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特開2024-97552防草目地材、防草構造体および防草方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097552
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】防草目地材、防草構造体および防草方法
(51)【国際特許分類】
   E01H 11/00 20060101AFI20240711BHJP
   E01C 11/00 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
E01H11/00 A
E01C11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001077
(22)【出願日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】520307713
【氏名又は名称】関西電力送配電株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591008823
【氏名又は名称】株式会社カナエ
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168550
【弁理士】
【氏名又は名称】友廣 真一
(72)【発明者】
【氏名】辻村 卓也
(72)【発明者】
【氏名】杉林 強
(72)【発明者】
【氏名】足立 昌穗
(72)【発明者】
【氏名】深尾 剛士
(72)【発明者】
【氏名】山下 博道
(72)【発明者】
【氏名】中村 智
(72)【発明者】
【氏名】屋久 豪司
(72)【発明者】
【氏名】北野 晃平
(72)【発明者】
【氏名】由肥 万佳
【テーマコード(参考)】
2D051
【Fターム(参考)】
2D051AC04
2D051AG00
(57)【要約】
【課題】耐久性が高く、長期間にわたって防草効果を維持できる防草目地材、防草構造体および防草方法を提供する。
【解決手段】防草目地材4は、シリコン樹脂5と、シリコン樹脂5中に混合された顆粒状除草剤6とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、前記基材中に混合された除草剤とを備える防草目地材であって、
前記基材は、シリコン樹脂を含み、
前記除草剤は、顆粒状除草剤を含むことを特徴とする防草目地材。
【請求項2】
前記顆粒状除草剤は、ウレア化合物を含む請求項1に記載の防草目地材。
【請求項3】
前記顆粒状除草剤の平均粒径D50は、10~20μmである請求項1に記載の防草目地材。
【請求項4】
前記顆粒状除草剤の配合量は、前記基材100質量部に対して3~5質量部である請求項1に記載の防草目地材。
【請求項5】
目地を有する舗装体と、前記目地に充填された防草目地材とを備える防草構造体であって、
前記防草目地材が、請求項1~4のいずれか1項に記載の防草目地材である防草構造体。
【請求項6】
舗装体の目地の充填隙間に防草目地材を充填する充填工程を含む防草方法であって、
前記充填工程において、前記防草目地材として、請求項1~4のいずれか1項に記載の防草目地材を用いることを特徴とする防草方法。
【請求項7】
前記充填工程の前に、前記充填隙間を形成するために、前記目地に予め充填されている既存目地材を除去する除去工程をさらに含む請求項6に記載の防草方法。
【請求項8】
前記除去工程では、回転駆動されるワイヤーブラシを用いて前記既存目地材を除去する請求項7に記載の防草方法。
【請求項9】
前記充填隙間の幅が、1~3cmであって、かつ、前記充填隙間の深さが、1~3cmである請求項6に記載の防草方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防草目地材、防草構造体および防草方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、鉄塔敷地には、防草のため、敷地内にコンクリートなどの舗装体が形成されている。舗装体は、太陽光などにより膨張する。この膨張による舗装体の割れを防止するために、舗装体は、複数の小区間に分割されており、隣接する舗装体の境界には、目地材(伸縮材)が充填された目地が設けられている。
【0003】
しかしながら、目地材は保水力があるため、植物の種子が付着すると次第に目地材から草が繁茂するという問題がある。
【0004】
そこで、例えば、伸縮性のある基材に除草剤を混合した防草目地材が提案されるに至っている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2-27004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の防草目地材の基材としては、天然ゴムやブタジエンゴム等のゴム系材料が使用される場合が多く、太陽光に含まれる紫外線によって劣化しやすい。その結果、防草目地材の耐久性に問題がある。
【0007】
また、従来の防草目地材では、除草剤の混合方法によっては、雨水等によって、基材から除草剤が流出しやすく、防草効果を長期間にわたって維持できないという問題もある。特に、基材に液状の除草剤を混合した場合に、除草剤の流出が顕著となる。
【0008】
本発明は、耐久性が高く、長期間にわたって防草効果を維持できる防草目地材、防草構造体および防草方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 上記の課題を解決するために創案された本発明は、基材と、基材中に混合された除草剤とを備える防草目地材であって、基材は、シリコン樹脂を含み、除草剤は、顆粒状除草剤を含むことを特徴とする。
【0010】
このようにすれば、基材がシリコン樹脂を含むため、伸縮性を有しつつ太陽光に含まれる紫外線によって劣化しにくい。その結果、防草目地材の耐久性が向上する。また、顆粒状除草剤が基材中に混合されているため、雨水等によって除草剤が流出しにくく、基材中に除草剤が長期間にわたって残存する。その結果、防草目地材による防草効果が長期間にわたって持続する。
【0011】
(2) 上記(1)の構成において、顆粒状除草剤は、ウレア化合物を含むことが好ましい。
【0012】
このようにすれば、防草効果が高く、安全性も高い。
【0013】
(3) 上記(1)又は(2)の構成において、顆粒状除草剤の平均粒径D50は、10~20μmであることが好ましい。
【0014】
このようにすれば、基材中に顆粒状除草剤を効率よく分散させることができる。
【0015】
(4) 上記(1)~(3)のいずれかの構成において、顆粒状除草剤の配合量は、基材100質量部に対して3~5質量部であることが好ましい。
【0016】
このようにすれば、顆粒状除草剤の配合量が適正となり、基材中に顆粒状除草剤を効率よく分散させることができる。
【0017】
(5) 上記の課題を解決するために創案された本発明は、目地を有する舗装体と、目地に充填された防草目地材とを備える防草構造体であって、防草目地材が、上記(1)~(4)のいずれかの構成を備えた防草目地材であることを特徴とする。
【0018】
このようにすれば、上述の対応する構成と同様の作用効果を享受できる。
【0019】
(6) 上記の課題を解決するために創案された本発明は、舗装体の目地の充填隙間に防草目地材を充填する充填工程を含む防草方法であって、充填工程において、防草目地材として、上記(1)~(4)のいずれかの構成を備えた防草目地材を用いることを特徴とする。
【0020】
このようにすれば、上述の対応する構成と同様の作用効果を享受できる。
【0021】
(7) 上記(6)の構成において、充填工程の前に、充填隙間を形成するために、目地に予め充填されている既存目地材を除去する除去工程をさらに含むことが好ましい。
【0022】
このようにすれば、本発明に係る防草目地材を既存の舗装体にも適用できる。
【0023】
(8) 上記(7)の構成において、除去工程では、回転駆動されるワイヤーブラシなどを用いて既存目地材を除去することが好ましい。
【0024】
このようにすれば、既存目地材を簡単かつ確実に除去できるため、目地を区画形成する舗装体の側壁面を露出させやすい。その結果、充填工程で新たに充填される防草目地材と目地との密着性を良好に保つことができる。
【0025】
(9) 上記(6)~(8)のいずれかの構成において、充填隙間の幅が、1~3cmであって、かつ、充填隙間の深さが、1~3cmであることが好ましい。
【0026】
このようにすれば、防草目地材を充填隙間の奥まで充填しやすくなる。また、目地に対する防草目地材の密着性が良好となる。さらに、防草効果を維持しつつ、防草目地材の充填量を節約できるため経済的である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、耐久性が高く、長期間にわたって防草効果を維持できる防草目地材、防草構造体および防草方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】第一実施形態に係る防草構造体の平面図である。
図2図1のA-A断面図である。
図3】第一実施形態に係る防草方法に含まれる除去工程を説明するための断面図である。
図4】第一実施形態に係る防草方法に含まれる除去工程を説明するための断面図である。
図5】第一実施形態に係る防草方法に含まれる除去工程を説明するための断面図である。
図6】第一実施形態に係る防草方法に含まれる充填工程を説明するための断面図である。
図7】第一実施形態に係る防草方法に含まれる充填工程を説明するための断面図である。
図8】第一実施形態に係る防草方法に含まれる充填工程を説明するための断面図である。
図9】第二実施形態に係る防草構造体の断面図である。
図10】第三実施形態に係る防草構造体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。
【0030】
<第一実施形態>
(防草構造体および防草目地材)
図1および図2に示すように、本発明の第一実施形態に係る防草構造体1は、鉄塔敷地内に敷設された舗装体2を備える。
【0031】
舗装体2は、コンクリートやアスファルトなどから形成される。
【0032】
舗装体2は、太陽光の熱などによる舗装体2の膨張を吸収するために、複数の小区画に分割されている。隣接する舗装体2の境界には、目地3が設けられている。本実施形態では、平面視において、目地3は、直線状に延びる直線部3aと、直線部3a同士が交差する交差部3bとを有し、全体として格子状をなす。なお、目地3の平面視形状は、舗装体2の膨張を吸収できるものであれば特に限定されない。
【0033】
目地3は、隣接する舗装体2の対向する側壁面2aによって区画形成されている。目地3には、硬化された防草目地材4が充填されている。
【0034】
防草目地材4は、基材5と、基材5中に混合された除草剤6とを備える。
【0035】
本実施形態では、基材5は、シリコン樹脂である。シリコン樹脂5は、伸縮性を有し、耐紫外線特性にも優れる。その結果、防草目地材4の耐久性が向上する。
【0036】
本実施形態では、除草剤6は、顆粒状除草剤である。ここで、顆粒状除草剤6とは、例えば、粉末(一次粒子)を固めてやや大型の粒に成形(顆粒化)した除草剤を意味する。顆粒状除草剤6は、雨水等によって流出しにくく、シリコン樹脂5中に長期間にわたって残存する。その結果、防草目地材4による防草効果が持続し、目地3から草が繁茂するのを長期間(例えば10年間)にわたって抑制できる。したがって、草刈りに要するコストを大幅に削減できる。
【0037】
顆粒状除草剤6は、有効成分としてウレア(尿素)化合物を含むことが好ましい。詳細には、ウレア化合物としては、例えば、ジクロロフェニルジメチルウレア(DCMU)が挙げられる。ウレア化合物を有効成分とする顆粒状除草剤6であれば、シリコン樹脂5と混合しても、シリコン樹脂5に硬化不良や樹脂分離などの不具合が生じるのを防止できる。
【0038】
顆粒状除草剤6の平均粒径D50は、10~100μmであることが好ましく、10~50μmであることがより好ましく、10~20μmであることがさらに好ましい。このようにすれば、雨水等による顆粒状除草剤6の流出を抑制しつつ、シリコン樹脂5中に顆粒状除草剤6を効率よく分散させることができる。なお、顆粒状除草剤6の一次粒子の平均粒径D50は、例えば、10~20μmである。
【0039】
顆粒状除草剤6の配合量は、シリコン樹脂5を100質量部とした場合に、3~5質量部であることが好ましく、3~4質量部であることがより好ましく、3~3.5質量部であることがさらに好ましい。このようにすれば、顆粒状除草剤6の配合量が適正となるため、顆粒状除草剤6が過少になって防草効果が低下したり、顆粒状除草剤6が過剰になってコストが上昇したりするのを抑制できる。また、このように顆粒状除草剤6の配合量が適正化されると、目地3に充填された状態で、防草目地材4の表面に顆粒状除草剤6が集中しにくく、防草目地材4の表面に顆粒状除草剤6に起因する凹凸が形成されにくくなるという効果もある。なお、防草目地材4の表面に凹凸があると、植物の種子が付着しやすくなるという問題がある。
【0040】
隣接する舗装体2の対向する側壁面2a同士は、互いに略平行な面(略鉛直面)で構成される。その結果、目地材を充填しない状態では、目地3は、断面が略矩形状の空洞となる。本実施形態では、防草目地材4の幅方向両端面4aは、目地3を区画形成する舗装体2の側壁面2aと直接密着している。防草目地材4の断面形状は、略矩形状である。つまり、防草目地材4の幅W1は、目地3の幅W2と同じで、略一定である。
【0041】
防草目地材4の幅W1は、1cm~3cmであることが好ましく、1.5cm~2.5cmであることがより好ましく、2cm程度であることがさらに好ましい。
【0042】
防草目地材4の高さH1は、1cm~3cmであることが好ましく、1.5cm~2.5cmであることがより好ましく、2cm程度であることがさらに好ましい。
【0043】
本実施形態では、目地3の表層部には防草目地材4が充填されており、目地3の下層部には除草剤を含まない別の目地材7が充填されている。別の目地材7としては、例えば、除草剤を含まないアスファルトマスチック混合物、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂などの伸縮材(弾性材)が挙げられる。本実施形態では、防草目地材4の下面と目地材7の上面とが密着している。なお、目地材7は設けなくてもよい。目地材7を設けない場合、目地3の下層部は空洞であってもよいし、目地3の下層部にも防草目地材4を充填してもよい。
【0044】
(防草方法)
図3に示すように、本発明の第一実施形態に係る防草方法を、防草目地材4とは異なる目地材(既存目地材)7が目地3に予め充填された舗装体2を例にとって説明する。
【0045】
本実施形態に係る防草方法は、図4~8に示すように、除去工程S1と、充填工程S2とを、この順に含む。
【0046】
図4図5に示すように、除去工程S1では、目地3に予め充填されている既存目地材7の表層部を除去し、目地3に防草目地材4を充填するための充填隙間Gを形成する。
【0047】
既存目地材7の除去には、図4に示すように、電動工具が用いられる。本実施形態では、電動工具として、先端部にワイヤーブラシ11が装着された電動ドリル12が用いられる。ワイヤーブラシ11は、電動ドリル12の略鉛直方向に延びる回転軸回りに回転するようになっている。
【0048】
除去工程S1では、ワイヤーブラシ11を既存目地材7に押し当てた状態で、電動ドリル12によってワイヤーブラシ11を回転駆動することにより、既存目地材7を削り取りながら除去する。既存目地材7が除去された部分には充填隙間Gが形成される。ワイヤーブラシ11を用いれば、目地3の幅が変化した場合でも、既存目地材7を綺麗に除去し、舗装体2の側壁面2aを簡単に露出させることができる。その結果、後述する充填工程S2で新たに充填される防草目地材4と目地3との密着性が良好になる。なお、除去工程S1では、電動コンクリートカッターや電動サンダなどの他の電動工具や、カッターやミノなどの非電動工具を用いることもできる。ただし、仕上がり状態、施工性、施工時間などを考慮した場合、既存目地材7の除去には、ワイヤーブラシ11が装着された電動ドリル12を用いることが好ましい。
【0049】
図5に示すように、充填隙間Gの幅W3および深さH3の好ましい範囲は、上述の防草構造体1で説明した防草目地材4の幅W1および高さH1の好ましい範囲と同じである。
【0050】
充填工程S2では、まず、図6に示すように、目地3に沿って舗装体2の表面2bに剥離可能な保護層(例えば、マスキングテープなど)13を設置する。次に、図7に示すように、保護層13を設置した状態で、目地3の充填隙間Gに防草目地材4を充填する。この際、防草目地材4は、コーキングガンなどの供給装置14を用いて充填隙間Gに充填される。その後、図8に示すように、ヘラなどの均し部材15を用いて、充填隙間Gに充填された防草目地材4の表面を平滑化する。防草目地材4の表面を平滑化することにより、審美性の向上に加え、植物の種子が付着しにくくなるという効果が期待できる。防草目地材4の平滑化が終了した後は、防草目地材4を硬化させると共に、所定のタイミングで保護層13を舗装体2から剥離する。なお、図6図8では、保護層13は、視認を容易とするために模式的に厚く図示しているが、実際には、目地3に充填された防草目地材4の表面が舗装体2の表面2bと略同一高さになるように、非常に薄い厚さ寸法とされている。充填工程S2では、保護層13を設けずに、目地3の充填隙間Gに防草目地材4を充填してもよい。ただし、保護層13を設ければ、舗装体2の表面2bの不要箇所に防草目地材4が残存することがなく、防草目地材4の仕上がり形状(特に幅方向端縁の形状)が綺麗になるという利点がある。
【0051】
以上のような防草方法によれば、既設の舗装体2に対しても防草目地材4を適用し、草の繁茂を長期間にわたって確実に抑制できる。
【0052】
<第二実施形態>
(防草構造体)
本発明の第二実施形態では、防草構造体1の変形例を例示する。図9に示すように、本実施形態に係る防草構造体1では、防草目地材4の幅方向両端面4aと、舗装体2の側壁面2aとの間に、既存目地材(除草剤を含まない目地材)7の層7aが介在している。つまり、防草構造体1は、第一実施形態で説明したように、舗装体2の側壁面2aと防草目地材4の幅方向両端面4aとが、直接密着している場合に限定されない。ただし、防草目地材4の密着力を向上させる観点からは、第一実施形態で説明したように、舗装体2の側壁面2aと防草目地材4の幅方向両端面4aとが、直接密着していることが好ましい。
【0053】
<第三実施形態>
(防草構造体)
本発明の第二実施形態では、防草構造体1の変形例を例示する。図10に示すように、本実施形態に係る防草構造体1では、目地3に充填された防草目地材4の幅方向両端面4aが、下方に向かうに連れて互いに漸次接近する傾斜面で構成されている。同様に、隣接する舗装体2のそれぞれの側壁面2aも、防草目地材4に対応する位置に、下方に向かうに連れて互いに漸次接近する傾斜面2xを有する。そして、舗装体2の側壁面2aの傾斜面2xと、傾斜面からなる防草目地材4の幅方向両端面4aとが、直接密着している。このようにすれば、目地3に防草目地材4を充填させやすくなる。その一方で、防草目地材4の充填量が多くなったり、防草目地材4の一部に剥離が生じると剥離が伸展しやすくなったりする傾向がある。したがって、コスト面や耐久性などの観点からは、第一実施形態で説明したように、隣接する舗装体2のそれぞれの側壁面2aは、互いに略平行な面(略鉛直面)で構成され、かつ、防草目地材4の幅方向両端面4aは、互いに略平行な面(略鉛直面)で構成されることが好ましい。
【0054】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0055】
上記の実施形態において、防草目地材4は、目地3の外側に食み出した食み出し部を有していてもよい。例えば、食み出し部は、舗装体2の表面2bよりも上方位置で目地3の幅方向両側に突出し、目地3に近接する舗装体2の表面2bの一部を覆うように形成される。ただし、食み出し部は、厚みが薄く、防草目地材4の剥離起点(弱点部)となるおそれがある。したがって、防草目地材4の耐久性を考慮した場合には、食み出し部は設けないことが好ましい。
【0056】
上記の実施形態では、防草構造体1、防草目地材4およびこれらを用いた防草方法を鉄塔敷地に適用する場合を例示したが、適用場所は鉄塔敷地に限定されず、例えば、道路、歩道、駐車場、公園、住宅の庭などにも適用できる。
【0057】
上記の実施形態において、防草目地材4の基材5は、主成分がシリコン樹脂であれば、補助的に他の伸縮材(例えば、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂など)をさらに含んでいてもよい。
【0058】
上記の実施形態において、除草剤6は、主成分が顆粒状除草剤であれば、液状又は微粒子状の除草剤などをさらに含んでいてもよい。
【0059】
上記の実施形態では、既設の舗装体2に防草目地材4を適用する場合を説明したが、新設の舗装体2の目地3に防草目地材4を適用することもできる。この場合、防草方法における除去工程S1は適宜省略される。
【符号の説明】
【0060】
1 防草構造体
2 舗装体
2a 側壁面
3 目地
3a 直線部
3b 交差部
4 防草目地材
5 シリコン樹脂(基材)
6 顆粒状除草剤
7 既存目地材
11 ワイヤーブラシ
12 電動ドリル
13 保護層
14 供給装置
15 均し部材
G 充填隙間
S1 除去工程
S2 充填工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10