(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097534
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】信号補正パラメータ設定方法、信号補正パラメータ設定プログラム、および信号補正パラメータ設定装置
(51)【国際特許分類】
G06T 1/00 20060101AFI20240711BHJP
A61B 3/14 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
G06T1/00 510
A61B3/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001041
(22)【出願日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000135184
【氏名又は名称】株式会社ニデック
(74)【代理人】
【識別番号】100166785
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100184550
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 珠美
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 佳紀
【テーマコード(参考)】
4C316
5B057
【Fターム(参考)】
4C316AA09
4C316AB11
4C316AB16
4C316FA14
4C316FA18
4C316FB21
4C316FZ01
5B057AA07
5B057BA02
5B057BA24
5B057CA01
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5B057DA16
5B057DB02
5B057DB06
5B057DB09
(57)【要約】
【課題】画像信号を画像出力用に補正するための補正パラメータを、より適切に設定することが可能な信号補正パラメータ設定方法、信号補正パラメータ設定プログラム、および信号補正パラメータ設定装置を提供する。
【解決手段】候補パラメータ設定ステップでは、仮の補正パラメータである候補パラメータが設定される。評価用画像出力ステップでは、撮影装置によって被写体が撮影されることで生成された原信号が、候補パラメータに従って補正され、補正された出力用信号に基づいて被写体の評価用画像が出力される。評価結果取得ステップでは、出力された評価用画像に対する評価者の評価結果が取得される。補正パラメータ設定ステップでは、取得された評価結果と候補パラメータに基づいて補正パラメータが設定される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置の撮影素子が入射光に応じて画素毎に生成する画像信号である原信号を、出力する画像を構成する各画素の画像信号である出力用信号に補正するための補正パラメータを設定する信号補正パラメータ設定装置において実行される信号補正パラメータ設定方法であって、
仮の前記補正パラメータである候補パラメータを設定する候補パラメータ設定ステップと、
前記撮影装置によって被写体が撮影されることで生成された原信号を、前記候補パラメータに従って補正し、補正された出力用信号に基づいて前記被写体の評価用画像を出力する評価用画像出力ステップと、
出力された前記評価用画像に対する評価者の評価結果を取得する評価結果取得ステップと、
取得された前記評価結果と前記候補パラメータに基づいて、前記補正パラメータを設定する補正パラメータ設定ステップと、
を含むことを特徴とする信号補正パラメータ設定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の信号補正パラメータ設定方法であって、
前記評価結果に基づいて前記候補パラメータを更新する候補パラメータ更新ステップを含み、
前記評価用画像出力ステップ、前記評価結果取得ステップ、および前記候補パラメータ更新ステップを繰り返すことが可能であることを特徴とする信号補正パラメータ設定方法。
【請求項3】
請求項1に記載の信号補正パラメータ設定方法であって、
前記候補パラメータ設定ステップでは、
補正パラメータが設定される前記撮影装置によって基準被写体が撮影された際の原信号と、画像の色調を合わせる比較対象装置によって前記基準被写体が撮影された際の出力用信号を取得すると共に、
前記撮影装置による前記基準被写体の原信号を補正した出力用信号を、前記比較対象装置による前記基準被写体の出力用信号に近づける補正パラメータに基づいて、前記候補パラメータを設定することを特徴とする信号補正パラメータ設定方法。
【請求項4】
請求項3に記載の信号補正パラメータ設定方法であって、
前記候補パラメータ設定ステップでは、
複数の色が配置されたカラーチャートを含む前記基準被写体が、前記撮影装置および前記比較対象装置の各々によって撮影された際の画像信号に基づいて、前記候補パラメータを設定することを特徴とする信号補正パラメータ設定方法。
【請求項5】
請求項1に記載の信号補正パラメータ設定方法であって、
前記評価用画像出力ステップでは、
撮影対象が前記撮影装置によって実際に撮影されることで生成された原信号が、前記候補パラメータに従って補正され、補正された出力用信号に基づいて評価用画像が出力されることを特徴とする信号補正パラメータ設定方法。
【請求項6】
請求項1に記載の信号補正パラメータ設定方法であって、
前記評価用画像出力ステップでは、
補正パラメータが設定される前記撮影装置によって撮影された被写体の前記評価用画像と、画像の色調を合わせる比較対象装置によって同一の前記被写体が撮影された比較対象画像が、比較可能に表示部に表示されることを特徴とする信号補正パラメータ設定方法。
【請求項7】
請求項1に記載の信号補正パラメータ設定方法であって、
前記評価用画像出力ステップでは、
複数の前記候補パラメータを設定し、設定した複数の前記候補パラメータの各々に従って1つの原信号を補正することで、複数の前記評価用画像を表示部に表示させ、
前記評価結果取得ステップでは、
出力された複数の前記評価用画像に対する評価結果を取得することを特徴とする信号補正パラメータ設定方法。
【請求項8】
請求項1に記載の信号補正パラメータ設定方法であって、
前記評価用画像から1つ以上の局所領域を抽出して出力し、出力された前記局所領域に対する評価者の評価結果に基づいて、前記評価用画像に対する評価者の評価結果を取得する局所評価ステップをさらに実行することを特徴とする信号補正パラメータ設定方法。
【請求項9】
請求項1に記載の信号補正パラメータ設定方法であって、
前記評価用画像出力ステップ、前記評価結果取得ステップ、および前記補正パラメータ設定ステップを複数の前記評価者の各々について実行することで、評価者毎に複数の前記補正パラメータを設定すると共に、
評価者毎に取得された複の前記補正パラメータに基づいて、複数の評価者の評価が統合されて反映された補正パラメータを設定する統合反映パラメータ設定ステップをさらに含むことを特徴とする信号補正パラメータ設定方法。
【請求項10】
撮影装置の撮影素子が入射光に応じて画素毎に生成する画像信号である原信号を、出力する画像を構成する各画素の画像信号である出力用信号に補正するための補正パラメータを設定する信号補正パラメータ設定装置において実行される信号補正パラメータ設定プログラムであって、
前記信号補正パラメータ設定プログラムが前記信号補正パラメータ設定装置の制御部によって実行されることで、
仮の前記補正パラメータである候補パラメータを設定する候補パラメータ設定ステップと、
前記撮影装置によって被写体が撮影されることで生成された原信号を、前記候補パラメータに従って補正し、補正された出力用信号に基づいて前記被写体の評価用画像を出力する評価用画像出力ステップと、
出力された前記評価用画像に対する評価者の評価結果を取得する評価結果取得ステップと、
取得された前記評価結果と前記候補パラメータに基づいて、前記補正パラメータを設定する補正パラメータ設定ステップと、
を前記信号補正パラメータ設定装置に実行させることを特徴とする信号補正パラメータ設定プログラム。
【請求項11】
撮影装置の撮影素子が入射光に応じて画素毎に生成する画像信号である原信号を、出力する画像を構成する各画素の画像信号である出力用信号に補正するための補正パラメータを設定する信号補正パラメータ設定装置であって、
仮の前記補正パラメータである候補パラメータを設定する候補パラメータ設定ステップと、
前記撮影装置によって被写体が撮影されることで生成された原信号を、前記候補パラメータに従って補正し、補正された出力用信号に基づいて前記被写体の評価用画像を出力する評価用画像出力ステップと、
出力された前記評価用画像に対する評価者の評価結果を取得する評価結果取得ステップと、
取得された前記評価結果と前記候補パラメータに基づいて、前記補正パラメータを設定する補正パラメータ設定ステップと、
を実行することを特徴とする信号補正パラメータ設定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮影素子が入射光に応じて画素毎に生成する画像信号を、出力する画像を構成する各画素の画像信号に補正するための補正パラメータを設定するための信号補正パラメータ設定方法、信号補正パラメータ設定プログラム、および信号補正パラメータ設定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影装置は、色調が良好な被写体の画像を出力できることが望ましい。例えば、特許文献1に記載の眼底カメラは、異なる表示部でも同じような色調で画像を表示するために、表示部に表示させる画像の色調を補正するための色調補正データを、撮影画像データに付随させて保存および出力する。眼底カメラは撮影装置(生体撮影装置)の一例である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
撮影装置によって被写体を撮影する際に、撮影する被写体が同一であっても、撮影装置に用いられている照明光源および撮影素子等の種々の条件に応じて、撮影素子が画素毎に生成する画像信号(以下、「原信号」という)が変化する。従って、撮影装置の機種等が異なると、被写体が同一であっても、各々の撮影装置によって生成される原信号が変化してしまう。複数の機種の各々が高品質の画像(つまり、色調が良好な画像)を出力するためには、撮影素子が入射光に応じて生成した原信号を、機種に応じた補正パラメータに従って適切な画像信号(以下、「出力用信号」という)に補正し、補正した出力用信号に基づいて画像を出力する必要がある。
【0005】
補正パラメータを計算のみによって設定しても、色調が適切な画像を出力することは困難であり、人の主観を補正パラメータに反映させる必要がある。しかし、新機種の開発時等に補正パラメータを設定する際には、画像の望ましい色調を決める担当者(例えば、撮影装置のメーカーの開発者等)と、補正パラメータの設定に精通した担当者(例えば、撮影素子を提供するメーカーの担当者等)が異なる場合が多い。ここで、色調の捉え方および知識等には個人差が存在するため、色調を決める担当者の要望が、補正パラメータを設定する担当者に円滑に伝わるのは非常に稀である。従って、従来の方法では、担当者間のやり取りが煩雑となり、適切な補正パラメータを円滑に設定することは困難であった。
【0006】
本開示の典型的な目的は、画像信号を画像出力用に補正するための補正パラメータを、より適切に設定することが可能な信号補正パラメータ設定方法、信号補正パラメータ設定プログラム、および信号補正パラメータ設定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示における典型的な実施形態が提供する信号補正パラメータ設定方法は、撮影装置の撮影素子が入射光に応じて画素毎に生成する画像信号である原信号を、出力する画像を構成する各画素の画像信号である出力用信号に補正するための補正パラメータを設定する信号補正パラメータ設定装置において実行される信号補正パラメータ設定方法であって、仮の前記補正パラメータである候補パラメータを設定する候補パラメータ設定ステップと、前記撮影装置によって被写体が撮影されることで生成された原信号を、前記候補パラメータに従って補正し、補正された出力用信号に基づいて前記被写体の評価用画像を出力する評価用画像出力ステップと、出力された前記評価用画像に対する評価者の評価結果を取得する評価結果取得ステップと、取得された前記評価結果と前記候補パラメータに基づいて、前記補正パラメータを設定する補正パラメータ設定ステップと、を含む。
【0008】
本開示における典型的な実施形態が提供する信号補正パラメータ設定プログラムは、撮影装置の撮影素子が入射光に応じて画素毎に生成する画像信号である原信号を、出力する画像を構成する各画素の画像信号である出力用信号に補正するための補正パラメータを設定する信号補正パラメータ設定装置において実行される信号補正パラメータ設定プログラムであって、前記信号補正パラメータ設定プログラムが前記信号補正パラメータ設定装置の制御部によって実行されることで、仮の前記補正パラメータである候補パラメータを設定する候補パラメータ設定ステップと、前記撮影装置によって被写体が撮影されることで生成された原信号を、前記候補パラメータに従って補正し、補正された出力用信号に基づいて前記被写体の評価用画像を出力する評価用画像出力ステップと、出力された前記評価用画像に対する評価者の評価結果を取得する評価結果取得ステップと、取得された前記評価結果と前記候補パラメータに基づいて、前記補正パラメータを設定する補正パラメータ設定ステップと、を前記信号補正パラメータ設定装置に実行させる。
【0009】
本開示における典型的な実施形態が提供する信号補正パラメータ設定装置は、撮影装置の撮影素子が入射光に応じて画素毎に生成する画像信号である原信号を、出力する画像を構成する各画素の画像信号である出力用信号に補正するための補正パラメータを設定する信号補正パラメータ設定装置であって、仮の前記補正パラメータである候補パラメータを設定する候補パラメータ設定ステップと、前記撮影装置によって被写体が撮影されることで生成された原信号を、前記候補パラメータに従って補正し、補正された出力用信号に基づいて前記被写体の評価用画像を出力する評価用画像出力ステップと、出力された前記評価用画像に対する評価者の評価結果を取得する評価結果取得ステップと、取得された前記評価結果と前記候補パラメータに基づいて、前記補正パラメータを設定する補正パラメータ設定ステップと、を実行する。
【0010】
本開示に係る信号補正パラメータ設定方法、信号補正パラメータ設定プログラム、および信号補正パラメータ設定装置によると、画像信号を画像出力用に補正するための補正パラメータが、より適切に設定される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】信号補正パラメータ設定システムのシステム構成を示すブロック図である。
【
図2】信号補正パラメータ設定装置1が実行する信号補正パラメータ設定処理のフローチャートである。
【
図3】本実施形態における候補パラメータの設定方法を説明するための説明図である。
【
図4】本実施形態における評価用画像の出力方法の一例を説明するための説明図である。
【
図5】評価用画像を評価する方法の一例を説明するための説明図である。
【
図6】複数の評価者の評価結果に基づいて生成された複数の統合評価用画像が表示された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<概要>
本開示で例示する信号補正パラメータ設定装置は、撮影装置の撮影素子が入射光に応じて画素毎に生成する画像信号(原信号)を、出力する画像を構成する各画素の画像信号(出力用信号)に補正するための補正パラメータを設定する。信号補正パラメータ設定方法は、信号補正パラメータ設定装置において実行される。本開示の信号補正パラメータ設定方法は、候補パラメータ設定ステップ、評価用画像出力ステップ、評価結果取得ステップ、および補正パラメータ設定ステップを含む。候補パラメータ設定ステップでは、仮の補正パラメータである候補パラメータが設定される。評価用画像出力ステップでは、撮影装置によって被写体(生体組織等の物体に限らず、風景等も含む)が撮影されることで生成された原信号が、候補パラメータに従って補正され、補正された出力用信号に基づいて被写体の評価用画像が出力(例えば、表示部への表示または印刷等)される。評価結果取得ステップでは、出力された評価用画像に対する評価者の評価結果が取得される。補正パラメータ設定ステップでは、取得された評価結果と候補パラメータに基づいて、補正パラメータが設定される。
【0013】
本開示の技術によると、候補パラメータに従って出力された被写体の評価用画像が評価者によって評価されることで、評価用画像を出力する際に使用された候補パラメータと、評価用画像に対する評価結果に基づいて、補正パラメータが設定される。従って、評価用画像の評価と、補正パラメータの設定を、別の担当者が担当することなく、評価者の評価に基づく補正パラメータが円滑且つ適切に設定される。
【0014】
本開示では、撮影装置として、被検眼の眼底のカラー画像を撮影することが可能な眼底カメラを用いる場合を例示する。しかし、本開示の技術を適用できる撮影装置は眼底カメラに限定されない。例えば、被検眼の組織(眼底および前眼部等の少なくともいずれか)のカラー画像を撮影することが可能な種々の眼科撮影装置(例えば、レーザ走査型検眼装置(SLO)等)に、本開示の技術を適用することも可能である。また、眼以外の組織のカラー画像を撮影する撮影装置にも、本開示の技術を適用することかできる。さらに、生体以外の被写体を撮影することが可能な種々の撮影装置に、本開示の技術を適用することも可能である。
【0015】
本開示では、色を表現するための画像信号の形式(カラースペースまたは表色系と言われる場合もある)として、RGBを採用する場合を例示する。しかし、画像信号の形式がRGBに限定されないことは言うまでもない。例えば、L*a*b*、YCbCr、HSVの少なくともいずれかの形式が、画像信号の形式として採用されてもよい。また、画像信号を処理する過程で、画像信号の形式が他の形式に変換されてもよい。また、取り扱う画像信号のチャンネル数も適宜選択できる。
【0016】
原信号を出力用信号に補正するための補正パラメータには、種々のパラメータを採用できる。例えば、原信号に対して線形変換と非線形変換(例えば、トーンカーブ補正等)を共に行うことで、原信号を出力用信号に補正する場合もある。本開示では、線形変換と非線形変換のうち、線形変換の補正パラメータを設定する方法を例示する。しかし、補正パラメータの具体的な設定方法を変更することも可能である。例えば、複数の補正パラメータ(例えば、線形変換のパラメータと、非線形変換のパラメータ等)が、本開示で示す技術によって設定されてもよい。
【0017】
信号補正パラメータ設定方法は、評価結果に基づいて候補パラメータを更新する候補パラメータ更新ステップをさらに含んでいてもよい。評価用画像出力ステップ、評価結果取得ステップ、および候補パラメータ更新ステップを繰り返すことが可能であってもよい。この場合、評価者による複数回の評価の結果に基づいて補正パラメータが設定されるので、補正パラメータの精度がさらに向上し易くなる。
【0018】
候補パラメータ設定ステップでは、補正パラメータが設定される撮影装置によって基準被写体が撮影された際の原信号と、画像の色調を合わせる対象の比較対象装置によって同一の基準被写体が撮影された際の出力用信号が取得されてもよい。撮影装置による基準被写体の原信号を補正した出力用信号を、比較対象装置による基準被写体の出力用信号に近づける補正パラメータに基づいて、候補パラメータを設定されてもよい。この場合、撮影装置によって撮影されて出力される基準被写体の画像(評価用画像)が、比較対象装置によって撮影されて出力される基準被写体の比較対象画像に近づくように、撮影装置における候補パラメータが設定される。従って、評価者の評価は未だ反映されていないものの、撮影装置によって撮影された画像を比較対象画像に近づけるために適した候補パラメータが設定される。よって、より円滑に補正パラメータが設定され易くなる。
【0019】
候補パラメータ設定ステップでは、複数の色が配置されたカラーチャート(「色見本」と言われる場合もある)を含む基準被写体が、撮影装置および比較対象装置の各々によって撮影された際の画像信号(つまり、撮影装置による原信号と、比較対象装置による出力用信号)に基づいて、候補パラメータが設定されてもよい。カラーチャートには様々な色が含まれる。従って、カラーチャートを含む基準被写体が用いられることで、補正パラメータがより適切に設定され易くなる。
【0020】
候補パラメータ設定ステップでは、カラーチャートに含まれるグレースケール部分の撮影部位の画像信号に基づいて、撮影装置による原信号の明るさを補正するためのパラメータを算出してもよい。また、カラーチャートに含まれるグレースケール以外の部分(カラースケール部分)の撮影部位の画像信号に基づいて、撮影装置による原信号の明るさ以外の要素(例えば色差等)を補正するためのパラメータを算出してもよい。算出された明るさの補正のパラメータと、明るさ以外の補正のパラメータに基づいて、候補パラメータが設定されてもよい。この場合、設定される候補パラメータによって、画像信号における明るさと明るさ以外の要素が共に適切に補正され易くなる。
【0021】
ただし、候補パラメータの設定方法を変更することも可能である。例えば、カラーチャートを含む基準被写体の代わりに、撮影装置が撮影する予定の被写体(例えば、眼底等の特定の生体組織等)が、基準被写体とされてもよい。また、比較対象装置による画像信号(出力用信号)を用いずに、候補パラメータが設定されてもよい。この場合、例えば、予め定められた補正パラメータ(例えば、他の撮影装置で用いられている補正パラメータ等)が、候補パラメータとして設定されてもよい。また、撮影装置が備える撮影素子の分光感度、光源の分光分布、および、被写体の分光反射率等の少なくともいずれかの特性に基づいて、候補パラメータが設定されてもよい。また、候補パラメータがランダムに設定されてもよい。例えば、複数の候補パラメータが設定される場合に、複数の候補パラメータの少なくとも一部がランダムに設定されてもよい。1つの候補パラメータそのものがランダムに設定されてもよい。
【0022】
評価用画像出力ステップでは、撮影対象(例えば生体組織等)が撮影装置によって実際に撮影されることで生成された原信号が、候補パラメータに従って補正され、補正された出力用信号に基づいて評価用画像が出力されてもよい。この場合、評価結果取得ステップでは、撮影装置によって実際に撮影された撮影対象の評価用画像に対する、評価者による評価結果が取得される。その結果、撮影対象以外の被写体の評価用画像が用いられる場合に比べて、撮影装置の撮影対象の画像の色調が、良好な色調に調整され易くなる。
【0023】
評価用画像出力ステップでは、補正パラメータが設定される撮影装置によって撮影された被写体の評価用画像と、画像の色調を合わせる対象の比較対象装置によって同一の被写体が撮影された比較対象画像が、比較可能に表示部に表示されてもよい。この場合、評価用画像を評価する評価者は、評価用画像を比較対象画像と比較して評価することができる。その結果、比較対象画像に近い色調の画像を出力するための補正パラメータが、適切に設定されやすくなる。
【0024】
ただし、撮影装置によって撮影された評価用画像のみが表示部に表示された状態で、評価用画像に対する評価が行われてもよい。この場合でも、表示された評価用画像に対する評価に基づいて、補正パラメータが適切に設定される。
【0025】
評価用画像出力ステップでは、複数の候補パラメータを設定し、設定した複数の候補パラメータの各々に従って1つの原信号を補正することで、複数の評価用画像を表示部に表示させてもよい。評価結果取得ステップでは、出力された複数の評価用画像に対する評価結果が取得されてもよい。この場合、評価者は、異なる候補パラメータに従って生成された複数の評価用画像を比較したうえで、評価用画像の評価を行うことができる。よって、より適切な評価結果が効率良く取得され易くなる。なお、複数の評価用画像は表示部に纏めて表示されてもよいし、順番に表示されてもよい。
【0026】
なお、補正パラメータ設定ステップにおいて補正パラメータを設定するための具体的な方法は、適宜選択できる。例えば、候補パラメータ更新ステップでは、複数の評価用画像の各々に対する評価値の高さに応じて、複数の評価用画像の中から評価値の高い一部の評価用画像を優先して複数選択し、選択された複数の評価用画像を出力する際に用いられた候補パラメータに基づいて、次回の評価用画像の出力時に用いられる候補パラメータを複数更新(設定)してもよい。評価用画像出力ステップでは、更新された複数の候補パラメータの各々に従って1つの原信号を補正することで、次世代の複数の評価用画像を生成して出力してもよい。評価結果取得ステップでは、次世代の複数の評価用画像に対する評価結果が取得されてもよい。候補パラメータ更新ステップでは、次世代の複数の評価用画像に対する評価結果に基づいて、前述した方法と同様の方法で候補パラメータが再度更新されてもよい。以上のステップが繰り返される過程で、出力された複数の評価用画像の中に、評価者が満足する1つの評価用画像が含まれた場合には、評価者が満足する評価用画像を出力する際に用いられた候補パラメータが、補正パラメータとして設定されてもよい。以上の処理によると、対話型のアルゴリズムに従って、評価者の評価結果に応じた適切な補正パラメータが設定され易くなる。
【0027】
候補パラメータ更新ステップにおいて、複数の評価用画像の中から評価値の高い一部の評価用画像を優先して選択する方法も、適宜選択できる。例えば、トーナメント選択の手法が採用されてもよい。この場合、出力されたN個の評価用画像の中から、n個(2≦n<N)の評価用画像がランダムに抽出され、抽出されたn個の評価用画像の中で最も評価値が高い評価用画像が選択されてもよい。以上の手順が繰り返されることで、複数の評価用画像が選択されてもよい。また、他の手法(ルーレット選択、ランキング選択、およびエリート選択等の少なくともいずれか)に基づいて、評価用画像が選択されてもよい。
【0028】
候補パラメータ更新ステップにおける候補パラメータの更新方法も、適宜選択できる。例えば、評価値に基づいて選択された複数の評価用画像の中から、2つの評価用画像のセットをランダムに選択し、セットに含まれる2つの評価用画像の各々に用いられた候補パラメータを組み合わせることで、候補パラメータが更新されてもよい。2つの候補パラメータを組み合わせる方法も、適宜選択できる。例えば、2つの候補パラメータの各々に含まれる要素を1/2の確率で入れ替えることで、候補パラメータが組み合わされてもよい。さらに、組み合わされて更新された候補パラメータを、適当な確率でランダムに変化させる(突然変異させる)ことで、候補パラメータが更新されてもよい。
【0029】
評価結果取得ステップにおいて評価用画像に対する評価結果を取得する方法も、適宜選択できる。例えば、複数の評価用画像の各々に対する評価値を評価者に採点させる方法(採点法)が用いられてもよい。また、一対比較法または順位法等の方法が採用されてもよい。
【0030】
評価用画像から1つ以上の局所領域を抽出して出力し、出力された局所領域に対する評価者の評価結果に基づいて、評価用画像に対する評価者の評価結果を取得する局所評価ステップがさらに実行されてもよい。局所領域を抽出して評価者に評価させることで、評価用画像の色調が適切に評価され易くなる。つまり、局所領域を評価させる場合には、評価用画像の全体を評価させる場合に比べて、画像の部分的な違い(例えば、画像の影および反射による部分的な違い等)が除外された状態で評価が行われる。その結果、局所領域の色調のみが評価され易くなるので、評価の精度が向上し易くなる。従って、局所領域による評価結果は、評価用画像を出力する際に用いられた補正パラメータが適切であるか否かを示す有用な情報となる。
【0031】
局所評価ステップの具体的な方法は、適宜選択できる。例えば、評価用画像と比較対象画像の各々の複数の同一位置から、局所領域が複数組抽出されて比較表示されることで、各々の局所領域の組毎に評価結果(例えば、両者の近似度等)が取得されてもよい。この場合、複数の組の各々について取得された複数の評価結果に基づいて、評価用画像を出力する際に用いられた補正パラメータのスコアが算出されてもよい。この場合、画像内の複数の位置の各々についての色調に基づいて、補正パラメータの適否が高い精度で判断される。
【0032】
また、局所領域の組毎に評価結果を取得する方法も、適宜選択できる。例えば、比較表示される2つの局所領域のうち、比較対象画像の局所領域(または、評価用画像の局所領域)がいずれであるかを評価者に選択させることで、局所領域間の評価結果が取得されてもよい。この場合、選択結果の誤りが多い程、評価用画像を出力する際に用いられた補正パラメータが適切であった可能性が高くなるので、補正パラメータの適否が適切に示される。また、比較表示される2つの局所領域の近似度の高さを示す評価値が、評価結果として取得されてもよい。
【0033】
また、評価用画像に対して平滑化処理が行われたうえで、評価用画像に対する評価者の評価結果が取得されてもよい。この場合、評価用画像の解像度およびノイズの影響が抑制されるので、評価用画像の色調がさらに適切に評価され易くなる。
【0034】
評価用画像出力ステップ、評価結果取得ステップ、および補正パラメータ設定ステップが複数の評価者の各々について実行されることで、評価者毎に複数の補正パラメータが設定されてもよい。評価者毎に取得された複数の補正パラメータに基づいて、複数の評価者の評価が統合されて反映された補正パラメータ(以下、「統合反映パラメータ」という)を設定する統合反映パラメータ設定ステップがさらに実行されてもよい。色調の感覚には個人差があるので、評価用画像の評価を行う評価者に応じて、前述した方法で設定される補正パラメータが変化する場合が多い。これに対し、複数の補正パラメータに基づいて統合反映パラメータが設定されることで、多くの人に受け入れられやすい補正パラメータ(統合反映パラメータ)が適切に設定され易くなる。
【0035】
統合反映パラメータ設定ステップにおける補正パラメータの設定方法は、適宜選択できる。例えば、評価者毎に取得された複数の補正パラメータの各々に従って、撮影装置によって取得された同一の被写体についての原信号が補正されることで、複数の評価用画像(統合評価用画像)が生成されてもよい。各々の統合評価用画像と、比較対象装置によって撮影された同一の被写体の比較対象画像から、同一位置の局所領域同士が抽出されて比較表示されることで、表示された局所領域間の評価者の評価結果が取得されてもよい。統合評価用画像と比較対象画像の間の評価結果の高さに応じて、統合評価用画像を出力する際に用いられた各々の補正パラメータの加重平均等が行われることで、統合反映パラメータが設定されてもよい。また、各々の統合評価用画像に対する評価者の評価値が取得され、評価値の高さに応じて、統合評価用画像を出力する際に用いられた各々の補正パラメータの加重平均等が行われてもよい。また、複数の統合評価用画像のうち、評価者による評価値が最も高い統合評価用画像についての補正パラメータが、統合反映パラメータとして設定されてもよい。
【0036】
<実施形態>
(装置構成)
以下、本開示における典型的な実施形態の1つについて、図面を参照して説明する。まず、
図1を参照して、本実施形態の信号補正パラメータ設定システム100のシステム構成について説明する。本実施形態の信号補正パラメータ設定システム100は、信号補正パラメータ設定装置1、生体撮影装置11A、および比較対象装置11Bを備える。
【0037】
信号補正パラメータ設定装置1は、生体撮影装置11Aにおいて使用される補正パラメータを設定する。補正パラメータは、生体撮影装置11Aの撮影素子18Bが入射光に応じて画素毎に生成する画像信号(原信号)を、出力する画像を構成する各画素の画像信号(出力用信号)に補正するために用いられる。
【0038】
生体撮影装置11Aは、信号補正パラメータ設定装置1によって設定された補正パラメータが適用される装置である。つまり、生体撮影装置11Aは、信号補正パラメータ設定装置1によって設定された補正パラメータを用いて、撮影素子18Aによって被写体の撮影時に生成された原信号を、画像出力用の出力用信号に補正する。なお、本実施形態で例示する技術は、生体以外の被写体(物体以外の風景等を被写体としてもよい)を撮影する撮影装置が生成した原信号を補正する場合にも適用できる。信号補正パラメータ設定装置1は、例えば生体撮影装置11Aの開発時等に、生体撮影装置11Aのための補正パラメータを設定する。
【0039】
比較対象装置11Bは、生体撮影装置11Aと同様に生体の組織を撮影する。従って、比較対象装置11Bも生体撮影装置の一種である。比較対象装置11Bは、生体撮影装置11Aによって撮影されて出力される画像の色調を合わせる対象となる。つまり、本実施形態の信号補正パラメータ設定装置1では、生体撮影装置11Aと比較対象装置11Bが同一の被写体を撮影した場合に、生体撮影装置11Aによって出力される画像の色調が、比較対象装置11Bによって出力される画像の色調に近くなるように、生体撮影装置11Aにおいて用いられる補正パラメータが設定される。比較対象装置11には、例えば、過去に開発された生体撮影装置等が採用されてもよい。
【0040】
一例として、本実施形態の信号補正パラメータ設定装置1にはパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)が用いられる。しかし、信号補正パラメータ設定装置1として機能できるデバイスは、PCに限定されない。例えば、PC以外の情報処理装置(例えば携帯端末等)が信号補正パラメータ設定装置1として機能してもよい。生体撮影装置11Aが信号補正パラメータ設定装置1として機能してもよい。また、複数のデバイス(例えば、PCと生体撮影装置11A等)が、協働して補正パラメータを設定することで、複数のデバイスが信号補正パラメータ設定装置1として機能してもよい。
【0041】
また、本実施形態では、各種処理を行うコントローラの一例としてCPUが用いられる場合について例示する。しかし、各種デバイスの少なくとも一部に、CPU以外のコントローラが用いられてもよいことは言うまでもない。例えば、コントローラとしてGPUを採用することで、処理の高速化を図ってもよい。
【0042】
信号補正パラメータ設定装置1について説明する。信号補正パラメータ設定装置1は、例えば、生体撮影装置11Aを開発するメーカー等に配置される。信号補正パラメータ設定装置1は、各種制御処理を行う制御ユニット2と、通信I/F5を備える。制御ユニット2は、制御を司るコントローラであるCPU3と、プログラムおよびデータ等を記憶することが可能な記憶装置4を備える。記憶装置4には、後述する信号補正パラメータ設定処理(
図2参照)を実行するための信号補正パラメータ設定プログラムが記憶されている。また、通信I/F5は、信号補正パラメータ設定装置1を他のデバイス(例えば、生体撮影装置11Aおよび比較対象装置11B等)と接続する。
【0043】
信号補正パラメータ設定装置1は、操作部7および表示装置8に接続されている。操作部7は、ユーザが各種指示を信号補正パラメータ設定装置1に入力するために、ユーザによって操作される。操作部7には、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等の少なくともいずれかを使用できる。なお、操作部7と共に、または操作部7に代えて、各種指示を入力するためのマイク等が使用されてもよい。表示装置(表示部)8は、各種画像を表示する。表示装置8には、画像を表示可能な種々のデバイス(例えば、モニタ、ディスプレイ、プロジェクタ等の少なくともいずれか)を使用できる。
【0044】
信号補正パラメータ設定装置1は、生体撮影装置11Aおよび比較対象装置11Bが被写体を撮影することで生成した画像信号(画像のデータ)を取得することができる。信号補正パラメータ設定装置1は、例えば、有線通信、無線通信、着脱可能な記憶媒体(例えばUSBメモリ)等の少なくともいずれかによって、生体撮影装置11Aおよび比較対象装置11Bから画像信号を取得してもよい。
【0045】
生体撮影装置11Aおよび比較対象装置11B(以下、纏めて「生体撮影装置11」という場合もある)について説明する。本実施形態では、生体撮影装置11として、被検眼の眼底のカラー画像を撮影することが可能な眼底カメラを用いる場合を例示する。しかし、本開示で提示する技術は、眼底カメラ以外の撮影装置(例えば、眼底を撮影するレーザ走査型検眼鏡(SLO)、眼底以外の被検眼の組織を撮影する装置、眼以外の生体組織を撮影する装置、および生体以外の被写体を撮影する装置等の少なくともいずれか)で用いられる補正パラメータを設定するために適用することも可能である。
【0046】
生体撮影装置11(11A,11B)は、各種制御処理を行う制御ユニット12(12A,12B)と、生体撮影部16(16A,16B)を備える。制御ユニット12は、制御を司るコントローラであるCPU13(13A,13B)と、プログラムおよびデータ等を記憶することが可能な記憶装置14(14A,14B)を備える。生体撮影部16は、生体組織の画像(本実施形態では、被検眼の眼底の正面画像)を撮影するための構成を備える。一例として、本実施形態の生体撮影部16は、被写体を照明するための光源17(17A,17B)と、被写体から入射した入射光を受光する撮影素子18(18A,18B)を備える。撮影素子18は、入射光に応じて、画像の元となる画像信号である原信号を生成する。前述したように、生体撮影装置11は、撮影素子18が生成した原信号を補正パラメータに従って補正することで、出力する画像を構成する各画素の画像信号である出力用信号を生成する。
【0047】
なお、本実施形態では、比較対象装置11Bは、眼底の二次元領域に照明光を一度に照射することで、眼底のカラー二次元画像を撮影する眼底カメラである。これに対し、生体撮影装置11Aは、ライン状のスリット光を、ラインに交差する方向に走査させることで、眼底のカラー二次元画像を撮影するスリットスキャン方式の眼底カメラである。このように、撮影方式が異なると、各々の装置が同一の被写体を撮影した場合でも、画像信号を補正するための補正パラメータが同一であれば、出力される画像の色調が異なる場合が多い。また、撮影する被写体が同一であっても、光源17および撮影素子18等の種々の条件に応じて、撮影素子18が生成する原信号は変化する。従って、適切な色調の画像を生体撮影装置11Aに出力させるためには、生体撮影装置11Aに応じた補正パラメータを設定する必要がある。
【0048】
(信号補正パラメータ設定処理)
図2~
図6を参照して、本実施形態の信号補正パラメータ設定装置1が実行する信号補正パラメータ設定処理について説明する。前述したように、信号補正パラメータ設定装置1は、生体撮影装置11Aにおいて使用される補正パラメータを設定する。補正パラメータは、生体撮影装置11Aの撮影素子18Bが入射光に応じて画素毎に生成する原信号を、出力する画像を構成する各画素の出力用信号に補正するために用いられる。信号補正パラメータ設定処理は、記憶装置4に記憶された信号補正パラメータ設定プログラムに従って、CPU3によって実行される。なお、以下説明する複数の処理(ステップ)の少なくとも一部は、作業者によって入力される指示に応じて実行されてもよい。
【0049】
図2に示すように、CPU3は、候補パラメータ設定処理を実行する(S1)。候補パラメータとは、生体撮影装置11Aにおいて使用される補正パラメータが正式に設定される前の、仮の補正パラメータである。詳細は後述するが、候補パラメータに基づいて出力される評価用画像に対して、評価者による評価が行われることで、評価者による評価が反映された補正パラメータ(評価反映パラメータ)が設定される。なお、本実施形態のS1では、後述するS6~S10で更新される場合がある候補パラメータの基礎となる候補パラメータが設定される。
【0050】
図3を参照して、本実施形態における候補パラメータ設定処理について詳細に説明する。まず、本実施形態の生体撮影装置11(生体撮影装置11Aおよび比較対象装置11B)において採用されている、色を表現するための画像信号の形式、および画像信号の補正方式について説明する。本実施形態では、色を表現するための画像信号の形式(カラースペースまたは表色系と言われる場合もある)として、RGBが採用されている。しかし、RGB以外の画像信号の形式(例えば、L
*a
*b
*、YCbCr、HSV等の少なくともいずれかの形式)が採用されている場合でも、本開示で提示する技術を採用することが可能である。また、画像信号を処理する過程で、画像信号の形式が他の形式に変換されてもよい。
【0051】
本実施形態では、生体撮影装置11(生体撮影装置11Aおよび比較対象装置11B)は、被写体を撮影することで撮影素子18(18A,18B)が生成する原信号に対して、線形変換と非線形変換の補正を行うことで、画像を出力するための出力用信号を生成する。本実施形態では、非線形変換の補正パラメータについては既知となっている。従って、信号補正パラメータ設定装置1は、生体撮影装置11Aにおいて用いられる線形変換の補正パラメータを設定する。
【0052】
なお、本実施形態では、生体撮影装置11Aにおける非線形変換と、比較対象装置11Bにおける非線形変換には、同一の補正パラメータが用いられる。また、比較対象装置11Bが原信号に対して実行する線形変換の補正パラメータは不明である。従って、
図3では、原信号の画像と線形変換の矢印を点線で示している。
【0053】
本実施形態の候補パラメータ設定処理では、生体撮影装置11Aと比較対象装置11Bが同一の被写体を撮影した場合に、生体撮影装置11Aによって出力される画像(
図3における「出力画像」)の色調が、比較対象装置11Bによって出力される画像の色調に近くなるように、生体撮影装置11Aにおいて用いられる補正パラメータ(詳細には、線形変換の補正パラメータ)が、候補パラメータとして設定される。
【0054】
図3に示すように、候補パラメータ設定処理では、補正パラメータが設定される生体撮影装置11Aによって基準被写体が撮影された際の原信号(つまり、補正が行われる前の画像信号)と、画像の色調を合わせる対象の比較対象装置11Bによって同一の基準被写体が撮影された際の出力用信号(つまり、補正された後の画像信号)が取得される。次いで、生体撮影装置11Aによる基準被写体の原信号を補正した出力用信号を、比較対象装置11Bによる基準被写体の出力用信号に近づける補正パラメータが、候補パラメータとして設定される。
【0055】
詳細には、本実施形態では、比較対象装置11Bによって基準被写体が撮影された際の出力用信号(つまり、比較対象装置11Bが出力画像を出力するための画像信号)が取得される。取得された出力用信号に対して、既知である非線形変換の逆変換の処理が行われることで、比較対象装置11Bによる原信号に対して線形変換が行われた状態の画像信号が生成される。また、生体撮影装置11によって同一の基準被写体が撮影された際の原信号が取得される。信号補正パラメータ設定装置1は、生体撮影装置11Aによる基準被写体の原信号を補正した出力用信号を、比較対象装置11Bによる基準被写体の出力用信号に近づける補正パラメータを算出し、算出した補正パラメータを候補パラメータとして設定する。本実施形態では、信号補正パラメータ設定装置1は、生体撮影装置11Aによる原信号を、候補パラメータを用いて線形変換した画像信号が、比較対象装置11Bによる原信号に対して線形変換が行われた状態の画像信号(つまり、比較対象装置11Bによる出力用信号に対して非線形変換の逆変換が行われた画像信号)に近づくように、候補パラメータを設定する。その結果、評価者の評価は未だ反映されていないものの、生体撮影装置11Aによって撮影された画像を、比較対象装置11Bによって撮影された画像に近づけるために適した候補パラメータが設定される。
【0056】
図3に示すように、本実施形態の候補パラメータ設定処理では、複数の色が配置されたカラーチャートを含む基準被写体が、生体撮影装置11Aおよび比較対象装置11Bの各々によって撮影された際の画像信号(つまり、生体撮影装置11Aによる原信号、および、比較対象装置11Bによる出力用信号)に基づいて、候補パラメータが設定される。カラーチャートには様々な色が含まれる。従って、カラーチャートを含む基準被写体が用いられることで、補正パラメータがより適切に設定され易くなる。
【0057】
詳細には、本実施形態の候補パラメータ設定処理では、カラーチャートに含まれるグレースケール部分の撮影部位の画像信号に基づいて、生体撮影装置11Aによる原信号の明るさを補正するためのパラメータが算出される。また、カラーチャートに含まれるグレースケール以外の部分(カラースケール部分)の撮影部位の画像信号に基づいて、生体撮影装置11Aによる原信号の明るさ以外の要素(例えば色差等)を補正するためのパラメータが算出される。算出された明るさの補正のパラメータと、明るさ以外の補正のパラメータに基づいて、候補パラメータが設定される。その結果、画像信号における明るさと明るさ以外の要素が共に適切に補正され易くなる。
【0058】
次いで、CPU3は、生体撮影装置11Aが生体組織(本実施形態では被検眼の眼底)を実際に撮影することで撮影素子18Aによって生成された原信号を取得する(S2)。詳細は後述するが、S2で取得された原信号に基づいて評価用画像が出力され、出力された評価用画像に対する評価結果に基づいて補正パラメータが設定される。従って、生体組織以外の被写体の評価用画像が用いられる場合に比べて、生体撮影装置11Aの撮影対象となる生体組織の画像の色調が、良好な色調に調整され易くなる。
【0059】
CPU3は、S2で取得された原信号を生成するための被写体(本実施形態では被検眼の眼底)と同一の被写体を、比較対象装置11Bが撮影することで生成された出力用信号を取得する(S3)。
【0060】
次いで、CPU3は、評価者による評価結果を補正パラメータに反映させるための処理を実行する(S5~S13)。本実施形態では、複数の評価者に対して、候補パラメータを用いて出力された評価用画像に対する評価を行わせる(S6~S10)。その後、複数の評価者の評価が統合されて反映された補正パラメータ(統合反映パラメータ)が設定される(S12、S13)。まず、CPU3は、評価用画像に対する評価者毎の評価結果の取得処理を開始するか否かを判断する(S5)。評価結果の取得処理を開始しない場合(S5:NO)、処理はそのままS11へ移行する。
【0061】
評価結果の取得処理の開始指示が入力されると(S5:YES)、CPU3は、評価用画像出力処理を実行する(S6)。評価用画像出力処理では、CPU3は、生体撮影装置11Aによって被写体が撮影されることで生成された原信号(つまり、S2で取得された原信号)を、候補パラメータ(S6~S10の処理の開始時には、S1で設定された基礎となる候補パラメータ)に従って補正することで、出力用信号を生成する。CPU3は、生成された出力用信号に基づいて、被写体の評価用画像を出力する。本実施形態では、表示装置8に評価用画像が表示されることで、評価用画像が出力される。
【0062】
本実施形態のS6では、CPU3は、複数の候補パラメータを設定し、設定した複数の候補パラメータに従って1つの原信号を補正することで、複数の評価用画像を出力する。例えば、S6~S10の処理の開始時には、CPU6は、S1で取得された1つの候補パラメータを調整することで、互いに異なる複数の候補パラメータを設定する。CPU3は、設定した複数の候補パラメータの各々に従って1つの原信号を補正することで、複数の出力用信号を生成し、生成した複数の出力用信号の各々に基づいて、複数の評価用画像を表示装置8に表示させる。その結果、
図4に示すように、異なる候補パラメータに従って生成された、色調が異なる複数の評価用画像が、表示装置8に表示される。評価者は、異なる候補パラメータに従って生成された複数の評価用画像を比較したうえで、評価用画像の評価を行うことができる。よって、より適切な評価結果が効率良く取得され易くなる。
【0063】
また、本実施形態のS6では、CPU3は、比較対象装置11Bによって撮影された、評価用画像と同一の被写体の画像である比較対象画像(つまり、S3で取得された出力用信号に基づいて生成される画像)を、評価用画像と比較可能に表示装置8に表示させる。比較対象画像は、生体撮影装置11Aによって撮影される画像の色調を合わせる対象となる。
図4に示すように、評価者は、評価用画像を比較対象画像と比較して評価することができる。よって、後述するS8~S10の処理では、比較対象画像に近い色調の画像を出力するための補正パラメータが、適切に設定され易くなる。
【0064】
次いで、CPU3は、複数の評価用画像の中から、評価者が満足する評価用画像(最適画像)が選択されたか否かを判断する(S7)。本実施形態では、評価者は、複数の評価用画像の中に満足する画像が含まれている場合には、満足する最適画像を選択する指示を、評価結果として入力する。また、評価者は、複数の評価用画像の中に満足する画像が含まれていない場合には、各々の評価用画像に対する評価結果を入力する。
【0065】
最適画像が選択されていない場合(S7:NO)、CPU3は、評価結果取得処理を実行する(S8)。一例として、本実施形態では、評価者は、操作部7を操作することで、表示装置8に表示された複数の評価用画像の各々に対する評価値を信号補正パラメータ設定装置1に入力することができる。この場合、CPU3は、複数の評価用画像の各々に対する評価値を、評価結果として取得する。つまり、本実施形態では、評価用画像に対する評価結果を取得する方法として、採点法が採用されている。
【0066】
次いで、CPU3は、候補パラメータ更新処理を実行する(S9)。候補パラメータ更新処理では、S8で取得された評価結果に基づいて、S7で用いられた候補パラメータが更新される。一例として、本実施形態では、CPU3は、複数の評価用画像の各々に対する評価値の高さに応じて、複数の評価用画像の中から評価値の高い一部の評価用画像を優先して複数選択し、選択された複数の評価用画像に用いられた候補パラメータに基づいて、候補パラメータを複数更新(設定)する。例えば、CPU3は、S6で出力されたN個の評価用画像の中から、n個(2≦n<N)の評価用画像をランダムに抽出し、抽出したn個の評価用画像の中で最も評価値が高い評価用画像を選択する。以上の手順を繰り返すことで、複数の評価用画像を選択する。次いで、CPU3は、選択された複数の評価用画像の中から、2つの評価用画像のセットをランダムに選択し、セットに含まれる2つの評価用画像の各々に用いられた候補パラメータを組み合わせることで、候補パラメータを更新する。2つの候補パラメータを組み合わせる方法は、適宜選択できる。例えば、2つの候補パラメータの各々に含まれる要素を1/2の確率で入れ替えることで、候補パラメータが組み合わされてもよい。さらに、CPU3は、更新された候補パラメータを、適当な確率でランダムに変化させる(突然変異させる)ことで、候補パラメータを更新する。
【0067】
S9の処理が終了すると、評価用画像出力処理(S6)が実行される。候補パラメータの更新後には、評価用画像出力処理(S6)では、S9で更新された複数の候補パラメータの各々に従って1つの原信号を補正することで、次世代の複数の評価用画像が生成されて出力される。その後、次世代の評価用画像に対する評価者の評価が実行される。
【0068】
以上のように、本実施形態の信号補正パラメータ設定装置1は、評価用画像出力処理(S6)、評価結果取得処理(S8)、および候補パラメータ更新処理(S9)を繰り返すことができる。評価者による複数回の評価の結果に基づいて補正パラメータが設定されることで、補正パラメータの精度がさらに向上し易くなる。
【0069】
S7において、評価者が満足する評価用画像(最適画像)が選択された場合には(S7:YES)、CPU3は、評価者が選択した最適画像を出力する際に用いられた候補パラメータを、補正パラメータとして設定する(S10)。その結果、評価者毎に補正パラメータが1つずつ設定される。
【0070】
次いで、CPU3は、統合反映パラメータの設定を開始するか否かを判断する(S11)。統合反映パラメータとは、複数の評価者の評価が統合されて反映された補正パラメータである。統合反映パラメータの設定を未だ開始しない場合には(S11:NO)、処理はS5へ戻る。統合反映パラメータの設定の開始指示が入力されると(S11:YES)、CPU3は、統合反映パラメータの設定処理を実行し(S12、S13)、処理は終了する。
【0071】
一例として、本実施形態では、S12の局所評価処理において取得される、評価用画像の局所領域に対する評価者の評価結果が、統合反映パラメータ設定処理(S13)に利用される。局所評価処理(S12)では、評価用画像から1つ以上の局所領域が抽出されて出力され、出力された局所領域に対する評価者の評価結果に基づいて、評価用画像に対する評価者の評価結果が取得される。その結果、評価用画像の全体を評価させる場合に比べて、画像の部分的な違い(例えば、画像の影および反射による部分的な違い等)が除外された状態で評価が行われる。よって、局所領域の色調のみが評価され易くなるので、評価の精度が向上し易くなる。さらに、本実施形態では、評価用画像に対して平滑化処理が行われたうえで、評価用画像に対する評価者の評価結果が取得される。この場合、評価用画像の解像度およびノイズの影響が抑制されるので、評価用画像の色調がさらに適切に評価され易くなる。前述したS6~S10においても平滑化処理が行われてもよいことは言うまでもない。
【0072】
図5に示すように、本実施形態の局所評価処理(S12)では、生体撮影装置11Aによって被写体が撮影された際の原信号(S2で取得された原信号)が、評価者毎に設定された補正パラメータ(本実施形態では、S10で取得された評価パラメータ)に基づいて補正されることで、局所評価用の評価用画像が生成される。また、比較対象装置11Bによって評価用画像と同一の被写体が撮影された比較対象画像(S3で取得された出力用信号に基づく画像)が生成される。CPU3は、局所評価用の評価用画像と、比較対象画像の位置合わせを行い、評価用画像と比較対象画像の各々から、同一位置の局所領域同士を抽出して、表示装置8に比較表示させる。CPU3は、比較表示された局所領域間の評価者の評価結果(例えば、両者の近似度の評価結果等)を取得する。
【0073】
なお、本実施形態のS12では、S10で評価者毎に取得された複数の補正パラメータの各々に従って、生体撮影装置11Aによって取得された同一の被写体についての原信号(例えば、S2で取得された原信号等)が補正されることで、複数の評価用画像(統合評価用画像)が生成される。
図6は、複数の統合評価用画像が表示装置8に表示された状態の一例を示す。S12では、各々の統合評価用画像と、比較対象装置11Bによって撮影された同一の被写体の比較対象画像から、同一位置の局所領域同士が抽出されて比較表示されることで、表示された局所領域間についての評価者の評価結果が取得される。その結果、1つの比較対象画像、各々の統合評価用画像を比較した評価結果が、適切に取得される。
【0074】
図5に示すように、本実施形態のS12では、評価用画像と比較対象画像の各々の複数の位置から、局所領域が複数組抽出されて比較表示されることで、各々の局所領域の組毎に評価結果が取得される。複数の組の各々について取得された複数の評価結果に基づいて、評価用画像を出力する際に用いられた補正パラメータのスコアが算出される。その結果、画像内の複数の位置の各々についての色調の評価結果に基づいて、補正パラメータ(本実施形態では、各々の評価反映パラメータ)の適否が高い精度で判断される。
【0075】
また、本実施形態のS12では、比較表示される2つの局所領域のうち、比較対象画像の局所領域(または、評価用画像の局所領域)がいずれであるかを評価者に判定させることで、局所領域間の評価結果が取得される。この場合、判定結果の誤りが多い程、評価用画像を出力する際に用いられた補正パラメータが適切であった可能性が高くなるので、補正パラメータの適否が適切に示される。
図6に示す例では、各々の統合評価用画像における、複数組の局所領域の判定結果の誤答率が示されている。誤答率が高い程、統合評価用画像を出力する際に用いられた補正パラメータの適正度が高くなる。従って、本実施形態では、誤答率が補正パラメータのスコアとして用いられる。
【0076】
統合反映パラメータ設定処理(S13)では、評価者毎に取得された複数の補正パラメータに基づいて、複数の評価者の評価が統合されて反映された補正パラメータである統合反映パラメータが設定される。詳細には、複数の補正パラメータの各々について取得された評価結果の高さ(前述したように、本実施形態では、各々の評価反映パラメータに基づいて生成された統合評価用画像と、比較対象画像の間の近似度の評価結果を示す、局所領域間の判定の誤答率)に応じて、各々の補正パラメータの加重平均が行われることで、統合反映パラメータが設定される。その結果、複数の評価者の評価が適切に統合されて反映された補正パラメータが設定される。従って、多くの人に受け入れられやすい補正パラメータが適切に設定され易くなる。
【0077】
上記実施形態で開示された技術は一例に過ぎない。従って、上記実施形態で例示された技術を変更することも可能である。まず、上記実施形態で例示された複数の技術のうちの一部のみを実行することも可能である。例えば、上記実施形態では、複数の評価者の評価が統合されて反映された統合反映パラメータが、生体撮影装置11Aにおいて使用される補正パラメータとして採用される。しかし、1人の評価者の評価が反映された補正パラメータ(本実施形態では、S10で設定される補正パラメータ)が、生体撮影装置11Aにおいて使用される補正パラメータとして採用されてもよい。また、同一の評価者が、評価用画像に対する評価を複数回行う場合でも、上記の方法にはランダムな処理が含まれるので、複数回の評価結果にばらつきが生じ、異なる複数の補正パラメータが設定されることもある。従って、評価者による評価結果を補正パラメータに反映させるための処理(S5~S13)が、同一の評価者に対して複数回実行されることで、同一の評価者についての複数の補正パラメータが取得されてもよい。さらに、同一の評価者について取得された複数の補正パラメータを統合する処理(例えば、平均化の処理等)、または、同一の評価者について取得された複数の補正パラメータから最も適切な補正パラメータを選択する処理が行われることで、1人の評価者についての補正パラメータが決定されてもよい。この場合、評価者による評価用画像の評価結果がさらに安定し易くなる。
【0078】
上記実施形態では、S12の局所評価処理において取得される、評価用画像の評価結果は、統合反映パラメータを設定するために利用される。しかし、局所評価処理において取得される評価用画像の評価結果の利用方法を変更することも可能である。例えば、S8で実行される評価結果取得処理において、局所評価処理が実行されてもよい。この場合、取得された局所評価の結果が、S9で実行される候補パラメータ更新処理において利用されてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 信号補正パラメータ設定装置
3 CPU
8 表示装置
11A 生体撮影装置
11B 比較対象装置
18 撮影素子
100 信号補正パラメータ設定システム