(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097811
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
E02F 9/00 20060101AFI20240711BHJP
G01S 19/36 20100101ALI20240711BHJP
G01S 19/43 20100101ALN20240711BHJP
【FI】
E02F9/00 Z
G01S19/36
G01S19/43
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024070219
(22)【出願日】2024-04-24
(62)【分割の表示】P 2021017432の分割
【原出願日】2021-02-05
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼ 耕平
(57)【要約】
【課題】有用な建設機械を提供する。
【解決手段】ショベル(建設機械)100は、キャビン11と、前記キャビン11の上方に配置された第1アンテナ(衛星測位用アンテナ)2と、前記キャビン11の側方に配置された受信部(受信機)3と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビンと、
前記キャビンの上方に配置された衛星測位用アンテナと、
前記キャビンの側方に配置された受信機と、を備える建設機械。
【請求項2】
前記衛星測位用アンテナが前記受信機の上方に配置されている、請求項1記載の建設機械。
【請求項3】
前記衛星測位用アンテナと前記受信機が前記キャビンの後端の側部一方側に配置されている、請求項1または2記載の建設機械。
【請求項4】
前記衛星測位用アンテナを前記キャビンの上面で支持する支持部の一部が前記のキャビンの前記一方側の側方に向けて張り出している、請求項3記載の建設機械。
【請求項5】
前記キャビンは、前記建設機械の他方側に配置されている、請求項3又は4記載の建設機械。
【請求項6】
前記受信機は、前記キャビンの一方側の側面のフレームに支持されている、請求項1から5の何れか1項に記載の建設機械。
【請求項7】
前記受信機は、前記衛星測位用アンテナの後方に配置されている、請求項1から6の何れか1項に記載の建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば建設業界において、情報化施工の要請が高まっている。そこで、特許文献1に記載の油圧ショベルは、下部走行体と、下部走行体に旋回自在に設けられる上部旋回体と、位置検出部とを備える。位置検出部は、RTK-GNSS用の2つのアンテナと、位置演算器とを有する。2つのアンテナで受信されたGNSS電波に応じた信号は、位置演算器に入力される。位置演算器は、2つのアンテナのグローバル座標系における現在位置を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報化施工は、例えば、高精度な施工を実現して、建設生産プロセス全体における生産性の向上や品質の確保を図ることを目的としたシステムである。そこで、位置演算器による2つのアンテナの現在位置の検出、すなわち、油圧ショベルの測位の精度を更に向上させたいとする要望がある。油圧ショベルの測位の精度を向上させるためには、例えば、油圧ショベルが作業する作業現場の周辺に、基準局を設置することが考えられる。基準局は、基準局の設置位置を示す位置情報を有しており、測位衛星からの衛星信号を受信して、油圧ショベルの位置を特定するための特定情報(較正情報)を生成する。一方、油圧ショベルには、基準局から特定情報を受信するための受信機が装着される。位置演算器は、受信機が受信した特定情報を用いて、2つのアンテナが受信したGNSS電波に応じて検出した2つのアンテナの現在位置を較正する。
【0005】
しかしながら、特許文献1は、特定情報を受信するための受信機を油圧ショベルに装着することを開示していない。従って、受信機が装着される位置によっては、油圧ショベルの周囲に位置する障害物と受信機とが接触する可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、有用な建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、建設機械は、キャビンと、前記キャビンの上方に配置された衛星測位用アンテナと、前記キャビンの側方に配置された受信機と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、安全性をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態1に係るショベルの測位を説明するための概略図である。
【
図2】実施形態1に係るショベルを右後方から示す斜視図である。
【
図3】実施形態1に係るショベルを左側方から示す側面図である。
【
図4】実施形態1に係るショベルを示すブロック図である。
【
図5】実施形態1に係るショベルのキャビンの内部を示す斜視図である。
【
図6】実施形態1に係るショベルを右側方から示す側面図である。
【
図7】実施形態1に係るショベルを上方から示す平面図である。
【
図8】実施形態1に係るショベルを右前方から示す斜視図である。
【
図9】実施形態1に係るショベルの制御ユニットの拡大図である。
【
図10】実施形態1に係るショベルの受信部の拡大図である。
【
図11】本発明の実施形態2に係るショベルの測位を説明するための概略図である。
【
図12】実施形態2に係るショベルを示すブロック図である。
【
図13】(a)は、実施形態1の変形例に係るショベルのガイド部を示す図である。(b)は、実施形態1の変形例に係るショベルの回動部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。また、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
(実施形態1)
まず、
図1を参照して、本発明の実施形態1に係るショベル100の測位について説明する。
図1は、実施形態1に係るショベル100の測位を説明するための概略図である。実施形態1において、全球測位衛星システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)を用いた測位方法として、例えば、RTK測位(リアルタイムキネマティック測位)を適用して、ショベル100の測位が実行される。
【0012】
図1に示すように、実施形態1において、ショベル100は、第1アンテナ2と、受信部3と、走行体9と、旋回体10とを備える。また、ショベル100は、制御ユニット1をさらに備える。なお、
図1では制御ユニット1の記載を省略している。ショベル100は、建設機械の一例である。具体的には、実施形態1において、ショベル100は、例えば油圧ショベルである。
【0013】
走行体9は、ショベル100を走行させる。実施形態1において、走行体9は、クローラー式走行体である。
【0014】
旋回体10は、走行体9の上部に配置される。旋回体10は、走行体9により、旋回可能に支持される。
【0015】
第1アンテナ2は、旋回体10に配置される。実施形態1において、第1アンテナ2は、全球測位衛星システム(GNSS)アンテナである。第1アンテナ2は、測位衛星300(GNSS衛星)から衛星信号を受信する。
【0016】
具体的には、第1アンテナ2は、第1アンテナ2a及び第1アンテナ2bを含む。第1アンテナ2aは、例えば、地球上における第1アンテナ2aの位置を示す位置情報を算出するための衛星信号を測位衛星300から受信する。すなわち、第1アンテナ2aは、例えば、地球上における旋回体10の位置情報を算出するための衛星信号を測位衛星300から受信する。旋回体10の位置情報は、例えば座標によって表される。一方、第1アンテナ2bは、例えば、旋回体10の向きを算出するための衛星信号を測位衛星300から受信する。すなわち、第1アンテナ2bは、例えば、旋回体10の方位角を算出するための衛星信号を測位衛星300から受信する。
【0017】
受信部3は、旋回体10の位置を特定するための特定情報を基準局200から受信する。受信部3を、例えば受信機ともいう。基準局200は、「外部装置」の一例である。以下、基準局200から受信する特定情報について説明する。
【0018】
基準局200は、予め定められた基準点に固定して設置される。具体的には、基準局200は、例えば、ショベル100が作業を実行する作業現場の周囲等に設置される。また、基準局200は、例えば、測位衛星300から衛星信号を受信するアンテナ、及びショベル100の受信部3と無線通信ネットワークを介して無線通信可能な通信装置を備える。基準局200は、測位衛星300から衛星信号を受信して、測位衛星300から基準局200までの擬似距離と、基準局200が衛星信号を受信したときの搬送波位相(衛星測位情報)とを取得する。基準局200では、例えば、測位衛星300から衛星測位情報を測定する毎に又は設定周期が経過する毎に、測定した衛星測位情報、及び基準点の位置情報等を含む特定情報(較正情報)を生成する。そして、基準局200は、ショベル100の受信部3に特定情報を送信する。
【0019】
制御ユニット1は、例えば、第1アンテナ2aが受信した衛星信号に基づいて測位計算を実行し、旋回体10の位置を示す位置情報(例えば座標)を算出する。具体的には、制御ユニット1は、例えば、測位衛星300から衛星信号を受信して、測位衛星300から第1アンテナ2aまでの擬似距離と、第1アンテナ2aが衛星信号を受信したときの搬送波位相とを取得する。そして、制御ユニット1は、取得した擬似距離と搬送波位相とに基づいて、旋回体10の位置情報を算出する。
【0020】
また、制御ユニット1は、例えば、第1アンテナ2aが受信した衛星信号と、第1アンテナ2bが受信した衛星信号とに基づいて測位計算を実行し、旋回体10の向きを示す情報を算出する。具体的には、制御ユニット1は、例えば、第1アンテナ2aの位置情報と、第1アンテナ2bの位置情報とを算出し、第1アンテナ2aの位置と第1アンテナ2bの位置とを結ぶ直線を算出する。そして、制御ユニット1は、算出した直線と基準方位とがなす角度に基づいて、旋回体10の向きを示す情報を算出する。基準方位は、例えば北である。
【0021】
制御ユニット1は、算出した位置情報と、算出した旋回体10の向きを示す情報とを、受信部3が受信した特定情報に基づいて較正(補正)する。従って、位置情報と、旋回体10の向きを示す情報との各々を、特定情報に基づいて較正しない場合と比較して、高い精度で、位置情報及び旋回体10の向きを示す情報を取得することができる。また、実施形態1において、制御ユニット1は、移動局としてのショベル100と、基準局200との間の基線解を連続的に算出している。実施形態1において、基線解とは、ショベル100から基準局200までを結ぶベクトル(基線ベクトル)のことである。従って、ショベル100の位置情報である測位解をリアルタイムで求めることができる。測位解とは、ショベル100の位置のことである。すなわち、実施形態1において、ショベル100の位置をリアルタイムで求めることができる。
【0022】
次に、
図2~
図4を参照して、実施形態1に係るショベル100について説明する。
図2は、実施形態1に係るショベル100を右後方から示す斜視図である。
図3は、実施形態1に係るショベル100を左側方から示す側面図である。
図4は、ショベル100を示すブロック図である。
【0023】
図2~
図4に示すように、実施形態1のショベル100は、検出部4と、操作装置5と、操作レバー6と、第2コントロールバルブ7と、作業部8と、ミラー12と、エンジン16とをさらに備える。操作装置5及び操作レバー6については、
図5を参照して後述する。
【0024】
作業部8は、掘削作業等の作業を実行する。作業部8は、旋回体10に取り付けられる。作業部8は、ブーム81と、ブーム用アクチュエータ81aと、アーム82と、アーム用アクチュエータ82aと、バケット83と、アタッチメント用アクチュエータ83aとを含む。
【0025】
ブーム81は、旋回体10により、第1回転支点R1を中心に揺動自在に支持されている。
【0026】
ブーム用アクチュエータ81aは、ブーム81を作動させる。具体的には、ブーム用アクチュエータ81aは、作動油によって駆動され、第1回転支点R1を中心にブーム81を揺動させる。ブーム用アクチュエータ81aは、ブーム用シリンダ81bと、ブーム用ロッド81cとを含む。ブーム用シリンダ81bは、作動油によってブーム用ロッド81cを進退させて、ブーム81を作動させる。
【0027】
アーム82は、ブーム81により、第2回転支点R2を中心に揺動自在に支持されている。
【0028】
アーム用アクチュエータ82aは、アーム82を作動させる。具体的には、アーム用アクチュエータ82aは、作動油によって駆動され、第2回転支点R2を中心にアーム82を揺動させる。アーム用アクチュエータ82aは、アーム用シリンダ82bと、アーム用ロッド82cとを含む。アーム用シリンダ82bは、作動油によってアーム用ロッド82cを進退させて、アーム82を作動させる。
【0029】
バケット83は、アタッチメントの一種である。バケット83は、アーム82により、第3回転支点R3を中心に揺動自在に支持されている。
【0030】
アタッチメント用アクチュエータ83aは、バケット83を作動させる。具体的には、アタッチメント用アクチュエータ83aは、作動油によって駆動され、第3回転支点R3を中心にバケット83を揺動させる。アタッチメント用アクチュエータ83aは、アタッチメント用シリンダ83bと、アタッチメント用ロッド83cとを含む。アタッチメント用シリンダ83bは、作動油によってアタッチメント用ロッド83cを進退させて、バケット83を作動させる。
【0031】
検出部4は、ショベル100の傾き、及び作業部8の姿勢を検出する。具体的には、検出部4は、例えば、角度センサ4a、角度センサ4b、角度センサ4c、及び角度センサ4dを含む。角度センサ4aは、制御ユニット1に含まれる。角度センサ4aは、ショベル100の傾斜角度を検出する。角度センサ4bは、ブーム81に配置される。角度センサ4bは、ブーム81の回転角度を検出する。角度センサ4cは、アーム82に配置される。角度センサ4cは、アーム82の回転角度を検出する。角度センサ4dは、バケット83を回動させるバケットリンク84に配置される。角度センサ4dは、バケット83の回転角度を検出する。角度センサ4a~角度センサ4dの各々は、例えば、慣性計測ユニット(IMU:Inertial Measurement Unit)である。
【0032】
制御ユニット1は、角度センサ4aのほか、制御部1a及び第1コントロールバルブ1bを更に含む。
【0033】
制御部1aは、例えば、操作装置5及びエンジン16を制御する。制御部1aは、例えば、ECU(Electronic Control Unit)である。また、制御部1aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部1aは、例えば、特定情報によって特定された旋回体10の位置情報、及び旋回体10の向きを示す情報に基づいて、制御信号を出力する。具体的には、制御部1aは、例えば、例えば、旋回体10の位置情報、旋回体10の向きを示す情報、及び検出部4の検出結果に基づいて、制御信号を出力する。
【0034】
第1コントロールバルブ1bは、制御部1aが出力した制御信号を油圧信号に変換して、油圧信号を第2コントロールバルブ7に入力する。第1コントロールバルブ1bは、「切替弁」の一例である。
【0035】
エンジン16には、燃料タンク(不図示)から燃料が供給される。エンジン16は、油圧ポンプ(不図示)を駆動して、圧油を第1コントロールバルブ1b又は第2コントロールバルブ7に送り出す。圧油とは、圧力がかけられた作動油のことである。第2コントロールバルブ7は、圧油の流れを制御する。具体的には、第2コントロールバルブ7は、圧油の流量及び方向を制御して、旋回体10を旋回させる旋回モーター(不図示)、ブーム用シリンダ81b、アーム用シリンダ82b、アタッチメント用シリンダ83b、及び、走行体9の走行モーター(不図示)に対して、圧油を供給する。その結果、旋回モーター、ブーム用シリンダ81b、アーム用シリンダ82b、アタッチメント用シリンダ83b、及び、走行モーターが駆動する。
【0036】
つまり、実施形態1において、ショベル100が検出部4と受信部3と制御ユニット1とを備えるため、制御部1aは、旋回体10の位置情報、旋回体10の向きを示す情報、及び検出部4の検出結果に基づいて、作業部8を所定の設計データに基づいて自動制御できる。その結果、ショベル100の操縦者がショベル100を操作する手間を軽減できる。具体的には、例えば、制御部1aが、アーム82が動作することに応じて、ブーム81及びバケット83が動作するように作業部8を自動制御するため、操縦者の手間を軽減できる。例えば、操縦者による作業部8の操作が行われると、測位位置(旋回体10の位置)における所定の設計データ(掘削深さ等)とに基づいて、作業部8が掘削作業を実行するように作業部8が自動制御される。その結果、設計データ(設計値)通りの深さに掘削される。
【0037】
旋回体10は、キャビン11と、操縦席11aと、ボンネット15とを含む。なお、
図2~
図4において、操縦席11aの記載を省略している。ボンネット15は、ショベル100のエンジン16を覆う。ボンネット15は、例えば、旋回体10のうちの後方に位置する。具体的には、ボンネット15は、キャビン11に対して作業部8と反対の側に配置される。
【0038】
操縦席11aには、ショベル100の操縦者が着座する。キャビン11は、操縦席11aを覆う。キャビン11は、例えば、旋回体10の備えるフレーム(ターニングフレーム)に防振ゴムを介して支持される。以下、本明細書において、「右」は、キャビン11から前方を見たときの右を示す。「左」は、キャビン11から前方を見たときの左を示す。
図2の例では、キャビン11は、旋回体10において、左側の領域に配置されている。
【0039】
実施形態1において、キャビン11は、複数のフレーム11cと、複数の板部材11fとを含む。
【0040】
実施形態1において、複数のフレーム11cは、それぞれ、キャビン11の右側面部11R、左側面部11L、正面部11F、及び背面部11Bを構成する。また、複数のフレーム11cの各々は、開口11hを有する。すなわち、複数の開口11hは、それぞれ、キャビン11の右側面部11R、左側面部11L、正面部11F、及び背面部11Bに位置する。開口11hは、例えば窓として機能する。なお、キャビン11の正面部11Fを構成するフレーム11cの開口11hは、
図2及び
図3に表れていない。
【0041】
実施形態1において、複数の開口11hには、それぞれ、複数の板部材11fが装着されている。板部材11fは、例えば、ガラスのような透明な部材である。
【0042】
また、実施形態1において、キャビン11には、第1アンテナ2、受信部3、及びミラー12が配置されている。
【0043】
具体的には、第1アンテナ2は、キャビン11の天面11bに配置される。より具体的には、第1アンテナ2a及び第1アンテナ2bの各々は、キャビン11の天面11bに配置されたブラケット13を介して、キャビン11の天面11bに配置される。ブラケット13には、例えばネジ溝が設けられており、第1アンテナ2a及び第1アンテナ2bの各々は、ネジによってブラケット13に固定される。実施形態1において、ブラケット13は、例えば格子形状を有し、金属製である。
【0044】
実施形態1において、旋回体10の上方から見たときのキャビン11の天面11bの面積と、旋回体10の上方から見たときのブラケット13の面積とが略同一である。一方、第1アンテナ2aと第1アンテナ2bとは、所定間隔を空けて配置されることが好ましい。従って、仮に旋回体10を上方から見たときの天面11bの面積が小さい場合、天面11bの面積よりも大きい面積を有するブラケット13を天面11bに配置することで、第1アンテナ2aと第1アンテナ2bとを、所定間隔を空けて配置できる。
【0045】
ミラー12は、キャビン11のうちの後方部分に配置される。具体的には、ミラー12は、例えば、支持体12aを介して、キャビン11の右側面部11Rを構成するフレーム11cのうちの後側に装着される。支持体12aは、例えばクランプである。ショベル100の操縦者は、例えば、ミラー12を介して、走行体9の周辺を確認する。
【0046】
実施形態1において、受信部3は、略矩形形状を有する。ミラー12の支持体12aには、例えばネジ溝が設けられており、受信部3は、ネジによって支持体12aに固定される。すなわち、受信部3は、ミラー12の支持体12aを介してキャビン11を構成するフレーム11cに取り付けられる。従って、支持体12aと異なる部材をキャビン11に設けることなく、受信部3をキャビン11に配置できる。すなわち、受信部3を容易にキャビン11に装着できる。
【0047】
走行体9は、2つのクローラーを含む。以下、2つのクローラーのうち、左に位置するクローラーを「クローラー9a」と記載し、右に位置するクローラーを「クローラー9b」と記載する場合がある。クローラー9aが延びる方向と、クローラー9bが延びる方向とは、互いに略平行である。
【0048】
次に、
図5を参照してキャビン11の内部構造について説明する。
図5は、キャビン11の内部を示す斜視図である。なお、
図5では、図面を見易くするために、キャビン11の屋根(天面11b)を省略している。
【0049】
キャビン11には、操作装置5と、作業部8を操作するための複数の操作レバー6と、走行体9を動作させるための複数の走行レバー17が配置される。実施形態1において、複数の操作装置5及び走行レバー17は、操縦席11aの前方に配置されている。また、実施形態1において、複数の操作レバー6は、それぞれ、操縦席11aの右方及び左方に配置されている。
【0050】
操作装置5は、例えば、ショベル100に対する各種操作を受け付けるとともに、ショベル100に関する各種情報を表示する。操作装置5は、表示部5aと、操作部5bとを含む。
【0051】
表示部5aは、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのようなディスプレイによって構成される。表示部5aは、例えば、ショベル100に関する各種情報を表示する。
【0052】
操作部5bは、ショベル100に対する各種操作指示を受け付ける。操作部5bは、本実施形態において、複数の操作スイッチを含む。実施形態1において、操作スイッチは、例えばハードキー(例えば押しボタン)である。従って、作業者は、軍手等の保護具を付けたまま操作部5bを操作することができる。
【0053】
なお、表示部5aがタッチパネルを備える場合、操作部5bがGUI(Graphical User Interface)のウィジェットとして表示部5aに表示されてもよい。この場合、表示部5aは、例えば、操作部5bをウィジェットとして表示する。また、操作部5bは、表示部5aが備えるタッチパネルとして機能してもよい。
【0054】
複数の操作レバー6の各々は、ショベル100の操縦者からの操作を受け付ける。操作レバー6は、ショベル100を操作するための操作部材である。ショベル100の操縦者が操作レバー6を操作することに応じて、操作信号が第2コントロールバルブ7に入力される。第2コントロールバルブ7は、操作レバー6の操作量に応じた圧油を作業部8に供給して、作業部8を動作させる。
【0055】
次に、
図2及び
図6を参照して、受信部3の配置について説明する。
図6は、ショベル100を右側方から示す側面図である。
【0056】
旋回体10は、走行体9に対して旋回軸線AXの回りに旋回する。具体的には、旋回体10は、走行体9に対して回転連結部材14とともに旋回する。すなわち、旋回軸線AXは、回転連結部材14の中心軸線と略同一である。回転連結部材14は、例えば、旋回体10と走行体9との間の油路として用いられる。回転連結部材14は、例えばスイベルジョイントを含む。
【0057】
実施形態1において、受信部3は、旋回軸線AXと旋回体10の後端10bとの間に配置される。具体的には、旋回体10の前後方向において、旋回軸線AXと後端10bとの間に配置される。従って、旋回体10の後方に位置する障害物に受信部3が接触することを抑制できる。その結果、ショベル100の安全性をより高めることができる。
【0058】
また、実施形態1において、受信部3は、キャビン11のうちの後方部分に配置される。従って、ショベル100の操縦者の前方もしくは側方の視界が受信部3によって遮られることを抑制できる。
【0059】
さらに、実施形態1において、受信部3は、旋回体10の右方向に、キャビン11から突出する。ただし、受信部3は、旋回体10の左方向に、キャビン11から突出してもよい。すなわち、受信部3は、旋回体10の左方向又は右方向に、キャビン11から突出する。従って、キャビン11の背面部11Bに位置する板部材11fと、受信部3とが、旋回体10の前後方向において重ならない。その結果、キャビン11の背面部11Bに位置する板部材11fを介して、ショベル100の操縦者が旋回体10の後方を確認するときに、操縦者の視界が受信部3によって遮られることを抑制できる。ひいては、ショベル100の安全性をより高めることができる。
【0060】
さらに、実施形態1において、受信部3の上端3uは、例えば、キャビン11の上端11dより下方に位置する。なお、受信部3の上端3uの高さは、例えば、キャビン11の上端11dの高さに略同一であってもよい。すなわち、受信部3の上端3uの高さは、キャビン11の上端11dの高さに略同一、又は受信部3の上端3uは、キャビン11の上端11dより下方に位置する。従って、キャビン11の上端11dより上方に位置する障害物に、受信部3が接触することを抑制できる。その結果、ショベル100の安全性をより高めることができる。特に、受信部3と基準局200(
図1参照)との無線通信が障害物によって遮蔽されない高さであって、且つ、ボンネット15よりも高い位置に、受信部3が位置することが好ましい。ただし、受信部3は、キャビン11の天面11bに装着されてもよい。
【0061】
次に、
図7を参照して、ショベル100についてさらに説明する。
図7は、ショベル100を上方から示す平面図である。
【0062】
図7に示すように、旋回体10の前端10cから旋回体10の後端10bまでの長さL1は、走行体9の進行方向、すなわち長手方向D1に沿った長さL2以下である。走行体9の長さL2を、例えば、走行体9の全長ともいう。従って、旋回体10が旋回軸線AXの回りに旋回する場合であっても、旋回軸線AXと旋回体10の後端10bとの間に配置される受信部3が、走行体9よりも外側に位置する障害物に接触することを抑制できる。その結果、ショベル100の安全性をより高めることができる。
【0063】
また、旋回体10の長さL1は、走行体9の進行方向、すなわち長手方向D1に略直交する方向(短手方向D2)に沿った、走行体9の全幅L3以下である。全幅L3は、例えば、短手方向D2において、クローラー9aの長手方向D1に沿った外縁から、クローラー9bの長手方向D1に沿った外縁までの長さのことである。従って、旋回体10が旋回軸線AXの回りに旋回する場合であっても、旋回軸線AXと旋回体10の後端10bとの間に配置される受信部3が、走行体9よりも外側に位置する障害物に接触することをさらに抑制できる。その結果、ショベル100の安全性をより高めることができる。
【0064】
次に、
図7及び
図8を参照して、ショベル100が備える制御ユニット1について説明する。
図8は、ショベル100を右前方から示す斜視図である。
【0065】
図7及び
図8に示すように、制御ユニット1は、旋回体10の前後方向において、作業部8の後方であって、旋回体10のうちの前側に配置される。従って、ショベル100において、作業部8の後方部分に空間がある可能性が高いため、制御ユニット1を容易に配置できる。また、作業部8の後方であって旋回体10のうちの前側に制御ユニット1が配置されない場合と比較して、ショベル100を小型化できる。
【0066】
また、制御ユニット1が、作業部8の後方であって、旋回体10のうちの前側に配置されることによって、例えば、油圧配管を短くできる。油圧配管とは、例えば、油圧ポンプと第1コントロールバルブ1bとを接続する配管、第1コントロールバルブ1bと燃料タンクとを接続する配管、及び、燃料タンクと油圧ポンプとを接続する配管である。その結果、油圧配管を容易に配置(配策)できる。
【0067】
制御ユニット1は、筐体1cをさらに備える。筐体1cは、例えば金属製である。筐体1cは、制御部1aと、第1コントロールバルブ1bと、角度センサ4aとを収容する。従って、制御部1aと、第1コントロールバルブ1bと、角度センサ4aとをユニット化できる。その結果、制御部1aと、第1コントロールバルブ1bと、角度センサ4aとを旋回体10に配置する手間を軽減できる。
【0068】
また、制御部1aと、第1コントロールバルブ1bと、角度センサ4aとが筐体1cによって収容されるため、制御部1aと第1コントロールバルブ1bと角度センサ4aとが露出することを防止できる。その結果、制御部1aと第1コントロールバルブ1bと角度センサ4aとの少なくとも1つが、障害物又は作業部8に接触することを抑制できる。
【0069】
また、制御ユニット1は、旋回体10のうちの下方に配置される。具体的には、旋回体10の上下方向において、制御ユニット1は、受信部3よりも下方に配置される。制御ユニット1は重たい場合が多い。従って、安定して制御ユニット1を配置できる。また、制御ユニット1を旋回体10に装着するための装着部材(例えばブラケット)への負荷を軽減できる。
【0070】
実施形態1において、ショベル100は、受信部3と、制御ユニット1の制御部1aとを接続する配線Cdを有する。実施形態1において、配線Cdは、キャビン11に沿って配置される。すなわち、配線Cdは、キャビン11に沿って配策される。具体的には、配線Cdは、例えば、キャビン11の右側面部11Rを構成するフレーム11cの上端部分に沿って配置される。従って、例えば、フレーム11cに予め設けられたネジ溝に、フックのような第1支持部材11gを装着することによって、配線Cdをガイドできる。すなわち、例えば、第1支持部材11gをフレーム11cに装着させるような加工(フレーム11cにネジ溝をさらに追加する加工等)を新たにキャビン11に対して施すことなく、配線Cdを容易に配置できる。
【0071】
実施形態1において、第1支持部材11gは、上述したように例えばフックである。第1支持部材11gは、配線Cdを支持する。従って、第1支持部材11gによって配線Cdを容易に支持させることができる。
【0072】
また、実施形態1において、配線Cdは、例えば、キャビン11の内面に沿って配置される。具体的には、配線Cdの一部がキャビン11の内面に沿って配置される。従って、配線Cdが作業部8等に接触することを抑制できる。その結果、ショベル100の安全性をより高めることができる。なお、配線Cdの全部が、キャビン11の外面に沿って配置されてもよい。この場合、第1支持部材11gは、キャビン11の外部に配置される。
【0073】
さらに、実施形態1において、制御ユニット1は、配線Cdを支持する第2支持部材1dを含む。第2支持部材1dは、例えばフックである。第2支持部材1dは、筐体1cに配置される。具体的には、第2支持部材1dは、例えば、旋回体10の前後方向において筐体1cの前側であって、旋回体10の上下方向において筐体1cの上側に配置される。従って、筐体1cの周辺において、配線Cdを撓ませることができる。その結果、制御ユニット1が第2支持部材1dを含まない場合と比較して、配線Cdが折れ曲がることに起因した配線Cdへの負荷を抑制できる。
【0074】
また、実施形態1において、制御ユニット1とキャビン11とは、旋回体10の左右方向に沿って配置される。具体的には、実施形態1において、制御ユニット1は、キャビン11の右隣に配置される。従って、受信部3と、キャビン11内に配置される操作装置5、キャビン11内に配置される操作レバー6、及び作業部8の各々とを、配線を用いて、互いに電気的に接続し易い。
【0075】
また、実施形態1において、制御ユニット1は、旋回体10の上下方向において、キャビン11を構成するフレーム11cの開口11hよりも下方に配置される。従って、ショベル100の操縦者の視界が制御ユニット1によって遮られることを抑制できる。その結果、ショベル100の安全性をより高めることができる。
【0076】
また、実施形態1において、受信部3、制御ユニット1、及び検出部4は、旋回体10の前後方向に沿って配置される。具体的には、受信部3、制御ユニット1、角度センサ4a、角度センサ4b、角度センサ4c、及び角度センサ4bは、旋回体10の前後方向に沿って配置される。なお、上述したように、角度センサ4aは、制御ユニット1に含まれる。従って、受信部3、制御ユニット1、及び検出部4が、旋回体10の前後方向に沿って配置されない場合と比較して、ショベル100の操縦者が旋回体10の周囲を確認するときに、受信部3、制御ユニット1、及び検出部4が操縦者の視界を遮ることを抑制できる。その結果、ショベル100の安全性をより高めることができる。また、受信部3、制御ユニット1、及び検出部4を直線的に配置することで、受信部3、制御ユニット1、及び検出部4を互いに結ぶ配線の構築が容易となる。つまり、受信部3、制御ユニット1、及び検出部4を配線することが容易である。
【0077】
また、実施形態1において、旋回体10を上方から見たときに、第1アンテナ2(第1アンテナ2a及び第1アンテナ2b)は、旋回軸線AXと旋回体10の外縁との間に配置される。すなわち、上述したように、第1アンテナ2は、キャビン11の天面11bに配置される。従って、旋回体10の後方に位置する障害物に、第1アンテナ2が接触することを抑制できる。その結果、ショベル100の安全性をより高めることができる。
【0078】
次に、
図9を参照して、制御ユニット1について説明する。
図9は、ショベル100の制御ユニット1の拡大図である。
図9に示すように、制御部1aと、第1コントロールバルブ1bとは、筐体1cの内部において、旋回体10の前後方向に沿って配置される。具体的には、例えば、旋回体10の前後方向において、制御部1aは、第1コントロールバルブ1bよりも前に配置される。従って、旋回体10の左右方向に制御ユニット1が大きくなることを抑制できる。ひいては、制御ユニット1を小型化できる。なお、制御部1aの高さは、例えば、第1コントロールバルブ1bの高さよりも小さい。
【0079】
次に、
図10を参照して、受信部3について説明する。
図10は、ショベル100の受信部3の拡大図である。
図10に示すように、受信部3は、第2アンテナ3aと、本体3bとを含む。第2アンテナ3aは、例えば、基準局200(
図1参照)から、特定情報を受信する。本体3bは、第2アンテナ3aが受信した特定情報を取得する。そして、本体3bは、取得した特定情報を、配線Cd(
図8参照)を介して、制御ユニット1の制御部1aに送信する。実施形態1において、第2アンテナ3aと本体3bとは、一体的に形成されている。
【0080】
(実施形態2)
図11及び
図12を参照して、実施形態2に係るショベル100aについて説明する。
図11は、ショベル100aの測位を説明するための概略図である。
図12は、ショベル100aを示すブロック図である。ショベル100aがトータルステーション400を用いて測位される点で、実施形態2のショベル100aは、実施形態1のショベル100と主に異なる。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明し、重複部分については説明を省略する。
【0081】
図11に示すように、実施形態2において、トータルステーション400を用いて、ショベル100aの測位が実行される。ショベル100aは、プリズム30を備える。プリズム30は、トータルステーション400のターゲットとして機能する。プリズム30は、例えば、キャビン11の天面11bに配置される。トータルステーション400は、「外部装置」の一例である。
【0082】
トータルステーション400は、プリズム30の位置を測定し、受信部3xに測定結果としての特定情報を送信する。そして、受信部3xは、トータルステーション400から受信した特定情報を、制御ユニット1に入力する。制御ユニット1は、受信部3xを介して取得した特定情報に基づいて、ショベル100の位置を特定する。そして、制御ユニット1は、例えば、特定情報に基づいて特定した旋回体10の位置に基づいて、第1コントロールバルブ1bを制御する。
【0083】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0084】
図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、周期等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0085】
例えば、
図1を参照して説明したように、実施形態1において、全球測位衛星システムを用いた測位方法として、RTK測位が適用された。ただし、他の測位方法が適用されてもよい。例えば、DGPS(Differential Global Positioning System:ディファレンシャルGPS測位)が適用されてもよい。
【0086】
また、例えば、実施形態1において、基準局200とショベル100とが、直接的に無線通信を行うことで受信部3が特定情報を取得した。ただし、受信部3は、インターネットのようなネットワークを介して、基準局200から特定情報を取得してもよい。
【0087】
さらに、例えば、実施形態1及び実施形態2において、キャビン11のフレーム11cは、複数の板部材11fを含んだ。ただし、キャビン11は、板部材11fを含まなくてもよい。すなわち、フレーム11cの開口11hは、開放されていてもよい。
【0088】
さらに、例えば、実施形態1及び実施形態2において、受信部3は、ミラー12の支持体12aに固定された。ただし、
図13(a)に示すように、キャビン11に隣り合って配置されるガイド部Gdに沿って、受信部3が支持されてもよい。
図13(a)は、実施形態1の変形例に係るショベル100のガイド部Gdを示す図である。具体的には、変形例において、旋回体10は、旋回体10の上下方向に延びるガイド部Gdを含む。ガイド部Gdは、キャビン11の右側であってキャビン11の後側で、キャビン11に隣り合って配置される。ガイド部Gdは、例えばスライドレールである。例えば、ガイド部Gdに沿って、すなわち、旋回体10の上下方向に沿って、受信部3を移動させることができる。所望の位置に受信部3を移動させると、受信部3は、例えばネジによって固定される。従って、旋回体10の上下方向において、受信部3を自由に配置できる。例えば、受信部3が基準局200と通信する場合には、受信部3を上側に配置することができる。また、上方に位置する障害物と受信部3との接触を回避させたい場合には、受信部3を下側に配置することができる。なお、ガイド部Gdとキャビン11との間には空間が設けられてもよいし、ガイド部Gdがキャビン11に接着していてもよい。
【0089】
また、
図13(b)に示すように、受信部3は、回動部材Hgによって、キャビン11に連結されてもよい。
図13(b)は、実施形態1の他の変形例に係るショベル100の回動部材Hgを示す図である。具体的には、旋回体10は、回動部材Hgを含む。回動部材Hgは、例えばヒンジである。回動部材Hgは、例えば、キャビン11に対して回動可能に、キャビン11に連結される。具体的には、回動部材Hgは、例えば、キャビン11うちの右側であってキャビン11のうちの後側に配置される。すなわち、回動部材Hgは、例えば、キャビン11の右側面部11Rを構成するフレーム11cの後側に装着される。回動部材Hgは、キャビン11に対して、方向Rに回動可能に、受信部3をキャビン11に連結させる。つまり、受信部3は、水平方向に回動可能である。従って、水平方向において、受信部3を自由に配置できる。
【0090】
さらに、例えば、
図10に示すように、実施形態1及び実施形態2において、受信部3の第2アンテナ3aと本体3bとは、一体的に形成されていた。ただし、第2アンテナ3aと本体3bとは、別体であってもよい。従って、第2アンテナ3aと本体3bとは、互いに異なる位置に配置されてもよい。この場合、例えば、第2アンテナ3aがキャビン11の外部に配置され、本体3bがボンネット15の内部又はキャビン11の内部に配置されてもよい。従って、本体3bが障害物、又は作業部8に接触する可能性を抑制できる。その結果、ショベル100の安全性をより高めることができる。
【0091】
さらに、例えば、
図11に示すように、実施形態2において、プリズム30は、キャビン11の天面11bに配置された。ただし、プリズム30がトータルステーション400のターゲットとして機能する限り、プリズム30の位置は特に限定されない。例えば、プリズム30は、走行体9に含まれる排土機構9cに設置された支柱の上部に配置されてもよい。排土機構9cは、例えば、土砂等の排土作業、造成地及び道路等の整地作業に用いられる。
【0092】
また、
図1~
図13を参照して説明した実施形態1及び実施形態2では、建設機械としてショベル100を例に挙げて説明したが、建設機械はショベル100に限定されない。建設機械は、例えば、ホイールローダーなどのローダー、又は、キャリアである。
【0093】
また、上述した例では、キャビン型の建設機械について説明したが、本発明は、キャノピ型の建設機械にも適用可能である。キャノピ型の建設機械に適用する場合には、受信部3をキャノピの支柱もしくは庇における所定位置に配置することで、キャビン型の建設機械と同様に、周辺の障害物との接触を回避しつつ、基準局200もしくはトータルステーション400との良好な通信を確保できる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、建設機械に関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0095】
100 ショベル(建設機械)
1 制御ユニット
1a 制御部
1b 第1コントロールバルブ(切替弁)
2 第1アンテナ
3 受信部
3a 第2アンテナ
3b 本体
8 作業部
9 走行体
10 旋回体
11 キャビン
200 基準局(外部装置)
400 トータルステーション(外部装置)
AX 旋回軸線
Gd ガイド部
Hg 回動部材