(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097636
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】サーバ、サーバのためのコンピュータプログラム、及び、サーバの制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 21/45 20130101AFI20240711BHJP
【FI】
G06F21/45
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001226
(22)【出願日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新井 健太郎
(57)【要約】
【課題】 本明細書では、デバイスのパスワードをセキュアに変更し得る技術を提供する。
【解決手段】 サーバは、デバイスを識別する識別情報と、アカウント情報と、を関連付けて記憶するメモリと、前記デバイスに現在設定されているパスワードを変更するための変更操作が前記デバイスに実行される場合に、前記デバイスから所定の信号を受信する信号受信部と、特定の条件が満たされる場合に、前記パスワードの変更を許可する許可信号を前記デバイスに送信する信号送信部であって、前記特定の条件は、前記デバイスから前記所定の信号が受信され、かつ、前記デバイスとは異なる端末装置が、前記デバイスを識別する前記識別情報と関連付けて記憶されている前記アカウント情報を利用して前記サーバにログインしていることである、前記信号送信部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバであって、
デバイスを識別する識別情報と、アカウント情報と、を関連付けて記憶するメモリと、
前記デバイスに現在設定されているパスワードを変更するための変更操作が前記デバイスに実行される場合に、前記デバイスから所定の信号を受信する信号受信部と、
特定の条件が満たされる場合に、前記パスワードの変更を許可する許可信号を前記デバイスに送信する信号送信部であって、前記特定の条件は、前記デバイスから前記所定の信号が受信され、かつ、前記デバイスとは異なる端末装置が、前記デバイスを識別する前記識別情報と関連付けて記憶されている前記アカウント情報を利用して前記サーバにログインしていることである、前記信号送信部と、
を備える、サーバ。
【請求項2】
前記サーバは、さらに、
前記デバイスから前記所定の信号が受信される場合に、前記サーバへのログインを促すメッセージを前記端末装置に送信するメッセージ送信部を備える、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記メッセージ送信部は、前記端末装置が前記アカウント情報を利用して前記サーバにログインしていない状況で、前記デバイスから前記所定の信号が受信される場合に、前記メッセージを前記端末装置に送信し、
前記サーバは、さらに、
前記端末装置が前記アカウント情報を利用して前記サーバにログインしている状況で、前記デバイスから前記所定の信号が受信される場合に、前記デバイスに前記変更操作が実行されたことを示す画面に対応する画面データを前記端末装置に送信する第1のデータ送信部を備える、請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記メッセージは、前記サーバへログインするためのログイン画面を表示するためのURLを含む、請求項2に記載のサーバ。
【請求項5】
前記端末装置が前記アカウント情報を利用して前記サーバにログインしている状況で、前記デバイスから前記所定の信号が受信されることにより、前記特定の条件が満たされる、請求項1に記載のサーバ。
【請求項6】
前記サーバは、さらに、
前記端末装置が前記アカウント情報を利用して前記サーバにログインしている状況で、前記端末装置から、前記パスワードの変更を要求する第1の要求を受信する第1の要求受信部と、
前記端末装置から前記第1の要求が受信される場合に、前記変更操作の実行を要求する第2の要求を前記デバイスに送信する要求送信部と、
を備え、
前記デバイスは、前記第2の要求に従って、前記変更操作を促す画面を表示する、請求項5に記載のサーバ。
【請求項7】
前記信号受信部は、2個以上の前記デバイスのそれぞれから、前記所定の信号を受信し、
前記サーバは、さらに、
前記2個以上のデバイスのそれぞれから前記所定の信号が受信される場合に、前記2個以上のデバイスの中から特定のデバイスを選択するための選択画面に対応する選択画面データを前記端末装置に送信する第2のデータ送信部を備え、
前記信号送信部は、前記許可信号を前記選択画面において選択された前記特定のデバイスに送信する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項8】
前記サーバは、さらに、
前記デバイスから前記所定の信号が受信される場合に、許可画面データを前記端末装置に送信する第3のデータ送信部を備え、
前記特定の条件は、前記デバイスから前記所定の信号が受信され、かつ、前記端末装置が前記アカウント情報を利用して前記サーバにログインしており、かつ、前記許可画面データに対応する許可画面において前記パスワードの変更を許可する指示が入力されることであり、
前記許可画面において前記パスワードの変更を許可しない指示が入力される場合に、前記特定の条件は、満たされない、請求項1から7のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項9】
前記サーバは、さらに、
前記デバイスから前記所定の信号が受信される場合に、前記パスワードを変更すべき前記デバイスを示すデバイス情報を前記メモリに記憶させる第1の記憶制御部と、
前記許可画面において前記パスワードの変更を許可しない指示が入力される場合に、前記デバイス情報を前記メモリから削除する削除部と、
を備える、請求項8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記許可信号は、前記デバイスに現在設定されている前記パスワードを初期のパスワードにリセットすることを許可する信号である、請求項1から7のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項11】
前記サーバは、さらに、
外部装置から、前記アカウント情報を特定するための特定情報と、前記識別情報と、を含む登録要求を受信する第2の要求受信部と、
前記外部装置から前記登録要求が受信される場合に、前記特定情報によって特定される前記アカウント情報と、前記識別情報と、を関連付けて前記メモリに記憶させる第2の記憶制御部と、
を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項12】
前記メモリは、さらに、
前記許可信号を利用した前記パスワードの変更を許可する第1の値と、前記許可信号を利用した前記パスワードの変更を許可しない第2の値と、のいずれかを示す設定値を記憶する、請求項1から7のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項13】
サーバのためのコンピュータプログラムであって、
前記サーバは、
デバイスを識別する識別情報と、アカウント情報と、を関連付けて記憶するメモリと、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、即ち、
前記デバイスに現在設定されているパスワードを変更するための変更操作が前記デバイスに実行される場合に、前記デバイスから所定の信号を受信する信号受信部と、
特定の条件が満たされる場合に、前記パスワードの変更を許可する許可信号を前記デバイスに送信する信号送信部であって、前記特定の条件は、前記デバイスから前記所定の信号が受信され、かつ、前記デバイスとは異なる端末装置が、前記デバイスを識別する前記識別情報と関連付けて記憶されている前記アカウント情報を利用して前記サーバにログインしていることである、前記信号送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項14】
サーバの制御方法であって、
前記サーバは、
デバイスを識別する識別情報と、アカウント情報と、を関連付けて記憶するメモリを備え、
前記制御方法は、
前記デバイスに現在設定されているパスワードを変更するための変更操作が前記デバイスに実行される場合に、前記デバイスから所定の信号を受信する信号受信工程と、
特定の条件が満たされる場合に、前記パスワードの変更を許可する許可信号を前記デバイスに送信する信号送信工程であって、前記特定の条件は、前記デバイスから前記所定の信号が受信され、かつ、前記デバイスとは異なる端末装置が、前記デバイスを識別する前記識別情報と関連付けて記憶されている前記アカウント情報を利用して前記サーバにログインしていることである、前記信号送信工程と、
を備える、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、デバイスのパスワードを変更する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、Multi-Function Peripheral(MFP)を利用するための暗証番号を変更する技術が開示されている。この技術では、MFPは、ユーザから誤った暗証番号の入力を受け付ける場合に、暗証番号を変更するための処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、デバイスのパスワードをセキュアに変更し得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で開示するサーバは、デバイスを識別する識別情報と、アカウント情報と、を関連付けて記憶するメモリと、前記デバイスに現在設定されているパスワードを変更するための変更操作が前記デバイスに実行される場合に、前記デバイスから所定の信号を受信する信号受信部と、特定の条件が満たされる場合に、前記パスワードの変更を許可する許可信号を前記デバイスに送信する信号送信部であって、前記特定の条件は、前記デバイスから前記所定の信号が受信され、かつ、前記デバイスとは異なる端末装置が、前記デバイスを識別する前記識別情報と関連付けて記憶されている前記アカウント情報を利用して前記サーバにログインしていることである、前記信号送信部と、を備える。
【0006】
上記の構成によれば、第三者がデバイスに変更操作を実行したとしても、アカウント情報を知るユーザが、端末装置をサーバにログインさせなければ、サーバからデバイスに許可信号が送信されない。このため、デバイスのパスワードをセキュアに変更し得る。
【0007】
上記のサーバを実現するためのコンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体も新規で有用である。また、上記のサーバのための制御方法も新規で有用である。また、上記のサーバと上記のデバイスと上記の端末装置を備える通信システムも新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図2は、プリンタを登録する処理のシーケンス図である。
【
図4】
図4は、パスワードをリセットする処理のシーケンス図である。
【
図5】
図5は、パスワードをリセットする処理のシーケンス図である。
【
図6】
図6は、パスワードをリセットする処理のシーケンス図である。
【
図7】
図7は、パスワードをリセットする処理のシーケンス図である。
【
図8】
図8は、パスワードをリセットする処理のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施例)
(通信システム2の構成;
図1)
図1に示されるように、通信システム2は、端末10とプリンタ100とプリンタ150と仲介サーバ200とを備える。端末10、プリンタ100、及び、プリンタ150は、Local Area Network(LAN)4に接続されており、LAN4を介して相互に通信可能である。LAN4はインターネット6に接続されており、仲介サーバ200はインターネット6上に設置されている。このため、端末10、プリンタ100、及び、プリンタ150は、インターネット6を介して仲介サーバ200と通信可能である。以下では、仲介サーバ200のことを「サーバ200」と記載する。なお、LAN4に接続されているプリンタの個数は、2個に限らず、例えば、1個、3個以上でもよい。
【0010】
プリンタ100及び150には、パスワードが設定されている。管理者は、プリンタ100の各種設定(例えばネットワーク設定)を変更する場合に、パスワードをプリンタ100に入力する。プリンタ100は、管理者によって入力されたパスワードの認証が成功する場合に、各種設定の変更を許可する。本明細書では、管理者が、プリンタ100又は150に設定されているパスワードを忘れてしまった状況において、プリンタ100又は150に設定されているパスワードを変更可能な技術を提供する。
【0011】
(端末10の構成)
端末10は、スマートフォン、ノートPC、タブレットPC等の可搬型の端末装置であってもよいし、デスクトップPC等の据置型の端末装置であってもよい。端末10は、プリンタ100及び150を管理する管理者によって利用される。端末10は、操作部12と表示部14と通信インターフェース20と制御部30とを備える。以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0012】
操作部12は、ユーザによって操作されるボタン、タッチパネル等である。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示を端末10に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。通信I/F20は、LAN4に接続されている。
【0013】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているOperating System(OS)プログラム40に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。OSプログラム40は、端末10の基本的な動作を実現するためのプログラムである。
【0014】
(プリンタ100及び150の構成)
プリンタ100は、印刷機能を実行可能な周辺装置(例えば端末10の周辺装置)である。変形例では、プリンタ100は、印刷機能に加えて、スキャン機能、FAX機能等を実行可能な多機能機であってもよい。プリンタ100は、プリンタ100を識別するシリアル番号SN1を有する。プリンタ100は、操作部112と表示部114と印刷実行部116と通信I/F120と制御部130とを備える。
【0015】
操作部112は、ユーザによって操作されるボタン、タッチパネル等である。ユーザは、操作部112を操作することによって、様々な指示をプリンタ100に入力することができる。表示部114は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。印刷実行部116は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構を備える。通信I/F120は、LAN4に接続されている。
【0016】
制御部130は、CPU132とメモリ134を備える。メモリ134は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。CPU132は、メモリ134に格納されているプログラム140に従って、様々な処理を実行する。
【0017】
メモリ134は、さらに、初期パスワードPW0と、現在パスワードPW1と、を記憶する。初期パスワードPW0は、プリンタ100の出荷段階においてプリンタ100に設定されているパスワードである。初期パスワードPW0は、例えば、プリンタ100の梱包に同封されている媒体(例えば説明書)に記載されている。現在パスワードPW1は、現時点においてプリンタ100に設定されているパスワードである。例えば、プリンタ100の出荷段階では、現在パスワードPW1は、初期パスワードPW0と同一である。また、例えば、管理者によって初期パスワードPW0が新しいパスワードに変更された場合には、現在パスワードPW1は、初期パスワードPW0と異なる。
【0018】
プリンタ150は、プリンタ100と同様の構成を有する。プリンタ150は、プリンタ150を識別するシリアル番号SN2を有する。
【0019】
(サーバ200の構成)
サーバ200は、プリンタ100のパスワードを変更するための様々な通信を仲介するサーバである。サーバ200は、通信I/F220と制御部230とを備える。通信I/F220は、インターネット6に接続されている。
【0020】
制御部230は、CPU232とメモリ234とを備える。CPU232は、メモリ234に格納されているプログラム240に従って、様々な処理を実行する。メモリ234は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ234は、さらに、アカウントテーブル242とデバイステーブル244と許可設定250とを記憶する。
【0021】
アカウントテーブル242は、1以上のユーザに対応する1個以上のアカウント情報を記憶する。アカウント情報は、サーバ200にログインするために必要な情報であり、アカウント名とパスワードとが関連付けられた情報である。以下では、サーバ200にログインするためのパスワードを「サーバパスワード」と記載する。
図1の例では、アカウントテーブル242において、アカウント名AN1とサーバパスワードSP1とが関連付けて記憶されている。なお、本実施例では、アカウント名としてメールアドレスが利用される。変形例では、アカウント名は、メールアドレスに代えて、ユーザによって指定される文字列であってもよい。
【0022】
デバイステーブル244は、1以上のデバイス(例えばプリンタ)に関する情報を記憶する。デバイステーブル244は、アカウント名とシリアル番号とアクセストークンとを関連付けて記憶する。アクセストークンは、関連付けられているシリアル番号によって識別されるデバイスとサーバ200との間で通信を実行する際に利用される情報である。
図1の例では、デバイステーブル244において、アカウント名AN1とシリアル番号SN1とアクセストークンAT1とが関連付けて記憶されている。
【0023】
許可設定250は、後述する
図4の処理を利用したパスワードのリセットを許可することを示す「ON」と、
図4の処理を利用したパスワードのリセットを許可しないことを示す「OFF」と、のいずれかの値を示す。許可設定250は、管理者によって設定される。管理者は、
図4の処理を利用したパスワードのリセットを許可するか否かを設定することができる。
【0024】
(プリンタ100の登録;
図2、
図3)
続いて、
図2及び
図3を参照して、プリンタ100に関する情報をサーバ200に登録するための処理について説明する。以下では、理解の容易化のために、各デバイスのCPU(例えば32、132、232)によって実行される処理を説明する際に、CPUを主体として記載せずに、各デバイス(例えば端末10、プリンタ100、サーバ200)を主体として記載する。また、各デバイス間の通信は、特に断らない限り、通信I/F(例えば20、120、220)を介して実行される。従って、以下の各デバイス間の通信を説明する際に、「通信I/Fを介して」という記載を省略する。
【0025】
図2の初期状態では、アカウントテーブル242は、端末10のユーザ、即ち、プリンタ100の管理者のアカウント情報であるアカウント名AN1及びサーバパスワードSP1を記憶している。また、
図2の初期状態では、デバイステーブル244には、プリンタ100に関する情報(即ちシリアル番号SN1及びアクセストークンAT1)は記憶されていない。
【0026】
T10において、プリンタ100は、管理者から電源ON操作を受け付けると、T12において、電源がONされる。この際、プリンタ100は、プリンタ100自身に関する情報がサーバ200にまだ登録されていないと判断する。具体的には、プリンタ100は、アクセストークンがメモリ134に記憶されていないので、サーバ200にまだ登録されていないと判断する。この場合、プリンタ100は、T14において、通知画面を表示部114に表示させる。通知画面は、プリンタ100に関する情報をサーバ200に登録させることをユーザに促すメッセージを含む。
【0027】
通知画面を見た管理者は、端末10を利用して、プリンタ100に関する情報をサーバ200に登録するための操作を実行する。具体的には、まず、端末10は、T20において、プリンタ100のウェブサーバ機能にアクセスするためのアクセス指示を管理者から受け付ける。当該アクセス指示は、プリンタ100のIPアドレス(図示省略)の指定を含む。この場合、端末10は、T12において、図示省略のウェブブラウザプログラムを利用して、アクセス要求をプリンタ100に送信する。端末10によって実行される以下の処理も、特に断らない限り、ウェブブラウザプログラムを利用して実行される。
【0028】
プリンタ100は、T22において、端末10からアクセス要求を受信すると、T24において、トップ画面SC2に対応するトップ画面データを端末10に送信する。
【0029】
端末10は、T24において、プリンタ100からトップ画面データを受信すると、T26において、トップ画面SC2を表示部14に表示させる。トップ画面SC2は、プリンタ100の各種設定を変更するための複数のボタン(例えば「サーバに登録」ボタン、「パスワード変更」ボタン等)と、を含む。
【0030】
端末10は、T30において、トップ画面SC2内の「サーバに登録」ボタンの選択を受け付ける。この場合、端末10は、T32において、アクセス要求をサーバ200に送信する。
【0031】
サーバ200は、T32において、端末10からアクセス要求を受信すると、T34において、ログイン画面SC3に対応するログイン画面データを端末10に送信する。
【0032】
端末10は、T34において、サーバ200からログイン画面データを受信すると、T36において、ログイン画面SC3を表示部14に表示させる。ログイン画面SC3は、サーバ200にログインするためのアカウント情報(即ちアカウント名及びサーバパスワード)を入力するための入力欄と、OKボタンと、キャンセルボタンと、を含む。
【0033】
端末10は、続く
図3のT40において、管理者からログイン操作を受け付ける。ログイン操作は、ログイン画面SC3において、アカウント名AN1及びサーバパスワードSP1を入力する操作を含む。この場合、端末10は、T42において、入力済みのアカウント名AN1及びサーバパスワードSP1を含むログイン要求をサーバ200に送信する。
【0034】
サーバ200は、T42において、端末10からログイン要求を受信すると、T50において、ログイン認証を実行する。具体的には、サーバ200は、受信済みのログイン要求に含まれるアカウント名AN1及びサーバパスワードSP1の組み合わせがアカウントテーブル242に記憶されているのか否かを判断する。本ケースでは、当該組み合わせがアカウントテーブル242に記憶されているので(
図2の初期状態参照)、サーバ200は、ログイン認証が成功したと判断する。この場合、サーバ200は、T52において、PINコード「1234」を生成し、受信済みのログイン要求に含まれるアカウント名AN1と当該PINコード「1234」とを関連付けてメモリ234に記憶する。そして、サーバ200は、T54において、PINコード画面SC4に対応するPINコード画面データを端末10に送信する。なお、サーバは、T50において、受信済みのログイン要求に含まれるアカウント名及びサーバパスワードの組合せがアカウントテーブル242に記憶されていないと判断する場合、即ちログイン認証が失敗する場合に、T52以降の処理を実行しない。
【0035】
端末10は、T54において、サーバ200からPINコード画面データを受信すると、T56において、PINコード画面SC4を表示部14に表示させる。PINコード画面SC4は、PINコード「1234」を示す文字列を含む。管理者は、PINコード画面SC4を見て、PINコード「1234」をプリンタ100に入力するためのサーバ登録操作を実行する。
【0036】
T60において、プリンタ100は、管理者からサーバ登録操作を受け付けると、T62において、PINコード入力画面SC5を表示部114に表示させる。PINコード入力画面SC5は、PINコードを入力するための入力欄と、OKボタンと、を含む。
【0037】
プリンタ100は、T64において、PINコード入力画面SC5へのPINコード「1234」の入力と、OKボタンの選択と、を受け付けると、T66において、登録要求をサーバ200に送信する。登録要求は、入力済みのPINコード「1234」と、プリンタ100のシリアル番号SN1と、を含む。
【0038】
サーバ200は、T66において、プリンタ100から登録要求を受信すると、T70において、PIN認証を実行する。具体的には、サーバ200は、受信済みの登録要求に含まれるPINコード「1234」がメモリ234に記憶済みであるのか否かを判断する。本ケースでは、PINコード「1234」がメモリ234に記憶済みであるので(T52参照)、サーバ200は、認証が成功したと判断する。この場合、サーバ200は、T72において、アクセストークンAT1を生成する。次いで、サーバ200は、PINコード「1234」に関連付けてメモリ234に記憶されているアカウント名AN1(T52参照)を特定する。そして、サーバ200は、特定済みのアカウント名AN1と、登録要求に含まれるシリアル番号SN1と、生成済みのアクセストークンAT1と、を関連付けてデバイステーブル244に記憶する。これにより、プリンタ100に関する情報がサーバ200に登録される。
【0039】
サーバ200は、T74において、アクセストークンAT1をプリンタ100に送信する。なお、サーバ200は、T70において、登録要求に含まれるPINコードがメモリ234に記憶済みでない場合、即ち認証が失敗する場合に、T72以降の処理を実行しない。
【0040】
プリンタ100は、T74において、サーバ200からアクセストークンAT1を受信すると、T76において、アクセストークンAT1をメモリ134に登録する。この結果、図示省略しているが、プリンタ100とサーバ200との間でいわゆる常時接続が確立される。サーバ200は、常時接続を利用すれば、プリンタ100から要求を受信しなくても、プリンタ100が所属するLAN4のファイヤウォールを越えて、プリンタ100に信号を送信することができる。即ち、常時接続は、サーバプッシュ型の通信を実行可能な接続である。常時接続は、例えばeXtensible Messaging and Presence Protocol(XMPP)に従った接続である。
【0041】
プリンタ100は、アクセストークンAT1の登録が完了すると、T80において、サーバ200への登録が完了したことを示す登録完了通知を端末10に送信する。登録完了通知は、登録完了画面に対応する登録完了画面データを含む。
【0042】
端末10は、T80において、プリンタ100から登録完了通知を受信すると、T82において、登録完了画面を表示部14に表示させる。登録完了画面は、サーバ200への登録が完了したことを示すメッセージを含む。管理者は、登録完了画面を見て、サーバ200への登録が完了したことを知ることができる。
【0043】
(パスワードのリセット;
図4)
図4を参照して、管理者がプリンタ100のパスワードをリセットするための処理について説明する。
図4の処理の初期状態では、許可設定250は、「ON」を示す。
【0044】
プリンタ100は、T100において、パスワードをリセットするためのリセット操作がプリンタ100に実行されると、T102において、リセット操作が実行されたことを通知するリセット通知をサーバ200に送信する。リセット通知は、プリンタ100のシリアル番号SN1を含む。
【0045】
サーバ200は、T102において、プリンタ100からリセット通知を受信すると、T104において、アカウントテーブル242からリセット通知に含まれるシリアル番号SN1に関連付け記憶されているアカウント名AN1を特定する。
【0046】
T106では、サーバ200は、T104で特定されたアカウント名AN1とT102のリセット通知に含まれるシリアル番号SN1とを要求リストとしてメモリ234に記憶させる。ここで、要求リストは、リセット操作によってパスワードを変更すべきことが指示されたプリンタのリストである。
【0047】
T108では、サーバ200は、サーバ200へのログインを要求するログイン要求メールを送信する処理を実行する。ログイン要求メールは、アカウント名AN1を送信先のメールアドレスとして含む。また、ログイン要求メールは、サーバ200へのログインを促すメッセージを本文として含む。
【0048】
本ケースでは、端末10のメーラには、アカウント名AN1であるメールアドレスが設定されている。端末10は、T108において、サーバ200からログイン要求メールを受信し、T110において、ログイン要求メールを表示部14に表示させる。例えば、ユーザは、ログイン要求メール内のメッセージを見て、端末10のウェブブラウザプログラムを起動する。これにより、T112以降の処理が実行されて、プリンタ100のパスワードがリセットされる。パスワードのリセットをスムーズに行うことができる。
【0049】
T112~T122は、
図2のT32~T36及び
図4のT40~T50と同様である。即ち、端末10は、アカウント名AN1及びサーバパスワードSP1を利用してサーバ200にログインする。
【0050】
サーバ200は、T122において、端末10のログインが成功したと判断すると、T124において、T106で記憶された要求リストからT120で受信したログイン要求に含まれるアカウント名AN1に関連付けて記憶されているシリアル番号SN1を特定する。
【0051】
T126では、サーバ200は、T102のリセット通知に対する応答として許可信号をプリンタ100に送信する。許可信号は、プリンタ100のパスワードをリセットすることを許可するための信号である。
【0052】
プリンタ100は、T126において、サーバ200から許可信号を受信すると、T128において、現在パスワードPW1を初期パスワードPW0に変更することにより、パスワードをリセットする。なお、変形例では、プリンタ100は、パスワード入力画面を表示部114に表示させてもよい。そして、プリンタ100は、現在パスワードPW1を管理者によってパスワード入力画面に入力されたパスワードに変更することにより、パスワードをリセットしてもよい。
【0053】
例えば、T108のログイン要求メールの送信から所定時間が経過しても、アカウント名AN1を利用したログインが実行されない場合には、要求リストからシリアル番号SN1が削除される。要求リストからシリアル番号SN1が削除されることにより、T124の処理が失敗する。これにより、許可信号がプリンタ100に送信されない。ログイン要求メールの送信から所定時間が経過する場合、又は、T122においてログインが失敗する場合には、許可信号がプリンタ100に送信されず、プリンタ100のパスワードはリセットされない。
【0054】
(本実施例の効果)
本実施例の構成によれば、サーバ200は、プリンタ100で実行されたリセット操作に応じたリセット通知をプリンタ100から受信し、かつ、アカウント名AN1を利用したログインが成功する条件(T102及びT122)が満たされる場合に、許可信号をプリンタ100に送信する。一方で、サーバ200は、当該条件が満たされない場合に、許可信号をプリンタ100に送信しない。この場合、プリンタ100のパスワードは、リセットされない。例えば、第三者がプリンタ100にリセット操作を実行したとしても、アカウント名AN1及びサーバパスワードSP1を知る管理者が、端末10をサーバ200にログインさせなければ、サーバ200からプリンタ100に許可信号が送信されない。このため、プリンタ100のパスワードをセキュアに変更し得る。
【0055】
(対応関係)
サーバ200、メモリ234、許可設定250が、それぞれ、「サーバ」、「メモリ」、「設定値」の一例である。端末10が、「端末装置」及び「外部装置」の一例である。プリンタ100、シリアル番号SN1が、それぞれ、「デバイス」、「識別情報」の一例である。アカウント名AN1及びサーバパスワードSP1が、「アカウント情報」の一例である。現在パスワードPW1が、「パスワード」の一例である。PINコード「1234」が、「特定情報」の一例である。
図4のT100のリセット操作、T102のリセット通知が、それぞれ、「変更操作」、「所定の信号」の一例である。T126の許可信号が、「許可信号」の一例である。T108のログイン要求メールが、「メッセージ」の一例である。
【0056】
図4のT102、T126が、それぞれ、「信号受信部」、「信号送信部」によって実現される処理の一例である。
【0057】
(第2実施例)
(パスワードのリセット;
図4)
本実施例では、初期パスワードPW0に変更することに代えて、新しいパスワードPW2に変更することによって、プリンタ100のパスワードをリセットする。本実施例では、サーバ300は、T124に続くT130において、新しいパスワードPW2を生成する。新しいパスワードPW2は、例えば、ランダムな文字列である。T136は、許可信号が新しいパスワードPW2を含む点を除いて、T126と同様である。T138では、プリンタ100は、現在パスワードPW1を新しいパスワードPW2に変更する。さらに、プリンタ100は、新しいパスワードPW2を表示部114に表示させる。これにより、管理者は、新しいパスワードPW2を知ることができる。なお、変形例では、新しいパスワードPW2は、プリンタ100の印刷実行部116によって印刷されてもよい。また、他の変形例では、新しいパスワードPW2を本文として含む電子メールが端末10に送信されてもよい。本実施例でも、プリンタ100のパスワードをセキュアに変更し得る。
【0058】
(第3実施例)
(パスワードのリセット;
図4)
第2実施例では、新しいパスワードPW2は、サーバ200によって生成された。本実施例では、新しいパスワードPW3は、プリンタ100によって生成される。
【0059】
T146は、T126に続く処理であり、T126と同様である。プリンタ100は、T146において、サーバ200から許可信号を受信すると、T147において、新しいパスワードPW3を生成する。T148は、新しいパスワードPW3が利用される点を除いて、T138と同様である。T150では、プリンタ100は、新しいパスワードPW3をサーバ200に送信する。
【0060】
サーバ200は、T150において、プリンタ100から新しいパスワードPW3を受信すると、T152において、ログイン中のアカウント名AN1であるメールアドレスを宛先として含むパスワード通知メールを送信する処理を実行する。パスワード通知メールは、本文として新しいパスワードPW3を含む。これにより、端末10は、T152において、サーバ200からパスワード通知メールを受信し、T154において、パスワード通知メールを表示部14に表示させる。これにより、管理者は、新しいパスワードPW2を知ることができる。なお、変形例では、新しいパスワードPW3は、プリンタ100の印刷実行部116によって印刷されてもよいし、プリンタ100の表示部114に表示されてもよい。本実施例でも、プリンタ100のパスワードをセキュアに変更し得る。
【0061】
(第4実施例)
(パスワードのリセット;
図5)
本実施例は、リセット操作前にログインされている状況にも対処可能な態様を示す。
図5のT200~T206は、
図4のT100~T106と同様である。サーバ200は、T206に続くT208おいて、サーバ200がT204で特定されたアカウント名AN1を利用してログインされているのか否かを判断する。サーバ200は、サーバ200がアカウント名AN1を利用してログインされていないと判断する場合(T208でNO)に、
図4のT108以降の処理を実行する。これにより、ログイン要求メールが送信され、サーバ200へのログインが実行される。
【0062】
また、サーバ200は、サーバ200がアカウント名AN1を利用してログインされていると判断する場合(T208でYES)に、T210において、アカウント名AN1を利用してサーバ200にログインしている端末10に許可画面データを送信する。許可画面データは、端末10のユーザ、即ち、管理者に対してパスワードのリセットの許可を求めるための許可画面SC10に対応する。
【0063】
端末10は、T210において、サーバ200から許可画面データを受信すると、T212において、許可画面SC10を表示部14に表示させる。例えば、端末10は、ウェブブラウザプログラムに従って現在表示されている画面を許可画面SC10に更新することにより、許可画面SC10を表示部14に表示させる。許可画面SC10は、パスワードのリセットを許可する指示を入力する許可ボタンと、パスワードのリセットを許可しない指示を入力するキャンセルボタンと、を含む。
【0064】
ケースC1では、管理者は、T214において、許可画面SC10内の許可ボタンを選択する。この場合、端末10は、T216において、許可ボタンが選択されたことを通知する許可選択通知をサーバ200に送信する。許可選択通知は、アカウント名AN1を含む。T221~T228は、許可選択通知内のアカウント名AN1が利用される点を除いて、
図4のT124~T128と同様である。即ち、本ケースでは、サーバ200は、プリンタ100からリセット操作に応じたリセット通知を受信し、かつ、アカウント名AN1を利用したログインが成功し、かつ、許可画面SC10内の許可ボタンが選択される条件が満たされる場合に、許可信号をプリンタ100に送信する。許可画面SC10により、管理者からパスワードのリセットの許可を求めることができる。
【0065】
また、ケースC2では、管理者は、T230において、許可画面SC10内のキャンセルボタンを選択する。この場合、T232において、キャンセルボタンが選択されたことを通知するキャンセル選択通知をサーバ200に送信する。キャンセル選択通知は、アカウント名AN1を含む。
【0066】
サーバ200は、T232において、端末10からキャンセル選択通知が受信されると、T234において、要求リストからアカウント名AN1及びシリアル番号SN1を削除する。これにより、許可信号の送信がキャンセルされて、パスワードのリセットが実行されない。例えば、第三者がリセット操作を行っても、管理者によってパスワードのリセットをキャンセルすることができる。
【0067】
(本実施例の効果)
サーバ200がアカウント名AN1を利用してログインされていない場合(T208でNO)には、ログイン要求メールが端末10に送信される。これにより、端末10がサーバ200にログインする。一方、サーバ200がアカウント名AN1を利用してログインされている場合(T208でYES)には、許可画面データが端末10に送信される。これにより、端末10のユーザ、即ち、管理者は、プリンタ100においてリセット操作が実行されたことを知ることができる。そして、管理者は、許可画面SC10内の許可ボタンを選択することにより、パスワードのリセットの許可を指示することができる。
【0068】
(対応関係)
図5のT200のリセット操作、T202のリセット通知、T226の許可信号が、それぞれ、「変更操作」、「所定の信号」、「許可信号」の一例である。T210の許可画面データが、「画面データ」及び「許可画面データ」の一例である。許可画面SC10が、「許可画面」の一例である。要求リストが、「デバイス情報」の一例である。
【0069】
(第5実施例)
(パスワードのリセット;
図6)
本実施例は、一時トークンが利用される点、及び、ログイン要求メールの本文にサーバ200にアクセスするためのアクセスURLが含まれる点を除いて、第1実施例と同様である。T300~T304は、
図4のT100~T104と同様である。T304に続くT306では、サーバ200は、一時トークン「abcd」を生成する。サーバ200は、T304で特定されたアカウント名AN1とT302のリセット通知に含まれるシリアル番号SN1と生成済みの一時トークン「abcd」を要求リストとしてメモリ234に記憶させる。一時トークン「abcd」は、所定の期間が経過すると削除されるトークンである。
【0070】
T308は、ログイン要求メールの本文がアクセスURLを含む点を除いて、
図4のT108と同様である。アクセスURLは、サーバ200にアクセスするためのドメインと、サーバ200内のフォルダにアクセスするためのディレクトリと、一時トークン「abcd」と、を含む。当該ディレクトリは、ログイン画面データが記憶されているフォルダを示す。
【0071】
T310は、アクセスURLが表示される点を除いて、
図4のT110と同様である。T310aでは、端末10は、管理者からのアクセスURLの選択を受け付ける。T312は、アクセス要求が一時トークン「abcd」を含む点を除いて、
図4のT112と同様である。T314~T322は、
図4のT114~T122と同様である。T322に続くT322aでは、サーバ200は、アクセス要求に含まれる一時トークン「abcd」の認証を実行する。本ケースでは、アクセス要求に含まれる一時トークン「abcd」は、T306で記憶した要求リストに含まれる一時トークン「abcd」と一致し、アクセス要求に含まれる一時トークン「abcd」の認証が成功する。当該認証が成功する場合には、サーバ200は、T324以降の処理を実行する。T324~T328は、
図4のT124~T128と同様である。
【0072】
例えば、ログイン要求メールを受信した端末10とは異なる端末装置がサーバ200にログインする場合には、アクセス要求が一時トークン「abcd」を含まない。この場合には、一時トークンの認証が失敗する。当該認証が失敗する場合には、T324以降の処理が実行されず、パスワードがリセットされない。一時トークンを利用した認証を実行することにより、ログイン要求メールの送信先以外の端末装置のログインによりパスワードがリセットされることを抑制することができる。
【0073】
(本実施例の効果)
本実施例では、管理者は、ログイン要求メールに含まれるアクセスURLを選択するだけでウェブブラウザプログラムを起動することができる。ユーザの利便性が向上する。
【0074】
(対応関係)
T300のリセット操作、T302のリセット通知、T326の許可信号が、それぞれ、「変更操作」、「所定の信号」、「許可信号」の一例である。アクセスURLが、「URL」の一例である。
【0075】
(第6実施例)
(パスワードのリセット;
図7)
本実施例では、プリンタ100に加えて、プリンタ150でもリセット操作が実行される。T400~T404は、プリンタ150が操作される点と、リセット通知がプリンタ150のシリアル番号SN2を含む点を除いて、
図4のT100~T104と同様である。本ケースでは、T400の前に、プリンタ100に対して
図4のT100~T108の処理が実行されている。このため、要求リストには、プリンタ100のシリアル番号SN1が予め記憶されている。T404に続くT406では、サーバ200は、T402で受信したシリアル番号SN2を要求リストに追加する。
【0076】
T408~T422は、
図4のT108~T122と同様である。T422に続くT430では、サーバ200は、選択画面データを端末10に送信する。
【0077】
端末10は、T430において、サーバ200から選択画面データを受信すると、T432において、選択画面データに対応する選択画面SC11を表示部14に表示させる。選択画面SC11は、要求リストとして登録されている複数個のプリンタの中から特定のプリンタを選択するための画面である。本ケースでは、選択画面SC11は、要求リスト内のシリアル番号SN1によって識別されるプリンタ100のモデル名「xxxx」と、要求リスト内のシリアル番号SN2によって識別されるプリンタ150のモデル名「yyyy」と、を含む。本ケースでは、管理者は、選択画面SC11内のモデル名「yyyy」を選択する。
【0078】
端末10は、T434において、選択画面SC11内のモデル名「yyyy」の選択を受け付けると、T436において、モデル名「yyyy」が選択された結果を示す選択結果情報をサーバ200に送信する。
【0079】
サーバ200は、T436において、端末10から選択結果情報を受信すると、T424において、要求リストから選択結果情報によって示されるモデル名「yyyy」に対応するシリアル番号SN2を特定する。
【0080】
T426では、サーバ200は、許可信号をT426で特定されたシリアル番号SN2によって識別されるプリンタ150に送信する。T428は、プリンタ150のパスワードがリセットされる点を除いて、
図4のT128と同様である。
【0081】
本実施例の技術は、2個のプリンタ100及び150だけでなく、3個以上のプリンタでリセット操作が実行される場合にも適用することができる。本実施例では、複数個のプリンタでリセット操作が実行される状況において、管理者は、パスワードをリセットすべきプリンタを選択することができる。また、選択画面SC11では、管理者は、1個のプリンタだけでなく、2個以上のプリンタを選択してもよい。この場合には、当該2個以上のプリンタのパスワードを一括でリセットすることができる。
【0082】
(対応関係)
図4のT400のリセット操作、T402のリセット通知、T426の許可信号が、それぞれ、「変更操作」、「所定の信号」、「許可信号」の一例である。プリンタ100及び150が、「2個以上のデバイス」の一例である。
【0083】
(第7実施例)
(パスワードのリセット;
図8)
本実施例では、端末10からの要求をトリガとしてパスワードのリセットが実行される。
図8のケースの初期状態では、端末10は、アカウント名AN1を利用してサーバ200にログインしている。T500では、端末10は、管理者からの所定の操作をトリガとして、第1のリセット要求をサーバ200に送信する。第1のリセット要求は、サーバ200に登録されているプリンタのパスワードをリセットする要求である。
【0084】
サーバ200は、T500において、端末10から第1のリセット要求を受信すると、T501において、デバイステーブル244から登録デバイスを特定する。登録デバイスは、ログインしているアカウント名AN1に関連付けて記憶されているシリアル番号によって識別されるプリンタを意味する。
【0085】
T502では、サーバ200は、T501において特定された登録デバイスを示す登録デバイス情報を端末10に送信する。
【0086】
端末10は、T502において、サーバ200から登録デバイス情報を受信すると、T504において、登録デバイス情報によって示される1個以上の登録デバイスの中から特定の登録デバイスを選択するための選択画面SC12を表示部14に表示させる。本ケースでは、選択画面SC12は、
図7の選択画面SC11と同様である。
【0087】
端末10は、T506において、選択画面SC12内のモデル名「yyyy」の選択を受け付けると、T508において、モデル名「yyyy」が選択された結果を示す選択結果情報をサーバ200に送信する。
【0088】
サーバ200は、T508において、端末10から選択結果情報を受信すると、T510において、第2のリセット要求を選択結果情報によって示されるプリンタ150に送信する。第2のリセット要求は、プリンタ150のパスワードをリセットする要求である。
【0089】
プリンタ150は、T510において、サーバ200から第2のリセット要求を受信すると、T512において、確認画面SC13を表示する。確認画面SC13は、パスワードのリセットを管理者に確認する画面である。確認画面SC13は、OKボタンと、Cancelボタンと、を含む。
【0090】
本ケースでは、管理者は、プリンタ150のパスワードのリセットを許可する。このため、T514では、管理者は、確認画面SC13内のOKボタンを選択する。
【0091】
プリンタ150は、T514において、確認画面SC13内のOKボタンの選択を受け付けると、T516において、OKボタンが選択されたことを通知するOK通知をサーバ200に送信する。
【0092】
サーバ200は、T516において、プリンタ150からOK通知を受信すると、T526の処理を実行する。T526及びT528は、
図7のT426及びT428と同様である。
【0093】
本実施例の構成によれば、サーバ200は、アカウント名AN1によってログインされている端末10から第1のリセット要求が受信され、かつ、プリンタ150からOKボタンの選択に応じたOK通知を受信する条件(T500及びT510)が満たされる場合に、許可信号をプリンタ150に送信する。アカウント名AN1によってログインされている端末10から第1のリセット要求が受信されることは、端末10が、アカウント名AN1を利用したログインに成功していることを意味する。本実施例でも、第1実施例と同様に、プリンタ150への操作に応じたプリンタ150からの信号の受信と、アカウント名AN1を利用したログインの成功と、の2個の条件(T500及びT516)が満たされる場合に、プリンタ150のパスワードがリセットされる。第1実施例と同様に、プリンタ100のパスワードをセキュアに変更し得る。
【0094】
(対応関係)
図8のT514のOKボタンの選択、T516のOK通知、T526の許可信号が、それぞれ、「変更操作」、「所定の信号」、「許可信号」の一例である。T500の第1のリセット要求、T510の第2のリセット要求が、それぞれ、「第1の要求」、
「第2の要求」の一例である。
【0095】
(第7実施例の変形例)
本変形例では、T510の処理が省略される。この場合、例えば、端末10は、T508の処理の後に、T506で選択したモデル名「yyyy」によって示されるプリンタ150に対して特定の操作を促す特定の画面を表示する。特定の操作は、確認画面SC13をプリンタ150に表示させるための操作である。管理者は、特定の画面を見て、特定の操作をプリンタ150に実行する。これにより、T512以降の処理が実行される。本変形例でも、プリンタ100のパスワードをセキュアに変更し得る。
【0096】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0097】
(変形例1) 「デバイス」は、プリンタ100に限らず、例えば、スキャナ、FAX装置、PC等であってもよい。
【0098】
(変形例2) 「識別情報」は、シリアル番号SN1に限らず、例えば、プリンタ100のMACアドレス等であってもよい。
【0099】
(変形例3)
図4のT108のログイン要求メールに代えて、例えば、Short Message Service(SMS)のメッセージ、Social Networking Service(SNS)のメッセージ等が送信されてもよい。本変形例では、SMS及びSNSのメッセージが、「メッセージ」の一例である。
【0100】
(変形例4)
図5のT210の許可画面SC10に代えて、例えば、許可ボタンを含まず、パスワードがリセットされる旨のメッセージを含む画面が表示されてもよい。本変形例では、当該画面に対応する画面データが、「画面データ」の一例である。
【0101】
(変形例5)
図6の第5実施例において、アクセスURLは、一時トークンを含まなくてもよい。本変形例では、一時トークンを含まないアクセスURLが、「URL」bの一例である。
【0102】
(変形例6) 第4実施例の許可画面SC10は、第4実施例に限らず、他の実施例にも適用可能である。例えば、許可画面SC10を第1実施例に適用する場合には、端末10は、ログイン成功後に、許可画面SC10を表示してもよい。
【0103】
(変形例7) 第5実施例のログイン要求メールは、HTML形式のメールであってもよい。この場合に、ログイン要求メールの表示画面には、許可ボタンと、キャンセルボタンと、が含まれていてもよい。そして、許可ボタンには、アクセスURLが関連付けられていてもよい。一方、キャンセルボタンには、パスワードのリセットを許可しないことを示す情報が付与されたURLが関連付けられていてもよい。本変形例では、ログイン要求メールの表示画面が、「許可画面」の一例である。
【0104】
(変形例8)
図2及び
図3におけるプリンタ100の登録では、端末10とは異なる他の端末装置が利用されてもよい。本変形例では、他の端末装置が、「外部装置」の一例である。
【0105】
(変形例9)
図2及び
図3におけるプリンタ100の登録方法は、一例に過ぎず、例えば、PINコードは利用されなくてもよい。本変形例では、「特定情報」を省略可能である。
【0106】
(変形例10) サーバ200は、許可設定250を記憶していなくてもよい。本変形例では、「設定値」を省略可能である。
【0107】
(変形例11) 上記の実施例では、各CPUが各プログラムを実行することによって、
図2~
図8の各処理が実現される。これに代えて、いずれかの処理は、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0108】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0109】
本特許出願時の特許請求の範囲において、各請求項が一部の請求項のみに従属している場合であっても、各請求項が当該一部の請求項のみに従属可能であることに限定されない。技術的に矛盾しない範囲において、各請求項は、出願時に従属していない他の請求項にも従属可能である。即ち、各請求項の技術は以下のように様々に組み合わせることができる。
(項目1)
サーバであって、
デバイスを識別する識別情報と、アカウント情報と、を関連付けて記憶するメモリと、
前記デバイスに現在設定されているパスワードを変更するための変更操作が前記デバイスに実行される場合に、前記デバイスから所定の信号を受信する信号受信部と、
特定の条件が満たされる場合に、前記パスワードの変更を許可する許可信号を前記デバイスに送信する信号送信部であって、前記特定の条件は、前記デバイスから前記所定の信号が受信され、かつ、前記デバイスとは異なる端末装置が、前記デバイスを識別する前記識別情報と関連付けて記憶されている前記アカウント情報を利用して前記サーバにログインしていることである、前記信号送信部と、
を備える、サーバ。
(項目2)
前記サーバは、さらに、
前記デバイスから前記所定の信号が受信される場合に、前記サーバへのログインを促すメッセージを前記端末装置に送信するメッセージ送信部を備える、項目1に記載のサーバ。
(項目3)
前記メッセージ送信部は、前記端末装置が前記アカウント情報を利用して前記サーバにログインしていない状況で、前記デバイスから前記所定の信号が受信される場合に、前記メッセージを前記端末装置に送信し、
前記サーバは、さらに、
前記端末装置が前記アカウント情報を利用して前記サーバにログインしている状況で、前記デバイスから前記所定の信号が受信される場合に、前記デバイスに前記変更操作が実行されたことを示す画面に対応する画面データを前記端末装置に送信する第1のデータ送信部を備える、項目2に記載のサーバ。
(項目4)
前記メッセージは、前記サーバへログインするためのログイン画面を表示するためのURLを含む、項目2又は3に記載のサーバ。
(項目5)
前記端末装置が前記アカウント情報を利用して前記サーバにログインしている状況で、前記デバイスから前記所定の信号が受信されることにより、前記特定の条件が満たされる、項目1に記載のサーバ。
(項目6)
前記サーバは、さらに、
前記端末装置が前記アカウント情報を利用して前記サーバにログインしている状況で、前記端末装置から、前記パスワードの変更を要求する第1の要求を受信する第1の要求受信部と、
前記端末装置から前記第1の要求が受信される場合に、前記変更操作の実行を要求する第2の要求を前記デバイスに送信する要求送信部と、
を備え、
前記デバイスは、前記第2の要求に従って、前記変更操作を促す画面を表示する、項目5に記載のサーバ。
(項目7)
前記信号受信部は、2個以上の前記デバイスのそれぞれから、前記所定の信号を受信し、
前記サーバは、さらに、
前記2個以上のデバイスのそれぞれから前記所定の信号が受信される場合に、前記2個以上のデバイスの中から特定のデバイスを選択するための選択画面に対応する選択画面データを前記端末装置に送信する第2のデータ送信部を備え、
前記信号送信部は、前記許可信号を前記選択画面において選択された前記特定のデバイスに送信する、項目1から6のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目8)
前記サーバは、さらに、
前記デバイスから前記所定の信号が受信される場合に、許可画面データを前記端末装置に送信する第3のデータ送信部を備え、
前記特定の条件は、前記デバイスから前記所定の信号が受信され、かつ、前記端末装置が前記アカウント情報を利用して前記サーバにログインしており、かつ、前記許可画面データに対応する許可画面において前記パスワードの変更を許可する指示が入力されることであり、
前記許可画面において前記パスワードの変更を許可しない指示が入力される場合に、前記特定の条件は、満たされない、項目1から7のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目9)
前記サーバは、さらに、
前記デバイスから前記所定の信号が受信される場合に、前記パスワードを変更すべき前記デバイスを示すデバイス情報を前記メモリに記憶させる第1の記憶制御部と、
前記許可画面において前記パスワードの変更を許可しない指示が入力される場合に、前記デバイス情報を前記メモリから削除する削除部と、
を備える、項目8に記載のサーバ。
(項目10)
前記許可信号は、前記デバイスに現在設定されている前記パスワードを初期のパスワードにリセットすることを許可する信号である、項目1から9のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目11)
前記サーバは、さらに、
外部装置から、前記アカウント情報を特定するための特定情報と、前記識別情報と、を含む登録要求を受信する第2の要求受信部と、
前記外部装置から前記登録要求が受信される場合に、前記特定情報によって特定される前記アカウント情報と、前記識別情報と、を関連付けて前記メモリに記憶させる第2の記憶制御部と、
を備える、項目1から10のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目12)
前記メモリは、さらに、
前記許可信号を利用した前記パスワードの変更を許可する第1の値と、前記許可信号を利用した前記パスワードの変更を許可しない第2の値と、のいずれかを示す設定値を記憶する、項目1から11のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目13)
サーバのためのコンピュータプログラムであって、
前記サーバは、
デバイスを識別する識別情報と、アカウント情報と、を関連付けて記憶するメモリと、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、即ち、
前記デバイスに現在設定されているパスワードを変更するための変更操作が前記デバイスに実行される場合に、前記デバイスから所定の信号を受信する信号受信部と、
特定の条件が満たされる場合に、前記パスワードの変更を許可する許可信号を前記デバイスに送信する信号送信部であって、前記特定の条件は、前記デバイスから前記所定の信号が受信され、かつ、前記デバイスとは異なる端末装置が、前記デバイスを識別する前記識別情報と関連付けて記憶されている前記アカウント情報を利用して前記サーバにログインしていることである、前記信号送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
(項目14)
サーバの制御方法であって、
前記サーバは、
デバイスを識別する識別情報と、アカウント情報と、を関連付けて記憶するメモリを備え、
前記制御方法は、
前記デバイスに現在設定されているパスワードを変更するための変更操作が前記デバイスに実行される場合に、前記デバイスから所定の信号を受信する信号受信工程と、
特定の条件が満たされる場合に、前記パスワードの変更を許可する許可信号を前記デバイスに送信する信号送信工程であって、前記特定の条件は、前記デバイスから前記所定の信号が受信され、かつ、前記デバイスとは異なる端末装置が、前記デバイスを識別する前記識別情報と関連付けて記憶されている前記アカウント情報を利用して前記サーバにログインしていることである、前記信号送信工程と、
を備える、制御方法。
【符号の説明】
【0110】
2 :通信システム
4 :LAN
6 :インターネット
10 :端末
12 :操作部
14 :表示部
20 :通信I/F
30 :制御部
32 :CPU
34 :メモリ
40 :OSプログラム
100 :プリンタ
112 :操作部
114 :表示部
116 :印刷実行部
120 :通信I/F
130 :制御部
132 :CPU
134 :メモリ
140 :プログラム
150 :プリンタ
200 :仲介サーバ
220 :通信I/F
230 :制御部
232 :CPU
234 :メモリ
240 :プログラム
242 :アカウントテーブル
244 :デバイステーブル
250 :許可設定
300 :サーバ
SN1、SN2 :シリアル番号
AN1 :アカウント名
SP1 :サーバパスワード
AT1 :アクセストークン
PW0 :初期パスワード
PW1 :現在パスワード
PW2、PW3 :新しいパスワード
SC2 :トップ画面
SC3 :ログイン画面
SC4 :PINコード画面
SC5 :PINコード入力画面
SC10 :許可画面
SC11 :選択画面
SC12 :選択画面
SC13 :確認画面