IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アン ビョンチョルの特許一覧 ▶ ヤス カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097656
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】マスクセットおよびマスクの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/04 20060101AFI20240711BHJP
   C23C 14/24 20060101ALI20240711BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20240711BHJP
   H10K 71/16 20230101ALI20240711BHJP
【FI】
C23C14/04 A
C23C14/24 G
H10K59/10
H10K71/16
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001262
(22)【出願日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】523008015
【氏名又は名称】アン ビョンチョル
【氏名又は名称原語表記】AHN, Byung Chul
【住所又は居所原語表記】La-dong 404ho, 270 Bangbae-ro, Seocho-gu, Seoul 06574 Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】514062585
【氏名又は名称】ヤス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(72)【発明者】
【氏名】アン ビョンチョル
(72)【発明者】
【氏名】ジョン グァンホ
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨングク
(72)【発明者】
【氏名】ジョン チャンヒ
【テーマコード(参考)】
3K107
4K029
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC45
3K107FF15
3K107GG04
3K107GG33
4K029AA24
4K029BA62
4K029BB03
4K029BD01
4K029CA01
4K029DB06
4K029HA01
4K029HA02
4K029HA03
4K029HA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】マスクの精度および機械的な強度を向上させたマスク、およびその製造方法を提供し、高解像度、または超高解像度の有機発光層のパターンを、蒸着不良を起こさず、均一に形成することができる有機発光表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1つのマスクを含むマスクセットにおいて、前記少なくとも1つのマスクは、開口領域が定義されたマスクフレーム110と、前記開口領域に対応し、パターン部121が設けられ、前記パターン部の縁部に沿って支持部123が定義されたマスクシート120と、前記支持部の背面と前記マスクフレームの側面を覆って位置する第1接着メッキ膜150とを含み、前記パターン部は、複数の開口部130が設けられた複数のセル部125と、前記複数のセル部の間と定義され、複数のダミーホールが設けられたベゼル部127とを含むマスクセットとする。
【選択図】図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのマスクを含むマスクセットにおいて、
前記少なくとも1つのマスクは、
開口領域が定義されたマスクフレームと、
前記開口領域に対応し、パターン部が設けられ、前記パターン部の縁部に沿って支持部が定義されたマスクシートと、
前記支持部の背面と前記マスクフレームの側面を覆って位置する第1接着メッキ膜とを含み、
前記パターン部は、複数の開口部が設けられた複数のセル部と、前記複数のセル部の間と定義され、複数のダミーホールが設けられたベゼル部とを含むマスクセット。
【請求項2】
前記支持部の背面と前記マスクフレームの上面との間に接着パッドが介在され、
前記第1接着メッキ膜は、前記接着パッドの外部に露出された前記支持部の背面と、前記接着パッドの内側側面、そして前記マスクフレームの側面を覆って位置する、請求項1に記載のマスクセット。
【請求項3】
前記少なくとも1つのマスクは、
前記セル部において、Rサブ画素に対応するR開口部が設けられた赤色のマスクと、
前記セル部において、Gサブ画素に対応するG開口部が設けられた緑色のマスクと、
前記セル部において、Bサブ画素に対応するB開口部が設けられた青色のマスクとを含み、
前記R・G・B開口部は、それぞれ前記セル部において、互いに異なる位置に配置され、
前記赤色・緑色・青色のマスクにおける前記複数のダミーホールは、前記ベゼル部において、互いに同じ位置に位置する、請求項1に記載のマスクセット。
【請求項4】
前記セル部のRD(Rib Density)値と、前記ベゼル部のRD(Rib Density)値による近似レベルの値(Approximation Level:AL)は、AL=|(BRD-CRD)×BRD|≦0.1と定義される、請求項1に記載のマスクセット。
【請求項5】
前記複数の開口部と前記複数のダミーホールは、テーパー状である、請求項1に記載のマスクセット。
【請求項6】
前記接着パッドは、前記マスクフレームから前記開口領域に向かって突出する突出部を含む、請求項2に記載のマスクセット。
【請求項7】
前記接着パッドは、伝導性物質を含む、請求項2に記載のマスクセット。
【請求項8】
前記第1接着メッキ膜は、50μm~250μmの厚さを有する、請求項1に記載のマスクセット。
【請求項9】
前記第1接着メッキ膜は、前記マスクシートおよび前記マスクフレームと同一材質からなる、請求項1に記載のマスクセット。
【請求項10】
前記第1接着メッキ膜を形成する溶液は、Ni、または/およびFeを含む、請求項9に記載のマスクセット。
【請求項11】
前記支持部の上面端部の一部および側面を覆い、前記接着パッドの外側側面、そして前記マスクフレームの上面の一部を覆って位置する第2接着メッキ膜をさらに含む、請求項2に記載のマスクセット。
【請求項12】
前記第2接着メッキ膜は、前記第1接着メッキ膜と同一材質からなる、請求項11に記載のマスクセット。
【請求項13】
前記マスクシートの背面において、前記ダミーホールに対応し、ベゼル部のカバー部をさらに含む、請求項1に記載のマスクセット。
【請求項14】
前記ベゼル部のカバー部は、高分子フィルムからなる、または、高分子フィルムとマスクシートの背面との間に粘着層がさらに介在されてなる二層構造である、請求項13に記載のマスクセット。
【請求項15】
前記ベゼル部のカバー部は、紫外線、または熱により硬化する、請求項13に記載のマスクセット。
【請求項16】
前記マスクシートの背面において、前記支持部および前記ベゼル部に対応するカバーシートをさらに含む、請求項2に記載のマスクセット。
【請求項17】
前記カバーシートは、前記接着パッドと前記マスクフレームとの間に位置し、
前記第1接着メッキ膜は、前記カバーシートの側面を覆って位置する、請求項16に記載のマスクセット。
【請求項18】
前記マスクフレームは、前記ベゼル部に対応し、前記マスクフレームの対向する端部フレーム同士を連結するリブ(Rib)をさらに含む、請求項1に記載のマスクセット。
【請求項19】
前記支持部の背面および前記マスクフレームの側面には、導電性接着剤が位置し、
前記第1接着メッキ膜は、前記導電性接着剤の上部において、前記支持部の背面と前記マスクフレームの側面を覆って位置する、請求項1に記載のマスクセット。
【請求項20】
a)導電膜が蒸着された陰極母板の上部に、第1絶縁パターンおよび第2絶縁パターンを設ける段階と、
b)1次電鋳(electroforming)を行い、前記導電膜の上部にメッキ膜を形成する段階と、
c)前記メッキ膜の上部において、前記メッキ膜の縁部に沿ってマスクフレームを接着する段階と、
d)前記マスクフレームに隣接する前記メッキ膜の表面一部と前記マスクフレームの一部を露出するよう、前記陰極母板の全面に絶縁膜を形成する段階と、
e)前記絶縁膜の外部に露出された前記メッキ膜の表面一部と、前記マスクフレームの一部に2次電鋳を行い、第1接着メッキ膜を形成する段階と、
f)前記導電膜を含む前記陰極母板と前記絶縁膜、そして前記絶縁パターンを除去し、マスクシートを形成する段階とを含み、
前記マスクシートは、セル部とベゼル部において、前記絶縁パターンに対応する開口部とダミーホールを含むマスクの製造方法。
【請求項21】
前記a)の段階の前に、
ガラス基板上に導電パターンを設ける段階と、
1次電鋳を行い、前記導電パターンの上部に前記メッキ膜を形成する段階とをさらに含む請求項20に記載のマスクの製造方法。
【請求項22】
前記b)の段階の後、前記メッキ膜の上部において、前記メッキ膜の縁部に沿って接着パッドを介し、前記マスクフレームを接着する段階をさらに含む、請求項20に記載のマスクの製造方法。
【請求項23】
前記接着パッドは伝導性物質を含み、
前記第1接着メッキ膜を形成する段階において、前記接着パッドは、前記マスクフレームから印加された電圧を前記導電膜に伝達する通路の役割と、パッド自体から電子を放出すると金属が析出し、電鋳が行われる電極の役割とを果たす、請求項22に記載のマスクの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光表示装置を製作する際に用いられる少なくとも1つのマスクを含むマスクセットおよびマスクの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、本格的な情報化時代になるにつれて、大量の情報を処理し、表示する情報ディスプレイに対する関心が高まり、また、携帯可能な情報媒体の利用に対する要求が強まって、それに応ずる様々な軽量かつ薄型のフラットパネル表示装置が開発され、脚光を浴びている。
【0003】
様々なフラットパネル表示装置のうち、有機発光表示装置(Organic Light Emitting Diodes:OLED)は、自己発光素子であるため、非発光素子の液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device:LCD)に用いられるバックライトが不要であることから、軽量・薄型が可能である。
【0004】
そして、液晶表示装置に比べて視野角およびコントラスト比が優れており、消費電力の面でも有利である。また、直流低電圧駆動が可能であり、応答速度が速い上に、内部構成要素が固体であるため、外部からの衝撃に強く、使用温度範囲も広いという長所を有する。
【0005】
一方、かかる有機発光表示装置は、構成要素のうち、アノード電極およびカソード電極を除き、正孔注入膜、正孔輸送膜、発光物質膜、電子輸送膜、電子注入膜などといった有機発光層を通常、真空熱蒸着法により形成するが、真空熱蒸着法は、真空チャンバーの内部で、粉末状の有機物が入っているるつぼ(Crucible)に熱を加えて有機物を加熱、昇華させ、蒸着する方法である。
【0006】
所望のパターンを持つ有機発光層が複数の場合、複数の開口部を有する微細金属マスク(Fine Metal Mask、以下、マスクとする)を用いる熱蒸着法が知られている。
【0007】
複数の開口部を有するマスクを蒸着基板に近接して位置させた後、マスクを介し、有機発光物質を蒸着基板に蒸着することで、所定のパターンで複数の離間したパターンを持つ有機発光層を形成する。
【0008】
ここで、蒸着基板上において所望の蒸着パターンを形成するためには、蒸着基板から離間しないよう、マスクを密着させることが重要である。そのため、マスク上における蒸着物質を通過させる複数の開口部の位置精度を厳密に再現し、固定しなければならない。
【0009】
そのため、マスクを製作するに当たり、目標とする画素位置正確度(Pixel Position Accuracy:PPA)を満たすよう設計することが重要となる。
【0010】
ここで、マスクの製作時における開口部の目標設計位置に対するマスクの開口部の位置正確度を製作PPAと正義することができる。また、真空チャンバー内で有機発光物質を蒸着する過程において、マスクの開口部の位置が変化することにより発生する蒸着基板上に蒸着されたパターンの位置正確度を蒸着PPAと定義することができる。
【0011】
近年、有機発光表示装置の場合、量産用として第6世代ハーフサイズまで基板が大きくなってきているが、第7世代、第8世代など大面積化が避けられない実情にあり、超高解像度のパターンを形成するため、開口部のさらに微細なサイズと開口部間の密な間隔が求められている。
【0012】
高解像度のパターンを形成するためには、画素の微細化と共にシャドー現象(Shadow Effect)の防止のため、マスクの厚さを薄くする必要があるが、現在の技術では所定の厚さ以下を実現させることは難しい問題がある。
【0013】
高解像度の開口部の精密加工のため、マスクを薄くした場合、マスクそのものにシワが寄り、また、重力方向に垂れることにより、製作PPAと蒸着PPAを一致させることが難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであって、既存のマスクの製造限界およびマスクの大面積化への技術的限界を克服し、マスクの精度および機械的な強度を向上させたマスクを提供することを第1の目的とする。
【0015】
これにより、本発明は、高解像度、または超高解像度の有機発光層のパターンを、蒸着不良を起こさず、均一に形成することができる有機発光表示装置の製造方法を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前述した目的を達成するため、本発明は、少なくとも1つのマスクを含むマスクセットにおいて、前記少なくとも1つのマスクは、開口領域が定義されたマスクフレームと、前記開口領域に対応してパターン部が設けられ、前記パターン部の縁部に沿って支持部が定義されたマスクシートと、前記支持部の背面と前記マスクフレームの側面を覆って位置する第1接着メッキ膜とを含み、前記パターン部は、複数の開口部が設けられた複数のセル部と、前記複数のセル部の間と定義され、複数のダミーホールが設けられたベゼル部とを含むマスクセットを提供する。
【0017】
ここで、前記支持部の背面と前記マスクフレームの上面との間に接着パッドが介在され、前記第1接着メッキ膜は、前記接着パッドの外部に露出された前記支持部の背面と、前記接着パッドの内側側面、そして前記マスクフレームの側面を覆って位置し、前記少なくとも1つのマスクは、前記セル部において、Rサブ画素に対応するR開口部が設けられた赤色のマスクと、前記セル部において、Gサブ画素に対応するG開口部が設けられた緑色のマスクと、前記セル部において、Bサブ画素に対応するB開口部が設けられた青色のマスクとを含み、前記R・G・B開口部は、それぞれ前記セル部において、互いに異なる位置に配置され、前記赤色・緑色・青色のマスクにおける前記複数のダミーホールは、前記ベゼル部において、互いに同じ位置に位置する。
【0018】
また、前記セル部のRD(Rib Density)値と、前記ベゼル部のRD(Rib Density)値による近似レベルの値(Approximation Level:AL)は、AL=|(BRD-CRD)×BRD|≦0.1と定義され、前記複数の開口部と前記複数のダミーホールは、テーパー状である。
【0019】
また、前記接着パッドは、前記マスクフレームから前記開口領域に向かって突出する突出部を含み、前記接着パッドは、伝導性物質を含む。
【0020】
また、前記第1接着メッキ膜は、50μm~250μmの厚さを有し、前記第1接着メッキ膜は、前記マスクシートおよび前記マスクフレームと同一材質からなる。ここで、前記第1接着メッキ膜を形成する溶液は、Ni、または/およびFeを含み、前記支持部の上面端部の一部および側面を覆い、前記接着パッドの外側側面、そして前記マスクフレームの上面の一部を覆って位置する第2接着メッキ膜をさらに含む。
【0021】
また、前記第2接着メッキ膜は、前記第1接着メッキ膜と同一材質からなり、前記マスクシートの背面において、前記ダミーホールに対応し、ベゼル部のカバー部をさらに含む。
【0022】
また、前記ベゼル部のカバー部は、高分子フィルムからなる、または、高分子フィルムとマスクシートの背面との間に粘着層がさらに介在されてなる二層構造であり、前記ベゼル部のカバー部は、紫外線、または熱により硬化する。
【0023】
また、前記マスクシートの背面において、前記支持部および前記ベゼル部に対応するカバーシートがさらに含まれ、前記カバーシートは、前記接着パッドと前記マスクフレームとの間に位置し、前記第1接着メッキ膜は、前記カバーシートの側面を覆って位置する。
【0024】
ここで、前記マスクフレームは、前記ベゼル部に対応し、前記マスクフレームの互いに対向する端部フレーム同士を連結するリブ(Rib)をさらに含み、前記支持部の背面および前記マスクフレームの側面には、導電性接着剤が位置する。前記第1接着メッキ膜は、前記導電性接着剤の上部において、前記支持部の背面および前記マスクフレームの側面を覆って位置する。また、本発明は、a)導電膜が蒸着された陰極母板の上部に、第1絶縁パターンおよび第2絶縁パターンを設ける段階と、b)1次電鋳(electroforming)を行い、前記導電膜の上部にメッキ膜を形成する段階と、c)前記メッキ膜の上部において、前記メッキ膜の縁部に沿ってマスクフレームを接着する段階と、d)前記マスクフレームに隣接する前記メッキ膜の表面一部と前記マスクフレームの一部を露出するよう、前記陰極母板の全面に絶縁膜を形成する段階と、e)前記絶縁膜の外部に露出された前記メッキ膜の表面一部と、前記マスクフレームの一部に2次電鋳を行い、第1接着メッキ膜を形成する段階と、f)前記導電膜を含む前記陰極母板と前記絶縁膜、そして前記絶縁パターンを除去し、マスクシートを形成する段階とを含み、前記マスクシートは、セル部とベゼル部において、前記絶縁パターンに対応する開口部とダミーホールを含むマスクの製造方法を提供する。
【0025】
ここで、前記a)の段階の前に、ガラス基板上に導電パターンを設ける段階と、1次電鋳を行い、前記導電パターンの上部に前記メッキ膜を形成する段階とをさらに含み、前記b)の段階の後、前記メッキ膜の上部において、前記メッキ膜の縁部に沿って接着パッドを介し、前記マスクフレームを接着する段階をさらに含む。
【0026】
前記接着パッドは伝導性物質を含み、前記第1接着メッキ膜を形成する段階において、前記接着パッドは、前記マスクフレームから印加された電圧を前記導電膜に伝達する通路の役割と、パッド自体から電子を放出すると金属が析出し、電鋳が行われる電極の役割とを果たす。
【発明の効果】
【0027】
前述したように、本発明に従い、マスクのマスクシートにおけるパターン部内のベゼル部上にダミーホールを設けることで、複数の開口部が設けられたセル部とベゼル部とにおける剛性差を減らすことができ、製作PPA(Pixel Position Accuracy)と蒸着PPAを最小にする効果がある。
【0028】
それにより、高解像度、または超高解像度の有機発光層のパターンを、蒸着不良を起こさず、均一に形成することができる効果を奏する。
【0029】
また、本発明の実施例に係るマスクのマスクシートを、電鋳(electroforming)方式により、インバー薄板に形成することで、マスクシートの形成工程を単純化することができ、製造のための設備コストを低減させることができ、また、薄い厚さを持つ大面積マスクシートを形成することができる効果を奏する。
【0030】
また、マスクシートが、接着パッドおよび第1接着メッキ膜を介し、マスクフレームと一体形成されるため、マスクシートが垂れることをさらに防止することができる。その結果、マスクを利用し、正確な位置に所定のパターンを蒸着することができ、蒸着PPAを向上させる効果を奏する。
【0031】
また、マスクの接着パッドおよび第1接着メッキ膜が、マスクシートの縁部に沿って位置することで、マスクフレームの方向に向かってマスクシートに自然と力が加わった状態で、マスクシートをマスクフレーム上に安定に載置し、接着・支持することができるため、マスクシートを別途引張させて整列する過程を行うことなく、マスクフレーム側にぴんと張ったマスクシートを、マスクフレームと一体に形成することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の第1実施例に係るマスクを概略的に示す斜視図である。
図2A】開口部を概略的に示す平面図である。
図2B】開口部を概略的に示す斜視図である。
図3】赤色・緑色・青色のマスクのCRD値を模写したグラフである。
図4A】マスクのCRDおよびBRDの設計による製作PPAを模写した変位分布図である。
図4B】マスクのCRDおよびBRDの設計による製作PPAを模写した変位分布図である。
図5A】マスクのCRDおよびBRDの設計による蒸着PPAを模写した変位分布図である。
図5B】マスクのCRDおよびBRDの設計による蒸着PPAを模写した変位分布図である。
図6A】本発明の第1実施例に係るマスクを概略的に示す断面図である。
図6B図6AのAを拡大して示す拡大図である。
図7A】本発明の第1実施例の変形例であって、図6AのAを拡大して示す拡大図である。
図7B】本発明の第1実施例の変形例であって、図6AのAを拡大して示す拡大図である。
図8A】セル部およびベゼル部を概略的に示す平面図である。
図8B】セル部およびベゼル部を概略的に示す平面図である。
図8C】セル部およびベゼル部を概略的に示す平面図である。
図9】本発明の第1実施例に係るマスクを利用し、基板上に形成した有機発光層を概略的に示す平面図である。
図10図9のX‐X'線に沿った断面図である。
図11A】本発明の第1実施例に係るマスクの製造過程を、工程の順番に沿って示す工程概略図である。
図11B】本発明の第1実施例に係るマスクの製造過程を、工程の順番に沿って示す工程概略図である。
図11C】本発明の第1実施例に係るマスクの製造過程を、工程の順番に沿って示す工程概略図である。
図11D】本発明の第1実施例に係るマスクの製造過程を、工程の順番に沿って示す工程概略図である。
図11E】本発明の第1実施例に係るマスクの製造過程を、工程の順番に沿って示す工程概略図である。
図11F】本発明の第1実施例に係るマスクの製造過程を、工程の順番に沿って示す工程概略図である。
図11G】本発明の第1実施例に係るマスクの製造過程を、工程の順番に沿って示す工程概略図である。
図12】本発明の第1実施例に係るマスクの背面を概略的に示す背面平面図である。
図13】本発明の第2実施例に係るマスクを概略的に示す断面図である。
図14】本発明の第2実施例に係るマスクを概略的に示す断面図である。
図15】本発明の第3実施例に係るマスクを概略的に示す断面図である。
図16A】本発明の第4実施例に係るマスクを概略的に示す断面図である。
図16B図16Aの背面平面図である。
図17】本発明の第5実施例に係るマスクを概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施例について詳細に説明する。
【0034】
第1実施例
図1は、本発明の第1実施例に係るマスクを概略的に示す斜視図であり、図2Aは、開口部を概略的に示す平面図であり、図2Bは、開口部を概略的に示す斜視図である。
【0035】
図1に示すように、本発明の第1実施例に係るマスク100は、大きく分けて矩形状のマスクフレーム110と、マスクフレーム110に安定に載置されるマスクシート120とで構成される。
【0036】
マスクフレーム110は、その中央に略矩形状の開口領域Gを有する四角い枠状であり、一定の厚さを有する第1~第4端部フレーム110a、110b、110c、110dを含む。
【0037】
かかるマスクフレーム110の開口領域G内にはマスクシート120が位置するが、マスクフレーム110は、熱変形などを考慮し、マスクシート120と同一材質で構成されることが好ましい。
【0038】
マスクシート120は、複数の開口部130が設けられたパターン部121と、パターン部121の縁部に沿って配置される支持部123とで定義される。ここで、マスクシート120のパターン部121と支持部123は、形成位置により、別の名称および符号を付して記載したが、パターン部121と支持部123は、互いに分離した領域ではなく、同一材質からなり、一体に接続された構成である。
【0039】
言い換えると、パターン部121と支持部123は、マスク100を形成する電鋳(Electroforming)工程で電着メッキされ、同時に形成されるメッキ膜、またはマスクシート120の各部分である。マスク100の製造工程については、後で詳述する。
【0040】
かかるマスクシート120は、マスクフレーム110に対応する形状となっているが、マスクシート120の4つの端部に定義された支持部123は、それぞれマスクフレーム110の第1~第4端部フレーム110a、110b、110c、110d上に支持され、固定される。
【0041】
このように、マスクフレーム110がマスクシート120の端部を取り囲み、支持することにより、マスクシート120は垂れる、またはねじれることなく、ぴんと張った状態で支持される。
【0042】
ここで、本発明の第1実施例に係るマスク100は、マスクフレーム110とマスクシート120の支持部123が、溶接により固定されるものではなく、接着パッド140(図6Aを参照)を介して接着され、固定される。
【0043】
接着パッド140(図6Aを参照)は、有機系高分子材料に導電性材料を分散させた材料からなるが、マスク洗浄工程で反応しないよう、耐化学性の強いエポキシ系の有機材料を用いることが好ましい。
【0044】
また、導電性材料は、カーボン、Ag、Cu、Niなどの金属粉、またはナノワイヤなどを含むことができる。これにより、本発明の第1実施例に係るマスク100は、第1接着メッキ膜150(図6Bを参照)をさらに含むことができる。
【0045】
マスクシート120のパターン部121には、有機発光表示装置300(図10を参照)の表示領域AA(図10を参照)に対応する一定の大きさを持つ複数のセル部125が構成され、複数のセル部125間にベゼル部127が構成される。
【0046】
ここで、スマートフォンのような小型表示装置の場合、マスク100に含まれた複数の蒸着領域のうち、いずれか1つのセル部125は、1つの表示装置を形成するためのものであり得る。1つのマスク100は、複数のセル部125を含むことができるので、複数の表示装置を同時に形成することができる。したがって、本発明の第1実施例に係るマスク100は、工程効率を向上させることができる。
【0047】
一方、テレビジョンのような大型表示装置の場合は、1つのマスク100に含まれた複数のセル部125が、1つの表示装置を形成するための一部であり得る。
【0048】
すなわち、マスクシート120のパターン部121にはセル部125とベゼル部127が定義されるが、蒸着基板上に有機発光物質を蒸着する際、マスクシート120の各セル部125が表示装置の表示領域AA(図10を参照)に対応するよう配置され、マスクシート120のベゼル部127は、表示装置の周辺領域、すなわち、非表示領域BA(図10を参照)に対応するよう配置される。
【0049】
各々のセル部125は、所定の間隔で離間し、加熱され昇華した有機物(不図示)が通過できるよう、各々が蒸着基板上に定義されたサブ画素R‐SP、G‐SP、B‐SP(図10を参照)に対応する一定の大きさを持つ複数の開口部130と、複数の開口部間の遮蔽部135とを含む。
【0050】
蒸着物質は、かかる複数の開口部130のそれぞれを通過し、蒸着基板上に蒸着することになる。
【0051】
図2Aおよび図2Bを参照し、セル部125を拡大すると、R・G・Bサブ画素R‐SP、G‐SP、B‐SP(図10を参照)に対応する複数の開口部130を確認することができる。開口部130は、その側面131が傾いた形状、テーパー状、または上部から下部に行くほどパターン幅が広くなる形状であり得る。
【0052】
そのため、マスク100において、蒸着基板に対向する面の開口部130の大きさと、蒸着源に対向する面の開口部130の大きさとが、互いに異なるよう形成されるが、これにより、有機発光物質を用いた蒸着工程を行う際のシャドー現象(Shadow Effect)を最小化することができる。
【0053】
ここで、本発明の第1実施例に係るマスク100は、複数のセル部125の間と定義されるベゼル部127において、ダミーホール200が設けられることを特徴とする。
【0054】
ダミーホール200により、マスクシート120のベゼル部127は、開口部130を含むセル部125と類似したRD(Rib Density)値を有することになる。ここで、ベゼル部127のRD値は、ダミーホール200を除いたベゼル部127の体積を、ダミーホール200のない理想状態の体積で割った値である。すなわち、ベゼル部127の密度を意味する。
【0055】
また、セル部125のRD値は、開口部130を除いたセル部125の体積を、開口部130のない理想的なセル部125の体積で割った値と定義される。
【0056】
ここで、RD値の近似レベルの値(Approximation Level:AL)は、次の式(1)を満たすことができる。
【0057】
式(1)
AL=|(BRD-CRD)×BRD|≦0.1
【0058】
ここで、BRDは、マスク100のベゼル部127のRD値を意味し、CRDは、マスク100のセル部125のRD値を意味する。
【0059】
すなわち、ベゼル部127のRD値とセル部125のRD値の近似レベルの値が0.1以下を満たすようにする。
【0060】
これにより、複数のダミーホール200を含むベゼル部127が、開口部130を含むセル部125と類似したRD値を有することになる。
【0061】
このように、近似レベルの値が0.1以下となるよう、マスクシート120のベゼル部127とセル部125が類似したRD値を有するように設計することで、本発明の第1実施例に係るマスク100は、セル部125とベゼル部127との剛性差を減らすことができる。
【0062】
言い換えると、セル部125に多くの開口部130が位置しているため、ベゼル部127に比べ、相対的に剛性が低くなり得るが、ベゼル部127がセル部125と類似したRD値を有するよう、ベゼル部127にダミーホール200を形成することで、ベゼル部127とセル部125との剛性差を減らすことができる。
【0063】
マスクシート120のベゼル部127とセル部125とにおける剛性差が減ることにより、製作PPA(Pixel Position Accuracy)が最小になるのて、蒸着PPAが向上することになる。
【0064】
したがって、高解像度、または超高解像度の有機発光層のパターンを、蒸着不良を起こさず、均一に形成することができる。
【0065】
次の表1に、ベゼル部127におけるダミーホール200の幅を調整(BRD=0.58~1.00)しながら、製作PPAを模写した実験の結果を示す。
【0066】
【表1】
【0067】
表1から、RD値の近似レベルの値(AL)が減少するほど製作PPAも減少することを確認することができる。ベゼル部127のRD値とセル部125のRD値は、近似レベルの値(AL)が0.1以下を満たすようにすることで、最小化した製作PPAを有するよう設計することができる。
【0068】
図3は、赤色・緑色・青色のマスクのCRD値を模写したグラフである。横軸は近似レベルの値(AL)を表し、縦軸は製作PPAを表す。BRDは、ダミーホール200のない1.0と固定した。
【0069】
サンプルA、サンプルB、サンプルCは、それぞれ8世代サイズの赤色のマスク、緑色のマスク、青色のマスクを表し、サンプルDはモバイルに用いられる緑色のマスクを表す。サンプルE、サンプルF、サンプルGは、それぞれQXGA(Quad eXtended Graphics Array)表示装置に用いられる赤色のマスク、緑色のマスク、青色のマスクを表す。
【0070】
図3を参照すると、サンプルA、サンプルB、サンプルC、サンプルD、サンプルE、サンプルF、サンプルGの全ての製作PPAを5μm~6μm(モバイルの場合、3μm~4μm水準)水準と低く設計しようとする場合、近似レベルの値(AL)は0.1以下を満たすようにすることが好ましいことを確認することができる。
【0071】
図4Aおよび図4B、そして表2は、マスク100のCRDおよびBRDの設計による製作PPAを模写した実験結果であり、マスク100の変位分布を示す。
【0072】
実験のため、長さ方向の両端部においてエッジベゼル部(Edge Bezel:EBZ)を具現化したが、図4Aおよび図4Bのマスクシート120は、Ni金属を含むインバー薄板からなり、2200mm×500mmの大きさと10μmの厚さを有する。
【0073】
図4Aおよび図4Bのサンプルは、近似レベルの値(AL)における設計差だけを確認するため、本発明の第1実施例のようにマスクシート120の4つの端部を接着パッド140を介し、マスクフレーム110に接着し、固定した。
【0074】
図4A(サンプル6)は、CRDが0.58、BRDが1.0と、近似レベルの値(AL)が0.42を満たすように設計し、図4B(サンプル1)は、本発明の第1実施例に係るマスク100と同様、CRDおよびBRDが0.58と、近似レベルの値(AL)が0を満たすように設計した。
【0075】
【表2】
【0076】
図4Aおよび図4Bにおいて、白色の部分は、応力が集中し、変位が発生した箇所であり、黒色の部分は、応力が最も弱く、変位が発生しない箇所である。図4A(サンプル6)から、エッジベゼル部(EBZ)に隣接して変位が発生したことを確認することができる。ここで、図4Aにおける変位量の面内分布を見ると、エッジベゼル部(EBZ)から中心方向に向かって等変位が一定に生じることを確認することができる。これは、ベゼル部とセル部の近似レベルの値(AL)が相違し、マスクシート120のベゼル部127とセル部125において、剛性差が発生したためである。
【0077】
かかる図4Aのサンプル6は、製作PPAの最大値が14.6μmとなる。
【0078】
一方、図4Bのサンプル1では、変位が発生していないことを確認することができる。本発明の第1実施例に係るサンプル1は、マスクシート120のベゼル部127とセル部125とにおける剛性差を減らすことにより、変位が発生しないものと解釈することができる。
【0079】
かかる本発明の第1実施例に係るサンプル1では、製作PPAの最大値が1.6μmと、近年求められているマスク100の製作PPAが3μmであることを考慮すると、非常に改善されたことを確認することができる。
【0080】
一方、表1の製作PPAと近似レベルの値(AL)の関係を、次の式(2)のように2次式として近似することができる。製作PPAをyと正義し、近似レベルの値(AL)をaと定義すると、式(2)は次のように定義することができる。
【0081】
式(2)
y=24.14a2+20.52a+1.62
【0082】
式(2)により、製作PPAが3μmを満たす近似レベルの値(AL)を計算すると、0.024となる。
【0083】
分かりやすく説明すると、CRD=0.58が求められる製品を8世代サイズに配置してマスクを形成し、製作PPAに大きな影響を与えるエッジベゼル部(EBZ)を200mmに構成した場合、ベゼル部127のRD値であるBRDを0.594(AL=0.024)以下に設計しないと、製作PPAを3μm以下に製作することができない。
【0084】
ここで、基板の大きさ、製品の大きさ、解像度などにより、許容可能な目標製作PPAは3μm~5μmの範囲で設定されると予想される。しかしながら、歩留まりの極大化のため、AL=0の設計により、製作PPAを0に収束するようにすることが好ましい。
【0085】
図3に示す代表的な今後の製品であるマスク100の目標製作PPAを4μmに設定した場合、最大(Max)CRDが0.58、最小(Min)CRDが0.80であるとき、ALは、それぞれ0.1以下、0.03以下を満たさなければならない。
【0086】
図5Aおよび図5B、そして表3は、マスク100のCRDおよびBRDの設計による蒸着PPAを測定した実験結果であり、マスク100の変位分布を示す。
【0087】
実験のため、長さ方向の両端部においてエッジベゼル部(EBZ)を具現化したが、図5Aおよび図5のマスクシート120は、Ni金属を含むインバー薄板からなり、2200mm×500mmの大きさと10μmの厚さを有する。
【0088】
図5Aおよび図5Bのサンプルは、近似レベルの値(AL)における設計差だけを確認するため、本発明の第1実施例のようにマスクシート120の4つの端部を接着パッド140を介し、マスクフレーム110に接着し、固定した。
【0089】
図5A(サンプル6)は、CRDが0.58、BRDが1.0と、近似レベルの値(AL)が0.42を満たすように設計し、図5B(サンプル1)は、本発明の第1実施例に係るマスク100と同様、CRDおよびBRDが0.58と、近似レベルの値(AL)が0を満たすように設計した。
【0090】
また、蒸着工程時のマスクフレームの温度は25℃に固定し、マスクシート120の温度は35℃まで10℃上昇すると仮定し、蒸着PPAを模写した。ここで、蒸着PPAの影響だけを見るため、両サンプルの製作PPAを0に設定し、模写した。
【0091】
【表3】
【0092】
図5A(サンプル6)から、エッジベゼル部(EBZ)に隣接して変位が発生したことを確認することができる。かかる図5A(サンプル6)は、蒸着PPAの最大値が8.74μmとなる。一方、図5Bのサンプル1は、変位が発生していないが、蒸着PPAの最大値は0.92μmであり、サンプル6に比べ、蒸着PPAが向上したことを確認することができる。
【0093】
すなわち、本発明の第1実施例に係るマスク100は、連続的な工程により蒸着工程の温度が10℃上昇しても、蒸着PPAを均一に形成することができる。
【0094】
図6Aは、本発明の第1実施例に係るマスクを概略的に示す断面図であり、図6Bは、図6AのAを拡大して示す拡大図である。
【0095】
図7Aおよび図7Bは、本発明の第1実施例の変形例であって、図6AのAを拡大して示す拡大図である。
【0096】
図6Aに示すように、本発明の第1実施例に係るマスク100は、マスクフレーム110の開口領域Gに対応し、マスクシート120のパターン部121が位置するよう、マスクシート120の縁部に沿って定義された支持部123が、マスクフレーム110上に安定に載置され、支持・接着される。
【0097】
マスクシート120のパターン部121に設けられた複数のセル部125には、それぞれ複数の開口部130が構成されるが、各々の開口部130は、その側面(図2Bの131)が傾いた形状、テーパー状、または上部(蒸着基板に対向する一面)から下部(蒸着源に対向する一面)に行くほどパターン幅が広くなる形状であり得る。
【0098】
すなわち、開口部130は、第1表面側aの幅が第1表面側aの反対側である第2表面側bの幅より大きく形成され、開口部130を構成する側面(図2Bの131)の幅が蒸着方向に沿って次第に狭くなるよう傾いたテーパー状である。
【0099】
また、複数のセル部125の間と定義されるベゼル部127に設けられた複数のダミーホール200も、開口部130と同様、蒸着方向に沿って次第に幅が狭くなるよう傾いたテーパー状であり得る。
【0100】
かかるマスクシート120は、縁部に沿って定義された支持部123の下部に備えられる接着パッド140を介し、マスクフレーム110上に安定に載置され、支持・接着される。接着パッド140は、エポキシ樹脂系の接着剤などから構成することができる。例えば、接着性を持つフォームの形態をしており、マスクシート120、またはマスクフレーム110が受ける衝撃を緩衝することで、互いに伝達し合う衝撃力を減らす役割を果たすこともできる。
【0101】
接着パッド140は、約10μm~100μmと、薄い厚さを有することができる。マスクフレーム110の加工平坦度は最大100μmであり得るので、接着パッド140をマスクシート120とマスクフレーム110との間に介在しても、接着パッド140による段差には殆ど影響が及ばない。
【0102】
また、本発明の第1実施例に係るマスク100は、接着パッド140と接着していないマスクシート120の支持部123の背面の一部と、マスクフレーム110との間に第1接着メッキ膜150がさらに塗布されることを特徴とする。
【0103】
第1接着メッキ膜150は、マスクシート120の支持部123の背面の一部から接着パッド140の内側側面を覆い、マスクフレーム110の側面まで延伸して塗布することができる。
【0104】
かかる第1接着メッキ膜150は、マスク100の残留応力および重力により接着パッド140に印加されるせん断応力による製作PPAの変位を防止する役割を果たす。
【0105】
かかる第1接着メッキ膜150は、50μm~250μmの厚さに塗布することができるが、50μm以下に塗布した場合、マスクシート120とマスクフレーム110の接着力を保持するには、第1接着メッキ膜150の接着力が非常に弱く、実質的に接着性を持ち難い。また、マスクシート120の支持部123とマスクフレーム110との間の隙間を満たせないこともあり得る。
【0106】
その結果、空隙が形成され、後続の洗浄工程などにおいて、洗浄液などが空隙内に浸透することがある。
【0107】
これは、乾燥過程で洗浄液などが残留したまま蒸着器に搬入された場合、有機発光物質を蒸着する過程において蒸発し、有機発光物質の異物として反応し、有機発光層の寿命などに影響を及ぼし得る。
【0108】
また、第1接着メッキ膜150の厚さを250μm以上に塗布した場合は、メッキ膜自体のストレスにより、膜が浮いてしまう問題が発生し得る。
【0109】
すなわち、250μm以上の厚さを有する第1接着メッキ膜150の形成自体が難しい。
【0110】
特に、マスクフレーム110をリサイクルする過程において、塗布された第1接着メッキ膜150が厚すぎると、第1接着メッキ膜150の除去が非常に難しくなるので、第1接着メッキ膜150は、200μmの厚さに塗布されるようにすることが好ましい。
【0111】
第1接着メッキ膜150は、熱変形などを考慮し、マスクフレーム110およびマスクシート120と同一材質からなることが好ましい。特に、マスクフレーム110とマスクシート120とを金属結合できるよう、NiまたはNi合金からなるようにすることが好ましい。
【0112】
すなわち、本発明の第1実施例に係るマスク100は、マスクフレーム110とマスクシート120が、接着パッド140および第1接着メッキ膜150を介して一体に連結される。
【0113】
このとき、接着パッド140および第1接着メッキ膜150は、マスクシート120の縁部に沿って位置することで、マスクシート120の残留応力によりマスクフレーム110の方向に、マスクシート120に引張力が作用する状態で、マスクシート120をマスクフレーム110上に安定に載置し、接着・支持することができる。
【0114】
したがって、本発明の第1実施例に係るマスク100は、マスクシート120を別途引張させ、整列する過程を行うことなく、マスクフレーム110側にぴんと張ったマスクシート120を、マスクフレーム110と一体に形成することができる。
【0115】
一方、接着パッド140は、図7Aに示すように、マスクフレーム110から前記開口領域Gの内部へとさらに突出し、マスクシート120の支持部123の背面に貼り付けられてもよい。
【0116】
突出した接着パッド140を含み、マスクシート120の支持部123の背面の一部と、マスクフレーム110の側面には、第1接着メッキ膜150を塗布することができる。
【0117】
このように、マスクフレーム110から突出するよう、接着パッド140をマスクシート120の支持部123の背面に貼り付けることで、マスクシート120と、マスクフレーム110と、第1接着メッキ膜150との間に別途の空隙が形成されることを防止することができる。
【0118】
マスク100におけるマスクシート120とマスクフレーム110との接合構造内に空隙が形成された場合、マスク100の製作PPAにおける変位が発生し得る。また、マスク100の洗浄工程などで洗浄液などが空隙の内部に浸透し、乾燥過程で残留したまま蒸着器に搬入された場合、有機発光物質を蒸着する過程において蒸発し、有機発光物質の異物として反応し、有機発光層の寿命などに影響を及ぼし得る。
【0119】
接着パッド140は、マスクフレーム110から約50μm~500μm突出するように形成することができるが、接着パッド140の突出部140aの幅を50μm以下にすると、マスクシート120の支持部123の背面に貼り付けられた接着パッド140をマスクフレーム110上に接着させる過程において、工程のバラツキにより、マスクシート120とマスクフレーム110との接合構造内に空隙が形成され得るためである。
【0120】
また、接着パッド140が、500μm以上の幅を持つ突出部140aを有する場合、200μmの厚さに塗布された第1接着メッキ膜150に短絡が発生し得るためである。
【0121】
さらに、本発明の第1実施例に係るマスク100は、図7Bに示すように、マスクシート120の支持部123の上面端部の一部および側面、接着パッド140の外側側面、そしてマスクフレーム110の上面の一部を覆うよう、第2接着メッキ膜160をさらに形成することもできる。
【0122】
それにより、マスク100の端部における剛性をさらに向上させることができる。
【0123】
ここで、第2接着メッキ膜160は、第1接着メッキ膜150と同一材質からなり、20μm以下に塗布されることが好ましい。第2接着メッキ膜160を20μm以上に形成した場合、蒸着基板の隅部とマスク100とが互いに密着しないことがあるが、これは、蒸着PPAにおける変位を発生させることができる。
【0124】
以上をまとめると、本発明の第1実施例に係るマスク100は、マスクシート120におけるパターン部121内のベゼル部127にダミーホール200をさらに設けることで、複数の開口部130が設けられたセル部125とベゼル部127とにおける剛性差を減らすことができる。
【0125】
したがって、製作PPAが最小となり、蒸着PPAが向上する。その結果、高解像度、または超高解像度の有機発光層のパターンを、蒸着不良を起こすことなく均一に形成することができるようになる。
【0126】
また、本発明の第1実施例に係るマスク100は、マスクシート120とマスクフレーム110とが、接着パッド140および第1接着メッキ膜150を介し、互いに一体に連結されるようにすることで、バー形状の複数のマスクシート120を別途引張させ、整列する過程を行うことなく、マスクフレーム110側にぴんと張ったマスクシート120を、マスクフレーム110と一体に形成することができる。
【0127】
一方、かかるマスク100は、開口部130の位置および大きさにより、赤色・緑色・青色のマスクに区分することができるが、本発明の第1実施例に係るマスク100は、それぞれの赤色・緑色・青色のマスクにおけるダミーホール200の位置が全て同じであることをさらに特徴とする。
【0128】
これについて、図8A図8Cを参照し、さらに詳細に説明する。
【0129】
図8A図8Cは、セル部およびベゼル部を概略的に示す平面図である。図8Aは赤色のマスクを示し、図8Bは緑色のマスクを示し、図8Cは青色のマスクを示す。
【0130】
図8Aに示すように、赤色のマスクのセル部125には、Rサブ画素R‐SP(図10を参照)に対応する複数のR開口部130aが設けられるが、R開口部130aは、基板301(図10を参照)上に定義された隣り合うサブ画素R‐SP、G‐SP、B‐SP(図10を参照)単位で離間し、ジグザグに形成される。
【0131】
これについて、さらに詳細に説明する。セル部125を、横方向である第1方向において第1行~第9行(1row、2row、3row、4row、5row、6row、7row、8row、9row)に分けて定義し、縦方向である第2方向において第1列~第9列(1column、2column、3column、4column、5column、6column、7column、8column、9column)に分けて定義すると、R開口部130aは、第2行(2row)の第1列(1column)、第5列(5column)および第9列(9column)、第4行(4row)の第3列(3column)および第7列(7column)、第6行(6row)の第1列(1column)および第5列(5column)、第8行(8row)の第3列(3column)に位置する。
【0132】
ベゼル部127を、横方向である第1方向において第1行~第13行(1row、2row、3row、4row、5row、6row、7row、8row、9row、10row、11row、12row、13row)に分けて定義し、縦方向である第2方向において第1列~第13列(1column、2column、3column、4column、5column、6column、7column、8column、9column、10column、11column、12column、13column)に分けて定義すると、ダミーホール200は、第1行(1row)の第5列(5column)および第9列(9column)、第3行(3row)の第2列(2column)、第6列(6column)および第10列(10column)に位置する。また、ダミーホール200は、第5行(5row)の第3列(3column)、第7列(7column)および第11列(11column)に位置し、第7行(7row)の第4列(4column)、第9行(9row)の第1列(1column)および第5列(5column)、第11行(11row)の第2列(2column)、第13行(13row)の第3列(3column)に位置する。
【0133】
また、図8Bの緑色のマスクを見ると、G開口部130bは、セル部125の第1行(1row)、第3行(3row)、第5行(5row)、第7行(7row)、第9行(9row)のそれぞれにおける第2列(2column)、第4列(4column)、第6列(6column)、第8列(8column)に位置する。
【0134】
緑色のマスクのベゼル部127に位置するダミーホール200は、第1行(1row)の第5列(5column)および第9列(9column)、第3行(3row)の第2列(2column)、第6列(6column)および第10列(10column)に位置する。また、ダミーホール200は、第5行(5row)の第3列(3column)、第7列(7column)および第11列(11column)に位置し、第7行(7row)の第4列(4column)、第9行(9row)の第1列(1column)および第5列(5column)、第11行(11row)の第2列(2column)、第13行(13row)の第3列(3column)に位置する。
【0135】
また、図8Cの青色のマスクを見ると、B開口部130cは、セル部125において、第2行(2row)と第6行(6row)のそれぞれにおける第3列(3column)、第7列(7column)に位置し、第4行(4row)と第8行(8row)のそれぞれにおける第1列(1column)、第5列(5column)、第9列(9column)に位置する。青色のマスクのベゼル部127に位置するダミーホール200は、第1行(1row)の第5列(5column)および第9列(9column)、第3行(3row)の第2列(2column)、第6列(6column)および第10列(10column)に位置する。また、ダミーホール200は、第5行(5row)の第3列(3column)、第7列(7column)および第11列(11column)に位置し、第7行(7row)の第4列(4column)、第9行(9row)の第1列(1column)および第5列(5column)、第11行(11row)の第2列(2column)、第13行(13row)の第3列(3column)に位置する。
【0136】
すなわち、本発明の第1実施例に係るマスク100は、赤色・緑色・青色のマスク毎に、それぞれのセル部125において、R・G・Bサブ画素R‐SP、G‐SP、B‐SP(図10を参照)に対応して複数のR・G・B開口部130a、130b、130cが設けられるが、赤色・緑色・青色のマスクのベゼル部127に位置するダミーホール200は、全て同じ位置に配置される。
【0137】
このように、ベゼル部127にダミーホール200を形成することで、本発明の第1実施例に係るマスク100は、複数のR・G・B開口部130a、130b、130cが設けられたセル部125と、ベゼル部127とにおける剛性差を減らすことができ、製作PPAが最小となるので、蒸着PPAが向上する。その結果、高解像度、または超高解像度の有機発光層のパターンを、蒸着不良を起こすことなく均一に形成することができる。
【0138】
特に、ベゼル部127のダミーホール200が、赤色・緑色・青色のマスクにおいて全て同じ位置にあるようにすることで、非表示領域BA(図10を参照)を通し、有機発光表示装置300(図10を参照)の内部に外部からの水分や酸素などが浸透することを防止することができる。
【0139】
これについて、本発明の第1実施例に係るマスク100を利用し、製造した有機発光表示装置300(図10を参照)を概略的に示す図を参照し、さらに詳細に説明する。
【0140】
図9は、本発明の第1実施例に係るマスクを利用し、基板上に形成した有機発光層を概略的に示す平面図であり、図10は、図9のX‐X'線に沿った断面図である。
【0141】
図9に示すように、有機発光表示装置300を構成する基板301上には、表示領域AAと、表示領域AAの縁部に沿って非表示領域BAが定義される。表示領域AAには、複数のサブ画素B‐SP、R‐SP、G‐SPが配置され、有機発光表示装置300で映像が表示される。非表示領域BAは、表示領域AAを除いた領域であって、サブ画素B‐SP、R‐SP、G‐SPを駆動するための様々な回路や配線などが配置される。
【0142】
ここで、有機発光表示装置300の表示領域AAが、本発明の第1実施例に係るマスク(図6Aの100)のセル部(図8Cの125)に対応し、非表示領域BAは、ベゼル部(図8Cの127)に対応する。
【0143】
表示領域AAに配列されたサブ画素B‐SP、R‐SP、G‐SPの配置についてさらに詳細に説明すると、横方向である第1行(1row)には、Gサブ画素G‐SPを、第1方向において、所定の間隔で離間させて配置することができ、第1行(1row)に隣接する第2行(2row)には、Rサブ画素R‐SPおよびBサブ画素B‐SPを、第1方向において交互に配置することができる。
【0144】
また、第3行(3row)には、Gサブ画素G‐SPを所定の間隔で離間させ、配置することができ、第4行(4row)には、Rサブ画素R‐SPとBサブ画素B‐SPを交互に配置することができる。このようなサブ画素B‐SP、R‐SP、G‐SPの配置を、既に設定された所定の行まで繰り返すことができる。
【0145】
第2列(2column)に配置されたGサブ画素G‐SPは、第1列(1column)および第3列(3column)に配置されたRサブ画素R‐SPおよびBサブ画素B‐SPと互いにずれて配置されてもよい。したがって、第1列(1column)には、Rサブ画素R‐SPとBサブ画素B‐SPを第2方向において交互に配置し、第2列(2column)には、Gサブ画素G‐SPを第2方向において、所定の間隔で離間させ、配置することができる。このようなサブ画素B‐SP、R‐SP、G‐SPの配置を、既に設定された所定の列まで繰り返すことができる。
【0146】
Gサブ画素G‐SPおよびBサブ画素B‐SPの面積は、Rサブ画素R‐SPより大きく形成することができるが、各サブ画素B‐SP、R‐SP、G‐SPが具現化しようとする有機発光表示装置300の素子効率や素子寿命などを考慮し、設計することができる。
【0147】
かかるサブ画素B‐SP、R‐SP、G‐SPの配置構造はペンタイル・マトリクスと呼ばれる。隣接するサブ画素B‐SP、R‐SP、G‐SPを共有して色相を表現するレンダリング駆動を適用することで、少数のサブ画素B‐SP、R‐SP、G‐SPで高解像度を実現することができる。
【0148】
一方、本発明の実施例に係るサブ画素B‐SP、R‐SP、G‐SPの配置構造は、多様に変更することができる。例えば、ストライプ配列やモザイク配列、デルタ配列を有するよう設計することもできる。また、本発明の実施例に係る有機発光表示装置300は、非表示領域BAにダミーパターン400が設けられるが、ダミーパターン400は、R有機発光物質401a、G有機発光物質401b、そしてB発光有機物質401cが積層された構造となっている。
【0149】
すなわち、非表示領域BAには、Rサブ画素R‐SPにR有機発光層313aを蒸着する過程において、R有機発光物質401aが蒸着され、R有機発光物質401aの上部に、Gサブ画素G‐SPに蒸着されたG有機発光層313bを構成するG有機発光物質401b、そしてBサブ画素B‐SPに蒸着されたB有機発光層313cを構成するB有機発光物質401cが順次積層され、ダミーパターン400を構成する。
【0150】
これについて、図10を参照し、さらに詳細に説明する。有機発光表示装置300の基板301上には、複数のスイッチング薄膜トランジスタや駆動薄膜トランジスタなどを含む画素補償回路Trと、有機発光ダイオードEが形成されるが、基板301上には、画像が具現化される表示領域AAと、表示領域AAの縁部に沿って非表示領域BAが定義される。
【0151】
表示領域AAには、ゲート配線(不図示)とデータ配線(不図示)により区画される領域と定義される複数のサブ画素B‐SP、R‐SP、G‐SPが備えられ、データ配線(不図示)と並んで電源配線(不図示)が備えられる。
【0152】
かかる複数の各サブ画素B‐SP、R‐SP、G‐SPには、画素補償回路Trが形成され、実質的に画像を表示する発光領域EAには、有機発光ダイオードEを構成する第1電極311が形成される。
【0153】
ここで、画素補償回路Trの駆動薄膜トランジスタ(不図示)およびスイッチング薄膜トランジスタ(不図示)は、それぞれ半導体層(不図示)、ゲート電極(不図示)、ソース電極(不図示)、ドレイン電極(不図示)、そしてゲート絶縁膜(不図示)を含む。
【0154】
画素補償回路Trの上部にはトランジスタ保護絶縁膜306が備えられ、その上部に第1電極311が位置する。
【0155】
第1電極311は、画素補償回路Trの駆動薄膜トランジスタ(不図示)のドレイン電極(不図示)に接続され、第1電極311は、サブ画素B‐SP、R‐SP、G‐SP毎に形成されるが、各サブ画素B‐SP、R‐SP、G‐SPに形成された第1電極311同士の間の非発光領域にはバンク305が位置する。
【0156】
このような場合、第1電極311は、アノード電極として働くよう、仕事関数が比較的に高い酸化インジウムスズ(ITO)で形成することが好ましい。
【0157】
また、第1電極311上には、赤色・緑色・青色を発光するR・G・B有機発光層313a、313b、313cが形成され、有機発光層313a、313b、313c上の全面に第2電極315が形成される。
【0158】
第2電極315は、カソード電極の役割を果たすべく、第1電極311に比べて仕事関数の低い導電性物質からなる。
【0159】
ここで、第2電極315は、第1電極311に比べ、仕事関数が比較的に低い金属、例えば、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金(AlNd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、銀・マグネシウム合金(Ag:Mg)のうち、選択された1つを含む。
【0160】
R・G・B有機発光層313a、313b、313cは、正孔注入膜(Hole Injection Layer)、正孔輸送膜(Hole Transporting Layer)、発光物質膜(Emitting Material Layer)、電子輸送膜(Electron Transporting Layer)、および電子注入膜(Electron Injection Layer)からなる。
【0161】
ここで、有機発光表示装置300は、サブ画素B‐SP、R‐SP、G‐SP毎に、互いに異なる色を発光する有機発光層313a、313b、313cが形成される。すなわち、Rサブ画素R‐SPには赤色光を発するR有機発光物質が蒸着され、R有機発光層313aがRサブ画素R‐SPの発光領域EAの全面に位置する。
【0162】
Gサブ画素G‐SPには緑色光を発するG有機発光物質が蒸着され、G有機発光層313bがGサブ画素G‐SPの発光領域EAの全面に位置する。また、Bサブ画素B‐SPには青色光を発するB有機発光物質が蒸着され、B有機発光層313cがBサブ画素B‐SPの発光領域EAの全面に位置する。
【0163】
したがって、有機発光表示装置300では、選択された色の信号に応じ、第1電極311および第2電極315に所定の電圧が印加されると、第1電極311からの正孔と、第2電極315からの電子がR・G・B有機発光層313a、313b、313cに輸送され、励起子(exciton)を形成し、該励起子が励起状態から基底状態へ遷移する際に光が発生し、可視光線として放出される。
【0164】
ここで、本発明の実施例に係る有機発光表示装置300はトップエミッション型であって、各サブ画素B‐SP、R‐SP、G‐SP毎に、R・G・B有機発光層313a、313b、313cから発せられた赤色光・緑色光・青色光は、第2電極315を透過し、外部へ放出される。
【0165】
このとき、表示領域AAの外側の非表示領域BAには、トランジスタ保護絶縁膜306上に、R有機発光物質401a、G有機発光物質401b、そしてB有機発光物質401cが積層されたダミーパターン400が位置する。
【0166】
このように、本発明の第1実施例に係るマスク(図6Aの100)において、マスクシート(図6Aの120)のベゼル部(図6Aの127)にダミーホール(図6Aの200)が設けられることで、マスクシート(図6Aの120)のベゼル部(図6Aの127)とセル部(図6Aの125)における剛性差を減らすことができる。
【0167】
したがって、製作PPAが最小となり、蒸着PPAが向上する。その結果、高解像度、または超高解像度のR・G・B有機発光層313a、313b、313cを、蒸着不良を起こすことなく均一に形成することができるようになる。
【0168】
また、かかるダミーパターン400を含み、画素補償回路Trおよび有機発光ダイオードEの上部には、無機膜と有機膜、無機膜が順次積層され、有機絶縁物質と高分子物質のうち、いずれか1つからなる粘着剤がその上部に位置したエンキャップ構造物304と共に、薄膜フィルム状の保護フィルム302を位置させる。
【0169】
このとき、空気層を設けず、エンキャップ構造物304を基板301および保護フィルム302と完全に密着させ、介在させることにより、有機発光表示装置300は封止される。
【0170】
このとき、本発明の有機発光表示装置300の非表示領域BAに設けられたダミーパターン400は、R有機発光物質401aとG有機発光物質401b、そしてB有機発光物質401cが全て同じ位置に積層されてなるので、非表示領域BAにおいてダミーパターン400が形成される領域を最小化することができる。
【0171】
互いに同一位置に配置され、接続された有機発光物質401a、401b、401cからなるダミーパターン400により、非表示領域BAを通し、有機発光表示装置300の内部に外部からの水分や酸素などが浸透することを防止することができる。
【0172】
以下、図面を参照し、本発明の第1実施例に係るマスクの製造方法について、詳細に説明する。
【0173】
図11A図11Gは、本発明の第1実施例に係るマスクの製造過程を、工程順に示す工程概略図であり、図12は、本発明の第1実施例に係るマスクの背面を概略的に示す平面図である。
【0174】
図11Aに示すように、導電膜503が成膜された陰極母板501を用意する。陰極母板501上に備えられた導電膜503は、電鋳を行うことができるよう、電鋳でカソードに用いられる。
【0175】
導電膜503は、陰極母板501を構成するガラス母基板との接合力が良好であり、抵抗が低く、メッキ液(不図示)と反応せず、後続工程においてメッキ膜507(図11Cを参照)から容易に分離できる材料で構成されることが好ましいが、そのためには、多層に成膜することもできる。
【0176】
ここで、第1膜に、ガラス母基板との接合力が良好なMoとTiのうち、いずれか1つを選択することができ、第2膜に、Cu、Alのような低抵抗配線のうち、いずれか1つを選択することができ、第3膜には、メッキ液と反応しないTiとITOのうち、いずれか1つを選択することができる。
【0177】
次に、図11Bに示すように、導電膜503上に絶縁パターン505を形成する。絶縁パターン505は、感光性樹脂で構成することができ、フォトリソグラフィ工程でパターニングすることで形成することができる。
【0178】
絶縁パターン505は、パターン部121(図11Gを参照)のセル部125およびベゼル部127に対応して形成される。セル部125内に形成される絶縁パターン505は、逆テーパー状になっており、蒸着しようとするR・G・Bサブ画素(図10のB‐SP、R‐SP、G‐SP)に対応する開口部130(図11Gを参照)と同じ配列になるように形成される。
【0179】
また、ベゼル部127内に形成される絶縁パターン505は、セル部125内に形成される絶縁パターン505と同様、逆テーパー状に形成される。
【0180】
次に、図11Cに示すように、絶縁パターン505を含む陰極母板501にメッキ膜507をメッキする。
【0181】
メッキ膜507は、電鋳により、絶縁パターン505によって露出された導電膜503上に選択的に形成される。言い換えると、絶縁パターン505の存在する部分にはメッキ膜507が形成されず、絶縁パターン505の存在しない部分にメッキ膜507が形成される。
【0182】
すなわち、絶縁パターン505が絶縁特性を有するため、絶縁パターン505と導電膜503との間には電場が形成されない、またはメッキを施し難い程度の微弱な電場が形成される。そのため、陰極母板501においてメッキ膜507が形成されない絶縁パターン505に対応する部分は、メッキ膜507のパターンやホールなどを構成することになる。
【0183】
ここで、導電膜503の表面からメッキ膜507が電着され、厚くなるが、絶縁パターン505の上端を超えないようにメッキ膜507を形成することが好ましい。すなわち、絶縁パターン505の厚さよりメッキ膜507の厚さを小さく形成する。
【0184】
かかるメッキ膜507は、絶縁パターン505のパターンスペースを充填し、電着されるため、メッキ膜507は、セル部125に対応し、逆テーパー状の絶縁パターン505により上部から下部に行くほど幅が漸次広くなるテーパー状となり、ベゼル部127に対応してもテーパー状となる。
【0185】
このようにしてパターン部121(図11Gを参照)内のセル部125およびベゼル部127において複数の開口部130(図11Gを参照)が設けられたマスクシート120(図11Gを参照)が完成する。
【0186】
メッキ膜507の厚さは、数μm~数十μm、例えば、7μm~20μmに形成することができるが、10μmに形成することが好ましい。
【0187】
メッキ膜507を形成するための溶液は、Niイオンを含む溶液およびFeイオンを含む溶液の混合液であってもよく、またはNiイオンを含む溶液、Feイオンを含む溶液、およびCoイオンを含む溶液の混合液であってもよい。
【0188】
ここで、メッキ膜507を形成するための溶液が、Niイオンを含む溶液およびFeイオンを含む溶液の混合液である場合、インバー薄板からなるマスクシート120(図11Gを参照)を形成することができる。メッキ膜507を形成するための溶液がNiイオンを含む溶液、Feイオンを含む溶液およびCoイオンを含む溶液の混合液である場合、スーパーインバー薄板からなるマスクシート120(図11Gを参照)を形成することができる。
【0189】
インバー薄板からなるマスクシート120(図11Gを参照)の熱膨張係数が、約2.0~4.0×10-6/℃であり、スーパーインバー薄板からなるマスクシート120(図11Gを参照)の熱膨張係数が、約1.0×10-6/℃以下と非常に低いため、熱エネルギーによりマスク100(図11Gを参照)のパターン形状が変形する可能性は低い。
【0190】
この他にも、目的とするメッキ膜507を制限なく形成し、使用することができるが、本発明の第1実施例では、インバー薄板からなるマスクシート120(図11Gを参照)の製造を主な例に挙げて説明する。
【0191】
このように、電鋳方式でインバー薄板からなるマスクシート120(図11Gを参照)を形成する場合、マスクシート120(図11Gを参照)の形成工程を単純化することができ、製造のための設備コストを低減させることができ、また、薄い厚さ(例えば、10μm~20μm)を持つ大面積マスクシート120(図11Gを参照)を形成することができるようになる。
【0192】
一方、メッキ膜507を形成した後、メッキ膜507に熱処理を施すことができるが、300℃~800℃の温度で施すことができる。
【0193】
一般的に、圧延で生成したインバー薄板に比べ、電鋳で生成したインバー薄板の熱膨張係数が高い。インバー薄板に熱処理を施すことで熱膨張係数を低下させることができるが、この過程において、インバー薄板に若干の変形が発生し得る。
【0194】
そのため、陰極母板501と導電膜503が貼り合わせられた状態で熱処理を施すと、陰極母板501における絶縁パターン505が占めるスペース部分に設けられた開口部130(図11Gを参照)およびダミーホール200(図11Gを参照)の形状が一定に保たれ、熱処理による微細な変形を防止することができるメリットがある。また、メッキ膜507から陰極母板501を分離した後、開口部130(図11Gを参照)を有するマスクシート120(図11Gを参照)に熱処理を施しても、インバー薄板の熱膨張係数を低下させる効果がある。
【0195】
したがって、マスクシート120(図11Gを参照)の熱膨張係数をさらに低下させることで、μmスケールの開口部130(図11Gを参照)の変形を防止し、高解像度、または超高解像度の有機発光層313a、313b、313c(図10を参照)を蒸着することができるマスク100(図11Gを参照)を製造することができる。
【0196】
次に、図11Dに示すように、マスクシート120(図11Gを参照)のパターン部121(図11Gを参照)の縁部に沿って定義される支持部123(図11Gを参照)に対応するメッキ膜507の縁部に、接着パッド140を介し、マスクフレーム110を取り付ける。
【0197】
接着パッド140は、有機系高分子材料に導電性材料を分散させた材料からなるが、マスク100の洗浄工程で反応しないよう、耐化学性の強いエポキシ系の有機材料を用いることが好ましい。
【0198】
また、導電性材料は、カーボン、Ag、Cu、Niなどの金属粉、またはナノワイヤなどを含むことができる。
【0199】
このとき、メッキ膜507は、マスクフレーム110に向かう方向、または外側方向に自然と力が加わった状態で接着されるようにすることで、外側方向に引張力が作用し、マスクフレーム110側にぴんと張った状態を保つことになる。
【0200】
マスクフレーム110は、開口領域Gを有する四角い枠状であり、マスクフレーム110の開口領域Gからメッキ膜507が露出される。
【0201】
かかるマスクフレーム110は、メッキ膜507と同一材質から構成されることが好ましい。
【0202】
次に、図11Eに示すように、マスクフレーム110を含み、メッキ膜507上に絶縁膜509を形成する。
【0203】
絶縁膜509は、絶縁パターン505と同一材質から構成することができる。このとき、絶縁膜509は、メッキ膜507に隣接するマスクフレーム110の側面110aの一部、接着パッド140の内側側面140b、そしてマスクフレーム110に隣接するメッキ膜507の表面507aの一部を除いた領域に形成される。
【0204】
次に、図11Fに示すように、絶縁膜509が形成されていない領域であるマスクフレーム110の側面110aの一部、接着パッド140の内側側面140b、そしてメッキ膜507の縁部表面507aの一部を覆うよう、第1接着メッキ膜150を塗布する。
【0205】
第1接着メッキ膜150は、メッキ膜507と同一材質から構成することができる。または、メッキ膜507がインバーである場合でも、インバーに比べ、比較的に残留応力が少なく、合金ではないため、容易にメッキを施すことができるNiで形成することもできる。
【0206】
かかる第1接着メッキ膜150も電鋳により電着されるが、マスクフレーム110、接着パッド140、そして導電膜503に電圧が印加されることで、第1接着メッキ膜150は、マスクフレーム110の側面の一部、接着パッド140の内側側面、そしてメッキ膜507の縁部表面の一部を覆うように電着される。
【0207】
図12に示すように、第1接着メッキ膜150は、マスクシート120の縁部に沿ってマスクフレーム110の側面の一部と接着パッド140の内側側面、そしてメッキ膜507の縁部表面の一部を覆うように塗布される。
【0208】
したがって、マスクシート120は、残留応力および重力により接着パッド140に印加されるせん断応力による製作PPAの変位を最小限に抑えることができる。
【0209】
このとき、接着パッド140を伝導性物質で構成することで、マスクフレーム110に電圧を印加すると、マスクフレーム110、接着パッド140、そして導電膜503まで電圧が印加されるようにすることもできる。また、接着パッド140の表面において、電着が同時に行われるため、均一な厚さを持つ第1接着メッキ膜150を形成することができる。
【0210】
続いて、図11Gに示すように、導電膜503を含む陰極母板501、絶縁膜509および絶縁パターン505を除去する。陰極母板501、絶縁膜509および絶縁パターン505は、化学的方法で除去することができる。
【0211】
例えば、絶縁パターン505および絶縁膜509を選択的にエッチングするストリップ溶液を使用し、メッキ膜507から絶縁パターン505および絶縁膜509を除去する過程において、陰極母板501からメッキ膜507を分離することができる。
【0212】
このように、陰極母板501、絶縁膜509、および絶縁パターン505を除去することで、メッキ膜507と、メッキ膜507の縁部に沿って、接着パッド140を介し、貼り付けられたマスクフレーム110とだけが残ることになる。
【0213】
このとき、メッキ膜507の縁部に沿って支持部123が定義され、支持部123の内側にパターン部121が定義されて、マスクシート120を成し、本発明の第1実施例に係るマスク100を構成することになる。
【0214】
パターン部121において、複数のセル部125には複数の開口部130が設けられ、複数のセル部125間のベゼル部127には複数のダミーホール200が設けられている。
【0215】
本発明の第1実施例に係るマスク100は、マスクシート120のパターン部121内におけるベゼル部127上にダミーホール200をさらに設けることで、複数の開口部130が設けられたセル部125とベゼル部127とにおける剛性差を減らすことができる。
【0216】
したがって、製作PPAが最小になるので、蒸着PPAが向上し、その結果、高解像度、または超高解像度の有機発光層のパターンを、蒸着不良を起こすことなく均一に形成することができる。
【0217】
特に、本発明の第1実施例に係るマスク100は、電鋳方式でインバー薄板からなるマスクシート120を形成することで、マスクシート120の形成工程を単純化することができ、製造のための設備コストを低減させることができ、また、薄い厚さを持つ大面積マスクシート120を形成することができる。
【0218】
また、マスクシート120が、接着パッド140および第1接着メッキ膜150を介し、マスクフレーム110と一体に形成されるため、マスクシート120が垂れることをさらに防止することができる。その結果、マスク100を利用し、正確な位置に所定のパターンを蒸着することができ、蒸着PPAを向上させることになる。
【0219】
また、本発明の第1実施例に係るマスク100は、接着パッド140および第1接着メッキ膜150が、マスクシート120の縁部に沿って位置することで、マスクフレーム110の方向に向かってマスクシート120に引張力が作用する状態で、マスクシート120をマスクフレーム110上に安定に載置し、接着・支持することができる。
【0220】
したがって、本発明の第1実施例に係るマスク100は、マスクシート120を別途引張させて整列する過程を行うことなく、マスクフレーム110側にぴんと張ったマスクシート120を、マスクフレーム110と一体に形成することができる。
【0221】
第2実施例
図13および図14は、本発明の第2実施例に係るマスクを概略的に示す断面図である。
【0222】
図に示すように、本発明の第2実施例に係るマスク100は、マスクフレーム110の開口領域Gに対応し、マスクシート120のパターン部121が位置するよう、マスクシート120の縁部に沿って定義された支持部123が、マスクフレーム110上に安定に載置され、支持・接着される。
【0223】
このとき、マスクシート120のパターン部121における複数のセル部125には、それぞれ複数の開口部130が構成されるが、各々の開口部130は、その側面(図2Bの131)が傾いた形状、テーパー状、または上部から下部に行くほどパターン幅が広くなる形状であり得る。
【0224】
また、複数のセル部125の間と定義されるベゼル部127に設けられた複数のダミーホール200も、開口部130と同様、蒸着方向に沿って次第に幅が狭くなるよう傾いたテーパー状であり得る。
【0225】
かかるマスクシート120は、縁部に沿って定義された支持部123の下部に備えられる接着パッド140を介し、マスクフレーム110上に安定に載置され、支持・接着される。接着パッド140は、エポキシ樹脂系の接着剤などから構成することができる。例えば、接着性を持つフォームの形態をしており、マスクシート120、またはマスクフレーム110が受ける衝撃を緩衝することで、互いに伝達し合う衝撃力を減らす役割を果たすこともできる。
【0226】
接着パッド140は、約10μm~100μmと、薄い厚さを有するため、マスクシート120とマスクフレーム110との間に介在されても、段差には殆ど影響が及ばない。
【0227】
また、本発明の第2実施例に係るマスク100は、接着パッド140と接着していないマスクシート120の支持部123の背面の一部と、マスクフレーム110との間に第1接着メッキ膜150がさらに塗布される。
【0228】
第1接着メッキ膜150は、マスクシート120の支持部123の背面の一部から接着パッド140の内側側面を覆い、マスクフレーム110の側面まで延伸して塗布することができる。
【0229】
かかる第1接着メッキ膜150は、マスク100の残留応力および重力により接着パッド140に印加されるせん断応力による製作PPAの変位を防止する役割を果たす。
【0230】
かかる第1接着メッキ膜150は、50μm~250μmの厚さに塗布することができるが、50μm以下に塗布した場合、マスクシート120とマスクフレーム110の接着力を保持するには、第1接着メッキ膜150の接着力が非常に弱く、実質的に接着性を持ち難い。また、マスクシート120の支持部123とマスクフレーム110との間の隙間を満たせないこともあり得る。
【0231】
その結果、空隙が形成され、後続の洗浄工程などにおいて、洗浄液などが空隙内に浸透することがある。これは、乾燥過程で残留したまま蒸着器に搬入された場合、有機発光物質を蒸着する過程において蒸発し、有機発光物質の異物として反応し、有機発光層の寿命などに影響を及ぼし得る。
【0232】
また、第1接着メッキ膜150の厚さを250μm以上に塗布した場合は、メッキ膜自体のストレスにより、膜が浮いてしまう問題が発生し得る。
【0233】
すなわち、250μm以上の厚さを有する第1接着メッキ膜150の形成自体が難しい。
【0234】
特に、マスクフレーム110をリサイクルする過程において、塗布された第1接着メッキ膜150が厚すぎると、第1接着メッキ膜150の除去が非常に難しくなるので、第1接着メッキ膜150は、200μmの厚さに塗布するようにすることが好ましい。
【0235】
第1接着メッキ膜150は、熱変形などを考慮し、マスクフレーム110およびマスクシート120と同一材質からなることが好ましい。特に、マスクフレーム110とマスクシート120とを金属結合できるよう、金属材質からなるようにすることが好ましい。
【0236】
ここで、本発明の第2実施例に係るマスク100は、図13に示すように、複数のダミーホール200が設けられたベゼル部127に対応し、ベゼル部のカバー部600をさらに含むことができる。
【0237】
ベゼル部のカバー部600は、マスクシート120に粘着できる薄い高分子フィルムからなり得るが、紫外線、または熱により硬化することで、マスク100の洗浄工程などにおいて、ベゼル部のカバー部600が分離する、または変質しないようにすることが好ましい。
【0238】
また、図14に示すように、複数のダミーホール200が設けられたベゼル部127に対応して位置するベゼル部のカバー部600を、粘着層610と高分子フィルム620の二層構造にすることで、高分子フィルム620がずれることを防止することもできる。
【0239】
このようなベゼル部のカバー部600は、マスク100のベゼル部127の全体に対応して形成してもよく、有機発光表示装置(図10の300)の非表示領域(図10のBA)に形成されるパッド部のような一部の領域にのみ対応して形成してもよい。
【0240】
また、アラインキー、厚さ管理、蒸着PPA管理などのパターン周辺の一部の領域に対応し、形成してもよい。
【0241】
かかる本発明の第2実施例に係るマスク100は、マスクシート120のパターン部121内におけるベゼル部127上にダミーホール200をさらに設けることで、複数の開口部130が設けられたセル部125とベゼル部127とにおける剛性差を減らすことができる。
【0242】
したがって、製作PPAによる蒸着PPAが最小になるので、高解像度、または超高解像度の有機発光層のパターンを、蒸着不良を起こすことなく均一に形成することができる。
【0243】
特に、ベゼル部127に対応し、ベゼル部のカバー部600をさらに備えることで、ベゼル部127に設けられたダミーホール200を通し、蒸着基板上に有機発光物質が蒸着されない、または選択的に蒸着されるようにすることができ、有機発光表示装置(図10の300)の非表示領域(図10のBA)に蒸着される有機発光物質により生じ得る水分浸透などの問題が発生することを防止することができる。
【0244】
第3実施例
図15は、本発明の第3実施例に係るマスクを概略的に示す断面図である。
【0245】
図15に示すように、本発明の第3実施例に係るマスク100は、マスクフレーム110の開口領域Gに対応し、マスクシート120のパターン部121が位置するよう、マスクシート120の縁部に沿って定義された支持部123が、マスクフレーム110上に安定に載置され、支持・接着される。
【0246】
このとき、マスクシート120のパターン部121における複数のセル部125には、それぞれ複数の開口部130が構成され、複数のセル部125の間と定義されるベゼル部127に複数のダミーホール200が設けられる。
【0247】
かかるマスクシート120は、その縁部に沿って定義された支持部123がマスクフレーム110に接着されることで、マスクフレーム110と一体に連結される。このとき、マスクシート120の支持部123とマスクフレーム110との間にカバーシート700が位置し、カバーシート700とマスクシート120の支持部123は、接着パッド140を介し、接着される。
【0248】
カバーシート700は、マスクシート120のベゼル部127に対応して形成されるが、マスクフレーム110とカバーシート700、接着パッド140、マスクシート120の支持部123は、第1接着メッキ膜150を介し、互いに接着される。
【0249】
かかるカバーシート700は、蒸着工程において、温度の変化による蒸着PPAの変位が発生することを防止するため、マスクフレーム110との接触箇所においてのみ接着・固定されるようにすることが好ましい。
【0250】
このようなカバーシート700により、ベゼル部127に設けられたダミーホール200を通し、蒸着基板上に有機発光物質が蒸着されない、または選択的に蒸着されるようにすることができ、有機発光表示装置(図10の300)の非表示領域(図10のBA)に蒸着される有機発光物質により生じ得る水分浸透などの問題が発生することを防止することができる。
【0251】
第4実施例
図16Aは、本発明の第4実施例に係るマスクを概略的に示す断面図であり、図16B図16Aの背面平面図である。
【0252】
図に示すように、本発明の第4実施例に係るマスク100は、マスクフレーム110の開口領域Gに対応し、マスクシート120のパターン部121が位置するよう、マスクシート120の縁部に沿って定義された支持部123が、マスクフレーム110上に安定に載置され、支持・接着される。
【0253】
このとき、マスクシート120のパターン部121における複数のセル部125には、それぞれ複数の開口部130が構成され、複数のセル部125の間と定義されるベゼル部127に複数のダミーホール200が設けられる。
【0254】
かかるマスクシート120は、縁部に沿って定義された支持部123の下部に備えられる接着パッド140を介し、マスクフレーム110上に安定に載置され、支持・接着される。
【0255】
また、本発明の第4実施例に係るマスク100は、接着パッド140と接着していないマスクシート120の支持部123の背面の一部と、マスクフレーム110との間に第1接着メッキ膜150がさらに塗布される。
【0256】
第1接着メッキ膜150は、マスクシート120の支持部123の背面の一部から接着パッド140の内側側面を覆い、マスクフレーム110の側面まで延伸して塗布することができる。
【0257】
かかる第1接着メッキ膜150は、マスク100の残留応力および重力により接着パッド140に印加されるせん断応力による製作PPAの変位を防止する役割を果たす。
【0258】
第1接着メッキ膜150は、熱変形などを考慮し、マスクフレーム110およびマスクシート120と同一材質からなることが好ましい。特に、マスクフレーム110とマスクシート120とを金属結合できるよう、金属材質からなるようにすることが好ましい。
【0259】
ここで、本発明の第4実施例に係るマスク100は、マスクフレーム110にリブ(Rib)800がさらに備えられることを特徴とする。
【0260】
リブ800は、マスクシート120におけるパターン部121のベゼル部127に対応し、形成することができる。このリブ800により、マスクフレーム110の剛性を向上させることができ、マスクシート120が垂れることも防止することができる。
【0261】
かかるリブ800は、マスクフレーム110の第1端部フレーム110aと、第1端部フレーム110aに対向する第3端部フレーム110cとを連結するよう、マスク100の中心部に1つ、または2つを備えることができる。
【0262】
第5実施例
図17は、本発明の第5実施例に係るマスクを概略的に示す断面図である。
【0263】
図17に示すように、本発明の第5実施例に係るマスク100は、マスクフレーム110の開口領域Gに対応し、マスクシート120のパターン部121が位置するよう、マスクシート120の縁部に沿って定義された支持部123が、マスクフレーム110上に安定に載置され、支持・接着される。
【0264】
このとき、マスクシート120のパターン部121における複数のセル部125には、それぞれ複数の開口部130が構成され、複数のセル部125の間と定義されるベゼル部127に複数のダミーホール200が設けられる。
【0265】
ここで、本発明の第5実施例に係るマスク100は、マスクシート120の縁部に沿って定義された支持部123が、マスクフレーム110上に安定に載置され、支持されるが、このとき、支持部123の背面とマスクフレーム110との間には導電性接着剤900が塗布され、マスクシート120がマスクフレーム110と接着することになる。
【0266】
導電性接着剤900は液状であるため、毛細管現象により、マスクシート120の支持部123の背面とマスクフレーム110との間の隙間から入り込み、マスクシート120における支持部123の背面の一部と、マスクフレーム110とを密着させ、接着することになる。
【0267】
導電性接着剤900もまた、有機系高分子材料に導電性材料を分散させた材料から構成することができるが、マスク100の洗浄工程で反応しないよう、耐化学性の強いエポキシ系の有機材料を用いることが好ましい。
【0268】
導電性材料は、カーボン、Ag、Cu、Niなどの金属粉、またはナノワイヤなどを含むことができる。
【0269】
また、導電性接着剤900を含む、マスクシート120における支持部123の背面の一部と、マスクフレーム110との間に、第1接着メッキ膜150がさらに塗布される。
【0270】
第1接着メッキ膜150は、マスクシート120の支持部123の背面の一部から接着パッド140の内側側面を覆い、マスクフレーム110の側面まで延伸して塗布することができる。
【0271】
かかる第1接着メッキ膜150は、マスク100の残留応力および重力により接着パッド140に印加されるせん断応力による製作PPAの変位を防止する役割を果たす。
【0272】
第1接着メッキ膜150は、熱変形などを考慮し、マスクフレーム110およびマスクシート120と同一材質からなることが好ましい。特に、マスクフレーム110とマスクシート120とを金属結合できるよう、金属材質からなるようにすることが好ましい。
【0273】
本発明の第5実施例のように、導電性接着剤900および第1接着メッキ膜150を介し、マスクシート120とマスクフレーム110とを接着するようにすることで、マスクシート120をマスクフレーム110により容易に接着することができる。
【0274】
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で様々に変更し、実施することができる。
【符号の説明】
【0275】
100…マスク、110…マスクフレーム、120…マスクシート、121…パターン部、123…支持部、125…セル部、127…ベゼル部、130…開口部、140…接着パッド、150…第1接着メッキ膜、200…ダミーホール
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図11G
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17
【手続補正書】
【提出日】2024-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのマスクを含むマスクセットにおいて、
前記少なくとも1つのマスクは、
開口領域が定義されたマスクフレームと、
前記開口領域に対応し、パターン部が設けられ、前記パターン部の縁部に沿って支持部が定義されたマスクシートと、
前記支持部の背面と前記マスクフレームの側面を覆って位置する第1接着メッキ膜とを含み、
前記パターン部は、複数の開口部が設けられた複数のセル部と、前記複数のセル部の間と定義され、複数のダミーホールが設けられたベゼル部とを含み、
前記セル部のRD(Rib Density)値と、前記ベゼル部のRD(Rib Density)値による近似レベルの値(Approximation Level:AL)は、AL=|(BRD-CRD)×BRD|≦0.1と定義され、
前記支持部の背面と前記マスクフレームの上面との間に接着パッドが介在され、
前記接着パッドは、前記マスクフレームから前記開口領域に向かって突出する突出部を含む、マスクセット。
【請求項2】
前記第1接着メッキ膜は、前記接着パッドの外部に露出された前記支持部の背面と、前記接着パッドの内側側面、そして前記マスクフレームの側面を覆って位置する、請求項1に記載のマスクセット。
【請求項3】
前記少なくとも1つのマスクは、
前記セル部において、Rサブ画素に対応するR開口部が設けられた赤色のマスクと、
前記セル部において、Gサブ画素に対応するG開口部が設けられた緑色のマスクと、
前記セル部において、Bサブ画素に対応するB開口部が設けられた青色のマスクとを含み、
前記R・G・B開口部は、それぞれ前記セル部において、互いに異なる位置に配置され、
前記赤色・緑色・青色のマスクにおける前記複数のダミーホールは、前記ベゼル部において、互いに同じ位置に位置する、請求項1に記載のマスクセット。
【請求項4】
前記複数の開口部と前記複数のダミーホールは、テーパー状である、請求項1に記載のマスクセット。
【請求項5】
少なくとも1つのマスクを含むマスクセットにおいて、
前記少なくとも1つのマスクは、
開口領域が定義されたマスクフレームと、
前記開口領域に対応し、パターン部が設けられ、前記パターン部の縁部に沿って支持部が定義されたマスクシートと、
前記支持部の背面と前記マスクフレームの側面を覆って位置する第1接着メッキ膜とを含み、
前記パターン部は、複数の開口部が設けられた複数のセル部と、前記複数のセル部の間と定義され、複数のダミーホールが設けられたベゼル部とを含み、
前記セル部のRD(Rib Density)値と、前記ベゼル部のRD(Rib Density)値による近似レベルの値(Approximation Level:AL)は、AL=|(BRD-CRD)×BRD|≦0.1と定義され、
前記支持部の背面と前記マスクフレームの上面との間に接着パッドが介在され、
前記接着パッドは、伝導性物質を含む、マスクセット。
【請求項6】
前記第1接着メッキ膜は、50μm~250μmの厚さを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のマスクセット。
【請求項7】
前記第1接着メッキ膜は、前記マスクシートおよび前記マスクフレームと同一材質からなる、請求項1から5のいずれか一項に記載のマスクセット。
【請求項8】
前記第1接着メッキ膜を形成する溶液は、Ni、または/およびFeを含む、請求項7に記載のマスクセット。
【請求項9】
少なくとも1つのマスクを含むマスクセットにおいて、
前記少なくとも1つのマスクは、
開口領域が定義されたマスクフレームと、
前記開口領域に対応し、パターン部が設けられ、前記パターン部の縁部に沿って支持部が定義されたマスクシートと、
前記支持部の背面と前記マスクフレームの側面を覆って位置する第1接着メッキ膜とを含み、
前記パターン部は、複数の開口部が設けられた複数のセル部と、前記複数のセル部の間と定義され、複数のダミーホールが設けられたベゼル部とを含み、
前記セル部のRD(Rib Density)値と、前記ベゼル部のRD(Rib Density)値による近似レベルの値(Approximation Level:AL)は、AL=|(BRD-CRD)×BRD|≦0.1と定義され、
前記支持部の背面と前記マスクフレームの上面との間に接着パッドが介在され、
前記支持部の上面端部の一部および側面を覆い、前記接着パッドの外側側面、そして前記マスクフレームの上面の一部を覆って位置する第2接着メッキ膜をさらに含む、マスクセット。
【請求項10】
前記第2接着メッキ膜は、前記第1接着メッキ膜と同一材質からなる、請求項9に記載のマスクセット。
【請求項11】
少なくとも1つのマスクを含むマスクセットにおいて、
前記少なくとも1つのマスクは、
開口領域が定義されたマスクフレームと、
前記開口領域に対応し、パターン部が設けられ、前記パターン部の縁部に沿って支持部が定義されたマスクシートと、
前記支持部の背面と前記マスクフレームの側面を覆って位置する第1接着メッキ膜とを含み、
前記パターン部は、複数の開口部が設けられた複数のセル部と、前記複数のセル部の間と定義され、複数のダミーホールが設けられたベゼル部とを含み、
前記セル部のRD(Rib Density)値と、前記ベゼル部のRD(Rib Density)値による近似レベルの値(Approximation Level:AL)は、AL=|(BRD-CRD)×BRD|≦0.1と定義され、
前記マスクシートの背面において、前記ダミーホールに対応し、ベゼル部のカバー部をさらに含む、請求項1に記載のマスクセット。
【請求項12】
前記ベゼル部のカバー部は、高分子フィルムからなる、または、高分子フィルムとマスクシートの背面との間に粘着層がさらに介在されてなる二層構造である、請求項11に記載のマスクセット。
【請求項13】
前記ベゼル部のカバー部は、紫外線、または熱により硬化する、請求項11に記載のマスクセット。
【請求項14】
少なくとも1つのマスクを含むマスクセットにおいて、
前記少なくとも1つのマスクは、
開口領域が定義されたマスクフレームと、
前記開口領域に対応し、パターン部が設けられ、前記パターン部の縁部に沿って支持部が定義されたマスクシートと、
前記支持部の背面と前記マスクフレームの側面を覆って位置する第1接着メッキ膜とを含み、
前記パターン部は、複数の開口部が設けられた複数のセル部と、前記複数のセル部の間と定義され、複数のダミーホールが設けられたベゼル部とを含み、
前記セル部のRD(Rib Density)値と、前記ベゼル部のRD(Rib Density)値による近似レベルの値(Approximation Level:AL)は、AL=|(BRD-CRD)×BRD|≦0.1と定義され、
前記支持部の背面と前記マスクフレームの上面との間に接着パッドが介在され、
前記マスクシートの背面において、前記支持部および前記ベゼル部に対応するカバーシートをさらに含む、マスクセット。
【請求項15】
前記カバーシートは、前記接着パッドと前記マスクフレームとの間に位置し、
前記第1接着メッキ膜は、前記カバーシートの側面を覆って位置する、請求項14に記載のマスクセット。
【請求項16】
前記マスクフレームは、前記ベゼル部に対応し、前記マスクフレームの対向する端部フレーム同士を連結するリブ(Rib)をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のマスクセット。
【請求項17】
少なくとも1つのマスクを含むマスクセットにおいて、
前記少なくとも1つのマスクは、
開口領域が定義されたマスクフレームと、
前記開口領域に対応し、パターン部が設けられ、前記パターン部の縁部に沿って支持部が定義されたマスクシートと、
前記支持部の背面と前記マスクフレームの側面を覆って位置する第1接着メッキ膜とを含み、
前記パターン部は、複数の開口部が設けられた複数のセル部と、前記複数のセル部の間と定義され、複数のダミーホールが設けられたベゼル部とを含み、
前記セル部のRD(Rib Density)値と、前記ベゼル部のRD(Rib Density)値による近似レベルの値(Approximation Level:AL)は、AL=|(BRD-CRD)×BRD|≦0.1と定義され、
前記支持部の背面および前記マスクフレームの側面には、導電性接着剤が位置し、
前記第1接着メッキ膜は、前記導電性接着剤の上部において、前記支持部の背面と前記マスクフレームの側面を覆って位置する、マスクセット。
【請求項18】
a)導電膜が蒸着された陰極母板の上部に、第1絶縁パターンおよび第2絶縁パターンを設ける段階と、
b)1次電鋳(electroforming)を行い、前記導電膜の上部にメッキ膜を形成する段階と、
c)前記メッキ膜の上部において、前記メッキ膜の縁部に沿ってマスクフレームを接着する段階と、
d)前記マスクフレームに隣接する前記メッキ膜の表面一部と前記マスクフレームの一部を露出するよう、前記陰極母板の全面に絶縁膜を形成する段階と、
e)前記絶縁膜の外部に露出された前記メッキ膜の表面一部と、前記マスクフレームの一部に2次電鋳を行い、第1接着メッキ膜を形成する段階と、
f)前記導電膜を含む前記陰極母板と前記絶縁膜、そして前記絶縁パターンを除去し、マスクシートを形成する段階とを含み、
前記マスクシートは、セル部とベゼル部において、前記絶縁パターンに対応する開口部とダミーホールを含むマスクの製造方法。
【請求項19】
前記a)の段階の前に、
ガラス基板上に導電パターンを設ける段階と、
1次電鋳を行い、前記導電パターンの上部に前記メッキ膜を形成する段階とをさらに含む請求項18に記載のマスクの製造方法。
【請求項20】
前記b)の段階の後、前記メッキ膜の上部において、前記メッキ膜の縁部に沿って接着パッドを介し、前記マスクフレームを接着する段階をさらに含む、請求項18に記載のマスクの製造方法。
【請求項21】
前記接着パッドは伝導性物質を含み、
前記第1接着メッキ膜を形成する段階において、前記接着パッドは、前記マスクフレームから印加された電圧を前記導電膜に伝達する通路の役割と、パッド自体から電子を放出すると金属が析出し、電鋳が行われる電極の役割とを果たす、請求項20に記載のマスクの製造方法。