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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097697
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240711BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20240711BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240711BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
H02J7/02 F
H01M10/48 P
H01M10/44 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001350
(22)【出願日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000214272
【氏名又は名称】長瀬産業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】阿川 宏
(72)【発明者】
【氏名】長内 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】堀内 敦司
(72)【発明者】
【氏名】密岡 重日
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503BA05
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503DA07
5G503GD06
5G503GD07
5G503HA03
5H030AA10
5H030AS08
5H030BB01
5H030BB23
5H030FF22
5H030FF41
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
(57)【要約】
【課題】効率よく電力を利用可能な制御装置及び制御方法を実現する。
【解決手段】BMU(11a~31c)は、配列(R1~R3)のうち、少なくとも1つの配列において電気的に接続される複数の蓄電池(12a~32c)のそれぞれの電圧を、少なくとも1つの配列において電気的に接続される複数の蓄電池の電圧のうち最も高い電圧に基づいて制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電池のそれぞれに設けられる制御装置であって、
前記複数の蓄電池が第1方向に沿って電気的に接続されることにより複数の第1方向配列が形成され、
前記複数の蓄電池が前記第1方向とは異なる第2方向において電気的に接続されることにより複数の第2方向配列が形成され、
前記複数の第2方向配列のうち、少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池のそれぞれの電圧を、前記少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池の電圧のうち最も高い電圧に基づいて制御する制御部を、
備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
それぞれの制御装置には、
第1接続スイッチと、
前記第1接続スイッチに並列に接続される第1抵抗器と、
前記第1抵抗器に直列に接続される第2接続スイッチと、が設けられ、
前記制御部は、
前記少なくとも1つの第2方向配列において、複数の第2接続スイッチをオン操作して、前記第2方向に沿って配置される前記蓄電池同士を電気的に接続させ、
前記複数の第2接続スイッチをオン操作した後に、前記少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池のうち最も電圧が高い蓄電池に電気的に接続される前記第1接続スイッチをオン操作し、
前記第1接続スイッチをオン操作した後に、前記複数の第2接続スイッチのうち、前記最も電圧が高い蓄電池に電気的に接続される第2接続スイッチをオフ操作する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第2接続スイッチをオフ操作した後に前記少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される蓄電池同士のそれぞれの電圧差が所定値以下となった場合に、前記最も電圧が高い蓄電池以外の蓄電池に電気的に接続される第1接続スイッチをオン操作し、
前記第1接続スイッチをオン操作した後に、前記複数の第2接続スイッチのうち、前記最も電圧が高い蓄電池以外の蓄電池に電気的に接続される第2接続スイッチをオフ操作する
ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
それぞれの制御装置には、
第3接続スイッチと、
前記第3接続スイッチに並列に接続される第2抵抗器と、
前記第2抵抗器に直列に接続される第4接続スイッチと、が設けられ、
前記第1接続スイッチ、前記第2接続スイッチ、前記第3接続スイッチ及び前記第4接続スイッチは、同一の電力線に電気的に接続される
ことを特徴とする請求項2または3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記複数の第2方向配列のうち、前記少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池のそれぞれの電圧を、他の第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池のそれぞれの電圧と異ならせる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、所定システムから前記蓄電池の充放電に関する指令を受信する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第1方向及び前記第2方向に沿って格子状に配置される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項8】
複数の蓄電池のそれぞれに設けられる制御装置に用いられる制御方法であって、
前記複数の蓄電池が第1方向に沿って電気的に接続されることにより複数の第1方向配列が形成され、
前記複数の蓄電池が前記第1方向とは異なる第2方向において電気的に接続されることにより複数の第2方向配列が形成され、
前記複数の第2方向配列のうち、少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池のそれぞれの電圧を、前記少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池の電圧のうち最も高い電圧に基づいて制御する、
ことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の電池ユニットのうち、任意の電池ユニットを交換した場合、電圧差が所定電圧以下であれば電源線に接続することが開示されている。また、特許文献1には、電圧差が条件を満たさない場合は蓄電池を自己放電させて電圧を調整することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-78241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、蓄電池を自己放電させて電圧を調整する方法では、所望の電圧を得るまでに時間がかかる。また、自己放電によって電力を無駄に消費してしまうといった問題が生じうる。
【0005】
本開示の一態様は、効率よく電力を利用可能な制御装置及び制御方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る制御装置は、複数の蓄電池のそれぞれに設けられる制御装置であって、前記複数の蓄電池が第1方向に沿って電気的に接続されることにより複数の第1方向配列が形成され、前記複数の蓄電池が前記第1方向とは異なる第2方向において電気的に接続されることにより複数の第2方向配列が形成され、前記複数の第2方向配列のうち、少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池のそれぞれの電圧を、前記少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池の電圧のうち最も高い電圧に基づいて制御する制御部を、備える。
【0007】
前記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る制御方法は、複数の蓄電池のそれぞれに設けられる制御装置に用いられる制御方法であって、前記複数の蓄電池が第1方向に沿って電気的に接続されることにより複数の第1方向配列が形成され、前記複数の蓄電池が前記第1方向とは異なる第2方向において電気的に接続されることにより複数の第2方向配列が形成され、前記複数の第2方向配列のうち、少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池のそれぞれの電圧を、前記少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池の電圧のうち最も高い電圧に基づいて制御する。
【0008】
本開示の各態様に係る制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記制御装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記制御装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本開示の範疇に入る。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、効率よく電力を利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態に係る蓄電システムの一例を示す概略構成図である。
図2】本開示の実施形態に係る蓄電池の電気的な接続の一例を示す概略構成図である。
図3】本開示の実施形態に係る蓄電池の電気的な接続の一例を示す概略構成図である。
図4】本開示の実施形態に係る蓄電池の電気的な接続の一例を示す概略構成図である。
図5】本開示の実施形態に係る蓄電池の電気的な接続の一例を示す概略構成図である。
図6】本開示の実施形態に係る蓄電池の電気的な接続の一例を示す概略構成図である。
図7】本開示の実施形態に係る蓄電池の電気的な接続の一例を示す概略構成図である。
図8】本開示の実施形態に係る蓄電池の電気的な接続の一例を示す概略構成図である。
図9】本開示の実施形態に係る制御装置の一動作例を説明するフローチャートである。
図10】本開示の実施形態に係る制御装置の一動作例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一実施形態について、詳細に説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0012】
(蓄電システム100)
図1は、本開示の実施形態に係る蓄電システム100の一例を示す概略構成図である。図1を用いて蓄電システム100の概要を説明する。
【0013】
図1に示すように、蓄電システム100は、複数の電池ユニット1a~1c,2a~2c及び3a~3cと、上位システム3と、高電位母線5aと、低電位母線5bとを備えている。電池ユニットは、「電池パック」、「電池モジュール」と呼ばれることもある。
【0014】
(電池ユニット1a~1c,2a~2c及び3a~3c)
図1に示すように、電池ユニット1a~1c,2a~2c及び3a~3cはそれぞれ、蓄電池12a~12c,22a~22c及び32a~32cと、BMU11a~11c,21a~21c及び31a~31c(Battery Management Unit)と、を備えている。電池ユニット1a~1c,2a~2c及び3a~3cは、格子状に配置されている。以下では、電池ユニット1a~1c,2a~2c及び3a~3cを総称して「電池ユニット1aなど」と表記する場合がある。また、蓄電池12a~12c,22a~22c及び32a~32cを総称して「蓄電池12aなど」と表記する場合がある。また、BMU11a~11c,21a~21c及び31a~31cを総称して「BMU11aなど」と表記する場合がある。
【0015】
(蓄電池12a~12c,22a~22c及び32a~32c)
蓄電池12aなどは、BMU11aなどの制御によって充電したり放電したりする。蓄電池12aなどの一例として、リチウムイオン電池を挙げることができるが、これに限定されず、充放電可能な電池であれば他の電池でもよい。
【0016】
(BMU11a~11c,21a~21c及び31a~31c)
BMU11a~11c,21a~21c及び31a~31cは、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び入出力部から構成される汎用のマイクロコンピュータを備えた制御基板である。マイクロコンピュータには、コンピュータプログラムがインストールされている。コンピュータプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータは複数の情報処理回路として機能する。なお、ここでは、ソフトウェアによって複数の情報処理回路を実現する例を示すが、もちろん以下に示す各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して情報処理回路を構成することも可能である。また複数の情報処理回路を個別のハードウェアにより構成してもよい。
【0017】
情報処理機能の一例として、BMU11aなどは上位システム3から受信した信号に従い、蓄電池12aなどの充電及び放電の切換を行うことが挙げられる。また、BMU11aなどは蓄電池12aなどの電圧及び温度を測定し、蓄電池12aなどを監視してもよい。例えば、BMU11aなどは蓄電池12aなどの充電時における過充電を検出したり、放電時における過放電を検出したりする。蓄電池12aなどの電圧は、図示しない電圧センサによって取得可能である。また、蓄電池12aなどの温度は、図示しない温度センサによって取得可能である。
【0018】
(蓄電システム100の電気的な接続)
各BMUは、各蓄電池を高電位母線5a及び低電位母線5bに電気的に接続するための接続スイッチを備えている。各蓄電池を高電位母線5a及び低電位母線5bに電気的に接続した際に、高電位母線5a及び低電位母線5bと各蓄電池との電圧差によっては突入電流が流れることがある。この突入電流を緩和するため、各BMUはプリチャージ抵抗器を備えている。以下、接続スイッチのオンオフ切り替えの詳細について説明する。
【0019】
(配列C1の電気的な接続)
図1に示すように、BMU11aは、第1接続スイッチ15d、第2接続スイッチ15e及び第1プリチャージ抵抗器15fを備えている。また、BMU11aは、第3接続スイッチ15a、第4接続スイッチ15b及び第2プリチャージ抵抗器15cを備えている。ここでは最初に、第3接続スイッチ15a、第4接続スイッチ15b及び第2プリチャージ抵抗器15cについて説明する。第1接続スイッチ15d、第2接続スイッチ15e及び第1プリチャージ抵抗器15fについては、後述の「電流が流れる方向」という項目にて説明する。
【0020】
第2プリチャージ抵抗器15c及び第4接続スイッチ15bは、直列に接続されている。第3接続スイッチ15aは、第2プリチャージ抵抗器15c及び第4接続スイッチ15bに対し並列に接続されている。第3接続スイッチ15a及び第4接続スイッチ15bは、FET(Field Effect Transistor)に代表される半導体スイッチでもよく、機械式リレーでもよい。以下の他の接続スイッチについても同様である。
【0021】
図1に示すように、BMU11bは、第3接続スイッチ16a、第4接続スイッチ16b及び第2プリチャージ抵抗器16cを備えている。また、BMU11cは、第3接続スイッチ17a、第4接続スイッチ17b及び第2プリチャージ抵抗器17cを備えている。
【0022】
第3接続スイッチ15a,16a及び17aがオフ状態からオン状態に切り替えられると、電気経路14aが形成され、蓄電池12a~12cは、高電位母線5a及び低電位母線5bに対して電気的に直列に接続される。図1に示す配列C1は、蓄電池12a~12cが直列に接続されることにより形成される配列を示す。
【0023】
図1に示すY軸方向は、蓄電池12a~12cが直列に接続される方向を示す。図1に示すX軸方向は、Y軸方向に対して直交する方向を示す。各蓄電池は、各電池ユニットに搭載されるものであるから、配列C1は、電池ユニット1a~1cがY軸方向に沿って接続されることにより形成される列ともいえる。また、各電池ユニットは各BMUを備えるものであるから、配列C1は、BMU11a~11cがY軸方向に沿って接続されることにより形成される列ともいえる。これは、以下で説明する他の配列についても同様である。
【0024】
(配列C2の電気的な接続)
図1に示すように、BMU21aは、第3接続スイッチ25a、第4接続スイッチ25b及び第2プリチャージ抵抗器25cを備えている。また、BMU21bは、第3接続スイッチ26a、第4接続スイッチ26b及び第2プリチャージ抵抗器26cを備えている。また、BMU21cは、第3接続スイッチ27a、第4接続スイッチ27b及び第2プリチャージ抵抗器27cを備えている。
【0025】
第3接続スイッチ25a,26a及び27aがオフ状態からオン状態に切り替えられると、電気経路24aが形成され、蓄電池22a~22cは、高電位母線5a及び低電位母線5bに対して電気的に直列に接続される。図1に示す配列C2は、蓄電池22a~22cが直列に接続されることにより形成される配列を示す。
【0026】
(配列C3の電気的な接続)
図1に示すように、BMU31aは、第3接続スイッチ35a、第4接続スイッチ35b及び第2プリチャージ抵抗器35cを備えている。また、BMU31bは、第3接続スイッチ36a、第4接続スイッチ36b及び第2プリチャージ抵抗器36cを備えている。また、BMU31cは、第3接続スイッチ37a、第4接続スイッチ37b及び第2プリチャージ抵抗器37cを備えている。
【0027】
第3接続スイッチ35a,36a及び37aがオフ状態からオン状態に切り替えられると、電気経路34aが形成され、蓄電池32a~32cは、高電位母線5a及び低電位母線5bに対して電気的に直列に接続される。図1に示す配列C3は、蓄電池32a~32cが直列に接続されることにより形成される配列を示す。
【0028】
図1に示すように、高電位母線5aには蓄電池12a,22a及び32aが電気的に接続される。低電位母線5bには蓄電池12c,22c及び32cが電気的に接続される。高電位母線5aは、上位システム3の高電位側に接続される母線を示し、低電位母線5bは、上位システム3の低電位側に接続される母線を示す。すなわち、本実施形態では配列C1~C3は、高電位母線5a及び低電位母線5bを介して並列に接続されている。したがってX軸方向は、配列C1~C3が並列に接続される方向と言い換えられてもよい。
【0029】
高電位母線5a及び低電位母線5bは、上位システム3に電気的に接続されている。蓄電システム100は、上位システム3を介して外部の機器に電力を供給したり、外部の電源から電力を受電したりする。
【0030】
(蓄電システム100の通信接続)
図1に示すように各BMUは、他のBMUと通信を行うための送受信ポートIF1~IF4を備えている。
【0031】
図1に示すように、それぞれの配列C1~C3において隣り合うBMU同士の送受信ポートがハーネスを介して接続され、通信を行うことが可能となっている。以下、具体的に説明する。なお、BMU同士が隣り合うとは、対象となるBMUを備える電池ユニット同士が隣り合うことを意味する。
【0032】
ここで、各BMUを次のように定義する。BMU11aを配列C1の先頭に配置されるBMUと定義する。BMU11cを配列C1の末尾に配置されるBMUと定義する。同様に、BMU21aを配列C2の先頭に配置されるBMUと定義する。BMU21cを配列C2の末尾に配置されるBMUと定義する。同様に、BMU31aを配列C3の先頭に配置されるBMUと定義する。BMU31cを配列C3の末尾に配置されるBMUと定義する。配列C1~C3において、先頭側を上位側、末尾側を下位側と定義する。例えば、BMU11aとBMU11bとの関係に着目すると、BMU11aが上位側のBMUとなり、BMU11bが下位側のBMUとなる。また、BMU11bとBMU11cとの関係に着目すると、BMU11bが上位側のBMUとなり、BMU11cが下位側のBMUとなる。
【0033】
X軸方向において、上位システム3側を上位側と定義する。例えば、BMU11aとBMU21aとの関係に着目すると、BMU11aが上位側のBMUとなり、BMU21aが下位側のBMUとなる。また、BMU21aとBMU31aとの関係に着目すると、BMU21aが上位側のBMUとなり、BMU31aが下位側のBMUとなる。
【0034】
配列C1において、上位側のBMU11aの送受信ポートIF4と下位側のBMU11bの送受信ポートIF3とがハーネス13aを介して通信が可能となるように接続されている。同様に、上位側のBMU11bの送受信ポートIF4と下位側のBMU11cの送受信ポートIF3とがハーネス13bを介して通信が可能となるように接続されている。
【0035】
このように、配列C1において隣り合うBMU11a~11cは、ハーネス13a~13bを介して通信が可能となるようにY軸方向において一列に接続されている。したがって、配列C1は、BMU11a~11cの通信接続によって形成される配列と言い換えられてもよい。
【0036】
続いて配列C2について説明する。配列C2において、上位側のBMU21aの送受信ポートIF4と下位側のBMU21bの送受信ポートIF3とがハーネス23aを介して通信が可能となるように接続されている。同様に、上位側のBMU21bの送受信ポートIF4と下位側のBMU21cの送受信ポートIF3とがハーネス23bを介して通信が可能となるように接続されている。
【0037】
このように、配列C2において隣り合うBMU21a~21cは、ハーネス23a~23bを介して通信が可能となるようにY軸方向において一列に接続されている。したがって、配列C2は、BMU21a~21cの通信接続によって形成される配列と言い換えられてもよい。
【0038】
続いて配列C3について説明する。配列C3において、上位側のBMU31aの送受信ポートIF4と下位側のBMU31bの送受信ポートIF3とがハーネス33aを介して通信が可能となるように接続されている。同様に、上位側のBMU31bの送受信ポートIF4と下位側のBMU31cの送受信ポートIF3とがハーネス33bを介して通信が可能となるように接続されている。
【0039】
このように、配列C3において隣り合うBMU31a~31cは、ハーネス33a~33bを介して通信が可能となるようにY軸方向において一列に接続されている。したがって、配列C3は、BMU31a~31cの通信接続によって形成される配列と言い換えられてもよい。
【0040】
このように、各BMUは、Y軸方向に沿って通信が可能となるように接続されているが、それだけでなく、さらにX軸方向に沿って通信が可能となるように接続されている。以下、具体的に説明する。
【0041】
まず、配列C1~C3の先頭の位置について説明する。配列C1~C3の先頭に配置されるBMU同士が、X軸方向に沿って通信が可能となるようにハーネスを介して接続されている。具体的には、図1に示すように、BMU11aの送受信ポートIF2とBMU21aの送受信ポートIF1とがハーネス13cを介して通信が可能となるように接続されている。同様に、BMU21aの送受信ポートIF2とBMU31aの送受信ポートIF1とがハーネス23cを介して通信が可能となるように接続されている。
【0042】
このように、配列C1~C3の先頭に配置されるBMU11a,21a及び31aは、ハーネス13c~23cを介して通信が可能となるようにX軸方向において一列に接続されている。通信が可能となるようにX軸方向において一列に接続されるBMU11a,21a及び31aによって、配列R1が形成される。
【0043】
次に、配列C1~C3の先頭の位置から1つだけ下位側に移動した位置について説明する。図1に示すように、BMU11bの送受信ポートIF2とBMU21bの送受信ポートIF1とがハーネス13dを介して通信が可能となるように接続されている。同様に、BMU21bの送受信ポートIF2とBMU31bの送受信ポートIF1とがハーネス23dを介して通信が可能となるように接続されている。
【0044】
このように、BMU11b,21b及び31bは、ハーネス13d~23dを介して通信が可能となるようにX軸方向において一列に接続されている。通信が可能となるようにX軸方向において一列に接続されるBMU11b,21b及び31bによって、配列R2が形成される。
【0045】
次に、配列C1~C3の先頭の位置から2つだけ下位側に移動した位置、すなわち配列C1~C3の末尾の位置について説明する。図1に示すように、BMU11cの送受信ポートIF2とBMU21bの送受信ポートIF1とがハーネス13eを介して通信が可能となるように接続されている。同様に、BMU21cの送受信ポートIF2とBMU31cの送受信ポートIF1とがハーネス23eを介して通信が可能となるように接続されている。
【0046】
このように、BMU11c,21c及び31cは、ハーネス13e~23eを介して通信が可能となるようにX軸方向において一列に接続されている。通信が可能となるようにX軸方向において一列に接続されるBMU11c,21c及び31cによって、配列R3が形成される。
【0047】
このように、各BMUは、ハーネスを介してX軸方向及びY軸方向に沿って格子状に接続されている。このため、任意の一つのBMUは、他の全てのBMUと通信可能となる。
【0048】
(上位システム3)
図1に示すように、BMU11aの送受信ポートIF1と上位システム3に設けられる通信ポート50とがハーネス13fを介して通信が可能となるように接続されている。上位システム3は、BMU11aを介し、蓄電池12aなどの充電及び放電の切換を制御して、蓄電システム100が放電する総電力量の管理及び調整などを行う。BMU11aは、上位システム3からの指令にしたがい、他のBMUを制御する制御装置であるから、以下では、BMU11aを「マスタBMU11a」と表記することがある。
【0049】
(電流が流れる方向)
配列C1~C3において、各蓄電池がY軸方向に沿って直列に接続されるため、電流はY軸方向に沿って流れるが、それだけでなく、本実施形態では電流がX軸方向に沿って流れるようにも構成されている。以下、具体的に説明する。
【0050】
まず、配列C1~C3の先頭の位置について説明する。図1に示すように、マスタBMU11aは、第1接続スイッチ15d、第2接続スイッチ15e及び第1プリチャージ抵抗器15fを備えている。第1プリチャージ抵抗器15f及び第2接続スイッチ15eは、直列に接続されている。第1接続スイッチ15dは、第1プリチャージ抵抗器15f及び第2接続スイッチ15eに対し並列に接続されている。
【0051】
図1に示すように、BMU21aは、第1接続スイッチ25d、第2接続スイッチ25e及び第1プリチャージ抵抗器25fを備えている。また、BMU31aは、第1接続スイッチ35d、第2接続スイッチ35e及び第1プリチャージ抵抗器35fを備えている。
【0052】
第1接続スイッチ15d,25d及び35dがオフ状態からオン状態に切り替えられると、蓄電池12a,22a及び32aは、ハーネス13c~23c及び送受信ポートIF1~IF2を介して電気的に接続され、X軸方向に電流が流れる。本実施形態において、ハーネス13c~23cは、BMU11a,21a及び31aが互いに通信するための通信線であり、X軸方向に電流を流すための電力線でもある。配列R1は、蓄電池12a,22a及び32aが電気的に接続されることによって形成される配列と言い換えられてもよい。
【0053】
次に、配列C1~C3の先頭の位置から1つだけ下位側に移動した位置について説明する。図1に示すように、BMU11bは、第1接続スイッチ16d、第2接続スイッチ16e及び第1プリチャージ抵抗器16fを備えている。同様に、BMU21bは、第1接続スイッチ26d、第2接続スイッチ26e及び第1プリチャージ抵抗器26fを備えている。同様に、BMU31bは、第1接続スイッチ36d、第2接続スイッチ36e及び第1プリチャージ抵抗器36fを備えている。
【0054】
第1接続スイッチ16d,26d及び36dがオフ状態からオン状態に切り替えられると、蓄電池12b,22b及び32bは、ハーネス13d~23d及び送受信ポートIF1~IF2を介して電気的に接続され、X軸方向に電流が流れる。ハーネス13d~23dは、BMU11b,21b及び31bが互いに通信するための通信線であり、X軸方向に電流を流すための電力線でもある。配列R2は、蓄電池12b,22b及び32bが電気的に接続されることによって形成される配列と言い換えられてもよい。
【0055】
次に、配列C1~C3の先頭の位置から2つだけ下位側に移動した位置、すなわち配列C1~C3の末尾の位置について説明する。図1に示すように、BMU11cは、第1接続スイッチ17d、第2接続スイッチ17e及び第1プリチャージ抵抗器17fを備えている。同様に、BMU21cは、第1接続スイッチ27d、第2接続スイッチ27e及び第1プリチャージ抵抗器27fを備えている。同様に、BMU31cは、第1接続スイッチ37d、第2接続スイッチ37e及び第1プリチャージ抵抗器37fを備えている。
【0056】
第1接続スイッチ17d,27d及び37dがオフ状態からオン状態に切り替えられると、蓄電池12c,22c及び32cは、ハーネス13e~23e及び送受信ポートIF1~IF2を介して電気的に接続され、X軸方向に電流が流れる。ハーネス13e~23eは、BMU11c,21c及び31cが互いに通信するための通信線であり、X軸方向に電流を流すための電力線でもある。配列R3は、蓄電池12c,22c及び32cが電気的に接続されることによって形成される配列と言い換えられてもよい。
【0057】
(各接続スイッチのオンオフ切り替え)
各接続スイッチのオンオフの切り替えについて、制御主体は特に限定されない。例えば、第1接続スイッチ15d、第2接続スイッチ15e、第3接続スイッチ15a及び第4接続スイッチ15bについて、これらの接続スイッチを備えるマスタBMU11aが制御主体でもよいし、他のBMUが制御主体でもよい。本実施形態において、各BMUは、格子状に通信可能となるように接続されているため、任意のBMUがすべての接続スイッチのオンオフを切り替えることが可能であるが、以下では一例として、すべての接続スイッチのオンオフを切り替える制御主体をマスタBMU11aとして説明する。
【0058】
各接続スイッチのオンオフの切り替え方法の一例について、図2~8を参照して説明する。すべての接続スイッチの初期状態は、オフ状態とする。
【0059】
上位システム3から蓄電池12aなどを充電する又は放電させる指令が、マスタBMU11aに出力された場合を考える。この場合、マスタBMU11aは、すべての蓄電池を高電位母線5a及び低電位母線5bに電気的に接続させる。
【0060】
(配列C1における各接続スイッチのオンオフ切り替え)
まず、配列C1について説明する。マスタBMU11aは、自身が有する第4接続スイッチ15bをオン操作する。その後、マスタBMU11aは、BMU11bに対し第3接続スイッチ16aをオフ状態からオン状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第1信号と称する。第1信号を受信したBMU11bは、第3接続スイッチ16aをオン操作する。また、マスタBMU11aは、BMU11cに対し第3接続スイッチ17aをオフ状態からオン状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第2信号と称する。第2信号を受信したBMU11cは、第3接続スイッチ17aをオン操作する。これにより、図2に示すように、配列C1に係る蓄電池12a,12b及び12cが高電位母線5a及び低電位母線5bに電気的に接続される。なお、図2において、図1と比較してオンオフ状態が変化した各接続スイッチについては一点鎖線で囲んでいる。マスタBMU11aは、配列C1に係る蓄電池12a,12b及び12cを高電位母線5a及び低電位母線5bに接続させるとき、蓄電池12a,12b及び12cの電圧差を取得する必要はない。また、マスタBMU11aは、蓄電池12a,12b及び12cを同時に高電位母線5a及び低電位母線5bに接続させてもよい。
【0061】
図2に示す例では、配列C1の先頭に配置される電池ユニット1aのみ、第3接続スイッチ15aではなく、第2プリチャージ抵抗器15cに直列接続される第4接続スイッチ15bをオフ状態からオン状態に切り替える。これにより電池ユニット1aに流れる突入電流は、第2プリチャージ抵抗器15cによって制限される。なお、Y軸方向において電池ユニット1aより下位側の電池ユニット1b~1cについて、第3接続スイッチ16a~17aではなく、第4接続スイッチ16b~17bをオフ状態からオン状態に切り替えてもよい。
【0062】
(配列C2における各接続スイッチのオンオフ切り替え)
次に、配列C2について説明する。マスタBMU11aは、BMU21aに対し第4接続スイッチ25bをオフ状態からオン状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第3信号と称する。第3信号を受信したBMU21aは、第4接続スイッチ25bをオン操作する。また、マスタBMU11aは、BMU21bに対し第3接続スイッチ26aをオフ状態からオン状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第4信号と称する。第4信号を受信したBMU21bは、第3接続スイッチ26aをオン操作する。また、マスタBMU11aは、BMU21cに対し第3接続スイッチ27aをオフ状態からオン状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第5信号と称する。第5信号を受信したBMU21cは、第3接続スイッチ27aをオン操作する。これにより、図2に示すように、配列C2に係る蓄電池22a,22b及び22cが高電位母線5a及び低電位母線5bに電気的に接続される。なお、マスタBMU11aは、配列C2に係る蓄電池22a,22b及び22cを高電位母線5a及び低電位母線5bに接続させるとき、蓄電池22a,22b及び22cの電圧差を取得する必要はない。マスタBMU11aは、蓄電池22a,22b及び22cを同時に高電位母線5a及び低電位母線5bに接続させてもよい。
【0063】
図2に示す例では、配列C2の先頭に配置される電池ユニット2aのみ、第3接続スイッチ25aではなく、第2プリチャージ抵抗器25cに直列接続される第4接続スイッチ25bをオフ状態からオン状態に切り替える。これにより電池ユニット2aに流れる突入電流は、第2プリチャージ抵抗器25cによって制限される。なお、Y軸方向において電池ユニット2aより下位側の電池ユニット2b~2cについて、第3接続スイッチ26a~27aではなく、第4接続スイッチ26b~27bをオフ状態からオン状態に切り替えてもよい。
【0064】
(配列C3における各接続スイッチのオンオフ切り替え)
次に、配列C3について説明する。マスタBMU11aは、BMU31aに対し第4接続スイッチ35bをオフ状態からオン状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第6信号と称する。第6信号を受信したBMU31aは、第4接続スイッチ35bをオン操作する。また、マスタBMU11aは、BMU31bに対し第3接続スイッチ36aをオフ状態からオン状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第7信号と称する。第7信号を受信したBMU31bは、第3接続スイッチ36aをオン操作する。また、マスタBMU11aは、BMU31cに対し第3接続スイッチ37aをオフ状態からオン状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第8信号と称する。第8信号を受信したBMU31cは、第3接続スイッチ37aをオン操作する。これにより、図2に示すように、配列C3に係る蓄電池32a,32b及び32cが高電位母線5a及び低電位母線5bに電気的に接続される。なお、マスタBMU11aは、配列C3に係る蓄電池32a,32b及び32cを高電位母線5a及び低電位母線5bに接続させるとき、蓄電池32a,32b及び32cの電圧差を取得する必要はない。マスタBMU11aは、蓄電池32a,32b及び32cを同時に高電位母線5a及び低電位母線5bに接続させてもよい。
【0065】
図2に示す例では、配列C3の先頭に配置される電池ユニット3aのみ、第3接続スイッチ35aではなく、第2プリチャージ抵抗器35cに直列接続される第4接続スイッチ35bをオフ状態からオン状態に切り替える。これにより電池ユニット3aに流れる突入電流は、第2プリチャージ抵抗器35cによって制限される。なお、Y軸方向において電池ユニット3aより下位側の電池ユニット3b~3cについて、第3接続スイッチ36a~37aではなく、第4接続スイッチ36b~37bをオフ状態からオン状態に切り替えてもよい。
【0066】
(列電圧の均等化)
マスタBMU11aは、配列C1~C3に係るすべての蓄電池が高電位母線5a及び低電位母線5bに接続されたことを示す信号を受信したとき、配列C1~C3のそれぞれの列電圧を取得する。本実施形態において、「列電圧」とは、直列に接続された蓄電池の電圧の合計値と定義される。具体的には、配列C1に関しては、蓄電池12a,12b及び12cの電圧の合計値が配列C1の列電圧となる。配列C2に関しては、蓄電池22a,22b及び22cの電圧の合計値が配列C2の列電圧となる。配列C3に関しては、蓄電池32a,32b及び32cの電圧の合計値が配列C3の列電圧となる。
【0067】
ここで、蓄電池12a,12b及び12cの電圧をそれぞれ、11.5V,12.0V及び11.5Vと仮定する。この場合、配列C1の列電圧は、これらの合計値である35.0Vとなる。同様に、蓄電池22a,22b及び22cの電圧をそれぞれ、12.0V,12.0V及び12.0Vと仮定する。この場合、配列C2の列電圧は、これらの合計値である36.0Vとなる。同様に、蓄電池32a,32b及び32cの電圧をそれぞれ、12.0V,11.0V及び12.0Vと仮定する。この場合、配列C3の列電圧は、これらの合計値である35.0Vとなる。
【0068】
マスタBMU11aは、取得した列電圧のうち、最も高い列電圧を決定する。本実施形態の場合、配列C1~C3のそれぞれの列電圧のうち、最も高い列電圧は、配列C2の列電圧となる。マスタBMU11aは、列電圧が最も高い配列C2の先頭に配置される電池ユニット2aの突入電流に対する保護を解除する。具体的には、マスタBMU11aは、BMU21aに対し第3接続スイッチ25aをオフ状態からオン状態に切り替え、第4接続スイッチ25bをオン状態からオフ状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第9信号と称する。第9信号を受信したBMU21aは、図3に示すように、第3接続スイッチ25aをオン操作し、その後、第4接続スイッチ25bをオフ操作する。これにより、電池ユニット2aの突入電流に対する保護が解除される。これにより、高電位母線5aを介して配列C2から配列C1及び配列C3に向かって電流が流れ、列電圧の均等化が行われる。本実施形態において「列電圧の均等化」とは、列電圧を同一にすることに限定されない。「列電圧の均等化」とは、列電圧をほぼ同一とみなせる程度の電圧に調整することを含む。また、列電圧に限らず、以下で述べる他の電圧の均等化についても同様である。なお、図3において、図2と比較してオンオフ状態が変化した第3接続スイッチ25aについては一点鎖線で囲んでいる。
【0069】
突入電流に対する保護を解除した後、マスタBMU11aは再度、配列C1~C3のそれぞれの列電圧を取得する。マスタBMU11aは、それぞれの列電圧の電圧差が第1所定値以下か否かを判定する。第1所定値とは、例えば、プラスマイナス0.2Vである。この数値は、各プリチャージ抵抗器の抵抗値などに応じて適宜変更可能である。
【0070】
列電圧の均等化が行われた結果、配列C1,C2及びC3の列電圧がそれぞれ、35.3V,35.3V及び35.3Vになったとする。この場合、それぞれの列電圧の電圧差は0Vである。よって、マスタBMU11aは、それぞれの列電圧の電圧差は第1所定値以下であると判定する。なお、それぞれの列電圧の電圧差とは、配列C1の列電圧と配列C2の列電圧との電圧差、配列C1の列電圧と配列C3の列電圧との電圧差、及び配列C2の列電圧と配列C3の列電圧との電圧差の全てを含む。
【0071】
それぞれの列電圧の電圧差が第1所定値以下であると判定された場合、マスタBMU11aは、突入電流に対する保護が解除されていない他の電池ユニットに対して、突入電流に対する保護を解除する。図3に示す例では、それぞれの列電圧の電圧差が第1所定値以下であると判定された際に、突入電流に対する保護が解除されていない他の電池ユニットは、電池ユニット1aと電池ユニット3aである。したがって、マスタBMU11aは、電池ユニット1aと電池ユニット3aの突入電流に対する保護を解除する。具体的には、図4に示すように、マスタBMU11aは、自身が有する第3接続スイッチ15aをオン操作し、その後、第4接続スイッチ15bをオフ操作する。これにより、電池ユニット1aの突入電流に対する保護が解除される。また、マスタBMU11aは、BMU31aに対し第3接続スイッチ35aをオフ状態からオン状態に切り替え、第4接続スイッチ35bをオン状態からオフ状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第10信号と称する。図4に示すように、第10信号を受信したBMU31aは、第3接続スイッチ35aをオン操作し、その後、第4接続スイッチ35bをオフ操作する。これにより、電池ユニット3aの突入電流に対する保護が解除される。なお、図4において、図3と比較してオンオフ状態が変化した各接続スイッチについては一点鎖線で囲んでいる。
【0072】
列電圧の均等化が行われた結果、蓄電池12a,12b,12c,22a,22b,22c,32a,32b及び32cの電圧をそれぞれ、11.6V,12.1V,11.6V,11.77V,11.77V,11.77V,12.0V,11.0V及び12.0Vと仮定する。この場合、それぞれの列電圧の電圧差は所定値以下となるものの、各蓄電池の電圧のばらつきによって、配列C1~C3のそれぞれの容量(Ah)にばらつきが生じる可能性がある。これにより、このままの電圧では電力を有効に活用できないおそれがある。容量のばらつきを解消する方法として、自己放電により各蓄電池の電圧差をゼロに近づける方法が考えられるが、このような方法は時間がかかる上に、自己放電によって電力が無駄になってしまう。
【0073】
そこで、本実施形態では、X軸方向において、主に通信線として用いられるハーネスを利用した電力移動を行うことにより、X軸方向における各蓄電池の電圧の均等化を行う。
【0074】
(配列R2における各蓄電池の電圧の均等化)
まず、配列R2について説明する。図5に示すように、マスタBMU11aは、BMU11bに対し第2接続スイッチ16eをオフ状態からオン状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第11信号と称する。第11信号を受信したBMU11bは、第2接続スイッチ16eをオン操作する。また、マスタBMU11aは、BMU21bに対し第2接続スイッチ26eをオフ状態からオン状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第12信号と称する。第12信号を受信したBMU21bは、第2接続スイッチ26eをオン操作する。また、マスタBMU11aは、BMU31bに対し第2接続スイッチ36eをオフ状態からオン状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第13信号と称する。第13信号を受信したBMU31bは、第2接続スイッチ36eをオン操作する。なお、図5において、図4と比較してオンオフ状態が変化した各接続スイッチについては一点鎖線で囲んでいる。
【0075】
これにより、蓄電池12bと蓄電池22bは、BMU11bの送受信ポートIF2と、ハーネス13dと、BMU21bの送受信ポートIF1と、を介して、電気的に接続される。同様に、蓄電池22bと蓄電池32bは、BMU21bの送受信ポートIF2と、ハーネス23dと、BMU31bの送受信ポートIF1と、を介して、電気的に接続される。このように、配列R2に係る蓄電池12b,22b及び32bが、主に通信線として用いられるハーネス13d及びハーネス23dを介してX軸方向に沿って電気的に接続される。なお、マスタBMU11aは、蓄電池12b,22b及び32bを同時に電気的に接続させてもよい。
【0076】
マスタBMU11aは、蓄電池12b,22b及び32bがX軸方向に沿って電気的に接続されたことを示す信号を受信したとき、蓄電池12b,22b及び32bの電圧を取得する。マスタBMU11aは、取得した電圧のうち、最も高い電圧を決定する。本実施形態の場合、蓄電池12b,22b及び32bの電圧のうち、最も高い電圧は、蓄電池12bの電圧となる。マスタBMU11aは、電圧が最も高い蓄電池12bを備える電池ユニット1bの突入電流に対する保護を解除する。具体的には、マスタBMU11aは、BMU11bに対し第1接続スイッチ16dをオフ状態からオン状態に切り替え、第2接続スイッチ16eをオン状態からオフ状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第14信号と称する。第14信号を受信したBMU11bは、図6に示すように、第1接続スイッチ16dをオン操作し、その後、第2接続スイッチ16eをオフ操作する。これにより、電池ユニット1bの突入電流に対する保護が解除される。これにより、蓄電池12bから蓄電池22b及び蓄電池12bに向かって電流が流れ、電圧の均等化が行われる。なお、図6において、図5と比較してオンオフ状態が変化した各接続スイッチについては一点鎖線で囲んでいる。
【0077】
(配列R3における各蓄電池の電圧の均等化)
次に、配列R3について説明する。図5に示すように、マスタBMU11aは、BMU11cに対し第2接続スイッチ17eをオフ状態からオン状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第15信号と称する。第15信号を受信したBMU11cは、第2接続スイッチ17eをオン操作する。また、マスタBMU11aは、BMU21cに対し第2接続スイッチ27eをオフ状態からオン状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第16信号と称する。第16信号を受信したBMU21cは、第2接続スイッチ27eをオン操作する。また、マスタBMU11aは、BMU31cに対し第2接続スイッチ37eをオフ状態からオン状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第17信号と称する。第17信号を受信したBMU31cは、第2接続スイッチ37eをオン操作する。
【0078】
これにより、蓄電池12cと蓄電池22cは、BMU11cの送受信ポートIF2と、ハーネス13eと、BMU21cの送受信ポートIF1と、を介して、電気的に接続される。同様に、蓄電池22cと蓄電池32cは、BMU21cの送受信ポートIF2と、ハーネス23eと、BMU31cの送受信ポートIF1と、を介して、電気的に接続される。このように、配列R3に係る蓄電池12c,22c及び32cが、主に通信線として用いられるハーネス13e及びハーネス23eを介してX軸方向に沿って電気的に接続される。なお、マスタBMU11aは、蓄電池12c,22c及び32cを同時に電気的に接続させてもよい。
【0079】
マスタBMU11aは、蓄電池12c,22c及び32cがX軸方向に沿って電気的に接続されたことを示す信号を受信したとき、蓄電池12c,22c及び32cの電圧を取得する。マスタBMU11aは、取得した電圧のうち、最も高い電圧を決定する。本実施形態の場合、蓄電池12c,22c及び32cの電圧のうち、最も高い電圧は、蓄電池32cの電圧となる。マスタBMU11aは、電圧が最も高い蓄電池32cを備える電池ユニット3cの突入電流に対する保護を解除する。具体的には、マスタBMU11aは、BMU31cに対し第1接続スイッチ37dをオフ状態からオン状態に切り替え、第2接続スイッチ37eをオン状態からオフ状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第18信号と称する。第18信号を受信したBMU31cは、図6に示すように、第1接続スイッチ37dをオン操作し、その後、第2接続スイッチ37eをオフ操作する。これにより、電池ユニット3cの突入電流に対する保護が解除される。これにより、蓄電池32cから蓄電池12c及び蓄電池22cに向かって電流が流れ、電圧の均等化が行われる。
【0080】
(配列R1における各蓄電池の電圧の均等化)
次に、配列R1について説明する。配列R1に係る蓄電池12a,22a及び32aについては、ハーネス13c及び23cを用いたX軸方向における電気的な接続は不要である。その理由は、蓄電池12a,22a及び32aについては、高電位母線5aを介して電流を流して電圧の均等化を行えば足りるからである。もちろん、配列R1においても、配列R2及び配列R3と同じように、ハーネスを用いて蓄電池12a,22a及び32aをX軸方向に電気的に接続させてもよい。
【0081】
突入電流に対する保護を解除した後、マスタBMU11aは再度、配列R1に係る蓄電池12a,22a及び32aの電圧、配列R2に係る蓄電池12b,22b及び32bの電圧、及び配列R3に係る蓄電池12c,22c及び32cの電圧を取得する。マスタBMU11aは、同一の配列に係る各蓄電池の電圧差が第2所定値以下か否かを判定する。「同一の配列に係る各蓄電池の電圧差」とは、例えば、配列R2を例に挙げれば、蓄電池12bの電圧と蓄電池22bの電圧との電圧差、蓄電池12bの電圧と蓄電池32bの電圧との電圧差、及び蓄電池22bの電圧と蓄電池32bの電圧との電圧差をいう。第2所定値とは、例えば、プラスマイナス0.2Vである。この数値は、各プリチャージ抵抗器の抵抗値などに応じて適宜変更可能である。なお、「同一の配列に係る各蓄電池の電圧差」とは、「同一の配列において電気的に接続される蓄電池同士のそれぞれの電圧差」と言い換えられてもよい。
【0082】
配列R2において、電圧の均等化が行われた結果、蓄電池12b,22b及び32bの電圧がそれぞれ11.7V,11.7V及び11.7Vになったとする。この場合、蓄電池12b,22b及び32bの電圧差は0Vである。よって、マスタBMU11aは、蓄電池12b,22b及び32bの電圧差は第2所定値以下であると判定する。
【0083】
蓄電池12b,22b及び32bの電圧差が第2所定値以下であると判定された場合、マスタBMU11aは、判定対象の配列である配列R2において、突入電流に対する保護が解除されていない他の電池ユニットに対して、突入電流に対する保護を解除する。図6に示す例では、蓄電池12b,22b及び32bの電圧差が第2所定値以下であると判定された際に、突入電流に対する保護が解除されていない他の電池ユニットは、電池ユニット2bと電池ユニット3bである。したがって、マスタBMU11aは、電池ユニット2bと電池ユニット3bの突入電流に対する保護を解除する。具体的には、マスタBMU11aは、BMU21bに対し第1接続スイッチ26dをオフ状態からオン状態に切り替え、第2接続スイッチ26eをオン状態からオフ状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第19信号と称する。第19信号を受信したBMU21bは、図7に示すように、第1接続スイッチ26dをオン操作し、その後、第2接続スイッチ26eをオフ操作する。これにより、電池ユニット2bの突入電流に対する保護が解除される。なお、図7において、図6と比較してオンオフ状態が変化した各接続スイッチについては一点鎖線で囲んでいる。
【0084】
同様に、マスタBMU11aは、BMU31bに対し第1接続スイッチ36dをオフ状態からオン状態に切り替え、第2接続スイッチ36eをオン状態からオフ状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第20信号と称する。第20信号を受信したBMU31bは、図7に示すように、第1接続スイッチ36dをオン操作し、その後、第2接続スイッチ36eをオフ操作する。これにより、電池ユニット3bの突入電流に対する保護が解除される。なお、電池ユニット2b及び電池ユニット3bの突入電流に対する保護の解除は、同時に行われてもよい。
【0085】
配列R3において、電圧の均等化が行われた結果、蓄電池12c,22c及び32cの電圧がそれぞれ11.8V,11.8V及び11.8Vになったとする。この場合、蓄電池12c,22c及び32cの電圧差は0Vである。よって、マスタBMU11aは、蓄電池12c,22c及び32cの電圧差は第2所定値以下であると判定する。
【0086】
蓄電池12c,22c及び32cの電圧差が第2所定値以下であると判定された場合、マスタBMU11aは、判定対象配列である配列R3において、突入電流に対する保護が解除されていない他の電池ユニットに対して、突入電流に対する保護を解除する。図6に示す例では、蓄電池12c,22c及び32cの電圧差が第2所定値以下であると判定された際に、突入電流に対する保護が解除されていない他の電池ユニットは、電池ユニット1cと電池ユニット2cである。したがって、マスタBMU11aは、電池ユニット1cと電池ユニット2cの突入電流に対する保護を解除する。具体的には、マスタBMU11aは、BMU11cに対し第1接続スイッチ17dをオフ状態からオン状態に切り替え、第2接続スイッチ17eをオン状態からオフ状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第21信号と称する。第21信号を受信したBMU21bは、図7に示すように、第1接続スイッチ17dをオン操作し、その後、第2接続スイッチ17eをオフ操作する。これにより、電池ユニット1cの突入電流に対する保護が解除される。
【0087】
同様に、マスタBMU11aは、BMU21cに対し第1接続スイッチ27dをオフ状態からオン状態に切り替え、第2接続スイッチ27eをオン状態からオフ状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第22信号と称する。第22信号を受信したBMU21cは、図7に示すように、第1接続スイッチ27dをオン操作し、その後、第2接続スイッチ27eをオフ操作する。これにより、電池ユニット2cの突入電流に対する保護が解除される。なお、電池ユニット1c及び電池ユニット2cの突入電流に対する保護の解除は、同時に行われてもよい。
【0088】
すべての蓄電池の突入電流に対する保護を解除した後、マスタBMU11aは、配列R1~R3のそれぞれの電圧差が第3所定値以下か否かを判定する。なお、ここでは、配列R1において、電圧の均等化が行われた結果、蓄電池12a,22a及び32aの電圧がそれぞれ11.8V,11.8V及び11.8Vになったとする。第3所定値とは、例えば、プラスマイナス0.1Vである。この数値は、各プリチャージ抵抗器の抵抗値などに応じて適宜変更可能である。
【0089】
「配列R1~R3のそれぞれの電圧差」とは、配列R1の電圧と配列R2の電圧との電圧差、配列R1の電圧と配列R3の電圧との電圧差、及び配列R2の電圧と配列R3の電圧との電圧差をいう。「配列R1の電圧」とは、配列R1に係る任意の一つの蓄電池の電圧、すなわち、蓄電池12a,22a及び32aのうち、いずれか一つの蓄電池の電圧でもよいし、蓄電池12a,22a及び32aの電圧の平均値でもよい。どちらを採用した場合であっても、「配列R1の電圧」は、11.8Vとなる。同様に、「配列R2の電圧」は、11.7Vとなり、「配列R3の電圧」は、11.8Vとなる。
【0090】
配列R1の電圧と配列R2の電圧との電圧差は、0.1Vとなる。配列R1の電圧と配列R3の電圧との電圧差は、0Vとなる。配列R2の電圧と配列R3の電圧との電圧差は、0.1Vとなる。よって、マスタBMU11aは、配列R1~R3のそれぞれの電圧差は第3所定値以下であると判定する。
【0091】
配列R1~R3のそれぞれの電圧差が第3所定値以下であると判定された場合、マスタBMU11aは、配列R2~R3のそれぞれにおけるX軸方向の電気的な接続を解除する。まず、配列R2について説明する。マスタBMU11aは、BMU11bに対し、第1接続スイッチ16dをオン状態からオフ状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第23信号と称する。第23信号を受信したBMU11bは、図8に示すように、第1接続スイッチ16dをオフ操作する。同様に、マスタBMU11aは、BMU21bに対し、第1接続スイッチ26dをオン状態からオフ状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第24信号と称する。第24信号を受信したBMU21bは、図8に示すように、第1接続スイッチ26dをオフ操作する。同様に、マスタBMU11aは、BMU31bに対し、第1接続スイッチ36dをオン状態からオフ状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第25信号と称する。第25信号を受信したBMU31bは、図8に示すように、第1接続スイッチ36dをオフ操作する。なお、図8において、図7と比較してオンオフ状態が変化した各接続スイッチについては一点鎖線で囲んでいる。
【0092】
このように、第1接続スイッチ16d,26d及び36dがオン状態からオフ状態に切り替えられることにより、配列R2においてX軸方向の電気的な接続が解除される。
【0093】
次に、配列R3について説明する。マスタBMU11aは、BMU11cに対し、第1接続スイッチ17dをオン状態からオフ状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第26信号と称する。第26信号を受信したBMU11cは、図8に示すように、第1接続スイッチ17dをオフ操作する。同様に、マスタBMU11aは、BMU21cに対し、第1接続スイッチ27dをオン状態からオフ状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第27信号と称する。第27信号を受信したBMU21cは、図8に示すように、第1接続スイッチ27dをオフ操作する。同様に、マスタBMU11aは、BMU31cに対し、第1接続スイッチ37dをオン状態からオフ状態に切り替えるための信号を送信する。以下、この信号を第28信号と称する。第28信号を受信したBMU31cは、図8に示すように、第1接続スイッチ37dをオフ操作する。
【0094】
このように、第1接続スイッチ17d,27d及び37dがオン状態からオフ状態に切り替えられることにより、配列R3においてX軸方向の電気的な接続が解除される。
【0095】
第3所定値以下であれば、配列R1~R3のそれぞれの電圧差は異なっていてもよい。すなわち、配列R1~R3のうち少なくとも1つの配列のそれぞれの蓄電池の電圧を、他の配列のそれぞれの蓄電池の電圧と異ならせてもよい。これは例えば、リユース又はリサイクルした電池ユニットを使用すると、蓄電池の劣化などにより、X軸方向の電圧を合わせることが困難な場合がある。電圧を異ならせることによりこのような場合に、素早く電力を利用することができる。
【0096】
なお、X軸方向について、通信線を利用した電力移動について説明したが、電力移動は通信線を利用したものに限定されない。X軸方向に沿って電力線を設け、この電力線を用いて電力移動を行ってもよい。
【0097】
次に、図9~10のフローチャートを参照して、マスタBMU11aの一動作例について説明する。まず、図9のフローチャートについて説明する。
【0098】
ステップS10において、マスタBMU11aは、上位システム3から起動信号を受信すると電池ユニット1aを起動させる。この起動信号は、例えば、蓄電システム100が車両に搭載されている場合、車両のイグニッションスイッチがオンされたときにBMU11aに送信される。
【0099】
マスタBMU11aは、格子状に接続された通信線を用いて、他のBMUに起動信号を送信する。他のBMUは、自身が設けられている電池ユニットを起動させる。これにより、すべての電池ユニットが起動する。他のBMUは、自身が設けられている電池ユニットを起動させたとき、電池ユニットが起動したことを示す信号をマスタBMU11aに送信する。
【0100】
処理はステップS11に進み、マスタBMU11aは、各電池ユニットが起動したことを示す信号を受信したとき、蓄電池12a,12b,12c,22a,22b,22c,32a,32b及び32cを高電位母線5a及び低電位母線5bに電気的に接続させる。具体的な接続方法については、すでに述べたため、ここでの説明は省略する。
【0101】
処理はステップS12に進み、マスタBMU11aは、配列C1~C3のそれぞれの列電圧を取得する。処理はステップS13に進み、マスタBMU11aは、それぞれの列電圧の電圧差が第1所定値以下か否かを判定する。それぞれの列電圧の電圧差が第1所定値以下と判定された場合(ステップS13でYES)、処理はステップS14に進み、マスタBMU11aは、電池ユニット1a,2a及び3aの突入電流に対する保護を解除する。具体的には、マスタBMU11aは、第3接続スイッチ15aをオフ状態からオン状態に切り替え、第4接続スイッチ15bをオン状態からオフ状態に切り替える。また、マスタBMU11aは、第3接続スイッチ25aをオフ状態からオン状態に切り替え、第4接続スイッチ25bをオン状態からオフ状態に切り替える。また、マスタBMU11aは、第3接続スイッチ35aをオフ状態からオン状態に切り替え、第4接続スイッチ35bをオン状態からオフ状態に切り替える。
【0102】
一方で、それぞれの列電圧の電圧差が第2所定値以下と判定された場合(ステップS13でNO)、処理はステップS15に進み、マスタBMU11aは、取得した列電圧のうち、最も高い列電圧を決定する。マスタBMU11aは、列電圧が最も高い配列の先頭に配置される電池ユニットの突入電流に対する保護を解除する。例えば、上述の図3で説明したように、列電圧が最も高い配列の先頭に配置される電池ユニットが電池ユニット2aであるとする。この場合、マスタBMU11aは、第3接続スイッチ25aをオフ状態からオン状態に切り替え、第4接続スイッチ25bをオン状態からオフ状態に切り替える。
【0103】
処理はステップS16に進み、マスタBMU11aは再度、配列C1~C3のそれぞれの列電圧を取得し、それぞれの列電圧の電圧差が第1所定値以下か否かを判定する。それぞれの列電圧の電圧差が第1所定値以下と判定された場合(ステップS16でYES)、処理はステップS17に進み、マスタBMU11aは、突入電流に対する保護が解除されていない他の電池ユニットに対して、突入電流に対する保護を解除する。例えば、上述の図3で説明したように、突入電流に対する保護が解除されていない他の電池ユニットが電池ユニット1aと電池ユニット3aであるとする。この場合、マスタBMU11aは、第3接続スイッチ15aをオフ状態からオン状態に切り替え、第4接続スイッチ15bをオン状態からオフ状態に切り替える。また、マスタBMU11aは、第3接続スイッチ35aをオフ状態からオン状態に切り替え、第4接続スイッチ35bをオン状態からオフ状態に切り替える。なお、ステップS16の条件が満たされるまで、ステップS16の処理は繰り返し実行される。
【0104】
次に、図10のフローチャートについて説明する。ここでは、図9のフローチャートに示す処理が完了した後に図10のフローチャートに示す処理を行うものとして説明するが、これに限定されない。図10のフローチャートに示す処理が単独で行われてもよい。また、図10のフローチャートに示す処理が完了した後に図9のフローチャートに示す処理が行われてもよい。
【0105】
ステップS20において、マスタBMU11aは、ハーネス及び送受信ポートを利用して蓄電池をX軸方向に沿って電気的に接続させる。このような電気的な接続は、配列R2~R3に対して行えばよく、配列R1については不要である。
【0106】
処理はステップS21に進み、マスタBMU11aは、X軸方向に沿って電気的に接続される同一の配列に係る、各蓄電池の電圧を取得する。処理はステップS22に進み、マスタBMU11aは、同一の配列に係る各蓄電池の電圧差が第2所定値以下か否かを判定する。同一の配列に係る各蓄電池の電圧差が第2所定値以下であると判定された場合(ステップS22でYES)、処理はステップS23に進み、マスタBMU11aは、判定対象の配列に係る電池ユニットの突入電流に対する保護を解除する。例えば、判定対象の配列が、配列R2であると仮定する。
【0107】
この場合、マスタBMU11aは、第1接続スイッチ16dをオフ状態からオン状態に切り替え、第2接続スイッチ16eをオン状態からオフ状態に切り替える。また、マスタBMU11aは、第1接続スイッチ26dをオフ状態からオン状態に切り替え、第2接続スイッチ26eをオン状態からオフ状態に切り替える。また、マスタBMU11aは、第1接続スイッチ36dをオフ状態からオン状態に切り替え、第2接続スイッチ36eをオン状態からオフ状態に切り替える。
【0108】
処理はステップS24に進み、マスタBMU11aは、X軸方向に沿って形成される各配列のそれぞれの電圧差が第3所定値以下か否かを判定する。「X軸方向に沿って形成される各配列」とは、例えば配列R1~R3である。X軸方向に沿って形成される各配列のそれぞれの電圧差が第3所定値以下であると判定された場合(ステップS24でYES)、処理はステップS25に進み、マスタBMU11aは、X軸方向に沿った電気的な接続を解除する。なお、ステップS24の条件が満たされるまで、ステップS24の処理は繰り返し実行される。
【0109】
同一の配列に係る各蓄電池の電圧差が第2所定値以下でないと判定された場合(ステップS22でNO)、処理はステップS26に進み、マスタBMU11aは、同一の配列に係る各蓄電池の電圧のうち、電圧が最も高い蓄電池を備える電池ユニットの突入電流に対する保護を解除する。上述の図6で説明したように、電圧が最も高い蓄電池を備える電池ユニットが、電池ユニット1bであるとする。この場合、マスタBMU11aは、第1接続スイッチ16dをオフ状態からオン状態に切り替え、その後、第2接続スイッチ16eをオン状態からオフ状態に切り替える。
【0110】
処理はステップS27に進み、マスタBMU11aは再度、同一の配列に係る各蓄電池の電圧差が第2所定値以下か否かを判定する。同一の配列に係る各蓄電池の電圧差が第2所定値以下であると判定された場合(ステップS27でYES)、処理はステップS28に進み、マスタBMU11aは、判定対象の配列において、突入電流に対する保護が解除されていない他の電池ユニットに対して、突入電流に対する保護を解除する。上述の図6で説明したように、突入電流に対する保護が解除されていない他の電池ユニットが、電池ユニット2bと電池ユニット3bであるとする。この場合、マスタBMU11aは、第1接続スイッチ26dをオフ状態からオン状態に切り替え、その後、第2接続スイッチ26eをオン状態からオフ状態に切り替える。また、マスタBMU11aは、第1接続スイッチ36dをオフ状態からオン状態に切り替え、その後、第2接続スイッチ36eをオン状態からオフ状態に切り替える。なお、ステップS27の条件が満たされるまで、ステップS27の処理は繰り返し実行される。
【0111】
(作用効果)
以上説明したように、本実施形態に係る制御装置によれば、以下の作用効果が得られる。
【0112】
制御装置は、複数の蓄電池12a~12c,22a~22c及び32a~32cのそれぞれに設けられる。制御装置の一例は、BMU11a~11c,21a~21c及び31a~31cである。複数の蓄電池が第1方向に沿って電気的に接続されることにより複数の第1方向配列が形成される。「第1方向」の一例は、図1に示すY軸方向である。「第1方向配列」の一例は、図1に示す配列C1~C3である。複数の蓄電池が第1方向とは異なる第2方向において電気的に接続されることにより複数の第2方向配列が形成される。「第2方向」の一例は、図1に示すX軸方向である。「第2方向配列」の一例は、図1に示す配列R1~R3である。
【0113】
制御装置は、複数の第2方向配列のうち、少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池のそれぞれの電圧を、少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池の電圧のうち最も高い電圧に基づいて制御する制御部を、備える。このような制御装置によれば、第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池の電圧を自己放電に頼ることなく、均等化することができる。これにより、電圧の均等化に要する時間を短縮でき、さらに自己放電による無駄な電力消費を抑制できる。よって、例えば任意の電池ユニットを交換した場合、すばやく電圧の均等化を行うことができ、効率よく電力を利用することが可能となる。
【0114】
それぞれの制御装置には、第1接続スイッチと、第1接続スイッチに並列に接続される第1抵抗器と、第1抵抗器に直列に接続される第2接続スイッチと、が設けられる。「第1接続スイッチ」の一例は、第1接続スイッチ15d~17d,25d~27d及び35d~37dである。「第1抵抗器」の一例は、第1プリチャージ抵抗器15f~17f,25f~27f及び35f~37fである。「第2接続スイッチ」の一例は、第2接続スイッチ15e~17e,25e~27e及び35e~37eである。
【0115】
制御装置は、少なくとも1つの第2方向配列において、複数の第2接続スイッチをオン操作して、第2方向に沿って配置される蓄電池同士を電気的に接続させる。制御装置は、複数の第2接続スイッチをオン操作した後に、少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池のうち最も電圧が高い蓄電池に電気的に接続される第1接続スイッチをオン操作する。制御装置は、第1接続スイッチをオン操作した後に、複数の第2接続スイッチのうち、最も電圧が高い蓄電池に電気的に接続される第2接続スイッチをオフ操作する。これにより、最も電圧が高い蓄電池から他の蓄電池に電流が流れ、電圧の均等化を実現することができる。
【0116】
制御装置は、第2接続スイッチをオフ操作した後に少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される蓄電池同士のそれぞれの電圧差が所定値以下となった場合に、最も電圧が高い蓄電池以外の蓄電池に電気的に接続される第1接続スイッチをオン操作する。制御装置は、第1接続スイッチをオン操作した後に、複数の第2接続スイッチのうち、最も電圧が高い蓄電池以外の蓄電池に電気的に接続される第2接続スイッチをオフ操作する。これにより、突入電流に対する保護を解除することができる。
【0117】
それぞれの制御装置には、第3接続スイッチと、第3接続スイッチに並列に接続される第2抵抗器と、第2抵抗器に直列に接続される第4接続スイッチと、が設けられる。「第3接続スイッチ」の一例は、第3接続スイッチ15a~17a,25a~27a及び35a~37aである。「第2抵抗器」の一例は、第2プリチャージ抵抗器15c~17c,25c~27c及び35c~37cである。「第4接続スイッチ」の一例は、第4接続スイッチ15b~17b,25b~27b及び35b~37bである。第1接続スイッチ、第2接続スイッチ、第3接続スイッチ及び第4接続スイッチは、同一の電力線に電気的に接続される。これにより、Y軸方向に沿った蓄電池の電気的な接続及びX軸方向に沿った蓄電池の電気的な接続が実現する。
【0118】
制御装置は、複数の第2方向配列のうち、少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池のそれぞれの電圧を、他の第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池のそれぞれの電圧と異ならせてもよい。これにより、リユース又はリサイクルした電池ユニットを使用する場合などにおいて素早く電力を利用することができる。
【0119】
制御装置は、所定システムから蓄電池の充放電に関する指令を受信してもよい。「所定システム」の一例は、上位システム3である。すなわち制御装置は、マスタBMU11aであってもよい。マスタBMU11aは、上位システム3から受けた指令に基づいて他のBMUに指令を送信可能であるため、マスタBMU11aに本実施形態に係る機能を持たせることにより、BMUの一元的な管理が可能となる。
【0120】
制御装置は、第1方向及び第2方向に沿って格子状に配置されてもよい。これは、電池ユニット1a~1c,2a~2c及び3a~3cが第1方向及び第2方向に沿って格子状に配置されてもよいことを意味する。このような配置によれば、収納スペースを有効に活用することができる。また、電池ユニットの交換が容易になる。
【0121】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御装置としての各BMUの機能は、制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、制御装置の各制御ブロックとしてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0122】
この場合、制御装置は、プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。コンピュータがプログラムを実行することにより、各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0123】
プログラムは、一時的ではなく、コンピュータが読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、制御装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して制御装置に供給されてもよい。
【0124】
また、各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本開示の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0125】
また、各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0126】
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0127】
〔付記事項〕
また、本開示は下記のように表記する事もできる。
【0128】
本開示の一態様に係る制御装置は、複数の蓄電池のそれぞれに設けられる制御装置であって、上記複数の蓄電池が第1方向に沿って電気的に接続されることにより複数の第1方向配列が形成され、上記複数の蓄電池が上記第1方向とは異なる第2方向において電気的に接続されることにより複数の第2方向配列が形成され、上記複数の第2方向配列のうち、少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池のそれぞれの電圧を、上記少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池の電圧のうち最も高い電圧に基づいて制御する制御部を、備える。
【0129】
上記構成によれば、第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池の電圧を自己放電に頼ることなく、均等化することができる。これにより、電圧の均等化に要する時間を短縮でき、さらに自己放電による無駄な電力消費を抑制できる。よって、例えば任意の電池ユニットを交換した場合、すばやく電圧の均等化を行うことができ、効率よく電力を利用することが可能となる。
【0130】
本開示の一態様に係る制御装置には、第1接続スイッチと、上記第1接続スイッチに並列に接続される第1抵抗器と、上記第1抵抗器に直列に接続される第2接続スイッチと、が設けられる。本開示の一態様に係る制御装置は、上記少なくとも1つの第2方向配列において、複数の第2接続スイッチをオン操作して、上記第2方向に沿って配置される上記蓄電池同士を電気的に接続させ、上記複数の第2接続スイッチをオン操作した後に、上記少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池のうち最も電圧が高い蓄電池に電気的に接続される上記第1接続スイッチをオン操作し、上記第1接続スイッチをオン操作した後に、上記複数の第2接続スイッチのうち、上記最も電圧が高い蓄電池に電気的に接続される第2接続スイッチをオフ操作してもよい。
【0131】
上記構成によれば、最も電圧が高い蓄電池から他の蓄電池に電流が流れ、電圧の均等化を実現することができる。
【0132】
本開示の一態様に係る制御装置は、上記第2接続スイッチをオフ操作した後に上記少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される蓄電池同士のそれぞれの電圧差が所定値以下となった場合に、上記最も電圧が高い蓄電池以外の蓄電池に電気的に接続される第1接続スイッチをオン操作し、上記第1接続スイッチをオン操作した後に、上記複数の第2接続スイッチのうち、上記最も電圧が高い蓄電池以外の蓄電池に電気的に接続される第2接続スイッチをオフ操作してもよい。
【0133】
上記構成によれば、突入電流に対する保護を解除することができる。
【0134】
本開示の一態様に係る制御装置には、第3接続スイッチと、上記第3接続スイッチに並列に接続される第2抵抗器と、上記第2抵抗器に直列に接続される第4接続スイッチと、が設けられる。上記第1接続スイッチ、上記第2接続スイッチ、上記第3接続スイッチ及び上記第4接続スイッチは、同一の電力線に電気的に接続されてもよい。
【0135】
上記構成によれば、Y軸方向に沿った蓄電池の電気的な接続及びX軸方向に沿った蓄電池の電気的な接続が実現する。
【0136】
本開示の一態様に係る制御装置は、上記複数の第2方向配列のうち、上記少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池のそれぞれの電圧を、他の第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池のそれぞれの電圧と異ならせてもよい。
【0137】
上記構成によれば、リユース又はリサイクルした電池ユニットを使用する場合などにおいて素早く電力を利用することができる。
【0138】
本開示の一態様に係る制御装置は、所定システムから上記蓄電池の充放電に関する指令を受信してもよい。
【0139】
上記構成によれば、BMUの一元的な管理が可能となる。
【0140】
本開示の一態様に係る制御装置は、上記第1方向及び上記第2方向に沿って格子状に配置されてもよい。
【0141】
上記構成によれば、収納スペースを有効に活用することができる。また、電池ユニットの交換が容易になる。
【0142】
本開示の一態様に係る制御方法は、複数の蓄電池のそれぞれに設けられる制御装置に用いられる制御方法であって、上記複数の蓄電池が第1方向に沿って電気的に接続されることにより複数の第1方向配列が形成され、上記複数の蓄電池が上記第1方向とは異なる第2方向において電気的に接続されることにより複数の第2方向配列が形成され、上記複数の第2方向配列のうち、少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池のそれぞれの電圧を、上記少なくとも1つの第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池の電圧のうち最も高い電圧に基づいて制御する。
【0143】
上記構成によれば、第2方向配列において電気的に接続される複数の蓄電池の電圧を自己放電に頼ることなく、均等化することができる。これにより、電圧の均等化に要する時間を短縮でき、さらに自己放電による無駄な電力消費を抑制できる。よって、例えば任意の電池ユニットを交換した場合、すばやく電圧の均等化を行うことができ、効率よく電力を利用することが可能となる。
【符号の説明】
【0144】
1a、1b、1c、2a、2b、2c、3a、3b、3c 電池ユニット
11a、11b、11c、21a、21b、21c、31a、31b、31c BMU
12a、12b、12c、22a、22b、22c、32a、32b、32c 蓄電池
15d、16d、17d、25d、26d、27d、35d、36d、37d 第1接続スイッチ
15e、16e、17e、25e、26e、27e、35e、36e、37e 第2接続スイッチ
15a、16a、17a、25a、26a、27a、35a、36a、37a 第3接続スイッチ
15b、16b、17b、25b、26b、27b、35b、36b、37b 第4接続スイッチ
15f、16f、17f、25f、26f、27f、35f、36f、37f 第1プリチャージ抵抗器
15c、16c、17c、25c、26c、27c、35c、36c、37c 第2プリチャージ抵抗器
C1、C2、C3、R1、R2、R3 配列
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10