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特開2024-97766水冷式ヒートポンプの熱交換装置の制御方法
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  • 特開-水冷式ヒートポンプの熱交換装置の制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097766
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】水冷式ヒートポンプの熱交換装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   F25B 27/00 20060101AFI20240711BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20240711BHJP
   F25B 30/06 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
F25B27/00 P
F25B1/00 399Y
F25B1/00 383
F25B30/06 T
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023223490
(22)【出願日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】P 2023000928
(32)【優先日】2023-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】501250555
【氏名又は名称】株式会社エコ・プランナー
(74)【代理人】
【識別番号】100085246
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 清一郎
(72)【発明者】
【氏名】安本 悟司
(72)【発明者】
【氏名】寺崎 寛章
(57)【要約】
【課題】水冷式ヒートポンプの熱交換装置の制御方法において、熱源の熱量の有効利用と、水冷式ヒートポンプの運転時の電力消費量の低減を図る。
【解決手段】第1の制御と第2の制御を含む。熱交換装置1の流路3は、負荷側となる第2の熱交換部5との間で熱交換を行う第1の熱交換部6を有した熱媒液循環流路7を備える。熱媒液循環流路7には一定量の第1の熱媒液11が循環し、第1の熱交換部6の入口端側12で、熱源15より第2の熱媒液13を供給し、第1の熱交換部6の出口端16側で、供給量と同量の第1の熱媒液11を排出する。第1の制御は、熱源の熱量をなるべく温存する制御で、第2の制御は、熱源の余剰熱量を有効利用する制御である。熱源の刻々の保有熱量を把握し第2の制御を優先する。熱源を枯渇させないよう、第2の制御を第1の制御に変更する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の要件を充足することを特徴とする水冷式ヒートポンプの熱交換装置の制御方法。
(1) 負荷側の温度を設定温度に制御する水冷式ヒートポンプの熱交換装置の制御方法であって、第1の制御と第2の制御を含んでいる。
(2)前記熱交換装置は、熱媒液が内部を流れる流路が設けられており、該流路は、負荷側となる第2の熱交換部との間で熱交換を行う第1の熱交換部を有した熱媒液循環流路を備え、該第2の熱交換部には、前記水冷式ヒートポンプのヒートポンプ熱媒体が流れ、該熱媒液循環流路には一定量の第1の熱媒液が循環するようになされると共に、前記第1の熱交換部の入口端が存する側で、前記第1の熱媒液の温度と温度差を有する第2の熱媒液を保有する熱源より該第2の熱媒液を供給するように構成されており、前記第1の熱交換部の出口端における前記第1の熱媒液の温度を検出する温度検出器が設けられており、該出口端が存する側で、供給された該第2の熱媒液と同量の第1の熱媒液を排出させるように構成されている。
(3)前記第1の制御は、前記第1の熱交換部の入口端が存する側で、前記第1の熱交換部の前記出口端における前記温度検出器による前記第1の熱媒液の検出温度が所要設定温度を維持するように、前記熱源より、前記第1の熱交換部が必要とする熱量を付与し得る必要量の前記第2の熱媒液を供給する制御を行う。
(4)前記第2の制御は、
前記温度検出器による前記第1の熱媒液の検出温度に関わらず、前記熱源の前記第2の熱媒液のみを前記熱媒液循環流路に流す制御を行うものであり、
或いは、前記熱源の前記第2の熱媒液の所要量を前記必要量に加算する増熱量制御を行うものである。
(5)前記第2の制御は、下記の第1の条件と第2の条件を共に満たす状態で実行され、その何れかの条件を満たさない状態となった時点においては、前記第2の制御が前記第1の制御に変更される。
第1の条件:前記熱源の初期熱量の10~90%の範囲で設定された所要設定割合分の 熱量が前記熱源に残っていること。ここに初期熱量とは、前記熱源の最大 設定熱量をいう。この最大設定熱量は熱源毎に所要に設定される。
第2の条件:前記ヒートポンプの出力が、その最大出力の50%以下で設定された所要 設定出力を下回らないこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中熱等の熱源の熱量を有効に利用できると共に、ヒートポンプの運転に伴う電力消費量の低減を図り得る水冷式ヒートポンプの熱交換装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱源として地中熱を利用する水冷式ヒートポンプの熱交換装置の一例として、特許文献1が開示するものが提案されている。該熱交換装置は、第2の熱交換部との間で熱交換を行う第1の熱交換部を有した熱媒液循環流路に第1の熱媒液を循環させると共に、該第1の熱媒液の温度と温度差を有する第2の熱媒液を保有する熱源より、前記第1の熱交換部が必要とする熱量を付与し得る必要量の該第2の熱媒液を前記熱媒液循環流路に供給することによって前記第1の熱交換部と前記第2の熱交換部との間で熱交換を行わせる構成を有していた。
【0003】
かかる熱交換装置は、前記のように、前記第1の熱交換部が必要とする熱量を付与し得る必要量の該第2の熱媒液を前記熱媒液循環流路に供給することによって前記第1の熱交換部と前記第2の熱交換部との間で熱交換を行わせる構成を採用していたため、前記熱源における熱利用を最小化でき、これによって該熱源の熱量を有効活用できる利点があった。
【0004】
しかしながら、前記構成の熱交換装置が用いられてなる水冷式ヒートポンプ装置によるときは、ヒートポンプの効率を犠牲にする側面があった。
【0005】
この点について具体例で説明すれば、前記構成の熱交換装置が用いられてなる水冷式ヒートポンプ装置、例えば水冷式ヒートポンプ冷暖房装置についてみた場合、該水冷式ヒートポンプ冷暖房装置が、1台の室外機に対して複数台(例えば10台)の室内機が連結されているとしたときは、前記熱源の熱量は、該室内機の全台稼働を想定して設定されている。今、該室内機の運転台数を人為的に制限(例えば2~3台に制限)して該冷暖房装置を稼働させたとした場合は、前記熱源の熱量が過度に温存されることとなる。その結果、ヒートポンプが利用できる余剰熱量があるにも関わらずその利用がなされていないためにヒートンプの圧縮機の圧縮仕事量を増大させてしまうという意味で、ヒートポンプに負荷をかけ、ヒートポンプの効率を犠牲にする側面があったのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-52845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、熱源の熱量を枯渇させることなく有効利用できると共に、ヒートポンプの運転に伴う電力消費量の低減を図り得る経済性を有した水冷式ヒートポンプの熱交換装置の制御方法の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明に係る水冷式ヒートポンプの熱交換装置の制御方法は、以下の要件を充足することを特徴とするものである。
(1) 負荷側の温度を設定温度に制御する水冷式ヒートポンプの熱交換装置の制御方法であって、第1の制御と第2の制御を含んでいる。
(2)前記熱交換装置は、熱媒液が内部を流れる流路が設けられており、該流路は、負荷側となる第2の熱交換部との間で熱交換を行う第1の熱交換部を有した熱媒液循環流路を備え、該第2の熱交換部には、前記水冷式ヒートポンプのヒートポンプ熱媒体が流れ、該熱媒液循環流路には一定量の第1の熱媒液が循環するようになされると共に、前記第1の熱交換部の入口端が存する側で、前記第1の熱媒液の温度と温度差を有する第2の熱媒液を保有する熱源より該第2の熱媒液を供給するように構成されており、前記第1の熱交換部の前記出口端における前記第1の熱媒液の温度を検出する温度検出器が設けられており、該出口端が存する側で、供給された該第2の熱媒液と同量の第1の熱媒液を排出させるように構成されている。
(3)前記第1の制御は、前記第1の熱交換部の入口端が存する側で、前記第1の熱交換部の出口端における前記温度検出器による前記第1の熱媒液の検出温度が所要設定温度を維持するように、前記熱源より、前記第1の熱交換部が必要とする熱量を付与し得る必要量の前記第2の熱媒液を供給する制御を行う。
(4)前記第2の制御は、
前記温度検出器による前記第1の熱媒液の検出温度に関わらず、前記熱源の前記第2の熱媒液のみを前記熱媒液循環流路に流す制御を行うものであり、
或いは、前記熱源の前記第2の熱媒液の所要量を前記必要量に加算する増熱量制御を行うものである。
(5)前記第2の制御は、下記の第1の条件と第2の条件を共に満たす状態で実行され、その何れかの条件を満たさない状態となった時点においては、前記第2の制御が前記第1の制御に変更される。
第1の条件:前記熱源の初期熱量の10~90%の範囲で設定された所要設定割合分の 熱量が前記熱源に残っていること。ここに初期熱量とは、前記熱源の最大 設定熱量をいう。この最大設定熱量は熱源毎に所要に設定される。
第2の条件:前記ヒートポンプの出力が、その最大出力の50%以下で設定された所要 設定出力を下回らないこと。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る水冷式ヒートポンプの熱交換装置の制御方法によるときは、熱源を枯渇させることなく該熱源の熱量を有効利用できると共に、ヒートポンプの運転に伴う電力消費量の低減を図って電気料金を安価にできる水冷式ヒートポンプの熱交換装置の制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る水冷式ヒートポンプの熱交換装置の制御方法の一の態様を説明する説明図である。
図2】本発明に係る水冷式ヒートポンプの熱交換装置の制御方法の他の態様を説明する説明図である。
図3】本発明に係る水冷式ヒートポンプの熱交換装置の制御方法のその他の態様を説明する説明図である。
図4】混合三方弁を、2台の流量調整2方弁に置き換えた構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0011】
図1~2において本発明に係る水冷式ヒートポンプの熱交換装置の制御方法(以下、制御方法ともいう)は、負荷側の温度を設定温度に制御する水冷式ヒートポンプの熱交換装置の制御方法であって、第1の制御と第2の制御を含んでいる。ここに該第1の制御は、熱源における熱利用を最小化して該熱源の熱量をなるべく温存する制御であり、該第2の制御は、熱源を枯渇させることなく該熱源の余剰熱量を有効活用する制御である。
【0012】
前記熱交換装置1は、図1~2に示すように、熱媒液2が内部を流れる流路3が設けられており、該流路3は、負荷側となる第2の熱交換部5との間で熱交換を行う第1の熱交換部6を有した熱媒液循環流路7を備え、該第2の熱交換部5には、前記水冷式ヒートポンプ(以下、単にヒートポンプともいい、インバータ制御のものである)8のヒートポンプ熱媒体9が流れるものである。該熱媒液循環流路7には一定量の第1の熱媒液11が循環するようになされると共に、前記第1の熱交換部6の入口端12が存する側で、前記第1の熱媒液11の温度と温度差を有する第2の熱媒液13を保有する熱源15より該第2の熱媒液13を供給するように構成されており、前記第1の熱交換部6の前記出口端16における前記第1の熱媒液11の温度を検出する温度検出器17が設けられている。又、該出口端16が存する側で、供給された該第2の熱媒液13と同量の第1の熱媒液11を排出させるように構成されている。
【0013】
本実施例においては、前記熱源15と前記熱媒液循環流路7とが供給管19で連結されている。該供給管19は、前記第1の熱交換部6の入口端12が存する側に連結されると共に、該第1の熱交換部6の出口端16が存する側には排出管22が連結されている(図1(A)、図2)。そして、前記出口端16における前記第1の熱媒液11の検出温度が所要設定温度を維持するように、前記第1の熱交換部6が必要とする熱量を付与し得る必要量の前記第2の熱媒液13を、前記供給管19を介して前記入口端12が存する側に供給可能とされている。又前記排出管22から、供給された第2の熱媒液13と同量の第1の熱媒液11が排出されるようになされている。
【0014】
ここに、前記第1の熱媒液11とは、前記熱媒液2の内の、前記熱媒液循環流路7を循環する熱媒液をいい、前記第2の熱媒液13とは、前記熱媒液2の内の、前記熱源15より前記熱媒液循環流路7に供給される熱媒液をいう。
【0015】
そして図1に示すように、前記熱媒液循環流路7に第1の熱媒液11を循環させると共に、供給された第2の熱媒液13と同量の第1の熱媒液11を排出させるために、前記熱媒液循環流路7に1台のポンプ(例えばインバータ制御のもの)23が付設されている。又、前記熱媒液循環流路7に対する前記供給管19の連結部位25に、第1、第2、第3の接続口26,27,29を有する混合三方弁30が介在されると共に、該混合三方弁30と前記入口端12との間に前記ポンプ23が介在されている。本実施例においては、該混合三方弁30として、電動制御の混合三方弁を用いている。又図1に示すように、該ポンプ23と前記入口端12との間に流量調整弁31が介在されている。
【0016】
かかる構成の熱交換装置1において、前記第1の制御は、前記第1の熱交換部6の入口端12が存する側で、該第1の熱交換部6の出口端16における前記温度検出器17による前記第1の熱媒液11の検出温度が所要設定温度を維持するように、前記熱源15より、前記第1の熱交換部6が必要とする熱量を付与し得る必要量の前記第2の熱媒液13を供給する制御を行うものである。
【0017】
又前記第2の制御は、前記温度検出器17による前記第1の熱媒液11の検出温度に関わらず、前記熱源15の前記第2の熱媒液13のみを前記熱媒液循環流路7に流す制御を行うものである。或いは、前記熱源15の前記第2の熱媒液13の所要量を前記必要量に加算する増熱量制御を行うものである。
【0018】
該第2の制御は、下記の第1の条件と第2の条件を共に満たす状態で実行され、その何れかの条件を満たさない状態となった時点においては、前記第2の制御が前記第1の制御に変更される。
第1の条件:前記熱源15の初期熱量の10~90%の範囲で設定された所要設定割合 分の熱量が前記熱源15に残っていること。ここに初期熱量とは、前記熱 源の最大設定熱量をいう。この最大設定熱量は熱源毎に所要に設定される 。
第2の条件:前記ヒートポンプの出力が、その最大出力の50%以下で設定された所要 設定出力を下回らないこと。
【0019】
以下、前記熱交換装置1を、これが水冷式ヒートポンプ冷暖房装置(以下、冷暖房装置ともいう)32を構成するために用いられた場合を例にとり、具体的に説明する。
【0020】
該冷暖房装置32は、熱源として、年間を通してほぼ一定温度(例えば、福井県では15℃程度)を保つ地中熱を利用するものである。以下の説明においては便宜上、地中熱の年間の平均温度を15℃と特定する。
【0021】
該熱交換装置1を構成する前記熱源15は、本実施例においては、例えば図1に示す熱交換貯留槽33を用いて構成されている。該熱交換貯留槽33は本実施例においては、地盤を所要深さに掘削して(例えば50~100mの深さに掘削する)設けられた孔部の内壁部を、有底の円筒状ケーシングで被覆して形成されており、該熱交換貯留槽33に熱媒液2が貯留されている。そして、該熱交換貯留槽33の壁部35を介して該熱媒液2が地中熱を吸収し、或いは、該熱媒液2の保有する熱量を該壁部35を介して地中へ放熱するように構成されている。該熱交換貯留槽33は本実施例においては図1に示すように、上端開放部が蓋部材36で閉塞されてなる密閉水槽37として構成されている。
【0022】
該熱源15の規模は、前記負荷側の最大負荷を考慮して設定されている。該熱源15の保有熱量を、例えば午前7時から午後7時までの12時間利用する場合、該熱源15を利用していない12時間の時間帯において、前記熱交換貯留槽33内の熱媒液2に地中熱が蓄積され、該熱交換貯留槽33内の熱媒液2の温度が地中温度と同一になる。このときの該熱交換貯留槽33内の熱量は前記初期熱量の一例である。
【0023】
前記第1の熱交換部6と前記第2の熱交換部5は、例えば、熱効率のよいプレート式熱交換器としての第1の熱交換器39に組み込まれている。然して、前記第1の熱媒液11が前記熱媒液循環流路7を循環することにより、該第1の熱交換器39においては、該第1の熱交換部6を流れる該第1の熱媒液11と該第2の熱交換部5を流れるヒートポンプ熱媒体40との間で熱交換が行われる。
【0024】
前記冷暖房装置32によって負荷側41を暖房する際は、図1に示すように、前記熱交換貯留槽33においてその壁部35を介して地中熱が吸収されてなる前記熱媒液2が、前記ポンプ23の駆動によって、前記第1の熱交換部6まで搬送される。前記第1の熱交換器39では、前記第1の熱交換部6内の熱媒液2から、前記第2の熱交換部5内の、膨張弁42を通過した低温度且つ低圧の前記ヒートポンプ熱媒体40へ放熱され、これによって該ヒートポンプ熱媒体40が加温される。該第2の熱交換部5を出た該ヒートポンプ熱媒体40は、圧縮機43で圧縮されて昇温された後、前記負荷側41に設けた第2の熱交換器46で膨張され、前記ヒートポンプ熱媒体40と前記負荷側41の空気との間で熱交換が行われ、該負荷側41に放熱されて該負荷側を暖房できる。
【0025】
逆に夏期において前記負荷側41を冷房する際は、図2に示すように、該負荷側41の空気の熱が前記第2の熱交換器46で、ヒートポンプ熱媒体40に吸熱される。このヒートポンプ熱媒体40が圧縮機43で圧縮された後、前記第1の熱交換器39で凝縮され、前記第1の熱交換部6内の前記第1の熱媒液11に放熱される。吸熱した該第1の熱媒液11は、前記ポンプ23の駆動によって前記熱交換貯留槽33まで搬送される。該熱交換貯留槽33では、該熱媒液2の保有熱が、前記壁部35を介して、該熱交換貯留槽33の周辺地中47へ放熱される。
【0026】
前記混合三方弁30は図1(A)(B)に示すように、前記熱媒液循環流路7に対する前記供給管19の前記連結部位25に介在されており、前記の第1、第2、第3の接続口26,27,29を有する。該第1の接続口26は、該熱媒液循環流路7の循環方向F1で見た上流端50に接続され、該第2の接続口27は、該循環方向F1で見た下流端51に接続され、前記第3の接続口29は、前記供給管19の供給端52に接続されている。又前記第2の接続口27は全開とされる等、所要開度に設定されると共に、前記第1の接続口26の開度(全閉である場合を含む)と前記第3の接続口29の開度は、前記混合三方弁30に内蔵されている弁体(図示せず)によって電動制御される。
【0027】
そして前記第1の制御においては、前記ポンプ23の駆動によって得られる、前記第1の接続口26から前記混合三方弁30内への前記第1の熱媒液11の流入量と前記第3の接続口29から前記混合三方弁30内への前記第2の熱媒液13の流入量の合計量が、前記第2の接続口27からの前記熱媒液循環流路10への流出量(本実施例においては後述のように、前記流量調整弁31によって、20L/min に設定される)に等しくなるように制御される。又、該混合三方弁30内では前記第1の熱媒液11と前記第2の熱媒液13が混合されて混合熱媒液となり、該混合熱媒液が前記第2の接続口27から前記熱媒液循環流路7に流出される。そして、前記第3の接続口29の前記開度は、前記第2の熱媒液13の前記必要量が前記混合三方弁30内に流入するように電動制御される。
【0028】
又前記第2の制御においては、前記第1の接続口26が全閉されると同時に前記第3の接続口29が全開されるように制御され、前記第2の熱媒液13のみが前記第1の熱交換部6に流れる。
【0029】
前記流量調整弁31は本実施例においては、前記ポンプ23の供給量を前記第1の熱交換部6で要求される流量に流量調整するためのものであり、本実施例においては20L/min に調整される。
【0030】
そして図1に示すように、前記供給管19の、前記供給端52と反対側の連結端53には、第1の管体55の上端56が、流路切り換え用の第1の三方切換弁57を介して連結されている。該第1の管体55は、上下方向に延長してその下端開口57が、前記熱交換貯留槽33の上端60に連結されている。又前記排出管22の、前記熱媒液循環流路7に対する連結端61と反対側の連結端62には、第2の管体63の上端65が、流路切り換え用の第2の三方切換弁66を介して連結されている。該第2の管体63は、前記熱交換貯留槽33の外面67に沿って下方に延長し、その下端開口69が前記熱交換貯留槽33の下端70に連結されている。又、該第2の三方切換弁66の残りの接続口71と前記第1の管体55の上部位72とが、第1の切り換え用連結管73で連結されている。且つ、前記第1の三方切換弁57の残りの接続口71と前記第2の管体63の上部位75とが第2の切り換え用連結管76で連結されている。
【0031】
該第1、第2の三方切換弁57,66による流路の切り換え作用によって、前記冷暖房装置32を暖房に用いる場合と冷房に用いる場合とで、前記第1の管体55と前記第2の管体63を流れる前記熱媒液2の流れ方向を、図1図2に矢印で示すように切り換えることができる。
【0032】
この切り換えは、前記熱交換貯留槽33に収容されている前記熱媒液2の温度が、前記上側部分77が高く前記下側部分79が低いことに鑑みて行われるものである。この流路切り換えにより、前記冷暖房装置32を暖房に用いる場合は、図1に示すように、前記第1の管体55の下端開口59で吸引された前記上側部分77の、温度の高い熱媒液2が、前記第2の熱媒液13として前記供給端52より、前記熱媒液循環流路7に供給される。これと共に、前記排出管22から排出された温度の低い第1の熱媒液11が、前記下側部分79において前記第2の管体63の下端開口69で吐出される。
【0033】
逆に、前記冷暖房装置32を冷房に用いる場合は、図2に示すように、前記第2の管体63の下端開口69で吸引された、前記下側部分79の温度の低い熱媒液2が前記供給管19に供給されると共に、前記排出管22から排出された温度の高い第1の熱媒液11が、前記上端60において前記第1の管体55の下端開口59で吐出される。
【0034】
ここで、前記第1の制御と前記第2の制御についてより詳しく説明する。
【0035】
先ず該第1の制御について説明する。該第1の制御は前記したように、前記第1の熱交換部6の入口端12が存する側で、該第1の熱交換部6の出口端16における前記温度検出器17による前記第1の熱媒液11の検出温度が所要設定温度を維持するように、前記熱源15より、前記第1の熱交換部6が必要とする熱量を付与し得る必要量の前記第2の熱媒液13を供給する制御を行うものである。
【0036】
前記第2の熱媒液13が前記熱媒液循環流路7に供給されると、前記ポンプ23の熱媒液押し出し作用によって、供給された該第2の熱媒液13の量と同量の第1の熱媒液11が、前記排出管22を介して、前記熱媒液循環流路7から前記熱交換貯留槽33内に戻される。そして、図1に示すように前記ポンプ23の駆動による前記第2の熱媒液13の供給は、前記熱交換貯留槽33が密閉水槽37として構成されているために、該熱交換貯留槽33内への該第1の熱媒液11の流入に伴う該密閉水槽37内の圧力上昇で円滑に行われる。
【0037】
前記ポンプ23の稼働によって供給された該第2の熱媒液13は、前記混合三方弁30によって、前記第1の接続口26(図1(B))から該混合三方弁30内に流入した前記第1の熱媒液11と混合され、20L/min の混合熱媒液が、前記第2の接続口27(図1(B))から前記熱媒液循環流路7に供給される。
【0038】
前記第2の熱媒液13の前記必要量は、前記第1の熱交換部6の出口端16における前記第1の熱媒液11の検出温度が所要設定温度を維持するように設定される。換言すれば、前記第1の熱交換部6が時々で必要とする熱量を付与できるように前記必要量が設定されるのである。
【0039】
この必要量を設定するために、前記出口端16に設けた温度検出器17による検出信号により前記混合三方弁30が電動制御される。例えば、前記冷暖房装置32を暖房に使用しているときにおいて、該冷暖房装置32が必要とする所定循環量を20L/min とし、且つ、前記出口端16における前記第1の熱媒液11の前記所要設定温度を2℃としたとき、該出口端16における該第1の熱媒液11の検出温度が該所要設定温度2℃を維持するように、前記第2の熱媒液13の必要量が前記入口端12から前記熱媒液循環流路7に供給される。
【0040】
今、前記冷暖房装置32の通常運転時において前記出口端16における前記所要設定温度2℃を維持するのに必要な前記第1の熱交換部6の入口端12の必要液温を7℃とする。そのために、地中熱により温められて15℃の温度を有する、前記熱交換貯留槽33内の熱媒液2を、その必要量分、前記第2の熱媒液13として、前記熱媒液循環流路7を循環している前記第1の熱媒液11に供給する。これによって、前記入口端12の必要液温7℃を確保する。
【0041】
その後、負荷側41がある程度暖まってくると、該第1の熱交換部6における熱交換量は少なくてもよくなる。そのときにおいて、前記出口端16における前記第1の熱媒液11の検出温度が前記所要設定温度2℃を維持するのに必要な前記入口端12の必要液温を5℃とすると、前記第2の熱媒液13の前記必要量は当初に比べて減少させてよいことになる。この必要量は、前記出口端16に設けた温度検出器17による温度検出信号により前記混合三方弁30が電動制御されることによって自動的に設定される。該混合三方弁30の電動制御は、前記のように、前記第1の接続口26の開度と前記第3の接続口27の開度を前記弁体によって電動で制御することを意味する。その後、負荷側41が設定温度に近づくにつれて前記必要量は更に減少するが、この必要量は、同様に、前記混合三方弁30の前記電動制御によって所要に設定される。
【0042】
又前記冷暖房装置32を冷房に使用しているときにおいて、該冷暖房装置32が必要とする所定循環量を20L/min とし、且つ、前記出口端16における前記第1の熱媒液11の前記所要設定温度を35℃としたときは、該出口端16における該第1の熱媒液11の検出温度が該所要設定温度を維持するように制御された前記第2の熱媒液13の必要量が、前記入口端12に供給される。
【0043】
今、前記冷暖房装置32の通常運転時において前記出口端16における前記所要設定温度35℃を維持するのに必要な前記入口端12の必要液温を30℃とする。そのために、地中熱により冷されて15℃の温度を有する、前記熱交換貯留槽33内の熱媒液2を、前記熱媒液循環流路7を循環している前記第1の熱媒液11に供給し、これによって、前記出口端16の必要液温30℃を確保する。その後、負荷側41がある程度冷えてくると、前記第1の熱交換部6における熱交換量は少なくてもよくなる。その場合において、前記出口端16における前記第1の熱媒液11の検出温度が前記所要設定温度35℃を維持するのに必要な前記入口端12の必要液温を32℃とすると、前記第2の熱媒液13の前記必要量は当初に比べて減少させてよいことになる。この必要量は、前記出口端16に設けた温度検出器17による温度検出信号により前記混合三方弁30が電動制御されることによって自動的に設定される。その後、負荷側41が設定温度に近づくにつれて前記必要量は更に減少するが、この必要量は、同様に、前記混合三方弁30の電動制御によって所要に設定される。
【0044】
次に前記第2の制御について説明する。該第2の制御には2つの態様がある。該第2の制御の第1の態様は、前記温度検出器17による前記第1の熱媒液11の検出温度に関わらず、前記熱源15の前記第2の熱媒液13のみを前記熱媒液循環流路7に流す制御を行うものである。該制御は、前記混合三方弁30の前記弁体の電動制御によって、該混合三方弁30の前記第1の接続口26を全閉し且つ前記第3の接続口29を全開した状態で、前記ポンプ23を駆動させて行う。該第2の制御による場合も、前記第1の制御について説明したと同様に、前記第1、第2の三方切換弁57,66による流路の切り換えによって、前記冷暖房装置32を暖房運転でき、或いは冷房運転できる。
【0045】
該第2の制御の第2の態様は、前記熱源15の前記第2の熱媒液13の所要量を前記必要量に加算するものである。このように加算することによって、前記第1の熱交換部6が必要とする以上の熱量を付与し得るように、前記必要量よりも多い量の前記第2の熱媒液13を前記入口端12が存する側で供給する増熱量制御を行うものである。前記必要量に加算される前記第2の熱媒液13の所要量は、前記ヒートポンプの効率と前記熱源15の熱量の状況に応じて設定されるものである。該加算される前記第2の熱媒液13の量は、前記ヒートポンプの効率が低下しない範囲で、前記温度検出器17による検出温度が設定温度となるように最適量に設定される。
【0046】
前記第2の制御は、前記熱源15の初期熱量の10~90%の範囲で設定された設定割合分の熱量が前記熱源15に残っている間は何時でも行うことが可能である。ここに初期熱量とは、前記熱源15の最大設定熱量をいう。この最大設定熱量は熱源毎に所要に設定される。
但し、前記ヒートポンプの出力が、その最大出力の50%以下の設定出力に低下したときは、前記第2の制御を前記第1の制御に変更する。
【0047】
ここに、前記熱源15に残っている前記「設定割合分の熱量」は、前記のように、前記熱源15の初期熱量の10~90%の範囲で設定されるものである。該「設定割合」は、地中埋設の前記熱交換貯留槽33の容積やその本数により決まる前記初期熱量の大きさとの関係で設定されるものであって、前記第2の制御から前記第1の制御に変更されて運転される前記水冷式ヒートポンプ冷暖房装置32の運転終了時点で前記熱源15の枯渇を生じさせないように設定される。該設定割合は、例えば前記初期熱量の40~70%に設定される。
【0048】
又、前記ヒートポンプ8の出力が、その最大出力の50%以下の設定出力に低下したときに、前記第2の制御を前記第1の制御に変更する。この設定出力は、ヒートポンプの種類や規格を考慮して設定させるものであり、例えば、最大出力の20%に設定される。
【0049】
なお、運転中のヒートポンプ8の出力は、該ヒートポンプの出力信号で把握できる他、例えば、前記入口端12の液温と前記出口端16の液温の温度差で、該出力を推定計算により算出できる。
【0050】
かかる構成を有する水冷式ヒートポンプ冷暖房装置32の運転態様は、前記第1、第2の条件を充足する前提で、下記の(1)(2)(3)の態様を例示できる。
なお、該冷暖房装置32が前記第2の制御で運転される場合、前記負荷側の負荷の大きさと前記熱源15の熱量との関係で、該熱量に余裕がある場合は前記第1の態様の第2の制御が継続して実行されるが、前記ヒートポンプ8の効率が低下しない範囲で前記第2の態様の制御に変更されることがある他、前記熱源15の熱量の余裕量との関係で、該第1の態様の制御が、途中から、前記第2の態様の第2の制御に変更されることもある。或いは、最初から該第2の態様に係る第2の制御が実行されることもある。
【0051】
(1)態様例1:前記冷暖房装置32が冬場に暖房運転を行う場合、朝の外気温が低く室温が低い時間帯においては前記第2の制御が行われ(このときは、ヒートポンプ8の出力は高い状態にある)、その後、昼間の暖かい時間帯においては前記第1の制御に変更され(このときは、ヒートポンプ8の出力は前記20%未満に落ちてきている)、その後、夕方になって、外気温が下がって室温が下がってきたときには前記第2の制御に変更される(このときは、ヒートポンプ8の出力は30%以上に上がっている)態様。
(2)態様例2:運転終了時点まで第2の制御(前記第1の態様に係る前記第2の制御又は前記第2の態様に係る前記第2の制御)のみが実行される態様。
(3)態様例3:第2の制御(前記第1の態様に係る前記第2の制御又は前記第2の態様に係る前記第2の制御)から第1の制御に変更される態様。
【0052】
次に、特許文献1に係る従来の制御方法(必要量の前記第2の熱媒液を前記熱媒液循環流路に供給する制御方法)に代えて本発明に係る制御方法を採用したときの水冷式ヒートポンプの電力使用量の低減効果について説明する。
【0053】
今、該水冷式ヒートポンプ冷暖房装置32を暖房で使用する場合において、従来の制御方法により、前記出口端16の温度を2℃に設定した状態で前記入口端12に供給される前記第2の熱媒液13の温度を7℃として前記ヒートポンプを運転しているものを、本発明に係る制御方法の前記第2の制御によって、前記出口端16における第2の熱媒液13の温度を、前記2℃よりも高い温度、例えば10℃に設定したとする。このように設定することにより、前記第1の熱交換部6における熱交換量はそのままで前記ヒートポンプの圧縮機43の圧縮仕事量を低減させることができ、その分、該ヒートポンプの電力使用量を低減できて電気料金を安価にできる。
【0054】
逆に、前記水冷式ヒートポンプ冷暖房装置32を冷房で使用する場合において、従来の制御方法により、前記出口端16の温度を35℃に設定した状態で前記出口端16における前記第2の熱媒液13の温度を30℃としてヒートポンプを運転しているものを、本発明に係る制御方法の前記第2の制御によって、前記出口端の第2の熱媒液13の温度を、前記30℃よりも低い温度、例えば20℃に設定したとする。このように設定することにより、前記第1の熱交換部6における熱交換量はそのままで、前記ヒートポンプの圧縮機45の圧縮仕事量を低減させることができ、その分、該水冷式ヒートポンプの電力使用量を低減できて電気料金を安価にできることとなる。
【実施例0055】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能である。
【0056】
(1)前記熱交換装置1を構成する前記熱交換貯留槽33は、地下水が常時出入りできる地下水採取用貯留槽として構成されることもある。この場合は、地下水が常時貯留状態にある該地下水採取用貯留槽そのものが前記熱源15を構成し、貯留されている地下水が、前記第2の熱媒液13となり得る熱媒液2である。このように構成する場合は、前記第1の熱交換部6の前記出口端16が存する側で排出された前記第1の熱媒液11は、例えば、還元井戸に戻したり、或いは、貯水槽に収容して融雪用の水等として利用することもできる。前記熱交換装置1を該地下水採取用貯留槽を用いて構成する場合は、地下水の使用量を低減できるため、地下水の低下による地盤沈下等の環境問題を生じさせにくい。
【0057】
(2)前記熱交換装置1を構成する前記熱源15は、常に補充はされるが、該補充のスピードがゆっくりである、保有熱量に限りがある熱源である。該熱源15は、前記した熱交換貯留槽33を用いて構成できる他、温泉排水や工場排水、下水の廃液を貯留した貯留槽を熱供給源として用いて構成することもできる。このように構成する場合は、無駄に捨てられていた温泉排水や工場排水、下水の熱量を、例えば、蛇行管部等としての熱交換貯留槽を介して採熱することによって有効活用できることとなる。この場合は、該熱交換貯留槽内の熱媒液が、前記熱源15が保有する第2の熱媒液13である。
【0058】
(3)本発明に係る水冷式ヒートポンプの熱交換装置の制御方法は、前記冷暖房装置の他、例えば冷蔵機や冷凍機、製氷機、給湯機、融雪機にも応用できる。これらの場合、冷蔵や冷凍、製氷、給湯、融雪の最初の段階では、前記第2の制御が行われ、冷蔵における所要温度に冷えた状態の維持や氷の状態の維持等、状態を維持すればよいだけに至ったときは、前記第1、第2の条件の下、該第2の制御から前記第1の制御に変更される。
【0059】
(4)前記熱交換部6で要求される流量の調整は、前記流量調整弁31を用いることなく、該ポンプ23のインバータによる流量調整作用によって行うことも可能である。
【0060】
(5)図3に示す実施例にあっては、前記ポンプ23は前記実施例1における場合と同様であるが、前記混合三方弁30の配置状態が前記実施例1における場合と異なる。該混合三方弁30は、前記排出管22の、前記熱媒液循環流路7に対する連結部分に配置されており、該混合三方弁30の前記第1、第2、第3の接続口79,80,81は夫々、前記排出管22の上流端82、前記熱媒液循環流路7の両側部位83,85に連結されている。なお図3(A)においては、流量調整を前記ポンプ23のインバータ制御で行うため、図1~2おける前記流量調整弁31は用いていない。
前記熱交換装置1をこのように構成する場合は、次の利点がある。即ち、実施例1 に係る熱交換装置1におけるように、前記熱媒液循環流路7に対する前記供給管19の連結部位25に前記混合三方弁30を介在させると共に、該混合三方弁30と前記入口端12との間にポンプ23を介在させる場合は、該混合三方弁30に流入した第2の熱媒液13が、該混合三方弁30で絞られて該ポンプ23で吸引されるため、第2の該熱媒液13に溶け込んでいた空気が気泡化する。そのため、該気泡を含む熱媒液が前記入口端12に流入して前記第1 の熱交換部6に供給されることになるため、該気泡を含むことに起因して該第1の熱交換部6における熱交換効率が悪くなる問題がある。
これに対して図3に係る実施例によるときは、ポンプ23によって圧力がかかった熱媒液が前記混合三方弁30を通過するため、該熱媒液に溶け込んでいる空気が気泡化しにくく、前記熱交換効率を悪化させにくい。
【0061】
(6)図3に示す実施例において前記ポンプ23は、同図に一点鎖線で示すように、前記出口端16と、前記のように配置された混合三方弁30との間に配置することも可能である。
【0062】
(7)前記混合三方弁30は、例えば図4に示すように、2台の流量調整2方弁86,87に置き換えることもできる。
【0063】
(8)前記熱交換貯留槽33が密閉水槽として構成されていない場合は、水中ポンプを介して、該熱交換貯留槽33内の熱媒液2を前記第1の管体55に供給できる。
【符号の説明】
【0064】
1 熱交換装置
2 熱媒液
3 流路
5 第2の熱交換部
6 第1の熱交換部
7 熱媒液循環流路
8 水冷式ヒートポンプ
11 第1の熱媒液
12 入口端
13 第2の熱媒液
15 熱源
16 出口端
17 温度検出器
19 供給管
22 排出管
23 ポンプ
25 連結部位
26 第1の接続口
27 第2の接続口
29 第3の接続口
30 混合三方弁
31 流量調整弁
32 水冷式ヒートポンプ冷暖房装置
33 熱交換貯留槽
35 壁部
37 密閉水槽
47 周辺地中
79 第1の接続口
80 第2の接続口
81 第3の接続口
図1
図2
図3
図4