IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カシオ計算機株式会社の特許一覧

特開2024-97787画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラム
<>
  • 特開-画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラム 図1
  • 特開-画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラム 図2
  • 特開-画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラム 図3
  • 特開-画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラム 図4
  • 特開-画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラム 図5
  • 特開-画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラム 図6
  • 特開-画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラム 図7
  • 特開-画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラム 図8
  • 特開-画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラム 図9
  • 特開-画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラム 図10
  • 特開-画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラム 図11
  • 特開-画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラム 図12
  • 特開-画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラム 図13
  • 特開-画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラム 図14
  • 特開-画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラム 図15
  • 特開-画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラム 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097787
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20240711BHJP
   G06F 3/04845 20220101ALI20240711BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20240711BHJP
   G06T 11/80 20060101ALI20240711BHJP
   A45D 44/00 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
G06T1/00 340A
G06F3/04845
G06F3/0488
G06T11/80 A
A45D44/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024066340
(22)【出願日】2024-04-16
(62)【分割の表示】P 2019173555の分割
【原出願日】2019-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】熊崎 元基
(57)【要約】
【課題】メイク後の顔の状態をよりリアルにシミュレーションすることが可能な画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】表示部15は、ユーザの顔が撮像された撮像画像を表示する。タッチパネル16は、化粧品画像を表示する。操作受付部140は、指示装置30がタッチパネル16の表面に接触することによる操作を受け付ける。接触位置特定部170は、操作受付部140が操作を受け付けた後において、指示装置30がユーザの顔に接触した場合、ユーザの顔における指示装置30が接触した接触位置を特定する。表示制御部120は、撮像画像における、特定された接触位置に対応する部分が、指示装置30によるタッチパネル16の表面への接触に関する第1の値と、指示装置30によるユーザの顔への接触に関する第2の値と、のうちの少なくとも一方に基づいて加工されたメイク画像を表示する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの顔が撮像された撮像画像を表示する第1の表示領域と、化粧品を表現する化粧品画像を表示する第2の表示領域とを有する表示部と、
前記第2の表示領域に前記化粧品画像が表示されている時に、指示体が前記第2の表示領域の表面に接触することによる操作を受け付ける操作受付部と、
前記操作受付部が前記操作を受け付けた後において、前記指示体が前記ユーザの顔に接触した場合、前記ユーザの顔における前記指示体が接触した接触位置を特定する接触位置特定部と、
前記撮像画像における、前記接触位置特定部により特定された前記接触位置に対応する部分が、前記指示体による前記第2の表示領域の表面への接触に関する第1の値と、前記指示体による前記ユーザの顔への接触に関する第2の値と、のうちの少なくとも一方に基づいて加工されたメイク画像を前記第1の表示領域に表示する表示制御部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第1の値は、前記指示体による前記第2の表示領域の表面への接触の強さと、当該接触の時間長と、当該接触の位置の移動距離と、のうちの少なくとも1つを示す値であり、
前記第2の値は、前記指示体による前記ユーザの顔への接触の強さと、当該接触の時間長と、当該接触の位置の移動距離と、のうちの少なくとも1つを示す値である、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記指示体は、前記指示体の先端部に対する接触を検知する接触検知部、を備え、
前記メイク画像は、前記第1の表示領域に表示された前記撮像画像における、前記接触位置特定部により特定された前記接触位置に対応する部分が、前記指示体が前記第2の表示領域の表面に接触した時に前記接触検知部により検知された前記接触に関する前記第1の値と、前記指示体が前記ユーザの顔に接触した時に前記接触検知部により検知された前記接触に関する前記第2の値と、のうちの少なくとも一方に基づいて加工された画像である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像処理装置は、前記操作受付部が前記操作を受け付けた時に、前記指示体による前記第2の表示領域の表面への接触を検知する第2の接触検知部、を更に備え、
前記メイク画像は、前記第1の表示領域に表示された前記撮像画像における、前記接触位置特定部により特定された前記接触位置に対応する部分が、前記第2の接触検知部により検知された前記接触に関する前記第1の値に基づいて加工された画像である、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記メイク画像は、前記第1の表示領域に表示された前記撮像画像における、前記接触位置特定部により特定された前記接触位置に、前記化粧品が前記ユーザの顔に塗布された状態を表現するメイクパーツが重ねられた画像である、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記第1の値又は前記第2の値がより大きいほど、前記メイクパーツの濃度をより高くする、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記指示体に仮想的に保持される前記化粧品の保持量を、前記第1の値に応じて設定する保持量設定部、を更に備え、
前記メイク画像は、前記第1の表示領域に表示された前記撮像画像における、前記接触位置特定部により特定された前記接触位置に対応する部分が、前記保持量設定部により設定された前記保持量に基づいて加工された画像である、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記保持量設定部は、前記第1の値がより大きいほど、前記保持量をより大きく増加させ、
前記表示制御部は、前記保持量設定部により設定された前記保持量がより大きいほど、前記メイクパーツの濃度をより高くする、
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記メイク画像は、前記第1の表示領域に表示された前記撮像画像における、前記接触位置特定部により特定された前記接触位置に対応する部分が、前記保持量設定部により設定された前記保持量と、前記第2の値と、に基づいて加工された画像である、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記第2の値がより大きいほど、前記メイクパーツの濃度をより高くする、
ことを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記保持量設定部は、前記第2の値がより大きいほど、前記保持量をより大きく減少させる、
ことを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記指示体は、前記指示体に加えられる加速度を検知する加速度検知部、を備え、
前記保持量設定部は、前記加速度検知部により検知された前記加速度に応じて、前記保持量を減少させる、
ことを特徴とする請求項7から11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記撮像画像を取得する画像取得部、を更に備え、
前記第1の表示領域は、前記画像取得部により取得された前記撮像画像を表示する、
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載の画像処理装置と、前記指示体と、を備えることを特徴とするメイクシミュレーション装置。
【請求項15】
ユーザの顔が撮像された撮像画像を第1の表示領域に表示し、
化粧品を表現する化粧品画像を第2の表示領域に表示し、
前記第2の表示領域に前記化粧品画像が表示されている時に、指示体が前記第2の表示領域の表面に接触することによる操作を受け付け、
前記操作を受け付けた後において、前記指示体が前記ユーザの顔に接触した場合、前記ユーザの顔における前記指示体が接触した接触位置を特定し、
前記撮像画像における、特定された前記接触位置に対応する部分が、前記指示体による前記第2の表示領域の表面への接触に関する第1の値と、前記指示体による前記ユーザの顔への接触に関する第2の値と、のうちの少なくとも一方に基づいて加工されたメイク画像を前記第1の表示領域に表示する、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項16】
コンピュータを、
ユーザの顔が撮像された撮像画像を第1の表示領域に表示し、化粧品を表現する化粧品画像を第2の表示領域に表示する表示部、
前記第2の表示領域に前記化粧品画像が表示されている時に、指示体が前記第2の表示領域の表面に接触することによる操作を受け付ける操作受付部、
前記操作受付部が前記操作を受け付けた後において、前記指示体が前記ユーザの顔に接触した場合、前記ユーザの顔における前記指示体が接触した接触位置を特定する接触位置特定部、
前記撮像画像における、前記接触位置特定部により特定された前記接触位置に対応する部分が、前記指示体による前記第2の表示領域の表面への接触に関する第1の値と、前記指示体による前記ユーザの顔への接触に関する第2の値と、のうちの少なくとも一方に基づいて加工されたメイク画像を前記第1の表示領域に表示する表示制御部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが化粧品によりメイクアップ(以下、「メイク」と呼ぶ。)した後の状態をシミュレーションするメイクシミュレーションの技術が知られている。例えば、特許文献1は、人物の顔画像にメイクパーツを重畳して表示装置に表示させるメイクシミュレーション装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/159231号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実際のメイクにおいて化粧ブラシ等のメイク道具を用いて顔に化粧品を塗布する場合、メイク道具に付着した化粧品の量や、顔に対するメイク道具の接触のさせ方等に応じて、顔に対する化粧品の塗布のされ方は変化する。そのため、メイクシミュレーションによってメイク後の顔の状態をシミュレーションしても、実際のメイクとは異なる仕上がりになることがある。このような状況のもと、メイク道具を用いて顔に化粧品を塗布する場合におけるメイク後の顔の状態をよりリアルにシミュレーションすることが求められている。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためのものであり、メイク後の顔の状態をよりリアルにシミュレーションすることが可能な画像処理装置、メイクシミュレーション装置、画像処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置は、
ユーザの顔が撮像された撮像画像を表示する第1の表示領域と、化粧品を表現する化粧品画像を表示する第2の表示領域とを有する表示部と、
前記第2の表示領域に前記化粧品画像が表示されている時に、指示体が前記第2の表示領域の表面に接触することによる操作を受け付ける操作受付部と、
前記操作受付部が前記操作を受け付けた後において、前記指示体が前記ユーザの顔に接触した場合、前記ユーザの顔における前記指示体が接触した接触位置を特定する接触位置特定部と、
前記撮像画像における、前記接触位置特定部により特定された前記接触位置に対応する部分が、前記指示体による前記第2の表示領域の表面への接触に関する第1の値と、前記指示体による前記ユーザの顔への接触に関する第2の値と、のうちの少なくとも一方に基づいて加工されたメイク画像を前記第1の表示領域に表示する表示制御部と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、メイク後の顔の状態をよりリアルにシミュレーションすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態1に係るメイクシミュレーション装置の外観模式図である。
図2】実施形態1に係る画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】実施形態1に係る指示装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】実施形態1に係るメイクシミュレーション装置の機能的な構成を示すブロック図である。
図5】実施形態1に係る画像処理装置をユーザが使用している状態を示す図である。
図6】実施形態1に係る画像処理装置に撮像画像と化粧品画像とが表示された例を示す図である。
図7】実施形態1においてユーザが指示装置をタッチパネルに接触させた例を示す図である。
図8】実施形態1においてユーザが指示装置を顔に接触させた例を示す図である。
図9】実施形態1においてユーザが指示装置を振る動作を行った例を示す図である。
図10】実施形態1における保持データの例を示す図である。
図11】実施形態1においてユーザが指示装置を顔に接触させた場合における撮像画像の表示例を示す図である。
図12】実施形態1においてメイク画像が表示された第1の例を示す図である。
図13】実施形態1においてメイク画像が表示された第2の例を示す図である。
図14】実施形態1に係る指示装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図15】実施形態1に係る画像処理装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図16】本発明の実施形態2に係る画像処理装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。
【0010】
(実施形態1)
図1に、本発明の実施形態1に係るメイクシミュレーション装置1の外観を模式的に示す。メイクシミュレーション装置1は、ユーザが化粧品によりメイクした後の状態をコンピュータ上でシミュレーションする装置である。メイクシミュレーション装置1を用いることで、ユーザは、本物の化粧品を用いることなく気軽にメイクの練習をすることや、メイク後の状態を事前に確認することができる。
【0011】
図1に示すように、メイクシミュレーション装置1は、画像処理装置10と、指示装置30と、を備える。画像処理装置10は、ユーザの顔が撮像された撮像画像に対して、メイク後の状態を表す画像をシミュレーションにより生成して表示する装置である。画像処理装置10は、メイク用のパレットを模擬した形状をしている。
【0012】
図2に、画像処理装置10のハードウェア構成を示す。画像処理装置10は、制御部11と、記憶部12と、操作部13と、撮像部14と、表示部15と、タッチパネル16と、通信部17と、を備える。
【0013】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備える。CPUは、例えばマイクロプロセッサ等を備え、様々な処理及び演算を実行する中央演算処理部として機能する。制御部11において、CPUは、システムバスを介して画像処理装置10の各部に接続されており、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出して、RAMをワークメモリとして用いながら、画像処理装置10全体の動作を制御する。
【0014】
また、制御部11は、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等のような画像処理用のプロセッサと、処理される画像を一時的に保存するバッファメモリと、を備える。制御部11は、画像処理用のプロセッサにより、周知の画像処理の手法を用いて、撮像部14により得られた撮像画像を処理する。
【0015】
記憶部12は、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性メモリを備える。記憶部12は、制御部11が各種処理を行うために使用するプログラム及びデータを記憶する。また、記憶部12は、制御部11が各種処理を行うことにより生成又は取得するデータを記憶する。
【0016】
操作部13は、入力キー、ボタン、スイッチ等を備え、ユーザから操作指示を受け付ける。
【0017】
撮像部14は、いわゆるカメラであって、被写体から射出された光を集光するレンズと、集光した光を受けて被写体の画像を取得するCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子と、撮像素子から電気信号として送られた撮像データをデジタルデータに変換するA/D(Analog/Digital)変換器と、を備える。撮像部14は、図1に示すように、表示部15の近傍に配置されており、表示部15を見ながら画像処理装置10を使用しているユーザの顔を撮像する。
【0018】
図2に戻って、表示部15は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスである。表示部15は、図1に示すように、画像処理装置10の上側の面に配置されており、撮像部14の撮像により得られた撮像画像を表示する。表示部15は、本発明における「第1の表示領域」として機能する。
【0019】
タッチパネル16は、タッチスクリーン等とも呼ばれ、画像を表示する表示装置と位置の入力を受け付ける位置入力装置とが互いに重畳して配置されたデバイスである。タッチパネル16は、図1に示すように、画像処理装置10の下側の面に配置されており、メイクシミュレーションにおいてユーザの顔に仮想的に塗布される化粧品を表現する化粧品画像を表示する。タッチパネル16は、本発明における「第2の表示領域」として機能する。また、タッチパネル16は、表示装置に画像が表示されている時に、タッチパネル16の表面に対する接触による操作を位置入力装置により受け付ける。なお、表示部15とタッチパネル16とが本発明における「表示部」として機能する。
【0020】
通信部17は、画像処理装置10が指示装置30を含む外部の機器と通信するためのインタフェースを備える。通信部17は、例えば、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)等の無線通信、又はUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等の有線通信を介して外部の機器と通信する。
【0021】
図1に戻って、指示装置30は、メイクシミュレーションにおいて化粧品を選択し、選択した化粧品を仮想的に塗布する顔の位置を指示するための装置である。指示装置30は、スティック状をしており、いわゆる化粧筆(化粧ブラシ、メイクブラシ)のような、顔に化粧品を塗布するために用いられる塗布ツールを模擬する部材である。ユーザは、指示装置30を手で把持し、画像処理装置10に表示された化粧品画像及びユーザの顔を、指示装置30の端部で指し示すようにして使用する。指示装置30は、本発明における「指示体」として機能する。
【0022】
指示装置30は、図示を省略するが、タッチパネル16の表面やユーザの顔等に接触する側の先端部に、取り外し可能なアタッチメント(取り付け部材)を備える。アタッチメントは、仮想的に化粧品を付着させて塗布するための部品である。アタッチメントとして、ペン状、ブラシ状等の様々な形状のものを指示装置30に取り付けることができる。指示装置30に取り付けられるアタッチメントに応じて、メイクシミュレーションにおける化粧品の塗布の態様が変化する。ユーザは、指示装置30に所望の形状のアタッチメントを付け替えてメイクをシミュレーションすることができる。
【0023】
図3に、指示装置30のハードウェア構成を示す。指示装置30は、制御部31と、記憶部32と、種別識別部33と、接触検知部34と、加速度検知部35と、通信部37と、を備える。
【0024】
制御部31は、CPU、ROM及びRAMを備える。CPUは、例えばマイクロプロセッサ等を備え、様々な処理及び演算を実行する中央演算処理部として機能する。制御部11において、CPUは、システムバスを介して指示装置30の各部に接続されており、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出して、RAMをワークメモリとして用いながら、指示装置30全体の動作を制御する。
【0025】
記憶部32は、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性メモリを備える。記憶部32は、制御部31が各種処理を行うために使用するプログラム及びデータを記憶する。また、記憶部32は、制御部31が各種処理を行うことにより生成又は取得するデータを記憶する。
【0026】
種別識別部33は、指示装置30に取り付けられたアタッチメントの種別を識別する。例えば、指示装置30は、アタッチメントが取り付けられた場合に押圧されるスイッチであって、種別が異なるアタッチメントが取り付けられると押圧のされ方が異なるスイッチを備える。種別識別部33は、アタッチメントが取り付けられた場合におけるスイッチの押圧のされ方によって、取り付けられたアタッチメントの種別を識別する。
【0027】
接触検知部34は、指示装置30の端部に対する接触を検知する。接触検知部34は、静電容量式、歪みゲージ式等の周知の方式で圧力を検知する圧力センサを備える。接触検知部34は、指示装置30に取り付けられたアタッチメントに、タッチパネル16の表面やユーザの顔等の物体が接触した場合、その接触によってアタッチメントに加えられる圧力を圧力センサにより検知する。これにより、接触検知部34は、指示装置30の端部に対する接触を検知する。
【0028】
加速度検知部35は、機械式、振動式、半導体式等の周知の方式で加速度を検知する加速度センサを備えており、指示装置30の全体に加えられる加速度を検知する。加速度検知部35は、例えば指示装置30がユーザに把持された状態で振り払われた場合のように、指示装置30に加速度が加えられた場合に、その加速度を検知する。
【0029】
通信部37は、指示装置30が画像処理装置10と通信するためのインタフェースを備える。通信部37は、例えば、無線LAN、Bluetooth(登録商標)等の無線通信、又はUSBケーブル等の有線通信を介して画像処理装置10と通信する。
【0030】
次に、図4を参照して、メイクシミュレーション装置1の機能的な構成について説明する。図4に示すように、画像処理装置10の制御部11は、機能的に、画像取得部110と、表示制御部120と、顔検出部130と、操作受付部140、情報取得部150と、保持量設定部160と、接触位置特定部170と、を備える。制御部11において、CPUがROMに記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより、これら各部として機能する。
【0031】
また、指示装置30は、機能的に、情報送信部310を備える。制御部31において、CPUがROMに記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより、情報送信部310として機能する。
【0032】
画像処理装置10において、画像取得部110は、撮像部14による撮像により得られた撮像画像を取得する。図5に、ユーザUがメイクシミュレーション装置1を用いてメイクのシミュレーションを行うために、画像処理装置10の表示部15に向かい合っている状態を示す。撮像部14は、図5において破線で示す視野の内側、具体的には表示部15に向かい合っているユーザUの顔を含む範囲を撮像する。
【0033】
このように、撮像部14の設置位置及び光軸の向きは、ユーザUが表示部15に向かい合っている場合にユーザUの顔が撮像部14の視野に含まれるように、調整されている。そのため、ユーザUが表示部15に向かい合っている場合、画像取得部110は、ユーザUの顔が撮像された撮像画像を取得する。画像取得部110は、画像処理装置10がユーザUにより使用されている間、このような撮像部14によりユーザUの顔が撮像された撮像画像を継続的に取得する。画像取得部110は、制御部11が撮像部14等と協働することにより実現される。
【0034】
表示制御部120は、画像取得部110により取得された撮像画像を、第1の表示領域である表示部15に表示する。例えば図5に示したように撮像部14の視野内にユーザUの顔が含まれている場合、表示制御部120は、ユーザの顔が撮像された撮像画像を表示部15に表示する。これにより、表示制御部120は、表示部15に向かい合っているユーザUの顔の様子をリアルタイムで表示する。このように撮像されたユーザの顔画像が表示部15に表示されることで、ユーザは、表示部15に表示された自分の顔画像を鏡に映った顔のように見ながら、メイクをシミュレーションすることができる。
【0035】
更に、表示制御部120は、化粧品を表現する化粧品画像を、第2の表示領域であるタッチパネル16に表示する。化粧品画像は、メイクシミュレーションにおいてユーザUの顔に仮想的に塗布される化粧品を視覚的に表現する画像である。表示制御部120は、化粧品画像として、複数の化粧品を表現する画像を表示する。
【0036】
具体的に説明すると、表示制御部120は、例えば図6に示すように、タッチパネル16上の表示領域を縦方向及び横方向に複数に区切ることで、複数の部分領域に分割する。そして、表示制御部120は、化粧品画像として、複数の部分領域のそれぞれに異なる化粧品を表現する画像を表示する。
【0037】
ここで、複数の部分領域のそれぞれに表示される化粧品は、色、光沢、質感等の少なくとも1つの特徴が異なる化粧品であって、ユーザUの顔に仮想的に塗布してメイク後の状態をシミュレーションすることが可能な化粧品である。色、光沢、質感等が異なる複数の化粧品を表現する化粧品画像がタッチパネル16に表示されることにより、ユーザUは、複数の化粧品のうちからメイクシミュレーションを望む化粧品を選択して使用することができる。
【0038】
このような複数の化粧品を表現する化粧品画像は、記憶部12に予め記憶されている。表示制御部120は、画像処理装置10の使用時に化粧品画像を記憶部12から読み出してタッチパネル16に表示する。
【0039】
このようにユーザUの顔が撮像された撮像画像がリアルタイムで表示部15に表示され、且つ、化粧品画像がタッチパネル16に表示されることにより、ユーザは、画像処理装置10を、化粧用のパレットのように取り扱うことができる。表示制御部120は、制御部11が表示部15、タッチパネル16等と協働することにより実現される。
【0040】
図4に戻って、顔検出部130は、画像取得部110により取得された撮像画像のうちから顔画像を検出する。具体的に説明すると、顔検出部130は、画像取得部110により撮像画像が取得されると、周知の顔認識の手法を用いて、撮像画像に目、鼻、眉等の顔部位が含まれているか否かを判定する。判定の結果、撮像画像に顔部位が含まれている場合、顔検出部130は、撮像画像における顔部位の座標及びサイズを検出する。
【0041】
また、顔検出部130は、検出した顔部位に基づいて顔の輪郭部分を識別し、顔全体の領域を検出する。そして、顔検出部130は、撮像画像における顔全体の領域を、仮想的に化粧品が塗布される対象となるバーチャルメイク領域として決定する。顔検出部130は、制御部11が記憶部12等と協働することにより実現される。
【0042】
操作受付部140は、タッチパネル16に化粧品画像が表示されている時に、指示装置30がタッチパネル16の表面に接触することによる操作を受け付ける。図7に、指示装置30の先端部がタッチパネル16の表面に接触した例を示す。ユーザUは、メイクシミュレーション装置1を用いてメイク後の状態をシミュレーションする場合、図7に示すように、指示装置30を手で把持し、その先端部を化粧品画像が表示されているタッチパネル16の表面に接触させる。
【0043】
このような指示装置30をタッチパネル16の表面に接触させる動作は、化粧用のパレットに収納されている化粧品を化粧筆の先端部に保持(付着)させる動作を模擬したものである。操作受付部140は、指示装置30によるタッチパネル16の表面に対する接触を検知することにより、ユーザからの操作を受け付ける。
【0044】
より詳細には、操作受付部140は、指示装置30がタッチパネル16の表面に接触すると、タッチパネル16の位置入力装置の機能により、その接触の位置座標を検知する。そして、操作受付部140は、タッチパネル16に化粧品画像として表示されている複数の化粧品のうちの、検知された位置座標に表示されている化粧品を、ユーザUの顔に仮想的に塗布される化粧品として選択する。
【0045】
このように、ユーザUは、指示装置30を化粧筆のように用いてタッチパネル16の表面に接触させることにより、複数の化粧品のうちから、ユーザUの顔に仮想的に塗布する化粧品を選択する。操作受付部140は、制御部11がタッチパネル16等と協働することにより実現される。
【0046】
図4に戻って、指示装置30において、情報送信部310は、通信部37を介して画像処理装置10と通信することにより、種別情報、接触情報及び加速度情報を画像処理装置10に送信する。情報送信部310は、制御部31が通信部37等と協働することにより実現される。
【0047】
第1に、情報送信部310は、指示装置30に取り付けられたアタッチメントの種別を示す種別情報を画像処理装置10に送信する。例えば、指示装置30に取り付けられているアタッチメントをブラシ状のものからペン状のものに交換する場合のように、新たなアタッチメントが指示装置30に取り付けられた場合、種別識別部33は、そのアタッチメントの種別を識別する。このように指示装置30に新たなアタッチメントが取り付けられた場合、情報送信部310は、種別識別部33により識別された新たなアタッチメントの種別を示す種別情報を画像処理装置10に送信する。
【0048】
第2に、情報送信部310は、接触検知部34により検知された接触の強さを示す接触情報を画像処理装置10に送信する。ここで、接触の強さは、その接触の際に指示装置30の先端部に加えられた圧力の大きさに相当し、指示装置30の先端部に設けられている圧力センサにより検知される。情報送信部310は、接触検知部34により検知された指示装置30の先端部に対する接触の強さを示す接触情報を、予め定められた一定の時間間隔で画像処理装置10に送信する。
【0049】
より詳細には、接触検知部34により接触が検知される場合として、主に2つの場合が挙げられる。第1の場合は、例えば図7に示したように、ユーザUが、タッチパネル16に表示された化粧品画像から化粧品を選択するために、指示装置30の先端部をタッチパネル16の表面に接触させる場合である。第2の場合は、図8に示すように、ユーザUが、選択した化粧品を顔に仮想的に塗布するために、指示装置30の先端部をユーザUの顔に接触させる場合である。ユーザUは、指示装置30の先端部をタッチパネル16の表面に接触させた後、図8に示すように、化粧筆を顔に当てて化粧品を塗布する動作を模擬するために、指示装置30の先端部を顔に接触させる。
【0050】
以下では、第1の場合における接触を「第1の接触」と呼び、第2の場合における接触を「第2の接触」と呼ぶ。第1の接触において接触検知部34により検知された接触の強さは、本発明における「第1の値」の一例であり、第2の接触において接触検知部34により検知された接触の強さは、本発明における「第2の値」の一例である。
【0051】
第3に、情報送信部310は、加速度検知部35により検知された加速度を示す加速度情報を画像処理装置10に送信する。具体的に説明すると、加速度検知部35は、指示装置30の全体に対して加えられた加速度を検知する。
【0052】
ここで、指示装置30の全体に対して加速度が加えられる場合とは、具体的には図9に示すように、ユーザUが指示装置30に仮想的に保持されている化粧品の保持量を減らすために、手で把持している指示装置30を空中で振る動作を行った場合である。このような動作は、化粧筆の先端部に付着した化粧品を空中に飛散させる動作を模擬したものである。情報送信部310は、このように指示装置30の全体に加えられた加速度を示す加速度情報を、予め定められた一定の時間間隔で画像処理装置10に送信する。
【0053】
画像処理装置10において、情報取得部150は、通信部17を介して指示装置30と通信し、情報送信部310により送信された種別情報、接触情報及び加速度情報を取得する。情報取得部150は、制御部11が通信部17等と協働することにより実現される。
【0054】
保持量設定部160は、指示装置30に仮想的に保持される化粧品の保持量を、第1の接触及び第2の接触における接触の強さに基づいて設定する。指示装置30に仮想的に保持される化粧品の保持量は、記憶部12に保持データ21として記憶されている。保持量設定部160は、制御部11が記憶部12等と協働することにより実現される。
【0055】
図10に、記憶部12に記憶されている保持データ21の例を示す。図10に示すように、保持データ21は、指示装置30の先端部に保持されている化粧品の種類と、その化粧品の保持量(付着量)と、指示装置30に取り付けられているアタッチメントの種別と、を示すデータである。
【0056】
保持量設定部160は、操作受付部140により操作が受け付けられた場合、保持データ21に記憶されている化粧品の種類を更新する。例えば、操作受付部140により受け付けられた操作により、タッチパネル16に表示された複数の化粧品のうちから「化粧品A」の種類の化粧品が選択された場合、保持量設定部160は、保持データ21に記憶されている化粧品の種類を「化粧品A」に更新する。
【0057】
更に、保持量設定部160は、情報取得部150により指示装置30から取得された種別情報、接触情報又は加速度情報に基づいて、保持データ21を更新する。
【0058】
第1に、保持量設定部160は、情報取得部150が指示装置30から種別情報を取得すると、保持データ21に記憶されているアタッチメントの種別を、取得された種別情報に示される種別に更新する。例えば指示装置30に「ブラシB」の種別のアタッチメントが取り付けられた場合、保持量設定部160は、保持データ21に記憶されているアタッチメントの種別を「ブラシB」に更新する。これにより、指示装置30に新たなアタッチメントが取り付けられた場合、保持データ21に記憶されているアタッチメントの種別が最新の情報に更新される。
【0059】
第2に、保持量設定部160は、第1の接触又は第2の接触の際に情報取得部150が指示装置30から接触情報を取得すると、取得された接触情報に基づいて、保持データ21に記憶されている化粧品の保持量を設定する。具体的に説明すると、保持量設定部160は、指示装置30がタッチパネル16の表面に接触した時に情報取得部150により取得された接触情報により示される接触の強さに応じて、保持データ21に記憶されている保持量を設定する。また、保持量設定部160は、指示装置30がユーザUの顔に接触した時に情報取得部150により取得された接触情報により示される接触の強さに応じて、保持データ21に記憶されている保持量を設定する。
【0060】
一般的に、ユーザUがパレットから化粧品を付着させるために化粧筆をパレットに接触させた場合、その接触が強いほど、化粧筆により多くの量の化粧品が付着される。このような特徴を模擬するため、保持量設定部160は、指示装置30がタッチパネル16の表面に接触した場合、情報取得部150により取得された接触情報により示される接触の強さがより大きいほど、保持量をより大きく増加させる。
【0061】
同様に、ユーザUが顔に化粧品を塗布するために化粧筆を顔に接触させた場合、その接触が強いほど、ユーザUの顔により多くの量の化粧品が塗布される。このような特徴を模擬するため、保持量設定部160は、指示装置30がユーザUの顔に接触した場合、情報取得部150により取得された接触情報に示される接触の強さがより大きいほど、保持量をより大きく減少させる。
【0062】
第3に、保持量設定部160は、情報取得部150が指示装置30から加速度情報を取得すると、取得された加速度情報に基づいて、保持データ21に記憶されている化粧品の保持量を更新する。具体的に説明すると、保持量設定部160は、情報取得部150により取得された加速度情報に示される加速度が予め定められた閾値よりも大きいか否かを判定する。判定の結果、取得された加速度情報に示される加速度が閾値よりも大きい場合、保持量設定部160は、保持データ21に記憶されている化粧品の保持量を減少させる。その際、保持量設定部160は、取得された加速度情報に示される加速度がより大きいほど、保持データ21に記憶されている化粧品の保持量をより大きく減少させる。このように加速度に応じて化粧品の保持量を減少させることにより、ユーザUは、図9に示したように指示装置30を振るという自然な動作で化粧品の保持量を調整することができる。
【0063】
図4に戻って、接触位置特定部170は、図7に示したように指示装置30がタッチパネル16の表面に接触することによる操作が受け付けられた後において、図8に示したように指示装置30がユーザUの顔に接触した場合、画像取得部110により取得された撮像画像に基づいて、ユーザUの顔における指示装置30が接触した接触位置を特定する。接触位置特定部170は、制御部11が記憶部12等と協働することにより実現される。
【0064】
具体的に説明すると、接触位置特定部170は、第1に、ユーザUが指示装置30を顔に近付けたか否かを、画像取得部110により取得された撮像画像に基づいて判定する。ユーザUが指示装置30を顔に近付けた場合、撮像部14の視野内に指示装置30が入るため、図11に示すように、撮像画像に指示装置30の画像が含まれる。接触位置特定部170は、撮像画像における、顔検出部130により検出されたユーザUの顔領域(すなわちバーチャルメイク領域)の内側に、指示装置30の画像が含まれているか否かを判定する。
【0065】
ユーザUの顔領域の内側に指示装置30の画像が含まれている場合、第2に、接触位置特定部170は、情報取得部150が指示装置30から取得した接触情報に基づいて、ユーザUの顔領域の内側に指示装置30の画像が含まれている時に接触検知部34により接触が検知されたか否かを判定する。そして、接触位置特定部170は、ユーザUの顔領域の内側に指示装置30の画像が含まれている時に接触検知部34により接触が検知された場合、指示装置30の先端部がユーザUの顔に接触したと判定する。このように、接触位置特定部170は、画像取得部110により取得された撮像画像と、情報取得部150により取得された接触情報と、に基づいて、指示装置30がユーザUの顔に接触したか否かを判定する。
【0066】
指示装置30がユーザUの顔に接触したと判定した場合、接触位置特定部170は、撮像画像におけるその接触位置を特定する。具体的に説明すると、接触位置特定部170は、撮像画像に撮像された指示装置30の先端部の座標を接触位置として特定する。例えばユーザUが目の周囲に指示装置30の先端部を接触させた場合、接触位置特定部170は、目の周囲の位置を接触位置として特定する。これにより、接触位置特定部170は、指示装置30の先端部がユーザUの顔のどの位置に接触したかを特定し、化粧品が仮想的に塗布される位置を決定する。
【0067】
表示制御部120は、表示部15に表示された撮像画像における、接触位置特定部170により特定された接触位置に対応する部分が加工されたメイク画像を表示する。ここで、メイク画像とは、ユーザUの顔のメイク後の状態をシミュレーションするための画像であって、化粧品がユーザUの顔に実際に塗布された場合にどのように塗布されるかを表現する画像である。
【0068】
具体的には、メイク画像は、ユーザUの顔が撮像された撮像画像における、接触位置特定部170により特定された接触位置に、化粧品がユーザUの顔に塗布された状態を表現するメイクパーツが重ねられることにより加工された画像である。例えばユーザUが目の周囲に指示装置30の先端部を接触させた場合、表示制御部120は、図12に示すように、メイク画像として、ユーザUの目の周囲にメイクパーツ41が重ねられることにより加工された画像を表示する。なお、メイク画像におけるメイクパーツ41以外の部分は、撮像画像と同じであって、撮像画像から加工が加えられていない。このようなメイク画像により、表示制御部120は、メイク後のユーザUの顔の状態を表現する。
【0069】
表示制御部120は、操作受付部140により受け付けられた操作により複数の化粧品のうちから選択された化粧品に対応するメイクパーツ41を撮像画像に重ねる。言い換えると、表示制御部120は、ユーザUにより選択された化粧品の色、光沢、質感等の特徴と同様の特徴を有するメイクパーツ41を、ユーザUの顔画像に重ねて表示する。これにより、表示制御部120は、ユーザUにより選択された化粧品が実際に塗布された状態を忠実に表現する。
【0070】
更に、表示制御部120は、メイク画像として、画像取得部110により取得された撮像画像における、接触位置特定部170により特定された接触位置に対応する部分が、第1の接触における接触の強さと第2の接触における接触の強さとに基づいて加工された画像を表示部15に表示する。ここで、撮像画像における接触位置に対応する部分は、撮像画像に含まれるユーザUの顔画像内における、指示装置30の先端部が接触した位置に相当する部分である。例えば、撮像画像における接触位置に対応する部分は、指示装置30の先端部がユーザUの右目の上側に接触した場合には、撮像画像内におけるユーザUの右目の上側の部分に相当し、指示装置30の先端部がユーザUの右側の頬に接触した場合には、撮像画像内におけるユーザUの右側の頬の部分に相当する。
【0071】
表示制御部120は、このような撮像画像に含まれるユーザUの顔画像における接触位置に対応する部分を、指示装置30によるタッチパネル16の表面及びユーザUの顔への接触の強さに基づいて加工することにより、メイク画像を生成する。具体的に説明すると、表示制御部120は、指示装置30によるタッチパネル16の表面及びユーザUの顔への接触の強さに基づいて、メイクパーツの濃度を変化させる。ここで、メイクパーツの濃度は、メイクパーツが表示部15に表示された際における色の濃さを意味する。
【0072】
具体的に図13に、図12よりも高い濃度のメイクパーツ42が、ユーザUの顔が撮像された撮像画像に重ねて表示された例を示す。一般的に、ユーザUが顔に化粧品を塗布するために化粧筆を顔に接触させた場合、その接触が強いほど、ユーザUの顔により多くの量の化粧品が塗布される。このような特徴を模擬するため、表示制御部120は、指示装置30がユーザUの顔に接触した時に情報取得部150が指示装置30から取得した接触情報を参照し、接触情報により示される接触の強さがより大きいほど、メイクパーツの濃度をより高くする。
【0073】
更には、接触の強さ等が同じであっても、化粧筆に保持されている化粧品の量が大きいほど、ユーザUの顔により多くの量の化粧品が塗布される。そのため、表示制御部120は、保持データ21に記憶されている保持量を参照して、保持量がより大きいほど、メイクパーツの濃度をより高くする。
【0074】
このように、表示制御部120は、指示装置30に仮想的に保持されている化粧品の保持量と、指示装置30によるユーザUの顔への接触の強さと、のそれぞれがより大きくなると、図13に示すように、図12に示したメイクパーツ41よりも濃度が高いメイクパーツ42が撮像画像に重ねられたメイク画像を表示する。これにより、タッチパネル16の表面又はユーザUの顔に対する接触の強さによって実際のメイクとは異なる仕上がりになることを抑制することができる。そのため、メイク後の状態をよりリアルにシミュレーションすることができる。
【0075】
以上のように構成されるメイクシミュレーション装置1において実行される処理の流れについて、図14及び図15を参照して説明する。
【0076】
まず、図14に示すフローチャートを参照して、指示装置30において実行される処理の流れについて説明する。図14に示す処理は、指示装置30の電源が投入されており、指示装置30が正常な処理が実行可能な状態において、随時実行される。
【0077】
図14に示す処理を開始すると、指示装置30において、制御部31は、第1に、指示装置30にアタッチメントが新たに取り付けられたか否かを判定する(ステップS11)。具体的に説明すると、制御部31は、例えば指示装置30に取り付けられているアタッチメントが交換された場合のように、アタッチメントの種別が新たに種別識別部33により識別されたか否かを判定する。
【0078】
アタッチメントが新たに取り付けられた場合(ステップS11;YES)、制御部31は、情報送信部310として機能し、種別識別部33により識別されたアタッチメントの種別を示す種別情報を画像処理装置10に送信する(ステップS12)。一方で、アタッチメントが新たに取り付けられていない場合(ステップS11;NO)、制御部31は、ステップS12の処理をスキップする。
【0079】
第2に、制御部31は、接触検知部34により検知された接触に関する接触情報の送信タイミングが到来したか否か判定する(ステップS13)。接触情報の送信タイミングは、予め定められた一定の時間間隔で繰り返し到来する。
【0080】
接触情報の送信タイミングが到来した場合(ステップS13;YES)、制御部31は、情報送信部310として機能し、接触検知部34により検知された指示装置30の先端部に対する接触の強さを示す接触情報を画像処理装置10に送信する(ステップS14)。例えば、ユーザUが化粧品を選択するために、指示装置30の先端部をタッチパネル16の表面に接触させた場合、制御部31は、その接触の強さを示す接触情報を画像処理装置10に送信する。或いは、ユーザUが化粧品を顔に仮想的に塗布するために、指示装置30の先端部をユーザUの顔に接触させた場合、制御部31は、その接触の強さを示す接触情報を画像処理装置10に送信する。なお、制御部31は、接触検知部34により検知された接触の強さの値がゼロであっても、すなわち指示装置30の先端部に何も接触していない場合であっても、送信タイミングが到来した時点における接触の強さの値を示す接触情報を画像処理装置10に送信する。一方で、接触情報の送信タイミングが到来していない場合(ステップS13;NO)、制御部31は、ステップS14の処理をスキップする。
【0081】
第3に、制御部31は、加速度検知部35により検知された加速度を示す加速度情報の送信タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS15)。加速度情報の送信タイミングは、予め定められた一定の時間間隔で繰り返し到来する。ここで、加速度情報の送信タイミングは、接触情報の送信タイミングと同じであっても良いし、異なっていても良い。
【0082】
加速度情報の送信タイミングが到来した場合(ステップS15;YES)、制御部31は、情報送信部310として機能し、加速度検知部35により検知された加速度を示す加速度情報を画像処理装置10に送信する(ステップS16)。ここで、制御部31は、加速度検知部35により検知された加速度の値がゼロであっても、すなわち指示装置30に加速度が加えられていない場合であっても、送信タイミングが到来した時点における加速度の値を示す加速度情報を画像処理装置10に送信する。一方で、加速度情報の送信タイミングが到来していない場合(ステップS15;NO)、制御部31は、ステップS16の処理をスキップする。
【0083】
その後、制御部31は、処理をステップS11に戻し、ステップS11からステップS16の処理を繰り返す。すなわち、制御部31は、アタッチメントが新たに取り付けられた場合に種別情報を送信し、接触を検知した場合に接触情報を送信し、加速度を検知した場合に加速度情報を送信する処理を繰り返す。
【0084】
次に、図15に示すフローチャートを参照して、画像処理装置10において実行される処理について説明する。図15に示す処理は、画像処理装置10の電源が投入されて正常な処理が可能な状態になると、開始する。
【0085】
なお、画像処理装置10において、制御部11は、図15に示す処理を実行している間、情報取得部150として機能し、指示装置30から種別情報、接触情報又は加速度情報が送信される毎に、送信された種別情報、接触情報又は加速度情報を取得する。
【0086】
図15に示す処理を開始すると、画像処理装置10において、制御部11は、表示制御部120として機能し、タッチパネル16に化粧品画像を表示する(ステップS101)。具体的に説明すると、制御部11は、例えば図6に示したように、タッチパネル16上に区分けされた複数の領域にそれぞれ異なる種類の化粧品を表現する化粧品画像をタッチパネル16に表示する。
【0087】
タッチパネル16に化粧品画像を表示すると、制御部11は、画像取得部110として機能し、撮像を開始する(ステップS102)。具体的に説明すると、制御部11は、撮像部14による撮像を開始し、表示部15の正面の空間の様子を表す撮像画像を取得する。例えば図5に示したようにユーザUが表示部15の方を向いている場合、制御部11は、ユーザUの顔が撮像された撮像画像を取得する。
【0088】
撮像を開始すると、制御部11は、表示制御部120として機能し、撮像により得られた撮像画像を表示部15に表示する(ステップS103)。具体的に説明すると、制御部11は、例えば図6に示したように、表示部15に向かい合っているユーザUの顔画像を含む撮像画像を表示部15に表示する。
【0089】
撮像画像を表示すると、制御部11は、タッチパネル16の表面に対する接触を検知したか否かを判定する(ステップS104)。例えば図7に示したように、ユーザUは、タッチパネル16に表示された化粧品画像のうちから化粧品を選択するために、指示装置30の先端部をタッチパネル16の表面に接触させる。制御部11は、このような指示装置30によるタッチパネル16の表面に対する接触の有無を判定する。
【0090】
タッチパネル16の表面に対する接触を検知した場合(ステップS104;YES)、制御部11は、操作受付部140として機能し、化粧品を選択する(ステップS105)。具体的に説明すると、制御部11は、タッチパネル16に表示されている複数の化粧品のうちから、ステップS104で検知された接触の位置に表示されている化粧品を、メイクシミュレーションに用いられる化粧品として選択する。
【0091】
化粧品を選択すると、制御部11は、保持量設定部160として機能し、指示装置30に仮想的に保持される化粧品の保持量を算出する(ステップS106)。具体的に説明すると、ステップS104で指示装置30によるタッチパネル16の表面に対する接触が検知された際、指示装置30でも、接触検知部34によりその接触が検知される。制御部11は、ステップS104で指示装置30によるタッチパネル16の表面に対する接触が検知された時に指示装置30から送信された接触情報により示される接触の強さに応じて、指示装置30に仮想的に保持される化粧品の保持量を算出する。
【0092】
保持量を算出すると、制御部11は、保持データ21を更新する(ステップS107)。具体的に説明すると、制御部11は、保持データ21に記憶されている化粧品の種類を、ステップS105で選択された化粧品の種類に更新する。また、制御部11は、保持データ21に記憶されている化粧品の保持量を、ステップS106で算出した保持量に更新する。
【0093】
これに対して、ステップS104でタッチパネル16の表面に対する接触を検知していない場合(ステップS104;NO)、制御部11は、ステップS105~S107の処理をスキップする。
【0094】
次に、制御部11は、顔検出部130として機能し、撮像画像から顔画像を検出する(ステップS108)。具体的に説明すると、制御部11は、周知の顔認識の手法を用いて、撮像部14により得られた撮像画像のうちから、ユーザUの目、鼻、眉等の顔部位、及び顔全体の領域を検出する。そして、制御部11は、撮像画像における顔全体の領域をバーチャルメイク領域として決定する。
【0095】
顔画像を検出すると、制御部11は、指示装置30がユーザUの顔に接触したか否かを判定する(ステップS109)。具体的に説明すると、制御部11は、ステップS108で検出された顔領域の内側に指示装置30の画像が含まれ、且つ、その際に指示装置30から送信された接触情報に基づいて接触検知部34が接触を検知したと判定された場合に、指示装置30がユーザの顔に接触したと判定する。
【0096】
指示装置30がユーザUの顔に接触していない場合(ステップS109;NO)、制御部11は、処理をステップS103に戻す。すなわち、制御部11は、指示装置30によるユーザUの顔に対する接触を検知するまで、ステップS103~S108の処理を繰り返す。
【0097】
これに対して、指示装置30がユーザUの顔に接触した場合(ステップS109;YES)、制御部11は、接触位置特定部170として機能し、撮像画像における接触位置を特定する(ステップS110)。具体的に説明すると、制御部11は、指示装置30においてユーザUの顔への接触が検知されたタイミングでの、撮像画像における指示装置30の先端部の座標を、接触位置として特定する。
【0098】
接触位置を特定すると、制御部11は、メイクパーツの濃度を設定する(ステップS111)。具体的に説明すると、制御部11は、保持データ21に記憶されている保持量と、ステップS109において指示装置30から取得した接触情報により示される接触の強さと、のそれぞれがより大きいほど、メイクパーツの濃度をより高く設定する。
【0099】
メイクパーツの濃度を設定すると、制御部11は、表示制御部120として機能し、メイク画像を表示する(ステップS112)。具体的に説明すると、制御部11は、ユーザUの顔がリアルタイムで撮像された撮像画像におけるステップS110で特定した接触位置に、ステップS111で設定した濃度のメイクパーツを重ねることにより、メイク後のユーザUの顔の状態を表現するメイク画像を生成する。そして、制御部は、生成されたメイク画像を表示部15に表示する。
【0100】
メイク画像を表示すると、制御部11は、保持量設定部160として機能し、保持データ21を更新する(ステップS113)。具体的に説明すると、制御部11は、ステップS109において指示装置30から取得した接触情報により示される接触の強さに基づいて、保持データ21に記憶されている化粧品の保持量を減少させる。
【0101】
保持データ21を更新すると、制御部11は、処理をステップS103に戻し、ステップS103からステップS113の処理を再び実行する。このように、制御部11は、ユーザUがメイクシミュレーション装置1を用いてメイクシミュレーションを継続している限り、ステップS103からステップS113の処理を繰り返し、ユーザUのメイク後の状態をシミュレーションする画像を生成して表示する処理を実行する。
【0102】
なお、図15では省略したが、制御部11は、ステップS103からステップS113の処理を実行している間、指示装置30から加速度情報を取得したか否かを判定する。指示装置30から加速度情報を取得すると、制御部11は、取得した加速度情報により示される加速度が閾値よりも大きいか否かを判定する。そして、制御部11は、取得した加速度情報により示される加速度が閾値よりも大きい場合、加速度がより大きいほど、保持データ21に記憶されている保持量をより大きく減少させる。
【0103】
以上説明したように、実施形態1に係る画像処理装置10は、ユーザUの顔が撮像された撮像画像を表示部15に表示し、指示装置30がタッチパネル16の表面に接触することによる操作が受け付けられた後において、指示装置30がユーザUの顔に接触した場合、表示部15に表示された撮像画像における接触位置に対応する部分が加工されたメイク画像を表示する。その際に、画像処理装置10は、メイク画像として、指示装置30によるタッチパネル16の表面への接触の強さと、指示装置30によるユーザUの顔への接触の強さと、に応じて濃度が調整されたメイクパーツが重ねられた画像を表示する。これにより、指示装置30によるタッチパネル16の表面又はユーザUの顔への接触の仕方によって、ユーザUの顔に化粧品がどのように塗布されるかを適切に表現することができる。その結果、化粧筆等を用いて顔に化粧品を塗布するメイクにおいて、メイク後の顔の状態をよりリアルにシミュレーションすることができる。
【0104】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。実施形態1と同様の構成及び機能は適宜省略する。
【0105】
実施形態1では、指示装置30が接触検知部34を備えており、画像処理装置10は、指示装置30がタッチパネル16の表面又はユーザUの顔に接触した場合に、指示装置30で検知された接触の強さを示す接触情報を取得した。これに対して、実施形態2では、指示装置30は接触検知部34を備えておらず、画像処理装置10aが、指示装置30がタッチパネル16の表面に接触した場合に、その接触の強さを示す接触情報を取得する。
【0106】
図16に、実施形態2に係る画像処理装置10aの機能的な構成を示す。実施形態2において、画像処理装置10aの制御部11は、機能的に、画像取得部110と、表示制御部120と、顔検出部130と、操作受付部140、情報取得部150と、保持量設定部160と、接触位置特定部170と、を備える。
【0107】
実施形態2では、指示装置30は、実施形態1とは異なり、種別識別部33と接触検知部34と加速度検知部35とを備えていない。そのため、実施形態2では、指示装置30は、画像処理装置10aとの通信機能を備えるものでなくても良い。このように指示装置30に検知機能が備えられていない場合には、ユーザUの顔における仮想的に化粧品を塗布する位置を指示することができるものであれば、実際の化粧筆、ユーザUの指等を含む任意の物体を、本発明における「指示体」として扱うことができる。
【0108】
実施形態2では、指示装置30が接触検知部34を備えていない代わりに、画像処理装置10aのタッチパネル16が圧力センサを備えており、接触の有無及びその位置だけでなく、接触の強さを検知する。実施形態1において指示装置30に備えられていた接触検知部34を第1の接触検知部と呼ぶことができるのに対して、実施形態2におけるタッチパネル16は、本発明における「第2の接触検知部」として機能する。
【0109】
情報取得部150は、指示装置30がタッチパネル16の表面に接触することによる操作が操作受付部140により受け付けられた時に、その接触の強さを示す接触情報を、タッチパネル16から取得する。言い換えると、情報取得部150は、指示装置30がタッチパネル16の表面に接触した場合に、実施形態1のように指示装置30からではなく、タッチパネル16から接触情報を取得する。
【0110】
保持量設定部160は、情報取得部150により取得された接触情報により示される接触の強さに応じて、指示装置30に仮想的に保持される化粧品の保持量を設定し、保持データ21を更新する。具体的に説明すると、保持量設定部160は、情報取得部150がタッチパネル16の表面への接触の強さを示す接触情報を取得した場合、取得された接触情報により示される接触の強さがより大きいほど、保持量をより大きく増加させる。
【0111】
接触位置特定部170は、指示装置30がユーザUの顔に接触した場合、接触位置を特定する。ここで、実施形態2では、指示装置30が接触検知部34を備えていないため、接触位置特定部170は、接触情報を用いずに、ユーザUの顔における指示装置30の先端部が接触した接触位置を特定する。具体的に説明すると、接触位置特定部170は、図11に示したように指示装置30が撮像された撮像画像に基づいて、指示装置30の先端部がユーザUの顔に接触したか否かを判定する。そして、指示装置30の先端部がユーザUの顔に接触した場合における指示装置30の先端部の座標を、接触位置として特定する。
【0112】
表示制御部120は、表示部15に表示された撮像画像における、接触位置特定部170により特定された接触位置に対応する部分が、保持データ21に記憶されている保持量に基づいて加工されたメイク画像を表示する。具体的に説明すると、表示制御部120は、実施形態1における図12及び図13と同様に、メイク画像として、保持量がより大きいほどより高い濃度のメイクパーツが重ねられた画像を表示する。
【0113】
以上説明したように、実施形態2では、タッチパネル16が接触の強さ等を検知する機能を備えており、画像処理装置10aは、指示装置30がタッチパネル16の表面に接触した場合における接触の強さ等の情報を、指示装置30からではなく、タッチパネル16から取得する。これにより、指示装置30が検知機能を備える必要がないため、実施形態1に比べてより簡略化された構成で、メイク後の顔の状態をシミュレーションすることができる。
【0114】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。実施形態1又は実施形態2と同様の構成及び機能は適宜省略する。
【0115】
上記実施形態1,2では、表示制御部120は、ユーザUの顔が撮像された撮像画像が、指示装置30によるタッチパネル16の表面又はユーザUの顔への接触の強さに基づいて加工されたメイク画像を表示した。これに対して、実施形態3では、表示制御部120は、接触の強さに加えて、接触の時間長と接触の位置の移動距離とに基づいて撮像画像が加工されたメイク画像を表示する。
【0116】
ここで、接触の時間長は、指示装置30の先端部が物体に接触を開始してから、その接触が解除されるまでの時間の長さに相当する。
【0117】
具体的に説明すると、第1の接触において、指示装置30の先端部がタッチパネル16の表面に接触した際、保持量設定部160は、指示装置30の先端部がタッチパネル16の表面に接触を開始したタイミングと終了したタイミングとを特定する。そして、保持量設定部160は、接触を開始したタイミングから終了したタイミングまでの時間長を、第1の接触の時間長として導出する。このとき、保持量設定部160は、接触を開始したタイミングと終了したタイミングとを特定するために、指示装置30の接触検知部34による接触の検知結果とタッチパネル16による接触の検知結果とのどちらを用いても良いし、両方を用いても良い。
【0118】
また、第2の接触において、指示装置30の先端部がユーザUの顔に接触した際、保持量設定部160は、指示装置30の先端部がユーザUの顔に接触を開始したタイミングと終了したタイミングとを特定する。そして、保持量設定部160は、接触を開始したタイミングから終了したタイミングまでの時間長を、第2の接触の時間長として導出する。このとき、保持量設定部160は、接触を開始したタイミングと終了したタイミングとを特定するために、指示装置30の接触検知部34による接触の検知結果と指示装置30が撮像された撮像画像とのどちらを用いても良いし、両方を用いても良い。
【0119】
接触の位置の移動距離は、指示装置30の先端部を物体に接触したまま滑らせるように移動させた場合における、その接触が開始された位置から接触が解除された位置までの距離に相当する。
【0120】
具体的に説明すると、第1の接触において、指示装置30の先端部がタッチパネル16の表面に接触した際、保持量設定部160は、指示装置30の先端部がタッチパネル16の表面に接触を開始したタイミングにおけるタッチパネル16上の接触位置と接触を終了したタイミングにおけるタッチパネル16上の接触位置とを特定する。そして、保持量設定部160は、接触を開始したタイミングにおける接触位置から接触を終了したタイミングにおける接触位置までの距離を、第1の接触の位置の移動距離として導出する。このとき、保持量設定部160は、接触位置を特定するために、タッチパネル16により検知された接触の位置情報を用いる。
【0121】
また、第2の接触において、指示装置30の先端部がユーザUの顔に接触した際、保持量設定部160は、指示装置30の先端部がユーザUの顔に接触を開始したタイミングにおける顔内での接触位置と接触を終了したタイミングにおける顔内での接触位置とを特定する。そして、保持量設定部160は、接触を開始したタイミングにおける接触位置から接触を終了したタイミングにおける接触位置までの距離を、第2の接触の位置の移動距離として導出する。このとき、保持量設定部160は、接触位置を特定するために、指示装置30が撮像された撮像画像における指示装置30の位置情報を用いる。
【0122】
保持量設定部160は、第1の接触及び第2の接触の際、このように導出された接触の時間長及び接触の位置の移動距離と、接触の強さと、に基づいて、保持データ21に記憶されている化粧品の保持量を設定する。ここで、第1の接触における接触の強さ、接触の時間長及び接触の位置の移動距離を含めて、「第1の接触に関する第1の値」と呼び、第2の接触における接触の強さ、接触の時間長及び接触の位置の移動距離を含めて、「第2の接触に関する第2の値」と呼ぶ。言い換えると、保持量設定部160は、第1の接触の際には、第1の値に基づいて、保持データ21に記憶されている化粧品の保持量を設定し、第2の接触の際には、第2の値に基づいて、保持データ21に記憶されている化粧品の保持量を設定する。
【0123】
一般的に、ユーザUがパレットから化粧品を付着させるために化粧筆をパレットに接触させた場合、接触の時間が長いほど、そして接触状態での移動距離が長いほど、化粧筆により多くの量の化粧品が付着される。このような特徴を模擬するため、保持量設定部160は、指示装置30がタッチパネル16の表面に接触した場合、接触の時間長が長いほど保持量をより大きく増加させ、接触の位置の移動距離が大きいほど保持量をより大きく増加させる。また、実施形態1と同様に、保持量設定部160は、接触の強さがより大きいほど保持量をより大きく増加させる。
【0124】
同様に、ユーザUが顔に化粧品を塗布するために化粧筆を顔に接触させた場合、その接触が強いほど、ユーザUの顔により多くの量の化粧品が塗布される。このような特徴を模擬するため、保持量設定部160は、指示装置30がユーザUの顔に接触した場合、接触の時間長が長いほど保持量をより大きく減少させ、接触の位置の移動距離が大きいほど保持量をより大きく減少させる。また、実施形態1と同様に、保持量設定部160は、接触の強さがより大きいほど保持量をより大きく減少させる。
【0125】
表示制御部120は、メイク画像として、画像取得部110により取得された撮像画像における、接触位置特定部170により特定された接触位置に対応する部分が、第1の接触に関する第1の値(接触の強さ、接触の時間長、及び接触の位置の移動距離)と第2の接触に関する第2の値(接触の強さ、接触の時間長、及び接触の位置の移動距離)とに基づいて加工された画像を表示部15に表示する。具体的に説明すると、表示制御部120は、第1の接触に関する第1の値と第2の接触に関する第2の値とに応じて、撮像画像に重ねられるメイクパーツの濃度を変化させる。
【0126】
一般的に、ユーザUが顔に化粧品を塗布するために化粧筆を顔に接触させた場合、その接触の時間が長いほど、そして接触状態での移動距離が長いほど、ユーザUの顔により多くの量の化粧品が塗布される。このような特徴を模擬するため、表示制御部120は、指示装置30がユーザUの顔に接触した時における接触の時間長がより長いほどメイクパーツの濃度をより高くし、接触の位置の移動距離がより大きいほどメイクパーツの濃度をより高くする。また、実施形態1と同様に、表示制御部120は、接触の強さがより大きいほどメイクパーツの濃度をより高くする。
【0127】
更には、接触の強さ等が同じであっても、化粧筆に保持されている化粧品の量が大きいほど、ユーザUの顔により多くの量の化粧品が塗布される。そのため、表示制御部120は、保持データ21に記憶されている保持量を参照して、保持量がより大きいほど、メイクパーツの濃度をより高くする。
【0128】
以上説明したように、実施形態3では、表示制御部120は、接触の強さに加えて、接触の時間長と接触の位置の移動距離とに基づいて撮像画像が加工されたメイク画像を表示する。これにより、指示装置30によるタッチパネル16の表面又はユーザUの顔への接触の仕方によって、ユーザUの顔に化粧品がどのように塗布されるかを更に適切に表現することができる。その結果、化粧筆等を用いて顔に化粧品を塗布するメイクにおいて、メイク後の顔の状態をよりリアルにシミュレーションすることができる。
【0129】
(変形例)
以上に本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、本発明の実施形態は種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
【0130】
例えば、上記実施形態では、画像処理装置10,10aは、表示部15とタッチパネル16とを備えており、表示部15に撮像画像を表示し、タッチパネル16に化粧品画像を表示した。しかしながら、本発明において、画像処理装置10,10aは、タッチパネル16とは独立した表示部15を備えていなくても良い。言い換えると、本発明に係る画像処理装置10,10aは、表示部として1つのタッチパネル16のみを備える一般的なスマートフォンやタブレット端末等にも適用することができる。タッチパネル16とは独立した表示部15を備えていない場合、画像処理装置10,10aは、1つのタッチパネル16の表示領域を2つに分割し、そのうちの一方の表示領域に撮像画像を表示し、他方の表示領域に化粧品画像を表示する。この場合、撮像画像が表示される一方の表示領域が本発明における「第1の表示領域」として機能し、化粧品画像が表示される他方の表示領域が本発明における「第2の表示領域」として機能する。また、タッチパネル16が本発明における「表示部」として機能する。
【0131】
上記実施形態では、表示制御部120は、複数の化粧品を表現する化粧品画像をタッチパネル16に表示した。しかしながら、本発明において、表示制御部120は、化粧品画像として1種類のみの化粧品を表現する画像を表示しても良い。また、構成をより簡略化するために、例えば指示装置30から種別識別部33、加速度検知部35等を省略することも可能である。
【0132】
第1の接触に関する第1の値及び第2の接触に関する第2の値として、上記実施形態1,2では接触の強さが用いられ、上記実施形態3では接触の強さと時間長と移動距離との3つのパラメータが用いられた。しかしながら、本発明において、第1の値及び第2の値として、これら3つのパラメータのうちの一部のみが用いられても良いし、これら3つのパラメータ以外のパラメータが用いられても良い。
【0133】
なお、第1の値及び第2の値として接触の強さが用いられない場合、指示装置30の接触検知部34又は画像処理装置10aのタッチパネル16は、接触の有無さえ検知できれば良いため、接触の強さを検知する圧力センサを備えていなくても良い。この場合、情報取得部150は、接触情報として、接触の強さを示す情報に代えて、接触の有無を示す情報を指示装置30又はタッチパネル16から取得する。
【0134】
上記実施形態では、制御部11において、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することによって、図4に示した各部として機能した。しかしながら、本発明において、制御部11は、CPUの代わりに、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、各種制御回路等の専用のハードウェアを備え、専用のハードウェアが、図4に示した各部として機能しても良い。この場合、各部の機能それぞれを個別のハードウェアで実現しても良いし、各部の機能をまとめて単一のハードウェアで実現しても良い。また、各部の機能のうち、一部を専用のハードウェアによって実現し、他の一部をソフトウェア又はファームウェアによって実現しても良い。
【0135】
なお、本発明に係る機能を実現するための構成を予め備えた画像処理装置として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存の情報処理装置等を、本発明に係る画像処理装置として機能させることもできる。すなわち、上記実施形態で例示した画像処理装置10,10aによる各機能構成を実現させるためのプログラムを、既存の情報処理装置等を制御するCPU等が実行できるように適用することで、本発明に係る塗布装置として機能させることができる。
【0136】
また、このようなプログラムの適用方法は任意である。プログラムを、例えば、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納して適用できる。さらに、プログラムを搬送波に重畳し、インターネットなどの通信媒体を介して適用することもできる。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にプログラムを掲示して配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OS(Operating System)の制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0137】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記1)
ユーザの顔が撮像された撮像画像を表示する第1の表示領域と、化粧品を表現する化粧品画像を表示する第2の表示領域とを有する表示部と、
前記第2の表示領域に前記化粧品画像が表示されている時に、指示体が前記第2の表示領域の表面に接触することによる操作を受け付ける操作受付部と、
前記操作受付部が前記操作を受け付けた後において、前記指示体が前記ユーザの顔に接触した場合、前記ユーザの顔における前記指示体が接触した接触位置を特定する接触位置特定部と、
前記撮像画像における、前記接触位置特定部により特定された前記接触位置に対応する部分が、前記指示体による前記第2の表示領域の表面への接触に関する第1の値と、前記指示体による前記ユーザの顔への接触に関する第2の値と、のうちの少なくとも一方に基づいて加工されたメイク画像を前記第1の表示領域に表示する表示制御部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
(付記2)
前記第1の値は、前記指示体による前記第2の表示領域の表面への接触の強さと、当該接触の時間長と、当該接触の位置の移動距離と、のうちの少なくとも1つを示す値であり、
前記第2の値は、前記指示体による前記ユーザの顔への接触の強さと、当該接触の時間長と、当該接触の位置の移動距離と、のうちの少なくとも1つを示す値である、
ことを特徴とする付記1に記載の画像処理装置。
(付記3)
前記指示体は、前記指示体の先端部に対する接触を検知する接触検知部、を備え、
前記メイク画像は、前記第1の表示領域に表示された前記撮像画像における、前記接触位置特定部により特定された前記接触位置に対応する部分が、前記指示体が前記第2の表示領域の表面に接触した時に前記接触検知部により検知された前記接触に関する前記第1の値と、前記指示体が前記ユーザの顔に接触した時に前記接触検知部により検知された前記接触に関する前記第2の値と、のうちの少なくとも一方に基づいて加工された画像である、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の画像処理装置。
(付記4)
前記画像処理装置は、前記操作受付部が前記操作を受け付けた時に、前記指示体による前記第2の表示領域の表面への接触を検知する第2の接触検知部、を更に備え、
前記メイク画像は、前記第1の表示領域に表示された前記撮像画像における、前記接触位置特定部により特定された前記接触位置に対応する部分が、前記第2の接触検知部により検知された前記接触に関する前記第1の値に基づいて加工された画像である、
ことを特徴とする付記1から3のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(付記5)
前記メイク画像は、前記第1の表示領域に表示された前記撮像画像における、前記接触位置特定部により特定された前記接触位置に、前記化粧品が前記ユーザの顔に塗布された状態を表現するメイクパーツが重ねられた画像である、
ことを特徴とする付記1から4のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(付記6)
前記表示制御部は、前記第1の値又は前記第2の値がより大きいほど、前記メイクパーツの濃度をより高くする、
ことを特徴とする付記5に記載の画像処理装置。
(付記7)
前記指示体に仮想的に保持される前記化粧品の保持量を、前記第1の値に応じて設定する保持量設定部、を更に備え、
前記メイク画像は、前記第1の表示領域に表示された前記撮像画像における、前記接触位置特定部により特定された前記接触位置に対応する部分が、前記保持量設定部により設定された前記保持量に基づいて加工された画像である、
ことを特徴とする付記5又は6に記載の画像処理装置。
(付記8)
前記保持量設定部は、前記第1の値がより大きいほど、前記保持量をより大きく増加させ、
前記表示制御部は、前記保持量設定部により設定された前記保持量がより大きいほど、前記メイクパーツの濃度をより高くする、
ことを特徴とする付記7に記載の画像処理装置。
(付記9)
前記メイク画像は、前記第1の表示領域に表示された前記撮像画像における、前記接触位置特定部により特定された前記接触位置に対応する部分が、前記保持量設定部により設定された前記保持量と、前記第2の値と、に基づいて加工された画像である、
ことを特徴とする付記7又は8に記載の画像処理装置。
(付記10)
前記表示制御部は、前記第2の値がより大きいほど、前記メイクパーツの濃度をより高くする、
ことを特徴とする付記9に記載の画像処理装置。
(付記11)
前記保持量設定部は、前記第2の値がより大きいほど、前記保持量をより大きく減少させる、
ことを特徴とする付記7から10のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(付記12)
前記指示体は、前記指示体に加えられる加速度を検知する加速度検知部、を備え、
前記保持量設定部は、前記加速度検知部により検知された前記加速度に応じて、前記保持量を減少させる、
ことを特徴とする付記7から11のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(付記13)
前記撮像画像を取得する画像取得部、を更に備え、
前記第1の表示領域は、前記画像取得部により取得された前記撮像画像を表示する、
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の画像処理装置。
(付記14)
請求項1から13のいずれか1項に記載の画像処理装置と、前記指示体と、を備えることを特徴とするメイクシミュレーション装置。
(付記15)
ユーザの顔が撮像された撮像画像を第1の表示領域に表示し、
化粧品を表現する化粧品画像を第2の表示領域に表示し、
前記第2の表示領域に前記化粧品画像が表示されている時に、指示体が前記第2の表示領域の表面に接触することによる操作を受け付け、
前記操作を受け付けた後において、前記指示体が前記ユーザの顔に接触した場合、前記ユーザの顔における前記指示体が接触した接触位置を特定し、
前記撮像画像における、特定された前記接触位置に対応する部分が、前記指示体による前記第2の表示領域の表面への接触に関する第1の値と、前記指示体による前記ユーザの顔への接触に関する第2の値と、のうちの少なくとも一方に基づいて加工されたメイク画像を前記第1の表示領域に表示する、
ことを特徴とする画像処理方法。
(付記16)
コンピュータを、
ユーザの顔が撮像された撮像画像を第1の表示領域に表示し、化粧品を表現する化粧品画像を第2の表示領域に表示する表示部、
前記第2の表示領域に前記化粧品画像が表示されている時に、指示体が前記第2の表示領域の表面に接触することによる操作を受け付ける操作受付部、
前記操作受付部が前記操作を受け付けた後において、前記指示体が前記ユーザの顔に接触した場合、前記ユーザの顔における前記指示体が接触した接触位置を特定する接触位置特定部、
前記撮像画像における、前記接触位置特定部により特定された前記接触位置に対応する部分が、前記指示体による前記第2の表示領域の表面への接触に関する第1の値と、前記指示体による前記ユーザの顔への接触に関する第2の値と、のうちの少なくとも一方に基づいて加工されたメイク画像を前記第1の表示領域に表示する表示制御部、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0138】
1…メイクシミュレーション装置、10,10a…画像処理装置、11…制御部、12…記憶部、13…操作部、14…撮像部、15…表示部、16…タッチパネル、17…通信部、21…保持データ、30…指示装置、31…制御部、32…記憶部、33…種別識別部、34…接触検知部、35…加速度検知部、37…通信部、41,42…メイクパーツ、110…画像取得部、120…表示制御部、130…顔検出部、140…操作受付部、150…情報取得部、160…保持量設定部、170…接触位置特定部、310…情報送信部、U…ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2024-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置は、
ユーザの顔が撮像された撮像画像を表示する表示部と、
前記ユーザに対するメイクシミュレーションで用いられる仮想的な化粧品に係る仮想化粧品情報について前記ユーザによる選択を受け付ける受付部と、
記受付部が前記選択を受け付けた後において、指示体が前記ユーザの顔に接触した場合、前記ユーザの顔における前記指示体が接触した接触位置を特定する接触位置特定部と、
前記撮像画像における、前記接触位置特定部により特定された前記接触位置に対応する部分が、前記指示体による前記ユーザの顔への接触の強さと当該接触の時間長と当該接触の位置の移動距離とのうちの少なくとも1つを示すメイク情報と、前記受け付けられた仮想化粧品情報と、に基づいて加工されたメイク画像を前記表示部に表示する表示制御部と、
備えることを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの顔が撮像された撮像画像を表示する表示部と、
前記ユーザに対するメイクシミュレーションで用いられる仮想的な化粧品に係る仮想化粧品情報について前記ユーザによる選択を受け付ける受付部と、
記受付部が前記選択を受け付けた後において、指示体が前記ユーザの顔に接触した場合、前記ユーザの顔における前記指示体が接触した接触位置を特定する接触位置特定部と、
前記撮像画像における、前記接触位置特定部により特定された前記接触位置に対応する部分が、前記指示体による前記ユーザの顔への接触の強さと当該接触の時間長と当該接触の位置の移動距離とのうちの少なくとも1つを示すメイク情報と、前記受け付けられた仮想化粧品情報と、に基づいて加工されたメイク画像を前記表示部に表示する表示制御部と、
備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記受付部は、前記仮想化粧品情報について前記ユーザによる選択を受け付ける画面を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記メイク画像は、前記表示部に表示された前記撮像画像における、前記接触位置特定部により特定された前記接触位置に、前記仮想的な化粧品が前記ユーザの顔に塗布された状態を表現するメイクパーツが重ねられた画像である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記仮想化粧品情報又は前記メイク情報に関する入力値がより大きいほど、前記メイクパーツの濃度をより高くする、
ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記指示体は、前記指示体に加えられる加速度を検知する加速度検知部、を備え、
前記表示制御部は、前記加速度検知部で検知した加速度がより大きいほど、前記メイクパーツの濃度をより高くする、
ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記撮像画像を取得する画像取得部、を更に備え、
前記表示部は、前記画像取得部により取得された前記撮像画像を表示する、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
請求項1からのいずれか1項に記載の画像処理装置と、前記指示体と、を備えることを特徴とするメイクシミュレーション装置。
【請求項8】
ユーザの顔が撮像された撮像画像を表示領域に表示し
ユーザに対するメイクシュミレーションで用いられる仮想的な化粧品に係る仮想化粧品情報についてユーザによる選択を受け付け、
前記選択を受け付けた後において、指示体が前記ユーザの顔に接触した場合、前記ユーザの顔における前記指示体が接触した接触位置を特定し、
前記撮像画像における、特定された前記接触位置に対応する部分が、前記指示体による前記ユーザの顔への接触の強さと当該接触の時間長と当該接触の位置の移動距離とのうちの少なくとも1つを示すメイク情報と、前記受け付けられた仮想化粧品情報と、に基づいて加工されたメイク画像を前記表示領域に表示する、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
ユーザの顔が撮像された撮像画像を表示する表示部、
前記ユーザに対するメイクシュミレーションで用いられる仮想的な化粧品に係る仮想化粧品情報についてユーザによる選択を受け付ける受付部、
記受付部が前記選択を受け付けた後において、指示体が前記ユーザの顔に接触した場合、前記ユーザの顔における前記指示体が接触した接触位置を特定する接触位置特定部、
前記撮像画像における、前記接触位置特定部により特定された前記接触位置に対応する部分が、前記指示体による前記ユーザの顔への接触の強さと当該接触の時間長と当該接触の位置の移動距離とのうちの少なくとも1つを示すメイク情報と、前記受け付けられた仮想化粧品情報と、に基づいて加工されたメイク画像を前記表示部に表示する表示制御部、
として機能させるためのプログラム。