(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097619
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】小型モビリティ、及び小型モビリティの制御方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20240711BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0969
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001201
(22)【出願日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 麻衣
(72)【発明者】
【氏名】新田 寛鳳
(72)【発明者】
【氏名】一ノ瀬 壮大
(72)【発明者】
【氏名】間下 寛二
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 利佳子
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC16
2F129CC25
2F129DD14
2F129DD20
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2F129HH21
5H181AA03
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181EE13
5H181FF05
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF32
5H181MA44
5H181MA48
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性を向上させることができる小型モビリティ、及び小型モビリティの制御方法を提供すること。
【解決手段】本開示に係る小型モビリティは、小型モビリティの位置情報を取得する位置情報取得部と、取得した位置情報を含む領域の地図情報を取得する地図情報取得部と、取得した位置情報を含む地域の天気予報を取得する天気予報取得部と、取得した天気予報に基づいて、小型モビリティの案内場所の変更を提案する判断部と、位置情報及び地図情報に基づいて、案内場所までのルートを提示する経路案内部と、を備え、判断部は、天気予報が閾値時間未満の降雨を予想する場合、最寄りの屋内施設を案内場所として提案し、天気予報が閾値時間以上の降雨を予想する場合、小型モビリティの返却場所を案内場所として提案し、経路案内部は、判断部が提案した案内場所までのルートを提示する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小型モビリティの位置情報を取得する位置情報取得部と、
取得した位置情報が示す位置を含む領域の地図情報を取得する地図情報取得部と、
取得した位置情報が示す位置を含む地域の天気予報を取得する天気予報取得部と、
取得した天気予報に基づいて、前記小型モビリティの案内場所の変更を提案する判断部と、
位置情報及び地図情報に基づいて、前記案内場所までのルートを提示する経路案内部と、を備え、
前記判断部は、前記天気予報が閾値時間未満の降雨を予想する場合、最寄りの屋内施設を案内場所として提案し、前記天気予報が閾値時間以上の降雨を予想する場合、前記小型モビリティの返却場所を案内場所として提案し、
前記経路案内部は、前記判断部が提案した案内場所までのルートを提示する、
小型モビリティ。
【請求項2】
前記判断部が、案内場所の変更を提案する前の変更前の案内場所が駅またはバスの停留所を示す交通機関運行拠点から第一の距離範囲内にある場合、
前記判断部が案内場所として提案する返却場所は、前記変更前の案内場所から前記第一の距離範囲内の前記交通機関運行拠点に至る運行経路を有する最寄りの前記交通機関運行拠点から第二の距離範囲内に位置するポートである、
請求項1に記載の小型モビリティ。
【請求項3】
前記経路案内部は、前記判断部が提案した案内場所が最寄りの屋内施設である場合、再度変更前の案内場所を目的地とした屋内施設からのルートを提示する、
請求項1に記載の小型モビリティ。
【請求項4】
前記閾値時間は、変更前の案内場所への到着期限時刻と、最寄りの屋内施設から変更前の案内場所への予定所要時間により変更される、
請求項1に記載の小型モビリティ。
【請求項5】
小型モビリティの位置情報を取得するステップと、
取得した位置情報が示す位置を含む領域の地図情報を取得するステップと、
取得した位置情報が示す位置を含む地域の天気予報を取得するステップと、
取得した天気予報に基づいて、前記小型モビリティの案内場所の変更を提案するステップと、
前記位置情報及び前記地図情報に基づいて、前記案内場所までのルートを提示するステップと、を含み、
前記提案するステップにおいては、前記天気予報が閾値時間未満の降雨を予想する場合、最寄りの屋内施設を案内場所として提案し、前記天気予報が閾値時間以上の降雨を予想する場合、前記小型モビリティの返却場所を案内場所として提案し、
前記ルートを提示するステップにおいては、前記提案するステップにおいて提案した案内場所までのルートを提示すること、
を含む小型モビリティの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、小型モビリティ、及び小型モビリティの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電動キックボードのような小型モビリティが普及してきている。このような小型モビリティは、ラストワンマイルの移動手段としての活用が進んでおり、公共交通機関や自動車などにより目的地付近に到着した後に、目的地までの最後の道のりを移動するための手段として活用されている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、バッテリにより駆動されるモータと、モータを制御するモータ制御装置と、カメラシステムを備え、カメラシステムは所定の速度を超える速度であることを示しているとき、または撮影情報が、対向物の存在を示しているとき、モータ制御装置に対して、モータを減速させるように指示する電動キックボードが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような小型モビリティには雨を防ぐ装置が備えられておらず、突然の雨天の場合は運転に支障が生じ、適切な対応の判断が難しく、利便性が損なわれていた。
【0006】
本開示は上記課題を鑑み、ユーザの利便性を向上させることができる小型モビリティ、及び小型モビリティの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る小型モビリティは、小型モビリティの位置情報を取得する位置情報取得部と、取得した位置情報が示す位置を含む領域の地図情報を取得する地図情報取得部と、取得した位置情報が示す位置を含む地域の天気予報を取得する天気予報取得部と、取得した天気予報に基づいて、前記小型モビリティの案内場所の変更を提案する判断部と、位置情報及び地図情報に基づいて、前記案内場所までのルートを提示する経路案内部と、を備え、前記判断部は、前記天気予報が閾値時間未満の降雨を予想する場合、最寄りの屋内施設を案内場所として提案し、前記天気予報が閾値時間以上の降雨を予想する場合、前記小型モビリティの返却場所を案内場所として提案し、前記経路案内部は、前記判断部が提案した案内場所までのルートを提示する。
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る小型モビリティの制御方法は、小型モビリティの位置情報を取得するステップと、取得した位置情報が示す位置を含む領域の地図情報を取得するステップと、取得した位置情報が示す位置を含む地域の天気予報を取得するステップと、取得した天気予報に基づいて、前記小型モビリティの案内場所の変更を提案するステップと、前記位置情報及び前記地図情報に基づいて、前記案内場所までのルートを提示するステップと、を含み、前記提案するステップにおいては、前記天気予報が閾値時間未満の降雨を予想する場合、最寄りの屋内施設を案内場所として提案し、前記天気予報が閾値時間以上の降雨を予想する場合、前記小型モビリティの返却場所を案内場所として提案し、前記ルートを提示するステップにおいては、前記提案するステップにおいて提案した案内場所までのルートを提示すること、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザの利便性を向上させることができる小型モビリティ、及び小型モビリティの制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示に係る小型モビリティの一例を示す模式図である。
【
図2】
図2は、本開示に係る小型モビリティシステムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示に係る小型モビリティの構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本開示に係る小型モビリティの判断部の第一態様の処理のフローを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本開示に係る小型モビリティの判断部の第二態様の処理のフローを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本開示に係る小型モビリティの制御方法のフローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本開示が限定されるものではない。
【0012】
(小型モビリティの概要)
まず、
図1を用いて、本開示に係る小型モビリティの概要について説明する。
図1は、本開示に係る小型モビリティの一例を示す模式図である。
図1に示すように、本開示に係る小型モビリティ100は、例えば、前輪部と後輪部とデッキ部とハンドル部を含み、モータの回転により駆動力を得て走行する電動キックボードであってよい。なお、小型モビリティ100のこれ以外の態様や構成については、後述して説明する。
【0013】
小型モビリティ100は、レンタル事業者が設置した貸し出し場所兼返却場所を示すポートにおいてユーザにレンタルされる。ポートは、街中の各所に設置されており、ユーザはポートに停められている小型モビリティ100をレンタルして、利用後は小型モビリティ100をポートに返却する。
【0014】
(小型モビリティシステムの構成)
次に、
図2を用いて、本開示に係る小型モビリティシステム1について説明する。
図2は、本開示に係る小型モビリティシステムの構成例を示す図である。
図2に示すように、本開示に係る小型モビリティシステム1は、小型モビリティ100と、利用者端末200と、情報処理装置300と、ネットワークNを備える。小型モビリティシステム1は、小型モビリティ100と、利用者端末200と、情報処理装置300が、ネットワークNを介して相互に情報のやり取りを行い一つのシステムとして機能する。
【0015】
小型モビリティ100は、例えば、モータにより駆動力を得て走行する小型移動装置である。小型モビリティ100は、例えば、電動キックボードやペダル付き原動機付自転車、セグウェイ(登録商標)、電動アシスト自転車、立ち乗り式電動スクーター、歩行領域電気自動車などであってよい。また、小型モビリティ100は、2024年に施行される改正道路交通法に規定される特定原動機付自転車に該当するものであってもよい。
【0016】
利用者端末200は、ユーザが使用する情報処理端末である。利用者端末200は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理端末により実現されてよい。利用者端末200は、ユーザの小型モビリティ100のレンタル予約や、予約変更、予約取り消しなどのレンタル事務処理に用いられる。
【0017】
情報処理装置300は、外部の装置などからの要求に基づいて、各種の情報を提供する情報処理装置である。情報処理装置300は、レンタル事業者が小型モビリティ100の管理や、レンタル事業の事務処理のために使用する。情報処理装置300は、小型モビリティ100の貸し出し場所兼返却場所となるポートの位置情報を含むポートに関する情報や、レンタル事務処理に関する情報などを記憶する。情報処理装置300は、ポートの位置情報を含む地図情報を記憶した地図情報記憶部と、検索要求に基づいて最寄りのポートを検索するポート検索部を備える。情報処理装置300は、例えば、PC(Personal Computer)、WS(Work Station)などのサーバの機能を備えるコンピュータにより実現されてよい。
【0018】
ネットワークNは、小型モビリティ100と利用者端末200と情報処理装置300を無線により相互に通信可能に接続する。ネットワークNが無線の場合は、IEEE802.11に規定される無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、第4世代移動通信システム(4G)や第5世代移動通信システム(5G)などを用いて実現されてよい。
【0019】
(小型モビリティの構成)
次に、小型モビリティ100の構成について、
図3を用いて説明する。
図3は、本開示に係る小型モビリティの構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、本開示に係る小型モビリティ100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、位置情報センサ140と、表示部150を含む。以下、これらの構成について順を追って説明する。
【0020】
通信部110は、小型モビリティ100の内部と外部を相互に通信可能に接続し、小型モビリティ100の内部と外部との間で相互に情報を送受信する。通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線LANカード、Bluetoothモジュール、Wi-Fi(登録商標)モジュール、アンテナ等によって実現されてよい。
【0021】
記憶部120は、各種の情報を記憶する記憶装置である。記憶部120は、主記憶装置と補助記憶装置により実現されてよい。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。また、補助記憶装置は、例えばハードディスクやSSD(Solid State Drive)、光ディスク等によって実現されてよい。
【0022】
図3に示すように、記憶部120は、地図情報記憶部121を含む。以下、この構成について説明する。
【0023】
地図情報記憶部121は、地図情報を記憶する。地図情報記憶部121が記憶する地図情報は、緑地や河川、道路、道路の車線数、道路の道幅、鉄道及び都道府県等の区画の情報が含まれ、緯度、及び経度に基づいて、所定のメッシュ状に区切られた情報であってよい。地図情報記憶部121に記憶される地図情報は、緯度、及び経度に基づいて、所定のメッシュ状に区切れていることから、緯度と、経度と、メッシュの寸法を指定することにより、所定の位置を含む領域の地図情報を読み出すことができる。
【0024】
制御部130は、小型モビリティ100を司り、制御するコントローラである。制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部120に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0025】
図3に示すように、制御部130は、位置情報取得部131と、地図情報取得部132と、天気情報取得部133と、到着期限時刻取得部134と、判断部135と、経路案内部136と、表示制御部137を備える。制御部130は、記憶部120からプログラムを読み出して実行することで、これらの構成を実現して、これらの処理を実行する。なお、制御部130は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、複数のCPUで、これらの処理を並列に実行してもよい。以下、これらの構成について順に説明する。
【0026】
(位置情報取得部131について)
位置情報取得部131は、小型モビリティ100の位置情報を取得する。すなわち、位置情報取得部131は、後述して説明する位置情報センサ140が計測した小型モビリティ100の位置情報(緯度、及び経度)を取得する。
【0027】
(地図情報取得部132について)
地図情報取得部132は、位置情報取得部131が取得した位置情報が示す位置を含む領域の地図情報を取得する。すなわち、地図情報取得部132は、地図情報記憶部121から位置情報が示す位置(緯度、及び経度)を含む領域の地図情報を読み出すことにより、当該の地図情報を取得する。また、地図情報取得部132は、外部の情報処理装置300に位置情報が示す位置を含む領域の地図情報の提供要求を発信して、外部の情報処理装置300から位置情報が示す位置を含む領域の地図情報を取得してよい。
【0028】
(天気情報取得部133について)
天気情報取得部133は、位置情報取得部131が取得した位置情報が示す位置を含む地域の天気予報を取得する。すなわち、天気情報取得部133は、外部の情報処理装置300に位置情報取得部131が取得した位置情報が示す位置を含む地域の天気予報の提供要求を発信して、外部の情報処理装置300から位置情報が示す位置を含む地域の天気予報を取得する。
【0029】
(到着期限時刻取得部134について)
到着期限時刻取得部134は、変更前の案内場所へユーザが到着したい希望時刻である到着期限時刻を取得する。例えば、到着期限時刻取得部134は、通信部110を介して利用者端末200から利用者が入力した到着期限時刻を取得してよい。
【0030】
(判断部135について)
判断部135は、天気情報取得部133が取得した天気予報に基づいて、小型モビリティ100の案内場所の変更を提案する。ここで、案内場所とは、小型モビリティ100の移動経路の先の目的地のことを指しており、例えば、小型モビリティ100のレンタル事業者への返却場所としてポートや、ユーザの移動先の目的地であってよい。具体的な判断部135の処理については、以下に説明する。
【0031】
判断部135は、天気予報が閾値時間未満の降雨(降雨があり、降雨の時間が閾値時間未満)を予想する場合、最寄りの屋内施設を案内場所として提案する。例えば、一時的に雨をしのげて時間をつぶせる場所である喫茶店や、ショッピングモールなどを案内場所として提案してよい。また、地図情報記憶部121から位置情報取得部131が取得した位置情報が示す位置の最寄りの屋内施設に関する情報を読み出して、案内場所として提案してよい。
【0032】
判断部135は、天気予報が閾値時間以上の降雨を予想する場合、小型モビリティ100の返却場所を案内場所として提案する。この場合、ユーザは野外の移動(キックボードや徒歩による移動)から、雨の当たらない方法(電車やバス等の公共交通機関を用いた移動)で移動する方法に変更する可能性が高いため、駅やバス停近くの返却場所を提案する。また、地図情報記憶部121から位置情報取得部131が取得した位置情報が示す位置に対応する駅やバス停に近い返却場所に関する情報を読み出して、案内場所として提案してよい。
【0033】
ここで、
図4を用いて、このような判断部135の第一態様の処理について説明する。
図4は、本開示に係る小型モビリティの判断部の第一態様の処理のフローを示すフローチャートである。
図4に示すフローに沿って、本開示に係る小型モビリティ100の判断部135の処理を説明する。
【0034】
まず、判断部135は、天気予報が降雨を予想しているか否かを判断する(ステップS101)。天気予報が降雨を予想する場合(ステップS101:Yes)、判断部135は、天気予報が閾値時間未満の降雨を予想しているか否かを判定する(ステップS102)。閾値時間未満の降雨の場合(ステップS102:Yes)、判断部135は、最寄りの屋内施設を案内場所として提案する(ステップS103)。
【0035】
なお、天気予報が降雨を予想しない場合(ステップS101:No)、判断部135は、案内場所の変更を提案しないで処理を終了する。
【0036】
また、天気予報が降雨を予想するものの、閾値時間未満の降雨ではない場合(ステップS102:No)、判断部135は、小型モビリティ100の返却場所を案内場所として提案する(ステップS104)。
【0037】
ここで、閾値時間は、変更前の案内場所への到着期限時刻と、最寄りの屋内施設から変更前の案内場所への予定所要時間により変更される。到着期限時刻とは、変更前の案内場所へ到着したい希望時刻である。例えば、現在の時刻から変更前の案内場所への到着期限時刻までの時間が30分である場合、最寄りの屋内施設から変更前の案内場所への予定所用時間が20分であれば、閾値時間は10分とする。閾値時間の間、最寄りの屋内施設で雨をしのいでも、変更前の案内場所への到着期限時刻に間に合うからである。この際、最寄りの屋内施設への移動時間は無視できるものとする。
【0038】
なお、判断部135が、案内場所の変更を提案する前の変更前の案内場所が駅またはバスの停留所を示す交通機関運行拠点から第一の距離範囲内にある場合、判断部135が案内場所として提案する返却場所は、変更前の案内場所から第一の距離範囲内の交通機関運行拠点に至る運行経路を有する最寄りの交通機関運行拠点から第二の距離範囲内に位置するポートである。ここで、第一の距離は、任意に設定して良く、例えば、1kmと設定してよい。また、第二の距離についても任意に設定して良く、例えば、1kmと設定してよい。すなわち、判断部135は、当初の目的地の近くの駅またはバスの停留所に至る運行経路を有する最寄りの交通機関運行拠点に近いポートを案内場所として提案する。これにより、ユーザの当初の目的地の近くである駅またはバスの停留所に至る運行経路を有する最寄りの交通機関運行拠点のポートを目的地として設定することができる。そのため、ユーザは、突然の雨が降った場合に、小型モビリティ100による移動を取り止めて、当初の目的地まで公共交通機関による移動に切り替えて移動することができる。
【0039】
ここで、
図5を用いて、このような判断部135の第二態様の処理について説明する。
図5は、本開示に係る小型モビリティの判断部の第二態様の処理のフローを示すフローチャートである。
図5に示すフローに沿って、本開示に係る小型モビリティ100の判断部135の処理を説明する。
【0040】
まず、判断部135は、変更前の案内場所が交通機関運行拠点から第一の距離範囲内にあるか否かを判定する(ステップS201)。次に、変更前の案内場所が交通機関運行拠点から第一の距離範囲内にある場合(ステップS201:Yes)、判断部135は、変更前の案内場所から第一の距離範囲内の交通機関運行拠点に至る運行経路を有する最寄りの交通機関運行拠点から第二の距離範囲に位置するポートを返却場所として提案する(ステップS202)。
【0041】
変更前の案内場所が交通機関運行拠点から第一の距離範囲内にない場合(ステップS201:No)、判断部135は、最寄りのポートを返却場所として提案する(ステップS203)。
【0042】
(経路案内部136について)
経路案内部136は、位置情報及び地図情報に基づいて、案内場所までのルートを提示する。すなわち、経路案内部136は、位置情報が示す位置と、地図情報記憶部121に記憶された地図情報と、案内場所の位置に基づいて、例えば、ダイクストラ法などを用いて、最もコストが低くなるルートを、案内場所までのルートとして提示してよい。
【0043】
経路案内部136は、判断部135が提案した案内場所までのルートを提示する。すなわち、経路案内部136は、判断部135が案内場所の変更を提案した場合に、位置情報が示す位置から変更後の案内場所までのルートを再探索して、変更後の案内場所までのルートを提示する。
【0044】
経路案内部136は、判断部135が提案した案内場所が最寄りの屋内施設である場合、雨が止んだ後、再度変更前の案内場所を目的地として屋内施設からのルートを提示する。例えば、案内場所が最寄りの屋内施設となった場合、目的地は最寄りの屋内施設に書き換えられてしまう可能性がある。また、最寄りの屋内施設が経由地として設定された場合でも、雨をしのぐために小型モビリティを停止させた際、目的地の情報が消えてしまう可能性がある。そのため、小型モビリティ100を停止させ、再起動する際、経路案内部136は、再度記憶された変更前の案内場所を目的地として屋内施設からのルートを提示する。
【0045】
(表示制御部137について)
表示制御部137は、各種の情報を表示部150に表示させるよう制御する。例えば、表示制御部137は、経路案内部136が提示した案内場所に至るルートを表示部150に表示させるように制御してよい。
【0046】
位置情報センサ140は、小型モビリティ100の位置情報を計測する。位置情報センサ140は、例えば、GPS(Global Positioning System)センサであってよい。GPSセンサは、GPS衛星から送信される電波を受信する受信機を備える。GPSセンサは、複数のGPS衛星から送信される電波を受信し、電波を受信した時刻と、GPS衛星が電波を発信した時刻との差を用いて、GPS衛星から小型モビリティ100までの距離を算出することによって、小型モビリティ100の現在位置(例えば、緯度、及び経度)を計測する。
【0047】
表示部150は、ユーザに向けて各種の情報を表示する。表示部150は、表示制御部137の制御指令にしたがって各種の情報を表示する。なお、表示部150は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等によって実現されてよい。
【0048】
(小型モビリティの制御方法)
次に、本開示に係る小型モビリティ100の制御方法について、
図6を用いて説明する。
図6は、本開示に係る小型モビリティの制御方法のフローを示すフローチャートである。
図6に示すフローに沿って、本開示に係る小型モビリティ100の制御方法について説明する。
【0049】
まず、小型モビリティ100は、小型モビリティ100の位置情報を取得する(ステップS301)。次に、小型モビリティ100は、取得した位置情報が示す位置を含む領域の地図情報を取得する(ステップS302)。次に、小型モビリティ100は、取得した位置情報が示す位置を含む地域の天気予報を取得する(ステップS303)。次に、小型モビリティ100は、天気予報が降雨を予想しているか否かを判定する(ステップS304)。天気予報が降雨を予想している場合(ステップS304:Yes)、小型モビリティ100は、小型モビリティ100の案内場所の変更を提案する(ステップS305)。次に、小型モビリティ100は、位置情報及び地図情報に基づいて、変更後の案内場所までのルートを提示する(ステップS306)。
【0050】
天気予報が降雨を予想していない場合(ステップS304:No)、小型モビリティ100は、小型モビリティ100の案内場所の変更を提案しないで(ステップS307)、処理を終了する。
【0051】
これにより、突然の雨天の場合に、案内場所を変更して、変更後の案内場所までのルートをユーザに提示することができる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる小型モビリティ100を提供することができる。
【0052】
(構成と効果)
本開示に係る小型モビリティ100は、小型モビリティ100の位置情報を取得する位置情報取得部131と、取得した位置情報が示す位置を含む領域の地図情報を取得する地図情報取得部132と、取得した位置情報が示す位置を含む地域の天気予報を取得する天気予報取得部133と、取得した天気予報に基づいて、小型モビリティ100の案内場所の変更を提案する判断部135と、位置情報及び地図情報に基づいて、案内場所までのルートを提示する経路案内部136と、を備え、判断部135は、天気予報が閾値時間未満の降雨を予想する場合、最寄りの屋内施設を案内場所として提案し、天気予報が閾値時間以上の降雨を予想する場合、小型モビリティ100の返却場所を案内場所として提案し、経路案内部136は、判断部135が提案した案内場所までのルートを提示する。
【0053】
この構成によれば、突然の雨天の場合に、案内場所を変更して、変更後の案内場所までのルートをユーザに提示することができる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる小型モビリティ100を提供することができる。
【0054】
本開示に係る小型モビリティ100は、判断部135が、案内場所の変更を提案する前の変更前の案内場所が駅またはバスの停留所を示す交通機関運行拠点から第一の距離範囲内にある場合、判断部135が案内場所として提案する返却場所は、変更前の案内場所から第一の距離範囲内の交通機関運行拠点に至る運行経路を有する最寄りの交通機関運行拠点から第二の距離範囲内に位置するポートである。
【0055】
この構成によれば、ユーザは、突然の雨が降った場合に、小型モビリティ100による移動を取り止めて、変更前の目的地まで公共交通機関による移動に切り替えて移動することができる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる小型モビリティ100を提供することができる。
【0056】
本開示に係る小型モビリティ100の経路案内部136は、判断部135が提案した案内場所が最寄りの屋内施設である場合、再度変更前の案内場所を目的地とした屋内施設からのルートを提示する。
【0057】
この構成によれば、雨が止んだ後、再度同じ変更前の案内場所を目的地として屋内施設からのルートを参照して、小型モビリティ100を運転することができる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる小型モビリティ100を提供することができる。
【0058】
本開示に係る小型モビリティ100の判断部135の処理に用いられる閾値時間は、変更前の案内場所への到着期限時刻と、最寄りの屋内施設から変更前の案内場所への予定所要時間により変更される。
【0059】
この構成によれば、閾値時間を変更前の案内場所への到着期限時刻と、最寄りの屋内施設から変更前の案内場所の予定所用時間によって変更することができる。そのため、降雨の時間に応じて雨をしのぐ時間の余裕があるか否かで適切に案内場所を変更することができる。したがって、ユーザの利便性を向上させることができる小型モビリティ100を提供することができる。
【0060】
本開示に係る小型モビリティ100の制御方法は、小型モビリティ100の位置情報を取得するステップと、取得した位置情報が示す位置を含む領域の地図情報を取得するステップと、取得した位置情報が示す位置を含む地域の天気予報を取得するステップと、取得した天気予報に基づいて、小型モビリティの案内場所の変更を提案するステップと、位置情報及び地図情報に基づいて、案内場所までのルートを提示するステップと、を含み、提案するステップにおいては、天気予報が閾値時間未満の降雨を予想する場合、最寄りの屋内施設を案内場所として提案し、天気予報が閾値時間以上の降雨を予想する場合、小型モビリティ100の返却場所を案内場所として提案し、ルートを提示するステップにおいては、提案するステップにおいて提案した案内場所までのルートを提示すること、を含む。
【0061】
この構成によれば、突然の雨天の場合に、案内場所を変更して、変更後の案内場所までのルートをユーザに提示することができる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる小型モビリティ100の制御方法を提供することができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0063】
100 小型モビリティ
110 通信部
120 記憶部
121 地図情報記憶部
130 制御部
131 位置情報取得部
132 地図情報取得部
133 天気情報取得部
134 到着期限時刻取得部
135 判断部
136 経路案内部
137 表示制御部
140 位置情報センサ
150 表示部
200 利用者端末
300 情報処理装置
N ネットワーク