(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097749
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】緑茶ペプチド組成物を含む筋損失の予防、改善または治療用の組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 33/18 20160101AFI20240711BHJP
A23F 3/16 20060101ALI20240711BHJP
A61K 36/82 20060101ALI20240711BHJP
A61K 38/08 20190101ALI20240711BHJP
A61K 38/16 20060101ALI20240711BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20240711BHJP
A23L 5/00 20160101ALN20240711BHJP
C07K 14/415 20060101ALN20240711BHJP
C07K 7/06 20060101ALN20240711BHJP
C07K 7/08 20060101ALN20240711BHJP
C12P 21/06 20060101ALN20240711BHJP
C12N 1/20 20060101ALN20240711BHJP
【FI】
A23L33/18 ZNA
A23F3/16
A61K36/82
A61K38/08
A61K38/16
A61P21/00
A23L5/00 J
C07K14/415
C07K7/06
C07K7/08
C12P21/06
C12N1/20 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023198078
(22)【出願日】2023-11-22
(31)【優先権主張番号】10-2023-0002399
(32)【優先日】2023-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Witepsol
2.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】506213681
【氏名又は名称】アモーレパシフィック コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
【住所又は居所原語表記】100, Hangang-daero, Yongsan-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン, ヒョン ウ
(72)【発明者】
【氏名】チョン, ジノ
(72)【発明者】
【氏名】キム, ワンギ
(72)【発明者】
【氏名】ノ, チョン ファ
【テーマコード(参考)】
4B018
4B027
4B035
4B064
4B065
4C084
4C088
4H045
【Fターム(参考)】
4B018MD20
4B018MD59
4B018MD86
4B018ME14
4B018MF01
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4C088MA52
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4H045AA10
4H045AA30
4H045BA15
4H045BA16
4H045BA17
4H045BA18
4H045CA30
4H045EA01
4H045EA20
4H045FA73
4H045GA01
4H045GA15
(57)【要約】
【課題】本開示は、緑茶ペプチド組成物を含む筋損失の予防、改善または治療用の組成物に関する。
【解決手段】本開示に係る緑茶ペプチド組成物は、優れた筋細胞におけるタンパク質合成の増加、筋細胞におけるタンパク質の分解抑制の効果により、筋損失の予防、改善または治療の効力を示し、様々な保健機能食品組成物、薬学組成物に適用することができる。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
緑茶ペプチド組成物を有効成分として含む、筋損失の予防、改善または治療用の組成物。
【請求項2】
前記緑茶ペプチド組成物が、配列番号1~7からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1種の緑茶ペプチドを含む、請求項1に記載の筋損失の予防、改善または治療用の組成物。
【請求項3】
前記緑茶ペプチド組成物が、緑茶タンパク質を植物性乳酸菌で発酵させて得られることを特徴とする、請求項1に記載の筋損失の予防、改善または治療用の組成物。
【請求項4】
前記植物性乳酸菌が、ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplanti bacillus plantarum)であることを特徴とする、請求項3に記載の筋損失の予防、改善または治療用の組成物。
【請求項5】
前記緑茶タンパク質が、緑茶を無水または含水C1~C6の低級アルコールで抽出された1次エキスの残渣から得られることを特徴とする、請求項3に記載の筋損失の予防、改善または治療用の組成物。
【請求項6】
前記含水C1~C6の低級アルコール中のアルコールの濃度が、20~80%(v/v)であることを特徴とする、請求項5に記載の筋損失の予防、改善または治療用の組成物。
【請求項7】
前記含水C1~C6の低級アルコールが、20~80%(v/v)エタノール水溶液であることを特徴とする、請求項6に記載の筋損失の予防、改善または治療用の組成物。
【請求項8】
前記緑茶タンパク質が、前記1次エキスの残渣を熱水で抽出した2次エキスの残渣から得られることを特徴とする、請求項5に記載の筋損失の予防、改善または治療用の組成物。
【請求項9】
前記緑茶ペプチド組成物が、筋損失誘導因子の発現を抑えることを特徴とする、請求項1に記載の筋損失の予防、改善または治療用の組成物。
【請求項10】
前記筋損失誘導因子が、atrogin1、MuRF-1及びFoXO3の中から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項9に記載の筋損失の予防、改善または治療用の組成物。
【請求項11】
前記緑茶ペプチド組成物が、筋細胞におけるタンパク質の含有量を増加させることを特徴とする、請求項1に記載の筋損失の予防、改善または治療用の組成物。
【請求項12】
前記緑茶ペプチド組成物が、組成物の総重量に対して、1~50重量%含まれることを特徴とする、請求項1に記載の筋損失の予防、改善または治療用の組成物。
【請求項13】
前記緑茶ペプチド組成物が、1~400mg/kg/日の量で投与されることを特徴とする、請求項1に記載の筋損失の予防、改善または治療用の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、保健機能食品組成物であることを特徴とする、請求項1に記載の筋損失の予防、改善または治療用の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、筋損失関連疾患の予防または治療用の薬学組成物であることを特徴とする、請求項1に記載の筋損失の予防、改善または治療用の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、緑茶ペプチド組成物を含む筋損失の予防、改善または治療用の組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
茶木は、カメリア(Camellia)属に分類される82種のうちの1つで、現在アジアを中心にアフリカ、南アメリカ、オセアニアなどの約50カ国で栽培されている。茶の種類は、茶葉の加工方法により大きく不発酵茶、半発酵茶、発酵茶、後発酵茶に区分され、その中で不発酵茶は、茶木に含まれるポリフェノールオキシダーゼを熱処理により失活させたもので、他の茶に比べてフラボノール(flavonol)、フラバノン(flavanone)、フラボノイド(flavonoid)などのポリフェノール(Polyphenol)類が多く含まれており、強い抗酸化力を示し、それらの物質は、茶の乾燥重量の約30%を占める。
【0003】
緑茶に含まれる様々な成分の薬理的なメカニズムが徐々に解明されるにつれて、一般人にもその価値が認識されつつあるが、特に、緑茶の主成分であるポリフェノールによる抗酸化作用、抗癌作用、血中コレステロール低下作用、抗老化作用、重金属解毒作用、虫歯予防及び口臭除去作用などの効果が実証されたことから、大きな注目を集めている。
【0004】
ペプチドは、植物に含まれる物質の中でも酸化に対して安定であり、構造が単純であるので高い皮膚効果が期待される物質である。植物におけるペプチドは、シグナル伝達物質として作用し、特に植物の成長と分化、外部の刺激による反応に関与することが知られている。
【0005】
一方、運動遂行能力とは、日常生活やスポーツにおいて行われる身体の動作を早く、強く、長く、そして上手に行える能力のことをいう。このような運動遂行能力は、大きく、筋疲労の回復、持久力などに分けられる。筋疲労とは、強度の強い運動後に、または長期間にわたる運動によって身体活動の遂行能力が一時的に低下した状態のことをいい、筋収縮力の低下などが伴われる。持久力は、疲労に対する抵抗力と定義され、最大限で続く運動または激しい運動中に生じる疲労に対する抵抗を意味する。持久力の運動をする間に疲労を引き起こす要因は、筋肉にエネルギーを供給するための基質が枯渇することであり、疲労は、筋肉と肝臓に貯蔵されたグリコーゲンの枯渇と同時に起こる。高強度の運動時、酸素の供給量が筋肉の酸素の消耗量に満たない場合、筋肉組織の乳酸の濃度が増加してしまい、そのときに生成された乳酸は、血液に行き渡る。運動によって乳酸が過剰に蓄積されれば、体内の酸性化が招かれて、結果的に無酸素の状態で運動エネルギーの供給源となる糖新生合成が阻害される。
【0006】
筋肉(muscle)は、人間の運動能力器官としての役割のみならず、骨と血管、神経、肝臓、心臓、膵臓など身体の全般にわたって影響を及ぼす。骨は、筋肉により引っ張られたり押されたりしながらその力により密度を保持するため、筋肉が力を失うと、骨も弱くなって骨多孔症が生じ易い。また、筋肉が減ると、筋肉において作られる色々な物質の影響により新たな血管と神経が生じることを妨げ、最終的には、認知機能の低下を引き起こす虞がある。
【0007】
筋損失または筋減少は、概ね30歳に始まって生涯を通じて進む過程であり、その過程において筋肉組織量、筋繊維の数及び大きさが漸進的に減少する。筋損失の結果は、筋肉量と筋力の漸進的な消失である。軽症の筋力の損失は、膝などの一部の関節へのストレスを増加させ、関節炎または転倒・転落に脆弱になる虞がある。なお、収縮の早い筋繊維の方が、収縮の遅い筋繊維よりも、老化の影響を多く受ける。よって、加齢が進むにつれて、急激な筋肉の収縮が困難になり、それにより、生活の不便さが招かれてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1747200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示は、緑茶タンパク質と特定の植物性乳酸菌との培養により分離精製された新規なアミノ酸配列を有する緑茶ペプチドを有効成分として含むことから、優れた筋損失の予防、改善または治療の効果を示す組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明の一実施例は、緑茶ペプチド組成物を有効成分として含む、筋損失の予防、改善または治療用の組成物を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本開示による緑茶ペプチド組成物は、優れた筋細胞におけるタンパク質合成の増加、筋細胞におけるタンパク質の分解抑制の効果により、筋損失の予防、改善または治療の効力を示して様々な保健機能食品組成物、薬学組成物に適用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施例に係る緑茶ペプチドの調製工程を示す概略図である。
【
図2A】実験例1による緑茶ペプチド組成物(GTP)の濃度ごとの筋損失誘導マーカーの発現の抑制効果を確認した結果図である(***P<0.001 vs. DEX、**P<0.01 vs. DEX、*P<0.05 vs. DEX)。
【
図2B】実験例1による緑茶ペプチド組成物(GTP)の濃度ごとの筋損失誘導マーカーの発現の抑制効果を確認した結果図である(***P<0.001 vs. DEX、**P<0.01 vs. DEX、*P<0.05 vs. DEX)。
【
図2C】実験例1による緑茶ペプチド組成物(GTP)の濃度ごとの筋損失誘導マーカーの発現の抑制効果を確認した結果図である(***P<0.001 vs. DEX、**P<0.01 vs. DEX、*P<0.05 vs. DEX)。
【
図3A】実験例2による緑茶ペプチド組成物(GTP)の濃度ごとの筋細胞におけるタンパク質合成の促進効果を確認した結果図である(***P<0.001 vs. DEX、**P<0.01 vs. DEX、*P<0.05 vs. DEX)。
【
図3B】実験例2による緑茶ペプチド組成物(GTP)の濃度ごとの筋細胞におけるタンパク質合成の促進効果を確認した結果図である(***P<0.001 vs. DEX、**P<0.01 vs. DEX、*P<0.05 vs. DEX)。
【
図3C】実験例2による緑茶ペプチド組成物(GTP)の濃度ごとの筋細胞におけるタンパク質合成の促進効果を確認した結果図である(***P<0.001 vs. DEX、**P<0.01 vs. DEX、*P<0.05 vs. DEX)。
【
図4A】実験例3による加工方法に応じた緑茶ペプチドの筋損失誘導マーカーの発現の抑制効果を比較した結果図である(***P<0.001 vs. DEX、**P<0.01 vs. DEX、*P<0.05 vs. DEX)。
【
図4B】実験例3による加工方法に応じた緑茶ペプチドの筋損失誘導マーカーの発現の抑制効果を比較した結果図である(***P<0.001 vs. DEX、**P<0.01 vs. DEX、*P<0.05 vs. DEX)。
【
図4C】実験例3による加工方法に応じた緑茶ペプチドの筋損失誘導マーカーの発現の抑制効果を比較した結果図である(***P<0.001 vs. DEX、**P<0.01 vs. DEX、*P<0.05 vs. DEX)。
【
図5】ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticasei bacillus paracasei)とラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplanti bacillus plantarum)との類似性を比較した結果図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】
本明細書において、「緑茶(茶;カメリアシネンシス;Camellia Sinensis)」は、チャノキ科に属する常緑広葉低木であり、その葉を乾燥した茶は、多方面で活用されている。特に、抗酸化作用、抗癌作用、心血管系において血中脂質減少作用、血液循環促進作用を示すことが知られている。前記緑茶は、茶葉、花、茎、果実、根、及び根の芯からなる群から選択される少なくとも1つを含み、好ましくは葉であってもよい。
【0015】
本明細書において、「有効成分」とは、単独で所望の活性を示すか、あるいはそれ自体は活性のない担体と共に活性を示すことができる成分を意味する。
【0016】
本発明は、一態様において、緑茶ペプチド組成物を有効成分として含む、筋損失の予防、改善または治療用の組成物に関する。
【0017】
本発明は、別の態様において、緑茶ペプチド組成物の有効量を、それを必要とする対象体に投与することを含む、筋損失の予防、改善、または治療方法に関する。
【0018】
本発明は、別の態様において、筋損失の予防、改善または治療用の組成物を調製するための緑茶ペプチド組成物の用途に関する。
【0019】
一実施例において、前記緑茶ペプチド組成物は、配列番号1~7からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1種の緑茶ペプチドを含んでもよい。具体的に、前記緑茶ペプチドは、AYKRRKGKFA(配列番号1)、FFFFFFFFFFFFFFFFYL(配列番号2)、ISKIWNSEVPETEVKNEAESP(配列番号3)、PFFCEKMMETN(配列番号4)、RFLHERMAYYH(配列番号5)、RNLNRLQRLLSMKQEYSPRNHLGSRWREY(配列番号6)及びTTSSRKKEKPRRFWNNHEEVFLITTK(配列番号7)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0020】
一実施例において、前記緑茶ペプチド組成物の60%(w/w)以上、65%(w/w)以上、70%(w/w)以上、75%(w/w)以上、80%(w/w)以上、85%(w/w)以上、90%(w/w)以上、または95%(w/w)以上が前記1種以上の緑茶ペプチドからなってもよい。
【0021】
一実施例において、前記緑茶ペプチド組成物が、緑茶タンパク質を植物性乳酸菌で発酵させて得られてもよい。
【0022】
一実施例において、前記発酵は、pH5~8の条件で行われてもよい。具体的には、前記発酵は、pH5以上、pH5.2以上、pH5.4以上、pH5.6以上、pH5.8以上、pH6以上、pH6.2以上、pH6.4以上、pH6.6以上、pH6.8以上、pH7以上、pH7.2以上、pH7.4以上、pH7.6以上またはpH7.8以上で行われてもよく、また、前記発酵は、pH8以下、pH7.8以下、pH7.6以下、pH7.4以下、pH7.2以下、pH7以下、pH6.8以下、pH6.6以下、pH6.4以下、pH6.2以下、pH6以下、pH5.8以下、pH5.6以下、pH5.4以下またはpH5.2以下で行われてもよい。好ましくは、前記発酵は、pH6.8で行われてもよい。
【0023】
一実施例において、前記発酵は、24~72時間にかけて行われてもよい。具体的には、前記発酵は、25℃以上、27℃以上、29℃以上、31℃以上、33℃以上、35℃以上、37℃以上、39℃以上、41℃以上または43℃以上で行われてもよく、また、前記発酵は、45℃以下、43℃以下、41℃以下、39℃以下、37℃以下、35℃以下、33℃以下、31℃以下、29℃以下、または27℃以下で行われてもよい。好ましくは、前記発酵は、37℃で行われてもよい。
【0024】
一実施例において、前記発酵は、24~72時間にかけて行われてもよい。具体的には、前記発酵は、24時間以上、26時間以上、28時間以上、30時間以上、32時間以上、34時間以上、36時間以上、38時間以上、40時間以上、42時間以上、44時間以上、46時間以上、48時間以上、50時間以上、52時間以上、54時間以上、56時間以上、58時間以上、60時間以上、62時間以上、64時間以上、66時間以上、68時間以上、または70時間以上にかけて行われてもよく、また、前記発酵は、72時間以下、70時間以下、68時間以下、66時間以下、64時間以下、62時間以下、60時間以下、58時間以下、56時間以下、54時間以下、52時間以下、50時間以下、48時間以下、46時間以下、44時間以下、42時間以下、40時間以下、38時間以下、36時間以下、34時間以下、32時間以下、30時間以下、28時間以下または26時間以下にかけて行われてもよい。好ましくは、前記発酵は、48時間にかけて行われてもよい。
【0025】
一実施例において、前記植物性乳酸菌は、ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)であってもよい。より具体的には、前記植物性乳酸菌は、ラクチプランチバチルス・プランタルム APsulloc 331261(Lactiplantibacillus plantarum APsulloc 331261)(韓国微生物保存センター(Korean Culture Center of Microorganisms)受託番号KCCM11179P、受託日2011年3月28日)である。
【0026】
一実施例において、前記緑茶タンパク質は、緑茶を無水または含水C1~C6の低級アルコールで抽出された1次エキス(抽出物)の残渣から得られてもよい。
【0027】
一実施例において、前記含水C1~C6の低級アルコール中のアルコールの濃度は、20~80%(v/v)であってもよい。具体的には、前記含水C1~C6の低級アルコール中のアルコール濃度は、20%(v/v)以上、22%(v/v)以上、24%(v/v)以上、26%(v/v)以上、28%(v/v)以上、30%(v/v)以上、32%(v/v)以上、34%(v/v)以上、36%(v/v)以上、38%(v/v)以上/v)以上、40%(v/v)以上、42%(v/v)以上、44%(v/v)以上、46%(v/v)以上、48%(v/v)以上、50%(v/v)以上、52%(v/v)以上、54%(v/v)以上、56%(v/v)以上、58%(v/v)以上、60%(v/v)以上 v)以上、62%(v/v)以上、64%(v/v)以上、66%(v/v)以上、68%(v/v)以上、70%(v/v)以上、72 %(v/v)以上、74%(v/v)以上、76%(v/v)以上または78%(v/v)以上であってもよく、また、80%(v/v)以下、78%(v/v)以下、76%(v/v)以下、74%(v/v)以下、72%(v/v)以下、70%(v/v)以下、68%(v/v)以下、66%(v/v)以下、64%(v/v)以下、62%(v/v)以下、60%(v/v)以下、58%(v/v)以下、56%(v/v)以下、54%(v/v)以下、52%(v/v)以下、50%(v/v)以下、48%(v/v)以下、46%(v/v)以下、44%(v/v)以下、42%(v/v)以下、40%(v/v)以下、38%(v/v)以下、36%(v/v)以下、34%(v)/v)以下、32%(v/v)以下、30%(v/v)以下、28%(v/v)以下、26%(v/v)以下、24%(v/v)以下または22%(v/v)以下であってもよい。
【0028】
一実施例において、前記含水C1~C6の低級アルコールは、20~80%(v/v)エタノール水溶液であってもよい。具体的には、前記含水C1~C6の低級アルコールは、20%(v/v)エタノール水溶液、25%(v/v)エタノール水溶液、30%(v/v)エタノール水溶液、35%(v/v)エタノール水溶液、40%(v/v)エタノール水溶液、41%(v/v)エタノール水溶液、42%(v/v)エタノール水溶液、43%(v/v)エタノール水溶液、44%(v/v)エタノール水溶液、45%(v/v)エタノール水溶液、46%(v/v)エタノール水溶液、47%(v/v)エタノール水溶液、48%(v/v)エタノール水溶液、49%(v/v)エタノール水溶液、50%(v/v)エタノール水溶液、51%(v/v)エタノール水溶液、52%(v/v)エタノール水溶液、53%(v/v)エタノール水溶液、54%(v/v)エタノール水溶液、55%(v/v)エタノール水溶液、56%(v/v)エタノール水溶液、57%(v/v)エタノール水溶液、58%(v/v)エタノール水溶液、59%(v/v)エタノール水溶液、60%(v/v)エタノール水溶液、65%(v/v)エタノール水溶液、70%(v/v)エタノール水溶液、75%(v/v)エタノール水溶液または80%(v/v)エタノール水溶液であってもよい。
【0029】
一実施例において、前記緑茶タンパク質は、前記1次エキスの残渣を熱水で抽出した2次エキスの残渣から得られてもよい。
【0030】
一実施例において、緑茶タンパク質は、2次エキスの残渣からアルカリ抽出、ろ過及び酸沈殿の過程を経て得られてもよい。
【0031】
図1に示されるように、本発明の一実施例に係る緑茶ペプチド組成物は、緑茶を酒精で1次抽出し、その後、残った残渣を熱水で2次抽出し、2次抽出後に残った残渣をアルカリで抽出、ろ過及び酸沈殿を経て得られた緑茶タンパク質を乳酸菌培養することで得られてもよい。
【0032】
一実施例において、前記緑茶ペプチド組成物は、筋損失誘導因子の発現を抑えてもよい。
【0033】
一実施例において、前記筋損失誘導因子は、atrogin1、MuRF-1及びFoXO3の中から選択される少なくとも1種であってもよい。
【0034】
一実施例において、前記緑茶ペプチド組成物は、筋細胞におけるタンパク質の含有量を増加させてもよい。
【0035】
一実施例において、前記緑茶ペプチド組成物は、筋損失の予防、改善または治療用の組成物の総重量に対して1~50重量%含まれてもよい。具体的には、前記緑茶ペプチド組成物は、筋損失の予防、改善または治療用の組成物の総重量に対して1重量%以上、3重量%以上、5重量%以上、7重量%以上、10重量%以上、12重量%以上、14重量%以上、16重量%以上、18重量%以上、20重量%以上、22重量%以上、24重量%以上、26重量%以上、28重量%以上、30重量%以上、32重量%以上、34重量%以上、36重量%以上、38重量%以上、40重量%以上、42重量%以上、44重量%以上、46重量%以上、または48重量%以上の量で含まれてもよく、また、緑茶ペプチド組成物は、筋損失の予防、改善または治療用の組成物の総重量に対して50重量%以下、48重量%以下、46重量%以下、44重量%以下、42重量%以下、40重量%以下、38重量%以下、36重量%以下、34重量%以下、32重量%以下、30重量%以下、28重量%以下、26重量%以下、24重量%以下、22重量%以下、20重量%以下、18重量%以下、16重量%以下、14重量%以下、12重量%以下、10重量%以下、8重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、または3重量%以下の量で含まれてもよい。
【0036】
一実施例において、前記緑茶ペプチド組成物は、1~400mg/kg/日の量で投与されてもよい。具体的には、前記緑茶ペプチド組成物は、1mg/kg/日以上、5mg/kg/日以上、10mg/kg/日以上、20mg/kg/日以上、30mg/kg/日以上、40mg/kg/日以上、50mg/kg/日以上、60mg/kg/日以上、70mg/kg/日以上、80mg/kg/日以上、90mg/kg/日以上、100mg/kg/日以上、150mg/kg/日以上、200mg/kg/日以上、250mg/kg/日以上、300mg/kg/日以上、または350mg/kg/日以上の量で投与されてもよく、また、前記緑茶ペプチド組成物は、400mg/kg/日以下、350mg/kg/日以下、300mg/kg/日以下、250mg/kg/日以下、200mg/kg/日以下、150mg/kg/日以下、100mg/kg/日以下、90mg/kg/日以下、80mg/kg/日以下、70mg/kg/日以下、60mg/kg/日以下、50mg/kg/日以下、40mg/kg/日以下、30mg/kg/日以下、20mg/kg/日以下、10mg/kg/日以下、または5mg/kg/日以下の量で投与されてもよい。
【0037】
一実施例において、前記筋損失の予防、改善または治療用の組成物は、食品組成物であってもよい。より具体的には、前記組成物は、筋損失の予防、改善または治療用の保健機能食品組成物であってもよい。
【0038】
前記食品組成物の剤形は特に限定されないが、例えば、錠剤、顆粒剤、丸剤、粉末剤、ドリンク剤などの液剤、カラメル、ゲル、バー、ティーバッグなどに剤形化されてもよい。各剤形の食品組成物は、有効成分に加えて当該分野で通常用いられる成分を、剤形または使用目的に応じて当業界の当業者が困難なく適宜選定して配合することができ、他の原料と同時に適用すると、相乗効果が起こり得る。
【0039】
前記組成物は、単なる摂取、飲用、注射投与、スプレー投与またはスクイーズ投与などの様々な方法で投与されてもよい。
【0040】
本発明の一態様に係る食品組成物は、例えば、チューインガム、カラメル製品、キャンディー類、氷果類、菓子類などの各種食品類、清涼飲料、ミネラルウォーター、アルコール飲料などの飲料製品、ビタミンやミネラルなどを含む保健機能食品製品であってもよい。
【0041】
本発明の一態様に係る食品組成物は、その有効成分に加えて食品添加物を含んでもよい。食品添加物は、一般的に食品を製造、加工、または保存する際に食品に添加されて混合または浸潤する物質として理解することができるが、食品と共に毎日、そして長期間にわたって摂取されるものであるため、その安全性が確保されなければならない。食品の製造・流通を規律する各国法律(韓国では「食品衛生法」である)による食品添加物公典には、安全性の確保された食品添加物が成分面または機能面で限定的に規定されている。韓国食品添加物公典(食品医薬品安全処告示「食品添加物基準及び規格」)では、食品添加物が成分面で化学的合成品、天然添加物及び混合製剤類に区分され規定されているが、それらの食品添加物は、機能面においては甘味剤、風味剤、保存剤、乳化剤、酸味料、増粘剤などに分類される。
【0042】
甘味剤は、食品に適切な甘味を付与するために用いられるものであり、天然のものまたは合成されたもののいずれも本発明の一態様に係る食品組成物に使用することができる。好ましくは、天然甘味剤を用いる場合であるが、天然甘味剤としては、トウモロコシシロップ固形物、蜂蜜、スクロース、フルクトース、ラクトース、マルトースなどの糖甘味剤が挙げられる。
【0043】
風味剤は、味や香りを良くするために用いられるもので、天然のものと合成されたものの両方を用いることができる。好ましくは、天然のものを用いる場合である。天然のものを用いると、風味以外に栄養強化といった目的にも役立つ。天然風味剤としては、リンゴ、レモン、柑橘類、ブドウ、イチゴ、モモなどから得られたものであってもよく、緑茶葉、アマドコロ、竹の葉、シナモン、菊の葉、ジャスミンなどから得られたものであってもよい。また、高麗人参(紅参)、タケノコ、アロエベラ、銀杏などから得られたものを用いてもよい。天然風味剤は、液相の濃縮物または固形相のエキスであってもよい。場合によっては合成風味剤を用いてもよく、合成風味剤としては、エステル、アルコール、アルデヒド、テルペンなどを用いてもよい。
【0044】
保存剤としては、ソルビン酸カルシウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸)などを用いてもよく、また乳化剤としては、アカシアガム、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、ペクチンなどを用いてもよく、酸味料としては、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、リン酸、グルコン酸、酒石酸、アスコルビン酸、酢酸などを用いてもよい。酸味料は、味を高める目的に加えて、微生物の増殖を抑制する目的で、食品組成物が適正酸度となるように添加してもよい。増粘剤としては、懸濁化実現剤、沈降剤、ゲル形成剤、膨化剤などを用いてもよい。
【0045】
本発明の一態様に係る食品組成物は、前述の食品添加物に加えて、機能性と栄養性を補充・補強するために、当業界にて公知であり、食品添加物として安定性が確保された生理活性物質やミネラル類を含んでもよい。
【0046】
そのような生理活性物質としては、緑茶などに含まれるカテキン類、ビタミンB1、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB12などのビタミン類、トコフェロール、ジベンゾイルチアミンなどが挙げられ、ミネラル類としては、クエン酸カルシウムなどのカルシウム製剤、ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウム製剤、クエン酸鉄などの鉄製剤、塩化クロム、ヨウ素カリウム、セレニウム、ゲルマニウム、バナジウム、亜鉛などが挙げられる。
【0047】
本発明の一態様に係る食品組成物には、前述の食品添加物が製品の種類に応じて、その添加目的を達成することができる量で含まれてもよい。
【0048】
本発明の一態様に係る食品組成物に含まれ得る他の食品添加物に関しては、各国の食品公典または食品添加物公典を参照してもよい。
【0049】
一実施例において、前記組成物は、筋損失関連疾患の予防、改善または治療用の薬学組成物であってもよい。
【0050】
一実施例において、前記筋損失関連筋肉疾患は、サルコペニア(sarcopenia)、筋萎縮症(muscular atrophy)、筋ジストロフィー(muscular dystrophy)及び筋無力症からなる群から選択されてもよい。
【0051】
サルコペニアとは、栄養不足、運動量の減少、老化などによって正常的な筋肉の量と筋力及び筋機能が低下する疾患のことをいい、筋萎縮症は、遺伝などの原因によって対称的な筋肉の弱化や消失が現れる臨床的、遺伝学的に様々な疾患群を意味する。
【0052】
筋ジストロフィー(muscular dystrophy;MD)は、運動器を弱らせ、運動能力を妨げる筋肉病症であって、漸進的に骨格筋が弱化され、筋肉タンパク質が欠乏し、筋肉細胞と組織が壊死するという特徴がある。筋無力症は、筋肉の力が異常に弱くなったり、筋肉疲労が起きたりする疾患であって、適切な治療を受けなければ、急激に筋力が弱化する虞があり、酷い場合には、呼吸筋肉まで弱くなって呼吸麻痺が招かれてしまう虞もある。
【0053】
本発明の一態様に係る前記薬学組成物は、有効成分に加えて薬学的に許容される担体を含む、当技術分野で公知の通常の方法で、投与経路に応じて経口用剤形または非経口用剤形に調製されてもよい。ここで投与経路は、局所経路、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路、及び粘膜組織を介した直接吸収を含む任意の適切な経路であってもよく、少なくとも2つの経路を組み合わせて用いてもよい。少なくとも2つの経路の組み合わせの例は、投与経路に応じた少なくとも2つの剤形の薬物が組み合わせられた場合であり、例えば、いずれかの薬物を静脈内経路で1次的に投与し、他の薬物を局所経路で2次的に投与する場合である。
【0054】
薬学的に許容される担体は、投与経路または剤形によって当業界に周知であり、具体的には「大韓民国薬典」を含む各国の薬典を参照してもよい。
【0055】
本発明の一態様に係る薬学組成物が経口剤形に調製される場合、適切な担体と共に当技術分野で公知の方法に従って、粉末、顆粒、錠剤、丸剤、糖衣錠剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、懸濁液、ウェハなどの剤形に調製されてもよい。そのとき、好適な担体の例としては、ラクトース、グルコース、スクロース、デキストロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトールなどの糖類、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、小麦デンプンなどのデンプン類、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース類、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、ステアリン酸マグネシウム、鉱物油、麦芽、ゼラチン、タルク、ポリオール、植物油、エタノール、グリセロールなどが挙げられる。製剤化する場合、必要に応じて適切な結合剤、潤滑剤、崩壊剤、着色剤、希釈剤などが含まれてもよい。適当な結合剤としては、マグネシウムアルミニウムシリケート、デンプンペースト、ゼラチン、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、グルコース、トウモロコシ甘味剤、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられ、潤滑剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、シリカ、タルカム、ステアリン酸、そのマグネシウム塩とカルシウム塩、ポリエチレングリコールなどが挙げられ、崩壊剤としては、メチルセルロース、アガー(agar)、ベントナイト、キサンタンガム、アルギン酸またはそのナトリウム塩などが挙げられる。また希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソビトール、セルロース、グリシンなどが挙げられる。
【0056】
本発明の一態様に係る薬学組成物が非経口用剤形に調製される場合、適切な担体と共に当技術分野で公知の方法に従って、注射剤、経皮投与剤、鼻腔吸入剤及び坐剤の形態に製剤化されてもよい。注射剤として製剤化する場合、適切な担体としては、水性等張溶液または懸濁液を用いてもよく、具体的には、トリエタノールアミンを含有したPBS(phosphate buffered saline)や注射用滅菌水、5%のデキストロースなどの等張溶液などを用いてもよい。 経皮投与剤として製剤化する場合、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、外用液剤、パスタ剤、リニメント剤、エアロール剤などの形態で製剤化してもよい。鼻腔吸入剤の場合、ジクロロフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素などの適切な推進剤を用いてエアロゾルスプレーの形態に製剤化してもよく、坐剤に製剤化する場合、その担体としては、ウィテップゾール(witepsol)、ツイン(tween)61、ポリエチレングリコール類、カカオ脂、ラウリン脂、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンステアレート類、ソルビタン脂肪酸エステル類などを用いてもよい。
【0057】
本発明の一態様に係る前記薬学組成物の適用量または投与量は、投与される対象の年齢、性別、体重、病状、及びその重症度、投与経路または処方者の判断に依存するであろう。それらの要因に基づく有効成分投与量の決定は、当技術分野の当業者の水準内に属する。
【0058】
本発明の一態様に係る筋損失の予防、改善または治療用の組成物は、有効成分に加えて、筋損失の予防、改善または治療効果の相乗・補強のために、または血圧調節活性などの類似活性の付加による服用や摂取の利便性を向上させるために、当業界で既に安全性が確保され、対応する活性を有することが知られている任意の化合物または天然エキスをさらに含んでもよい。それらの化合物またはエキスには、各国薬典(韓国では「大韓民国薬典」)、各国保健機能食品公典(韓国では食品医薬品安全処告示である「保健機能食品基準及び規格」である)などの公定書に載っている化合物またはエキス、医薬品の製造・販売を規律する各国の法律(韓国では「薬事法」である)により、品目許可を受けた化合物またはエキス、保健機能食品の製造・販売を規律する各国の法律(韓国では「保健機能食品に関する法律」である)に従って機能性の認められた化合物またはエキスが含まれる。
【0059】
例えば、韓国の「保健機能食品に関する法律」に基づき、「体脂肪減少」として機能性が認められたガルシニアカンボジアの皮エキス、共役リノレン酸(遊離脂肪酸)、共役リノレン酸(トリグリセリド)、緑茶エキス、キトサン、ラクトバチルス・ガセリBNR17(Lactobacillus gasseri BNR17)、L-カルニチン酒石酸塩、グリーンマテエキス、グリーンコーヒービンエキス、エゴマの葉エキス、大豆胚芽エキスなどの複合物、アマチャヅル葉酒精抽出粉末、ラクトフェリン(牛乳精製タンパク質)、レモンバームエキス混合粉末、マテ熱水エキス、ワカメ複合エキス(ザンシゲン)、発酵酢ザクロ複合体、プーアル茶エキス、ソモッテ(ネズミ目豆)ペプチド複合体、植物油脂ジグリセリド、ワイルドマンゴー種子エキス、重鎖脂肪酸(MCFA)含有油脂、コレウス・フォルスコリエキス、キトオリゴ糖、グラチャーイ(Finger Root)抽出粉末、ハイビスカスなどの複合エキスなどと、「血圧調節」で機能性が認められたL-グルタミン酸由来GABA含有粉末、カツオブシオリゴペプチド、納豆菌培養粉末、ソモッテ(ネズミ目豆)ペプチド複合体、サーモンペプチド、オリーブ葉エキス、イワシペプチド、カゼイン加水分解物、コエンザイムQ10、ブドウ種子酵素分解抽出粉末、海苔オリゴペプチドなどと、「血中中性脂肪改善」機能性が認められたDHA濃縮油脂、グロビン加水分解物、難消化性マルトデキストリン、竹葉エキス、植物油脂ジグリセリド、イワシ精製魚油、精製イカ油などと、「血糖制御」として機能性が認められたL-arabinose、nopalエキス、シナモン抽出粉末、グアバ葉エキス、難消化性マルトデキストリン、凍結乾燥カイコ粉末、ナガイモ酒精エキス、バナバ葉エキス、桑葉エキスなどと、「疲労改善」で機能性が認められた発酵生成アミノ酸複合物、ケンポナシ果柄エキス、紅景天エキスなどと、「抗ストレス」として機能性が認められたL-テアニン、アシュアガンダエキス、乳タンパク質加水分解物、アマチャヅル葉エキスなどと、が、そのような化合物またはエキスに対応する。
【0060】
本発明は、一実施例として以下の実施形態を提供することができる。
【0061】
第1の実施形態は、緑茶ペプチド組成物を有効成分として含む、筋損失の予防、改善または治療用の組成物を提供することができる。
【0062】
第2の実施形態は、第1の実施形態において、前記緑茶ペプチド組成物は、配列番号1~7からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1種の緑茶ペプチドを含む、筋損失の予防、改善または治療用の組成物を提供することができる。
【0063】
第3の実施形態は、第1の実施形態及び第2の実施形態のうち少なくとも1つにおいて、前記緑茶ペプチド組成物は、緑茶タンパク質を植物性乳酸菌で発酵させて得られることを特徴とする、筋損失の予防、改善または治療用の組成物を提供することができる。
【0064】
第4の実施形態は、第1の実施形態ないし第3の実施形態のうち少なくとも1つにおいて、前記植物性乳酸菌は、ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)である、筋損失の予防、改善または治療用の組成物を提供することができる。
【0065】
第5の実施形態は、第1の実施形態ないし第4の実施形態のうち少なくとも1つにおいて、前記緑茶タンパク質は、緑茶を無水または含水C1~C6の低級アルコールで抽出された1次エキスの残渣から得られることを特徴とする、筋損失の予防、改善または治療用の組成物を提供することができる。
【0066】
第6の実施形態は、第1の実施形態ないし第5の実施形態のうち少なくとも1つにおいて、前記含水C1~C6の低級アルコール中のアルコールの濃度は、20~80%(v/v)であることを特徴とする、筋損失の予防、改善または治療用の組成物を提供することができる。
【0067】
第7の実施形態は、第1の実施形態ないし第6の実施形態のうち少なくとも1つにおいて、前記含水C1~C6の低級アルコールは、20~80%(v/v)エタノール水溶液であることを特徴とする、筋損失の予防、改善または治療用の組成物を提供することができる。
【0068】
第8の実施形態は、第1の実施形態ないし第7の実施形態のうち少なくとも1つにおいて、前記緑茶タンパク質は、前記1次エキスの残渣を熱水で抽出した2次エキスの残渣から得られることを特徴とする、筋損失の予防、改善または治療用の組成物を提供することができる。
【0069】
第9の実施形態は、第1の実施形態ないし第8の実施形態のうち少なくとも1つにおいて、前記緑茶ペプチド組成物は、筋損失誘導因子の発現を抑えることを特徴とする、筋損失の予防、改善または治療用の組成物を提供することができる。
【0070】
第10の実施形態は、第1の実施形態ないし第9の実施形態のうち少なくとも1つにおいて、前記筋損失誘導因子は、atrogin1、MuRF-1及びFoXO3の中から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、筋損失の予防、改善または治療用の組成物を提供することができる:
【0071】
第11の実施形態は、第1の実施形態ないし第10の実施形態のうち少なくとも1つにおいて、前記緑茶ペプチド組成物は、筋細胞におけるタンパク質の含有量を増加させることを特徴とする、筋損失の予防、改善または治療用の組成物を提供することができる。
【0072】
第12の実施形態は、第1の実施形態ないし第11の実施形態のうち少なくとも1つにおいて、前記緑茶ペプチド組成物は、組成物の総重量に対して、1~50重量%含まれることを特徴とする、筋損失の予防、改善または治療用の組成物を提供することができる。
【0073】
第13の実施形態は、第1の実施形態ないし第12の実施形態のうち少なくとも1つにおいて、前記緑茶ペプチド組成物は、1~400mg/kg/日の量で投与されることを特徴とする、筋損失の予防、改善または治療用の組成物を提供することができる。
【0074】
第14の実施形態は、第1の実施形態ないし第13の実施形態のうち少なくとも1つにおいて、前記組成物は、保健機能食品組成物であることを特徴とする、筋損失の予防、改善または治療用の組成物を提供することができる。
【0075】
第15の実施形態は、第1の実施形態ないし第14の実施形態のうち少なくとも1つにおいて、前記組成物は、筋損失関連疾患の予防、改善または治療用の薬学組成物であることを特徴とする、筋損失の予防、改善または治療用の組成物を提供することができる。
【0076】
以下、実施例及び試験例を挙げて、本発明の内容をより具体的に説明する。しかしながら、そのような実施例及び試験例は、本発明の内容の理解を助けるために提示されるものに過ぎず、そのような実施例及び試験例によって本発明の権利範囲が限定されるものではなく、当業界において通常周知の変形、置換及び挿入などが行われてもよく、それらも本発明の範囲に含まれる。
【0077】
[実施例1]
緑茶ペプチド組成物の調製
緑茶(camelia sinensis,(株)農業法人オソルロック農場)50kgを1トンの抽出タンクに入れ、50%(v/v)エタノールを15倍数で加え、次に70℃で2時間抽出(1次抽出)及びろ過してカテキン類を除去し、緑茶1次エキスの残渣を得た。得られた緑茶1次エキスの残渣固形分に15倍の割合で精製水を添加し、90℃で3時間抽出(2次抽出)及びろ過して水溶性多糖などを除去し、緑茶2次エキスの残渣を得た。得られた緑茶2次エキスの残渣固形分に10倍の割合で2%(w/w)NaOH(98%,(株)ヨンジン)水溶液を添加し、70℃で3時間抽出(アルカリ抽出)及びろ過してろ液を得た。得られたろ液を常温まで冷却し、35%(w/w)塩酸(大井化金)を添加してpHを3.5~4.5以下にした。上澄み液を除去し、沈殿物を精製水で3~7回洗浄した後、大川原制OC-16スプレードライヤー(inlet 220℃,outlet 90℃)を用いて沈殿物を噴霧乾燥することで、粗タンパク質含有量が50%(w/w)以上の緑茶タンパク質を得た。緑茶タンパク質を1%(w/w)含有したラクチプランチバチルス・プランタルム APsuloc 331261(Lactiplantibacillus platarum APsuloc 331261)培地(精製水、ビタミン溶液、アミノ酸溶液、ミネラル溶液含有)を嫌気発酵槽に入れ、pH6.8及び37℃で48時間培養した後、培養液を4℃、10,000gで20分間遠心分離(Labogene 1580R(Serial No.:KLG4226180220023))して上澄み液を得た。得られた上清みを70℃のドライオーブンで濃縮し、濃縮液を4℃、100,000gで1時間遠心分離(Hitachi centrifuge CS150NX)して上清みを得た。得られた上澄み液を膜ろ過(pore size 0.22μm)してろ液を取得し、得られたろ液を凍結乾燥することで、緑茶ペプチド組成物(Green Tea Peptide;GTP)(緑茶ペプチド含有量14%(w/w))を得た。
【0078】
一方、前記緑茶ペプチド組成物に含まれる緑茶ペプチドの配列は、以下のステップを経て分析した:
【0079】
1)前記緑茶タンパク質を含有するラクチプランチバチルス・プランタルム APsulloc 331261(Lactiplantibacillus plantarum APsulloc 331261)培地を遠心分離して上清みを分離し、その後、膜ろ過及びサイズ排除クロマトグラフィー(Size Exclusion Chromatograph)を経て低分子ペプチド区間で分画されたペプチドのみを取得するステップと、
2)1)で取得したペプチドを凍結乾燥及び脱塩(de-salting)し、その後、0.1%(w/w)ギ酸に溶解してLC-MS/MSで分析するステップと、であり、
そのとき、試料3μg(タンパク質定量基準)を対象にLC-MS/MS分析を行った。使用した機器及び分析条件は以下のとおりである。
【0080】
【0081】
3)2)でLC-MS/MS分析により得られたスペクトルファイル(spectra file)を対象に緑茶(camelia sinensis[UniProt Proteome ID:UP000327468])及び乳酸菌(L.plantarum DSM 20174[NCBI accession:GCA_01413175.1]、L.plantarum APsulloc 331261)タンパク質配列データベースを利用してペプチド配列を探索するステップであり、
そのとき活用した分析条件は以下のとおりである。
【0082】
【0083】
前記ステップを経て分析された本発明の一実施例に係る緑茶ペプチド配列は、以下のとおりである。
【0084】
【0085】
[実験例1]緑茶ペプチド組成物の濃度ごとの処理による筋損失誘導マーカーの発現の抑制効果の確認
筋繊維などを構成するタンパク質の合成よりも消耗(分解)の方がさらに多くなると(タンパク質の合成<<タンパク質の分解)、筋損失が生じる。タンパク質分解は、主にユビキチンが作用するが、筋損失においては、atrogin1、MuRF-1などが主な因子として働き、これらのユビキチン分解タンパク質を調節する転写因子としてFoXO3aなどが知られている。
【0086】
筋細胞にデキサメタゾン(dexamethasone;DEX)を処理すれば、FoXO3と共にatrogin1、MuRF-1の発現が増加する。本発明の一態様に係る緑茶ペプチド組成物が筋損失誘導マーカーの発現を抑えることができるか否かを調べるために、下記のようにして実験を行った。
【0087】
C2C12マウス由来の筋細胞株(ATCC)をDMEM(Sigma Aldrich)+10%bovine calf serum(Gibco)培地で100%まで満たされるように培養し、その後、7日間DMEM+2%horse serum(Gibco)培地で筋細胞への分化が起こるように誘導した。分化された筋細胞にDEX(10mM)及び実施例1の緑茶ペプチド組成物(GTP)を10、50、100mg/mLの濃度で12時間処理し、その後、細胞を回収した。その後、TaKaRa MiniBEST Universal RNA Extraction Kit(Takara Bio)、RevertAid 1st-strand cDNA Synthesis Kit(Thermo Fisher Scientific)を順次用いてRNA抽出及びcDNA合成作業を完了した。合成されたcDNAは、CFX96 thermocycler(Bio-Rad)機器を用いた遺伝子発現の観察にテンプレートとして用いられた。その結果を
図2A~
図2Cに示す。
【0088】
図2A~
図2Cに示されるように、DEXの処理に際して筋損失誘導マーカーであるatrogin1、MuRF-1及びFoXO3の発現が一斉に増加し、そこに緑茶ペプチド組成物を処理した場合、緑茶ペプチド組成物の処理濃度に応じて筋損失誘導マーカーの発現が次第に有意的に減少することが確認された。そのことから、本発明の一実施例に係る緑茶ペプチド組成物は、筋損失の誘導を効果的に抑える筈であるということが分かる。
【0089】
[実験例2]緑茶ペプチド組成物の濃度ごとの処理による筋細胞におけるタンパク質合成増加の確認
インスリンなどのホルモンがシグナル伝達体系を経てmTORを活性化させると(p-mTOR)、p70 S6キナーゼがmTORにより活性化されて(p-p70 S6 kinase)、細胞の生存、遺伝子転写及びタンパク質合成などの様々な役割を果たすように調節する。そこで、本発明の一態様に係る緑茶ペプチド組成物が筋細胞におけるタンパク質合成を促すことができるか否かを調べるために、タンパク質合成シグナルであるmTOR及びp70 S6キナーゼの活性を確認した。実験例1と同様に、分化された筋細胞にDEX(10mM)及び実施例1の緑茶ペプチド組成物(GTP)を10、50、100mg/mLの濃度で12時間処理し、その後に細胞を回収した。回収した細胞は、RIPA lysisバッファー(Thermo Fisher Scientific)を用いてタンパク質を抽出した後、一定量のタンパク質をp-mTOR/total mTOR ELISA kit(Ray Biotech)及びp70 S6キナーゼ(pT389)ELISA kit(abcam)を用いて各タンパク質の活性を測定した。その結果はそれぞれ
図3A及び
図3Bに示す。
【0090】
図3A及び
図3Bに示されるように、本発明の一実施例に係る緑茶ペプチド組成物は、タンパク質合成シグナル伝達体系(mTOR p70 S6 kinase)を活性化させることが確認された。
【0091】
次いで、本発明の一態様に係る緑茶ペプチド組成物によるmTOR活性化が実際に筋細胞におけるタンパク質の合成を誘導したか否かを確認するために、前記分化された筋細胞にDEX(10mM)及び実施例1の緑茶ペプチド組成物を10、50、100mg/mLの濃度にて48時間処理した。回収された細胞からRIPAバッファーを用いてタンパク質を抽出し、その後、Bradford Assay Buffer(Invitrogen)を用いて細胞内のタンパク質の含有量を定量した。その結果は
図3Cに示す。
【0092】
図3Cに示されるように、前記
図3A及び
図3Bの結果から予測される通り、本発明の一実施例に係る緑茶ペプチド組成物は、筋細胞におけるタンパク質合成シグナルを活性化させて筋細胞におけるタンパク質の含有量を有意に増加させることが確認された。
【0093】
[実験例3]異なる調製方法による緑茶ペプチド組成物の筋損失誘導マーカーの発現の抑制効果の確認
調製方法による緑茶ペプチドの筋損失の抑制効力を比較するために、i)実施例1の緑茶ペプチド組成物の調製過程中に得られた緑茶粗タンパク質、ii)実施例1の緑茶ペプチド組成物の調製過程中に得られた緑茶タンパク質を、精製水を用いて1:40(w/v)の濃度で調製し、その後、35%(w/w)塩酸を加えてpH5に滴定してから、37℃で6時間加水分解し、4℃、10,000gで遠心分離(Labogene 1580R(Serial No.KLG4226180220023))で得られた上清み(緑茶タンパク質酸処理画分)、iii)実施例1の緑茶ペプチド組成物の調製過程で得られた緑茶タンパク質を、0.1Mのリン酸ナトリウム緩衝液(sodium phosphate buffer、pH8)を用いて1:40(w/v)の濃度で調製し、その後、タンパク質分解酵素のブロメライン(bromelain)を緑茶タンパク質に対して1%(w/v)加え、45℃、pH6.2で24時間加水分解した。次いで、90℃で30分間加熱し、4℃、10,000gで遠心分離(Labogene 1580R(Serial No.KLG4226180220023))により得られた上清み(緑茶タンパク質酵素処理画分)、及びiv)実施例1において、ラクチプランチバチルス・プランタルム APsulloc 331261(Lactiplantibacillus plantarum APsulloc 331261)の代わりに、動物性乳酸菌であるラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei KCTC 3510(ATCC菌株番号:ATCC 25302、生物資源センター(KCTC))を用いた以外は、同様の方法で調製したペプチド組成物を一緒に処理し、筋損失の予防効力を比較した。具体的な実験方法は、緑茶粗タンパク質、緑茶タンパク質酸処理画分、緑茶タンパク質酵素(bromelain)処理画分、動物性乳酸菌であるラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei;L.paracasei)発酵ペプチド組成物、実施例1による緑茶ペプチド組成物をそれぞれDEX(10μM)と共に100μg/mLの濃度で12時間処理したことを除いては、実験例1と同様に行った。その結果を
図4A及び
図4Bに示す。
【0094】
図4Aから
図4Cの結果から、緑茶粗タンパク酸、分解ペプチド、酵素分解ペプチド及び動物性乳酸菌発酵ペプチド組成物は、筋損失誘導マーカーであるatrogin1、MuRF-1及びFoXO3に対して有意な発現の抑制効力を示さないか、あるいは、微々たる効力を示すのに対し、本発明の一実施例に係る緑茶ペプチド組成物処理群においては、顕著に優れた筋損失誘導マーカーの発現の抑制活性を示すことが確認された。
【0095】
一方、
図5は、ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)と、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)との相同性を分析した結果図である。相同性分析は、NCBI(
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/genbank/)から各菌株のゲノム情報(genbank)をダウンロードし、アノテーション(annotation)された保存タンパク質(conserved protein)の遺伝情報のみを残し、残りは捨てた後、集計全体数に対する比率で計算して算出した。そのとき、POCP(percentage of conserved proteins)の計算のためにRプログラムを利用し(コードソース:
https://github.com/hoelzer/pocp.git)、分析条件は、次のとおりである:
-E値=1×e
-5
-配列相同性(Sequence identity)=0.4
-整列長さ(Alignment length)=0.5。
【0096】
そのうち、2つのゲノムが50%以上の相同性を示す場合、同じクラスター(cluster)に分類し、ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)とラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)は、相同性が46.84%であって、非常に似ていることが分かった。そのように、実施例1で使用したラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)と非常に類似した動物性乳酸菌であるラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)で発酵して得られた緑茶ペプチド組成物(PCasei)の場合には、筋損失誘導マーカー遺伝子の阻害効力、すなわち、筋損失の予防効力を示さないことが確認された。故に、本発明の一実施例に係る緑茶ペプチド組成物の筋損失の予防効力は、植物性乳酸菌であるラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)を用いた発酵によって得られることが分かる。
【0097】
[受託番号]
寄託機関名:韓国微生物保存センター(海外)
受託番号:KCCM11179P
受託日:2011年3月28日
【配列表】