(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097734
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】筆記帳
(51)【国際特許分類】
B42D 15/00 20060101AFI20240711BHJP
B42D 9/00 20060101ALI20240711BHJP
B42F 13/00 20060101ALI20240711BHJP
B42F 13/04 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
B42D15/00 301A
B42D9/00 A
B42F13/00 Z
B42F13/04
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023009723
(22)【出願日】2023-01-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】502106141
【氏名又は名称】ヒカリ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137372
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 徳子
(72)【発明者】
【氏名】安川 剛史
【テーマコード(参考)】
2C017
【Fターム(参考)】
2C017UA05
2C017UB01
(57)【要約】
【課題】しおりの脱落を防止し、且つ自動で目的の頁にしおりを保持する機能を有した筆記帳を提供する。
【解決手段】本発明は、台紙部と、前記台紙部に重ねられた複数の紙を有する紙部とを備え、前記台紙部は貫通孔が形成され、前記紙は前記貫通孔と重なる位置に紙部貫通孔が形成され、前記紙は前記紙部貫通孔から周縁に達する切込みが形成され、前記貫通孔と前記紙部貫通孔とに挿通するしおりを備えた筆記帳を提供する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台紙部と、
前記台紙部に重ねられた複数の紙を有する紙部とを備え、
前記台紙部は貫通孔が形成され、
前記紙は前記貫通孔と重なる位置に紙部貫通孔が形成され、
前記紙は前記紙部貫通孔から周縁に達する切込みが形成され、
前記貫通孔と前記紙部貫通孔とに挿通するしおりを備えた筆記帳。
【請求項2】
前記台紙部と前記紙部とは、頁綴じ辺に於いて綴じられ、前記貫通孔と、前記紙部貫通孔とは、前記頁綴じ辺の端部近傍に位置することを特徴とする請求項1記載の筆記帳。
【請求項3】
前記台紙部と、前記紙とは、直線状の第一周縁と当該第一周縁に接続する直線状の第二周縁とを備え、前記貫通孔と、前記紙部貫通孔とは、前記第一周縁と前記第二周縁との角近傍に形成され、前記切込みは、前記角に達するように形成されていることを特徴とする請求項1記載の筆記帳。
【請求項4】
前記しおりは、前記台紙部側の端部に脱落を防止する固定部を備えていることを特徴とする請求項1記載の筆記帳。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、しおりを備えた筆記帳に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のしおりには、特許文献1のように、シート状の基部に、切込みでしおり部を作り、本もしくはノートに固定し、しおり部の弾力で頁めくりに追随させるものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これには次のような課題があった。しおり機能が、しおり素材の弾力を使用しているため、目的の頁までの厚みによっては、弾力がうまく機能しない可能性がある。また、繰り返し使用することにより、弾力の劣化が発生してしまう。また筆記帳などの場合、ポケットに出し入れしたり、繰り返し書き込みしたりと、使用回数が多い場合、しおりが目的の頁から外れてしまう恐れがあった。
【0005】
この課題に対し、本発明は、脱落防止と、しおりを目的のページに保持する機能を持った筆記帳を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る筆記帳は、台紙部と、前記台紙部に重ねられた複数の紙を有する紙部とを備え、前記台紙部は貫通孔が形成され、前記紙は前記貫通孔と重なる位置に紙部貫通孔が形成され、前記紙は前記紙部貫通孔から周縁に達する切込みが形成され、前記貫通孔と前記紙部貫通孔とに挿通するしおりを備える。
【0007】
本発明に係る筆記帳の好適な実施形態の一つでは、前記台紙部と前記紙部とは、頁綴じ辺に於いて綴じられ、前記貫通孔と、前記紙部貫通孔とは、前記頁綴じ辺の端部近傍に位置している。
【0008】
本発明に係る筆記帳の好適な実施形態の一つでは、前記台紙部と、前記紙とは、直線状の第一周縁と当該第一周縁に接続する直線状の第二周縁とを備え、前記貫通孔と、前記紙部貫通孔とは、前記第一周縁と前記第二周縁との角近傍に形成され、前記切込みは、前記角に達するように形成されている。
【0009】
本発明に係る筆記帳の好適な実施形態の一つでは、前記しおりは、前記台紙部側の端部に脱落を防止する固定部を備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る筆記帳では、紙部に空けた紙部貫通孔にしおりを通すことにより、しおりの脱落を防止するとともに、紙部貫通孔から周縁に達する切込みにより、頁送り時に、しおりを動かすことなく、紙だけが送られるため、常に最新の頁にしおりが保持される効果を奏する。
【0011】
本発明に係る筆記帳では、貫通孔と、紙部貫通孔は、頁綴じ辺のいずれか同じ個所に位置し、頁送りの際、しおりが紙と接触する面積を最小にする効果を奏する。
【0012】
本発明に係る筆記帳では、切込みは、角に達するように形成されているため、紙部貫通孔に挿入したしおりが、頁送りの際、抵抗なく通過する効果を奏する。
【0013】
本発明に係る筆記帳では、しおり端部に固定部を備えることによって、しおりの脱落を確実に防止することができる
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】 紙部を除いた、台紙としおりの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下本発明に係る筆記帳の実施形態を図面を用いて説明する。本発明は、台紙部2、紙部1、しおり5を備えている。台紙部2は、厚手の素材を使用し、長方形状に形成されている。台紙部2は、上側の周縁21(本発明に於ける第一周縁に相当)と左側の周縁22(本発明に於ける第二周縁に相当)との角23の近傍に貫通孔7が形成されている。
【0016】
紙部1は、複数の紙11が重ねられ、更に台紙部2に重ねられている。複数の紙11は、頁綴じ辺1aに於いて綴じられている。紙11は、長方形状に形成されている。
図5に示すように紙11は、上側の周縁11a(本発明に於ける第一周縁に相当)と左側の周縁11b(本発明に於ける第二周縁に相当)との角11cの近傍に貫通孔3が形成されている。また、貫通孔3から角11cに達する切込み4aが形成されている。
【0017】
しおり5は、紐状であり、一方の端部に固定部6を備えている。固定部6は、貫通孔7の対角線最大長よりも大きい形状を有している。本実施形態では、
図8に示すように、固定部6aは、結び目状に形成されている。
【0018】
図2及び
図3に示すように、台紙部2に空けられた貫通孔7に、しおり5を挿通する。この時、固定部6が台紙部2の裏側に当たるため、しおり5の脱落を防止することができる。
【0019】
図4に示すように、紙部1は、紙部貫通孔3と貫通孔7とが重なるように台紙部2に重ねられている。しおり5は、貫通孔7と紙部貫通孔3とに挿通されている。具体的には、しおり5は、台紙部2の裏面より貫通孔7に挿入し、紙部貫通孔3を通り、固定部6が台紙部2の裏面に接触するまで引き出す。これにより、しおり5の脱落を防止し、確実に目的の頁を保持する機能を有する。
【0020】
しおり5は、台紙部2裏面より引き抜くことにより容易に脱着が可能である。
【0021】
図10に示すように、紙11を頁送りする際、しおり5が、切込み4aを通過するため、しおり5が保持されたまま、紙11だけを送ることができる。
【0022】
図6に示すように、上側の周縁11a(本発明に於ける第一周縁に相当)と右側の周縁11d(本発明に於ける第二周縁に相当)との角11eの近傍に貫通孔3を形成しても良い。このとき、貫通孔3から角11eに達する切込み4aが形成しても良い。また、貫通孔7は貫通孔3と重なる位置に形成しても良い。
【0023】
図7に示すように、貫通孔3から角11cに達する四角状の切込み4bを形成しても良い。
【0024】
図9に示すように、しおり5のいずれか末端に、貫通孔7及び貫通孔3の対角線最大長よりも大きい形状の固定部6bを設けても良い。
【0025】
紙部1と台紙部2は、四角状の形状に限るものではなく、例えば、円形、楕円形、三角形、多角形の形状であっても良い。
【0026】
貫通孔3及び貫通孔7は、四角状の形状に限るものではなく、例えば円形、楕円形、三角形、多角形の形状であっても良い。
【符号の説明】
【0027】
1 紙部
1a 頁綴じ辺
2 台紙部
3 紙部貫通孔
4 切込み
5 しおり
6 固定部
7 貫通孔
11 紙
11a 第一周縁
11b 第二周縁
11c 角
11d 第二周縁
11e 角
21 第一周縁
22 第二周縁
23 角
【手続補正書】
【提出日】2023-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台紙部と、
台紙部に重ねられた複数の紙を有する紙部と
しおりとを備えた筆記帳において、
台紙部しおり挿通孔と紙部しおり挿通孔を紙部上方の頁綴じ辺端部近傍に連通して形成するとともに、
紙部しおり挿通孔に、しおりを頁上に保持したまま頁送りを可能とする切込みを
紙の周縁に達するまで斜めに形成したことを特徴とする筆記帳。
【請求項2】
紙部周縁の一部を切り欠いて切り欠き部を形成し、
当該切り欠き部と紙部しおり挿通孔とを前記切込みで連通させたことを特徴とする請求項1記載の筆記帳。
【請求項3】
台紙部しおり挿通孔に係止する係止手段を有するしおりを備えた請求項1又は2記載の筆記帳。
【請求項4】
台紙部と、台紙部に重ねられた紙が四角状であって、
紙部しおり挿通孔は、四角状の形状を有しており、
前記紙部しおり挿通孔から隅角部に達する切込みが紙に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の筆記帳。
【請求項5】
台紙部しおり挿通孔に係止する係止手段を有するしおりを備えた請求項4記載の筆記帳。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係る筆記帳は、台紙部 と、前記台紙部に重ねられた複数の紙を有する紙部とを備え、前記台紙部は台紙部しおり挿通孔が形成され、前記紙は前記台紙部しおり挿通孔 と重なる位置に紙部しおり挿通孔が 形成され、前記紙は前記紙部しおり通孔から周縁に達する切 込みが形成さ れ 、前記台紙部しおり挿通孔と前記紙部しおり挿通孔とに挿通するしおりを備える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明に係る筆記帳の好適な実施形態の一つでは、前記台紙部と前記紙部とは頁綴じ辺に於いて綴じられ、前記台紙部しおり挿通孔と、前記紙部しおり挿通孔とは、前記頁綴じ辺の端部近傍に位置している。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明に係る筆記帳の好適な実施形態の一つでは、前記台紙部と、前記紙とは、直線状の第一周縁と当該第一周縁に接続する直線状の第二周縁とを備え、前記台紙部しおり挿通孔と、前記紙部しおり挿通孔とは、前記第一周縁と前記第二周縁との角近傍に形成され、前記切込みは、前記角に達するように形成されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明に係る筆記帳の好適な実施形態の一つでは、前記しおりは、前記台紙部側の端部に脱落を防止する係止部を備えている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明に係る筆記帳では、紙部に空けた紙部しおり挿通孔にしおりを通すことにより、しおりの脱落を防止するとともに、紙部しおり挿通孔から周縁に達する切込みにより、頁送り時に、しおりを動かすことなく、紙だけが送られるため、
常に最新の頁にしおりが保持される効果を奏する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明に係る筆記帳では、台紙部しおり挿通孔と、紙部しおり挿通孔は、頁綴じ辺のいずれか同じ個所に位置し、頁送りの際、しおりが紙と接触する面積を最小にする効果を奏する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明に係る筆記帳では、切込みは、角に達するように形成されているため、紙部しおり挿通孔に挿入したしおりが、頁送りの際、抵抗なく通過する効果を奏する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明に係る筆記帳では、しおり端部に係止部を備えることによって、しおりの脱落を確実に防止することができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
以下本発明に係る筆記帳の実施形態を図面を用いて説明する。本発明は、台紙部2、紙部1、しおり5を備えている。台紙部2は、厚手の素材を使用し、長方形状に形成されている。台紙部2は、上側の周縁21(本発明に於ける第一周縁に相当)と左側の周縁22(本発明に於ける第二周縁に相当)との隅角23の近傍に台紙部しおり挿通孔7が形成されている。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
紙部1は、複数の紙11が重ねられ、更に台紙部2に重ねられている。複数の紙11は、頁綴じ辺1aに於いて綴じられている。紙11は、長方形状に形成されている。
図5に示すように紙11は、上側の周縁11a(本発明に於ける第一周縁に相当)と左側の周縁11b(本発明に於ける第二周縁に相当)との
隅角11cの近傍に
紙部しおり挿通孔3が形成されている。また、
紙部しおり挿通孔3から
隅角11cに達する切込み4aが形成されている。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
しおり5は、紐状であり、一方の端部に
係止部6を備えている
。係止部6は、
台紙部しおり挿通孔7の対角線最大長よりも大きい形状を有している。本実施形態では、
図8に示すように、
係止部6aは、結び目状に形成されている。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
図2及び
図3に示すように、台紙部2に空けられた
台紙部しおり挿通孔7に、しおり5を挿通する。この時、
係止部6が台紙部2の裏側に当たるため、しおり5の脱落を防止することができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
図4に示すように、紙部1は、
紙部しおり挿通孔3と
台紙部しおり挿通孔7とが重なるように台紙部2に重ねられている。しおり5は、
台紙部しおり挿通孔7と
紙部しおり挿通孔3とに挿通されている。具体的には、しおり5は、台紙部2の裏面より
台紙部しおり挿通孔7に挿入し、
紙部しおり挿通孔3を通り、
係止部6が台紙部2の裏面に接触するまで引き出す。これにより、しおり5の脱落を防止し、確実に目的の頁を保持する機能を有する。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
図6に示すように、上側の周縁11a(本発明に於ける第一周縁に相当)と右側の周縁11d(本発明に於ける第二周縁に相当)との
隅角11eの近傍に
紙部しおり挿通孔3を形成しても良い。このとき、
紙部しおり挿通孔3から
隅角11eに達する切込み4aを形成しても良い。また、
台紙部しおり挿通孔7は
紙部しおり挿通孔3と重なる位置に形成しても良い。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
図7に示すように、
紙部しおり挿通孔3から
隅角11cに達する四角状の
切欠き部4bを形成しても良い。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
図9に示すように、しおり5のいずれか末端に、
台紙部しおり挿通孔7及び
紙部しおり挿通孔3の対角線最大長よりも大きい形状の
係止部6bを設けても良い。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
紙部しおり挿通孔3及び台紙部しおり挿通孔7は、四角状の形状に限るものではなく、例えば円形、楕円形、三角形、多角形の形状であっても良い。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
1、紙部
1a、頁綴じ辺
2、台紙部
3、紙部しおり挿通孔
4、切込み
5、しおり
6、係止部
7、台紙部しおり挿通孔
11、紙
11a、第一周縁
11b、第二周縁
11c、隅角
11d、第二周縁
11e、隅角
21、第一周縁
22、第二周縁
23、隅角