(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097599
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】ジッパーテープ付き容器、ジッパーテープ付き容器の製造方法およびジッパーテープ
(51)【国際特許分類】
B65D 81/34 20060101AFI20240711BHJP
B65D 33/25 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
B65D81/34 U
B65D33/25 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001161
(22)【出願日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】500163366
【氏名又は名称】出光ユニテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸▲高▼ 匠
【テーマコード(参考)】
3E013
3E064
【Fターム(参考)】
3E013BB12
3E013BC04
3E013BD11
3E013BE01
3E013BF03
3E013BF26
3E013BF36
3E064AA01
3E064BA17
3E064BA26
3E064BA27
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA55
3E064BB03
3E064BC18
3E064HM01
3E064HN13
3E064HP01
(57)【要約】
【課題】加熱により袋の内圧が上昇した場合であっても、充分に脱気させることが可能な、ジッパーテープ付き容器、ジッパーテープ付き容器の製造方法およびジッパーテープを提供すること。
【解決手段】本発明に係るジッパーテープ付き容器は、第1の面および第2の面の間に収納空間が形成される容器本体と、上記第1の面に接合される第1の帯状基部、上記第2の面に接合される第2の帯状基部、第1の係合部および第2の係合部を含むジッパーテープとを備え、上記第2の帯状基部は脱気構造が形成される第1の区間と、上記脱気構造が形成されない第2の区間とを含み、上記第1の区間および上記第2の区間の両方で、上記第2の係合部に対して上記収納空間側で上記第2の面に接合されない。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1の面および第2の面を少なくとも含み、前記第1の面および前記第2の面の間に収納空間が形成される容器本体と、
前記第1の面に接合される第1の帯状基部、前記第2の面に接合される第2の帯状基部、および前記第1の帯状基部および前記第2の帯状基部からそれぞれ突出して互いに係合可能な第1の係合部および第2の係合部を含むジッパーテープと
を備え、
前記第2の帯状基部は、長手方向について、前記第2の係合部に対して前記収納空間とは反対側に脱気構造が形成される第1の区間と、前記脱気構造が形成されない第2の区間とを含み、前記第1の区間および前記第2の区間の両方で、前記第2の係合部に対して前記収納空間側で前記第2の面に接合されない、
ジッパーテープ付き容器。
【請求項2】
前記脱気構造は、前記第2の帯状基部の前記収納空間側と前記収納空間とは反対側とを連通させる構造、または前記第2の帯状基部の前記収納空間側の圧力が前記収納空間とは反対側の圧力よりも高い場合に前記第2の帯状基部の前記収納空間側と前記収納空間とは反対側とを連通させる構造である、請求項1に記載のジッパーテープ付き容器。
【請求項3】
前記第1の帯状基部は、前記第1の係合部および前記第2の係合部を互いに係合させたときに、幅方向において前記収納空間側に前記第2の帯状基部の端部よりも長く形成された延長部を有し、前記延長部の少なくとも一部は前記第2の面に剥離可能に接合されている、
請求項1または2に記載のジッパーテープ付き容器。
【請求項4】
前記第2の帯状基部は、前記第2の係合部に対して前記収納空間とは反対側で前記第2の面に接合され、前記第1の区間で前記第2の係合部の前記収納空間とは反対側に形成される弱め部を有する、
請求項1~3のいずれか1項に記載のジッパーテープ付き容器。
【請求項5】
前記弱め部は、切り込み部または薄肉部である、
請求項4に記載のジッパーテープ付き容器。
【請求項6】
前記第1の係合部は雄型係合部であり、前記第2の係合部は雌型係合部である、
請求項1~5のいずれか1項に記載のジッパーテープ付き容器。
【請求項7】
前記第1の係合部および前記第2の係合部の前記収納空間側に、前記第1の帯状基部および前記第2の帯状基部からそれぞれ突出して互いに係合可能な第3の係合部および第4の係合部をさらに備え、
前記第3の係合部および前記第4の係合部は、一対の鉤型係合部である、
請求項1~6のいずれか1項に記載のジッパーテープ付き容器。
【請求項8】
前記第1の帯状基部と前記第1の面との接合強度は、前記第1の帯状基部の前記延長部と前記第2の面との接合強度よりも高い、
請求項3に記載のジッパーテープ付き容器。
【請求項9】
前記脱気構造は、通蒸構造である、
請求項1~8のいずれか1項に記載のジッパーテープ付き容器。
【請求項10】
前記容器本体は、袋体を形成する、
請求項1~9のいずれか1項に記載のジッパーテープ付き容器。
【請求項11】
第1の帯状基部および第2の帯状基部、および前記第1の帯状基部および前記第2の帯状基部からそれぞれ突出し互いに係合可能な第1の係合部および第2の係合部を含むジッパーテープを供給する工程と、
前記第1の帯状基部および前記第2の帯状基部をフィルムの互いに対向する第1の面および第2の面にそれぞれ接合する工程と、
互いに対向する前記第1の面および前記第2の面の間に収納空間を形成する容器本体を形成する工程と
を含むジッパーテープ付き容器の製造方法であって、
前記第1の帯状基部および前記第2の帯状基部を前記フィルムの互いに対向する前記第1の面および前記第2の面にそれぞれ接合する工程では、
前記第2の帯状基部は、長手方向について、前記第2の係合部に対して前記収納空間とは反対側に脱気構造が形成される第1の区間と、前記脱気構造が形成されない第2の区間とを含み、前記第1の区間および前記第2の区間の両方で、前記第2の係合部よりも前記収納空間側で前記第2の面に接合されない、
ジッパーテープ付き容器の製造方法。
【請求項12】
前記第1の帯状基部および前記第2の帯状基部を前記フィルムの互いに対向する前記第1の面および前記第2の面にそれぞれ接合する工程は、
前記第1の帯状基部に含まれる、前記第1の係合部および前記第2の係合部を互いに係合させたときに、幅方向において前記収納空間側に前記第2の帯状基部の端部よりも長く形成された延長部の少なくとも一部を前記第2の面に剥離可能に接合する工程を含む、
請求項11に記載のジッパーテープ付き容器の製造方法。
【請求項13】
前記第1の帯状基部および前記第2の帯状基部を前記フィルムの互いに対向する前記第1の面および前記第2の面にそれぞれ接合する工程は、
前記第2の帯状基部において、前記第2の係合部の一方の端部側の少なくとも一部において、弱め部を形成する工程を含む、
請求項11または12に記載のジッパーテープ付き容器の製造方法。
【請求項14】
前記第1の帯状基部および前記第2の帯状基部を前記フィルムの互いに対向する前記第1の面および前記第2の面にそれぞれ接合する工程では、
前記第2の係合部の一方の端部側の少なくとも一部において弱め部を有する前記第2の帯状基部を、前記第2の面に接合する、
請求項11または12に記載のジッパーテープ付き容器の製造方法。
【請求項15】
第1の帯状基部、第2の帯状基部、および前記第1の帯状基部および前記第2の帯状基部からそれぞれ突出して互いに係合可能な第1の係合部および第2の係合部を含み、
前記第2の帯状基部は、前記第2の係合部の一方の端部側の少なくとも一部において、弱め部を有する、
ジッパーテープ。
【請求項16】
前記弱め部は、切り込み部または薄肉部である、
請求項15に記載のジッパーテープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジッパーテープ付き容器、ジッパーテープ付き容器の製造方法およびジッパーテープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品などが収納され加熱調理が可能な袋体が広く利用されている。特許文献1には、このような袋体として、加熱調理時に過度に膨張して内容物の漏出を防止する通蒸構造(脱気構造)が形成された構成が記載されている。特許文献1に記載された袋体は、ジッパーテープの一部と袋本体との非シール領域が形成されることによって、加熱時に蒸気を排出することができる。そのため、加熱時においてもジッパーテープの雄部と雌部が解除されることが防止され、内容物が漏出することを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のような袋体の構造において非シール領域が形成された場合、加熱により袋の内圧が上昇したときにジッパーテープの雄部と雌部との係合部を支点に、ジッパーテープが屈曲し、非シール領域が塞がる。そのため、袋体の内部が外部空間に連通できないことから、充分に袋体内部の脱気をすることが出来ず、ジッパーテープの雄部と雌部との係合部が解除される虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、加熱により袋の内圧が上昇した場合であっても、充分に脱気させることが可能な、ジッパーテープ付き容器、ジッパーテープ付き容器の製造方法およびジッパーテープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]互いに対向する第1の面および第2の面を少なくとも含み、上記第1の面および上記第2の面の間に収納空間が形成される容器本体と、上記第1の面に接合される第1の帯状基部、上記第2の面に接合される第2の帯状基部、および上記第1の帯状基部および上記第2の帯状基部からそれぞれ突出して互いに係合可能な第1の係合部および第2の係合部を含むジッパーテープとを備え、上記第2の帯状基部は、長手方向について、上記第2の係合部に対して上記収納空間とは反対側に脱気構造が形成される第1の区間と、上記脱気構造が形成されない第2の区間とを含み、上記第1の区間および上記第2の区間の両方で、上記第2の係合部に対して上記収納空間側で上記第2の面に接合されない、ジッパーテープ付き容器。
[2]上記脱気構造は、上記第2の帯状基部の上記収納空間側と上記収納空間とは反対側とを連通させる構造、または上記第2の帯状基部の上記収納空間側の圧力が上記収納空間とは反対側の圧力よりも高い場合に上記第2の帯状基部の上記収納空間側と上記収納空間とは反対側とを連通させる構造である、[1]に記載のジッパーテープ付き容器。
[3]上記第1の帯状基部は、上記第1の係合部および上記第2の係合部を互いに係合させたときに、幅方向において上記収納空間側に上記第2の帯状基部の端部よりも長く形成された延長部を有し、上記延長部の少なくとも一部は上記第2の面に剥離可能に接合されている、[1]または[2]に記載のジッパーテープ付き容器。
[4]上記第2の帯状基部は、上記第2の係合部に対して上記収納空間とは反対側で上記第2の面に接合され、上記第1の区間で上記第2の係合部の上記収納空間とは反対側に形成される弱め部を有する、[1]~[3]のいずれか1項に記載のジッパーテープ付き容器。
[5]上記弱め部は、切り込み部または薄肉部である、[4]に記載のジッパーテープ付き容器。
[6]上記第1の係合部は雄型係合部であり、上記第2の係合部は雌型係合部である、[1]~[5]のいずれか1項に記載のジッパーテープ付き容器。
[7]上記第1の係合部および上記第2の係合部の上記収納空間側に、上記第1の帯状基部および上記第2の帯状基部からそれぞれ突出して互いに係合可能な第3の係合部および第4の係合部をさらに備え、上記第3の係合部および上記第4の係合部は、一対の鉤型係合部である、[1]~[6]のいずれか1項に記載のジッパーテープ付き容器。
[8]上記第1の帯状基部と上記第1の面との接合強度は、上記第1の帯状基部の上記延長部と上記第2の面との接合強度よりも高い、[3]に記載のジッパーテープ付き容器。
[9]上記脱気構造は、通蒸構造である、[1]~[8]のいずれか1項に記載のジッパーテープ付き容器。
[10]上記容器本体は、袋体を形成する、[1]~[9]のいずれか1項に記載のジッパーテープ付き容器。
[11]第1の帯状基部および第2の帯状基部、および上記第1の帯状基部および上記第2の帯状基部からそれぞれ突出し互いに係合可能な第1の係合部および第2の係合部を含むジッパーテープを供給する工程と、上記第1の帯状基部および上記第2の帯状基部をフィルムの互いに対向する第1の面および第2の面にそれぞれ接合する工程と、互いに対向する上記第1の面および上記第2の面の間に収納空間を形成する容器本体を形成する工程とを含むジッパーテープ付き容器の製造方法であって、上記第1の帯状基部および上記第2の帯状基部を上記フィルムの互いに対向する上記第1の面および上記第2の面にそれぞれ接合する工程では、上記第2の帯状基部は、長手方向について、上記第2の係合部に対して上記収納空間とは反対側に脱気構造が形成される第1の区間と、上記脱気構造が形成されない第2の区間とを含み、上記第1の区間および上記第2の区間の両方で、上記第2の係合部よりも上記収納空間側で上記第2の面に接合されない、ジッパーテープ付き容器の製造方法。
[12]上記第1の帯状基部および上記第2の帯状基部を上記フィルムの互いに対向する上記第1の面および上記第2の面にそれぞれ接合する工程は、上記第1の帯状基部に含まれる、上記第1の係合部および上記第2の係合部を互いに係合させたときに、幅方向において上記収納空間側に上記第2の帯状基部の端部よりも長く形成された延長部の少なくとも一部を上記第2の面に剥離可能に接合する工程を含む、[11]に記載のジッパーテープ付き容器の製造方法。
[13]上記第1の帯状基部および上記第2の帯状基部を上記フィルムの互いに対向する上記第1の面および上記第2の面にそれぞれ接合する工程は、上記第2の帯状基部において、上記第2の係合部の一方の端部側の少なくとも一部において、弱め部を形成する工程を含む、[11]または[12]に記載のジッパーテープ付き容器の製造方法。
[14]上記第1の帯状基部および上記第2の帯状基部を上記フィルムの互いに対向する上記第1の面および上記第2の面にそれぞれ接合する工程では、上記第2の係合部の一方の端部側の少なくとも一部において弱め部を有する上記第2の帯状基部を、上記第2の面に接合する、[11]または[12]に記載のジッパーテープ付き容器の製造方法。
[15]第1の帯状基部、第2の帯状基部、および上記第1の帯状基部および上記第2の帯状基部からそれぞれ突出して互いに係合可能な第1の係合部および第2の係合部を含み、上記第2の帯状基部は、上記第2の係合部の一方の端部側の少なくとも一部において、弱め部を有する、ジッパーテープ。
[16]上記弱め部は、切り込み部または薄肉部である、[15]に記載のジッパーテープ。
【発明の効果】
【0007】
本発明によるジッパーテープ付き容器、ジッパーテープ付き容器の製造方法およびジッパーテープによれば、加熱により袋の内圧が上昇した場合、脱気構造が形成された区間でもジッパーテープが屈曲しない。そのため、ジッパーテープと容器を形成するフィルムとの間が塞がることなく、収納空間と外部空間が連通できることから充分に脱気させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る袋体を示す正面図である。
【
図2A】
図1に示す袋体のIIA-IIA線断面図である。
【
図2B】
図1に示す袋体のIIB-IIB線断面図である。
【
図3A】IIA-IIA線断面に係る袋体の通蒸時の挙動について説明するための図である。
【
図3B】IIB-IIB線断面に係る袋体の通蒸時の挙動について説明するための図である。
【
図4】
図2Aに示すジッパーテープの変形例に係る袋体の正面図である。
【
図5】
図4の例に係る袋体の通蒸時の挙動について説明するための図である。
【
図6】
図2Aに示すジッパーテープの他の変形例に係る、袋体の要部を示す断面図である。
【
図7】
図6の例に係る袋体の通蒸時の挙動について説明するための図である。
【
図8】
図2Aに示すジッパーテープの、さらに他の変形例に係る、袋体の要部を示す断面図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るジッパーテープ付き袋を製造する三方製袋機の斜視図である。
【
図10】従来例に係る袋体の通蒸時の挙動について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0010】
(袋体の構成)
以下、本発明の実施形態に係る袋体1について図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る袋体1の正面図である。
図1に示されるように、袋体1は、第1の面であるフィルム11Aおよび第2の面であるフィルム11Bを有する容器本体である袋体1を形成する袋本体10と、ジッパーテープ20とを含むジッパーテープ付き容器である。
【0011】
袋本体10は、フィルム11A,11Bが重ね合わされ、その周縁に一対のサイドシール部12が形成されている。また、内部に被包装物が収納されていない状態ではトップシール部13またはボトムシール部14が形成され、内部に被包装物が収納されている状態では、トップシール部13およびボトムシール部14が形成されている。そして、袋本体10は、サイドシール部12、トップシール部13およびボトムシール部14により、内部に被包装物が収納される収納空間10Cが区画形成されている。
【0012】
ジッパーテープ20は、フィルム11A,11Bに接合される。なお、袋本体10のサイドシール部12のうち、ジッパーテープ20の長手方向の両端は、平坦化された図示しないポイントシール部とされる。また、袋本体10には、ジッパーテープ20の長手方向の両端と、袋本体10のサイドシール部12の周縁とが交差する位置と、トップシール部13とサイドシール部12の周縁とが交差する位置との間に、ノッチ15が切り込み形成されている。
【0013】
フィルム11A,11Bとしては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(Linear Low Density Polyethylene:LLDPE)、ポリプロピレン(Polypropylene:PP)などの熱可塑性樹脂にて形成された単層または多層のフィルムが利用される。多層のフィルムとしては、表基材に、二軸延伸したポリプロピレン(Oriented Polypropylene:OPP)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)、二軸延伸ナイロン(ONy)、キャストポリプロピレン(Cast Polypropylene:CPP)などを用いることができる。これらは、化石燃料由来の樹脂には限られず、環境に配慮したバイオプラスチック(バイオマス由来のバイオポリエチレンやバイオポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂)であってもよいし、化石燃料由来の樹脂とバイオプラスチックの混合物であってもよい。なお、多層フィルムは、いわゆるガスバリアーや遮光などの目的で、アルミニウム蒸着やアルミニウム箔の積層など、無機系の層を備えた構成であってもよい。
【0014】
袋体1は、電子レンジを用いて食品などの内容物を加熱する電子レンジ調理用容器として利用されてもよい。袋体1は、加熱時に内容物から発生した蒸気Sによって収納空間10Cの内圧が上昇する。このとき、蒸気Sは、ジッパーテープ20の係合部23において雄型係合部21Bおよび雌型係合部22Bを互いに係合させたまま収納空間10Cを外部空間に連通させることが可能なように形成された脱気構造から外部空間に排出される。
【0015】
脱気構造は、第2の帯状基部である雌側帯状基部22Aの収納空間C側と収納空間Cとは反対側とを連通させる構造、または雌側帯状基部22Aの収納空間C側の圧力が収納空間Cとは反対側の圧力よりも高い場合に雌側帯状基部22Aの収納空間C側と収納空間Cとは反対側とを連通させる構造である。なお、本明細書において、「第2の帯状基部の収納空間側」は、雌部材22とフィルム11Bとの雌側シール部22Dを基準にして、これよりも収納空間C側、すなわち雌部材22とフィルム11Bとの間に空間が形成される側を意味する。また、「第2の帯状基部の収納空間とは反対側」は、雌側シール部22Dに対して収納空間Cとは反対側、すなわち雌部材22とフィルム11Bとの間が開放されているか、または雌部材22が存在しない側を意味する。脱気構造は、例えば加熱時に内容物から発生した蒸気Sによる収納空間10Cの内圧上昇時における通蒸構造である。以下の説明では、「脱気構造」を「通蒸構造」として説明する。
【0016】
通蒸構造は、第1の区間である袋本体10の雌側帯状基部22Aの長手方向の区間Dにおいて形成される。区間Dは、図示されているように1箇所であってもよいし、複数個所であってもよい。区間D以外の区間(第2の区間)では、通蒸構造は形成されない。区間Dは、3mm以上であることが好ましい。また、区間Dは、電子レンジ等を用いた調理の効率性の観点から袋本体10の幅の半分以下であることが好ましい。
【0017】
(ジッパーテープの構成)
ジッパーテープ20の詳細な構成が
図2Aおよび
図2Bに示されている。
図2Aは
図1に示す袋体1のIIA-IIA線断面図であり、
図2Bは、
図1に示す袋体1のIIB-IIB線断面図である。
図2Aに示すジッパーテープ20の構成は、通蒸構造が形成されている。また、
図2Bに示すジッパーテープ20の構成は、通蒸構造が形成されていない。
図示されたように、ジッパーテープ20は、係合部23において互いに係脱可能とされた雄部材21と、雌部材22とを備える。雄部材21と雌部材22とは、フィルム11A、11Bの対向する内面にそれぞれヒートシールや接着などの適宜な方法で接合される。
【0018】
雄部材21は、第1の帯状基部である雄側帯状基部21Aと、雄側帯状基部21Aから突出し、雌型係合部22Bと係合可能な第1の係合部である雄型係合部21Bとを含む。雄型係合部21Bは、雄側帯状基部21Aの長手方向(図中のx方向)に沿って形成される。雄型係合部21Bは、収納空間10C側とは反対側に突出する第一雄側爪21B1と、この第一雄側爪21B1とは反対側に突出する第二雄側爪21B2とを含む。
【0019】
一対の雄側シール部21Dは、雄側帯状基部21Aとフィルム11Aとの間の、係合部23に対応する部分を除いた幅方向(図中のy方向)の両側部分に形成される。雄側シール部21Dは、シール層を設けてもよい。雄側帯状基部21Aは、一対の雄側シール部21Dにより、フィルム11Aに接合される。
【0020】
雄側帯状基部21Aは、雄型係合部21Bおよび雌型係合部22Bを互いに係合させたときに、雄側帯状基部21Aの幅方向(図中のy方向)において収納空間10C側に雌側帯状基部22Aの端部よりも長く形成された延長部21Cを含む。延長部21Cの少なくとも一部はフィルム11Bに剥離可能に接合される。
【0021】
延長部21Cには、雌側帯状基部22Aの一縁よりも延長された領域に、イージーピール層21Eが雄側帯状基部21Aの長手方向(図中のx方向)に沿った帯状に形成されている。イージーピール層21Eは、延長部21Cとフィルム11Bとの間に形成され、これらを互いに接合する。また、雄側シール部21Dによる雄側帯状基部21Aとフィルム11Aとの接合強度は、イージーピール層21Eによる延長部21Cとフィルム11Bとの接合強度よりも高い。イージーピール層21Eは、ユーザーが係合部23の係合を解除して開封する際、延長部21Cとフィルム11Bとが剥離できる接合強度に設定される。
【0022】
イージーピール層21Eは水密手段として用いられる。袋体1の運搬時や保管時に収納空間10Cが通蒸構造に連通していると、通蒸構造を通じて内容物が袋本体10から漏れ出る虞がある。そのため、イージーピール層21Eを水密手段とすることによって、通蒸構造と収納空間10Cとの間隔が隔てられることが好ましい。
【0023】
雌部材22は、第2の帯状基部である雌側帯状基部22Aと、雌側帯状基部22Aから突出し、雄型係合部21Bと係合可能な第2の係合部である雌型係合部22Bとを含む。雌型係合部22Bは、雌側帯状基部22Aの長手方向(図中のx方向)に沿って形成されている。雌型係合部22Bは、第一雄側爪21B1が係合可能な第一雌側爪22B1と、第二雄側爪21B2が係合可能な第二雌側爪22B2とが対向するように形成される。
【0024】
図2Aおよび
図2Bに示されるように、雌側帯状基部22Aは、通蒸構造が形成された区間Dと区間D以外の区間の両方で、雌型係合部22Bに対して収納空間10C側でフィルム11Bに接合されない。また、
図2Aに示されるように、区間Dでは、雌側帯状基部22Aは雌側係合部22Bに対して収納空間10Cとは反対側でもフィルム11Bに接合されない。他方、
図2Bに示されるように、区間D以外の区間では、雌側帯状基部22Aとフィルム11Bは、係合部23に対して収納空間10Cとは反対側で、雌側シール部22Dによって接合される。なお、雌側シール部22Dは、シール層を設けてもよい。
【0025】
このように、区間Dでは雌側帯状基部22Aは、雌側係合部22Bの収納空間10C側と収納空間10Cと反対側でフィルム11Bに接合されない。そのため、袋体1の加熱による収納空間10Cの内圧上昇によって雌側帯状基部22Aとフィルム11Bとの間に隙間が生じる。これによって、収納空間10Cが外部空間に連通し、蒸気Sが排出される。
【0026】
ジッパーテープ20は、例えばポリオレフィン系樹脂を用いて形成される。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン(H-PP)、ブロックポリプロピレン(B-PP)、ランダムポリプロピレン(R-PP)、プロピレン-エチレン-ブテン1ランダム三元共重合体などが利用できる。ポリオレフィン系樹脂は、化石燃料由来の樹脂には限られず、環境に配慮したバイオプラスチック(バイオマス由来のバイオポリエチレンやバイオポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂)であってもよいし、化石燃料由来の樹脂とバイオプラスチックの混合物であってもよい。ジッパーテープ20の材料には、必要に応じて、公知の添加剤、例えば安定剤、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、または着色剤などが添加されてもよい。
【0027】
雄側シール部21Dおよび雌側シール部22Dは、例えば、ポリプロピレンから形成される。イージーピール層21Eは、例えば、ポリエチレン、または、ポリエチレンとポリプロピレンとの混合層により形成される。具体的には、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)あるいは低密度ポリエチレン(LDPE)と高密度ポリエチレン(HDPE)との混合物、低密度ポリエチレン(LDPE)とポリプロピレンとの混合物などにより、層状に形成される。
【0028】
なお、雄側シール部21Dの樹脂成分は雄部材21の樹脂成分と同じにすることができる。また、雌側シール部22Dの樹脂成分は雌部材22の樹脂成分と同じにすることができる。雄側シール部21Dの樹脂成分が雄部材21の樹脂成分と異なる場合、雄側シール部21Dは、雄部材21の樹脂よりも融点の低い樹脂を用いることが好ましい。また、雌側シール部22Dの雌側シール層部分の樹脂成分が雌部材22の樹脂と異なる場合、雌側シール部22Dの雌側シール層部分は、雌部材22の樹脂よりも融点の低い樹脂を用いるのが好ましい。
【0029】
(通蒸時の挙動)
図3Aは、IIA-IIA線断面に係る袋体1の通蒸時の挙動について説明するための図である。また、
図3Bは、IIB-IIB線断面に係る袋体1の通蒸時の挙動について説明するための図である。
【0030】
袋体1では、加熱時に内容物から発生した蒸気Sによって収納空間10Cの内圧が上昇する。このとき、通蒸構造が形成された区間D以外の区間では、
図3Bに示されるように、雌側帯状基部22Aとフィルム11Bが雌側係合部22Bの収納空間10Cとは反対側で雌側シール部22Dによって接合される。そのため、収納空間10Cの内圧によって雌部材22とフィルム11Bとの間に隙間が生じず、収納空間10Cが外部空間に連通しないことから、蒸気Sが排出されない。
【0031】
区間Dでは、
図3Aに示されるように、雌側帯状基部22Aは、フィルム11Bに接合されないため、収納空間10Cの内圧によって雌側帯状基部22Aとフィルム11Bとの間に隙間が生じる。これによって、収納空間10Cが外部空間に連通し、蒸気Sが排出される。
【0032】
袋体1の加熱によって収納空間10Cの内圧が上昇したとき、雌側帯状基部22Aが係合部23よりも収納空間10C側でフィルム11Bに接合されないため、雄部材21に図中の矢印P1方向に力が働くとともに、雌部材22に図中の矢印P2方向に力が働く。これに伴い、雄型係合部21Bには収納空間10C側に引っ張られる力が働き(図中の矢印P3、P4)、雌型係合部22Bには収納空間10Cと反対側に引っ張られる力が働く(図中の矢印P5、P6)。
【0033】
そのため、第二雄側爪21B2および第二雌側爪22B2が互いに咬み合う方向に力が働く(図中の矢印P3、P5)。また、ジッパーテープ20は一般的に収納空間側から開きづらくなるように収納空間側の爪の掛かりが大きくなるように設計されていることから、係合部23の収納空間10C側における嵌合が強固になる。
上記のことから、通蒸構造は、本実施形態の袋体1のように雌側帯状基部22A側に形成されることが好ましい。
【0034】
(従来例との比較)
ここで、
図10を用いて、従来例のジッパーテープ付き容器である袋体9の通蒸時の挙動について説明する。図示されたジッパーテープ90の構成は、雄部材91側に通蒸構造が形成されたものである。ジッパーテープ90は、係合部93において互いに係脱可能とされた雄部材91と、雌部材92とを備える。雄部材91と雌部材92とは、フィルム81A、81Bの対向する内面にそれぞれ接合される。
【0035】
従来例に係る袋体9は、本実施形態に係る袋体1と概ね同様であるが、通蒸構造が形成された区間D以外の区間では、雄部材91は、係合部93の収納空間80C側でもフィルム81Aに接合される。そのため、袋体1の加熱によって収納空間10Cの内圧が上昇したとき、通蒸構造が形成された区間でも係合部93を支点に、雄側帯状基部91Aがフィルム81Aに沿って屈曲する。このとき、屈曲した雄側帯状基部91Aによって、雄部材91とフィルム81Aとの間が塞がり、収納空間80Cが外部空間に連通できない。そのため、充分に蒸気Sが排出されない虞がある。
【0036】
これに対して、本実施形態における袋体1では、雌側帯状基部22Aは区間Dおよび区間D以外の区間の両方で、雌側係合部22Bの収納空間10C側でフィルム11Bに接合されない。そのため、袋体1の加熱によって収納空間10Cの内圧が上昇したとき、区間Dにおいても雌側帯状基部22Aが従来例のような屈曲はしない。そのため、
図3Aに示されるように雌側帯状基部22Aによって、雌部材22とフィルム11Bとの間が塞がることなく、収納空間10Cが外部空間に連通でき、充分に蒸気Sを排出できる。
【0037】
以下、本実施形態におけるジッパーテープ20の変形例について説明する。なお、以下の変形例の説明において、実施形態と同一構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にする。
[変形例1]
図4は、本実施形態の変形例に係る袋体1の正面図である。図示されているように、通蒸構造が形成された区間Dでは、雌側帯状基部22Aの係合部23と雌側シール部22Dとの間に、弱め部である切り込み部22Eが形成される。また、区間Dでは、雌側帯状基部22Aは、係合部23に対して収納空間10Cとは反対側でフィルム11Bに雌側シール部22Dによって接合される。切り込み部22Eは、雌側帯状基部22Aの長手方向に連続してもよいし、ミシン目状に断続してもよい。なお、上記以外の袋体1の構成は、上記で説明した実施形態に係る袋体1と同様である。
【0038】
図5は、
図4の例に係る袋体1の通蒸時の挙動について説明するための図である。
袋体1の加熱によって収納空間10Cの内圧が上昇したとき、図示されるように、区間Dでは、雌側帯状基部22Aは、係合部23に対して収納空間10Cとは反対側でフィルム11Bに雌側シール部22Dによって接合される。そのため、切り込み部22Eによって収納空間10Cが外部空間に連通することによって、蒸気Sが排出される。
【0039】
この例によれば、区間Dにおいても雌側帯状基部22Aとフィルム11Bとが接合されることから、接合に用いるシールバーを一様に形成することができ、接合時における位置合わせも不要となる。
【0040】
[変形例2]
図6を用いて、本実施形態に係るジッパーテープ20の他の変形例について説明する。
図示されるように、通蒸構造が形成された区間Dでは、雌側帯状基部22Aは、係合部23に対して収納空間10Cとは反対側でフィルム11Bに雌側シール部22Dによって接合される。また、雌側帯状基部22Aは、係合部23と雌側シール部22Dとの間に、弱め部である薄肉部22Fが形成される。なお、上記以外の袋体1の構成は、上記で説明した実施形態に係る袋体1と同様である。
【0041】
図7は、
図6の例に係る袋体1の通蒸時の挙動について説明するための図である。
袋体1の加熱によって収納空間10Cの内圧が上昇したとき、薄肉部22Fが破断する。そのため、図示されるように、区間Dでは、薄肉部22Fが破断したことによって形成される開孔によって収納空間10Cが外部空間に連通し、蒸気Sが排出される。
【0042】
この例によれば、区間Dにおいても雌側帯状基部22Aとフィルム11Bとが接合されることから、接合に用いるシールバーを一様に形成することができ、接合時における位置合わせも不要となる。また、薄肉部22Eの破断前は収納空間10Cが外部空間に連通しないことから、イージーピール層21Eが必ずしも必要でない。
【0043】
[変形例3]
図8を用いて本実施形態に係るジッパーテープ20の、さらに他の変形例について説明する。
図8に示すジッパーテープ20は、雄型係合部21Bの収納空間10C側に、雄側帯状基部21Aから突出する第3の係合部である雄側鉤部24を備える。また、ジッパーテープ20は、雌型係合部22Bの収納空間10C側に、雌側帯状基部22Aから突出する第4の係合部である雌側鉤部25を備える。雄側鉤部24および雌側鉤部25は、互いに係合可能な一対の鉤型係合部である。雄側鉤部24は収納空間10Cに向けて突出する雄側爪24Aを含み、雌側鉤部25は雄側爪24Aが係合可能な雌側爪25Aを含む。
【0044】
袋体1の加熱によって収納空間10Cの内圧が上昇したとき、
図3Aを用いて説明したように、雄部材21には収納空間10C側にせん断力が働くとともに、雌部材22には収納空間10Cとは反対側にせん断力が働く。そのため、雄側鉤部24は収納空間10C側に、雌側鉤部25は収納空間10Cとは反対側にせん断力が働くこととなる。結果として、せん断力が雄側鉤部24および雌側鉤部25を互いに係合させるように働く。
【0045】
なお、
図8では、係合部23において雄型係合部21Bおよび雌型係合部22Bに加え、雄側鉤部24および雌側鉤部25が含まれる例を説明したが、雄型係合部21Bおよび雌型係合部22Bが複数対含まれてもよい。
【0046】
この例によれば、係合部23において雄型係合部21Bおよび雌型係合部22Bに加え、雄側鉤部24および雌側鉤部25を含む複数箇所の係合により係合強度が強くなり、係合による高い封止性が得られる。
【0047】
(ジッパーテープ付き袋の製造方法)
図9は、本発明の実施形態に係るジッパーテープ付き袋を製造する三方製袋機600の斜視図である。図示されているように、三方製袋機600では、フィルム供給部601が、フィルムロール602に巻回されたフィルム11を繰り出し、切断刃(図示せず)を用いて幅方向に切断して互いに対向する1対のフィルム11A,11Bを形成する。フィルム11A,11Bは、フィルム11を切断せずに折り込むことによって形成してもよい。一方、テープ供給部603は、テープロール604に巻回されたジッパーテープ20を繰り出し、ガイド部材(図示せず)を用いてフィルム11Aおよびフィルム11Bの間の所定の位置に供給する。シールバー605は、ジッパーテープ20の雄側帯状基部21Aおよび雌側帯状基部22Aをフィルム11のフィルム11A,11Bにそれぞれ接合する。このとき、延長部21Cの一部にイージーピール層21Eを形成して、フィルム11Bに接合してもよい。接合には、ヒートシール、超音波による溶着、または接着剤を用いた接着などが用いられる。
【0048】
図2Aの例のように、通蒸構造が形成された区間Dにおいてのみ、雌側係合部22Bの収納空間10C側で雌側帯状基部22Aとフィルム11Bとが接合されない場合、シールバー605において、区間Dの雌側係合部22Bの収納空間10C側に対応する部分を、断熱材によって構成してもよいし、ヒートシールしないこととしてもよい。
図4および
図5の例のように、雌側帯状基部22Aに弱め部、例えば切り込み部22Eが形成される場合は、雌側帯状基部22Aには、予め切り込み部22Eが形成されてもよいし、シールバー605によってフィルム11Bに雌側帯状基部22Aを接合する前に、弱め部、例えば切り込み部22Eを形成する工程を設けてもよい。
図6および
図7の例のように、雌側帯状基部22Aに薄肉部22Fが形成されている場合は、予め雌側帯状基部22Aに薄肉部22Fが形成されたジッパーテープ20を接合することができる。
【0049】
延長部21Cの一部にイージーピール層21Eを形成する場合、ジッパーテープ20が接合された後のフィルム11には、シールバー606によってフィルム11Aおよびフィルム11Bの間にトップシール部13形成される。延長部21Cの一部にイージーピール層21Eを形成しない場合、ジッパーテープ20が接合された後のフィルム11には、シールバー606によってフィルム11Aおよびフィルム11Bの間にトップシール部13およびボトムシール部14が形成される。また、シールバー607によってサイドシール部12が形成される。フィルム11をボトムシール部14に沿って長手方向に切断する切断刃608、およびサイドシール部12に沿って幅方向に切断する切断刃609を用いてフィルム11で袋本体10を形成する工程を経て、ジッパーテープ付きの袋体1が製造される。
【0050】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれらの例に限定されない。本発明の属する技術の分野の当業者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0051】
1…袋体、10…袋本体、10C…収納空間、11A、1B…フィルム、20…ジッパーテープ、21…雄部材、21A…雄側帯状基部、21B…雄型係合部、21C…延長部、21D…雄側シール部、21E…イージーピール層、22…雌部材、22A…雌側帯状基部、22B…雌型係合部、22E…切り込み部、22F…薄肉部、23…係合部、24…雄側鉤部、25…雌側鉤部、S…蒸気