(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097521
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】中継機、通信システム、通信システムの動作方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0803 20220101AFI20240711BHJP
【FI】
H04L41/0803
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001018
(22)【出願日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】和田 紘己
(57)【要約】
【課題】異なる方式で生成されたトポロジ情報の混在を許容し、相互に活用することに寄与する中継機、通信システム、通信システムの動作方法、及びプログラムの提供。
【解決手段】通信機器の接続及び切断を検出する検出部と、前記検出部の検出に応じて前記通信機器に関する情報である通信機器情報を通信機器毎に取得する通信機器情報取得部と、前記通信機器情報に基づいて生成された情報であって、通信ネットワーク内における通信機器の構成に関する情報である通信機器構成情報を保持する保持部と、前記通信機器構成情報を他の通信機器に送信する送信部と、を有する中継機等を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機器の接続及び切断を検出する検出部と、
前記検出部の検出に応じて前記通信機器に関する情報である通信機器情報を通信機器毎に取得する通信機器情報取得部と、
前記通信機器情報に基づいて生成された情報であって、通信ネットワーク内における通信機器の構成に関する情報である通信機器構成情報を保持する保持部と、
前記通信機器構成情報を他の通信機器に送信する送信部と、
を有する中継機。
【請求項2】
前記通信機器情報取得部は、前記通信機器情報として、前記通信機器が有する識別番号と、前記通信機器が接続している態様である接続態様と、を含む情報を、前記中継機の有する識別番号と関連付けて取得する、
請求項1の中継機。
【請求項3】
前記通信機器情報取得部の取得に応じて、前記保持部に保持されている前記通信機器構成情報を更新する更新部を、
更に有する、
請求項1又は2の中継機。
【請求項4】
前記更新部は、前記検出部における通信機器の接続の検出に応じて前記通信機器情報取得部が取得した通信機器情報に含まれる前記通信機器の識別番号が、前記保持部に保持されている通信機器構成情報に存在するか否かを判断し、存在しないとの判断結果の場合には、前記通信機器の識別番号に係る通信機器情報を前記通信機器構成情報に追加し、前記検出部における通信機器の切断の検出に応じて前記通信機器情報取得部が取得した通信機器情報に含まれる通信機器の識別番号が前記保持部に保持されている通信機器構成情報に存在するか否かを判断し、存在するとの判断結果の場合には、前記通信機器の識別番号にかかる通信機器情報を前記通信機器構成情報より削除する、請求項3の中継機。
【請求項5】
通信機器と、
前記通信機器の接続及び切断を検出する検出部と、
前記検出部の検出に応じて前記通信機器に関する情報である通信機器情報を通信機器毎に取得する通信機器情報取得部と、
前記通信機器情報に基づいて生成された情報であって、通信ネットワーク内における通信機器の構成に関する情報である通信機器構成情報を保持する保持部と、
前記通信機器構成情報を他の通信機器に送信する送信部と、
を有する中継機と、
前記中継機の前記送信部から送信された前記通信機器構成情報を受信する受信部と、
通信機器構成情報を蓄積する蓄積部と、
を有する親機と、
を含み、
前記蓄積部は、前記受信部による前記通信機器構成情報の受信に応じて、前記蓄積部に蓄積されている通信機器構成情報を更新する、
通信システム。
【請求項6】
前記蓄積部は、前記受信部により受信された前記通信機器構成情報に含まれる通信機器情報が、前記蓄積部に蓄積された通信機器構成情報に存在するか否かを判断し、存在する場合には前記蓄積部に蓄積された通信機器構成情報に含まれる識別番号に係る通信機器情報を削除し、かつ、存在するか否かに関わらず前記受信された通信機器構成情報に含まれる通信機器情報の全てを前記蓄積部に蓄積された通信機器構成情報に追加する親機を含む、
請求項5の通信システム。
【請求項7】
前記蓄積されている通信機器構成情報とは別の、前記通信ネットワーク内における通信機器の構成に関する情報である別の通信機器構成情報に対して、前記蓄積されている通信機器構成情報に基づいて、通信機器情報の追加、又は更新、又は削除を行う同期部を更に有する親機を含む、
請求項5又は6の通信システム。
【請求項8】
前記別の通信機器構成情報に基づいて、前記別の通信機器構成情報に含まれる前記通信ネットワーク内における通信機器の構成を視覚化し、描画する描画部と、
前記描画部による描画の要求を受け付ける描画要求受付部と、
前記描画部は、前記描画要求受付部が受け付けた描画の要求に応じて、描画を行う親機を含む、
請求項7の通信システム。
【請求項9】
第1のコンピュータが通信機器の接続及び切断を検出するステップと、
前記第1のコンピュータが前記検出に応じて前記通信機器に関する情報である通信機器情報を通信機器毎に取得するステップと、
前記通信機器情報に基づいて生成された情報であって、通信ネットワーク内における通信機器の構成に関する情報である通信機器構成情報を前記第1のコンピュータが取得するステップと、
前記第1のコンピュータが、前記通信機器構成情報を第2のコンピュータに送信するステップと、
前記第2のコンピュータが第1のコンピュータから送信された前記通信機器構成情報を受信するステップと、
前記第2のコンピュータが通信機器構成情報を蓄積するステップと、
前記第2のコンピュータが、前記通信機器構成情報の受信に応じて、蓄積されている通信機器構成情報を更新するステップと、
を含む通信システムの動作方法。
【請求項10】
通信機器の接続及び切断を検出する処理と、
前記検出に応じて前記通信機器に関する情報である通信機器情報を通信機器毎に取得する処理と、
前記通信機器情報に基づいて生成された情報であって、通信ネットワーク内における通信機器の構成に関する情報である通信機器構成情報を取得する処理と、
前記通信機器構成情報を他の通信機器へ送信する処理と、
を実行する第1の処理モジュールと、
第1の処理モジュールにより送信された前記通信機器構成情報を受信する処理と、
通信機器構成情報を蓄積する処理と、
前記通信機器構成情報の受信に応じて、蓄積されている通信機器構成情報を更新する処理と、
を実行する第2の処理モジュールと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本機及びシステムは、信頼性を有する通信ネットワーク構成情報の把握及び可視化に関する。
【背景技術】
【0002】
無線LAN(Local Area Network)の普及により、端末やアクセスポイントなどのネットワークを構成する要素が増加し、通信ネットワークにおけるこれらの要素の構成や関係であるトポロジ構成情報を把握し可視化するといった需要が高まっている。また、近年では新たなメッシュ技術を導入する無線LANのアクセスポイント機器が増加していることから、このような需要の高まりに拍車がかかっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
なお、上記先行技術文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の
分析は、本発明者らによってなされたものである。
【0005】
一方で、通信ネットワークのトポロジ情報を可視化したトポロジ図を表示する機能は、ソフトウエア開発キット(SDK:Software Development Kit)を提供するベンダごとにアルゴリズムが異なっており、そのアルゴリズムはブラックボックスであることが多い。そのため、異なるベンダのアクセスポイント機器の組み合わせにおいては、トポロジ図の情報が一部誤っていることや、ネットワーク上のすべての機器の情報が取得できないことがあるなど、トポロジ図として不完全な情報となる場合がある。
【0006】
特許文献1には、上記のような不完全な情報の場合(通信装置の接続関係が分かっていない場合やマルチベンダ環境の場合)でもネットワーク構成を可視化することが可能な仕組みが開示されている。しかしながら、特許文献1の技術でもトポロジの決定手法は独自のアルゴリズムで構成されており、当該手法が標準化に採用される事等により広く用いられることとならない限りは、異なるベンダの異なる方式で生成されたトポロジ情報が混在するといった状況は変わらない。
【0007】
そこで、本発明の一視点において、異なる方式で生成されたトポロジ情報の混在を許容し、相互に活用することに寄与する中継機、通信システム、通信システムの動作方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の視点によれば、通信機器の接続及び切断を検出する検出部と、前記検出部の検出に応じて前記通信機器に関する情報である通信機器情報を通信機器毎に取得する通信機器情報取得部と、前記通信機器情報に基づいて生成された情報であって、通信ネットワーク内における通信機器の構成に関する情報である通信機器構成情報を保持する保持部と、前記通信機器構成情報を他の通信機器に送信する送信部と、を有する中継機が提供される。
【0009】
本発明の第二の視点によれば、通信機器と、前記通信機器の接続及び切断を検出する検出部と、前記検出部の検出に応じて前記通信機器に関する情報である通信機器情報を通信機器毎に取得する通信機器情報取得部と、前記通信機器情報に基づいて生成された情報であって、通信ネットワーク内における通信機器の構成に関する情報である通信機器構成情報を保持する保持部と、前記通信機器構成情報を他の通信機器に送信する送信部と、を有する中継機と、前記中継機の前記送信部から送信された前記通信機器構成情報を受信する受信部と、通信機器構成情報を蓄積する蓄積部と、を有する親機と、を含み、前記蓄積部は、前記受信部による前記通信機器構成情報の受信に応じて、前記蓄積部に蓄積されている通信機器構成情報を更新する、通信システムが提供される。
【0010】
本発明の第三の視点によれば、第1のコンピュータが通信機器の接続及び切断を検出するステップと、前記第1のコンピュータが前記検出に応じて前記通信機器に関する情報である通信機器情報を通信機器毎に取得するステップと、前記通信機器情報に基づいて生成された情報であって、通信ネットワーク内における通信機器の構成に関する情報である通信機器構成情報を前記第1のコンピュータが取得するステップと、前記第1のコンピュータが、前記通信機器構成情報を第2のコンピュータに送信するステップと、前記第2のコンピュータが第1のコンピュータから送信された前記通信機器構成情報を受信するステップと、前記第2のコンピュータが通信機器構成情報を蓄積するステップと、前記第2のコンピュータが、前記通信機器構成情報の受信に応じて、蓄積されている通信機器構成情報を更新するステップと、を含む通信システムの動作方法が提供される。
【0011】
本発明の第四の視点によれば、通信機器の接続及び切断を検出する処理と、前記検出に応じて前記通信機器に関する情報である通信機器情報を通信機器毎に取得する処理と、前記通信機器情報に基づいて生成された情報であって、通信ネットワーク内における通信機器の構成に関する情報である通信機器構成情報を取得する処理と、前記通信機器構成情報を他の通信機器へ送信する処理と、を実行する第1の処理モジュールと、第1の処理モジュールにより送信された前記通信機器構成情報を受信する処理と、通信機器構成情報を蓄積する処理と、前記通信機器構成情報の受信に応じて、蓄積されている通信機器構成情報を更新する処理と、を実行する第2の処理モジュールと、をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0012】
なお、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の各視点によれば、異なる方式で生成されたトポロジ情報の混在を許容し、相互に活用することに寄与する中継機、通信システム、通信システムの動作方法、及びプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】一実施形態の中継機の構成を説明するための図である。
【
図2】第1の実施形態の中継機が含まれるネットワーク構成情報の概略を示す図である。
【
図3】第1の実施形態の中継機が保持する通信機器構成情報の一例を示す図である。
【
図4】第1の実施形態の中継機の構成の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態の中継機の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】第1の実施形態の中継機における通信機器構成情報の更新処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】第1の実施形態の中継機のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図8】第2の実施形態の通信システムの概略を示す図である。
【
図9】(a)は、
図8の通信機器の構成を、通信機器構成情報として示したものである。(b)は、親機上で生成された別の通信機器構成情報の一例である。
【
図10】第2の実施形態の通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】第2の実施形態の通信システムの動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】実施例における通信システムの概略を示す図である。
【
図13】実施例における通信システムの無線LANアクセスポイント親機の構成の一例を示すブロック図である。
【
図14】実施例における通信システムの無線LANアクセスポイント中継機の構成の一例を示すブロック図である。
【
図15】実施例における通信システムの無線LANアクセスポイント親機の構成の一例を更に詳細に示すブロック図である。
【
図16】実施例における通信システムの無線LANアクセスポイント中継機の構成の一例を更に詳細に示すブロック図である。
【
図17】実施例の中継機における動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図18】実施例の親機における動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図19(a)】実施例の親機における動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図19(b)】実施例の親機における動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図20】実施例の通信システムにおける動作を説明するためのシーケンス図である。
【
図21(a)】実施例の親機における動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図21(b)】実施例の親機における動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
初めに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。
【0016】
図1に一実施形態の中継機の構成の一例を示したブロック図を示す。一実施形態の中継機01は、検出部02と、通信機器情報取得部03と、保持部04と、送信部05と、を有する。
【0017】
検出部02は、通信機器の接続及び切断を検出する。通信機器情報取得部03は、検出部02の検出に応じて前記通信機器に関する情報である通信機器情報を通信機器毎に取得する。保持部04は通信機器情報に基づいて生成された情報であって、通信ネットワーク内における通信機器の構成に関する情報である通信機器構成情報を保持する。送信部05は通信機器構成情報を他の通信機器に送信する。
【0018】
上記一実施形態の中継機01は、通信機器の接続及び切断を検出し、当該検出された通信機器の通信機器情報を取得する。取得された通信機器情報は保持部04が保持する通信機器構成情報内の通信機器情報と照合される。照合の結果に応じて保持部04のデータが更新され、中継機01配下の通信機器の構成情報が参照可能となる。
【0019】
参照可能となった通信機器構成情報は送信部05によって親機あるいは直接又は間接的に親機に接続されている他の中継機に向け送信される。
【0020】
このように、一実施形態の中継機では、最新の通信機器構成情報を取得し、上位の親機又は中継機に送信することで中継機が属する通信ネットワーク全体の通信機器構成情報が集約され、更新されることにより最新の状態を保つことができ、高信頼の通信機器構成情報を得ることが可能である。
【0021】
以下に具体的な実施の形態について、図面を参照して更に詳しく説明する。なお、各実施形態において同一構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0022】
[第1の実施形態]
[装置の概略]
図2は本実施形態の中継機が含まれるネットワーク構成情報の概略を示す図である。本実施形態の中継機に当たるアクセスポイントAP01が端末であるスマートフォンDEV001と、ノートパソコンDEV002と、が接続されている。アクセスポイントAP01は更に上位の中継機又は親機などの通信機器に通信ネットワークを介して接続されている。
【0023】
またアクセスポイントAP01は更に下位レベルの中継機であるアクセスポイントAP001とも接続されている。アクセスポイントAP001は端末であるパソコンDEV0001と接続されている。
【0024】
図3は本実施形態の中継機01(アクセスポイントAP01)が保持する通信機器構成情報の一例を示す図である。
図2のネットワーク構成情報を通信機器構成情報として示している。この通信機器構成情報は、各行に記載の通信機器情報から構成されている。通信機器情報は、自MACアドレスと子MACとを記載し、更に接続態様が付加されている。この「接続態様」は無線あるいは有線の別、無線であれば周波数帯を特定する情報からなる。
【0025】
通信機器構成情報は中継機01が通信機器の接続あるいは接続断を検出すると、この通信機器構成情報に通信機器情報が追加又は削除される。そして追加又は削除に応じて、通信機器構成情報は上位の中継機あるいは親機に対して送信される。
【0026】
[装置の構成]
図4は本実施形態の中継機01の構成の一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の中継機01は、検出部02と、通信機器情報取得部03と、保持部04と、送信部05と、更新部06と、を有する。
【0027】
検出部02は通信機器の接続及び切断を検出する。「通信機器」はネットワークインターフェースを有していて、MACアドレス(Media Access Control address)により識別可能な機器を指し、例えばPC(Personal Computer)やスマートフォン等が含まれる。また、中継機01に接続されている下位レベルの中継機(アクセスポイント等)も通信機器に含まれる。接続及び切断の検出は、例えばDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)のDiscoveryやRequest、及びReleaseなどのパケットを検出することにより行われても良い。
【0028】
通信機器情報取得部03は、検出部02の検出に応じて前記通信機器に関する情報である通信機器情報を通信機器毎に取得する。「通信機器情報」とは、基本的には
図3に示す通信機器構成情報の各行で示される情報を指す。すなわち、スマートフォンDEV001の通信機器情報は、少なくとも「子MACアドレス」としてスマートフォンDEV001のMACアドレスと、「接続態様」として、無線(2.4GHz)とを含む。更に、スマートフォンDEV001が接続しているアクセスポイントAP01(中継機01)の識別番号としてMACアドレスが上記に関連付けられ「自MACアドレス」とする。取得は、対応する検出部02が通信機器の接続及び切断を検出した時に、その接続又は切断に係る通信機器の上記で示された「子MACアドレス」と、「接続態様」と、「自MACアドレス」を取得する。取得された通信機器情報は更新部06に対して送られる。
【0029】
保持部04は、通信機器情報に基づいて生成された情報であって、通信ネットワーク内における通信機器の構成に関する情報である通信機器構成情報を保持する。
図3に示す通り、通信機器情報取得部03により取得された通信機器情報を集約し、通信機器構成情報として中継機01内の記憶域に格納する。
【0030】
更新部06は、通信機器情報取得部03の取得に応じて、保持部04に保持されている前記通信機器構成情報を更新する。具体的には、検出部02において通信機器の接続が検出された場合において、検出に応じて通信機器情報取得部03が取得した通信機器情報に含まれる通信機器の識別番号が、保持部04に保持されている通信機器構成情報に存在するか否かを判断し、存在しないとの判断結果の場合に、取得された通信機器の識別番号に係る通信機器情報を前記通信機器構成情報に追加する。
【0031】
検出部02において通信機器の切断が検出された場合において、検出に応じて通信機器情報取得部03が取得した通信機器情報に含まれる通信機器の識別番号が保持部04に保持されている通信機器構成情報に存在するか否かを判断し、存在するとの判断結果の場合に、取得された通信機器の識別番号にかかる通信機器情報を前記通信機器構成情報より削除する。
【0032】
送信部05は、通信機器構成情報を他の通信機器に送信する。保持部04に保持されている通信機器構成情報を、通信ネットワークを介して他の中継機(アクセスポイント)に有線又は無線により送信する。他の中継機にはいわゆる無線親機も含まれる。送信のタイミングは少なくとも更新部06による通信機器構成情報の更新に応じて行われても良い。
【0033】
[処理の流れ]
図5は本実施形態の中継機の処理の流れの一例を示すフローチャートである。中継機は、まず通信機器の接続及び切断を検出したか否かを検出する(ステップS01)。検出しない場合(ステップS01、N)には引き続き検出を待つ。接続・切断のいずれかを検出した場合(ステップS01、Y)には検出に応じて前記通信機器に関する情報である通信機器情報を通信機器毎に取得する(ステップS02)。取得に応じて、記憶域に保持されている通信機器構成情報を更新する(ステップS03)。更新が完了すると通信機器構成情報を他の通信機器に送信して(ステップS04)終了する。
【0034】
図6は本実施形態の中継機における通信機器構成情報の更新処理の流れを示すフローチャートである。
図5におけるステップS03を更に詳細に説明するためのフローチャートである。まず検出されたのが通信機器の接続であるか、切断であるかの場合分けを行う。すなわち、通信機器の接続を検出している場合か否かを判断する(ステップS001)。接続を検出した場合には(ステップS001、Y)、取得した通信機器情報に含まれる識別番号が通信機器構成情報に存在するか否かを判断する(ステップS002)。判断の結果、存在する場合(ステップS002、Y)には何もせずに最初に戻る。存在しない場合(ステップS002、N)には取得した通信機器情報を記憶域に保持されている通信機器構成情報に追加する(ステップS003)。
【0035】
一方、検出されたのが通信機器の接続でない場合(ステップS001、N)には、通信機器の切断が検出されているか否かを判断する(ステップS004)。切断が検出されていない場合(ステップS004、N)には何もせずに最初に戻る。検出されている場合(ステップS004、Y)には更に取得した通信機器情報に含まれる識別番号が通信機器構成情報に存在するか否かを判断する(ステップS005)。判断の結果、存在しない場合(ステップS005、N)には何もせずに最初に戻る。一方、存在する場合(ステップS005、Y)には当該識別番号にかかる通信機器情報を通信機器構成情報から削除する(ステップS006)。
【0036】
[ハードウエア構成]
次に、第1の実施形態に係る中継機を構成する各種装置のハードウエア構成を説明する。
図7は、第1の実施形態に係る中継機01のハードウエア構成の一例を示す図である。
【0037】
中継機01は、情報処理装置(コンピュータ)により構成可能であり、
図7に例示する構成を備える。例えば、中継機01は、内部バス005により相互に接続される、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ002、入出力インタフェース003及び通信手段である無線通信モジュール004等を備える。なお、通信機器との接続は、無線通信によるものに限定されないので、無線通信モジュール004に加えてNIC(Network Interface Card)を備えていても良い。
【0038】
但し、
図7に示す構成は、中継機01のハードウエア構成を限定する趣旨ではない。中継機01は、図示しないハードウエアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インタフェース003を備えていなくともよい。また、中継機01に含まれるCPU等の数も
図7の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のCPUが中継機01に含まれていてもよい。
【0039】
メモリ002は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
【0040】
入出力インタフェース003は、図示しない表示装置や入力装置のインタフェースとなる手段である。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザ操作を受け付ける装置である。
【0041】
中継機01の機能は、処理モジュールである検出プログラムと、通信機器情報取得プログラムと、送信プログラム、更新プログラム等と、メモリ002に保持されている通信機器構成情報データにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ002に格納されたプログラムをCPU001が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。更に、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能を何らかのハードウエア、及び/又は、ソフトウエアで実行する手段があればよい。
【0042】
[ハードウエアの動作]
中継機01は処理を開始すると、検出プログラムがメモリ002から呼び出されCPU001にて実行状態となる。同プログラムは通信機器の接続及び切断を待つ状態で待機している。
【0043】
通信機器の接続及び切断が起こると、検出プログラムが通信機器による接続及び切断リクエストを、無線通信モジュール004を介して受信する。リクエスト内には識別番号としてMACアドレスやこれに関連付けられた情報が含まれており、この情報により、接続及び切断される通信機器を特定する。
【0044】
次に通信機器情報取得プログラムがメモリ002から呼び出され、CPU001にて実行状態となる。同プログラムは、通信機器の接続を検出した場合には、当該通信機器より無線通信モジュール004を介して通信機器情報を取得する。また、切断を検出した場合には検出プログラムで特定した識別番号をキーに通信機器構成情報内を検索し、該当の通信機器情報を取得する。
【0045】
次に更新プログラムがメモリ002から呼び出され、CPU001にて実行状態となる。同プログラムは
図5及び
図6に記載の処理をCPU001において実行し、メモリ002に保持されている通信機器構成情報データの更新を行う。
【0046】
次に送信プログラムがメモリ002から呼び出され、CPU001にて実行状態となる。同プログラムは無線通信モジュール004を介して通信機器構成情報データの全部又は一部を他の通信機器に対して送信する。
【0047】
[効果の説明]
本実施形態の中継機01は、通信機器の接続及び切断を検出し、これら通信機器の通信機器情報を取得することでネットワークトポロジを記述している通信機器構成情報を更新することが可能である。これにより、中継機01に接続されている範囲でネットワークトポロジが特定可能である。中継機01は他の通信機器に対して当該情報を送信可能であり、送信した通信機器構成情報を集約することにより中継機01が属する通信ネットワーク内のトポロジ情報の特定をすることが可能である。
【0048】
[第2の実施形態]
本実施形態では中継機に加え、端末及び親機を加えた通信システムの構成及び動作について述べる。
【0049】
[システムの概略]
図8は、本実施形態の通信システムの概略を示す図である。「DEV…」で示す端末と、「AP…」で示す中継機と、「AP1」で示す親機から構成されている。
図9(a)は、
図8の通信機器の構成を、通信機器構成情報として示したものである。すなわち、親機AP1上で生成された通信機器構成情報である。
【0050】
図9(b)は、親機AP1上で生成された別の通信機器構成情報の一例である。別の通信機器構成情報は、
図9(a)に係る通信機器構成情報とは別の手法により生成されたものである。このため、例えば端末DEV001については検出に失敗している。また、端末DEV0001については接続態様が
図9(a)とは異なっていて、誤りである可能性がある。
【0051】
本実施形態の通信システムでは、上記実施形態で述べた生成手法により得られた通信機器構成情報を親機AP1で集約することにより、各通信機器の属するネットワーク全体のトポロジを示す通信機器構成情報を生成することにより、
図9(b)に示すような別の手法により生成された通信機器構成情報と同期することで、別の手法により生成された通信機器構成情報を補完することが可能である。
【0052】
[システムの構成]
図10は本実施形態の通信システムの構成の一例を示すブロック図である。この図にあるように本実施形態の通信システムは、中継機01と、端末11a-端末11cと、親機21と、を含む。中継機01は、検出部02と、通信機器情報取得部03と保持部04と、送信部05と、更新部06と、を有する。親機21は、受信部22と、蓄積部23と、同期部24と、描画部25と、描画要求受付部26と、を有する。端末11aは有線接続にて中継機01に接続している。端末11b及び端末11cは無線接続にて中継機01に接続している。なおこれらの接続態様は一例であり端末の数は3台に限られない。
【0053】
端末11aないし端末11cはPC、スマートフォン等の通信インタフェースを有しており中継機01を始めとするネットワーク内の通信機器と通信が可能である。
【0054】
中継機01の構成要件である検出部02と、通信機器情報取得部03と保持部04と、送信部05と、更新部06と、は上記実施形態にて説明済みであるので記載は省略する。
【0055】
親機21は中継機01と無線又は有線にて接続されている。親機21はネットワーク内に少なくとも1台存在し、ルーター等の他の通信機器と接続されている。
【0056】
受信部22は、中継機01の送信部05から送信された通信機器構成情報を受信する。上述の通り、中継機01の更新部06により通信機器構成情報が更新されたタイミングにて通信機器構成情報が送信され、親機21では受信部22にて受信し、蓄積部23に送られる。
【0057】
蓄積部23は、通信機器構成情報を蓄積する。受信部22にて受信した通信機器構成情報を受け取り、親機21の記憶域に格納する。また、蓄積部23は、受信部22による通信機器構成情報の受信に応じて、蓄積部23に蓄積されている通信機器構成情報を更新する。更新の手続きは、受信部22により受信された通信機器構成情報に含まれる通信機器情報が、蓄積部23に蓄積された通信機器構成情報に存在するか否かを判断し、存在する場合には蓄積部23に蓄積された通信機器構成情報に含まれる識別番号に係る通信機器情報を削除し、かつ、存在するか否かに関わらず前記受信された通信機器構成情報に含まれる通信機器情報の全てを蓄積部23に蓄積された通信機器構成情報に追加する処理を実行する。
【0058】
上記のような更新の方式を採用することにより、漏れのない通信機器構成情報の更新を行うことが可能である。また、通信機器構成情報中に重複した通信機器情報が存在する場合には更新のタイミングで重複を除去することが可能である。
【0059】
同期部24は、蓄積されている通信機器構成情報とは別の、同じ通信ネットワーク内における通信機器の構成に関する情報である別の通信機器構成情報に対して、蓄積されている通信機器構成情報に基づいて、通信機器情報の追加、又は更新、又は削除を行う。別の通信機器構成情報とは、例えば親機において、ベンダ依存の方式によりトポロジ情報を生成したものなどが挙げられる。
【0060】
同期の方法は、例えば蓄積部23により、通信機器構成情報が更新されたのに応じて、同期を行う。具体的には、まず更新された通信機器構成情報からみて、別の通信機器構成情報中に同期対象のレコードである通信機器情報が存在するか否かを判断する。判断の方法は更新された通信機器構成情報の要素である各通信機器情報の自MACアドレスが、別の通信機器構成情報内に存在するか否かを判断し、存在しなければ当該通信機器情報を別の通信機器構成情報に追加する。次に自MACアドレスが存在する場合において更に子MACアドレスが一致するか否かを判断する。一致しない場合には当該通信機器情報を別の通信機器構成情報に追加する。次に、自MACアドレスと子MACアドレスまで一致している場合において接続態様のみ異なる場合(例えば、
図9(a)、(b)においてDEV0001の場合)には、当該通信機器情報(又は接続態様)を、別の通信機器構成情報に上書きする。
【0061】
次に別の通信機器構成情報からみて、更新された通信機器構成情報中に同期対象のレコードである通信機器情報が存在するか否かを判断する。判断の方法は別の通信機器構成情報の要素である各通信機器情報の自MACアドレスが、更新された通信機器構成情報内に存在するか否かを判断し、存在しなければ当該通信機器情報を別の通信機器構成情報より削除する。次に自MACアドレスが存在する場合において更に子MACアドレスが一致するか否かを判断する。一致しない場合には当該通信機器情報を別の通信機器構成情報より削除する(例えば、
図9(b)においてDEV0004の場合)。
【0062】
描画部25は、別の通信機器構成情報に基づいて、別の通信機器構成情報に含まれる通信ネットワーク内における通信機器の構成を視覚化し、描画する。描画部25は、描画部25による描画の要求を受け付ける描画要求受付部26が受け付けた描画の要求に応じて、描画を行う。例えば、親機21があるベンダの製品であって、ネットワークトポロジを視覚化する機能を有していた場合において、その機能を有している部分が描画部25に該当する。描画要求受付部26は、端末等よりネットワークを介して、あるいは親機21の入出力インタフェースを介して描画要求を受け付ける。その描画要求に応じて、描画部25が別の通信機器構成情報に基づいてネットワークトポロジ図を生成する。ネットワークトポロジの例としては、
図8のように端末や、中継機であるアクセスポイント、及び親機のネットワーク上での配置と相互関係を視覚化して表示するものである。その他、IPアドレス等の付帯情報を併せて表示されているものであっても良い。
【0063】
例えば、親機21が有している描画機能がベンダ依存であって代替することが困難な場合に、少なくとも別の通信機器構成情報のデータ構造を把握し、上記実施形態で生成した通信機器構成情報に基づいて別の通信機器構成情報を更新し、親機21の描画部25によりネットワークトポロジ図を生成することが本実施形態の通信システムでは可能となる。
【0064】
[システムの動作]
図11は本実施形態の通信システムの動作の流れの一例を示すフローチャートである。中継機側の処理(ステップS01-ステップS04)は上記実施形態で既に説明済みであるので記載は省略する。ここでは中継機が通信機器構成情報を親機21に向け送信したステップ(ステップS04)の後(点線部)の親機21の処理について説明する。親機21は通信機器構成情報を受信する(ステップS05)と、通信機器構成情報の更新を行う(ステップS06)。更新が完了すると別の通信機器構成情報と同期を実行する(ステップS07)。その後端末等からの描画の要求を受け付けて描画を実行する(ステップS08)。
【0065】
[ハードウエア構成]
次に、第2の実施形態に係る通信システムを構成する各種装置のハードウエア構成を説明する。中継機01については上記実施形態で説明済みであるので記載は省略する。ここでは、通信システムの要素である親機21のハードウエアの構成及び動作について説明する。
【0066】
親機21は、中継機01と同様に、情報処理装置(コンピュータ)により構成可能であり、
図7に例示する構成と同様な構成を備える。このほか、親機に関するハードウエア構成等に関連する事項については上記実施形態に記載された事項を同様に取り扱うものとする。
【0067】
中継機01の機能は、処理モジュールである受信プログラムと、蓄積プログラムと、同期プログラムと、描画プログラムと、描画要求受付部等と、メモリ002に保持されている通信機器構成情報データ、及び別の通信機器構成情報データにより実現される。
【0068】
[ハードウエアの動作]
親機21は処理を開始すると、受信プログラムがメモリ002から呼び出されCPU001にて実行状態となっており、中継機01から送信される通信機器構成情報を待機している。無線通信モジュール004やNIC(図示せず)を介して通信機器構成情報を受信すると蓄積プログラムがメモリ002から呼び出されてCPU001にて実行状態となる。同プログラムはメモリ002上にて蓄積されている既存の通信機器構成情報を、受信した通信機器構成情報を用いて更新する。
【0069】
次に同期プログラムが更新に応じてメモリ002から呼び出されCPU001にて実行される。同プログラムは更新された通信機器構成情報とメモリ002に格納されている別の通信機器構成情報を比較して、同期処理を行う。CPU001上で行われる処理については既に記載の通りである。
【0070】
同期処理が完了の後、メモリ002から呼び出されCPU001にて実行状態となっていた描画要求受付プログラムにより、端末等から描画要求が受け付けられる。描画要求が受け付けられると、同プログラムは描画プログラムの起動をトリガとしてメモリ002に格納されている描画プログラムをCPU001に呼び出す。同プログラムはメモリ002に格納されている別の通信機器構成情報を読み込み、これを用いてネットワークトポロジ図のイメージを生成する。
【0071】
生成されたイメージデータは親機21の入出力インタフェースである液晶ディスプレイで表示されたり、NICや無線通信モジュール004を介して端末等に送信され、端末等で表示されたりする。
【0072】
[効果の説明]
本実施形態の通信システムにより、中継機01より更新された通信機器構成情報を受信し、親機における通信機器構成情報と比較し、当該情報を更新する処理を実行する事が可能である。更新された通信機器構成情報は、別の通信機器構成情報と同期することで更新が反映され、描画プログラムにおいて最新のネットワークトポロジ図を生成することが可能である。描画プログラムが既存のものでありベンダ依存のものであった場合でも、当該プログラムを活用することが可能である。このように本実施形態の通信システムは、異なる方式で生成されたトポロジ情報である通信機器構成情報の混在を許容し、相互に活用することに寄与するものである。
【0073】
[実施例]
以下は本発明を実施した場合の通信システムの構成及び動作について図面を参照しながら実施例として述べる。
【0074】
[実施例の構成]
図12を参照すると、本発明の実施例の構成は、インターネット140上に接続する無線LANアクセスポイント親機100(以下、親機100)と、無線LANアクセスポイント中継機110(以下、中継機110)と、親機100と中継機110に無線で接続可能な、無線端末120(120a、120b・・・)から構成されている。
【0075】
図13を参照すると、親機100は、制御ユニット101、記憶ユニット102、ネットワーク通信ユニット103と入出力ユニット104を含む。
【0076】
図14を参照すると、中継機110は、制御ユニット111、記憶ユニット112、ネットワーク通信ユニット113と入出力ユニット114を含む。
【0077】
図15、
図16を参照すると、制御ユニット101、111は、無線通信の接続及び切断を検知し、無線接続などの通信管理を行う無線制御部101a、111a、トポロジ図の描画などを制御管理する表示処理部101bで構成される。
【0078】
図15を参照すると、記憶ユニット102は、自MACアドレス201と、子MACアドレス202と、有線又は無線(無線であるならば周波数帯を示す)の帰属タイプ203の情報をもつテーブルである親機構成情報200を含む構成である。
【0079】
図16を参照すると、記憶ユニット112は、自MACアドレス301と、子MACアドレス302と有線又は無線(無線であるならば周波数帯を示す)の帰属タイプ303の情報をもつテーブルである子機構成情報300を含む構成である。
【0080】
図13及び
図14を参照すると、ネットワーク通信ユニット103、113は、無線接続された無線LANアクセスポイント親機、中継機間、及び、無線端末120との間で、Data Frameを送受信するユニットである。
【0081】
図13及び
図14を参照すると、入出力ユニット104、114は、例えば、Webサーバーなどであり、トポロジ図の情報をHTTP(Hypertext Transfer Protocol)レスポンスにて出力することが可能なユニットである。
【0082】
[実施例の動作]
次に、
図17、
図18、
図19(a)、(b)、
図20のフローチャート等を参照して、本発明の実施例の動作について詳細を説明する。最初に、中継機110に対して、無線端末120が無線帰属又は無線接続断したものとする。
【0083】
中継機110の無線制御部111aでは、無線端末120との無線接続及び無線接続断を検知した場合には、子機構成情報更新処理を行う。
図17を参照すると、子機構成情報更新処理では、無線接続又は無線接続断を検知した端末のMACアドレスを取得し(S10)、記憶ユニット112に保持された子機構成情報300の子MACアドレス302に、該当するMACアドレスがあるかを判別する(S11)。
【0084】
無線接続の場合、該当するMACアドレスが無い場合は、子機構成情報300の子MACアドレス302に無線帰属を検知した端末のMACアドレスを登録し、帰属タイプ303に帰属の種類(すなわち「有線」か「無線」か、「無線」であるならば、周波数帯は「2.4GHz」か「5GHz」かの情報)を登録する(S12、S13)。自MACアドレス301には中継機110のMACアドレスを登録する。該当するMACアドレスがあった場合は、何もしない。無線接続ではない場合(すなわち無線接続断の場合)、該当するMACアドレスがあった場合は、子機構成情報300の当該データを削除する(S14、S15)。該当するMACアドレスがなかった場合は、何もしない。
【0085】
なお、子機構成情報300には、中継機110自身の情報も含むこととする。すわなち、自MACアドレス301には、中継機110が接続している親機又は中継機のMACアドレスを、子MACアドレス302には、中継機110自身のMACアドレスを、帰属タイプ303には、中継機110が接続している親機又は中継機との帰属の種類を含む、子機構成情報300の当該データを持つこととする。
【0086】
次に、中継機の無線制御部111aでは、親機100との無線帰属を検知した場合には、子機構成情報更新通知処理を行う。子機構成情報更新通知処理では、中継機110の記憶ユニット112に保持されている子機構成情報300を「子機構成情報更新通知」として、親機100に送信する。
【0087】
図18を参照すると、「子機構成情報更新通知」を受信した親機100は、親機構成情報更新処理を行う。すなわち、記憶ユニット102に保持された親機構成情報200に含まれている自MACアドレス201と子機構成情報300の自MACアドレス301とを比較し、親機構成情報200に含まれている子MACアドレス202と子機構成情報300の子MACアドレス302とを比較するマッチングを行う(S21)。マッチングの結果、親機構成情報200に当該のMACアドレスを含むデータがあれば、当該データを削除し(S23)、次のデータについてマッチングを行う。
【0088】
マッチングの結果、親機構成情報200に当該MACアドレスを含むデータがなければ、子機構成情報300の子MACアドレス302を親機構成情報200の子MACアドレス202として、子機構成情報300の帰属タイプ303の情報を親機構成情報200の帰属タイプ203として追加する。また、子機構成情報300の自MACアドレス301を親機構成情報200の自MACアドレス201として、登録する(S24)。
【0089】
親機構成情報更新処理が完了すると、親機100は、「子機構成情報更新応答」を中継機110に対して送信する。「子機構成情報更新応答」には、処理が成功したかどうかを示すフラグを含む。
【0090】
次に、「子機構成情報更新応答」を受信した中継機110では、子機構成情報更新が成功したか、失敗したかの結果を示す情報をユーザへ通知する。通知の方法は限定しないが、例えば、中継機110のWebGUIにアクセスした場合に、情報として表示する方法や、中継機110の入出力ユニット114としてLEDランプを持つ場合は、子機構成情報更新の結果を示すLED状態として通知する方法などが考えられる。
【0091】
次に、無線端末120から親機100へ描画処理要求(HTTP形式)があるものとする。親機100の無線制御部101aでは、無線端末120からの描画処理要求を検知した場合には、まず、データベース比較処理を行う。
【0092】
データベース比較処理では、親機構成情報200とベンダ構成情報とのデータのマッチングを行う。
図19(a)、(b)を参照すると、まず、親機構成情報200の自MACアドレス201をキーとして、ベンダ構成情報に該当の自MACアドレスがあるかを判別する(S30、S31)。もし該当の自MACアドレスがない場合は、「不一致(帰属待ち)」として、本処理を終了する。
【0093】
もし該当の自MACアドレスがある場合、次に親機構成情報200の子MACアドレス202をキーとして、ベンダ構成情報に該当の子MACアドレスがあるかを判別する(S32、S33)。もし該当の子MACアドレスがない場合は、「不一致(帰属待ち)」として、本処理を終了する。
【0094】
もし該当の子MACアドレスがある場合、次に親機構成情報200の帰属タイプ203をキーとして、ベンダ構成情報に該当の帰属タイプのデータが等しいかを判別する(S34、S35)。もし該当の帰属タイプが等しくない場合は、「不一致(帰属タイプ不一致)」として、本処理を終了する。
【0095】
もし該当の帰属タイプが等しい場合は、次の親機構成情報200の子MACアドレス202のデータをキーとして同様にマッチングをする。データがない(EОFの)場合は、次の親機構成情報200の自MACアドレス201のデータをキーとして同様にマッチングをする。データがない(EОF(End Of File)の)場合は、次の処理に進む。
【0096】
すなわち、ベンダ構成情報の自MACアドレスをキーとして、親機構成情報200に該当の自MACアドレス201があるかを判別する(S36、S37)。もし該当の自MACアドレスがない場合は、「不一致(帰属切れ待ち)」として、本処理を終了する。もし該当の自MACアドレスがある場合、次にベンダ構成情報の子MACアドレスをキーとして、親機構成情報200に該当の子MACアドレス202があるかを判別する(S38、S39)。もし該当の子MACアドレスがない場合は、「不一致(帰属切れ待ち)」として、本処理を終了する。
【0097】
もし該当の子MACアドレスがある場合は、次のベンダ構成情報の子MACアドレスのデータをキーとして同様にマッチングをする。データがない(EОFの)場合は、次のベンダ構成情報の自MACアドレスのデータをキーとして同様にマッチングをする。データがない(EОFの)場合は、「一致」として本処理を終了する。
【0098】
最後に、親機100の入出力ユニット104では、ベンダ構成情報を用いて、描画処理を行い、HTTP形式の応答データとしてトポロジ図のデータを生成する。この際、データベース比較処理の結果から、「不一致(帰属待ち)」「不一致(帰属切れ待ち)」「不一致(帰属タイプ不一致)」のいずれかの場合には、応答データの中に、不一致となったことを示す情報を追加する。例えば、不一致となったこと(すなわち、トポロジ図が正しく表示されていないこと)をテキストメッセージで示す方法などがある。生成したデータは、描画処理応答(HTTP応答)として無線端末120へ送信され、無線端末120のブラウザ等でトポロジ図を表示する。
【0099】
図20は、本実施例の通信システムの一連の動作を説明するためのシーケンス図である。
【0100】
[効果の説明]
第1の効果は、中継機の無線端末の帰属状態を親機に通知することで、親機で一括して帰属状態を構成情報にすることで、ベンダ独自の構成情報と、親機が管理している構成情報を比較できることにある。これにより、ベンダ独自の構成情報が正しい情報なのかを判定することができる。
【0101】
第2の効果は、トポロジ図を表示する際に、上記判定の結果から、ユーザに対してベンダ独自の構成情報が正しい情報なのか、正しくない場合はどのような理由であるのかを通知することができる。これにより、ユーザは、しばらく時間をおくなどして再度トポロジ図を表示することで、正しいトポロジ図を表示することができる。
【0102】
[別の実施例の動作]
次に、
図21(a)、(b)のフローチャートなどを参照して、本発明の別の実施例の動作について説明する。別の実施例のデータベース比較処理では、親機構成情報200とベンダ構成情報とのデータのマッチングを行い、比較の結果からベンダ構成情報のデータを追加、更新、削除するものとする。
【0103】
図21(a)、(b)を参照すると、まず、親機構成情報200の自MACアドレス201をキーとして、ベンダ構成情報に該当の自MACアドレスがあるかを判別する(S50、S51)。もし該当の自MACアドレスがない場合は、「不一致(帰属待ち)」として、該当の親機構成情報200のデータをベンダ構成情報に追加する。もし該当の自MACアドレスがある場合、次に親機構成情報200の子MACアドレス202をキーとして、ベンダ構成情報に該当の子MACアドレスがあるかを判別する(S52、S53)。もし該当の子MACアドレスがない場合は、「不一致(帰属待ち)」として、該当の親機構成情報200のデータをベンダ構成情報に追加する。もし該当の子MACアドレスがある場合、次に親機構成情報200の帰属タイプ203をキーとして、ベンダ構成情報に該当の帰属タイプのデータが等しいかを判別する(S54、S55)。もし該当の帰属タイプが等しくない場合は、「不一致(帰属タイプ不一致)」として、該当の親機構成情報200の帰属タイプ203のデータをベンダ構成情報の該当の帰属タイプのデータとして上書き(更新)する。
【0104】
もし該当の帰属タイプが等しい場合は、次の親機構成情報200の子MACアドレス202のデータをキーとして同様にマッチングをする。データがない(EОFの)場合は、次の親機構成情報200の自MACアドレス201のデータをキーとして同様にマッチングをする。データがない(EОFの)場合は、次の処理に進む。
【0105】
すなわち、ベンダ構成情報の自MACアドレスをキーとして、親機構成情報200に該当の自MACアドレス201があるかを判別する(S56、S57)。もし該当の自MACアドレスがない場合は、「不一致(帰属切れ待ち)」として、該当のデータをベンダ構成情報から削除する。
【0106】
もし該当の自MACアドレスがある場合、次にベンダ構成情報の子MACアドレスをキーとして、親機構成情報200に該当の子MACアドレス202があるかを判別する(S58、S59)。もし該当の子MACアドレスがない場合は、「不一致(帰属切れ待ち)」として、該当のデータをベンダ構成情報から削除する。
【0107】
もし該当の子MACアドレスがある場合は、次のベンダ構成情報の子MACアドレスのデータをキーとして同様にマッチングをする。データがない(EОFの)場合は、次のベンダ構成情報の自MACアドレスのデータをキーとして同様にマッチングをする。データがない(EОFの)場合は、本処理を終了する。
【0108】
最後に、親機100の入出力ユニット104では、ベンダ構成情報を用いて、描画処理を行い、HTTP形式の応答データとしてトポロジ図のデータを生成する。生成したデータは、描画処理応答(HTTP応答)として無線端末120へ送信され、無線端末120のブラウザ等でトポロジ図を表示する。
【0109】
[効果の説明]
本発明の別の実施例では、データベース比較処理にて、親機構成情報200を用いてベンダ構成情報の情報を更新できる構成である。そのため、ベンダ構成情報が正しくない場合でも、誤り訂正を行うことが可能であり、より正確なトポロジ図を表示することができる。
【0110】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得るが、以下には限られな
い。
[付記1]
上述の第一の視点に係る中継機のとおりである。
[付記2]
通信機器情報取得部は、通信機器情報として、通信機器が有する識別番号と、通信機器が接続している態様である接続態様と、を含む情報を、前記中継機の有する識別番号と関連付けて取得する、好ましくは付記1の中継機。
[付記3]
通信機器情報取得部の取得に応じて、保持部に保持されている通信機器構成情報を更新する更新部を、更に有する、好ましくは付記1又は2の中継機。
[付記4]
更新部は、検出部における通信機器の接続の検出に応じて通信機器情報取得部が取得した通信機器情報に含まれる通信機器の識別番号が、保持部に保持されている通信機器構成情報に存在するか否かを判断し、存在しないとの判断結果の場合には、通信機器の識別番号に係る通信機器情報を通信機器構成情報に追加し、検出部における通信機器の切断の検出に応じて通信機器情報取得部が取得した通信機器情報に含まれる通信機器の識別番号が保持部に保持されている通信機器構成情報に存在するか否かを判断し、存在するとの判断結果の場合には、通信機器の識別番号にかかる通信機器情報を通信機器構成情報より削除する、好ましくは付記3の中継機。
[付記5]
上述の第二の視点に係る通信システムのとおりである。
[付記6]
蓄積部は、受信部により受信された通信機器構成情報に含まれる通信機器情報が、蓄積部に蓄積された通信機器構成情報に存在するか否かを判断し、存在する場合には蓄積部に蓄積された通信機器構成情報に含まれる識別番号に係る通信機器情報を削除し、かつ、存在するか否かに関わらず受信された通信機器構成情報に含まれる通信機器情報の全てを蓄積部に蓄積された通信機器構成情報に追加する親機を含む、好ましくは付記5の通信システム。
[付記7]
蓄積されている通信機器構成情報とは別の、通信ネットワーク内における通信機器の構成に関する情報である別の通信機器構成情報に対して、蓄積されている通信機器構成情報に基づいて、通信機器情報の追加、又は更新、又は削除を行う同期部を更に有する親機を含む、好ましくは付記5又は6の通信システム。
[付記8]
別の通信機器構成情報に基づいて、別の通信機器構成情報に含まれる通信ネットワーク内における通信機器の構成を視覚化し、描画する描画部と、描画部による描画の要求を受け付ける描画要求受付部と、描画部は、描画要求受付部が受け付けた描画の要求に応じて、描画を行う親機を含む、好ましくは付記7の通信システム。
[付記9]
上記第三の視点に係る通信システムの動作方法のとおりである。
[付記10]
上記第四の視点に係るプログラムのとおりである。
なお、付記9及び付記10は、付記5と同様に、付記6~付記8に展開することが可能である。
【0111】
なお、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(特許請求の範囲を含む)の枠内において、更にその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択(部分的削除を含む)が可能である。すなわち、本発明は、特許請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0112】
01:中継機
02:検出部
03:通信機器情報取得部
04:保持部
05:送信部
06:更新部
11a~11c:端末
21:親機
22:受信部
23:蓄積部
24:同期部
25:描画部
26:描画要求受付部
001:CPU
002:メモリ
003:入出力インタフェース
004:無線通信モジュール
005:内部バス
100:親機、無線LANアクセスポイント親機
101:制御ユニット
101a:無線制御部
101b:表示処理部
102:記憶ユニット
103:ネットワーク通信ユニット
104:入出力ユニット
104:通信モジュール
110:中継機、無線LANアクセスポイント中継機
111:制御ユニット
111a:無線制御部
112:記憶ユニット
113:ネットワーク通信ユニット
114:入出力ユニット
120:無線端末
140:インターネット
200:親機構成情報
201:自MACアドレス
202:子MACアドレス
203:帰属タイプ
300:子機構成情報
301:自MACアドレス
302:子MACアドレス
303:帰属タイプ