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特開2024-97814触感呈示システム、制御装置、およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097814
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】触感呈示システム、制御装置、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
G06F3/01 560
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024070420
(22)【出願日】2024-04-24
(62)【分割の表示】P 2020114178の分割
【原出願日】2020-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】中根 啓太
(72)【発明者】
【氏名】大西 剛史
(72)【発明者】
【氏名】和才 将大
(72)【発明者】
【氏名】明官 真由
(57)【要約】
【課題】触感呈示技術の新規な応用を提供する。
【解決手段】筐体11は、ユーザにより保持可能な形状を有している。読取装置12は、筐体11に搭載されており、メディアコンテンツM上の位置に関連付けられた識別情報IDを読み取る。振動源13は、筐体11に搭載されており、振動を発生可能である。制御装置15は、筐体11に搭載されており、識別情報IDに関連付けられた振動波形情報VWに対応する振動を振動源13に発生させる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアコンテンツを表示可能な表示装置と、
ユーザにより保持可能な形状を有している触感呈示装置と、
前記触感呈示装置に搭載されており、前記メディアコンテンツ上に描かれた経路に含まれる複数の部分にそれぞれ関連付けられた複数の識別情報の一つを読み取る読取装置と、
前記触感呈示装置に搭載されており、振動を発生可能な振動源と、
前記触感呈示装置と前記表示装置の少なくとも一方に搭載されている音源と、
前記触感呈示装置に搭載されており、前記複数の識別情報にそれぞれ関連付けられた複数の振動波形情報から前記複数の識別情報の一つに対応する当該複数の振動波形情報の一つを特定し、当該振動波形情報の一つに対応する振動を前記振動源に発生させる制御装置と、
を備えており、
前記制御装置は、前記複数の部分に含まれる第一部分をなぞることにより前記複数の識別情報に含まれる第一識別情報が読み取られると、前記複数の振動波形情報に含まれる第一振動波形情報に対応する第一振動を前記振動源に発生させるとともに、前記音源に第一の音を出力させ、
前記制御装置は、前記複数の部分に含まれる第二部分をなぞることにより前記複数の識別情報に含まれる第二識別情報が読み取られると、前記複数の振動波形情報に含まれる第二振動波形情報に対応し前記第一振動と異なる第二振動を前記振動源に発生させるとともに、前記第一の音と異なる第二の音を前記音源に出力させる、
触感呈示システム。
【請求項2】
前記触感呈示装置に搭載されており、前記触感呈示装置に加わる加速度に対応する加速度信号を出力する加速度検出部を備えており、
前記制御装置は、前記加速度信号に基づいて前記振動源に前記振動を変更させる、
請求項1に記載の触感呈示システム。
【請求項3】
前記触感呈示装置に搭載されており、前記振動波形情報を格納している記憶部を備えている、
請求項1または2に記載の触感呈示システム。
【請求項4】
前記触感呈示装置は、筆記具を模した形状を有しており、
前記読取装置は、前記筆記具の先端に対応する位置に配置されている、
請求項1から3のいずれか一項に記載の触感呈示システム。
【請求項5】
ユーザにより保持可能な形状を有する触感呈示装置に搭載される制御装置であって、
メディアコンテンツ上に描かれた経路に含まれる複数の部分にそれぞれ関連付けられた複数の識別情報の一つを受け付ける受付部と、
前記複数の識別情報にそれぞれ関連付けられた複数の振動波形情報から前記複数の識別情報の一つに対応する当該複数の振動波形情報の一つを特定し、当該振動波形情報の一つに対応する振動を振動源に発生させる処理部と、
を備えており、
前記処理部は、前記複数の部分に含まれる第一部分をなぞることにより前記複数の識別情報に含まれる第一識別情報が読み取られると、前記複数の振動波形情報に含まれる第一振動波形情報に対応する第一振動を前記振動源に発生させるとともに、音源に第一の音を出力させ、
前記処理部は、前記複数の部分に含まれる第二部分をなぞることにより前記複数の識別情報に含まれる第二識別情報が読み取られると、前記複数の振動波形情報に含まれる第二振動波形情報に対応し前記第一振動と異なる第二振動を前記振動源に発生させるとともに、前記第一の音と異なる第二の音を前記音源に出力させる、
制御装置。
【請求項6】
ユーザにより保持可能な形状を有する触感呈示装置に搭載される制御装置の処理部により実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
メディアコンテンツ上に描かれた経路に含まれる複数の部分にそれぞれ関連付けられた複数の識別情報の一つを受け付け、
前記複数の識別情報にそれぞれ関連付けられた複数の振動波形情報から前記複数の識別情報の一つに対応する当該複数の振動波形情報の一つを特定し、当該振動波形情報の一つに対応する振動を振動源に発生させ、
前記複数の部分に含まれる第一部分をなぞることにより前記複数の識別情報に含まれる第一識別情報が読み取られると、前記複数の振動波形情報に含まれる第一振動波形情報に対応する第一振動を前記振動源に発生させるとともに、音源に第一の音を出力させ、
前記複数の部分に含まれる第二部分をなぞることにより前記複数の識別情報に含まれる第二識別情報が読み取られると、前記複数の振動波形情報に含まれる第二振動波形情報に対応し前記第一振動と異なる第二振動を前記振動源に発生させるとともに、前記第一の音と異なる第二の音を前記音源に出力させる、
コンピュータプログラム。
【請求項7】
メディアコンテンツを表示可能な表示装置と、
ユーザにより保持可能な形状を有しており、前記メディアコンテンツ上の複数の絵の一つと複数の経路の一つの組合せを特定する位置特定装置と、
前記表示装置に搭載されており、前記位置特定装置により特定された前記絵と前記経路の位置に対応する位置情報を出力する位置検出部と、
前記位置特定装置に搭載されている振動源と、
前記位置特定装置と前記表示装置の少なくとも一方に搭載されている音源と、
前記前記複数の絵に関連付けられた複数の第一振動波形情報と前記複数の経路に関連付けられた複数の第二振動波形情報を格納している記憶装置と、
前記複数の絵の一つと前記複数の経路の一つの組合せに基づいて前記複数の第一振動波形情報の一つと前記複数の第二振動波形情報の一つの組合せに対応する振動を前記振動源に発生させるとともに、前記複数の絵の一つと前記複数の経路の一つの組合せに対応する音を前記音源に出力させる制御装置と、
前記複数の経路の一つをなぞる前記位置特定装置に加わる加速度に対応する加速度情報を出力する加速度検出部と、
を備えており、
前記制御装置は、前記加速度情報に基づいて、前記振動源に前記振動を変更させるとともに、前記音源から出力される音を変化させる、
触感呈示システム。
【請求項8】
前記制御装置と前記記憶装置は、前記位置特定装置に搭載されている、
請求項7に記載の触感呈示システム。
【請求項9】
前記制御装置と前記記憶装置は、前記表示装置に搭載されている、
請求項7に記載の触感呈示システム。
【請求項10】
表示装置により表示され、かつ位置特定装置により特定されたメディアコンテンツ上の複数の絵の一つと複数の経路の一つの組合せに対応する位置情報を受け付ける受付部と、
前記位置情報に基づいて、前記複数の絵に関連付けられた複数の第一振動波形情報の一つと前記複数の経路に関連付けられた複数の第二振動波形情報の一つの組合せに対応する振動を振動源に発生させるとともに、前記複数の絵の一つと前記複数の経路の一つの組合せに対応する音を前記位置特定装置と前記表示装置の少なくとも一方に搭載された音源に出力させる処理部と、
を備えており、
前記受付部は、前記複数の経路の一つをなぞる前記位置特定装置に加わる加速度に対応する加速度情報を受け付け、
前記処理部は、前記加速度情報に基づいて、前記振動源に前記振動を変更させるとともに、前記音源から出力される音を変化させる、
制御装置。
【請求項11】
制御装置の処理部により実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
表示装置により表示され、かつ位置特定装置により特定されたメディアコンテンツ上の複数の絵の一つと複数の経路の一つの組合せに対応する位置情報を受け付け、
前記位置情報に基づいて、前記複数の絵に関連付けられた複数の第一振動波形情報の一つと前記複数の経路に関連付けられた複数の第二振動波形情報の一つの組合せに対応する振動を振動源に発生させるとともに、前記複数の絵の一つと前記複数の経路の一つの組合せに対応する音を前記位置特定装置と前記表示装置の少なくとも一方に搭載された音源に出力させ、
前記複数の経路の一つをなぞる前記位置特定装置に加わる加速度に対応する加速度情報を受け付けさせ、
前記加速度情報に基づいて、前記音源から出力される音を変化させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動源を用いてユーザに触感を呈示する装置およびシステムに関連する。本発明は、当該装置または当該システムにおいて当該振動源に振動を発生させる制御装置にも関連する。本発明は、当該制御装置の処理部により実行可能なコンピュータプログラムにも関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、触感呈示装置の一例として筆記具を模した電子入力装置を開示している。当該装置は、ユーザによる筆記操作が検出されると、当該操作に対応する振動を発生する振動源を備えている。当該振動により、手書きをしているかのような触感がユーザに呈示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2008/078523号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、触感呈示技術の新規な応用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための一態様は、触感呈示装置であって、
ユーザにより保持可能な形状を有している筐体と、
前記筐体に搭載されており、メディアコンテンツ上の位置に関連付けられた識別情報を読み取る読取装置と、
前記筐体に搭載されており、振動を発生可能な振動源と、
前記筐体に搭載されており、前記識別情報に関連付けられた振動波形情報に対応する振動を前記振動源に発生させる制御装置と、
を備えている。
【0006】
上記の目的を達成するための一態様は、ユーザにより保持可能な形状を有する触感呈示装置に搭載される制御装置であって、
メディアコンテンツ上の位置に関連付けられた識別情報を受け付ける受付部と、
前記識別情報に関連付けられた振動波形情報に対応する振動を振動源に発生させる処理部と、
を備えている。
【0007】
上記の目的を達成するための一態様は、ユーザにより保持可能な形状を有する触感呈示装置に搭載される制御装置の処理部により実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置に、
メディアコンテンツ上の位置に関連付けられた識別情報を受け付けさせ、
前記識別情報に関連付けられた振動波形情報に対応する振動を振動源に発生させる。
【0008】
上記の目的を達成するための一態様は、触感呈示システムであって、
メディアコンテンツを表示可能な表示装置と、
ユーザにより保持可能な形状を有しており、前記メディアコンテンツ上の位置を特定する位置特定装置と、
前記表示装置に搭載されており、前記位置特定装置により特定された前記メディアコンテンツ上の位置に対応する位置情報を出力する位置検出部と、
前記位置特定装置に搭載されている振動源と、
前記位置情報に関連付けられた振動波形情報を格納している記憶装置と、
前記振動波形情報に対応する振動を前記振動源に発生させる制御装置と、
を備えている。
【0009】
上記の目的を達成するための一態様は、制御装置であって、
表示装置により表示され、かつ位置特定装置により特定されたメディアコンテンツ上の位置に対応する位置情報を受け付ける受付部と、
前記位置情報に関連付けられた振動波形情報に対応する振動を振動源に発生させる処理部と、
を備えている。
【0010】
上記の目的を達成するための一態様は、制御装置の処理部により実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置に、
表示装置により表示され、かつ位置特定装置により特定されたメディアコンテンツ上の位置に対応する位置情報を受け付けさせ、
前記位置情報に関連付けられた振動波形情報に対応する振動を振動源に発生させる。
【0011】
上記の各態様に係る構成によれば、振動源を通じてユーザに提示される触感を、メディアコンテンツ上の位置に関連付けて呈示させたり変化させたりすることができる。これにより、触感呈示技術の新規な応用として、興趣性に富んだメディアコンテンツ体験をユーザに提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第一実施形態に係る触感呈示装置を例示している。
図2】メディアコンテンツの一例を示している。
図3】メディアコンテンツの別例を示している。
図4】メディアコンテンツを提供する書籍を例示している。
図5】メディアコンテンツを提供する表示装置を例示している。
図6図1の触感呈示装置の機能構成を例示している。
図7】第二実施形態に係る触感呈示システムの機能構成を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面を参照しつつ、実施形態の例について以下詳細に説明する。以降の説明に用いられる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0014】
図1は、一実施形態に係る触感呈示装置10を例示している。触感呈示装置10は、ユーザにより保持可能な形状を有する筐体11を備えている。本例においては、筐体11はユーザの指により保持されうる形状を有しているが、手に握られうる形状を有していてもよいし、他の身体部位によって保持されうる形状を有していてもよい。
【0015】
ユーザは、図2図3に例示されるメディアコンテンツMにおける特定の位置に触感呈示装置10を近づけることにより、当該位置にあるコンテンツに応じた振動の呈示を受ける。メディアコンテンツMは、図4に例示されるような書籍20に印刷されたものであってもよいし、図5に例示されるような表示装置30の表示部31に表示されたものであってもよい。
【0016】
メディアコンテンツM上には、コンテンツの視認を妨げない態様で識別情報が配置されている。識別情報は、光学的に読み取り可能なコードの形態で提供される。そのような識別情報の例としては、バーコードなどの一次元コード、QRコード(登録商標)やグリッドオンプット(登録商標)などの二次元コードが挙げられる。当該識別情報は、メディアコンテンツM上の位置を特定する情報を少なくとも含むように生成されている。
【0017】
図6は、触感呈示装置10の機能構成を例示している。触感呈示装置10は、読取装置12を備えている。読取装置12は、筐体11に搭載されている。読取装置12は、メディアコンテンツM上に配置された識別情報IDを光学的に読み取り可能な構成を備えている。例えば、識別情報IDが赤外線を吸収するカーボンインクやステルスインクを用いて書籍20に印刷されている場合、読取装置12は、赤外光を出射する光源と、反射光強度に応じた読取信号RSを出力する受光素子を備える。このような構成によれば、識別情報IDそのものがユーザに視認されることなく、反射光強度の低い部分として識別情報IDが読み取られる。識別情報IDに対応する読取信号RSは、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
【0018】
触感呈示装置10は、振動源13を備えている。振動源13は、筐体11に搭載されている。振動源13は、振動を発生する装置である。振動源13は、ボイスコイル、アクチュエータ、ピエゾ素子、偏心モータなどにより実現されうる。振動源13により発生された振動は、筐体11を通じてユーザに触感として呈示される。
【0019】
触感呈示装置10は、記憶部14を備えている。記憶部14は、識別情報IDと関連付けられた振動波形情報VWを格納している。振動波形情報VWは、振動源13により発生される振動の波形を表している。記憶部14は、半導体メモリなどにより実現されうる。
【0020】
触感呈示装置10は、制御装置15を備えている。制御装置15は、筐体11に搭載されている。制御装置15は、受付部151を備えている。受付部151は、読取装置12から出力された読取信号RSを受け付けるインターフェースとして構成されている。読取信号RSがアナログ信号である場合、受付部151は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0021】
制御装置15は、処理部152を備えている。処理部152は、受付部151により受け付けられた読取信号RSに対応する識別情報IDに関連付けられた振動波形情報VWを、記憶部14から読み出すように構成されている。
【0022】
制御装置15は、出力部153を備えている。処理部152は、振動源13に振動波形情報VWに対応する振動を発生させる制御信号CSを出力部153から出力するように構成されている。すなわち、出力部153は、制御信号CSを出力するインターフェースとして構成されている。制御信号CSは、デジタル信号であってもよいし、アナログ信号であってもよい。制御信号CSがアナログ信号である場合、出力部153は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0023】
制御信号CSを受信した振動源13は、振動波形情報VWに対応する振動を発生する。当該振動は、筐体11を保持しているユーザへ触感として呈示される。
【0024】
図2図3を参照しつつ、上記のように構成された触感呈示装置10の具体的な幾つかの動作例を説明する。
【0025】
図2に例示されるメディアコンテンツMには、複数種の乗り物と複数種の生物が描かれている。それぞれの絵が描かれている箇所には、メディアコンテンツMにおけるその絵の位置を特定する識別情報IDが配置されている。触感呈示装置10の記憶部14には、各乗り物の走行音、および各生物の鳴き声や動作音に対応する振動波形情報VWが格納されている。
【0026】
一例として、ユーザが触感呈示装置10の読取装置12を犬の絵に近づけると、犬の絵の位置に対応する識別情報IDが読み取られる。読取装置12は、読み取られた識別情報IDに対応する読取信号RSを出力する。制御装置15の受付部151は、読取信号RSを受け付ける。制御装置15の処理部152は、読取信号RSに対応する識別情報IDに関連付けられた振動波形情報VWを、記憶部14から読み出す。この振動波形情報VWは、犬の鳴き声に対応する振動波形を表している。これにより、読取装置12を通じて特定された犬の絵の位置と、犬の鳴き声に対応する振動波形とが関連付けられる。
【0027】
処理部152は、不図示の音源に犬の鳴き声を出力させるとともに、振動波形情報VWに対応する振動を振動源13に発生させる制御信号CSを、出力部153から出力する。触感呈示装置10を犬の絵に近づけたユーザは、犬の鳴き声を耳にするとともに、犬の鳴き声に対応する触感の呈示を受ける。
【0028】
別例として、ユーザが触感呈示装置10の読取装置12を自動二輪車の絵に近づけると、自動二輪車の絵の位置に対応する識別情報IDが読み取られる。読取装置12は、読み取られた識別情報IDに対応する読取信号RSを出力する。制御装置15の受付部151は、読取信号RSを受け付ける。制御装置15の処理部152は、読取信号RSに対応する識別情報IDに関連付けられた振動波形情報VWを、記憶部14から読み出す。この振動波形情報VWは、自動二輪車の走行音に対応する振動波形を表している。これにより、読取装置12を通じて特定された自動二輪車の絵の位置と、自動二輪車の走行音に対応する振動波形とが関連付けられる。
【0029】
処理部152は、不図示の音源に自動二輪車の走行音を出力させるとともに、振動波形情報VWに対応する振動を振動源13に発生させる制御信号CSを、出力部153から出力する。触感呈示装置10を自動二輪車の絵に近づけたユーザは、自動二輪車の走行音を耳にするとともに、自動二輪車の走行音に対応する触感の呈示を受ける。
【0030】
図2に例示されるメディアコンテンツMには、サーキットコースが描かれている。サーキットコースは、通常の舗装路部分、木橋部分、および石畳部分を含んでいる。各部分の絵が描かれている箇所には、メディアコンテンツMにおけるその絵の位置を特定する識別情報IDが配置されている。
【0031】
ユーザがサーキットコースの舗装路部分をなぞるように触感呈示装置10を動かすと、舗装路部分の位置に対応する識別情報IDが読取装置12によって読み取られる。読取装置12は、読み取られた識別情報IDに対応する読取信号RSを出力する。制御装置15の受付部151は、読取信号RSを受け付ける。この場合、制御装置15の処理部152は、予め選択されている乗り物の走行音に対応する振動を振動源13に発生させる制御信号CSを、出力部153から出力するように構成されうる。加えて、処理部152は、触感呈示装置10が木橋部分や石畳部分をなぞると、当該乗り物があたかも木橋や石畳の上を走行しているかのように変調された走行音に対応する振動を振動源13に発生させる制御信号CSを、出力部153から出力するように構成されうる。
【0032】
例えば上記のようにして自動二輪車が選択された後にユーザが触感呈示装置10でサーキットコースの舗装路部分をなぞると、処理部152は、不図示の音源に自動二輪車の走行音を出力させるとともに、当該走行音に対応する振動を振動源13に発生させる。触感呈示装置10が木橋部分をなぞると、音源から出力される自動二輪車の走行音が木橋をわたっているかのように変化するとともに、呈示される触感もまた変化する。ユーザが幼児の場合、動物や乗り物への興味を促すことができるだけでなく、経路をなぞる行為を通じて文字を書く技術の習得を促すことができる。
【0033】
図3に例示されるメディアコンテンツMには、管弦楽団が描かれている。それぞれの管弦楽器が描かれている箇所には、メディアコンテンツMにおけるその絵の位置を特定する識別情報IDが配置されている。触感呈示装置10の記憶部14には、各楽器の演奏音に対応する振動波形情報VWが格納されている。
【0034】
一例として、ユーザが触感呈示装置10の読取装置12をクラリネットの絵に近づけると、クラリネットの絵の位置に対応する識別情報IDが読み取られる。読取装置12は、読み取られた識別情報IDに対応する読取信号RSを出力する。制御装置15の受付部151は、読取信号RSを受け付ける。制御装置15の処理部152は、読取信号RSに対応する識別情報IDに関連付けられた振動波形情報VWを、記憶部14から読み出す。この振動波形情報VWは、クラリネットの演奏音に対応する振動波形を表している。これにより、読取装置12を通じて特定されたクラリネットの絵の位置と、クラリネットの演奏音に対応する振動波形とが関連付けられる。
【0035】
処理部152は、不図示の音源にクラリネットの演奏音を出力させるとともに、振動波形情報VWに対応する振動を振動源13に発生させる制御信号CSを、出力部153から出力する。触感呈示装置10をクラリネットの絵に近づけたユーザは、クラリネットの演奏音を耳にするとともに、クラリネットの演奏音に対応する触感の呈示を受ける。
【0036】
図3に例示されるメディアコンテンツMには、それぞれが特定の楽曲を指定する複数のマークが描かれている。各マークが描かれている箇所には、メディアコンテンツMにおけるそのマークの位置を特定する識別情報IDが配置されている。
【0037】
ユーザが特定の楽曲を表すマークに触感呈示装置10を近づけると、当該マークの位置に対応する識別情報IDが読取装置12によって読み取られる。読取装置12は、読み取られた識別情報IDに対応する読取信号RSを出力する。制御装置15の受付部151は、読取信号RSを受け付ける。この場合、制御装置15の処理部152は、予め選択されている楽器で当該マークに対応する楽曲を奏でた音に対応する振動を振動源13に発生させる制御信号CSを、出力部153から出力するように構成されうる。加えて、処理部152は、当該楽曲の演奏中にユーザが触感呈示装置10を別の楽器の絵に近づけると、当該楽器の演奏音に対応する振動を振動源13に重畳させる制御信号CSを、出力部153から出力するように構成されうる。
【0038】
例えば上記のようにしてクラリネットが選択された後にユーザが「楽曲1」を表すマークに触感呈示装置10を近づけると、処理部152は、不図示の音源に「楽曲1」を奏でるクラリネットの音を出力させるとともに、当該演奏音に対応する振動を振動源13に発生させる。その後でユーザがフルートの絵に触感呈示装置10を近づけると、音源から出力される「楽曲1」の演奏にフルートの音が重なるとともに、フルートの演奏音に対応する触感が重畳的に呈示される。これにより、ユーザは、管弦楽団を指揮しているかのような感覚を味わうことができる。ユーザが幼児である場合、音感の獲得と協奏への興味を促すことができる。
【0039】
複数の絵を選択するごとに音声と触感が重畳的に呈示されるメディアコンテンツMの別例として、料理ガイドが挙げられる。例えば、当該料理ガイドは、特定のメニューの調理に必要な複数の食材と複数の調理器具の絵を含みうる。調理器具は、包丁、フライパン、鍋などを含みうる。ユーザが包丁の絵を選択した後に特定の食材の絵を選択すると、処理部152は、不図示の音源に当該食材が切断される音を出力させるとともに、切断に対応する振動を振動源13に出力させる。ユーザがフライパンの絵を選択した後に特定の食材の絵を選択すると、処理部152は、当該食材が加熱調理される音を出力させるとともに、加熱調理に対応する振動を振動源13に出力させる。さらにユーザが別の食材を選択すると、当該別の食材の加熱調理に対応する音と振動が重畳的に出力される。これにより、ユーザは、調理を行なっているかのような感覚を味わうことができる。ユーザが幼児である場合、食材や調理法についての理解を促すことができる。
【0040】
本実施形態に係る構成によれば、振動源13を通じてユーザに提示される触感を、メディアコンテンツM上の位置に関連付けて呈示させたり変化させたりすることができる。これにより、触感呈示技術の新規な応用として、興趣性に富んだメディアコンテンツ体験をユーザに提供できる。
【0041】
図6に例示されるように、触感呈示装置10は、加速度検出部16を備えうる。加速度検出部16は、周知の手法を用いて筐体11に加わる加速度に対応する加速度信号ASを出力するように構成されている。加速度信号ASは、デジタル信号であってもよいし、アナログ信号であってもよい。
【0042】
本例においては、制御装置15の受付部151は、加速度信号ASも受け付けるインターフェースとして構成される。加速度信号ASがアナログ信号である場合、受付部151は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0043】
本例においては、制御装置15の処理部152は、受付部151により受け付けられた加速度信号ASに基づいて、振動源13に発生させる振動を変調させる制御信号CSを出力部153から出力するように構成される。
【0044】
一例として、図2に例示されるメディアコンテンツMの場合、サーキットコースを触感呈示装置10でなぞる速度の変化が、加速度検出部16により検出される。なぞる速度が速くなる変化が検出された場合、処理部152は、選択された乗り物が加速したかのように音源から出力される走行音を変化させる。なぞる速度が遅くなる変化が検出された場合、処理部152は、選択された乗り物が減速したかのように音源から出力される走行音を変化させる。処理部152は、当該走行音の変化に応じて振動源13から発生される振動も変化させる。
【0045】
別例として、図3に例示されるメディアコンテンツMの場合、ユーザは、触感呈示装置10を指揮棒のように振る操作を行ないうる。触感呈示装置10を振る速度の変化が、加速度検出部16により検出される。振る速度が速くなる変化が検出された場合、処理部152は、テンポを上げるように音源から出力される楽曲の演奏音を変化させる。振る速度が遅くなる変化が検出された場合、処理部152は、テンポを下げるように音源から出力される楽曲の演奏音を変化させる。処理部152は、当該演奏音の変化に応じて振動源13から発生される振動も変化させる。
【0046】
上記のような構成によれば、触感呈示装置10の操作速度とメディアコンテンツMを関連付けて、呈示される触感を変化させることができる。したがって、より変化に富んだメディアコンテンツ体験をユーザに提供できる。
【0047】
これまで説明した各機能を有する制御装置15の処理部152は、各機能に対応する処理を行なうコンピュータプログラムを実行可能なマイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの集積回路によって実現されうる。この場合、当該専用集積回路に含まれる記憶素子に上記のコンピュータプログラムがプリインストールされる。当該記憶素子は、コンピュータプログラムを記憶している記憶媒体の一例である。記憶部14は、当該記憶素子であってもよい。
【0048】
本実施形態の構成は、本発明の理解を容易にするための例示にすぎない。本実施形態に係る構成は、本発明の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
【0049】
本実施形態においては、振動波形情報VWが記憶された記憶部14が、筐体11に搭載されている。しかしながら、触感呈示装置10が通信機能を備えうるのであれば、記憶部14は、筐体11の外部に配置されうる。この場合、記憶部14は、ハードディスク装置などによっても実現されうる。制御装置15と記憶部14の間の通信は、有線通信により行なわれてもよいし、無線通信により行なわれてもよい。
【0050】
本実施形態のように記憶部14が筐体11に搭載される場合、通信機能の実装に伴う触感呈示装置10の大型化や重量増を抑制できるだけでなく、通信環境に左右されない使用が可能になる。
【0051】
本実施形態においては、図1に例示されるように、筐体11が筆記具を模した形状を有している。読取装置12は、筆記具の先端に対応する位置に配置されている。このような構成によれば、触感呈示装置10の汎用的な操作性が高まり、メディアコンテンツMにおける特定の位置の指定が容易になる。しかしながら、興趣性に富んだメディアコンテンツ体験をユーザに提供するという観点に基づいて、筐体11は、メディアコンテンツMに応じた適宜の形状を呈するように構成されてもよい。
【0052】
上記の説明においては、振動源13から独立した音源が触感呈示装置10に搭載されている。しかしながら、振動源13が音源を兼ねてもよい。
【0053】
図7は、第二実施形態に係る触感呈示システム40の機能構成を例示している。触感呈示システム40は、表示装置30、位置特定装置50、記憶装置60、および制御装置70を含んでいる。
【0054】
図3を参照して説明したように、表示装置30は、メディアコンテンツMが表示される表示部31を備えている。
【0055】
位置特定装置50は、図1に例示された触感呈示装置10と同様に、ユーザにより保持可能な形状を有する筐体を備えている。位置特定装置50は、表示装置30の表示部31に表示されたメディアコンテンツM上の位置を特定できる形状を有している。
【0056】
表示装置30は、位置検出部32を備えている。位置検出部32は、位置特定装置50により特定されたメディアコンテンツM上の位置を特定できるように構成されている。具体的には、表示部31の表面は、タッチパネル機能を有するように構成されている。タッチパネル機能は、位置特定装置50の接触に伴う圧力を検出する感圧方式、位置特定装置の接触または接近に伴う静電容量の変化を検出する静電容量方式などにより実現されうる。位置特定装置50において位置の特定に関与する部分は、表示部31において採用されている方式に応じた構成を備える。
【0057】
位置検出部32は、位置特定装置50により特定されたメディアコンテンツM上の位置に対応する位置情報PSを出力するように構成されている。具体的には、位置情報PSは、表示部31において位置特定装置50が接触または接近した位置の座標を含むように構成される。位置情報PSは、デジタルデータの形態であってもよいし、アナログデータの形態であってもよい。
【0058】
位置特定装置50は、振動源51を備えている。振動源51は、ボイスコイル、アクチュエータ、ピエゾ素子、偏心モータなどにより実現されうる。振動源51により発生された振動は、位置特定装置50の筐体を通じてユーザに触感として呈示される。
【0059】
記憶装置60は、位置情報PSと関連付けられた振動波形情報VWを格納している。振動波形情報VWは、振動源51により発生される振動の波形を表している。記憶装置60は、半導体メモリやハードディスク装置などによって実現されうる。
【0060】
制御装置70は、受付部71を備えている。受付部71は、表示装置30の位置検出部32から出力された位置情報PSを受け付けるインターフェースとして構成されている。位置情報PSがアナログ信号である場合、受付部71は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0061】
制御装置70は、処理部72を備えている。処理部72は、受付部71により受け付けられた位置情報PSに関連付けられた振動波形情報VWを、記憶装置60から読み出すように構成されている。
【0062】
制御装置70は、出力部73を備えている。処理部72は、位置特定装置50の振動源51に振動波形情報VWに対応する振動を発生させる制御情報CSを出力部73から出力するように構成されている。すなわち、出力部153は、制御情報CSを出力するインターフェースとして構成されている。制御情報CSは、デジタルデータの形態であってもよいし、アナログデータの形態であってもよい。制御情報CSがアナログデータの形態である場合、出力部73は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0063】
制御情報CSを受信した振動源51は、振動波形情報VWに対応する振動を発生する。当該振動は、位置特定装置50の筐体を保持しているユーザへ触感として呈示される。
【0064】
例えば、図2に例示されているメディアコンテンツMが表示装置30に表示されている場合において、ユーザが位置特定装置50を犬の絵が表示されている箇所に近づけると、当該箇所に対応する表示部31の位置座標を表す位置情報PSが位置検出部32より出力される。制御装置70の受付部71は、位置情報PSを受け付ける。制御装置70の処理部72は、位置情報PSに関連付けられた振動波形情報VWを、記憶装置60から読み出す。この振動波形情報VWは、犬の鳴き声に対応する振動波形を表している。これにより、位置特定装置50により特定された犬の絵の位置と、犬の鳴き声に対応する振動波形とが関連付けられる。
【0065】
処理部72は、不図示の音源に犬の鳴き声を出力させるとともに、振動波形情報VWに対応する振動を振動源51に発生させる制御情報CSを、出力部73から出力する。位置特定装置50を犬の絵に近づけたユーザは、犬の鳴き声を耳にするとともに、犬の鳴き声に対応する触感の呈示を受ける。
【0066】
図2図3を参照して説明した触感呈示装置10による触感呈示動作に係るその他の例は、位置特定装置50による触感呈示動作にも適用可能であるので、繰り返しとなる説明は省略する。
【0067】
本実施形態に係る構成によっても、振動源51を通じてユーザに提示される触感を、メディアコンテンツM上の位置に関連付けて呈示させたり変化させたりすることができる。これにより、触感呈示技術の新規な応用として、興趣性に富んだメディアコンテンツ体験をユーザに提供できる。
【0068】
図7に例示されるように、位置特定装置50は、加速度検出部52を備えうる。加速度検出部52は、周知の手法を用いて位置特定装置50に加わる加速度に対応する加速度情報ASを出力するように構成されている。加速度情報ASは、デジタルデータの形態であってもよいし、アナログデータの形態であってもよい。
【0069】
本例においては、制御装置70の受付部71は、加速度情報ASも受け付けるインターフェースとして構成される。加速度情報ASがアナログデータの形態である場合、受付部71は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0070】
本例においては、制御装置70の処理部72は、受付部71により受け付けられた加速度情報ASに基づいて、振動源51に発生させる振動を変調させる制御情報CSを出力部73から出力するように構成される。
【0071】
図2図3を参照して説明した触感呈示装置10による触感変更に係る動作例は、位置特定装置50による触感変更動作にも適用可能であるので、繰り返しとなる説明は省略する。
【0072】
上記のような構成によれば、位置特定装置50の操作速度とメディアコンテンツMを関連付けて、呈示される触感を変化させることができる。したがって、より変化に富んだメディアコンテンツ体験をユーザに提供できる。
【0073】
これまで説明した各種の機能を有する制御装置70の処理部72は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、上述した処理を実行するコンピュータプログラムが記憶されうる。ROMは、コンピュータプログラムを記憶している記憶媒体の一例である。プロセッサは、ROM上に記憶されたコンピュータプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。上記のコンピュータプログラムは、汎用メモリにプリインストールされてもよいし、通信ネットワークを介して外部サーバ装置からダウンロードされて汎用メモリにインストールされてもよい。この場合、外部サーバ装置は、コンピュータプログラムを記憶している記憶媒体の一例である。
【0074】
処理部72は、マイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの上記のコンピュータプログラムを実行可能な専用集積回路によって実現されてもよい。この場合、当該専用集積回路に含まれる記憶素子に上記のコンピュータプログラムがプリインストールされる。当該記憶素子は、コンピュータプログラムを記憶している記憶媒体の一例である。処理部72は、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによっても実現されうる。
【0075】
記憶装置60と制御装置70は、位置特定装置50に搭載されてもよいし、表示装置30に搭載されてもよい。あるいは、記憶装置60と制御装置70は、表示装置30および位置特定装置50と通信ネットワークを介して通信可能な独立した装置に搭載されうる。
【0076】
記憶装置60と制御装置70が位置特定装置50に搭載される場合、表示装置30の位置検出部32から出力された位置情報PSが位置特定装置50に送信されれば触感呈示動作が遂行されるので、表示装置30と位置特定装置50の間でなされる通信量を必要最小限に抑制できる。
【0077】
記憶装置60と制御装置70が表示装置30に搭載される場合、位置特定装置50は少なくとも制御情報CSを受信して動作する振動源51を備えていれば触感呈示動作を遂行できるので、位置特定装置50の構成を簡略化できる。これにより位置特定装置50の大型化や重量増を抑制できる。加えて、表示装置30が携帯情報端末のような汎用装置である場合、処理能力や記憶容量に余裕のあるプロセッサやメモリを利用できるので、触感呈示動作の応答性の低下を抑制できる。
【0078】
記憶装置60と制御装置70が独立した装置に搭載される場合、処理部72において実行されるコンピュータプログラムや振動波形情報VWの更新に対する柔軟性を高めることができる。当該事実は、通信ネットワークを通じて外部からコンピュータプログラムやデータをダウンロード可能な汎用装置としての表示装置30に記憶装置60と制御装置70が搭載される場合も同様である。
【0079】
本実施形態の構成は、本発明の理解を容易にするための例示にすぎない。本実施形態に係る構成は、本発明の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
【0080】
上記の説明においては、振動源51から独立した音源が位置特定装置50に搭載されている。しかしながら、振動源51が音源を兼ねてもよい。あるいは、音源は、表示装置30に搭載されてもよい。
【符号の説明】
【0081】
10:触感呈示装置、11:筐体、12:読取装置、13:振動源、14:記憶部、15:制御装置、151:受付部、152:処理部、16:加速度検出部、30:表示装置、32:位置検出部、40:触感呈示システム、50:位置特定装置、51:振動源、52:加速度検出部、60:記憶装置、70:制御装置、71:受付部、72:処理部、AS:加速度信号、加速度情報、ID:識別情報、M:メディアコンテンツ、PS:位置情報、VW:振動波形情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7