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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097542
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】充電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240711BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20240711BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02J50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001064
(22)【出願日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】302071092
【氏名又は名称】株式会社LIMNO
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(72)【発明者】
【氏名】山澤 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】中尾 賢
(72)【発明者】
【氏名】岡村 昌信
(72)【発明者】
【氏名】徳久 敦哉
(72)【発明者】
【氏名】蔵増 庸欣
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503GA01
5G503GB06
5G503GB08
5G503GD03
(57)【要約】
【課題】回路基板からの放熱が送電コイル側に伝播しにくく、且つ、当該放熱により熱くなる面がユーザに触れられにくい充電装置を提供する。
【解決手段】充電装置1は、扁平な送電コイル210と、送電コイル210に送電する送電回路410が実装された回路基板400と、送電コイル210および回路基板400が収納されるキャビネット100と、を備える。キャビネット100には、送電コイル210の正面に位置し、充電装置1に設置された端末装置2の背面2bが近接対向する送電面136が設けられる。キャビネット100の内部は、水平方向に並ぶ板状の第1隔壁部123と板状の第2隔壁部124とにより、第1室R1、第2室R2および第3室R3に区画される。第1室R1内には、送電コイル210が配置され、第3室R3内には、回路基板400が、第2隔壁部124と対面するように配置される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被充電装置に無接点方式により送電を行うことにより前記被充電装置を充電する充電装置において、
扁平な送電コイルと、
前記送電コイルに送電する送電回路が実装された回路基板と、
前記送電コイルおよび前記回路基板が収納されるキャビネットと、を備え、
前記キャビネットには、前記送電コイルの正面に位置し、前記充電装置に設置された前記被充電装置の一面が近接対向する送電面が設けられ、
前記キャビネットの内部は、水平方向に並ぶ板状の第1隔壁部と板状の第2隔壁部とにより、第1室と、前記第1隔壁部により前記第1室と隔てられた第2室と、前記第2隔壁部により前記第2室と隔てられた第3室と、に区画され、
前記第1室内には、前記送電コイルが配置され、
前記第3室内には、前記回路基板が、前記第2隔壁部と対面するように配置される、
ことを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記キャビネットには、側面部の上部に、前記第2室内と前記キャビネットの外部とを連通させる第1開口部が設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記キャビネットには、前記側面部における前記第1開口部よりも低い位置に、前記第2室内と前記キャビネットの外部とを連通させる第2開口部が設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記キャビネットには、底面部に、前記第2室内と前記キャビネットの外部とを連通させる第3開口部が設けられ、
前記底面部には、複数の脚が設けられる、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の充電装置。
【請求項5】
前記送電コイルおよび前記送電面は、鉛直方向に対して前記第2室側に傾き、
前記第1隔壁部は、前記送電コイルと平行となるように配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項6】
前記キャビネットには、前記送電面の両側に、前記送電面よりも張り出して前記充電装置に設置された前記被充電装置の一面に接触する張出部が設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項7】
前記送電コイルが配置されるコイル基板と、
前記送電コイルに送電するために、前記回路基板から延びて前記コイル基板に接続される送電線と、をさらに備え、
前記コイル基板には、前記送電線が接続される接続部の周辺に放熱シートが装着される、
ことを特徴とする請求項1に記載の充電装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被充電装置、特にタブレット端末等の端末装置が設置されて充電される無接点方式の充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タブレット端末等の端末装置を、無接点方式(ワイヤレス方式)で充電可能な充電装置が知られている。
【0003】
端末装置の一面、たとえば、背面が受電面となり、端末装置の内部には、受電面に近接するように受電コイルが配置される。充電装置には、端末装置が設置されたときに、受電面に近接対向する送電面が設けられる。充電装置の内部には、送電面に近接するように送電コイルが配置され、当該送電コイルが受電コイルと対向する。
【0004】
充電装置の内部には、送電コイルに送電する送電回路が実装された回路基板が配置される。送電回路は、充電装置に入力された直流電力を交流電力に変換する。送電コイルに送られた交流電力は、電磁誘導や磁界共鳴により受電コイルに送られる。端末装置では、受電コイルが受けた交流電力が直流電力に変換され、当該直流電力によりバッテリーが充電される。
【0005】
送電回路には、回路動作時に大きく発熱する電装部品が、発熱部品として含まれる。このため、回路基板は、受電コイルに比べて、高温になりやすい。回路基板から受電コイルに熱が伝播して受電コイルが高温になると、送電面が受電コイルにより加熱されて高温になり、送電面に近接する端末装置の受電面も高温になり得る。
【0006】
端末装置の受電面が熱くなった場合、充電後、ユーザが端末装置を充電装置から取り外して把持したときに熱くなった受電面に触れて不快な思いをすることが懸念される。
【0007】
特許文献1には、ケース内に送電コイルと回路基板とが収納された無接点充電器が記載されている。この無接点充電器では、ケースが、タブレット等の電池駆動機器が脱着自在にセットされる載置面を有する載置部と、この載置部を支持するベース水平部とを備える。
【0008】
載置部は、前面を載置面とする本体プレートと、本体プレートの背面に固定されたホルダーとからなり、ほぼ一定の厚さの板状に形成される。ベース水平部は、水平方向に広い箱形とされる。載置部は、載置面の傾斜角が所定の角度となるように、その下端部がベース水平部に固定される。送電コイルが載置部に配置され、回路基板をベース水平部に配置されることにより、送電コイルと回路基板とが互いに離間して配置される。
【0009】
ケースでは、載置面の内側に配置される送電コイルの発熱が、板状の載置部の背面側から外部に放熱され、また、ベース水平部に配置される回路基板に実装される部品から生じる熱が、ベース水平部の上面から外部に放熱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2014-87137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記の無接点充電器の構成では、載置部の背面とベース水平部の上面が接しておらず、これらの面の間に空気が介在するため、回路基板の熱が送電コイルに伝播しにくい。
【0012】
しかしながら、上記の無接点充電器の構成では、回路基板からの放熱により熱くなったベース水平部の上面が外部に大きく開放されているため、ユーザが、熱くなった上面に容易に手を触れてしまい、不快な思いをしやすくなることが懸念される。
【0013】
かかる課題に鑑み、本発明は、回路基板からの放熱が送電コイル側に伝播しにくく、且つ、当該放熱により熱くなる面がユーザに触れられにくい充電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の主たる態様は、被充電装置に無接点方式により送電を行うことにより前記被充電装置を充電する充電装置に関する。本態様に係る充電装置は、扁平な送電コイルと、前記送電コイルに送電する送電回路が実装された回路基板と、前記送電コイルおよび前記回路基板が収納されるキャビネットと、を備える。ここで、前記キャビネットには、前記送電コイルの正面に位置し、前記充電装置に設置された前記被充電装置の一面が近接対向する送電面が設けられる。さらに、前記キャビネットの内部は、水平方向に並ぶ板状の第1隔壁部と板状の第2隔壁部とにより、第1室と、前記第1隔壁部により前記第1室と隔てられた第2室と、前記第2隔壁部により前記第2室と隔てられた第3室と、に区画される。そして、前記第1室内には、前記送電コイルが配置され、前記第3室内には、前記回路基板が、前記第2隔壁部と対面するように配置される。
【0015】
本態様に係る充電装置によれば、回路基板から放出された熱が第3室から第1室に伝播しにくく、送電コイルが高温になりにくい。これにより、送電面が送電コイルにより加熱されて高温となることが生じにくく、被充電装置の一面が熱くなりにくい。
【0016】
さらに、回路基板からの熱により高温となる第2隔壁部の壁面がキャビネットの内部に存在するので、ユーザが熱くなった壁面に触れてしまう、ということが生じにくい。
【0017】
本態様に係る充電装置において、前記キャビネットには、側面部の上部に、前記第2室内と前記キャビネットの外部とを連通させる第1開口部が設けられ得る。
【0018】
上記の構成によれば、回路基板からの熱により温まった第2室内の空気を、第1開口部を通じてキャビネットの外部に排出できる。これにより、第2室内の空気が高温になりにくいので、回路基板からの熱が送電コイル側に、一層、伝播しにくくなる。
【0019】
上記の構成とされた場合、さらに、前記キャビネットには、前記側面部における前記第1開口部よりも低い位置に、前記第2室内と前記キャビネットの外部とを連通させる第2開口部が設けられ得る。
【0020】
このような構成とされれば、温まった空気が第1開口部から排出されたときに第2開口部を通じて外部から第2室内に空気が取り込まれる。これにより、第2室内において、下から上への自然な空気の流れが生じるので、第2室内の温まった空気が外部に排出されやすくなる。
【0021】
上記のように第1開口部が設けられるような構成とされた場合、さらに、キャビネットには、底面部に、前記第2室内と前記キャビネットの外部とを連通させる第3開口部が設けられ得る。この場合、前記底面部には、複数の脚が設けられ得る。
【0022】
このような構成とされれば、温まった空気が第1開口部から排出されたときに第3開口部を通じて外部から第2室内に空気が取り込まれる。これにより、第2室内において、下から上への自然な空気の流れが生じるので、第2室内の温まった空気が外部に排出されやすくなる。しかも、底面部には、複数の脚が設けられているので、充電装置がテーブル等の設置面に設置されたときに、第3開口部が設置面で塞がらない。
【0023】
本態様に係る充電装置において、前記送電コイルおよび前記送電面は、鉛直方向に対して前記第2室側に傾き、前記第1隔壁部は、前記送電コイルと平行となるように配置されるような構成が採られ得る。
【0024】
上記の構成によれば、第1室、第2室および第3室が並ぶ方向に、第2室を広くすることができるので、第1室内と第3室内との間に形成される空気層を厚くすることができる。
【0025】
本態様に係る充電装置において、前記キャビネットには、前記送電面の両側に、前記送電面よりも張り出して前記充電装置に設置された前記被充電装置の一面に接触する張出部が設けられ得る。
【0026】
上記の構成によれば、被充電装置の一面が、張出部に接触するため送電面には接触しない。これにより、被充電装置の一面が、一層、熱くなりにくい。
【0027】
本態様に係る充電装置において、前記送電コイルが配置されるコイル基板と、前記送電コイルに送電するために、前記回路基板から延びて前記コイル基板に接続される送電線と、をさらに備えるような構成が採られ得る。この場合、前記コイル基板には、前記送電線が接続される接続部の周辺に放熱シートが装着され得る。
【0028】
上記の構成によれば、接続部の部分に発生する局所的な熱が放熱シートに分散されるので、送電面が局所的に熱くなって被充電装置の一面が局所的に熱くなる、ということが防止される。
【発明の効果】
【0029】
以上のとおり、本発明によれば、回路基板からの放熱が送電コイル側に伝播しにくく、且つ、当該放熱により熱くなる面がユーザに触れられにくい充電装置を提供することができる。
【0030】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1(a)は、実施形態に係る、端末装置が設置された状態の充電装置を示す斜視図である。図1(b)は、実施形態に係る、端末装置を背面側から見た斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る、前方上方から見た充電装置の斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る、後方上方から見た充電装置の斜視図である。
図4図4は、実施形態に係る、前方下方から見た充電装置の斜視図である。
図5図5(a)は、実施形態に係る、前方上方から見た、メインキャビネットが取り外された状態の充電装置の斜視図であり、図5(b)は、実施形態に係る、後方上方から見た、フェライトシートおよび両面粘着シートが装着されたコイル基板の斜視図である。
図6図6は、実施形態に係る、後方上方から見た、メインキャビネットが取り外された状態の充電装置の斜視図である。
図7図7は、実施形態に係る、後方上方から見た、メインキャビネットおよびシールドケースが取り外された状態の充電装置の斜視図である。
図8図8は、実施形態に係る、充電装置の側面断面図である。
図9図9は、実施形態に係る、充電装置の正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に示す実施形態は、端末装置を充電するための充電装置に本発明を適用したものである。
【0033】
図1(a)は、端末装置2が設置された状態の充電装置1を示す斜視図である。図1(b)は、端末装置2を背面側から見た斜視図である。
【0034】
図1(a)に示すように、充電装置1には、被充電装置である端末装置2がやや後方に傾くように立てられた状態で設置される。充電装置1は、いわゆる充電クレードルであり、端末装置2の充電を行う。充電装置1には、図示しない外部電源装置から所定電圧(たとえば、12V)の直流電力が供給される。
【0035】
端末装置2は、平板形状を有しており、いわゆるタブレット端末である。端末装置2は、正面2aに表示部21を備える。表示部21は、タッチパネルにより構成され、ユーザからの入力を受け付けるとともに画像を表示する。
【0036】
図1(b)に示すように、端末装置2の内部には、背面2b側に、扁平な受電コイル22aが配置された受電コイル基板22と、2つの磁石23とが配置される。受電コイル22aは、パターンコイルであり、たとえば渦巻状を有し、充電装置1の送電コイル210から電力を受け取る。2つの磁石23は、受電コイル基板22の左方と右方に位置する。さらに、端末装置2の底面2cには、中央部に、位置決め凹部24が形成される。
【0037】
図2は、前方上方から見た充電装置1の斜視図である。図3は、後方上方から見た充電装置1の斜視図である。図4は、前方下方から見た充電装置1の斜視図である。図5(a)は、前方上方から見た、メインキャビネット110が取り外された状態の充電装置1の斜視図であり、図5(b)は、後方上方から見た、フェライトシート230および両面粘着シート250が装着されたコイル基板200の斜視図である。図6は、後方上方から見た、メインキャビネット110が取り外された状態の充電装置1の斜視図である。図7は、後方上方から見た、メインキャビネット110およびシールドケース420が取り外された状態の充電装置1の斜視図である。図8は、充電装置1の側面断面図である。図9は、充電装置1の正面断面図である。図8では、左右方向における中心の位置で充電装置1が切断されている。図9では、前後方向におけるキャビネット100の第1開口部141および第2開口部142の位置で充電装置1が切断されている。図8には、便宜上、端末装置2の一部が一点鎖線で描かれている。
【0038】
図2ないし図9を参照し、充電装置1の構成について、詳細に説明する。
【0039】
充電装置1は、キャビネット100を備える。キャビネット100の内部には、コイル基板200と、2つのセンサ基板300と、回路基板400と、DC電源基板500とが収納される。
【0040】
キャビネット100は、樹脂材料により形成され、メインキャビネット110とボトムキャビネット120とを含む。メインキャビネット110とボトムキャビネット120は、上下方向に結合されて、ネジ止め等の固定方法により固定される。
【0041】
メインキャビネット110は、平面視において長円に近い形状を有するとともに、側面視においてL字に近い形状を有し、底面が開口する。メインキャビネット110は、キャビネット100の天面部101、前側面部102、後側面部103、左側面部104および右側面部105を構成する。なお、各面部の間の角部は大きなR形状を有しており、R形状の中央が各面部の境界となる。
【0042】
ボトムキャビネット120は、メインキャビネット110の底面の開口を塞ぎ、キャビネット100の底面部106を構成する。ボトムキャビネット120は、前後方向に離れて位置する、ほぼ半長円板状の第1底壁部121および第2底壁部122と、第1底壁部121の後端縁から鉛直方向に対して後方に傾くように立ち上がる、ほぼ方形板状の第1隔壁部123と、第2底壁部122の前端縁からほぼ鉛直方向に立ち上がる、ほぼ方形板状の第2隔壁部124と、第1隔壁部123の上端と第2隔壁部124の上端との間に繋がる天壁部125とを含む。第1底壁部121および第2底壁部122の外周縁は、それぞれ、第1外周リブ121aおよび第2外周リブ122aにより囲まれる。第1隔壁部123と第2隔壁部124の左右の端部は、ほぼ台形状の連結板126により連結される。
【0043】
キャビネット100には、前側の位置に、端末装置2が着脱可能に設置される設置部130が設けられる。設置部130は、端末装置2の形状に対応した凹形状を有し、左右の端部が開放されている。
【0044】
キャビネット100の天面部101は、前側に位置する前天面部101aが後側に位置する後天面部101bよりも低くされた構成を有する。設置部130は、前天面部101aの後端縁からほぼ鉛直方向に立ち下がる板状の前設置面部131と、前設置面部131の下端縁から後方へ緩やかに下る板状の底設置面部132と、底設置面部132の後端縁から鉛直方向に対して後方に傾くように立ち上がり後天面部101bの前端縁へ繋がる板状の後設置面部133とを含む。
【0045】
前設置面部131には、左右の端部に、後設置面部133に向かって突出する突起部134が設けられる。突起部134は、側面視においてほぼ逆三角形状を有する。底設置面部132には、中央部に、位置決め突部135が設けられる。位置決め突部135は、端末装置2の位置決め凹部24に対応する形状を有する。
【0046】
2つの突起部134および位置決め突部135は、メインキャビネット110と別体である補助部材130aに形成される。補助部材130aは、メインキャビネット110に裏側から取り付けられる。補助部材130aにおける位置決め突部135の近傍部分が、ボトムキャビネット120の第1底壁部121に設けられた支持台部127により下方から支えられる(図8参照)。これにより、位置決め突部135が上方から強く押されても下方に変形しにくくなる。
【0047】
後設置面部133は、ほぼ長方形状の送電面136を有する。さらに、後設置面部133には、送電面136の左右の両側に、送電面136よりも張り出す張出部137が上下方向に延びるように設けられる。
【0048】
キャビネット100には、左側面部104および右側面部105に、第1開口部141および第2開口部142が設けられる。第1開口部141は、両側面部104、105の上部に設けられ、上下方向に長いほぼ長方形状を有する。第2開口部142は、両側面部104、105の下端部に設けられ、前後方向に長いほぼ長方形状を有する。さらに、キャビネット100には、前天面部101aの左右方向の中央に、設置部130に設置されたときの端末装置2の中央の位置を示す目印107が形成される。
【0049】
キャビネット100の底面部106には、第1底壁部121と第2底壁部122との間に、ほぼ長方形状の第3開口部143が設けられる。両側面部104、105の第2開口部142が第3開口部143に繋がっている。
【0050】
キャビネット100の底面部106には、四隅に、4つの脚150が設けられる。脚150は、たとえば、ゴム製であり、ほぼ長円板状を有する。充電装置1がテーブル等の設置面に設置されたとき、第3開口部143と設置面と間には、脚150の高さ分の隙間が形成され、第3開口部143が設置面で塞がれない。
【0051】
キャビネット100には、底面部106の後部、即ち第2底壁部122における右側の位置に、上方に凹む方形状のプラグ収容部160が設けられ、後側面部103のプラグ収容部160に対応する位置に、プラグ挿入口161が設けられる。
【0052】
第1隔壁部123、第2隔壁部124および天壁部125は、キャビネット100の底面部106から立ち上がる隔壁部108を構成する。隔壁部108の上端部には、左端部と右端部とに、方形の溝状を有する信号線通路171が形成され、右端部の信号線通路171の左隣りに、信号線通路171よりも深い方形の溝状を有する送電線通路172が形成される。
【0053】
図8に示すように、キャビネット100の内部は、水平方向、即ち前後方向に並ぶ第1隔壁部123と第2隔壁部124とにより、第1室R1と、第1隔壁部123により第1室R1と隔てられた第2室R2と、第2隔壁部124により第2室R2と隔てられた第3室R3と、に区画される。第1室R1内には、コイル基板200と2つのセンサ基板300とが配置される。第3室R3内には、回路基板400とDC電源基板500とが配置される。
【0054】
コイル基板200は、左右方向に長い長方形状を有する。コイル基板200の一方の面には、扁平な送電コイル210が配置される。送電コイル210は、パターンコイルであり、たとえばC字状をする。送電コイル210は、他の形状、たとえば、渦巻き状であってもよい。さらに、コイル基板200の一方の面には、右端部に、熱導電性の高い材料により形成された方形状の放熱シート220が装着される。
【0055】
コイル基板200の他方の面には、正面視において送電コイル210と重なるように、方形状のフェライトシート230が配置される。フェライトシート230は、その表面に塗布された粘着剤によりコイル基板200に張り付けられ、コイル基板200の他方の面から漏れる電磁波を吸収する。さらに、コイル基板200の他方の面には、正面視において送電コイル210に重ならない右端部の位置に、コネクタ240が配置される。コイル基板200におけるコネクタ240が配置された部分の周辺が、放熱シート220に覆われる。
【0056】
フェライトシート230には、コイル基板200と反対側の面に、フェライトシート230とほぼ同じサイズを有する方形状の両面粘着シート250が張り付けられる。
【0057】
第1室R1内において、コイル基板200は、両面粘着シート250により、第1隔壁部123の中央部に装着される。コイル基板200は、鉛直方向に対して第2室R2側に傾き、設置部130の後設置面部133に、僅かな隙間を有して近接する。後設置面部133の送電面136が、コイル基板200、即ち送電コイル210の正面に位置する。
【0058】
コイル基板200、即ち送電コイル210は、後設置面部133と平行であり、鉛直方向に対して後方、即ち第2室R2側に傾く。第1隔壁部123は、鉛直方向に対して後方に傾くように構成され、送電コイル210と平行となる。このように、第1隔壁部123を送電コイル210に合わせて傾けることにより、前後方向、即ち第1室R1、第2室R2および第3室R3が並ぶ方向に、第2室R2を広くすることができる。これにより、第1室R1内と第3室R3内との間に形成される空気層を厚くすることができる。
【0059】
第1隔壁部123には、コイル基板200の下側に、上下方向に延びる4本のリブ123aが、左右方向に並ぶように設けられ、コイル基板200の右左両側に、上下方向に延びるリブ123bが設けられる。さらに、後設置面部133には、コイル基板200の上側に、上下方向に延びる2本のリブ133aが設けられる。コイル基板200は、下側の4本のリブ123aと、左右両側の2本のリブ123bと、上側の4本のリブ133aとで囲まれることにより、上下方向および左右方向に動かないようにされている。
【0060】
2つのセンサ基板300は、長方形状を有し、第1隔壁部123におけるコイル基板200の左方および右方に位置に、両面粘着シート(図示せず)により装着される。センサ基板300は、コイル基板200と同様、第1隔壁部123側の3つのリブ123cと後設置面部133側のリブ(図示せず)とで囲まれることにより、上下方向および左右方向に動かないようにされている。センサ基板300には、ホールIC310が実装される。端末装置2が設置部130に設置されて、2つの磁石23が2つのホールIC310に接近すると、ホールIC310から検出信号が出力される。
【0061】
回路基板400は、左右方向に長い長方形状を有する。回路基板400には、送電コイル210に送電する送電回路410が実装される。送電回路410は、FET(電界効果トランジスタ)等からなるスイッチンチング回路やマイクロコンピュータ等からなる制御回路を含み、DC電源基板500から送られてきた直流電力を交流電力に変換する。送電回路410には、回路動作時に大きく発熱する幾つかの電装部品が、発熱部品411として含まれる。このため、充電装置1による端末装置2の充電の際、回路基板400は、コイル基板200に比べて高温となる。発熱部品411として、たとえば、ノイズ対策用のインダクタ、FETを保護するための還流ダイオード、FETをスイッチング制御するゲートドライバICなどを挙げることができる。
【0062】
第3室R3内において、回路基板400は、第2隔壁部124と対面するように配置される。回路基板400の4つの角部が、第2隔壁部124に設けられた4つの取付ボス124aに4本のネジ610により固定される。これにより、回路基板400は、第2隔壁部124に、当該第2隔壁部124と所定の隙間を有して取り付けられる。
【0063】
回路基板400は、第2隔壁部124側に寄せられて配置されており、回路基板400と第2隔壁部124との距離が、回路基板400と後側面部103(回路基板400と対面する側面部)との距離よりも近くなっている。
【0064】
回路基板400には、送電回路410を覆うように、金属製のシールドケース420が装着される。シールドケース420は、送電回路410から発生するノイズを遮断する。
【0065】
2つのセンサ基板300から延びる一対の信号線320が、第1室R1内から信号線通路171を通されて第3室R3内に導入され、回路基板400に接続される。信号線320により送られてきたホールIC310からの検出信号は、送電回路410の制御回路に入力される。
【0066】
回路基板400から延びる一対の送電線430が、第3室R3内から送電線通路172を通されて第1室R1内に導入され、コイル基板200に接続される。この際、一対の送電線430の先端に設けられたコネクタ440がコイル基板200のコネクタ240に接続される。送電回路410から出力された交流電力が、送電線430を介してコイル基板200に送られ、送電コイル210に入力される。
【0067】
DC電源基板500は、第3室R3内の底部に配置される。DC電源基板500の3つの角部が、第2底壁部122に設けられた3つの取付ボス122bに3本のネジ620により固定される。これにより、DC電源基板500は、第2底壁部122に、当該第2底壁部122と所定の隙間を有して取り付けられる。
【0068】
DC電源基板500には、第2底壁部122と対向する面にDCジャック510が配置される。DCジャック510の接続口511がプラグ収容部160内に露出する。外部電源装置から延びる出力プラグが、プラグ挿入口161を通じてプラグ収容部160内に収容され、DCジャック510に接続される。
【0069】
DC電源基板500と回路基板400との間に送電線520が接続される。外部電源装置からDCジャック510を介してDC電源基板500に入力された直流電力が、送電線520を通じて回路基板400に送られる。
【0070】
キャビネット100の両側面部104、105に設けられた第1開口部141および第2開口部142と、キャビネット100の底面部106に設けられた第3開口部143は、第2室R2内とキャビネット100の外部とを連通させる。両側面部104、105において、第1開口部141は、回路基板400の下端縁よりも高い位置に設けられ、第2開口部142は、回路基板400の下端縁よりも低い位置に設けられる(図8参照)。第3開口部143は、第2室R2の底面の全体が開口するような構成とされる。第1開口部141、第2開口部142および第3開口部143は、第2室R2内からの放熱のために設けられた開口部である。
【0071】
次に、充電装置1による端末装置2の充電動作について説明する。
【0072】
充電が行われる際には、端末装置2が、上方から充電装置1の設置部130に設置される。設置部130の位置決め突部135が、端末装置2の位置決め凹部24内に挿入される。端末装置2の背面2bが、後設置面部133の左右の張出部137に接触するとともに、後設置面部133の送電面136に接触しない状態で近接対向する。端末装置2の受電コイル22aが、受電面である背面2bおよび送電面136を挟んで、送電コイル210と対向する。端末装置2の下部が2つの突起部134と後設置面部133とに挟み込まれ、端末装置2が前後方向にがたつきにくくなる。
【0073】
端末装置2の2つの磁石23が2つのホールIC310に接近し、ホールIC310から検出信号が回路基板400の送電回路410に送られる。送電回路410が動作して、送電回路410から送電コイル210に交流電力が送られる。送電コイル210に送られた交流電力は、端末装置2の受電コイル22aに伝送される。端末装置2では、受電コイル22aが受け取った交流電力が受電回路(図示せず)により直流電力に変換され、当該直流電力によりバッテリー(図示せず)が充電される。
【0074】
なお、本実施形態では、充電装置1が磁気共鳴方式を採用しており、送電コイル210が、コンデンサ(図示せず)ともに共振回路を構成している。このため、送電コイル210から交流電力は、磁界共鳴により受電コイル22aに伝送される。充電装置1が、電磁誘導方式を採用することにより、送電コイル210から交流電力が、電磁誘導により受電コイル22aに伝送されてもよい。
【0075】
ここで、充電時、即ち送電回路410の動作時には、回路基板400が発熱部品411の発熱により高温となりやすい。しかしながら、回路基板400が配置された第3室R3は、送電コイル210が配置された第1室R1と隔離されており、しかも、第1室R1と第3室R3との間には、内部が空気層となる第2室R2が介在している。このため、回路基板400から放出された熱が第3室R3から第1室R1に伝播しにくく、送電コイル210が高温になりにくい。よって、送電面136が送電コイル210により加熱されて高温となることが生じにくく、送電面136に近接する端末装置2の背面2bが熱くなりにくい。
【0076】
特に、端末装置2の背面2bは、送電面136の両側に設けられた張出部137に接触するため、送電面136には接触しない。よって、端末装置2の背面2bが、一層、熱くなりにくい。
【0077】
回路基板400からの熱は、第2隔壁部124を介して第2室R2内に伝わり、第2室R2内の空気が温まる。温まった空気は、キャビネット100の両側面部104、105の上部に設けられた第1開口部141を通じてキャビネット100の外部に排出される。このとき、キャビネット100の両側面部104、105の下端部、即ち第1開口部141よりも低い位置に設けられた第2開口部142およびキャビネット100の底面部106に設けられた第3開口部143を通じて、外部から第2室R2内に空気が取り込まれる。第2室R2内では、下から上への自然な空気の流れが生じるため、第2室R2内の温まった空気が外部に排出されやすくなる。このように、第2室R2内では、外部へ放熱が行われるため空気が高温になりにくい。よって、回路基板400からの熱が送電コイル210側に、一層、伝播しにくくなる。
【0078】
第2隔壁部124の第2室R2側の壁面124bは、回路基板400からの熱により高温となる。しかしながら、この壁面124bは、第2室R2内、即ちキャビネット100の内部に存在する。よって、ユーザが熱くなった壁面124bに触れてしまう、ということが極めて生じにくい。
【0079】
なお、回路基板400は、第2隔壁部124に近付けられており、キャビネット100の後側面部103からは遠ざけられている。よって、後側面部103には、第2隔壁部124に比べて回路基板400からの熱が伝わりにくく、後側面部103は、高温になりにくい。
【0080】
コイル基板200では、一対の送電線430を通じて入力される交流電力により、送電線430の接続部であるコネクタ240の部分が局所的に熱くなりやすい。しかしながら、コイル基板200には、コネクタ240の周辺に放熱シート220が装着されており、コネクタ240の部分に発生する局所的な熱が放熱シート220により分散される。これにより、送電面136が局所的に熱くなって端末装置2の背面2bが局所的に熱くなる、ということが防止される。
【0081】
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
【0082】
充電装置1は、扁平な送電コイル210と、送電コイル210に送電する送電回路410が実装された回路基板400と、送電コイル210および回路基板400が収納されるキャビネット100と、を備える。キャビネット100には、送電コイル210の正面に位置し、充電装置1に設置された端末装置2の背面2bが近接対向する送電面136が設けられる。キャビネット100の内部は、水平方向に並ぶ板状の第1隔壁部123と板状の第2隔壁部124とにより、第1室R1と、第1隔壁部123により第1室R1と隔てられた第2室R2と、第2隔壁部124により第2室R2と隔てられた第3室R3と、に区画される。第1室R1内には、送電コイル210が配置され、第3室R3内には、回路基板400が、第2隔壁部124と対面するように配置される。
【0083】
この構成によれば、回路基板400から放出された熱が第3室R3から第1室R1に伝播しにくく、送電コイル210が高温になりにくい。これにより、送電面136が送電コイル210により加熱されて高温となることが生じにくく、端末装置2の背面2bが熱くなりにくい。
【0084】
さらに、回路基板400からの熱により高温となる第2隔壁部124の壁面124bがキャビネット100の内部に存在するので、ユーザが熱くなった壁面124bに触れてしまう、ということが生じにくい。
【0085】
さらに、充電装置1において、キャビネット100には、左側面部104および右側面部105の上部に、第2室R2内とキャビネット100の外部とを連通させる第1開口部141が設けられる。
【0086】
この構成によれば、回路基板400からの熱により温まった第2室R2内の空気を、第1開口部141を通じてキャビネット100の外部に排出できる。これにより、第2室R2内の空気が高温になりにくいので、回路基板400からの熱が送電コイル210側に、一層、伝播しにくくなる。
【0087】
さらに、充電装置1において、キャビネット100には、左側面部104および右側面部105における第1開口部141よりも低い位置に、第2室R2内とキャビネット100の外部とを連通させる第2開口部142が設けられる。
【0088】
この構成によれば、温まった空気が第1開口部141から排出されたときに第2開口部142を通じて外部から第2室R2内に空気が取り込まれる。これにより、第2室R2内において、下から上への自然な空気の流れが生じるので、第2室R2内の温まった空気が外部に排出されやすくなる。
【0089】
さらに、充電装置1において、キャビネット100には、底面部106に、第2室R2内とキャビネット100の外部とを連通させる第3開口部143が設けられる。そして、底面部106には、4つの脚150が設けられる。
【0090】
この構成によれば、温まった空気が第1開口部141から排出されたときに第3開口部143を通じて外部から第2室R2内に空気が取り込まれる。これにより、第2室R2内において、下から上への自然な空気の流れが生じるので、第2室R2内の温まった空気が外部に排出されやすくなる。しかも、底面部106には、4つの脚150が設けられているので、充電装置1が設置面に設置されたときに、第3開口部143が設置面で塞がらない。
【0091】
さらに、充電装置1において、送電コイル210および送電面136は、鉛直方向に対して第2室R2側に傾き、第1隔壁部123は、送電コイル210と平行となるように配置される。
【0092】
この構成によれば、第1室R1、第2室R2および第3室R3が並ぶ方向に、第2室R2を広くすることができるので、第1室R1内と第3室R3内との間に形成される空気層を厚くすることができる。
【0093】
さらに、充電装置1において、キャビネット100には、送電面136の両側に、送電面136よりも張り出して充電装置1に設置された端末装置2の背面2bに接触する張出部137が設けられる。
【0094】
この構成によれば、端末装置2の背面2bが、張出部137に接触するため送電面136には接触しない。これにより、端末装置2の背面2bが、一層、熱くなりにくい。
【0095】
さらに、充電装置1は、送電コイル210が配置されるコイル基板200と、送電コイル210に送電するために、回路基板400から延びてコイル基板200に接続される送電線430と、をさらに備える。コイル基板200には、送電線430が接続されるコネクタ240の周辺に放熱シート220が装着される。
【0096】
この構成によれば、コネクタ240の部分に発生する局所的な熱が放熱シート220により分散される。これにより、送電面136が局所的に熱くなって端末装置2の背面2bが局所的に熱くなる、ということが防止される。
【0097】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら制限されるものではない。
【0098】
たとえば、キャビネット100に設けられる第1開口部141、第2開口部142および第3開口部143の形状や大きさは、上記実施の形態に示された形態や大きさに限られるものではなく、適宜、変更できる。また、第1開口部141、第2開口部142および第3開口部143が多数の丸孔や角孔により構成されてもよい。さらに、第2開口部142は、第3開口部143に繋がらなくてもよい。
【0099】
さらに、上記実施形態では、第2室R2内に外部の空気を取り込むために、キャビネット100に第2開口部142および第3開口部143が設けられる。しかしながら、キャビネット100に第2開口部142および第3開口部143の一方のみが設けられてもよい。さらには、キャビネット100に、第2開口部142および第3開口部143の何れもが設けられない構成、あるいは、第2開口部142および第3開口部143だけでなく、第2室R2内から空気を排出するための第1開口部141が設けられない構成が採られてもよい。
【0100】
さらに、上記実施形態では、送電コイル210は、コイル基板200に形成されるパターンコイルである。しかしながら、送電コイル210は、他の扁平なコイル(平面コイル)、たとえば、線材を渦巻き状等に加工した平面コイルであってもよい。
【0101】
さらに、上記実施形態では、第1隔壁部123は、鉛直方向に対して第2室R2側に傾き、送電コイル210と平行となるように構成される。しかしながら、第1隔壁部123は、鉛直方向に延びるような構成とされてもよい。この場合、送電コイル210、即ちコイル基板200は、キャビネット100の後設置面部133における第1室R1内側の面(送電面136と反対の面)に取り付けられるとよい。
【0102】
さらに、上記実施形態では、キャビネット100における送電面136の両側に張出部137が設けられる。しかしながら、張出部137が設けられず、端末装置2の背面2bが送電面136には接触するような構成が採られてもよい。
【0103】
さらに、上記実施形態では、充電装置1は、端末装置2が設置されて充電される充電装置であった。しかしながら、本発明は、デジタルカメラ、デジタルムービーなどの電気機器あるいはバッテリー(2次電池)単体が設置されて充電される充電装置に適用することもできる。
【0104】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0105】
1 充電装置
2 端末装置(被充電装置)
2b 背面(一面)
100 キャビネット
104 左側面部(側面部)
105 右側面部(側面部)
106 底面部
123 第1隔壁部
124 第2隔壁部
136 送電面
137 張出部
141 第1開口部
142 第2開口部
143 第3開口部
150 脚
200 コイル基板
210 送電コイル
220 放熱シート
240 コネクタ(接続部)
400 回路基板
410 送電回路
430 送電線
R1 第1室
R2 第2室
R3 第3室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9