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▶ 駒田 充治の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097691
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】車両の座席装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/30 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
B60N2/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001336
(22)【出願日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】598093576
【氏名又は名称】駒田 充治
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】駒田 充治
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087CA15
(57)【要約】
【課題】小型自動車の後部をアウトドアで使うには後ろ座席を床から離し収納すると、平らな床は利用度が高まり使い勝手がよくなる。これまで災害時に車の中で過ごした事例が有り、小型自動車でも災害時は一時的に避難場所として使うには、後ろ座席を移動し収納する技術が望まれている。
【解決手段】上記目的を達成するために本発明に係る座席装置は、自動車のフレームに取付けた左右の昇降ガイドに添って上下する座席フレームに座席を取付けたもので、ウィンチのワイヤーで巻取り座席フレームを上下し、座席を上方に収納し平面な床を作り、人が横になれるスペースが作れるようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の内側フレームの両側部に昇降ガイドを設け、この昇降ガイドに沿って案内される座席フレームを有し、当該座席フレームには座席を保持させるとともに昇降ガイドに沿って前記座席フレームを移動させるアクチュエータを設けたことを特徴とする車両の座席装置。
【請求項2】
前記アクチュエータはウィンチであり、ウィンチから繰り出されるワイヤーを昇降ガイドの上端から座席フレームに連結させてなることを特徴とする請求項1に記載の車両の座席装置。
【請求項3】
前記ウィンチはモータ若しくは手動で回転されるドラムを介してワイヤーを巻き取り可能としてなることを特徴とする請求項2に記載の車両の座席装置。
【請求項4】
前記昇降ガイドはねじシャフトとし、前記座席フレームにはその螺合部を設け、ねじシャフトをモータ若しくは手動により回転駆動させることを特徴とする請求項1に記載の車両の座席装置。
【請求項5】
前記座席は個別シートとされていることを特徴とする請求項1に記載の車両の座席装置。
【請求項6】
前記座席はベンチシートとされていることを特徴とする請求項1に記載の車両の座席装置。
【請求項7】
前記昇降ガイドを後方に傾斜したのを特徴とする請求項1から6のいずれかに1項に記載の車両の座席装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の座席に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、アウトドアで時間を過ごす人が多くなっているが小型自動車の後部は、後ろ座席が殆どの面積を占めており、自由に使えるスペースは限られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭50-063619
【特許文献2】実全昭61-024328
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
小型自動車の後部をアウトドアで使うには後ろ座席を床から離し、平らな床は利用度が高まり、使い勝手がよくなる。これまで災害時に車の中で過ごした事例が有り、小型自動車でも一時的に避難場所として使うには、後ろ座席を移動し平らな床にする技術が望まれている。
しかし、従来は後部座席をいかに平らにするかを命題としており、十分に活用されているとは言い難いものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る車両の座席装置は、車両の内側フレームの両側部に昇降ガイドを設け、この昇降ガイドに沿って案内される座席フレームを有し、当該座席フレームには座席を保持させるとともに昇降ガイドに沿って前記座席フレームを移動させるアクチュエータを設けたことを特徴とする。
【0006】
前記アクチュエータはウィンチであり、ウィンチから繰り出されるワイヤーを昇降ガイドの上端から座席フレームに連結させてなることを特徴ととしている。
前記ウィンチはモータ若しくは手動で回転されるドラムを介してワイヤーを巻き取り可能としてなる。
【0007】
前記昇降ガイドはねじシャフトとし、前記座席フレームにはその螺合部を設け、ねじシャフトをモータ若しくは手動により回転駆動させるようにしてもよい。
前記座席は個別シートとされ、またはベンチシートとされている。
前記昇降ガイドを後方に傾斜した構成としても良い。
【発明の効果】
【0008】
本発明の車両の座席装置は、後ろ座席を使わない時は昇降レールに添って上方に収納されるので平らな床となり後ろ座席の設置場所を有効活用が出来る。また、本発明の車両の座席装置は緊急避難の時、後ろ座席を上方に収納されるので後ろ座席の設置場所に人が横になれるスペースが作れる。また、本発明の車両の座席装置はウォームギヤを用い手動で上下しブレーキが不要であり、誤動作が起きない、子供が誤って挟まれる事も無い安全な、座席装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る自動車側面からの一部想像の構成図である。
図2】実施形態に係る自動車後方からの座席装置の構成図である。
図3】実施形態に係る座席フレーム、ワイヤーの一部カットした構成図である。
図4】実施形態に係るワイヤー、ウィンチを上からの一部カットの構成図である。
図5】実施形態の手動で駆動するウィンチの平面図である。
図6図5の側面図である。
図7】電動機を用いた変形例に係るウィンチ平面図である。
図8】電動機で駆動するボールネジを用いた一部カットの正面構成図である。
図9】手動で駆動するボールネジを用いた実施例の一部カットの構成図である。
図10】座部を折りたたみ収納した側面構成図である。
図11】昇降レールを後方に傾斜した側面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る車両の座席装置を、図面を参照して、詳細に説明する。なお、図示の例は、一つの実施例に過ぎず、技術思想が同じ限り、他の変形例を含むものである。
【0011】
本実施形態を示す車両の座席装置を、車両10に適用された状態を図1図2に示している。図1図2は、車両10の側面断面図と後部を示す背面図である。車両10としては小型自動車を想定している。
【0012】
車両10の後部座席12は、背もたれ部12Aと座部12Bとを有し、座部12Bを支える脚部12Cによって支えられている。また、ひじ掛け部12Dを有し、背もたれ部12Aと座部12Bの連結部12Eで折り畳みできるようになっている。実施例の場合、後部座席12は個別シートであり、このような後部座席12が二つ設けられている。これら後部座席12は、横梁状の座席フレーム14に連結部12Eで取り付けられ、通常の状態では図示実践で示されるように、座部12Bを水平にして、下部の脚部12Cにて支えられている。そして、脚部12Cを回転して上方に折りたたみ、ひじ掛け12Dを座部12Bと水平に折り畳むことにより座面と略水平になり得るものである。これにより後部座席12は略L字状に形成される。
【0013】
このような後部座席12は、座席フレーム14に取り付けられているが、この座席フレーム14の両端部は、車両10の車体内壁を構成している両側の内側フレーム16に取り付けたコ字形のチャンネル部材を昇降ガイド18として上下に可動可能とされる。この座席フレーム14と車両10の内側フレーム16に設けた昇降ガイド18との結合関係は、図3に示している。互いに開口溝を向き合わせた状態に配置される昇降ガイド18には、矩形断面状の座席フレーム14の両端が溝内に嵌入されている。座席フレーム14の両端部それぞれは、嵌入面に第1ガイドローラー20Aが、前後平面部には第2ガイドローラー20B 、20Cが取り付けられ、これによって座席フレーム14は昇降ガイド18面に沿って軽快に昇降できる。
【0014】
また、昇降ガイド18に沿って座席フレーム14を昇降駆動させるアクチュエータが設けられており、この実施例ではウィンチによって構成されている。ウィンチは昇降ガイド18の左右上端部に渡された幅止め22部分に配置され、片隅部にウィンチドラム24を配置し、他方の片隅部にシーブ26を配置している。図4に示す如く、ウィンチドラム24は2連構造とされ、シーブ26とともに幅止め22の左右両端に結合されている。すなわち、ウィンチドラム24から直接繰り出されるワイヤー28Rで直近の座席フレーム14の上端部に結合し、ウィンチドラム24からシーブ26を介して左端座席フレーム14の上端部にワイヤー28Lで結合している。
【0015】
ウィンチは図5図6に示すように、ウォームギヤ構造により駆動されるものとなっている。すなわち、ウィンチドラム24の端面に一体的に配置されたウォームホイール30とこれに噛み合うウォームギヤ32からなり、ウォームギヤ32の一端に形成されたハンドル34を回転させることでワイヤー28R、28Lの巻取りと繰り出しが可能とされる。なお、図7に示されるように、ハンドル34の回転駆動に代えてモータ36による駆動形式をとっても良い。
【0016】
このように構成された車両の座席装置では、図1に示すように、通常であれば、後部座席12は脚部12Cを立てて座部12Bを水平にし、ひじ掛け部12Dを引き出した状態にすることで、背もたれ部12Aが立った状態に維持される。この状態から、脚部12Cとひじ掛け部12Dを座部12Bと平行にし、ウィンチを巻き上げ動作することによって、背もたれ部12Aと座部12BとはL字状を保ったまま、連結部12Eを中心に90度転回して座部12Bが昇降ガイド18に沿うようになり、背もたれ部12Aが車両10の天井面と平行になる。そして、引き続きウィンチを巻き上げると、最終的には、図1の想像線のように、背もたれ部12Aが車両10の天井面に沿い、座部12Bが車内昇降ガイド18に沿った上端部に移動する。これにより車両10の床面部は開放され、人38がそこで水平に休むことができる。
【0017】
このように、本発明によれば、後部座席12を座席フレーム14に取り付け、ウィンチを用いて巻き上げることで、座席12が通常の床面に置いた状態から、上方に持ち上げられ、図1想像線のごとき配置形態となる。この結果、車両10の床面を有効活用することができる。特に巻き上げる機構にウォームギヤ構造を採用することで、ウォームギヤ32を手動で回し、座席フレーム14を上下させることができ、ブレーキが不要であり、誤動作が起きないという利点が得られる。
なお、上記実施例では、後部座席12を個別シート構成としたが、これはベンチシート構成とすることができるのは言うまでもない。
【0018】
図8は他の実施例を示す。これは昇降ガイド18の変形例であり、コ字状断面の昇降ガイド18を走行するウィンチドラム24のワイヤー28R、28Lに代えて、スクリュウーシャフト40を用いたもので、これに噛み合うボールねじ部42を座席フレーム14の端部に形成している。スクリューシャフト40の上端部は電動モータ44に連結され、電動モータ44によって座席フレーム14が昇降駆動される。
【0019】
図9は手動で昇降ガイドとしてのスクリュウーシャフト40を座席フレーム14の端部に貫通させ、それぞれのボールねじ部42にて昇降させるが、昇降のための駆動力を得るためスクリューシャフト40の上端部にはカサ歯車46が設けられ、左右のカサ歯車46間に水平駆動シャフト48を介在させ、その両端に設けたカサ歯車46を噛み合いさせている。そして、水平駆動シャフト48にはウォームホイール50が取り付けられ、これに噛み合うウォームギヤ52をハンドル54によって駆動させるものとなっている。
なお、図8、9において、56はピンであり、座席フレーム14が上部限界位置に達したとき、座席フレーム14により挿して固定するようにしている。
【0020】
図10は実施形態の座部12Bはそのままで背もたれ部12Aを倒し上限でピン56を挿し収納したものでバックミラーの視野角が広くなり運転がし易すくなる。
【0021】
図11は他の実施形態の昇降ガイド18を後方に傾斜したもので収納位置が後方になり使えるスペースが広がり、背もたれ部12Aの傾斜角を大きくとれる座席装置としたもので、座席フレーム14が下限に下がりピン56で固定した。
【符号の説明】
【0022】
10……車両、
12……後部座席、
12A……背もたれ部、
12B……座部、
12C……脚部、
12D……ひじ掛け部、
12E……連結部、
14……座席フレーム、
16……車両の内側フレーム、
18……昇降ガイド、
20A……第1ガイドローラー、
20B、20C……第2ガイドローラー、
22……幅止め、
24……ウィンチドラム、
26……シーブ、
28R、28L……ワイヤー、
30……ウォームホイール、
32……ウォームギヤ、
34……ハンドル、
36……モータ、
38……人、
40……スクリューシャフト、
42……ボールねじ部、
44……電動モータ、
46……カサ歯車、
48……水平駆動シャフト、
50……ウォームホイール、
52……ウォームギヤ、
54……ハンドル、
56……ピン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11