(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097744
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240711BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023158197
(22)【出願日】2023-09-22
(31)【優先権主張番号】P 2023000808
(32)【優先日】2023-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520174687
【氏名又は名称】小林 由典
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 由典
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】相談や打ち合わせをサポートし、漏れや無駄の無い効率的な聞き取りと同時に、聞き取った要素間の関係性に着目して、混乱した思考を整理する情報処理システム及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】予め設定された複数の第1質問事項Q1と、複数の第1質問事項Q1のうち選択された少なくとも一対の関係に基づいて予め設定された第2質問事項Q2とを記憶している記憶部40と、ユーザからの入力を受付ける入力受付部10と、表示部20と、制御部30と、を具備し、制御部30は、最初に全ての第1質問事項Q1を表示させて2つの第1質問事項Q1それぞれに対応する第1回答データA1が入力された場合、入力された2つの第1回答データA1に対応する第2質問事項Q2を表示させることを全ての第1回答データ及び第2回答データが入力されるまで実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された複数の第1質問事項と、複数の前記第1質問事項のうち選択された少なくとも一対の関係に基づいて予め設定された第2質問事項とを記憶している記憶部と、
ユーザからの入力を受付ける入力受付部と、
表示部と、
制御部と、を具備し、
前記制御部は、
各前記第1質問事項を前記表示部に表示させる第1処理と、
前記表示部に表示された各前記第1質問事項のうち、ユーザから2つの前記第1質問事項それぞれに対応する第1回答データが入力された場合、入力された前記第1回答データに対応する未回答の前記第2質問事項が存在するときには、当該未回答の第2質問事項及び未回答の第1質問事項を前記表示部に表示させ、入力された前記第1回答データに対応する未回答の前記第2質問事項が存在しないときには、未回答の第1質問事項を前記表示部に表示させ続ける第2処理と、
前記第1質問事項に対応する第1回答データが入力されるごとに、既に入力された第1回答データに対応する第1質問事項同士の関係に基づいた第2質問事項の有無を確認し、未回答の第2質問事項が存在するときには、当該未回答の第2質問事項、表示されたままで未回答の第2質問事項及び未回答の第1質問事項を前記表示部に表示させ、未回答の第2質問事項が存在しないときには、表示されたままで未回答の第2質問事項及び未回答の第1質問事項を前記表示部に表示させ続ける第3処理と、
前記第1質問事項のそれぞれに対する全ての第1回答データ、及び前記第2質問事項のそれぞれに対する全ての第2回答データが入力されるまで前記第3処理を繰り返し実行する第4処理と、
前記第2処理から前記第4処理において前記第1回答データ及び前記第2回答データが入力される都度又は全ての前記第1回答データ及び前記第2回答データが入力された後、入力された前記第1回答データ及び前記第2回答データを前記記憶部に記憶する第5処理と、を実行すること
を特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記記憶部には、記憶されている複数の第1質問事項の互いの優先順位が予め設定されて記憶されていることを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された複数の第1質問事項の互いの優先順位を変更できるように、表示部に優先順位変更欄を常時表示させ、
優先順位変更欄に変更された優先順位が入力された場合には、入力された優先順位の変更データを前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された第1質問事項、第2質問事項、第1回答データ、第2回答データをまとめて出力する際に、
予め設定されて記憶された第1質問事項同士の優先順位に基づいて、
優先順位の高い方の第1質問事項、該優先順位の高い第1質問事項に対して関連付けされた第1回答データ、優先順位の高い方の第1回答データを含む第2質問事項、該優先順位の高い方の第2質問事項に対する第2回答データの順に出力することを特徴とする請求項2記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された第1質問事項、第2質問事項、第1回答データ、第2回答データをまとめて出力する際に、
予め設定された優先順位から変更されて記憶された第1質問事項同士の優先順位に基づいて、
優先順位の高い方の第1質問事項、該優先順位の高い第1質問事項に対して関連付けされた第1回答データ、優先順位の高い方の第1回答データを含む第2質問事項、該優先順位の高い方の第2質問事項に対する第2回答データの順に出力することを特徴とする請求項3記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1質問事項のそれぞれに対する全ての第1回答データ、及び前記第2質問事項のそれぞれに対する全ての第2回答データが入力された後、さらに追加の第1回答データの有無を確認するための表示を前記表示部に表示させ、
ユーザから追加の第1回答データがある旨が入力された場合には、追加の第1回答データの入力欄を前記表示部に表示させ、
追加の第1回答データが入力された場合、入力された追加の第1回答データと既に入力された第1回答データとの間で追加の第2質問事項を入力する入力欄を表示させ、
追加の第2質問事項に対する追加の第2回答データを入力する入力欄を表示させ、
追加の第1回答データ、追加の第2質問事項及び追加の第2質問事項に対する追加の第2回答データが入力される都度又は全ての追加の第1回答データ、追加の第2質問事項及び追加の第2質問事項に対する追加の第2回答データが入力された後、追加の第1回答データ、追加の第2質問事項及び追加の第2回答データを前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1~請求項3のうちのいずれか1項記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記制御部は、
追加の第1回答データが予め設定した所定数以上入力された場合には、それ以降の追加の第1回答データの入力を中止する旨を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項6記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記制御部は、
入力された追加の第1回答データを、既に入力済みの複数の第1回答データのうち同じ第1質問事項に対する回答として関連付けて記憶するとともに、
関連付けた追加の第1回答データと既に入力済みの第1回答データとの間における優先順位を入力させるための入力欄を前記表示部に表示させ、
関連付けされた既に入力済みの複数の第1回答データ及び入力された追加の第1回答データに対して、入力された優先順位をそれぞれ前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項6記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された、関連付けされた既に入力済みの複数の第1回答データ及び入力された追加の第1回答データに対して入力された優先順位を変更できるように、表示部に追加回答データ優先順位変更欄を常時表示させ、
追加回答データ優先順位変更欄に変更された優先順位が入力された場合には、入力された優先順位の変更データを前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項6記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された第1質問事項、第2質問事項、第1回答データ、第2回答データ、追加の第1回答データ、追加の第2質問事項及び追加の第2回答データをまとめて出力する際に、
予め記憶されたか又は変更されて記憶された第1質問事項同士の優先順位と、関連付けされた既に入力済みの複数の第1回答データ及び入力された追加の第1回答データ同士の優先順位に基づいて、
優先順位の高い方の第1質問事項、該優先順位の高い第1質問事項に対して関連付けされた第1回答データ及び追加の第1回答データのうち優先順位の高い方の第1回答データ、優先順位の高い方の第1回答データを含む第2質問事項又は追加の第2質問事項、該優先順位の高い方の第2質問事項又は追加の第2質問事項に対する第2回答データ又は追加の第2回答データの順に出力することを特徴とする請求項8記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された第1質問事項、第2質問事項、第1回答データ、第2回答データ、追加の第1回答データ、追加の第2質問事項及び追加の第2回答データをまとめて出力する際に、
予め記憶されたか又は変更されて記憶された第1質問事項同士の優先順位と、関連付けされた既に入力済みの複数の第1回答データ及び入力された追加の第1回答データ同士の、変更されて記憶された優先順位に基づいて、
優先順位の高い方の第1質問事項、該優先順位の高い第1質問事項に対して関連付けされた第1回答データ及び追加の第1回答データのうち優先順位の高い方の第1回答データ、優先順位の高い方の第1回答データを含む第2質問事項又は追加の第2質問事項、該優先順位の高い方の第2質問事項又は追加の第2質問事項に対する第2回答データ又は追加の第2回答データの順に出力することを特徴とする請求項9記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された複数の第1質問事項及び/又は複数の第2質問事項の内容の変更、追加又は削除をできるように、前記表示部に質問事項変更ボタンを常時表示させ、
質問事項変更ボタンが押下された場合には、実行中の前記第1処理~第5処理を中止し、
前記表示部に質問事項変更欄を表示させ、
前記表示部の前記質問事項変更欄に入力された変更内容又は追加内容を前記記憶部に記憶させ、前記質問事項変更欄に第1質問事項及び/又は第2質問事項の削除が入力された場合には、指示された第1質問事項及び/又は第2質問事項を前記記憶部から削除することを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記制御部は、
前記記憶部に記憶されている前記第1回答データ及び/又は前記第2回答データに対する補助資料としての添付データを、いずれの前記第1回答データ及び/又は前記第2回答データに紐づけさせるかを入力させる入力欄を前記表示部に表示させ、
前記入力欄に入力された内容に基づいて、前記添付データと前記第1回答データ及び/又は前記第2回答データを紐づけして前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記制御部は、
前記入力欄に入力された前記第1回答データ及び/又は前記第2回答データに対し、ヒントを生成して前記表示部に表示させるヒント生成機能を有することを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記ヒント生成機能が生成するヒントは、
前記入欄に入力された第1回答データ及び/又は前記第2回答データに対する矛盾、脱漏、又は重複のうちの少なくとも1つを検出してヒントとして表示することを特徴とする請求項14記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記記憶部には、相談者の属性情報と、相談者に対して過去に質問した第1質問事項及び第2質問事項と、相談者が過去に回答した前記第1回答データ及び前記第2回答データと、を含む相談者第1直接情報が記憶されており、
前記ヒント生成機能は、前記記憶部に記憶されている前記相談者第1直接情報から自然言語処理又はテキストマイニングに基づいて、ヒントとなる単語、節若しくは文章を生成するか、又は前記入力欄に入力された前記第1回答データ及び/又は前記第2回答データに対する非凡性を表す数値をヒントとして生成することを特徴とする請求項14記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記記憶部には、前記ヒント生成機能によって生成されて前記表示部に表示されたヒントに対する相談者の評価を含む相談者第2直接情報が記憶されており、
前記ヒント生成機能は、前記記憶部に記憶されている前記相談者第1直接情報及び前記相談者第2直接情報から自然言語処理又はテキストマイニングに基づいて、ヒントとなる単語、節若しくは文章を生成するか、又は前記入力欄に入力された前記第1回答データ及び/又は前記第2回答データに対する非凡性を表す数値をヒントとして生成することを特徴とする請求項16記載の情報処理システム。
【請求項18】
前記制御部には、前記第1回答データ及び/又は前記第2回答データを回答中の相談者の動作を観察するモーションキャプチャー、顔認証若しくは眼球の動きを観察するフェイシャルキャプチャー、キーロガー、音声を記録する音声キャプチャー、のうちの少なくとも1つを含む相談者間接情報取得装置が接続されており、
前記相談者間接情報取得装置によって取得されたユーザ間接情報は、前記記憶部に記憶され、
前記ヒント生成機能は、前記記憶部に記憶されている前記相談者第1直接情報、前記相談者第2直接情報及び前記相談者間接情報に基づいて、ヒントとなる単語、節若しくは文章を生成するか、又は前記入力欄に入力された前記第1回答データ及び/又は前記第2回答データに対する非凡性を表す数値をヒントとして生成することを特徴とする請求項17記載の情報処理システム。
【請求項19】
前記制御部は、外部システムと接続されており、
前記ヒント生成機能は、前記外部システムに記憶されているデータを含めてヒントを生成することを特徴とする請求項14記載の情報処理システム。
【請求項20】
予め設定された複数の第1質問事項と、複数の前記第1質問事項のうち選択された少なくとも一対の関係に基づいて予め設定された第2質問事項とを記憶している記憶部と、ユーザからの入力を受付ける入力受付部と、表示部と、制御部と、を具備するコンピュータに読み取り可能に設けられ、
各前記第1質問事項を前記表示部に表示させる第1処理と、
前記表示部に表示された各前記第1質問事項のうち、ユーザから2つの前記第1質問事項それぞれに対応する第1回答データが入力された場合、入力された前記第1回答データに対応する未回答の前記第2質問事項が存在するときには、当該未回答の第2質問事項及び未回答の第1質問事項を前記表示部に表示させ、入力された前記第1回答データに対応する未回答の前記第2質問事項が存在しないときには、未回答の第1質問事項を前記表示部に表示させ続ける第2処理と、
前記第1質問事項に対応する第1回答データが入力されるごとに、既に入力された第1回答データに対応する第1質問事項同士の関係に基づいた第2質問事項の有無を確認し、未回答の前記第2質問事項が存在するときには、当該未回答の第2質問事項、表示されたままで未回答の第2質問事項及び未回答の第1質問事項を前記表示部に表示させ、未回答の第2質問事項が存在しないときには、表示されたままで未回答の第2質問事項及び未回答の第1質問事項を前記表示部に表示させ続ける第3処理と、
前記第1質問事項のそれぞれに対する全ての第1回答データ、及び前記第2質問事項のそれぞれに対する全ての第2回答データが入力されるまで前記第3処理を繰り返し実行する第4処理と、
前記第2処理から前記第4処理において前記第1回答データ及び前記第2回答データが入力される都度又は全ての前記第1回答データ及び前記第2回答データが入力された後、入力された前記第1回答データ及び前記第2回答データを前記記憶部に記憶する第5処理と、を前記制御部に実行させる情報処理プログラム。
【請求項21】
前記記憶部には、記憶されている複数の第1質問事項の互いの優先順位が予め設定されて記憶されており、
前記記憶部に記憶された第1質問事項、第2質問事項、第1回答データ、第2回答データをまとめて出力する際に、
予め設定されて記憶された第1質問事項同士の優先順位に基づいて、
優先順位の高い方の第1質問事項、該優先順位の高い第1質問事項に対して関連付けされた第1回答データ、優先順位の高い方の第1回答データを含む第2質問事項、該優先順位の高い方の第2質問事項に対する第2回答データの順に出力することを前記制御部に実行させる請求項20記載の情報処理プログラム。
【請求項22】
前記記憶部には、記憶されている複数の第1質問事項の互いの優先順位が予め設定されて記憶されており、
前記記憶部に記憶された複数の第1質問事項の互いの優先順位を変更できるように、表示部に優先順位変更欄を常時表示させ、
優先順位変更欄に変更された優先順位が入力された場合には、入力された優先順位の変更データを前記記憶部に記憶させ、
前記記憶部に記憶された第1質問事項、第2質問事項、第1回答データ、第2回答データをまとめて出力する際に、
予め設定された優先順位から変更されて記憶された第1質問事項同士の優先順位に基づいて、
優先順位の高い方の第1質問事項、該優先順位の高い第1質問事項に対して関連付けされた第1回答データ、優先順位の高い方の第1回答データを含む第2質問事項、該優先順位の高い方の第2質問事項に対する第2回答データの順に出力することを前記制御部に実行ささせる請求項20記載の情報処理プログラム。
【請求項23】
前記第1質問事項のそれぞれに対する全ての第1回答データ、及び前記第2質問事項のそれぞれに対する全ての第2回答データが入力された後、さらに追加の第1回答データの有無を確認するための表示を前記表示部に表示させ、
ユーザから追加の第1回答データがある旨が入力された場合には、追加の第1回答データの入力欄を前記表示部に表示させ、
追加の第1回答データが入力された場合、入力された追加の第1回答データと既に入力された第1回答データとの間で追加の第2質問事項を入力する入力欄を表示させ、
追加の第2質問事項に対する追加の第2回答データを入力する入力欄を表示させ、
追加の第1回答データ、追加の第2質問事項及び追加の第2質問事項に対する追加の第2回答データが入力される都度又は全ての追加の第1回答データ、追加の第2質問事項及び追加の第2質問事項に対する追加の第2回答データが入力された後、追加の第1回答データ、追加の第2質問事項及び追加の第2回答データを前記記憶部に記憶させることを、前記制御部に実行させる請求項20~請求項22のうちのいずれか1項記載の情報処理プログラム。
【請求項24】
追加の第1回答データが予め設定した所定数以上入力された場合には、それ以降の追加の第1回答データの入力を中止する旨を前記表示部に表示させることを、前記制御部に実行させる請求項23記載の情報処理プログラム。
【請求項25】
入力された追加の第1回答データを、既に入力済みの複数の第1回答データの複数の第1回答データのうち同じ第1質問事項に対する回答として関連付けて記憶するとともに、
関連付けた追加の第1回答データと既に入力済みの第1回答データとの間における優先順位を入力させるための入力欄を前記表示部に表示させ、
関連付けされた既に入力済みの複数の第1回答データ及び入力された追加の第1回答データに対して、入力された優先順位をそれぞれ前記記憶部に記憶させることを、前記制御部に実行させる請求項23記載の情報処理プログラム。
【請求項26】
前記記憶部に記憶された、関連付けされた既に入力済みの複数の第1回答データ及び入力された追加の第1回答データに対して入力された優先順位を変更できるように、表示部に追加回答データ優先順位変更欄を常時表示させ、
追加回答データ優先順位変更欄に変更された優先順位が入力された場合には、入力された優先順位の変更データを前記記憶部に記憶させることを、前記制御部に実行させる請求項23記載の情報処理プログラム。
【請求項27】
前記記憶部に記憶された第1質問事項、第2質問事項、第1回答データ、第2回答データ、追加の第1回答データ、及び追加の第2回答データをまとめて出力する際に、
予め記憶されたか又は変更されて記憶された第1質問事項同士の優先順位と、関連付けされた既に入力済みの複数の第1回答データ及び入力された追加の第1回答データ同士の優先順位に基づいて、
優先順位の高い方の第1質問事項、該優先順位の高い第1質問事項に対して関連付けされた第1回答データ及び追加の第1回答データのうち優先順位の高い方の第1回答データ、優先順位の高い方の第1回答データを含む第2質問事項又は追加の第2質問事項、該優先順位の高い方の第2質問事項又は追加の第2質問事項に対する第2回答データ又は追加の第2回答データの順に出力することを、前記制御部に実行させる請求項23記載の情報処理プログラム。
【請求項28】
前記記憶部に記憶された第1質問事項、第2質問事項、第1回答データ、第2回答データ、追加の第1回答データ、及び追加の第2回答データをまとめて出力する際に、
予め記憶されたか又は変更されて記憶された第1質問事項同士の優先順位と、関連付けされた既に入力済みの複数の第1回答データ及び入力された追加の第1回答データ同士の、変更されて記憶された優先順位に基づいて、
優先順位の高い方の第1質問事項、該優先順位の高い第1質問事項に対して関連付けされた第1回答データ及び追加の第1回答データのうち優先順位の高い方の第1回答データ、優先順位の高い方の第1回答データを含む第2質問事項又は追加の第2質問事項、該優先順位の高い方の第2質問事項又は追加の第2質問事項に対する第2回答データ又は追加の第2回答データの順に出力することを、前記制御部に実行させる請求項23記載の情報処理プログラム。
【請求項29】
前記記憶部に記憶された複数の第1質問事項及び/又は複数の第2質問事項の内容の変更、追加又は削除をできるように、前記表示部に質問事項変更ボタンを常時表示させ、
質問事項変更ボタンが押下された場合には、実行中の前記第1処理~第5処理を中止し、
前記表示部に質問事項変更欄を表示させ、
前記表示部の前記質問事項変更欄に入力された変更内容又は追加内容を前記記憶部に記憶させ、前記質問事項変更欄に第1質問事項及び/又は第2質問事項の削除が入力された場合には、指示された第1質問事項及び/又は第2質問事項を前記記憶部から削除することを、前記制御部に実行させる請求項20記載の情報処理プログラム。
【請求項30】
前記記憶部に記憶されている前記第1回答データ及び/又は前記第2回答データに対する補助資料としての添付データを、いずれの前記第1回答データ及び/又は前記第2回答データに紐づけさせるかを入力させる入力欄を前記表示部に表示させ、
前記入力欄に入力された内容に基づいて、前記添付データと前記第1回答データ及び/又は前記第2回答データを紐づけして前記記憶部に記憶することを、前記制御部に実行させる請求項20記載の情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
営業活動や患者に対する問診等の聞き取りの場面において、営業担当や医師等の聞き取り役が、漏れなく無駄のない聞き取りを可能とするシステムが知られている。特許文献1(特開平10-323329号公報)に開示される電子カルテシステムの概略は次の通りである。
すなわち、当該電子カルテシステムは、問診情報を入力する手段と、上記入力した問診情報から、カルテで扱う問診情報を抽出する手段と、患者の主観的データを入出力する主観的データ入出力部と、上記主観的データ入出力部に上記問診情報を表示する手段を有することを特徴としている。より具体的には、問診システムで患者が予め入力した問診情報を、予め定められた分類に従って、当該分類に対応する入力フォームに転記しておく。これにより、聞き取り側である医師が患者に対して直接問診をする際の問診漏れを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示される電子カルテシステムから把握される技術的思想を、経営相談等のヒアリングの場面において適用しようとすると、以下のような課題が生じる。
まず経営相談をしたいと思う相談者は、思考が混乱していることが多分にあり、混乱する思考を自力で整理することが困難であるため、思考の混乱の解消を求めて相談に来ることが多い。
一方、経営相談を受ける聞き取り役は、聞き取り項目に事前情報が付与されていたとしても、知識不足や、経験が浅い(スキルが充分でない)場合には、相談時に質問の漏れや重複した質問をしたりすることがあり、聞き取りの効率が低下してしまう。
【0005】
また、聞き取り役が、各聞き取り項目間の関係性について尋ねようとしても思考が混乱している相談者主導で語られる内容を聞き取ることになって、状況はさらに煩雑となるため、聞き取りの効率がさらに低下してしまう。なお、聞き取りの効率が低下すると、相談者にとっても情報開示をしづらい状況となってしまい、十分な聞き取り調査もできず、相談者の思考の混乱も解消することができなくなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明は上記複合的な課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、相談者の混乱した思考を整理した状態にすることができ、且つ聞き取り側のヒアリングスキルが充分でなく、ヒアリングが煩雑な状況であっても、聞き取り効率の低下を防止可能な情報処理システム及び情報処理プログラムを提供する。
【0007】
本発明に係る情報処理システムによれば、予め設定された複数の第1質問事項と、複数の前記第1質問事項のうち選択された少なくとも一対の関係に基づいて予め設定された第2質問事項とを記憶している記憶部と、ユーザからの入力を受付ける入力受付部と、表示部と、制御部と、を具備し、前記制御部は、各前記第1質問事項を前記表示部に表示させる第1処理と、前記表示部に表示された各前記第1質問事項のうち、ユーザから2つの前記第1質問事項それぞれに対応する第1回答データが入力された場合、入力された前記第1回答データに対応する未回答の前記第2質問事項が存在するときには、当該未回答の第2質問事項及び未回答の第1質問事項を前記表示部に表示させ、入力された前記第1回答データに対応する未回答の前記第2質問事項が存在しないときには、未回答の第1質問事項を前記表示部に表示させ続ける第2処理と、前記第1質問事項に対応する第1回答データが入力されるごとに、既に入力された第1回答データに対応する第1質問事項同士の関係に基づいた第2質問事項の有無を確認し、未回答の第2質問事項が存在するときには、当該未回答の第2質問事項、表示されたままで未回答の第2質問事項及び未回答の第1質問事項を前記表示部に表示させ、未回答の第2質問事項が存在しないときには、表示されたままで未回答の第2質問事項及び未回答の第1質問事項を前記表示部に表示させ続ける第3処理と、前記第1質問事項のそれぞれに対する全ての第1回答データ、及び前記第2質問事項のそれぞれに対する全ての第2回答データが入力されるまで前記第3処理を繰り返し実行する第4処理と、前記第2処理から前記第4処理において前記第1回答データ及び前記第2回答データが入力される都度又は全ての前記第1回答データ及び前記第2回答データが入力された後、入力された前記第1回答データ及び前記第2回答データを前記記憶部に記憶する第5処理と、を実行することを特徴としている。
この構成を採用することによって、所定の2つの第1回答データが入力され次第、対応する第2質問項目を表示して第2回答データの入力を受付けるため、聞き取り側のヒアリングスキルが充分でない場合であっても、聞き取りの順番に迷うことなく、質問事項の漏れや重複を無くして効率よく確実なヒアリングを実施することができる。また、相談者側からすると、混乱した思考を整理することができる。
さらに、記憶部に記憶された各質問事項及び回答データをプリンタ等で出力するようにすれば、相談者は自らの整理された思考を他者に資料として提示できる。
【0008】
また、前記記憶部には、記憶されている複数の第1質問事項の互いの優先順位が予め設定されて記憶されていることを特徴としてもよい。
この構成によれば、複数の第1質問事項同士の間で優先順位を決めておくことにより、プリンタ等で出力する際の記載順(表示順)を明確にでき、相談者の思考が整理された状態のわかりやすい資料として出力することができる。
【0009】
また、前記制御部は、前記記憶部に記憶された複数の第1質問事項の互いの優先順位を変更できるように、表示部に優先順位変更欄を常時表示させ、優先順位変更欄に変更された優先順位が入力された場合には、入力された優先順位の変更データを前記記憶部に記憶させることを特徴としてもよい。
この構成によれば、第1質問事項同士の優先順位を任意のタイミングで変更することを可能にしたため、いずれの質問事項が重要か(優先順位が高いか)を回答データ入力中いずれかの時期や出力時にあらためて判断して、相談者にとって重要な順番で印刷させることができる。
【0010】
また、前記制御部は、前記記憶部に記憶された第1質問事項、第2質問事項、第1回答データ、第2回答データをまとめて出力する際に、予め設定されて記憶された第1質問事項同士の優先順位に基づいて、優先順位の高い方の第1質問事項、該優先順位の高い第1質問事項に対して関連付けされた第1回答データ、優先順位の高い方の第1回答データを含む第2質問事項、該優先順位の高い方の第2質問事項に対する第2回答データの順に出力することを特徴としてもよい。
この構成によれば、出力された印刷物は、相談者の混乱した思考を整理したものであって、整理された思考が記載された印刷物を提示して他者に説明することができるため、相談者が他者への説明を容易且つ明確に実施できる。
【0011】
また、前記制御部は、前記記憶部に記憶された第1質問事項、第2質問事項、第1回答データ、第2回答データをまとめて出力する際に、予め設定された優先順位から変更されて記憶された第1質問事項同士の優先順位に基づいて、優先順位の高い方の第1質問事項、該優先順位の高い第1質問事項に対して関連付けされた第1回答データ、優先順位の高い方の第1回答データを含む第2質問事項、該優先順位の高い方の第2質問事項に対する第2回答データの順に出力することを特徴としてもよい。
この構成によれば、優先順位を任意のタイミングで変更して出力された印刷物は、相談者の混乱した思考を整理したものであって、整理された思考が記載された印刷物を提示して他者に説明することができるため、相談者が他者への説明を容易且つ明確に実施できる。
【0012】
また、前記制御部は、前記第1質問事項のそれぞれに対する全ての第1回答データ、及び前記第2質問事項のそれぞれに対する全ての第2回答データが入力された後、さらに追加の第1回答データの有無を確認するための表示を前記表示部に表示させ、ユーザから追加の第1回答データがある旨が入力された場合には、追加の第1回答データの入力欄を前記表示部に表示させ、追加の第1回答データが入力された場合、入力された追加の第1回答データと既に入力された第1回答データとの間で追加の第2質問事項を入力する入力欄を表示させ、追加の第2質問事項に対する追加の第2回答データを入力する入力欄を表示させ、追加の第1回答データ、追加の第2質問事項及び追加の第2質問事項に対する追加の第2回答データが入力される都度又は全ての追加の第1回答データ、追加の第2質問事項及び追加の第2質問事項に対する追加の第2回答データが入力された後、追加の第1回答データ、追加の第2質問事項及び追加の第2回答データを前記記憶部に記憶させることを特徴としてもよい。
この構成によれば、相談者側にさらに追加で回答したい内容がある場合には、追加で回答したデータに基づいて新たな第2質問事項を設定して新たな第2回答データを得られることができるため、さらに十分なヒアリングを実施することができる。
【0013】
また、前記制御部は、追加の第1回答データが予め設定した所定数以上入力された場合には、それ以降の追加の第1回答データの入力を中止する旨を前記表示部に表示させることを特徴としてもよい。
この構成によれば、所定数以上の追加の第1回答データの存在により、新たな第2質問事項の数が多すぎてヒアリングが煩雑になってしまうことを防止できる。
【0014】
また、前記制御部は、入力された追加の第1回答データを、既に入力済みの複数の第1回答データのうち同じ第1質問事項に対する回答として関連付けて記憶するとともに、関連付けた追加の第1回答データと既に入力済みの第1回答データとの間における優先順位を入力させるための入力欄を前記表示部に表示させ、関連付けされた既に入力済みの複数の第1回答データ及び入力された追加の第1回答データに対して、入力された優先順位をそれぞれ前記記憶部に記憶させることを特徴としてもよい。
この構成によれば、追加で入力された第1回答データを既に入力済みの第1回答データとの間で関連付けし、互いの優先順位を決めておくことにより、プリンタ等で出力する際の記載順(表示順)を明確にでき、相談者の思考が整理された状態のわかりやすい資料として出力することができる。
【0015】
また、前記制御部は、前記記憶部に記憶された、関連付けされた既に入力済みの複数の第1回答データ及び入力された追加の第1回答データに対して入力された優先順位を変更できるように、表示部に追加回答データ優先順位変更欄を常時表示させ、追加回答データ優先順位変更欄に変更された優先順位が入力された場合には、入力された優先順位の変更データを前記記憶部に記憶させることを特徴としてもよい。
この構成によれば、追加で入力された第1回答データを既に入力済みの第1回答データとの間で関連付けし、互いの優先順位を相談中に随時変更することにより、プリンタ等で出力する際の記載順(表示順)を明確にでき、相談者の思考が整理された状態のわかりやすい資料として出力することができる。
【0016】
また、前記制御部は、前記記憶部に記憶された第1質問事項、第2質問事項、第1回答データ、第2回答データ、追加の第1回答データ、追加の第2質問事項及び追加の第2回答データをまとめて出力する際に、予め記憶されたか又は変更されて記憶された第1質問事項同士の優先順位と、関連付けされた既に入力済みの複数の第1回答データ及び入力された追加の第1回答データ同士の優先順位に基づいて、優先順位の高い方の第1質問事項、該優先順位の高い第1質問事項に対して関連付けされた第1回答データ及び追加の第1回答データのうち優先順位の高い方の第1回答データ、優先順位の高い方の第1回答データを含む第2質問事項又は追加の第2質問事項、該優先順位の高い方の第2質問事項又は追加の第2質問事項に対する第2回答データ又は追加の第2回答データの順に出力することを特徴としてもよい。
この構成によれば、出力された印刷物は、相談者の混乱した思考を整理したものであって、整理された思考が記載された印刷物を提示して他者に説明することができるため、他者への説明を容易且つ明確に実施できる。
【0017】
また、前記制御部は、前記記憶部に記憶された第1質問事項、第2質問事項、第1回答データ、第2回答データ、追加の第1回答データ、追加の第2質問事項及び追加の第2回答データをまとめて出力する際に、予め記憶されたか又は変更されて記憶された第1質問事項同士の優先順位と、関連付けされた既に入力済みの複数の第1回答データ及び入力された追加の第1回答データ同士の、変更されて記憶された優先順位に基づいて、優先順位の高い方の第1質問事項、該優先順位の高い第1質問事項に対して関連付けされた第1回答データ及び追加の第1回答データのうち優先順位の高い方の第1回答データ、優先順位の高い方の第1回答データを含む第2質問事項又は追加の第2質問事項、該優先順位の高い方の第2質問事項又は追加の第2質問事項に対する第2回答データ又は追加の第2回答データの順に出力することを特徴としてもよい。
この構成によれば、優先順位を任意のタイミングで変更して出力された出力された印刷物は、相談者の混乱した思考を整理したものであって、整理された思考が記載された印刷物を提示して他者に説明することができるため、他者への説明を容易且つ明確に実施できる。
【0018】
また、前記制御部は、前記記憶部に記憶された複数の第1質問事項及び/又は複数の第2質問事項の内容の変更、追加又は削除をできるように、前記表示部に質問事項変更ボタンを常時表示させ、質問事項変更ボタンが押下された場合には、実行中の前記第1処理~第5処理を中止し、前記表示部に質問事項変更欄を表示させ、前記表示部の前記質問事項変更欄に入力された変更内容又は追加内容を前記記憶部に記憶させ、前記質問事項変更欄に第1質問事項及び/又は第2質問事項の削除が入力された場合には、指示された第1質問事項及び/又は第2質問事項を前記記憶部から削除することを特徴としてもよい。
【0019】
また、前記制御部は、前記記憶部に記憶されている前記第1回答データ及び/又は前記第2回答データに対する補助資料としての添付データを、いずれの前記第1回答データ及び/又は前記第2回答データに紐づけさせるかを入力させる入力欄を前記表示部に表示させ、前記入力欄に入力された内容に基づいて、前記添付データと前記第1回答データ及び/又は前記第2回答データを紐づけして前記記憶部に記憶させることを特徴としてもよい。
【0020】
本発明に係る情報処理プログラムによれば、予め設定された複数の第1質問事項と、複数の前記第1質問事項のうち選択された少なくとも一対の関係に基づいて予め設定された第2質問事項とを記憶している記憶部と、ユーザからの入力を受付ける入力受付部と、表示部と、制御部と、を具備するコンピュータに読み取り可能に設けられ、各前記第1質問事項を前記表示部に表示させる第1処理と、前記表示部に表示された各前記第1質問事項のうち、ユーザから2つの前記第1質問事項それぞれに対応する第1回答データが入力された場合、入力された前記第1回答データに対応する未回答の前記第2質問事項が存在するときには、当該未回答の第2質問事項及び未回答の第1質問事項を前記表示部に表示させ、入力された前記第1回答データに対応する未回答の前記第2質問事項が存在しないときには、未回答の第1質問事項を前記表示部に表示させ続ける第2処理と、前記第1質問事項に対応する第1回答データが入力されるごとに、既に入力された第1回答データに対応する第1質問事項同士の関係に基づいた第2質問事項の有無を確認し、未回答の前記第2質問事項が存在するときには、当該未回答の第2質問事項、表示されたままで未回答の第2質問事項及び未回答の第1質問事項を前記表示部に表示させ、未回答の第2質問事項が存在しないときには、表示されたままで未回答の第2質問事項及び未回答の第1質問事項を前記表示部に表示させ続ける第3処理と、前記第1質問事項のそれぞれに対する全ての第1回答データ、及び前記第2質問事項のそれぞれに対する全ての第2回答データが入力されるまで前記第3処理を繰り返し実行する第4処理と、前記第2処理から前記第4処理において前記第1回答データ及び前記第2回答データが入力される都度又は全ての前記第1回答データ及び前記第2回答データが入力された後、入力された前記第1回答データ及び前記第2回答データを前記記憶部に記憶する第5処理と、を前記制御部に実行させることを特徴としている。
この構成を採用することによって、所定の2つの第1回答データが入力され次第、対応する第2質問項目を表示して第2回答データの入力を受付けるため、聞き取り側のヒアリングスキルが充分でない場合であっても、聞き取りの順番に迷うことなく、質問事項の漏れや重複を無くして効率よく確実なヒアリングを実施することができる。また、相談者側からすると、混乱した思考を整理することができる。
さらに、記憶部に記憶された各質問事項及び回答データをプリンタ等で出力するようにすれば、相談者は自らの整理された思考を他者に資料として提示できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、聞き取り側のヒアリングスキルが充分でなく、ヒアリングが煩雑な状況であっても、聞き取り効率の低下を防止して、漏れなく無駄のないヒアリングを実施することができ、これにより相談者の混乱した思考を、要素同士の関係性に基づいて整理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第1実施形態における情報処理システムのブロック図である。
【
図2】第1質問事項と第2質問事項との関係性を示す説明図である。
【
図3】第1実施形態における情報処理のフローチャートである。
【
図4】第1実施形態における表示部に表示される第1質問事項と第1回答データの入力欄の説明図である。
【
図5】第1実施形態における表示部に表示される第2質問事項の説明図である。
【
図6】
図5に続いてさらに第2質問事項が表示された場合の説明図である。
【
図7】第1実施形態における記憶部に記憶される結果データの説明図である。
【
図8】第2実施形態における情報処理のフローチャートである。
【
図10】第2実施形態における表示部に表示される追加第1回答データの入力欄の説明図である。
【
図11】第2実施形態における表示部に表示される追加第2質問事項の入力欄の説明図である。
【
図12】第2実施形態における記憶部に記憶される結果データの説明図である。
【
図13】第3実施形態における記憶部の説明図である。
【
図14】第3実施形態における審査項目と第1質問事項と第2質問事項の関係を示す説明図である。
【
図15】第4実施形態における情報処理システムのブロック図である。
【
図16】第5実施形態における管理サーバのブロック図である。
【
図17】第6実施形態における情報処理システムのブロック図である。
【
図18】第7実施形態における情報処理システムのブロック図である。
【
図19】第7実施形態における情報処理システムの具体的構成を示すブロック図である。
【
図20】数値化システムにおける数値化の説明図である。
【
図21】AIによるディープラーニングの入力層から中間層へ入力されるデータの説明図である。
【
図22】定性的ヒント1の出力について説明する説明図である。
【
図23】定性的ヒント2の出力について説明する説明図である。
【
図24】定量的ヒントの出力について説明する説明図である。
【
図25】定性的ヒント3の出力について説明する説明図である。
【
図26】定性的ヒント4の出力について説明する説明図である。
【
図27】定性的ヒント5の出力について説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1実施形態)
本実施形態の情報処理システム及び情報処理プログラムは、主として、経営相談の場面における利用が意図されている。より具体的には、経営コンサルタントや経済団体等の経営相談員といった聞き取り側が、企業の経営者等の相談者から経営相談を受ける場面を想定すればよい。
さらに具体的には、商工会議所等において、商工会議所に所属しているか又は商工会議所に委託された相談員をユーザ(聞き取り役)とし、商工会議所の会員(企業の経営者)を相談者として経営相談をするケースを想定している。
【0024】
本実施形態における情報処理システムは、例えば経営に関する、「経営理念」、「経営方針」、「経営戦略」、「ミッション」、「経営ビジョン」、「経営状況」、「経営分析」、「経営問題」、「経営課題」、「事業計画」、「経営計画」、「アクションプラン」、「行動計画」、「ソリューション」、「経営改善」、「人材の確保」、「人材育成」、「生産性向上」、「技術力向上」、「開発力増強」、「ブランディング」、「顧客満足度向上」、「コストダウン」、「営業強化」、「販売力増強」、「経営資源の調達」、「人事考課の最適化」、「組織再編」、「業務フローの見直し」、「競合他社分析」、「資金調達」、「設備投資」、「契約の条件」等の様々な論点のうち少なくとも1つに関する複数の第1質問事項を設定して記憶しており、さらに2個の第1質問事項に対応する第2質問事項を設定して記憶している。
【0025】
そして、本実施形態の情報処理システム及び情報処理プログラムは、最初に複数の第1質問事項を表示させ、表示された第1質問事項に基づいて聞き取り側が相談者に質問をし、少なくとも2個以上の第1質問事項に対してそれぞれの回答が得られた場合には、2個の第1質問事項に対応する第2質問事項を表示させ、全ての第1質問事項及び全ての第2質問項の回答が得られるまで未回答の各質問事項を表示させるというものである。
【0026】
(情報処理システムS1)
続いて、
図1に基づいて情報処理システムS1について詳しく説明する。
本実施形態の情報処理システムS1は、予め設定された複数の第1質問事項Q1と、複数の上記第1質問事項Q1のうち少なくとも一対の関係に基づいて予め設定された第2質問事項Q2とを記憶している記憶部40と、ユーザ(聞き取り役)からの入力を受付ける入力受付部10と、表示部20と、制御部30と、を具備する構成である。なお、少なくとも制御部30は、制御装置50内に設けられた構成である。
【0027】
(制御装置50)
続いて、制御装置50の全体構成について説明する。制御装置50は、一例として、パーソナルコンピュータやワークステーション等の情報処理装置、又はスマートフォンやタブレット等の携帯情報端末によって実現される。すなわち、制御装置50は、CPUとRAM、ROM等のメモリ及び通信部を含んで構成され、あらかじめ設定された情報処理プログラムPGM1及び入力受付部10から入力される設定信号に基づいて作動する。
【0028】
記憶部40は、一例として不揮発性メモリであるROM、ハードディスク、SSDなどが相当する。記憶部40には、第1質問事項Q1、第2質問事項Q2、及び制御部30に情報処理システムS1としての動作を実行させるための情報処理プログラムPGM1が記憶されている。
なお、記憶部40には、第1質問事項Q1に対して回答された第1回答データA1及び第2質問事項Q2に対して回答された第2回答データA2も記憶される。
【0029】
上記は、制御装置50内に記憶部40が含まれる例であるが、記憶部40が制御装置50とは別のサーバ等の外部装置(クラウド等)に設けられる構成としてもよい。
【0030】
また、制御部30は、CPUに相当し、記憶部40から情報処理プログラムPGM1を呼び出して、所定の処理を順次実行する。
表示部20がディスプレイに相当し、入力受付部10がマウスやキーボードに相当する。 表示部20の画面上には、上記質問事項Q1、Q2と、それぞれに対応する位置(例えば各質問事項の下方)に入力欄が制御部30によって表示される。そして、入力受付部10を用いて、ユーザ(聞き取り役)が当該入力フォームに回答を入力することで、入力された第1回答データA1及び第2回答データA2は情報処理システムS1の記憶部40に入力される。
【0031】
上記は、制御装置50内に入力受付部10及び表示部20が含まれる例であるが、入力受付部10及び表示部20が外部装置に設けられる構成としてもよい。すなわち、入力受付部10及び表示部20は、タッチパネル形式のタブレット端末として構成されていてもよく、その場合、当該タブレット端末は入力受付部10及び表示部20の各機能を備える構成である。
【0032】
(第1質問事項及び第2質問事項)
図2に、本実施形態における第1質問事項及び第2質問事項の関係を表す概略説明図を示す。
第1質問事項Q1は相談を開始する前に、ユーザ(聞き取り役)やシステム作成者(情報処理プログラム作成者)が予め入力しておくものである。
本実施形態における第1質問事項Q1は5個(Q11~Q15)であり、「経営ビジョン」として、Q11「長期的になりたい姿」及びQ12「短期的になりたい姿」を含む質問事項であり、「経営状況」として、Q13「経営者の自覚している経営問題」、Q14「経営者がやりたい経営課題」、及びQ15「課題の結果・成果」を含む質問事項である。以下、各実施形態において、上記した第1質問事項Q1(Q11~Q15)の場合で説明するが、各実施形態に係る第1質問事項は、上記の概念、場面、数(5個)に限定されない。また、本システムを経営相談以外に用いる場合には、当然に第1質問事項の内容は、上記の内容とは全く異なるものとなる。
【0033】
なお、5個の第1質問事項Q11~Q15の中において互いの優先順位をつけて予め記憶部40に記憶させておくとよい。一般的な順番としては、Q11、Q12、Q13、Q14、Q15の順番で優先順位が高いものとする。本実施形態においては、「長期的になりたい姿」が最も優先順位が高く、次に「短期的になりたい姿」、「経営者の自覚している経営問題」、「経営者がやりたい経営課題」、「課題の結果・成果」の順となっている。
このように第1質問事項Q11~Q15の中で優先順位を予め設定しておくことによって、後述するように出力する際の表示順や記載順を見やすく、分かりやすくすることができる。
【0034】
なお、5個の第1質問事項Q11~Q15の優先順位については、任意のタイミングで変更可能にすることも出来る。
この場合、制御部30は、表示部20に「優先順位を変更する」ボタン(図示せず)を常時表示させておく。ユーザ(聞き取り役)又は相談者が「優先順位を変更する」ボタンを押下した場合に、制御部30は第1質問事項Q11~Q15の優先順位の入力欄(図示せず)を表示部20に表示させる。ユーザ(聞き取り役)又は相談者が優先順位の入力欄に優先順位を入力すると、制御部30は入力された優先順位を新たな優先順位として記憶部40に記憶する。
このような優先順位の変更は何回でも実施できるものとする。
【0035】
続いて、各実施形態に係る第1回答データA1について説明する。
各第1質問事項Q1に対応する第1回答データA1は入力受付部10を介して、記憶部40に記憶される。これは相談中に、ユーザ(聞き取り役)が入力する。
上記したように、第1質問事項Q1がQ11「長期的になりたい姿」、Q12「短期的になりたい姿」、Q13「経営者の自覚している経営問題」、Q14「経営者がやりたい経営課題」、及びQ15「課題の結果・成果」を含む場合には、第1回答データは一例として、「20年後の年商」、「1年後の卸先企業数」、「顧客数の伸び悩み」、「販売チャネルを増やす」、「顧客数が安定的に増えている状態」等の概念を含む自由回答形式の回答データA1が入力されることが意図されている。なお、第1回答データA1を入力するユーザとしては聞き取り役を想定しているが、相談者であってもよい。
【0036】
続いて、本実施形態に係る第2質問事項Q2について説明する。
第2質問事項Q2は、複数の上記第1質問事項Q1のうちユーザ(聞き取り役)やシステム作成者(情報処理プログラム作成者)によって選択された少なくとも一対の関係に基づいて予め設定されている。第2質問事項Q2は相談を開始する前に、ユーザ(聞き取り役)やシステム作成者(情報処理プログラム作成者)が予め入力しておくものである。
上記例の第1質問事項Q1に対応する第2質問事項Q2を例示すると次の通りである。例えばQ11「長期的になりたい姿」とQ12「短期的になりたい姿」との関係に基づいてQ21「短期的になりたい姿が長期的になりたい姿の試金石になっているか」、また、Q13「経営者の自覚している経営問題」とQ14「経営者がやりたい経営課題」との関係に基づいてQ28「経営問題と経営課題との間に論理の飛躍は無いか」といった第2質問事項が挙げられる。第2質問事項Q2は、第1質問事項Q1の全ての対の組み合わせに対して予め設定されていてもよいし、第1質問事項Q1の少なくとも一対に対して予め設定されていてもよい。
【0037】
各第2質問事項Q2に対応する第2回答データA2は、入力受付部10を介して、記憶部40に記憶される。
上記したように、第2質問事項Q2がQ21「短期的なビジョンが長期的なビジョンの試金石になっているか」、Q28「経営問題と経営課題との間に論理の飛躍は無いか」等の質問事項を含む場合には、第2回答データA2は一例として、上記「はい」又は「いいえ」等の2択かもしれないし、あるいは「はい」又は「いいえ」以外の自由回答かもしれないが、それはどちらでもよい。なお、第2回答データA2を入力するユーザとしては聞き取り役を想定しているが、相談者であってもよい。
【0038】
5個の第1質問事項Q11~Q15に対して、いずれか2つの第1質問事項に対する回答が得られた場合には、さらにその2つの第1質問事項Q1に対応する第2質問事項Q2が設定されている。本実施形態では、5つの第1質問事項Q1の全ての組み合わせに対して第2質問事項Q2が設定されているため、10個の第2質問事項Q21~Q210が設定されている。
【0039】
ただし、各第2質問事項Q21~Q210に対してそれぞれ複数の質問事項が設定されていてもよく、この場合は10個以上の第2質問事項が設定されていてもよい。
さらに、本実施形態の第2質問事項としては、5個の第1質問事項のうちのいずれか2つに対応する全ての組み合わせに基づいて10個の質問事項を想定しているが、第1質問事項全ての組み合わせについて第2質問事項を設定することには限定しない。したがって、第2質問事項は10個未満であってもよい。また、第1質問事項の数が変わればそれに伴って第2質問事項の数も変わる。
【0040】
以下に、本実施形態における第2質問事項Q2の事例を説明する。
本実施形態では、Q11「長期的になりたい姿」とQ12「短期的になりたい姿」に対応するQ21「短期的になりたい姿が長期的になりたい姿の試金石になっているか」が設定されている。Q21の質問の他の事例としては、他に核心を突いた短期的になりたい姿は無いか、などが挙げられる。
【0041】
また、Q11「長期的になりたい姿」とQ13「経営者の自覚している経営問題」に対応するQ22「長期的になりたい姿を踏まえた経営問題の設定になっているか」が設定されている。Q22の質問の他の事例としては、長期的になりたい姿以外の理由が背景に無いか、などが挙げられる。
【0042】
また、Q11「長期的になりたい姿」とQ14「経営者がやりたい経営課題」に対応するQ23「長期的になりたい姿を踏まえると課題は妥当か」が設定されている。Q23の質問の他の事例としては、長期的になりたい姿を踏まえた経営課題の設定になっているか、などが挙げられる。
【0043】
また、Q11「長期的になりたい姿」とQ15「課題の結果・成果」に対応するQ24「長期的になりたい姿を踏まえた狙った効果を想定しているか」が設定されている。Q24の質問の他の事例としては、狙っている効果が長期的になりたい姿をどれだけ実現するか、などが挙げられる。
【0044】
また、Q12「短期的になりたい姿」とQ13「経営者の自覚している経営問題」に対応するQ25「短期的になりたい姿を阻害する問題を設定できているか」が設定されている。Q25の質問の他の事例としては、別の問題設定の方が短期的になりたい姿に直截的ではないか、などが挙げられる。
【0045】
また、Q12「短期的になりたい姿」とQ14「経営者がやりたい経営課題」に対応するQ26「短期的になりたい姿を促進する課題になっているか」が設定されている。Q26の質問の他の事例としては、既に取り掛かっている他の課題を邪魔しないか、などが挙げられる。
【0046】
また、Q12「短期的になりたい姿」とQ15「課題の結果・成果」に対応するQ27「狙っている成果が短期的になりたい姿をどれだけ実現するか」が設定されている。Q27の質問の他の事例としては、短期的になりたい姿に対してもっと大きな成果が必要ではないか、などが挙げられる。
【0047】
また、Q13「経営者の自覚している経営問題」とQ14「経営者がやりたい経営課題」に対応するQ28「問題と課題の間に論理飛躍は無いか」が設定されている。Q28の質問の他の事例としては、誰のどういった資料で経営課題を設定したか、などが挙げられる。
【0048】
また、Q14「経営者がやりたい経営課題」とQ15「課題の結果・成果」に対応するQ29「取り組む経営課題による直接の結果と狙った成果は繋がっているか」が設定されている。Q29の質問の他の事例としては、狙いの成果以外の結果を把握して対応が考え込まれているか、などが挙げられる。
【0049】
また、Q13「経営者の自覚している経営問題」とQ15「課題の結果・成果」に対応するQ210「狙った成果が必要十分で経営問題を解決するか」が設定されている。Q210の質問の他の事例としては、狙った成果以外の課題の結果がもたらす経営問題への影響をピックアップして評価できているか、などが挙げられる。
【0050】
次に、
図3に基づいて、本実施形態における情報処理プログラムが実行する動作について説明する。
先ず、制御部30は、記憶部40から複数の第1質問事項Q1を呼び出して、表示部20に表示させる(ステップS100)。
【0051】
本実施形態においては、表示部20の画面上には、Q11「長期的になりたい姿」、Q12「短期的になりたい姿」、Q13「経営者が自覚している経営問題」、Q14「経営者がやりたい経営課題」、及びQ15「課題の結果・成果」の各第1質問事項Q1が表示される(
図4参照)。
【0052】
また、制御部30は、ステップS100において各第1質問事項Q1に対応する第1回答データA1の入力欄15を表示部20に表示するよう制御する。
図4では、各第1質問事項Q1に隣接する位置に、対応する第1回答データA1の入力欄15を設けた例を記載したが、第1回答データA1の入力欄15は表示部20内のどこに表示させてもよい。ただし、各第1質問事項Q1に隣接する位置に、対応する第1回答データA1の入力欄15を設けることにより、ユーザ(聞き取り役)はどの質問事項に対する回答かを認識しやすくなる。
【0053】
ユーザ(聞き取り役)は、表示部20に表示された複数の第1質問事項Q1を任意の順番で相談者に尋ねて、回答があり次第、第1回答データA1を入力受付部10から該当する第1回答データA1の入力欄15に入力する。
制御部30は、入力受付部10から入力欄15に入力された第1回答データA1を記憶部40に記憶させる(ステップS102)。
【0054】
一例として、ユーザ(聞き取り役)がQ11「長期的になりたい姿」を質問し、相談者がこの質問事項に対応する例えば「20年後の年商○○円」と回答した場合、ユーザ(聞き取り役)は、第1回答データA1を入力受付部10からA11と記載されている入力欄15に入力する。制御部30は当該第1回答データA11を記憶部40に記憶させる。
【0055】
次に、制御部30は、表示部20に表示された各上記第1質問事項Q1のうち、ユーザ(聞き取り役)から少なくとも2つの第1質問事項Q1それぞれに対応する第1回答データA1が入力された場合(ステップS104)、入力された少なくとも2つの第1回答データA1に対応する未回答の第2質問事項Q2が存在するかどうかを判断する(ステップS106)。
【0056】
制御部30は、ステップS104において少なくとも2つの第1質問事項Q1それぞれに対応する第1回答データA1が入力されていないと判断した場合には、ステップS102に戻り、次の第1回答データA1が入力されるまで第1質問事項Q1のみを表示部20に表示し続ける。
【0057】
制御部30は、ステップS106において、入力された少なくとも2つの第1回答データA1に対応する未回答の第2質問事項Q2が存在すると判断した場合、対応する第2質問事項Q2を表示部20に表示させる(ステップS108;
図5参照)。
【0058】
図5は一例であるが、Q11「長期的になりたい姿」に対する第1回答データA11として「20年後の年商〇〇円」が入力されており、Q14「経営者がやりたい経営課題」に対する第1回答データA14「〇国に現地法人を設立する」が入力されているとした場合、Q11とQ14に対応付けられたQ23「長期的になりたい姿を踏まえると課題は妥当か」という第2質問事項が表示部20に表示される。
また、
図5では、第2質問事項Q23に隣接する位置に、対応する第2回答データA23の入力欄16を設けた例を記載したが、対応する第2回答データA23の入力欄16は表示部20内のどこに設けてもよい。ただし、各第2質問事項Q2に隣接する位置に、対応する第2回答データA2の入力欄16を設けることにより、ユーザ(聞き取り役)はどの質問事項に対する回答かを認識しやすくなる。
【0059】
なお、制御部30は、ステップS106において少なくとも2つの入力された第1回答データA1に対して未回答の第2質問事項Q2が存在しないと判断した場合には、ステップS102に戻り、次の第1回答データA1が入力されるまで第1質問事項Q1のみを表示部20に表示し続ける。
なお、本実施形態では、5個の第1質問事項Q11~Q15の全ての組み合わせに対して第2質問事項Q21~Q210が設定されているため、制御部30がステップS106において少なくとも2つの入力された第1回答データA1に対して第2質問事項Q2が存在しないと判断するケースは無い。なお、第1質問事項全ての組み合わせについて第2質問事項を設定していない場合には、制御部30がステップS106において少なくとも2つの入力された第1回答データA1に対して第2質問事項Q2が存在しないと判断するケースはある。
【0060】
制御部30は、入力受付部10から入力欄16に入力された第2回答データA2を記憶部40に記憶させる(ステップS110)。
なお第2質問事項Q2が表示部20に表示された場合であっても、未回答であった第1質問事項Q1に対する回答がされる場合もある。この場合、ステップS110においては、制御部30は、入力受付部10から入力欄15に入力された第1回答データA1を記憶部40に記憶させる。
【0061】
例えば、
図6に、
図5の状態からさらにQ13「経営者が自覚している経営問題」に対する第1回答データA13「顧客数の増加が停滞」が入力された状態を示す。
このとき、制御部30は、新たに入力された第1回答データA13における第1質問事項Q13「経営者が自覚している経営問題」と、記憶部40内の既に回答済みの他の第1質問事項Q1との間における第2質問事項Q2が存在するかどうか判断する。
【0062】
この結果、Q13「経営者が自覚している経営問題」とQ11「長期的になりたい姿」との関係において第2質問事項Q22「長期的になりたい姿を踏まえた経営問題になっているか」が存在し、Q13「経営者が自覚している経営問題」とQ14「経営者がやりたい経営課題」との関係において第2質問事項Q28「問題と課題の間に論理飛躍は無いか」が存在する。
そこで、制御部30は、第2質問事項Q22「長期的になりたい姿を踏まえた経営問題になっているか」とQ28「問題と課題の間に論理飛躍は無いか」とを表示部20に表示する。
【0063】
制御部30は、ステップS112において、全ての第1質問事項Q1に対する第1回答データA1及び全ての第2質問事項Q2に対する第2回答データA2が入力されたか否かを判断し、まだ入力されていない回答データがあれば、全ての回答データが記憶部40に記憶されるまで、ステップS110~ステップS112までを繰り返し実行する。
【0064】
なお、制御部30は、回答済みの第1質問事項Q1及び回答済みの第2質問事項Q2について回答が入力された場合でも、入力された第1回答データA1及び第2回答データA2とともに、回答済みの第1質問事項Q1及び回答済みの第2質問事項Q2を表示し続けるように制御する。
このようにすることで、ユーザ(聞き取り役)は、既に回答された各回答データを参考にして未回答の第1質問事項Q1や未回答の第2質問事項Q2に対しての質問事項に対する聞き方をアレンジなどすることができる。
ただし、制御部30は、回答済みの第1質問事項Q1及び回答済みの第2質問事項Q2を表示し続けなくてもよい。
【0065】
なお、制御部30は、回答があった質問事項を未回答の質問事項と区別が出来るように、回答があった質問事項と未回答の質問事項とは異なる色で表示させるか、若しくは回答があった質問事項の近傍に「回答済み」の表示をさせてもよい。
【0066】
また、制御部30は、全ての第1質問事項Q1に対する第1回答データA1及び全ての第2質問事項Q2に対する第2回答データA2が入力されたとき、各質問事項に対して全ての回答データが記憶されているか否かを確認し、全ての回答データが記憶されている場合には本実施形態の動作を終了する。
【0067】
制御部30は、記憶部40内で1回の相談毎の相談内容の結果データ45をデータベース化する(
図7参照)。
結果データ45の内容としては、少なくとも、相談年月日、相談場所(商工会議所名)、相談者名、聞き取り役名、第1質問事項Q1及びそれに対する第1回答データA1、第2質問事項Q2及びそれに対する第2回答データA2、が含まれる。さらに、相談者の事業分野、事業規模などを含めてもよい。
第1質問事項Q1及びそれに対する第1回答データA1、第2質問事項Q2及びそれに対する第2回答データA2以外の項目については、相談開始時に入力するか相談開始後に別途入力してもよい。
【0068】
このように1回の相談毎に相談内容をデータベース化しておくことで、同じ相談者が新たに相談に来たときに、過去の相談内容を参照することができるため、相談をスムーズに進めることができるとともに、相談者からすれば過去にたてた経営方針などの見直しの機会にもなる。
【0069】
また、相談終了後、制御部30は、ユーザ(聞き取り役)又は相談者の要望に応じて、データベース化した相談内容の結果データ45をプリンタ42から出力するように制御することができる。
上述したように、5個の第1質問事項Q11~Q15の中において互いの優先順位をつけて予め記憶部40に記憶させてあるため、制御部30は、データベースの内容をプリンタ42から出力する際に、複数の第1質問事項Q1とそれに対する第1回答データを分かりやすい順番で印刷させることができる。
また、5個の第1質問事項Q11~Q15同士の優先順位を任意のタイミングで変更することを可能にしたため、いずれの質問事項が重要か(優先順位が高いか)を相談の中で判断して、相談者にとって重要な順番で印刷させることができる。
【0070】
また、5個の第1質問事項Q11~Q15同士において互いの優先順位の予め設定し、又は任意のタイミングで優先順位を変更することによって、制御部30は、第2質問事項Q21~Q210同士の優先順位もそれに基づいて決めることができる。つまり、2個の第1質問事項の関係に基づいて第2質問事項が設定されるため、優先順位が高い第1質問事項を含む第2質問事項が優先された順番で表示される。
例えば、Q23とQ26とを比較した場合、Q23はQ11とQ14に対応しており、Q26はQ12とQ14に対応しているため、制御部30は、優先順位の高いQ11が含まれているQ23の方がQ26よりも優先順位が高いと判断する。
また例えば、Q22とQ24を比較した場合、Q22はQ11とQ13に対応しており、Q24はQ11とQ15に対応しており、Q11は共通である。このため、この例では制御部30は、残りのQ13とQ15を比較して、優先順位の高いQ13が含まれているQ22の方がQ24よりも優先順位が高いと判断する。
このようにして、制御部30は、相談内容の結果データ45をプリンタ42から出力する際に、複数の第1質問事項Q1とそれに対する第1回答データだけでなく、複数の第2質問事項とそれに対する第2回答データについても、第1質問事項の優先順位に準拠して、分かりやすい順番、相談者にとって重要な順番で印刷させることができる。
こうして出力された印刷物は、相談者の混乱した思考を情報処理システムS1によって整理されたものである。相談者は、経営に関する事項を利害関係人や金融機関等の他者に説明する際に、情報処理システムS1によって整理された印刷物を提示することで、他者への説明を容易且つ明確に実施できる。
【0071】
上述してきた本実施形態の情報処理システムS1及び情報処理プログラムPGM1によって、所定の2つの第1回答データが入力され次第、対応する第2質問項目を表示して第2回答データの入力を受付けるため、聞き取り側のヒアリングスキルが充分でない場合であっても、聞き取りの順番に迷うことなくヒアリングを実施することができる。また、各回答を漏れなく入力することができる。
またユーザ(聞き取り役)にとっては、情報処理システムS1を用いて相談を実施することによって、聞き取り役としてのスキルアップを図ることができる。聞き取り役としてのスキルが上がると、思考の仕組みの理解が進むため、相談者に対する伴走支援がしやすくなる。
【0072】
(第2実施形態)
次に情報処理システム及び情報処理プログラムの第2実施形態について説明する。
ただし、第1実施形態とシステム構成は同一であるため、システム構成の図面は省略している。
第2実施形態は、相談者からさらに追加の回答事項が生じた場合における形態である。本実施形態における相談者は企業経営者を想定しており、将来のビジョンや課題等多くを語りたいケースも多いためである。
【0073】
図8~
図9に第2実施形態のフローチャートを示す。
図8~
図9は、
図3のフローチャートの続きから開始される。
ステップS200では、全ての第1質問事項Q1に対する第1回答データA1及び全ての第2質問事項Q2に対する第2回答データA2が入力された後、制御部30は、追加の回答データがあるかどうかを表示部20に表示させる。具体的には、制御部30は表示部20に「追加の回答データが有る」ボタンと「追加の回答データが無い」ボタンを表示させる(図示せず)。
【0074】
相談者から追加の回答は無いことをユーザ(聞き取り役)が聞き取ると、ユーザ(聞き取り役)によって「追加の回答データが無い」ボタンが押下され、制御部30は、動作を一時中断し、ここまで入力された各回答データを記憶部40に記憶させたのち、待機状態になる。制御部30は、待機状態中においては「追加の回答データが有る」ボタンと「追加の回答データが無い」ボタンの表示を表示部20に表示し続けるように制御する。
相談者から追加の回答は有ることをユーザ(聞き取り役)が聞き取ると、ユーザ(聞き取り役)によって「追加の回答データが有る」ボタンが押下される。
「追加の回答データが有る」ボタンが押下されたことを検出した制御部30は、表示部20に追加の回答データの入力欄を表示させる(ステップS202)。
また、制御部30は、表示部20に入力完了ボタン(図示せず)も表示させる。
【0075】
追加の回答データの入力欄の表示例を
図10に示す。
ここでは制御部30は、追加の回答データの入力欄17を、既に入力済みの第1回答データA11~A15の各入力欄15に隣接して1又は複数設けている。ここでは追加の回答は、既に質問されている5個の第1質問事項Q11~Q15のいずれかの回答として振り分けられる追加第1回答データとする。
【0076】
また相談者からの追加の回答としては、どの質問事項に対する回答かが明確ではない場合もある。このため、相談者からの回答に応じてユーザ(聞き取り役)が5個の第1質問事項Q11~Q15のうちいずれの質問に対する回答かを判断して、該当する第1質問事項に対応する追加の回答データの入力欄にユーザ(聞き取り役)が追加第1回答データとして入力する。
【0077】
例えば、
図10に示すように、追加第1回答データとして、相談者が、「グローバルな金属材料メーカーになりたい」、「営業利益率〇%」、「円安が問題」といった回答をした場合、ユーザ(聞き取り役)は、それぞれ第1質問事項の「長期的になりたい姿」、「短期的になりたい姿」、「経営者が自覚している経営問題」の回答に該当すると判断し、ユーザ(聞き取り役)は、それぞれ該当する第1質問事項Q11~Q13に対する入力欄17に当該追加第1回答データを入力する。
ただし、追加第1回答データがいずれの第1質問事項Q11~Q15に該当する回答であるかは、ユーザ(聞き取り役)ではなく相談者が判断してもよいし、ユーザ(聞き取り役)と相談者が相談して判断してもよい。
【0078】
また、
図10に示すように、制御部30は、追加第1回答データの入力欄17と、既に入力された第1回答データの入力欄15に、優先順位を入力するための優先順位入力欄19を表示させる。この優先順位とは、後に記憶部40に記憶された全ての第1質問事項Q1に対する第1回答データA1及び全ての第2質問事項Q2に対する第2回答データA2をプリンタ42から出力する際に、同じ第1質問事項内の複数の第1回答データをどの順番で出力するかを決めるためのものである。
【0079】
なお、制御部30は、追加第1回答データの入力数の閾値を予め設定しておくとよい。例えば、各第1質問事項Q1に対しての追加第1回答データの数、又は全ての第1質問事項Q1に対する追加第1回答データ全体の数に対して、閾値を設定することができる。
制御部30は、各第1質問事項Q1に対しての追加第1回答データの数の閾値を設定した場合、いずれかの第1質問事項Q1に対しての追加第1回答データの数が閾値を超えたときには(ステップS204)、入力中止の表示及び入力済みのいずれかの追加第1回答データの削除を促す旨の表示を表示部20に表示させる(ステップS205)。
なお、相談者の思考力の関係や本情報処理システムS1の利用方法によっては追加第1回答データの入力数の閾値が必要ないケースも考えられるため、追加第1回答データの入力数の閾値を設定しなくてもよい。
【0080】
また、制御部30は、全ての第1質問事項Q1に対する追加第1回答データ全体の数に対して閾値を設定した場合、全体の追加第1回答データの数が閾値を超えたときには(ステップS204)、入力中止の表示及び入力済みのいずれかの追加第1回答データの削除を促す旨の表示を表示部20に表示させる。
【0081】
各第1質問事項Q1に対しての追加第1回答データの数、又は全ての第1質問事項Q1に対する追加第1回答データ全体の数が閾値を超えた後、ユーザ(聞き取り役)が入力を中止していずれかの追加第1回答データを削除した場合、制御部30は入力完了ボタン(図示せず)の押下(ステップS206)によって動作を続行する。
【0082】
全ての追加第1回答データと優先順位が入力されたところで、ユーザ(聞き取り役)によって入力完了ボタン(図示せず)が押下されると(ステップS206)、制御部30は同じ第1質問事項Q1に対しての追加第1回答データと既に入力されている第1回答データA1とを関連付けするとともに、これらの優先順位を合わせて記憶部40に記憶する(ステップS208)。
【0083】
次に制御部30は、
図11に示すように、追加第1回答データと既に入力されている第1回答データとの間、追加第1回答データ同士の間に対応する、追加第2質問事項を入力する入力欄22を表示させる(ステップS210)。
図11に示した例では、第1質問事項Q11に対応する追加第1回答データA11a「グローバルな金属材料メーカーになりたい」と、第1質問事項Q12に対応する追加第1回答データA12a「営業利益率〇%」と、第1質問事項Q13に対応する追加第1回答データA13a「円安が問題」が追加第1回答データとして入力された場合に、これら追加第1回答データA11a~A13a同士の間に生じる追加第2質問事項と、これら追加第1回答データA11a~A13aと既に入力された第1回答データA11~A15との間に生じる追加第2質問事項の入力欄22が表示している。
【0084】
具体的には、追加第1回答データA11a「グローバルな金属材料メーカーになりたい」に対しては、既に入力された第1回答データA12「卸先100社」との間の追加第2質問事項Q21a2の入力欄22と、既に入力された第1回答データA13「顧客数の増加が停滞」との間の追加第2質問事項Q21a3の入力欄22と、既に入力された第1回答データA14「〇国に現地法人を設立」との間の追加第2質問事項Q21a4の入力欄22と、既に入力された第1回答データA15「顧客数が安定的に増える状態」との間の追加第2質問事項Q21a5の入力欄22と、追加第1回答データA12a「営業利益率〇%」との間の追加第2質問事項Q21a2aの入力欄22と、追加第1回答データA13a「円安が問題」との間の追加第2質問事項Q21a3aの入力欄22と、が表示部20に表示される。
【0085】
ここでは全ての追加第2質問事項について説明はしないが、いずれかの第1質問事項Q1に対する追加第1回答データが1個追加されるだけで、最低でも4個の追加第2質問事項が増加することとなるため、追加第1回答データが追加されるほど全体として膨大な数の質問事項とそれに対応する回答データが設定されることになる。
あまりにも質問事項が多すぎると何を質問して何を回答すべきか、ユーザ(聞き取り役)や相談者が混乱する可能性もあるため、上述したように、追加第1回答データの入力数に閾値を設け、あまり多くの追加第1回答データが入力されないように制御するとよい。
ただし、ユーザ(聞き取り役)や相談者がそれぞれ複数いる場合には、思考の混乱を整理する際に多数の質問事項に対して範囲を分けて担当することによって、ユーザ(聞き取り役)や相談者の処理能力を補うことができるため、追加第1回答データの入力数に閾値を設けなくてもよい。
【0086】
追加第2質問事項の入力欄が表示部20に表示された後、ユーザ(聞き取り役)は追加第2質問事項を各入力欄に入力していく。
そして、制御部30は、入力された追加第2質問事項を記憶部40に記憶させる(ステップS212)。
続いて、制御部30は、追加第2質問事項に対する回答である追加第2回答データを入力するための入力欄を表示部20に表示させる(図示せず:ステップS214))。
【0087】
なお、追加第2質問事項は、随時発生するため、その都度ユーザ(聞き取り役)が質問事項を検討して入力することが困難なこともある。
このため、ユーザ(聞き取り役)は、予め追加第2質問事項のサンプル文を作成して記憶部40に記憶させておき、制御部30は、追加第1回答データが入力されたときに当該サンプル文を取り出してアレンジしたうえで表示部20に表示するようにしてもよい。なお、システムの製造者又は構築者等が、システム完成時にサンプル文を作成して記憶部40に記憶させておいてもよい。
サンプル文としては、例えば「〇〇の回答と〇〇の回答の関係につき、数的根拠等を示して具体的に説明してください。」といった内容が挙げられる。この場合、制御部30は、〇〇の部分に、現在直近で入力された追加第1回答データの入力欄の番号や既に入力された第1回答データの入力欄を入れてアレンジして追加第2質問事項を生成する。
【0088】
制御部30は、追加第2質問事項に対する回答である、追加第2回答データが入力される都度、追加第2回答データを記憶部40に記憶させる(ステップS216)。
制御部30は、全ての追加第2回答データの入力が終了したとき、各質問事項に対して全ての回答データが記憶されているか否かを確認し、全ての回答データが記憶されている場合には、本実施形態の動作を終了する(ステップS218)。
【0089】
また、本実施形態においても、制御部30は、記憶部40内で1回の相談毎の相談内容の結果データ48をデータベース化する(
図12参照)。
結果データ48の内容としては、少なくとも、相談年月日、相談場所(商工会議所名)、相談者名、聞き取り役名、第1質問事項Q1及びそれに対する第1回答データA1、追加第1回答データ、第2質問事項Q2及びそれに対する第2回答データA2、追加第2質問事項及びそれに対する追加第2回答データが含まれる。さらに、相談者の事業分野、事業規模などを含めてもよい。
【0090】
このように1回の相談毎に相談内容をデータベース化しておくことで、同じ相談者が新たに相談に来たときに、過去の相談内容を参照することができるため、相談をスムーズに進めることができるとともに、相談者からすれば過去にたてた経営方針などの見直しや、思考の乱れが解消した結果の見直しの機会にもなる。
【0091】
また、相談終了後、制御部30は、ユーザ(聞き取り役)又は相談者の要望に応じて、データベース化した相談内容の結果データ48をプリンタ42から出力するように制御することができる。
上述したように、5個の第1質問事項Q11~Q15の中において互いの優先順位をつけて予め記憶部40に記憶させてあり、本実施形態ではさらに同一の第1質問事項Q1の中での追加第1回答データ及び第1回答データの間の優先順位を決めているため、第2質問事項及びそれに対する第2回答データ、並びに追加の第2質問事項及び追加の第2回答データについても、わかりやすい順番で印刷させることができる。
すなわち、第2質問事項及び追加第2質問事項は、既に優先順位が決まっている第1回答データ同士、第1回答データと追加回答データ、又は追加回答データ同士の関係に基づいて設定されるため、優先順位の高い第1回答データ又は追加第1回答データを含む第2質問事項及びその回答である第2回答データ、並びに優先順位の高い第1回答データ又は追加第1回答データを含む追加第2質問事項及びその回答である追加第2回答データが優先された順番で印刷される。
【0092】
また、第1実施形態で説明したように5個の第1質問事項Q11~Q15の互いの優先順位を任意のタイミングで変更可能とし、さらに、本実施形態における同一の第1質問事項Q1の中での追加第1回答データ及び第1回答データの間の優先順位も任意のタイミングで変更可能とするとよい。
具体的には、制御部30は、表示部20に追加回答データ優先順位変更欄(図示せず)を常時表示させ、追加回答データ優先順位変更欄に変更された優先順位が入力された場合には、入力された優先順位の変更データを記憶部40に記憶させるように制御する。
このように、追加第1回答データ及び第1回答データの間の優先順位も任意のタイミングで変更可能とすることによって、例えばプリンタ42から印刷して出力する際に、いずれの追加第1回答データ及び第1回答データが重要か(優先順位が高いか)をあらためて判断して、相談者にとって重要な順番で印刷させることができる。
【0093】
(第3実施形態)
本実施形態では、本発明の情報処理システム及び情報処理プログラムを、補助金申請用の事業計画書の作成に適用させた場合について説明する。
現在、国や各自治体において中小企業をサポートするための各種補助金が多く存在する。補助金の公募は突然発表されるために中小企業の経営者にとっては事前に対応することが困難であり、また発表から申請期限までの期間が短いため申請用の事業計画書の作成に困難を伴うことが多い。
【0094】
一方、補助金の申請のための事業計画書の審査は、予め国や各自治体が定めた審査項目が事業計画書内に反映されているかどうかに着目して行われるので、審査項目を確実に読み取って事業計画書に反映させていくことが必要であるが、審査項目を確実に反映させた事業計画書の作成を短期間で行うことは極めて困難である。
このため、補助金申請用の事業計画書の作成に情報処理システムS1を適用させることにより、審査項目を確実に反映させた事業計画書の作成を短期間で行うことができる。
【0095】
以下、補助金申請用の事業計画書の作成に適用させた情報処理システムS1について説明する。
図13に、本実施形態の情報処理システムS1における記憶部40内の構成について示す。情報処理システムS1におけるその他の構成要素については、上述してきた実施形態の構成要素と同一であり、説明を省略する。
本実施形態の情報処理システムS1の記憶部40には、補助金申請における複数の審査項目ごとに対応した第1質問事項Q1、第2質問事項Q2が記憶されている。また、複数の審査項目におけるそれぞれの第1質問事項Q1に対する第1回答データA1、第2質問事項Q2に対する第2回答データA2も回答が入力された後に記憶される。
なお、
図13では審査項目を5個の事例について図示したが、審査項目数は補助金の種類によって異なるものであり、審査項目数は5個に限定するものではない。
【0096】
また、記憶部40には、補助金申請用の事業計画書に添付するための補助資料としての添付データ52も記憶できるようにする。添付データ52は、補助金申請用の事業計画書の内容に説得力を持たせるために用いられるデータであって、中小企業自ら調査した調査データや、公的機関が公表したデータなどが含まれる。具体的には、図、グラフ、表などが挙げられる。これらのデータは画像ファイル形式であってもよいし、その他表計算ソフトやワープロソフトのファイル形式であってもよい。
これらの添付データ52は、制御装置50内で作成されたデータであってもよいし、他のコンピュータ等で作成されたデータを取り込んで記憶部40に記憶してもよい。
【0097】
制御部30は、補助資料としての添付データ52をいずれの第1回答データA1及び/又は第2回答データA2に紐づけさせるかをユーザ(聞き取り役)又は相談者に入力させるための入力欄(図示せず)を表示部20に表示させる。
制御部30は、入力欄に入力された内容に基づいて、添付データ52をいずれかの第1回答データA1及び/又は第2回答データA2に紐づけして記憶部40に記憶させる。
【0098】
補助金申請用の事業計画書の作成に情報処理システムS1を適用させた場合、上述してきた実施形態のようにユーザ(聞き取り役)が第1質問事項Q1及び第2質問事項Q2を設定してもよいし、相談者(補助金申請したい経営者)とユーザ(聞き取り役)が相談しながら設定してもよい。以下では、ユーザ(聞き取り役)が第1質問事項Q1及び第2質問事項Q2を設定する場合について説明する。
【0099】
図14に、補助金申請用の事業計画書に情報処理システムS1を適用させる場合の第1質問事項Q1と第2質問事項Q2の概略を示す。
図14では、例として事業再構築補助金における審査項目を挙げている。例えば審査項目1として「事業査構築指針に沿った取組みであるか。また、全く異なる業種への転換など、リスクの高い、思い切った大胆な事業の再構築を行うものであるか。」であり、審査項目2として「既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスや足許の原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊要性が高いか。」であり、審査項目3として「市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの最適化を図る取組であるか。」であり、審査項目4として「先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域のイノベーションに貢献し得る事業か。」であり、審査項目5として「本補助金を活用して新たに取り組む事業の内容が、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応した、感染症等の危機に強い事業になっているか。」である。
【0100】
例として、審査項目3の「市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの最適化を図る取組であるか。」について第1質問事項Q1及び第2質問事項Q2を設定する場合について説明する。
ユーザ(聞き取り役)は、審査項目3の内容を句読点のある箇所や意味のあるまとまり毎に区切り、区切った文の内容を複数の第1質問事項Q11~Q15とする。ただし、ここではQ11として前提となる補助事業の内容そのものを質問しており、Q11「補助事業の内容は?」としている。また、ユーザ(聞き取り役)は、他の第1質問事項としてQ12「狙っている市場ニーズは?」、Q13「御社の強みは?」、Q14「想定している「選択と集中」の戦略的な組み合わせの中身は?」、Q15「御社の目指すリソースの最適化は?」、を設定する。
ユーザ(聞き取り役)は、設定した複数の第1質問事項Q11~Q15を記憶部40に記憶する。
なお、
図14の例では、5個の第1質問事項Q11~Q15を設定したが、第1質問事項の数は5個に限定するものではなく、審査項目の内容に基づいて任意に設定できる。
【0101】
次に、ユーザ(聞き取り役)は、設定した複数の第1質問事項Q11~Q15から選択した一対の関係に基づいて複数の第2質問事項を設定する。
図14に示した例では、Q11とQ12の関係に基づいたQ21「狙っている市場ニーズと補助事業の内容の関係は?」、Q11とQ13の関係に基づいたQ22「御社の強みと補助事業の関係は?」、Q11とQ14の関係に基づいたQ23「選択と集中を組み合わせた経営戦略と補助事業の関係は?」、Q11とQ15の関係に基づいたQ24「補助事業で御社の目指すリソースの最適化がどのように図られるか?」、Q12とQ13の関係に基づいたQ25「狙っている市場ニーズと御社の強みの関係は?」、Q13とQ14の関係に基づいたQ26「御社の強みを活かした「選択と集中」の戦略的な組み合わせになっているか?」、Q14とQ15の関係に基づいたQ27「「選択と集中の」戦略的な組み合わせに最適なリソースを狙えているか?」、等が挙げられている。ただし、ここで例示しているのは第1質問事項Q11~Q15全ての組み合わせについて設定したものではなく、その一部である。
ユーザ(聞き取り役)は、設定した複数の第2質問事項Q21~Q27を記憶部40に記憶する。
【0102】
なお、ユーザ(聞き取り役)は、全ての審査項目に対して複数の第1質問事項Q1及び複数の第2質問事項Q2を設定し、記憶部40に記憶する。
【0103】
上述した事例では、審査項目の内容を第1質問事項に設定したが、補助金の種類によっては審査項目の定められ方も様々であるので、審査項目の内容を第2質問事項に設定してもよい。
【0104】
次に、本実施形態における情報処理プログラムPGM1が実行する動作について説明するが、基本的な動作は
図3で示した動作と同一であり、ここでは説明を省略する。
本実施形態特有の動作としては、情報処理プログラムPGM1は、任意のタイミングで第1質問事項Q1及び第2質問事項Q2の内容を変更すること、第1質問事項Q1及び第2質問事項Q2を追加すること、第1質問事項Q1及び第2質問事項Q2を削除することができる点にある。
【0105】
情報処理プログラムPGM1を読み込んだ制御部30は、
図3のS100~S112の動作中において、表示部20に第1質問事項Q1及び第2質問事項Q2の変更、追加、削除をユーザ(聞き取り役)促すための質問事項変更ボタン(図示せず)を表示させる。
制御部30は、質問事項変更ボタンが押下されると、現在実行中の動作を中止し、変更表示画面(図示せず)を表示部20に表示させる。
【0106】
変更表示画面において、ユーザ(聞き取り役)は、第1質問事項Q1及び第2質問事項Q2の変更若しくは追加を入力するか、第1質問事項Q1及び第2質問事項Q2の削除を実行する。
制御部30は、ユーザ(聞き取り役)によって入力された第1質問事項Q1及び第2質問事項の変更内容や、新たに追加された第1質問事項Q1及び第2質問事項の内容を記憶部40に記憶する。
また制御部30は、ユーザ(聞き取り役)によって削除指示された第1質問事項Q1及び第2質問事項を記憶部40から削除する。
【0107】
制御部30は、変更、追加、削除がされた第1質問事項Q1及び第2質問事項Q2に対して、新たに
図3のS100~S112の動作を実行する。
【0108】
なお、記憶部40に記憶されている第1質問事項Q1及び第2質問事項Q2は、
図3のS100~S112の動作中でない場合であっても、当然にその内容の変更、第1質問事項Q1及び第2質問事項Q2の追加、第1質問事項Q1及び第2質問事項Q2の削除が可能である。
【0109】
このように任意のタイミングで第1質問事項Q1及び第2質問事項Q2の変更、追加、削除が実行できることにより、公募内容に変更があった場合でも対応可能となる。すなわち、補助金は同じ名前の補助金であっても募集回によって公募内容が異なることがあり、この場合には審査項目の改廃や増減が生じることがあるためである。
【0110】
また、補助金を創設した国、地方自治体、これらの関係機関、又は補助金申請事業の委託を受けた受任企業等(以下、これらを創設側と称する。)が、本実施形態における情報処理システムS1を用意してもよい。
すなわち、創設側が、補助金の審査項目を細分化して第1質問事項Q1と第2質問事項Q2を設定する。
創設側によって第1質問事項Q1と第2質問事項Q2が設定された情報処理システムS1を、補助金を申請したいと考えている企業、この企業の経営相談に携わっている商工会議所の経営指導員、又は経営コンサルタント等(以下、これらを申請側と称する。)が利用して、第1回答データA1と第2回答データA2を入力して記憶部40に記憶する。
そして、申請側が入力した第1回答データA1と第2回答データA2を、創設側が読み出して審査を行う。
【0111】
例えば、経済産業省が創設した中小企業向けの補助金については独立行政法人中小企業基盤整備機構が担当機関として割り当てられ、独立行政法人中小企業基盤整備機構が公募要領や審査項目を策定し、実際の申請業務については委託された受任企業が実施することになる。
この例では、独立行政法人中小企業基盤整備機構及び受任企業が上述した創設側となり、審査項目を細分化して第1質問事項Q1と第2質問事項Q2を設定する。
【0112】
このように、創設側で第1質問事項Q1と第2質問事項Q2を設定した情報処理システムS1を用いることによって、申請側においては審査項目について問われている内容が端的で明確になっているため申請に対する検討及び回答を容易に行うことができる。
創設側においても、審査項目に対しての申請側の回答の適合性の判断を効率的に行うことができ、創設側の審査員の知識、経験又はスキルによる審査のバラつきを低減することができる。
【0113】
(第4実施形態)
上述してきた第1実施形態~第3実施形態は、商工会議所等において、商工会議所に所属しているか又は商工会議所に委託された相談員をユーザ(聞き取り役)とし、商工会議所の会員を相談者として経営相談又は補助金申請用の事業計画書を作成するケースを想定した。
本実施形態の情報処理システムS2は、複数の商工会議所ごとに1台ずつ情報処理システムS1を設置するとともに、複数の各システムS1を統括管理する管理サーバ90を含めた情報処理システムである。
【0114】
本実施形態の情報処理システムS2は、商工会議所ごとの情報処理システムS1によって得られたデータベースを管理サーバ90においても集中的に管理し、必要に応じて別の商工会議所でも過去に得られたデータベースを管理サーバ90で参照することができるようにし、各商工会議所同士の情報共有を目的とする。
【0115】
図15に、本実施形態の情報処理システムS2の概略構成について示す。なお、上述してきた実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
情報処理システムS2は、複数の商工会議所100~103において、それぞれ情報処理システムS1が設けられている。また、複数の商工会議所のうちいずれか1箇所に管理サーバ90が設置されている。
ただし、管理サーバ90が設置されている場所は、いずれかの商工会議所に限定するものではなく、本システムを管理運用する管理会社などであってもよい。
【0116】
管理サーバ90と各情報処理システムS1は通信回線80で接続されている。通信回線80としては、例えばインターネット等の回線を採用することができる。
また、管理サーバ90と情報処理システムS1が同一の建物内に配置されている場合には、通信回線80として無線LAN又は有線LANを採用してもよい。
【0117】
図16に管理サーバの構成を示す。
管理サーバ90は、制御部92と、記憶部94と、表示部95と、入力受付部96と、通信部97とを備えている。
記憶部94には、各情報処理システムS1から得られた1回の相談毎の相談内容の結果データ48がデータベースとして記憶されている(ここでは例として第2実施形態における結果データ48としている)。また、記憶部94には、管理サーバ90の動作プログラムPGM2が記憶されている。
【0118】
記憶部94は、一例として不揮発性メモリであるROM、ハードディスク、SSDなどが相当する。
制御部92は、CPU、RAM及びROM等から構成され、管理サーバ90の動作を制御する。制御部92は、記憶部40から所定の動作プログラムPGM2を呼び出して、所定の処理を順次実行する。
また、表示部95がディスプレイに相当し、入力受付部96がマウスやキーボードに相当する。
【0119】
管理サーバ90を操作する者(操作者)は、商工会議所又は管理会社の担当者であるとし、操作者は、相談結果としてのデータを外部に漏らさないように秘密保持契約を結んでいる必要がある。
【0120】
各情報処理システムS1の制御部30は、1回の相談が終了するごとに相談内容の結果データ48を作成するが、このとき制御部30は各情報処理システムS1の記憶部40にデータを記憶させるとともに、管理サーバ90へアクセスして管理サーバ90の記憶部94に相談内容の結果データ48を記憶させる。
管理サーバ90へアクセスして管理サーバ90の記憶部94に相談内容の結果を記憶させる動作は、各情報処理システムS1における情報処理プログラムPGM1に基づいて実行される。
このため、管理サーバ90の記憶部94には、複数の商工会議所における相談内容の結果がデータベース化される。
【0121】
管理サーバ90の記憶部94は、データベース化されている複数の相談内容の結果について、所定のキーワード等で検索可能となるようにデータベースを構築している。
検索は、各商工会議所における情報処理システムS1から管理サーバ90にアクセスして実施できるようにしておくとよい。
【0122】
このように、管理サーバ90内の過去の相談内容の結果を検索可能にすることで、複数の商工会議所で情報共有することができ、また記憶されている相談内容の結果に相談者の事業分野や事業規模を含めておけば、別の商工会議所で同じような事業分野の経営者からの相談があった場合など、個人情報保護、営業秘密の保護、守秘義務等の法令を遵守した範囲で、同じ事業分野における過去の相談内容を参考にして経営相談を実施することができる。
また、各商工会議所におけるケーススタディが進み、相談員の知識やスキルの向上を図ることができる。
【0123】
また、各情報処理システムS1の制御部30は、検索機能を利用し、過去の相談内容の結果を参照して新たな相談をした場合、参照した相談内容の結果と、新たな相談内容の結果を関連付けして管理サーバ90の記憶部94に記憶するように制御する。
複数の相談結果を関連付けして管理サーバ90の記憶部94に記憶することにより、同じ事業分野の過去の相談内容をまとめて確認することができ、今後の相談や検討に役立てることができる。
【0124】
(第5実施形態)
本実施形態の情報処理システムS3は、複数の商工会議所ごとに1台ずつ情報処理システムS1を設置するとともに、管理サーバによる集中管理を行わずに複数の各情報処理システムS1が分散型処理を実行する。
【0125】
図17に示すように、例えば4か所の商工会議所110~113において、情報処理システムS1同士はインターネット等の通信回線80で互いに通信可能に接続されている。
ここで、情報処理システムS1同士は同期して動作しており、ある1つの情報処理システムS1において相談内容の結果データが追加されると、他の情報処理システムS1においてもミラーリングにより同じ結果データが追加される。ミラーリングは、各情報処理システムS1における制御部30が自身の記憶部40に結果データ48を記憶する際、他の情報処理システムS1の記憶部40にも同時に記憶するように制御することで実現される。
【0126】
また、本実施形態においては、ブロックチェーン技術を採用してもよい。ブロックチェーン技術を採用することによって、いずれかの情報処理システムS1が作成した結果データ48に対して他の情報処理システムS1が作成した結果データ48をハッシュ関数を埋め込んでブロック化していくため、相談内容の結果データ48の偽造防止に寄与することができ、相談内容の結果データ48を、改ざんできず且つ真正であることが証明されることが価値の一部となっている著作物として価値のあるデータとして扱うことができる。
【0127】
また、本実施形態によって得られる相談内容の結果データ48は、誰が作成したかが証明できる真正なものであるため、商工会議所等の支援機関と練り上げた事業活動、経営計画、事業計画、及びこれらの骨子・要旨が信頼に足るものとして、利害関係人や金融機関等へ提示することができる。また、本実施形態によって得られる相談内容の結果データ48は信頼に足る真正なものであることからデューデリジェンスに資するデータとして評価され得る。
また、社内文書としての提案書の作成等の場合に適用したとしても、誰が作成したかが証明できる真正なものとして取り扱うことができる。
【0128】
(第6実施形態)
上述してきた各実施形態では、商工会議所等に設置された情報処理システムをユーザ(聞き取り役)が操作して、相談者から聞き取った内容を入力していくことが基本的な構成であった。
しかし、第1実施形態及び第2実施形態の情報処理システムS1を、経営者等が個人で所有し(個人所有のパーソナルコンピュータで情報処理プログラムPGM1を実行可能とする)、1人で聞き取り役と回答を行うようにすることもできる。この場合、特にシステム上での変更は無く、単なる使用方法の相違となる。
【0129】
このように、個人で情報処理システムS1を使用して、1人で第1質問事項及び第2質問事項の設定から、第1回答データ及び第2回答データの入力を行い、さらには追加第1回答データの入力から追加第2質問事項及び追加第2回答データの入力までを実行することにより、経営者の混乱した思考を整理するためのツールとして個人利用することができる。
【0130】
また、上述してきた各実施形態におけるシステムは、プログラムを記述することでその動作を実行するようにしたが、ルールベースAIによってその動作ルールを記述するようにして動作を実行してもよい。
【0131】
(第7実施形態)
上述してきた各実施形態では、相談者の混乱した思考を整理した状態にすることを目的としてきたが、以下の実施形態では、ヒントを出すことによって相談者の混乱している思考の整理整頓、改善、洗練化、特殊化、詳細化、明確化、構造化等を図り、思考が混乱した相談者の支援を図ることができる。またヒントを出すことにより支援できる内容については、さらに以下のような効果が期待できる。
【0132】
(効果その1)相談者に思考のパーツが揃っていない場合に、相談者にヒントを提供することによって、相談者は不足している思考のパーツを自ら創造することができる。
(効果その2)相談者の思考の独自性が不十分な場合に、相談者にヒントを提供することによって、相談者は独自性の溢れる非凡な思考へのブラッシュアップを図ることができる。
(効果その3)相談者の思考の見直しが不十分な場合に、相談者にヒントを提供することによって、相談者は思考に含まれる見落としがちな落ち度の潰し込みを図ることができる。
【0133】
図18に、第7実施形態の情報処理システムの基本的な構成のブロック図を示す。
なお、上述してきた実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
制御部122にはヒント生成機能126が設けられている。ここでいうヒントとは、定性情報からなる定性的ヒント、定量情報からなる定量的ヒントの2通りがある。ヒント生成機能126としては、プログラム、ルールベースAI、ディープラーニングのいずれかで実行可能である。また、ヒント生成機能126を、別個のヒント生成システム127として構築してもよい。
【0134】
ヒント生成機能126又はヒント生成システム127は、過去に入力されたデータや、入力作業の過程におけるデータを利活用してヒントを生成する。例えば、ヒント生成機能126又はヒント生成システム127は、記憶部124に記憶されている相談者第1直接情報、相談者第2直接情報、相談者間接情報に基づいてヒントを生成し、表示部20に表示させる機能を有する。
相談者第1直接情報とは、既に相談者に対して質問した第1質問事項及び第2質問事項、これに対して既に相談者が回答した内容である第1回答データ及び第2回答データ、並びに相談者属性情報が含まれる。
相談者属性情報とは、相談者の属性を予め入力して記憶部124に記憶させておくものであり、相談者の年齢、性別、職業、役職、経歴、出身地、最終学歴などが想定される。
【0135】
また、相談者第2直接情報とは、ヒント生成機能126又はヒント生成システム127によって生成されたヒントに対する相談者の評価を含むものである。
相談者の評価については、ヒント生成機能126又はヒント生成システム127によって生成されたヒントが表示部20に表示された後、制御部122が評価入力部(図示せず)を表示部20に表示させ、相談に対してヒントに対する評価を入力することを促すことによって得られる。評価入力部(図示せず)が文章を直接入力可能である場合には、相談者はヒントに対する評価を文章で入力する。なお、評価入力部(図示せず)としては、星の数を入力するものであったり、「いいね」のアイコンを押下するものであってもよい。この場合には、星の数や、「いいね」を押下されたか又は押下されなかったことを、相談者の評価とする。
【0136】
制御部122には、相談者間接情報を取得するための種々の機器が接続されている。相談者間接情報とは、相談者が言語として直接過去に入力した情報ではなく、顔や眼球の動きや、入力時間などの相談者の状態を検知した内容である。
相談者間接情報を取得するための種々の機器として、例えば、相談者の体の動きをデータとして取得するモーションキャプチャー128、相談者の顔認証や目の動き等をデータとして取得するフェイシャルキャプチャー130、相談者の音声をデータとして取得する音声キャプチャー132、相談者による入力受付部10(マウスやキーボード)の動作をデータとして取得するキーロガー134等である。
なお、間接情報を取得する機器の例として、他には相談者が所持する携帯電話のGPS等の位置情報、デバイス情報、センサー情報、ネットワーク情報等をさらに含めてもよい。
【0137】
また、ヒント生成機能126又はヒント生成システム127が生成するヒントについては、第1回答データや第2回答データとしてそのまま利用できる答えそのものであってはならない。相談者の思考ではなくなってしまうためである。
【0138】
ヒント生成機能126又はヒント生成システム127が生成するヒントとしては、上述したように定性的ヒントと、定量的ヒントがある。
まず定性的ヒントについて説明するが、定性的ヒントは5つの種類があると考えられ、以下に5つそれぞれについて説明する。
【0139】
定性的ヒント1は、そのまま回答に用いることができるワードとしてのヒントである。この定性的ヒント1によって、相談者はヒントのワードを利用して思考のパーツを創造し、思考の整理用のパーツを揃わせることができるので、思考の構造化を進めることができる。
【0140】
定性的ヒント2は、非凡性の創造のために刺激となるヒントである。この定性的ヒント2によって、相談者は既に思いついている思考パーツを見直して非凡性を高めた思考パーツに作り替えたり、未だ思いついていない思考パーツについて非凡性の高い思考パーツの創造ができ、思考の独自性や非凡性を向上させることができる。
【0141】
定性的ヒント3は、矛盾防止機能によるヒントである。この定性的ヒント3によって、相談者は思考データに潜む矛盾を解消し、論理的で誤解のリスクが無い思考データを作り上げることができる。
【0142】
定性的ヒント4は、脱漏防止機能によるヒントである。この定性的ヒント4によって、相談者は思考データに潜む脱漏を解消し、論理的に飛躍や情報不足が無い思考データを作り上げることができる。
【0143】
定性的ヒント5は、重複防止機能によるヒントである。この定性的ヒント5によって、相談者は思考データに潜む重複を解消し、論理的で無駄や混乱が無い思考データを作り上げることができる。
【0144】
次に定量的ヒントについて説明する。
定量的ヒントは、非凡性を言葉ではなく数値で表示するものであって、非凡な思考を求める相談者が自身の整理中の思考の非凡性を数値で認識し、回答を入力する毎に変化する数値を非凡性の磨き上げの指標として利用して非凡性のある思考データを作り上げることができる。
【0145】
次に、ヒント生成機能を別個のヒント生成システムとして構成した詳細な実施形態を
図19に示す。なお、
図19ではヒント生成システムとしてディープラーニングを用いたAIシステムを例としている。
相談者が対峙する相談者端末150は、システムコンピュータ152とデータ通信可能に接続されている。相談者端末150はシステムコンピュータ152のモニタであってもよいし、システムコンピュータ152から独立したコンピュータであってもよい。
【0146】
また、相談者端末150又はシステムコンピュータ152には、相談者間接情報を収集するための各種機器が接続されている。間接情報を収集する機器とは、上述したように相談者の体の動きをデータとして取得するモーションキャプチャー128、相談者の顔認証や目の動き等をデータとして取得するフェイシャルキャプチャー130、相談者の音声をデータとして取得する音声キャプチャー132、相談者による入力受付部10(マウスやキーボード)の動作をデータとして取得するキーロガー134、相談者が所持する携帯電話のGPS等の位置情報154、デバイス情報155、センサー情報156、ネットワーク情報157等が想定される。
【0147】
システムコンピュータ152には、プログラム処理コンピュータ160がデータ通信可能に接続されている。
プログラム処理コンピュータ160は、第1実施形態における情報処理システムS1の機能をプログラムによって実行するコンピュータであり、最初に複数の第1質問事項を表示させ、表示された第1質問事項に基づいて聞き取り側が相談者に質問をし、少なくとも2個以上の第1質問事項に対してそれぞれの回答が得られた場合には、2個の第1質問事項に対応する第2質問事項を表示させ、全ての第1質問事項及び全ての第2質問項の回答が得られるまで未回答の各質問事項を表示させる動作を実行する。
【0148】
また、システムコンピュータ152とプログラム処理コンピュータ160には、相談者の回答データ等を記憶させておく整理用データベース164がデータ通信可能に接続されている。この整理用データベース164には、相談者ごとに、第1質問事項、第2質問事項、第1回答データ、第2回答データが記憶される(相談者第1直接情報)。
さらに整理用データベース164は、後述する数値化システム166と、AI教師用データ生成システム168にもデータ通信可能に接続されている。
【0149】
数値化システム166は、自然言語処理のために、整理用データベース164に記憶されている相談者第1直接情報、ヒント用データベース172に記憶されている相談者第2直接情報、相談者間接情報、ヒント生成コンピュータ170が生成したすべてのヒント、ヒントの素材用に外部ソース174から取り入れたデータ等を数値化する機能を有する。
ただし、数値化システム166は、システムコンピュータ152が数値化プログラムを実行して実現してもよいし、システムコンピュータ152とは別のコンピュータが数値化プログラムを実行して実現してもよい。
【0150】
AI教師データ生成システム168は、ヒント生成コンピュータ170においてAIの機械学習に用いる教師データを生成する機能を有する。
すなわち、AI教師用データ生成システム168は、整理用データベース164に記憶されているアノテーション(データの分類、パターン化)前の相談者第1直接情報、ヒント用データベース172に記憶されているアノテーション前の相談者第2直接情報、相談者間接情報、ヒント生成コンピュータ170が生成したすべてのヒント、外部ソース174からヒントの素材用に取り入れられて後述する処理済みデータベース172-1に記憶されている外部からのデータ、外部ソース174から直接取り入れたアノテーション前の外部からのデータ、に対して数値化、正規化、アノテーション等の処理を行って教師データを生成する。
【0151】
さらに、システムコンピュータ152には、ヒント生成コンピュータ170がデータ通信可能に接続されている。
ヒント生成コンピュータ170は、ディープラーニング処理を実行できるAIを搭載しており、AI教師用データ生成システム168に記憶されている教師データによりヒント生成のウェイトが最適化され、ヒント用データベース172に記憶されているヒント素材データに基づいてヒントを生成できる。
【0152】
ヒント用データベース172は、数値化システム166によって数値化されたヒント生成用の素材となるデータが記憶される処理済みデータベース172-1と、数値化前の生データである相談者第2直接情報、相談者間接情報、外部ソース174から取り入れた外部データが記憶される未処理データベース172-2と、過去に生成したヒントを記憶しておく保存用データベース172-3とを有している。
処理済みデータベース172-1は、ヒント生成コンピュータ170に対してヒントの素材を提供可能とする。
【0153】
外部ソース174は、本システムの外部のコンピュータ、データベース(コーパスを含む)又はAIが相当する。
AI教師用データ生成システム168は、外部ソース174からAIの機械学習の更新に用いられるデータを取り入れて教師データの生成を行う。
また、外部ソース174からヒント生成に有用とされるデータを外部データ数値化システム176が取り入れる。外部データ数値化システム176によって数値化された外部データは処理済みデータベース172-1に記憶される。
ただし、外部ソース174は、本実施形態の情報処理システムに接続しなくてもよい。
【0154】
図19に示したシステムにおける具体的なデータ処理を、以下に説明していく。
システムコンピュータ152から数値化システム166へ数値化の要求(ヒント生成の要求)が発信されると、数値化の要求を受信した数値化システム166は、整理用データベース164から、相談者が直近及び過去に入力した第1回答データ及び/又は第2回答データ、及び相談者属性情報である相談者第1直接情報D1を取り出して数値化する。
これら相談者第1直接情報D1はテキストデータであるとする。
なお、システムコンピュータ152から数値化システム166へ数値化の要求が発信されると、数値化システム166は、ヒント用データベース172の未処理データベース172-2から相談者第2直接情報D2を取り出して数値化する。相談者第2直接情報D2、ヒント用データベース172及び未処理データベース172-2に関しては後述する。
【0155】
数値化システム166は、テキストデータを自然言語処理する機能を有する。ここでは、自然言語処理の一環として、数値化システム166は単語の分散表現を実行する(単語をベクトルで表現する)。本実施形態では、単語をベクトルで表現することを数値化と称している。
【0156】
数値化システム166は、テキストデータの前処理、ボキャブラリーの構築、ベクトル化、の順番で数値化処理を実行する。
テキストデータの前処理とは、テキストデータを適切な形式に整える処理のことであって、テキストデータの句読点や特殊文字を削除するクリーニング、テキストデータの文を単語と句に分割するトークン化、語形が変化する単語の語幹でマッチングを行うステミング、単語を基本形に変換するレンマ化、等の処理が含まれる。
【0157】
ボキャブラリーの構築とは、テキストデータに現れる全ての単語を一意に特定し、単語の集合を構築することである。
ベクトル化とは、単語をベクトル化することであるが、単語や句をベクトル空間上に位置づけることであって、連続ベクトル空間へと数学的な埋め込みが行われる。なお、コーパスを利用しての分散表現でのベクトル化でもよい。
【0158】
数値化システム166が数値化した相談者第1直接情報QD1は、ヒント用データベース172の処理済みデータベース172-1に記憶される。
【0159】
また、ヒントに関する相談者の評価(テキストデータ又は数値データ)である相談者第2直接情報D2は、システムコンピュータ152からヒント用データベース172の未処理データベース172-2へ送信されて記憶される。上述したように未処理データベース172-2の相談者第2直接情報D2は数値化システム166に取り入れられて数値化され、数値化した相談者第2直接情報QD2はヒント用データベース172の処理済みデータベース172-1に記憶される。
数値化システム166では、ヒントに関する相談者の評価がテキストデータの場合、テキストデータに含まれる単語の分散表現を実行する(単語をベクトルで表現する)。
また、数値化システム166では、ヒントに関する相談者の評価が数値データの場合、ヒントそのものの単語の分散表現を実行し、これに対して数値データによる重み付けを実行する。
【0160】
また、外部データ数値化システム176には、外部ソース174から提供されたヒントの素材となる外部データD3の提供を受ける。上述したように、外部データ数値化システム176では外部データを数値化する。数値化済みの外部データQD3は、ヒント用データベース172の処理済みデータベース172-1に記憶される。
【0161】
各種機器128、130、132、134、154、155、156、157によって収集された相談者間接情報D4は、システムコンピュータ152からヒント用データベース172の未処理データベース172-2に送信され記憶される。また、相談者間接情報D4は未処理データベース172-2から数値化システム166に送信されて数値化処理される。数値化済みの相談者間接情報QD4は、ヒント用データベース172の処理済みデータベース172-1に記憶される。
【0162】
ヒント生成コンピュータ170は、数値化システム166で数値化された相談者第1直接情報QD1、相談者第2直接情報QD2、外部データQD3、相談者間接情報QD4を、処理済みデータベース172-1から読み出してヒントを生成するが、このヒント生成の際に、過去に生成して出力したヒントと重複しないように、保存用データベース172-3に記憶されている過去のヒントを読み出して照合する。
また、保存用データベース172-3に記憶されている過去のヒントは、数値化システム166によって数値化され、処理済みデータベース172-1に記憶しておき、相談者第1直接情報QD1、相談者第2直接情報QD2、外部データQD3、相談者間接情報QD4に基づいてデータを生成する際に、これらのデータと組み合わせてヒントを生成する場合にも利用される。さらに、保存用データベース172-3に記憶されている過去のヒントは、AI教師用データ生成システム168が教師用データを生成する際に、相談者第1直接情報D1、相談者第2直接情報D2、外部データD3、相談者間接情報D4等と組み合わせて、ウェイト最適化のための教師データ生成に利用される。
【0163】
相談者間接情報D4としては、モーションキャプチャーデータは、運動学的解析、姿勢推定、モデルベースのトラッキング等が実行されて数値化される。
フェイシャルキャプチャーデータは、表情認識、表情分析、エモーション分析等が実行されて数値化される。
行動履歴は、時間的パターン分析、シーケンス分析、統計的手法等が実行されて数値化される。
音声キャプチャーデータは、時間的パターン分析、シーケンス分析、統計的手法等が実行されて数値化される。
【0164】
位置情報は、ジオコーディング、空間クラスタリング、空間相関分析等が実行されて数値化される。
デバイス情報は、デバイスの状態や使用状況を記録し、統計的手法、機械学習アルゴリズム等が実行されて数値化される。
センサー情報は、時間的パターン分析、フーリエ変換、スペクトル解析等が実行されて数値化される。
ネットワーク情報は、トラフィック分析、フローアナリシス、パケット解析等が実行されて数値化される。
【0165】
続いてヒント生成をどの様に実行するか、その具体的説明を
図20~
図24に基づいて説明する。
図20では、数値化システム166における相談者第1直接情報の数値化と、他の相談者の相談者第1直接情報の数値化について説明している。
相談者第1直接情報D1として、相談者の属性情報D1-1が含まれており、相談者の属性情報D1-1には、相談者のパブリック情報D1-1-1として相談者の名前、業種等と、相談者のプライベート情報D1-1-2として相談者の趣味や好き嫌いの情報等が含まれる。
また、相談者第1直接情報D1として、相談者の思考情報D1-2として相談者への第1質問事項及び第2質問事項からなる質問情報D1-2-1と、相談者の第1回答データ及び第2回答データからなる回答情報D1-2-2が含まれる。
【0166】
数値化システム166において、相談者第1直接情報D1としての相談者の属性情報D1-1の相談者のパブリック情報D1-1-1のワードを、数値ベクトルQD1-1-1に処理する。同様にプライベート情報D1-1-2のワードを、数値ベクトルQD1-1-2として処理する。
【0167】
数値化システム166において、相談者第1直接情報D1としての相談者の思考情報D1-2のうち質問情報D1-2-1と、回答情報D1-2-2の全てのワードのベクトルをそれぞれ数値ベクトルQD1-2-1、QD1-2-2として処理する。
【0168】
さらに、当該相談者以外の他の相談者の相談者第1直接情報についても同様に数値ベクトル化する。
数値化システム166において、他の相談者の相談者第1直接情報D1´としての他の相談者の属性情報D1´-1の他の相談者のパブリック情報D1´-1-1のワードを、数値ベクトルQD1´-1-1として処理する。同様にプライベート情報D1´-1-2のワードを、数値ベクトルQD1´-1-2として処理する。
【0169】
数値化システム166において、他の相談者第1直接情報D1´としての他の相談者の思考情報D1´-2のうち質問情報D´1-2-1と、回答情報D´1-2-2の全てのワードのベクトルをそれぞれ数値ベクトルQD´1-2-1、QD´1-2-2として処理する。
【0170】
図20で示した数値化システム166によるテキストデータの数値ベクトル化については、テキストデータの前処理、テキストデータのトークン化、ベクトル化、ベクトルの正規化の順に処理を実行する。これらの処理は、数値化システム166におけるCPU又はGPU等の中央処理装置が自然言語処理ソフトウェアであるWord2Vec、GloVe、FastText等のソフトウェアを実行することで実現される。
【0171】
テキストデータの前処理として、数値化システム166は、テキストデータから特殊文字、不要な文字、記号、句読点を削除する処理、英文字の場合に大文字を小文字に統一する処理、数字の処理(数値は数値で取り扱うためにトークン化)、ストップワード(頻出語彙)の削除をする処理、語幹化(stemming)処理(単語をその語幹(基本形)に変換する処理)、見出し語化(lemmatization)処理(単語をその基本形に変換する処理)等を実行する。
【0172】
テキストデータのトークン化として、数値化システム166は、テキストを単語や句当等の単位に分割する処理を実行する。
ベクトル化として、数値化システム166は、トークン化したテキストをベクトルに変換する処理を実行する。
ベクトルの正規化として、数値化システム166は、ベクトルの大きさを正規化する処理を実行する。
【0173】
次の処理を
図21に基づいて説明する。
数値化システム166によってベクトル化された数値ベクトルは、ヒント生成コンピュータ170のAIによるディープラーニングの入力層へ入力される。入力層には複数のノードを用意しておき、このノードで各数値ベクトルを受け取る。
【0174】
ヒント生成コンピュータ170のAIによるディープラーニングの中間層では、入力層のノードで受け取った数値ベクトル化された相談者及び他人の質問情報QD1-2-1、QD´1-2-1と、数値ベクトル化された相談者及び他人の回答情報QD1-2-2、QD´1-2-2の各ワードの数値ベクトルに基づいて2種類(単欄ベクトルと文群ベクトル)のテキストベクトルを得る。
以下、相談者自身に関するベクトルデータをTUDとし、他の相談者に関するベクトルデータをOUDと称して説明していく。
【0175】
単欄ベクトルとは、各質問情報、各回答情報の各記入欄を単欄として、各単欄に書き込まれたテキストデータをベクトル化したものである。
文群ベクトルとは、各質問情報、各回答情報ごとのベクトル全体を1つの文のまとまりである文群とみなして算出された文のベクトルである。
【0176】
ヒント生成コンピュータ170のAIによるディープラーニングの中間層は、単欄ベクトル及び文群ベクトルの生成について、各単欄のワードを対象に平均化、加重平均化、LSTM(Long Short Term Memory)やtransformerの中間層の出力、センテンスエンコーダー、加法構成法、積算構成法、再起ニューラルネットワーク(RNN)、グラフニューラルネットワーク(GNN)等で処理することができる。
【0177】
ヒント生成コンピュータ170のAIによるディープラーニングの中間層は、TUD単欄ベクトル(質問文)、TUD単欄ベクトル(回答文)、TUD文群ベクトル(質問文)、TUD文群ベクトル(質問文)、OUD単欄ベクトル(質問文)、OUD単欄ベクトル(回答文)、OUD文群ベクトル(質問文)、OUD文群ベクトル(質問文)を生成する。
【0178】
次の処理であるヒントの生成の出力について
図22~
図27に基づいて説明する。
ヒント生成コンピュータ170では、どのような種類のヒントを生成するのか、相談者の希望により生成可能とする。上述したようにヒントの種類としては、定性的ヒント1~5と定量的ヒントがある。
まず、相談者は、システムコンピュータ152又は相談者端末150の操作によって、定性的ヒント1~5又は定量的ヒントのいずれかのヒントを要求し、表示されるヒント数を指定する。ヒント生成コンピュータ170では、システムコンピュータ152又は相談者端末150から入力された相談者からの指示に従ってヒントを生成し、相談者端末150に表示させるように動作する。
【0179】
図22では、ヒント生成コンピュータ170のAIが、そのまま回答に用いることができるヒントである定性的ヒント1について、TUDのベクトルと関連性が高いOUDのベクトル中のワードであるヒントDCAと、TUDのベクトルと関連性が低いOUDのベクトル中のヒントDCBの2種類を生成している。
DCAは、TUDのベクトルと関連性が高いOUD中のワードであり、以下の4つのパターンが考えられる。なお、以下の単欄ベクトル、文群ベクトルについては質問、回答又はその両方のいずれかであるとする。
関連性の高さは、コサイン類似度、ユークリッド距離、ピアソン相関係数、クラスタリング等によって算出される。
【0180】
(1)DCA(単α):TUD単欄ベクトルと関連性の高いOUD単欄ベクトルに使用されるワード。
(2)DCA(単β):TUD単欄ベクトルと関連性の高いOUD文群ベクトルの構成部分である単欄ベクトルに使用されるワード。
(3)DCA(群α):TUD文群ベクトルと関連性の高いOUD単欄ベクトルに使用されるワード。
(4)DCA(群β):TUD文群ベクトルと関連性の高いOUD文群ベクトルの構成部分である単欄ベクトルに使用されるワード。
【0181】
DCBは、TUDのベクトルと関連性が低いOUD中のワードであり、以下の4つのパターンが考えられる。なお、以下の単欄ベクトル、文群ベクトルについては質問、回答又はその両方のいずれかであるとする。
【0182】
(1)DCB(単α):TUD単欄ベクトルと関連性の低いOUD単欄ベクトルに使用されるワード。
(2)DCB(単β):TUD単欄ベクトルと関連性の低いOUD文群ベクトルの構成部分である単欄ベクトルに使用されるワード。
(3)DCB(群α):TUD文群ベクトルと関連性の低いOUD単欄ベクトルに使用されるワード。
(4)DCB(群β):TUD文群ベクトルと関連性の低いOUD文群ベクトルの構成部分である単欄ベクトルに使用されるワード。
【0183】
次に
図23では、ヒント生成コンピュータ170のAIが、非凡性の創造のために刺激となるヒントである定性的ヒント2について、TUDのベクトルと関連性が高いと算出したベクトルのワードをコーパスから引用したヒントUCAと、TUDのベクトルと関連性が低いと算出したベクトルのワードをコーパスから引用したヒントUCBの2種類を生成している。
関連性の高さは、コサイン類似度、ユークリッド距離、ピアソン相関係数、クラスタリング等によって算出される。
【0184】
UCAは以下の2つのパターンが考えられる。
(1)UCA(単):TUD単欄ベクトルと関連性の高いベクトルのワードをコーパスから引用した後のOUDのワード一覧と照合して不使用で非類似のワード。
(2)UCA(群):TUD文群ベクトルと関連性の高いベクトルのワードをコーパスから引用した後のOUDのワード一覧と照合して不使用で非類似のワード。
【0185】
UCBは以下の2つのパターンが考えられる。
(1)UCB(単):TUD単欄ベクトルと関連性の低いベクトルのワードをコーパスから引用した後のOUDのワード一覧と照合して不使用で非類似のワード。
(2)UCB(群):TUD文群ベクトルと関連性の低いベクトルのワードをコーパスから引用した後のOUDのワード一覧と照合して不使用で非類似のワード。
【0186】
このようなUCA、UCBは、他の相談者が使用しておらず、且つ独自性の高い思考とするために直接又は間接的に使用できるワードをヒントとして提供できる。
【0187】
次に、
図24では、ヒント生成コンピュータ170のAIが、非凡性を言葉ではなく数値で表示する定量的ヒントについて、単欄ごとのヒントであるUSU、文群のヒントであるUSHの2種類を生成している。
【0188】
USUの算出は、以下の計算によって実行する。
まず、全相談者の単欄ベクトルの平均値(aveUV)を算出する。
そして、各相談者の単欄ベクトルと、全相談者の単欄ベクトルの平均値(aveUV)との間のノルム(距離:以下省略)を算出する。このとき、TUDの単欄ベクトルと全相談者の単欄ベクトルの平均値との間のノルム(UNV-TUD)、及びOUDの単欄ベクトルと全相談者の単欄ベクトルの平均値との間のノルム(UNV-OUD)を算出している。
次に、全相談者の単欄ベクトルと単欄ベクトルの平均値のノルムの平均値(aveUN)を算出する。
最後に、ワードベクトルが-1~1に正規化されて各単欄ベクトルが-1~1の範囲で収まる場合に、0~1000点の間で表示されるUSUスコアは以下の式で算出する。
USUスコア=|(UNV-TUD)-aveUN|/4σ×1000(σ:標準偏差)
【0189】
上述した算出方法に基づき、ヒントとして利用できる数値としてのUSUは以下の3パターンが考えられる。
USU数値(1):(UNV-TUD)
相談者の単欄ベクトルがどのくらい平均から離れているかが分かり、そのノルムが大きいほど独創性が高いと判断できる。
USU数値(2):(aveUN)
他の相談者の単欄ベクトルがどのくらい平均から離れているかが分かり、USU数値(1):(UNV-TUD)の値の妥当性を判断できる。
USU数値(3):USUスコア
相談者の単欄ベクトルがどのくらい独自性を帯びているか(独創性が高いか)を0~100点で表示する。スコアの数字が大きいほど独自性が高いことを示す。
【0190】
USHの算出は、以下の計算によって実行する。
まず、全相談者の文群ベクトルの平均値(aveHV)を算出する。
そして、各相談者の文群ベクトルと、全相談者の文群ベクトルの平均値(aveHV)との間のノルムを算出する。このとき、TUDの文群ベクトルと全相談者の文群ベクトルの平均値との間のノルム(HNV-TUD)、及びOUDの文群ベクトルと全相談者の文群ベクトルの平均値との間のノルム(HNV-OUD)を算出している。
次に、全相談者の文群ベクトルと文群ベクトルの平均値のノルムの平均値(aveHN)を算出する。
最後に、ワードベクトルが-1~1に正規化されて各文群ベクトルが-1~1の範囲で収まる場合に、0~1000点の間で表示されるUSHスコアは以下の式で算出する。
USHスコア=|(HNV-TUD)-aveHN|/4σ×1000(σ:標準偏差)
【0191】
上述した算出方法に基づき、ヒントとして利用できる数値としてのUSHは以下の3パターンが考えられる。
USH数値(1):(HNV-TUD)
相談者の文群ベクトルがどのくらい平均から離れているかが分かり、そのノルムが大きいほど独創性が高いと判断できる。
USH数値(2):(aveHN)
他の相談者の文群ベクトルがどのくらい平均から離れているかが分かり、USH数値(1):(HNV-TUD)の値の妥当性を判断できる。
USU数値(3):USHスコア
相談者の文群ベクトルがどのくらい独自性を帯びているか(独創性が高いか)を0~100点で表示する。スコアの数字が大きいほど独自性が高いことを示す。
【0192】
次に、
図25では、ヒント生成コンピュータ170のAIが、矛盾防止機能によるヒントである定性的ヒント3を生成している。
ヒント生成コンピュータ170のAIは、矛盾の可能性を検出した場合には、相談者端末150が該当箇所をポップアップするか又はハイライトを付けて表示するように、システムコンピュータ152に対して制御する。
【0193】
ヒント生成コンピュータ170による定性的ヒント3の生成は、TUD内のデータに矛盾の可能性が無いかどうかを、編集済みの外部データ(ベクトル化されたコーパス等)と照合して検出する。ベクトルの向きが正反対である場合には矛盾の可能性が高いと判断できる。
検出のパターンとしては、ヒント生成コンピュータ170のAIは、TUDの単欄ベクトル内部に矛盾するワードベクトルが無いかどうか、TUDの単欄ベクトルと他の単欄ベクトルとの間で矛盾するワードベクトルが無いかどうか、TUDの単欄ベクトルとTUDの文群ベクトルとの間で矛盾するワードベクトルが無いかどうか、を判断する。
【0194】
矛盾するかどうかの判断は、ワードベクトルの内積が負になる場合にはベクトル同士が反対方向を向いており矛盾の可能性があると判断できる。また、ワードベクトルの内積が0に近くなる場合にはベクトル同士が直交しているため矛盾の可能性があると判断できる。
【0195】
なお、ヒント生成コンピュータ170のAIが、矛盾防止機能によるヒントである定性的ヒント3を生成する上記のパターン以外の方法として、以下のような方法がある。
機械翻訳における注意機構(Attention mechanism)によってTUDの単欄ベクトル内のワードのうち高頻度で利用されているワード又はこれに類似するワードのワードベクトルを合成し、これによって作成されたベクトルを重要語抽出テキストベクトルとし、TUDの単欄ベクトル内又はTUDの文群ベクトル内で矛盾する重要語抽出テキストベクトルがあるかどうか判断する。
【0196】
なお、矛盾の有無の抽出をワード(単語)にせず、複数の単語や節を矛盾の有無の判断対象として検出を行ってもよい。
【0197】
次に、
図26では、ヒント生成コンピュータ170のAIが、脱漏防止機能によるヒントである定性的ヒント4を生成している。
ヒント生成コンピュータ170のAIは、脱漏の可能性を検出した場合には、相談者端末150が該当箇所をポップアップするか又はハイライトを付けて表示するように、システムコンピュータ152に対して制御する。
【0198】
ヒント生成コンピュータ170による定性的ヒント4の生成は、以下の2つのパターンが考えられる。
1つ目は、OUDの単欄ベクトルに含まれる高頻度で利用されているワード又はこれに類似するワードを抽出する。抽出したワードがTUD内で利用されていない場合、利用されていない旨を表示させる。
2つ目は、共通又は関連性の高い単欄ベクトルを持つ外部データの単欄ベクトルに含まれる高頻度で利用されているワード又はこれに類似するワードを抽出する。抽出したワードがTUD内で利用されていない場合、利用されていない旨を表示させる。
【0199】
このように抽出されたワードは、他の相談者や外部データでは利用頻度が高いワードであるため、相談者がこのワードを利用しても独自性を失うことは無い。また相談者があえてこのワードを利用しないのであれば独自性が上がる。
【0200】
なお、脱漏対象をワード(単語)にせず、複数の単語や節を脱漏の対象として検出を行ってもよい。
【0201】
なお、ヒント生成コンピュータ170のAIが、脱漏防止機能によるヒントである定性的ヒント4を生成する上記の2つのパターン以外の方法として、以下のような方法がある。
機械翻訳における注意機構(Attention mechanism)によってOUDの単欄ベクトル又は共通若しくは関連性の高い単欄ベクトルを持つ外部データの単欄ベクトル内のワードのうち高頻度で利用されているワード又はこれに類似するワードのワードベクトルを合成し、これによって作成されたベクトルを重要語抽出テキストベクトルとし、TUDの単欄ベクトル内でこの重要語抽出テキストベクトルが利用されていない場合、利用されていない旨を表示させる。
【0202】
次に、
図27では、ヒント生成コンピュータ170のAIが、重複防止機能によるヒントである定性的ヒント5を生成している。
ヒント生成コンピュータ170のAIは、重複の可能性を検出した場合には、相談者端末150が該当箇所をポップアップするか又はハイライトを付けて表示するように、システムコンピュータ152に対して制御する。
【0203】
ヒント生成コンピュータ170による定性的ヒント5の生成は、TUD内の全ての単欄ベクトル内部を比較して共通性が高いワードベクトルを内容が重複している可能性として示す。
検出の対象パターンとしては、同じ文字で構成されたワードに着目する1つ目のパターンと、同じ文字で構成されていないが同じような意味(すなわち近い位置に存在するベクトル)のワードに着目する2つ目のパターンがある。
【0204】
1つ目のパターンとしては、単欄ベクトル内に存在する全てのワードを他の単欄と比較し、共通のワードベクトルの数やテキストに示す割合が一定の値を超えた場合に重複の可能性を示唆するパターンと、機械翻訳における注意機構(Attention mechanism)によって単欄ベクトル内のワードのうち重要度の高いと判定されたワードを比較し、共通のワードベクトルの数やテキストに示す割合が一定の値を超えた場合に重複の可能性を示唆するパターンと、節や複数のワードのまとまり毎にベクトルのまとまりを捉えてそれを合成し、このベクトルと共通のものがあれば重複の可能性を示唆するパターンと、を含む。
【0205】
2つ目のパターンとしては、単欄ベクトル内に存在する全てのワードを他の単欄と比較し、ベクトルの数値が酷似するワードベクトルの数や割合が一定の値を超えた場合に重複の可能性を示唆するパターンと、機械翻訳における注意機構(Attention mechanism)によって単欄ベクトル内のワードのうち重要度の高いと判定されたワードを比較し、類似度の高さから共通と判断できるワードベクトルの数やテキストに示す割合が一定の値を超えた場合に重複の可能性を示唆するパターンと、節や複数のワードのまとまり毎にベクトルのまとまりを捉えてそれを合成し、このベクトルと類似のものがあれば重複の可能性を示唆するパターンと、を含む。
【0206】
なお、ヒント生成コンピュータ170のAIが、重複防止機能によるヒントである定性的ヒント5を生成する上記の2つのパターン以外の方法として、以下のような方法がある。
機械翻訳における注意機構(Attention mechanism)によって単欄ベクトル内のワードのうち重要度の高いと判定されたワードベクトルを合成し、これによって作成されたベクトルを重要語抽出テキストベクトルとし、他の単欄ベクトルにおける重要語抽出テキストベクトルと比較して類似性が高い場合に重複の可能性を示唆することができる。
【0207】
第7実施形態ではAIのディープラーニングによりヒントを生成する機能を構成する実施例を説明したが、ルールベースAIやプログラムによってヒントを生成する機能を構成するものであってもよい。
【0208】
以上、本発明にかかる複数の実施形態を説明してきたが、本発明は、商工会議所における経営相談、補助金申請用の事業計画書の作成に限定されず、医療機関における問診、金融機関における融資相談、教育機関における進路相談など様々な相談に対して実施でき、本発明を逸脱しない範囲において変更可能である。
【符号の説明】
【0209】
10 入力受付部
15 入力欄
16 入力欄
17 入力欄
19 優先順位入力欄
20 表示部
22 入力欄
30 制御部
40 記憶部
42 プリンタ
45 結果データ
48 結果データ
50 制御装置
52 添付データ
80 通信回線
90 管理サーバ
92 制御部
94 記憶部
95 表示部
96 入力受付部
97 通信部
100~103 商工会議所
110~113 商工会議所
120 情報処理システム
122 制御部
124 記憶部
126 ヒント生成機能
127 ヒント生成システム
128 モーションキャプチャー
130 フェイシャルキャプチャー
132 音声キャプチャー
134 キーロガー
150 相談者端末
152 システムコンピュータ
154 位置情報
155 デバイス情報
156 センサー情報
157 ネットワーク情報
160 プログラム処理コンピュータ
164 整理用データベース
166 数値化システム
168 AI教師用データ生成システム
170 ヒント生成コンピュータ
172 ヒント用データベース
172-1 処理済みデータベース
172-2 未処理データベース
174 外部ソース
176 外部データ数値化システム
PGM1 情報処理プログラム
PGM2 動作プログラム
S1 情報処理システム
S2 情報処理システム
S3 情報処理システム