(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097753
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】パッティング領域の地形を調節する仮想ゴルフ装置
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20240711BHJP
A63B 69/00 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A63B69/36 522F
A63B69/00 A
A63B69/36 522B
A63B69/36 512M
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023218851
(22)【出願日】2023-12-26
(31)【優先権主張番号】10-2023-0002359
(32)【優先日】2023-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】323014764
【氏名又は名称】エスジーエム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SGM Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100096703
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウィボム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ガプス
(57)【要約】
【課題】本発明はパッティング領域の地形を調節する仮想ゴルフ装置を提供する。
【解決手段】上記仮想ゴルフ装置は、仮想ゴルフコースを表示する表示手段と、ユーザがパッティングする実際のゴルフボールが置かれているパッティング地点と前記表示手段との間の領域をパッティング領域とするときに、前記パッティング領域の少なくとも一部を平坦地形または非平坦地形に形成することができる地形調節手段と、ユーザが実際のゴルフボールをパッティングすれば、パッティングされた実際のゴルフボールの状態を感知する感知手段と、前記感知手段の感知結果を用いて、前記仮想ゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出過程を行う算出部とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想ゴルフコースを表示する表示手段と、
ユーザがパッティングする実際のゴルフボールが置かれているパッティング地点と前記表示手段との間の領域をパッティング領域とするときに、前記パッティング領域の少なくとも一部を平坦地形または非平坦地形に形成することができる地形調節手段と、
ユーザが実際のゴルフボールをパッティングすれば、パッティングされた実際のゴルフボールの状態を感知する感知手段と、
前記感知手段の感知結果を用いて、前記仮想ゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出過程を行う算出部とを
含む
仮想ゴルフ装置。
【請求項2】
前記感知手段は前記実際のゴルフボールが前記パッティング領域を通過する間のどれか一つの時点である感知時点で前記実際のゴルフボールの状態を感知し、前記算出部は前記感知時点での感知結果を用いて算出過程を行う、請求項1に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項3】
前記感知時点は、前記実際のゴルフボールが前記パッティング領域の半分以上を通過した後の時点または前記実際のゴルフボールが前記表示手段が位置する地点の近傍に到達する時点を含む、請求項2に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項4】
前記感知手段は、前記実際のゴルフボールがパッティングされた直後に前記実際のゴルフボールの状態を一次感知し、前記算出部は前記一次感知結果に基づいてユーザがパッティングした実際のゴルフボールが前記表示手段に到達するかを判断し、前記実際のゴルフボールが前記表示手段が位置する地点まで到達すると判断される場合、前記感知手段は前記感知時点で前記実際のゴルフボールの状態を二次感知する、請求項2に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項5】
前記感知手段は前記一次感知を行う第1感知手段と前記二次感知を行う第2感知手段とを含む、請求項4に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項6】
前記パッティング領域の少なくとも一部に映像が表示されるように前記映像を提供する映像提供手段をさらに含み、
ユーザがパッティングする前に前記仮想ゴルフボールと前記仮想ゴルフコースにおける目標地点であるホールカップとの間の距離をパッティング距離とするときに、前記パッティング距離が所定の基準距離より大きい場合には前記表示手段に表示される前記仮想ゴルフコースに前記ホールカップが表示され、前記パッティング距離が所定の基準距離より小さい場合には前記映像提供手段によって前記パッティング領域の少なくとも一部に前記ホールカップが表示される、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項7】
前記基準距離は前記パッティング地点と前記表示手段との間の距離の以下である、請求項6に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項8】
前記地形調節手段は、ユーザのパッティング前に前記仮想ゴルフボールと前記仮想ゴルフコースにおける目標地点であるホールカップとの間の領域の地形に対応するように、前記パッティング領域の少なくとも一部を平坦地形又は非平坦地形に形成する、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項9】
ユーザがパッティングした実際のゴルフボールが前記表示手段が位置する地点まで到達する場合、前記パッティングされた実際のゴルフボールが前記表示手段に到達した後または前記表示手段の近傍に到達した後に、前記仮想ゴルフボールが前記表示手段に表示される、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項10】
前記表示手段の近傍に配置されてユーザがパッティングした実際のゴルフボールを捕獲するゴルフボールの捕獲ユニットをさらに含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の仮想ゴルフ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は仮想ゴルフ装置に関するものであり、より具体的に仮想ゴルフ装置でユーザがパッティングしたゴルフボールが移動する領域の地形を実際のゴルフ場での地形に対応するように形成することができる仮想ゴルフ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、ゴルフの人気が高まりながら仮想ゴルフ装置などを利用して室内でゴルフをプレイすることができるスクリーンゴルフが広く普及されている。スクリーンゴルフではスクリーンを介してゴルフ場の映像が表示されるので、屋外で実際の競技をしているような感じを与えることができる。また、屋外のフィールドで試合することに比べて時間とコストがセーブされるので、スクリーンゴルフは時間や経済的な理由などで実際の競技をプレイし難い現代人に人気が高い。
【0003】
スクリーンゴルフを利用する人々が増加しながらユーザの期待が高まっている。特に、ほとんどのユーザはスクリーンゴルフをプレイしながら、まるで実際のゴルフ場でゴルフをプレイしているようなリアリティを体感することを望む。例えば、グリーンで行われるパッティングはゴルフのスコアに大きな影響を与える重要な段階と言え、実際のゴルフではグリーンの傾斜などのような地形特性によってパッティングの結果が変わることができる。スクリーンゴルフのパッティング段階で実際のゴルフ場のグリーンでパッティングすることと類似な状況を形成することができれば、スクリーンゴルフのリアリティを大きく向上させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような事情を勘案して発明されたものであり、仮想ゴルフ装置でユーザがパッティングしたゴルフボールが移動する領域の地形を実際のゴルフ場での地形と対応するように形成することにより、仮想ゴルフプレイのリアリティを大きく向上させることができる仮想ゴルフ装置を提供することをその目的とする。
また、本発明の他の目的は、以下の説明と添付した図面から明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置は、仮想ゴルフコースを表示する表示手段と、ユーザがパッティングする実際のゴルフボールが置かれているパッティング地点と前記表示手段との間の領域をパッティング領域とするときに、前記パッティング領域の少なくとも一部を平坦地形または非平坦地形に形成することができる地形調節手段と、ユーザが実際のゴルフボールをパッティングすれば、パッティングされた実際のゴルフボールの状態を感知する感知手段と、前記感知手段の感知結果を用いて、前記仮想ゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出過程を行う算出部とを含む。
【0006】
上記仮想ゴルフ装置において、前記感知手段は前記実際のゴルフボールが前記パッティング領域を通過する間のどれか一つの時点である感知時点で前記実際のゴルフボールの状態を感知し、前記算出部は前記感知時点での感知結果を用いて算出過程を行う。
上記仮想ゴルフ装置において、前記感知時点は、前記実際のゴルフボールが前記パッティング領域の半分以上を通過した後の時点または前記実際のゴルフボールが前記表示手段が位置する地点の近傍に到達する時点を含む。
【0007】
上記仮想ゴルフ装置において、前記感知手段は、前記実際のゴルフボールがパッティングされた直後に前記実際のゴルフボールの状態を一次感知し、前記算出部は前記一次感知結果に基づいてユーザがパッティングした実際のゴルフボールが前記表示手段に到達するかを判断し、前記実際のゴルフボールが前記表示手段が位置する地点まで到達すると判断される場合、前記感知手段は前記感知時点で前記実際のゴルフボールの状態を二次感知する。
【0008】
上記仮想ゴルフ装置において、前記感知手段は前記一次感知を行う第1感知手段と前記二次感知を行う第2感知手段とを含む。
上記仮想ゴルフ装置は前記パッティング領域の少なくとも一部に映像が表示されるように前記映像を提供する映像提供手段をさらに含み、ユーザがパッティングする前に前記仮想ゴルフボールと前記仮想ゴルフコースにおける目標地点であるホールカップとの間の距離をパッティング距離とするときに、前記パッティング距離が所定の基準距離より大きい場合には前記表示手段に表示される前記仮想ゴルフコースに前記ホールカップが表示され、前記パッティング距離が所定の基準距離より小さい場合には前記映像提供手段によって前記パッティング領域の少なくとも一部に前記ホールカップが表示される。
【0009】
上記仮想ゴルフ装置において、前記基準距離は前記パッティング地点と前記表示手段との間の距離の以下である。
上記仮想ゴルフ装置において、前記地形調節手段は、ユーザのパッティング前に前記仮想ゴルフボールと前記仮想ゴルフコースにおける目標地点であるホールカップとの間の領域の地形に対応するように、前記パッティング領域の少なくとも一部を平坦地形又は非平坦地形に形成する。
【0010】
上記仮想ゴルフ装置において、ユーザがパッティングした実際のゴルフボールが前記表示手段が位置する地点まで到達する場合、前記パッティングされた実際のゴルフボールが前記表示手段に到達した後または前記表示手段の近傍に到達した後に、前記仮想ゴルフボールが前記表示手段に表示される。
上記仮想ゴルフ装置は前記表示手段の近傍に配置されてユーザがパッティングした実際のゴルフボールを捕獲するゴルフボールの捕獲ユニットをさらに含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明の仮想ゴルフ装置によれば、ユーザがパッティングしたゴルフボールが移動する領域の地形を実際のゴルフ場での地形と対応するように形成することにより、仮想ゴルフプレイのリアリティを大きく向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
【
図2】
図1の仮想ゴルフ装置における制御ユニットの詳細構成を示す図である。
【
図3】
図1の仮想ゴルフ装置に適用可能な動作方法の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図3の動作方法の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図5】
図3の動作方法の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図6】
図3の動作方法の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図7】
図3の動作方法の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図8】
図3の動作方法の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図9】
図3の動作方法の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図10】
図3の動作方法の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図11】
図3の動作方法の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図12】
図3の動作方法の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図13】
図3の動作方法の各ステップを具体的に説明するための図である。
【
図14】仮想ゴルフボールの動きを算出して表示する一動作方式の例を説明するための図である。
【
図15】仮想ゴルフボールの動きを算出して表示する一動作方式の例を説明するための図である。
【
図16】本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
【
図17】本発明のまた他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
【
図18】
図16又は
図17の仮想ゴルフ装置に適用可能な動作方法の一例を示すフローチャートである。
【
図19】本発明のまた他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
【
図20】
図19の仮想ゴルフ装置においてゴルフボールの捕獲ユニットの具現例を示す図である。
【
図21】
図19の仮想ゴルフ装置においてゴルフボールの捕獲ユニットの具現例を示す図である。
【
図22】
図19の仮想ゴルフ装置においてゴルフボールの捕獲ユニットの具現例を示す図である。
【
図23】本発明のまた他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
【
図24】複数の仮想ゴルフ装置がネットワークに連結されているシステムの概略的な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明の目的、特徴、利点は以下の実施例から容易に理解できるであろう。本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底的で完全なものとなるように、かつ本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供されるものである。よって、以下の実施例により本発明が限定されてはならない。
【0014】
本明細書において、第1、第2などの用語が様々な要素(elements)を記述するために使用されたが、前記要素がこのような用語によって限定されてはならない。この用語は、単に前記要素を相互に区別するために使用されただけである。また、とある層(膜)が他の層(膜)または基板上にあると言及されている場合に、それは、他の層(膜)または基板上に直接形成されること、またはそれらの間に第3の層(膜)が介在することもできることを意味する。
【0015】
図面において、要素の大きさ、または要素間の相対的な大きさは、本発明に対するさらに明確な理解のために多少誇張して図示できる。また、図示した要素の形状が製造工程上の変異などによって多少変更できるであろう。したがって、本明細書で開示した実施例は、特別な記載がない限り、図示した形状に限定されてはならず、ある程度の変形を含むものと理解されるべきである。
【0016】
図1は本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図であり、
図2は
図1の仮想ゴルフ装置における制御ユニットの詳細構成を示す図である。
図1を参照すると、仮想ゴルフ装置(100)は、打撃領域(110)、感知手段(120)、 制御ユニット(130)、プロジェクター(140、150)、スクリーン(160)、パッティング領域(170)、地形調節手段(180)を含む。
【0017】
打撃領域(110)はユーザがゴルフボールを打撃するために位置する領域である。打撃領域(110)はプレート形態の物体から構成されたり、又は打撃領域(110)は単に仮想ゴルフ装置が設置されている場所のフロアとしてユーザが位置する部分から構成されたりすることができる。図面に図示されていないが、打撃領域(110)には打撃用ゴルフボールが置かれる打撃マットが具備されており、前記打撃マットには上下に移動可能な構造のオートティーが設けられる。前記オートティーを通じてユーザに打撃用ゴルフボールが自動的に提供されることができる。
【0018】
感知手段(120)はユーザが打撃したゴルフボールの動きなどを感知する。感知手段(120)としてゴルフボールの動きを把握することができるカメラや感知センサーなどを使用することができる。感知手段(120)には、イメージセンシング、発光/受光センシング、レーザセンシングなど様々なセンシング方式を適用することができ、このようなセンシング方式でユーザが打撃したゴルフボールの状態情報を把握することができる。前記カメラや感知センサーなどは、単独に使用されたり又は一緒に使用されたりすることができ、一個のみが使用されたり又は複数個が使用されたりすることもできる。
【0019】
制御ユニット(130)は、仮想ゴルフ装置の構成品の間の全体的な動作を制御する。
図2を参照すると、制御ユニット(130)は送受信部(131)とコントロール部(132)と算出部(133)と映像処理部(134)と貯蔵部(135)とを含む。送受信部(131)は制御ユニット(130)が仮想ゴルフ装置の他の構成品と情報及び/又は各種コマンド等を送受信する際に用いることができる。コントロール部(132)は他の構成品を制御するために他の構成品に制御コマンドを与えること等のような動作を行う。例えば、制御ユニット(130)は打撃マットに設けられたオートティーを制御して、ユーザが打撃する時点に合わせてオートティーで打撃用ゴルフボールを提供することができる。算出部(133)はユーザが打撃したゴルフボールの物理的状態等に基づいて、前記物理的状態の通りゴルフボールが実際のゴルフ場で移動すると仮定するときの軌跡を算出する算出過程を行う。ここで、ユーザが打撃したゴルフボールの物理的状態は感知手段(120)によって感知されて算出部(133)に伝達され、算出部(133)は伝達された情報に基づいて算出過程を行うことになる。映像処理部(134)はスクリーン(160)を介してユーザに提供する映像を生成するなどの映像に関する動作を行う。貯蔵部(135)は制御ユニット(130)が様々な動作を行うために必要な各種プログラムやデータ等を貯蔵する役割をする。
【0020】
プロジェクター(140、150)とスクリーン(160)とはゴルフに関する映像をディスプレイしてユーザに提供する役割をする。プロジェクター(140、150)はユーザに提供する映像をスクリーン(160)などのような表示手段に投射する役割をし、スクリーンは投射されたゴルフ関連映像を表示してユーザに提供する役割をする。ここで表示手段はスクリーン(160)に限定されるものではなく、映像を表示する機能を有しているものであれば表示手段として用いることができる。本実施例において、プロジェクタ(140、150)は前方に配置されたスクリーンに映像を投射する第1プロジェクタ(140)と仮想ゴルフ装置が設置されている場所のフロアに映像を投射する第2プロジェクタ(150)を含む。第2プロジェクタ(150)が映像を投射するフロアは、打撃領域(110)及び/又は打撃領域(110)において打撃用ゴルフボールが置かれている地点と前方のスクリーン(160)との間の領域である。ユーザがゴルフボールをパッティングする場合、この領域はパッティングされたゴルフボールがスクリーン(160)に転がる時に通過する領域に該当する。本明細書ではこの領域を便宜上「パッティング領域(170)」と命名する。
【0021】
第2プロジェクタ(150)は必須ではなく省略可能である。また、本実施例による仮想ゴルフ装置には前方スクリーン用の第1プロジェクタ(140)とフロアに映像を投射する第2プロジェクタ(150)とが別々に設けられているが、1つのプロジェクタが複数の対象に映像を投射するように構成することも可能である。
【0022】
スクリーン(160)に表示されるゴルフ関連映像はゴルフボールに対する映像及び/又はユーザがプレイしているゴルフコースなどを示す映像などを含む。本明細書では、スクリーン(160)に表示される一部の対象に対して「仮想」という用語を付けて表現する場合があり得る。これは現実世界に存在する対象物との混同を避けるための目的であり、現実の世界に存在するものではなくスクリーンの映像に表示されるものであるという意味である。例えば、「仮想のゴルフコース」とはスクリーン(160)に表示されるゴルフコースという意味であり、「仮想のゴルフボール」とはスクリーン(160)に表示されるゴルフボールという意味である
【0023】
地形調節手段(180)はパッティング領域(170)の少なくとも一部または全部の地形を調整する役割をする。例えば、地形調節手段(180)はパッティング領域(170)を平坦な平坦地形に形成することができる。または、地形調節手段(180)はパッティング領域(170)を非平坦な非平坦地形に形成することができる。地形調節手段(180)の詳細内容については後述する。
【0024】
仮想ゴルフ装置はスクリーンゴルフ場に設置されてユーザがスクリーンゴルフをプレイすることができるようにする装置であり、ユーザがスクリーンゴルフをプレイする時に仮想ゴルフ装置の概略的な動作過程は次の通りである。ユーザがゴルフボールを打撃すると、感知手段(120)がユーザが打撃したゴルフボールの移動速度や移動方向などのような物理的な状態を感知する。感知手段(120)によって感知された感知情報は制御ユニット(130)に伝達され、制御ユニット(130)の算出部(133)は伝達された情報に基づいて算出過程を行う。スクリーン(160)などの表示手段では算出過程で算出された軌跡の通り仮想ゴルフボールが動く映像を表示し、このとき仮想ゴルフボールは算出された軌跡の通り移動した後にスクリーン(160)に表示される仮想ゴルフコースの特定地点に着地することになり、ユーザは仮想ゴルフボールの着地地点からネクスト打撃を続ける。
【0025】
本実施例による仮想ゴルフ装置では、地形調節手段(180)が具備されてパッティング領域(170)の地形を調節し、このような地形調節手段(180)のために仮想ゴルフ装置の動作方法は従来の動作方法と異なる。特に、地形調節手段(180)は主にパッティング段階で動作し、パッティング段階において本実施例による仮想ゴルフ装置に適用可能な動作方法にはいろいろな動作方法があり得る。以下ではいろいろな動作方法中の1つの例を説明する。
【0026】
図3は
図1の仮想ゴルフ装置に適用可能な動作方法の一例を示すフローチャートであり、
図4乃至
図13は
図3の動作方法の各ステップを具体的に説明するための図である。
図3を参照すると、パッティング段階における仮想ゴルフ装置の動作過程は第1乃至第10ステップ(S1‐S10)を含む。
【0027】
ゴルフプレイにおいてゴルフボールがグリーン領域に到達すると、最終目標地点であるホールカップがユーザの視野に入る。これによるパッティング段階に進入し、ユーザはゴルフボールがホールカップに入るようにゴルフボールを転がす「パッティング」をする。パッティング段階に進入すると、第1ステップ(S1)において、制御ユニット(130)は仮想ゴルフコースにおいて現在のユーザの仮想ゴルフボールが位置する地点と仮想ホールカップとの間の距離をチェックする。具体的には、上記距離と「基準距離」との間の大小を判別する。
図4を参照すると、仮想ゴルフコースにおいて仮想ゴルフボール(VB)と仮想ホールカップ(HC)との間の距離を第1距離(D1)とし、仮想ゴルフ装置が設置されている場所においてパッティングの対象である実際のゴルフボールが置かれている地点からスクリーンまでの距離を第2距離(D2)とするとき、前記「基準距離」を第2距離(D2)に設定することができる(または基準距離は第2距離(D2)より小さく設定してもよい)。第1ステップ(S1)では第1距離(D1)と第2距離(D2)との間の大小を判別する。
【0028】
第1距離(D1)が第2距離(D2)よりも小さい場合(第1距離(D1)と第2距離(D2)が等しい場合が含まれてもよい)には第2ステップ(S2)が実行され、第1距離(D1)が第2距離(D2)よりも大きい場合(第1距離(D1)と第2距離(D2)が等しい場合が含まれてもよい)には第3ステップ(S3)が実行される。
図5を参照すると、第2ステップ(S2)では仮想ゴルフ装置が設置されている場所のフロアのパッティング領域(170)に仮想ホールカップ(HC)が表示される。この時、仮想ホールカップ(HC)はスクリーン映像用である第1プロジェクタ(140)に加えてさらに備えられる第2プロジェクタ(150)によって形成することができる。
図6を参照すると、第3ステップ(S3)ではパッティング領域の代わりにスクリーン(160)に仮想ホールカップ(HC)が表示される。この時、仮想ホールカップ(HC)はスクリーン映像用である第1プロジェクタ(140)によって形成することができる。
【0029】
従来技術の仮想ゴルフ装置では、ゴルフボールを打撃するとゴルフボールが打撃された時点以降にはすべてのゴルフボールの打撃結果がスクリーンの映像に表示されるため、打撃後に実際のゴルフボールの動きや実際のゴルフボールが通過する場所はユーザが関心を持つ対象にならない。これに対し、本発明では、ゴルフボールがパッティングされるとパッティングされたゴルフボールが通過する場所であるパッティング領域(170)が実際のゴルフ場でパッティングされたゴルフボールが通過するグリーン領域と同一の役割をすることができるように、地形調節手段(180)等を通じてパッティング領域(170)をグリーン領域に対応する環境に形成する。仮想のゴルフコースで仮想のゴルフボールとホールカップとの間の距離(第1距離(D1))が基準距離(第2距離(D2))より小さいということは、実際のゴルフ場であればグリーン領域においてホールカップとパッティングする実際のゴルフボールとの間の距離が基準距離よりも小さいということを意味する。このような実際のゴルフ場での環境を反映することができるように、第1距離(D1)が第2距離(D2)より小さい場合、スクリーン(160)の代わりにパッティング領域(170)に仮想ホールカップ(HC)を表示する(第2ステップ(S2)の実施).逆に仮想のゴルフコースで仮想のゴルフボールとホールカップとの間の距離(第1距離(D1))が基準距離(第2距離(D2))より大きいということは、実際のゴルフ場であればグリーン領域においてホールカップとパッティングする実際のゴルフボールとの間の距離が基準距離よりも大きいということを意味する。このような実際のゴルフ場での環境を反映するためにホールカップはスクリーン(160)より遠くに位置する必要があり、この場合にはパッティング領域(170)に仮想ホールホール(HC)を表示せずスクリーン映像を通じて仮想ホールカップ(HC)を表示する(第3ステップ(S3)の実施).
【0030】
仮想ホールカップ(HC)を表示した後、第4および第5ステップ(S4、S5)を行う。これらのステップはパッティング領域(170)を実際のゴルフ場のグリーン領域と対応する環境に形成するために行われる。第4ステップ(S4)では仮想ゴルフコースにおける仮想ホールカップ(HC)と仮想ゴルフボール(VB)との間のグリーン領域の地形的特性を把握し、第5ステップ(S5)では地形調節手段(180)を用いてパッティング領域(170)の地形を調節することにより、パッティング領域(170)が第4ステップ(S4)で把握された地形的特性と対応する特性を有するようにする。
【0031】
グリーン領域の地形特性はグリーン領域の傾斜を含む。実際のゴルフ場でグリーン領域の地形は単純な平地である場合よりも高低が一定ではなく複雑な傾斜地形である場合が多く、実際のゴルフでゴルフボールをパッティングする時にパッティングされたゴルフボールがグリーン領域を転がしながらグリーン領域の地形特性に影響を受けることになる。例えば、グリーン領域の地形が平坦ではなく左が高く右が低い傾斜地形であれば、正面にあるホールカップに向かってゴルフボールをパッティングしてもゴルフボールが正面に転がってホールインされる代わりにゴルフボールが右に曲がってホールインに失敗する可能性が高い。
【0032】
仮想ゴルフ装置のスクリーンに表示されるほとんどの仮想ゴルフコースは実際のゴルフ場のゴルフコースをモデルにして作成されるため、仮想ゴルフコースは実際のゴルフ場でのグリーン領域の地形特性をそのまま反映するように形成される。しかし、仮想ゴルフコースにおいてグリーン領域に傾斜地形が形成されても、従来技術による仮想ゴルフ装置でプレイする際にはパッティングされたゴルフボールが仮想ゴルフ装置が設置されている場所のフロアで転がり、仮想ゴルフ装置が設置されている場所のフロアは通常平坦になっているため、パッティングされた実際のゴルフボールがグリーン領域の地形的特性に影響を受けることは発生しない。従来技術によれば、仮想ゴルフコースにおけるグリーン領域の地形特性は算出過程で仮想ゴルフボールの軌跡を算出する際にのみ反映されるようにしている。例えば、仮想ゴルフコースのグリーン領域の地形が左側が高く右側が低い傾斜地形であり、ユーザが実際のゴルフボールをホールカップに向かって正面にパッティングした場合、パッティングされた実際のゴルフボールがフロアで正面に向かって転がっても、仮想ゴルフボールは算出過程で右に曲がって転がる軌跡を有するように算出され、これによりスクリーンには算出結果の通り移動する仮想ゴルフボールが表示される。
【0033】
これに対し、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置には別途の地形調節手段(180)が備えられており、地形調節手段(180)によって仮想ゴルフ装置が設置されている場所のフロアのパッティング領域(170)の地形をグリーン領域の地形特性を反映するように形成することができる。
【0034】
図7を参照すると、パッティング領域(170)を構成するフロアの下には地形調節手段(180)が配置されている。パッティング領域(170)のフロアは地形調節手段(180)によって平坦地形または湾曲/傾斜地形(非平坦地形)になることができる柔軟な材料で形成することができる。地形調節手段(180)は複数の調整機構(181、182、183、184)を含む。複数の調整機構(181、182、183、184)の構成は一形態に限定されず様々な形態があり得る。例えば、複数の調整機構(181、182、183、184)のそれぞれはフロアの特定地点に接触する接触部分と接触部分を上下に移動させることができる駆動部分とから構成される。前記接触部分が上方に移動すると該当するフロアの部分は上に突出し、前記接触部分が下方に移動すると該当するフロアの部分は平坦形態又は下に凹んだ形態となる。このような方式で複数の接触部分の高低を適切に調整すれば、パッティング領域(170)に該当するフロアの地形を所望の形態に形成することができる。例えば、
図7(a)に図示されたように、複数の調整機構(181、182、183、184)において各接触部分が全て同一の高さにあればパッティング領域(170)におけるフロアには平坦な地形が形成されることができる。また
図7(b)に図示されたように、複数の調節機構(181、182、183、184)において接触部分の一部が上方に上昇し一部が下方に位置していれば、パッティング領域(170)におけるフロアには傾斜地形が形成されることができる。このように地形調節手段(180)を用いると、パッティング領域(170)の地形特性を所望の形態に調節することができる。
図8を参照すると、パッティング段階で仮想ホールカップ(HC)と仮想ゴルフボール(VB)との間のグリーン領域の地形が所定の形態の屈曲を有していると仮定するとき、第4ステップ(S4)において制御ユニット(130)はグリーン領域の屈曲形態を把握し、第5ステップ(S5)において制御ユニット(130)は地形調節手段(180)をコントロールしてパッティング領域(170)に上記把持された屈曲形態が形成されるように動作する。
【0035】
地形調節手段(180)の動作が完了した後、第6ステップ(S6)においてユーザはゴルフボールをパッティングする。地形調節手段(180)の動作によりユーザがパッティングしたゴルフボールは実際のゴルフコースのグリーン領域と同一の地形特性を有するパッティング領域(170)を通過し、このときにゴルフボールはパッティング領域(170)の地形特性に影響を受けながら転がる。例えば、パッティング領域(170)に地形調節手段(180)によって傾斜が形成されている場合、ユーザがパッティングしたゴルフボールは前記傾斜によって経路が変わって移動する。その結果、ユーザは実際のゴルフ場でパッティングしたようなリアリティーを体感することができる。
【0036】
図9を参照すると、ゴルフボールがパッティング領域(170)を通過しながらパッティング領域(170)の地形特性の影響を受けている間に、第7ステップ(S7)で感知手段(120)がゴルフボールの物理的状態を感知する。(
図9において感知手段(120)がゴルフボールを感知する瞬間は感知手段(120)であるカメラが輝く状態で表現されている)。感知手段(120)がゴルフボールを感知するときを「感知時点」とすると、感知時点はパッティングされたゴルフボールがパッティング領域(170)を通過する間の任意の時点である。特に、感知時点はパッティングされたゴルフボールがスクリーン(160)の近くに位置する時点であるほどよく、その理由は以下の通りである。
【0037】
従来技術では、パッティング領域がグリーン領域の地形特性を反映することができず平坦な状態であるため、パッティングされたゴルフボールがパッティング領域を通過してもスクリーンに表示されるグリーン領域の地形特性がゴルフボールに影響を及ぼす効果(例えば、グリーン領域の傾斜によってパッティングされたゴルフボールの経路が変わる効果)が発生することができない。したがって、従来技術ではパッティングされたゴルフボールがパッティング領域でどのように転がるかにかかわらず、パッティングが行われた直後のゴルフボールの状態を感知した後に感知結果に基づいて仮想ゴルフボールの軌跡を算出してスクリーンに表示する。 これに対して、本発明の実施例によれば、地形調節手段(180)によってパッティング領域(170)が仮想ゴルフコースにおけるグリーン領域の地形特性を反映するように形成されるため、パッティングされたゴルフボールがパッティング領域を通過するときにグリーン領域の地形特性がゴルフボールに影響を及ぼす効果(例えば、グリーン領域に傾斜がある場合にその傾斜によってパッティングされたゴルフボールの経路が変わる効果)がそのまま発揮される。したがって、ゴルフボールがパッティング領域(170)を通過する間には仮想ゴルフボールの軌跡を計算する必要はなく、ユーザがパッティングをしたことに対するプレイ結果は実際のゴルフボールが示す軌跡として表現することができる。ゴルフボールがスクリーン(160)付近に到達すると、ゴルフボールがパッティング領域(170)を通過してグリーン領域の地形特性を反映しているパッティング領域(170)の効果が作用することができないので、このときはゴルフボールの物理的状態を感知し前記感知結果に基づいて仮想ゴルフボールの軌跡を算出してスクリーン(160)に表示する。すなわち、パッティング領域(170)によってグリーン領域の地形特性がゴルフボールに影響を与える効果が発生する間には実際のゴルフと同様にプレイし、前記実際のゴルフでのプレイが不可能になったら実際のゴルフと同一のプレイの代わりに「ゴルフボールの軌跡」を算出するなどの仮想ゴルフのプレイが続くようにすることができ、このようなプレイ方式において実際のゴルフと同一のプレイができるだけ長く持続するようにするためには、前記感知時点はパッティングされたゴルフボールがスクリーン(160)に近づく時点であることが好ましい。ゴルフボールがスクリーン(160)付近に到達したときを感知時点に設定することが容易ではない場合(例えば、スクリーン(160)付近でゴルフボールの状態を感知し、感知結果に基づいて軌跡を算出し、算出された軌跡により移動する仮想ゴルフボールの映像を形成してスクリーン(160)に表示するのにある程度時間がかかり、スクリーン(160)付近で「感知/軌跡算出/仮想ゴルフボールの映像形成」などの一連の動作をするための時間が足りない場合)、感知時点をゴルフボールがスクリーン(160)からある程度離れた地点に到達する時点に設定することができる。しかしながら、この場合にもゴルフボールがパッティング領域(170)に進入した直後の時点は避けることが好ましい。例えば、ゴルフボールが少なくともパッティング領域(170)の半分以上を通過した後の時点を感知時点として設定することが良い。
【0038】
感知手段(120)は感知時点に対応する位置に設置することができる。例えば、
図9に図示されたように、感知時点がパッティングされた実際のゴルフボールがパッティング領域(170)の半分以上を通過した後の時点に設定される場合、感知手段(120)であるカメラは打撃領域(110)とスクリーン(160)との間の距離の半分になる位置からスクリーン(160)に向かってより偏った位置の壁面に設置されることができる。しかし、カメラは正面だけでなく左右に視野を調整した後に対象物を撮影することも可能であるため、カメラの設置位置を必ずしも感知時点に合わせた位置に限定する必要はない。例えば、カメラが打撃領域(110)付近の壁面に設置されていても、カメラの視野をスクリーン(160)側のフロアに向けるようにした後にスクリーン(160)近傍にあるゴルフボールを撮影することができ、これによりスクリーン(160)付近におけるゴルフボールの物理的状態を把握することができる。
【0039】
パッティングされたゴルフボールの物理的状態を感知した後、感知結果に基づいてゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの軌跡を算出し、算出された通りに移動する仮想ゴルフボールの映像を形成して表示する。仮想ゴルフボールの映像を表示する動作は第8乃至第10ステップ(S8、S9、S10)で実行される。
【0040】
第8ステップ(S8)では、パッティングされたゴルフボールがパッティング領域(170)を通過してスクリーン(160)に到達したかどうかをチェックする。パッティングされたゴルフボールがスクリーン(160)に到達するかどうかを判断するために別途のセンサを使用してもよい。前記センサがパッティングされたゴルフボールがスクリーン(160)に到達したことを感知する場合、前記センサは制御ユニット(130)に所定の到着信号を送信する。制御ユニット(130)での前記到着信号の受信の可否に応じて第9ステップ(S9)または第10ステップ(S10)が実行される。ここで別途のセンサは必須ではなく、スクリーン(160)に表示される仮想ゴルフボールの軌跡算出のためにゴルフボールの物理的状態を把握する際に使用される感知手段(120)を用いてゴルフボールがスクリーン(160)に到達するかどうかを把握することもできる。
【0041】
パッティングされたゴルフボールがスクリーン(160)に到達すると第9ステップ(S9)が実行される。第9ステップ(S9)ではスクリーン(160)に仮想ゴルフボール(VB)が表示される。パッティング領域(170)を通過している間には実際のゴルフボールがパッティング結果を表現し、実際のゴルフボールがスクリーン(160)に到達した後にはゴルフボールが転がることができずこれ以上パッティング結果を表現することができないので、実際のゴルフボールの代わりに仮想ゴルフボール(VB)がパッティング結果を表現する。仮想ゴルフボール(VB)はパッティング領域(170)を通過した実際のゴルフボールに続いてパッティング結果を表現するので、仮想ゴルフボール(VB)は実際のゴルフボールがスクリーン(160)付近に到達するまではスクリーン(160)に表示されず実際のゴルフボールがスクリーン(160)付近に到達した後にスクリーン(160)に表示されるようにすることができる。
【0042】
図10を参照すると、パッティング段階の進入時に仮想ゴルフボールとホールカップとの間の距離が「基準距離」より小さくてホールカップ(HC)がパルティング領域(170)のフロアに表示されている場合には、実際のゴルフボールがスクリーン(160)またはスクリーン(160)の近傍に到達した後、仮想ゴルフボール(VB)のみがスクリーン(160)に表示される。この場合、ゴルフボールがパッティング領域(170)に位置するホールカップ(HC)を過ぎてスクリーン(160)に表示されているグリーン領域の一地点で止まったことになるので、結果的にホールインに失敗してネクストパッティングが必要である。ネクストパッティングは現在のパッティング結果が維持されている状態で進行する。例えば、現在のパッティングでスクリーン中の仮想ゴルフボール(VB)がパッティング領域(170)のホールカップ(HC)から2m以上過ぎた位置で停止した場合、ネクストパッティングは打撃領域(110)の実際のゴルフボールが置かれている地点から2m前方にホールカップが表示されている状態で始まる。ここで、2mがパッティング地点とスクリーンとの間の距離より小さい場合にホールカップはパッティング領域(170)に表示され、2mがパッティング地点とスクリーンとの間の距離を超える場合にホールカップはスクリーン(160)に表示される。
【0043】
図11を参照すると、パッティング段階の進入時に仮想ゴルフボールとホールカップとの間の距離が「基準距離」より大きくてホールカップ(HC)がスクリーン(160)に表示されている場合には、実際のゴルフボールがスクリーン(160)またはスクリーン(160)の近傍に到達した後、仮想ゴルフボール(VB)はスクリーン(160)におけるホールカップ(HC)が表示されている映像の中に登場して表示される。スクリーン(160)に表示される仮想ゴルフボール(VB)は算出過程で算出された結果に基づいて動く。算出過程において仮想ゴルフボール(VB)がスクリーンのホールカップ(HC)にホールインされる結果が算出された場合、該当映像が表示されパッティングが終了する。算出過程において仮想ゴルフボール(VB)がスクリーンのホールカップ(HC)にホールインされない結果が算出された場合、仮想ゴルフボール(VB)がホールカップ(HC)以外の位置に止まる映像が表示される。これはホールインに失敗したことになるのでネクストパッティングが必要である。ネクストパッティングは現在のパッティングでの結果(映像における仮想ゴルフボール(VB)とホールカップ(HC)との間の位置関係)がそのまま維持された状態で進行する。
【0044】
パッティングされたゴルフボールがスクリーン(160)に到達しない場合に第10ステップ(S10)が実行される。第10ステップ(S10)ではスクリーン(160)に仮想ゴルフボールが表示されない。パッティング領域(170)を通過している間には実際のゴルフボールがパッティング結果を表現することができ、実際のゴルフボールがスクリーン(160)に到達しない場合には、スクリーン(160)にゴルフボールを表示する必要なく実際のゴルフボールだけでパッティング結果を表現することができる。すなわち、実際のゴルフボールがパッティング領域(170)を通過した後の状況を前提として表示される仮想のゴルフボールの映像が不要になる。
【0045】
図12を参照すると、パッティング段階の進入時に仮想ゴルフボールとホールカップとの間の距離が「基準距離」より小さくてホールカップ(HC)がパルティング領域(170)のフロアに表示されている場合には、スクリーン(160)に別途のホールカップ(HC)を表示する必要がなく、実際のゴルフボールが止まったときにこの手順のパッティングが完了する。実際のゴルフボールがホールカップ(HC)の映像に止まった場合にはホールインと認められ、実際のゴルフボールがホールカップ(HC)の映像以外の位置に止まった場合にはホールインに失敗したものとなりネクストパッティングが必要である。ネクストパッティングは実際のゴルフボールが現在停止している位置とホールカップ(HC)の位置との間の関係がそのまま維持された状態で進行する。
【0046】
図13を参照すると、パッティング段階の進入時に仮想ゴルフボールとホールカップとの間の距離が「基準距離」より大きくてホールカップ(HC)がスクリーン(160)に表示されている場合には、スクリーン(160)にはパッティング段階の進入時と同様にホールカップ(HC)が表示され、実際のゴルフボールはホールカップ(HC)の近傍まで到達せずパッティング領域(170)で停止したので、スクリーン(160)に仮想ゴルフボールの映像は表示されず現在のパッティングが完了する。これは、実際のゴルフボールがスクリーン(160)に到達せずスクリーン(160)映像のホールカップにホールインされないことを意味するので、ネクストパッティングが必要である。ネクストパッティングは実際のゴルフボールが現在停止している位置と映像に表示されるホールカップ(HC)の位置との間の関係がそのまま維持されている状態で進行する。このように、第10ステップ(S10)では実際のゴルフボールの動きだけでパッティング結果を表現することができ、仮想ゴルフボールの映像が不要であるため、仮想ゴルフボールの軌跡を算出するための算出過程を省略することできる。
【0047】
以上、地形調節手段を使用する場合にグリーン領域の地形特性を反映するようにパッティング領域を形成し、パッティングされたゴルフボールが前記パッティング領域を通過する間にはゴルフボールの実際の動きによってパッティング結果が表現されるようにすることができる仮想ゴルフ装置の動作方法について説明したが、上記動作方法は地形調節手段を用いる場合における仮想ゴルフ装置に適用可能な動作方法の一つであり、ここで説明しない他の方法を用いることも可能である。
【0048】
以下では、上述した動作方法または他の動作方法を使用する際に適用可能な、仮想ゴルフボールの動きを算出して表示する1つの動作方式について説明する。
【0049】
図14及び
図15は仮想ゴルフボールの動きを算出して表示する一動作方式の例を説明するための図である。
図14を参照すると、パッティング段階に進入してユーザがゴルフボールをパッティングし、パッティングされたゴルフボールの物理的状態を第1時点(T1)にで感知し、また第1時点(T1)から所定時間(ΔT) が経過した第2時点(T2)にゴルフボールがスクリーンまたはスクリーンの近傍に到達したと仮定する。ゴルフボールがスクリーンに到達した後にスクリーンには仮想ゴルフボール(VB)が表示される。スクリーンに表示される仮想ゴルフボール(VB)の動きは第1時点(T1)で把握される実際のゴルフボールの物理的状態を用いて算出された軌跡に基づく。
図15を参照すると、第1時点(T1)で把握された物理状態に基づいて特定軌跡が算出されるとすると、算出軌跡(P)は第1軌跡(P1)と第2軌跡(P2)とに区分される。ここで、第1軌跡(P1)は算出軌跡(P)のうち第1時点(T1)と第2時点(T2)との間に該当する部分であり、第2軌跡(P2)は算出軌跡(P)のうち第2時点(T2)以降の部分である。
【0050】
スクリーンに出力軌跡(P)に応じて移動する仮想ゴルフボール(VB)の映像を表示するときに、2つの異なる方法を使用することができる。第1方式は第1及び第2軌跡(P1、P2)を含む全体を仮想ゴルフボール(VB)に対する軌跡として仮想ゴルフボール(VB)が算出軌跡(P)に沿って移動する映像を表示することである。第2方式は第1及び第2軌跡(P1、P2)のうち、第1軌跡(P1)以外の第2軌跡(P2)のみを仮想のゴルフボール(VB)に対する軌跡として仮想ゴルフボール(VB)が第2軌跡(P2)に沿って移動する映像を表示することである。第2方式において第1軌跡(P1)を除外する理由は、第1軌跡(P1)は仮想ゴルフボール(VB)が第1時点(T1)と第2時点(T2)との間に移動する軌跡を示すが、第1時点(T1)と第2時点(T2)との間には実際のゴルフボールが感知時点からスクリーンやスクリーン近傍に到達するまでフロアを転がしながら示す動きによってゴルフボールの打撃結果を表現することができるので、実際のゴルフボールによって表現することができる部分に該当する仮想ゴルフボール(VB)の軌跡を省略するためである。ただし、第1時点(T1)と第2時点(T2)との間の時間差がそれほど大きくなく第1軌跡(P1)が算出軌跡(P)で占める比重が低ければ、第1軌跡(P1)の存否が全体的に重要ではない状況で第1軌跡(P1)を除外する過程を別々に実行することは非効率的であり、第1方式はこのような観点を反映する方式である。第1時点(T1)から第2時点(T2)までの時間差が小さい場合(実際のゴルフボールがスクリーンに近い状態で実際のゴルフボールの物理的状態を把握する場合)には第1方式を適用してもよく、第1時点(T1)から第2時点(T2)までの時間差が大きい場合(実際のゴルフボールがスクリーンから遠く離れた状態で実際のゴルフボールの物理的状態を把握する場合)には第2方式を適用することがよい。
【0051】
図16は本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図であり、
図17は本発明のまた他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図であり、
図18は
図16又は
図17の仮想ゴルフ装置に適用可能な動作方法の一例を示すフローチャートである。
【0052】
図16を参照すると、仮想ゴルフ装置(100)は、打撃領域(110)、感知手段(120)、 制御ユニット(130)、プロジェクター(140、150)、スクリーン(160)、パッティング領域(170)、地形調節手段(180)を含む。打撃領域(110)、感知手段(120)、 制御ユニット(130)、プロジェクター(140、150)、スクリーン(160)、パッティング領域(170)、地形調節手段(180)において感知手段(120)以外の他の構成要素は
図1を参照して上述した実施例の仮想ゴルフ装置の対応構成要素と同一であるため、それらの詳細な説明は省略する。本実施例による仮想ゴルフ装置において、感知手段(120)は第1感知手段(121)と第2感知手段(122)とを含む。第1及び第2感知手段(121、122)は全部カメラで構成することができる。第1感知手段(121)はパッティング領域(170)においてスクリーン(160)側に近い地点の壁面に配置されている。従って、第1感知手段(121)が設けられている壁面において、スクリーン(160)と第1感知手段(121)との間の距離は第1感知手段(121)と打撃領域(110)との間の距離よりも短い。第2感知手段(122)は打撃領域(110)の近傍に配置されている。
【0053】
図17を参照すると、仮想ゴルフ装置(100)は、打撃領域(110)、感知手段(120)、 制御ユニット(130)、プロジェクター(140、150)、スクリーン(160)、パッティング領域(170)、地形調節手段(180)を含む。本実施例と
図16を参照して説明した実施例とを比較すると、両者は感知手段(120)以外の他の構成は互いに同一である。感知手段(120)に関して、両者は感知手段(120)が第1および第2感知手段(121、122)を含むという点で同一であるが、前述の実施例で第2感知手段(122)は第1感知手段(121)と同様にカメラで構成される反面、本実施例で第2感知手段(122)は第1感知手段(121)と異なる複数の感知センサで構成される。前記複数の感知センサは打撃領域(110)において打撃用ゴルフボールが置かれている打撃マット(図面に未図示)の前方(スクリーン(160)が配置されている方向)に配置され、第1感知センサ(122a)と第2感知センサ(122b) を含む。打撃マットに挿入溝を形成し、挿入溝に第1及び第2感知センサ(122a、122b)を挿入する方法等を介して感知センサを設置することができる。第1および第2感知センサ(122a、122b)それぞれはゴルフボールを感知することができる複数のセンサで構成され、ユーザが打撃したゴルフボールが前方のスクリーン(160)に向かって移動しながら第1及び第2感知センサ(122a、122b)を通過する際にゴルフボールをセンシングすることにより、ゴルフボールの移動方向や移動速度などのようなゴルフボールの物理的状態情報を感知することができる。図面には、第2感知手段(122)として第1及び第2感知センサ(122a、122b)が使用される例が図示されているが、感知センサの数は2つに限定されず増減されてもよい。
【0054】
図16及び
図17に図示されたように、感知手段(120)が第1及び第2感知手段(121、122)で構成される場合には、異なる感知時点に第1及び第2感知手段(121、122)によって複数の感知動作を実行することができる。複数の感知動作が行われる場合に仮想ゴルフ装置の動作方法はいろいろな方法があり、そのうちの1つの動作方法は次の通りである。
【0055】
図18を参照すると、本実施例による動作方法は、第1乃至第7ステップ(S11~S17)を含む。第1ステップ(S11)ではパッティング段階に進入してユーザが自分のゴルフボールをパッティングする。第2ステップ(S12)では第2感知手段(122)がパッティング直後のゴルフボールの物理的状態を感知する。第3ステップ(S13)では第2ステップ(S12)での感知結果に基づいてゴルフボールがスクリーン(160)に到達することができるか否かを判断する。ゴルフボールがスクリーン(160)に到達しないと予想される場合には第4ステップ(S14)が実行され、ゴルフボールがスクリーン(160)に到達すると予想される場合には第5乃至第7ステップ(S15、S16、S17)が実行される。
【0056】
第4ステップ(S14)において、仮想ゴルフ装置は別途の動作をせず、パッティングされたゴルフボールはスクリーン(160)に到達せずにパッティング領域(170)で停止する。前述したように、ゴルフボールがスクリーン(160)に到達する前パッティング領域(170)を通過する間、パッティング結果が仮想ゴルフボールによって表現されず仮想ゴルフボールはスクリーン(160)に表示されない。その代わり、地形調節手段(180)によってパッティング領域(170)が特定の地形特性を有するようになっている状態で、上記地形特性の影響を受ける実際のゴルフボールの動きによってパッティング結果が表現される。従って、パッティングされたゴルフボールがスクリーン(160)に到達しない場合には、仮想ゴルフボールの軌跡を算出するための感知動作とその感知動作に基づく算出過程が不要である。
【0057】
パッティングされたゴルフボールがスクリーン(160)に到達すると判断される場合、実際のゴルフボールがスクリーン(160)に到達した後のパッティング結果を提供するために、スクリーン(160)の映像に仮想ゴルフボールの動きが表示されなければならない。この場合に仮想ゴルフボールの動きを把握するために、第5ステップ(S15)で第1感知手段(121)を用いて移動中の実際のゴルフボールの物理的状態を感知し、第6ステップ(S16)で第5ステップ(S15)での感知結果に基づいて仮想ゴルフボールの軌跡を算出し、第7ステップ(S17)でゴルフボールがスクリーン(160)またはスクリーン(160)の近傍に到達した後に算出された軌跡に沿って移動する仮想ゴルフボールの映像がスクリーン(160)に表示される。第7ステップ(S17)では仮想ゴルフボールが算出された全軌跡に沿って移動する映像を表示することができる。あるいは、
図14および
図15を参照して説明したように、第7段階(S17)では仮想ゴルフボールが算出された全軌跡の一部(第1感知手段(121)による感知時点からゴルフボールがスクリーン(160)またはスクリーン(160)の近傍に到達する時点までの軌跡)を除く残りの軌跡に沿って移動する映像を表示することができる。
【0058】
本実施例によれば、第1感知手段(121)以外に第2感知手段(122)が追加され、第2感知手段(122)によってゴルフボールがスクリーン(160)に到達するか否かを事前に把握することにより、「第1感知手段(121)による感知動作、第1感知手段(121)による感知動作に基づくゴルフボールの軌跡算出動作、算出動作の結果の通り仮想ゴルフボールが動く映像を形成して表示する動作」のような一連の動作を省略するか(パッティングされたゴルフボールがスクリーンに到達せずに中間に停止する場合)、または上記一連の動作を実行するか(パッティングされたゴルフボールがスクリーンまたはその近傍に到達する場合)をゴルフボールのパッティング直後に予め確認して準備することができる利点がある。
【0059】
図19は本発明のまた他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図であり、
図20乃至
図22は
図19の仮想ゴルフ装置においてゴルフボールの捕獲ユニットの様々な具現例を示す図である。
【0060】
図19を参照すると、仮想ゴルフ装置(100)は、打撃領域(110)、感知手段(120)、 制御ユニット(130)、プロジェクター(140、150)、スクリーン(160)、パッティング領域(170)、地形調節手段(180)、ゴルフボールの捕獲ユニット(190)を含む。ゴルフボールの捕獲ユニット(190)がさらに具備される点を除くと、打撃領域(110)、感知手段(120)、 制御ユニット(130)、プロジェクター(140、150)、スクリーン(160)、パッティング領域(170)、地形調節手段(180)の構成要素は
図1を参照して上述した実施例の仮想ゴルフ装置の対応構成要素と同一であるため、それらの詳細な説明は省略する。本実施例による仮想ゴルフ装置において、ゴルフボールの捕獲ユニット(190)はスクリーン(160)の近傍に配置され、スクリーン(160)まで到達したゴルフボールを捕獲してユーザの視野から除く役割をする。ゴルフボールを捕獲することができるゴルフボールの捕獲ユニット(190)の具体的な構造はいろいろあり、以下ではいくつかの例を説明する。
【0061】
図20乃至
図22を参照すると、ゴルフボールの捕獲ユニット(190)が設置されている場所を基準としてゴルフボールが捕捉される前のゴルフボールが移動する領域を第1領域(201)とし、ゴルフボールが捕捉されてゴルフボールが移動することができなくなる領域を第2領域(202)とするとき、ゴルフボールの捕獲ユニット(190)は第1及び第2領域(201、202)の境界に配置されてゴルフボールが第1領域(201)から第2領域(202)へ移動することを遮断して捕獲する役割をする。
【0062】
図20(a)を参照すると、ゴルフボールの捕獲ユニットは実際のゴルフボールを捕獲することができるゴルフボールの捕獲手段を含み、前記ゴルフボールの捕獲手段は第2領域(202)に形成される傾斜面(191)で具現されることができる。傾斜面(191)は第1領域(201)を向くほど高さが低くなるように傾斜が形成される。したがって、第1領域(201)から転がり来た実際のゴルフボールは、
図20の(b)に図示されたように、第2領域(202)の傾斜面(191)に進入した後、傾斜面(191)によってこれ以上スクリーン(160)が設置されている方向に進まず、第1領域(201)の方向に戻る。第1領域(201)の下端に回収口(191a)が形成されている場合に、実際のゴルフボールは回収口(191a)によって回収されることができる。回収されたゴルフボールは、図面に図示されていない別の手段によって打撃領域(110)に移動させてユーザの後続打撃に使用されることができる。
【0063】
図21を参照すると、ゴルフボールの捕獲ユニットは実際のゴルフボールを捕獲することができるゴルフボールの捕獲手段を含み、前記ゴルフボールの捕獲手段として、第1領域(201)と第2領域(202)との間にグルーブ(groove)(192)が形成される。グルーブ(192)は溝が形成されたように掘られた構造を持つことができ、これにより第1領域(201)を超えて第2領域(202)に向かう実際のゴルフボールはグルーブ(192)にトラップされて捕獲されることができる。グルーブ(192)は平らな床面を有する。または
図21に図示されたものと異なる変形例として、グルーブ(192)はその床面が傾斜を有する構造も可能である。
【0064】
図22を参照すると、ゴルフボールの捕獲ユニットは実際のゴルフボールを捕獲することができるゴルフボールの捕獲手段を含み、前記ゴルフボールの捕獲手段として、第1領域(201)の端部にその内部に実際のゴルフボールを収容することができるハウジング(193)が具備されている。また、ハウジング(193)の一側にはカバー(194)が付着されている。ハウジング(193)はその上部が開放されている中空型構造を有する。
図22の(a)に図示されたように、カバー(194)はハウジング(193)の上部をオープンしたり、または
図22の(b)に図示されたように、カバー(194)はハウジング(193)の上部をクロースしたりする。つまり、カバー(194)は一つの端部が固定されており、反対側の端部が前記固定された端部を回転軸にして水平状態または傾斜状態で回転することができるように構成される。前記反対側の端部が水平状態にある時にハウジング(193)の上部を覆ってクロースし、前記反対側の端部が傾斜状態にある時にハウジング(193)の上部をオープンしてその内部を開放させる。図面に図示されていないが、ハウジング(193)には、制御ユニット(130)から特定の信号を受信すると、カバー(194)を水平状態にセッティングしたりまたは傾斜状態にセッティングする駆動ユニットが具備されていることができる。この場合、制御ユニット(130)のコントロールにより自動的にハウジング(193)をオープンしたりクロースしたりすることができる。具体的には、ゴルフボールを捕獲しようとする場合、ハウジング(193)をオープンして第1領域(201)から転がり来るゴルフボールを捕獲し、ゴルフボールが捕獲されると、カバー(194)が回転して水平状態になってハウジング(193)をクロースする方法で動作することができる。
【0065】
上記のように、本実施例による仮想ゴルフ装置はゴルフボールを捕獲するゴルフボールの捕獲ユニット(190)を具備することで、スクリーン(160)の近傍に到達した実際のゴルフボールを捕獲してユーザの視野から除くことができる。実際のゴルフボールがスクリーン(160)の近傍に到達した後には実際のゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールがスクリーン(160)に表示されてパッティング結果を示す役割をするので、仮想ゴルフボールが表示されると実際のゴルフボールは必要なくなる。互いに対応する実際のゴルフボールと仮想ゴルフボールが一緒にユーザの視野に入ると、ユーザの注意力を分散させてゴルフプレイのリアリティを落とす要因になるが、本実施例によれば、実際のゴルフボールがスクリーン(160)の近傍に到達して自分の役割を終えた後には実際のゴルフボールを捕獲して見えなくなるので、ユーザがスクリーンの映像にのみ集中することができる。図面には図示されていないが、ゴルフボールの捕獲ユニット(190)には、ゴルフボールが捕獲されたことまたはゴルフボール自体を感知するセンサが設けられていてもよく、上記センサを通じてゴルフボールがスクリーン(160)近傍に到達したという事実を把握することができる。先に仮想ゴルフボールを表示するタイミングに関してゴルフボールがスクリーン(160)の近傍に到達した後に仮想ゴルフボールを表示すると説明したが、これを実行するためにはゴルフボールがスクリーン(160)付近に到着したかを把握する必要がある。ゴルフボールの捕獲ユニット(190)に上記センサが設置されている場合、ゴルフボールがいつスクリーン(160)の近傍に到着したかを容易に把握することができる。
【0066】
図23は本発明のまた他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
【0067】
図23を参照すると、本実施例による仮想ゴルフ装置は複数のブース(101、102、103)を含む。各ブース(101、102、103)はすべて同一に構成されている。例えば、最初のブース(101)は、打撃領域(101a)、キオスク画面が具備されているシミュレータ機器(101b)、スクリーン(101c)などを備えており、他のブース(102、103)も同一のコンポーネントを持っている。図面に図示されていないが、各ブース(101、102、103)には打撃時にゴルフクラブ/ゴルフボールの動きを感知するためのカメラなどと前述の実施例における様々な構成品に対応する機器がさらに具備されている。シミュレータ機器(101b)は前述の実施例における制御ユニットの役割をすることができる。各ブース(101、102、103)では多数のユーザが交互にゴルフをプレイすることができる。あるいは、各ブース(101、102、103)ではユーザ一人で他のブースのユーザと離隔している状態でソロでプレイすることができる。本実施例による仮想ゴルフ装置でも前述の地形調節手段が具備される。上記地形調節手段を通じて打撃領域(101a)とスクリーン(101c)との間の領域がスクリーンに表示される仮想ゴルフコースのグリーン領域の地形特性に対応する地形特性を有するようにすることができ、これによりゴルフプレイのリアリティを向上させることができる。また、パッティングされたゴルフボールが打撃領域(101a)とスクリーン(101c)との間の領域を通過する間にゴルフボールの物理的状態を感知し、上記感知された状態に基づいてゴルフボールの軌跡を算出し、パッティングされたゴルフボールがスクリーン(101c)またはスクリーン(101c)の近傍に到達した後に算出された軌跡に応じて移動するゴルフボールの映像が表示されるようにすることができる。
【0068】
図24は複数の仮想ゴルフ装置がネットワークに連結されているシステムの概略的な構成を示す図である。
図24を参照すると、上記システムは複数の仮想ゴルフ装置(100)とサービス装置(200)とを含む。仮想ゴルフ装置(100)として
図1乃至
図23などに図示されたような仮想ゴルフ装置などが使用される。仮想ゴルフ装置(100)はスクリーンゴルフをプレイすることができる家庭用または公共用などのスクリーンゴルフ場に設置され、スクリーンゴルフ場が複数の場所にある場合に仮想ゴルフ装置(100)は各スクリーンゴルフ場ごとに設置されて全体的に複数個が具備される。仮想ゴルフ装置(100)はサービス装置(200)と有無線通信網などを介して連結されている。サービス装置(200)は複数のスクリーンゴルフ場を運営するサービス業者が、複数のスクリーンゴルフ場に具備されている仮想ゴルフ装置(100)を管理するために使用する中央サーバを含む。サービス装置(200)には貯蔵部(210)が具備されている。
【0069】
スクリーンゴルフのサービスを利用しようとするユーザが上記サービスの提供を受けるためにまずログインをする場合、サービス装置(200)はユーザの身元を確認してログインの承認可否を決定する。上記ログイン動作のために、貯蔵部(210)はユーザの身元を確認するための情報を貯蔵している。貯蔵部(210)はユーザの身元確認用情報だけでなく、ユーザのプレイ記録などを貯蔵する。このように貯蔵部(210)に様々なユーザ情報が貯蔵されることにより、サービス装置(200)に有線及び/又は無線で連結されている複数の仮想ゴルフ装置(100)は貯蔵部(210)に貯蔵されている情報を利用することができ、各仮想ゴルフ装置(100)はユーザの情報を別途貯蔵する必要がない。
【0070】
複数の仮想ゴルフ装置(100)には前述の地形調節手段が具備される。上記地形調節手段を通じて打撃領域とスクリーンとの間の領域がスクリーンに表示される仮想ゴルフコースのグリーン領域の地形特性に対応する地形特性を有するようにすることができ、これによりゴルフプレイのリアリティを向上させることができる。また、パッティングされたゴルフボールが打撃領域とスクリーンとの間の領域を通過する間にゴルフボールの物理的状態を感知し、上記感知された状態に基づいてゴルフボールの軌跡を算出し、パッティングされたゴルフボールがスクリーンまたはスクリーンの近傍に到達した後に算出された軌跡に応じて移動するゴルフボールの映像が表示されるようにすることができる。
【0071】
以上、本発明の具体的な実施例について考察した。本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形した形態で具現できることを理解することができるであろう。したがって、開示された実施例は限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されるべきである。本発明の範囲は前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての差異点は本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0072】
100:仮想ゴルフ装置
110:打撃領域
120:感知手段
130:制御ユニット
140、150:プロジェクター
160:スクリーン
170:パッティング領域
180:地形調節手段
190:ゴルフボールの捕獲ユニット
200:サービス装置