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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097631
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】モニタカバー及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
G09F9/00 350A
G09F9/00 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001219
(22)【出願日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】武田 忠
(72)【発明者】
【氏名】舩木 速人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 丈太郎
【テーマコード(参考)】
5G435
【Fターム(参考)】
5G435EE05
5G435EE06
5G435EE13
5G435FF13
5G435GG43
5G435HH05
(57)【要約】
【課題】モニタに対して意匠性を容易に付与できるモニタカバーを提供する。
【解決手段】モニタカバー3は、画像表示部2aを有するモニタ2に取り付け可能な部材である。モニタカバー3は、主面4aと主面4aに対向する第2裏面4cとを有し、可視光透過性を有する透明板状部材4と、絵柄が印刷される印刷層を含み、可視光透過性を有し、主面4a上に設けられる化粧シート5と、透明板状部材4と化粧シート5とを保持してモニタ2に取り付けるための取付部材6と、を備える。モニタカバー3は、取付部材6がモニタ2と当接するように取り付けられた際に透明板状部材4の第2裏面4cがモニタ2の画像表示部2aに対向するように、モニタ2に取り付け可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示部を有するモニタに取り付けられるモニタカバーであって、
主面と前記主面に対向する裏面とを有し、可視光透過性を有する透明板状部材と、
絵柄が印刷される印刷層を含み、可視光透過性を有し、前記主面上に設けられる化粧シートと、
前記透明板状部材と前記化粧シートとを保持して前記モニタに取り付けるための取付部材と、を備え、
前記モニタカバーは、前記取付部材が前記モニタと当接するように取り付けられた際に前記透明板状部材の前記裏面が前記モニタの前記画像表示部に対向するように、前記モニタに取り付け可能である、モニタカバー。
【請求項2】
前記取付部材は、前記透明板状部材の外周と前記化粧シートの外周とを囲い、前記透明板状部材と前記化粧シートとを保持するフレーム部と、前記フレーム部に対して設けられ、前記モニタと当接するように構成された取付部と、を有し、
前記モニタカバーは、前記モニタが前記フレーム部の内側に位置するように、前記モニタに取り付け可能である、
請求項1に記載のモニタカバー。
【請求項3】
前記取付部は、前記モニタに巻き付けられるバンドを含む、
請求項2に記載のモニタカバー。
【請求項4】
前記印刷層には、木目調の絵柄が印刷され、
前記フレーム部は、木材を含んでいる、
請求項2に記載のモニタカバー。
【請求項5】
前記化粧シートの面積は、前記モニタの前記画像表示部の面積の1.0~1.2倍である、
請求項1に記載のモニタカバー。
【請求項6】
前記透明板状部材は、前記モニタカバーが前記モニタに取り付けられた際に前記モニタの外枠が当接する外枠部分と、前記外枠部分よりも内側に位置し、前記モニタカバーが前記モニタに取り付けられた際に前記モニタの前記画像表示部に対向する前記裏面とを有し、
前記透明板状部材は、前記裏面が前記外枠部分よりも前記モニタ寄りに位置するように構成されている、
請求項1に記載のモニタカバー。
【請求項7】
前記化粧シートは、隠蔽層を更に含み、
前記隠蔽層は、前記印刷層と前記透明板状部材との間に位置している、
請求項1に記載のモニタカバー。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のモニタカバーと、
前記モニタと、を備え、
前記モニタカバーは、前記取付部材が前記モニタと当接することにより、前記裏面が前記画像表示部に対向するように前記モニタに取り付けられている、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニタカバー及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、壁に固定された表示媒体からの映像光を透過する加飾シートと、表示媒体の前方に位置し、加飾シートを支持する支持体と、を備えた表面パネルが開示されている。特許文献2には、ディスプレイと、ディスプレイを保護する保護板と、ディスプレイからの映像光を透過する化粧シートと、を備えた壁面構造体が開示されている。特許文献3には、積層シートと、当該積層シートを支持し、壁面に対して治具により固定される支持体と、壁面に固定されるディスプレイとを備える表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-061326号公報
【特許文献2】特開2022-061327号公報
【特許文献3】特願2022-101683号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された表面パネルを用いることにより、壁に固定された表示媒体に意匠性を付与できる。この表面パネルでは、加飾シートが表示媒体の前方に位置するように、支持体が治具等により壁に固定されている。一方、表示媒体(モニタ)は、壁以外の場所にも設置され得る。例えば、建物内に置かれた台に対して、天気等の情報を表示するモニタが設置される。このように様々な場所に設置され得るモニタに対して、意匠性を付与できることが望まれている。
【0005】
本発明は、モニタに対して意匠性を容易に付与できるモニタカバー及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明は、一側面として、画像表示部を有するモニタに取り付けられるモニタカバーに関する。このモニタカバーは、主面と主面に対向する裏面とを有し、可視光透過性を有する透明板状部材と、絵柄が印刷される印刷層を含み、可視光透過性を有し、透明板状部材の主面上に設けられる化粧シートと、透明板状部材と化粧シートとを保持してモニタに取り付けるための取付部材と、を備える。このモニタカバーは、取付部材がモニタと当接するように取り付けられた際に透明板状部材の裏面がモニタの画像表示部に対向するように、モニタに取り付け可能である。
【0007】
このモニタカバーは、取付部材がモニタと当接することにより、モニタに取り付け可能である。この場合、モニタが設置される壁や台等に対して施工せず、モニタカバーをモニタに直接取り付けることができる。よって、様々な場所に設置され得るモニタに対してモニタカバーを取り付けられる。さらに、透明板状部材の裏面が画像表示部と対向することにより、透明板状部材の主面に設けられ、意匠性を付与できる化粧シートが画像表示部の前方に位置する。したがって、このモニタカバーによれば、モニタに対して意匠性を容易に付与できる。
【0008】
[2]上記[1]のモニタカバーでは、取付部材は、透明板状部材の外周と化粧シートの外周とを囲い、透明板状部材と化粧シートとを保持するフレーム部と、フレーム部に対して設けられ、モニタと当接するように構成された取付部と、を有し、モニタカバーは、モニタがフレーム部の内側に位置するように、モニタに取り付け可能であってもよい。この場合、視認者側からモニタ(例えば、モニタの側部)が見えづらくなる。よって、視認者に与える機械的な印象を低減できる。
【0009】
[3]上記[2]のモニタカバーでは、取付部は、モニタに巻き付けられるバンドを含んでもよい。この場合、バンドをモニタに巻き付けることにより、モニタカバーをモニタに取り付けられる。よって、このモニタカバーによれば、モニタに対して意匠性をより容易に付与できる。また、バンドをモニタから外すことにより、モニタカバーをモニタから取り外せる。よって、このモニタカバーによれば、意匠を容易に変更できる。
【0010】
[4]上記[2]又は[3]のモニタカバーでは、印刷層には、木目調の絵柄が印刷され、フレーム部は、木材を含んでいてもよい。この場合、視認者に対して木材の印象を与える意匠性を、モニタに付与できる。
【0011】
[5]上記[1]~[4]のいずれかのモニタカバーでは、化粧シートの面積は、モニタの画像表示部の面積の1.0~1.2倍であってもよい。この場合、化粧シートの面積を小さくして、モニタカバーを小型化できる。
【0012】
[6]上記[1]~[5]のいずれかのモニタカバーでは、透明板状部材は、モニタカバーがモニタに取り付けられた際にモニタの外枠が当接する外枠部分と、外枠部分よりも内側に位置し、モニタカバーがモニタに取り付けられた際にモニタの画像表示部に対向する裏面とを有してもよく、透明板状部材は、裏面が外枠部分よりもモニタ寄りに位置するように構成されていてもよい。この場合、モニタカバーをモニタに対してより確実に固定しつつ、モニタの画像を表示させることができる。
【0013】
[7]上記[1]~[6]のいずれかのモニタカバーでは、化粧シートは、隠蔽層を更に含み、隠蔽層は、印刷層と透明板状部材との間に位置してもよい。この場合、モニタの電源がオフの際に、画像表示部に対する隠蔽性を向上できる。
【0014】
[8]本発明は、別の側面として、表示装置に関する。この表示装置は、上記[1]~[7]のいずれかのモニタカバーと、モニタと、を備え、モニタカバーは、取付部材がモニタと当接することにより、透明板状部材の裏面が画像表示部に対向するようにモニタに取り付けられている。したがって、この表示装置によれば、モニタに対して意匠性を容易に付与できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、モニタに対して意匠性を容易に付与できるモニタカバー及び表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施形態に係る表示装置を模式的に示す断面図である。
図2図2は、図1に示す表示装置が備えるモニタカバーをモニタに取り付ける前後の状態を示す斜視図であり、(a)は、モニタカバーをモニタに取り付ける前の状態を示す斜視図であり、(b)は、モニタカバーをモニタに取り付けた後の状態を示す斜視図である。
図3図3は、図1に示す表示装置が備える化粧シートを模式的に示す断面図である。
図4図4は、図1に示す表示装置の一部を模式的に示す断面斜視図である。
図5図5は、モニタカバーをモニタに取り付ける前後の状態を模式的に示す正面図であり、(a)は、モニタカバーを取り付ける前のモニタを模式的に示す正面図であり、(b)は、モニタカバーを取り付けた後の表示装置を模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態に係るモニタカバー及び表示装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
図1は、本実施形態に係る表示装置を模式的に示す断面図である。図2は、図1に示す表示装置が備えるモニタカバーをモニタに取り付ける前後の状態を示す斜視図であり、(a)は、モニタカバーをモニタに取り付ける前の状態を示す斜視図であり、(b)は、モニタカバーをモニタに取り付けた後の状態を示す斜視図である。
【0019】
表示装置1は、図1に示すように、モニタ2と、モニタ2に取り付けられるモニタカバー3と、を備える。モニタ2は、画像表示部2aと、画像表示部2aの周囲に位置するベゼル2b(外枠)と、を有する。モニタ2は、留め具Fによって台Bに固定される。台Bは、例えば、持ち運び可能な台である。モニタ2は、例えば、27インチ型ディスプレイ又は49インチ型ディスプレイであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0020】
モニタカバー3は、透明板状部材4と、意匠性を付与できる化粧シート5と、取付部材6とを備える。取付部材6は、フレーム部7と、バンド8,9(取付部)とを有する。モニタカバー3は、図2の(a)に示すように、モニタ2に取り付けられていない状態から、バンド8,9をモニタ2に巻きつけることにより、図2の(b)に示すように、モニタ2に取り付けられる。
【0021】
透明板状部材4は、透明性の高い材質で構成されており、その具体例として、アクリル樹脂、ガラス、PETシート、ポリカーボネートが挙げられる。透明板状部材4は、可視光透過性を有する。透明板状部材4は、図1に示すように、主面4aと、主面4aと対向する第1裏面4b(外枠部分)及び第2裏面4c(裏面)と、主面4aの法線方向に沿って第1裏面4bと第2裏面4cとの間に位置する段差4dとを有する。第1裏面4bは、主面4aの法線方向に沿って、第2裏面4cと比較して、主面4aに寄っている。言い換えると、第2裏面4cは、第1裏面4bよりもモニタ2の画像表示部2a寄りに位置している。第1裏面4bは、主面4aの法線方向から視た場合、第2裏面4cを囲っている。第1裏面4bは、モニタカバー3をモニタ2に取り付けた際に、ベゼル2bと接する。第2裏面4cは、モニタカバー3をモニタ2に取り付けた際に、画像表示部2aと対向する。このため、モニタ2がベゼル2bを有する場合であっても、透明板状部材4と画像表示部2aとの間の距離を短くすることができる。これにより、画像表示部2aからの光が、透明板状部材4と画像表示部2aとの間の空気層により屈折することを抑制できる。
【0022】
図3は、図1に示す表示装置1が備える化粧シート5を模式的に示す断面図である。化粧シート5は、図3に示すように、面10aを含む第1透光性基材10と、面10a上に設けられる印刷層11と、面12aを含む第2透光性基材12と、面12a上に設けられ、印刷層11と接する隠蔽層13とを有する。化粧シート5は、第2透光性基材12の面12aとは反対側の面12bが主面4aと接するように、主面4a上に設けられている。隠蔽層13は、印刷層11と透明板状部材4との間に位置している。
【0023】
第1透光性基材10は、可視光透過性を有し、かつ、モニタ2から発せられる熱に耐え得る材料で構成されている。第1透光性基材10は、例えば、PET、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル樹脂、ポリカーボネートにより構成されている。第1透光性基材10の厚さは、例えば、25μm~250μmである。第1透光性基材10の厚さが25μm以上であることで、化粧シート5が十分な強度を有する。第1透光性基材10の厚さが250μm以下であることで、化粧シート5が過度に厚くなることを抑制できる。
【0024】
印刷層11は、木目調などの絵柄が印刷された層である。印刷層11は、例えば、シアン、マゼンタ及びイエローからなる群の少なくとも一つの色の顔料を含むインキによって構成されている。印刷層11は、例えば、インクジェット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷によって形成することができる。印刷層11の厚さは、例えば、0.5μm~20μmである。印刷層11の厚さが0.5μm以上であることで、画像表示部2aが黒色の状態であっても、印刷層11の絵柄が暗く見えることをより高度に抑制できる。印刷層11の厚さが20μm以上であることで、画像表示部2aに画像が表示されているとき、画像表示部2aからの光によって印刷層11がより視認しにくくなり、画像がより鮮明に視認される。
【0025】
第2透光性基材12は、可視光透過性を有し、かつ、モニタ2から発せられる熱に耐え得る材料で構成されている。第2透光性基材12は、例えば、PET、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル樹脂、ポリカーボネートにより構成されている。第2透光性基材12の厚さは、例えば、25μm~250μmである。第2透光性基材12の厚さが25μm以上であることで、化粧シート5が十分な強度を有する。第2透光性基材12の厚さが250μm以下であることで、化粧シート5が過度に厚くなることを抑制できる。
【0026】
隠蔽層13は、モニタ2の構成が透けて見えることを抑制する層である。隠蔽層13は、例えば、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法により、第2透光性基材12上に形成することができる。隠蔽層13は、例えば、酸化チタンを含有する白色インキを用いて形成される。この場合、隠蔽層13の厚さは、例えば、1μm~20μmである。隠蔽層13の厚さが1μm以上であることで、画像表示部2aが黒色の状態であっても、印刷層11の絵柄が暗く見えることをより高度に抑制できる。隠蔽層13の厚さがが20μm以下であることで、画像表示部2aに画像が表示されているとき、画像表示部2aからの光によって印刷層11がより視認しにくくなり、画像がより鮮明に視認される。
【0027】
隠蔽層13の形成には、干渉顔料又はアルミペーストを含むインキを使用してもよい。この場合、隠蔽層13の厚さは、例えば、3μm~30μmである。これにより、画像表示部2aが黒色の状態であっても、印刷層11の絵柄が暗く見えることをより高度に抑制できる。さらに、画像表示部2aに画像が表示されているとき、画像表示部2aからの光によって印刷層11がより視認しにくくなり、画像がより鮮明に視認される。干渉顔料としては、例えば、二酸化チタン被覆雲母に代表される金属酸化物被覆が施された各種顔料、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する顔料等、公知の材料が使用できる。これらの干渉顔料は、例えば、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、α-オレフィン/無水マレイン酸系共重合体、α-オレフィン/無水マレイン酸系共重合体のエステル化物、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、α-オレフィン/無水マレイン酸/ビニル基含有モノマー共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、ロジンもしくはその誘導体、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン/ブタジエンゴム、ポリビニルブチラール、ニトリルゴム、アクリルゴム、エチレン/プロピレンゴム等の合成ゴム、ポリエステル樹脂、ニトロセルロースを除くセルロース誘導体、蔗糖エステル等のバインダー樹脂に分散され、インキとして使用される。なお、バインダー樹脂は、各種印刷方式にて使用される公知の材料が使用可能であり、印刷基材の材質に合わせて選定すればよい。アルミペーストとしては、公知の材料を使用することができ、求める意匠性や性能に応じて、アルミ粒子の粒径や表面平滑性などを調整したものを選定することができる。また、アルミ粒子の表面に樹脂コートしたものを使用してもよい。この場合、アルミ粒子に対して耐薬品性や耐候性、密着性等の機能性を付与することができる。
【0028】
隠蔽層13は、蒸着処理又はスパッタリング処理を施すことによって形成してもよい。この場合、隠蔽層13の厚さは、例えば、5nm~200nmである。これにより、画像表示部2aが黒色の状態であっても、印刷層11の絵柄が暗く見えることをより高度に抑制できる。さらに、画像表示部2aに画像が表示されているとき、画像表示部2aからの光によって印刷層11がより視認しにくくなり、画像がより鮮明に視認される。隠蔽層13は、アルミニウム、スズ、インジウム、銀、金、白金、イリジウム、ロジウム、パラジウム及びこれらのうち少なくとも1種を含む合金並びにこれらの金属酸化物などからなる群から選ばれる一種であり、隠蔽層13形成時の生産性や作業性、適度な可とう性などの点から、アルミニウム、スズ、インジウム、又はこれを含む合金あるいは酸化物であることが好ましい。
【0029】
化粧シート5の面積は、例えば、画像表示部2aの面積の1.0倍~1.2倍であってもよい。即ち、化粧シート5は、画像表示部2aと同じ大きさ又はそれよりも大きくなるように設定されている。化粧シート5の各辺の長さは、モニタ2のサイズに応じて変更することができる。化粧シート5の各辺の長さは、例えば、500mm~1500mmである。
【0030】
図4は、図1に示す表示装置1の一部を拡大して模式的に示す断面斜視図である。フレーム部7は、透明板状部材4の外周と化粧シート5の外周とを囲うと共に、透明板状部材4と化粧シート5とを保持するための部材である。なお、図4では、透明板状部材4と化粧シート5とが一体化されたものとして示しており、両者は一体化されていてもよいが、別体であってもよい。フレーム部7は、図2及び図4に示すように、側壁20,21,22,23を含む周壁24と、L字部材25と、引掛け具26とを有する。側壁20~23のそれぞれは、木製であり、かつ、略直方体形状を呈している。側壁20,21は、互いに対向している。側壁22,23は、側壁20,21が延在する方向(以下、「方向X」と記す)とは交差する方向に沿って延在すると共に、互いに対向している。側壁22,23のそれぞれは、側壁20,21の双方に連結されている。周壁24の外周は、略矩形状である。周壁24によって、断面形状が略矩形状である内部空間Sが画成される。内部空間Sには、図2の(b)に示すように、モニタ2が位置する。すなわち、モニタ2がフレーム部7の内側に位置している。
【0031】
バンド8,9は、モニタ2に巻き付けられてモニタ2を透明板状部材4及び化粧シート5に固定させる部材である。すなわち、バンド8,9は、モニタ2に当接している。バンド8,9のそれぞれは、側壁20から側壁21まで延在している。バンド8は、バンド9と比較して、側壁22に寄っており、バンド9は、バンド8と比較して、側壁23に寄っている。バンド8,9のそれぞれは、例えば、ナイロン製、ポリエステル製である。バンド8,9のそれぞれは、伸縮性を有する弾性部材を含んでいてもよい。当該弾性部材は、例えば、ゴム部材である。これにより、バンド8,9をモニタ2により強固に巻き付けることができる。バンド8,9のそれぞれは、マジックテープ(登録商標、不図示)を含んでおり、バンド8,9のそれぞれの長さを調整することできる。これにより、バンド8,9をモニタ2に巻き付けたり、バンド8,9をモニタ2から取り外すことができる。バンド9の一方の端部9aは、輪の形状を呈している。当該輪に対して、後述する引掛け具26を通すことにより、バンド9が側壁20に対して固定される。バンド9の他方の端部(不図示)も同様に輪の形状を呈している。当該輪に対して、側壁21に設けられた引掛け具(不図示)を通すことにより、バンド9が側壁21に対して固定される。これにより、バンド9がフレーム部7に対して設けられている。バンド8についても同様である。
【0032】
側壁20の内面20aには、第1凸部27と、第2凸部28とが設けられている。ここで、内面20aと交差する方向を方向Yを称し、方向Xと方向Yと交差する方向を方向Zと称する。方向Xと、方向Yと、方向Zとは、例えば、互いに直交している。L字部材25と、第1凸部27と、第2凸部28とは、後述する構成により、透明板状部材4と化粧シート5とを保持する。
【0033】
第1凸部27は、方向Zにおける側壁20の端部のうち一方の端部20bにおいて、方向Yに沿って突出するように、内面20aに設けられている。第1凸部27は、方向Xに沿って延在している。第1凸部27は、XY平面において延在する第1面27aと、XY平面において延在し、内面20aと連結する第2面27bと、方向Zに沿って第1面27aと第2面27bとの間に位置する段差27cと、を含んでいる。第2面27bは、方向Zに沿って、第1面27aと比較して、第2凸部28に寄っている。
【0034】
第2凸部28は、方向Yに沿って突出するように、内面20aに設けられている。第2凸部28は、方向Xに沿って延在している。第2凸部28は、方向Zに沿って、第1凸部27から離れている。第2凸部28は、YZ平面において、略矩形状を呈している。
【0035】
L字部材25は、YZ平面において、L字状の形状を呈する木製部材である。L字部材25は、方向Xに沿って延在している。L字部材25は、XZ平面において延在する第1面25aと、第1面25aと連結し、XY平面において延在する第2面25bと、XZ平面において延在する第1面25cと、第1面25cと連結し、XY平面において延在する第2面25dと、を含んでいる。第1面25aと第1面25cとは、Y方向に沿って、互いに並んでいる。第2面25bと第2面25dとは、Z方向に沿って、互いに並んでいる。第1面25cのZ方向に沿った長さは、第1面25aの長さより長い。第2面25dのY方向に沿った長さは、第2面25bの長さより長い。
【0036】
L字部材25は、第1面25aと第2面25bとが第2凸部28に接するように、かつ、第2面25dの一部が第2面27bの少なくとも一部に接するように、第1凸部27と第2凸部28との間の隙間に取り付けられている。第1面27aと第2面25dとの間には、段差27cにより、隙間がある。フレーム部7は、透明板状部材4と化粧シート5とが当該隙間に入り込むことで、透明板状部材4と化粧シート5とを保持している。すなわち、取付部材6が透明板状部材4と化粧シート5とを保持している。
【0037】
なお、第1凸部27と第2凸部28とは、側壁21の内面(不図示)にも設けられている。また、第1凸部27と第2凸部28は、側壁22,23のそれぞれの内面(不図示)にわたって設けられていてもよい。すなわち、第1凸部27と第2凸部28とは、フレーム部7の全内周にわたって設けられていてもよい。同様に、L字部材25は、側壁21側に設けられてもよく、または、フレーム部7の全内周にわたって第1凸部27と第2凸部28との間の隙間に取り付けられていてもよい。
【0038】
引掛け具26は、バンド9の端部9aを引っ掛ける。引掛け具26は、内面20aの側壁23寄りの部分に設けられている。第1凸部27と第2凸部28と引掛け具26とは、方向Zにおいて、順に並んでいる。引掛け具26は、例えば、SUS、アルミニウム、鉄等の金属系材料、又は、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS樹脂)等の樹脂材料により構成されている。
【0039】
なお、引掛け具26と同様の構成を有し、かつ、バンド9の他方の端部を引っ掛けるための引掛け具(不図示)が、側壁21の内面に設けられている。これにより、バンド9が、側壁20,21の双方に対して固定されている。バンド8の端部を引っ掛けるための引掛け具も同様に、側壁20,21に設けられている。バンド8,9が側壁20,21の内面に設けられた引掛け具に引掛けられることにより、バンド8,9が視認側から見えづらくなっている。
【0040】
以上に説明した本実施形態に係るモニタカバー3は、取付部材6がモニタ2と当接することにより、モニタ2に取り付けられる。このため、モニタ2が設置される壁や台等に対して施工せず、モニタカバー3をモニタ2に直接取り付けることができる。よって、様々な場所に設置され得るモニタ2に対してモニタカバー3を取り付けられる。さらに、第2裏面4c(裏面)が画像表示部2aと対向することにより、意匠性を付与できる化粧シート5が画像表示部2aの前方に位置する。したがって、モニタカバー3によれば、モニタ2に対して意匠性を容易に付与できる。
【0041】
モニタカバー3では、取付部材6は、透明板状部材4の外周と化粧シート5の外周とを囲い、透明板状部材4と化粧シート5とを保持するフレーム部7と、フレーム部7に対して設けられ、モニタ2と当接するように構成されたバンド8,9と、を有し、モニタカバー3は、モニタ2がフレーム部7の内側に位置するように、モニタ2に取り付けられている。このため、視認者側からモニタ2(例えば、モニタ2の側部)が見えづらくなる。よって、視認者に与える機械的な印象を低減できる。
【0042】
モニタカバー3では、バンド8,9をモニタ2に巻き付けることにより、透明板状部材4と化粧シート5とをモニタ2に取り付けられる。よって、モニタカバー3によれば、モニタ2に対して意匠性をより容易に付与できる。また、モニタカバー3では、バンド8,9をモニタ2から外すことにより、透明板状部材4と化粧シート5とをモニタ2から取り外せる。よって、モニタカバー3によれば、意匠を容易に変更できる。
【0043】
モニタカバー3では、印刷層11には、木目調の絵柄が印刷され、フレーム部7は、木材を含んでいる。このため、視認者に対して木材の印象を与える意匠性を、モニタ2に付与できる。
【0044】
モニタカバー3では、化粧シート5の面積は、モニタ2の画像表示部2aの面積の1.0~1.2倍である。このため、化粧シート5の面積を小さくして、モニタカバー3を小型化できる。
【0045】
モニタカバー3では、透明板状部材4は、モニタカバー3がモニタ2に取り付けられた際にモニタ2のベゼル2b(外枠)が当接する第1裏面4b(外枠部分)と、第1裏面4bよりも内側に位置し、モニタカバー3がモニタ2に取り付けられた際にモニタ2の画像表示部2aに対向する第2裏面4c(裏面)とを有しており、透明板状部材4は、第2裏面4cが第1裏面4bよりもモニタ2寄りに位置するように構成されている。このため、モニタカバー3をモニタ2に対してより確実に固定しつつ、モニタ2の画像を表示させることができる。
【0046】
モニタカバー3では、化粧シート5は、隠蔽層13を含み、隠蔽層13は、印刷層11と透明板状部材4との間に位置している。このため、モニタ2の電源がオフの際に、画像表示部2aに対する隠蔽性を向上できる。
【0047】
本実施形態に係る表示装置1は、モニタカバー3と、モニタ2と、を備える。表示装置1では、モニタカバー3は、取付部材6がモニタ2と当接することにより、第2裏面4cが画像表示部2aに対向するようにモニタ2に直接取り付けられている。表示装置1によれば、モニタ2に対して意匠性を容易に付与できる。
【0048】
本発明による表示装置及びモニタカバーは、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。上記実施形態では、取付部がバンドであったが、取付部は、モニタカバーをモニタに取り付けることができれば、バンドに限定されない。取付部は、例えば、周壁(側壁)の内面に設けられた嵌め殺し部であってもよい。この場合、モニタをフレーム部に対して嵌め込ませることにより、モニタカバーをモニタにより強固に取り付けることができる。
【0049】
化粧シートは、少なくとも印刷層を有していればよい。化粧シートは、隠蔽層又は第2透光性基材を有していなくてもよい。化粧シートは、2層以上の印刷層を有していてもよい。
【0050】
側壁及びL字部材は、木製でなくてもよく、例えば、プラスチック、発泡スチロールによって構成されてもよい。周壁の外周は、略矩形状でなくてもよく、例えば、円形状、楕円形状、三角形状であってもよい。
【0051】
[モニタカバーの取り付け例]
以下、本発明に係るモニタカバーの取り付け例について図5を参照しつつ説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではない。
【0052】
図5は、モニタカバーをモニタに取り付ける前後の状態を模式的に示す正面図であり、(a)は、モニタカバーを取り付ける前のモニタを模式的に示す正面図であり、(b)は、モニタカバーを取り付けた後の表示装置を模式的に示す正面図である。ここで、モニタとしては、例えば49インチ型ディスプレイを用いることができる。図5の(a)に示すように、モニタカバーが取り付けられていない場合、モニタの画像表示部からは白抜きの文字等と黒い画面とを視認できる。図5の(b)に示すように、モニタカバーが取り付けられる場合、画像表示部の文字等を視認できると共に、木目調の柄を視認することができる。以上の例に示すように、本発明に係るモニタカバーによれば、モニタに対して意匠性を容易に付与できる。
【符号の説明】
【0053】
1…表示装置、2…モニタ、2a…画像表示部、2b…ベゼル(外枠)、3…モニタカバー、4…透明板状部材、4a…主面、4b…第1裏面(外枠部分)、4c…第2裏面(裏面)、5…化粧シート、6…取付部材、7…フレーム部、8,9…バンド(取付部)、11…印刷層、13…隠蔽層。
図1
図2
図3
図4
図5