(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097645
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】ベビーカー
(51)【国際特許分類】
B62B 7/08 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
B62B7/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001239
(22)【出願日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】391021226
【氏名又は名称】株式会社カーメイト
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】仲田 良
(72)【発明者】
【氏名】平野 雅大
【テーマコード(参考)】
3D051
【Fターム(参考)】
3D051AA03
3D051AA11
3D051AA23
3D051BA03
3D051BB06
3D051CA09
(57)【要約】
【課題】折り畳んだときにベースシートが地面に接触しないベビーカーを提供する。
【解決手段】本発明のベビーカー10は、ハンドルフレーム12と前輪フレーム14と後輪フレーム16が連結部18を介して連結し、前記前輪フレーム14と前記ハンドルフレーム12を前記後輪フレーム16へ近接するように回動させて折り畳み可能なベビーカー10において、
前記後輪フレーム16から前記前輪フレーム14側へ延出してシート20を軸支する後連結フレーム21から前記シート20の後端が後方へ突出し、前記シート20及び背もたれ板25の上面を覆うベースシート24の先端が前記前輪フレーム14に固定され、折り畳んだときに前記シート20の後端で前記背もたれ板25を上方へ押し上げることを特徴としている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルフレームと前輪フレームと後輪フレームが連結部を介して連結し、前記前輪フレームと前記ハンドルフレームを前記後輪フレームへ近接するように回動させて折り畳み可能なベビーカーにおいて、
前記後輪フレームから前記前輪フレーム側へ延出してシートを軸支する後連結フレームから前記シートの後端が後方へ突出し、前記シート及び背もたれ板の上面を覆うベースシートの先端が前記前輪フレームに固定され、折り畳んだときに前記シートの後端で前記背もたれ板を上方へ押し上げることを特徴とするベビーカー。
【請求項2】
請求項1に記載されたベビーカーであって、
展開したときに前記シート上に前記背もたれ板の先端を載せていることを特徴とするベビーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドルフレームと前輪フレームと後輪フレームが連結部を介して所定範囲で回動可能に連結し、前輪フレームとハンドルフレームを後輪フレーム側に回動させて折り畳み可能なベビーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
乳幼児を乗せるベビーカーは、収納(不使用)時、交通機関の乗車時などのときに折り畳むことができるように構成されている(例えば特許文献1に開示)。
図8は従来のベビーカーの折り畳んだときの説明図である。同図(1)に示すように、ベースシート1はシート2と背もたれ3からなり、シート2は折り畳んだときに半分に折れるように折れ目が設けられている。(2)に示すようにハンドルフレーム4と前輪フレーム5を後輪フレーム6側へ回動させると、ベースシート1のシート2は折れ目で半分に折れ曲がる。(3)に示すようにベビーカーを完全に折り畳んだ状態では、ベースシート1の背もたれ3の先端部分が後輪7と同様に地面に接触してしまい汚れや破損のおそれがある。これは、連結部8から後輪7先端までの長さよりも、背もたれ3の長さが長いために接触してしまう。背もたれ3が接触しないように短くすると適用身長が制限されるなどユーザの使用性に影響を及ぼすことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点に鑑み、折り畳んだときにベースシートが地面に接触しないベビーカーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するための第1の手段として、ハンドルフレームと前輪フレームと後輪フレームが連結部を介して連結し、前記前輪フレームと前記ハンドルフレームを前記後輪フレームへ近接するように回動させて折り畳み可能なベビーカーにおいて、前記後輪フレームから前記前輪フレーム側へ延出してシートを軸支する後連結フレームから前記シートの後端が後方へ突出し、前記シート及び背もたれ板の上面を覆うベースシートの先端が前記前輪フレームに固定され、折り畳んだときに前記シートの後端で前記背もたれ板を上方へ押し上げることを特徴とするベビーカーを提供することにある。
上記第1の手段によれば、折り畳んだときに背もたれ板上部と地面との距離を容易に調整できベースシートが地面に接触せず、ベースシートの汚れや破損を防止できる。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための第2の手段として、第1の手段において、展開したときに前記シート上に前記背もたれ板の先端を載せていることを特徴とするベビーカーを提供することにある。
上記第2の手段によれば、確実にベースシートを上方へ引き上げるように持ち上げることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、折り畳んだときに背もたれ板上部と地面との距離を容易に調整できベースシートが地面に接触せず、ベースシートの汚れや破損を防止できる。
また折り畳んだときの全体の高さを抑えることができ、折り畳んだ状態で自立できる構成を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明のベビーカーの斜め上方から見た斜視図である。
【
図2】本発明のベビーカーの斜め下方から見た斜視図である。
【
図6】本発明のベビーカーの折り畳んだときの説明図である。
【
図8】従来のベビーカーの折り畳んだときの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のベビーカーの実施形態について、図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
【0010】
[ベビーカー10]
図1は、本発明のベビーカーの斜め上方から見た斜視図である。
図2は本発明のベビーカーの斜め下方から見た斜視図である。
図3はシートの拡大図である。
図4はシートの断面図である。
図5はステップの断面図である。
本発明のベビーカー10は、ハンドルフレーム12と前輪フレーム14と後輪フレーム16が連結部18を介して連結し、前輪フレーム14とハンドルフレーム12を後輪フレーム16へ近接するように回動させて折り畳み可能な構成を採用している。
ハンドルフレーム12は、ほぼU字形の長尺フレームであり、一端が連結部18に接続し、他端がハンドル13となる。ハンドル13はハンドル連結部13aを介して回動する。ハンドル13はベビーカー10を展開した状態と折り畳んだ状態に切り換える操作ボタン13bを備えている。
【0011】
前輪フレーム14は、ほぼU字形の短尺フレームであり、一端が連結部18に接続し、他端に前輪15を配置している。前輪フレーム14の先端(他端)の前輪15の上には所定の剛性を備えたプラスチック樹脂材を用いたステップ30を取り付けている。ステップ30は乳幼児の足置きとなる。
後輪フレーム16は、一対のストレート(棒状)フレームであり、一端が連結部18に接続し、他端に後輪17を配置している。
連結部18はハンドルフレーム12と前輪フレーム14と後輪フレーム16が接続し、このうち後輪フレーム16が固定されており、ハンドルフレーム12及び前輪フレーム14が後輪フレーム16側に接近するように回動自在に軸支する一対の部材である。ベビーカー10を展開したとき、ハンドルフレーム12と前輪フレーム14は同一直線状に配置され、後輪フレーム16はハンドルフレーム12と前輪フレーム14に対して直交する方向に延出する。
【0012】
シート20は、乳幼児が着座する座面であり、後輪フレーム16から前方下方へ延出したU字形の後連結フレーム21と、前輪フレーム14から後方下方へ延出したU字形の前連結フレーム22に跨って取り付けられている。シート20後方は後連結フレーム21に固定ベルト21aを介して軸回りを自由回動可能に取り付けられている。このときシート20後方は、後連結フレーム21から後方へ所定長さ突出している。シート20後方の突出量は、後述するベースシート24の長さによって設定されている。シート20後方の突出量を任意に変更することにより、折り畳んだときの地面からのベースシート24の高さを調整でき、かつ全体の高さも調整することができる。一方、シート20前方は前連結フレーム22上に載った状態で取り付けられている。
【0013】
ベースシート24は、下面にシート20に着座した乳幼児の背中を支持する背もたれ板25を内包して、着座した乳幼児を囲むように袋状に形成された布製部材である。ベースシート24の先端は、前輪フレーム14の先端に配置したステップ30に固定ベルト24aを介して固定されている。ベースシート24の上側部はハンドルフレーム12に固定されている。背もたれ板25は所定の耐久性及び重量を備えたプラスチック樹脂材である。
図4に示す背もたれ板25はシート20後端と所定間隔を開けて配置されている。
このように先端及び上側部を固定されたベースシート24は、ベビーカー10の展開時に下面の背もたれ板25の重さによってハンドルフレーム12からぶら下がるように広がってシート20の上面を覆って乳幼児の収容空間が形成される。なお背もたれ板25は、
図4に示すようにベースシート24に内包された形態の他にも、シート20と同様に、背もたれ板の表面に接着剤で接着又は固定ベルトで固定等させて表面を覆う形態を採用しても良い。またベースシート24の先端はステップ30に固定ベルト24aを介して固定される形態の他にも、折り畳んだときにベースシート24が背もたれ板25側の後方に引っ張られないように前輪フレーム14の先端側部に固定する形態を採用しても良い。
フロントガード26は、一対の連結部18に跨って取り付けられ、可撓性を有する部材で形成されている。
【0014】
[作用]
上記構成による本発明のベビーカーの作用について以下説明する。
図6は本発明のベビーカーの折り畳んだときの説明図である。同図(1)はベビーカー10を展開したときの側面の断面図を示している。同図(2)に示すように、ハンドル13の操作ボタン13bを操作して、ハンドルフレーム12及び前輪フレーム14を後輪フレーム16側に接近するように折り畳む。同図(3)に示すように、折り畳みが完了する過程で、ベースシート24は、先端が前輪フレーム14のステップ30に固定された状態であり、シート20後端が上方へ回動するときに隣接する背もたれ板25を内包するベースシート24を上方へ引き上げるように持ち上げる。このため、ベースシート24の上部、換言すると背もたれ板25の上部が地面から所定の高さに配置される。従って、従来のように折り畳んだときにベースシート24の上部が地面に接触することがなく、汚れ、破損のおそれがない。
【0015】
[変形例]
図7は変形例のシートの断面図である。図示のように変形例のベビーカーは、ベビーカー10を展開したときにシート20上面に背もたれ板25aの先端が乗るように構成している。このような変形例のベビーカーによれば、折り畳んだときに、背もたれ板25aの先端がシート20後端の裏面に嵌るおそれがなく確実にベースシート24を上方へ引き上げるように持ち上げることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
また、本発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
【符号の説明】
【0016】
1 ベースシート
2 シート
3 背もたれ
4 ハンドルフレーム
5 前輪フレーム
6 後輪フレーム
7 後輪
8 連結部
10 ベビーカー
12 ハンドルフレーム
13 ハンドル
13a ハンドル連結部
13b 操作ボタン
14 前輪フレーム
15 前輪
16 後輪フレーム
17 後輪
18 連結部
20 シート
21 後連結フレーム
21a 固定ベルト
22 前連結フレーム
24 ベースシート
24a 固定ベルト
25,25a 背もたれ板
26 フロントガード
30 ステップ