(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009761
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】ロック解除コードおよびロック識別子をランダムに生成して関連づけるためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
E05B 37/00 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
E05B37/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023092143
(22)【出願日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】17/861,731
(32)【優先日】2022-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523212405
【氏名又は名称】ダヴィンチ ロック エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ミンスレー,ブラッドフォード
(72)【発明者】
【氏名】ミンスレー,クリフトン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】付き添いを必要とすることなくオーバーロックされたストレージユニットへのアクセスを許可または禁止するシステムを提供する。
【解決手段】ストレージユニット104へのアクセスを防止するオーバーロック110と、コンピューティングハードウェアおよびソフトウェア119を有し、コンピューティングハードウェアおよびソフトウェア119は、複数のロック解除コードとロック識別子をランダムに生成したうえで複数のロック解除コード/ロック識別子対を作り出し、そのうちの1つを選択する。オーバーロック110には、選択されたロック識別子が付与され、かつ選択されたロック解除コードでプログラムされる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロックをロック解除コードおよびロック識別子と関連づけるための方法であって、
ロック識別子が付され、かつロック解除コードでプログラムされた電子通信することができないロックを選択する工程
を含み、
プロセッサに接続されたデータベースはロック解除コードおよびロック識別子を記憶しており、
前記プロセッサは、
(i)複数のロック解除コードをランダムに生成し、
(ii)複数のロック識別子をランダムに生成し、
(iii)前記複数のロック解除コードからロック解除コードをランダムに選択すること、および前記複数のロック識別子からロック識別子をランダムに選択することにより、複数のロック解除コード/ロック識別子対を作り出し、かつ
(iv)前記複数のロック解除コード/識別子対からロック解除コード/ロック識別子対を選択する
ように構成されており、
前記ロックは前記選択されたロック識別子が付されており、かつ前記ロックは前記選択されたロック解除コードでプログラムされている方法。
【請求項2】
前記ロック識別子は数字、アルファベット文字、特殊文字および英数字からなる群から選択される文字列である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プロセッサは乱数生成器を利用して前記複数のロック解除コードを生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プロセッサは乱数生成器を利用して前記複数のロック識別子を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記プロセッサはランダムリンク生成器を利用して前記複数のロック解除コード/ロック識別子対を作り出す、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記選択されたロック解除コード/ロック識別子対は前記データベース内の表に記憶される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記プロセッサはさらに、前記ロック解除コードをテキストメッセージ、マルチメディアメッセージ(MMS)、Eメールまたはセキュアメッセージとしてモバイル端末に送信するように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記プロセッサはさらに、顧客が前記ロックに関連づけられているか否かを決定するために前記データベースにおいてルックアップ動作を行うように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ロックのロック解除コードをランダムに生成するための方法であって、
位置を電子通信することができないロックで防犯する工程
を含み、
プロセッサに接続されたデータベースは前記ロックと顧客との関連づけを記憶しており、
前記プロセッサは、
(i)複数のロック解除コードをランダムに生成し、
(ii)複数の識別子をランダムに生成し、
(iii)ロック解除コード/識別子対を作り出し、ここでは前記ロック解除コード/識別子対は前記複数のロック解除コードからロック解除コードをランダムに選択すること、および前記複数の識別子から識別子をランダムに選択することにより作り出し、かつ
(iv)前記データベースにおいて前記ロック解除コード/識別子対を前記ロックに関連づける
ように構成されており、
前記プロセッサはさらに、前記データベースから前記ロックに関連づけられた前記ロック解除コードを検索し、かつ前記ロック解除コードを前記顧客に関連づけられたモバイル端末に送信する
ように構成されている方法。
【請求項10】
前記識別子は数字、アルファベット文字、特殊文字および英数字からなる群から選択される文字列である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記プロセッサは乱数生成器を利用して前記複数のロック解除コードを生成する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記プロセッサは乱数生成器を利用して前記複数の識別子を生成する、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記プロセッサはランダムリンク生成器を利用して前記ロック解除コード/識別子対を作り出す、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記ロック解除コード/識別子対は前記データベース内の表において前記ロックに関連づけられている、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記ロック解除コードはテキストメッセージ、マルチメディアメッセージ(MMS)、Eメールまたはセキュアメッセージとして前記モバイル端末に送信される、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記プロセッサはさらに、前記顧客が前記ロックに関連づけられているか否かを決定するために前記データベースにおいてルックアップ動作を行うように構成されている、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
ロックのロック解除コードをランダムに生成するためのシステムであって、
電子通信することができないロックと、
前記ロックと顧客情報との関連づけを記憶するように構成され、かつさらに複数のロック解除コード/識別子対を記憶するように構成されたデータベースと、
前記データベースに通信可能に接続されたプロセッサであって、
(i)複数のロック解除コードをランダムに生成し、
(ii)複数の識別子をランダムに生成し、
(iii)複数のロック解除コード/識別子対を作り出し、ここでは各ロック解除コード/識別子対は前記複数のロック解除コードからロック解除コードをランダムに選択すること、および前記複数の識別子から識別子をランダムに選択することによって作り出し、
(iv)前記複数のロック解除コード/識別子対からロック解除コード/識別子対を選択し、かつ
(v)前記データベースにおいて前記選択されたロック解除コード/識別子対を前記ロックと関連づける
ように構成されているプロセッサと、
前記プロセッサに通信可能に接続されたモバイル端末であって、顧客アカウント情報を前記プロセッサに送信するように構成されているモバイル端末と、
前記プロセッサに通信可能に接続された送受信機とを
備え、
前記プロセッサはさらに、前記顧客情報の受信時に前記データベースから前記ロックに関連づけられた前記ロック解除コードを検索するように構成されており、かつ
前記送受信機は前記ロック解除コードを前記モバイル端末に送信するように構成されているシステム。
【請求項18】
前記プロセッサはさらに、前記モバイル端末から受信された前記顧客情報が前記ロックに関連づけられているか否かを決定するために前記データベースにおいてルックアップ動作を行うように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記送受信機はさらに、前記モバイル端末から受信された前記顧客情報が前記ロックに関連づけられている場合に前記ロック解除コードを前記モバイル端末に送信するように構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記プロセッサはさらに、前記データベースにおいて前記ロック解除コード/識別子対を前記ロックにランダムに関連づけるように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月24日に出願された米国仮特許出願第62/722,379号の優先権を主張する、2019年8月20日に出願された米国通常特許出願第16/545,247号の優先権を主張する、2021年1月18日に出願された米国通常特許出願第17/151,609号の優先権を主張する、2021年12月10日に出願された米国通常特許出願第17/547,289号の一部継続出願であり、かつその利益および優先権を主張するものであり、それらの完全な主題全体が参照により本明細書に組み込まれ、さらなる米国通常特許出願第16/545,247号は、2017年9月20日に出願された米国仮特許出願第62/560,900号の利益を主張する、2018年3月7日に出願された米国通常特許出願第15/141,179号の一部継続出願であり、かつその利益を主張する、2018年4月25日に出願された米国通常特許出願第15/962,583号の一部継続出願であり、かつその利益を主張するものであり、それらの全ての内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は一般に、レンタル可能な施設のためのオーバーロック(over-lock)および解除システムの分野に関する。より詳細には、本発明は、空きユニットをオーバーロックで防犯することを可能にし、かつセルフストレージ施設の人間の介入すなわち手動の介入なしに顧客によってオーバーロックを取り外すのを可能にするセルフストレージ施設のための分散管理システムである。
【背景技術】
【0003】
セルフストレージユニットは典型的には月単位でレンタルされる。顧客が滞納状態であり、合意した期日までにセルフストレージ施設所有者に自身のレンタル料を支払わない場合には、所有者(すなわち大家)は顧客がストレージユニットにアクセスするのを止める権利を有する。セルフストレージ施設所有者は典型的に、ドアの開放を防止する掛け金などによりストレージユニットのドアにオーバーロックをかける。オーバーロックは顧客が自身のアカウント上の滞納状態の支払期限を過ぎた残高を支払うまで利用される。
【0004】
オーバーロックをかけ、かつ取り外すプロセスは、特にその大多数が月決めの顧客にレンタルされる可能性がある数百個ものストレージユニットを有する大きい施設のセルフストレージ施設所有者にはかなりの負担となり得る。ストレージユニットにオーバーロックをかけた後に、顧客アカウントが滞納状態でなくなったらオーバーロックを最終的に取り外さなければならない。オーバーロックを取り外すことは、セルフストレージ施設の職員が実際にストレージユニットに赴いてオーバーロックを取り外すことを必要とするため、時間およびコストがかかる。
【0005】
また従来のオーバーロックのコストは手が出ないほどに高額な場合がある。多くの従来のオーバーロックは電子式であり、自動化およびリモート施錠/開錠機能を提供する。そのようなオーバーロックはそのスペース内部のストレージドアの背後に設置しなければならないため、これらのオーバーロックはストレージ構造に対してかなりの設備改良を必要とする場合が多い。さらに、これらの電子ロックは本質的に絶え間ない電力を必要とし、それらの連続的な24時間の動作によりセルフストレージ施設の電力消費コストは上昇する。
【0006】
さらに、あらゆる複雑な電子装置と同様に電子オーバーロックは故障および誤作動しやすく、最終的に交換を必要としないとしても電気工によるコストのかかる修理を行うことを必要とする場合がある。
【0007】
他の従来のオーバーロックとしては標準的な文字合わせ錠が挙げられる。但し、限られた数の標準的な文字合わせオーバーロックを利用しているセルフストレージ施設の場合、習慣的に滞納状態の顧客は最終的にロック解除コードを認識し始め、これらのオーバーロックは役に立たないものになる。次いでセルフストレージ施設は、公知になって危険に曝されるようになったロック解除コードを有するオーバーロックを絶え間なく交換しなければならない。
【0008】
標準的な文字合わせオーバーロックの別の欠点は、顧客へのアクセスが遅れる可能性である。顧客が支払いを行って自身のアカウントを復活させた場合に、セルフストレージ管理事務所が営業を終えていたり、週末、時間外または休日などに職員が求めに応じることができなかったりする場合に、顧客はその事務所が営業を開始し、オーバーロックを取り外すために職員が求めに応じるまで待たなければならない。従って顧客は、自身のアカウントを復活させるために支払いを行った直後に自身のストレージユニットへのアクセスおよび占有権を得ることができない。そのような支払いとオーバーロックの取り外しとの間の時差により、即時に自身のストレージユニットへのアクセスを必要とする場合があるテナントの要求に応じられない。
【0009】
セルフストレージ施設を管理する上での別の課題は、空きストレージユニットがレンタルされていない場合にそれらを防犯することである。空きユニットが適切に防犯されていない場合、これらのユニットに無許可の人間が違法に侵入して物品を保管するためにお金を払わずに使用することができたり、ゴミを廃棄するために使用することができたり、セルフストレージ施設およびセルフストレージ施設の顧客の責任および安全問題を提起することができる他の不正もしくは違法行為のために使用することができたりする。現在のところ、空きユニットは従来のロックを用いて防犯しなければならない。ロックされた空きユニットがその後にレンタルされた場合、セルフストレージ施設の代表者はユニットを訪れて手動でそのロックを取り外さなければならない。そのようなプロセスは負担であり、手動集約的であり、顧客がユニットを借りてから実際にそのユニットにアクセスすることができるまでの時間が延びる。
【0010】
従ってセルフストレージ産業において、施設内への付き添いを必要とすることなく空きストレージユニットなどのオーバーロックされたストレージユニットへのアクセスを許可または禁止するシステムが必要とされている。そのような分散型オーバーロックシステムは、オーバーロックされたストレージユニットへの即時のアクセスを可能にし、滞納状態の顧客がタイミングよくアカウントを復活させるのを促し、かつ従来の電子式の標準的な文字合わせオーバーロックシステムに付随する動作コストを下げる。
【発明の概要】
【0011】
一実施形態では、本発明は、ロックをロック解除コードおよびロック識別子と関連づけるための方法であって、ロック識別子が付され、かつロック解除コードでプログラムされた電子通信することができないロックを選択する工程を含み、プロセッサに接続されたデータベースはロック解除コードおよびロック識別子を記憶しており、プロセッサは、(i)複数のロック解除コードをランダムに生成し、(ii)複数のロック識別子をランダムに生成し、(iii)複数のロック解除コードからロック解除コードをランダムに選択すること、および複数のロック識別子からロック識別子をランダムに選択することにより、複数のロック解除コード/ロック識別子対を作り出し、かつ(iv)複数のロック解除コード/識別子対からロック解除コード/ロック識別子対を選択するように構成されており、ロックには選択されたロック識別子が付されており、かつロックは選択されたロック解除コードでプログラムされている方法に関する。
【0012】
別の実施形態では、本発明は、ロックのロック解除コードをランダムに生成するための方法であって、電子通信することができないロックで位置を防犯する工程を含み、プロセッサに接続されたデータベースはロックと顧客との関連づけを記憶しており、プロセッサは、(i)複数のロック解除コードをランダムに生成し、(ii)複数の識別子をランダムに生成し、(iii)ロック解除コード/識別子対を作り出し、ここではロック解除コード/識別子対は複数のロック解除コードからロック解除コードをランダムに選択すること、および複数の識別子から識別子をランダムに選択することにより作り出し、かつ(iv)データベースにおいてロック解除コード/識別子対をロックに関連づけるように構成されており、プロセッサはさらに、データベースからロックに関連づけられたロック解除コードを検索し、かつロック解除コードを顧客に関連づけられたモバイル端末に送信するように構成されている方法に関する。
【0013】
さらに別の実施形態では、本発明は、ロックのロック解除コードをランダムに生成するためのシステムであって、電子通信することができないロックと、ロックと顧客情報との関連づけを記憶するように構成され、かつさらに複数のロック解除コード/識別子対を記憶するように構成されたデータベースと、データベースに通信可能に接続されたプロセッサであって、(i)複数のロック解除コードをランダムに生成し、(ii)複数の識別子をランダムに生成し、(iii)複数のロック解除コード/識別子対を作り出し、ここでは各ロック解除コード/識別子対は複数のロック解除コードからロック解除コードをランダムに選択すること、および複数の識別子から識別子をランダムに選択することによって作り出し、(iv)複数のロック解除コード/識別子対からロック解除コード/識別子対を選択し、かつ(v)データベースにおいて選択されたロック解除コード/識別子対をロックと関連づけるように構成されたプロセッサと、プロセッサに通信可能に接続されたモバイル端末であって、顧客アカウント情報をプロセッサに送信するように構成されているモバイル端末と、プロセッサに通信可能に接続された送受信機とを備え、プロセッサはさらに顧客情報の受信時にデータベースからロックに関連づけられたロック解除コードを検索するように構成されており、かつ送受信機はロック解除コードをモバイル端末に送信するように構成されているシステムに関する。
【0014】
本開示のこれらおよび他の実施形態について以下の例示的かつ非限定的な図を参照しながら考察する。これらの図では、同様の要素は同様に番号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】分散型暗号化文字合わせオーバーロックおよび解除システムのネットワークアーキテクチャ図である。
【
図2】文字合わせオーバーロックのロック解除コードを暗号化する工程を示すフローチャートである。
【
図3】文字合わせオーバーロックのロック解除コードを復号化する工程を示すフローチャートである。
【
図4A】本発明の一実施形態に係る、文字合わせオーバーロックの斜視図である。
【
図4B】本発明の一実施形態に係る、識別子タグを有する文字合わせオーバーロックの斜視図である。
【
図4C】本発明の一実施形態に係る、円筒形タンブラーを備えた文字合わせオーバーロックの斜視図である。
【
図4D】本発明の一実施形態に係る、インタフェースを備えた電子オーバーロックの斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る、キオスクおよびストレージユニットの図である。
【
図6A】本発明の一実施形態に係る、ソフトウェアアプリケーションのためのオーバーロック解除インタフェースの図である。
【
図6B】本発明の一実施形態に係る、ソフトウェアアプリケーションのためのオーバーロック解除インタフェースの図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るオーバーロックを使用可能および使用不可能にする工程を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態に係る、ソフトウェアアプリケーションを用いてロック解除コードを検索するために顧客によって行われる工程を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態に係る、電話によりロック解除コードを検索するために顧客によって行われる工程を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施形態に係る、ソフトウェアアプリケーションおよびアカウント識別子のみを用いてロック解除コードを検索するために顧客によって行われる工程を示すフローチャートである。
【
図11A】本発明の一実施形態に係る、ソフトウェアアプリケーションのためのアカウント識別子を検索するオーバーロック解除インタフェースの図である。
【
図11B】本発明の一実施形態に係る、ソフトウェアアプリケーションのためのアカウント識別子を検索するオーバーロック解除インタフェースの図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る、アカウント識別子のみを用いて電話によりロック解除コードを検索するために顧客によって行われる工程を示すフローチャートである。
【
図13】本発明の一実施形態に係る、オーバーロックを空きストレージユニットに適用するために行われる工程を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の一実施形態に係る、空きストレージユニットの防犯用オーバーロックのために第三者財産管理システムからロック解除コードを検索するために行われる工程を示すフローチャートである。
【
図15】本発明の一実施形態に係る、空きストレージユニットの防犯用オーバーロックのために第三者財産管理システムからロック解除コードを検索するために行われる工程を示すフローチャートである。
【
図16】本発明の一実施形態に係る、シリアルナンバーを用いて電子メッセージ通信を介してロック管理システムからロック解除コードを検索するために行われる工程を示すフローチャートである。
【
図17】本発明の一実施形態に係る、英数字コードを用いて電子メッセージ通信を介してロック管理システムからロック解除コードを検索するために行われる工程を示すフローチャートである。
【
図18】本発明の一実施形態に係る、顧客アカウントステータスが滞納状態から未滞納状態に変わった際にロック解除コードを顧客に送信する工程を示すフローチャートである。
【
図19】本発明の一実施形態に係る、空きストレージが使用中になった際にロック解除コードを顧客に送信する工程を示すフローチャートである。
【
図20】本発明の一実施形態に係る、ロック解除コードおよび識別子をランダムに生成し、かつロック解除コード/識別子対をランダムに作り出す工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の態様は、例示的な実施形態を示す図を参照しながら本明細書に記載されていることを理解されたい。本明細書における例示的な実施形態は必ずしも、本発明に係る全ての実施形態を示すものではなく、むしろ数個の例示的な実施形態を説明するために使用されている。従って、本発明の態様は例示的な実施形態を考慮して狭く解釈されるものではない。また本発明はオーバーロックおよび解除システムである。本システムはセルフストレージ施設のためのその適用に関して説明されているが、当然ながら本システムは、オーバーロックシステムが有用であり得るあらゆる設定に実装することができる。
【0017】
図1は、分散型暗号化文字合わせオーバーロックおよび解除システムのネットワークアーキテクチャ図である。一実施形態では、本システムはセルフストレージ環境内に実装することができる。本システムは、ネットワーク116を介して管理サイト118に接続されたセルフストレージ施設102を含む。管理サイト118はセルフストレージ施設102から離れていてもよく、管理サイト118は、中央管理サイトなどにおいて複数の分散型セルフストレージ施設にサービスを提供することができる。管理サイト118はさらに外国のコールセンターなどの海外に位置していてもよい。
【0018】
一実施形態では、管理サイト118は、処理装置120、データベース122および送受信機124からなるコンピューティングハードウェアおよびソフトウェア119を備える。コンピューティングハードウェアおよびソフトウェア119はネットワーク116に接続されたサーバを備えていてもよい。別の実施形態では、処理装置120およびデータベース122はクラウドベースであってもよく、Amazon Webサービス(登録商標)などによって提供されているサーバなどの管理サイト118から離れたサーバに位置していてもよい。一実施形態では、プロセッサ120および/またはデータベース122は、複数の分散型/クラウドベースのユニット、構造、装置またはサーバが利用されるような分散型システムであってもよい。さらに別の実施形態では、データベース122は運用データが異なる物理的もしくは仮想位置にわたって分散されているデータベースであり、2つ以上のクラウドベースのデータベースおよび/またはデータ処理システムを備える。
【0019】
別の実施形態では、管理サイト118は施設内などのセルフストレージ施設102のローカル近傍内に位置していてもよい。管理サイト118は、セルフストレージ管理者108などの人間の職員がいる物理的位置であってもよい。別の実施形態では、管理サイト118は無人であってもよく、コンピューティングハードウェアおよびソフトウェア119のみを備えていてもよい。ネットワーク116は、セルフストレージ施設102に位置するモバイル端末112などの装置と、管理サイト118にあるコンピューティングハードウェアおよびソフトウェア119とのインタラクションを可能にするのに適した任意の種類のネットワークであってもよい。例えばネットワーク116は有線ネットワーク、無線ネットワークまたはそれらの任意の組み合わせであってもよい。さらにネットワーク116としては、分散型コンピューティングネットワーク、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)および/またはワイドエリアネットワーク(WAN)またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。例えばLANはその多くのバリエーションでWIFIを利用してもよく、WANは限定されるものではないが、CDPD、CDMA、GSM、PDC、PHS、TDMA、FLEX、ReFLEX、iDEN、TETRA、DECT、DataTAC、Mobitex、EDGEならびに他の2G、3G、4GおよびLTE技術を含む技術を用いたブロードバンド、セルラーおよび/または衛星ネットワークが利用されてもよい。但し、当業者であればネットワーク116はそれらに限定されないことを理解するであろう。
【0020】
セルフストレージ施設102は、顧客106によってレンタルすることができるストレージユニット104を含んでもよい。本明細書で使用される「顧客」という用語は借り手、クライアント、テナント、賃借人、ユーザまたは委任代理人を含んでもよい。本発明はセルフストレージ施設に関して説明されているが、本発明はホテルの部屋、共同住宅、ストレージコンテナ、短期住居賃貸およびロッカーなどのオーバーロックシステムが有用であり得るあらゆる設定に実装することができる。また本発明は機器室、金庫室、病院、空港、政府施設、原子力施設、水処理施設、武器貯蔵施設、航空機コックピット、およびアクセスの制限、選択または監視を必要とするあらゆる他の設定などのためのアクセス制御システム内に実装することができる。
【0021】
顧客106がレンタル料の支払いにおいて滞納状態になった場合に、セルフストレージ管理者108はストレージユニット104にオーバーロック110をかけることができる。オーバーロック110は、滞納状態の支払期限を過ぎた残高が顧客106によって支払われるまで顧客106がストレージユニット104にアクセスするのを防止するために使用される二次的ロックである。
【0022】
好ましい実施形態では、オーバーロック110は、オーバーロック110を開放するためにロック解除コードを手動で入力することを必要とする文字合わせ南京錠である。別の実施形態では、オーバーロック110は、ダイヤル機構を備えるデッドボルト、ノブロックまたはレバーロックであってもよい。ダイヤル機構は管状バレル、回転ノブ、プッシュピンまたはメカニカルキーパッドを備えていてもよい。別の実施形態では、オーバーロック110はデジタルキーまたはタッチスクリーンを介して文字合わせ入力を承認する電子ロックであってもよい。一実施形態では、オーバーロック110は電子回路または電子部品を備えていないロックであり、オーバーロック110はどんなリモートもしくはローカルシステムとも電子通信することができない。
【0023】
一実施形態では、オーバーロック110はシリアルナンバー、ユニークコード、バーコード、QRコード(登録商標)または他の一意的認証情報などの識別子を含んでいてもよい。一実施形態では、識別子はオーバーロック110上に彫り刻まれている。他の実施形態では、識別子はラベルを介してオーバーロック110に貼り付けられているか、オーバーロック110に取り付けられたタグに貼り付けられているか、あるいはそうでなければオーバーロック110またはタグの上に刻印または描画されているか彫り刻まれている。
【0024】
顧客106によって滞納状態の支払期限を過ぎた残高が支払われたら、管理サイト118はオーバーロック110のロック解除コードの解除を可能にしてもよい。この時に顧客106は、セルフストレージ管理者108によって作り出されたソフトウェアアプリケーション114にアクセスするために自身の携帯電話などのモバイル端末112を使用してもよい。ソフトウェアアプリケーション114は、セルフストレージ施設102によって作成および/または所有されている所有権を主張できるプログラムであってもよく、それは例えばセルフストレージ管理者108によって運営されているウェブサイト、Apple iTunes App Store(登録商標)およびAndroid App Store(登録商標)などから顧客106によってダウンロードしてもよい。
【0025】
ソフトウェアアプリケーション114は、モバイル端末112と管理サイト118、セルフストレージ管理者108、プロセッサ120、データベース122および/または送受信機124との双方向通信を可能にしてもよい。
【0026】
さらに別の実施形態では、ソフトウェアアプリケーション114は、モバイル端末112上のブラウザを用いて統一資源位置指定子(URL)を介してアクセスされるウェブサイトである。
【0027】
モバイル端末112は携帯電話に限定されず、タブレット、ウェアラブルデバイス、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータ、「スマート」ウォッチ、「スマート」眼鏡および顧客106からの入力を受信することができ、かつネットワーク116に接続させることができる任意の他の装置が挙げられる。
【0028】
ソフトウェアアプリケーション114は、顧客106が識別子を入力するのを可能にするインタフェースを備える。次いで識別子は、モバイル端末112からネットワーク116を介して管理サイト118に送信される。識別子は送受信機124によって受信され、処理装置120に送信される。処理装置120は、データベース122において復号化および/またはルックアップ動作を行い、識別子に関連づけられているオーバーロック110のロック解除コードを検索する。次いでロック解除コードは、送受信機124によってネットワーク116を介してモバイル端末112に送信される。その後にロック解除コードはソフトウェアアプリケーション114を介してモバイル端末112上で顧客106に表示される。表示されたロック解除コードを受信したら、次いで顧客106はオーバーロック110を開錠し、ストレージユニット104へのアクセスを取り戻すことができる。
【0029】
図2は、文字合わせオーバーロックのロック解除コードを暗号化する工程を示すフローチャートである。工程200では、オーバーロック110のために固有の識別子を生成する。識別子はオーバーロック製造業者によって製造される時点で生成されてもよく、かつセルフストレージ施設によって購入された時点でオーバーロック110とともに送られてもよい。本実施形態では、識別子はオーバーロック110に刻み込んだり永久に貼り付けたりすることができる。
【0030】
別の実施形態では、識別子はセルフストレージ施設によって生成される。本実施形態では、処理装置120上のアルゴリズムが識別子をランダムに生成するか、あるいはセルフストレージ施設によってそれを手動で生成してもよい。別の実施形態では、第三者オーバーロック提供者が識別子を生成してもよく、あるいはセルフストレージ施設にオーバーロックを販売またはリースしてもよい。第三者オーバーロック提供者はセルフストレージ施設のためにコンピューティングハードウェアおよびソフトウェア119を管理してもよく、かつ/またはコンピューティングハードウェアおよびソフトウェア119をセルフストレージ施設にリースしてもよい。
【0031】
一実施形態では、識別子は入力としてロック解除コードを利用する暗号化技術を用いて生成してもよい。またセルフストレージ施設識別子、国税識別番号またはランダムに生成された文字列などのロック解除コードと共に、別の識別入力を暗号化のために利用してもよい。
【0032】
一実施形態では、識別子は数字、アルファベット文字、特殊文字または英数字および/または文字の組み合わせの列であってもよい。また識別子は、セルフストレージ管理者108、セルフストレージ施設102および/または顧客106を識別する部分を含んでもよい。
【0033】
一実施形態では、識別子がバーコード、行列コード、QRコードまたは同様のスキャン可能なコードである場合、識別子を製造の時点でオーバーロック110上に印刷してもよく、あるいは代わりとして識別子をラベル上に印刷し、かつオーバーロック110または製造業者またはセルフストレージ施設のいずれかによってオーバーロック110に取り付けられるタグに貼り付けてもよい。
【0034】
別の実施形態では、オーバーロック110またはタグは、RFIDまたはブルートゥースローエナジー(BLE)送信機などのデジタルで刻印されたコードおよび/またはマイクロチップを有していてもよい。顧客106にマイクロチップから送信されたコードを読み上げることができ、かつユーザにコードを表示することができる物理的なキー・フォブを提供してもよい。キー・フォブはモバイル端末112上のソフトウェアアプリケーションにも実装することができる。本実施形態では、識別子は容易に見ることができず、これは再利用によりある期間にわたって公知になっていくオーバーロック110およびその対応するロック解除コードに対してセキュリティの層を追加する。
【0035】
工程202では、文字合わせオーバーロック110のロック解除コードを生成する。この場合も、ロック解除コードはオーバーロック製造業者によって製造される時点で生成され、かつセルフストレージ施設によって購入された時点でオーバーロック110とともに送られてもよい。
【0036】
別の実施形態では、セルフストレージ施設がオーバーロック110のロック解除コードを生成してもよい。ロック解除コードは処理装置120上のアルゴリズムによってランダムに生成されるか、あるいはセルフストレージ管理者108によって手動で生成されてもよい。
【0037】
一実施形態では、識別子および/またはロック解除コードは期間限定であってもよく、所定の時間の経過後または特定の日付で期限が切れてもよい。本実施形態では、期限が切れた識別子および/またはロック解除コードは、上記工程200および202により再生成しなければならない。
【0038】
一実施形態では、ロック解除コードは入力として識別子を利用する暗号化技術を用いて生成してもよい。またセルフストレージ施設識別子、国税識別番号またはランダムに生成された文字列などの識別子と共に、別の識別入力を暗号化のために利用してもよい。
【0039】
工程204では、処理装置120は暗号化技術を用いて、オーバーロック110のために識別子をロック解除コードと関連づける。暗号化技術としてはハッシュ関数、鍵導出関数、ブロック暗号演算および難読化関数のうちの少なくとも1つが挙げられる。また処理装置120によって使用される暗号化アルゴリズムとしては、トリプルデータ暗号化規格(DES)アルゴリズム、RSA暗号アルゴリズム、Blowfish暗号アルゴリズム、Twofish暗号アルゴリズムまたは高度暗号化規格(AES)アルゴリズムが挙げられる。
【0040】
工程206では、暗号化された識別子およびロック解除コード対をデータベース122に記憶する。データベース122は管理サイト118においてローカルに記憶されていてもよく、あるいはリモートクラウドベースのサーバまたは管理サイト118から離れた別の施設に位置していてもよい。
【0041】
さらに別の実施形態では、各ストレージユニット104はその外面の可視部分に位置するバーコードなどのスキャン可能なコードを含んでいてもよい。上に記載されているように、各オーバーロック110もその識別子としてバーコードを含んでいてもよい。オーバーロックをストレージユニット104に適用したら、セルフストレージ管理者108は両方のバーコードをスキャンすることができる。次いでこれらのバーコードは処理装置120に送信され、ここではバーコード対は互いに関連づけられ、かつデータベース122に記憶される。
【0042】
図3は、文字合わせオーバーロックのロック解除コードを復号化する工程を示すフローチャートである。工程300では、自身のストレージユニット104上のオーバーロック110に遭遇したら、顧客106はオーバーロック110上の識別子を突き止める。上に記載されているように、顧客106は自身のモバイル端末112上のソフトウェアアプリケーション114に識別子を入力してもよい。一実施形態では、顧客106は識別子の写真を撮影し、かつテキスト、SMS、MMS、Eメールまたはソフトウェアアプリケーションを通したセキュアメッセージを介してそれを管理サイト118に送信してもよい。別の実施形態では、顧客106は、例えばApple FaceTime(登録商標)、Skype(登録商標)またはSnapchat(登録商標)などを用いて識別子のライブストリームまたは管理サイト118とのビデオチャットを開始してもよい。別の実施形態では、モバイル端末112上のブラウザを用いてURLを介してアクセスされるウェブサイトを通して識別子を入力してもよい。
【0043】
別の実施形態では、顧客106はモバイル端末112上のカメラまたは光学撮像装置でバーコード、行列コード、QRコードまたは同様のスキャン可能なコードをスキャンしてもよい。次いでスキャンされた識別子は管理サイト118に送信される。
【0044】
さらに別の実施形態では、顧客106はリモート管理サイト106および/またはセルフストレージ管理者108に電話をかけて識別子および/または自身のクレデンシャルを口頭で提供してもよい。
【0045】
一実施形態では、ソフトウェアアプリケーション114にアクセス可能になる前に、顧客106はログインおよびパスワードなどのクレデンシャルまたは顧客の身元を証明する他の認証情報を入力しなければならない。またクレデンシャルは、モバイル端末112および/またはソフトウェアアプリケーション114に組み込まれた指紋、虹彩、声、顔およびジェスチャ認識手段などを用いる生体認証手段を介して提供してもよい。別の実施形態では、クレデンシャルとしてはRSA SecurID(登録商標)などのセキュアトークンによって提供される1回もしくは限定使用のパスワードが挙げられる。
【0046】
別の実施形態では、クレデンシャルは識別子と共に送信してもよい。本実施形態では、クレデンシャルとしては顧客のモバイル端末番号、ログイン、パスワード、Eメールアドレス、電話番号、アカウント番号、個人識別番号(PIN)、氏名、運転免許証番号、社会保障番号、誕生日、ストレージユニット番号および/または顧客106セルフストレージ施設によって前もって提供された固有のアカウント識別コードおよび/またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0047】
さらに別の実施形態では、顧客106はロック解除コードを要求できる委託者を指名することもできる。例えば顧客の配偶者、委任代理人、仕事関係者、弁護士、および顧客106がストレージユニット104へのアクセスを与えることを望むあらゆる他の者は、ストレージユニットに関連づけられた自身のクレデンシャルを有していてもよい。本実施形態では、ストレージユニット104および/またはオーバーロック110のためのデータベースレコードは、委託者および自身のそれぞれのクレデンシャルの全ての一覧表を含む。
【0048】
工程302では、要求された場合に識別子をクレデンシャルと共にネットワーク116を介して管理サイト118に送信する。一実施形態では、具体的には管理サイト118に位置しているか、あるいは代わりとして管理サイト118に通信可能に接続されたリモート施設またはサーバに位置していてもよいコンピューティングハードウェアおよびソフトウェア119に識別子を送信する。
【0049】
上に記載されているように、管理サイト118および/または処理装置120はセルフストレージ施設102から遠くに位置していてもよく、従ってネットワーク116としてはWANが挙げられ、それはブロードバンド、セルラーおよび/または衛星通信手段を利用する。別の実施形態では、処理装置120はセルフストレージ施設102において施設内に位置していてもよい。本実施形態では、上記通信手段に加えてモバイル端末112は、コンピューティングハードウェアおよびソフトウェア119と通信するためにブルートゥース(登録商標)、赤外線、ZigBee(登録商標)および/または光無線などの近距離通信プロトコルを利用してもよい。
【0050】
工程304では、処理装置120は識別子を受信する。処理装置120は入力として識別子を使用してロック解除コードを復号化する。各種復号化技術を用いてもよく、そのような技術としては秘密鍵および公開鍵の使用が挙げられる。別の実施形態では、復号化工程では、識別子に関連づけられたオーバーロックレコードを突き止めるためにデータベース122においてルックアップ動作を行う。関連レコードを突き止めたら、処理装置120はオーバーロックレコードからロック解除コードを抽出する。ルックアップ動作は独立していても、本明細書に記載されている復号化技術に追加されたものであってもよい。
【0051】
別の実施形態では、ロック解除コードおよび識別子はどちらも、計算装置のアルゴリズムを用いるか手動のいずれかでランダムに生成してもよい。次いでランダムに生成されたロック解除コードおよび識別子をデータベース、表、行列または元帳などにおいて互いにリンクまたは関連づけてもよい。リンク/関連づけることは計算装置上のアルゴリズムを用いてランダムに行っても手動で行ってもよい。
【0052】
工程306では、ロック解除コードをプロセッサ120に接続された送受信機124を用いてネットワーク116を介してモバイル端末114に送信する。モバイル端末112によって受信されたら、ソフトウェアアプリケーション114は顧客106にロック解除コードを表示する。さらに別の実施形態では、ロック解除コードはSMS、MMS、Eメールまたはビデオチャットを介して管理サイト118からモバイル端末112に送信してもよい。さらに別の実施形態では、セルフストレージ施設は顧客106に電話をかけて口頭でロック解除コードを提供してもよい。本実施形態では、管理サイト118にいるセルフストレージ管理者108などの人間の職員は、自動化システムを介するか電話をかけてもよい。
【0053】
図4Aは、本発明の一実施形態に係る、文字合わせオーバーロックの斜視図である。文字合わせオーバーロック110は、刻み込むかそうでなければオーバーロック110に永久的に貼り付けることができる識別子400を含む。別の実施形態では、識別子400は、接着ラベルなどのオーバーロック110に貼り付けられたラベルの上にあってもよい。識別子400は
図4Aに示すようにオーバーロック110の下側に位置していてもよく、あるいは前面、背面板または掛け金に位置していてもよい。
【0054】
図4Bは、本発明の一実施形態に係る、識別子タグを有する文字合わせオーバーロックの斜視図である。本実施形態では、識別子400はオーバーロック110に貼り付けられたタグ402上に位置している。タグ402は掛け金、文字合わせノブに貼り付けられていてもよく、あるいは代わりとしてオーバーロックの任意の表面に部分的に接着剤により付着されてもよい。タグ402は耐水性容器(図示せず)内に配置されていてもよい。
【0055】
図4Cは、本発明の一実施形態に係る、円筒形タンブラーを備えた文字合わせオーバーロックの斜視図である。本実施形態では、識別子400はバーコードなどのスキャン可能なコードであり、オーバーロック110の前面または背面に位置している。ロック解除コードは、オーバーロック110の下側にある円筒形タンブラー406を用いて手動で入力してもよい。
図4Cに示されているオーバーロック110は一例として示されており、円筒形タンブラー、回転ノブ、プッシュピンまたはメカニカルキーパッドを有する各種設計のロックを本発明と共に利用することができ、そのような文字合わせ入力機構もオーバーロック110の側面または前面に位置していてもよい。
【0056】
図4Dは、本発明の一実施形態に係る、インタフェースを備えた電子オーバーロックの斜視図である。本実施形態では、オーバーロック110は、タッチ画面408などのインタフェースを備える。識別子400はケーシング410または掛け金412に位置しているか、
図4A~
図4Cに示されている実施形態と同様にタグ(図示せず)を介してオーバーロック110に貼り付けられていてもよい。別の実施形態では、識別子400をタッチ画面408上に表示してもよい。電子オーバーロック110はモバイル端末114と同様に機能してもよく、顧客の入力を承認し、かつリモートソースからのデータを送信および受信するための回路を備えていてもよい。本実施形態では、顧客106はタッチ画面408を介してソフトウェアアプリケーション116にアクセスしてもよく、自身のクレデンシャルおよび識別子を入力してもよい。次いで電子オーバーロック110は識別子を管理サイト118に送信してもよい。管理サイト118での復号化に成功したら、ロック解除コードはオーバーロック110に送信され、オーバーロック110はさらなる顧客介入なしに自動的にロック解除される。
【0057】
図5は、本発明の一実施形態に係る、キオスクおよびストレージユニットの図である。別の実施形態では、ストレージユニット104は、ストレージユニット104に隣接しているかセルフストレージ施設102に位置するキオスク500を備えていてもよい。キオスク500はモバイル端末114と同様に機能し、かつ顧客106がロック解除コードを要求するのを可能にしてもよい。キオスク500はオーバーロック110からの識別子を承認し、次いで識別子を管理サイト118に送信してもよい。管理サイト118での復号化に成功したら、キオスク500で表示するためにロック解除コードを送信する。キオスク500は、支払いを承認すること、ストレージユニットレンタルを処理すること、セルフストレージ管理者108および/または管理サイト118との音声およびチャット操作を提供すること、および付属品を販売することなどのセルフストレージ施設102のための他のサービスおよび管理機能を行ってもよい。
【0058】
別の実施形態では、顧客106はキオスク500を利用してロック解除コードを要求してもよく、ロック解除コードはモバイル端末112に表示するために戻され、その逆も同様である。
【0059】
図6Aは、本発明の一実施形態に係る、ソフトウェアアプリケーションのためのオーバーロック解除インタフェースの図である。顧客106がソフトウェアアプリケーション114を起動すると、ロック解除インタフェース600をモバイル端末112上に表示することができる。ロック解除インタフェース600は、顧客106が入力ボックス602にオーバーロック110のための識別子を入力するのを可能にする。ロック解除インタフェース600は顧客名および施設名ならびに顧客ステータス606などの情報604も表示してもよい。顧客ステータス606は、「使用可能状態」(すなわち完全に支払いがなされており、良好な状態にある)または「滞納状態」(すなわち支払期限を過ぎた残高がある)のいずれかであってもよい。一実施形態では、顧客ステータス606は、典型的に清算において遅れを必要とする電信送金またはデジタル通貨での支払いなどの場合に、支払いは送信されているがまだ処理されていないことを示す「ペンディング状態」を含んでもよい。
【0060】
一実施形態では、ロック解除コード606は、「送信」ボタン610を選択することにより顧客106が識別子を送信した後であって、処理装置120がロック解除コードを復号化することに成功した後に表示される。
【0061】
別の実施形態では、インタフェース600はロック解除コード606を含まず、ロック解除コードはテキスト、SMS、MMS、Eメール、ビデオチャット、ソフトウェアアプリケーションを介したセキュアメッセージまたは電話により顧客106に送信される。
【0062】
図6Bは、本発明の一実施形態に係る、ソフトウェアアプリケーションのためのオーバーロック解除インタフェースの図である。顧客106が滞納状態の支払期限を過ぎた残高に対する支払いを行っておらず、かつロック解除コードを検索することをなお試みる場合には、顧客ステータス606は「滞納状態」として一覧に記載される。また「送信」ボタン610は、顧客106が識別子を送信できないようにグレーアウトされるか非アクティブ状態になる。別の実施形態では、顧客106はロック解除インタフェース600に到達することさえできず、それどころかソフトウェアアプリケーション114を起動すると、自身の滞納アカウント(図示せず)を清算するために支払いを行うことができる請求書ウェブページに導かれる。
【0063】
図7は、本発明の実施形態に係るオーバーロックを使用可能および使用不可能にする工程を示すフローチャートである。工程700では、管理サイト118は、顧客アカウントが滞納状態であるか否かを決定する。アカウントが使用可能状態であり、かつ未払いの支払期限を過ぎた残高がない場合、当該プロセスは工程702で終了し、オーバーロック110は必要とされない。当該プロセスは引き続き工程700に戻り、そこでは顧客アカウントは管理サイト118によって滞納状態について連続的に監視される。
【0064】
顧客アカウントが滞納状態である場合、当該プロセスは工程704に進み、そこではストレージユニット104にオーバーロック110をかける。好ましい実施形態では、オーバーロック110を一次ロックすなわちラッチの上に手動でかけ、それにより一次ロックが取り外された場合であってもドア掛け金の移動が防止される。
【0065】
別の実施形態では、顧客106は自身のアカウント上に複数のストレージユニットを有している場合がある。顧客106が自身のアカウントの全てまたは一部において滞納状態である場合、顧客のアカウント上のストレージユニットの全てをオーバーロックしてもよい。別の実施形態では、当該アカウントにおける滞納の金額または程度に基づいて、選択されたストレージユニットまたは単一のストレージユニットのみをオーバーロックしてもよい。
【0066】
工程706では、処理装置120は、顧客アカウントがなお滞納状態であるか否かを決定する。当該アカウントがなお滞納状態である場合、処理装置120はオーバーロック解除機能を使用不可能にする。このシナリオでは、処理装置120は
図6Bに示されているオーバーロック解除インタフェースがロック解除コードに戻るのを防止する。別の実施形態では、顧客106が滞納状態の支払期限を過ぎたアカウントステータスを有するにも関わらずテキストメッセージ、Eメール、ビデオチャットまたは電話によりロック解除コードを要求することを試みる場合、顧客106にセルフストレージ施設によって自身のアカウントが滞納状態であり、ロック解除コードを検索することができないことを通知する。
【0067】
工程706において顧客のアカウントがもはや滞納状態でない場合、当該プロセスは工程710に進み、ここではオーバーロック解除を処理装置120によって可能にし、工程712において顧客106はロック解除コードを検索することができる。当該プロセスは引き続き工程700に戻り、ここでは顧客アカウントをセルフストレージ施設によって連続的に監視する。
【0068】
図8は、本発明の一実施形態に係る、ソフトウェアアプリケーションを用いてロック解除コードを検索するために顧客によって行われる工程を示すフローチャートである。工程800では、顧客106は自身のストレージユニット104がオーバーロックされていることに気づく。
【0069】
工程802では、顧客106はオーバーロック110のロック解除コードを検索するために、セルフストレージ施設からの通知上の指示に従ってソフトウェアアプリケーション114にアクセスする。一実施形態では、オーバーロック110上に、オーバーロック110に隣接して、および/またはストレージユニットのドアもしくは枠に、下げ札、プラカード、看板または他の認証情報などの通知が置かれる。当該通知は、どのようにソフトウェアアプリケーション114にアクセスするかについての指示を含んでいてもよい。先に考察されているように、ソフトウェアアプリケーション114は、例えばセルフストレージ管理者108によって運営されているウェブサイト、Apple iTunes App Store(登録商標)およびAndroid App Store(登録商標)などから顧客106によってダウンロードされるものであってもよく、あるいはソフトウェアアプリケーション114は、モバイル端末112上のブラウザを用いてURLを介してアクセスされるウェブサイトであってもよい。
【0070】
一実施形態では、当該通知はユーザに自身のモバイル端末112上のソフトウェアアプリケーション114を起動させるように指示してもよく、ユーザに自身のモバイル端末112上のブラウザを用いてURLに訪問するように指示してもよく、かつ/またはソフトウェアアプリケーション114を自動的に起動させるスキャン可能なコードまたはモバイル端末112上のURLを含んでいてもよい。別の実施形態では、当該通知はユーザに、セルフストレージ施設に電話をかけるかSMS、MMSまたはEメールなどのメッセージを送信するように指示してもよい。
【0071】
別の実施形態では、当該通知はテキスト、SMS、MMS、Eメールまたはソフトウェアアプリケーションを通したセキュアメッセージなどを介して、顧客106に直接送信してもよい。当該通知は、モバイル端末112上のソフトウェアアプリケーション114を起動させるためのURLまたは他の機構を含んでいてもよい。また当該通知はファイル上の顧客のアドレスに通常郵便により郵送されてもよい。
【0072】
さらに別の実施形態では、当該通知は、顧客106にソフトウェアアプリケーション114にアクセスするように指示する管理サイト118からの電話であってもよい。
【0073】
工程804では、顧客106は、ログインおよびパスワードまたは顧客の身元を証明する他の認証情報などの自身のクレデンシャルを入力するように促される。またクレデンシャルは、モバイル端末112および/またはソフトウェアアプリケーション114に組み込まれた指紋、虹彩、声、顔およびジェスチャ認識手段などを含む生体認証手段を介して提供してもよい。別の実施形態では、クレデンシャルとしてはRSA SecurID(登録商標)などのセキュアトークンによって提供される1回もしくは限定使用のパスワードが挙げられる。
【0074】
工程806では、管理サイト118は、クレデンシャルが有効であるか否かを決定する。有効でなければ、当該プロセスは工程804に戻り、顧客106は自身のクレデンシャルを再入力するように促される。クレデンシャルが有効であるとみなされた場合、工程808において、管理サイト118は顧客のアカウントが実際に滞納状態であるか否かを決定する。顧客106がもはや支払期限を過ぎた残高を有しない場合、顧客106は工程810においてオーバーロック110からの識別子を入力するように促される。このシナリオは、例えば顧客106が自身の家または職場などのリモート位置から支払期限を過ぎた残高を清算するために支払いを行った場合に起こり得、次いでその後にセルフストレージ施設に到着して以前にかけられたオーバーロック110に気づく。
【0075】
顧客106が支払期限を過ぎた残高をなお有する場合、顧客106は工程812において自身の支払期限を過ぎた残高を支払うように促される。一実施形態では、顧客106はクレジットカード、デビットカード、自動決済機関(ACH)送金および電信送金を介してセルフストレージ施設に支払いを行ってもよい。ソフトウェアアプリケーション114は、ユーザが記憶されているクレジットカードまたはリンクされている銀行アカウントなどの支払い方法をファイル上に記憶させるのを可能にしてもよい。
【0076】
またセルフストレージ施設は、PayPal(登録商標)、Stripe(登録商標)、Apple Pay(登録商標)、Android Pay(登録商標)、Square(登録商標)、Amazon Payments(登録商標)、Viewpost(登録商標)および他の同様のプラットフォームなどの第三者支払い処理システムを介した支払いを承認してもよい。そのような支払い処理システムはソフトウェアアプリケーション114内に一体化されていてもよい。
【0077】
さらに別の実施形態では、セルフストレージ施設は、限定されるものではないがビットコイン、イーサリアム、ライトコインおよびナノ(Nano)などの暗号およびデジタル通貨を介した支払いを承認してもよい。
【0078】
別の実施形態では、顧客106は、管理者セルフストレージおよび/またはリモート管理サイト118を訪れて支払期限を過ぎた残高を対面で支払ってもよい。
【0079】
次いで当該プロセスは工程808に戻り、ここでは管理サイト118は、顧客106が支払期限を過ぎた残高をなお有するか否かを決定する。支払期限を過ぎた残高が存在しない場合、顧客106は工程810においてオーバーロック110からの識別子を入力するように促される。顧客106が支払期限を過ぎた残高をなお有する場合、当該プロセスは工程812に戻り、ここでは顧客106は自身の支払期限を過ぎた残高を支払うように促される。
【0080】
工程814では、管理サイト118はロック解除コードを顧客106に送信し、次いで顧客は自身のストレージユニット104からオーバーロック110を取り外すことができる。
【0081】
図9は、本発明の一実施形態に係る、電話によりロック解除コードを検索するために顧客によって行われる工程を示すフローチャートである。工程900では、顧客106は自身のストレージユニット104がオーバーロックされていることに気づく。
【0082】
工程902では、顧客106はオーバーロック110のロック解除コードを検索するために、セルフストレージ施設からの通知上の指示に従って管理サイト118に電話をする。一実施形態では、管理サイト118はセルフストレージ管理者108、コールセンター、代表または第三者電話応答サービスを含んでもよい。別の実施形態では、顧客106は管理サイト118からの電話をスケジュールするために、テキスト、SMS、MMS、Eメールまたはソフトウェアアプリケーションを通したセキュアメッセージなどを介して管理サイト118にメッセージを送信してもよい。
【0083】
工程904では、管理サイト118は上に記載されているように顧客106にクレデンシャルを提供するように要求する。
【0084】
工程906では、管理サイト118はクレデンシャルが有効であるか否かを決定する。有効でなければ当該プロセスは工程904に戻り、管理サイト118は顧客106に自身のクレデンシャルを再度提供するように要求する。クレデンシャルが有効であるとみなされた場合、工程908において管理サイト118は、顧客のアカウントが実際に滞納状態であるか否かを決定する。顧客106がもはや支払期限を過ぎた残高を有しない場合、顧客106は工程910においてオーバーロック110からの識別子を入力するように促される。顧客106は識別子を口頭で提供するか、自身のモバイル端末112上の自身の英数字キーパッドを介して識別子を入力するか、あるいは識別子をスキャンし、かつ自身のモバイル端末112を用いてそれを管理サイト118に送信する。
【0085】
顧客106が支払期限を過ぎた残高をなお有する場合、工程912において顧客106は自身の支払期限を過ぎた残高を支払うように促される。
【0086】
次いで当該プロセスは工程908に戻り、そこでは管理サイト118は、顧客106が支払期限を過ぎた残高をなお有するか否かを決定する。支払期限を過ぎた残高が存在しない場合、工程910において顧客106はオーバーロック110の識別子を提供するように促される。顧客106が支払期限を過ぎた残高をなお有する場合、当該プロセスは工程912に戻り、そこでは顧客106は自身の支払期限を過ぎた残高を支払うように促される。
【0087】
工程914では、管理サイト118はロック解除コードを顧客106に提供し、次いで顧客は自身のストレージユニット104からオーバーロック110を取り外すことができる。
【0088】
一実施形態では、オーバーロック110は、ファーストレスポンダー、警察、消防士および救急医療サービス提供者などの救急隊員がロック解除コードを要求した場合の緊急モードを備えていてもよい。本実施形態では、救急隊員は識別子と共に緊急クレデンシャルを送信してもよい。管理サイト118によって緊急クレデンシャルが受信されたら、処理装置120はクレデンシャル確認を行わずにロック解除コードの復号化を進める。
【0089】
さらに別の実施形態では、オーバーロック110はデジタルキーまたはタッチスクリーンを介して文字合わせ入力を承認する電子ロックである。顧客106にRSA SecurID(登録商標)などの1回もしくは限定使用のパスワードを提供するセキュアトークンを与えてもよい。滞納状態の支払期限を過ぎた残高の場合、管理サイト118は顧客106が支払期限を過ぎた残高の支払いを行うまで、遠隔からセキュアトークンを不使用にすることができる。
【0090】
別の実施形態では、顧客106によってロック解除コードを検索するプロセス全体が自動化されていてもよい。例えば管理サイト118は、上記手段を介して顧客106の身元を確認し、顧客106から識別子を受信し、かつロック解除コードを顧客106に提供する自動受付を備えていてもよい。当該プロセスは、キオスク500を介してセルフストレージ施設または管理サイト118から人間の介入なしに自動化された方法で行うこともできる。
【0091】
図10は、本発明の一実施形態に係る、ソフトウェアアプリケーションおよび顧客アカウント識別子を用いてロック解除コードを検索するために顧客によって行われる工程を示すフローチャートである。
【0092】
工程1000では、顧客106は自身のストレージユニット104がオーバーロックされていることに気づく。
【0093】
工程1002では、顧客106は本明細書に記載されているようにオーバーロック110のロック解除コードを検索するために、セルフストレージ施設からの通知上の指示に従ってソフトウェアアプリケーション114および/またはウェブサイトにアクセスする。
【0094】
工程1004では、顧客106は、顧客のモバイル端末番号、Eメールアドレス、ログイン、パスワード、電話番号、アカウント番号、個人識別番号(PIN)、氏名、運転免許証番号、社会保障番号、誕生日および/または固有のアカウント識別コードなどの自身のクレデンシャルを入力するように促される。オーバーロック識別子および/またはロック解除コードは前もってストレージユニットおよび/または顧客に関連づけられている。
【0095】
ロック解除コードおよび/またはオーバーロック識別子は、前もってストレージユニットおよび/または顧客に関連づけられていてもよい。この関連づけはデータベース122においてマッピングテーブルの形態であってもよい。一実施形態では、ストレージユニット104にオーバーロックをかける時点で、オーバーロックのロック解除コードをデータベース122において、ストレージユニット104および/または顧客レコードに対応づける。その後のルックアップ中に、ロック解除コードを検索するためにストレージユニット104または顧客情報は処理装置120によって必要とされない。本実施形態では、ロック解除コードおよびストレージユニット104および/または顧客情報は暗号化されていても暗号化されていなくてもよい。
【0096】
別の実施形態では、ロック解除コードを用いる暗号化技術を用いてオーバーロック識別子を生成する。次いでオーバーロック識別子をオーバーロックに関連づけ、かつ/またはストレージユニット104および/または顧客に関連づけてもよい。オーバーロック識別子をストレージユニット104および/または顧客に関連づける場合、ストレージユニット104および/または顧客もデータベース122において対応するオーバーロックに関連づける。その後のルックアップ中に、ロック解除コードを復号化するためにオーバーロック識別子は処理装置120によって必要とされない。
【0097】
工程1006では、管理サイト118は、クレデンシャルが有効であるか否かを決定する。有効でなければ、当該プロセスは工程1004に戻り、顧客106は自身のクレデンシャルを再入力するように促される。クレデンシャルが有効であるとみなされた場合、工程1008において顧客はアカウント識別子を入力するように促される。本実施形態では、管理サイト118は顧客アカウント識別子を受信し、管理サイト118は必ずしもオーバーロックのシリアルナンバーまたは固有の識別子それ自体を受信するわけではない。アカウント識別子としては限定されるものではないが、ストレージユニット/ユニット番号、アカウント番号および顧客を特定のアカウントまたは1つ以上のストレージユニットに関連づけるあらゆる他の識別子が挙げられる。管理サイト118はアカウント識別子を用いてルックアップ関数を行う。ルックアップ関数は、アカウント識別子をストレージユニット104、オーバーロック識別子および/またはロック解除コードならびに顧客アカウントと相関させる。
【0098】
工程1010では、ルックアップに基づいて、管理サイト118は、顧客アカウントが滞納状態であるか否かを決定する。顧客106が支払期限を過ぎた残高をなお有する場合、工程1012において顧客106は本明細書に記載されているように自身の支払期限を過ぎた残高を支払うように促される。支払期限を過ぎた残高が存在しない場合、工程1014において管理サイト118はロック解除コードを顧客106に送信し、次いで顧客は自身のストレージユニット104からオーバーロック110を取り外すことができる。
【0099】
工程1010において顧客106が支払期限を過ぎた残高をなお有する場合、工程1012において顧客106は、本明細書に記載されている手段のいずれかによって自身の支払期限を過ぎた残高を支払うように促される。
【0100】
図11Aは、本発明の一実施形態に係る、ソフトウェアアプリケーションのためのアカウント識別子を検索するオーバーロック解除インタフェースの図である。ロック解除インタフェース600は、顧客106がソフトウェアアプリケーション114を起動したらモバイル端末112上に表示されてもよい。インタフェース600は、顧客106が自身のクレデンシャルを入力し、かつ管理サイト118によって確認された後に表示される。ロック解除インタフェース600は、顧客106が入力ボックス602において、例えば自身のストレージユニット番号などの顧客アカウント識別子を入力するのを可能にする。ロック解除インタフェース600は顧客アカウント識別子を受信した後の顧客名および施設名などの情報604ならびに顧客ステータス606も表示してもよい。顧客ステータス606は、「使用可能状態」すなわち「アクティブ」(すなわち完全に支払いがなされており、良好な状態にある)または「滞納状態」(すなわち支払期限を過ぎた残高を有する)のいずれかであってもよい。一実施形態では、顧客ステータス606は、典型的に清算において遅れを必要とする電信送金またはデジタル通貨での支払いの場合などに支払いが送信されているがまだ処理されていないことを示す「ペンディング状態」を含んでもよい。
【0101】
一実施形態では、顧客106が「送信」ボタン610を選択することにより識別子を送信した後であって、処理装置120がロック解除コードを復号化することに成功した後に、ロック解除コード608が表示される。オーバーロック識別子が前もってストレージユニットに関連づけられている場合、本明細書において先に記載されているように処理装置120はオーバーロック識別子のルックアップを行い、かつ復号化工程を行うことができる。ロック解除コードが前もってストレージユニットに関連づけられている場合、処理装置120はストレージユニットのルックアップを行い、かつ関連づけられたロック解除コードを検索する。
【0102】
図11Bは、本発明の一実施形態に係る、ソフトウェアアプリケーションのアカウント識別子を検索するオーバーロック解除インタフェースの図である。顧客106が滞納状態の支払期限を過ぎた残高に対する支払いをしておらず、かつロック解除コードを検索することをなお試みる場合には、顧客ステータス606は「滞納状態」として一覧に記載される。また顧客106が識別子を送信できないように、「送信」ボタン610はグレーアウトされるか非アクティブ状態になる。別の実施形態では、顧客106はロック解除インタフェース600に到達することさえできず、それどころかソフトウェアアプリケーション114を起動すると、自身の滞納アカウント(図示せず)を清算するために支払いを行うことができる請求書ウェブページに導かれる。
【0103】
図12は、本発明の一実施形態に係る、アカウント識別子のみを用いて電話によりロック解除コードを検索するために顧客によって行われる工程を示すフローチャートである。工程1200では、顧客106は自身のストレージユニット104がオーバーロックされていることに気づく。
【0104】
工程1202では、顧客106はオーバーロック110のロック解除コードを検索するために、セルフストレージ施設からの通知上の指示に従って管理サイト118に電話をする。一実施形態では、管理サイト118はセルフストレージ管理者108、コールセンター、代表または第三者電話応答サービスを含んでもよい。別の実施形態では、顧客106は管理サイト118からの電話をスケジュールするために、テキスト、SMS、MMS、Eメールまたはソフトウェアアプリケーションを通したセキュアメッセージなどを介してメッセージを管理サイト118に送信してもよい。
【0105】
工程1204では、管理サイト118は本明細書に記載されているように顧客106に自身のクレデンシャルを提供するように要求する。
【0106】
工程1206では、管理サイト118は、クレデンシャルが有効であるか否かを決定する。有効でなければ、当該プロセスは工程1204に戻り、顧客106は自身のクレデンシャルを再提供するように促される。クレデンシャルが有効であるとみなされた場合、工程1208において顧客はアカウント識別子を入力するように促される。本実施形態では、管理サイト118は顧客アカウント識別子を受信し、管理サイト118は必ずしもオーバーロックのシリアルナンバーまたは固有の識別子それ自体を受信するわけではない。アカウント識別子としては限定されるものではないが、ストレージユニット/ユニット番号、アカウント番号、および顧客を特定のアカウントまたは1つ以上のストレージユニットに関連づけるあらゆる他の識別子が挙げられる。管理サイト118はアカウント識別子を用いてルックアップ関数を行う。ルックアップ関数は、アカウント識別子をストレージユニット104、オーバーロック識別子および/またはロック解除コードならびに顧客アカウントと相関させる。一実施形態では、複数の顧客アカウントまたは顧客アカウントに関連づけられた複数の個人をストレージユニット104、オーバーロック識別子および/またはロック解除コードに関連づけてもよい。
【0107】
支払期限を過ぎた残高が存在しない場合、工程1214において管理サイト118はロック解除コードを顧客106に送信し、次いで顧客は自身のストレージユニット104からオーバーロック110を取り外すことができる。
【0108】
顧客106が支払期限を過ぎた残高をなお有する場合、工程1212において顧客106は自身の支払期限を過ぎた残高を支払うように促される。次いで当該プロセスは工程1210に戻り、そこでは管理サイト118は、顧客106が支払期限を過ぎた残高をなお有するか否かを決定する。
【0109】
図13は、オーバーロックを空きストレージユニットに適用するために行われる工程を示すフローチャートである。工程1300では、セルフストレージ施設はオーバーロックを空きストレージユニットに適用する。工程1302では、管理サイトによって運営されているロック管理システムに接続されたデータベースにおいてオーバーロック識別子を特定の空きストレージユニットに割り当てる、対応付ける、関連づける、またはリンクさせる。一実施形態では、オーバーロック識別子および/またはオーバーロックのロック解除コードをデータベースにおいて特定の空きストレージユニットに対応付ける。
【0110】
上で考察されているように、管理サイトはセルフストレージ施設から離れていてもよく、セルフストレージ施設とは異なる実体によって所有および/または運営されていてもよい。一実施形態では、セルフストレージ施設は管理サイトの顧客であり、管理サイトからロック管理システムへのサブスクリプションまたはライセンスなどを購入する。
【0111】
工程1304では、ロック解除コードをロック管理システムからアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を介して第三者財産管理システムに送信する。一実施形態では、第三者財産管理システムは管理サイトおよび/またはセルフストレージ施設とは異なる実体によって所有および/または運営されている。第三者財産管理システムは、限定されるものではないが、例えばstorEDGE(登録商標)、SiteLink(登録商標)、Storage Commander(登録商標)、QuikStor(登録商標)、6Storage(登録商標)、Tredds Self Storage(登録商標)、Easy Storage Solutions(登録商標)およびConvoyant ResNexus(登録商標)などによって提供されているソフトウェアであってもよい。
【0112】
APIは、ロック管理システムが第三者財産管理システムと通信するのを可能にし、かつ2つのシステム間でのデータの一方向もしくは双方向伝送のいずれかを可能にする。
【0113】
一実施形態では、ロック管理システムは第三者財産管理システムとは完全に別個の異なるソフトウェアプログラムである。ロック管理システムおよび第三者財産管理システムは異なるサーバ上に位置して、APIのみを介して接続され、かつどんな直接的かつ物理的なネットワーク通信リンクによっても接続されていなくてもよい。さらに、単一のロック管理システムが複数の異なる異種の第三者財産管理システムと通信することができるように、ロック管理システムを複数のAPIを介して様々な異なる第三者財産管理システムと一体化させることができる。
【0114】
図14は、空きストレージユニットの防犯用オーバーロックのために、第三者財産管理システムからロック解除コードを検索するために行われる工程を示すフローチャートである。工程1400では、顧客がオーバーロックで防犯されている空きストレージユニットに到着する。一実施形態では、ストレージユニットまたはオーバーロックは、オーバーロックのロック解除コードを要求する方法に関する顧客のための指示を有する通知を含む。
【0115】
当該通知は、ユーザに自身のモバイル端末上のソフトウェアアプリケーションを起動させるように指示してもよく、かつ/またはユーザに例えば自身のモバイル端末または計算装置上のブラウザ上のURLを用いてロック管理システムのポータルを訪問するよう指示してもよく、かつ/または自身のモバイル端末上のソフトウェアアプリケーションを自動的に起動させるスキャン可能なコードまたはURLを含んでいてもよい。別の実施形態では、当該通知はユーザにセルフストレージ施設または管理サイトに電話をかけるか、SMS、MMSまたはEメールなどのメッセージを送信するように指示してもよい。
【0116】
別の実施形態では、顧客が実際に空きストレージユニットに訪れて当該通知を見ることを必要としないように、当該通知はテキスト、SMS、MMS、Eメールまたはソフトウェアアプリケーションを通したセキュアメッセージを介して顧客に直接送信されてもよい。当該通知は、URLまたは自身のモバイル端末上のソフトウェアアプリケーションを起動させるための他の機構を含んでいてもよい。また当該通知はファイル上の顧客のアドレスに通常郵便により郵送されてもよい。
【0117】
工程1402では、顧客は上により詳細に記載されており、かつ
図11Aおよび
図11Bに示されているロック管理システムポータルにアクセスする。さらに工程1402において、顧客は顧客のモバイル端末番号、Eメールアドレス、ログイン、パスワード、電話番号、アカウント番号、個人識別番号(PIN)、氏名、運転免許証番号、社会保障番号、誕生日および/または固有のアカウント識別コードなどの自身のクレデンシャルを入力するように促される。
【0118】
工程1404では、ロック管理システムはAPIを介して、顧客クレデンシャルおよびストレージユニット識別子および/またはオーバーロック識別子を第三者財産管理システムに送信する。この工程は人間の介入すなわち手動の介入またはアクションを必要とせず、ロック管理システムはポータルを介して顧客から顧客クレデンシャルを受信した後に、それらを自動的に途切れなく送信する。
【0119】
工程1406では、第三者財産管理システムは、顧客が真にその特定のストレージユニットの確認された借り手であるか否かを決定する。そうでなければ、工程1408において顧客のロック解除コード要求は拒否される。
【0120】
しかし、顧客がその特定のストレージユニットの確認された借り手である場合、当該プロセスは工程1410に進み、そこでは第三者財産管理システムは、顧客のアカウントが滞納状態であるか否かを決定する。顧客のアカウントが使用可能状態ではなく、かつ未払いの支払期限を過ぎた残高が存在する場合、当該プロセスは工程1412に進み、そこでは顧客は上でより詳細に考察されているように支払いを行って自身の支払期限を過ぎた残高を清算するように促される。次いで当該プロセスは工程1410に戻ってもよく、そこでは顧客のアカウントステータスが再度確認される。
【0121】
顧客のアカウントが使用可能状態であり、かつ未払いの支払期限を過ぎた残高が存在しない場合、当該プロセスは工程1414に進み、そこでは第三者財産管理システムはロック解除コードを顧客に送信する。一実施形態では、ロック解除コードは、顧客のブラウザ上に表示されたテキスト、SMS、MMS、Eメール、ソフトウェアアプリケーションを通したセキュアメッセージを介して、あるいは自動電話により顧客に送信してもよい。この場合も、この工程はセルフストレージ施設、管理サイトまたは第三者財産管理システム提供者の一部に対する人間の介入すなわち手動の介入またはアクションを必要としない。
【0122】
図15は、空きストレージユニットの防犯用オーバーロックのためにロック管理システムからロック解除コードを検索するために行われる工程を示すフローチャートである。本実施形態では、当該プロセスは
図14について上に記載されている工程と同様である。但し工程1500では、第三者財産管理システムは、自身の携帯電話番号およびEメールアドレスなどの顧客の連絡先情報をAPIを介してロック管理システムに送信してもよい。工程1502では、ロック管理システムはロック解除コードを顧客に送信する。一実施形態では、ロック解除コードは、テキスト、SMS、MMS、Eメール、顧客のブラウザ上に表示されたソフトウェアアプリケーションを通したセキュアメッセージを介して、あるいは自動電話により顧客に送信されてもよい。この場合も、この工程はセルフストレージ施設、管理サイトまたは第三者財産管理システム提供者の一部に対する人間の介入すなわち手動の介入またはアクションを必要としない。
【0123】
他の実施形態では、
図14の工程1414または
図15の工程1502のいずれかの代わりに、ロック解除コードをセルフストレージ施設管理者またはオペレータあるいは管理サイトにいる人間のオペレータに送信してもよく、次いで彼らは電話または対面で、あるいはテキスト、SMS、MMS、Eメールまたはソフトウェアアプリケーションを通したセキュアメッセージを介して、ロック解除コードを顧客に提供してもよい。
【0124】
一実施形態では、ロック管理システムはコンピューティングハードウェアおよびソフトウェア119上で実行され、かつ管理サイト118によって運営される。別の実施形態では、ロック管理システムはクラウドベースのシステムであってもよく、Amazon Webサービス(登録商標)などによって提供されているサーバまたは分散型サーバ環境などの管理サイト118から離れたサーバ上に位置していてもよい。
【0125】
図16は、本発明の一実施形態に係る、シリアルナンバーを用いて電子メッセージ通信を介してロック管理システムからロック解除コードを検索するために行われる工程を示すフローチャートである。工程1600では、顧客106は、シリアルナンバーなどのオーバーロック識別子を含む電子メッセージをロック管理システムに送信する。一実施形態では、顧客106は自身のモバイル端末112を使用して、シリアルナンバーを含むテキストメッセージをロック管理システムに送信する。電子メッセージは任意の形態であってもよく、かつテキストメッセージ、SMS、MMS、Eメールまたはソフトウェアアプリケーションを通したセキュアメッセージであってもよい。一実施形態では、オーバーロック識別子はシリアルナンバー、ユニークコード、バーコード、QRコードまたは他の一意的認証情報であってもよい。
【0126】
さらに別の実施形態では、顧客106はオーバーロック識別子の写真または画像を撮影し、かつその画像を自身のモバイル端末112を介してロック管理システムに送信してもよい。それが受信されると画像分析がロック管理システムによって行われ、その写真からオーバーロック識別子が抽出される。
【0127】
さらに別の実施形態では、オーバーロック識別子はQRコード内に含まれている。顧客106が自身のモバイル端末112でQRコードをスキャンする場合、QRコードおよび顧客クレデンシャルをロック管理システムに送信するというルーチンをモバイル端末112上のソフトウェアアプリケーションに自動的に実行させる。
【0128】
工程1602では、ロック管理システムは電子メッセージを受信し、かつ顧客106を識別する。一実施形態では、ロック管理システムは、電話番号発信者識別システム(すなわち「発信者ID」システム)を用いて顧客106の身元を決定する。別の実施形態では、電子メッセージがソフトウェアアプリケーションを通したセキュアメッセージを用いて送信される場合、顧客106のクレデンシャルはセキュアメッセージと共に、あるいはその一部としてロック管理システムに送信される。顧客106が識別されると、ロック管理システムは顧客106に関連づけられた顧客情報を検索する。
【0129】
別の実施形態では、ロック管理システムがシリアルナンバーを含む電子メッセージを受信すると、ロック管理システムは、顧客106がログインまたはユーザ名あるいは顧客の身元を確認する他の認証情報などの自身のアカウントクレデンシャルを提供することを要求するメッセージを顧客106に送信する。クレデンシャルを顧客106から受信したら、ロック管理システムは当該アカウントのパスワードを要求する別のメッセージを顧客106に送信してもよい。顧客106が有効なパスワードにより応答に成功した場合、ロック管理システムは工程1604に進む。
【0130】
しかし工程1602において、顧客が有効なパスワードにより応答しなかったり、有効なクレデンシャルを提供しなかったりした場合、ロック管理システムはエラーメッセージを含む電子メッセージを顧客106に送信する。一実施形態では、電子メッセージは顧客106がその位置へのアクセスを登録または購入するのを可能にするハイパーリンクを含んでいてもよい。
【0131】
工程1604では、顧客106が識別された後に、ロック管理システムは顧客106がデータベース122においてシリアルナンバーに関連づけられているか否かを決定する。一実施形態では、ロック管理システムは、顧客名、アカウント識別子、PIN、運転免許証番号、社会保障番号、誕生日および/または固有のアカウント識別コードなどの顧客情報を用いてルックアップ関数を行う。
【0132】
ロック管理システムが、顧客106がシリアルナンバーに前もって関連づけられていると決定した場合、当該プロセスは工程1606に進む。
【0133】
別の実施形態では、ロック管理システムは最初にシリアルナンバーに関連づけられているオーバーロックを識別し、次いで顧客106がそのオーバーロックに前もって関連づけられているか否かを決定する。
【0134】
工程1606では、ロック管理システムは、顧客106が滞納アカウントを有するか否かを決定する。顧客106が支払期限を過ぎた残高を有する場合、工程1608において顧客106は、
図10の工程1012に関して本明細書に記載されているように自身の支払期限を過ぎた残高を支払うように促される。次いで当該プロセスは工程1606に戻り、そこではロック管理システムはこの場合も顧客106が滞納残高を有するか否かを決定する。
【0135】
工程1606においてロック管理システムが、顧客106が滞納アカウントまたは支払期限を過ぎた残高を有しないと決定した場合、工程1610においてロック管理システムはオーバーロックおよび/またはシリアルナンバーに関連づけられたロック解除コードを検索し、工程1612においてロック管理システムは、ロック解除コードを含む電子メッセージを顧客106に送信する。一実施形態では、ロック管理システムは、テキスト、SMS、MMS、Eメールまたはソフトウェアアプリケーションを通したセキュアメッセージを介してモバイル端末112に電子メッセージを送信する。
【0136】
別の実施形態では、ロック管理システムはモバイル端末112に自動電話をかけてもよく、ロック解除コードはテキスト音声変換機能を介して顧客106に読み上げられる。あるいは管理サイト118にいるセルフストレージ管理者108またはコールセンター従業員などの人間の職員は、モバイル端末112に電話をし、かつロック解除コードを顧客106に提供するように促される。
【0137】
しかし工程1604においてロック管理システムが、顧客106がシリアルナンバーに関連づけられていないと決定した場合、工程1614においてロック管理システムは、エラーメッセージを含む電子メッセージを顧客106に送信する。一実施形態では、電子メッセージは顧客106がその位置へのアクセスを登録または購入するのを可能にするハイパーリンクを含んでいてもよい。
【0138】
図17は、本発明の一実施形態に係る、英数字コードを用いて電子メッセージ通信を介してロック管理システムからロック解除コードを検索するための工程を示すフローチャートである。工程1700では、顧客106は英数字コードを含む電子メッセージをロック管理システムに送信する。一実施形態では、英数字コードは全ての文字、全ての数、全ての絵文字または数、文字および/または絵文字の組み合わせからなっていてもよい。一実施形態では、顧客106は自身のモバイル端末112を使用して英数字コードを含むテキストメッセージをロック管理システムに送信する。電子メッセージは任意の形態であってもよく、かつテキストメッセージ、SMS、MMS、Eメールまたはソフトウェアアプリケーションを通したセキュアメッセージであってもよい。
【0139】
例えば顧客106は、英数字コード「CODE」をロック管理システムにテキストメッセージで送信してもよい。一実施形態では、英数字コードはロック管理システムによって予め決定されてもよく、あるいは代わりとして英数字コードは顧客106によって予め決定されていてもよい。さらに別の実施形態では、英数字コードは、例えば30日間などの期間後に英数字コードがロック管理システムによってリセットされるような使用期限を有する。
【0140】
別の実施形態では、顧客106は英数字コード(それが絵文字を含まない場合)を言葉で発してもよく、モバイル端末112は電子メッセージの形態でロック管理システムに送信される音声からテキストに変換されたメッセージを生成してもよい。
【0141】
工程1702では、ロック管理システムは、電子メッセージを受信し、かつ顧客106を識別する。一実施形態では、ロック管理システムは
図16の工程1602に関して本明細書に記載されているように、発信者IDシステムを用いて顧客106の身元を決定する。
【0142】
工程1704では、発信者IDシステムを用いて顧客106が識別された後、ロック管理システムは、顧客106に関連づけられたシリアルナンバーおよびロック解除コードの全てを検索する。本実施形態では、顧客106は複数のオーバーロックに関連づけられていてもよい。
【0143】
顧客106が複数のオーバーロックに関連づけられている場合、顧客106は、顧客106の職員、友人および家族の一員などの特定の個人を特定のオーバーロックに関連づけてもよい。このように顧客106は、特定のオーバーロックのロック解除コードへの選択的アクセスを特定の個人に提供してもよい。各個人は、顧客106が彼らにそこへのアクセスを許可した特定のオーバーロックに関連づけられた固有の英数字コードを有していてもよい。あるいは全ての顧客または顧客の職員が同じ英数字コードを使用してもよく、次いで各個人は工程1702に関して本明細書に記載されているように認証される。
【0144】
工程1706では、ロック管理システムは、顧客106が滞納アカウントを有するか否かを決定する。顧客106が支払期限を過ぎた残高を有する場合、工程1708において顧客106は、
図10の工程1012に関して本明細書に記載されているように自身の支払期限を過ぎた残高を支払うように促される。次いで当該プロセスは工程1706に戻り、そこではロック管理システムはこの場合も顧客106が滞納残高を有するか否かを決定する。
【0145】
工程1706においてロック管理システムが、顧客106が滞納アカウントまたは支払期限を過ぎた残高を有しないと決定した場合、工程1710においてロック管理システムはシリアルナンバーを含む電子メッセージおよびそれぞれのロック解除コードを顧客106に送信する。一実施形態では、ロック管理システムはテキスト、SMS、MMS、Eメールまたはソフトウェアアプリケーションを通したセキュアメッセージを介して電子メッセージをモバイル端末112に送信する。
【0146】
一実施形態では、顧客106が複数のオーバーロックに関連づけられている場合、ロック管理システムは、各オーバーロックのための各シリアルナンバーおよびロック解除コード対を含む単一の電子メッセージを顧客106に送信してもよい。あるいは、ロック管理システムは、各シリアルナンバーおよびロック解除コード対のための別個の電子メッセージを顧客106に送信してもよい(すなわち、各オーバーロックのための別個の電子メッセージが顧客106に送信される)。
【0147】
さらに別の実施形態では、顧客106が複数のオーバーロックに関連づけられている場合、ロック管理システムは、これらのオーバーロックのためのシリアルナンバーの一覧を送信してもよく、顧客106は、どのシリアルナンバーのロック解除コードを検索したいかを選択してもよい。
【0148】
さらに別の実施形態では、英数字コードは特定のオーバーロック位置のための識別子であってもよい。例えばオーバーロックは特定の物理的位置に関連づけられていてもよい。例示的な一実施形態では、顧客106は、工程1700において位置「Server Closet A11」に対応し得る「A11」などの識別子をロック管理システムにテキストメッセージで送信してもよい。当該プロセスは上に記載されているように継続し、工程1704においてロック管理システムは、シリアルナンバーが実際にこの位置に関連づけられているか否かを決定する。シリアルナンバーがその位置に関連づけられている場合、それぞれのロック解除コードがロック管理システムによってデータベース122から検索される。当該プロセスは継続し、工程1706においてロック管理システムはロック解除コードを顧客106に送信する。
【0149】
特定のオーバーロック位置への識別子は、ロック管理システムおよび/または顧客106によって予め決定されていてもよい。
【0150】
図18は、本発明の一実施形態に係る、顧客アカウントステータスが滞納状態から未滞納状態に変わった際にロック解除コードを顧客106に送信する工程を示すフローチャートである。工程1800では、ロック管理システムは第三者財産管理システムに問い合わせる。本明細書において考察されているように、ロック管理システムはAPIを介して財産管理システムに通信可能に接続されていてもよい。一実施形態では、ロック管理システムは顧客が滞納アカウントを有するか否かを決定するために財産管理システムに問い合わせる。この決定は当業者に公知の多くの方法で行うことができ、限定されるものではないが、滞納状態/未滞納フラグの使用、アカウント元帳残高の読み上げおよびゲートアクセス許可などが挙げられる。一実施形態では、ロック管理システムは財産管理システムに問い合わせを送信することができ、財産管理システムは、顧客が滞納アカウントを有するか否かを示す値およびメッセージなどを返す。
【0151】
一実施形態では、ロック管理システムは、例えば1日に1回、1週間に1回、2週間に1回、1ヶ月に1回、1年に4回および1年に1回などの所定の間隔に基づいて財産管理システムに問い合わせてもよい。別の実施形態では、ロック管理システムは財産管理システムにランダムに問い合わせてもよい。別の実施形態では、ロック管理システムは財産管理システムに例えば1秒間に1回、1分間に1回および1時間に1回などの一定もしくは半一定のベースで問い合わせてもよい。
【0152】
さらに別の実施形態では、ロック管理システムは、顧客アカウントステータスが滞納状態から未滞納状態あるいはその逆に変わった場合に財産管理システムからリアルタイム通知を受信してもよい。
【0153】
工程1802では、ロック管理システムが顧客が滞納アカウントを有していないと決定した場合、当該プロセスは工程1800に戻り、そこではロック管理システムは所定の間隔に基づいて財産管理システムに問い合わせ続ける。しかしロック管理システムが顧客が滞納アカウントを有すると決定した場合、工程1804においてロック管理システムは、データベース122において滞納フラグ(または任意の他の種類のインジケータ)を設定する。
【0154】
工程1806では、ロック管理システムはこの場合も財産管理システムに問い合わせ、顧客が滞納アカウントをなお有するか否かを決定する。工程1806において顧客がもはや滞納アカウントを有さず、当該アカウントステータスが工程1802における滞納状態から工程1806における未滞納状態に変わったことを示す場合、当該プロセスは工程1808に進む。
【0155】
しかし、ロック管理システムが工程1806において顧客が滞納アカウントをなお有すると決定した場合、当該プロセスは工程1800に戻る。
【0156】
工程1808では、ロック管理システムは、顧客のアカウントに関連づけられた位置がオーバーロックによって防犯されているか否かを決定する。その位置がオーバーロックによって防犯されていない場合、当該プロセスは終了する。しかしその位置がオーバーロックによって防犯されている場合、工程1810においてロック管理システムは、特定のオーバーロックに関連づけられたロック解除コードを検索し、財産管理システムから顧客の連絡先情報を検索し、かつロック解除コードを含む電子メッセージを顧客に送信する。一実施形態では、連絡先情報としては顧客の携帯電話番号およびEメールアドレスなどが挙げられる。一実施形態では、ロック管理システムは、テキスト、SMS、MMS、Eメールまたはソフトウェアアプリケーションを通したセキュアメッセージを介して電子メッセージをモバイル端末112に送信する。
【0157】
図19は、本発明の一実施形態に係る、空きストレージが使用中になった際にロック解除コードを顧客106に送信する工程を示すフローチャートである。工程1900では、ロック管理システムは第三者財産管理システムに問い合わせる。本明細書において考察されているように、ロック管理システムは、APIを介して財産管理システムに通信可能に接続されていてもよい。一実施形態では、ロック管理システムは、ストレージユニットなどの特定の位置が空いているか使用中であるかを決定するために財産管理システムに問い合わせる。この決定は当業者に公知の多くの方法で行うことができ、限定されるものではないが、財産管理システムによって記憶、維持または更新される空き/使用中フラグまたは別のインジケータの使用が挙げられる。一実施形態では、ロック管理システムは財産管理システムに問い合わせを送信してもよく、財産管理システムはその位置が空いているか使用中であるかを示す値およびメッセージなどを返す。
【0158】
一実施形態では、ロック管理システムは、例えば1日に1回、1週間に1回、2週間に1回、1ヶ月に1回、1年に4回および1年に1回などの所定の間隔に基づいて財産管理システムに問い合わせてもよい。別の実施形態では、ロック管理システムは財産管理システムにランダムに問い合わせてもよい。別の実施形態では、ロック管理システムは財産管理システムに例えば1秒間に1回、1分間に1回および1時間に1回などの一定もしくは半一定のベースで問い合わせてもよい。
【0159】
さらに別の実施形態では、ロック管理システムは、位置ステータスが空きから使用中に、あるいはその逆に変わった場合に財産管理システムからリアルタイム通知を受信してもよい。
【0160】
工程1902では、ロック管理システムがその位置が空いていないと決定した場合、当該プロセスは工程1900に戻り、そこではロック管理システムは所定の間隔に基づいて財産管理システムに問い合わせ続ける。しかしロック管理システムがその位置が空いていると決定した場合、工程1904においてロック管理システムはデータベース122において空きフラグ(または任意の他の種類のインジケータ)を設定する。
【0161】
工程1906では、ロック管理システムはこの場合も財産管理システムに問い合わせ、その位置がまだ空いているか否かを決定する。工程1906においてその位置が空いておらず、その位置が工程1902において空いている状態から工程1906においてもう使用中になってしまったことを示す場合、当該プロセスは工程1908に進む。
【0162】
しかしロック管理システムが工程1906においてその位置がまだ空いていると決定した場合、当該プロセスは工程1900に戻る。
【0163】
工程1908では、ロック管理システムは、その位置がオーバーロックによって防犯されているか否かを決定する。その位置がオーバーロックによって防犯されていない場合、当該プロセスは終了する。しかしその位置がオーバーロックによって防犯されている場合、工程1910においてロック管理システムは、特定のオーバーロックに関連づけられたロック解除コードを検索し、オーバーロックおよび/または位置に関連づけられた顧客を決定し、財産管理システムから顧客の連絡先情報を検索し、かつロック解除コードを含む電子メッセージを顧客に送信する。一実施形態では、連絡先情報としては顧客の携帯電話番号およびEメールアドレスなどが挙げられる。一実施形態では、ロック管理システムは、テキスト、SMS、MMS、Eメールまたはソフトウェアアプリケーションを通したセキュアメッセージを介して電子メッセージをモバイル端末112に送信する。
【0164】
図20は、本発明の一実施形態に係る、ロック解除コードおよび識別子をランダムに生成し、かつロック解除コード/識別子対をランダムに作り出す工程を示すフローチャートである。工程2000では、計算装置は複数のロック解除コードをランダムに生成する。工程2002では、計算装置は複数の識別子をランダムに生成する。ランダムロック解除コードおよび識別子の生成は段階的に行ってもよい(すなわち、最初にロック解除コードを生成し、次いで識別子を生成するかその逆である)。別の実施形態では、ランダムロック解除コードおよび識別子の生成は、所定の数のロック解除コードおよび識別子が生成されるまで交互に行ってもよい(すなわち、固定数または乱数のロック解除コードを生成し、次いで固定数または乱数の識別子を生成するかその逆である)。
【0165】
一実施形態では、計算装置上に記憶されており、かつソフトウェアによって実行される乱数生成器、関数またはアルゴリズムを用いて、ロック解除コードおよび識別子をランダムに生成する。ソフトウェアとしては、例えばロック管理システムまたは財産管理システムのためのソフトウェアあるいは独立型ソフトウェアプラグイン、アプリケーションまたはコードが挙げられる。
【0166】
別の実施形態では、ロック解除コードおよび識別子を手動プロセスを用いてランダムに生成し、計算装置を用いて生成しない。
【0167】
計算装置は、例えばコンピューティングハードウェアおよびソフトウェア119、処理装置120、Amazon Webサービス(登録商標)などによって提供されているようなクラウドベースシステム、サーバまたは分散型サーバ環境などであってもよい。
【0168】
一実施形態では、ランダムロック解除コードおよび識別子を生成したら、それらをバッファー、データベース、表、行列、元帳、ランダムアクセスメモリまたは揮発性メモリなどに一時的に記憶してもよい。
【0169】
次に工程2004では、計算装置は、複数のロック解除コードからロック解除コードをランダムに選択すること、および複数の識別子から識別子をランダムに選択することにより、ロック解除コードおよび識別子の対、すなわちロック解除コード/識別子対をランダムに作り出す。一実施形態では、計算装置は計算装置上に記憶されており、かつソフトウェアによって実行されるランダムリンク生成器、関数またはアルゴリズムを使用してロック解除コード/識別子対を作り出す。ソフトウェアとしては、例えばロック管理システムまたは財産管理システムのためのソフトウェアあるいは独立型ソフトウェアプラグイン、アプリケーションまたはコードが挙げられる。
【0170】
別の実施形態では、ロック解除コードおよび識別子を手動プロセスを用いてランダムに対にし、計算装置を用いて関連づけない。
【0171】
工程2006では、各ロック解除コード/識別子対をオーバーロックに関連づける。一実施形態では、計算装置は各ロック解除コード/識別子対をオーバーロックにランダムに関連づける。別の実施形態では、各ロック解除コード/識別子対を手動プロセスを用いてオーバーロックにランダムに関連づける。
【0172】
従って本発明は、ロック解除コードおよび識別子をランダムに生成するだけでなく、次いでこれらのランダムに生成された値をランダムに対にし、かつそれぞれのオーバーロックにランダムに関連づけるため、ロック管理システムと共に利用されるオーバーロックのセキュリティを高め、かつオーバーロックのリスクを減らす。
【0173】
本明細書において示されている例示的な実施形態との関連で本開示の原理を例示してきたが、本開示の原理はそれらに限定されず、それらのあらゆる修正、変形または置換を含む。
【外国語明細書】