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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009793
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】蒸気放出装置を備えた蓋を備えたケトル
(51)【国際特許分類】
A47J 27/21 20060101AFI20240116BHJP
【ＦＩ】
A47J27/21 101S
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】ＯＬ
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023113563
(22)【出願日】2023-07-11
(31)【優先権主張番号】2207091
(32)【優先日】2022-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベルナール アルマン
(72)【発明者】
【氏名】クロエ スマル
(72)【発明者】
【氏名】シャルル マンソー
【テーマコード（参考）】
4B055
【Ｆターム（参考）】
4B055AA34
4B055BA03
4B055CA21
4B055CA42
4B055CB02
(57)【要約】
【課題】使用の大きな安全性を提供しながら、シンプルで経済的な構造であるケトルを提供する。
【解決手段】ケトル（２）は、容器（４）と、蓋（１１）と、蓋（１１）に設けられた第１および第２の蒸気吸入オリフィス（３３、３４）を備える蒸気放出装置と、第１の蒸気吸入オリフィス（３３）に流体的に接続された第１の蒸気流チャネル（３６）と、第１の蒸気流チャネル（３６）に流体接続された第１の膨張チャンバ（３７）と、第２の蒸気吸入オリフィス（３４）に流体接続された第２の蒸気流チャネル（３９）と、第２の蒸気流チャネル（３９）に流体的に接続された第２の膨張チャンバ（４１）と、蓋（１１）に設けられた少なくとも１つの蒸気放出開口と、を備える第１の蒸気流路（３５）と、を備える。
【選択図】図１１
【解決手段】ケトル（２）は、容器（４）と、蓋（１１）と、蓋（１１）に設けられた第１および第２の蒸気吸入オリフィス（３３、３４）を備える蒸気放出装置と、第１の蒸気吸入オリフィス（３３）に流体的に接続された第１の蒸気流チャネル（３６）と、第１の蒸気流チャネル（３６）に流体接続された第１の膨張チャンバ（３７）と、第２の蒸気吸入オリフィス（３４）に流体接続された第２の蒸気流チャネル（３９）と、第２の蒸気流チャネル（３９）に流体的に接続された第２の膨張チャンバ（４１）と、蓋（１１）に設けられた少なくとも１つの蒸気放出開口と、を備える第１の蒸気流路（３５）と、を備える。
【選択図】図１１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケトル（２）であって、
容器（４）であって、前記容器（４）が水平面に載っているときに実質的に垂直に延びるように構成された中央長手方向軸（Ａ）を有し、前記容器（４）は、水を含むことを意図し、前記水が加熱されることを意図した内部容積（５）を画定する容器（４）と、
グリップハンドル（８）と、
前記容器（４）の前記中央長手方向軸（Ａ）に対して前記グリップハンドル（８）の反対側に配置されるように構成された注ぎ口（９）と、
前記容器（４）を閉じるように構成された蓋（１１）であって、前記蓋（１１）は、前記内部容積（５）に面して配置されるように構成された下面（１３）を備える蓋（１１）と、
前記内部容積（５）の外側に、前記内部容積（５）に含まれる前記水を沸騰させる間に前記内部容積（５）内で生成される蒸気を搬送するように構成された蒸気放出装置（３１）であって、前記蒸気放出装置（３１）は、前記蓋（１１）上に設けられ、前記蓋（１１）の前記下面（１３）内に現れる第１の蒸気吸入オリフィス（３３）および第２の蒸気吸入オリフィス（３４）を備え、前記第１および第２の蒸気吸入オリフィス（３３、３４）は、前記容器（４）によって画定された前記内部容積（５）に流体接続され、前記注ぎ口（９）および前記グリップハンドル（８）を通過する前記ケトル（２）の中央垂直平面（Ｐ）のいずれかの側に配置されるように構成される、蒸気放出装置（３１）と、
を備え、
前記蒸気放出装置（３１）が、
前記蓋（１１）によって画定された第１の蒸気流路（３５）であって、前記第１の蒸気流路（３５）は、前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）に流体接続された第１の蒸気流チャネル（３６）と、前記第１の蒸気流チャネル（３６）に流体接続され、前記第１の蒸気流チャネル（３６）の下流に位置する第１の拡張チャンバ（３７）とを備ええる第１の蒸気流路（３５）と、
前記蓋（１１）によって画定された第２の蒸気流路（３８）であって、前記第２の蒸気流路（３８）は、前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）に流体接続された第２の蒸気流チャネル（３９）と、前記第２の蒸気流チャネル（３９）に流体接続され、前記第２の蒸気流チャネル（３９）の下流に位置する第２の拡張チャンバ（４１）とを備える第２の蒸気流路（３８）と、
前記蓋（１１）上に設けられ、前記第１および第２の拡張チャンバ（３７、４１）に流体接続された少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）であって、前記少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）は、前記蓋（１１）の外側へと前記蓋（１１）に含まれる前記蒸気の放出を可能にするように構成される、少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）と、
をさらに備えることを特徴とする、ケトル（２）。
容器（４）であって、前記容器（４）が水平面に載っているときに実質的に垂直に延びるように構成された中央長手方向軸（Ａ）を有し、前記容器（４）は、水を含むことを意図し、前記水が加熱されることを意図した内部容積（５）を画定する容器（４）と、
グリップハンドル（８）と、
前記容器（４）の前記中央長手方向軸（Ａ）に対して前記グリップハンドル（８）の反対側に配置されるように構成された注ぎ口（９）と、
前記容器（４）を閉じるように構成された蓋（１１）であって、前記蓋（１１）は、前記内部容積（５）に面して配置されるように構成された下面（１３）を備える蓋（１１）と、
前記内部容積（５）の外側に、前記内部容積（５）に含まれる前記水を沸騰させる間に前記内部容積（５）内で生成される蒸気を搬送するように構成された蒸気放出装置（３１）であって、前記蒸気放出装置（３１）は、前記蓋（１１）上に設けられ、前記蓋（１１）の前記下面（１３）内に現れる第１の蒸気吸入オリフィス（３３）および第２の蒸気吸入オリフィス（３４）を備え、前記第１および第２の蒸気吸入オリフィス（３３、３４）は、前記容器（４）によって画定された前記内部容積（５）に流体接続され、前記注ぎ口（９）および前記グリップハンドル（８）を通過する前記ケトル（２）の中央垂直平面（Ｐ）のいずれかの側に配置されるように構成される、蒸気放出装置（３１）と、
を備え、
前記蒸気放出装置（３１）が、
前記蓋（１１）によって画定された第１の蒸気流路（３５）であって、前記第１の蒸気流路（３５）は、前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）に流体接続された第１の蒸気流チャネル（３６）と、前記第１の蒸気流チャネル（３６）に流体接続され、前記第１の蒸気流チャネル（３６）の下流に位置する第１の拡張チャンバ（３７）とを備ええる第１の蒸気流路（３５）と、
前記蓋（１１）によって画定された第２の蒸気流路（３８）であって、前記第２の蒸気流路（３８）は、前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）に流体接続された第２の蒸気流チャネル（３９）と、前記第２の蒸気流チャネル（３９）に流体接続され、前記第２の蒸気流チャネル（３９）の下流に位置する第２の拡張チャンバ（４１）とを備える第２の蒸気流路（３８）と、
前記蓋（１１）上に設けられ、前記第１および第２の拡張チャンバ（３７、４１）に流体接続された少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）であって、前記少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）は、前記蓋（１１）の外側へと前記蓋（１１）に含まれる前記蒸気の放出を可能にするように構成される、少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）と、
をさらに備えることを特徴とする、ケトル（２）。
【請求項2】
前記蒸気放出装置（３１）は、前記蓋（１１）によって画定された蒸気出口チャネル（４４）をさらに備え、前記蒸気出口チャネル（４４）は、前記第１および第２の拡張チャンバ（３７、４１）に流体接続され、前記第１および第２の拡張チャンバ（３７、４１）の下流に位置し、前記少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）は、前記蒸気出口チャネル（４４）に流体接続される、請求項１に記載のケトル（２）。
【請求項3】
前記第１および第２の蒸気流路（３５、３８）は、接合領域（４６）で連結され、前記蒸気出口チャネル（４４）は、前記接合領域（４６）で前記第１および第２の蒸気流路（３５、３８）に流体接続される、請求項２に記載のケトル（２）。
【請求項4】
前記第１の蒸気流路（３５）は、前記第１の拡張チャンバ（３７）を前記蒸気出口チャネル（４４）に流体接続するように構成された接続チャネル（４５）を含む、請求項２または３に記載のケトル（２）。
【請求項5】
前記第１および第２の蒸気流路（３６、３９）が、前記蓋（１１）の後部に向かって延びる、請求項１から４のいずれか１項に記載のケトル（２）。
【請求項6】
前記第１および第２の蒸気チャネル（３６、３９）のそれぞれが実質的に直線状である、請求項１から５のいずれか１項に記載のケトル（２）。
【請求項7】
前記第１の蒸気流チャネル（３６）および前記第１の拡張チャンバ（３７）は、前記容器（４）が水平面に載っているときに前記水平に対して傾斜するように構成され、前記第１の蒸気流チャネル（３６）および前記第１の拡張チャンバ（３７）に含まれる水を前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）に導くように構成された底壁を含み、前記第２の蒸気チャネル（３９）および前記第２の拡張チャンバ（４１）は、前記容器（４）が水平面に載っているときに前記水平に対して傾斜するように構成され、前記第２の蒸気流チャネル（３９）および前記第２の拡張チャンバ（４１）に含まれる水を前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）に導くように構成された底壁を含む、請求項１から６のいずれか１項に記載のケトル（２）。
【請求項8】
前記ケトル（２）が転倒し、前記グリップハンドル（８）および前記容器（４）の第１の側面が水平面上に安定して置かれるとき、前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）は、前記内部容積（５）の前記水位の上に位置し、前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）は、前記内部容積（５）の前記水位の下に位置し、前記ケトル（２）が転倒し、前記グリップハンドル（８）および前記容器（４）の第２の側面が水平面上に安定して置かれるとき、前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）は、前記内部容積（５）の前記水位の下に位置し、前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）は、前記内部容積（５）の前記水位の上に位置するように構成される、請求項１から７のいずれか１項に記載のケトル（２）。
【請求項9】
前記第１の拡張チャンバ（３７）は、前記ケトル（２）が転倒し、前記グリップハンドル（８）および前記容器（４）の前記第２の側面が水平面上に安定して置かれるときに、前記第１の蒸気流路（３５）の高い点に配置されるように構成された第１の出口開口（４２）を含み、前記第２の拡張チャンバ（４１）は、前記ケトル（２）が転倒し、前記グリップハンドル（８）および前記容器（４）の前記第１の側面が水平面上に安定して置かれるときに、前記第２の蒸気流路（３８）の高い点に配置されるように構成された第２の出口開口（４３）を含む、請求項１から８のいずれか１項に記載のケトル（２）。
【請求項10】
前記第１の出口開口（４２）は、前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）の近くに位置し、前記第２の出口開口（４３）は、前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）の近くに位置する、請求項９に記載のケトル（２）。
【請求項11】
前記蓋（１１）は、互いに固定され、前記第１および第２の蒸気流路（３５、３８）を画定する下部蓋ケーシング（１１．１）および上部蓋ケーシング（１１．２）を含む、請求項１から１０のいずれか１項に記載のケトル（２）。
【請求項12】
前記下蓋ケーシング（１１．１）は、前記下蓋ケーシング（１１．１）の上面から延びる複数のダム壁（４８）を含み、前記ダム壁（４８）は、前記第１および第２の蒸気流チャネル（３６、３９）ならびに前記第１および第２の拡張チャンバ（３７、４１）を部分的に区切る、請求項１から１１のいずれか１項に記載のケトル（２）。
【請求項13】
バイメタル要素（５２）を含む電気機械的制御デバイスを含み、前記少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）は、前記蓋（１１）に含まれる前記蒸気を前記バイメタル要素（５２）に向けるように構成され、前記電気機械的制御デバイスは、前記バイメタル要素（５２）上の蒸気流入が前記ケトル（２）の前記加熱の停止をトリガするように構成される、請求項１から１２のいずれか１項に記載のケトル（２）。
【請求項14】
前記蓋（１１）を前記容器（４）に取り外し可能に固定するように構成された固定装置をさらに含む、請求項１から１３のいずれか一項に記載のケトル（２）。
【請求項15】
前記蓋（１１）は、前記内部容積（５）に含まれる水を前記注ぎ口（９）に向かって搬送するように構成された注ぎ通路（２４）を含み、前記ケトル（２）は、前記蓋（１１）上に、閉鎖器（２７）であって、前記閉鎖器（２７）が前記注ぎ通路（２４）を閉じ、前記注ぎ通路（２４）を通る水の流れを防止する閉鎖位置と、前記閉鎖器（２７）が前記注ぎ通路（２４）を解放し、前記注ぎ通路（２４）を通る水の流れを可能にする開放位置との間に移動可能に取り付けられた閉鎖器（２７）を備える、請求項１から１４のいずれか１項に記載のケトル（２）。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体加熱装置、特に電気ケトルの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献１は、
－容器が水平面上に載っているときに実質的に垂直に延びるように構成された中央長手方向軸を有する容器であって、容器は、水を含むことを意図した内部容積を画定し、水が加熱され、特に沸騰することを意図している容器と、
－容器に固定されたグリップハンドルと、
－容器の中央長手方向軸に対してグリップハンドルの反対側に位置する注ぎ口と、
－容器を閉じるように構成された蓋であって、蓋が、内部容積に面して配置されるように構成された下面を備える、蓋と、
－内部容積の外側に、例えばケトルの外側に向かって、内部容積に含まれる水の沸騰中に内部容積に生成された蒸気を搬送するように構成された蒸気放出装置と、を備える電気ケトルを開示する
－容器が水平面上に載っているときに実質的に垂直に延びるように構成された中央長手方向軸を有する容器であって、容器は、水を含むことを意図した内部容積を画定し、水が加熱され、特に沸騰することを意図している容器と、
－容器に固定されたグリップハンドルと、
－容器の中央長手方向軸に対してグリップハンドルの反対側に位置する注ぎ口と、
－容器を閉じるように構成された蓋であって、蓋が、内部容積に面して配置されるように構成された下面を備える、蓋と、
－内部容積の外側に、例えばケトルの外側に向かって、内部容積に含まれる水の沸騰中に内部容積に生成された蒸気を搬送するように構成された蒸気放出装置と、を備える電気ケトルを開示する
【0003】
蒸気排出装置は、特に、
－蓋に設けられ、蓋の下面に現れる第１の蒸気吸入オリフィスおよび第２の蒸気吸入オリフィスであって、第１および第２の蒸気吸入オリフィスは、内部容積に流体接続され、注ぎ口およびグリップハンドルを通過するケトルの中央垂直平面のいずれかの側に配置されるように構成される、第１の蒸気吸入オリフィスおよび第２の蒸気吸入オリフィスと、
－第１の蒸気吸入オリフィスおよび第１の蒸気出口開口に流体接続された第１の蒸気吸入開口を備える第１の蒸気フローチューブと、前記第２の蒸気吸入オリフィスおよび第２の蒸気出口開口に流体接続された第２の蒸気吸入開口を備える第２の蒸気フローチューブと、
－第１および第２の蒸気出口開口に流体接続され、蓋の外側の容器の内部容積に含まれる蒸気の放出を可能にするように構成された蒸気放出開口を備える、蒸気収集部材と、を備える。
－蓋に設けられ、蓋の下面に現れる第１の蒸気吸入オリフィスおよび第２の蒸気吸入オリフィスであって、第１および第２の蒸気吸入オリフィスは、内部容積に流体接続され、注ぎ口およびグリップハンドルを通過するケトルの中央垂直平面のいずれかの側に配置されるように構成される、第１の蒸気吸入オリフィスおよび第２の蒸気吸入オリフィスと、
－第１の蒸気吸入オリフィスおよび第１の蒸気出口開口に流体接続された第１の蒸気吸入開口を備える第１の蒸気フローチューブと、前記第２の蒸気吸入オリフィスおよび第２の蒸気出口開口に流体接続された第２の蒸気吸入開口を備える第２の蒸気フローチューブと、
－第１および第２の蒸気出口開口に流体接続され、蓋の外側の容器の内部容積に含まれる蒸気の放出を可能にするように構成された蒸気放出開口を備える、蒸気収集部材と、を備える。
【0004】
ケトルは、ケトルが転倒し、グリップハンドルおよび容器の第１の側面が水平面（ケトルの第１の安定した転倒位置に対応する）上に安定して置かれるとき、第１の蒸気吸入オリフィスが内部容積内の水位の上に位置し、ケトルが転倒し、グリップハンドルおよび容器の第２の側面が水平面（ケトルの第２の安定した転倒位置に対応する）上に安定して置かれるとき、第２の蒸気吸入オリフィスが内部容積内の水位の上に位置するように構成される。
【0005】
このようなケトルの構成は、ケトルがその側面に傾いているときに、蒸気排出開口を介してケトルから沸騰水が流出するリスクを低減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中国出願公開第１０４１３８２０３号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ケトルが傾いたときに容器の内部容積に発生する波紋のために、容器内の水位の下に位置する蒸気吸入オリフィスに流体的に接続されている蒸気フローチューブ内の水は、その慣性のために上昇し、前記蒸気フローチューブの高い点を超えて流れる可能性があり、これは、前述のケトルが転倒したときに沸騰水の流出を誘発する可能性が高い。しかし、そのようなケトルからの沸騰した水の流れは、使用者に火傷を引き起こす可能性がある。
【0008】
そのような欠点を克服するために、ケトルの転倒の場合に第１および第２の蒸気フローチューブを通る水の流れを防ぐように構成されたボールバルブなどの１つまたは複数の逆止弁を蓋に装備することが想定され得る。それにもかかわらず、そのような逆止弁はケトルを複雑にし、ケトルの製造コストを大幅に増加させる。
【0009】
本発明は、これらの欠点の全部または一部を是正することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の基礎となる技術的問題は、特に、使用の大きな安全性を提供しながら、シンプルで経済的な構造であるケトルを提供することにある。
【0011】
この目的のために、本発明は、
－前記容器が水平面上に載っているときに実質的に垂直に延びるように構成された中央長手方向軸を有する容器であって、容器は、水を含むことを意図した内部容積を画定し、水が加熱され、特に沸騰することを意図している容器と、
－例えば、容器に固定されたグリップハンドルと、
－容器の中央長手方向軸に対してグリップハンドルの反対側に配置された注ぎ口と、
－容器を閉じるように構成された蓋であって、蓋が、内部容積に面して配置されるように構成された下面を備える、蓋と、
－内部容積の外側に、例えば、ケトルの外側に、またはグリップハンドルに向かって、内部容積に含まれる水の沸騰中に内部容積に生成される蒸気を搬送するように構成された蒸気放出装置であって、蒸気放出装置は、蓋に設けられ、蓋の下面に出現する第１の蒸気吸入オリフィスおよび第２の蒸気吸入オリフィスを備え、第１および第２の蒸気吸入オリフィスは、容器によって画定された内部容積に流体接続され、例えば、容器の最大充填レベルの上に配置され、注ぎ口およびグリップハンドルを通過するケトルの中央垂直平面のいずれかの側に配置されるように構成される蒸気排出放出装置と、を備えるケトル、特に電気ケトルに関する。
－前記容器が水平面上に載っているときに実質的に垂直に延びるように構成された中央長手方向軸を有する容器であって、容器は、水を含むことを意図した内部容積を画定し、水が加熱され、特に沸騰することを意図している容器と、
－例えば、容器に固定されたグリップハンドルと、
－容器の中央長手方向軸に対してグリップハンドルの反対側に配置された注ぎ口と、
－容器を閉じるように構成された蓋であって、蓋が、内部容積に面して配置されるように構成された下面を備える、蓋と、
－内部容積の外側に、例えば、ケトルの外側に、またはグリップハンドルに向かって、内部容積に含まれる水の沸騰中に内部容積に生成される蒸気を搬送するように構成された蒸気放出装置であって、蒸気放出装置は、蓋に設けられ、蓋の下面に出現する第１の蒸気吸入オリフィスおよび第２の蒸気吸入オリフィスを備え、第１および第２の蒸気吸入オリフィスは、容器によって画定された内部容積に流体接続され、例えば、容器の最大充填レベルの上に配置され、注ぎ口およびグリップハンドルを通過するケトルの中央垂直平面のいずれかの側に配置されるように構成される蒸気排出放出装置と、を備えるケトル、特に電気ケトルに関する。
【0012】
蒸気放出装置は、
－蓋によって画定された第１の蒸気流路であって、第１の蒸気流路は、第１の蒸気吸入オリフィスに流体接続された第１の蒸気流チャネルと、第１の蒸気チャネルに流体接続され、第１の蒸気流チャネルの下流に位置する第１の膨張チャンバとを備える第１の蒸気流路と、
－蓋によって画定された第２の蒸気流路であって、前記第２の蒸気流路は、前記第２の蒸気吸入オリフィスに流体接続された第２の蒸気流チャネルと、前記第２の蒸気流路に流体的に接続され、前記第２の蒸気流路の下流に位置する第２の拡張チャンバとを備える第２の蒸気流路と、
－蓋上に設けられ、第１および第２の拡張チャンバに流体接続された少なくとも１つの蒸気放出開口であって、少なくとも１つの蒸気放出開口は、蓋の外側に蓋に含まれる蒸気の放出を可能にするように構成される、少なくとも１つの蒸気放出開口と、をさらに備える。
－蓋によって画定された第１の蒸気流路であって、第１の蒸気流路は、第１の蒸気吸入オリフィスに流体接続された第１の蒸気流チャネルと、第１の蒸気チャネルに流体接続され、第１の蒸気流チャネルの下流に位置する第１の膨張チャンバとを備える第１の蒸気流路と、
－蓋によって画定された第２の蒸気流路であって、前記第２の蒸気流路は、前記第２の蒸気吸入オリフィスに流体接続された第２の蒸気流チャネルと、前記第２の蒸気流路に流体的に接続され、前記第２の蒸気流路の下流に位置する第２の拡張チャンバとを備える第２の蒸気流路と、
－蓋上に設けられ、第１および第２の拡張チャンバに流体接続された少なくとも１つの蒸気放出開口であって、少なくとも１つの蒸気放出開口は、蓋の外側に蓋に含まれる蒸気の放出を可能にするように構成される、少なくとも１つの蒸気放出開口と、をさらに備える。
【0013】
第１および第２の蒸気流チャネルのそれぞれ下流に位置する第１および第２の拡張チャンバの存在は、ケトルの転倒の場合に、容器内の水位の下に位置する蒸気吸入オリフィスに接続された蒸気流路を流れる水の慣性を大幅に低減し、それによって、前記蒸気流路の高い点を超えて流れる水のリスクを大幅に低減することを可能にする。したがって、本発明によるケトルは、後者の転倒の場合にケトルから流出する沸騰水のリスクを回避または少なくともかなり制限することを可能にする。
【0014】
ケトルは、単独でまたは組み合わせて、以下の特徴のうちの１つまたはいくつかをさらに有し得る。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、第１および第２の蒸気吸入オリフィスは、蓋の下面の前半分に配置される。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、第１の蒸気吸入オリフィスは、第１の蒸気流チャネルの底壁に出現する。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、第１の蒸気流チャネルは、第１の蒸気吸入オリフィスが現れる第１の端部と、第１の拡張チャンバ内に現れる第２の端部とを含む。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、第２の蒸気吸入オリフィスは、第２の蒸気流チャネルの底壁に現れる。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、第２の蒸気流チャネルは、第２の蒸気吸入オリフィスが現れる第１の端部と、第２の拡張チャンバ内に現れる第２の端部とを含む。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、第１および第２の蒸気吸入オリフィスは、蓋の下面の周辺縁部に近い蓋の下面に現れる。第１および第２の蒸気吸入オリフィスのそのような配置は、後者の転倒の場合にケトルから沸騰水が流出するリスクをさらに制限する。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、第１の蒸気流チャネルは、第１の蒸気流チャネルの長さにわたって実質的に一定である流れ断面を有し、第２の蒸気流チャネルは、第２の蒸気流チャネルの長さにわたって実質的に一定である流れ断面を有する。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、第１の拡張チャンバは、第１の蒸気流チャネルの最大流れ断面の少なくとも２倍を超える流れ断面を有する少なくとも１つのチャンバ部分を含み、第２の拡張チャンバは、第２の蒸気流チャネルの最大流れ断面の少なくとも２倍を超える流れ断面を有する少なくとも１つのチャンバ部分を含む。第１および第２の拡張チャンバのそのような構成は、後者の転倒の場合にケトルから沸騰水が流出するリスクをさらに制限する。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、第１の拡張チャンバは、第１の蒸気流チャネルの内部容積よりも大きく、例えば、第１の蒸気流チャネルの内部容積の少なくとも３倍を超える内部容積を有し、第２の拡張チャンバは、第２の蒸気流チャネルの内部容積よりも大きく、例えば、第２の蒸気流チャネルの内部容積の少なくとも３倍を超える内部容積を有する。第１および第２の拡張チャンバのそのような構成は、後者の転倒の場合にケトルから沸騰水が流出するリスクをさらに制限する。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、蒸気放出装置は、蓋によって画定された蒸気出口チャネルをさらに備え、蒸気出口チャネルは、第１および第２の拡張チャンバに流体接続され、第１および第２の拡張チャンバの下流に位置し、少なくとも１つの蒸気放出開口は、蒸気出口チャネルに流体接続される。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、蒸気出口チャネルは、蓋の周辺縁部に沿って延びる。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも１つの蒸気排出開口は、蒸気出口チャネル内に現れる。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、第１および第２の蒸気流路は、接合領域で連結され、蒸気出口チャネルは、接合領域で第１および第２の蒸気流路に流体接続される。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、接合領域は、蓋の下面の周辺縁部に近接して配置される。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、第１の蒸気流路は、第１の拡張チャンバを蒸気出口チャネルに流体的に接続するように構成された接続チャネルを含む。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、第１および第２の蒸気流チャネルは、蓋の後部の方向に延び、例えば、注ぎ口の反対側に延びる。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、第１および第２の蒸気流チャネルは、蓋の後部の方向に互いに向かって収束する。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、第１の蒸気流チャネルおよび第２の蒸気流チャネルのそれぞれは、実質的に直線的である。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、第１の蒸気流チャネルおよび第１の拡張チャンバは、容器が水平面に載っているときに水平に対して傾斜するように構成され、第１の蒸気流チャネルおよび第１の拡張チャンバに含まれる水を第１の蒸気吸入オリフィスに誘導するように構成された底壁を含み、第２の蒸気流チャネルおよび第２の拡張チャンバは、容器が水平面に載っているときに水平に対して傾斜するように構成され、第２の蒸気流チャネルおよび第２の拡張チャンバに含まれる水を第２の蒸気吸入オリフィスに誘導するように構成された底壁を含む。蓋のそのような構成は、蓋内の水の蓄積および水の停滞を回避することを可能にする。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、接続チャネルおよび蒸気出口チャネルは、容器が水平面に載っているときに水平に対して傾斜するように構成され、接続チャネルおよび蒸気出口チャネルに含まれる水を第２の拡張チャンバに誘導するように構成される底壁を含む。蓋のそのような構成はまた、蓋内の水の蓄積および水の停滞を回避することを可能にする。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、ケトルは、ケトルが転倒し、グリップハンドルおよび容器の第１の側面が水平面上に安定して置かれるとき、第１の蒸気吸入オリフィスは、内部容積内の水位より上に位置し、第２の蒸気吸入オリフィスは、内部容積内の水位より下に位置し、ケトルが転倒し、グリップハンドルおよび容器の第２の側面が水平面上に安定して置かれるとき、第１の蒸気吸入オリフィスは、内部容積内の水位より下に位置し、第２の蒸気吸入オリフィスは、内部容積内の水位より上に位置するように構成される。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、第１の拡張チャンバは、ケトルが転倒し、グリップハンドルおよび容器の第２の側面が水平面上に安定して留まるときに、第１の蒸気流路の高点に配置されるように構成された第１の出口開口を含み、第２の拡張チャンバは、ケトルが転倒し、グリップハンドルおよび容器の第１の側面が水平面上に安定して留まるときに、第２の蒸気流路の高点に配置されるように構成された第２の出口開口を含む。第１および第２の拡張チャンバのそのような構成は、後者の転倒の場合にケトルから沸騰水が流出するリスクをさらに制限する。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、第１の出口開口は、第２の蒸気吸入オリフィスの近くに配置され、第２の出口開口は、第１の蒸気吸入オリフィスの近くに配置される。第１および第２の出口開口のそのような配置は、後者の転倒の場合にケトルから沸騰水が流出するリスクをさらに制限する。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、第１および第２の出口開口は、ケトルの中央垂直平面のいずれかの側に配置されるように構成される。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、第１および第２の出口開口は、蓋の前半分に配置される。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、蓋は、互いに固定され、第１および第２の蒸気流路を画定する下部蓋ケーシングおよび上部蓋ケーシングを含む。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、下部および上部蓋ケーシングは、蒸気出口チャネルをさらに画定する。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、下部蓋ケーシングは、下部蓋ケーシングの上面から延びる、分離壁とも呼ばれる複数のダム壁を含み、ダム壁は、第１および第２の蒸気流チャネル、ならびに第１および第２の拡張チャンバを部分的に画定する。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、上部蓋ケーシングは、上部蓋ケーシングの下面に設けられた複数の受容溝を含み、ダム壁の上部長手方向縁部は、有利には、密封方式で、上蓋ケーシングに設けられた受容溝内にそれぞれ受容される。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも１つの蒸気放出開口は、蓋の外周面に現れる。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも１つの蒸気放出開口は、下部蓋ケーシングの上面と上部蓋ケーシングの下面との間の蓋の外周面に配置される。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、ケトルは、バイメタル要素を含む電気機械的制御デバイスを含み、少なくとも１つの蒸気放出開口は、蓋に含まれる蒸気をバイメタル要素に向けるように構成され、電気機械的制御デバイスは、バイメタル要素上の蒸気流入がケトルの加熱の停止をトリガするように構成される。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも１つの蒸気放出開口は、容器に設けられた通路開口に面して配置され、グリップハンドル内に現れるように構成される。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、ケトルは、容器に蓋を取り外し可能に、すなわち一時的かつ可逆的な方法で固定するように構成された固定装置をさらに含む。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、固定装置は、蓋に設けられた固定タブまたは固定指などの少なくとも１つの固定部材と、容器に設けられた少なくとも１つの固定要素とを含み、少なくとも１つの固定部材は、少なくとも１つの固定部材が少なくとも１つの固定要素と協働して蓋を容器に固定するように構成されている固定位置と、少なくとも１つの固定部材が少なくとも１つの固定要素を解放して蓋を容器から取り外すように構成されている解放位置との間で、蓋に対して移動可能に取り付けられる。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも１つの固定部材は、蓋に対して摺動方向に摺動可能に取り付けられる。摺動方向は、蓋の中心軸に対して実質的に垂直に、例えば、蓋の中心軸に対して実質的に半径方向に延びることができる。
【0051】
本発明の一実施形態によれば、固定装置は、少なくとも１つの固定部材を固定位置に付勢するように構成された少なくとも１つの戻り部材を含む。
【0052】
本発明の一実施形態によれば、ケトルは、蓋に設けられ、作動機構がユーザによって作動されるときに少なくとも１つの固定部材を解放位置に移動させるように構成された作動機構を含む。
【0053】
本発明の一実施形態によれば、作動機構は、ユーザによって手動で作動させることができ、少なくとも１つの固定部材を固定位置から解放位置に変位させるように構成される少なくとも１つの作動部材を含み、少なくとも１つの作動部材は、第１の作動位置と第２の作動位置との間に移動可能に取り付けられ、少なくとも１つの作動部材および少なくとも１つの固定部材は、少なくとも１つの作動部材の第１の作動位置から第２の作動位置への変位が、少なくとも１つの固定部材の固定位置から解放位置への変位を引き起こすように構成される。作動機構のそのような構成は、ユーザが作動機構の単純な作動によって蓋を取り外すことを可能にする。
【0054】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも１つの作動部材は、ユーザによって操作されるように構成された操作部を含む。
【0055】
本発明の一実施形態によれば、ケトルは、容器上の蓋を固定するための独自の位置を画定するように構成された、フールプルーフ（foolproof）デバイスとも呼ばれる角度割出しデバイスを含む。
【0056】
本発明の一実施形態によれば、蓋は、容器の内周面に設けられた環状肩部に載るように構成される。
【0057】
本発明の一実施形態によれば、蓋は、内部容積に含まれる水を注ぎ口に向かって搬送するように構成された注ぎ通路を含み、ケトルは、閉鎖器が注ぎ通路を閉鎖し、注ぎ通路を通る水の流れを防止する閉鎖位置と、閉鎖器が注ぎ通路を解放し、注ぎ通路を通る水の流れを可能にする開放位置との間に蓋に移動可能に取り付けられた閉鎖器を備える。このような蓋の構成は、ケトルが転倒したときに注ぎ口を通る水の流れのリスクをかなり制限する。
【0058】
本発明の一実施形態によれば、注ぎ通路は、蓋の下面に現れる水入口開口と、蓋の外周面に現れる水出口開口とを含む。
【0059】
本発明の一実施形態によれば、ケトルは、蓋に設けられ、閉鎖器を開位置と閉位置との間で変位させるように構成された作動システムを含む。
【0060】
本発明の一実施形態によれば、作動システムは、ユーザによって作動されることができ、第１のボタン位置と第２のボタン位置との間で移動可能な作動ボタンを含み、作動システムは、ユーザによる作動ボタンの第１のボタン位置から第２のボタン位置への変位が閉鎖位置から開放位置への閉鎖器の変位を引き起こすように構成される。
【0061】
本発明の一実施形態によれば、作動システムは、ユーザによる第２のボタン位置から第１のボタン位置への作動ボタンの変位が、閉鎖器の開位置から閉位置への変位を引き起こすように構成される。
【0062】
本発明の一実施形態によれば、作動システムは、例えばボールペンタイプの双安定制御デバイスを含み、ユーザによる作動ボタンの第１のボタン位置から第２のボタン位置への変位が閉鎖位置から開放位置への閉鎖装置の変位を引き起こし、ユーザによる作動ボタンの第２のボタン位置から第１のボタン位置への変位が開放位置から閉鎖位置への閉鎖装置の変位を引き起こすように構成される。
【0063】
本発明の一実施形態によれば、容器は、注ぎ口を含む。
【0064】
本発明の一実施形態によれば、容器は、内部容積内に現れる上部充填開口を備える。
【0065】
本発明の一実施形態によれば、注ぎ口は、上部充填開口に配置される。
【0066】
本発明の一実施形態によれば、蓋は、上部充填開口に配置されるように構成される。
【0067】
本発明の一実施形態によれば、容器は、内部容積の下に位置し、内部容積に含まれる水を加熱するように構成された加熱底部を含む。有利には、加熱底部は、電気加熱要素を収容する。
【0068】
本発明の一実施形態によれば、ケトルは、容器が静止することを意図した支持基部を含む。
【図面の簡単な説明】
【0069】
本発明は、非限定的な例として、このケトルの一実施形態を表す添付の概略図を参照して、以下の説明を使用してよりよく理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図１～１２は、本発明によるケトル２、特に電気ケトルを表す。
【0071】
ケトル２は、電源コード（図には示されていない）によって電気的に駆動されるように構成された支持基部（図には見えない）と、支持基部上に置かれるように構成された容器４とを含む。
【0072】
容器４は、容器４が水平面に載っているときに実質的に垂直に延びるように構成された中央長手方向軸Ａを有する。有利には、容器４は、中央長手方向軸Ａを中心とした一般的な回転形状を有する。
【0073】
容器４は、水を含むことを意図し、水が加熱され、特に沸騰されることを意図した内部容積５を画定する。容器４は、内部容積５内に現れる上部充填開口６をさらに備える。
【0074】
容器４は、内部容積５の下に位置し、内部容積５に含まれる水を加熱するように構成された加熱底部７をさらに含む。既知の方法では、加熱底部７は、容器４が支持ベース上に置かれたときに電力を供給されるように構成された電気加熱要素（図には示されていない）を収容する。
【0075】
ケトル２は、容器４に固定されたグリップハンドル８と、容器４の中央長手方向軸Ａに対してグリップハンドル８の反対側に配置された注ぎ口９とをさらに含む。注ぎ口９は、例えば、容器４上に設けられ、上部充填開口６に配置され得る。
【0076】
ケトル２は、容器４を閉じるように、より具体的には、上部充填開口６に配置されるように構成された蓋１１をさらに含む。図に示される実施形態によれば、蓋１１は、容器４の内周面に設けられた環状肩部１２に載るように構成される。
【0077】
蓋１１は、容器４の内部容積５に面して配置されるように構成された下面１３を備える。有利には、ケトル２は、蓋１１の下面１３に固定され、容器４、特に環状肩部１２と密封的に協働するように構成された環状シール１４を含む。
【0078】
ケトル２は、蓋１１を容器４に取り外し可能に、すなわち一時的かつ可逆的な方法で固定するように構成された固定装置をさらに含む。
【0079】
固定装置は、蓋１１に設けられ、直径方向に対向する、固定指などの２つの固定部材１５（特に図３および４を参照）を備える。各固定部材１５は、蓋１１内に収容され、蓋１１に設けられたそれぞれの貫通開口１６を介して蓋１１から突出するように構成される。有利には、各貫通開口１６は、蓋１１の外周面内および環状シール１４の上方に現れる。
【0080】
固定装置は、容器４の内面に設けられ、上部充填開口６に近接して配置される、保持舌などの２つの固定要素１７（図２を参照）をさらに備える。図に示される実施形態によれば、固定部材１５は、より具体的には、蓋１１が容器４に締結されるときに、それぞれの固定要素１７の下面に当接するように構成される。しかしながら、本発明の変形例によれば、固定装置は、例えば環状であり得る独自の固定要素１７を含むことができる。
【0081】
図に示される実施形態によれば、固定部材１５は、各固定部材１５がそれぞれの固定要素１７と協働して蓋１１を容器４に固定するように構成されている固定位置と、各固定部材１５がそれぞれの固定要素１７を解放して蓋１１を容器４から取り外すことができるように構成されている解放位置との間で、蓋１１に対して摺動方向に摺動可能に取り付けられている。有利には、摺動方向は、蓋１１の中心軸に対して実質的に半径方向に延びる。
【0082】
図に示される実施形態によれば、固定装置は、蓋１１に収容され、固定部材１５を固定位置に付勢するように構成された２つの戻り部材１８（図５を参照）を含む。有利には、各固定部材１５は、蓋１１が上部充填開口６に導入されるときに、固定部材１５を解放位置に自動的に変位させるように、それぞれの固定要素１７と協働するように構成された、端部面取りなどの傾斜面１９を含む。固定装置のそのような構成は、容器４上の蓋１１の容易な固定を可能にする。
【0083】
図３および４により具体的に示されるように、ケトル２は、蓋１１上に設けられ、作動機構２１がユーザによって作動されるときに固定部材１５を解放位置に移動させるように構成された作動機構２１を含む。
【0084】
作動機構２１は、より具体的には、ユーザによって手動で作動され得、固定部材１５を固定位置から解放位置に変位させるように構成された２つの作動部材２２を含む。図に示される実施形態によれば、作動部材２２は、それぞれ、蓋１１の上面からアクセス可能であり、ユーザによって操作されるように構成される２つの操作部分２３を含む。
【0085】
作動部材２２は、第１の作動位置と第２の作動位置との間で蓋１１に対して摺動可能に取り付けられる。作動部材２２および固定部材１５は、作動部材２２の第１の作動位置から第２の作動位置への変位が、固定部材１５の固定位置から解放位置への変位を引き起こすように構成される。有利には、各作動部材２２およびそれぞれの固定部材１５は、一体に作られ、２つの作動部材２２は、２つの操作部分２３をつまむことによって、すなわち、２つの操作部分２３を互いに近づけることによって、固定部材１５を解放位置に移動させるように構成される。
【0086】
図１０により具体的に示されるように、蓋１１は、内部容積５に含まれる水を注ぎ口９に向かって運ぶように構成された注ぎ通路２４を含む。注ぎ通路２４は、より具体的には、蓋１１の下面１３に現れる水入口開口２５と、蓋１１が容器４に固定されるときに、蓋１１の外周面に現れ、注ぎ口９に実質的に面して配置されるように意図された水出口開口２６とを含む。
【0087】
ケトル２は、閉鎖器２７が注ぎ通路２４を閉じて注ぎ通路２４を通る水の流れを防止する閉位置と、閉鎖器２７が注ぎ通路２４を解放して注ぎ通路２４を通る水の流れを可能にする開位置との間で蓋１１に移動可能に取り付けられた閉鎖器２７（図４および１０を参照）をさらに備える。
【0088】
ケトル２は、蓋１１上に設けられ、閉鎖器２７を開位置と閉位置との間で変位させるように構成された作動システムをさらに含む。図に示される実施形態によれば、作動システムは、ユーザによって作動され得、第１のボタン位置と第２のボタン位置との間で移動可能な作動ボタン２８を含み、作動システムは、ユーザによる作動ボタン２８の第１のボタン位置から第２のボタン位置への変位が閉鎖位置から開位置への閉鎖器２７の変位を引き起こすように構成される。
【0089】
図に示される実施形態によれば、作動システムは、例えばボールペンタイプの双安定制御デバイス２９（特に図８および１０を参照）を含み、ユーザによる作動ボタン２８の第１のボタン位置から第２のボタン位置への変位が閉鎖位置から開放位置への変位を引き起こし、ユーザによる作動ボタン２８の第２のボタン位置から第１のボタン位置への変位が閉鎖位置から閉鎖位置への変位を引き起こすように構成される。したがって、第１および第２のボタン位置は、作動ボタン２８の安定した位置に対応する。
【0090】
ケトル２はまた、内部容積５の外側に、例えばケトル２の外側に、またはグリップハンドル８に向かって、内部容積５に含まれる水を沸騰させる間に内部容積５で生成される蒸気を搬送するように構成された蒸気放出装置３１を含む。
【0091】
蒸気放出装置３１は、特に、蓋１１上に設けられ、蓋１１の下面１３内に現れ、蓋１１の下面１３の周縁部に近い第１の蒸気吸入オリフィス３３および第２の蒸気吸入オリフィス３４を備える。蓋１１が容器４に固定され、後者が水平面上に置かれると、第１および第２の蒸気吸入オリフィス３３、３４は、容器４によって画定され、容器４の最大充填レベルを超える内部容積５内に現れる。
【0092】
図に示される実施形態によれば、第１および第２の蒸気吸入オリフィス３３、３４は、蓋１１の下面１３の前半分に位置し、注ぎ口９およびグリップハンドル８を通過するケトル２の中央垂直平面Ｐのいずれかの側に配置される。
【0093】
より具体的には、図１１および１２に示されるように、ケトル２は、
－ケトル２が転倒し、グリップハンドル８および容器４の第１の側面、すなわち右側が水平面上に安定して留まるとき、第１の蒸気吸入オリフィス３３は、内部容積５の水位の上に位置し、第２の蒸気吸入オリフィス３４は、内部容積５の水位の下に位置し、
－ケトル２が転倒し、グリップハンドル８および容器４の第２の側面、すなわち左側が水平面上に安定して留まるとき、第１の蒸気吸入オリフィス３３は、内部容積５の水位の下に位置し、第２の蒸気吸入オリフィス３４は、内部容積５の水位の上に位置するように、構成される。
－ケトル２が転倒し、グリップハンドル８および容器４の第１の側面、すなわち右側が水平面上に安定して留まるとき、第１の蒸気吸入オリフィス３３は、内部容積５の水位の上に位置し、第２の蒸気吸入オリフィス３４は、内部容積５の水位の下に位置し、
－ケトル２が転倒し、グリップハンドル８および容器４の第２の側面、すなわち左側が水平面上に安定して留まるとき、第１の蒸気吸入オリフィス３３は、内部容積５の水位の下に位置し、第２の蒸気吸入オリフィス３４は、内部容積５の水位の上に位置するように、構成される。
【0094】
より具体的には、図７および図９に示されるように、蒸気放出装置３１はまた、
－蓋１１によって画定された第１の蒸気流路３５であって、第１の蒸気流路３５は、第１の蒸気吸入オリフィス３３に流体接続された第１の蒸気流チャネル３６と、第１の蒸気流チャネル３６に流体接続され、第１の蒸気流チャネル３６の下流に位置する第１の拡張チャンバ３７とを備える第１の蒸気流路３５と、
－蓋１１によって画定された第２の蒸気流路３８であって、第２の蒸気流路３８は、第２の蒸気吸入オリフィス３４に流体接続された第２の蒸気流チャネル３９と、第２の蒸気流チャネル３９に流体接続され、第２の蒸気流チャネル３９の下流に位置する第２の拡張チャンバ４１とを備える、第２の蒸気流路３８と、を備える。
－蓋１１によって画定された第１の蒸気流路３５であって、第１の蒸気流路３５は、第１の蒸気吸入オリフィス３３に流体接続された第１の蒸気流チャネル３６と、第１の蒸気流チャネル３６に流体接続され、第１の蒸気流チャネル３６の下流に位置する第１の拡張チャンバ３７とを備える第１の蒸気流路３５と、
－蓋１１によって画定された第２の蒸気流路３８であって、第２の蒸気流路３８は、第２の蒸気吸入オリフィス３４に流体接続された第２の蒸気流チャネル３９と、第２の蒸気流チャネル３９に流体接続され、第２の蒸気流チャネル３９の下流に位置する第２の拡張チャンバ４１とを備える、第２の蒸気流路３８と、を備える。
【0095】
図９により具体的に示されるように、第１の蒸気流チャネル３６は、第１の蒸気吸入オリフィス３３が現れる第１の端部と、第１の拡張チャンバ３７内に現れる第２の端部とを含み、第２の蒸気流チャネル３９は、第２の蒸気吸入オリフィス３４が現れる第１の端部と、第２の拡張チャンバ４１内に現れる第２の端部とを含む。有利には、第１の蒸気吸入オリフィス３３は、第１の蒸気流チャネル３６の底壁に出現し、第２の蒸気吸入オリフィス３４は、第２の蒸気流チャネル３９の底壁に現れる。
【0096】
図に示される実施形態によれば、第１の蒸気流チャネル３６および第２の蒸気流チャネル３９は、直線状であり、蓋１１の後部の方向に互いに向かって収束し、例えば、容器４の中央長手方向軸Ａに対して注ぎ口９と実質的に反対である。有利には、第１の蒸気流チャネル３６は、第１の蒸気流チャネル３６の長さにわたって実質的に一定である流れ断面を有し、第２の蒸気流チャネル３９は、第２の蒸気流チャネルの長さにわたって実質的に一定である流れ断面を有する。
【0097】
図に示される実施形態によれば、第１の拡張チャンバ３７は、第１の蒸気流チャネル３６の内部容積の少なくとも３倍を超える内部容積を有し、第２の拡張チャンバ４１は、第２の蒸気流チャネル３９の内部容積の少なくとも３倍を超える内部容積を有する。有利には、第１の拡張チャンバ３７は、第１の蒸気流チャネル３６の最大流れ断面の少なくとも２倍を超える流れ断面を有する少なくとも１つのチャンバ部分を含み、第２の拡張チャンバ４１は、第２の蒸気流チャネル３９の最大流れ断面の少なくとも２倍を超える流れ断面を有する少なくとも１つのチャンバ部分を含む。
【0098】
より具体的には図９および図１１に示されるように、第１の拡張チャンバ３７は、ケトル２が転倒し、グリップハンドル８および容器４の第２の側面が水平面上に安定して留まるときに、第１の蒸気流路３５の高い点に位置するように構成された第１の出口開口４２を含み、第２の拡張チャンバ４１は、ケトル２が転倒し、グリップハンドル８および容器４の第１の側面が水平面上に安定して留まるときに、第２の蒸気流路３８の高い点に位置するように構成された第２の出口開口４３を含む。有利には、第１の出口開口４２は、第２の蒸気吸入オリフィス３４の近くに配置され、第２の出口開口４３は、第１の蒸気吸入オリフィス３３の近くに配置される。
【0099】
図に示される実施形態によれば、第１および第２の出口開口４２、４３は、蓋１１の前半分に位置し、ケトル２の中央垂直平面Ｐのいずれかの側に配置されるように構成される。
【0100】
蒸気放出装置３１は、蓋１１によって画定され、蓋１１の周辺縁部に沿って延びる蒸気出口チャネル４４をさらに備える。蒸気出口チャネル４４は、第１および第２の拡張チャンバ３７、４１に流体接続され、第１および第２の拡張チャンバ３７、４１の下流に配置される。図に示される実施形態によれば、第１の蒸気流路３５は、第１の拡張チャンバ３７を蒸気出口チャネル４４に流体接続するように構成された接続チャネル４５を含む。
【0101】
より具体的には図９に示されるように、第１および第２の蒸気流路３５、３８は、蓋１１の下面１３の周辺縁部に近接して配置された接合領域４６で接合され、蒸気出口チャネル４４は、接合領域４６で第１および第２の蒸気流路３５、３８に流体接続される。
【0102】
図に示される実施形態によれば、蓋１１は、下部蓋ケーシング１１．１および上部蓋ケーシング１１．２を含み、これらは互いに固定され、第１および第２の蒸気流路３５、３８および蒸気出口チャネル４４を画定する。蓋１１は、上部蓋ケーシング１１．２に固定された上部カバー１１．３をさらに含み、上部カバー１１．３および上部蓋ケーシング１１．２は、固定部材１５、戻り部材１８、および作動部材２２が少なくとも部分的に収容される内部ハウジング４７（図５を参照）を画定する。
【0103】
図に示される実施形態によれば、下部蓋ケーシング１１．１は、下部蓋ケーシング１１．１の上面から延び、第１および第２の蒸気流チャネル３６、３９、第１および第２の拡張チャンバ３７、４１、接続チャネル４５、および蒸気出口チャネル４４を部分的に画定する、分離壁とも呼ばれる複数のダム壁４８（図７を参照）を含む。上部蓋ケーシング１１．２は、上部蓋ケーシング１１．２の下面に設けられ、ダム壁４８の上部長手方向の端部が有利に密封されて受け入れられる複数の受け入れ溝４９（図６を参照）を含む。
【0104】
図に示される実施形態によれば、第１の蒸気流チャネル３６および第１の拡張チャンバ３７は、容器４が水平面に載っているときに水平に対して傾斜するように構成され、第１の蒸気流チャネル３６および第１の拡張チャンバ３７に含まれる水を第１の蒸気吸入オリフィス３３に誘導するように構成された底壁を含み、第２の蒸気流チャネル３９および第２の拡張チャンバ４１はまた、容器４が水平面に載っているときに水平に対して傾斜するように構成され、第２の蒸気流チャネル３９および第２の拡張チャンバ４１に含まれる水を第２の蒸気吸入オリフィス３４に誘導するように構成された底壁を含む。接続チャネル４５および蒸気出口チャネル４４はまた、容器４が水平面に載っているときに水平に対して傾斜するように構成され、接続チャネル４５および蒸気出口チャネル４４に含まれる水を第２の拡張チャンバ４１に誘導するように構成される底壁を含む。蓋１１に含まれる水の第１および第２の蒸気吸入オリフィス３３、３４の方向への流れ方向は、図９の矢印で表される。
【0105】
蒸気放出装置３１は、蓋１１上に設けられ、一方で蒸気出口チャネル４４内に現れ、他方で蓋１１の外周面内に現れる蒸気放出開口５１をさらに備える。蒸気放出開口５１は、蓋１１の外側に蓋１１に含まれる蒸気の放出を可能にするように構成される。
【0106】
図に示される実施形態によれば、ケトル２は、グリップハンドル８に配置されたバイメタル要素５２（図１０を参照）を含む電気機械的制御デバイスを含み、蒸気放出開口５１は、蒸気出口チャネル４４に含まれる蒸気をバイメタル要素５２に向かって導くように構成される。電気機械制御デバイスは、バイメタル要素５２上の蒸気流入がケトル２の加熱の停止をトリガするように、より具体的に構成される。
【0107】
有利には、蒸気放出開口５１は、蓋１１の後部に設けられ、容器４に設けられた通路開口５３（図２および１０を参照）に面して配置され、グリップハンドル８内に現れるように構成される。
【0108】
より具体的には、図２および図５に示されるように、ケトル２は、容器４上の蓋１１を固定するための独自の位置を画定するように構成された、フールプルーフデバイスとも呼ばれる角度割出しデバイスを含む。角度割出し装置は、例えば、容器４に設けられた割出しボスなどの少なくとも１つの割出し要素５４と、蓋１１に設けられ、少なくとも１つの割出し要素５４と協働するように構成された少なくとも１つの割出しハウジング５５とを含み得る。
【0109】
図に示されていない本発明の一実施形態によれば、バイメタル要素５２は、容器４の下部に配置することができる。そのような実施形態によれば、蒸気放出開口５１は、容器４に配置され、バイメタル要素５２に流体接続された蒸気チューブに流体接続されるように構成される。
【0110】
もちろん、本発明は、例としてのみ与えられた説明および例示された実施形態には決して限定されない。特に様々な要素の構成に関して、または技術的等価物で置換することによって、変更は依然として可能であるが、本発明の保護の範囲から逸脱することはない。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【手続補正書】
【提出日】2023-10-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケトル（２）であって、
容器（４）であって、前記容器（４）が水平面に載っているときに実質的に垂直に延びるように構成された中央長手方向軸（Ａ）を有し、前記容器（４）は、水を含むことを意図し、前記水が加熱されることを意図した内部容積（５）を画定する容器（４）と、
グリップハンドル（８）と、
前記容器（４）の前記中央長手方向軸（Ａ）に対して前記グリップハンドル（８）の反対側に配置されるように構成された注ぎ口（９）と、
前記容器（４）を閉じるように構成された蓋（１１）であって、前記蓋（１１）は、前記内部容積（５）に面して配置されるように構成された下面（１３）を備える蓋（１１）と、
前記内部容積（５）の外側に、前記内部容積（５）に含まれる前記水を沸騰させる間に前記内部容積（５）内で生成される蒸気を搬送するように構成された蒸気放出装置（３１）であって、前記蒸気放出装置（３１）は、前記蓋（１１）上に設けられ、前記蓋（１１）の前記下面（１３）内に現れる第１の蒸気吸入オリフィス（３３）および第２の蒸気吸入オリフィス（３４）を備え、前記第１および第２の蒸気吸入オリフィス（３３、３４）は、前記容器（４）によって画定された前記内部容積（５）に流体接続され、前記注ぎ口（９）および前記グリップハンドル（８）を通過する前記ケトル（２）の中央垂直平面（Ｐ）のいずれかの側に配置されるように構成される、蒸気放出装置（３１）と、
を備え、
前記蒸気放出装置（３１）が、
前記蓋（１１）によって画定された第１の蒸気流路（３５）であって、前記第１の蒸気流路（３５）は、前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）に流体接続された第１の蒸気流チャネル（３６）と、前記第１の蒸気流チャネル（３６）に流体接続され、前記第１の蒸気流チャネル（３６）の下流に位置する第１の拡張チャンバ（３７）とを備ええる第１の蒸気流路（３５）と、
前記蓋（１１）によって画定された第２の蒸気流路（３８）であって、前記第２の蒸気流路（３８）は、前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）に流体接続された第２の蒸気流チャネル（３９）と、前記第２の蒸気流チャネル（３９）に流体接続され、前記第２の蒸気流チャネル（３９）の下流に位置する第２の拡張チャンバ（４１）とを備える第２の蒸気流路（３８）と、
前記蓋（１１）上に設けられ、前記第１および第２の拡張チャンバ（３７、４１）に流体接続された少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）であって、前記少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）は、前記蓋（１１）の外側へと前記蓋（１１）に含まれる前記蒸気の放出を可能にするように構成される、少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）と、
をさらに備えることを特徴とする、ケトル（２）。
容器（４）であって、前記容器（４）が水平面に載っているときに実質的に垂直に延びるように構成された中央長手方向軸（Ａ）を有し、前記容器（４）は、水を含むことを意図し、前記水が加熱されることを意図した内部容積（５）を画定する容器（４）と、
グリップハンドル（８）と、
前記容器（４）の前記中央長手方向軸（Ａ）に対して前記グリップハンドル（８）の反対側に配置されるように構成された注ぎ口（９）と、
前記容器（４）を閉じるように構成された蓋（１１）であって、前記蓋（１１）は、前記内部容積（５）に面して配置されるように構成された下面（１３）を備える蓋（１１）と、
前記内部容積（５）の外側に、前記内部容積（５）に含まれる前記水を沸騰させる間に前記内部容積（５）内で生成される蒸気を搬送するように構成された蒸気放出装置（３１）であって、前記蒸気放出装置（３１）は、前記蓋（１１）上に設けられ、前記蓋（１１）の前記下面（１３）内に現れる第１の蒸気吸入オリフィス（３３）および第２の蒸気吸入オリフィス（３４）を備え、前記第１および第２の蒸気吸入オリフィス（３３、３４）は、前記容器（４）によって画定された前記内部容積（５）に流体接続され、前記注ぎ口（９）および前記グリップハンドル（８）を通過する前記ケトル（２）の中央垂直平面（Ｐ）のいずれかの側に配置されるように構成される、蒸気放出装置（３１）と、
を備え、
前記蒸気放出装置（３１）が、
前記蓋（１１）によって画定された第１の蒸気流路（３５）であって、前記第１の蒸気流路（３５）は、前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）に流体接続された第１の蒸気流チャネル（３６）と、前記第１の蒸気流チャネル（３６）に流体接続され、前記第１の蒸気流チャネル（３６）の下流に位置する第１の拡張チャンバ（３７）とを備ええる第１の蒸気流路（３５）と、
前記蓋（１１）によって画定された第２の蒸気流路（３８）であって、前記第２の蒸気流路（３８）は、前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）に流体接続された第２の蒸気流チャネル（３９）と、前記第２の蒸気流チャネル（３９）に流体接続され、前記第２の蒸気流チャネル（３９）の下流に位置する第２の拡張チャンバ（４１）とを備える第２の蒸気流路（３８）と、
前記蓋（１１）上に設けられ、前記第１および第２の拡張チャンバ（３７、４１）に流体接続された少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）であって、前記少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）は、前記蓋（１１）の外側へと前記蓋（１１）に含まれる前記蒸気の放出を可能にするように構成される、少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）と、
をさらに備えることを特徴とする、ケトル（２）。
【請求項2】
前記蒸気放出装置（３１）は、前記蓋（１１）によって画定された蒸気出口チャネル（４４）をさらに備え、前記蒸気出口チャネル（４４）は、前記第１および第２の拡張チャンバ（３７、４１）に流体接続され、前記第１および第２の拡張チャンバ（３７、４１）の下流に位置し、前記少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）は、前記蒸気出口チャネル（４４）に流体接続される、請求項１に記載のケトル（２）。
【請求項3】
前記第１および第２の蒸気流路（３５、３８）は、接合領域（４６）で連結され、前記蒸気出口チャネル（４４）は、前記接合領域（４６）で前記第１および第２の蒸気流路（３５、３８）に流体接続される、請求項２に記載のケトル（２）。
【請求項4】
前記第１の蒸気流路（３５）は、前記第１の拡張チャンバ（３７）を前記蒸気出口チャネル（４４）に流体接続するように構成された接続チャネル（４５）を含む、請求項２または３に記載のケトル（２）。
【請求項5】
前記第１および第２の蒸気流路（３６、３９）が、前記蓋（１１）の後部に向かって延びる、請求項１に記載のケトル（２）。
【請求項6】
前記第１および第２の蒸気流チャネル（３６、３９）のそれぞれが実質的に直線状である、請求項１に記載のケトル（２）。
【請求項7】
前記第１の蒸気流チャネル（３６）および前記第１の拡張チャンバ（３７）は、前記容器（４）が水平面に載っているときに前記水平に対して傾斜するように構成され、前記第１の蒸気流チャネル（３６）および前記第１の拡張チャンバ（３７）に含まれる水を前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）に導くように構成された底壁を含み、前記第２の蒸気流チャネル（３９）および前記第２の拡張チャンバ（４１）は、前記容器（４）が水平面に載っているときに前記水平に対して傾斜するように構成され、前記第２の蒸気流チャネル（３９）および前記第２の拡張チャンバ（４１）に含まれる水を前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）に導くように構成された底壁を含む、請求項１に記載のケトル（２）。
【請求項8】
前記ケトル（２）が転倒し、前記グリップハンドル（８）および前記容器（４）の第１の側面が水平面上に安定して置かれるとき、前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）は、前記内部容積（５）の前記水位の上に位置し、前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）は、前記内部容積（５）の前記水位の下に位置し、前記ケトル（２）が転倒し、前記グリップハンドル（８）および前記容器（４）の第２の側面が水平面上に安定して置かれるとき、前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）は、前記内部容積（５）の前記水位の下に位置し、前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）は、前記内部容積（５）の前記水位の上に位置するように構成される、請求項１に記載のケトル（２）。
【請求項9】
前記第１の拡張チャンバ（３７）は、前記ケトル（２）が転倒し、前記グリップハンドル（８）および前記容器（４）の前記第２の側面が水平面上に安定して置かれるときに、前記第１の蒸気流路（３５）の高い点に配置されるように構成された第１の出口開口（４２）を含み、前記第２の拡張チャンバ（４１）は、前記ケトル（２）が転倒し、前記グリップハンドル（８）および前記容器（４）の前記第１の側面が水平面上に安定して置かれるときに、前記第２の蒸気流路（３８）の高い点に配置されるように構成された第２の出口開口（４３）を含む、請求項８に記載のケトル（２）。
【請求項10】
前記第１の出口開口（４２）は、前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）の近くに位置し、前記第２の出口開口（４３）は、前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）の近くに位置する、請求項９に記載のケトル（２）。
【請求項11】
前記蓋（１１）は、互いに固定され、前記第１および第２の蒸気流路（３５、３８）を画定する下部蓋ケーシング（１１．１）および上部蓋ケーシング（１１．２）を含む、請求項１に記載のケトル（２）。
【請求項12】
前記下部蓋ケーシング（１１．１）は、前記下部蓋ケーシング（１１．１）の上面から延びる複数のダム壁（４８）を含み、前記ダム壁（４８）は、前記第１および第２の蒸気流チャネル（３６、３９）ならびに前記第１および第２の拡張チャンバ（３７、４１）を部分的に区切る、請求項１１に記載のケトル（２）。
【請求項13】
バイメタル要素（５２）を含む電気機械的制御デバイスを含み、前記少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）は、前記蓋（１１）に含まれる前記蒸気を前記バイメタル要素（５２）に向けるように構成され、前記電気機械的制御デバイスは、前記バイメタル要素（５２）上の蒸気流入が前記ケトル（２）の前記加熱の停止をトリガするように構成される、請求項１に記載のケトル（２）。
【請求項14】
前記蓋（１１）を前記容器（４）に取り外し可能に固定するように構成された固定装置をさらに含む、請求項１に記載のケトル（２）。
【請求項15】
前記蓋（１１）は、前記内部容積（５）に含まれる水を前記注ぎ口（９）に向かって搬送するように構成された注ぎ通路（２４）を含み、前記ケトル（２）は、前記蓋（１１）上に、閉鎖器（２７）であって、前記閉鎖器（２７）が前記注ぎ通路（２４）を閉じ、前記注ぎ通路（２４）を通る水の流れを防止する閉鎖位置と、前記閉鎖器（２７）が前記注ぎ通路（２４）を解放し、前記注ぎ通路（２４）を通る水の流れを可能にする開放位置との間に移動可能に取り付けられた閉鎖器（２７）を備える、請求項１に記載のケトル（２）。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体加熱装置、特に電気ケトルの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献１は、
－容器が水平面上に載っているときに実質的に垂直に延びるように構成された中央長手方向軸を有する容器であって、容器は、水を含むことを意図した内部容積を画定し、水が加熱され、特に沸騰することを意図している容器と、
－容器に固定されたグリップハンドルと、
－容器の中央長手方向軸に対してグリップハンドルの反対側に位置する注ぎ口と、
－容器を閉じるように構成された蓋であって、蓋が、内部容積に面して配置されるように構成された下面を備える、蓋と、
－内部容積の外側に、例えばケトルの外側に向かって、内部容積に含まれる水の沸騰中に内部容積に生成された蒸気を搬送するように構成された蒸気放出装置と、を備える電気ケトルを開示する
－容器が水平面上に載っているときに実質的に垂直に延びるように構成された中央長手方向軸を有する容器であって、容器は、水を含むことを意図した内部容積を画定し、水が加熱され、特に沸騰することを意図している容器と、
－容器に固定されたグリップハンドルと、
－容器の中央長手方向軸に対してグリップハンドルの反対側に位置する注ぎ口と、
－容器を閉じるように構成された蓋であって、蓋が、内部容積に面して配置されるように構成された下面を備える、蓋と、
－内部容積の外側に、例えばケトルの外側に向かって、内部容積に含まれる水の沸騰中に内部容積に生成された蒸気を搬送するように構成された蒸気放出装置と、を備える電気ケトルを開示する
【0003】
蒸気排出装置は、特に、
－蓋に設けられ、蓋の下面に現れる第１の蒸気吸入オリフィスおよび第２の蒸気吸入オリフィスであって、第１および第２の蒸気吸入オリフィスは、内部容積に流体接続され、注ぎ口およびグリップハンドルを通過するケトルの中央垂直平面のいずれかの側に配置されるように構成される、第１の蒸気吸入オリフィスおよび第２の蒸気吸入オリフィスと、
－第１の蒸気吸入オリフィスおよび第１の蒸気出口開口に流体接続された第１の蒸気吸入開口を備える第１の蒸気フローチューブと、前記第２の蒸気吸入オリフィスおよび第２の蒸気出口開口に流体接続された第２の蒸気吸入開口を備える第２の蒸気フローチューブと、
－第１および第２の蒸気出口開口に流体接続され、蓋の外側の容器の内部容積に含まれる蒸気の放出を可能にするように構成された蒸気放出開口を備える、蒸気収集部材と、を備える。
－蓋に設けられ、蓋の下面に現れる第１の蒸気吸入オリフィスおよび第２の蒸気吸入オリフィスであって、第１および第２の蒸気吸入オリフィスは、内部容積に流体接続され、注ぎ口およびグリップハンドルを通過するケトルの中央垂直平面のいずれかの側に配置されるように構成される、第１の蒸気吸入オリフィスおよび第２の蒸気吸入オリフィスと、
－第１の蒸気吸入オリフィスおよび第１の蒸気出口開口に流体接続された第１の蒸気吸入開口を備える第１の蒸気フローチューブと、前記第２の蒸気吸入オリフィスおよび第２の蒸気出口開口に流体接続された第２の蒸気吸入開口を備える第２の蒸気フローチューブと、
－第１および第２の蒸気出口開口に流体接続され、蓋の外側の容器の内部容積に含まれる蒸気の放出を可能にするように構成された蒸気放出開口を備える、蒸気収集部材と、を備える。
【0004】
ケトルは、ケトルが転倒し、グリップハンドルおよび容器の第１の側面が水平面（ケトルの第１の安定した転倒位置に対応する）上に安定して置かれるとき、第１の蒸気吸入オリフィスが内部容積内の水位の上に位置し、ケトルが転倒し、グリップハンドルおよび容器の第２の側面が水平面（ケトルの第２の安定した転倒位置に対応する）上に安定して置かれるとき、第２の蒸気吸入オリフィスが内部容積内の水位の上に位置するように構成される。
【0005】
このようなケトルの構成は、ケトルがその側面に傾いているときに、蒸気排出開口を介してケトルから沸騰水が流出するリスクを低減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中国出願公開第１０４１３８２０３号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ケトルが傾いたときに容器の内部容積に発生する波紋のために、容器内の水位の下に位置する蒸気吸入オリフィスに流体的に接続されている蒸気フローチューブ内の水は、その慣性のために上昇し、前記蒸気フローチューブの高い点を超えて流れる可能性があり、これは、前述のケトルが転倒したときに沸騰水の流出を誘発する可能性が高い。しかし、そのようなケトルからの沸騰した水の流れは、使用者に火傷を引き起こす可能性がある。
【0008】
そのような欠点を克服するために、ケトルの転倒の場合に第１および第２の蒸気フローチューブを通る水の流れを防ぐように構成されたボールバルブなどの１つまたは複数の逆止弁を蓋に装備することが想定され得る。それにもかかわらず、そのような逆止弁はケトルを複雑にし、ケトルの製造コストを大幅に増加させる。
【0009】
本発明は、これらの欠点の全部または一部を是正することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の基礎となる技術的問題は、特に、使用の大きな安全性を提供しながら、シンプルで経済的な構造であるケトルを提供することにある。
【0011】
この目的のために、本発明は、
－前記容器が水平面上に載っているときに実質的に垂直に延びるように構成された中央長手方向軸を有する容器であって、容器は、水を含むことを意図した内部容積を画定し、水が加熱され、特に沸騰することを意図している容器と、
－例えば、容器に固定されたグリップハンドルと、
－容器の中央長手方向軸に対してグリップハンドルの反対側に配置された注ぎ口と、
－容器を閉じるように構成された蓋であって、蓋が、内部容積に面して配置されるように構成された下面を備える、蓋と、
－内部容積の外側に、例えば、ケトルの外側に、またはグリップハンドルに向かって、内部容積に含まれる水の沸騰中に内部容積に生成される蒸気を搬送するように構成された蒸気放出装置であって、蒸気放出装置は、蓋に設けられ、蓋の下面に出現する第１の蒸気吸入オリフィスおよび第２の蒸気吸入オリフィスを備え、第１および第２の蒸気吸入オリフィスは、容器によって画定された内部容積に流体接続され、例えば、容器の最大充填レベルの上に配置され、注ぎ口およびグリップハンドルを通過するケトルの中央垂直平面のいずれかの側に配置されるように構成される蒸気排出放出装置と、を備えるケトル、特に電気ケトルに関する。
－前記容器が水平面上に載っているときに実質的に垂直に延びるように構成された中央長手方向軸を有する容器であって、容器は、水を含むことを意図した内部容積を画定し、水が加熱され、特に沸騰することを意図している容器と、
－例えば、容器に固定されたグリップハンドルと、
－容器の中央長手方向軸に対してグリップハンドルの反対側に配置された注ぎ口と、
－容器を閉じるように構成された蓋であって、蓋が、内部容積に面して配置されるように構成された下面を備える、蓋と、
－内部容積の外側に、例えば、ケトルの外側に、またはグリップハンドルに向かって、内部容積に含まれる水の沸騰中に内部容積に生成される蒸気を搬送するように構成された蒸気放出装置であって、蒸気放出装置は、蓋に設けられ、蓋の下面に出現する第１の蒸気吸入オリフィスおよび第２の蒸気吸入オリフィスを備え、第１および第２の蒸気吸入オリフィスは、容器によって画定された内部容積に流体接続され、例えば、容器の最大充填レベルの上に配置され、注ぎ口およびグリップハンドルを通過するケトルの中央垂直平面のいずれかの側に配置されるように構成される蒸気排出放出装置と、を備えるケトル、特に電気ケトルに関する。
【0012】
蒸気放出装置は、
－蓋によって画定された第１の蒸気流路であって、第１の蒸気流路は、第１の蒸気吸入オリフィスに流体接続された第１の蒸気流チャネルと、第１の蒸気チャネルに流体接続され、第１の蒸気流チャネルの下流に位置する第１の膨張チャンバとを備える第１の蒸気流路と、
－蓋によって画定された第２の蒸気流路であって、前記第２の蒸気流路は、前記第２の蒸気吸入オリフィスに流体接続された第２の蒸気流チャネルと、前記第２の蒸気流路に流体的に接続され、前記第２の蒸気流路の下流に位置する第２の拡張チャンバとを備える第２の蒸気流路と、
－蓋上に設けられ、第１および第２の拡張チャンバに流体接続された少なくとも１つの蒸気放出開口であって、少なくとも１つの蒸気放出開口は、蓋の外側に蓋に含まれる蒸気の放出を可能にするように構成される、少なくとも１つの蒸気放出開口と、をさらに備える。
－蓋によって画定された第１の蒸気流路であって、第１の蒸気流路は、第１の蒸気吸入オリフィスに流体接続された第１の蒸気流チャネルと、第１の蒸気チャネルに流体接続され、第１の蒸気流チャネルの下流に位置する第１の膨張チャンバとを備える第１の蒸気流路と、
－蓋によって画定された第２の蒸気流路であって、前記第２の蒸気流路は、前記第２の蒸気吸入オリフィスに流体接続された第２の蒸気流チャネルと、前記第２の蒸気流路に流体的に接続され、前記第２の蒸気流路の下流に位置する第２の拡張チャンバとを備える第２の蒸気流路と、
－蓋上に設けられ、第１および第２の拡張チャンバに流体接続された少なくとも１つの蒸気放出開口であって、少なくとも１つの蒸気放出開口は、蓋の外側に蓋に含まれる蒸気の放出を可能にするように構成される、少なくとも１つの蒸気放出開口と、をさらに備える。
【0013】
第１および第２の蒸気流チャネルのそれぞれ下流に位置する第１および第２の拡張チャンバの存在は、ケトルの転倒の場合に、容器内の水位の下に位置する蒸気吸入オリフィスに接続された蒸気流路を流れる水の慣性を大幅に低減し、それによって、前記蒸気流路の高い点を超えて流れる水のリスクを大幅に低減することを可能にする。したがって、本発明によるケトルは、後者の転倒の場合にケトルから流出する沸騰水のリスクを回避または少なくともかなり制限することを可能にする。
【0014】
ケトルは、単独でまたは組み合わせて、以下の特徴のうちの１つまたはいくつかをさらに有し得る。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、第１および第２の蒸気吸入オリフィスは、蓋の下面の前半分に配置される。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、第１の蒸気吸入オリフィスは、第１の蒸気流チャネルの底壁に出現する。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、第１の蒸気流チャネルは、第１の蒸気吸入オリフィスが現れる第１の端部と、第１の拡張チャンバ内に現れる第２の端部とを含む。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、第２の蒸気吸入オリフィスは、第２の蒸気流チャネルの底壁に現れる。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、第２の蒸気流チャネルは、第２の蒸気吸入オリフィスが現れる第１の端部と、第２の拡張チャンバ内に現れる第２の端部とを含む。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、第１および第２の蒸気吸入オリフィスは、蓋の下面の周辺縁部に近い蓋の下面に現れる。第１および第２の蒸気吸入オリフィスのそのような配置は、後者の転倒の場合にケトルから沸騰水が流出するリスクをさらに制限する。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、第１の蒸気流チャネルは、第１の蒸気流チャネルの長さにわたって実質的に一定である流れ断面を有し、第２の蒸気流チャネルは、第２の蒸気流チャネルの長さにわたって実質的に一定である流れ断面を有する。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、第１の拡張チャンバは、第１の蒸気流チャネルの最大流れ断面の少なくとも２倍を超える流れ断面を有する少なくとも１つのチャンバ部分を含み、第２の拡張チャンバは、第２の蒸気流チャネルの最大流れ断面の少なくとも２倍を超える流れ断面を有する少なくとも１つのチャンバ部分を含む。第１および第２の拡張チャンバのそのような構成は、後者の転倒の場合にケトルから沸騰水が流出するリスクをさらに制限する。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、第１の拡張チャンバは、第１の蒸気流チャネルの内部容積よりも大きく、例えば、第１の蒸気流チャネルの内部容積の少なくとも３倍を超える内部容積を有し、第２の拡張チャンバは、第２の蒸気流チャネルの内部容積よりも大きく、例えば、第２の蒸気流チャネルの内部容積の少なくとも３倍を超える内部容積を有する。第１および第２の拡張チャンバのそのような構成は、後者の転倒の場合にケトルから沸騰水が流出するリスクをさらに制限する。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、蒸気放出装置は、蓋によって画定された蒸気出口チャネルをさらに備え、蒸気出口チャネルは、第１および第２の拡張チャンバに流体接続され、第１および第２の拡張チャンバの下流に位置し、少なくとも１つの蒸気放出開口は、蒸気出口チャネルに流体接続される。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、蒸気出口チャネルは、蓋の周辺縁部に沿って延びる。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも１つの蒸気排出開口は、蒸気出口チャネル内に現れる。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、第１および第２の蒸気流路は、接合領域で連結され、蒸気出口チャネルは、接合領域で第１および第２の蒸気流路に流体接続される。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、接合領域は、蓋の下面の周辺縁部に近接して配置される。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、第１の蒸気流路は、第１の拡張チャンバを蒸気出口チャネルに流体的に接続するように構成された接続チャネルを含む。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、第１および第２の蒸気流チャネルは、蓋の後部の方向に延び、例えば、注ぎ口の反対側に延びる。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、第１および第２の蒸気流チャネルは、蓋の後部の方向に互いに向かって収束する。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、第１の蒸気流チャネルおよび第２の蒸気流チャネルのそれぞれは、実質的に直線的である。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、第１の蒸気流チャネルおよび第１の拡張チャンバは、容器が水平面に載っているときに水平に対して傾斜するように構成され、第１の蒸気流チャネルおよび第１の拡張チャンバに含まれる水を第１の蒸気吸入オリフィスに誘導するように構成された底壁を含み、第２の蒸気流チャネルおよび第２の拡張チャンバは、容器が水平面に載っているときに水平に対して傾斜するように構成され、第２の蒸気流チャネルおよび第２の拡張チャンバに含まれる水を第２の蒸気吸入オリフィスに誘導するように構成された底壁を含む。蓋のそのような構成は、蓋内の水の蓄積および水の停滞を回避することを可能にする。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、接続チャネルおよび蒸気出口チャネルは、容器が水平面に載っているときに水平に対して傾斜するように構成され、接続チャネルおよび蒸気出口チャネルに含まれる水を第２の拡張チャンバに誘導するように構成される底壁を含む。蓋のそのような構成はまた、蓋内の水の蓄積および水の停滞を回避することを可能にする。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、ケトルは、ケトルが転倒し、グリップハンドルおよび容器の第１の側面が水平面上に安定して置かれるとき、第１の蒸気吸入オリフィスは、内部容積内の水位より上に位置し、第２の蒸気吸入オリフィスは、内部容積内の水位より下に位置し、ケトルが転倒し、グリップハンドルおよび容器の第２の側面が水平面上に安定して置かれるとき、第１の蒸気吸入オリフィスは、内部容積内の水位より下に位置し、第２の蒸気吸入オリフィスは、内部容積内の水位より上に位置するように構成される。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、第１の拡張チャンバは、ケトルが転倒し、グリップハンドルおよび容器の第２の側面が水平面上に安定して留まるときに、第１の蒸気流路の高点に配置されるように構成された第１の出口開口を含み、第２の拡張チャンバは、ケトルが転倒し、グリップハンドルおよび容器の第１の側面が水平面上に安定して留まるときに、第２の蒸気流路の高点に配置されるように構成された第２の出口開口を含む。第１および第２の拡張チャンバのそのような構成は、後者の転倒の場合にケトルから沸騰水が流出するリスクをさらに制限する。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、第１の出口開口は、第２の蒸気吸入オリフィスの近くに配置され、第２の出口開口は、第１の蒸気吸入オリフィスの近くに配置される。第１および第２の出口開口のそのような配置は、後者の転倒の場合にケトルから沸騰水が流出するリスクをさらに制限する。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、第１および第２の出口開口は、ケトルの中央垂直平面のいずれかの側に配置されるように構成される。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、第１および第２の出口開口は、蓋の前半分に配置される。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、蓋は、互いに固定され、第１および第２の蒸気流路を画定する下部蓋ケーシングおよび上部蓋ケーシングを含む。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、下部および上部蓋ケーシングは、蒸気出口チャネルをさらに画定する。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、下部蓋ケーシングは、下部蓋ケーシングの上面から延びる、分離壁とも呼ばれる複数のダム壁を含み、ダム壁は、第１および第２の蒸気流チャネル、ならびに第１および第２の拡張チャンバを部分的に画定する。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、上部蓋ケーシングは、上部蓋ケーシングの下面に設けられた複数の受容溝を含み、ダム壁の上部長手方向縁部は、有利には、密封方式で、上蓋ケーシングに設けられた受容溝内にそれぞれ受容される。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも１つの蒸気放出開口は、蓋の外周面に現れる。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも１つの蒸気放出開口は、下部蓋ケーシングの上面と上部蓋ケーシングの下面との間の蓋の外周面に配置される。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、ケトルは、バイメタル要素を含む電気機械的制御デバイスを含み、少なくとも１つの蒸気放出開口は、蓋に含まれる蒸気をバイメタル要素に向けるように構成され、電気機械的制御デバイスは、バイメタル要素上の蒸気流入がケトルの加熱の停止をトリガするように構成される。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも１つの蒸気放出開口は、容器に設けられた通路開口に面して配置され、グリップハンドル内に現れるように構成される。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、ケトルは、容器に蓋を取り外し可能に、すなわち一時的かつ可逆的な方法で固定するように構成された固定装置をさらに含む。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、固定装置は、蓋に設けられた固定タブまたは固定指などの少なくとも１つの固定部材と、容器に設けられた少なくとも１つの固定要素とを含み、少なくとも１つの固定部材は、少なくとも１つの固定部材が少なくとも１つの固定要素と協働して蓋を容器に固定するように構成されている固定位置と、少なくとも１つの固定部材が少なくとも１つの固定要素を解放して蓋を容器から取り外すように構成されている解放位置との間で、蓋に対して移動可能に取り付けられる。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも１つの固定部材は、蓋に対して摺動方向に摺動可能に取り付けられる。摺動方向は、蓋の中心軸に対して実質的に垂直に、例えば、蓋の中心軸に対して実質的に半径方向に延びることができる。
【0051】
本発明の一実施形態によれば、固定装置は、少なくとも１つの固定部材を固定位置に付勢するように構成された少なくとも１つの戻り部材を含む。
【0052】
本発明の一実施形態によれば、ケトルは、蓋に設けられ、作動機構がユーザによって作動されるときに少なくとも１つの固定部材を解放位置に移動させるように構成された作動機構を含む。
【0053】
本発明の一実施形態によれば、作動機構は、ユーザによって手動で作動させることができ、少なくとも１つの固定部材を固定位置から解放位置に変位させるように構成される少なくとも１つの作動部材を含み、少なくとも１つの作動部材は、第１の作動位置と第２の作動位置との間に移動可能に取り付けられ、少なくとも１つの作動部材および少なくとも１つの固定部材は、少なくとも１つの作動部材の第１の作動位置から第２の作動位置への変位が、少なくとも１つの固定部材の固定位置から解放位置への変位を引き起こすように構成される。作動機構のそのような構成は、ユーザが作動機構の単純な作動によって蓋を取り外すことを可能にする。
【0054】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも１つの作動部材は、ユーザによって操作されるように構成された操作部を含む。
【0055】
本発明の一実施形態によれば、ケトルは、容器上の蓋を固定するための独自の位置を画定するように構成された、フールプルーフ（foolproof）デバイスとも呼ばれる角度割出しデバイスを含む。
【0056】
本発明の一実施形態によれば、蓋は、容器の内周面に設けられた環状肩部に載るように構成される。
【0057】
本発明の一実施形態によれば、蓋は、内部容積に含まれる水を注ぎ口に向かって搬送するように構成された注ぎ通路を含み、ケトルは、閉鎖器が注ぎ通路を閉鎖し、注ぎ通路を通る水の流れを防止する閉鎖位置と、閉鎖器が注ぎ通路を解放し、注ぎ通路を通る水の流れを可能にする開放位置との間に蓋に移動可能に取り付けられた閉鎖器を備える。このような蓋の構成は、ケトルが転倒したときに注ぎ口を通る水の流れのリスクをかなり制限する。
【0058】
本発明の一実施形態によれば、注ぎ通路は、蓋の下面に現れる水入口開口と、蓋の外周面に現れる水出口開口とを含む。
【0059】
本発明の一実施形態によれば、ケトルは、蓋に設けられ、閉鎖器を開位置と閉位置との間で変位させるように構成された作動システムを含む。
【0060】
本発明の一実施形態によれば、作動システムは、ユーザによって作動されることができ、第１のボタン位置と第２のボタン位置との間で移動可能な作動ボタンを含み、作動システムは、ユーザによる作動ボタンの第１のボタン位置から第２のボタン位置への変位が閉鎖位置から開放位置への閉鎖器の変位を引き起こすように構成される。
【0061】
本発明の一実施形態によれば、作動システムは、ユーザによる第２のボタン位置から第１のボタン位置への作動ボタンの変位が、閉鎖器の開位置から閉位置への変位を引き起こすように構成される。
【0062】
本発明の一実施形態によれば、作動システムは、例えばボールペンタイプの双安定制御デバイスを含み、ユーザによる作動ボタンの第１のボタン位置から第２のボタン位置への変位が閉鎖位置から開放位置への閉鎖装置の変位を引き起こし、ユーザによる作動ボタンの第２のボタン位置から第１のボタン位置への変位が開放位置から閉鎖位置への閉鎖装置の変位を引き起こすように構成される。
【0063】
本発明の一実施形態によれば、容器は、注ぎ口を含む。
【0064】
本発明の一実施形態によれば、容器は、内部容積内に現れる上部充填開口を備える。
【0065】
本発明の一実施形態によれば、注ぎ口は、上部充填開口に配置される。
【0066】
本発明の一実施形態によれば、蓋は、上部充填開口に配置されるように構成される。
【0067】
本発明の一実施形態によれば、容器は、内部容積の下に位置し、内部容積に含まれる水を加熱するように構成された加熱底部を含む。有利には、加熱底部は、電気加熱要素を収容する。
【0068】
本発明の一実施形態によれば、ケトルは、容器が静止することを意図した支持基部を含む。
【図面の簡単な説明】
【0069】
本発明は、非限定的な例として、このケトルの一実施形態を表す添付の概略図を参照して、以下の説明を使用してよりよく理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図１～１２は、本発明によるケトル２、特に電気ケトルを表す。
【0071】
ケトル２は、電源コード（図には示されていない）によって電気的に駆動されるように構成された支持基部（図には見えない）と、支持基部上に置かれるように構成された容器４とを含む。
【0072】
容器４は、容器４が水平面に載っているときに実質的に垂直に延びるように構成された中央長手方向軸Ａを有する。有利には、容器４は、中央長手方向軸Ａを中心とした一般的な回転形状を有する。
【0073】
容器４は、水を含むことを意図し、水が加熱され、特に沸騰されることを意図した内部容積５を画定する。容器４は、内部容積５内に現れる上部充填開口６をさらに備える。
【0074】
容器４は、内部容積５の下に位置し、内部容積５に含まれる水を加熱するように構成された加熱底部７をさらに含む。既知の方法では、加熱底部７は、容器４が支持ベース上に置かれたときに電力を供給されるように構成された電気加熱要素（図には示されていない）を収容する。
【0075】
ケトル２は、容器４に固定されたグリップハンドル８と、容器４の中央長手方向軸Ａに対してグリップハンドル８の反対側に配置された注ぎ口９とをさらに含む。注ぎ口９は、例えば、容器４上に設けられ、上部充填開口６に配置され得る。
【0076】
ケトル２は、容器４を閉じるように、より具体的には、上部充填開口６に配置されるように構成された蓋１１をさらに含む。図に示される実施形態によれば、蓋１１は、容器４の内周面に設けられた環状肩部１２に載るように構成される。
【0077】
蓋１１は、容器４の内部容積５に面して配置されるように構成された下面１３を備える。有利には、ケトル２は、蓋１１の下面１３に固定され、容器４、特に環状肩部１２と密封的に協働するように構成された環状シール１４を含む。
【0078】
ケトル２は、蓋１１を容器４に取り外し可能に、すなわち一時的かつ可逆的な方法で固定するように構成された固定装置をさらに含む。
【0079】
固定装置は、蓋１１に設けられ、直径方向に対向する、固定指などの２つの固定部材１５（特に図３および４を参照）を備える。各固定部材１５は、蓋１１内に収容され、蓋１１に設けられたそれぞれの貫通開口１６を介して蓋１１から突出するように構成される。有利には、各貫通開口１６は、蓋１１の外周面内および環状シール１４の上方に現れる。
【0080】
固定装置は、容器４の内面に設けられ、上部充填開口６に近接して配置される、保持舌などの２つの固定要素１７（図２を参照）をさらに備える。図に示される実施形態によれば、固定部材１５は、より具体的には、蓋１１が容器４に締結されるときに、それぞれの固定要素１７の下面に当接するように構成される。しかしながら、本発明の変形例によれば、固定装置は、例えば環状であり得る独自の固定要素１７を含むことができる。
【0081】
図に示される実施形態によれば、固定部材１５は、各固定部材１５がそれぞれの固定要素１７と協働して蓋１１を容器４に固定するように構成されている固定位置と、各固定部材１５がそれぞれの固定要素１７を解放して蓋１１を容器４から取り外すことができるように構成されている解放位置との間で、蓋１１に対して摺動方向に摺動可能に取り付けられている。有利には、摺動方向は、蓋１１の中心軸に対して実質的に半径方向に延びる。
【0082】
図に示される実施形態によれば、固定装置は、蓋１１に収容され、固定部材１５を固定位置に付勢するように構成された２つの戻り部材１８（図５を参照）を含む。有利には、各固定部材１５は、蓋１１が上部充填開口６に導入されるときに、固定部材１５を解放位置に自動的に変位させるように、それぞれの固定要素１７と協働するように構成された、端部面取りなどの傾斜面１９を含む。固定装置のそのような構成は、容器４上の蓋１１の容易な固定を可能にする。
【0083】
図３および４により具体的に示されるように、ケトル２は、蓋１１上に設けられ、作動機構２１がユーザによって作動されるときに固定部材１５を解放位置に移動させるように構成された作動機構２１を含む。
【0084】
作動機構２１は、より具体的には、ユーザによって手動で作動され得、固定部材１５を固定位置から解放位置に変位させるように構成された２つの作動部材２２を含む。図に示される実施形態によれば、作動部材２２は、それぞれ、蓋１１の上面からアクセス可能であり、ユーザによって操作されるように構成される２つの操作部分２３を含む。
【0085】
作動部材２２は、第１の作動位置と第２の作動位置との間で蓋１１に対して摺動可能に取り付けられる。作動部材２２および固定部材１５は、作動部材２２の第１の作動位置から第２の作動位置への変位が、固定部材１５の固定位置から解放位置への変位を引き起こすように構成される。有利には、各作動部材２２およびそれぞれの固定部材１５は、一体に作られ、２つの作動部材２２は、２つの操作部分２３をつまむことによって、すなわち、２つの操作部分２３を互いに近づけることによって、固定部材１５を解放位置に移動させるように構成される。
【0086】
図１０により具体的に示されるように、蓋１１は、内部容積５に含まれる水を注ぎ口９に向かって運ぶように構成された注ぎ通路２４を含む。注ぎ通路２４は、より具体的には、蓋１１の下面１３に現れる水入口開口２５と、蓋１１が容器４に固定されるときに、蓋１１の外周面に現れ、注ぎ口９に実質的に面して配置されるように意図された水出口開口２６とを含む。
【0087】
ケトル２は、閉鎖器２７が注ぎ通路２４を閉じて注ぎ通路２４を通る水の流れを防止する閉位置と、閉鎖器２７が注ぎ通路２４を解放して注ぎ通路２４を通る水の流れを可能にする開位置との間で蓋１１に移動可能に取り付けられた閉鎖器２７（図４および１０を参照）をさらに備える。
【0088】
ケトル２は、蓋１１上に設けられ、閉鎖器２７を開位置と閉位置との間で変位させるように構成された作動システムをさらに含む。図に示される実施形態によれば、作動システムは、ユーザによって作動され得、第１のボタン位置と第２のボタン位置との間で移動可能な作動ボタン２８を含み、作動システムは、ユーザによる作動ボタン２８の第１のボタン位置から第２のボタン位置への変位が閉鎖位置から開位置への閉鎖器２７の変位を引き起こすように構成される。
【0089】
図に示される実施形態によれば、作動システムは、例えばボールペンタイプの双安定制御デバイス２９（特に図８および１０を参照）を含み、ユーザによる作動ボタン２８の第１のボタン位置から第２のボタン位置への変位が閉鎖位置から開放位置への変位を引き起こし、ユーザによる作動ボタン２８の第２のボタン位置から第１のボタン位置への変位が閉鎖位置から閉鎖位置への変位を引き起こすように構成される。したがって、第１および第２のボタン位置は、作動ボタン２８の安定した位置に対応する。
【0090】
ケトル２はまた、内部容積５の外側に、例えばケトル２の外側に、またはグリップハンドル８に向かって、内部容積５に含まれる水を沸騰させる間に内部容積５で生成される蒸気を搬送するように構成された蒸気放出装置３１を含む。
【0091】
蒸気放出装置３１は、特に、蓋１１上に設けられ、蓋１１の下面１３内に現れ、蓋１１の下面１３の周縁部に近い第１の蒸気吸入オリフィス３３および第２の蒸気吸入オリフィス３４を備える。蓋１１が容器４に固定され、後者が水平面上に置かれると、第１および第２の蒸気吸入オリフィス３３、３４は、容器４によって画定され、容器４の最大充填レベルを超える内部容積５内に現れる。
【0092】
図に示される実施形態によれば、第１および第２の蒸気吸入オリフィス３３、３４は、蓋１１の下面１３の前半分に位置し、注ぎ口９およびグリップハンドル８を通過するケトル２の中央垂直平面Ｐのいずれかの側に配置される。
【0093】
より具体的には、図１１および１２に示されるように、ケトル２は、
－ケトル２が転倒し、グリップハンドル８および容器４の第１の側面、すなわち右側が水平面上に安定して留まるとき、第１の蒸気吸入オリフィス３３は、内部容積５の水位の上に位置し、第２の蒸気吸入オリフィス３４は、内部容積５の水位の下に位置し、
－ケトル２が転倒し、グリップハンドル８および容器４の第２の側面、すなわち左側が水平面上に安定して留まるとき、第１の蒸気吸入オリフィス３３は、内部容積５の水位の下に位置し、第２の蒸気吸入オリフィス３４は、内部容積５の水位の上に位置するように、構成される。
－ケトル２が転倒し、グリップハンドル８および容器４の第１の側面、すなわち右側が水平面上に安定して留まるとき、第１の蒸気吸入オリフィス３３は、内部容積５の水位の上に位置し、第２の蒸気吸入オリフィス３４は、内部容積５の水位の下に位置し、
－ケトル２が転倒し、グリップハンドル８および容器４の第２の側面、すなわち左側が水平面上に安定して留まるとき、第１の蒸気吸入オリフィス３３は、内部容積５の水位の下に位置し、第２の蒸気吸入オリフィス３４は、内部容積５の水位の上に位置するように、構成される。
【0094】
より具体的には、図７および図９に示されるように、蒸気放出装置３１はまた、
－蓋１１によって画定された第１の蒸気流路３５であって、第１の蒸気流路３５は、第１の蒸気吸入オリフィス３３に流体接続された第１の蒸気流チャネル３６と、第１の蒸気流チャネル３６に流体接続され、第１の蒸気流チャネル３６の下流に位置する第１の拡張チャンバ３７とを備える第１の蒸気流路３５と、
－蓋１１によって画定された第２の蒸気流路３８であって、第２の蒸気流路３８は、第２の蒸気吸入オリフィス３４に流体接続された第２の蒸気流チャネル３９と、第２の蒸気流チャネル３９に流体接続され、第２の蒸気流チャネル３９の下流に位置する第２の拡張チャンバ４１とを備える、第２の蒸気流路３８と、を備える。
－蓋１１によって画定された第１の蒸気流路３５であって、第１の蒸気流路３５は、第１の蒸気吸入オリフィス３３に流体接続された第１の蒸気流チャネル３６と、第１の蒸気流チャネル３６に流体接続され、第１の蒸気流チャネル３６の下流に位置する第１の拡張チャンバ３７とを備える第１の蒸気流路３５と、
－蓋１１によって画定された第２の蒸気流路３８であって、第２の蒸気流路３８は、第２の蒸気吸入オリフィス３４に流体接続された第２の蒸気流チャネル３９と、第２の蒸気流チャネル３９に流体接続され、第２の蒸気流チャネル３９の下流に位置する第２の拡張チャンバ４１とを備える、第２の蒸気流路３８と、を備える。
【0095】
図９により具体的に示されるように、第１の蒸気流チャネル３６は、第１の蒸気吸入オリフィス３３が現れる第１の端部と、第１の拡張チャンバ３７内に現れる第２の端部とを含み、第２の蒸気流チャネル３９は、第２の蒸気吸入オリフィス３４が現れる第１の端部と、第２の拡張チャンバ４１内に現れる第２の端部とを含む。有利には、第１の蒸気吸入オリフィス３３は、第１の蒸気流チャネル３６の底壁に出現し、第２の蒸気吸入オリフィス３４は、第２の蒸気流チャネル３９の底壁に現れる。
【0096】
図に示される実施形態によれば、第１の蒸気流チャネル３６および第２の蒸気流チャネル３９は、直線状であり、蓋１１の後部の方向に互いに向かって収束し、例えば、容器４の中央長手方向軸Ａに対して注ぎ口９と実質的に反対である。有利には、第１の蒸気流チャネル３６は、第１の蒸気流チャネル３６の長さにわたって実質的に一定である流れ断面を有し、第２の蒸気流チャネル３９は、第２の蒸気流チャネルの長さにわたって実質的に一定である流れ断面を有する。
【0097】
図に示される実施形態によれば、第１の拡張チャンバ３７は、第１の蒸気流チャネル３６の内部容積の少なくとも３倍を超える内部容積を有し、第２の拡張チャンバ４１は、第２の蒸気流チャネル３９の内部容積の少なくとも３倍を超える内部容積を有する。有利には、第１の拡張チャンバ３７は、第１の蒸気流チャネル３６の最大流れ断面の少なくとも２倍を超える流れ断面を有する少なくとも１つのチャンバ部分を含み、第２の拡張チャンバ４１は、第２の蒸気流チャネル３９の最大流れ断面の少なくとも２倍を超える流れ断面を有する少なくとも１つのチャンバ部分を含む。
【0098】
より具体的には図９および図１１に示されるように、第１の拡張チャンバ３７は、ケトル２が転倒し、グリップハンドル８および容器４の第２の側面が水平面上に安定して留まるときに、第１の蒸気流路３５の高い点に位置するように構成された第１の出口開口４２を含み、第２の拡張チャンバ４１は、ケトル２が転倒し、グリップハンドル８および容器４の第１の側面が水平面上に安定して留まるときに、第２の蒸気流路３８の高い点に位置するように構成された第２の出口開口４３を含む。有利には、第１の出口開口４２は、第２の蒸気吸入オリフィス３４の近くに配置され、第２の出口開口４３は、第１の蒸気吸入オリフィス３３の近くに配置される。
【0099】
図に示される実施形態によれば、第１および第２の出口開口４２、４３は、蓋１１の前半分に位置し、ケトル２の中央垂直平面Ｐのいずれかの側に配置されるように構成される。
【0100】
蒸気放出装置３１は、蓋１１によって画定され、蓋１１の周辺縁部に沿って延びる蒸気出口チャネル４４をさらに備える。蒸気出口チャネル４４は、第１および第２の拡張チャンバ３７、４１に流体接続され、第１および第２の拡張チャンバ３７、４１の下流に配置される。図に示される実施形態によれば、第１の蒸気流路３５は、第１の拡張チャンバ３７を蒸気出口チャネル４４に流体接続するように構成された接続チャネル４５を含む。
【0101】
より具体的には図９に示されるように、第１および第２の蒸気流路３５、３８は、蓋１１の下面１３の周辺縁部に近接して配置された接合領域４６で接合され、蒸気出口チャネル４４は、接合領域４６で第１および第２の蒸気流路３５、３８に流体接続される。
【0102】
図に示される実施形態によれば、蓋１１は、下部蓋ケーシング１１．１および上部蓋ケーシング１１．２を含み、これらは互いに固定され、第１および第２の蒸気流路３５、３８および蒸気出口チャネル４４を画定する。蓋１１は、上部蓋ケーシング１１．２に固定された上部カバー１１．３をさらに含み、上部カバー１１．３および上部蓋ケーシング１１．２は、固定部材１５、戻り部材１８、および作動部材２２が少なくとも部分的に収容される内部ハウジング４７（図５を参照）を画定する。
【0103】
図に示される実施形態によれば、下部蓋ケーシング１１．１は、下部蓋ケーシング１１．１の上面から延び、第１および第２の蒸気流チャネル３６、３９、第１および第２の拡張チャンバ３７、４１、接続チャネル４５、および蒸気出口チャネル４４を部分的に画定する、分離壁とも呼ばれる複数のダム壁４８（図７を参照）を含む。上部蓋ケーシング１１．２は、上部蓋ケーシング１１．２の下面に設けられ、ダム壁４８の上部長手方向の端部が有利に密封されて受け入れられる複数の受け入れ溝４９（図６を参照）を含む。
【0104】
図に示される実施形態によれば、第１の蒸気流チャネル３６および第１の拡張チャンバ３７は、容器４が水平面に載っているときに水平に対して傾斜するように構成され、第１の蒸気流チャネル３６および第１の拡張チャンバ３７に含まれる水を第１の蒸気吸入オリフィス３３に誘導するように構成された底壁を含み、第２の蒸気流チャネル３９および第２の拡張チャンバ４１はまた、容器４が水平面に載っているときに水平に対して傾斜するように構成され、第２の蒸気流チャネル３９および第２の拡張チャンバ４１に含まれる水を第２の蒸気吸入オリフィス３４に誘導するように構成された底壁を含む。接続チャネル４５および蒸気出口チャネル４４はまた、容器４が水平面に載っているときに水平に対して傾斜するように構成され、接続チャネル４５および蒸気出口チャネル４４に含まれる水を第２の拡張チャンバ４１に誘導するように構成される底壁を含む。蓋１１に含まれる水の第１および第２の蒸気吸入オリフィス３３、３４の方向への流れ方向は、図９の矢印で表される。
【0105】
蒸気放出装置３１は、蓋１１上に設けられ、一方で蒸気出口チャネル４４内に現れ、他方で蓋１１の外周面内に現れる蒸気放出開口５１をさらに備える。蒸気放出開口５１は、蓋１１の外側に蓋１１に含まれる蒸気の放出を可能にするように構成される。
【0106】
図に示される実施形態によれば、ケトル２は、グリップハンドル８に配置されたバイメタル要素５２（図１０を参照）を含む電気機械的制御デバイスを含み、蒸気放出開口５１は、蒸気出口チャネル４４に含まれる蒸気をバイメタル要素５２に向かって導くように構成される。電気機械制御デバイスは、バイメタル要素５２上の蒸気流入がケトル２の加熱の停止をトリガするように、より具体的に構成される。
【0107】
有利には、蒸気放出開口５１は、蓋１１の後部に設けられ、容器４に設けられた通路開口５３（図２および１０を参照）に面して配置され、グリップハンドル８内に現れるように構成される。
【0108】
より具体的には、図２および図５に示されるように、ケトル２は、容器４上の蓋１１を固定するための独自の位置を画定するように構成された、フールプルーフデバイスとも呼ばれる角度割出しデバイスを含む。角度割出し装置は、例えば、容器４に設けられた割出しボスなどの少なくとも１つの割出し要素５４と、蓋１１に設けられ、少なくとも１つの割出し要素５４と協働するように構成された少なくとも１つの割出しハウジング５５とを含み得る。
【0109】
図に示されていない本発明の一実施形態によれば、バイメタル要素５２は、容器４の下部に配置することができる。そのような実施形態によれば、蒸気放出開口５１は、容器４に配置され、バイメタル要素５２に流体接続された蒸気チューブに流体接続されるように構成される。
【0110】
もちろん、本発明は、例としてのみ与えられた説明および例示された実施形態には決して限定されない。特に様々な要素の構成に関して、または技術的等価物で置換することによって、変更は依然として可能であるが、本発明の保護の範囲から逸脱することはない。
【0111】
本発明は、以下の実施形態を含む：
［構成１］
ケトル（２）であって、
容器（４）であって、前記容器（４）が水平面に載っているときに実質的に垂直に延びるように構成された中央長手方向軸（Ａ）を有し、前記容器（４）は、水を含むことを意図し、前記水が加熱されることを意図した内部容積（５）を画定する容器（４）と、
グリップハンドル（８）と、
前記容器（４）の前記中央長手方向軸（Ａ）に対して前記グリップハンドル（８）の反対側に配置されるように構成された注ぎ口（９）と、
前記容器（４）を閉じるように構成された蓋（１１）であって、前記蓋（１１）は、前記内部容積（５）に面して配置されるように構成された下面（１３）を備える蓋（１１）と、
前記内部容積（５）の外側に、前記内部容積（５）に含まれる前記水を沸騰させる間に前記内部容積（５）内で生成される蒸気を搬送するように構成された蒸気放出装置（３１）であって、前記蒸気放出装置（３１）は、前記蓋（１１）上に設けられ、前記蓋（１１）の前記下面（１３）内に現れる第１の蒸気吸入オリフィス（３３）および第２の蒸気吸入オリフィス（３４）を備え、前記第１および第２の蒸気吸入オリフィス（３３、３４）は、前記容器（４）によって画定された前記内部容積（５）に流体接続され、前記注ぎ口（９）および前記グリップハンドル（８）を通過する前記ケトル（２）の中央垂直平面（Ｐ）のいずれかの側に配置されるように構成される、蒸気放出装置（３１）と、
を備え、
前記蒸気放出装置（３１）が、
前記蓋（１１）によって画定された第１の蒸気流路（３５）であって、前記第１の蒸気流路（３５）は、前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）に流体接続された第１の蒸気流チャネル（３６）と、前記第１の蒸気流チャネル（３６）に流体接続され、前記第１の蒸気流チャネル（３６）の下流に位置する第１の拡張チャンバ（３７）とを備ええる第１の蒸気流路（３５）と、
前記蓋（１１）によって画定された第２の蒸気流路（３８）であって、前記第２の蒸気流路（３８）は、前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）に流体接続された第２の蒸気流チャネル（３９）と、前記第２の蒸気流チャネル（３９）に流体接続され、前記第２の蒸気流チャネル（３９）の下流に位置する第２の拡張チャンバ（４１）とを備える第２の蒸気流路（３８）と、
前記蓋（１１）上に設けられ、前記第１および第２の拡張チャンバ（３７、４１）に流体接続された少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）であって、前記少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）は、前記蓋（１１）の外側へと前記蓋（１１）に含まれる前記蒸気の放出を可能にするように構成される、少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）と、
をさらに備えることを特徴とする、ケトル（２）。
［構成２］
前記蒸気放出装置（３１）は、前記蓋（１１）によって画定された蒸気出口チャネル（４４）をさらに備え、前記蒸気出口チャネル（４４）は、前記第１および第２の拡張チャンバ（３７、４１）に流体接続され、前記第１および第２の拡張チャンバ（３７、４１）の下流に位置し、前記少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）は、前記蒸気出口チャネル（４４）に流体接続される、構成１に記載のケトル（２）。
［構成３］
前記第１および第２の蒸気流路（３５、３８）は、接合領域（４６）で連結され、前記蒸気出口チャネル（４４）は、前記接合領域（４６）で前記第１および第２の蒸気流路（３５、３８）に流体接続される、構成２に記載のケトル（２）。
［構成４］
前記第１の蒸気流路（３５）は、前記第１の拡張チャンバ（３７）を前記蒸気出口チャネル（４４）に流体接続するように構成された接続チャネル（４５）を含む、構成２または３に記載のケトル（２）。
［構成５］
前記第１および第２の蒸気流路（３６、３９）が、前記蓋（１１）の後部に向かって延びる、構成１から４のいずれか１項に記載のケトル（２）。
［構成６］
前記第１および第２の蒸気チャネル（３６、３９）のそれぞれが実質的に直線状である、構成１から５のいずれか１項に記載のケトル（２）。
［構成７］
前記第１の蒸気流チャネル（３６）および前記第１の拡張チャンバ（３７）は、前記容器（４）が水平面に載っているときに前記水平に対して傾斜するように構成され、前記第１の蒸気流チャネル（３６）および前記第１の拡張チャンバ（３７）に含まれる水を前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）に導くように構成された底壁を含み、前記第２の蒸気チャネル（３９）および前記第２の拡張チャンバ（４１）は、前記容器（４）が水平面に載っているときに前記水平に対して傾斜するように構成され、前記第２の蒸気流チャネル（３９）および前記第２の拡張チャンバ（４１）に含まれる水を前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）に導くように構成された底壁を含む、構成１から６のいずれか１項に記載のケトル（２）。
［構成８］
前記ケトル（２）が転倒し、前記グリップハンドル（８）および前記容器（４）の第１の側面が水平面上に安定して置かれるとき、前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）は、前記内部容積（５）の前記水位の上に位置し、前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）は、前記内部容積（５）の前記水位の下に位置し、前記ケトル（２）が転倒し、前記グリップハンドル（８）および前記容器（４）の第２の側面が水平面上に安定して置かれるとき、前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）は、前記内部容積（５）の前記水位の下に位置し、前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）は、前記内部容積（５）の前記水位の上に位置するように構成される、構成１から７のいずれか１項に記載のケトル（２）。
［構成９］
前記第１の拡張チャンバ（３７）は、前記ケトル（２）が転倒し、前記グリップハンドル（８）および前記容器（４）の前記第２の側面が水平面上に安定して置かれるときに、前記第１の蒸気流路（３５）の高い点に配置されるように構成された第１の出口開口（４２）を含み、前記第２の拡張チャンバ（４１）は、前記ケトル（２）が転倒し、前記グリップハンドル（８）および前記容器（４）の前記第１の側面が水平面上に安定して置かれるときに、前記第２の蒸気流路（３８）の高い点に配置されるように構成された第２の出口開口（４３）を含む、構成１から８のいずれか１項に記載のケトル（２）。
［請求項１０］
前記第１の出口開口（４２）は、前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）の近くに位置し、前記第２の出口開口（４３）は、前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）の近くに位置する、構成９に記載のケトル（２）。
［構成１１］
前記蓋（１１）は、互いに固定され、前記第１および第２の蒸気流路（３５、３８）を画定する下部蓋ケーシング（１１．１）および上部蓋ケーシング（１１．２）を含む、構成１から１０のいずれか１項に記載のケトル（２）。
［構成１２］
前記下蓋ケーシング（１１．１）は、前記下蓋ケーシング（１１．１）の上面から延びる複数のダム壁（４８）を含み、前記ダム壁（４８）は、前記第１および第２の蒸気流チャネル（３６、３９）ならびに前記第１および第２の拡張チャンバ（３７、４１）を部分的に区切る、構成１から１１のいずれか１項に記載のケトル（２）。
［構成１３］
バイメタル要素（５２）を含む電気機械的制御デバイスを含み、前記少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）は、前記蓋（１１）に含まれる前記蒸気を前記バイメタル要素（５２）に向けるように構成され、前記電気機械的制御デバイスは、前記バイメタル要素（５２）上の蒸気流入が前記ケトル（２）の前記加熱の停止をトリガするように構成される、構成１から１２のいずれか１項に記載のケトル（２）。
［構成１４］
前記蓋（１１）を前記容器（４）に取り外し可能に固定するように構成された固定装置をさらに含む、構成１から１３のいずれか一項に記載のケトル（２）。
［構成１５］
前記蓋（１１）は、前記内部容積（５）に含まれる水を前記注ぎ口（９）に向かって搬送するように構成された注ぎ通路（２４）を含み、前記ケトル（２）は、前記蓋（１１）上に、閉鎖器（２７）であって、前記閉鎖器（２７）が前記注ぎ通路（２４）を閉じ、前記注ぎ通路（２４）を通る水の流れを防止する閉鎖位置と、前記閉鎖器（２７）が前記注ぎ通路（２４）を解放し、前記注ぎ通路（２４）を通る水の流れを可能にする開放位置との間に移動可能に取り付けられた閉鎖器（２７）を備える、構成１から１４のいずれか１項に記載のケトル（２）。
［構成１］
ケトル（２）であって、
容器（４）であって、前記容器（４）が水平面に載っているときに実質的に垂直に延びるように構成された中央長手方向軸（Ａ）を有し、前記容器（４）は、水を含むことを意図し、前記水が加熱されることを意図した内部容積（５）を画定する容器（４）と、
グリップハンドル（８）と、
前記容器（４）の前記中央長手方向軸（Ａ）に対して前記グリップハンドル（８）の反対側に配置されるように構成された注ぎ口（９）と、
前記容器（４）を閉じるように構成された蓋（１１）であって、前記蓋（１１）は、前記内部容積（５）に面して配置されるように構成された下面（１３）を備える蓋（１１）と、
前記内部容積（５）の外側に、前記内部容積（５）に含まれる前記水を沸騰させる間に前記内部容積（５）内で生成される蒸気を搬送するように構成された蒸気放出装置（３１）であって、前記蒸気放出装置（３１）は、前記蓋（１１）上に設けられ、前記蓋（１１）の前記下面（１３）内に現れる第１の蒸気吸入オリフィス（３３）および第２の蒸気吸入オリフィス（３４）を備え、前記第１および第２の蒸気吸入オリフィス（３３、３４）は、前記容器（４）によって画定された前記内部容積（５）に流体接続され、前記注ぎ口（９）および前記グリップハンドル（８）を通過する前記ケトル（２）の中央垂直平面（Ｐ）のいずれかの側に配置されるように構成される、蒸気放出装置（３１）と、
を備え、
前記蒸気放出装置（３１）が、
前記蓋（１１）によって画定された第１の蒸気流路（３５）であって、前記第１の蒸気流路（３５）は、前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）に流体接続された第１の蒸気流チャネル（３６）と、前記第１の蒸気流チャネル（３６）に流体接続され、前記第１の蒸気流チャネル（３６）の下流に位置する第１の拡張チャンバ（３７）とを備ええる第１の蒸気流路（３５）と、
前記蓋（１１）によって画定された第２の蒸気流路（３８）であって、前記第２の蒸気流路（３８）は、前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）に流体接続された第２の蒸気流チャネル（３９）と、前記第２の蒸気流チャネル（３９）に流体接続され、前記第２の蒸気流チャネル（３９）の下流に位置する第２の拡張チャンバ（４１）とを備える第２の蒸気流路（３８）と、
前記蓋（１１）上に設けられ、前記第１および第２の拡張チャンバ（３７、４１）に流体接続された少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）であって、前記少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）は、前記蓋（１１）の外側へと前記蓋（１１）に含まれる前記蒸気の放出を可能にするように構成される、少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）と、
をさらに備えることを特徴とする、ケトル（２）。
［構成２］
前記蒸気放出装置（３１）は、前記蓋（１１）によって画定された蒸気出口チャネル（４４）をさらに備え、前記蒸気出口チャネル（４４）は、前記第１および第２の拡張チャンバ（３７、４１）に流体接続され、前記第１および第２の拡張チャンバ（３７、４１）の下流に位置し、前記少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）は、前記蒸気出口チャネル（４４）に流体接続される、構成１に記載のケトル（２）。
［構成３］
前記第１および第２の蒸気流路（３５、３８）は、接合領域（４６）で連結され、前記蒸気出口チャネル（４４）は、前記接合領域（４６）で前記第１および第２の蒸気流路（３５、３８）に流体接続される、構成２に記載のケトル（２）。
［構成４］
前記第１の蒸気流路（３５）は、前記第１の拡張チャンバ（３７）を前記蒸気出口チャネル（４４）に流体接続するように構成された接続チャネル（４５）を含む、構成２または３に記載のケトル（２）。
［構成５］
前記第１および第２の蒸気流路（３６、３９）が、前記蓋（１１）の後部に向かって延びる、構成１から４のいずれか１項に記載のケトル（２）。
［構成６］
前記第１および第２の蒸気チャネル（３６、３９）のそれぞれが実質的に直線状である、構成１から５のいずれか１項に記載のケトル（２）。
［構成７］
前記第１の蒸気流チャネル（３６）および前記第１の拡張チャンバ（３７）は、前記容器（４）が水平面に載っているときに前記水平に対して傾斜するように構成され、前記第１の蒸気流チャネル（３６）および前記第１の拡張チャンバ（３７）に含まれる水を前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）に導くように構成された底壁を含み、前記第２の蒸気チャネル（３９）および前記第２の拡張チャンバ（４１）は、前記容器（４）が水平面に載っているときに前記水平に対して傾斜するように構成され、前記第２の蒸気流チャネル（３９）および前記第２の拡張チャンバ（４１）に含まれる水を前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）に導くように構成された底壁を含む、構成１から６のいずれか１項に記載のケトル（２）。
［構成８］
前記ケトル（２）が転倒し、前記グリップハンドル（８）および前記容器（４）の第１の側面が水平面上に安定して置かれるとき、前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）は、前記内部容積（５）の前記水位の上に位置し、前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）は、前記内部容積（５）の前記水位の下に位置し、前記ケトル（２）が転倒し、前記グリップハンドル（８）および前記容器（４）の第２の側面が水平面上に安定して置かれるとき、前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）は、前記内部容積（５）の前記水位の下に位置し、前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）は、前記内部容積（５）の前記水位の上に位置するように構成される、構成１から７のいずれか１項に記載のケトル（２）。
［構成９］
前記第１の拡張チャンバ（３７）は、前記ケトル（２）が転倒し、前記グリップハンドル（８）および前記容器（４）の前記第２の側面が水平面上に安定して置かれるときに、前記第１の蒸気流路（３５）の高い点に配置されるように構成された第１の出口開口（４２）を含み、前記第２の拡張チャンバ（４１）は、前記ケトル（２）が転倒し、前記グリップハンドル（８）および前記容器（４）の前記第１の側面が水平面上に安定して置かれるときに、前記第２の蒸気流路（３８）の高い点に配置されるように構成された第２の出口開口（４３）を含む、構成１から８のいずれか１項に記載のケトル（２）。
［請求項１０］
前記第１の出口開口（４２）は、前記第２の蒸気吸入オリフィス（３４）の近くに位置し、前記第２の出口開口（４３）は、前記第１の蒸気吸入オリフィス（３３）の近くに位置する、構成９に記載のケトル（２）。
［構成１１］
前記蓋（１１）は、互いに固定され、前記第１および第２の蒸気流路（３５、３８）を画定する下部蓋ケーシング（１１．１）および上部蓋ケーシング（１１．２）を含む、構成１から１０のいずれか１項に記載のケトル（２）。
［構成１２］
前記下蓋ケーシング（１１．１）は、前記下蓋ケーシング（１１．１）の上面から延びる複数のダム壁（４８）を含み、前記ダム壁（４８）は、前記第１および第２の蒸気流チャネル（３６、３９）ならびに前記第１および第２の拡張チャンバ（３７、４１）を部分的に区切る、構成１から１１のいずれか１項に記載のケトル（２）。
［構成１３］
バイメタル要素（５２）を含む電気機械的制御デバイスを含み、前記少なくとも１つの蒸気放出開口（５１）は、前記蓋（１１）に含まれる前記蒸気を前記バイメタル要素（５２）に向けるように構成され、前記電気機械的制御デバイスは、前記バイメタル要素（５２）上の蒸気流入が前記ケトル（２）の前記加熱の停止をトリガするように構成される、構成１から１２のいずれか１項に記載のケトル（２）。
［構成１４］
前記蓋（１１）を前記容器（４）に取り外し可能に固定するように構成された固定装置をさらに含む、構成１から１３のいずれか一項に記載のケトル（２）。
［構成１５］
前記蓋（１１）は、前記内部容積（５）に含まれる水を前記注ぎ口（９）に向かって搬送するように構成された注ぎ通路（２４）を含み、前記ケトル（２）は、前記蓋（１１）上に、閉鎖器（２７）であって、前記閉鎖器（２７）が前記注ぎ通路（２４）を閉じ、前記注ぎ通路（２４）を通る水の流れを防止する閉鎖位置と、前記閉鎖器（２７）が前記注ぎ通路（２４）を解放し、前記注ぎ通路（２４）を通る水の流れを可能にする開放位置との間に移動可能に取り付けられた閉鎖器（２７）を備える、構成１から１４のいずれか１項に記載のケトル（２）。
【外国語明細書】