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特開2024-97558手元スイッチユニットおよび電動ベッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097558
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】手元スイッチユニットおよび電動ベッド
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/05 20060101AFI20240711BHJP
   A47C 19/22 20060101ALI20240711BHJP
   A47C 20/04 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A61G7/05
A47C19/22 Z
A47C20/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001091
(22)【出願日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】細川 雄史
(72)【発明者】
【氏名】松本 孝樹
(72)【発明者】
【氏名】勝田 聖也
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040AA30
4C040GG20
(57)【要約】
【課題】使い勝手のよい手元スイッチユニットおよび電動ベッドを提供する。
【解決手段】手元スイッチと、前記手元スイッチの置き場となるスタンドと、を備えた手元スイッチユニットであって、前記手元スイッチは、ケーシングと、前記ケーシングに設けられた操作部と、前記ケーシングに設けられた照明部と、を有し、前記スタンドは、ベッドに取り付けられる取付部と、前記ケーシングを保持する保持部と、を有し、前記保持部は、前記照明部から照射される光を透過させる透過部を有していることを特徴とする手元スイッチユニット。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手元スイッチと、前記手元スイッチの置き場となるスタンドと、を備えた手元スイッチユニットであって、
前記手元スイッチは、
ケーシングと、
前記ケーシングに設けられた操作部と、
前記ケーシングに設けられた照明部と、
を有し、
前記スタンドは、
ベッドに取り付けられる取付部と、
前記ケーシングを保持する保持部と、
を有し、
前記保持部は、前記照明部から照射される光を透過させる透過部を有していることを特徴とする手元スイッチユニット。
【請求項2】
前記透過部には、前記光の照射範囲を広げる拡散板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の手元スイッチユニット。
【請求項3】
前記スタンドは、前記取付部に対して前記保持部の位置を変えるための可動部をさらに有していることを特徴とする請求項1に記載の手元スイッチユニット。
【請求項4】
前記照明部は、前記操作部と対向する面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の手元スイッチユニット。
【請求項5】
前記手元スイッチは、前記ケーシングを自立させる脚部をさらに有していることを特徴とする請求項1に記載の手元スイッチユニット。
【請求項6】
電気的に駆動する駆動装置を有するベッドと、
前記駆動装置を作動させるための手元スイッチと、
前記ベッドに設けられ、前記手元スイッチの置き場となるスタンドと、
を備えた電動ベッドであって、
前記手元スイッチは、
ケーシングと、
前記ケーシングに設けられ、前記駆動装置を作動させるための操作部と、
前記ケーシングに設けられた照明部と、
を有し、
前記スタンドは、
前記ベッドに取り付けられる取付部と、
前記ケーシングを保持する保持部と、
を有し、
前記保持部は、前記照明部から照射される光を透過させる透過部を有していることを特徴とする電動ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、手元スイッチユニットおよび電動ベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
電動ベッドにおいて、照明用のランプを備えた手元スイッチが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-10101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された手元スイッチは、使用者が手で持って使用しなければならず、使い勝手が悪いおそれがある。
【0005】
本発明の実施形態の目的は、使い勝手のよい手元スイッチユニットおよび電動ベッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る手元スイッチユニットは、手元スイッチと、前記手元スイッチの置き場となるスタンドと、を備えている。前記手元スイッチは、ケーシングと、前記ケーシングに設けられた操作部と、前記ケーシングに設けられた照明部と、を有し、前記スタンドは、ベッドに取り付けられる取付部と、前記ケーシングを保持する保持部と、を有し、前記保持部は、前記照明部から照射される光を透過させる透過部を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、使い勝手のよい手元スイッチユニットおよび電動ベッドを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る電動ベッドを示す斜視図である。
図2】電動ベッドの電気系を示すブロック図である。
図3】手元スイッチを単体で示す正面図、側面図、および背面図である。
図4図1中の手元スイッチユニットを拡大して示す斜視図である。
図5】手元スイッチユニットを単体で示す斜視図である。
図6図5中の手元スイッチを保持部から取り外した状態を示す分解斜視図である。
図7】手元スイッチの照明部から照射される光の照射範囲の一例を示す平面図である。
図8】保持部の透過部を後方に向けた場合の光の照射範囲の一例を示す側面図である。
図9】保持部の透過部を後方に向けた場合の光の照射範囲の一例を示す平面図である。
図10】本発明の第1変形例に係る手元スイッチユニットを示す側面図である。
図11】本発明の第2変形例に係る手元スイッチユニットを示す側面図である。
図12】本発明の第3変形例に係る手元スイッチユニットを示す側面図および平面図である。
図13】本発明の第4変形例に係る手元スイッチユニットを示す斜視図である。
図14】本発明の第5変形例に係る手元スイッチを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係るベッドについて、図1図14を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る電動ベッドを示す斜視図である。
図2は、電動ベッドの電気系を示すブロック図である。
図1に示す電動ベッド10は、例えば介護施設、病院、および個人宅に用いられ、背もたれや膝部などの高さを電動で作動可能となっている。電動ベッド10は、図1中の左斜め上側が頭側であり、図1中の右斜め下側が足側となっている。実施形態では、頭側と足側との方向を前後方向としている。そして、電動ベッド10は、ベッド20と、手元スイッチユニット50と、を備えている。
【0011】
ベッド20は、ベースフレーム21、メインフレーム22、サイドフレーム24、およびボトムフレーム25を有している。ベースフレーム21は、例えば枠状に形成されている。ベースフレーム21は、前後方向の端部に床面に載置される脚座21aを有している。
【0012】
メインフレーム22は、ベースフレーム21の上方に位置している。メインフレーム22は、ベッド20の左右方向(短手方向)に離間して2個設けられ、前後方向に延びている。メインフレーム22は、例えば昇降機構を介してベースフレーム21に支持されている。
【0013】
メインフレーム22は、ベースフレーム21に対して上下方向に移動可能となっている。図1に示すように、メインフレーム22の前端には、ヘッドボード23が取り付けられている。ヘッドボード23は、必要に応じて設けられる。なお、ベッド20は、足側にフットボードが設けられていてもよい。
【0014】
サイドフレーム24は、メインフレーム22から左右方向に突出して設けられている。サイドフレーム24には、図示しない柵体などが取り付けられる。この例では、サイドフレーム24にカバー24aが取り付けられている。サイドフレーム24は、必要に応じて設けられている。
【0015】
ボトムフレーム25は、メインフレーム22の左右方向の内側に位置して、前後方向に延びている。すなわち、ボトムフレーム25は、メインフレーム22に並列している。ボトムフレーム25は、ベッド20の左右方向(短手方向)に離間して2個設けられている。ボトムフレーム25は、後述する複数のボトム部材27を支持する。
【0016】
ボトムフレーム25は、背ボトム30を支持する背部フレーム25a、腰ボトム32を支持する腰部フレーム25b、膝ボトム34を支持する膝部フレーム25c、および脚ボトム36を支持する脚部フレーム25dを有している。背部フレーム25a、腰部フレーム25b、膝部フレーム25c、および脚部フレーム25dは、ベッド20の左右方向(短手方向)に離間して2個設けられている。
【0017】
背部フレーム25aは、ベッド20の前端側に位置して、前後方向に延びている。背部フレーム25aは、背ボトム30を裏側から支持している。背部フレーム25aは、第1駆動装置40の作動により、腰部フレーム25bに対して起倒可能(屈曲可能)となっている。背部フレーム25aは、第1駆動装置40の作動により、後端側を回動支点として前端側が上下動する。図1に示すベッド20は、背部フレーム25aが起き上がった状態となっている。
【0018】
腰部フレーム25bは、背部フレーム25aの後方に位置して前後方向に延びている。腰部フレーム25bは、腰ボトム32を裏側から支持している。腰部フレーム25bは、メインフレーム22に固定されている。
【0019】
膝部フレーム25cは、腰部フレーム25bの後方に位置して前後方向に延びている。膝部フレーム25cは、膝ボトム34を裏側から支持している。膝部フレーム25cは、腰部フレーム25bに対して回動可能に連結されるとともに、脚部フレーム25dに対して回動可能に連結されている。
【0020】
脚部フレーム25dは、膝部フレーム25cの後方に位置して前後方向に延びている。脚部フレーム25dは、脚ボトム36を裏側から支持している。脚部フレーム25dは、膝部フレーム25cに対して屈曲可能となっている。
【0021】
ボトム部材27は、ボトムフレーム25の上に固定され、メインフレーム22上およびボトムフレーム25上に前後方向に並んで複数個設けられている。各ボトム部材27は、左右方向に離間するボトムフレーム25にわたって左右方向に延びている。図1に示すように、この例では、10個のボトム部材27が設けられている。ボトム部材27は、上面が図示しないマットレスの載置面27aとなっており、マットレスおよびマットレス上の人体を支持する。
【0022】
各ボトム部材27は、背ボトム30、腰ボトム32、膝ボトム34、および脚ボトム36を構成する。背ボトム30は、頭側(前側)から4個のボトム部材27により構成されている。すなわち、この4個のボトム部材27は、背部フレーム25aに固定されている。背ボトム30は、ベッド20上に横たわる使用者の頭部ないし背中を支持する。
【0023】
腰ボトム32は、背ボトム30の後方に位置して、1個のボトム部材27により構成されている。すなわち、この1個のボトム部材27は、腰部フレーム25bに固定されている。腰ボトム32は、ベッド20上に横たわる使用者の腰部ないし臀部を支持する。
【0024】
膝ボトム34は、腰ボトム32の後方に位置して、2個のボトム部材27により構成されている。すなわち、この2個のボトム部材27は、膝部フレーム25cに固定されている。膝ボトム34は、ベッド20上に横たわる使用者の大腿部を支持する。
【0025】
脚ボトム36は、膝ボトム34の後方に位置して、3個のボトム部材27により構成されている。すなわち、この3個のボトム部材27は、脚部フレーム25dに固定されている。脚ボトム36は、ベッド20上に横たわる使用者の下腿部を支持する。
【0026】
各ボトム部材27の下方には、背部フレーム25aを起倒させる背もたれ機構、膝部フレーム25cおよび脚部フレーム25dを起倒させる膝上げ機構、メインフレーム22およびボトムフレーム25を昇降させる昇降機構、および各機構の作動を制御する制御装置46が設けられている。
【0027】
背もたれ機構、膝上げ機構、および昇降機構は、例えば電動シリンダからなる駆動装置をそれぞれ有している。背もたれ機構は、第1駆動装置40の作動により、背部フレーム25aを起倒させる。膝上げ機構は、第2駆動装置42の作動により、膝部フレーム25cと脚部フレーム25dとを山折り状に屈曲させる。昇降機構は、第3駆動装置44の作動により、メインフレーム22およびボトムフレーム25を昇降させる。これにより、ベッド20は、床面からボトム部材27までの高さ寸法が調節される。
【0028】
制御装置46は、第1~第3駆動装置40、42、44の作動を制御する。制御装置46は、後述する手元スイッチ60に接続されている。制御装置46は、記憶部46aを有している。記憶部46aには、第1~第3駆動装置40、42,44を作動させるためのプログラムが記憶されている。制御装置46は、手元スイッチ60から送信された指令信号に基づいて、第1~第3駆動装置40、42、44を作動させる。
【0029】
次に、ベッド20に設けられる手元スイッチユニット50について説明する。手元スイッチユニット50は、手元スイッチ60と、スタンド70と、を備えている。
【0030】
図3は、手元スイッチを単体で示す正面図、側面図、および背面図である。図3(a)は、手元スイッチの操作部をみた正面図である。図3(b)は、手元スイッチを側方からみた側面図である。図3(c)は、手元スイッチの操作部とは反対側をみた背面図である。
【0031】
手元スイッチ60は、ベッド20の第1~第3駆動装置40、42、44を作動させるためのリモコンとなっている。手元スイッチ60は、例えばケーブル60aにより制御装置46に接続されている。なお、手元スイッチ60は、無線により制御装置46と通信可能となっていてもよい。使用者は、手元スイッチ60を操作することにより、背ボトム30、膝ボトム34、および脚ボトム36の起倒および床面からの高さを変更させることができる。そして、手元スイッチ60は、ケーシング61、操作部63、および照明部69を有している。
【0032】
ケーシング61は、表面部61aと、表面部61aに対面する裏面部61bと、表面部61aと裏面部61bとの間を接続する側面部61cと、を有している。図3(a)に示すように、ケーシング61の表面部61aには、操作部63が設けられている。操作部63は、例えば第1~第10ボタン63a~63jを有している。なお、操作部63は、タッチパネルなどでもよい。
【0033】
第1、第2ボタン63a、63bは、例えば第1駆動装置40を作動させるためのものである。第1ボタン63aは、第1駆動装置40のロッドを伸長させて、背ボトム30を上げるために操作されるスイッチである。第2ボタン63bは、第1駆動装置40のロッドを縮小させて、背ボトム30を下げるために操作されるスイッチである。
【0034】
第3、第4ボタン63c、63dは、例えば第3駆動装置44を作動させるためのものである。第3ボタン63cは、第3駆動装置44のロッドを伸長させて、各ボトム30、32、34、36の高さを上げるために操作されるスイッチである。第3ボタン63cは、第3駆動装置44のロッドを縮小させて、各ボトム30、32、34、36の高さを下げるために操作されるスイッチである。
【0035】
第5、第6ボタン63e、63fは、例えば第2駆動装置42を作動させるためのものである。第5ボタン63eは、第2駆動装置42のロッドを伸長させて、膝ボトム34および脚ボトム36を上げるために操作されるスイッチである。第6ボタン63fは、第2駆動装置42のロッドを縮小させて、膝ボトム34および脚ボトム36を下げるために操作されるスイッチである。
【0036】
第7~第9ボタン63g、63h、63iは、例えば制御装置46の記憶部46aに記憶されたベッド20の姿勢にするスイッチとなっている。例えば、第7ボタン63gを操作した場合には、第1駆動装置40と第2駆動装置42とが同時に作動して、背ボトム30と、膝ボトム34および脚ボトム36が同時に起倒する。第7~第9ボタン63g、63h、63iには、例えば使用者が好む姿勢(よく使う姿勢)を記憶させることができる。
【0037】
第10ボタン63jは、後述する照明部69の点灯および消灯を制御するためのスイッチである。第10ボタン63jは、例えば短押しすることで、照明部69の点灯および消灯を行うことができ、長押しすることで照明部69の明るさを段階的に変えることができるようになっている。例えば、最初に短押しをして、照明部69が点灯し、次に長押しをする。すると照明部69はより明るくなる。次に長押しすると、照明部69の明るさは最初の点灯時より、暗くなる。つまり、長押しするたびに、通常の明るさ、通常より明るい明るさ、通常より暗い明るさの3段階の明るさに変えることができる。長押しの時間は数秒から10秒程度、例えば3秒である。そして、照明部69が点灯しているときに、第10ボタン63jを短押しすると、照明部69の明るさがどの段階であっても消灯する。照明部69が点灯する際は、すぐに明るくなっても構わないし、ゆっくり明るくなっても構わない。
【0038】
図3に示すように、裏面部61bは、第1部位61b1と、第1部位61b1から突出する第2部位61b2と、により段付き状に形成されている。第2部位61b2は、第1部位61b1の中央部に位置している。
【0039】
第1部位61b1の内部には、金属板65が設けられている。金属板65は、後述の保持部75に設けられたマグネット76との磁力により、スタンド70から手元スイッチ60が落ちないように設けられたものである。第2部位61b2には、ケーシング61の長手方向に延びるカバー67が設けられている。このカバー67は、透明または半透明となっており、後述の照明部69から照射される光を透過させる。カバー67を部分的に透明にしたり、半透明にしたり、光を透過させないようにすることで、例えば、照明部69の端部のみ照射させたり、横の箇所からのみ照射させたり、横の箇所のみ透過させずにしても構わない。
【0040】
照明部69は、ケーシング61の裏面部61bに設けられている。すなわち、照明部69は、操作部63と対向する面に設けられている。これにより、操作部63の影響を受けることなく、裏面部61bの広い範囲に照明部69を設けることができる。その結果、照明部69は、照射範囲を広くすることができる。照明部69は、例えばLEDとなっており、カバー67の内部に設けられている。なお、照明部69は、ケーシング61の表面部61aや側面部61cに設けられていてもよい。
【0041】
図4は、図1中の手元スイッチユニットを拡大して示す斜視図である。
図5は、手元スイッチユニットを単体で示す斜視図である。
図6は、図5中の手元スイッチを保持部から取り外した状態を示す分解斜視図である。
【0042】
スタンド70は、ベッド20の側方に位置して、手元スイッチ60の置き場となるものである。図1に示すように、この例では、ベッド20の右側方にスタンド70が配設されている。なお、スタンド70は、ベッド20の左側方や前後の側方に配設されていてもよい。そして、スタンド70は、取付部71、可動部73、および保持部75を有している。
【0043】
取付部71は、ベッド20に取り付けられる部分である。図4図7に示すように、取付部71は、例えば背ボトム30を構成するボトム部材27にねじ止めされている。なお、取付部71は、例えば腰ボトム32、膝ボトム34、脚ボトム36や、ベースフレーム21、メインフレーム22、サイドフレーム24、ボトムフレーム25、およびヘッドボード23などに取り付けられてもよい。
【0044】
図4図6に示すように、取付部71は、ボトム部材27から左右方向に向けて延びる延出部71aと、延出部71aから上方に向けて延びる立設部71bと、を有している。図1図4に示すように、立設部71bは、ボトム部材27の載置面27aに対して垂直方向に延びている。スタンド70は、取付部71がボトム部材27に取り付けられることにより、ボトム部材27と一緒に移動する。
【0045】
可動部73は、取付部71に設けられている。具体的には、可動部73は、立設部71bの上端側に設けられている。可動部73は、取付部71に対して保持部75の位置を変えるものである。可動部73は、例えば保持部75を上下方向に回動させる回動機構となっている。可動部73は、例えば段階的に保持部75の位置を変えることができるようになっている。
【0046】
保持部75は、可動部73を介して取付部71に取り付けられている。保持部75は、手元スイッチ60のケーシング61を保持する部分となっている。保持部75は、ボトム部材27の載置面27aと平行にした状態で、可動部73から後方に向けて延びている。すなわち、保持部75は、前端側が可動部73に取り付けられている。図4図6に示す保持部75は、手元スイッチ60のケーシング61全体を保持するように示す図だが、例えば、手元スイッチ60のケーブル60aが出ている近傍のみを保持するような構造でも構わない。
【0047】
図7に示すように、スタンド70は、サイドフレーム24よりも左右方向の内側に位置するようになっている。換言すると、スタンド70は、サイドフレーム24から外側に向けて突出していない。これにより、使用者は、スタンド70が邪魔になることなく、ベッド20の側方を移動することができる。
【0048】
図6に示すように、保持部75は、上面75aから下面75bに向けて貫通する貫通孔75cを有している。保持部75は、例えば金属材料からなる枠状に形成されている。手元スイッチ60を保持部75に保持させた場合には、ケーシング61の第2部位61b2が貫通孔75c内に位置するようになっている。手元スイッチ60は、金属板65が保持部75のマグネット76との磁力により保持部75から落ちないようになっている。なお、手元スイッチ60は、例えば爪部などが保持部75に係合して、落下を抑制するようになっていてもよい。
【0049】
保持部75は、手元スイッチ60の照明部69から照射される光を透過させる透過部75c1を有している。透過部75c1は、貫通孔75cの下面側となっている。保持部75には、マグネット76が設けられている。図6に示すように、この例では、保持部75の四隅にマグネット76がそれぞれ設けられている。マグネット76は、手元スイッチ60の金属板65に対応する位置に設けられている。また、透過部75c1は、無くても構わない。
【0050】
拡散板77は、例えば透明または半透明からなり、透過部75c1に設けられている。拡散板77は、照明部69から照射される光の照射範囲を広げるためのものである。すなわち、拡散板77は、照明部69に対向した位置に設けられている。照明部69は、拡散板77により、照射範囲を広くすることができる。拡散板77は、必要に応じて設けられる。また、拡散板77は、無くても構わない。
【0051】
コネクタ部79は、取付部71に設けられている。コネクタ部79は、例えばUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)を接続するためのものとなっている。コネクタ部79は、例えば制御装置46にケーブル(図示せず)などにより接続されている。なお、コネクタ部79は、例えば電源コンセントなどでもよい。コネクタ部79は、必要に応じて設けられる。
【0052】
かくして、上述した電動ベッド10および手元スイッチユニット50は、上述の如き構成を有するもので、次に手元スイッチ60の照明部69から照射される光の照射範囲について説明する。
【0053】
図7は、手元スイッチの照明部から照射される光の照射範囲の一例を示す平面図である。
図8は、保持部の透過部を後方に向けた場合の光の照射範囲の一例を示す側面図である。
図9は、保持部の透過部を後方に向けた場合の光の照射範囲の一例を示す平面図である。
【0054】
図7は、背ボトム30を上げた状態(図1に示す状態)で、照明部69から光を照射させた場合を示している。この場合、保持部75は、背ボトム30の載置面27aと平行状態となっている。図7に二点鎖線で示すように、照明部69から照射される光の照射範囲L1は、背ボトム30の右側側方からサイドフレーム24の側方までとすることができる。これにより、照明部69は、ベッド20上にいる使用者の腕部から肩部付近を照らすことができる。また、照明部69は、背ボトム30の側方の床面を照らすことができる。
【0055】
図8図9は、可動部73を軸にして保持部75を上方に回動させた場合の照射範囲L2を示している。この例では、背ボトム30を上げた状態で、保持部75を取付部71の立設部71bと平行になる位置まで回動させている。
【0056】
図8図9に示すように、保持部75の透過部75c1は、後斜め下方に向く。これにより、照明部69から照射される光の照射範囲L2は、腰ボトム32や膝ボトム34の右側側方からサイドフレーム24の側方までとすることができる。これにより、例えば腰ボトム32や膝ボトム34に端座位している使用者の大腿部や足元の床面を照らすことができる。従って、例えば端座位している使用者の手元を照らすことができる。また、使用者の足元を照らして、使用者がベッド20に昇降するときの安全性を向上させることができる。
【0057】
実施形態による電動ベッド10および手元スイッチユニット50によれば、手元スイッチ60をスタンド70に保持させた状態で、照明部69から照射される光により、ベッド20の任意の位置を照らすことができる。また、可動部73により保持部75の位置を変えて、照明部69による照射位置を変えることができる。また、手元スイッチ60は、例えばクッション(図示せず)などに置いて、照明として使用することもできる。従って、使い勝手のよい電動ベッド10および手元スイッチユニット50とすることができる。
【0058】
図10は、本発明の第1変形例に係る手元スイッチユニットを示す側面図である。
図11は、本発明の第2変形例に係る手元スイッチユニットを示す側面図である。
図12は、本発明の第3変形例に係る手元スイッチユニットを示す側面図および平面図である。図12(a)は、手元スイッチユニットを側方からみた側面図である。図12(b)は、手元スイッチユニットを上方からみた平面図である。
【0059】
上述した実施形態では、スタンド70の保持部75が可動部73により上下方向に回動する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば図10に示す第1変形例のように、スタンド80の可動部81は、矢示Aや矢示B方向に回転可能な軸部81a、81bを有していてもよい。これにより、使用者は、保持部82を回動させて、光L3により任意の位置を照らすことができる。
【0060】
また、例えば図11に示す第2変形例のように、スタンド85の可動部86は、屈曲可能なアーム部(例えば、フレキシブルアーム)となっていてもよい。これにより、保持部87を移動させて、光L3により任意の位置を照らすことができる。
【0061】
また、例えば図12に示す第3変形例のように、スタンド90の可動部91は、矢示Cに示すように、保持部92を360度回転可能とするものでもよい。可動部91は、例えばラチェット機構などで構成されていてもよい。これにより、保持部92を移動させて、光L3により任意の位置を照らすことができる。
【0062】
図13は、本発明の第4変形例に係る手元スイッチユニットを示す斜視図である。図13(a)は、スタンドに手元スイッチが保持された状態を示している。図13(b)は、スタンドから手元スイッチを取り外した状態を示している。
【0063】
上述した実施形態では、スタンド70の保持部75が可動部73により上下方向に回動する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば図13に示す第4変形例のように、スタンド95は、可動部を有していなくてもよい。すなわち、保持部96は、取付部97に設けられていてもよい。これにより、例えば手元スイッチユニットは、透過部96aから光L3が照射されることにより夜間などの簡易的な照明とすることができる。
【0064】
図14は、本発明の第5変形例に係る手元スイッチを示す斜視図である。図14(a)は、脚部を折り畳んだ状態を示す斜視図である。図14(b)は、脚部を引き出した状態を示す斜視図である。
図14に示す第5変形例のように、手元スイッチ100は、ケーシング61を自立させる脚部102を有していてもよい。脚部102は、例えば基端側がケーシング61に回動可能に軸支され、先端側がテーブルなどに接地される接地部102aとなっている。
【0065】
手元スイッチ100は、例えば2個の脚部102と、ケーシング61と、によりテーブル上に自立させることができるようになっている。これにより、手元スイッチ100は、テーブル上を照らす照明として利用することができる。
【0066】
この場合、脚部102は、ケーブル60aが延びる方向とは異なる位置で接地部102aをテーブルなどに接地させるのが好ましい。これにより、ケーブル60aが邪魔になることなく、手元スイッチ100を安定してテーブル上に自立させることができる。なお、第5変形例では、長手方向が上方に延びるように自立させる脚部102を有する手元スイッチ100を例に挙げて説明した。しかし、例えば長手方向が横方向に延びるように自立させる脚部を有する手元スイッチとしてもよい。
【0067】
上述した実施形態では、各ボトムが複数のボトム部材27により構成された場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば各ボトムは、1枚の板状部材により構成されていてもよい。
【0068】
上述した実施形態では、ベッド20の第1~第3駆動装置40、42、44を作動させるための手元スイッチ60を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば手元スイッチは、ナースコールをするためのもの、ベッド20に敷かれたエアマットレスの給排気制御を行うもの、およびベッド20上の使用者の状態(離床、起き上り、覚醒、および睡眠など)を検出するための状態検出装置を制御するためのものであってもよい。
【0069】
実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
(構成1)
手元スイッチと、前記手元スイッチの置き場となるスタンドと、を備えた手元スイッチユニットであって、
前記手元スイッチは、
ケーシングと、
前記ケーシングに設けられた操作部と、
前記ケーシングに設けられた照明部と、
を有し、
前記スタンドは、
ベッドに取り付けられる取付部と、
前記ケーシングを保持する保持部と、
を有し、
前記保持部は、前記照明部から照射される光を透過させる透過部を有していることを特徴とする手元スイッチユニット。
(構成2)
前記透過部には、前記光の照射範囲を広げる拡散板が設けられていることを特徴とする構成1に記載の手元スイッチユニット。
(構成3)
前記スタンドは、前記取付部に対して前記保持部の位置を変えるための可動部をさらに有していることを特徴とする構成1または2に記載の手元スイッチユニット。
(構成4)
前記照明部は、前記操作部と対向する面に設けられていることを特徴とする構成1~3のいずれか1つに記載の手元スイッチユニット。
(構成5)
前記手元スイッチは、前記ケーシングを自立させる脚部をさらに有していることを特徴とする構成1~4のいずれか1つに記載の手元スイッチユニット。
(構成6)
電気的に駆動する駆動装置を有するベッドと、
前記駆動装置を作動させるための手元スイッチと、
前記ベッドに設けられ、前記手元スイッチの置き場となるスタンドと、
を備えた電動ベッドであって、
前記手元スイッチは、
ケーシングと、
前記ケーシングに設けられ、前記駆動装置を作動させるための操作部と、
前記ケーシングに設けられた照明部と、
を有し、
前記スタンドは、
前記ベッドに取り付けられる取付部と、
前記ケーシングを保持する保持部と、
を有し、
前記保持部は、前記照明部から照射される光を透過させる透過部を有していることを特徴とする電動ベッド。
【0070】
前述の実施形態は、本発明を具現化した例であり、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、前述の実施形態において、いくつかの構成要素を追加、削除または変更したものも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
10 電動ベッド
20 ベッド
21 ベースフレーム
21a 脚座
22 メインフレーム
23 ヘッドボード
24 サイドフレーム
24a カバー
25 ボトムフレーム
25a 背部フレーム
25b 腰部フレーム
25c 膝部フレーム
25d 脚部フレーム
27 ボトム部材
27a 載置面
30 背ボトム
32 腰ボトム
34 膝ボトム
36 脚ボトム
40 第1駆動装置
42 第2駆動装置
44 第3駆動装置
46 制御装置
46a 記憶部
50 手元スイッチユニット
60 手元スイッチ
60a ケーブル
61 ケーシング
61a 表面部
61b 裏面部
61b1 第1部位
61b2 第2部位
61c 側面部
63 操作部
63a~63j 第1~第10ボタン
65 金属板
67 カバー
69 照明部
70 スタンド
71 取付部
71a 延出部
71b 立設部
73 可動部
75 保持部
75a 上面
75b 下面
75c 貫通孔
75c1 透過部
76 マグネット
77 拡散板
79 コネクタ部
80、85、90、95 スタンド
81、86、91、 可動部
81a、81b 軸部
82、87、92、96 保持部
96a 透過部
97 取付部
100 手元スイッチ
102 脚部
102a 接地部
L1、L2 照射範囲
L3 光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14