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特開2024-97570蓄電池ユニット、制御装置、及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097570
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】蓄電池ユニット、制御装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20240711BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240711BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
H02J7/02 H
H01M10/48 P
H01M10/44 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001109
(22)【出願日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】竹井 英俊
(72)【発明者】
【氏名】上野 敬章
(72)【発明者】
【氏名】植杉 淳司
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA03
5G503BB01
5G503CA01
5G503GA10
5G503HA01
5H030AA10
5H030AS01
5H030BB01
5H030BB23
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
(57)【要約】
【課題】電池セルの電圧バラツキの発生を低減する。
【解決手段】蓄電池ユニットは、充放電可能な複数の電池セルと、前記複数の電池セルのそれぞれに接続され、前記電池セルの状態を計測する計測回路と、前記複数の電池セルのそれぞれの前記電池セルによる内部消費電流であって、それぞれの前記計測回路に流れる電流を含む内部消費電流を調整する電流調整部と、それぞれの前記内部消費電流の電流値に基づいて、それぞれの前記電池セルの間で、前記電流値が一致するように、前記電流調整部を制御する調整制御部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが所定数の基本電池セルを含む電池セルであって、充放電可能な複数の電池セルと、
前記複数の電池セルのそれぞれに接続され、前記電池セルの状態を計測する計測回路と、
前記複数の電池セルのそれぞれの前記電池セルによる内部消費電流であって、それぞれの前記計測回路に流れる電流を含む内部消費電流を調整する電流調整部と、
それぞれの前記内部消費電流の電流値に基づいて、それぞれの前記電池セルの間で、前記電流値が一致するように、前記電流調整部を制御する調整制御部と
を備えることを特徴とする蓄電池ユニット。
【請求項2】
それぞれの前記内部消費電流を検出する電流検出部を備え、
前記調整制御部は、
前記電流検出部が検出したそれぞれの前記内部消費電流の電流値に基づいて、それぞれの前記電池セルの間で、前記電流値が一致するように、前記電流調整部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電池ユニット。
【請求項3】
前記電流調整部は、前記複数の電池セルのそれぞれから所定の電流を流す調整抵抗を備え、
前記調整制御部は、前記調整抵抗に、前記電池セルからの電流を流して、前記電池セルが消費する電流を調整する
ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電池ユニット。
【請求項4】
前記電流調整部は、前記調整抵抗と直列に接続されたスイッチ部を備え、
前記調整制御部は、前記スイッチ部の導通を、パルス幅変調により制御することにより、前記電池セルが消費する電流を調整する
ことを特徴とする請求項3に記載の蓄電池ユニット。
【請求項5】
前記スイッチ部は、フォトカプラである
ことを特徴とする請求項4に記載の蓄電池ユニット。
【請求項6】
前記調整制御部は、前記電流値の最大値に、他の前記電流値が一致するように、前記電流調整部を制御する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の蓄電池ユニット。
【請求項7】
それぞれが所定数の基本電池セルを含む電池セルであって、充放電可能な複数の電池セルと、前記複数の電池セルのそれぞれに接続され、前記電池セルの状態を計測する計測回路と、を備える蓄電池ユニットの制御装置であって、
前記複数の電池セルのそれぞれの前記電池セルによる内部消費電流であって、それぞれの前記計測回路に流れる電流を含む内部消費電流を調整する電流調整部と、
それぞれの前記内部消費電流の電流値に基づいて、それぞれの前記電池セルの間で、前記電流値が一致するように、前記電流調整部を制御する調整制御部と
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項8】
それぞれが所定数の基本電池セルを含む電池セルであって、充放電可能な複数の電池セルと、前記複数の電池セルのそれぞれに接続され、前記電池セルの状態を計測する計測回路と、前記複数の電池セルのそれぞれの前記電池セルによる内部消費電流であって、それぞれの前記計測回路に流れる電流を含む内部消費電流を調整する電流調整部と、を備える蓄電池ユニットの制御方法であって、
調整制御部が、それぞれの前記内部消費電流の電流値に基づいて、それぞれの前記電池セルの間で、前記電流値が一致するように、前記電流調整部を制御する調整制御ステップを含む
ことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池ユニット、制御装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の電池セルを接続した蓄電池ユニットが知られている(例えば、特許文献1を参照)。上述したような従来の蓄電池ユニットでは、複数の電池セルの電圧を調整するセルバランス回路を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-255788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来の蓄電池ユニットでは、例えば、電池セルの電圧を計測する計測回路を内蔵している場合に、計測回路のバラツキによって、電池セルの電圧バラツキが発生する。すなわち、上述したような従来の蓄電池ユニットでは、発生した電池セルの電圧バラツキを調整することは可能であるが、例えば、計測回路のバラツキによる電池セルの電圧バラツキの発生を低減することは困難であった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、電池セルの電圧バラツキの発生を低減させることができる蓄電池ユニット、制御装置、及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、それぞれが所定数の基本電池セルを含む電池セルであって、充放電可能な複数の電池セルと、前記複数の電池セルのそれぞれに接続され、前記電池セルの状態を計測する計測回路と、前記複数の電池セルのそれぞれの前記電池セルによる内部消費電流であって、それぞれの前記計測回路に流れる電流を含む内部消費電流を調整する電流調整部と、それぞれの前記内部消費電流の電流値に基づいて、それぞれの前記電池セルの間で、前記電流値が一致するように、前記電流調整部を制御する調整制御部とを備えることを特徴とする蓄電池ユニットである。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の蓄電池ユニットにおいて、それぞれの前記内部消費電流を検出する電流検出部を備え、前記調整制御部は、前記電流検出部が検出したそれぞれの前記内部消費電流の電流値に基づいて、それぞれの前記電池セルの間で、前記電流値が一致するように、前記電流調整部を制御することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の蓄電池ユニットにおいて、前記電流調整部は、前記複数の電池セルのそれぞれから所定の電流を流す調整抵抗を備え、前記調整制御部は、前記調整抵抗に、前記電池セルからの電流を流して、前記電池セルが消費する電流を調整することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の蓄電池ユニットにおいて、前記電流調整部は、前記調整抵抗と直列に接続されたスイッチ部を備え、前記調整制御部は、前記スイッチ部の導通を、パルス幅変調により制御することにより、前記電池セルが消費する電流を調整することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記の蓄電池ユニットにおいて、前記スイッチ部は、フォトカプラであることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様は、上記の蓄電池ユニットにおいて、前記調整制御部は、前記電流値の最大値に、他の前記電流値が一致するように、前記電流調整部を制御することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様は、それぞれが所定数の基本電池セルを含む電池セルであって、充放電可能な複数の電池セルと、前記複数の電池セルのそれぞれに接続され、前記電池セルの状態を計測する計測回路と、を備える蓄電池ユニットの制御装置であって、前記複数の電池セルのそれぞれの前記電池セルによる内部消費電流であって、それぞれの前記計測回路に流れる電流を含む内部消費電流を調整する電流調整部と、それぞれの前記内部消費電流の電流値に基づいて、それぞれの前記電池セルの間で、前記電流値が一致するように、前記電流調整部を制御する調整制御部とを備えることを特徴とする制御装置である。
【0013】
また、本発明の一態様は、それぞれが所定数の基本電池セルを含む電池セルであって、充放電可能な複数の電池セルと、前記複数の電池セルのそれぞれに接続され、前記電池セルの状態を計測する計測回路と、前記複数の電池セルのそれぞれの前記電池セルによる内部消費電流であって、それぞれの前記計測回路に流れる電流を含む内部消費電流を調整する電流調整部と、を備える蓄電池ユニットの制御方法であって、調整制御部が、それぞれの前記内部消費電流の電流値に基づいて、それぞれの前記電池セルの間で、前記電流値が一致するように、前記電流調整部を制御する調整制御ステップを含むことを特徴とする制御方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電池セルの電圧バラツキの発生を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態による蓄電池ユニットの一例を示すブロック図である。
図2】本実施形態による制御装置の構成例を示すブロック図である。
図3】本実施形態による蓄電池ユニットの動作の一例を示すフローチャートである。
図4】本実施形態の第1の変形例による制御装置の構成例を示すブロック図である。
図5】本実施形態の第2の変形例による制御装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態による蓄電池ユニット、制御装置、及び制御方法について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施形態による蓄電池ユニット1の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、蓄電池ユニット1は、制御装置10と、電池モジュール20とを備える。
【0018】
電池モジュール20は、例えば、蓄電池を搭載したモジュール、又は基板などであり、複数の電池セル21(21-1、21-2、21-3、21-4、・・・)を備える。
なお、本実施形態において、電池セル21-1、電池セル21-2、電池セル21-3、電池セル21-4のそれぞれは、同一の構成であり、蓄電池ユニット1が備える任意の電池セルを示す場合、又は特に区別しない場合には、電池セル21として説明する。
【0019】
また、複数の電池セル21は、それぞれが所定数の基本電池セルを含んでいる。基本電池セルは、例えば、基本単位、又は最小単位の電池セルであり、電池セル21は、直列又は並列に接続された複数の基本電池セルを備えてもよい。なお、本実施形態では、一例として、電池セル21が、1つの基本電池セルを備える例について説明する。
【0020】
電池モジュール20において、複数の電池セル21は、電源線L1と電源線L2との間に直列に接続されている。
ここで、電源線L1は、蓄電池ユニット1の正極電源線(+電極の電源線)である。また、電源線L2は、蓄電池ユニット1の負極電源線(-電極の電源線)である。
【0021】
電池セル21は、例えば、リチウム電池、鉛蓄電池などの蓄電池であり、直流電力を充放電可能である。各電池セル21には、後述する計測回路11、電流検出部12、及び電流調整部13が接続されている。各電池セル21は、接続されている計測回路11、電流検出部12、及び電流調整部13による内部消費電流を常時消費する。
【0022】
制御装置10は、例えば、コントロールボックスや、コントロール基板などであり、蓄電池ユニット1を制御する。制御装置10は、複数の計測回路11(11-1、11-2、11-3、11-4、・・・)と、複数の電流検出部12(12-1、12-2、12-3、12-4、・・・)と、複数の電流調整部13(13-1、13-2、13-3、13-4、・・・)と、記憶部14と、制御部15とを備える。
【0023】
なお、本実施形態において、計測回路11-1、計測回路11-2、計測回路11-3、計測回路11-4のそれぞれは、同一の構成であり、蓄電池ユニット1が備える任意の計測回路を示す場合、又は特に区別しない場合には、計測回路11として説明する。
【0024】
また、本実施形態において、電流検出部12-1、電流検出部12-2、電流検出部12-3、電流検出部12-4のそれぞれは、同一の構成であり、蓄電池ユニット1が備える任意の電流検出部を示す場合、又は特に区別しない場合には、電流検出部12として説明する。
【0025】
また、本実施形態において、電流調整部13-1、電流調整部13-2、電流調整部13-3、電流調整部13-4のそれぞれは、同一の構成であり、蓄電池ユニット1が備える任意の電流調整部を示す場合、又は特に区別しない場合には、電流調整部13として説明する。
【0026】
計測回路11は、複数の電池セル21のそれぞれに接続され、電池セル21の状態を計測する。計測回路11は、例えば、電池セル21と一対一で接続され、電池セル21の電圧(出力電圧)を計測する。なお、計測回路11は、接続されている電池セル21から電力の供給を受けており、常に所定の電流を、電池セル21の内部消費電流として消費する。また、計測回路11は、各計測回路11によって、消費電流にバラツキがあるとともに、消費電流は、例えば、回路素子の劣化等により、経時変化する。
また、計測回路11は、電圧検出部111を備える。
【0027】
電圧検出部111は、電池セル21の正極電極(+電極)と、負極電極(-電極)との間に接続される。電圧検出部111は、例えば、電圧計、AFE(アナログ・フロント・エンド)などの計測IC(Integrated Circuit)、ADC(Analog to Digital Converter)、等であり、電池セル21の出力電圧を検出する。
【0028】
電流検出部12は、例えば、電池セル21の正極電極の電源線に配置される。電流検出部12は、例えば、電流計、ホール素子、シャント抵抗などであり、電池セル21から消費される電流を検出する。すなわち、電流検出部12は、それぞれの電池セル21による内部消費電流であって、それぞれの計測回路11に流れる電流を含む内部消費電流を検出する。
【0029】
電流調整部13は、例えば、それぞれの計測回路11に接続され、複数の電池セル21のそれぞれの内部消費電流を調整する。電流調整部13は、計測回路11と一対一に接続されている。なお、電流調整部13の詳細な構成については、図2を参照して後述する。
【0030】
記憶部14は、制御装置10(制御部15)が利用する各種情報を記憶する。記憶部14は、例えば、計測回路11の計測データ(電池セル21の電圧値)や、電流検出部12の検出値(内部消費電流の電流値)、電流調整部13の設定情報、等を記憶する。
【0031】
制御部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含むプロセッサであり、蓄電池ユニット1(制御装置10及び電池モジュール20)を統括的に制御する。制御部15は、調整制御部151を備える。
【0032】
調整制御部151は、電流検出部12が検出したそれぞれの内部消費電流の電流値に基づいて、それぞれの電池セル21の間で、内部消費電流の電流値が一致するように、電流調整部13を制御する。調整制御部151は、計測回路11のバラツキによって生じる電池セル21の内部消費電流のバラツキを低減するために、電流検出部12が検出した内部消費電流の電流値が、電池セル21の間で、同等の値になるように、電流調整部13を用いて調整する。
【0033】
ここで、図2を参照して、1つの電池セルに接続されている計測回路11及び電流調整部13に注目して、制御装置10のより詳細な構成を説明する。
図2は、本実施形態による制御装置10の構成例を示すブロック図である。
【0034】
図2に示すように、制御装置10は、電池セル21に接続されている計測回路11及び電流検出部12と、電流調整部13と、記憶部14と、制御部15とを備える。
電流調整部13は、調整抵抗131と、フォトカプラ132と、MOS(Metal-Oxide-Semiconductor)トランジスタ133とを備える。
【0035】
調整抵抗131は、電池セル21(計測回路11)の消費電流を調整する抵抗素子であり、電池セル21から所定の電流を流すように、抵抗値が設定されている。すなわち、調整抵抗131は、複数の電池セル21のそれぞれから所定の電流を流す抵抗素子である。調整抵抗131は、電池セル21の正極電極(+電極)と、負極電極(-電極)との間に、フォトカプラ132のフォトトランジスタ132Bと直列に接続されている。
【0036】
フォトカプラ132(スイッチ部の一例)は、調整抵抗131の導通を制御するスイッチ部であり、調整抵抗131と直列に接続されている。フォトカプラ132は、フォトダイオード132Aと、フォトトランジスタ132Bとを備える。
【0037】
フォトダイオード132Aは、電池セル21とは異なる電源(例えば、デジタル回路用の電源Vdd)の電源線と、グランドの電源線との間に、MOSトランジスタ133と直列に接続され、MOSトランジスタ133がオン状態(導通状態)になることで発光する。
【0038】
フォトトランジスタ132Bは、電池セル21の正極電極(+電極)と、負極電極(-電極)との間に、調整抵抗131と直列に接続されて、フォトダイオード132Aの発光を受けて、オン状態(導通状態)になる。フォトトランジスタ132Bは、オン状態になることで、調整抵抗131を電池セル21と接続し、調整抵抗131に所定の電流を消費させる。
【0039】
MOSトランジスタ133は、例えば、Nチャネル型MOSトランジスタであり、電源Vddの電源線と、グランドの電源線との間に、フォトダイオード132Aと直列に折億されている。MOSトランジスタ133は、ソース端子がグランドの電源線に、ドレイン端子がフォトダイオード132Aのカソード端子に、ゲート端子(制御端子)が、制御信号Sの信号線に接続されている。
【0040】
MOSトランジスタ133は、制御部15が出力する制御信号SがH状態(High状態)になった場合に、オン状態になる。また、MOSトランジスタ133は、制御信号SがL状態(Low状態)になった場合に、オフ状態(非導通状態)になる。MOSトランジスタ133は、オン状態になることで、フォトダイオード132Aに電流が流れてフォトダイオード132Aを発光させる。
【0041】
記憶部14は、例えば、電流値記憶部141と、電流設定記憶部142とを備える。
電流値記憶部141は、各電流検出部12が検出したそれぞれの内部消費電流の電流値を記憶する。
電流設定記憶部142は、各電流調整部13の設定情報を記憶する。
【0042】
制御部15の調整制御部151は、例えば、調整抵抗131に、電池セル21からの電流を流して、電池セル21が消費する電流を調整する。調整制御部151は、フォトカプラ132(フォトトランジスタ132B)の導通を、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)により制御することにより、電池セル21が消費する電流を調整する。
調整制御部151は、内部消費電流の電流値の最大値に、他の内部消費電流の電流値が一致するように、電流調整部13を制御する。
【0043】
具体的に、調整制御部151は、まず、各電流検出部12が検出した内部消費電流の電流値を取得し、取得した内部消費電流の電流値を電流値記憶部141に記憶させる。調整制御部151は、例えば、電池セル21(又は計測回路11)の識別情報と、内部消費電流の電流値とを対応付けて電流値記憶部141に記憶させる。
【0044】
また、調整制御部151は、電流値記憶部141が記憶する各電池セル21に対応した内部消費電流の電流値のうちから、電流値の最大値を抽出する。調整制御部151は、電流値の最大値と、他の内部消費電流の電流値との差分により、各電流調整部13に流す電流設定値を決定する。調整制御部151は、例えば、下記の式(1)を用いて、電流設定値を決定する。
【0045】
電流設定値 = 電流値の最大値-内部消費電流の電流値 ・・・ (1)
【0046】
調整制御部151は、各電流設定値を、電流設定記憶部142に記憶させる。すなわち、調整制御部151は、電池セル21(又は計測回路11)の識別情報と、電流設定値とを対応付けて、電流設定記憶部142に記憶させる。
【0047】
また、調整制御部151は、電流設定記憶部142が記憶する電流設定値になるように、電流設定値に対応したデューティ比のパルス信号(PWM信号)を、制御信号Sとして生成して、電流調整部13のMOSトランジスタ133のゲート端子に出力する。
【0048】
例えば、電流値の最大値が、“3mA(ミリアンペア)”であり、電池セル21-1の内部消費電流の電流値が“2mA”である場合に、調整制御部151は、式(1)により、電池セル21-1の電流設定値を、“1mA”と決定する。また、調整制御部151は、電流設定値に対応したPWM信号を、制御信号SとしてMOSトランジスタ133のゲート端子に出力して、電流調整部13が、“1mA”の電流を消費するように制御する。これにより、調整制御部151は、電池セル21-1の内部消費電流が“3mA”(“2mA”+“1mA”)になるように調整する。
【0049】
次に、図3を参照して、本実施形態による蓄電池ユニット1について説明する。
図3は、本実施形態による蓄電池ユニット1の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、電流調整部13を用いた電流調整処理について説明する。
【0050】
図3に示すように、蓄電池ユニット1の制御装置10は、まず、各電流検出部12から電流値を取得する(ステップS101)。各電流検出部12が、各電池セル21から計測回路11に消費される各電池セル21の内部消費電流を検出し、制御装置10の調整制御部151は、各電流検出部12から各電池セル21の内部消費電流の電流値を取得する。調整制御部151は、電池セル21(又は計測回路11)の識別情報と、内部消費電流の電流値とを対応付けて電流値記憶部141に記憶させる。
【0051】
次に、調整制御部151は、取得した各電流値のうちの最大値を抽出する(ステップS102)。調整制御部151は、電流値記憶部141が記憶する複数の内部消費電流の電流値のうちから、内部消費電流の電流値の最大値を抽出する。ここで、電流値の最大値に対応付けられている電池セル21が、内部消費電流が最も多い電池セル21に対応する。
【0052】
次に、調整制御部151は、各電流値が最大値により各電池セル21のための電流設定値を決定する(ステップS103)。調整制御部151は、例えば、上述の式(1)を用いて、各電池セル21に対応する電流設定値を決定する。調整制御部151は、電池セル21(又は計測回路11)の識別情報と、電流設定値とを対応付けて、電流設定記憶部142に記憶させる。
【0053】
次に、調整制御部151は、電流設定値により各電流値が最大値になるように、PWM制御により各電流調整部13を制御する(ステップS104)。調整制御部151は、電流設定記憶部142が記憶する電流設定値を取得し、対応する電流調整部13に、電流設定値の電流を流すように、PWM信号を生成する。調整制御部151は、PWM信号を制御信号Sとして、電流調整部13に出力する。
【0054】
これにより、電流調整部13のMOSトランジスタ133が、PWM信号のデューティ比に基づく所定の割合で間欠的にオン状態になり、フォトカプラ132のフォトダイオード132Aを所定の割合で間欠的に発光させる。これに応じて、フォトカプラ132のフォトトランジスタ132Bが、所定の割合で間欠的にオン状態になり、調整抵抗131により、所定の割合で間欠的に電流が流れる。調整抵抗131は、平均すると、電流設定値の電流値となる。このように、調整制御部151は、PWM信号を制御信号Sとして、電流調整部13に出力することで、各電池セル21が消費する電流を調整する。なお、調整制御部151は、PWM制御を継続して実行する。
【0055】
ステップS104の処理後に、調整制御部151は、電流調整処理を終了する。
なお、図3に示す電流調整処理は、所定の時間間隔で、実行される。また、例えば、電池モジュール20の充電完了時、放電完了時などに、図3に示す電流調整処理を実行するようにしてもよい。
【0056】
以上説明したように、本実施形態による蓄電池ユニット1は、複数の電池セル21と、複数の電池セル21のそれぞれに接続される計測回路11と、電流調整部13と、調整制御部151とを備える。複数の電池セル21は、それぞれが所定数(例えば、1つ)の基本電池セルを含む電池セルであって、充放電可能である。計測回路11は、電池セル21の状態(例えば、電池セル21の電圧)を計測する。電流検出部12は、それぞれの電池セル21による内部消費電流であって、それぞれの計測回路11に流れる電流を含む内部消費電流を検出する。電流調整部13は、複数の電池セル21のそれぞれの電池セル21による内部消費電流であって、それぞれの計測回路11に流れる電流を含む内部消費電流を調整する。調整制御部151は、それぞれの内部消費電流の電流値に基づいて、それぞれの電池セル21の間で、内部消費電流の電流値が一致するように、電流調整部13を制御する。
【0057】
これにより、本実施形態による蓄電池ユニット1は、調整制御部151により計測回路11のバラツキ分の消費電流を調整することで、電池セル21の内部消費電流のバラツキを低減することができる。そのため、本実施形態による蓄電池ユニット1は、電池セル21の電圧バラツキの発生を低減させることができる。
【0058】
例えば、各電池セル21の内部消費電流の電流値が以下の値である場合を仮定する。
電池セル21-1の内部消費電流の電流値が“2mA”である。
電池セル21-2の内部消費電流の電流値が“3mA”である。
電池セル21-3の内部消費電流の電流値が“3mA”である。
電池セル21-4の内部消費電流の電流値が“3mA”である。
【0059】
この場合、電池セル21-1は、1時間に、“2mAh”の電流が消費され、電池セル21-2~電池セル21-4は、1時間に、“3mAh”の電流が消費される。すなわち、電池セル21-1と、電池セル21-2~電池セル21-4とでは、1時間で、“1mAh”の消費電流の差が生じる。このため、従来技術の蓄電池ユニットでは、長時間使用して、電池セル21-2~電池セル21-4の充電量が“0”になった場合でも、電池セル21-1の充電量が“0”にならず、充電した場合に、電池セル21-1が先に満充電状態になるため、電池セル21-2~電池セル21-4の充電量が低下して、電池セル21の電圧バラツキが発生する。
【0060】
これに対して、本実施形態による蓄電池ユニット1では、調整制御部151により“1mA”を追加で流すことで、下記にように、電池セル21-1の内部消費電流の電流値を、“3mA”(“2mA”+“1mA”)にして、電池セル21-2~電池セル21-4と一致させることができる。
【0061】
電池セル21-1の内部消費電流の電流値が“2mA”+“1mA”である。
電池セル21-2の内部消費電流の電流値が“3mA”である。
電池セル21-3の内部消費電流の電流値が“3mA”である。
電池セル21-4の内部消費電流の電流値が“3mA”である。
【0062】
そのため、本実施形態による蓄電池ユニット1では、電池セル21の内部消費電流を一致させるように調整するため、電池セル21の電圧バラツキを低減することができる。このように、本実施形態による蓄電池ユニット1では、電池セル21の内部消費電流のバラツキを低減することができるため、電池セル21の電圧バラツキの発生を低減させることができる。
【0063】
また、本実施形態による蓄電池ユニット1は、それぞれの内部消費電流を検出する電流検出部12を備える。調整制御部151は、電流検出部12が検出したそれぞれの内部消費電流の電流値に基づいて、それぞれの電池セル21の間で、内部消費電流の電流値が一致するように、電流調整部13を制御する。
【0064】
これにより、本実施形態による蓄電池ユニット1は、電流検出部12により、蓄電池ユニット1単独で、それぞれの電池セル21の内部消費電流の電流値を検出できるため、蓄電池ユニット1単独で、計測回路11のバラツキ分の消費電流を調整することができ、電池セル21の内部消費電流のバラツキを低減することができる。
【0065】
また、本実施形態による蓄電池ユニット1では、定期的に、調整制御部151による電流調整処理を実行することで、例えば、計測回路11の特性の経年変化に対応して、電池セル21の内部消費電流を調整することができる。
【0066】
また、本実施形態では、電流調整部13は、複数の電池セル21のそれぞれから所定の電流を流す調整抵抗131を備える。調整制御部151は、調整抵抗131に、電池セル21からの電流を流して、電池セル21が消費する電流を調整する。
【0067】
これにより、本実施形態による蓄電池ユニット1は、調整抵抗131を用いることで、簡易な構成により、簡単に、電池セル21の内部消費電流のバラツキを低減することができる。
【0068】
また、本実施形態では、電流調整部13は、調整抵抗131と直列に接続されたスイッチ部(例えば、フォトカプラ132)を備える。調整制御部151は、スイッチ部(例えば、フォトカプラ132)の導通を、パルス幅変調(PWM)により制御することにより、電池セル21が消費する電流を調整する。
【0069】
これにより、本実施形態による蓄電池ユニット1は、パルス幅変調(PWM)により制御することにより、調整抵抗131の抵抗値を変更する必要なしに、より柔軟な内部消費電流の調整を行うことができる。
【0070】
また、本実施形態では、上述したスイッチ部は、フォトカプラ132である。
これにより、本実施形態による蓄電池ユニット1は、フォトカプラ132を用いることにより、制御部15の電源系と、電池セル21の電源系とが異なる場合であっても、適切に、電流調整部13の制御を行うことができる。
【0071】
また、本実施形態では、調整制御部151は、内部消費電流の電流値の最大値に、他の内部消費電流の電流値が一致するように、電流調整部13を制御する。
これにより、本実施形態による蓄電池ユニット1は、電流値の最大値に合わせて、内部消費電流の電流値を調整することで、複数の電池セル21で、より簡単に、内部消費電流の電流値を一致させることができる。
【0072】
また、本実施形態による制御装置10は、それぞれが所定数(例えば、1つ)の基本電池セルを含む電池セルであって、充放電可能な複数の電池セル21と、複数の電池セル21のそれぞれに接続され、電池セル21の状態を計測する計測回路11と、を備える蓄電池ユニット1の制御装置であって、電流検出部12と、電流調整部13と、調整制御部151とを備える。電流検出部12は、それぞれの電池セル21による内部消費電流であって、それぞれの計測回路11に流れる電流を含む内部消費電流を検出する。電流調整部13は、複数の電池セル21のそれぞれの内部消費電流を調整する。調整制御部151は、電流検出部12が検出したそれぞれの内部消費電流の電流値に基づいて、それぞれの電池セル21の間で、内部消費電流の電流値が一致するように、電流調整部13を制御する。
これにより、本実施形態による制御装置10は、上述した蓄電池ユニット1と同様の効果を奏し、電池セル21の電圧バラツキの発生を低減させることができる。
【0073】
また、本実施形態による制御方法は、それぞれが所定数(例えば、1つ)の基本電池セルを含む電池セルであって、充放電可能な複数の電池セル21と、複数の電池セル21のそれぞれに接続され、電池セル21の状態を計測する計測回路11と、それぞれの電池セル21による内部消費電流であって、それぞれの計測回路11に流れる電流を含む内部消費電流を検出する電流検出部12と、複数の電池セル21のそれぞれの内部消費電流を調整する電流調整部13と、を備える蓄電池ユニット1の制御方法であって、調整制御ステップを含む。調整制御ステップにおいて、調整制御部151が、電流検出部12によって検出されたそれぞれの内部消費電流の電流値に基づいて、それぞれの電池セル21の間で、内部消費電流の電流値が一致するように、電流調整部13を制御する。
これにより、本実施形態による制御方法は、上述した蓄電池ユニット1と同様の効果を奏し、電池セル21の電圧バラツキの発生を低減させることができる。
【0074】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の実施形態において、調整制御部151が、制御信号S(PWM信号)を生成する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図4に示すように、電流調整部13の内部で、制御信号S(PWM信号)を生成してもよい。
【0075】
<第1の変形例>
図4は、本実施形態の第1の変形例による制御装置10aの構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、蓄電池ユニット1aは、制御装置10aを備え、制御装置10aは、電池セル21に接続されている計測回路11及び電流検出部12と、電流調整部13aと、記憶部14と、制御部15aとを備える。
電流調整部13aは、調整抵抗131と、フォトカプラ132と、MOSトランジスタ133と、PWM設定部134と、PWM信号生成回路135とを備える。
【0076】
PWM設定部134は、例えば、電流設定値に応じたPWM設定値を記憶するレジスタ回路であり、制御部15aから供給されたPWM設定値を記憶する。
PWM信号生成回路135は、例えば、カウンタ回路、等を含んだPWM信号の生成回路であり、PWM設定部134から取得したPWM設定値に基づいて、PWM信号を生成し、生成したPWM信号を制御信号Sとして、MOSトランジスタ133のゲート端子に出力する。
【0077】
また、制御部15aは、例えば、CPUを含むプロセッサであり、蓄電池ユニット1a(制御装置10a及び電池モジュール20)を統括的に制御する。制御部15aは、調整制御部151aを備える。
【0078】
調整制御部151aの基本的な機能は、上述した調整制御部151と同様である。調整制御部151aは、PWM信号を生成する代わりに、PWM設定値を、電流調整部13aに出力して、PWM設定値を、PWM設定部134に記憶させる。
【0079】
このように、本実施形態の変形例による蓄電池ユニット1a(制御装置10a)は、電流調整部13aがPWM信号を生成するため、より簡易な制御で、柔軟な内部消費電流の調整を行うことができる。
【0080】
また、上記に実施形態において、電池セル21が1つの基本電池セルを備える例を説明したが、これに限定されるものではなく、電池セル21が複数の基本電池セルを備えてもよい。ここで、図5を参照して、上述した図4に示す例において、電池セル21が複数の基本電池セルSCLを備える変形例について説明する。
【0081】
<第2の変形例>
図5は、本実施形態の第2の変形例による制御装置10bの構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、蓄電池ユニット1bは、制御装置10bを備え、制御装置10bは、電池セル21a(21a-1、21a―2、・・・)に接続されている計測回路11a及び電流検出部12と、電流調整部13aと、記憶部14と、制御部15aとを備える。
【0082】
なお、図5において、図4と同一の構成には、同一の符号を付与して、その説明を省略する。
電池セル21aは、複数の基本電池セルSCLを備える場合の一例であり、直列に接続された複数(所定数)の基本電池セルSCLを備えている。
【0083】
計測回路11aは、複数の電池セル21aのそれぞれに接続され、電池セル21aの状態を計測する。計測回路11aは、例えば、電池セル21aと一対一で接続され、電池セル21aの電圧(出力電圧)を計測する。具体的に、計測回路11aは、電池セル21aが備える所定数の基本電池セルSCLのそれぞれの電圧(出力電圧)を計測する。
【0084】
なお、計測回路11aは、接続されている電池セル21aから電力の供給を受けており、常に所定の電流を、電池セル21aの内部消費電流として消費する。また、計測回路11aは、各計測回路11aによって、消費電流にバラツキがあるとともに、消費電流は、例えば、回路素子の劣化等により、経時変化する。
【0085】
図5において、計測回路11a-1は、電池セル21a-1に接続されている。
なお、図5に示す例では、説明の都合上、計測回路11a-1と電池セル21a-1との接続のみ記載し、計測回路11a-1以外の計測回路11aの記載を省略しているが、各計測回路11a及び各電流検出部12は、対応する電池セル21aに接続されているものとする。
また、計測回路11aは、電圧検出部111aを備える。
【0086】
電圧検出部111aは、電池セル21aが備える所定数の基本電池セルSCLの正極電極(+電極)と、負極電極(-電極)とに接続され、各基本電池セルSCLの電圧を計測する。電圧検出部111aは、例えば、電圧計、AFEなどの計測IC、ADC、等である。
【0087】
なお、本変形例において、計測回路11aは、電池セル21aにより供給される電力により動作する。本変形例における電流検出部12は、それぞれの電池セル21aによる内部消費電流であって、それぞれの計測回路11aに流れる電流を含む内部消費電流を検出する。また、本実施形態における調整制御部151aは、電流検出部12が検出したそれぞれの内部消費電流の電流値に基づいて、それぞれの電池セル21aの間で、内部消費電流の電流値が一致するように、電流調整部13aを制御する。
【0088】
このように、本実施形態の変形例による蓄電池ユニット1b(制御装置10b)は、複数の電池セル21aと、計測回路11aと、電流検出部12と、電流調整部13aと、制御部15aとを備える。電池セル21aは、所定数の基本電池セルSCLを含み、所定数は、例えば、複数である。
【0089】
これにより、本実施形態の変形例による蓄電池ユニット1b(制御装置10b)は、複数の基本電池セルSCLごとに、計測回路11a、電流検出部12、及び電流調整部13aをそなえているため、計測回路11a、電流検出部12、及び電流調整部13の数を低減することができ、複数の基本電池セルSCL単位で、効率良く電池セル21aの電圧バラツキの発生を低減させることができる。
【0090】
また、上記の実施形態において、図1に示す本実施形態に対して、第2の変形例を適用してもよい。すなわち、図1に示す蓄電池ユニット1(制御装置10)において、複数の基本電池セルSCLを備える電池セル21a及び計測回路11aを適用してもよい。
また、電池セル21aは、複数の基本電池セルSCLを直列の他に、並列に接続、又は、直列及び並列を組合せて接続してもよい。
【0091】
また、上記に実施形態において、電流調整部13(電流調整部13a)は、1つの調整抵抗131を備える例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、複数の調整抵抗131を備えて、切り替えて、或いは、組み合わせて使用してもよい。また、調整抵抗131は、ボリューム抵抗のような可変抵抗であってもよい。
【0092】
また、上記に実施形態において、計測回路11(11a)が、電流検出部12及び電流調整部13(13a)を含まない例を説明したが、これに限定されるものではなく、計測回路11(11a)が、電流検出部12又は電流調整部13(13a)を含む構成であってもよい。
【0093】
また、上記に実施形態において、調整制御部151(151a)は、電流値の最大値に合わせて電池セル21(21a)の内部消費電流を一致させるように、電流調整部13(13a)を調整する例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の手法を用いて、電池セル21(21a)の内部消費電流を一致させるようにしてもよい。
【0094】
また、上記に実施形態において、調整制御部151(151a)は、PWM制御を用いて、電流調整部13(13a)を調整する例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の手法を用いて、電流調整部13(13a)を調整してもよい。
【0095】
また、上記に実施形態において、スイッチ部に、フォトカプラ132を用いる例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、FET(Field Effect Transistor)、リレースイッチなど他のスイッチを用いてもよい。
【0096】
また、上記に実施形態において、蓄電池ユニット1(1a、1b)は、電流検出部12を備える例を説明したが、これに限定されるものではなく、電流検出部12を備えずに、外部の電流検出部により検出した電流値を、外部から電流値記憶部141に記憶させるようにしてもよい。また、この場合、例えば、出荷時に工場で、電流値のバラツキを検出して、外部から電流値記憶部141に記憶させるようにしてもよい。
【0097】
なお、上述した蓄電池ユニット1(1a、1b)が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した蓄電池ユニット1(1a、1b)が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した蓄電池ユニット1(1a、1b)が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0098】
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0099】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に蓄電池ユニット1(1a、1b)が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0100】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1、1a、1b 蓄電池ユニット
10、10a、10b 制御装置
11、11a、11-1、11-2、11-3、11-4、11a-1 計測回路
12、12-1、12-2、12-3、12-4 電流検出部
13、13a、13-1、13-2、13-3、13-4 電流調整部
14 記憶部
15、15a 制御部
20 電池モジュール
21、21a、21-1、21-2、21-3、21-4、21a―1、21a―2 電池セル
111、111a 電圧検出部
131 調整抵抗
132 フォトカプラ
132A フォトダイオード
132B フォトトランジスタ
133 MOSトランジスタ
141 電流値記憶部
142 電流設定記憶部
151、151a 調整制御部
SCL 基本電池セル
図1
図2
図3
図4
図5