(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097751
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】オゾン水発生装置の給電コントロール方法
(51)【国際特許分類】
C02F 1/461 20230101AFI20240711BHJP
C25B 1/13 20060101ALI20240711BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20240711BHJP
C25B 11/03 20210101ALI20240711BHJP
C25B 11/046 20210101ALI20240711BHJP
C25B 11/042 20210101ALI20240711BHJP
C25B 15/02 20210101ALI20240711BHJP
C25B 11/02 20210101ALN20240711BHJP
【FI】
C02F1/461 Z
C25B1/13
C25B9/00 Z
C25B11/03
C25B11/046
C25B11/042
C25B15/02
C25B11/02 301
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023215282
(22)【出願日】2023-12-20
(31)【優先権主張番号】112100704
(32)【優先日】2023-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】523479857
【氏名又は名称】徐峰
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】彭江
【テーマコード(参考)】
4D061
4K011
4K021
【Fターム(参考)】
4D061DA03
4D061DB09
4D061EA02
4D061EB04
4D061EB14
4D061EB18
4D061EB20
4D061EB30
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4D061GC11
4K011AA15
4K011AA17
4K011CA04
4K011DA11
4K021AB25
4K021DA09
4K021DA13
4K021DA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】オゾン水発生装置の給電コントロール方法を提供する。
【解決手段】電解水タンクのケース体は、電解プレート部材ユニットを有し、それは複数の陽極板により組成される陽極組111、複数の第一陰極板により組成される第一陰極組112、複数の第二陰極板により組成される第二陰極組113を有し、水電解の過程で2個の陰極組112、113が短時間で相対的に高いレベルの電力を交替に獲得し、他の時間で2個の陰極組112、113は相対的に低いレベルの電力を獲得し、装置の使用過程で陰極表面に生じた水垢はタイムリーに取り除かれ、電解性能が確保され、薬剤により水垢を除去する必要はなく、メンテナンスの必要もなく、作動過程で同時に水垢が除去され、生じた気体は水流とともに排出され、気体排出口が不要で、コントロール回路は電界効果トランジスタをパワースイッチングデバイスとして採用し、接点がないため高速スイッチングを実現できる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾン水発生装置の給電コントロール方法であって、前記オゾン水発生装置の作動過程において、1個のループサイクル内では、陽極組に相対的に高いレベルの電力を供給し、同一のループサイクル内で、第一陰極組に相対的に低いレベルの電力をTA秒供給した後、前記第一陰極組に相対的に高いレベルの電力を供給し、TB秒が経過した後、相対的に低いレベルの電力供給を回復し、
同一のループサイクル内で、第二陰極組に相対的に低いレベルの電力を"2TA+TB"秒供給した後、前記第二陰極組に相対的に高いレベルの電力を供給し、TB秒を経て、相対的に低いレベルの電力供給を回復し、次のサイクルに入り、1個のループサイクルの時間は"2TA+2TB"で、TBは"(4/5)*(TA+TB)"より小さいが、"(1/15)*(TA+TB)"より大きい
ことを特徴とする、
オゾン水発生装置の給電コントロール方法。
【請求項2】
前記TA+TB=30秒で、TB=5秒である
ことを特徴とする、
請求項1に記載のオゾン水発生装置の給電コントロール方法。
【請求項3】
前記オゾン水発生装置は、相互に連接する電解水タンク、給電コントロール回路ユニット、フロースイッチを有し、
前記電解水タンクのケース体の上方には、頂部蓋を密封連接し、前記頂部蓋上には、進水口と出水口を設置し、前記ケース体内には、電解プレート部材ユニットを設置し、前記電解プレート部材ユニットは、複数の陽極板により組成される前記陽極組、複数の第一陰極板により組成される前記第一陰極組、複数の第二陰極板により組成される前記第二陰極組を有し、
前記第一陰極板は、有孔チタン板或いは有孔ステンレス板を採用し、前記第二陰極板は、チタン板或いはステンレス板を採用し、前記陽極板は、ドープした二酸化チタンスズ陽極板を採用し、
前記陽極組には、陽極導電板を連接し、前記陽極導電板には、陽極導電性コラムを連接し、前記第一陰極組には、第一陰極導電板を連接し、前記第一陰極導電板には、第一陰極導電性コラムを接続して設置し、
前記第二陰極組には、第二陰極導電板を連接し、前記第二陰極導電板には、第二陰極導電性コラムを接続して設置し、
前記陽極導電性コラム、前記第一陰極導電性コラム、前記第二陰極導電性コラムはすべて、電解水タンクのケース体を貫通し、前記給電コントロール回路ユニットと電気的に連接し、前記ケース体の底部内側と前記頂部蓋の頂部内側には、相互に対応する底部電極板スペーサーと頂部電極板スペーサーをそれぞれ設置し、各前記第一陰極組、前記第二陰極組、前記陽極組の上下両端はすべて、対応する前記頂部電極板スペーサーと前記底部電極板スペーサー内にそれぞれ挿入される
ことを特徴とする、
請求項1に記載のオゾン水発生装置の給電コントロール方法。
【請求項4】
前記電解プレート部材ユニットは、n個の前記陽極板により組成される前記陽極組、2n個の前記第一陰極板により組成される前記第一陰極組、2個の前記第二陰極板により組成される前記第二陰極組を有し、nは≧1の自然数で、前記第一陰極板、前記陽極板は順番に間隔を開けて設置し、前記第二陰極板は、最も外側の前記第一陰極板の外側に置かれる
ことを特徴とする、
請求項3に記載のオゾン水発生装置の給電コントロール方法。
【請求項5】
前記電解プレート部材ユニットは、n個の前記陽極板により組成される前記陽極組、2n個の前記第一陰極板により組成される前記第一陰極組、n+1個の前記第二陰極板により組成される前記第二陰極組を有し、nは≧1の自然数で、前記第一陰極板、前記第二陰極板、前記陽極板は順番に間隔を開けて設置される
ことを特徴とする、
請求項3に記載のオゾン水発生装置の給電コントロール方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオゾン水発生装置の給電コントロール方法に関し、特に水電気分解によるオゾン生成技術領域に属するオゾン水発生装置の給電コントロール方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水道水を電気分解する方法を利用し、電界及び陽極触媒の作用下でオゾンを発生させる。
その電解過程は非常に複雑で、その生成メカニズムは以下の通りである。
陽極主要反応: 3H2O=O3+6H++6e-
陽極副反応: 2H2O=O2+4H++4e-
陰極主要反応: 2H++2e-=H2
【0003】
電解で生成されたオゾンは、水と迅速に結合しオゾン水となる。
オゾン水は、極めて高い酸化電位を備え、水中の有機物と瞬間的に反応を生じてそれを酸化し、人体に対して無害で安定した物質を生成する。
そのため、水の浄化、消毒、殺菌に用いられる。
現在水道水を電解しオゾン水を生成する方法は、野菜洗浄機にすでに広く応用され、食品の残留農薬、虫卵、微生物の洗浄、及び類似の応用領域で利用されている。
【0004】
けれども、水道水電解過程中の陰極には、さらに副反応が存在し、水中のカルシウム、マグネシウム等のイオンが陰極に集まり、表面には徐々に水垢が生成される。
水垢はもともと取り除きにくいが、特に水質が悪く水垢がつきやすくなっている現況が、オゾン水発生装置の電解性能に深刻な影響を及ぼしている。
現在の方法は、薬剤或いは作業時に電極の極性を断続的に変換し、水垢を取り除いている。
その内、薬剤を用いる方法は、オゾン水発生装置を分解して薬剤溶液中に浸し、洗浄してから再び取り付ける必要があり、面倒なため、マイナスの使用感をユーザーに抱かせる。
さらには、既存の電極の極性を変換する水垢除去技術が採用する給電コントロール方法は、作業時に電極の極性を断続的に変換しているが、電極の極性を変換する水垢除去過程では気体が発生して内部圧力が上昇するため、気体排出口が必要で、設備構造が複雑となり、コストが拡大する。
しかも、パワースイッチングデバイスが採用するのはリレーであるため、頻繁な切り替えによりリレー接点が着火により損壊してしまう。
上記に明らかなように、既存のオゾン水発生装置には、多くの欠点があり改善が待たれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記先行技術には、設備構造が複雑でコストが高く、しかもパワースイッチングデバイスが採用するリレーは、頻繁な切り替えによりリレー接点が着火により損壊してしまうという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は既存技術の不足を改善し、理想的なオゾン水発生装置を提供できる給電コントロール方法であり、これによりオゾン水の応用ニーズに応えられるオゾン水発生装置の給電コントロール方法に関する。
【0007】
本発明によるオゾン水発生装置の給電コントロール方法は、オゾン水発生装置の作動過程において、1個のループサイクル内で、陽極組に相対的に高いレベルの電力を供給し続ける。
同一のループサイクル内で、第一陰極組に相対的に低いレベルの電力をTA秒供給し続けた後、第一陰極組に相対的に高いレベルの電力を供給し、TB秒が経過した後、相対的に低いレベルの電力供給を回復する。
同一のループサイクル内で、第二陰極組に相対的に低いレベルの電力を"2TA+TB"秒供給した後、第二陰極組に相対的に高いレベルの電力を供給し、TB秒を経て、相対的に低いレベルの電力供給を回復し、次のサイクルに入る。
1個のループサイクルの時間は"2TA+2TB"で、TBは"(4/5)*(TA+TB)"より小さく、"(1/15)*(TA+TB)"より大きい。
【0008】
さらに、TA+TB=30秒が好ましく、TB=5秒が最も好ましい。
【0009】
該オゾン水発生装置は、相互に連接する電解水タンク、給電コントロール回路ユニット及びフロースイッチを有する。
電解水タンクのケース体の上方には、電解水タンクの頂部蓋を密封して連接し、頂部蓋上には、進水口と出水口を設置する。
電解水タンクのケース体内には、電解プレート部材ユニットを設置し、電解プレート部材ユニットは、複数の陽極板により組成される陽極組、複数の第一陰極板により組成される第一陰極組、複数の第二陰極板により組成される第二陰極組を有し、第一陰極組の第一陰極板は、有孔チタン板或いは有孔ステンレス板を採用し、第二陰極組の第二陰極板は、チタン板或いはステンレス板を採用し、陽極組の陽極板は、ドープした二酸化チタンスズ陽極板を採用する。
陽極組の各陽極板間はすべて電気的に連接し、第一陰極組の各第一陰極板間はすべて電気的に連接し、第二陰極組の各第二陰極板間はすべて電気的に連接する。
陽極組には、陽極導電板を連接し、該陽極導電板には、陽極導電性コラムを接続して設置する。
第一陰極組には、第一陰極導電板を連接し、該第一陰極導電板には、第一陰極導電性コラムを接続して設置する。
第二陰極組には、第二陰極導電板を連接し、該第二陰極導電板には、第二陰極導電性コラムを接続して設置する。
該陽極導電性コラム、第一陰極導電性コラム、第二陰極導電性コラムはすべて、電解水タンクのケース体を貫通し、給電コントロール回路ユニットと相互に連接する。
ケース体の底部内側と頂部蓋の頂部内側には、相互に対応する底部電極板スペーサーと頂部電極板スペーサーをそれぞれ設置し、各第一陰極板、各第二陰極板、各陽極板の上下両端はすべて、対応する頂部電極板スペーサーと底部電極板スペーサー内に挿入される。
【0010】
さらに、該電解プレート部材ユニットは、n個の陽極板により組成される陽極組、2n個の第一陰極板により組成される第一陰極組、2個の第二陰極板により組成される第二陰極組を有し、nは≧1の自然数である。
第一陰極板、陽極板は順番に間隔を開けて設置し、該2個の第二陰極板は、最も外側の第一陰極板の外側に置かれる。
【0011】
さらに、該電解プレート部材ユニットは、n個の陽極板により組成される陽極組、2n個の第一陰極板により組成される第一陰極組、n+1個の第二陰極板により組成される第二陰極組を有し、nは≧1の自然数である。
第一陰極板、第二陰極板、陽極板は順番に間隔を開けて設置される。
【0012】
さらに、該給電コントロール回路ユニットは、相互に連接するMCUモジュール、電源モジュール、電解プレート制御回路ユニットを有する。
フロースイッチは、MCUモジュールの信号入力端に連接し、電源モジュールの電源入力端は、市内電源に連接する。
電源モジュールは、2ルートで出力し、一ルートは5V出力しMCUモジュールの電圧を安定させ、MCUモジュールに給電する。
もう一ルートは、定電流出力を提供し、電解プレート制御回路ユニットに給電する。
電源モジュール定電流出力の正極は、電気抵抗R1、電気抵抗R2、電気抵抗R3の一端及びPチャンネルMOS管P1のソース極、PチャンネルMOS管P2のソース極、PチャンネルMOS管P3のソース極に連接する。
電気抵抗R1、電気抵抗R2、電気抵抗R3のもう一端は、PチャンネルMOS管P1のグリッド極、PチャンネルMOS管P2のグリッド極、PチャンネルMOS管P3のグリッド極にそれぞれ連接する。
PチャンネルMOS管P1のグリッド極、PチャンネルMOS管P2のグリッド極、PチャンネルMOS管P3のグリッド極はさらにそれぞれ、NチャンネルMOS管MN1のドレイン極、NチャンネルMOS管MN2のドレイン極、NチャンネルMOS管MN3のドレイン極と相互に連接する。
NチャンネルMOS管N1のグリッド極、NチャンネルMOS管N2のグリッド極は、PチャンネルMOS管P2のグリッド極、PチャンネルMOS管P3のグリッド極にそれぞれ連接する。
NチャンネルMOS管N1のドレイン極、NチャンネルMOS管N2のドレイン極は、PチャンネルMOS管P2のドレイン極、PチャンネルMOS管P3のドレイン極とそれぞれ相互に連接する。
電源モジュール定電流出力の負極は、NチャンネルMOS管MN1のソース極、NチャンネルMOS管MN2のソース極、NチャンネルMOS管MN3のソース極、NチャンネルMOS管N1のソース極、NチャンネルMOS管N2のソース極に連接する。
NチャンネルMOS管MN1のグリッド極、NチャンネルMOS管MN2のグリッド極、NチャンネルMOS管MN3のグリッド極は、MCUモジュールのコントロール出力端に連接する。
PチャンネルMOS管P1のドレイン極は、電解水タンクのケース体の底部外側の陽極導電性コラムに連接する。
PチャンネルMOS管P2のドレイン極とNチャンネルMOS管N1のドレイン極は、電解水タンクのケース体の底部外側の第一陰極導電性コラムに連接する。
PチャンネルMOS管P3のドレイン極とNチャンネルMOS管N2のドレイン極は、電解水タンクのケース体の底部外側の第二陰極導電性コラムに連接する。
【0013】
さらに、オゾン水発生装置の給電コントロール方法は、以下のステップを含む。
ステップ一: 電解水タンク及びフロースイッチを、給水パイプライン上に取り付け、水源と電源を開通し、スタンバイ時、MCUモジュールのコントロール出力端はNチャンネルMOS管MN1のグリッド極、NチャンネルMOS管MN2のグリッド極、NチャンネルMOS管MN3のグリッド極に、相対的に低いレベルの電力信号を提供し、NチャンネルMOS管MN1、NチャンネルMOS管MN2、NチャンネルMOS管MN3は停止し、PチャンネルMOS管P1、PチャンネルMOS管P2、PチャンネルMOS管P3は停止し、NチャンネルMOS管N1、NチャンネルMOS管N2は導通し、第一陰極組、第二陰極組と電源モジュールの定電流出力端V-は連通し、陽極組と電源モジュールの定電流出力端V+は切断され、電解プレート部材ユニットは給電されず、オゾン水発生装置は作動停止状態となる。
【0014】
ステップ二: 水の使用時には、フロースイッチは閉鎖され、MCUモジュールの信号入力端は、フロースイッチ閉鎖信号を受け取り、そのコントロール出力端はNチャンネルMOS管MN1のグリッド極は、相対的に高いレベルの電力信号を提供し、NチャンネルMOS管MN2のグリッド極、NチャンネルMOS管MN3のグリッド極に、相対的に低いレベルの電力信号を提供し、NチャンネルMOS管MN1は導通し、NチャンネルMOS管MN2、NチャンネルMOS管MN3は停止し、PチャンネルMOS管P1は導通し、PチャンネルMOS管P2、PチャンネルMOS管P3は停止し、NチャンネルMOS管N1、NチャンネルMOS管N2は導通し、陽極組と電源モジュールの定電流出力端V+は連通し、第一陰極組、第二陰極組と電源モジュールの定電流出力端V-は連通し、オゾン水発生装置は陽極組と第一陰極組、第二陰極組を通して、電解給電回路を形成し、水の電気分解によりオゾン水生成を開始する。
時間TA(好ましくは25秒)を経過した後、MCUモジュールのコントロール出力端がNチャンネルMOS管MN2のグリッド極に提供する信号は相対的に高いレベルの電力となり、PチャンネルMOS管P2は導通し、NチャンネルMOS管N1は停止し、第一陰極組と電源モジュールの定電流出力端V+は連通し、オゾン水発生装置は、陽極組と第二陰極組を通して、電解給電回路を形成し、水の電気分解によりオゾン水生成を開始する。
同時に、第一陰極組と第二陰極組はもう1個の給電回路を形成し、第一陰極組上に形成される水垢は電界の作用下で取り除かれる。
時間TB秒を経過後、MCUモジュールコントロール出力端がNチャンネルMOS管MN2のグリッド極に提供する信号は、相対的に低いレベルの電力となり、PチャンネルMOS管P2は停止し、NチャンネルMOS管N1は導通し、第一陰極組と電源モジュールの定電流出力端V-は連通し、陽極組と第一陰極組、第二陰極組を通して、電解給電回路を形成し、水の電気分解によるオゾン水生成を継続する。
さらにTA秒の時間を経過後、MCUモジュールのコントロール出力端がNチャンネルMOS管MN3のグリッド極に提供する信号は相対的に高いレベルの電力となり、NチャンネルMOS管N2は停止し、PチャンネルMOS管P3は導通し、第二陰極組、陽極組と電源モジュールの定電流出力端V+は連通し、第一陰極組と電源モジュールの定電流出力端V-は連通し、オゾン水発生装置は、陽極組と第一陰極組を通して、電解給電回路を形成し、水の電気分解によるオゾン水生成を継続する。
同時に、第二陰極組と第一陰極組はもう1個の給電回路を形成し、第二陰極組上に形成される水垢は電界の作用下で取り除かれる。
時間TBを経過後、MCUモジュールのコントロール出力端がNチャンネルMOS管MN3のグリッド極に提供する信号は、相対的に低いレベルの電力となり、PチャンネルMOS管P3は停止し、NチャンネルMOS管N2は導通し、第二陰極組と電源モジュールの定電流出力端V-は連通し、オゾン水発生装置は陽極組と第一陰極組、第二陰極組を通して、電解給電回路を形成し、水の電気分解によるオゾン水生成を継続し、次のサイクルに入り、前述の動作を繰り返す。
【0015】
ステップ三: 水の使用を停止すると、フロースイッチは切断され、MCUモジュールの信号入力端は、フロースイッチ切断信号を受け取り、そのコントロール出力端はNチャンネルMOS管MN1、NチャンネルMOS管MN2、NチャンネルMOS管MN3のグリッド極に、相対的に低いレベルの電力信号を提供し、NチャンネルMOS管MN1、NチャンネルMOS管MN2、NチャンネルMOS管MN3は停止し、PチャンネルMOS管P1、PチャンネルMOS管P2、PチャンネルMOS管P3は停止し、NチャンネルMOS管N1、NチャンネルMOS管N2は導通し、第一陰極組、第二陰極組と電源モジュールの定電流出力端V-は連通し、陽極組と電源モジュールの定電流出力端V+は切断され、電解プレート部材ユニットは給電されないため、オゾン水発生装置はスタンバイ状態に入る。
【0016】
本発明の効果は以下の通りである。
本発明は、2個の陰極組を設置し、しかも作動過程において、本発明の給電コントロール方法は、水電解の過程では、2個の陰極組が短時間で相対的に高いレベルの電力を交替に獲得し、他の時間は、2個の陰極組は、相対的に低いレベルの電力を獲得し、これにより使用過程においてオゾン水発生装置の陰極表面に生じた水垢は、タイムリーに取り除かれ、オゾン水発生装置の電解性能は保証され、薬剤により水垢を除去する必要はなく、メンテナンスの必要もないため、ユーザーに良好な使用経験を提供でき、しかも作動過程で同時に水垢除去を行い、生じた気体は水流とともに排出され、別に気体排出口を設置する必要はなく、コントロール回路は電界効果トランジスタをパワースイッチングデバイスに採用し、接点がないため高速スイッチングを実現でき、本発明は構造が簡単で、作動は安定し、水垢除去効果は良好である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】本発明による電解水タンク構造の断面模式図である。
【
図3】本発明による電解プレート部材ユニットの構造模式図である。
【
図4】本発明による水垢除去効果を増強した電解水タンクの構造模式図である。
【
図5】本発明による水垢除去効果を増強した電解プレート部材ユニットの構造模式図である。
【
図6】本発明によるコントロール回路の原理図である。
【
図7】本発明による各電極セット作動過程の波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(一実施形態)
本発明「オゾン水発生装置の給電コントロール方法」の構造組成、及びそれが生じる効果について、図を合わせて、実施形態を用い以下に詳細に説明する。
図1に示す通り、オゾン水発生装置は、相互に連接する電解水タンク1、給電コントロール回路ユニット2及びフロースイッチ3を有する。
【0019】
図2、
図3に示す通り、電解水タンク1は、ケース体12を有し、ケース体12内には、電解プレート部材ユニット11を設置する。
電解プレート部材ユニット11は、n個の陽極板により組成される陽極組111、2n個の第一陰極板により組成される第一陰極組112、2個の第二陰極板により組成される第二陰極組113を有する。
nは≧1の自然数で、本実施形態中ではn=2で、2個の陽極板は陽極組111を組成し、4個の第一陰極板は第一陰極組112を組成し、2個の第二陰極板は第二陰極組113を組成する。
第一陰極板、陽極板は順番に間隔を開けて設置し、第二陰極板は、最も外側の第一陰極板の外側に置かれる。
第一陰極組112の第一陰極板は、有孔チタン板或いは有孔ステンレス板を採用し、第二陰極組113の第二陰極板は、チタン板或いはステンレス板を採用し、陽極組111の陽極板は、ドープした二酸化チタンスズ陽極板を採用する。
陽極組111の各陽極板はすべて陽極板114と相互に連接し、陽極板114下端には、陽極導電性コラム117を設置し、陽極導電性コラム117は電解水タンク1のケース体12の底部を貫通する。
第一陰極組112の各第一陰極板と第一陰極導電板115は相互に連接し、第一陰極導電板115下端には、第一陰極導電性コラム118を設置し、第一陰極導電性コラム118は、電解水タンク1のケース体12の底部を貫通する。
第二陰極組113の各第二陰極板と第二陰極導電板116は相互に連接し、第二陰極導電板116下端には、第二陰極導電性コラム119を設置し、第二陰極導電性コラム119は、電解水タンク1のケース体12の底部を貫通する。
ケース体12の上方には、電解水タンク1の頂部蓋13を密封して連接し、頂部蓋13上には、進水口131と出水口132を設置する。
ケース体12の底部内側と頂部蓋13の頂部内側には、相互に対応する底部電極板スペーサー121と頂部電極板スペーサー133をそれぞれ設置し、各第一陰極板、各第二陰極板、各陽極板上下両端はすべて、対応する頂部電極板スペーサーと底部電極板スペーサー内に挿入され、絶縁を実現し、隣り合う電極板のショートを回避する。
【0020】
図4、
図5に示す通り、水垢除去効果をさらに高めるため、電解プレート部材ユニット11は、n個の陽極板により組成される陽極組111、2n個の第一陰極板により組成される第一陰極組112、n+1個の第二陰極板により組成される第二陰極組113を有し、nは≧1の自然数で、本実施形態中ではn=2である。
即ち2個の陽極板は陽極組111を組成し、4個の第一陰極板は第一陰極組112を組成し、3個の第二陰極板は第二陰極組113を組成する。
第一陰極板、第二陰極板、陽極板は順番に間隔を開けて設置される。
【0021】
図6に示す通り、給電コントロール回路ユニット2は、相互に連接するMCUモジュール22、電源モジュール21、電解プレート制御回路ユニット23を有する。
フロースイッチ3は、MCUモジュール22の信号入力端に連接する。
電源モジュール21の電源入力端は、市内電源に連接する。
電源モジュール21は、2ルートで出力し、一ルートは5V出力しMCUモジュール22の電圧を安定させ、MCUモジュール22に給電し、もう一ルートは、定電流出力を提供し、電解プレート制御回路ユニット23に給電する。
電源モジュール21定電流出力の正極は、電気抵抗R1、電気抵抗R2、電気抵抗R3の一端及びPチャンネルMOS管P1(HM4458E)のソース極、PチャンネルMOS管P2(HM4458E)のソース極、PチャンネルMOS管P3(HM4458E)のソース極に連接する。
電気抵抗R1、電気抵抗R2、電気抵抗R3のもう一端は、PチャンネルMOS管P1のグリッド極、PチャンネルMOS管P2のグリッド極、PチャンネルMOS管P3のグリッド極にそれぞれ連接する。
PチャンネルMOS管P1のグリッド極、PチャンネルMOS管P2のグリッド極、PチャンネルMOS管P3のグリッド極はさらにそれぞれ、NチャンネルMOS管MN1(CJ8810)のドレイン極、NチャンネルMOS管MN2(CJ8810)のドレイン極、NチャンネルMOS管MN3(CJ8810)のドレイン極と相互に連接する。
NチャンネルMOS管N1(HM4354)のグリッド極、NチャンネルMOS管N2(HM4354)のグリッド極は、PチャンネルMOS管P2のグリッド極、PチャンネルMOS管P3のグリッド極にそれぞれ連接する。
NチャンネルMOS管N1のドレイン極、NチャンネルMOS管N2のドレイン極は、PチャンネルMOS管P2のドレイン極、PチャンネルMOS管P3のドレイン極とそれぞれ相互に連接する。
電源モジュール21定電流出力の負極は、NチャンネルMOS管MN1のソース極、NチャンネルMOS管MN2のソース極、NチャンネルMOS管MN3のソース極、NチャンネルMOS管N1のソース極、NチャンネルMOS管N2のソース極に連接する。
NチャンネルMOS管MN1のグリッド極、NチャンネルMOS管MN2のグリッド極、NチャンネルMOS管MN3のグリッド極は、MCUモジュール22のコントロール出力端に連接する。
PチャンネルMOS管P1のドレイン極は、電解水タンク1のケース体12の底部外側の陽極導電性コラム117に連接する。
PチャンネルMOS管P2のドレイン極とNチャンネルMOS管N1のドレイン極は、電解水タンク1のケース体12の底部外側の第一陰極導電性コラム118に連接する。
PチャンネルMOS管P3のドレイン極とNチャンネルMOS管N2のドレイン極は、電解水タンク1のケース体12の底部外側の第二陰極導電性コラム119に連接する。
【0022】
本発明によるオゾン水発生装置の給電コントロール方法において、1個のループサイクル内では、陽極組111に相対的に高いレベルの電力を供給し続ける。
1個のループサイクル内では、第一陰極組112に相対的に低いレベルの電力を供給し、TA秒の経過後、第一陰極組112に相対的に高いレベルの電力を供給する。
TB秒を経て、相対的に低いレベルの電力供給を回復し、1個のループサイクル内では、第二陰極組113に相対的に低いレベルの電力を供給し、"2TA+TB"秒の経過後、第二陰極組113に相対的に高いレベルの電力を供給し、TB秒を経て、相対的に低いレベルの電力供給を回復し、次のサイクルに入る。
【0023】
1個のループサイクルの時間は"2TA+2TB"で、TBは"(4/5)*(TA+TB)"より小さく、"1/15)*(TA+TB)"より大きく、好ましくは、"TA+TB"=30秒で、TB=5秒である。
図7に示す各電極セットの作動過程波形図を参照されたい。
【0024】
本発明は執行時に、以下のステップを含む。
ステップ一: 電解水タンク1及びフロースイッチ3を、給水パイプライン上に取り付け、水源と電源を開通する。
スタンバイ時、MCUモジュール22のコントロール出力端はNチャンネルMOS管MN1のグリッド極、NチャンネルMOS管MN2のグリッド極、NチャンネルMOS管MN3のグリッド極に、相対的に低いレベルの電力信号を提供し、NチャンネルMOS管MN1、NチャンネルMOS管MN2、NチャンネルMOS管MN3は停止し、PチャンネルMOS管P1、PチャンネルMOS管P2、PチャンネルMOS管P3は停止し、NチャンネルMOS管N1、NチャンネルMOS管N2は導通し、第一陰極組112、第二陰極組113と電源モジュール21の定電流出力端V-は連通し、陽極組111と電源モジュール21の定電流出力端V+は切断され、電解プレート部材ユニットは給電されず、オゾン水発生装置は作動停止状態となる。
【0025】
ステップ二: 水の使用時には、フロースイッチ3を閉鎖し、MCUモジュール22の信号入力端は、フロースイッチ閉鎖信号を受け取り、そのコントロール出力端はNチャンネルMOS管MN1のグリッド極に、相対的に高いレベルの電力信号を提供し、NチャンネルMOS管MN2のグリッド極、NチャンネルMOS管MN3のグリッド極に相対的に低いレベルの電力信号を提供し、NチャンネルMOS管MN1は導通し、NチャンネルMOS管MN2、NチャンネルMOS管MN3は停止し、PチャンネルMOS管P1は導通し、PチャンネルMOS管P2、PチャンネルMOS管P3は停止し、NチャンネルMOS管N1、NチャンネルMOS管N2は導通し、陽極組111と電源モジュール21の定電流出力端V+は連通し、第一陰極組112、第二陰極組113と電源モジュール21の定電流出力端V-は連通し、オゾン水発生装置は、陽極組111と第一陰極組112、第二陰極組113を通して、電解給電回路を形成し、水の電気分解によりオゾン水生成を開始する。
時間TA(好ましくは25秒)を経過した後、MCUモジュール22のコントロール出力端がNチャンネルMOS管MN2のグリッド極に提供する信号は相対的に高いレベルの電力となり、PチャンネルMOS管P2は導通し、NチャンネルMOS管N1は停止し、第一陰極組と電源モジュール21の定電流出力端V+は連通し、オゾン水発生装置は、陽極組111と第二陰極組113を通して、電解給電回路を形成し、水の電気分解によりオゾン水生成を開始する。
同時に、第一陰極組112と第二陰極組113はもう1個の給電回路を形成し、第一陰極組112上に形成される水垢は電界の作用下で取り除かれる。
時間TB(好ましくは5秒)を経過した後、MCUモジュール22のコントロール出力端がNチャンネルMOS管MN2のグリッド極に提供する信号は、相対的に低いレベルの電力となり、PチャンネルMOS管P2は停止する。
NチャンネルMOS管N1は導通し、第一陰極組と電源モジュール21の定電流出力端V-は連通し、陽極組と第一陰極組、第二陰極組を通して、電解給電回路を形成し、水の電気分解によるオゾン水生成を継続する。
さらにTA時間を経過後、MCUモジュール22のコントロール出力端がNチャンネルMOS管MN3のグリッド極に提供する信号は相対的に高いレベルの電力となり、NチャンネルMOS管N2は停止し、PチャンネルMOS管P3は導通し、第二陰極組113、陽極組111と電源モジュール21の定電流出力端V+は連通し、第一陰極組112と電源モジュール21の定電流出力端V-は連通し、オゾン水発生装置は、陽極組111と第一陰極組112を通して、電解給電回路を形成し、水の電気分解によるオゾン水生成を継続する。
同時に、第二陰極組113と第一陰極組112はもう1個の給電回路を形成し、第二陰極組上に形成される水垢は電界の作用下で取り除かれる。
時間TB(好ましくは5秒)を経過した後、MCUモジュール22のコントロール出力端がNチャンネルMOS管MN3のグリッド極に提供する信号は、相対的に低いレベルの電力となり、PチャンネルMOS管P3は停止し、NチャンネルMOS管N2は導通し、第二陰極組113と電源モジュール21の定電流出力端V-は連通し、オゾン水発生装置は、陽極組111と第一陰極組112を通して、第二陰極組113は電解給電回路を形成し、水の電気分解によるオゾン水生成を継続し、次のサイクルに入り、前述の動作を繰り返す。
図7の各電極セットの作動過程波形図に示す通り、図中のV0はV+とV-の間の電圧に等しく、V1はVCCとV-の間の電圧に等しい。
【0026】
ステップ三: 水の使用を停止すると、フロースイッチ3は切断され、MCUモジュール22の信号入力端は、フロースイッチ切断信号を受け取り、そのコントロール出力端はNチャンネルMOS管MN1、NチャンネルMOS管MN2、NチャンネルMOS管MN3のグリッド極に、相対的に低いレベルの電力信号を提供し、NチャンネルMOS管MN1、NチャンネルMOS管MN2、NチャンネルMOS管MN3は停止し、PチャンネルMOS管P1、PチャンネルMOS管P2、PチャンネルMOS管P3は停止し、NチャンネルMOS管N1、NチャンネルMOS管N2は導通し、第一陰極組112、第二陰極組113と電源モジュール21の定電流出力端V-は連通し、陽極組111と電源モジュール21の定電流出力端V+は切断され、電解プレート部材ユニットは給電されないため、オゾン水発生装置はスタンバイ状態に入る。
【0027】
前述した本発明の実施形態は本発明を限定するものではなく、よって、本発明により保護される範囲は後述される特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0028】
1 電解水タンク、
11 電解プレート部材ユニット、
111 陽極組、
112 第一陰極組、
113 第二陰極組、
114 陽極導電板、
115 第一陰極導電板、
116 第二陰極導電板、
117 陽極導電性コラム、
118 第一陰極導電性コラム、
119 第二陰極導電性コラム、
12 ケース体、
121 底部電極板スペーサー、
13 頂部蓋、
131 進水口、
132 出水口、
133 頂部電極板スペーサー、
2 給電コントロール回路ユニット、
21 電源モジュール、
22 MCUモジュール、
23 電解プレート制御回路ユニット、
3 フロースイッチ。