(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097794
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】ステアリングロックを伴うスクータ
(51)【国際特許分類】
B62H 5/02 20060101AFI20240711BHJP
B62K 17/00 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
B62H5/02
B62K17/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024067526
(22)【出願日】2024-04-18
(62)【分割の表示】P 2021517649の分割
【原出願日】2019-09-27
(31)【優先権主張番号】62/738,535
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/792,327
(32)【優先日】2019-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517186640
【氏名又は名称】レイザー・ユーエスエー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョイ・チー-ウェイ・ファン
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・チェン
(57)【要約】
【課題】スクータまたは車両を固定するための向上した係止機構である。
【解決手段】係止機構は、スクータの車輪を左操縦位置または右操縦位置において固定することができる。係止機構は、使用者の足または手などによって、使用者によって人力で作動させられ得る。車輪が所定位置で固定されると、スクータは係止解除なしで乗るのが困難であり得る。係止機構は、遠隔制御部(例えば電話)との無線通信を通じて係止解除できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
盗難を阻止するスクータであって、
デッキを備えるスクータ本体と、
前記スクータ本体に結合され、ステアリングコラムおよびハンドルバーを備えるステアリング組立体と、
前記ステアリング組立体に結合される第1の車輪と、
前記スクータ本体に結合される第2の車輪と、
機械的アクチュエータを動作させる使用者によって係合させられるように構成され、遠隔制御部からの無線信号を受信することに応答して係合解除させられるようにさらに構成されるステアリングロックと、
を備え、
前記ステアリングロックが係合させられるとき、前記ステアリング組立体は、前記第1の車輪が前記スクータ本体の長手方向軸と位置合わせされる中心位置からずれている角度において前記第1の車輪が位置決めされる左位置および右位置の一方において固定される、盗難を阻止するスクータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2018年9月28日に出願された米国特許出願第62/738,535号と、2019年1月14日に出願された米国特許出願第62/792,327号と、の便益を主張し、それら特許出願の各々は、本明細書により、それらの全体において参照により組み込まれている。
【0002】
本開示は、概して、二輪、三輪、および四輪のスクータならびに他の個人用車両など、操縦可能な個人用車両に関する。
【背景技術】
【0003】
スクータおよび他の個人用車両(本明細書では、概して「スクータ」と称される)は、原動機付きの種類と原動機なしの種類との両方があり、軽量な代替の輸送の手段として数十年にわたって人気がある。スクータの携帯性は多くの利点を提供する。スクータは、使用していないとき、駐車、持ち運び、または片付けるのに便利であり、乗車のために再び容易に展開可能であり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019/0077479号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の利便性にも拘らず、スクータはある悪い面も有し得る。例えば、ある施設または事業所は、スクータを室内に入れることを許可しない。この状況において、および多くの他の状況において、スクータは使用者によって付き添われない。スクータを動かせない物体に鎖でつなぐなど、予防策が盗難を防止するために取られ得るが、このような予防策は常に実行可能ではないか、または常に都合が良いわけではない。スクータは、鎖との使用のために設計されていない可能性があり、適切な動かせない物体を見つけることも問題があり、鎖を持ち運ぶことおよび/もしくはスクータを動かせない物体に固定することは不便である、ならびに/または使用者が急いでいるかもしくは不注意でスクータを適切に固定することができない可能性がある。実際、一部のスクータが借りられ(例えば、短期間で、および/または共用に基づいて)、そのため、スクータの使用者はスクータの所有者でない可能性があり、これは、特にスクータを固定することが時間の掛かる場合および/または不便である場合、使用者がスクータを適切に固定する可能性をより小さくする可能性がある。限られた時間または長い時間にわたって付き添われないままとされるスクータは、盗難または不正の使用を受ける可能性がある。したがって、スクータを素早く便利に固定させることができる、使用者が別体の鎖を取得および/もしくは持ち運びすることを必要としない、ならびに/または、環境において動かせない物体を必要とせずに機能する固定機構に対する要求が存在する。本開示は、前述の問題のうちの1つ以上、または他の問題に対処する特徴を伴う操縦可能な個人用車両(例えば、スクータ)を記載している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、スクータを素早く便利な形で固定するための向上した係止機構である。係止機構はスクータステアリング組立体に取り付けることができる。スクータステアリング組立体は、操縦可能であるスクータの車輪を含み得る。車輪は、左または右の操縦位置へと操縦させられ、係止機構によって所定位置で係止させられ得る。係止機構は、使用者の足または手などによって、使用者によって人力で作動させられ得る。車輪が所定位置(例えば曲がった位置)において係止されると、スクータは係止解除なしで乗るのが困難であり得る。したがって、スクータは盗難のより望ましくない標的になることができる。
【0007】
本開示の他の態様は、係止機構が、素早く信頼できる形でスクータの車輪の操縦を再び可能にするように係止解除できることである。係止機構は、使用者の所持している遠隔制御部を用いて無線で係止解除できる。遠隔制御部は、スマートフォンまたはアプリケーションを動かす他のモバイル装置であり得る。遠隔制御部は、スクータの電子制御装置と無線接続できる。遠隔制御部から電子制御装置への信号が、係止機構を係止解除するために係止機構を動作させることができる。本開示の他の態様は、係止機構が、遠隔制御部によることを除いて、実質的に係止機構全体の分解なしで係止解除させることができないことである。
【0008】
一実施によれば、盗難を阻止するスクータが、デッキを有するスクータ本体を備える。ステアリング組立体がスクータ本体と結合する。ステアリング組立体はステアリングコラムとハンドルバーとを備える。第1の車輪がステアリング組立体に結合する。第2の車輪がスクータ本体に結合する。ステアリングロックが、機械的アクチュエータを動作させる使用者によって係合させられるように構成される。ステアリングロックは、無線信号を遠隔制御部から受信することに応答して係合解除させられるようにさらに構成される。ステアリングロックが係合させられるとき、ステアリング組立体は、第1の車輪がスクータ本体の長手方向軸と位置合わせされる中心位置からずれている角度において第1の車輪が位置決めされる左位置および右位置の一方において固定される。
【0009】
他の態様によれば、スクータは、スクータ本体に取り付けられ、ステアリング組立体と回転可能に結合するヘッドチューブを備える。ステアリングロックの外側筐体がヘッドチューブと結合する。
【0010】
他の態様によれば、スクータは係止凹部をヘッドチューブに備える。係止シャフトは、ヘッドチューブの中に装着され、ヘッドチューブにおいて回転可能である。突起は係止シャフトから係止凹部へと延びる。係止シャフトはステアリング組立体の一部を形成する。
【0011】
他の態様によれば、係止凹部は羽根部分をさらに備える。羽根部分は、ステアリング組立体が左位置または右位置にあるときに突起を受け入れるような大きさとされる。
【0012】
他の態様によれば、スクータは係止アクチュエータを備える。係止アクチュエータは、係止凹部の中に少なくとも一部配置される係合部材を備える。係止アクチュエータが係止解除状態にあるときに係止シャフトは回転でき、係止アクチュエータが係止状態にあるときに係合部材は突起を羽根部分の中で捕らえ、係止シャフトの回転を防止する。
【0013】
他の態様によれば、スクータは外れ止め部を備え、外れ止め部は、係止状態において係止アクチュエータの棚部に係合するように構成される。
【0014】
他の態様によれば、外れ止め部はバネ荷重が掛けられる。
【0015】
他の態様によれば、スクータは、カムを有するサーボモータを備える。サーボモータおよびカムは、係止アクチュエータを係止状態から解放するように外れ止め部と係合するように構成される。サーボモータは、遠隔制御部からの無線信号に応答して、制御装置からの信号に基づいて作動可能である。
【0016】
他の態様によれば、スクータは原動機なしとされる。
【0017】
一実施によれば、スクータは、車輪を含むステアリング組立体と、スクータ本体と、を備える。係止機構は、ステアリング組立体をスクータ本体に対して係止位置で固定するように構成される。係止機構は、係止凹部を備えるヘッドチューブを備える。係止シャフトが、ヘッドチューブにおいて少なくとも一部位置決めされ、係止シャフトは突起を備える。係止シャフトは、係止シャフトおよび車輪が一体となって一緒に回転するように構成されるように車輪と連結する。係止アクチュエータは、それ自体から横方向に延びる係合部材を備える。突起はヘッドチューブの係止凹部の中に配置される。係止アクチュエータは第1の位置と第2の位置との間を移動するように構成される。第1の位置において、係止アクチュエータは係止シャフトの回転を許容するように構成される。第2の位置において、係止アクチュエータは係止凹部の中で係合し、それによって係止シャフトの回転を禁止するように構成される。
【0018】
他の態様によれば、係止凹部は、突起を受けるように構成される羽根部分を備え、係止アクチュエータの第2の位置において、係合部材は突起を羽根部分の中で捕らえる。
【0019】
他の態様によれば、スクータは、上支持部と下支持部とを備える。上支持部および下支持部はヘッドチューブと結合する。係止アクチュエータは、第1の位置と第2の位置との間で上支持部および下支持部とスライド可能に係合する。
【0020】
他の態様によれば、スクータは、ピンの周りに回転可能であり、第2の位置において係止アクチュエータを保持するように係止アクチュエータの棚部と係合するように構成される外れ止め部を備える。
【0021】
他の態様によれば、スクータは、係止アクチュエータを第2の位置から解放するために外れ止め部を係止アクチュエータの棚部から係合解除するように構成されるアクチュエータを備える。
【0022】
他の態様によれば、アクチュエータは、カムを有するサーボモータである。
【0023】
他の態様によれば、アクチュエータは、遠隔制御部から無線信号に応答して作動させられる。
【0024】
他の態様によれば、スクータは、ヘッドチューブと結合するように構成される、包囲体を形成する第1の筐体部品および第2の筐体部品を有する外側筐体を備える。係止アクチュエータは包囲体から延びる。
【0025】
他の態様によれば、係止アクチュエータの第2の位置は、ステアリング組立体を左位置および右位置の一方へ係止させる。ステアリング組立体が左位置および右位置の各々にあるとき、車輪は第1の車輪の中心位置に対してある角度において位置合わせされる。
【0026】
まとめは単なる例示であり、限定となるようにとされていない。本出願において記載されているシステム、装置、方法、および/または他の主題の他の態様、特徴、および利点は、以下に記載されている教示において明らかとなる。まとめは、本開示の概念の一部の選択を導入するために提供されている。まとめは、本明細書に記載される主題の重要または本質的な特徴を特定するように意図されていない。
【0027】
様々な実施形態が、例示の目的のために添付の図面において描写されており、実施形態の範囲を限定するとして解釈されるべきではない。異なる開示された実施形態の様々な特徴は、追加の実施形態を形成するために組み合わされてもよく、これは本開示の一部である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図3A】スクータのステアリング組立体の左操縦位置の図である。
【
図3B】スクータのステアリング組立体の右操縦位置の図である。
【
図3C】スクータのステアリング組立体の係止状態の図である。
【
図4】スクータの通信および制御システムの概略的なブロック図である。
【
図10A】係止ステムのための第1の支持部の図である。
【
図10B】係止ステムのための第2の支持部の図である。
【
図11A】係止機構の外れ止め機構の後面図である。
【
図11B】係止機構の外れ止め機構の前面図である。
【
図12A】係止解除状態における右操縦位置でのスクータの一部の組立図である。
【
図12B】係止状態における右操縦位置でのスクータの一部の組立図である。
【
図12C】係止解除状態における左操縦位置でのスクータの一部の組立図である。
【
図12D】係止状態における左操縦位置でのスクータの一部の組立図である。
【
図13A】係止解除構成におけるスクータのヘッドチューブの一部の組立図である。
【
図13B】係止状態におけるスクータのヘッドチューブの一部の組立図である。
【
図14A】係止解除状態における係止機構の一部の組立図である。
【
図14B】係止状態と係止解除状態との間での推移における係止機構の一部の組立図である。
【
図14C】係止状態における係止機構の一部の組立図である。
【
図15A】係止状態における係止機構の一部の組立図である。
【
図15B】係止状態から係止機構を係止解除するためのステップの図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書に記載された技術のシステム、装置、および方法の様々な特徴および利点は、図に示された実施形態の以下の記載からより完全に明らかとなる。これらの実施形態は、本開示の原理を示すように意図されている。本開示は、図示された例のみに限定されるべきではない。図示されている実施形態の特徴は、本明細書に開示されている原理を考慮することで当業者には明らかとなるように、変更、組み合わせ、除去、および/または置き替えされ得る。
【0030】
概説
一部の実施では、操縦可能な個人用車両が、
図1および
図2に示されているように、スクータ120を備え得る。スクータ120は、動力供給され得る(例えば、電力供給され得る)、または、人力のスクータ(例えば、キックスクータ)であり得る。冒頭にステアリング組立体121を有するスクータ120の文脈において本明細書で記載したにも拘らず、本明細書に記載した概念、特徴、および向上は、動力供給されるスクータ、二輪車、三輪車、四輪車、ドリフトカート、または他の個人用車両を含む他の種類の車両および操縦の配置に適用できる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている概念、特徴、および向上は、自己平衡車両(例えば、本明細書において参照により全体が組み込まれている特許文献1に記載されているようなもの)に使用される。例えば、係止機構は、自己平衡車両に組み込むことができ、互いに対して装置の移動可能なプラットフォームを係止するように構成され得る。
【0031】
スクータ120は前輪126と後輪128とを有し得る。前輪126および/または後輪128は、スクータの使用に適したいずれの種類の車輪であってもよい。特定の変形では、前輪126および/または後輪128はキャスタホイールを備える。車輪は、ウレタン、ゴム、プラスチック、または他の材料から作られ得る。車輪は、空気圧の設計、一体の設計、または他の設計であり得る。前輪126および/または後輪128は異なる寸法および/または異なる材料を備え得る。例えば、前輪126の直径は後輪128の直径より大きくてもよく、またはその逆であってもよい。前輪126および/または後輪128はインホイールハブモータを備えてもよい。前輪126および/または後輪128は回転を支持する回転シャフトを備えてもよい。前輪126および/または後輪128は、回転の間に摩擦を低減するために1つ以上の軸受を含んでもよい。
【0032】
前輪126および/または後輪128は、(例えば、回転シャフトおよび/または軸受によって)スクータ本体130に装着させることができる。スクータ本体130は、スクータ120を操縦する間に使用者が自身の体(例えば、足)を置くことができるデッキ(例えば、平坦な表面)を備え得る。スクータ本体130は、スタンド、前輪126もしくは後輪128のためのフェンダ、および/または他の便利な特徴を含み得る。スクータ本体130は、プラスチック、金属、複合材料、または他の材料の種類を備え得る。スクータ本体130は、組立体であり得るか、または、一体の材料から形成され得る。
【0033】
スクータ120は、電池142などの動力源を備え得る。電池142は、リチウムイオン、ポリマイオン、鉛酸、または他の電池の種類など、任意の種類の電池であり得る。電池142は、再充電可能とでき、電池142に電荷を提供するために、外部電源との接続のための1つ以上のポートを備え得る。電池142は、インホイールハブモータなど、スクータ120の様々な電子構成部品に動力供給するために使用できる。スクータは、電池142を充電するように動作する太陽パネルを備えてもよい。
【0034】
スクータ120はステアリング組立体121を備え得る。ステアリング組立体121はステアリングコラム124を備え得る。前輪126はステアリングコラム124と連結され得る。前輪126は、ステアリングコラム124の回転によって、本体130に対して操縦可能とできる。ステアリング組立体121は、ステアリングコラム124に取り付けられた一対のハンドルバーを備え得る。ステアリング組立体121はヘッドチューブ134を備え得る。ステアリングコラム124および前輪126は、ヘッドチューブ134においてスクータ本体130に取り付けることができる。ヘッドチューブ134は概して中空で円筒の部分を含み得る。ステアリングコラム124は、ヘッドチューブ134の中空円筒部分の中に回転可能に嵌まることができる。ステアリング組立体121は、前輪126を所望の進行の方向に回すことで使用者にスクータ120を操縦または舵取りさせることができる。
【0035】
ステアリング組立体121は係止機構150を備え得る。係止機構150は、ステアリングコラム124、前輪126、および/またはヘッドチューブ134に取り付けることができる。係止機構150は、ステアリング組立体121を、左操縦位置または右操縦位置などの係止位置で固定することができる。係止位置では、車輪126は、本体130の長手方向軸Aに対してある角度αで配向され得る。角度αは、少なくとも約5°、約10°、約15°、約20°、約30°、約45°、または他の角度であり得る。係止位置において、ステアリング組立体121は、ステアリング組立体121の中心位置から回転によりずれていてもよい。中心位置において、前輪126は、前方を向く方向で位置合わせされ得る、本体130の長手方向軸Aと位置合わせされ得る、および/または、後輪128の方向と位置合わせされ得る。一部の実施では、係止位置において、車輪126の回転の軸(例えば、車軸)は、長手方向軸Aに対して垂直ではない、および/または中心位置において、車輪126の回転の軸は長手方向軸Aに対して垂直である。いくつかの変形では、係止位置にあるとき、スクータ120は、車輪126が真っ直ぐな位置から曲げられているため(例えば、長手方向軸Aと平行でない)、直線で駆動させることができない。係止機構150が係止解除状態にあるとき、車輪126は、本体130の長手方向軸Aと平行となるように回すことができ、それによってスクータ120を直線で駆動させることができる。
【0036】
図3Aおよび
図3Bは、右操縦位置と左操縦位置とに操縦された前輪126をそれぞれ示している。ステアリング組立体121を使用する前方への運動の間にスクータ120を操縦することは、係止機構150が係止解除状態にあるときに可能である。係止機構150が、
図3Cに示されているように係止状態にあるとき、ステアリング組立体は左操縦位置または右操縦位置へ係止される。係止機構は、ボタン、レバー、スイッチ、または他のものなど、係止アクチュエータ168を備え得る。係止アクチュエータ168は、係止機構150の上端またはその近くに配置され得る。
【0037】
前輪126を係止機構150で係止することの効果は、係止状態において、スクータ120が使用中に操縦するのが困難なことである。特定の実施において、スクータ120は、1つだけの操縦方向で係止され、反対の方向に回すこと、または、直線で進行することができない。係止されるとき、係止機構150は、スクータ120の通常の使用を妨げ、スクータ120の盗難を阻止する意図された効果を有する。
【0038】
電子制御
図4は、スクータ120と関連付けられ得る制御要素を概略的に示している。制御は電子制御であり得る。後でより詳細に検討されているように、制御はスクータ120の係止および/または係止解除を支配することができる。
【0039】
一部の実施では、係止機構150は遠隔制御部140を通じて動作させることができる。遠隔制御部140は、トランスポンダ制御部、スマートフォン、またはアプリケーションを動かす他の装置であり得る。遠隔制御部140は無線アンテナ147を備え得る。遠隔制御部140は、スクータ120の制御装置144と無線通信することができる。制御装置144はアンテナ149を備え得る。アンテナ147、149は、トレースアンテナ、コイルアンテナ、または遠隔制御部140と無線で接続するための他のアンテナの種類を含む、任意の適切な種類であり得る。遠隔制御部140との間の接続は、BLUETOOTH(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、赤外線、または他の適切な無線通信プロトコルなど、標準化された無線接続を通じてであってもよい。
【0040】
遠隔制御部140は処理装置141とコンピュータ読取可能な保存ユニット143とを備え得る。保存ユニット143は、実行されるとき、係止機構150を係止または係止解除するために、信号を遠隔制御部140から制御装置144へと送信することができる命令を含み得る。制御装置144は、処理装置148と、実行されるときに遠隔制御部から信号を受信し、遠隔制御部140からの信号に応答して係止または係止解除の信号を係止機構150へ送信する命令が保存されている保存ユニット146と、を備え得る。電池142は、後に記載されている機構を使用して係止および/または係止解除の動作を実行するために、動力を制御装置144および/または係止機構150へと提供することができる。
【0041】
制御装置144の保存ユニット146における命令は、係止機構150を係止解除または係止するための様々な要因の検討を含み得る。保存ユニット146における命令は、遠隔制御部140からの信号における鍵プロトコルまたは他のセキュリティプロトコルの受け取りに基づいて係止機構150を係止解除するかどうかを含み得る。鍵プロトコルまたはセキュリティプロトコルは、スクータ120を係止解除するために、遠隔制御部140の承認を検証することができる。遠隔制御部140は、鍵プロトコルまたはセキュリティプロトコルを接続されたサーバから(例えば、無線または携帯電話のネットワークを通じて)受信することができる。一例では、遠隔制御部140は使用者にパスコードを入力するように要求し、制御装置144は、係止機構150を係止解除または係止する前に、承認を受信および検証することができる。特定の例では、遠隔の制御装置は、信号をスクータ120へと送信するために、(例えば、接続されたサーバから)承認を最初に取得しなければならない。
【0042】
制御装置144の保存ユニット146における命令は、係止機構150の状態の検討を含み得る。係止機構150は、係止状態にあるか係止解除状態にあるかを指示する信号を制御装置144に送信することができる。命令は、制御装置144に、係止機構が係止構成にある場合に係止解除信号を送信させる、および/または遠隔制御部の身元を送信させる。命令は、制御装置144に、係止機構が係止構成にある場合に係止解除信号を送信させる。
【0043】
一実施によれば、遠隔制御部140および係止機構150と連動してのスクータ120の使用は、次の通りであり得る。使用者は、スクータ120を使用するために承認を取得することができる。使用者は、信号を遠隔制御部140からスクータ120の制御装置144へと送信することができる。制御装置144は、遠隔制御部140の承認を検証することができる。制御装置144は係止機構150を係止解除することができる。使用者は、ステアリング組立体を完全に使用できる状態(例えば、係止機構は係止解除状態である)でスクータ120に乗ることができる。使用者が、時間を気にせずにスクータ120を降りるおよび/または離れようとする場所に到着したとき、使用者は、ステアリング組立体を左操縦位置または右操縦位置へと回し、係止機構150を係合させることができる(例えば人力で、および/または遠隔制御部140を使用して)。係止機構150は、スクータ本体130に対する前輪126の配向を係止し、それによって盗難または使用を阻止することができる。望ましくは、係止機構150は外部から係止解除可能ではない(例えば、係止機構150は、少なくとも一部を分解するために1つ以上の工具を使用することなしに、人力で係止解除可能ではない)。一部の実施形態では、係止機構は自動的に係合する。例えば、係止機構は、ある時間の期間(例えば、少なくとも約1分間、約3分間、約5分間、約10分間、または他の時間)にわたってのスクータ120の非動作の後、自動的に係合することができる。非動作は、例えば、スクータ120の車輪126の動きがないこと、または他のことであり得る。
【0044】
使用者がスクータ120を再び操縦しようとするとき、使用者は、スクータ120と無線で接続するように遠隔制御部140を使用することができる。遠隔制御部140は、例えば使用者のスマートフォンであり得る。遠隔制御部140は制御装置144と無線通信することができる。使用者は、遠隔制御部140を介して制御装置144へと信号を送信することができる。制御装置144は、信号を処理し、(例えば、遠隔制御部140または使用者の承認に基づいて)係止解除信号を係止機構150へ送信することができる。この手法では、使用者は、遠隔制御部140を使用して、スクータ120を容易に固定することができ、スクータ120を使用のために素早く係止解除することができる。
【0045】
係止機構およびヘッドチューブ
図5は、係止機構150およびスクータ本体130の一部の分解図を示している。係止機構150は外側筐体154と内部組立体158とを備え得る。外側筐体154は1つ以上の外側筐体部品154a、154bを備え得る。外側筐体154は包囲体を形成することができる。外側筐体部品154a、154bは内部組立体158の周りで一体に嵌まり合うことができる。一部の実施形態では、内部組立体158の一部分は、外側筐体154の外側へ突出する、および/または外側筐体154によって覆われない。例えば、係止アクチュエータ168の一部分は外側筐体154から外に延びることができるか(
図3A~
図3C参照)、または使用者を係止アクチュエータにアクセスさせることができるように構成され得る。外側筐体154は、1つ以上の装着位置137においてヘッドチューブ134に装着できる。装着位置137は、ネジの切られたネジ孔、他の機械的連結器、溶接部、接着部、または他のものとできる。複数のネジが、係止機構150をヘッドチューブ134へ組み立てるために、および/または筐体部品154a、154bを一体に組み立てるために、外側筐体154の1つ以上の部分を通じて装着位置137へと組み付けることができる。
【0046】
係止機構150は係止シャフト162を備え得る。係止シャフト162は円筒の管であり得る。係止シャフト162は、ヘッドチューブ134の円筒部分の中に組み込むことができる。係止シャフト162はステアリング組立体の一部分から延びることができる。ステアリングコラム124および/または前輪126は係止シャフト162と連結することができる。例えば、係止シャフト162の上端はステアリングコラム124にしっかりと連結することができ、係止シャフト162の下端は車輪126(例えば、車輪126のフォーク)にしっかりと連結することができる。係止シャフト162およびステアリングコラム124、ならびに/または前輪126は、一体となって一緒に回転するように構成され得る。様々な実施形態において、係止シャフト162がヘッドチューブ134に対して係止されるとき(例えば、回転が禁止または防止されるとき)、ステアリングコラム124および/または前輪126も係止される。
【0047】
係止シャフト162はヘッドチューブ134と係合するように構成され得る。例えば、係止シャフト162は、ヘッドチューブ134における係止凹部135に受けられる突起164を備え得る。突起164は係止シャフト162の外面から横に延びることができる。一部の実施では、突起164は、係止シャフト162に取り付けられたネジ、溶接部、または他の品物であり得る。突起164は係止シャフト162と組み立てることができる。係止シャフト162は、ヘッドチューブ134の円筒部分の中に嵌めることができ、ヘッドチューブ134において回転可能とできる。
【0048】
ヘッドチューブ134は、管131によって、スクータのデッキなどスクータ本体130の他の部分に連結され得る。管131は中空であり得る。管131は、1つ以上の電線を制御装置144から係止機構150へと経路を定めるために使用できる。電線は、電池142から係止機構150への電線も含み得る。
【0049】
図6はヘッドチューブ134をさらに示している。ヘッドチューブ134は、外側の円筒形は必要とされないが、概して円筒の部分を含み得る。概して円筒の部分は内部空間136を含み得る。係止シャフト162および/またはステアリングコラム124もしくはその一部分は、前輪126を本体130に対して操縦することができるように、ヘッドチューブ134の内部空間136の中に位置させられ得る、および/または内部空間136の中で回転することができる。
【0050】
先に言及されているように、ヘッドチューブ134は係止凹部135を備え得る。突起164は、ヘッドチューブ134内において係止シャフト162と組み立てられるとき、係止凹部135内に位置させることができる。係止凹部135は、係止シャフト162が回転させられるときに係止凹部135内での突起164の移動を許容するための1つ以上の羽根部135a、135bを備え得る。羽根部分135a、135bの幅または円弧寸法(例えば、ヘッドチューブ134の周囲に沿っての寸法)は、ステアリング組立体121の回転限度を規制することができる。より広い羽根部分135a、135bの対は、車輪126のより広く大きな回転を可能にする。より狭い羽根部分135a、135bの対は、車輪126のより小さい回転を可能にする。係止凹部135は上方部分135cを備えることができ、上方部分135cは羽根部分135a、135bに隣接し得る。
【0051】
ヘッドチューブ134は配線開口138を含み得る。配線は、電池142および/または制御装置144へと配線開口138を通過することができる。開口138は、ヘッドチューブ134の外面または円筒部分を貫いて延び得る。配線開口138は、管131と位置合わせすることができ、係止機構150への1つ以上の配線を受けるために使用できる。様々な実施形態において、制御装置144および係止機構150のための配線のすべてが、スクータ本体130の構造の内部に保持できる。
【0052】
係止機構の外側筐体
図7Aおよび
図7Bは外側筐体154のさらなる詳細を示している。外側筐体154は、概して包囲された内部空間を形成するように成形され得る。包囲された内部空間は、内部組立体158を含むことができるか、または一部を含むことができる。内部構成部品組立体158は、外側筐体154によって、損傷または承認されていない操作から保護され得る。構成部品154a、154bは1つ以上の結合位置155を含み得る。結合位置155は、筐体部品154a、154bを一緒に取り付けるための1つ以上のネジ、ボルト、または同様の機械的結合器を受けることができる。結合位置155は、筐体154にヘッドチューブ組立体134を取り付けるために使用されてもよい。
【0053】
外側筐体154は開口153を備えることができる。開口153は、ヘッドチューブ134の外側輪郭に対応するような大きさおよび/または形とされ得る。ヘッドチューブ134と外側筐体154との間の嵌め合いは密とすることができる。これは、内部組立体158が組み込まれた状態で、開口153を通じた外側筐体154の内部への承認されていないアクセスを禁止または防止することができる。
【0054】
外側筐体154は、位置合わせ切り欠き156などの位置合わせ特徴部を備え得る。位置合わせ切り欠き156は、内部組立体158の構成部品の位置合わせを容易にするように構成され得る。図示されているように、一部の実施形態では、位置合わせ切り欠き156は1つ以上の円形および/または矩形の部分を備え得る。
【0055】
係止機構の内部組立体
図8~
図11は内部組立体158のさらなる詳細を示している。内部組立体158は係止アクチュエータ168を備えることができる。一部の実施形態では、係止アクチュエータ168はピンを備える。係止アクチュエータ168は、係止機構150の係止を制御するために使用され得る。係止アクチュエータ168は上端169を備え得る。上端169は上面を備え得る。上面は、係止機構150を作動させるために使用される使用者の手または足と係合するように、1つ以上の溝または凹凸の面を備え得る。上端169は、使用者が係止機構150を係止しそうな方法に対応するような大きさおよび形とされ得る。一部の実施では、上端169は湾曲部分169aを備え得る。湾曲部分169aは、ヘッドチューブ134の湾曲に概して対応することができる。これは、係止アクチュエータ168とヘッドチューブ134との間の密な嵌め合いを確保することができる。これは、異物および/または埃を、(例えば、開口153を通じて)係止機構150へと入らせず、係止機構150と干渉させないために有益であり得る。
【0056】
係止アクチュエータ168は下シャフト167を備え得る。下シャフト167は上端169から延び得る。下シャフト167は係合部材166を備え得る。係合部材166は下シャフト167から横および/または外方に延び得る。下シャフト167は溝167a(または、代替で隆条部)を備え得る。溝167aは、下シャフト167の長さに沿って長手方向に延び得る。溝167aは、係止アクチュエータ168を外側筐体154と位置合わせさせることができる。
【0057】
前述したように、
図9Aおよび
図9Bにおいてさらに示されているように、係止アクチュエータ168は係合部材166を備えることができる。係合部材166は下棚部166aを備え得る。係合部材166は妨害部分166bも備え得る。妨害部分166bは、ヘッドチューブ134の湾曲に合致するように概して湾曲され得る(例えば、円弧状にされ得る)。妨害部分166bは、下シャフト167の一方または両方の側において係合部材166から横外方に延びることができる。一部の実施形態では、係合部材は外方へ傾斜した面166cを備える。傾斜した面166cは下棚部166aに隣接し得る。係合部材166の上部分は上棚部166dを備え得る。上棚部166dは下棚部166aの上方に位置させられ得る。
【0058】
下シャフト167の上部分(例えば、上端169の下方)は溝(または隆条部)168bを備え得る。溝168bは下シャフト167の軸に沿って位置合わせされ得る。下シャフト167の上部分は1つ以上の隆条部167cを備え得る。隆条部167cは、係止アクチュエータ168を内部組立体158の外側筐体154に対して位置合わせし、係止アクチュエータ168を安定させるように構成され得る。隆条部167cは、位置合わせ切り欠き156においてなど、筐体154における1つ以上の対応する切り欠き(または隆条部)の中で、スライド可能に係合させられ得る。
【0059】
内部組立体158は下支持部172を備えることができる。下支持部172は概してU字形とされ得る。下支持部172は、1つ以上の装着位置においてヘッドチューブ134および/または筐体154に取り付けられ得る。U字形の端は、筐体154の中のスロットまたは溝の中に嵌まることができる。下支持部172は、係止アクチュエータ168および/またはサーボモータ180に支持を提供することができる。下支持部172はピン装着開口172aを備え得る。
【0060】
図示されているように、下支持部172はサーボ装着部171を備え得る。サーボ装着部171は、電気モータなどのサーボモータ180を取り付けることができる。これは、ネジ、クリップ、接着剤、または他のものなど、任意の種類の機械的留め具を用いて遂行することができる。サーボモータ180はカム182を備え得る。サーボモータ180は、制御装置144からの信号に基づいて作動させられ得る。一部の実施では、サーボモータ180は従来のモータ、線形モータ、または他のアクチュエータの種類で置き換えることができる。
【0061】
下支持部172は中心開口172bを備え得る。中心開口172bは、係止アクチュエータ168の下シャフト167を受ける大きさとされ得る。中心開口172bは、シャフト167を支持および位置合わせするために下シャフト167の溝167aと対応する1つ以上の溝(または隆条部)を備え得る。
【0062】
内部組立体158は上支持部176を備えることができる。上支持部176は概してU字形とされ得る。上支持部176は、1つ以上の装着位置においてヘッドチューブ134および/または筐体154に取り付けられ得る。U字形の端は、筐体154の中のスロットまたは溝の中に嵌まることができる。上支持部176は、係止アクチュエータ168に支持を提供することができる。
【0063】
上支持部176は装着位置195を含み得る。装着位置195はスイッチまたはセンサ194のためであり得る。センサ194は、係止アクチュエータ168と係合するために上支持部176に装着され得る。センサ194は、後でさらに記載されているように、係止アクチュエータ168の位置を制御装置144に指示することができる。
【0064】
上支持部176はピン開口176aを備え得る。上支持部176は中心開口176bを備え得る。中心開口176bは、係止アクチュエータ168の下シャフト167の一部分を受ける大きさとされ得る。中心開口176bは、シャフト167と位置合わせするために溝167bと対応する1つ以上の隆条部(または溝)を備え得る。
【0065】
係止機構150はピン174を備え得る。ピン174はスペーサリング175を備え得る。ピン174の上端は、上支持部176のピン開口176aへと挿入可能であり得る。下支持部172はピン装着開口172aを備え得る。ピン装着開口172aはピン174の下端を受けることができる。
【0066】
外れ止め部186はピン174に装着され得る。外れ止め部186は概してU字形の本体186aを備え得る。外れ止め部186は、組み立てられるとき、上支持部176および下支持部172に対してピン174の周りで回転可能であり得る。外れ止め部186は、1つ以上の装着開口189a、189bを備え得る。装着開口189a、189bはピン174を受ける大きさとされ得る。
【0067】
外れ止め部186はバネ支持部材187を備え得る。バネ支持部材187は、装着開口189a、189bから1つ以上の方向において横へ離れるように延び得る。外れ止めバネ190(例えば螺旋コイルバネ)の一端がバネ支持部材187に取り付けられ得る。バネ支持部材187は、外れ止めバネ190との連結のための開口188aを備え得る。外れ止めバネ190の反対の端は、上支持部176、下支持部172、筐体154、またはヘッドチューブ134など、内部組立体158の不動の構成部品と連結され得る。
【0068】
外れ止め機構186は係止支持部材188を備え得る。係止支持部材188は、装着開口189a、189bから1つ以上の方向において横へ延び得る。一部の実施では、外れ止め部186は、金属、プラスチック、または他の材料の一体品から作られ得る。外れ止め部186の1つ以上の平坦部分は、屈曲および/または穿孔されてもよく、装着開口189、バネ支持部材187、および/または係止支持部材188は、打抜きまたは切断などの除去の工程によってそこに形成され得る。図示されているように、一部の実施形態では、係止支持部材188は上部分188aおよび/または下部分188bを備える。
【0069】
例の動作
係止機構150の動作および組立体が
図12から
図15を参照して記載されている。説明の目的のために、外側筐体154はこれらの図では示されていない。
【0070】
図12Aは、右操縦位置にある前輪126を示している。前輪126は係止シャフト162と連結されており、係止シャフト162はステアリングコラム124と連結されている。これはステアリング組立体121を形成でき、ステアリング組立体121は概して剛体であり得る、および/またはハンドルバーによって制御可能であり得る。係止シャフト162はヘッドチューブ134の中(例えば、内部空間136の中)で組み立てられ、突起164は係止凹部135の中で組み立てられている。係止シャフト162は、ヘッドチューブ134の中で(例えば、時計回りおよび/または半時計回りに)回転することができる。ヘッドチューブ134に対する係止シャフト162の回転の量は、係止凹部135の側部との突起164の物理的干渉によって制限され得る。突起164は羽根部分135a、135bへと回転することができる。
【0071】
係止アクチュエータ168はヘッドチューブ134と組み立てられ得る。係合部材166は係止凹部135の中に少なくとも一部位置させられ得る。妨害部分166bは、係止凹部135の上方部分135cの中に少なくとも一部挿入され得る。
図12Aに示された係止解除状態において、突起164および係止シャフト162は、係止凹部135(例えば羽根部分135a、135b)の外側輪郭によって制約されるように左および右に回転させることができる。対応する構成が、前輪126が左操縦位置へと回転させられた状態で
図12Cに示されている。
【0072】
図12Bでは、係止アクチュエータ168は、係止凹部135に対して係止状態へと(例えば、概して鉛直に)押し下げられている。係合部材166は、第1の羽根部分135aおよび第2の羽根部分135bへと下向きに並進させられるか、または第1の羽根部分135aおよび第2の羽根部分135bを妨害する。スクータ120が左操縦位置または右操縦位置にない場合、係止アクチュエータ168は、突起164との干渉のため、上方部分135cから外に移動不可能とできる。一部の変形では、突起164は、係合部材166の中の1つ以上の凹部の中に捕らえられ得る(図示せず)。突起164が羽根部分135a、135bの一方に位置させられた状態で、係合部材166は突起164を妨害し(例えば、物理的な干渉によって)、それによって、係止シャフト162の回転と、連結された前輪126および/またはステアリング組立体121の回転と、を禁止または防止する。対応する係止状態が、前輪126が左操縦位置へと回転させられた状態で
図12Dに示されている。
【0073】
図13Aおよび
図13Bは係止機構150をさらに示している。係止アクチュエータ168は、上支持部176および/または下支持部172によってヘッドチューブ134に取り付けられ得る。上支持部176は、1つ以上のボルトネジ、クリップ、または他の連結器によってヘッドチューブ134に装着され得る。シャフト167は中心開口176bを通じて挿入され得る。シャフト167における対応する隆条部および/または溝との中心開口176bにおける隆条部および/または溝の相互作用は、係止アクチュエータ168に支持を提供し、および/または係止アクチュエータ168の回転を防止することができる。同様に、下支持部172はヘッドチューブ134に取り付けられ得る。シャフト167の下端は下支持部172の中心開口172bと係合することができる。溝167aは中心開口172bの隆条部とスライド可能に係合することができる。
【0074】
バネ(例えば螺旋コイルバネ)などの付勢部材191がシャフト167と組み立てられ得る。付勢部材191は下支持部176と係合部材166との間で組み立てられ得る。付勢部材191は、係止状態において係止アクチュエータ168に上向きの力を提供するために、係合部材166などのシャフト167の一部分と係合することができる。上向きの力は、係止アクチュエータ168を支持部172、176に対して上方の位置(例えば、係止解除状態)へと付勢することができる。付勢部材191は、押し下げられた後、係止アクチュエータ168を押し下げられていない位置へと戻すことができる。一部の実施形態では、付勢部材191は、下支持部172(または上支持部176)の上方においてシャフト167にわたって装着され得る。
【0075】
図13Aは、係止凹部135の上方部分135cの中に位置させられた係合部材166を示している(例えば係止解除状態)。突起164は羽根部分135a、135b内に位置させられ得る。
図13Bでは、係止アクチュエータ168は係止状態へと押し下げられる。図示されているように、係止状態では、突起164は羽根部分135bの中にあり、突起164(または突起164の一部分)は、羽根部分135bから外への突起164の移動を妨害し、それによって車輪126の位置を係止する。
【0076】
図14A~
図14Cは、スクータ120を係止するための係止アクチュエータ168との外れ止め部186の相互作用を示している。
図14Aを参照すると、外れ止め部186は係止機構150と組み立てられ得る。外れ止め部186は、ピン開口189a、189bへのピン174の挿入によって係止機構150と組み立てられ得る。ピン174は、それぞれの開口176a、172aにおいて上支持部176および下支持部172と組み立てられ得る。スペーサ175は、係合部材166と位置合わせするように外れ止め部186を位置決めすることができる。いくつかの実施形態において、外れ止め部186はピン174の周りに回転することができる。外れ止めバネ190は、外れ止め部186(例えばバネ支持部材187)とヘッドチューブ134または固定された構造との間で連結することができる。外れ止めバネ190は、外れ止め部186を係合部材166との接触へと付勢することができる。係止支持部材188(上部分188aまたは下部分188b)は係合部材166と接触することができる。
【0077】
図14Bを参照すると、係止アクチュエータ168が押し下げられるとき(例えば、概して下向きに押されるとき)、シャフト167および/または係合部材166は外れ止め部186を外向きに移動または回転させることができる。例えば、図示されているように、外れ止め部186は、係合部材166の傾斜した面166cによって変位させられ得る。一部の実施形態では、傾斜した面166cは、係止アクチュエータ168が押し下げられるとき、外れ止め部186を移動させるためのカムとして作用する。バネ支持部材187および/または係止支持部材188は下棚部166aおよび/または上棚部166dと係合することができる。外れ止めバネ190は、外れ止め部186を係合部材166との係止する係合へと引っ張ることができる。係合部材166との外れ止め部186の係合は、係止アクチュエータ168の上向きの移動を妨害でき、
図14Cに示されているように、係止機構150の係止状態に対応することができる。
【0078】
係止アクチュエータ168の押し下げ、および/または外れ止め部186の移動は、センサ194を始動させてもよい。センサ194は、係止機能が係合させられたことを検出することができる。図示されているように、センサ194は、接触スイッチなどのスイッチであり得る。スイッチは、係止アクチュエータ168の押し下げによって作動および作動停止させられるように構成され得る。
【0079】
図15Aおよび
図15Bは、係止状態から係止解除されられている係止機構150を示している。係止アクチュエータ168の押し下げ位置または作動位置がセンサ194によって検出および/または測定され得る。センサ194からの情報が制御装置144へと送信され得る。係止アクチュエータ168の位置についての情報は、遠隔制御部140によって指示されるとき、係止機構150を開けるための信号を制御装置144が送信するかどうかを決定するために使用され得る。係止アクチュエータ168がセンサ194からの信号に基づいて押し下げ状態または係止状態にあると検出されない場合、エラーコードが戻され得るか、または制御装置144からの応答はなしであり得る。このエラーは、遠隔制御部140を介して使用者へと、中央報告センタ、または他へと指示され得る。
【0080】
係止機構150はサーボモータ180と組み立てられ得る。サーボモータ180はサーボ装着部171において組み立てられ得る。第1の位置において、サーボモータ180のカム182は、外れ止め支持部188が係合部材166の上向きの移動を抑止および/または干渉することができる位置にあり得る。例えば、外れ止め支持部188は、下棚部166aおよび/または上棚部166dと物理的に干渉および/または当接することができる(
図15A)。外れ止めバネ190は、外れ止め支持部188を係合部材166との係合(例えば径方向での係合)へと付勢することができる。制御装置144から信号を受信すると、サーボ180はカム182を第2の位置へと移動(例えば回転)させることができる。第2の位置では、キャップ182は外れ止め支持部材188を変位させることができ、これは、外れ止め支持部材188と係合部材166(
図15B)との間の物理的干渉を排除できる。これは外れ止め部186を係止アクチュエータ168から係合解除することができる。付勢部材191は係止アクチュエータ168および係合部材166を係止解除状態へと(例えば、概して鉛直方向に)移動させることができる。したがって、係止アクチュエータ168は、突起164を係止凹部135の中で妨害することから係合解除できる、および/または押し下げられていない位置へと戻ることができる。
【0081】
サーボモータ180はカム182を第1の位置へと戻すように回転させる。制御装置144は信号をサーボモータ180へと送信することができる。信号によってサーボモータ180はカム182を第1の位置へ戻すように回転させることができるか、またはサーボモータ180は自動的に移動することができる。サーボモータ180の第1の位置は、外れ止め部186と係合して係止機構150を係止状態へと移動させるために、係止アクチュエータ168の後続の作動(例えば押し下げ)を可能にする。
【0082】
特定の用語
「上」、「下」、「近位」、「遠位」、「長手方向」、「横」、および「端」など、本明細書において使用されている配向の用語は、図示されている実施形態の状況において使用されている。しかしながら、本開示はその図示された配向に限定されるべきではない。実際、他の方向が可能であり、本開示の範囲内にある。直径または半径など、本明細書に使用されているような円形の形に関連する用語は、完全な円の構造を要求するものではないと理解すべきであり、側面から側面へと測定できる断面領域を伴う任意の適切な構造に適用されるべきである。「円」、「円筒」、「半円」、「半円筒」、任意の関連する用語、または任意の同様の用語など、概して形に関連する用語は、円、円筒、または他の構造の数学的定義に厳密に一致する必要はなく、合理的に近似とされる構造を網羅することができる。
【0083】
「~できる」、「~し得る」、「~する可能性がある」、または「~でもよい」などの条件の言葉は、他に明確に述べられていない場合、または、使用されているような文脈内で別様に理解されない場合、特定の実施形態は、特定の特徴、要素、および/またはステップを含むかまたは含まないことを伝えるように概して意図されている。したがって、このような条件の言葉は、その特徴、要素、および/またはステップが1つ以上の実施形態についてどんな形であれ必要とすることを意味するようには概して意図されていない。
【0084】
「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」といった文言などの接続的な言葉は、他に明確に述べられていない場合、項目、用語などがX、Y、またはZのいずれかであり得ることを伝えるために、概して使用されているような文脈で理解される。したがって、接続的な言葉は、特定の実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、およびZのうちの少なくとも1つがあることを必要とすることを意味するようには概して意図されていない。
【0085】
まとめ
スクータのいくつかの例示の実施形態が開示されている。本開示は特定の例示の実施形態および使用の観点において記載されているが、本明細書で述べられた特徴および利点のすべてを提供しない実施形態および使用を含め、他の実施形態および他の使用も本開示の範囲内にある。構成部品、要素、特徴、作用、またはステップは、記載されているものと異なって配置または実施されてもよく、構成部品、要素、特徴、作用、またはステップは、様々な実施形態において、組み合わせ、混合、追加、または除外されてもよい。本明細書に記載されている要素および構成部品のすべての可能な組み合わせおよび部分組み合わせは、本開示に含まれるように意図されている。いずれの特徴または特徴の集まりも必要または必須ではない。
【0086】
別の実施の文脈において本明細書に記載されている特定の特徴は、単一の実施において組み合わせで実施されてもよい。逆に、単一の実施の文脈において記載されている様々な特徴は、複数の実施において別々に、または、任意の適切な部分組み合わせで実施されてもよい。さらに、特徴は、特定の組み合わせで作用するとして先に記載され得るが、請求された組み合わせからの1つ以上の特徴は、一部の場合、組み合わせから削除でき、組み合わせは、部分組み合わせ、または部分組み合わせの変形として請求されてもよい。
【0087】
本開示における1つの実施形態または例において開示または例示されているステップ、処理、構造、および/または装置のいずれかの任意の一部分は、異なる実施形態、流れ図、または例において開示または例示されているステップ、処理、構造、および/または装置のいずれかの他の部分と組み合わせまたは使用され得る(または、それらの代わりに組み合わせまたは使用され得る)。本明細書に記載された実施形態および例は、互いから離れて別々となるように意図されていない。開示されている特徴の組み合わせ、変形、および一部の実施は、本開示の範囲内にある。
【0088】
動作が具体的な順番で図面に描写されているかまたは本明細書に記載されている可能性があるが、このような動作は、所望の結果を達成するために、示された具体的な順番で実施される、連続的な順番で実施されるか、またはすべての動作が実施される必要はない。描写または記載されていない他の動作が、例の方法および処理に組み込まれてもよい。例えば、1つまたは追加の動作が、記載された動作のいずれかの前、後、同時、または合間に実施されてもよい。また、動作は、一部の実施において再び配置または順番付けされてもよい。また、先に記載されている実施における様々な構成部品の分離は、すべての実施においてこのような分離を必要とするように理解されるべきではなく、記載されている構成部品およびシステムが概して、単一の製品で一緒に一体化され得る、以上の製品へまとめられ得ることが理解されよう。また、一部の実施は本開示の範囲内にある。
【0089】
さらに、例示の実施形態が記載されているが、等価の要素、変形、省略、および/または組み合わせを有する任意の実施形態も本開示の範囲内にある。さらに、特定の態様、利点、および新規の特徴が本明細書に記載されているが、必ずしもすべてのこのような利点が任意の特定の実施形態に従って達成されなくてもよい。例えば、本開示の範囲内の一部の実施形態は、本明細書で教示または提案されている他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されているような1つの利点または利点の集まりを達成する。さらに、一部の実施形態は、本明細書に教示または提案されている利点と異なる利点を達成し得る。
【0090】
一部の実施形態は添付の図面との関連で記載されている。図は一定の縮尺で描写および/または表示されているが、このような縮尺は、表示されているもの以外の寸法および比率が検討されており、開示されている発明の範囲内にあるため、限定として解釈されるべきではない。距離、角度などは単に例示的であり、図示されている装置の実際の寸法および配置との正確な関係を必ずしも持っていない。構成部品は、追加、除去、および/または再配置されてもよい。さらに、様々な実施形態と関係している任意の具体的な特徴、態様、方法、性質、特性、品質、属性、要素などの本明細書での開示は、本明細書で述べられているすべての他の実施形態で使用できる。また、本明細書に記載されている任意の方法は、提唱されたステップを実施するのに適する任意の装置を使用して実施できる。
【0091】
本開示をまとめる目的のために、本発明の特定の態様、利点、および特徴が本明細書において記載されている。すべてまたは任意のこのような利点が、本明細書に開示されている本発明の任意の具体的な実施形態に従って必ずしも達成されるわけではない。この開示の態様は必須または不可欠ではない。多くの実施形態において、装置、システム、および方法は、図または本明細書における記載に例示されているのと異なるように構成されてもよい。例えば、図示されているモジュールによって提供される様々な機能は、組み合わせ、再配置、追加、または消去されてもよい。一部の実施形態では、追加または異なる処理装置またはモジュールが、記載されて図に描写された例の実施形態を参照して記載された機能の一部または全部を実施することができる。多くの実施の変形が可能である。本明細書に開示されている特徴、構造、ステップ、または処理のいずれかが任意の実施形態に含まれ得る。
【0092】
まとめると、スクータの様々な実施形態および例と、関連する方法とが開示されている。本開示は、明確に開示されている実施形態および例を越えて、他の代替の実施形態および/または実施形態の他の使用に加え、その特定の変形および等価へと及ぶ。さらに、本開示は、開示されている実施形態の様々な特徴および態様が互いと組み合わされ得る、または互いの代わりとされ得ることを明確に企図する。したがって、本開示の範囲は、先に記載した具体的な開示の実施形態によって限定されるべきではなく、請求項の公正な解釈のみによって決定されるべきである。
【符号の説明】
【0093】
120 スクータ
121 ステアリング組立体
124 ステアリングコラム
126 前輪
128 後輪
130 スクータ本体
131 管
134 ヘッドチューブ
135 係止凹部
135a、135b 羽根部分
135c 上方部分
136 内部空間
137 装着位置
138 配線開口
140 遠隔制御部
141 処理装置
142 電池
143 保存ユニット
144 制御装置
146 保存ユニット
147 無線アンテナ
148 処理装置
149 アンテナ
150 係止機構
153 開口
154 外側筐体
154a、154b 構成部品
155 結合位置
156 位置合わせ切り欠き
158 内部組立体
162 係止シャフト
164 突起
166 係合部材
166a 下棚部
166b 妨害部分
166c 外方へ傾斜した面
166d 上棚部
167 下シャフト
167a 溝
167c 隆条部
168 係止アクチュエータ
168b 溝
169 上端
169a 湾曲部分
171 サーボ装着部
172 下支持部
172a ピン装着開口
172b 中心開口
174 ピン
175 スペーサリング
176 上支持部
176a ピン開口
176b 中心開口
180 サーボモータ
182 カム
186 外れ止め部
186a 本体
187 バネ支持部材
188 係止支持部材、外れ止め支持部
188a 開口、上部分
188b 下部分
189a、189b 装着開口
190 外れ止めバネ
191 付勢部材
194 スイッチ、センサ
195 装着位置
A 長手方向軸
【外国語明細書】