(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097579
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】通信システムおよび通信方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20240101AFI20240711BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001125
(22)【出願日】2023-01-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】523007650
【氏名又は名称】株式会社メルス
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西畑 幹大
(72)【発明者】
【氏名】角畑 真也
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA02
(57)【要約】
【課題】病院内のネットワークのセキュリティを向上させる通信システムを提供する。
【解決手段】通信システム100は、病院内の院内ネットワーク910に接続された通知サーバ4と、院内ネットワーク910用のファイアウォール11を介して、通知サーバ4と通信可能な連携サーバ3とを備える。通知サーバ4は、ソーシャルネットワーキングサービスを提供するSNSサーバ2を介して、ソーシャルネットワーキングサービスを利用可能な患者の端末装置1宛に患者宛の通知を送信可能である。連携サーバ3は、SNSサーバ2を介して端末装置1からデータを取得した場合、通知サーバ4から予め定められた信号を受信したことを条件に、当該データを通知サーバ4に送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
病院内のネットワークに接続された第1のサーバと、
前記ネットワーク用のファイアウォールを介して、前記第1のサーバと通信可能な第2のサーバとを備え、
前記第1のサーバは、ソーシャルネットワーキングサービスを提供する外部サーバを介して、前記ソーシャルネットワーキングサービスを利用可能な患者の端末装置宛に前記患者宛の第1の通知を送信可能であり、
前記第2のサーバは、前記外部サーバを介して前記端末装置から第1のデータを取得した場合、前記第1のサーバから予め定められた信号を受信したことを条件に、前記第1のデータを前記第1のサーバに送信する、通信システム。
【請求項2】
前記第1のデータは、前記ソーシャルネットワーキングサービスによって前記患者に付与された第1の識別情報を含む、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記第1のデータは、前記病院によって前記患者に付与された第2の識別情報をさらに含み、
前記第1のサーバは、前記第1のデータを前記第2のサーバから取得すると、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを紐付けて記憶する、請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記第2のサーバは、前記端末装置によって前記第2の識別情報を含む2次元バーコードが読み取られたことに基づき、前記外部サーバを介して前記端末装置から前記第2の識別情報を取得する、請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記第1のデータは、前記病院によって前記患者に一時的に付与された第3の識別情報をさらに含み、
前記第1のサーバは、
前記第1のデータを前記第2のサーバから取得すると、前記第3の識別情報に基づき、前記ネットワークを介して第3のサーバから前記病院によって前記患者に付与された第2の識別情報を取得し、
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを紐付けて記憶する、請求項2に記載の通信システム。
【請求項6】
前記第2のサーバは、
メモリを有し、かつ、前記第1のデータを前記メモリに格納し、
前記予め定められた信号の受信に応じて前記第1のデータを前記第1のサーバに送信したことに基づき、前記メモリから前記第1のデータを削除する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項7】
前記第2のサーバは、前記第1のデータを暗号化した状態で前記メモリに格納する、請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
前記第1のサーバは、前記第1の通知を暗号化し、かつ、前記外部サーバを介して、前記暗号化された第1の通知を前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、前記暗号化された第1の通知を前記第2のサーバに送信し、
前記第2のサーバは、前記暗号化された第1の通知を復号化し、かつ、前記復号化された第1の通知を前記端末装置のウェブブラウザで表示させるための第2のデータを、前記外部サーバを介さずに前記端末装置に送信する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項9】
前記第1のサーバは、前記第2のサーバおよび前記外部サーバのうち前記外部サーバのみを介して、前記第1の通知を前記端末装置宛に送信する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項10】
前記第1のサーバは、前記第2のサーバと前記外部サーバとを介して、前記第1の通知を前記端末装置宛に送信する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項11】
前記第1のサーバは、前記第2のサーバのインターネットプロトコルアドレス宛に、前記第1の通知を送信し、
前記第2のサーバは、前記第1の通知を前記第1のサーバから受信したことに基づき、前記外部サーバのドメイン宛に前記第1の通知を転送し、
前記第1の通知は、前記外部サーバによって前記端末装置に転送される、請求項10に記載の通信システム。
【請求項12】
前記第1の通知は、前記患者の診察の予約情報である、請求項1から11のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項13】
前記第1のサーバは、前記ネットワークを介して第3のサーバから前記診察の会計の計算が完了したことを示す第2の通知を受信したことに基づき、前記外部サーバを介して、前記端末装置宛に、前記第1の通知として前記完了を示す通知を送信する、請求項1から11のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項14】
前記第1のサーバは、前記ネットワークを介して第3のサーバから前記診察に基づく薬の調合が完了したことを示す第3の通知を受信したことに基づき、前記外部サーバを介して、前記端末装置宛に、前記第1の通知として前記完了を示す通知を送信する、請求項1から11のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項15】
前記予め定められた信号は、前記第1のサーバからのポーリングによる問い合わせである、請求項1に記載の通信システム。
【請求項16】
前記第1のサーバと前記第2のサーバとの間の前記ファイアウォールを介した通信のプロコルは、SFTP(SSH File Transfer Protocol)またはHTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)である、請求項15に記載の通信システム。
【請求項17】
前記第1のサーバと前記第2のサーバとの間の前記ファイアウォールを介した通信のプロコルは、WebSocketまたはSocketである、請求項1に記載の通信システム。
【請求項18】
病院内のネットワークに接続された第1のサーバが、ソーシャルネットワーキングサービスを提供する外部サーバを介して、前記ソーシャルネットワーキングサービスを利用可能な患者の端末装置宛に前記患者宛の通知を送信するステップと、
前記ネットワーク用のファイアウォールを介して前記第1のサーバと通信可能な第2のサーバが、前記外部サーバを介して前記端末装置からデータを取得するステップと、
前記第2のサーバが、前記第1のサーバから予め定められた信号を受信したことを条件に、前記データを前記第1のサーバに送信するステップとを備える、通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システムおよび通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者が所有する携帯端末を、病院の案内システムの案内端末として機能させることが知られている。たとえば、特開2019-74870号公報(特許文献1)には、病院がメッセージアプリユーザIDと患者IDとを関連付けることにより、メッセージアプリを用いて外来患者を案内する案内システムが開示されている。詳しくは、特許文献1の案内システムは、患者の携帯端末と、窓口の登録機と、病院内サーバと、メッセージアプリ連携サーバと、メッセージアプリサーバとを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-74870号公報
【特許文献2】特開2010-20649号公報
【特許文献3】特許第6963331号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなシステムでは、メッセージアプリ連携サーバは、患者の携帯端末からメッセージアプリサーバを介してメッセージ等のデータを受信すると、当該データを病院内サーバに転送する。
【0005】
このような患者をメッセージアプリを用いて案内するシステムでは、病院側のサーバは、メッセージアプリ連携サーバに対して病院側のサーバ宛てのデータの送信を求めていないにもかかわらず、メッセージアプリ連携サーバを介して外部のデータを取得することになる。このため、病院側にとっては、セキュリティが十分に確保されているとは言えない。
【0006】
本開示は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、病院内のネットワークのセキュリティを向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある局面に従うと、通信システムは、病院内のネットワークに接続された第1のサーバと、ネットワーク用のファイアウォールを介して、第1のサーバと通信可能な第2のサーバとを備える。第1のサーバは、ソーシャルネットワーキングサービスを提供する外部サーバを介して、ソーシャルネットワーキングサービスを利用可能な患者の端末装置宛に患者宛の第1の通知を送信可能である。第2のサーバは、外部サーバを介して端末装置から第1のデータを取得した場合、第1のサーバから予め定められた信号を受信したことを条件に、第1のデータを第1のサーバに送信する。
【0008】
本開示の他の局面に従うと、通信方法は、病院内のネットワークに接続された第1のサーバが、ソーシャルネットワーキングサービスを提供する外部サーバを介して、ソーシャルネットワーキングサービスを利用可能な患者の端末装置宛に患者宛の通知を送信するステップと、ネットワーク用のファイアウォールを介して第1のサーバと通信可能な第2のサーバが、外部サーバを介して端末装置からデータを取得するステップと、第2のサーバが、第1のサーバから予め定められた信号を受信したことを条件に、データを第1のサーバに送信するステップとを備える。
【発明の効果】
【0009】
上記の開示によれば、病院内のネットワークのセキュリティを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】ネットワークシステムの構成例を示した図である。
【
図2】ネットワークシステムにおける処理の概要を説明するための図である。
【
図3】連携サーバのハードウェア構成の典型例を表した図である。
【
図4】端末装置のハードウェア構成の典型例を表した図である。
【
図5】各サーバの機能的構成を説明するための図である。
【
図6】患者の事前登録を説明するためのシーケンス図である。
【
図7】患者の事前登録の変形例を説明するためのシーケンス図である。
【
図8】診察の受付処理の前半部分を説明するためのシーケンス図である。
【
図9】診察の受付処理の後半部分を説明するためのシーケンス図である。
【
図10】
図9および
図10のシーケンスに基づく端末装置の画面遷移を説明するための図である。
【
図11】診察の受付処理の前半部分を説明するためのシーケンス図である。
【
図12】診察の受付処理の後半部分を説明するためのシーケンス図である。
【
図13】
図11および
図12のシーケンスに基づく端末装置の画面遷移を説明するための図である。
【
図14】診察が間近に迫っていることを患者に通知する処理を示したシーケンス図である。
【
図15】
図14のシーケンスSQ94の処理により表示される画面を示した図である。
【
図16】
図15に示した通知処理の変形例を示したシーケンス図である。
【
図17】現在の診察状況を患者に通知する処理を示したシーケンス図である。
【
図18】
図17のシーケンスに基づく端末装置の画面遷移を説明するための図である。
【
図19】
図18に示した通知処理の変形例を示したシーケンス図である。
【
図20】
図19のシーケンスに基づく端末装置の画面遷移を説明するための図である。
【
図21】上位サーバ5からユーザの操作に基づき端末装置にメッセージを送る際の処理を示したシーケンス図である。
【
図22】
図21のシーケンスSQ144の処理により表示される画面を示した図である。
【
図23】診察の前日であることを患者に通知する処理を示したシーケンス図である。
【
図24】
図23のシーケンスSQ154の処理により表示される画面を示した図である。
【
図25】診察の開始時刻の目安を患者に通知する処理を示したシーケンス図である。
【
図26】
図25のシーケンスSQ166の処理により表示される画面を示した図である。
【
図27】診察についての会計が完了したことを患者に通知する処理を示したシーケンス図である。
【
図28】
図27のシーケンスSQ173の処理により表示される画面を示した図である。
【
図29】薬の調合が完了したことを患者に通知する処理を示したシーケンス図である。
【
図30】
図29のシーケンスSQ183の処理により表示される画面を示した図である。
【
図31】上述したデータテーブルにおいて互いに紐づけられた患者IDと患者のSNSのIDとの削除処理を示したシーケンス図である。
【
図32】
図31のシーケンスに基づく端末装置の画面遷移を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各処理例および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0012】
<A.システム構成>
図1は、ネットワークシステムの構成例を示した図である。
図1に示されるように、ネットワークシステム900は、病院内のネットワークである院内ネットワーク910と、院内ネットワーク910に対して外部のネットワークとなる院外ネットワーク920とを含む。院内ネットワーク910は、ファイアウォール11を介して院外ネットワーク920と接続されている。
【0013】
ネットワークシステム900は、典型的には、複数の端末装置1と、SNS(Social networking service)サーバ2と、連携サーバ3と、通知サーバ4と、上位サーバ5と、ディスプレイ用PC(Personal Computer)6と、ディスプレイ7と、情報処理端末8と、再来受付機9とを備える。なお、
図1では、1つの端末装置1のみを示している。端末装置1は、典型的には、スマートフォン、タブレット端末等の可搬性のある通信機器である。
【0014】
本例では、通知サーバ4は、呼出サーバ41と、案内表示サーバ42とで構成される。上位サーバ5は、本例では、少なくとも、電子カルテサーバ51と、会計用サーバ52と、薬用サーバ53とを含む。連携サーバ3は、SNSサーバ2と連携する。
【0015】
詳しくは、複数の端末装置1と、SNSサーバ2と、連携サーバ3とは、院外ネットワーク920に含まれている。通知サーバ4と、上位サーバ5と、ディスプレイ用PC6と、ディスプレイ7と、情報処理端末8と、再来受付機9とは、院内ネットワーク910に含まれている。
【0016】
さらに詳しくは、院内ネットワーク910は、呼出システム21と、表示システム22と、上位システム23とを備える。呼出システム21は、呼出サーバ41を含んで構成される。表示システム22は、上述した、案内表示サーバ42と、ディスプレイ用PC6と、ディスプレイ7と、情報処理端末8とを含んで構成される。上位システム23は、上述した、上位サーバ5と、再来受付機9とを含んで構成される。
【0017】
院内ネットワーク910においては、呼出サーバ41と、案内表示サーバ42と、電子カルテサーバ51と、会計用サーバ52と、薬用サーバ53と、ディスプレイ用PC6と、ディスプレイ7と、情報処理端末8と、再来受付機9とが、LANケーブル10等によって、互いに通信可能に接続されている。
【0018】
案内表示サーバ42は、ディスプレイ用PC6に案内表示のためのデータを送信する。ディスプレイ用PC6は、案内表示サーバ42からのデータに基づき、ディスプレイ7に各種の案内を表示する。ディスプレイ用PC6は、たとえば、ディスプレイ7に現在の診察状況を表示する。
【0019】
再来受付機9は、患者の再来院時の受付処理を行う。再来受付機9は、患者によって診察券91が投入口から投入されると、受付票92を発行する。受付票92には、受付番号と、2次元バーコード921とが印字されている。2次元バーコードとしては、たとえば、QRコード(登録商標)が用いられる。
【0020】
端末装置1は、基地局装置13とインターネット12とを介して、SNSサーバ2と通信可能である。SNSサーバ2と、連携サーバ3と、呼出サーバ41とは、インターネット12に接続されている。
【0021】
呼出サーバ41は、経路P1を介することにより、インターネット12を介さずに、連携サーバ3と通信可能である。さらに、呼出サーバ41は、経路P2を介することにより、連携サーバ3を介さずに、SNSサーバ2と通信可能である。この場合、呼出サーバ41は、インターネット12を介して、SNSサーバ2と通信する。
【0022】
SNSサーバ2は、ソーシャルネットワーキングサービスを提供する。SNSサーバ2によって提供されるSNSのアプリケーションとしては、典型的には、LINE(登録商標)を用いることができる。ただし、当該アプリケーションは、LINEに限定されるものではない。なお、SNSサーバは、メッセージアプリサーバとも称される。連携サーバは、メッセージアプリ連携サーバとも称される。
【0023】
なお、以下では、連携サーバ3と通知サーバ4とで構成される通信システムを、「通信システム100」とも称する。通信システム100は、本発明における「通信システム」の一例である。
【0024】
<B.処理の概要>
図2は、ネットワークシステム900における処理の概要を説明するための図である。
図1および
図2に示されるように、ネットワークシステム900のうちの通信システム100は、院内ネットワーク910に接続された通知サーバ4と、院内ネットワーク910用のファイアウォール11を介して通知サーバ4と通信可能な連携サーバ3とを備える。
【0025】
図2に示されるように、通知サーバ4は、SNSサーバ2を介して、SNSサーバ2によって提供されるソーシャルネットワーキングサービスを利用可能な患者の端末装置1宛に当該患者宛の通知(たとえば、患者の診察の予約情報)を送信可能である。
【0026】
このようなシステム構成において、端末装置1において患者によって入力されたデータは、SNSサーバ2に送られる(図中の処理(i))。その後、SNSサーバ2は、当該データを、連携サーバ3に転送する(処理(ii))。連携サーバ3は、通知サーバ4から予め定められた信号(たとえば、ポーリングによる問い合わせ)を受信(処理(iii))すると、当該データを通知サーバ4に送信する(処理(iv))。
【0027】
以上のように、連携サーバ3は、SNSサーバ2を介して端末装置1からデータを取得した場合、通知サーバ4から予め定められた信号を受信したことを条件に、当該データを通知サーバ4に送信する。
【0028】
このような構成によれば、通知サーバ4が連携サーバ3に対してデータの送信要求を行なわない限り、連携サーバ3が通知サーバ4に対してデータを送信してくることはない。それゆえ、このような通信システム100によれば、データの送信要求を行っていないにもかかわらず外部のデータを通知サーバ4が受信してしまうような構成に比べて、院内ネットワーク910のセキュリティを確保することができる。
【0029】
より詳しくは、連携サーバ3は、通知サーバ4から予め定められた信号を受信したことを条件に、上記データを通知サーバ4に送信する。予め定められた信号は、上記の例では、通知サーバ4からのポーリングによる問い合わせである。
【0030】
なお、SNSサーバ2と、連携サーバ3と、通知サーバ4とは、この順に、それぞれ、本発明における、「外部サーバ」、「第2のサーバ」、「第1のサーバ」の一例である。上述した患者宛の通知は、本発明における「第1の通知」の一例である。患者への通知の他の例については、適宜、後述する。
【0031】
<C.ハードウェア構成>
図3は、連携サーバ3のハードウェア構成の典型例を表した図である。
図3を参照して、連携サーバ3は、主たる構成要素として、プログラムを実行するCPU351と、データを不揮発的に格納するROM352と、CPU351によるプログラムの実行により生成されたデータ、又は入力装置を介して入力されたデータを揮発的に格納するRAM353と、データを不揮発的に格納するHDD354と、通信IF(Interface)355と、電源回路356と、ディスプレイ357と、操作キー358とを含む。各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。
【0032】
電源回路356は、コンセントを介して受信した商用電源の電圧を降圧し、連携サーバ3の各部に電源供給を行なう回路である。ディスプレイ357は、各種のデータを表示するためのデバイスである。通信IF355は、他の機器との間の通信を行なためのインターフェイスである。操作キー360は、連携サーバ3の管理者が連携サーバ3へデータを入力するために用いるキー(キーボード)である。
【0033】
連携サーバ3における処理は、各ハードウェアおよびCPU351により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、HDD354に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、その他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信IF355等を介してダウンロードされた後、HDD354に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU351によってHDD354から読み出され、RAM353に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU351は、そのプログラムを実行する。
【0034】
同図に示される連携サーバ3を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、RAM353、HDD354、記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。なお、連携サーバ3の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0035】
なお、記録媒体としては、DVD-RAM、DVD-ROM、CD-ROM、FD、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク、EEPROM、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体が挙げられる。また、記録媒体は、当該プログラム等をコンピュータが読取可能な一時的でない媒体である。また、ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0036】
なお、通知サーバ4(詳しくは、呼出サーバ41および案内表示サーバ42)、SNSサーバ2、上位サーバ5(詳しくは、電子カルテサーバ51、会計用サーバ52、および薬用サーバ53)の各々は、連携サーバ3と同様なハードウェア構成を有するため、ここでは、これらのサーバについてのハードウェア構成については繰り返し説明を行わない。
【0037】
図4は、端末装置1のハードウェア構成の典型例を表した図である。
図4を参照して、端末装置1は、主たる構成要素として、プログラムを実行するCPU151と、データを不揮発的に格納するROM152と、CPU151によるプログラムの実行により生成されたデータ、又は入力装置を介して入力されたデータを揮発的に格納するRAM153と、データを不揮発的に格納するフラッシュメモリ154と、カメラ155と、操作キー156と、GPS(Global Positioning System)受信機157と、通信IF158と、電源回路159と、タッチスクリーン160と、マイク161と、スピーカ162と、アンテナ1571,1581とを含む。各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。
【0038】
フラッシュメモリ154には、オペレーティングシステム、各種のアプリケーションプログラムが格納されている。フラッシュメモリ154には、ウェブサイト(詳しくは、ウェブページ)を表示するためのウェブブラウザがインストールされている。
【0039】
タッチスクリーン160は、ディスプレイ1601と、タッチパネル1602により構成される。アンテナ1571は、GPS受信機157用のアンテナである。アンテナ1581は、通信IF158用のアンテナである。
【0040】
操作キー156は、端末装置1のユーザが主電源のオンまたはオフ等するためのキー(操作ボタン)である。GPS受信機157は、GPS衛星からの電波に基づき、端末装置1の現在位置の位置情報を取得する。通信IF158は、たとえば、SNSサーバ2に対するデータの送信処理と、SNSサーバ2から送信されたデータの受信処理を行なう。
【0041】
電源回路159は、端末装置1の各部に電源供給を行なう回路である。タッチスクリーン160は、各種のデータを表示し、かつ操作入力を受け付けるためのデバイスである。マイク161は、端末装置1のユーザの発話に基づく音声を集音する。スピーカ162は、音声を出力する。カメラ155は、端末装置1の周囲の被写体を撮像するための撮像装置である。本例では、カメラ155は、2次元バーコード921(
図1)を撮像するために利用される。
【0042】
端末装置1における処理は、各ハードウェアおよびCPU151により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、フラッシュメモリ154に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、その他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信IF158等を介してダウンロードされた後、フラッシュメモリ154に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU151によってフラッシュメモリ154から読み出され、RAM153に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU151は、そのプログラムを実行する。
【0043】
同図に示される端末装置1を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、RAM153、フラッシュメモリ154、記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。なお、端末装置1の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0044】
<D.機能的構成>
図5は、各サーバの機能的構成を説明するための図である。
図5に示されるように、端末装置1は、制御部110と、操作部120と、表示部130と、通信IF部140とを備える。
【0045】
制御部110は、端末装置1の全体的な動作を制御する。制御部110は、CPU1551がフラッシュメモリ154に格納された各種のプログラムを実行することにより実現される機能ブロックである。
【0046】
操作部120は、端末装置1のユーザ(患者)からの操作を受け付ける。操作部1200は、タッチパネル1602と、操作キー156とに対応する。表示部130は、制御部110によって各種の画面を表示する。表示部130は、ディスプレイ1601に対応する。通信IF部140は、たとえばSNSサーバ2との間で通信を行うためのインターフェイスである。
【0047】
連携サーバ3は、制御部310と、記憶部320と、通信IF部330とを備える。制御部310は、通信制御部311と、データ消去部312と、暗号化部313と、復号化部314とを含む。
【0048】
制御部310は、連携サーバ3の全体的な動作を制御する。制御部310は、CPU351がHDD354に格納された各種のプログラムを実行することにより実現される機能ブロックである。通信制御部311は、他の機器(SNSサーバ2、通知サーバ4等)との間の通信を制御する。記憶部320は、オペレーティングシステム、各種のアプリケーションプログラム、および各種のデータを記憶している。通信IF部330は、たとえば、SNSサーバ2との間の通信と、通知サーバ4との間の通信とを行うためのインターフェイスである。なお、制御部310内の各機能ブロックの処理については後述する。
【0049】
通知サーバ4は、制御部410と、記憶部420と、通信IF部430とを備える。制御部410は、通信制御部411と、紐付部412と、暗号化部413と、復号化部414とを含む。
【0050】
制御部410は、通知サーバ4の全体的な動作を制御する。制御部410は、CPUが各種のプログラムを実行することにより実現される機能ブロックである。通信制御部411は、他の機器(SNSサーバ2、連携サーバ3等)との間の通信を制御する。記憶部420は、オペレーティングシステム、各種のアプリケーションプログラム、および各種のデータを記憶している。通信IF部430は、たとえば、SNSサーバ2との間の通信と、連携サーバ3との間の通信と、上位サーバ5との間の通信とを行うためのインターフェイスである。なお、制御部410内の各機能ブロックの処理については後述する。
【0051】
<E.通信プロトコル>
(e1.通知サーバ4と連携サーバ3との間)
通知サーバ4(詳しくは呼出サーバ41)と、連携サーバ3との間の通信プロトコルについて説明すると、以下のとおりである。
【0052】
セキュリティの観点から、通信の接続を院内ネットワーク910から院外に限ることができるものを採用する。本例では、上記通信プロトコルとして、FTP(File Transfer Protocol)を用いる。なお、これに限定されず、FTPS(File Transfer Protocol over SSL/TLS)、SFTP(SSH File Transfer Protocol)、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)、または、HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)を用いてもよい。ただし、セキュリティをさらに高める観点からは、FTPおよびHTTPよりも、FTPS、SFTP、HTTPSが好ましい。
【0053】
これらの通信プロトコルを用いる場合には、呼出サーバ41から連携サーバ3に接続して、呼出サーバ41から定期的にポーリングを行い、呼出サーバ41は連携サーバ3からデータを取得する。
【0054】
なお、このような通信プロトコルを用いた場合、ポーリングによる問い合わせが、本発明の「予め定められた信号」の一例である。
【0055】
〔変形例〕
上記においては、ポーリングを行う通信プロトコルを用いる例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。連携サーバ3と、通知サーバ4(詳しくは呼出サーバ41)との間の通信プロトコルとして、WebSocketまたはSocketを用いてもよい。
【0056】
WebSocketまたはSocketでは、上記と同様に、呼出サーバ41から連携サーバ3に接続する。ただし、その後は、連携サーバ3から呼出サーバ41に通知を行うことになる。そのため、ポーリングでデータを取得するよりも、タイムラグが少なく、データがあるときのみ通信するなどのメリット(リアルタイム性および通信効率が良い)がある。
【0057】
WebSocketまたはSocketの場合、連携サーバ3と呼出サーバ41との間にファイアウォール11があっても、接続の要求は呼出サーバ41から連携サーバ3に対して行うことになる。すなわち、この場合にも、ファイアウォール上は院内ネットワーク910から院外の接続になる。
【0058】
なお、この変形例で示した通信プロトコルを用いた場合、上述した、呼出サーバ41から連携サーバ3への接続の要求が、本発明の「予め定められた信号」の一例である。
【0059】
(e2.通知サーバ4とSNSサーバ2との間)
通知サーバ4(詳しくは呼出サーバ41)と、SNSサーバ2との間の通信プロトコルとしては、たとえば、HTTPSを用いることができる。ただし、通信プロトコルは、HTTPSに限定されるものではない。
【0060】
(e3.SNSサーバ2と連携サーバ3との間)
SNSサーバ2と、連携サーバ3との間の通信プロトコルとしては、たとえば、HTTPSを用いることができる。ただし、通信プロトコルは、HTTPSに限定されるものではない。
【0061】
<F.処理の具体例>
以下、ネットワークシステム900で実行される各種の処理例について、具体的に説明する。具体的には、上述したように、通知サーバ4が連携サーバ3に対して、ポーリングによる問い合わせを行う構成を例に挙げて説明する。
【0062】
なお、前提として、SNSサーバ2では、病院のSNSのID(アカウント)に対して、SNS利用時の通知先として連携サーバ3が事前に紐付けられている。また、本例では、通知サーバ4(詳しくは呼出サーバ41)において、連携サーバ3への接続情報が予め登録されている。ただし、これに限定されず、連携サーバ3において、通知サーバ4(詳しくは呼出サーバ41)への接続情報が予め登録されていてもよい。
【0063】
(f1.患者の事前登録)
図6は、患者の事前登録を説明するためのシーケンス図である。具体的には、
図6は、患者IDと、患者のSNSのIDとの紐付け処理(関連付け処理)を説明するための図である。
【0064】
図6に示されるように、シーケンスSQ10において、患者は、病院の再来受付機9で発行された受付票92に記載の2次元バーコード921(
図1)を読み取る。2次元バーコード921には、病院のSNSのURL(Uniform Resource Locator)と、患者IDと、当日の日付け(受付票92を発券した日)とがコードとして予め記載されている。なお、患者IDは、病院によって当該患者に付与された識別情報である。
【0065】
SNSにおいて当該患者が友達として登録されていることを条件に、シーケンスSQ11において、端末装置1は、患者IDと、当日の日付けとを、「*」印等を用いて外部から把握(視認)できないように、表示部130に表示する。シーケンスSQ12において、端末装置1は、患者から送信操作を受け付けると、上記URLに基づき、シーケンスSQ13において、患者IDと、日付けと、患者のSNSのIDとを、SNSサーバ2に送信する。
【0066】
なお、「友達登録」とは、相手(病院のSNSのID(アカウント))と通信可能となるように、当該SNSを利用している相手を、当該SNSのアプリケーションプログラムによって提供される「友だち」リストに自動で登録する機能である。
【0067】
SNSサーバ2は、患者IDと、日付けと、患者のSNSのIDとを連携サーバ3に転送する。その後、シーケンスSQ14において、連携サーバ3(詳しくは、暗号化部313)は、セキュリティを高めるため、患者IDと、日付けと、SNSのIDとを暗号化して、記憶部320に記憶する。
【0068】
連携サーバ3は、SNSサーバ2から受信した各種のデータを暗号化する。連携サーバ3は、暗号化されたデータをSNSサーバ2から受信した場合であっても、当該暗号化されたデータに対してさらに暗号化処理を行う。
【0069】
通知サーバ4は、ポーリングを実行している。通知サーバ4は、周期的に、連携サーバ3に対してデータの送信要求をする。具体的には、通知サーバ4は、ポーリングによる問い合わせを、周期的に連携サーバ3宛に送る。当該周期の例としては、たとえば、3秒から10秒の間の所定の秒数が挙げられる。通知サーバ4の通信制御部411(
図5)が、このようなポーリングを実行する。
【0070】
通知サーバ4は、ポーリングにより連携サーバ3から、暗号化された、患者IDと、日付けと、患者のSNSのIDとを取得すると、復号化部414によって、これらのデータを復号化する。その後、通知サーバ4は、シーケンスSQ15において、患者IDと患者のSNSのIDとを紐付けて記憶する。具体的には、通知サーバ4は、所定のデータテーブル(図示せず)に、患者IDと患者のSNSのIDとを関連付けて書き込む。なお、通知サーバ4は、取得した患者IDを、上記データテーブルとは別の領域に別途記憶しておく。以上の一連の処理により、患者IDと患者のSNSのIDとの紐付けが完了する。
【0071】
詳しくは、連携サーバ3は、通知サーバ4からのポーリングによる問い合わせに応答して、暗号化された、患者IDと、日付けと、患者のSNSのIDとを通知サーバ4に送信したことに基づき、データ消去部312によって、連携サーバ3内(詳しくは、記憶部320)から、暗号化された、患者IDと、日付けと、患者のSNSのIDとを削除する。それゆえ、連携サーバ3は、一時的にしか上記暗号化されたデータを保持しない。したがって、上記の構成によれば、上記暗号化されたデータを削除せずに保持し続ける構成と比較して、セキュリティを向上させることができる。
【0072】
なお、友達登録がなされていない場合には、患者は、端末装置1において、SNSのアプリケーションプログラムの画面を表示させ、友達追加の操作を行う。当該操作に基づき、患者のSNSのIDと、病院のSNSのIDとが、SNSサーバ2に送信される。SNSサーバ2においては、患者と病院とを友達として登録する。具体的には、SNSサーバ2は、患者のSNSのIDと、病院のSNSのIDとを紐付ける。以上により、友達登録が完了する。
【0073】
以上のように、連携サーバ3は、SNSサーバ2を介して端末装置1から患者のSNSのIDを取得した場合、通知サーバ4からポーリングによる問い合わせを受信したことを条件に、当該SNSのIDを通知サーバ4に送信する。このような構成によれば、通知サーバ4は、院外ネットワーク920の連携サーバ3から、患者のSNSのIDをセキュアに取得することができる。
【0074】
詳しくは、通知サーバ4は、患者のSNSのIDと患者IDとを含むデータを連携サーバ3から取得すると、紐付部412(
図5)によって、患者のSNSのIDと患者IDとを紐付けて記憶部420に記憶する。このような構成によれば、通知サーバ4は、ある患者の患者IDが特定されば当該患者のSNSのIDを特定でき、かつ、ある患者のSNSのIDが特定されば当該患者の患者IDを特定できる。
【0075】
さらに詳しくは、連携サーバ3は、端末装置1によって患者IDを含む2次元バーコードが読み取られたことに基づき、SNSサーバ2を介して端末装置1から患者IDを取得する。このような構成によれば、端末装置1が2次元バーコードを読み取ることにより、通知サーバ4は、患者のSNSのIDとともに、患者IDをセキュアに取得することができる。
【0076】
なお、上記患者のSNSのIDは、本発明における「ソーシャルネットワーキングサービスによって患者に付与された第1の識別情報」の一例である。患者IDは、本発明における「病院によって患者に付与された第2の識別情報」の一例である。また、患者IDと、日付けと、患者のSNSのIDとを含むデータは、本発明における「第1のデータ」の一例である。
【0077】
〔変形例〕
図7は、患者の事前登録の変形例を説明するためのシーケンス図である。
図7を参照して、シーケンスSQ20において、患者は、病院の再来受付機9で発行された受付票92に記載の2次元バーコード921(
図1参照)を読み取る。本例では、2次元バーコード921には、病院のSNSのURLと、患者が受診する予定の診療科を示す診療科コードと、受付番号と、当日の日付け(受付票92を発券した日)とが予め記載されている。
【0078】
SNSにおいて、当該患者が友達として登録されていることを条件に、シーケンスSQ21において、端末装置1は、診療科コードと、受付番号と、当日の日付けとを、視認可能に表示部130に表示する。シーケンスSQ22において、端末装置1は、患者から送信操作を受け付けると、上記URLに基づき、シーケンスSQ23において、診療科コードと、受付番号と、日付けと、患者のSNSのIDとを、SNSサーバ2に送信する。
【0079】
SNSサーバ2は、診療科コードと、受付番号と、日付けと、患者のSNSのIDとを連携サーバ3に転送する。その後、シーケンスSQ24において、連携サーバ3(詳しくは、暗号化部313)は、診療科コードと、受付番号と、日付けと、患者のSNSのIDとを暗号化して記憶する。
【0080】
通知サーバ4は、上述したように、ポーリングを実行している。通知サーバ4は、ポーリングにより連携サーバ3から、暗号化された、診療科コードと、受付番号と、日付けと、患者のSNSのIDとを取得すると、復号化部414によって、これらのデータを復号化する。なお、本例でも、連携サーバ3のデータ消去部312は、暗号化された上記のデータを通知サーバ4宛に送信したことに基づき、当該暗号化されたデータを記憶部320から削除する。
【0081】
その後、通知サーバ4は、シーケンスSQ25において、診療科コードと、受付番号と、日付けとを、上位サーバ5(詳しくは、電子カルテサーバ51)に送信する。上位サーバ5は、診療科コードと、受付番号と、日付けとを受信すると、これらの情報から患者IDを特定し、かつ、シーケンスSQ26において、特定された患者IDを通知サーバ4に返信する。
【0082】
通知サーバ4の紐付部412は、連携サーバ3から取得した患者のSNSのIDと、上位サーバ5から取得した患者IDとを紐付けて、記憶部420に記憶する。具体的には、通知サーバ4は、所定のデータテーブルに、患者IDと患者のSNSのIDとを関連付けて書き込む。このような一連の処理によっても、患者IDと患者のSNSのIDとの紐付けることが可能となる。
【0083】
以上のように、通知サーバ4は、診療科コードと、受付番号と、日付けとを連携サーバ3から取得すると、診療科コードと受付番号と日付けとに基づき、院内ネットワーク910を介して上位サーバ5から患者IDを取得する。通知サーバ4は、患者のSNSのIDと患者IDとを紐付けて記憶する。このような構成によれば、通知サーバ4は、患者IDを院外ネットワーク920から取得する必要がない。このため、患者IDを院外ネットワーク920から取得する構成に比べて、患者IDが外部に漏洩する虞を低減できる。
【0084】
なお、診療科コードと、受付番号と、日付けと、患者のSNSのIDとを含むデータは、本発明における「第1のデータ」の一例である。診療科コードと、受付番号と、日付けとは、本発明における「病院によって患者に一時的に付与された第3の識別情報」の一例である。ここで、診療科コードは必須ではない。たとえば、受付番号が診療科ごとではなく病院全体で発行される場合、あるいは、そもそも病院に診療科が1つしかない場合、診療科コードがなくてもよい。上位サーバ5(詳しくは、本例では、電子カルテサーバ51)は、本発明における「第3のサーバ」の一例である。
【0085】
(f2.受付)
次に、診察の受付処理について説明する。
図8は、診察の受付処理の前半部分を説明するためのシーケンス図である。
図9は、診察の受付処理の後半部分を説明するためのシーケンス図である。
図10は、
図9および
図10のシーケンスに基づく端末装置1の画面遷移を説明するための図である。なお、以下では、端末装置1においてSNSのアプリケーションプログラムが実行され、当該SNSの画面が端末装置1の表示部130に表示されているものとする。
【0086】
図8に示されるように、シーケンスSQ30において、端末装置1は、ユーザから受付ボタン1001(
図10)の押下を受け付ける。なお、受付ボタン1001は、SNSのアプリケーションプログラムの実行に伴い、端末装置1の画面に表示されている。
【0087】
受付ボタン1001が押下されると、シーケンスSQ31において、端末装置1は、患者のSNSのIDと、端末装置1の位置情報とを、SNSサーバ2に送信する。なお、端末装置1は、当該位置情報をGPS受信機157(
図4)によって取得する。さらに、端末装置1は、患者のSNSのIDと位置情報とをSNSサーバ2に送信すると、
図10の状態(A)に示されるように、受付を開始したことを示すメッセージ1004を表示部130に表示する。
【0088】
なお、端末装置1は、状態(A)においては、受付ボタン1001の他に、確認ボタン1002と削除ボタン1003とを表示する。確認ボタン1002と削除ボタン1003とに割り当てられた機能については後述する。
【0089】
シーケンスSQ32において、SNSサーバ2は、複数の連携サーバから、予め紐付けされた連携サーバ(本例では、連携サーバ3)を特定する。その後、シーケンスSQ33において、SNSサーバ2は、端末装置1から受信した患者のSNSのIDと端末装置1の位置情報とを、連携サーバ3に送信する。
【0090】
シーケンスSQ34において、連携サーバ3は、暗号化部313によって患者のSNSのIDと端末装置1の位置情報とを暗号化し、かつ、当該暗号化された情報を記憶部320に一時的に記憶する。その後、通知サーバ4は、ポーリングに基づき、暗号化された患者のSNSのIDと位置情報とを連携サーバ3から取得する。通知サーバ4は、暗号化された患者のSNSのIDと位置情報とを取得すると、復号化部414によって、これらの情報を復号化する。なお、連携サーバ3は、通知サーバ4に暗号化された患者のSNSのIDと位置情報とを送信すると、記憶部320から当該暗号化された患者のSNSのIDと位置情報とを削除する。
【0091】
シーケンスSQ35において、通知サーバ4は、端末装置1の位置情報に基づき端末装置1(すなわち患者)が病院の付近に位置しているか否かを判断し、患者が病院の付近に位置していると判断すると、上述したデータテーブルを参照して、患者のSNSのIDに予め紐付けされている患者IDを特定する。シーケンスSQ36において、通知サーバ4は、特定された患者IDが付与された患者の予約情報を上位サーバ5(本例では、電子カルテサーバ51)に問い合わせる。シーケンスSQ37において、上位サーバ5は、当該問合せに基づき、通知サーバ4に対して、当該患者の予約情報を返信する。
【0092】
シーケンスSQ38において、通知サーバ4は、患者のSNSのIDを利用することにより、SNSサーバ2を介して端末装置1に上記患者の予約情報を送信する。詳しくは、通知サーバ4は、連携サーバ3を介さずに、上記患者の予約情報を送信する。より詳しくは、通知サーバ4は、
図1で示した経路P2を介して、SNSサーバ2に予約情報を送信する。その後、SNSサーバ2は、当該予約情報を端末装置1に転送する。
【0093】
シーケンスSQ39において、端末装置1は、SNSサーバ2から受信した予約情報を表示部130に表示する。さらに、シーケンスSQ40において、患者に対して受付要否を問い合わせる確認メッセージを表示部130に表示する。具体的には、
図10の状態(B)に示されるように、端末装置1は、予約情報としてのメッセージ1005を表示部130に表示する。さらに、端末装置1は、メッセージ1005に引き続き、上記確認メッセージとして、予約情報通りに受け付けをするか否かを患者に選択させるメッセージ1006を表示部130に表示する。
【0094】
続いて
図9に示されるように、シーケンスSQ41において、端末装置1は、確認メッセージへの応答操作を受け付ける。具体的には、端末装置1は、
図10の状態(B)に示したメッセージ1006に含まれる2つの選択肢(「はい」,「いいえ」)のうちの一方を選択するタッチ操作を受け付ける。なお、説明の便宜上、以下では、応答操作として「はい」が選択されたものとする。
【0095】
端末装置1は、上記応答操作を受け付けると、シーケンスSQ42において、応答内容(本例では、「はい」)を病院宛に送信する。詳しくは、端末装置1は、SNSサーバ2に応答内容を送信する。この場合、SNSサーバ2は、当該応答内容を連携サーバ3に転送する。端末装置1は、SNSサーバ2に応答内容を送信すると、
図10の状態(B)に示されるように、病院に対して応答(返信)を返したことを示すメッセージ1007を表示部130に表示する。
【0096】
シーケンスSQ43において、連携サーバ3は、応答内容を暗号化する。通知サーバ4は、ポーリングによって、連携サーバ3から暗号化された応答内容を取得すると、復号化部414によって、当該応答内容を復号化する。なお、連携サーバ3は、通知サーバ4に暗号化された応答情報を送信すると、記憶部320から暗号化された応答情報を削除する。
【0097】
シーケンスSQ44において、通知サーバ4は、上位サーバ5(本例では、電子カルテサーバ51)に対して受付を依頼する。シーケンスSQ45において、上位サーバ5は受付処理を実行する。シーケンスSQ46において、上位サーバ5は、受け付けたことを示す受付結果を通知サーバ4に送信する。シーケンスSQ47において、通知サーバ4は、受信した受付結果を記憶部420に記憶する。
【0098】
シーケンスSQ48において、通知サーバ4は、患者のSNSのIDを利用することにより、SNSサーバ2を介して端末装置1に上記受付結果を送信する。この場合も、通知サーバ4は、連携サーバ3を介さずに、上記受付結果を送信する。
【0099】
シーケンスSQ49において、端末装置1は、受信した受付結果を表示部130に表示する。具体的には、
図10の状態(C)に示すように、受付が完了したこと等を示すメッセージ1008を表示部130に表示する。なお、メッセージ1008は、受付番号、その他の付加情報をさらに含む。以上により、一連の患者の受付処理が終了する。
【0100】
以上のように、端末装置1は、通知サーバ4から予約情報を取得でき、かつ、予約情報を表示部130に表示する。それゆえ、端末装置1のユーザである患者は、自身の予約情報を確認することができる。
【0101】
詳しくは、通知サーバ4は、連携サーバ3およびSNSサーバ2のうちSNSサーバ2のみを介して、予約情報を端末装置1宛に送信する。より詳しくは、通知サーバ4は、患者のSNSのIDを利用することにより、連携サーバ3およびSNSサーバ2のうちSNSサーバ2のみを介して、予約情報を端末装置1宛に送信する。これにより、通知サーバ4は、連携サーバ3を介することなく、予約情報を端末装置1宛てに送信することができる。
【0102】
なお、本例では、上述した予約情報と受付結果との各々は、本発明における「第1の通知」の一例である。
【0103】
〔変形例〕
以下では、
図9および
図10で示した受付処理の変形例として、予約情報を暗号化する構成について説明する。
図11は、診察の受付処理の前半部分を説明するためのシーケンス図である。
図12は、診察の受付処理の後半部分を説明するためのシーケンス図である。
図13は、
図11および
図12のシーケンスに基づく端末装置1の画面遷移を説明するための図である。
【0104】
図11に示されるように、ネットワークシステム900では、まず、シーケンスSQ60~SQ67の各処理が実行される。シーケンスSQ60~SQ67の一連の処理は、
図8に基づき説明したシーケンスSQ30~SQ37の一連の処理と同じである。それゆえ、ここでは、シーケンスSQ60~SQ67の各処理の説明を行わない。
【0105】
なお、本変形例でも、端末装置1は、患者のSNSのIDと位置情報とをSNSサーバ2に送信すると(シーケンスSQ61)、
図13の状態(A)に示されるように、受付を開始したことを示すメッセージ1004を表示部130に表示する。
【0106】
シーケンスSQ68において、通知サーバ4は、予約情報を暗号化し、かつ、患者のSNSのIDを利用することにより、SNSサーバ2を介して端末装置1に上記暗号化された予約情報を送信する。詳しくは、通知サーバ4は、連携サーバ3を介さずに、上記暗号化された予約情報を送信する。このとき、通知サーバ4は、上記暗号化された予約情報とともに、後述のシーケンスSQ73において端末装置1から連携サーバ3にアクセスするためのURLを送信する。その後、SNSサーバ2は、当該暗号化された予約情報とともに、連携サーバ3にアクセスするためのURLを端末装置1に転送する。
【0107】
続いて
図12に示されるように、シーケンスSQ71において、端末装置1は、患者に対して受付要否を問い合わせる確認メッセージと、患者に対して予約情報の確認の要否を問い合わせる確認メッセージとを表示部130に表示する。具体的には、
図13の状態(B)に示されるように、端末装置1は、上記確認メッセージとして、受け付けをするか否かを患者に選択させるメッセージ1011と、予約情報を確認するか否かを患者に選択させるメッセージ1012とを表示部130に表示する。
【0108】
シーケンスSQ72において、端末装置1は、当該確認メッセージへの応答操作を受け付ける。具体的には、端末装置1は、
図13の状態(B)に示したメッセージ1011に含まれる2つの選択肢(「はい」,「いいえ」)のうちの一方を選択するタッチ操作、または、
図13の状態(B)に示したメッセージ1012に含まれる2つの選択肢(「する」,「しない」)のうちの一方を選択するタッチ操作を受け付ける。
【0109】
ここで、応答操作としてメッセージ1011に含まれる「はい」が選択された場合、
図9に基づき説明したシーケンスSQ42~SQ49の一連の処理と同じ処理が実行され、一連の患者の受付処理が終了する。
【0110】
一方、応答操作としてメッセージ1012に含まれる「する」が選択された場合、端末装置1は、上記応答操作を受け付けると、シーケンスSQ73において、予め取得したURLに基づき、連携サーバ3にアクセスする。このとき、暗号化された予約情報を付加する。詳しくは、端末装置1は、連携サーバ3に暗号化された予約情報を送信する。
【0111】
シーケンスSQ74において、連携サーバ3は、復号化部314(
図5)によって、暗号化された予約情報を復号化する。次いで、シーケンスSQ75において、連携サーバ3は、上記復号化された予約情報を端末装置1のウェブブラウザで表示するためのデータを、SNSサーバ2を介さずに端末装置1宛てに送信する。
【0112】
シーケンスSQ76において、端末装置1は、連携サーバ3から受信した当該データに基づき、連携サーバ3によって提供された、予約情報を含むウェブページを表示する。具体的には、端末装置1は、
図13の状態(C)に示すメッセージ1015を表示部130に表示する。
【0113】
この後、端末装置1は、ユーザから閉じるボタン1016の押下を受け付ける。なお、閉じるボタン1016は、予約情報を含むウェブページとともに、端末装置1の画面に表示されている。
【0114】
閉じるボタン1016が押下されると、端末装置1は、再び、患者に対して受付要否を問い合わせる確認メッセージと、患者に対して予約情報の確認の要否を問い合わせる確認メッセージとを表示部130に表示する。具体的には、
図13の状態(B)に示されるように、端末装置1は、上記確認メッセージとして、受け付けをするか否かを患者に選択させるメッセージ1011と、予約情報を確認するか否かを患者に選択させるメッセージ1012とを表示部130に表示する。
【0115】
ここで、応答操作としてメッセージ1011に含まれる「はい」が選択された場合、
図9に基づき説明したシーケンスSQ42~SQ49の一連の処理と同じ処理が実行され、一連の患者の受付処理が終了する。
【0116】
以上のように、通知サーバ4は、患者の診察の予約情報を暗号化し、かつ、SNSサーバ2を介して、当該暗号化された予約情報を端末装置1に送信する。端末装置1は、上記暗号化された予約情報を連携サーバ3に送信する。連携サーバ3は、当該暗号化された予約情報を復号化し、かつ、復号化された予約情報を端末装置1のウェブブラウザで表示させるためのデータを、SNSサーバ2を介さずに端末装置1に送信する。
【0117】
このような構成によれば、個人情報でもある予約情報は、SNSサーバ2に対して暗号化された状態で渡される。したがって、仮にSNSサーバ2から予約情報が漏れたとしても、予約情報は暗号化されているため、予約情報を第三者に知られることを防止できる。
【0118】
なお、復号化された予約情報を端末装置1のウェブブラウザで表示するためのデータは、本発明における「第2のデータ」の一例である。暗号化された予約情報は、本発明における「第1の通知」の一例である。
【0119】
(f3.診察間近の通知)
図14は、診察が間近に迫っていることを患者に通知する処理を示したシーケンス図である。なお、本例では、端末装置1のユーザである1人の特定の患者に着目して説明する。
図14に示されるように、シーケンスSQ90において、上位サーバ5(詳しくは、電子カルテサーバ51、または病院の検査部門のシステムの図示しないサーバ)は、各患者についての、予約時間と、受付情報と、診察情報とを、通知サーバ4に送信する。
【0120】
シーケンスSQ91において、通知サーバ4は、予約時間と受付情報と診察情報とに基づき、複数の診察待ち患者から、診察が間近に迫っている患者を特定する。シーケンスSQ92において、通知サーバ4は、上述したデータテーブルを参照して、特定した患者の患者IDに紐付けられた患者のSNSのIDを特定する。
【0121】
シーケンスSQ93において、通知サーバ4は、特定されたSNSのID宛てに、診察が間近であることを含む情報を送信する。具体的には、通知サーバ4は、SNSサーバ2を介して、端末装置1に診察が間近であることを含む情報を送信する。なお、この場合も、当該情報は、連携サーバ3を介さずに端末装置1に送信される。シーケンスSQ94において、端末装置1は、通知サーバ4から受信した上記情報を表示部130に表示する。
【0122】
このような構成によれば、端末装置1のユーザである患者は、自身の診察が間近に迫っていることを、端末装置1によって知ることができる。
【0123】
図15は、
図14のシーケンスSQ94の処理により表示される画面を示した図である。
図15に示されるように、端末装置1は、診察が間近であることを含むコメント1017を表示部130に表示する。本例では、コメント1017は、診察が間近であることに加え、診療科名と、担当医師名と、診察室の番号と、受付番号とを含む。
【0124】
このような構成によれば、患者は、診察が間近であることに加え、診療科名、担当医師名、診察室の番号、受付番号を、端末装置1で確認することができる。
【0125】
なお、本例では、上述した、診察が間近であることを含む情報は、本発明における「第1の通知」の一例である。
【0126】
〔変形例〕
図16は、
図15に示した通知処理の変形例を示したシーケンス図である。
図16に示されるように、シーケンスSQ100において、上位サーバ5(詳しくは、電子カルテサーバ51、または病院の検査部門のシステムの図示しないサーバ)は、診察間近の患者の患者IDを通知サーバ4に送信する。
【0127】
シーケンスSQ101において、通知サーバ4は、上述したデータテーブルを参照して、診察間近の患者の患者IDに紐付けられた患者のSNSのIDを特定する。シーケンスSQ102において、通知サーバ4は、特定されたSNSのID宛てに、診察が間近であることを含む情報を送信する。具体的には、通知サーバ4は、SNSサーバ2を介して、端末装置1に診察が間近であることを含む情報を送信する。なお、この場合も、当該情報は、連携サーバ3を介さずに端末装置1に送信される。シーケンスSQ103において、端末装置1は、通知サーバ4から受信した上記情報を表示部130に表示する。
【0128】
このような構成によれば、端末装置1のユーザである患者は、自身の診察が間近に迫っていることを、端末装置1によって知ることができる。
【0129】
(f4.診察状況の通知)
図17は、現在の診察状況を患者に通知する処理を示したシーケンス図である。
図18は、
図17のシーケンスに基づく端末装置1の画面遷移を説明するための図である。なお、本例では、
図14と同様、端末装置1のユーザである1人の特定の患者に着目して説明する。
【0130】
図17を参照して、シーケンスSQ110において、上位サーバ5(詳しくは、電子カルテサーバ51)は、各患者についての、予約時間と、受付情報と、診察情報とを、通知サーバ4に送信する。シーケンスSQ111において、通知サーバ4は、各患者についての、予約時間と、受付情報と、診察情報とを記憶部420に蓄積する。
【0131】
シーケンスSQ112において、端末装置1は、ユーザから確認ボタン1002(
図18)の押下を受け付ける。確認ボタン1002が押下されると、シーケンスSQ113において、端末装置1は、患者のSNSのIDをSNSサーバ2に送信する。端末装置1は、患者のSNSのIDをSNSサーバ2に送信すると、
図18の状態(A)に示されるように、確認を開始したことを示すメッセージ1018を表示部130に表示する。
【0132】
シーケンスSQ114において、SNSサーバ2は、複数の連携サーバから、予め紐付けされた連携サーバ(本例では、連携サーバ3)を特定する。その後、シーケンスSQ115において、SNSサーバ2は、端末装置1から受信した患者のSNSのIDを、連携サーバ3に送信する。
【0133】
シーケンスSQ116において、連携サーバ3は、暗号化部313によって患者のSNSのIDを暗号化し、かつ、当該暗号化されたSNSのIDを記憶部320に一時的に記憶する。その後、通知サーバ4は、ポーリングに基づき、暗号化された患者のSNSのIDを連携サーバ3から取得する。通知サーバ4は、暗号化された患者のSNSのIDを取得すると、復号化部414によって、患者のSNSのIDを復号化する。なお、連携サーバ3は、通知サーバ4に暗号化された患者のSNSのIDを送信すると、記憶部320から暗号化された患者のSNSのIDを削除する。
【0134】
シーケンスSQ117において、通知サーバ4は、上述したデータテーブルを参照して、取得した患者のSNSのIDに紐付けられた患者IDを特定する。シーケンスSQ118において、通知サーバ4は、患者のSNSのIDを利用して、SNSサーバ2を介して端末装置1に対して、特定された患者IDの患者の受付番号と、診察の進行状況とを、当該患者の端末装置1宛てに送信する。詳しくは、通知サーバ4は、連携サーバ3を介さずに、上記特定された患者IDの患者の受付番号と、上記診察の進行状況とを送信する。
【0135】
シーケンスSQ119において、端末装置1は、受信した受付番号と診察の進行状況とを表示部130に表示する。具体的には、端末装置は、
図18の状態(B)に示すように、受付番号と診察の進行状況とを含むコメント1019を表示部130に表示する。コメント1019は、当該患者の受付番号と、診療科名と、担当医師名と、診察室の番号と、診察待ちの患者の受付番号と、現在の診察している患者の予約時刻とをさらに含む。
【0136】
このような構成によれば、端末装置1のユーザである患者は、受付番号と診察の進行状況とを、端末装置1によって知ることができる。
【0137】
なお、本例では、上述した、受付番号と診察の進行状況とは、本発明における「第1の通知」の一例である。
【0138】
〔変形例〕
図19は、
図18に示した通知処理の変形例を示したシーケンス図である。
図20は、
図19のシーケンスに基づく端末装置1の画面遷移を説明するための図である。
【0139】
図19に示されるように、シーケンスSQ130において、上位サーバ5(詳しくは、電子カルテサーバ51)は、各患者についての、予約時間と、受付情報と、診察情報とを、通知サーバ4に送信する。シーケンスSQ131において、通知サーバ4は、診察の進行状況を表示するウェブページを作成し、かつ当該ウェブページを外部公開する。
【0140】
端末装置1は、シーケンスSQ132において、端末装置1は、ユーザから確認ボタン1002(
図20)の押下を受け付ける。
【0141】
確認ボタン1002が押下されると、シーケンスSQ133において、端末装置1は、予め取得したURLに基づき、通知サーバ4によって作成された、診察の進行状況を表示するウェブページにアクセスする。シーケンスSQ134において、端末装置1は、当該ウェブページを表示部130に表示する。具体的には、端末装置1は、
図20の状態(B)に示すように、外来診察状況を示す画面1021を、SNSのアプリケーション画面上に表示する。
【0142】
このような構成によっても、端末装置1のユーザである患者は、受付番号と診察の進行状況とを、端末装置1によって知ることができる。
【0143】
(f5.手動送信)
図21は、上位サーバ5のユーザ(病院の職員等)の操作に基づき上位サーバ5から端末装置1にメッセージを送る際の処理を示したシーケンス図である。
図21を参照して、シーケンスSQ140において、上位サーバ5(詳しくは、電子カルテサーバ51)は、電子カルテにインストールされたアプリケーションプログラムにおいて所望の患者の指定(ユーザ操作)を受け付ける。シーケンスSQ141において、上位サーバ5のユーザは、メッセージの入力、または、所定の複数のメッセージのうちから任意のメッセージの指定を行う。
【0144】
シーケンスSQ142において、上位サーバ5は、指定された患者宛(上記所望の患者宛)に上記メッセージを送信する。詳しくは、当該メッセージは、先ず、通知サーバ4に送られる。シーケンスSQ143において、通知サーバ4は、上述したデータテーブルを参照し、指定された患者の患者IDに紐付けられた患者のSNSのID宛てにメッセージを送信する。
【0145】
具体的には、通知サーバ4は、SNSサーバ2を介して、端末装置1に上記メッセージを送信する。なお、この場合も、当該メッセージは、連携サーバ3を介さずに端末装置1に送信される。シーケンスSQ144において、端末装置1は、通知サーバ4から受信した上記メッセージを表示部130に表示する。すなわち、端末装置1は、上位サーバ5において、入力または指定されたメッセージを表示部130に表示する。
【0146】
図22は、
図21のシーケンスSQ144の処理により表示される画面を示した図である。
図22に示されるように、端末装置1は、病院側から当該患者宛に個別に送られてきたメッセージ1022を表示部130に表示する。たとえば、メッセージ1022は、待合室への呼び出し等を含む。
【0147】
このような構成によれば、端末装置1のユーザである患者は、病院側から当該患者宛に個別に送られてきたメッセージを、メッセージ1022として端末装置1によって確認することができる。
【0148】
なお、本例では、上述した、上位サーバ5において入力または指定されたメッセージは、本発明における「第1の通知」の一例である。
【0149】
(f6.前日通知)
図23は、診察の前日であることを患者に通知する処理を示したシーケンス図である。
図23に示すように、シーケンスSQ150において、通知サーバ4は、翌日の予約情報を上位サーバ5(詳しくは、電子カルテサーバ51)に問い合わせる。シーケンスSQ151において、上位サーバ5は、上記の問合せに対して、翌日の予約情報を通知サーバ4に返信する。
【0150】
シーケンスSQ152において、通知サーバ4は、翌日の予約をしており、かつ、患者のSNSのIDが上述したデータテーブルに登録されている患者(詳しくは、患者ID)を選定する。シーケンスSQ153において、通知サーバ4は、選定された患者のSNSのID宛てに、翌日が診察日であることを示すメッセージを送信する。
【0151】
具体的には、通知サーバ4は、SNSサーバ2を介して、端末装置1に上記メッセージを送信する。なお、この場合も、当該メッセージは、連携サーバ3を介さずに端末装置1に送信される。シーケンスSQ154において、端末装置1は、通知サーバ4から受信した上記メッセージを表示部130に表示する。すなわち、端末装置1は、上位サーバ5において、翌日が診察日であることを示すメッセージを表示部130に表示する。
【0152】
図24は、
図23のシーケンスSQ154の処理により表示される画面を示した図である。
図24に示されるように、端末装置1は、病院側から当該患者宛に送られてきたメッセージ1023を表示部130に表示する。本例では、メッセージ1023は、診療科名と、担当医師名と、予約時間との各情報をさらに含む。
【0153】
このような構成によれば、端末装置1のユーザである患者は、翌日に病院での診察があること等を端末装置1によって確認することができる。
【0154】
なお、本例では、上述した、翌日が診察日であることを示すメッセージは、本発明における「第1の通知」の一例である。
【0155】
(f7.診察の開始時刻の目安通知)
図25は、診察の開始時刻の目安を患者に通知する処理を示したシーケンス図である。なお、本例では、
図14等と同様、端末装置1のユーザである1人の特定の患者に着目して説明する。
【0156】
図25を参照して、シーケンスSQ160において、上位サーバ5(詳しくは、電子カルテサーバ51)は、各患者についての、予約時間と、受付情報と、診察情報とを、通知サーバ4に送信する。シーケンスSQ161において、通知サーバ4は、他の患者についての診察の進行状況から診察の遅れ時間を算出する。
【0157】
シーケンスSQ162において、通知サーバ4は、各患者の予約時間に基づき、各患者の診察開始時刻を予測する。シーケンスSQ163において、通知サーバ4は、各患者のうちから、予測された診察開始時刻が現在の時刻の所定時間以内の患者(詳しくは、患者ID)を特定する。たとえば、所定時間としては、たとえば、30分が挙げられる。シーケンスSQ164において、通知サーバ4は、上述したデータテーブルを参照して、特定された患者の患者IDに紐付けられたSNSのIDを特定する。
【0158】
シーケンスSQ165において、通知サーバ4は、特定されたSNSのID宛てに、診察開始時刻の目安を示すメッセージを送信する。具体的には、通知サーバ4は、SNSサーバ2を介して、端末装置1に診察開始時刻の目安を示すメッセージを送信する。なお、この場合も、当該メッセージは、連携サーバ3を介さずに端末装置1に送信される。シーケンスSQ166において、端末装置1は、通知サーバ4から受信した上記メッセージを表示部130に表示する。なお、シーケンスSQ160~SQ165の処理は、周期的に実行される。
【0159】
図26は、
図25のシーケンスSQ166の処理により表示される画面を示した図である。
図26に示されるように、端末装置1は、病院側から当該患者宛に送られてきた、診察の開始時刻の目安を示すメッセージ1024を表示部130に表示する。本例では、メッセージ1024は、診療科名と、担当医師名と、受付番号との各情報をさらに含む。
【0160】
このような構成によれば、端末装置1のユーザである患者は、後どの程度で診察が開始されるか等を端末装置1によって知ることができる。
【0161】
なお、本例では、上述した、診察開始時刻の目安を示すメッセージは、本発明における「第1の通知」の一例である。
【0162】
(f8.会計通知)
図27は、診察についての会計が完了したことを患者に通知する処理を示したシーケンス図である。なお、本例では、
図14等と同様、端末装置1のユーザである1人の特定の患者に着目して説明する。
【0163】
図27を参照して、シーケンスSQ170において、上位サーバ5(詳しくは、会計用サーバ52)は、会計の計算が完了したことを示す通知を、通知サーバ4に送信する。シーケンスSQ171において、通知サーバ4は、会計の受付番号または患者IDに基づき、患者を特定する。シーケンスSQ172において、特定された患者の患者IDにSNSのIDが上述したデータテーブル内で紐づけられている場合、当該SNSのID宛に、会計の受付番号と、会計の計算が完了したこととを示すメッセージを送信する。
【0164】
具体的には、通知サーバ4は、SNSサーバ2を介して、端末装置1に、会計の受付番号と会計の計算が完了したこととを示すメッセージを送信する。なお、この場合も、当該メッセージは、連携サーバ3を介さずに端末装置1に送信される。シーケンスSQ173において、端末装置1は、通知サーバ4から受信した上記メッセージを表示部130に表示する。
【0165】
図28は、
図27のシーケンスSQ173の処理により表示される画面を示した図である。
図28に示されるように、端末装置1は、病院側から当該患者宛に送られてきた、会計の受付番号と会計の計算が完了したこととを示すメッセージ1025を表示部130に表示する。
【0166】
以上のように、通知サーバ4は、院内ネットワーク910を介して上位サーバ5から診察の会計の計算が完了したことを示す通知を受信したことに基づき、SNSサーバ2を介して、端末装置1宛に、会計の完了を示す通知と、会計の受付番号とを送信する。このような構成によれば、端末装置1のユーザである患者は、会計が完了したことと、会計の受付番号とを端末装置1によって知ることができる。
【0167】
なお、本例では、上述した、通知サーバ4から端末装置1宛に送信される、会計の受付番号と会計の計算が完了したこととを示すメッセージは、本発明における「第1の通知」の一例である。上述した、上位サーバ5から送信される、会計の計算が完了したことを示す通知は、本発明における「第2の通知」の一例である。
【0168】
(f9.薬通知)
図29は、薬の調合が完了したことを患者に通知する処理を示したシーケンス図である。なお、本例では、
図14等と同様、端末装置1のユーザである1人の特定の患者に着目して説明する。
【0169】
図29を参照して、シーケンスSQ180において、上位サーバ5(詳しくは、薬用サーバ53)は、薬の調合が完了したことを示す通知を、通知サーバ4に送信する。シーケンスSQ181において、通知サーバ4は、薬の受付番号または患者IDに基づき、患者を特定する。シーケンスSQ182において、特定された患者の患者IDにSNSのIDが上述したデータテーブル内で紐づけられている場合、当該SNSのID宛に、薬の受付番号と、薬の調合が完了したこととを示すメッセージを送信する。
【0170】
具体的には、通知サーバ4は、SNSサーバ2を介して、端末装置1に、薬の受付番号と薬の調合が完了したこととを示すメッセージを送信する。なお、この場合も、当該メッセージは、連携サーバ3を介さずに端末装置1に送信される。シーケンスSQ183において、端末装置1は、通知サーバ4から受信した上記メッセージを表示部130に表示する。
【0171】
図30は、
図29のシーケンスSQ183の処理により表示される画面を示した図である。
図30に示されるように、端末装置1は、病院側から当該患者宛に送られてきた、薬の受付番号と薬の調合が完了したこととを示すメッセージ1026を表示部130に表示する。
【0172】
以上のように、通知サーバ4は、院内ネットワーク910を介して上位サーバ5から薬の調合が完了したことを示す通知を受信したことに基づき、SNSサーバ2を介して、端末装置1宛に、薬の調合の完了を示す通知と、薬の受付番号とを送信する。このような構成によれば、端末装置1のユーザである患者は、薬の調合が完了したことと、薬の受付番号とを端末装置1によって知ることができる。
【0173】
なお、本例では、上述した、通知サーバ4から端末装置1宛に送信される、薬の受付番号と薬の調合が完了したこととを示すメッセージは、本発明における「第1の通知」の一例である。上述した、上位サーバ5から送信される、薬の調合が完了したことを示す通知は、本発明における「第3の通知」の一例である。
【0174】
(f10.削除処理)
図31は、上述したデータテーブルにおいて互いに紐づけられた患者IDと患者のSNSのIDとの削除処理を示したシーケンス図である。
図32は、
図31のシーケンスに基づく端末装置1の画面遷移を説明するための図である。
【0175】
図31を参照して、シーケンスSQ190において、端末装置1は、ユーザから削除ボタン1003(
図32)の押下を受け付ける。削除ボタン1003が押下されると、シーケンスSQ191において、端末装置1は、患者のSNSのIDをSNSサーバ2に送信する。端末装置1は、患者のSNSのIDをSNSサーバ2に送信すると、
図32の状態(A)に示されるように、削除処理を開始したことを示すメッセージ1027を表示部130に表示する。
【0176】
シーケンスSQ192において、SNSサーバ2は、複数の連携サーバから、予め紐付けされた連携サーバ(本例では、連携サーバ3)を特定する。その後、シーケンスSQ193において、SNSサーバ2は、端末装置1から受信した患者のSNSのIDを、連携サーバ3に送信する。
【0177】
シーケンスSQ194において、連携サーバ3は、暗号化部313によって患者のSNSのIDを暗号化し、かつ、当該暗号化されたSNSのIDを記憶部320に一時的に記憶する。その後、通知サーバ4は、ポーリングに基づき、暗号化された患者のSNSのIDを連携サーバ3から取得する。通知サーバ4は、暗号化された患者のSNSのIDを取得すると、復号化部414によって、患者のSNSのIDを復号化する。なお、連携サーバ3は、通知サーバ4に暗号化された患者のSNSのIDを送信すると、暗号化された患者のSNSのIDを記憶部320から削除する。
【0178】
シーケンスSQ195において、通知サーバ4は、上述したデータテーブルにおいて、当該患者のSNSのIDに紐付けられた患者IDを特定し、当該患者のSNSのIDと当該患者IDとを上記データテーブルから削除する。シーケンスSQ196において、通知サーバ4は、別の領域に保存しておいた当該患者のSNSのID(データテーブルから削除されたSNSのIDと同じID)を利用して、SNSサーバ2を介して端末装置1に対して、SNSのID登録を削除したことを示すメッセージを、当該患者の端末装置1宛(詳しくは、SNSのID宛)に送信する。詳しくは、通知サーバ4は、連携サーバ3を介さずに、SNSのID登録を削除したことを示すメッセージを送信する。
【0179】
シーケンスSQ197において、端末装置1は、受信したメッセージを表示部130に表示する。具体的には、端末装置は、
図32の状態(B)に示すように、SNSのID登録を削除したことを示すメッセージ1029を表示部130に表示する。このような構成によれば、端末装置1のユーザである患者は、SNS登録が削除されたことを、端末装置1によって確認することができる。
【0180】
<G.変形例>
(g1.送信経路)
上記の実施の形態では、たとえば
図2に示したように、通知サーバ4からの患者宛の通知は、連携サーバ3を介さずに、SNSサーバ2に送られる。
図1の例では、当該通知は、経路P2(
図1)を介してSNSサーバ2に送られる。その後、SNSサーバ2が当該通知を端末装置1に送る。
【0181】
しかしながら、患者宛の通知の送信経路は、これに限定されるものではない。通知サーバ4からの患者宛の通知は、連携サーバ3を介してSNSサーバ2に送られてもよい。
図1の例では、当該通知は、経路P1(
図1)を介してSNSサーバ2に送られてもよい。すなわち、通知サーバ4は、連携サーバ3とSNSサーバ2とを介して、上述した各種の通知(第1の通知)を端末装置1宛に送信するように、ネットワークシステム900(詳しくは、通信システム100)を構成してもよい。
【0182】
通知サーバ4は、連携サーバ3とSNSサーバ2とを介して、上述した各種の患者宛の通知(たとえば、予約情報)を端末装置1宛に送信する構成の場合、院内ネットワーク910からの外部への通信がIPアドレスを用いた通信しか許可されていないこともある。一方で、SNSサーバ2との間の通信は、通常、IP(インターネットプロトコル)アドレスを用いた通信ではなく、ドメインを用いた通信(HTTP通信、HTTPS通信)である。
【0183】
そこで、このような場合には、院内の通知サーバ4とはIPアドレスを用いて通信し、院外のSNSサーバ2とはドメインを用いて通信するように、連携サーバ3を構成する。たとえば、通知サーバ4から端末装置1への通知は、以下のように行われる。
【0184】
通知サーバ4は、連携サーバ3のIPアドレス宛に、患者宛の通知を送信する。連携サーバ3は、患者宛の通知を通知サーバ4から受信したことに基づき、SNSサーバ2のドメイン宛に当該患者宛の通知を転送する。当該患者宛の通知は、SNSサーバ2によって端末装置1に転送される。
【0185】
このような構成によれば、院内ネットワーク910においてIPアドレスを用いた通信しか行えない場合であっても、通知サーバ4は、連携サーバ3を介することにより、SNSサーバ2に対して患者宛の通知を送ることが可能となる。
【0186】
(g2.サーバ)
案内表示サーバ42に呼出サーバ41の機能を含めることにより、2つのサーバ(案内表示サーバ42およびに呼出サーバ41)を1つのサーバ装置(機器)として構成してもよい。すなわち、通知サーバ4を1つのサーバ装置で構成してもよい。通知サーバ4を3つ以上のサーバ装置によって構成してもよい。同様に、連携サーバ3を2つ以上のサーバ装置で構成してもよい。
【0187】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0188】
<H.付記>
〔項目1〕
病院内のネットワークに接続された第1のサーバと、
前記ネットワーク用のファイアウォールを介して、前記第1のサーバと通信可能な第2のサーバとを備え、
前記第1のサーバは、ソーシャルネットワーキングサービスを提供する外部サーバを介して、前記ソーシャルネットワーキングサービスを利用可能な患者の端末装置宛に前記患者宛の第1の通知を送信可能であり、
前記第2のサーバは、前記外部サーバを介して前記端末装置から第1のデータを取得した場合、前記第1のサーバから予め定められた信号を受信したことを条件に、前記第1のデータを前記第1のサーバに送信する、通信システム。
【0189】
〔項目2〕
前記第1のデータは、前記ソーシャルネットワーキングサービスによって前記患者に付与された第1の識別情報を含む、項目1に記載の通信システム。
【0190】
〔項目3〕
前記第1のデータは、前記病院によって前記患者に付与された第2の識別情報をさらに含み、
前記第1のサーバは、前記第1のデータを前記第2のサーバから取得すると、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを紐付けて記憶する、項目2に記載の通信システム。
【0191】
〔項目4〕
前記第2のサーバは、前記端末装置によって前記第2の識別情報を含む2次元バーコードが読み取られたことに基づき、前記外部サーバを介して前記端末装置から前記第2の識別情報を取得する、項目3に記載の通信システム。
【0192】
〔項目5〕
前記第1のデータは、前記病院によって前記患者に一時的に付与された第3の識別情報をさらに含み、
前記第1のサーバは、
前記第1のデータを前記第2のサーバから取得すると、前記第3の識別情報に基づき、前記ネットワークを介して第3のサーバから前記病院によって前記患者に付与された第2の識別情報を取得し、
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを紐付けて記憶する、項目2から4のいずれか1項に記載の通信システム。
【0193】
〔項目6〕
前記第2のサーバは、
メモリを有し、かつ、前記第1のデータを前記メモリに格納し、
前記予め定められた信号の受信に応じて前記第1のデータを前記第1のサーバに送信したことに基づき、前記メモリから前記第1のデータを削除する、項目1から5のいずれか1項に記載の通信システム。
【0194】
〔項目7〕
前記第2のサーバは、前記第1のデータを暗号化した状態で前記メモリに格納する、項目6に記載の通信システム。
【0195】
〔項目8〕
前記第1のサーバは、前記第1の通知を暗号化し、かつ、前記外部サーバを介して、前記暗号化された第1の通知を前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、前記暗号化された第1の通知を前記第2のサーバに送信し、
前記第2のサーバは、前記暗号化された第1の通知を復号化し、かつ、前記復号化された第1の通知を前記端末装置のウェブブラウザで表示させるための第2のデータを、前記外部サーバを介さずに前記端末装置に送信する、項目1から7のいずれか1項に記載の通信システム。
【0196】
〔項目9〕
前記第1のサーバは、前記第2のサーバおよび前記外部サーバのうち前記外部サーバのみを介して、前記第1の通知を前記端末装置宛に送信する、項目1から8のいずれか1項に記載の通信システム。
【0197】
〔項目10〕
前記第1のサーバは、前記第2のサーバと前記外部サーバとを介して、前記第1の通知を前記端末装置宛に送信する、項目1から8のいずれか1項に記載の通信システム。
【0198】
〔項目11〕
前記第1のサーバは、前記第2のサーバのインターネットプロトコルアドレス宛に、前記第1の通知を送信し、
前記第2のサーバは、前記第1の通知を前記第1のサーバから受信したことに基づき、前記外部サーバのドメイン宛に前記第1の通知を転送し、
前記第1の通知は、前記外部サーバによって前記端末装置に転送される、項目10に記載の通信システム。
【0199】
〔項目12〕
前記第1の通知は、前記患者の診察の予約情報である、項目1から11のいずれか1項に記載の通信システム。
【0200】
〔項目13〕
前記第1のサーバは、前記ネットワークを介して第3のサーバから前記診察の会計の計算が完了したことを示す第2の通知を受信したことに基づき、前記外部サーバを介して、前記端末装置宛に、前記第1の通知として前記完了を示す通知を送信する、項目1から11のいずれか1項に記載の通信システム。
【0201】
〔項目14〕
前記第1のサーバは、前記ネットワークを介して第3のサーバから前記診察に基づく薬の調合が完了したことを示す第3の通知を受信したことに基づき、前記外部サーバを介して、前記端末装置宛に、前記第1の通知として前記完了を示す通知を送信する、項目1から11のいずれか1項に記載の通信システム。
【0202】
〔項目15〕
前記予め定められた信号は、前記第1のサーバからのポーリングによる問い合わせである、項目1から14のいずれか1項に記載の通信システム。
【0203】
〔項目16〕
前記第1のサーバと前記第2のサーバとの間の前記ファイアウォールを介した通信のプロコルは、SFTP(SSH File Transfer Protocol)またはHTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)である、項目15に記載の通信システム。
【0204】
〔項目17〕
前記第1のサーバと前記第2のサーバとの間の前記ファイアウォールを介した通信のプロコルは、WebSocketまたはSocketである、項目1から14のいずれか1項に記載の通信システム。
【符号の説明】
【0205】
1 端末装置、2 SNSサーバ、3 連携サーバ、4 通知サーバ、5 上位サーバ、6 ディスプレイ用PC、7,357,1601 ディスプレイ、8 情報処理端末、9 再来受付機、11 ファイアウォール、12 インターネット、13 基地局装置、21 呼出システム、41 呼出サーバ、42 案内表示サーバ、51 電子カルテサーバ、52 会計用サーバ、53 薬用サーバ、91 診察券、92 受付票、100 通信システム、130 表示部、900 ネットワークシステム、910 院内ネットワーク、920 院外ネットワーク、921 2次元バーコード、1001 受付ボタン、1002 確認ボタン、1003 削除ボタン、P1,P2 経路。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
病院内のネットワークに接続された第1のサーバと、
前記ネットワーク用のファイアウォールを介して、前記第1のサーバと通信可能な第2のサーバとを備え、
前記第1のサーバは、ソーシャルネットワーキングサービスを提供する外部サーバを介して、前記ソーシャルネットワーキングサービスを利用可能な患者の端末装置宛に前記患者宛の第1の通知を送信可能であり、
前記第2のサーバは、前記外部サーバを介して前記端末装置から第1のデータを取得した場合、前記第1のサーバから予め定められた信号を受信したことを条件に、前記第1のデータを前記第1のサーバに送信する、通信システム。
【請求項2】
前記第1のデータは、前記ソーシャルネットワーキングサービスによって前記患者に付与された第1の識別情報を含む、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記第1のデータは、前記病院によって前記患者に付与された第2の識別情報をさらに含み、
前記第1のサーバは、前記第1のデータを前記第2のサーバから取得すると、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを紐付けて記憶する、請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記第2のサーバは、前記端末装置によって前記第2の識別情報を含む2次元バーコードが読み取られたことに基づき、前記外部サーバを介して前記端末装置から前記第2の識別情報を取得する、請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記第1のデータは、前記病院によって前記患者に一時的に付与された第3の識別情報をさらに含み、
前記第1のサーバは、
前記第1のデータを前記第2のサーバから取得すると、前記第3の識別情報に基づき、前記ネットワークを介して第3のサーバから前記病院によって前記患者に付与された第2の識別情報を取得し、
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを紐付けて記憶する、請求項2に記載の通信システム。
【請求項6】
前記第2のサーバは、
メモリを有し、かつ、前記第1のデータを前記メモリに格納し、
前記予め定められた信号の受信に応じて前記第1のデータを前記第1のサーバに送信したことに基づき、前記メモリから前記第1のデータを削除する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項7】
前記第2のサーバは、前記第1のデータを暗号化した状態で前記メモリに格納する、請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
前記第1のサーバは、前記第1の通知を暗号化し、かつ、前記外部サーバを介して、前記暗号化された第1の通知を前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、前記暗号化された第1の通知を前記第2のサーバに送信し、
前記第2のサーバは、前記暗号化された第1の通知を復号化し、かつ、前記復号化された第1の通知を前記端末装置のウェブブラウザで表示させるための第2のデータを、前記外部サーバを介さずに前記端末装置に送信する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項9】
前記第1のサーバは、前記第2のサーバおよび前記外部サーバのうち前記外部サーバのみを介して、前記第1の通知を前記端末装置宛に送信する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項10】
前記第1のサーバは、前記第2のサーバと前記外部サーバとを介して、前記第1の通知を前記端末装置宛に送信する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項11】
前記第1のサーバは、前記第2のサーバのインターネットプロトコルアドレス宛に、前記第1の通知を送信し、
前記第2のサーバは、前記第1の通知を前記第1のサーバから受信したことに基づき、前記外部サーバのドメイン宛に前記第1の通知を転送し、
前記第1の通知は、前記外部サーバによって前記端末装置に転送される、請求項10に記載の通信システム。
【請求項12】
前記第1の通知は、前記患者の診察の予約情報である、請求項1から11のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項13】
前記第1のサーバは、前記ネットワークを介して第3のサーバから前記患者の診察の会計の計算が完了したことを示す第2の通知を受信したことに基づき、前記外部サーバを介して、前記端末装置宛に、前記第1の通知として前記完了を示す通知を送信する、請求項1から11のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項14】
前記第1のサーバは、前記ネットワークを介して第3のサーバから前記患者の診察に基づく薬の調合が完了したことを示す第3の通知を受信したことに基づき、前記外部サーバを介して、前記端末装置宛に、前記第1の通知として前記完了を示す通知を送信する、請求項1から11のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項15】
前記予め定められた信号は、前記第1のサーバからのポーリングによる問い合わせである、請求項1に記載の通信システム。
【請求項16】
前記第1のサーバと前記第2のサーバとの間の前記ファイアウォールを介した通信のプロコルは、SFTP(SSH File Transfer Protocol)またはHTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)である、請求項15に記載の通信システム。
【請求項17】
前記第1のサーバと前記第2のサーバとの間の前記ファイアウォールを介した通信のプロコルは、WebSocketまたはSocketである、請求項1に記載の通信システム。
【請求項18】
病院内のネットワークに接続された第1のサーバが、ソーシャルネットワーキングサービスを提供する外部サーバを介して、前記ソーシャルネットワーキングサービスを利用可能な患者の端末装置宛に前記患者宛の通知を送信するステップと、
前記ネットワーク用のファイアウォールを介して前記第1のサーバと通信可能な第2のサーバが、前記外部サーバを介して前記端末装置からデータを取得するステップと、
前記第2のサーバが、前記第1のサーバから予め定められた信号を受信したことを条件に、前記データを前記第1のサーバに送信するステップとを備える、通信方法。