
図13】例示的な一実施形態による、未固化複合材料の許容誤差内である部分を使用可とマーキングするためのプロセスのフローチャートの例示である。
【
図14】例示的な一実施形態による、未固化複合材料のある部分を品質レベルでマーキングするためのプロセスのフローチャートの例示である。
【
図15】例示的な一実施形態による、未固化複合材料の部分についての品質レベルを記録するためのプロセスのフローチャートの例示である。
【
図16】例示的な一実施形態による、未固化複合材料のある部分についての予測特性を決定するためのプロセスのフローチャートの例示である。
【
図17】例示的な一実施形態による、未固化複合材料の製作が完了する前に未固化複合材料についての特性を予測するように機械学習モデルを訓練するためのプロセスのフローチャートの例示である。
【
図18】例示的な一実施形態による、未固化複合材料の部分に対して修正作動を実行するためのプロセスのフローチャートの例示である。
【
図19】例示的な一実施形態による、未固化複合材料の許容誤差外である部分に対して修正作動を実行するためのプロセスのフローチャートの例示である。
【
図20】例示的な一実施形態による、未固化複合材料の許容誤差外である部分に対してパラメータを調整するためのプロセスのフローチャートの例示である。
【
図21】例示的な一実施形態による、未固化複合材料の許容誤差内である部分に対してパラメータを調整するためのプロセスのフローチャートの例示である。
【
図22】例示的な一実施形態による、未固化複合材料の部分が許容誤差内になるようにパラメータを調整するためのプロセスのフローチャートの例示である。
【
図23】例示的な一実施形態による、未固化複合材料の後続部分に対してパラメータを調整するためのプロセスのフローチャートの例示である。
【
図24】例示的な一実施形態による、原材料を変更するためのプロセスのフローチャートの例示である。
【
図25】例示的な一実施形態による、未固化複合材料の予測特性を決定するためのプロセスのフローチャートの例示である。
【
図26】例示的な一実施形態によるデータ処理システムのブロック図の例示である。
【
図27】例示的な一実施形態による航空機の製造及び保守点検方法の例示である。
【
図28】例示的な一実施形態が実装される場合がある航空機のブロック図の例示である。
【
図29】例示的な一実施形態による製品管理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
例示的な実施形態は、以下に説明する1以上の異なる考慮事項を認識し、考慮している。例えば、炭素繊維プリプレグ被覆ラインで製造されるプリプレグロールなどの、未固化複合材料構成要素の試験は、現在、プリプレグロールからのサンプルを用いて実行され得る。サンプルが所望の品質レベルを満たさなければ、プリプレグロール全体が廃棄又はリサイクルされる。しかしながら、プリプレグロール全体の品質レベルが、望ましくないわけではない。プリプレグロールの、ある部分のみが、所望の品質レベルに対する許容誤差を満たさない場合がある。現在の技術では、プリプレグロール全体の複数の部分を試験しなければ、プリプレグロールのどの部分が許容誤差外の特性を有し得るかを特定することができない。プリプレグロール全体の複数の部分を試験するのは、時間がかかり、非効率的である。
【0019】
また現在、製造プロセス中にはプリプレグロールの特性を望ましくない品質レベルにしている原因を決定することができない。代わりに、プリプレグロールを製造し、そのプリプレグロールのサンプルを試験した後に、分析が実行され、サンプルの品質レベルが望ましくないことを示す。そして、原因を決定することができると、将来のプリプレグロールの品質レベルが確実に望ましくなるように、炭素繊維プリプレグ被覆ラインに対する調整を行うことができる。多くのプリプレグロールが完成し、1以上のプリプレグロールの品質レベルが望ましくないと決定される前には、決定に必要な時間をとることができない可能性がある。その結果、1つの解決策は、原因が決定でき、プリプレグロールを製造した炭素繊維プリプレグ被覆ラインの調整を行うことができるまで、その炭素繊維プリプレグ被覆ラインを用いたプリプレグロールの製造を停止することである。このように炭素繊維プリプレグ被覆ラインが利用できなくなるため、プリプレグロールの製造能力が低下する。
【0020】
例示的な実施形態はさらに、プリプレグ材料の特徴を決定する能力を有することが望ましいであろうことを認識し、考慮している。製造プロセスは、樹脂混合、樹脂フィルミング、樹脂槽作業及びプリプレグが製造されている間に製造プロセス中でプリプレグを生産するために実行される他の作業のうちの少なくとも1つであり得る。炭素繊維プリプレグ被覆ライン内の異なる箇所からリアルタイムで得られる異なる種類のセンサデータを用いて、プリプレグがまだ製造されている間に、プリプレグの特徴を予測することができる。この情報を用いて、プリプレグロールのどの部分が許容誤差内の特徴を有するか、及びプリプレグロールの他の部分が許容誤差外であることを決定することができる。製造中のプリプレグの一部に対するこの種類の特徴の決定は、どの部分が許容誤差内又は許容誤差外であるかをマーキング又は記録することができるように、リアルタイムで行われ得る。その結果、プリプレグロールのいくつかの部分が許容誤差外である場合、それらの部分は、使用しないように記録又はマーキングされる一方、プリプレグロールの他の部分は依然として使用され得る。その結果、廃棄又はリサイクルされるプリプレグの量を減らすことができる。
【0021】
ここで図面を参照し、特に
図1を参照すると、例示的な実施形態を実装することが可能なデータ処理システムのネットワークを絵で表現している図が示されている。ネットワークデータ処理システム100は、例示的な実施形態が実装される場合があるコンピュータのネットワークである。ネットワークデータ処理システム100は、ネットワーク102を包含し、このネットワーク102は、ネットワークデータ処理システム100内で互いに接続される様々なデバイスと様々なコンピュータとの間の通信リンクを提供するために用いられる媒体である。ネットワーク102は、配線、無配線通信リンク、又は光ファイバーケーブルなどの接続を含む場合がある。
【0022】
図示の例では、サーバコンピュータ104及びサーバコンピュータ106は、記憶ユニット108と共に、ネットワーク102に接続する。さらに、クライアントデバイス110がネットワーク102に接続する。図示のように、クライアントデバイス110は、クライアントコンピュータ112と、クライアントコンピュータ114と、クライアントコンピュータ116とを含む。クライアントデバイス110は、例えば、コンピュータ、ワークステーション、又はネットワークコンピュータであり得る。図示の例では、サーバコンピュータ104は、ブートファイル、オペレーティングシステムイメージ、及びアプリケーションなどの情報をクライアントデバイス110に提供する。さらに、クライアントデバイス110はまた、プリプレグシステム118、タブレットコンピュータ120、及びスマートグラス122などの他の種類のクライアントデバイスを含み得る。この例示的な例では、サーバコンピュータ104、サーバコンピュータ106、記憶ユニット108、及びクライアントデバイス110は、ネットワーク102に接続するネットワークデバイスであり、ネットワーク102は、これらのネットワークデバイスのための通信媒体である。クライアントデバイス110の一部又はすべては、これらの物理デバイスがネットワーク102に接続し、ネットワーク102を介して互いに情報を交換することができるモノのインターネット(IoT)を形成してもよい。
【0023】
クライアントデバイス110は、この例では、サーバコンピュータ104に対するクライアントである。ネットワークデータ処理システム100は、追加のサーバコンピュータ、追加のクライアントコンピュータ、及び図示されていない他のデバイスを含んでもよい。クライアントデバイス110は、配線接続、光ファイバー接続及び無配線接続のうちの少なくとも1つを利用してネットワーク102に接続する。
【0024】
ネットワークデータ処理システム100中に位置付けられているプログラム命令は、コンピュータ記録可能な記憶媒体に記憶され、使用のためにデータ処理システム又は他のデバイスにダウンロードされ得る。例えば、プログラム命令は、サーバコンピュータ104上のコンピュータ記録可能な記憶媒体に記憶され、クライアントデバイス110上で使用するために、ネットワーク102を介してクライアントデバイス110にダウンロードされ得る。
【0025】
図示の例では、ネットワークデータ処理システム100は、ネットワーク102を有するインターネットであり、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)プロトコル一式を用いて、互いに通信するネットワーク及びゲートウェイの世界的な集まりを表している。インターネットの中心には、データ及びメッセージを送る数千の、商用、政府用、教育用、及び他のコンピュータシステムからなる主要ノード間又はホストコンピュータ間に、高速データ通信ラインのバックボーンがある。もちろん、ネットワークデータ処理システム100はまた、いくつかの異なる種類のネットワークを用いて実施されてもよい。例えば、ネットワーク102は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)及び広域ネットワーク(WAN)のうちの少なくとも1つから構成され得る。
図1は、例として意図されており、異なる例示的な実施形態に対するアーキテクチャ上の制限としては意図されていない。
【0026】
本明細書で使用される場合、「いくつかの」は、項目に関して用いられるときには、1以上の項目を意味する。例えば、「いくつかの異なる種類のネットワーク」とは、1以上の異なる種類のネットワークである。
【0027】
さらに、「~のうちの少なくとも1つ」という表現は、項目のリストと共に用いられるときには、リストに挙げられている項目のうちの1以上の項目の異なる組合せを用いることができること、及びリストの各項目のうちの1つだけを必要としてもよいことを意味する。言い換えると、「~のうちの少なくとも1つ」は、リストから任意の組合せの項目及び任意の個数の項目が用いられてもよいが、リスト内の項目のすべてが必要ではないことを意味する。項目は、特定の物体、事物、又はカテゴリーであり得る。
【0028】
例えば、「項目A、項目B及び項目Cのうちの少なくとも1つ」とは、項目A、項目A及び項目B、又は項目Bを含んでもよいが、これに限定されない。この例はまた、項目A、項目B及び項目C、又は項目B及び項目Cを含んでもよい。もちろん、これらの項目の任意の組合せが存在し得る。いくつかの例示的な例において、「少なくとも1つ」は、例えば、2つの項目A、1つの項目B及び10の項目C、4つの項目B及び7つの項目C、又は他の適切な組合せであり得るが、これに限定されない。
【0029】
この例では、プリプレグシステム118は複合材料製造設備130内に位置付けられている。この箇所では、プリプレグシステム118を用いて、プリプレグなどの未固化複合材料を製造する。図示のように、サーバコンピュータ104における複合材料マネージャ132は、複合材料製造設備130におけるプリプレグシステム118と通信することができる。この通信は、センサデータ134、コマンド136及びネットワーク102を介して送信され得る他の種類の情報のうちの少なくとも1つから選択される情報を交換することを含み得る。
【0030】
この例では、複合材料マネージャ132は、プリプレグシステム118用のセンサシステムからセンサデータ134を受信することができる。センサシステムは、プリプレグシステム118及び複合材料製造設備130内の別の箇所のうちの少なくとも1つに位置付けられ得る。
【0031】
この例示的な例では、センサデータ134は、プリプレグシステム118からリアルタイムで受信される。言い換えれば、センサデータ134をリアルタイムで受信することは、プリプレグシステム118がプリプレグを製造するように動作するときに、センサデータ134が受信されることを意味する。センサデータ134がリアルタイムで送信されるとき、センサデータ134は、潜在的な遅延なく可能な限り迅速に送信される。センサデータ134をリアルタイムで分析する際には、複合材料マネージャ132は、センサデータ134が受信されると、センサデータ134を処理及び分析することができる。
【0032】
図示のように、複合材料マネージャ132によってセンサデータ134を分析して、プリプレグの製造が完了したときのプリプレグについての特性の予測を決定することができる。この特性の予測は、プリプレグシステム118によってプリプレグが製造されている間に行われる。予測された特性は、プリプレグシステム118内で製造中のプリプレグのいくつかの部分についての特性である。これらの特性は、例えば、プリプレグ厚さ、目付、及び完成したプリプレグの他の特徴を含み得る。言い換えれば、複合材料マネージャ132は、プリプレグの製造が完了する前に、プリプレグシステム118によって製造中のプリプレグの特徴のリアルタイム予測を実行することができる。予測特性に基づいて、複合材料マネージャ132は、プリプレグのどの部分が複合材料部品の製造に使用するための許容誤差内であるかを特定することができる。プリプレグについて予測された一組の特性に基づいて、複合材料マネージャ132は、複合材料部品の製造に使用するための許容誤差内である1以上の部分、並びに許容誤差外である可能性がある部分を記録することができる。さらに、複合材料マネージャ132は、それらの部分が許容誤差内に留まる時間を決定することができる。場合によっては、未固化複合材料は、貯蔵寿命を有する場合があり、この貯蔵寿命は、プリプレグについて予測された特性に応じて変動する場合がある。
【0033】
さらに、プリプレグのある部分についての予測特性を知ることにより、複合材料マネージャ132は、製造作業が完了する前に行われた未固化複合材料の特性の予測から、未固化複合材料のその部分について決定された品質レベルに基づいて、その部分が未固化複合材料中で完成製品となるときに修正作動を実行する。
【0034】
例えば、複合材料マネージャ132は、プリプレグのその部分をさらに処理することによって、その部分が許容誤差内になるか、又は所望の品質レベルを有するように、プリプレグシステム118に必要な調整が何かを決定することができる。この決定により、複合材料マネージャ132は、コマンド136をプリプレグシステム118に送信して、これらの調整を行うことができる。
【0035】
コマンド136を用いて、プリプレグの一部がまだ製造されている間に、複合材料マネージャ132によってこれらの調整を行うことができる。これらの調整は、プリプレグシステム118がまだ処理していないプリプレグの部分に対して行うことができる。これらの調整により、追加のセンサデータを受信して、実行された作動によってプリプレグのそれらの部分が所望の品質レベルを有するように変化したか否かを判定することができる。このようにして、未固化複合材料のうちの所望の品質レベルを満たす部分を増加させ、未固化複合材料の廃棄部分を減らすことができる方法で、複合材料マネージャ132は、未固化複合材料の製造を管理することができる。
【0036】
この例示的な例において、この予測は機械学習モデル138を用いて行うことができる。この例では、機械学習モデル138は、プリプレグシステム118による以前のプリプレグ製造から生成された履歴センサデータを用いて訓練されている。
【0037】
図1でのネットワークデータ処理システム100の例示は、他の例示的な例を実施することができる方法を制限することを意味するものではない。例えば、複合材料マネージャ132は、サーバコンピュータ104以外の別の箇所に位置付けられ得る。例えば、複合材料マネージャ132は、クライアントコンピュータ112、プリプレグシステム118、又は複合材料製造設備130に位置付けられている別のコンピュータに位置付けられ得る。他の例示的な例では、追加のプリプレグシステムは、複合材料製造設備130、又は複合材料マネージャ132によって管理され得る他の箇所に位置付けられてもよい。
【0038】
ここで
図2を参照すると、例示的な一実施形態による複合材料製造環境のブロック図が示されている。この例示的な例では、複合材料製造環境200は、
図1でネットワークデータ処理システム100に図示されているハードウェアなどのハードウェアに実装され得る構成要素を含む。
【0039】
この例示的な例では、複合材料管理システム202は、複合材料部品205の製造に使用するための未固化複合材料204の製造を管理するように動作する。
【0040】
未固化複合材料204は、複合材料部品205を形成するように処理されていない複合材料である。例えば、未固化複合材料204には、加圧、加熱及び硬化のうちの少なくとも1つなどの処理が適用されていない。言い換えれば、未固化複合材料204は、最終的な複合材料部品を形成する方法では処理されていない。
【0041】
未固化複合材料204は、プリプレグ、航空宇宙用グレードのプリプレグ、熱硬化性プリプレグ、熱可塑性プリプレグ、織物プリプレグ、繊維トウプリプレグ、トウプリプレグ、一方向テーププリプレグ、樹脂被覆フィルム、ノンクリンプ織物、樹脂混合物及び他の適切な未固化複合材料のうちの少なくとも1つから選択され得る。未固化複合材料204中の繊維は、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、繊維及び織物などの未固化複合材料204は、ガラス繊維、炭素繊維、ケブラー(登録商標)繊維、パラアラミド繊維、ハイブリッド繊維、ガラス糸を有する炭素織物、織込みワイヤーを有する炭素繊維織物、ケイ酸ホウ素繊維及び他の適切な材料のタイプのうちの少なくとも1つから選択され得る。複合材料部品205は、例えば、胴体部品、スキンパネル、翼、リブ、ドア、又は他の適切な種類の部品であり得る。
【0042】
別の例では、未固化複合材料204を用いて、別の未固化複合材料を製造することができる。例えば、未固化複合材料204は、フィルミングされたペーパであり得る。このフィルミングされたペーパを用いて、プリプレグなどの別の未固化複合材料を製造することができる。
【0043】
例えば、複合材料管理システム202は、未固化複合材料204を製造するように複合材料製造システム206の動作を制御することができる。図示のように、複合材料製造システム206は、いくつかの形態をとることができる。例えば、複合材料製造システム206は、炭素繊維プリプレグ被覆ライン、強化繊維樹脂含浸ライン、樹脂混合物処理システム、樹脂フィルミングライン、プリプレグシステム、スリット加工システム、及び他の適切な種類の複合材料製造システムのうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0044】
図示のように、複合材料管理システム202は、コンピュータシステム210と、複合材料マネージャ212とを備える。複合材料マネージャ212は、コンピュータシステム210内に位置付けられている。
【0045】
図示のように、複合材料マネージャ212は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの組合せで実装され得る。ソフトウェアが使用される場合、複合材料マネージャ212によって実行される動作は、プロセッサユニットなどのハードウェア上で動作するように構成されているプログラム命令で実装され得る。ファームウェアが使用される場合、複合材料マネージャ212によって実行される動作は、プログラム命令及びデータで実装され、永続メモリに記憶されて、プロセッサユニット上で動作し得る。ハードウェアが採用される場合、ハードウェアは、複合材料マネージャ212における動作を実行するように動作する回路を含み得る。
【0046】
例示的な例において、ハードウェアは、回路システム、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス、及びいくつかの動作を実行するように構成されている何らかの他の適切な種類のハードウェアのうちの少なくとも1つから選択される形態をとってもよい。プログラマブルロジックデバイスの場合、このデバイスは、いくつかの動作を実行するように構成され得る。デバイスは、いくつかの動作を実行するように、後に再構成され得るか、又は恒久的に構成され得る。プログラマブルロジックデバイスには、例えば、プログラマブルロジックアレイ、プログラマブルアレイロジック、フィールドプログラマブルロジックアレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び他の適切なハードウェアデバイスが含まれる。さらに、これらのプロセスは、無機構成要素と一体化された有機構成要素で実装され得、人間を除く有機構成要素で完全に構成され得る。例えば、プロセスは有機半導体中の回路として実装され得る。
【0047】
コンピュータシステム210は物理ハードウェアシステムであり、1以上のデータ処理システムを含む。コンピュータシステム210中に2以上のデータ処理システムが存在する場合、それらのデータ処理システムは通信媒体を用いて互いに通信する。この通信媒体はネットワークであり得る。データ処理システムは、コンピュータ、サーバコンピュータ、タブレットコンピュータ及び何らかの他の適切なデータ処理システムのうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0048】
図示のように、コンピュータシステム210は、例示的な例におけるプロセスを実装するプログラム命令216を実行可能ないくつかのプロセッサユニット214を含む。本明細書で使用される場合、いくつかのプロセッサユニット214のうち、1つのプロセッサユニットは、ハードウェアデバイスであり、例えば、コンピュータを動作させる命令及びプログラムコードに応答してそれらを処理する、集積回路上にあるハードウェア回路などのハードウェア回路から構成されている。いくつかのプロセッサユニット214が処理のためにプログラム命令216を実行する場合、そのいくつかのプロセッサユニット214は、同じコンピュータ上又は異なるコンピュータ上にあり得る1以上のプロセッサユニットである。言い換えれば、処理は、コンピュータシステム内の同じコンピュータ上又は異なるコンピュータ上のプロセッサユニット間に分散され得る。さらに、いくつかのプロセッサユニット214は、同じ種類又は異なる種類のプロセッサユニットであってもよい。例えば、いくつかのプロセッサユニットは、シングルコアプロセッサ、デュアルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、汎用中央処理装置(CPU)、画像処理装置(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)及び何らかの他の種類のプロセッサユニットのうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0049】
この例示的な例では、複合材料マネージャ212は、複合材料製造システム208用のセンサシステム220から、センサデータ218を受信するように構成されている。センサデータ218は、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、センサデータ218は、構成要素温度、未固化複合材料温度、周囲温度、湿度、ローラ速度、未固化複合材料の速度、一対のローラ間の圧力、一対のローラ間のギャップ、未固化複合材料の厚さ、フーリエ変換赤外(FTIR)スペクトル、ラマン分光データ、分光データ、材料幅、繊維ウェブ幅、材料目付、繊維目付、樹脂粘度、未固化複合材料の寸法にわたる電気測定値、未固化複合材料の寸法にわたる電圧、未固化複合材料の寸法にわたる電磁気測定値、未固化複合材料の寸法にわたる音響測定値、引張り、複合材料製造システム内の箇所でのプリプレグの画像のうちの少なくとも1つから構成され得る。
【0050】
この例示的な例では、複合材料製造システム208用のセンサシステム220は、複合材料管理システム202の一部、複合材料製造システム208の一部、又はその両方と考えられ得る。センサシステム220は、複合材料製造システム208の動作中の、未固化複合材料204及び複合材料製造システム208のうちの少なくとも1つについてのセンサデータ218を生成するように動作することができる。センサデータ218は、複合材料製造システム208による製造中の未固化複合材料204についての情報であり得る。センサデータ218は、複合材料製造システム208による未固化複合材料204の製造中に受信される。センサデータ218は、センサシステム220によってリアルタイムで生成され、リアルタイムで複合材料マネージャ212に送信される。
【0051】
センサシステム220はセンサ222を備える。図示のように、センサ222は、複合材料製造システム208に対して箇所209にある。箇所209は、複合材料製造システム208上、複合材料製造システム内、又は複合材料製造システムの近傍にあり得る。この例では、センサ222は、温度センサ、カメラ、赤外線カメラ、温度カメラ、ラインスキャンカメラ、引張りセンサ、密度センサ、ドロップゲージ、赤外線センサ、非接触レーザー距離センサ、ベータゲージ、速度センサ、フーリエ変換赤外線(FTIR)分光計、ラマン分光計、力検出器、線形可変差動変圧器(LVDT)センサ、回転可変差動変圧器(RVDT)センサ、厚さセンサ、ギャップ幅センサ、粘度計、光反射センサ、電気伝導率センサ、電気抵抗センサ、静電容量センサ、電磁気センサ、音響センサ、湿度センサ、レーザードップラーセンサ及び他の適切なセンサのうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0052】
図示のように、複合材料マネージャ212は、複合材料製造システム208での製造により完成したときの未固化複合材料204のいくつかの部分226についての一組の予測特性224を、センサデータ218を用いて決定する。
【0053】
未固化複合材料204のいくつかの部分226は、未固化複合材料204の部分226の一部又はすべてであり得る。この図示の例では、複合材料製造システム208での製造により完成した未固化複合材料204は、完成製品255を形成し、この完成製品255を用いて、複合材料部品205を製造することができる。いくつかの部分226は、未固化複合材料204の部品であり得る。例えば、いくつかの部分226は、プリプレグロールを形成するプリプレグの断片又は部品であり得る。これらの部分は、同じ又は異なる長さを有し得る。
【0054】
この例では、複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204の製造が完了したときに未固化複合材料204の部分226が有することになる一組の特性228を予測することができる。言い換えれば、この予測は、未固化複合材料204の部分226がまだ製造されている間に行われる。複数の部分226のうち、異なる部分は、複合材料製造システム206における製造の、異なる状態又は段階にあり得る。
【0055】
一組の特性228は、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、一組の特性228は、プリプレグの繊維目付、プリプレグの樹脂含有量、プリプレグの厚さ、プリプレグの浸透レベル、プリプレグのタックレベル、樹脂フィルムの目付、樹脂フィルムの厚さ、剥離ライナーの目付、剥離ライナーの厚さ及び積層構造特性のうちの少なくとも1つを含む。
【0056】
複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204のいくつかの部分226についての一組の予測特性224に基づいて、未固化複合材料204のいくつかの部分226についての品質レベル230を特定する。この品質レベル230の特定は、予測品質レベル232である。言い換えれば、品質レベル230は、予測特性224を用いて決定される。実際の品質レベルを決定するために、実際にいくつかの部分226の試験を実行して、実際の特性を決定することができる。
【0057】
この例示的な例では、複合材料マネージャ212によって、一組のモデル233を用いて一組の予測特性224の決定を行うことができる。一組のモデル233は、一組の機械学習モデル234、一組の物理モデル235、一組のハイブリッドモデル237及び他の適切な種類のモデルのうちの少なくとも1つを含み得る。この例示的な例では、任意の組合せのモデル233を用いて、特性228を決定及び予測することができる。
【0058】
一組の機械学習モデル234が使用される場合、一組の機械学習モデル234は、センサデータ218を用いて、特定の種類の未固化複合材料204についての特性228を予測するように訓練され得る。機械学習モデルは、人工知能モデルの一種であり、明示的にプログラムされなくとも学習することができるデータ駆動モデルである。機械学習モデルは、機械学習モデルに入力された訓練データに基づいて学習することができる。機械学習モデルは、様々な種類の機械学習アルゴリズムを用いて学習することができる。機械学習アルゴリズムは、教師あり学習、教師なし学習、特徴学習、スパース辞書学習、異常検出、強化学習、推薦学習及び他の種類の学習アルゴリズムのうちの少なくとも1つを含む。
【0059】
機械学習モデルの例には、人工ニューラルネットワーク、決定木、サポートベクターマシン、ランダムフォレスト機械学習モデル、回帰機械学習モデル、分類機械学習モデル、ベイジアンネットワーク、及び他の種類のモデルが含まれる。これらの機械学習モデルは、データを用いて訓練され得、所望の出力を提供するように追加のデータを処理する。
【0060】
例えば、機械学習モデル236は、訓練データセット240を用いて、プリプレグなどの未固化複合材料204についての予測特性224を決定するように訓練され得る。訓練データセット240は、プリプレグの形状で未固化複合材料204を製造するための複合材料製造システム206から受信される履歴センサデータ242を用いて作り出され得る。訓練データセット240は、履歴特性244の形態のラベルを含み得る。履歴特性244は、複合材料製造システム206内の異なる箇所での未固化複合材料204の測定値から決定され得る。言い換えれば、履歴特性244は、未固化複合材料204の製造が完了したときの未固化複合材料204の特性228を含み得る。
【0061】
さらに、訓練データセット240はまた、履歴上流情報245を含み得る。履歴上流情報245は、製造プロセスが履歴上流情報を含む場合に、未固化複合材料を製造するときに生成される履歴センサデータ242に関連付けられ得る。履歴上流情報245は、未固化複合材料を製造する際に使用される構成要素又は設定についての情報を含み得る。例えば、履歴上流情報245は、強化情報、繊維情報、強化サイジング情報、樹脂情報、剥離ライナー情報、樹脂フィルム情報、又は履歴センサデータ242を生成するために測定される可能性がある他の適切な情報のうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0062】
着目される特性228は、未固化複合材料204の種類に応じて、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、未固化複合材料204がプリプレグである場合、特性228は、厚さ、繊維目付(FAW)、樹脂重量含有率(RC)、プリプレグ目付(PAW)、吸水、タック、縮み、又はプリプレグの形態である未固化複合材料204についての着目される他の特性のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0063】
機械学習モデル236を用いて予測特性224を決定する場合、複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204の製造が完了する前にこれらの特性を予測することができる。言い換えれば、完成又は製造された状態の未固化複合材料204についての予測特性224は、未固化複合材料204の製造中に、異なる時間に異なる箇所で作成され得る。
【0064】
別の例では、一組の物理モデル235を用いて、未固化複合材料204についての予測特性224を決定することができる。この例では、一組の物理モデル235のうちの物理モデル239は、少なくとも数学的方程式に基づいて、未固化複合材料を製造するために材料に実行される作動の影響を記述することができる方程式を包含する数学的モデルである。これらの作動は、例えば、センサデータ218のうち、熱、引張り、圧力、力、又は他のパラメータなどのパラメータに応じたものであり得る。
【0065】
一組の物理モデル235は、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、一組の物理モデルは、機械力学的な熱モデル及び機械モデル、樹脂浸透モデル、粘度を含むダーシー浸透モデル、樹脂流動モデル、硬化反応速度モデル、浸透の有限要素解析(FEA)モデル、レイアップの有限要素解析(FEA)モデル及び他の適切な種類の物理ベースのモデルのうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0066】
一組のハイブリッドモデル237は、物理コンポーネント及び機械学習コンポーネントの両方を使用する物理ベース及びデータ駆動のハイブリッドモデルである。この例では、ハイブリッドモデル237は、学習/予測データと共に、物理(リアルタイムソフトウェア)データ又は測定データを単一のモデルに組み込み、その結果、センサについての分布/ノイズが、評価中の他の項目と共に予測に組み込まれる。
【0067】
複数のモデル233のうちに、統計モデル243も存在し得る。統計モデル243は、カルマンフィルタ、拡張カルマンフィルタ、無香料カルマンフィルタ及び他の適切な統計モデルのうちの少なくとも1つから選択され得る。例えば、ノイズの多いデータにカルマンフィルタを用いて、測定中の特性の推定精度を高めるために測定されているシステムの特性を推定することができる。
【0068】
未固化複合材料204のいくつかの部分226についての予測特性224を決定するときの、上述の予測により、複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204のいくつかの部分226について決定された一組の予測特性224を用いて、未固化複合材料204のいくつかの部分226についての品質レベル230を決定することができる。この例示的な例では、複数の部分226のうちの異なる部分は、互いに異なる品質レベルを有し得る。
【0069】
この品質レベル230の特定により、複合材料マネージャ212は、いくつかの作動241を実行することができる。いくつかの部分226の各部分について特定された品質レベル230に応じて、複数の作動241のうちの異なる作動をその部分に対して実行することができる。
【0070】
さらに、未固化複合材料204のいくつかの部分についての予測特性224を決定するために、センサデータ218に加えて他の情報を使用することができる。例えば、いくつかの部分226の予測特性224を決定するために、複合材料マネージャ212によって、上流情報246が、センサデータ218と共に用いられ得る。上流情報246は、強化情報、繊維情報、強化サイジング情報、樹脂情報、剥離ライナー情報、樹脂フィルム情報及び未固化複合材料204のいくつかの部分226についての予測特性224を決定するためにセンサデータ218と共に用いられ得る他の適切な情報のうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0071】
モデル233は、デジタルツイン203として動作することができ、未固化複合材料204のいくつかの部分226についての予測特性224を決定するために、複合材料マネージャ212によって使用され得る。結果として、複合材料製造システム206に対する箇所209におけるセンサシステム220内のセンサ222の配置は、未固化複合材料204のいくつかの部分226のいくつかの特性228を予測するために、デジタルツイン203用のモデル233によって使用されるセンサデータ218を提供することができる。モデル233をデジタルツイン203として使用することにより、未固化複合材料204のいくつかの部分226をリアルタイムで検査及び認証することが可能になり、このリアルタイムの検査及び認証により、未固化複合材料204のいくつかの部分226をサンプリングする必要なしに、未固化複合材料204のいくつかの部分226の特性228を特定することができる。実際の試験が望まれる場合、未固化複合材料204の部分226の特定を試験して、必要に応じて予測を検証することができる。
【0072】
さらに、異なる種類のモデル233の任意の組合せを用いて、高い精度の予測特性224をもたらすことができる。例えば、センサデータ218を用いて生成された機械学習モデル236から、未固化複合材料204のある部分について、初期予測特性251の第1の組が決定され得る。センサデータ218を用いて生成された物理モデル239から、未固化複合材料204の同じ部分について、初期予測特性251の第2の組が決定され得る。初期予測特性251の第1の組と初期予測特性251の第2の組との融合から、未固化複合材料204の当該部分についての一組の予測特性224を決定することができる。
【0073】
一組の予測特性を決定すると、複合材料マネージャ212は、一組の予測特性224を用いて、未固化複合材料204のいくつかの部分226についての品質レベル230を決定することができる。品質レベル230とは、未固化複合材料204のいくつかの部分226の製造が完了して、いくつかの部分226が完成製品227を形成するときに、未固化複合材料204のいくつかの部分226が有すると予測又は予想される予測品質レベル232である。
【0074】
複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204のいくつかの部分226について予測された品質レベル230に基づいて、いくつかの作動241を実行することができる。この例では、品質レベル230は、未固化複合材料204のいくつかの部分226についてのいくつかの予測特性224を用いて決定される。例えば、いくつかの作動241は修正作動291を含み得る。複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204のいくつかの部分226についての品質レベル230に基づいて、修正作動291を実行することができる。
【0075】
この図示の例では、未固化複合材料204のいくつかの部分226の製造が完了して、完成製品227を形成する前に、修正作動291を実行することができる。例示的な例では、未固化複合材料204のいくつかの部分226の製造は、未固化複合材料204の部分226のうち、他の部分の製造の前又は後に完了することができる。言い換えれば、未固化複合材料204のいくつかの部分226は、他の部分がまだ完成製品227ではなく、複合材料製造システム208内で依然として処理中である間に、完成製品227となることができる。
【0076】
その結果、修正作動291が実行されると、複合材料部品205を製造するために使用することができる未固化複合材料204のいくつかの部分226が増加する。例えば、未固化複合材料204のいくつかの部分226の製造が完了する前に、修正作動291を実行することによって、いくつかの部分226を廃棄、再加工及びリサイクルすることのうちの少なくとも1つを回避することができる。
【0077】
次に
図3を参照すると、例示的な一実施形態による、未固化複合材料の一部についての予測特性を用いてとられ得る作動のブロック図の例示が示されている。例示的な例では、2以上の図で同じ参照番号が使用される場合がある。異なる図における参照番号の再使用は、異なる図における同じ要素を表している。
【0078】
図示のように、作動241はいくつかの異なる形態をとることができる。例えば、未固化複合材料204のいくつかの部分226の製造が完了するときに、いくつかの部分226に対して作動241を実行することができる。
【0079】
作動241は、マーキング作動300を含み得る。図示のように、マーキング作動300は、いくつかの部分226のうち、未固化複合材料204の部分302を、使用不可304、使用可306、品質レベル308、及び複合材料部品種類310とマーキングすることを含み得る。
【0080】
この例において、使用不可304とは、複合材料マネージャ212が、未固化複合材料204のいくつかの部分226のうち、未固化複合材料204の部分302についての品質レベル230が許容誤差312外であることに基づいて、その部分302を使用不可とマーキングする作動である。この例では、許容誤差312は、部分302の1以上の特性228が容認可能又は許容可能だと考えられる範囲又は閾値であり得る。許容誤差312内である、着目される1以上の特性を用いて、部分302の品質レベル308が許容可能であるか否かを判定することができる。
【0081】
図示のように、使用可306とは、複合材料マネージャ212が、未固化複合材料204のいくつかの部分226のうち、未固化複合材料204の部分302の品質レベル230が許容誤差312内であることに基づいて、その部分302を使用可とマーキングする作動である。品質レベル308とは、複合材料マネージャ212が、未固化複合材料204のいくつかの部分226のうち、未固化複合材料204の部分302を、その部分302についての特定された品質レベルでマーキングする作動である。
【0082】
別の例として、複合材料部品種類は、複合材料マネージャ212が、未固化複合材料204のいくつかの部分226のうち、未固化複合材料204の部分302を、その部分302を用いて製造され得る複合材料部品の種類の特定でマーキングする作動である。例えば、品質レベルは、意図された種類の複合材料部品への使用には部分302が不適切であるような品質レベルである場合がある。しかしながら、その品質レベルは、別の種類の複合材料部品を製造するために部分302を使用することができるような品質レベルである場合がある。結果として、部分302は、廃棄又はリサイクルされるのではなく、依然として使用され得る。
【0083】
これらの作動の特定は、マーカ314を用いて部分302にマーキングされ得る。マーカ314は、無線周波数識別子(RFID)、マイクロドット、一組の量子ドット、インクマーク、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、又は何らかの他の適切な種類のマーカなどの識別子であり得る。マーカ314は、作動を特定することができる。マーキング作動300はまた、マーカ314を用いて部分302についての情報316を記録することを含み得る。例えば、情報は、部分302の長さ、未固化複合材料204中の部分302の箇所、品質レベル、予測特性224、貯蔵寿命、又は部分302についての他の情報を含み得る。情報316は、部分302についての予測特性224から決定され得る。マーカ314及びマーキング作動300はまた、後にロール上の位置に対して部分302の品質を相関させるために、
図26に示すメモリ2606内に、ロール上の位置を記録すること、又は部分302についての情報316を記録することを含む。この使用法の一例は、ロール上の品質を示す位置情報を、ロール上の特定の位置に印刷出力することである。言い換えれば、マーキングは、実際に部分302をマーキングすること自体に加えてあるいはその代わりに、品質についての情報を指示すること、及び記録若しくはログに記録することのうちの少なくとも1つを含み得る。結果として、マーキングの結果はまた、各ロールに「マーキング」を付する印刷出力又はサムドライブであり得る。
【0084】
この例示的な例では、作動241は、修正作動301も含み得る。修正作動301は、部分302を含むいくつかの部分226に対して実行され得る作動241である。この例示的な例では、一組の修正作動301のうちの修正作動291は、いくつかの部分226についての一組の予測特性224が、未固化複合材料204に対して指定された許容誤差312外であることに応じて、複合材料マネージャ212によって実行され得る。
【0085】
これらの修正作動は、未固化複合材料204のいくつかの部分226の製造が完了して完成製品227を形成するときに、いくつかの部分226についての一組の予測特性224がいくつかの部分226に対する許容誤差312内になるように、いくつかの部分226についての一組の予測特性224を変化させるために実行され得る。
【0086】
図示のように、修正作動301は、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、修正作動301は、調整作動303、変更作動305及び何らかの他の適切な修正作動のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0087】
例えば、修正作動301のうちの修正作動291が調整作動303の形態をとる場合、複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204のいくつかの部分226についての一組の予測特性224が、未固化複合材料に対して指定された許容誤差312外であることに応じて、そのいくつかの部分についての一組の予測特性を変化させるように、複合材料製造システム208における一組のパラメータ307を調整することができる。
【0088】
この図示の例では、複合材料製造システム208用の一組のパラメータは、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、一組のパラメータ307は、速度、トルク、電圧、電流、ギャップ、ニップギャップ、力、引張り、箇所での厚さ、圧力及び複合材料製造システム208に設定され得る他の適切なパラメータのうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0089】
例えば、修正作動291は、複合材料製造システム208における一組のパラメータ307を調整することであり得る。一組のパラメータ307の調整とは、未固化複合材料204のいくつかの部分226についての一組の予測特性224が、未固化複合材料204に対する許容誤差312内になるようなものであり得る。
【0090】
さらに別の例では、調整は、一組の予測特性224が、未固化複合材料204のいくつかの部分226に対する許容誤差312内に入って、未固化複合材料204のいくつかの部分226のための指定された使用法に対する許容誤差312を満たすようにすることでなくてもよい。この図示の例では、未固化複合材料204のいくつかの部分226についての一組の予測特性224は、未固化複合材料204の第1の種類の使用法311に対する第1の許容誤差309の範囲外である。
【0091】
この場合、未固化複合材料204のいくつかの部分226についての品質レベル230に基づいて修正作動291を実行することは、未固化複合材料204のいくつかの部分226についての一組の予測特性224が、未固化複合材料204の第2の種類の使用法315に対する第2の許容誤差313内になるように、複合材料製造システム208における一組のパラメータ307を調整することを含む。
【0092】
例えば、第1の種類の使用法311とは、未固化複合材料204をスキンパネルに使用するためのものであり得る。第2の種類の使用法315とは、未固化複合材料204を航空機内のモニュメントに使用するためのものであり得る。
【0093】
この種類の修正作動291はまた、第1の種類の使用法311の代わりに、第2の種類の使用法315用の未固化複合材料204のいくつかの部分を作り出すために実行され得る。言い換えれば、この作動は、一組の予測特性224が許容誤差312内である場合にも実行され得る。その結果、第2の種類の使用法315のための未固化複合材料204に対する必要性が生じたときには、第1の種類の使用法311のために製造された未固化複合材料204の一部を第2の種類の使用法315のために転用することができる。
【0094】
別の例示的な例では、修正作動291は、未固化複合材料204のいくつかの部分226についての一組の予測特性224が、未固化複合材料204に対して指定された許容誤差312外であることに応じて、いくつかの部分226の後続部分317についての一組の予測特性224が、未固化複合材料204に対する第2の許容誤差313内になるように、複合材料製造システム208における一組のパラメータ307を調整することを含み得る。この種類の修正作動は、パラメータ307を変更しても、未固化複合材料204のいくつかの部分226が許容誤差312に入る一組の予測特性224を有さないであろう場合に実行され得る。しかしながら、この修正作動を用いると、未固化複合材料204の後の部分が、許容誤差312内に入る一組の予測特性224を有することができる。その結果、この例では、いくつかの部分226に対して依然としてマーキング作動が実行される。
【0095】
別の例示的な例では、修正作動291は、変更作動305のうち、変更作動であり得る。例えば、修正作動291は、未固化複合材料204を形成するために使用されるいくつかの原材料319を変更することができる。いくつかの原材料319の変更は、未固化複合材料204のいくつかの部分226についての一組の予測特性224が、未固化複合材料204に対して指定された許容誤差312外であることに応じて、いくつかの部分226の後続部分についての一組の予測特性224が、未固化複合材料204に対する許容誤差312内になるようなものである。
【0096】
この例示的な例の場合、複数の原材料319のうちの、ある原材料は、未固化複合材料204を製造するために複合材料製造システム208によって使用される任意の材料であり得る。例えば、いくつかの原材料319は、樹脂、ペーパ、フィルム、織物、トウ、スプレッドトウ織物、繊維型、トウサイズ、繊維サイズ及び未固化複合材料204を製造するために使用される他の材料のうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0097】
いくつかの例示的な例では、複数の修正作動をとることができる。例えば、調整作動と変更作動の両方を実行することができる。
【0098】
1つの例示的な例では、望ましいほど迅速には未固化複合材料の特性の決定をすることができない問題を克服する1以上の解決策が存在する。1以上の例示的な例により、未固化複合材料の異なる部分の製造が完了する前に、それらの部分の特性を予測することが可能になり得る。この種類の予測の場合、異なる部分をマーキングするか、又は他の作動を実行するなどの作動は、未固化複合材料の製造が完了した後にサンプルを試験するよりも、迅速に行われる場合がある。
【0099】
コンピュータシステム210は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの組合せを用いて、異なる例示的な例において説明したステップ、動作及び作動のうちの少なくとも1つを実行するように構成され得る。その結果、コンピュータシステム210が専用のコンピュータシステムとして動作し、コンピュータシステム210内の複合材料マネージャ212により、未固化複合材料の製造が完了する前に、未固化複合材料の製造中に、未固化複合材料の特性を予測することが可能になる。未固化複合材料の製造中に未固化複合材料についてのリアルタイムデータを使用することにより、未固化複合材料の製造中に未固化複合材料についての予測特性を決定することが可能になる。さらに、機械学習モデルを使用することにより、未固化複合材料の製造が完了する前に、未固化複合材料の予測特性を決定することが可能になる。言い換えれば、予測特性を決定すると、未固化複合材料の製造が完了した後の未固化複合材料をサンプリング及び試験することが必要ない。さらに、人間のオペレータでは、未固化複合材料の製造が完了する前に、未固化複合材料についての特性の予測を得るのに十分迅速には、この決定を実行することができない。
【0100】
特に、複合材料マネージャ212は、複合材料マネージャ212を有さない現在利用可能である一般的なコンピュータシステムと比較して、コンピュータシステム210を専用のコンピュータシステムへと変換する。
【0101】
例示的な例では、コンピュータシステム210において複合材料マネージャ212を使用すると、未固化複合材料を製造するための実用的な用途へとプロセスを統合して、未固化複合材料204のいくつかの部分226についての特性228を予測する際のコンピュータシステム210の性能を上げる。言い換えれば、コンピュータシステム210内の複合材料マネージャ212は、プロセスの実用的な用途が、未固化複合材料204についての特性228の予測をリアルタイムで生成するコンピュータシステム210内の複合材料マネージャ212に統合されることを目的としており、それによって、より迅速に未固化複合材料204に対して動作241を行うことができる。このプロセスは、複合材料マネージャ212を使用して、リアルタイムで受信されたセンサデータ218からモデル233を用いて予測特性224を生成するので、リアルタイムで実行されて、未固化複合材料204の製造が完了する前に予測特性224を得ることができ、これは人のオペレータが手でセンサデータ218を分析する場合には不可能である。
【0102】
この例示的な例では、コンピュータシステム210内の複合材料マネージャ212により、未固化複合材料の製造が完了する前に、プリプレグ又は樹脂被覆フィルムなどの未固化複合材料についての特性を予測することを可能になる。その結果、それらの部分の製造が完了しつつあるときに、それらの部分に対して動作を実行することができる。
【0103】
例えば、未固化複合材料の異なる部分は、異なる部分が完成したときに、未固化複合材料のそれらの部分の適合性又は品質を示すようにマーキングされ得る。複合材料マネージャ212は、複合材料製造システム206のために、複数の箇所209のうちの異なる箇所から得られるセンサデータ218を用いて未固化複合材料が製造されるときに、未固化複合材料を管理する実用的な用途を提供する。予測特性224は、未固化複合材料204の部分226をマーキングするために使用され得る。マーキングは、予測特性224を用いた予測品質レベル232に基づいて実行され得る。
【0104】
この種類の管理は、プリプレグ材料のサンプルを採取して、ロール全体の品質を決定する場合がある現在の技術とは対照的である。複合材料マネージャ212により改善が提供され、この決定を、プリプレグロールの異なる部分に対してプリプレグロールの製造中に実行することができる。その結果、複合材料マネージャ212を用いて未固化複合材料の一部についての品質レベルを予測することにより、未固化複合材料を製造するのに必要な時間の量の削減が実現される。
【0105】
次に
図4を参照すると、例示的な一実施形態による、未固化複合材料を製造するための製造プロセスフローの例示が示されている。この例において、製造プロセスフロー400は、未固化複合材料生産物理プラント404及びデータ前処理406に対して行われる、未固化複合材料生産プロセス入力402で開始する。未固化複合材料生産プロセス入力402におけるこれらの入力には、材料及び設定408が含まれる。この例では、材料及び設定408は、未固化複合材料204の製造に使用されるべき材料を特定する情報である。未固化複合材料204がプリプレグである場合、材料は、例えば、繊維型、繊維サイズ、樹脂フィルム仕様、強化情報、繊維情報、強化サイジング情報、樹脂情報、剥離ライナー情報、樹脂フィルム情報、又はプリプレグを製造するために使用される材料についての他の適切な情報であり得る。
【0106】
設定は、温度、圧力、引張りなどの情報、及びプリプレグを製造するための未固化複合材料生産物理プラント404における複合材料製造システムを構成するため又は設定のために使用され得る他の情報であり得る。材料及び設定408は、上流情報246の一部であり得る。
【0107】
材料及び設定408を入力とすると、未固化複合材料生産物理プラント404は、製造作業を実行して、未固化複合材料204の形態で未固化複合材料生産プロセス出力410を生成することができる。これらの動作は、プラント内の複合材料製造システムなどの機器を用いて実行され得る。この例では、未固化複合材料204の部分の製造が完了するときに、未固化複合材料204の部分は、未固化複合材料生産プロセス出力410として出力され得る。
【0108】
データ前処理406は、コンピュータシステム210内に位置付けられている構成要素であり得、予測特性224を決定するいくつかのモデル233による使用のために、未固化複合材料生産プロセス入力402を処理する。例えば、データ前処理406は、材料及び設定408を処理して、いくつかのモデル233に入力される上流情報246を形成することができる。
【0109】
センサ222は、未固化複合材料204が製造されているときにリアルタイムで未固化複合材料204の製造を監視し、未固化複合材料204が製造されているときにリアルタイムで複合材料マネージャ212にセンサデータを送信する。複合材料マネージャ212は、センサ222からセンサデータを取得し、そのセンサデータをいくつかのモデル233に送信する。
【0110】
この例では、センサデータは、モデル233のうちの単一のモデル、又はモデル233のうちの複数のモデルに送信され得る。いくつかのモデル233が単一のモデルである場合、モデルは機械学習モデルであり得る。いくつかのモデル233が複数のモデルである場合、それらのモデルは、例えば、2つの機械学習モデル、機械学習モデル及び物理モデル、又はモデルの何らかの組合せであり得る。モデル233のうちの2以上のモデルが使用される場合、それらのモデルの出力は、予測特性224の最良の予測を特定するために比較され、あるいは予測特性224を形成するために組み合わされ又は融合され得る。
【0111】
モデル233は、予測特性224を生成する。この予測は、未固化複合材料204の製造が完了する前にリアルタイムで行われる。例えば、予測特性224は、未固化複合材料204の製造が完了していない部分についてのものであり得る。言い換えれば、未固化複合材料204の一部が完成製品として出力される前に、その部分について、予測特性224を決定することができる。完成製品は、複合材料部品205を製造するために使用され得る。
【0112】
この例では、予測特性224を用いて、リアルタイム品質記録412の形態で、動作241のうちの、ある動作を実行することができる。この記録を用いて、未固化複合材料204の部分を追跡し、他の未固化複合材料又は複合材料部品を製造するための追加の製造作業を実行することができる。
【0113】
図2~
図4での複合材料製造環境200の例示は、例示的な一実施形態が実施され得る方法に対する物理的な制限又はアーキテクチャ上の制限を暗示するものではない。例示の構成要素に加えて又はそれらの代わりに、他の構成要素を使用してもよい。いくつかの構成要素は不要な場合がある。また、ブロックは、いくつかの機能的な構成要素を例示するために提示されている。これらのブロックのうちの1以上は、例示的な一実施形態で実施される場合、組み合わされても、分割されても、又は組み合わされて異なるブロックへと分割されてもよい。
【0114】
例えば、複合材料マネージャ212を用いて、未固化複合材料204に加えて1以上の未固化複合材料の特性を予測することができる。これらの他の未固化複合材料は、複合材料製造システム208に加えて他の複合材料製造システムを用いて製造され得る。さらに、複合材料製造システムを用いて製造される追加の未固化複合材料は、異なる種類の複合材料製造システムを用いて製造される異なる種類の未固化複合材料であり得る。
【0115】
図5及び
図6は、
図2の複合材料製造システム206を実装するために使用され得る複合材料製造システムの例である。これらの複合材料製造システムにはセンサシステムを追加することができ、あるいは既存のセンサシステムを増強して、これらの複合材料製造システムによって未固化複合材料が製造されているときに、未固化複合材料についての特性を予測するのに必要なセンサデータを生成することができる構成の1以上のセンサを含むようにすることができる。
【0116】
ここで
図5を参照すると、例示的な一実施形態による、フィルミング処理を実行するように構成されている複合材料製造システムの例示が示されている。複合材料製造システム500は、
図2ではブロック形式で示されている。
【0117】
図示のように、複合材料製造システム500は、樹脂をフィルムペーパ上に被覆するフィルミング処理を実行するように構成されている。
【0118】
この例では、フィルミングされていないペーパロール501が、ペーパ503をニップ502に供給する。ニップは一対のローラを備え、ローラ間にはギャップが設定されている。図示のように、ニップ502はローラ504とローラ506とを備え、ローラ504とローラ506との間にはギャップ508がある。ギャップは、固定される場合も、圧力を不変とするために変更される場合もある。
【0119】
樹脂505は、加熱され、ローラ504及びローラ506の上に置かれている樹脂ダム510の中に位置付けられる。ペーパ503が、ギャップ508を通ってフィルミングされたペーパロール511上へ、ペーパリワインダー512によって引っ張られている間に、樹脂ダム510が、樹脂505をギャップ508に供給する。樹脂ダム510からの樹脂505がギャップ508においてペーパ503を被覆すると、ペーパ503はフィルミングされたペーパ514になる。フィルミングされたペーパ514は、フィルミングされたペーパロール511上に回収される。
【0120】
この例示的な例では、複合材料製造システム500用のセンサシステムによって生成されたセンサデータを用いて、フィルミングされたペーパ514の特性を予測することができる。例えば、センサシステムは、ペーパ503上の引張り、ペーパ503が移動する速度、ギャップ508のギャップ幅、樹脂ダム510内の樹脂505の樹脂粘度、坪量/目付、及び他のパラメータを測定することができる。ギャップ508のギャップ幅及び樹脂ダム510内の樹脂の樹脂粘度は、フィルミングされたペーパ514を形成するためにペーパ503上に被覆される樹脂の量に影響し得る。樹脂粘度は液状樹脂の厚さであり、通常、センチポアズ(cP)で測定される。
【0121】
樹脂ダム510内の樹脂505の樹脂粘度は、樹脂ダム510内のセンサ520を用いて測定することができる。センサ520は粘度計であり得る。樹脂粘度とギャップ508のギャップ幅の測定値を用いて、フィルミングされたペーパ514上の樹脂505の厚さを予測することができる。別の例として、樹脂粘度は誘電測定を用いて決定され得る。例えば、センサ520は、樹脂ダム510内の樹脂505に振動電圧を印加し、電流を測定することができる。この種類の測定は、ギャップ508の直後に位置付けられているセンサ522によって行うこともでき、センサ522は、ギャップ508に振動電圧を印加し電流を測定する。この測定値を用いて、フィルミングされたペーパロール511上に回収されるフィルミングされたペーパ514上に存在することになる樹脂の量を予測することができる。
【0122】
訓練データセットを作り出すときには、センサデータは、フィルミングされたペーパ514上の樹脂の実際の測定値でラベル付けされ得る。例えば、各ロールからのペーパは、まずフィルミングされていないペーパロール501において予備測定され、最後にフィルミングされたペーパロール511において予備測定され得る。2つのロールの重量を差し引いて重量差を得て、樹脂の量を決定することができる。この測定により、フィルミングされたペーパ514の部分ではなく、すべてのフィルミングされたペーパ514に、全体的に樹脂がもたらされる。部分についてのサンプルは、一定面積のペーパを切り出して採取され、異なる部分に対して秤量され得る。ペーパの重量は既知であり、その重量を差し引いてサンプルの重量を測定して、樹脂の重量を決定することができる。ペーパと樹脂との間の差を特定して、サンプル上の樹脂の量を得ることができる。
【0123】
図6を参照すると、例示的な一実施形態による、プリプレグ生産プロセスを実行するように構成されている複合材料製造システムの例示が示されている。この例では、複合材料製造システム600は、
図2にブロック形式で示されている複合材料製造システム208の一実施態様の別の例である。複合材料製造システム600は、プリプレグの形態で未固化複合材料を製造するように構成されている。プリプレグは、ホットメルトプリプレグ法又は溶液プリプレグ法を用いて製造され得る。
【0124】
図示のように、複合材料製造システム600は、2つのフィルミングされたロール、フィルミングされたロール1 602とフィルミングされたロール2 604とを有する。これらのロール上のフィルミングされたペーパは、樹脂付きのペーパである。例えば、フィルミングされたロール1 602は、フィルミングされたペーパ603の供給源であり、フィルミングされたロール2 604は、フィルミングされたペーパ605の供給源である。
図5の複合材料製造システム500を用いて、これらのフィルミングされたロールを製造することができる。
【0125】
この例では、複合材料製造システム600は4つのニップを有する。ニップ1 606は、ローラ608とローラ610とを有し、これらの2つのローラ間には、ニップ1ギャップ612がある。ニップ2 614は、ローラ616とローラ618とを有し、ニップ2ギャップ620がある。ニップ3 622は、ローラ624とローラ626とを有し、ニップ3ギャップ628がある。ニップ4 630は、ローラ632とローラ634とを有し、ニップ4ギャップ636がある。この例示的な例では、これらのニップは、ニップを通って進行する材料に圧力を加えることができるスクイーズ点で動作する。
【0126】
図示のように、複合材料製造システム600には、ホットプレート640及びホットプレート642が存在する。このシステムは、コールドプレート644も有する。
【0127】
この例示的な例では、ニップ1 606、ニップ2 614、ニップ3 622、ニップ4 630、ホットプレート640、及びホットプレート642は、設定温度に保たれている。これらの各構成要素の温度は、他の構成要素とは別個に設定され得る。言い換えれば、ニップ1 606の温度は、ニップ2 614とは異なる温度に設定され得る。
【0128】
この例示的な例では、繊維クリール637は繊維638の供給源である。これらの繊維は、コーム639を通ってスプレッダーバー641上に供給された後に、ニップ1 606内に移動する。
【0129】
図示のように、フィルミングされたペーパ603及びフィルミングされたペーパ605は、それぞれフィルミングされたロール1 602及びフィルミングされたロール2 604から、どちらもニップ1 606内に移動する。プリプレグ648が弛まないように、フィルミングされたロール1 602のブレーキ645は、フィルミングされたペーパ603の引張りを維持し、フィルミングされたロール2 604のブレーキ646は、フィルミングされたペーパ605の引張りを維持する。
【0130】
フィルミングされたペーパ603の樹脂を有する側及びフィルミングされたペーパ605の樹脂を有する側は、繊維638に面している。この例では、ニップ1 606によって温度及び圧力が加えられて、樹脂が、ニップ1 606においてフィルミングされたペーパ603及びフィルミングされたペーパ605から繊維638に浸透する。
【0131】
例えば、ニップ1 606におけるニップ1ギャップ612の幅は、フィルミングされたペーパ603及びフィルミングされたペーパ605上の樹脂間に挟まれた繊維638に圧力を加えるように選択される。さらに、ニップ1 606用のローラ608及びローラ610は、繊維638と、フィルミングされたペーパ603及びフィルミングされたペーパ605上の樹脂とを加熱するように選択された温度を有する。繊維638、フィルミングされたペーパ603、及びフィルミングされたペーパ605が、ニップ1 606から出るときに、熱及び圧力のうちの少なくとも1つにより、樹脂が繊維638に浸透してプリプレグ648が形成される。
【0132】
他のニップ、ニップ2 614、ニップ3 622、ニップ4 630は、プリプレグ648が複合材料製造システム600内をプリプレグロール650まで進行するときに、所望の量の圧力及び加熱を与えるように設定されたニップギャップ及びローラ温度を有し得る。ニップギャップ及びローラ温度は、樹脂の粘度を変化させ、それにより浸透プロセスの速度を変化させることができる。ホットプレート640は、ニップ1 606とニップ2 614との間に位置付けられており、ホットプレート642は、ニップ2 614とニップ3 622との間に位置付けられている。これらのホットプレートは、プリプレグ648がニップの間を進行するときにプリプレグ648を加熱する。コールドプレート644は、ニップ3 622の後かつニップ4 630の前に位置付けられている。このコールドプレートは、プリプレグ648の温度を下げることができる。コールドプレート644は、樹脂の粘度を増加させる温度を低下させて、繊維への樹脂の浸透プロセスを縮小又は停止することができる。
【0133】
プリプレグ648の幅は、フィルミングされたペーパ605を取り出す前に、スリッター656によって設定され得る。フィルミングされたペーパ605は、ローラ652において取り出され、ペーパロール654上に巻き取られる。ここで、プリプレグ648は、フィルミングされたペーパ603上の樹脂が注入された繊維638から構成されており、プリプレグロール650上に巻き付けられる。
【0134】
この例示的な例では、センサは、複合材料製造システム600内の点間の異なる箇所に位置付けられ得る。この例示的な例では、これらの点は、プリプレグ648を製造するために動作を実行することができる処理点であり得る。これらの処理点は、例えば、ニップ1 606、ニップ2 614、ニップ3 622、ニップ4 630であり得る。他の処理点は、プリプレグ648に熱又は冷熱を加えてプリプレグ648を加熱又は冷却する、ホットプレート640、ホットプレート642、コールドプレート644であり得る。
【0135】
処理点は、プリプレグ648がその最終的な形態でプリプレグロール650にある製造されたプリプレグ648であるときの、プリプレグ648の特性を変化させることができる。センサは、これらの点間に位置付けられ得、プリプレグロール650にあるプリプレグ648の製造により完成したときのプリプレグ648の特性を予測するために使用され得る。言い換えれば、これらの処理点間のセンサからのセンサデータを用いると、プリプレグロール650の前にある複合材料製造システム600内の他の箇所から、プリプレグロール650にあるプリプレグ648について、予測特性を決定することができる。
【0136】
例えば、センサ箇所660は、ニップ1 606とニップ2 614との間に位置付けられている。別の例として、センサ箇所662は、ニップ2 614とニップ3 622との間に位置付けられており、センサ箇所664は、ニップ3 622とホットプレート640との間に位置付けられている。さらに別の例として、センサ箇所666は、ニップ2 614とホットプレート642との間に位置付けられている。さらに別の例として、センサ箇所667は、ニップ3 622とコールドプレート644との間に位置付けられている。
【0137】
この例では、別のセンサ箇所であるセンサ箇所671は、フィルミングされたロール1 602とニップ1 606との間に位置付けられ得る。別の例として、センサ箇所669は、ニップ4 630とプリプレグロール650との間に位置付けられている。このセンサ箇所はセンサ箇所の一例であり、センサ箇所は2つの処理点間になくとも使用され得る。フィルミングされたペーパ603についてのセンサデータは、プリプレグロール650におけるプリプレグ648の特性を予測する際に使用され得る。
【0138】
この例では、複合材料製造システム600は、ホットメルトフィルムプリプレグシステムである。この例示的なプリプレグシステムは、使用され得るプリプレグシステムの種類を限定することを意図していない。他の例には、槽、スラリー、スプレー、又は樹脂をキャリア繊維に塗布するための他の機構を利用する他の種類のプリプレグシステムが包含され得る。
【0139】
次に
図7を参照すると、例示的な一実施形態による、複合材料製造システム内のセンサ箇所のブロック図の例示が示されている。この例示的な例では、未固化複合材料702の部分700は、複合材料製造システム708内で第1の点704から第2の点706まで矢印707の方向に進行する。
【0140】
この例示的な例では、未固化複合材料702の部分700が第1の点704を通るときに、第1の点704において、未固化複合材料702の部分700に対して一組の動作710を実行することができる。一組の動作710は、未固化複合材料702の製造において実行される1以上の動作であり得る。この例では、一組の動作710は、熱を加えること、圧力を加えること、引張りを加えること、力を加えること、冷熱を加えること、粘度を変化させること、及び他の適切な動作のうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0141】
例えば、未固化複合材料702がプリプレグ712であり、第1の点704がローラを有するニップなどの構成要素の箇所である場合、一組の動作710は、部分700に圧力及び熱を加えることであり得る。一組の動作710は、第1の点704の後に存在する一組の特性714をもたらす。一組の特性714は、第1の点704で部分700に対して一組の動作710が実行される前に存在していたものから変化し得る。
【0142】
部分700についての一組の特性714は、第1の点704で部分700に対して一組の動作が実行される前に存在する特性とは異なり得る。言い換えれば、第1の点704で実行される一組の動作は、未固化複合材料702の部分700についての一組の特性714を変更することができる。
【0143】
未固化複合材料702の部分700に対して一組の動作710を実行した後に存在する一組の特性714は、一組のセンサ716を用いてセンサ箇所718で検出され得る。一組のセンサ716は、センサデータ722を生成することができる。センサデータ722にメタデータ725が存在する場合、センサデータ722は、測定値723及びメタデータ725を含み得る。メタデータ725は、例えば、タイムスタンプ、センサ箇所、センサ識別子及び測定値723についての他の適切な情報のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0144】
未固化複合材料702がプリプレグ712である場合、センサデータ722のうちの測定値723を用いて、部分700などの領域に存在する樹脂の量を決定することができる。例えば、センサデータ722のうちの測定値723は、目付であり得る。現在の樹脂の存在量を用いて、未固化複合材料702の部分700の製造プロセスが完了する前に、存在することになる樹脂の量を予測することができる。
【0145】
未固化複合材料702の部分700の製造が完了したときに未固化複合材料702の部分700が有することになる特性714を、このセンサデータを用いて予測することができる。一組のセンサ716は、複合材料製造システム206用のセンサシステム220内の1以上のセンサ222であり得る。
【0146】
この例示的な例では、センサ箇所718は、第1の点704の後かつ第2の点706の前に位置付けられている。センサ箇所718は、第1の点704での動作710の実行によって引き起こされる特性714の変化を、センサ716で測定してセンサデータ722を生成することができるように、第1の点704に近接する特定の位置に選択され得る。
【0147】
この例では、第2の点706は、未固化複合材料702の部分700に対して別の組の動作720を実行することができる複合材料製造システム708内の箇所である。第2の点706で実行される一組の動作720は、特性714を変化させることができる。
【0148】
結果として、第1の点704と第2の点706との間のセンサ箇所718における一組のセンサ716は、第1の点704での部分700に対する動作710の実行後に存在する特性714を測定することができる。この測定は、時間間隔715で行うことができる。例えば、測定は1秒毎に行うことができる。未固化複合材料702が移動する速度を知ることにより、部分700などの特定の部分719についての特性を特定することができる。一組のセンサ716は、未固化複合材料702の部分700の製造が完了したときに存在することになる未固化複合材料702の部分700についての予測特性を決定する際に使用するために、一組の特性714のうちのそれらの測定値からセンサデータ722を生成することができる。
【0149】
ここで
図8を参照すると、例示的な一実施形態による、複合材料製造システムの一部の側面図の例示が示されている。この例示的な例では、点1 800及び点2 802は、
図7の第1の点704及び第2の点706の例である。ローラ804は点1 800に位置付けられ、ローラ806は点2 802に位置付けられている。
【0150】
プリプレグ807の形態の未固化複合材料は、点1 800から点2 802まで矢印809の方向に移動する。移動速度は、毎秒フィートなどの距離/時間である。プリプレグ807が移動する速度を知ることにより、部分824が複合材料製造システム内を移動するときに、その部分の長さ及び箇所を知ることが可能になる。
【0151】
この例では、センサ808及びセンサ810は、センサ箇所812に配置されている。センサ箇所812において、センサ808は、プリプレグ807の上側814に配置されている。センサ808は、プリプレグ807の底側816に配置されている。
【0152】
この例では、点1 800における引張り820及び点2 802における引張り822が存在する。さらに、ローラ804は、プリプレグ807がローラ804上を進行するときに、プリプレグ807に熱及び圧力を加える。センサ808及びセンサ810は、プリプレグ807に引張り、熱、及び圧力を加えた結果である、センサ箇所812でプリプレグ807の部分824の厚さ及び反射率の測定をリアルタイムで行って、センサデータを生成することができる。
【0153】
図9を参照すると、例示的な一実施形態による、複合材料製造システムの一部の上面図の例示が示されている。この例では、
図8の例と比較して異なるセンサの配置が存在する。この上面図に示すように、センサ900は、センサ箇所812においてプリプレグ807の第1の側902に配置されている。センサ904の位置は、センサ箇所812におけるプリプレグ807の第2の側906にあり、第2の側906は第1の側902の反対側である。
【0154】
この例では、点1 800における引張り820及び点2 802における引張り822が存在する。さらに、ローラ804は、プリプレグ807がローラ804上を進行するときに、プリプレグ807に熱及び圧力を加える。
【0155】
図示のように、センサ900及びセンサ904は、プリプレグ807の部分824の幅、コンダクタンス、及び静電容量のリアルタイム測定を行って、センサデータを生成することができる。電気測定値のセンサデータを用いて、樹脂吸収量及び幅など、プリプレグ807の部分824についての特性を決定することができる。
【0156】
センサ箇所812又は他のセンサ箇所うちの少なくとも1つからのセンサデータを用いて、プリプレグ807の部分824がプリプレグロールに巻き取られたときなど、プリプレグ807の部分824の製造が完了したときのプリプレグ807の部分824についての特性の予測を、部分824に対して行うことができる。例えば、センサデータを用いて、プリプレグ807の部分824が有することになる繊維目付(FAW)及び吸水などの特性を予測することができる。
【0157】
点、センサ箇所、及びセンサの例示は、1つの実施態様の一例として提供されており、他の例示的な例が実施され得る方法を制限するものではない。例えば、別の例示的な例では、単一のセンサのみが存在してもよく、又は3以上のセンサが存在してもよい。さらに、センサ箇所812、又は点1 800と点2 802との間の別のセンサ箇所に、追加のセンサがあってもよい。
【0158】
さらに別の例として、点1 800及び点2 802は、ローラ804及びローラ806以外に、プリプレグ807に対して動作を実行する他の構成要素のための箇所であり得る。例えば、カラー、スプレッダーバー、コーム、ニップ、リワインダー、又は他の構成要素が、点1 800及び点2 802にあり得る。
【0159】
図10を参照すると、例示的な一実施形態による、未固化複合材料の一部についての品質レベルを特定するためのプロセスのフローチャートの例示が示されている。
図10のプロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方で実施され得る。ソフトウェアで実施される場合、プロセスは、1以上のコンピュータシステムにおける1以上のハードウェアデバイス内に位置付けられている1以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラムコードの形態をとることができる。例えば、プロセスは、
図2のコンピュータシステム210内の複合材料マネージャ212で実施され得る。
【0160】
図示のように、プロセスは、複合材料製造システム用のセンサシステムから、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に、センサデータを受信することで開始する(動作1000)。プロセスでは、複合材料製造システムでの製造により完成したときの未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性を、センサデータを用いて決定する(動作1002)。プロセスでは、未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性に基づいて、未固化複合材料のいくつかの部分についての品質レベルを特定する(動作1004)。その後プロセスは終了する。
【0161】
図11には、例示的な一実施形態による、未固化複合材料をマーキングするためのプロセスのフローチャートの例示が示されている。この図の動作は、
図10のプロセスの動作において使用され得る追加の動作の例である。
【0162】
図示のように、プロセスでは、未固化複合材料のいくつかの部分について特定された品質レベルに基づいて、マーキング動作を実行する(動作1100)。その後プロセスは終了する。
【0163】
次に
図12には、例示的な一実施形態による、未固化複合材料の、許容誤差外である部分を使用不可とマーキングするためのプロセスのフローチャートの例示が示されている。この図の動作は、
図11の動作1100の一実施態様の一例である。
【0164】
プロセスは、未固化複合材料のいくつかの部分のうちの、未固化複合材料のいくつかの部分を、その部分についての品質レベルが許容誤差外であることに基づいて、使用不可とマーキングする(動作1200)。その後プロセスは終了する。
【0165】
次に
図13を参照すると、例示的な一実施形態による、未固化複合材料の許容誤差内である部分を使用可とマーキングするためのプロセスのフローチャートの例示が示されている。この図の動作は、
図11の動作1100の一実施態様の一例である。
【0166】
プロセスは、未固化複合材料のいくつかの部分のうちの、未固化複合材料のいくつかの部分を、その部分の品質レベルが許容誤差内であることに基づいて、使用可とマーキングする(動作1300)。その後プロセスは終了する。
【0167】
図14を参照すると、例示的な一実施形態による、未固化複合材料のいくつかの部分を品質レベルでマーキングするためのプロセスのフローチャートの例示が示されている。この図の動作は、
図11の動作1100の一実施態様の一例である。
【0168】
プロセスは、未固化複合材料のいくつかの部分のうちの、未固化複合材料のある部分を品質レベルでマーキングする(動作1400)。その後プロセスは終了する。
【0169】
ここで
図15を参照すると、例示的な一実施形態による、未固化複合材料の部分についての品質レベルを記録するためのプロセスのフローチャートの例示が示されている。この図の動作は、
図11の動作1100の一実施態様の一例である。
【0170】
プロセスは、未固化複合材料のいくつかの部分についての品質レベルを記録する(動作1500)。その後プロセスは終了する。
【0171】
図16を参照すると、例示的な一実施形態による、未固化複合材料のある部分についての予測特性を決定するためのプロセスのフローチャートの例示が示されている。この図の動作は、
図10の動作1002の1つの実施態様の一例である。
【0172】
図示のように、プロセスは、センサデータを用いて生成された機械学習モデルから、未固化複合材料の一部についての初期予測特性の第1の組を決定することで開始する(動作1600)。プロセスは、センサデータを用いて生成された物理モデルから、未固化複合材料の一部についての初期予測特性の第2の組を決定する(動作1602)。プロセスは、初期予測特性の第1の組と初期予測特性の第2の組との融合から、未固化複合材料の一部についての一組の予測特性を決定する(動作1604)。その後プロセスは終了する。
【0173】
次に
図17を参照すると、例示的な一実施形態による、未固化複合材料の製作が完了する前に未固化複合材料についての特性を予測するように、機械学習モデルを訓練するためのプロセスのフローチャートの例示が示されている。
図17のプロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方で実施され得る。ソフトウェアで実施される場合、プロセスは、1以上のコンピュータシステムにおける1以上のハードウェアデバイス内に位置付けられている1以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラムコードの形態をとることができる。例えば、プロセスは、
図2のコンピュータシステム210内の複合材料マネージャ212で実施され得る。
【0174】
プロセスは、データ回収の範囲を設定することで開始する(動作1700)。動作1700では、モデルの訓練、検証、及び試験のために十分な解像度の繰り返しでデータが収集されるように範囲が設定される。
【0175】
プロセスは、データを回収する(動作1702)。この動作では、未固化複合材料の製造から履歴データが回収される。このデータは、センサデータ、上流データ、及び検査データを含み得る。検査データは、着目される特性を決定するために、製造された未固化複合材料をサンプル試験することによって生成される。これらの着目される特性を用いて、未固化複合材料の品質を評価し、その品質が特定の使用法に適切であるか否かを評価する。
【0176】
プロセスは、一組の機械学習モデルを訓練する(動作1704)。動作1704では、訓練のために、1以上のモデル種類が選択され得る。2以上の種類のモデルが選択された場合、どの機械学習モデルが最も正確な予測をもたらすかを確認するための評価を実行することができる。
【0177】
動作1704では、訓練で使用するために、特性及びパラメータが選択される。特性とは、品質を決定し、未固化複合材料が使用に適切であるか否かを決定する際に着目される未固化複合材料の特性である。パラメータは、選択された特性に相関又は影響を有するパラメータとして選択される。言い換えれば、パラメータが変化すると、それらの変化は、特性に影響を及ぼし、結果として未固化複合材料に影響を及ぼし得る。
【0178】
動作1704はまた、ハイパーパラメータ最適化を含み得、ハイパーパラメータ最適化では、モデル内のハイパーパラメータを、モデルを訓練するために選択されたパラメータ又は変数が実際に最適化される前に設定されるパラメータ又は変数として設定することができる。ハイパーパラメータは、例えばモデル選択を含み得る。
【0179】
プロセスは、特性の推定における誤差を決定する(動作1706)。動作1706では、検証データを用いて、特性を予測する際に生じる誤差を決定することができる。
【0180】
次にプロセスは、選択された機械学習モデルが所望のレベルの精度を有するか否かを判定する(動作1708)。この所望のレベルの精度は、履歴データのうちの試験データとして分割された部分を用いて試験され得る。そのレベルの精度が存在しない場合、プロセスは、実験計画法(DOE)を用いて試験データセットを生成する(動作1710)。次いで、プロセスは動作1702に戻って、実験計画法によって生成されたデータ生成手法を用いて、データを回収する。実験計画法とは、訓練を生成するための実験の実行を導くための統計的方法である。
【0181】
再び動作1708を参照すると、選択された機械学習モデルが所望のレベルの精度を有する場合、プロセスは、未固化複合材料の一部の製造が完了する前に、未固化複合材料のそれらの部分についての特性をリアルタイムで予測する(動作1712)。その後プロセスは終了する。
【0182】
図18を参照すると、例示的な一実施形態による、未固化複合材料の部分に対して修正動作を実行するためのプロセスのフローチャートの例示が示されている。
図18のプロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方で実施され得る。ソフトウェアで実施される場合、プロセスは、1以上のコンピュータシステムにおける1以上のハードウェアデバイス内に位置付けられている1以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラムコードの形態をとることができる。例えば、プロセスは、
図2のコンピュータシステム210内の複合材料マネージャ212で実施され得る。
【0183】
図示のように、プロセスは、複合材料製造システム用のセンサシステムから、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に、センサデータを受信することで開始する(動作1800)。プロセスは、完成製品としての未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性を、センサデータを用いて決定する(動作1802)。プロセスは、未固化複合材料のいくつかの部分の品質レベルに基づいて修正動作を実行する(動作1804)。その後プロセスは終了する。
【0184】
図19を参照すると、例示的な一実施形態による、未固化複合材料の許容誤差外である部分に対して修正動作を実行するためのプロセスのフローチャートの例示が示されている。この図の動作は、
図18の動作1804の一実施態様の一例である。
【0185】
図示のように、プロセスは、未固化複合材料に対して指定された許容誤差外であるいくつかの部分についての一組の予測特性に応じて修正動作を実行する(動作1900)。その後プロセスは終了する。
【0186】
次に
図20を参照すると、例示的な一実施形態による、未固化複合材料の許容誤差外である部分に対して、パラメータを調整するためのプロセスのフローチャートの例示が示されている。この図の動作は、
図18の動作1804の一実施態様の一例である。
【0187】
図示のように、プロセスは、未固化複合材料のいくつかの部分の一組の予測特性が、未固化複合材料に対して指定された許容誤差外であることに応じて、そのいくつかの部分の一組の予測特性を変更するように、未固化複合材料製造システムにおける一組のパラメータを調整する(動作2000)。その後プロセスは終了する。
【0188】
図21を参照すると、例示的な一実施形態による、未固化複合材料の、許容誤差内である部分に対して、パラメータを調整するためのプロセスのフローチャートの例示が示されている。この図の動作は、
図18の動作1804の一実施態様の一例である。
【0189】
図示のように、プロセスは、未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性が、未固化複合材料に対する許容誤差内になるように、複合材料製造システムにおける一組のパラメータを調整する(動作2100)。その後プロセスは終了する。
【0190】
次に
図22を参照すると、例示的な一実施形態による、未固化複合材料の部分が許容誤差内になるように、パラメータを調整するためのプロセスのフローチャートの例示が示されている。この図の動作は、
図18の動作1804の一実施態様の一例である。
【0191】
図示のように、プロセスは、未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性が、未固化複合材料の第2の種類の使用に対する第2の許容誤差内になるように、複合材料製造システムにおける一組のパラメータを調整する(動作2200)。その後プロセスは終了する。
【0192】
図23を参照すると、例示的な一実施形態による、未固化複合材料の後続部分に対して、パラメータを調整するためのプロセスのフローチャートの例示が示されている。この図の動作は、
図18の動作1804の一実施態様の一例である。
【0193】
図示のように、プロセスは、未固化複合材料のいくつかの部分の一組の予測特性が、未固化複合材料に対して指定された許容誤差外であることに応じて、そのいくつかの部分の後続部分についての一組の予測特性が、未固化複合材料に対する許容誤差内になるように、複合材料製造システムにおける一組のパラメータを調整する(動作2300)。その後プロセスは終了する。
【0194】
図24を参照すると、例示的な一実施形態による、原材料を変更するためのプロセスのフローチャートの例示が示されている。この図の動作は、
図18の動作1804の一実施態様の一例である。
【0195】
図示のように、プロセスは、未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性が、未固化複合材料に対して指定された許容誤差外であることに応じて、そのいくつかの部分の後続部分についての一組の予測特性が、未固化複合材料に対する許容誤差内になるように、未固化複合材料を形成するために使用されるいくつかの原材料を変更する(動作2400)。その後プロセスは終了する。
【0196】
次に
図25を参照すると、例示的な一実施形態による、未固化複合材料の予測特性を決定するためのプロセスのフローチャートの例示が示されている。この図の動作は、
図18のプロセスの動作内で使用され得る追加の動作の例である。
【0197】
図示のように、プロセスは、センサデータ、機械学習モデル、及び物理モデルを用いて、未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性を決定する(動作2500)。その後プロセスは終了する。
【0198】
示されている異なる実施形態におけるフローチャート及びブロック図は、例示的な一実施形態における装置及び方法のうちのいくつかの考えられる実施態様のアーキテクチャ、機能、及び動作を示している。これに関して、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、あるいは動作及びステップの一部のうちの少なくとも1つを表すことができる。例えば、ブロックのうちの1以上は、プログラムコード、ハードウェア、又はプログラムコード及びハードウェアの組合せとして実装され得る。ハードウェアで実施される場合、ハードウェアは、例えば、フローチャート又はブロック図内の1以上の動作を実行するように製造又は構成されている集積回路の形態をとることができる。プログラムコード及びハードウェアの組合せとして実施される場合、実施態様はファームウェアの形態をとってもよい。フローチャート又はブロック図の各ブロックは、異なる動作を実行する専用ハードウェアシステム、又は専用ハードウェアと専用ハードウェアによって実行されるプログラムコードとの組合せを用いて実施され得る。
【0199】
例示的な一実施形態のいくつかの代替的な実施態様では、ブロックに記されている1以上の機能は、図に記されている順序から外れて生じてもよい。例えば、場合によっては、連続して示されている2つのブロックは、関係する機能性に応じて、実質的に同時に実行されてもよく、又はその2つのブロックは、時には逆順で実行されてもよい。また、フローチャート又はブロック図に図示されているブロックに加えて、他のブロックが追加されてもよい。
【0200】
ここで
図26を参照すると、例示的な一実施形態によるデータ処理システムのブロック図の例示が示されている。データ処理システム2600は、
図1のサーバコンピュータ104、サーバコンピュータ106、クライアントデバイス110を実装するために使用され得る。データ処理システム2600はまた、
図2のコンピュータシステム210を実装するために使用され得る。この例示的な例では、データ処理システム2600は、通信フレームワーク2602を含み、この通信フレームワーク2602は、プロセッサユニット2604と、メモリ2606と、永続記憶装置2608と、通信ユニット2610と、入力/出力(I/O)ユニット2612と、ディスプレイ2614との間の通信を提供する。この例では、通信フレームワーク2602は、バスシステムの形態をとる。
【0201】
プロセッサユニット2604は、メモリ2606にロードされ得るソフトウェア用の命令を実行するように機能する。プロセッサユニット2604は1以上のプロセッサを含む。例えば、プロセッサユニット2604は、マルチコアプロセッサ、中央処理装置(CPU)、画像処理装置(GPU)、物理処理装置(PPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ及び何らかの他の適切な種類のプロセッサのうちの少なくとも1つから選択され得る。さらに、プロセッサユニット2604は、単一のチップ上に主プロセッサが1以上の2次プロセッサと共に存在する1以上の異種プロセッサシステムを用いて実装され得る。別の例示的な例として、プロセッサユニット2604は、単一のチップ上に同種類の複数のプロセッサを包含する対称型マルチプロセッサシステムであり得る。
【0202】
メモリ2606及び永続記憶装置2608は、記憶デバイス2616の例である。記憶デバイスは、例えばデータ、機能形態のプログラムコード及び他の適切な情報のうちの少なくとも1つなどであるがこれに限定されない情報を、一時的に、恒久的に、又は一時的と恒久的との両方で記憶することができる任意のハードウェアである。記憶デバイス2616は、これらの例示的な例において、コンピュータ可読記憶デバイスとも呼ばれる場合がある。メモリ2606は、これらの例では、例えば、ランダムアクセスメモリ、あるいは任意の他の適切な揮発性又は不揮発性の記憶デバイスであり得る 永続記憶装置2608は、特定の実施態様に応じて、様々な形態をとることができる。
【0203】
例えば、永続記憶装置2608は、1以上の構成要素あるいはデバイスを包含してもよい。例えば、永続記憶装置2608は、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュメモリ、書換可能光ディスク、書換可能磁気テープ、又は上記の何らかの組合せであり得る。また、永続記憶装置2608によって使用される媒体は、取り外し可能であり得る。例えば、永続記憶装置2608には、リムーバブルハードドライブを使用することができる。
【0204】
これらの例示的な例では、通信ユニット2610は、他のデータ処理システム又はデバイスとの通信を提供する。これらの例示的な例では、通信ユニット2610は、ネットワークインタフェイスカードである。
【0205】
入力/出力ユニット2612は、データ処理システム2600に接続され得る他のデバイスとのデータの入出力を可能にする。例えば、入力/出力ユニット2612は、キーボード、マウス及び何らかの他の適切な入力デバイスのうちの少なくとも1つを通して、ユーザー入力のための接続を提供することができる。さらに、入力/出力ユニット2612は、出力をプリンタに送ることができる。ディスプレイ2614は、情報をユーザーに表示する機構を提供する。
【0206】
オペレーティングシステム、アプリケーション及びプログラムのうちの少なくとも1つのための命令は、記憶デバイス2616内に位置付けられ得、記憶デバイス2616は、通信フレームワーク2602を通してプロセッサユニット2604と通信する。異なる実施形態のプロセスは、プロセッサユニット2604によってコンピュータ実装命令を用いて実行され得、コンピュータ実装命令は、メモリ2606などのメモリ内に位置付けられ得る。
【0207】
これらの命令は、プログラム命令であり、プロセッサユニット2604内のプロセッサによって読み取られ実行され得るプログラムコード、コンピュータ使用可能プログラムコード、又はコンピュータ可読プログラムコードとも呼ばれる。異なる実施形態におけるプログラムコードは、メモリ2606又は永続記憶装置2608などの、異なる物理的な記憶媒体又はコンピュータ可読記憶媒体上で具現化され得る。
【0208】
プログラムコード2618は、選択的に取り外し可能であるコンピュータ可読媒体2620上に機能形態で位置付けられ、プロセッサユニット2604による実行のためにデータ処理システム2600にロード又は転送され得る。プログラムコード2618及びコンピュータ可読媒体2620は、これらの例示的な例においてコンピュータプログラム製品2622を形成する。例示的な例では、コンピュータ可読媒体2620は、コンピュータ可読記憶媒体2624である。
【0209】
コンピュータ可読記憶媒体2624は、プログラムコード2618を伝播又は伝達する媒体というよりもむしろ、プログラムコード2618を記憶するために使用される物理的又は有形の記憶デバイスである。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体2624は、電波又は他の自由に伝播する電磁波、導波管又は他の伝送媒体を伝播する電磁波(例えば、光ファイバーケーブルを通過する光パルス)、あるいは配線を通して送信される電気信号などの、一時的な信号自体であると解釈されるべきではない。
【0210】
あるいは、プログラムコード2618は、コンピュータ可読信号媒体を用いてデータ処理システム2600に転送され得る。コンピュータ可読信号媒体は、例えば、プログラムコード2618を包含する伝播されたデータ信号であり得る。例えば、コンピュータ可読信号媒体は、電磁信号、光信号及び任意の他の適切な種類の信号のうちの少なくとも1つであってもよい。これらの信号は、無配線接続、光ファイバーケーブル、同軸ケーブル、配線、又は任意の他の適切な種類の接続などの接続部を介して送信され得る。
【0211】
さらに、本明細書で使用される場合、「コンピュータ可読媒体2620」は単数又は複数であり得る。例えば、プログラムコード2618は、単一の記憶デバイス又はシステムの形態のコンピュータ可読媒体2620に位置付けられ得る。別の例では、プログラムコード2618は、複数のデータ処理システムに分散されているコンピュータ可読媒体2620に位置付けられ得る。言い換えれば、プログラムコード2618内のいくつかの命令は、1つのデータ処理システム内に位置付けられ得る一方、プログラムコード2618内の他の命令は、1つのデータ処理システム内に位置付けられ得る。例えば、プログラムコード2618の一部は、サーバコンピュータ内のコンピュータ可読媒体2620内に位置付けられ得る一方、プログラムコード2618の別の部分は、一組のクライアントコンピュータ内に位置付けられているコンピュータ可読媒体2620内に位置付けられ得る。
【0212】
データ処理システム2600について示されている異なる構成要素は、異なる実施形態が実装され得る方法に対してアーキテクチャ上の制限を設けることを意図していない。いくつかの例示的な例において、1以上の構成要素は、他の構成要素に組み込まれてもよく、そうでない場合、他の構成要素の一部を形成してもよい。例えば、メモリ2606又はその一部は、いつかの例示的な例においてプロセッサユニット2604に組み込まれてもよい。異なる例示的な実施形態は、データ処理システム2600について図示されている構成要素に加えて、又はそれらの代わりに、構成要素を含むデータ処理システムで実施され得る。
図26に示されている他の構成要素は、示されている例示的な例から変更され得る。異なる実施形態は、プログラムコード2618を実行することができる任意のハードウェアデバイス又はシステムを用いて実施され得る。
【0213】
本開示の例示的な実施形態は、
図27に示す航空機の製造及び保守点検方法2700、及び
図28に示す航空機2800の文脈で説明されてもよい。まず
図27を参照すると、例示的な一実施形態による航空機の製造及び保守点検方法の例示が示されている。生産前段階において、航空機の製造及び保守点検方法2700は、
図28の航空機2800の仕様及び設計2702と、材料調達2704とを含んでもよい。
【0214】
生産中には、
図28の航空機2800の構成要素及び部分組立品の製造2706と、システム統合2708とが行われる。その後、
図28の航空機2800は、就航中2712の状態に置かれるために、認証及び搬送2710を経てることができる。顧客による就航中2712中に、
図28の航空機2800は、変更、再構成、修繕、及び他の整備又は保守点検を含む場合がある定期的な整備及び保守点検2714が予定される。
【0215】
航空機の製造及び保守点検方法2700のプロセスの各々は、システム統合者、サードパーティー、オペレータ、又はこれらのいくつかの組合せによって実行又は実施されてもよい。これらの例において、オペレータは顧客であってよい。この説明のために、システム統合者は、任意の数の航空機製造業者及び主要なシステム下請業者を含んでもよいがこれに限定されず、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者、及びサプライヤーを含んでもよいがこれに限定されず、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、保守点検組織などであってもよい。
【0216】
ここで
図28を参照すると、例示的な一実施形態が実施され得る航空機の例示が示されている。この例では、航空機2800は、
図27の航空機の製造及び保守点検方法2700によって生産され、複数のシステム2804及び内部2806を有する機体2802を含んでもよい。システム2804の例には、推進システム2808、電気システム2810、油圧システム2812、及び環境システム2814のうちの1以上が含まれる。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。航空宇宙の一例が示されているが、異なる例示的な実施形態が自動車産業などの他の産業に適用されてもよい。
【0217】
本明細書において具現化される装置及び方法は、
図27の航空機の製造及び保守点検方法2700のうちの少なくとも1つの段階の間に採用されてもよい。
【0218】
1つの例示的な例では、
図27の構成要素及び部分組立品の製造2706において生産される構成要素又は部分組立品は、航空機2800が
図27の就航中2712である間に生産される構成要素又は部分組立品と同様の方法で製作又は製造することができる。さらに別の例として、
図27の構成要素及び部分組立品の製造2706並びにシステム統合2708などの生産段階において、1以上の装置の実施形態、方法の実施形態、又はそれらの組合せを利用することができる。1以上の装置の実施形態、方法の実施形態、又はそれらの組合せは、航空機2800が就航中2712である間に、
図27の整備及び保守点検2714の最中に、又はその両方において利用されてもよい。いくつかの異なる例示的な実施形態の使用により、航空機2800の組立てが実質的に促進され、航空機2800のコストが削減され、又は航空機2800の組立ての促進と航空機2800のコストの削減の両方がなされる可能性がある。構成要素及び部分組立品の製造2706並びに整備及び保守点検2714のうちの少なくとも1つの間に、未固化複合材料の製造における品質を高めることにより、未固化複合材料の製造に必要な時間の量及びコストのうちの少なくとも1つを削減することができる。未固化複合材料のどの部分が所望の品質レベルを満たすかを決定することができると、未固化複合材料の廃棄又は再加工を減らすことができる。
【0219】
ここで
図29を参照すると、例示的な一実施形態による製品管理システムのブロック図の例示が示されている。製品管理システム2900は、物理ハードウェアシステムである。この例示的な例では、製品管理システム2900は、製造システム2902及び整備システム2904のうちの少なくとも一方を含む。
【0220】
製造システム2902は、
図28の航空機2800などの製品を製造するように構成されている。図示のように、製造システム2902は、製造機器2906を含む。製造機器2906は、製作機器2908及び組立機器2910のうちの少なくとも一方を含む。
【0221】
製作機器2908は、
図28の航空機2800を形成するために使用される部品用の構成要素を製作するために使用され得る機器である。例えば、製作機器2908は機械及びツールを含み得る。これらの機械及びツールは、ドリル、液圧プレス、炉、オートクレーブ、金型、複合材料テープ敷設機、自動繊維積層(AFP)機、真空システム、ロボットピックアンドプレイスシステム、フラットベッド切断機、レーザーカッター、コンピュータ数値制御(CNC)切断機、旋盤及び他の適切な種類の機器のうちの少なくとも1つであり得る。製作機器2908を用いて、金属部品、複合材料部品、半導体、回路、締め具、リブ、スキンパネル、スパー、アンテナ及び他の適切な種類の部品のうちの少なくとも1つを製作することができる。
【0222】
組立機器2910は、部品を組み立てて
図28の航空機2800を形成するために使用される機器である。特に、組立機器2910を用いて、構成要素及び部品を組み立てて
図28の航空機2800を形成する。組立機器2910はまた、機械及びツールを含み得る。これらの機械及びツールは、ロボットアーム、クローラ、高速設置システム、レールベースの穿孔システム及びロボットのうちの少なくとも1つであってもよい。組立機器2910を用いて、座席、水平安定板、翼、エンジン、エンジンハウジング、着陸装置システム、及び
図28の航空機2800用の他の部品などの部品を組み立てることができる。
【0223】
この例示的な例では、整備システム2904は整備機器2912を含む。整備機器2912は、
図28の航空機2800の整備を実行するために必要な任意の機器を含み得る。整備機器2912は、
図28の航空機2800の部品に対して異なる作業を実行するためのツールを含んでもよい。これらの作業は、部品の分解、部品の修繕、部品の検査、部品の再加工、交換部品の製造及び
図28の航空機2800の整備を実行するための他の作業のうちの少なくとも1つを含み得る。これらの作業は、定期的な整備、検査、アップグレード、修繕、又は他の種類の整備作業のためのものであり得る。
【0224】
例示的な例では、整備機器2912は、超音波検査デバイス、X線撮像システム、視覚システム、ドリル、クローラ、及び他の適切なデバイスを含んでもよい。場合によっては、整備機器2912は、整備に必要な部品を生産して組み立てるために、製作機器2908、組立機器2910、又はその両方を含み得る。
【0225】
製品管理システム2900はまた、制御システム2914を含む。制御システム2914は、ハードウェアシステムであり、またソフトウェア又は他の種類の構成要素も含んでもよい。制御システム2914は、製造システム2902及び整備システム2904のうちの少なくとも一方の動作を制御するように構成されている。特に、制御システム2914は、製作機器2908、組立機器2910及び整備機器2912のうちの少なくとも1つの動作を制御することができる。
【0226】
制御システム2914内のハードウェアは、コンピュータ、回路、ネットワーク、及び他の種類の機器を含む場合があるハードウェアを用いて実装され得る。制御は、製造機器2906の直接制御の形態をとってもよい。例えば、制御システム2914によって、ロボット、コンピュータ制御機械、及び他の機器を制御することができる。他の例示的な例では、制御システム2914は、航空機2800の製造又は整備の実行の際に、人間のオペレータ2916によって実行される作業を管理することができる。例えば、制御システム2914は、タスクを割り当て、命令を与え、モデルを表示し、又は人間のオペレータ2916によって実行される作業を管理するための他の動作を実行することができる。これらの例示的な例では、
図2の複合材料マネージャ212を制御システム2914に実装して、
図28の航空機2800の製造及び整備のうちの少なくとも一方に使用するための未固化複合材料の製造を管理することができる。これらの未固化複合材料を用いて、
図28の航空機2800の製造及び整備のうちの少なくとも一方において、複合材料部品を製造又は再加工することができる。
【0227】
異なる例示的な例では、人間のオペレータ2916は、製造機器2906、整備機器2912及び制御システム2914のうちの少なくとも1つを操作すること、又はそれらのうちの少なくとも1つと相互作用することができる。この相互作用は、
図28の航空機2800を製造するために行われ得る。
【0228】
もちろん、製品管理システム2900は、
図28の航空機2800以外の他の製品を管理するように構成されてもよい。航空宇宙産業における製造に対して製品管理システム2900を説明したが、製品管理システム2900は、他の産業用の製品を管理するように構成されることができる。例えば、製品管理システム2900は、自動車産業並びに他の適切な産業用の製品を製造するように構成されることができる。
【0229】
例示的な例のいくつかの形態は、以下の付記項に記載されている。これらの付記項は形態の例であり、他の例示的な例を制限することを意図していない。
【0230】
付記項1
コンピュータシステムと、
コンピュータシステム内の複合材料マネージャと
を備え、
複合材料マネージャは、
複合材料製造システム用のセンサシステムから、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に、センサデータを受信し、
複合材料製造システムでの製造により完成したときの未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性を、センサデータを用いて決定し、
未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性に基づいて、未固化複合材料のいくつかの部分についての品質レベルを特定する、
ように構成されている、複合材料管理システム。
【0231】
付記項2
複合材料マネージャは、
未固化複合材料のいくつかの部分について特定された品質レベルに基づいて、マーキング作動を実行する、
ように構成されている、付記項1に記載の複合材料管理システム。
【0232】
付記項3
未固化複合材料のいくつかの部分について特定された品質レベルに基づいてマーキング作動を実行する際に、
複合材料マネージャは、
未固化複合材料のいくつかの部分のうちのある部分を、部分の品質レベルが許容誤差外であることに基づいて、使用不可とマーキングする、
ように構成されている、付記項2に記載の複合材料管理システム。
【0233】
付記項4
未固化複合材料のいくつかの部分について特定された品質レベルに基づいてマーキング作動を実行する際に、
複合材料マネージャは、
未固化複合材料のいくつかの部分のうちの部分を、部分の品質レベルが許容誤差内であることに基づいて、使用可とマーキングする、
ように構成されている、付記項2又は3に記載の複合材料管理システム。
【0234】
付記項5
未固化複合材料のいくつかの部分について特定された品質レベルに基づいてマーキング作動を実行する際に、複合材料マネージャは、
いくつかの部分を、品質レベルでマーキングする、
ように構成されている、付記項2から4のいずれか1項に記載の複合材料管理システム。
【0235】
付記項6
未固化複合材料のいくつかの部分について特定された品質レベルに基づいてマーキング作動を実行する際に、
複合材料マネージャは、
未固化複合材料のいくつかの部分についての品質レベルのうちの少なくとも1つを記録するよう、
に構成されている、付記項2から5のいずれか1項に記載の複合材料管理システム。
【0236】
付記項7
複合材料製造システムをさらに備える、付記項1から6のいずれか1項に記載の複合材料管理システム。
【0237】
付記項8
複合材料製造システムは、炭素繊維プリプレグ被覆ライン、強化繊維樹脂含浸ライン、樹脂混合物処理システム、樹脂フィルミングライン、プリプレグシステム、及びスリット加工システムのうちの1つである、付記項3から7のいずれか1項に記載の複合材料管理システム。
【0238】
付記項9
センサシステム内の一組のセンサは、複合材料製造システム内の第1の点と第2の点との間に位置付けられているセンサ箇所にあり、第1の点は、未固化複合材料の部分が第1の点を通るときに、未固化複合材料の部分に対して一組の作動を実行する点である、付記項1から8のいずれか1項に記載の複合材料管理システム。
【0239】
付記項10
機械学習モデルをさらに備え、
複合材料マネージャは、センサデータ及び機械学習モデルを用いて、未固化複合材料の部分についての一組の予測特性を決定する、付記項1から9のいずれか1項に記載の複合材料管理システム。
【0240】
付記項11
機械学習モデルと、
物理モデルとをさらに備え、
複合材料マネージャは、センサデータ、機械学習モデル、及び物理モデルを用いて、未固化複合材料の部分についての一組の予測特性を決定する、付記項1から10のいずれか1項に記載の複合材料管理システム。
【0241】
付記項12
未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性を決定する際に、
複合材料マネージャは、
センサデータを用いて生成された機械学習モデルから、未固化複合材料の前記部分の初期予測特性の第1の組を決定し、
センサデータを用いて生成された物理モデルから、未固化複合材料の部分の初期予測特性の第2の組を決定し、
初期予測特性の第1の組と初期予測特性の第2の組との融合から、未固化複合材料の部分の前記一組の予測特性を決定する、
ように構成されている、付記項11に記載の複合材料管理システム。
【0242】
付記項13
未固化複合材料は、プリプレグ、航空宇宙用グレードのプリプレグ、熱硬化性プリプレグ、熱可塑性プリプレグ、織物プリプレグ、繊維トウプリプレグ、トウプリプレグ、一方向テーププリプレグ、樹脂被覆フィルム、ノンクリンプ織物及び樹脂混合物のうちの少なくとも1つから選択される、付記項1から12のいずれか1項に記載の複合材料管理システム。
【0243】
付記項14
センサデータは、構成要素温度、未固化複合材料温度、周囲温度、湿度、ローラ速度、未固化複合材料の速度、一対のローラ間の圧力、一対のローラ間のギャップ、未固化複合材料厚さ、フーリエ変換赤外(FTIR)スペクトル、分光データ、材料幅、繊維ウェブ幅、材料目付、繊維目付、樹脂粘度、未固化複合材料の寸法にわたる電気測定値、未固化複合材料の寸法にわたる電圧、未固化複合材料の寸法にわたる電磁測定値、未固化複合材料の寸法にわたる音響測定値、引張り及び複合材料製造システム内の箇所でのプリプレグの画像のうちの少なくとも1つを含む、付記項1から13のいずれか1項に記載の複合材料管理システム。
【0244】
付記項15
複合材料マネージャは、強化情報、繊維情報、強化サイジング情報、樹脂情報、剥離ライナー情報及び樹脂フィルム情報のうちの少なくとも1つから選択される上流情報を受信するように構成されている、付記項1から14のいずれか1項に記載の複合材料管理システム。
【0245】
付記項16
一組の特性が、プリプレグの繊維目付、プリプレグ樹脂の含有量、プリプレグの厚さ、プリプレグの浸透レベル、プリプレグのタックレベル、樹脂フィルムの目付、樹脂フィルムの厚さ、剥離ライナーの目付、剥離ライナーの厚さ及び積層構造特性のうちの少なくとも1つを含む、付記項1から15のいずれか1項に記載の複合材料管理システム。
【0246】
付記項17
繊維及び樹脂被覆フィルムから、ある長さのプリプレグを製造するように作動する炭素繊維プリプレグ被覆ラインと、
炭素繊維プリプレグ被覆ラインの作動中に、炭素繊維プリプレグ被覆ラインについてのセンサデータを生成するように作動可能であるセンサシステムと、
複合材料マネージャと、
を備え、
前記複合材料マネージャが、
複合材料製造システム用の前記センサシステムから、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に、センサデータを受信し、
複合材料製造システムでの製造により完成したときのプリプレグのいくつかの部分についての一組の予測特性を、センサデータを用いて決定し、
未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性に基づいて、プリプレグのいくつかの部分についての品質レベルを特定する複合材料管理システム。
【0247】
付記項18
未固化複合材料の前記いくつかの部分についての一組の予測特性に基づいて、プリプレグのいくつかの部分についての品質レベルを特定する際に、
複合材料マネージャは、
プリプレグのいくつかの部分のうちの、プリプレグのある部分を、部分についての品質レベルが許容誤差外であることに基づいて、使用不可とマーキングする、
ように構成されている、付記項17に記載の複合材料管理システム。
【0248】
付記項19
未固化複合材料の前記いくつかの部分についての一組の予測特性に基づいて、プリプレグのいくつかの部分についての品質レベルを特定する際に、
複合材料マネージャは、
プリプレグのいくつかの部分を、部分の品質レベルが許容誤差内であることに基づいて、使用可とマーキングする、
ように構成されている、付記項17又は18に記載の複合材料管理システム。
【0249】
付記項20
未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性に基づいて、プリプレグのいくつかの部分についての品質レベルを特定する際に、
複合材料マネージャは、
プリプレグのいくつかの部分のうちの、プリプレグのある部分を、品質レベルでマーキングする、
ように構成されている、付記項17から19のいずれか1項に記載の複合材料管理システム。
【0250】
付記項21
繊維は、トウ、テープ、及び織物から選択される形態であり、樹脂被覆フィルムは、樹脂被覆ペーパである、付記項17から20のいずれか1項に記載の複合材料管理システム。
【0251】
付記項22
未固化複合材料を製造するための方法であって、
複合材料製造システム用のセンサシステムから、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に、センサデータを受信するステップと、
複合材料製造システムでの製造により完成したときの未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性を、前記センサデータを用いて決定するステップと、
未固化複合材料のいくつかの部分についての前記一組の予測特性に基づいて、未固化複合材料のいくつかの部分についての品質レベルを特定するステップと
を含む、方法。
【0252】
付記項23
未固化複合材料のいくつかの部分について特定された品質レベルに基づいてマーキング作動を実行するステップをさらに含む、付記項22に記載の方法。
【0253】
付記項24
未固化複合材料のいくつかの部分について特定された品質レベルに基づいてマーキング作動を実行するステップは、
未固化複合材料のいくつかの部分のうちの、前記未固化複合材料のある部分を、部分の品質レベルが許容誤差外であることに基づいて、使用不可とマーキングするステップを含む、付記項23に記載の方法。
【0254】
付記項25
未固化複合材料のいくつかの部分について特定された品質レベルに基づいてマーキング作動を実行するステップは、
未固化複合材料のいくつかの部分のうちの、未固化複合材料のある部分を、部分の前記品質レベルが許容誤差内であることに基づいて、使用可とマーキングするステップを含む、付記項23又は24に記載の方法。
【0255】
付記項26
未固化複合材料のいくつかの部分について特定された品質レベルに基づいてマーキング作動を実行するステップは、
未固化複合材料のいくつかの部分のうちの、未固化複合材料のある部分を、品質レベルでマーキングするステップを含む、付記項23から25のいずれか1項に記載の方法。
【0256】
付記項27
未固化複合材料のいくつかの部分について特定された品質レベルに基づいてマーキング作動を実行する前記ステップは、
未固化複合材料のいくつかの部分についての品質レベルのうちの少なくとも1つを記録するステップを含む、付記項23から26のいずれか1項に記載の方法。
【0257】
付記項28
未固化複合材料のある部分についての一組の予測特性は、センサデータ、機械学習モデル、及び物理モデルを用いて決定される、付記項22から27のいずれか1項に記載の方法。
【0258】
付記項29
未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性を決定するステップは、
センサデータを用いて生成された機械学習モデルから、未固化複合材料のある部分の初期予測特性の第1の組を決定するステップと、
センサデータを用いて生成された物理モデルから、未固化複合材料の部分の初期予測特性の第2の組を決定するステップと、
初期予測特性の第1の組と初期予測特性の第2の組との融合から、未固化複合材料の部分の前記一組の予測特性を決定するステップと
を含む、付記項22から28のいずれか1項に記載の方法。
【0259】
付記項30
未固化複合材料のある部分の一組の予測特性は、センサデータ及び機械学習モデルを用いて決定される、付記項22から29のいずれか1項に記載の方法。
【0260】
付記項31
複合材料製造システムは、炭素繊維プリプレグ被覆ラインである、付記項22から30のいずれか1項に記載の方法。
【0261】
付記項32
未固化複合材料は、プリプレグ、熱硬化性プリプレグ、織物プリプレグ、繊維トウプリプレグ、一方向テーププリプレグ、又は樹脂被覆フィルムうちの少なくとも1つから選択される、付記項22から31のいずれか1項に記載の方法。
【0262】
付記項33
センサデータは、構成要素温度、未固化複合材料温度、周囲温度、湿度、ローラ速度、未固化複合材料の速度、一対のローラ間のギャップ、未固化複合材料の厚さ、フーリエ変換赤外(FTIR)スペクトル、繊維ウェブの幅、繊維目付、樹脂粘度、未固化複合材料の寸法にわたる電圧、未固化複合材料の寸法にわたる電気測定値、未固化複合材料の寸法にわたる電磁測定値、未固化複合材料の寸法にわたる音響測定値、引張り及び複合材料製造システム内の箇所でのプリプレグの画像のうちの少なくとも1つを含む、付記項22から32のいずれか1項に記載の方法。
【0263】
付記項34
プログラム命令を具現化させるコンピュータ可読記憶媒体を備える未固化複合材料を製造するためのコンピュータプログラム製品であって、
プログラム命令は、
複合材料製造システム用のセンサシステムから、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に、センサデータを受信するステップと、
複合材料製造システムでの製造により完成したときの未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性を、センサデータを用いて決定するステップと、
未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性に基づいて、未固化複合材料のいくつかの部分についての品質レベルを特定するステップと
を含む方法をコンピュータシステムに実行させるために、コンピュータシステムによって実行可能である、コンピュータプログラム製品。
【0264】
したがって、例示的な例は、未固化複合材料の製造が完了したときに未固化複合材料が有することになる特性を、製造プロセスが行われている間に予測するための方法、装置、システム、及びコンピュータプログラム製品を提供する。さらに、例示的な例は、これらの予測を用いて修正作動を実行して、未固化複合材料が製造から完成して完成製品を形成するときに有することになる特性を変更することもできる。
【0265】
異なる例示的な例では、複合材料マネージャは、製造により完成したときの未固化複合材料のいくつかの部分についての一組の予測特性を決定するための動作を実行する。言い換えれば、この予測は、未硬化複合材料のいくつかの部分の製造が完了して完成製品を形成するときの、未硬化複合材料のそれら部分についてのものである。
【0266】
その結果、複合材料マネージャ212を用いて未固化複合材料の部分についての品質レベルを予測することにより、未固化複合材料を製造するのに必要な費用及び時間の量のうちの少なくとも一方の削減を実現することができる。さらに、許容誤差内である未固化材料の量を追加するように、未固化複合材料の製造中に修正作動を実行することによって、この削減が生じ得る。その結果、未固化複合材料の追加の製造、再加工、又は廃棄を減らすことができる。
【0267】
異なる例示的な実施形態の記載は、図示目的及び説明目的で提示されており、網羅的であること、又は開示されている形態の実施形態に限定することを意図するものではない。異なる例示的な例では、作動又は作業を実行する構成要素を説明している。例示的な一実施形態では、一構成要素が、説明される作動又は作業を実行するように構成され得る。例えば、構成要素は、その構成要素によって実行されるものとして例示的な例において説明された作動又は作業を実行する能力を、その構成要素に提供する構造のための構成又は設計を有し得る。さらに、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「包含する(contains)」という用語、及びそれらの変形が本明細書で使用される限り、そのような用語は、追加又は他の要素を排除することなく開放移行語として、「備える(comprises)」という用語と同様に包括的であることを意図している。
【0268】
多くの修正形態及び変形形態が、当業者には明らであろう。さらに、異なる例示的な実施形態は、他の望ましい実施形態と比較して異なる形態を提供する場合がある。選択された1以上の実施形態は、実施形態の原理、実際の用途を最もよく説明すると共に、企図される実用的な用途に適する様々な変形形態を伴う様々な実施形態について、当業者が本開示を理解することを可能にするために選択され、説明されている。
【符号の説明】
【0269】
100 ネットワークデータ処理システム、102 ネットワーク、104 サーバコンピュータ、106 サーバコンピュータ、108 記憶ユニット、110 クライアントデバイス、112 クライアントコンピュータ、114 クライアントコンピュータ、116 クライアントコンピュータ、118 プリプレグシステム、120 タブレットコンピュータ、122 スマートグラス、130 複合材料製造設備、132 複合材料マネージャ、134 センサデータ、136 コマンド、138 機械学習モデル、200 複合材料製造環境、202 複合材料管理システム、203 デジタルツイン、204 未固化複合材料、205 複合材料部品、206 複合材料製造システム、208 複合材料製造システム、209 箇所、210 コンピュータシステム、212 複合材料マネージャ、214 プロセッサユニット、216 プログラム命令、218 センサデータ、220 センサシステム、222 センサ、224 予測特性、226 いくつかの部分、227 完成製品、228 特性、230 品質レベル、232 予測品質レベル、233 モデル、234 機械学習モデル、235 物理モデル、236 機械学習モデル、237 ハイブリッドモデル、239 物理モデル、240 訓練データセット、241 作動、242 履歴センサデータ、243 統計モデル、244 履歴特性、245 履歴上流情報、246 上流情報、251 初期予測特性、255 完成製品、291 修正作動、300 マーキング作動、301 修正作動、302 部分、303 調整作動、304 使用不可、305 変更作動、306 使用可、307 パラメータ、308 品質レベル、309 第1の許容誤差、310 複合材料部品種類、311 第1の使用法、312 許容誤差、313 第2の許容誤差、314 マーカ、315 第2の使用法、316 情報、317 後続部分、319 原材料、400 製造プロセスフロー、402 未固化複合材料生産プロセス入力、404 未固化複合材料生産物理プラント、406 データ前処理、408 材料及び設定、410 未固化複合材料生産プロセス出力、412 リアルタイム品質記録、500 複合材料製造システム、501 ペーパロール、502 ニップ、503 ペーパ、504 ローラ、506 ローラ、508 ギャップ、510 樹脂ダム、511 ペーパロール、512 ペーパリワインダー、514 ペーパ、520 センサ、522 センサ、600 複合材料製造システム、602 ロール1、603 ペーパ、604 ロール2、605 ペーパ、606 ニップ1、608 ローラ、610 ローラ、612 ニップ1ギャップ、614 ニップ2、616 ローラ、618 ローラ、620 ニップ2ギャップ、622 ニップ3、624 ローラ、626 ローラ、628 ニップ3ギャップ、630 ニップ4、632 ローラ、634 ローラ、636 ニップ4ギャップ、637 繊維クリール、638 繊維、639 コーム、640 ホットプレート、641 スプレッダーバー、642 ホットプレート、644 コールドプレート、645 ブレーキ、646 ブレーキ、648 プリプレグ、650 プリプレグロール、652 ローラ、654 ペーパロール、656 スリッター、660 センサ箇所、662 センサ箇所、664 センサ箇所、666 センサ箇所、667 センサ箇所、669 センサ箇所、671 センサ箇所、700 部分、702 未固化複合材料、704 第1の点、706 第2の点、707 矢印、708 複合材料製造システム、710 作動、712 プリプレグ、714 特性、715 時間間隔、716 センサ、718 センサ箇所、719 特定の部分、720 作動、722 センサデータ、723 測定値、725 メタデータ、800 点1、802 点2、804 ローラ、806 ローラ、807 プリプレグ、808 センサ、809 矢印、810 センサ、812 センサ箇所、814 上側、816 底側、820 引張り、822 引張り、824 部分、900 センサ、902 第1の側、904 センサ、906 第2の側、2600 データ処理システム、2602 通信フレームワーク、2604 プロセッサユニット、2606 メモリ、2608 永続記憶装置、2610 通信ユニット、2612 入力/出力ユニット、2614 ディスプレイ、2616 記憶デバイス、2618 プログラムコード、2620 コンピュータ可読媒体、2622 コンピュータプログラム製品、2624 コンピュータ可読記憶媒体、2700 保守点検方法、2702 仕様及び設計、2704 材料調達、2706 構成要素及び部分組立品の製造、2708 システム統合、2710 認証及び搬送、2712 就航中、2714 整備及び保守点検、2800 航空機、2802 機体、2804 システム、2806 内部、2808 推進システム、2810 電気システム、2812 油圧システム、2814 環境システム、2900 製品管理システム、2902 製造システム、2904 整備システム、2906 製造機器、2908 製作機器、2910 組立機器、2912 整備機器、2914 制御システム、2916 人間のオペレータ
【外国語明細書】