(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097940
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】ケアマネジメント支援方法、情報処理装置、システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20240101AFI20240711BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024077366
(22)【出願日】2024-05-10
(62)【分割の表示】P 2023537209の分割
【原出願日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】P 2022032934
(32)【優先日】2022-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519441774
【氏名又は名称】SOMPOケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(72)【発明者】
【氏名】宮形 洋平
(72)【発明者】
【氏名】福島 慶子
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 雅樹
(57)【要約】
【課題】介護支援に関する技術を改善する。
【解決手段】情報処理装置が実行するケアマネジメント支援方法であって、所定の介護度が設定された要介護者に係るケアの予定に関するスケジュールを取得することと、前記所定の介護度に係る情報に含まれる基準時間と前記予定に関する前記スケジュールに含まれる総時間とに基づき、介護度の区変検討に係るサジェストを提示するか否かを判定することと、前記サジェストを提示すると判定した場合に当該サジェストを提示することと、を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が実行するケアマネジメント支援方法であって、
所定の介護度が設定された要介護者に係るケアの予定に関するスケジュールを取得することと、
前記所定の介護度に係る情報に含まれる基準時間と前記予定に関する前記スケジュールに含まれる総時間とに基づき、介護度の区変検討に係るサジェストを提示するか否かを判定することと、
前記サジェストを提示すると判定した場合に当該サジェストを提示することと、を含むケアマネジメント支援方法。
【請求項2】
請求項1に記載のケアマネジメント支援方法であって、
前記基準時間は、前記要介護者に設定された前記所定の介護度よりも高い介護度に対応する基準援助時間を含み、
前記サジェストは、前記予定に関する前記スケジュールに含まれる前記総時間が前記基準援助時間以上であると判定された場合に提示される、ケアマネジメント支援方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のケアマネジメント支援方法であって、
前記要介護者に係るケアの実績情報を取得すること、を更に含む、ケアマネジメント支援方法。
【請求項4】
請求項3に記載のケアマネジメント支援方法であって、
前記予定に関する前記スケジュールと前記実績情報とに基づき、実施率に係る警告、非定時率に係る警告、空振り率に係る警告、及び辞退率に係る警告の少なくともいずれかひとつを前記サジェストに含ませるか否かを判定することと、を更に含む、ケアマネジメント支援方法。
【請求項5】
請求項1に記載のケアマネジメント支援方法であって、
前記スケジュールは所定ケアに係る予定を含み、前記所定ケアは排泄、移動、飲水、服薬、整容清潔、家事、入浴に係るケアの少なくともいずれかを含む、ケアマネジメント支援方法。
【請求項6】
請求項3に記載のケアマネジメント支援方法であって、
前記実績情報は、所定ケアに係る実績を含み、前記サジェストは、前記所定ケアに係る警告を含む、ケアマネジメント支援方法。
【請求項7】
請求項1に記載のケアマネジメント支援方法であって、さらに
前記サジェストに対応したアクションに係るステータスを提示する、ケアマネジメント支援方法。
【請求項8】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
所定の介護度が設定された要介護者に係るケアの予定に関するスケジュールを取得し、
前記所定の介護度に係る情報に含まれる基準時間と前記予定に関する前記スケジュールに含まれる総時間とに基づき、介護度の区変検討に係るサジェストを提示するか否かを判定し、
前記サジェストを提示すると判定した場合に当該サジェストを提示する、情報処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理装置と、端末装置とを含むシステムであって、
前記端末装置は、前記要介護者に対する介護の実績情報を前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置は、前記端末装置から前記実績情報を受信することにより前記実績情報を取得するシステム。
【請求項10】
コンピュータに、
所定の介護度が設定された要介護者に係るケアの予定に関するスケジュールを取得することと、
前記所定の介護度に係る情報に含まれる基準時間と前記予定に関する前記スケジュールに含まれる総時間とに基づき、介護度の区変検討に係るサジェストを提示するか否かを判定することと、
前記サジェストを提示すると判定した場合に、当該サジェストを提示することと、を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ケアマネジメント支援方法、情報処理装置、システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、介護支援に関する技術が知られている。例えば特許文献1には、対象者に対する介護訪問の計画のスケジュールに変更が必要となった場合であっても変更の影響を最小限に抑え、より効率的な訪問を行うことを可能とする訪問計画装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術は介護訪問におけるスケジュール変更による効率化に関する技術であるが、介護のスケジュールを含むケアマネジメントサイクル全般の改善については特に考慮されていなかった。すなわち介護支援に関する技術には改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、介護支援に関する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係るケアマネジメント支援方法は、情報処理装置が実行するケアマネジメント支援方法であって、
所定の介護度が設定された要介護者に係るケアの予定に関するスケジュールを取得することと、
前記所定の介護度に係る情報に含まれる基準時間と前記予定に関する前記スケジュールに含まれる総時間とに基づき、介護度の区変検討に係るサジェストを提示するか否かを判定することと、
前記サジェストを提示すると判定した場合に当該サジェストを提示することと、を含む。
【0007】
また本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
所定の介護度が設定された要介護者に係るケアの予定に関するスケジュールを取得し、
前記所定の介護度に係る情報に含まれる基準時間と前記予定に関する前記スケジュールに含まれる総時間とに基づき、介護度の区変検討に係るサジェストを提示するか否かを判定し、
前記サジェストを提示すると判定した場合に当該サジェストを提示する。
【0008】
また本開示の一実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、
所定の介護度が設定された要介護者に係るケアの予定に関するスケジュールを取得することと、
前記所定の介護度に係る情報に含まれる基準時間と前記予定に関する前記スケジュールに含まれる総時間とに基づき、介護度の区変検討に係るサジェストを提示するか否かを判定することと、
前記サジェストを提示すると判定した場合に、当該サジェストを提示することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、介護支援に関する技術を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】端末装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】サジェスト内容の決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】所定ケアに係るサジェスト内容の決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】端末装置により出力されるユーザインターフェースの一例を示す図である。
【
図9】端末装置により出力されるユーザインターフェースの別の一例を示す図である。
【
図10】端末装置により出力されるユーザインターフェースの一例を示す図である。
【
図11】端末装置により出力されるユーザインターフェースの一例を示す図である。
【
図12】端末装置により出力されるユーザインターフェースの一例を示す図である。
【
図13】端末装置により出力されるユーザインターフェースの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態に係るケアマネジメント支援システム1について、図面を参照して説明する。
【0012】
各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0013】
図1を参照して、本実施形態に係るケアマネジメント支援システム1の概要及び構成を説明する。
【0014】
本実施形態に係るケアマネジメント支援システム1は、複数の端末装置10と、情報処理装置20と、を備える。複数の端末装置10と、情報処理装置20とは、例えば移動体通信網及びインターネット等を含むネットワーク30と通信可能に接続されている。
【0015】
複数の端末装置10は、各ユーザ(例えば、介護福祉士、介護士、ケアマネージャー、看護師等)によって使用される任意の装置である。例えばスマートフォン若しくはタブレット端末等の汎用の電子機器、又は専用の電子機器が、端末装置10として採用可能である。なお
図1においてケアマネジメント支援システム1が備える端末装置10が3台である例を示しているが、これに限られない。ケアマネジメント支援システム1は、3台未満の端末装置10を備えてもよく、4台以上の端末装置10を備えてもよい。
【0016】
情報処理装置20は、例えばデータセンタ等に設置されるサーバ装置である。例えば情報処理装置20は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバである。情報処理装置20は、ネットワーク30を介して端末装置10と通信可能である。なお
図1においてケアマネジメント支援システム1が備える情報処理装置20が1台である例を示しているが、これに限られない。ケアマネジメント支援システム1は、2台以上の情報処理装置20を備えてもよい。
【0017】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。情報処理装置20は、要介護者に対する介護度に係る情報と、要介護者に対する介護(以下、ケアともいう。)のスケジュールとを取得する。また情報処理装置20はケアの実績情報を介護データベースから取得する。なお本実施形態において要介護者とは、日常生活において介護又は支援を必要とする者である。
【0018】
さらに情報処理装置20は、介護度に係る情報と、スケジュールと、ケアの実績情報とに基づき、要介護者に係るサジェストを提示する。サジェストは、要介護者に関するケアマネジメントにおける改善提案、警告を含む。例えばサジェストは要介護者に設定された介護度の区分を変更することの提案(以下、区変検討という)等を含む。情報処理装置20は、当該サジェストを管理者等のユーザに提示する。
【0019】
このように、本実施形態によれば、情報処理装置20が、介護度に係る情報と、スケジュールと、ケアの実績情報とに基づき、要介護者に係るサジェストを提示する。つまり本実施形態によれば、ケアマネジメントサイクルに係る改善提案が介護度に係る情報、スケジュール、及び実績情報を総合して決定されるという点で、介護支援に関する技術が改善される。
【0020】
次に、ケアマネジメント支援システム1の各構成について詳細に説明する。
【0021】
(端末装置の構成)
図2に示されるように、端末装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、入力部14と、出力部15とを備える。
【0022】
制御部11には、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサは、CPU(central processing unit)若しくはGPU(graphics processing unit)などの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA(field-programmable gate array)又はASIC(application specific integrated circuit)である。制御部11は、端末装置10の各部を制御しながら、端末装置10の動作に関わる処理を実行する。
【0023】
記憶部12には、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれる。半導体メモリは、例えば、RAM(random access memory)又はROM(read only memory)である。RAMは、例えば、SRAM(static random access memory)又はDRAM(dynamic random access memory)である。ROMは、例えば、EEPROM(electrically erasable programmable read only memory)である。記憶部12は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部12には、端末装置10の動作に用いられるデータと、端末装置10の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0024】
通信部13には、少なくとも1つの外部通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、有線通信又は無線通信のいずれのインタフェースであってよい。有線通信の場合、通信用インタフェースは例えばLAN(Local Area Network)インタフェース、USB(Universal Serial Bus)である。無線通信の場合、通信用インタフェースは例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th generation)、若しくは5G(5th generation)などの移動通信規格に対応したインタフェース、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信に対応したインタフェースである。通信部13は端末装置10の動作に用いられるデータを受信し、また端末装置10の動作によって得られるデータを送信する。
【0025】
入力部14には、少なくとも1つの入力用インタフェースが含まれる。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーンである。また入力用インタフェースは、例えば、音声入力を受け付けるマイクロフォン、又はジェスチャー入力を受け付けるカメラ等であってもよい。入力部14は、端末装置10の動作に用いられるデータを入力する操作を受け付ける。入力部14は、端末装置10に備えられる代わりに、外部の入力機器として端末装置10に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、又はBluetooth(登録商標)などの任意の方式を用いることができる。
【0026】
出力部15には、少なくとも1つの出力用インタフェースが含まれる。出力用インタフェースは、例えば、情報を映像で出力するディスプレイ、又は情報を音声で出力するスピーカ等である。ディスプレイは、例えば、LCD(liquid crystal display)又は有機EL(electro luminescence)ディスプレイである。出力部15は、端末装置10の動作によって得られるデータを表示出力する。出力部15は、端末装置10に備えられる代わりに、外部の出力機器として端末装置10に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの任意の方式を用いることができる。
【0027】
端末装置10の機能は、本実施形態に係るプログラムを、端末装置10に相当するプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、端末装置10の機能は、ソフトウェアにより実現される。プログラムは、端末装置10の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを端末装置10として機能させる。すなわち、コンピュータは、プログラムに従って端末装置10の動作を実行することにより端末装置10として機能する。
【0028】
本実施形態においてプログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体を含み、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(digital versatile disc)又はCD-ROM(compact disc read only memory)などの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。またプログラムの流通は、プログラムを外部サーバのストレージに格納しておき、外部サーバから他のコンピュータにプログラムを送信することにより行ってもよい。またプログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0029】
端末装置10の一部又は全ての機能が、制御部11に相当する専用回路により実現されてもよい。すなわち、端末装置10の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0030】
(情報処理装置の構成)
【0031】
図3に示されるように、情報処理装置20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23とを備える。
【0032】
制御部21には、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御部21は、情報処理装置20の各部を制御しながら、情報処理装置20の動作に関わる処理を実行する。
【0033】
記憶部22には、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれる。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部22は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22には、情報処理装置20の動作に用いられるデータと、情報処理装置20の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0034】
本実施形態において記憶部22は、介護データベース220を記憶する。
図4に介護データベース220の一例を示す。例えば介護データベース220は、要介護者ID、介護度に係る情報、短期目標に係る情報、スケジュール、実績情報を含む。
【0035】
要介護者IDは、要介護者を一意に識別する情報である。例えば要介護者IDは、介護施設又は高齢者施設等の入居施設の入居者に付与された番号又は記号等であってもよい。なお本実施形態において要介護者は、入居施設の入居者である例について説明するが、要介護者はこれに限られない。例えば要介護者は、訪問介護を受ける者であってもよい。
【0036】
介護度に係る情報は、介護度により定められる情報である。介護度とは日常生活の中でどの程度の介護又は支援が必要であるかを示す指標である。本実施形態において介護度は、介護度1~5、及び要支援1~2の7段階で評価され得る。各要介護者に対する介護度は、各要介護者に対するアセスメントに基づきそれぞれ所定の介護度が設定される。介護度に係る情報は、このようにして設定された所定の介護度に基づき定まる情報である。例えば介護度に係る情報は、第1基準時間を含んでもよい。第1基準時間とは、所定の介護度よりも1段階高い介護度に対応する基準援助時間である。また例えば介護度に係る情報は、第2基準時間を含んでもよい。第2基準時間とは、所定の介護度に対応する基準援助時間である。また例えば介護度に係る情報は、第3基準時間を含んでもよい。第3基準時間とは、所定の介護度において、所定のケア(以下、所定ケアともいう。)のそれぞれに対する各基準援助時間である。所定ケアは、排泄、移動、飲水、服薬、整容清潔、家事、入浴に係るケアを含む。本実施形態において、介護度に係る情報は第1基準時間、第2基準時間、及び第3基準時間を含むものとして説明する。
【0037】
短期目標に係る情報は、短期目標の内容及び終了日の情報を含む。短期目標は要介護者毎に、ケアプランに基づき設定された具体的な目標である。短期目標の終了日は、当該短期目標を達成する期日である。
【0038】
スケジュールは、所定期間におけるそれぞれの要介護者に対して設定されたケアの予定に関する情報である。所定期間は例えば2週間である。スケジュールは、例えば今後2週間において実施予定のケアの種別、内容、ケアの件数、ケアの実施予定日時の情報を含む。かかるスケジュールは、要介護者の介護度に応じたケアの標準回数等に基づいて定める。またかかるスケジュールは、要介護者に対する過去のケアの実績、要介護者等からの要望に基づき適宜調整される。
【0039】
実績情報は、所定期間において各要介護者に対して実施されたケアの実績に係る任意の情報である。所定期間は例えば2週間である。ここで実績情報は、予めスケジュールにおいて予定されて実施されたケアの実績の他に、予めスケジュールにおいて予定されていなかった介護の実績(以下、非定時ケアともいう)の情報を含む。つまり非定時ケアは、元来スケジュールには予定されていなかったケアである。例えば非定時ケアは、緊急的に行った排泄ケア等を含む。
【0040】
介護データベース220の少なくとも一部のデータは、複数の端末装置10又は情報処理装置20へのユーザ入力に基づき作成又は編集される。なお介護データベース220の少なくとも一部のデータは、要介護者が保持するウェアラブルデバイス等の計測装置により自動的に作成又は編集されてもよい。
【0041】
通信部23には、少なくとも1つの外部通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、有線通信又は無線通信のいずれのインタフェースであってよい。有線通信の場合、通信用インタフェースは例えばLANインタフェース、USBである。無線通信の場合、通信用インタフェースは例えば、LTE、4G、若しくは5Gなどの移動通信規格に対応したインタフェース、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信に対応したインタフェースである。通信部23は、情報処理装置20の動作に用いられるデータを受信し、また情報処理装置20の動作によって得られるデータを送信する。
【0042】
情報処理装置20の機能は、本実施形態に係るプログラムを、制御部21に相当するプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、情報処理装置20の機能は、ソフトウェアにより実現される。プログラムは、情報処理装置20の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを情報処理装置20として機能させる。すなわち、コンピュータは、プログラムに従って情報処理装置20の動作を実行することにより情報処理装置20として機能する。
【0043】
本実施形態においてコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから送信されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、外部サーバからプログラムを受信する度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。外部サーバからコンピュータへのプログラムの送信は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP(application service provider)型のサービスによって処理を実行してもよい。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0044】
情報処理装置20の一部又は全ての機能が、制御部21に相当する専用回路により実現されてもよい。すなわち、情報処理装置20の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0045】
(情報処理装置の動作)
図5を参照して、本実施形態に係る情報処理装置20の動作について説明する。
図5は本実施形態に係る情報処理装置20が実行する方法の一例を示すフローチャートである。
【0046】
ステップS100:情報処理装置20の制御部21は、各要介護者の介護度に係る情報と、各要介護者に対するケアのスケジュールとを介護データベース220から取得する。
【0047】
ステップS200:制御部21は、各要介護者に対するケアの実績情報を介護データベース220から取得する。
【0048】
ステップS300:制御部21は、介護度に係る情報と、スケジュールと、要介護者に対するケアの実績情報とに基づき、ユーザに提示するサジェストを決定する。
【0049】
ステップS400:制御部21は、ステップS300にて決定したサジェストの内容を提示する。つまり制御部21は、介護度に係る情報と、スケジュールと、要介護者に対する介護の実績情報とに基づき、要介護者に係るサジェストを提示する。
【0050】
要介護者に係るサジェストの内容の決定は種々の方法を取り得る。
図6は、サジェスト内容の決定処理の一例を示すフローチャートである。
【0051】
ステップS301:情報処理装置20の制御部21は、介護のスケジュールの総時間が、第1基準時間以上であるか否かを判定する。介護のスケジュールの総時間が第1基準時間以上である場合、プロセスはステップS302に進む。他方で介護のスケジュールの総時間が第1基準時間未満である場合、プロセスはステップS309に進む。
【0052】
ステップS302:制御部21は、実施率が第1閾値以上であるか否かを判定する。実施率は、実績情報に基づくケアの総件数とスケジュール件数との比率により定められる指標である。つまり実施率はスケジュールされたケアが実際に実施された割合を示す。例えば実施率は以下の式(1)により定められる。
【0053】
【0054】
なお実施率の定め方はこれに限られない。例えば式(1)では件数の比率により実施率を定めているが、実施情報に基づくケアの総時間と、スケジュールに基づくケアの総時間との比率により実施率を定めてもよい。
【0055】
実施率が第1閾値以上である場合、プロセスはステップS303に進む。他方で実施率が第1閾値未満である場合、プロセスはステップS306に進む。
【0056】
ステップS303:制御部21は、非定時率が第2閾値以上であるか否かを判定する。非定時率は、実績情報に基づくケアの総件数のうち非定時ケアの総件数とスケジュール件数との比率により定められる指標である。つまり非定時率はスケジュールされたケアの件数に対して、突発的又は緊急的なケアがどの程度占めるかを示す指標である。例えば非定時率は以下の式(2)により定められる。
【0057】
【0058】
なお非定時率の定め方はこれに限られない。例えば式(2)では件数の比率により非定時率を定めているが、実施情報に基づく非定時ケアの総時間と、スケジュールに基づくケアの総時間との比率により非定時率を定めてもよい。
【0059】
非定時率が第2閾値以上である場合、プロセスはステップS304に進む。他方で非定時率が第2閾値未満である場合、プロセスはステップS305に進む。
【0060】
ステップS304:制御部21は、区変検討及び非定時率が基準以上であることの警告をサジェストとして決定する。
【0061】
ステップS305:ステップS303において非定時率が第2閾値未満である場合、制御部21は、区変検討をサジェストとして決定する。
【0062】
ステップS306:ステップS302において実施率が第1閾値未満である場合、制御部21は、非定時率が第2閾値以上であるか否かを判定する。非定時率が第2閾値以上である場合、プロセスはステップS307に進む。他方で非定時率が第2閾値未満である場合、プロセスはステップS308に進む。
【0063】
ステップS307:制御部21は、実施率が基準未満であることの警告及び非定時率が基準以上であることの警告をサジェストとして決定する。
【0064】
ステップS308:ステップS306において非定時率が第2閾値未満である場合、制御部21は、実施率が基準未満であることの警告をサジェストとして決定する。
【0065】
ステップS309:ステップS301においてケアのスケジュールの総時間が第1基準時間未満である場合、制御部21は、ケアの実施率が第1閾値以上であるか否かを判定する。実施率が第1閾値以上である場合、プロセスはステップS310に進む。他方で実施率が第1閾値未満である場合、プロセスはステップS313に進む。
【0066】
ステップS310:制御部21は、非定時率が第2閾値以上であるか否かを判定する。非定時率が第2閾値以上である場合、プロセスはステップS311に進む。他方で非定時率が第2閾値未満である場合、プロセスはステップS312に進む。
【0067】
ステップS311:制御部21は、非定時率が基準以上であることの警告をサジェストとして決定する。
【0068】
ステップS312:ステップS310において非定時率が第2閾値未満である場合、制御部21は、Nullをサジェストとして決定する。つまりこの場合、第1基準時間、実施率、及び非定時率のいずれも基準を満たしているため警告等を特段行わないことになる。
【0069】
ステップS313:ステップS309において実施率が第1閾値未満である場合、制御部21は、非定時率が第2閾値以上であるか否かを判定する。非定時率が第2閾値以上である場合、プロセスはステップS314に進む。他方で非定時率が第2閾値未満である場合、プロセスはステップS315に進む。
【0070】
ステップS314:制御部21は、実施率が基準未満であることの警告及び非定時率が基準以上であることの警告をサジェストとして決定する。
【0071】
ステップS315:ステップS313において非定時率が第2閾値未満である場合、制御部21は、実施率が基準未満であることの警告をサジェストとして決定する。
【0072】
図6のサジェストの内容の決定処理において、情報処理装置20の制御部21は、各所定ケアに係るサジェストの内容を決定してもよい。
図7は、各所定ケアに係るサジェスト内容の決定処理の一例を示すフローチャートである。
【0073】
ステップS321:情報処理装置20の制御部21は、所定ケアのスケジュールの総時間が、第3基準時間以上であるか否かを判定する。所定ケアのスケジュールの総時間が第3基準時間以上である場合、プロセスはステップS322に進む。他方で所定ケアのスケジュールの総時間が第3基準時間未満である場合、プロセスはステップS329に進む。
【0074】
ステップS322:制御部21は、所定ケアの実施率が第3閾値以上であるか否かを判定する。なお第3閾値は、第1閾値と同一であってもよく、異なっていてもよい。所定ケアの実施率は、実績情報に基づく所定ケアの総件数と、所定ケアに係るスケジュール件数との比率により定められる指標である。つまり所定ケアの実施率は、スケジュールされた所定ケアが実際に実施された割合を示す。例えば所定ケアの実施率は以下の式(3)により定められる。
【0075】
【0076】
なお所定ケアの実施率の定め方はこれに限られない。例えば式(3)では件数の比率により所定ケアの実施率を定めているが、実施情報に基づく所定ケアの総時間と、スケジュールに基づく所定ケアの総時間との比率により所定ケアの実施率を定めてもよい。
【0077】
所定ケアの実施率が第3閾値以上である場合、プロセスはステップS323に進む。他方で所定ケアの実施率が第3閾値未満である場合、プロセスはステップS326に進む。
【0078】
ステップS323:制御部21は、所定ケアの非定時率が第4閾値以上であるか否かを判定する。なお第4閾値は、第2閾値と同一であってもよく、異なっていてもよい。所定ケアの非定時率は、実績情報に基づく所定ケアの総件数のうち非定時で生じた所定ケアの総件数と、スケジュール件数との比率により定められる指標である。つまり非定時率は、スケジュールされた所定ケアの件数に対して、突発的・緊急的な所定ケアがどの程度占めるかを示す指標である。例えば所定ケアの非定時率は以下の式(4)により定められる。
【0079】
【0080】
なお所定ケアの非定時率の定め方はこれに限られない。例えば式(4)では件数の比率により非定時率を定めているが、実施情報に基づく非定時で生じた所定ケアの総時間と、スケジュールに基づく所定ケアの総時間との比率により所定ケアの非定時率を定めてもよい。
【0081】
所定ケアの非定時率が第4閾値以上である場合、プロセスはステップS324に進む。他方で所定ケアの非定時率が第4閾値未満である場合、プロセスはステップS325に進む。
【0082】
ステップS324:制御部21は、所定ケアが基準時間以上であること及び非定時率が基準以上であることの警告をサジェストとして決定する。
【0083】
ステップS325:ステップS323において非定時率が第4閾値未満である場合、制御部21は、所定ケアが基準時間以上であることの警告をサジェストとして決定する。
【0084】
ステップS326:ステップS322において所定ケアの実施率が第3閾値未満である場合、制御部21は、所定ケアの非定時率が第4閾値以上であるか否かを判定する。所定ケアの非定時率が第4閾値以上である場合、プロセスはステップS327に進む。他方で所定ケアの非定時率が第4閾値未満である場合、プロセスはステップS328に進む。
【0085】
ステップS327:制御部21は、所定ケアの実施率が基準未満であることの警告及び所定ケアの非定時率が基準以上であることの警告をサジェストとして決定する。
【0086】
ステップS328:ステップS326において非定時率が第4閾値未満である場合、制御部21は、所定ケアの実施率が基準未満であることの警告をサジェストとして決定する。
【0087】
ステップS329:ステップS321において所定ケアのスケジュールの総時間が第3基準時間未満である場合、制御部21は、所定ケアの実施率が第3閾値以上であるか否かを判定する。所定ケアの実施率が第3閾値以上である場合、プロセスはステップS330に進む。他方で所定ケアの実施率が第3閾値未満である場合、プロセスはステップS333進む。
【0088】
ステップS330:制御部21は、所定ケアの非定時率が第4閾値以上であるか否かを判定する。所定ケアの非定時率が第4閾値以上である場合、プロセスはステップS331に進む。他方で所定ケアの非定時率が第4閾値未満である場合、プロセスはステップS332に進む。
【0089】
ステップS331:制御部21は、所定ケアの非定時率が基準以上であることの警告をサジェストとして決定する。
【0090】
ステップS332:ステップS330において非定時率が第4閾値未満である場合、制御部21は、Nullをサジェストとして決定する。つまりこの場合、第3基準時間、所定ケアの実施率、及び所定ケアの非定時率のいずれも基準を満たしているため特段警告等を行わないことになる。
【0091】
ステップS333:ステップS329において所定ケアの実施率が第3閾値未満である場合、制御部21は、所定ケアの非定時率が第4閾値以上であるか否かを判定する。所定ケアの非定時率が第4閾値以上である場合、プロセスはステップS334に進む。他方で所定ケアの非定時率が第4閾値未満である場合、プロセスはステップS335に進む。
【0092】
ステップS334:制御部21は、所定ケアの実施率が基準未満であることの警告及び所定ケアの非定時率が基準以上であることの警告をサジェストとして決定する。
【0093】
ステップS335:ステップS333において非定時率が第4閾値未満である場合、制御部21は、所定ケアの実施率が基準未満であることの警告をサジェストとして決定する。
【0094】
ここでステップS400におけるサジェストの提示には、任意の手法が採用可能である。本実施形態では、サジェストを含むユーザインターフェースによりサジェストを視覚的に提示する例について説明する。かかるユーザインターフェースは、情報処理装置20又はウェブサーバに、端末装置10がブラウザソフトを介してアクセスすることにより提供されてもよい。あるいはケアマネジメント支援システム1に係るアプリケーションが端末装置10にインストールされており、端末装置10が当該アプリケーションを介して、情報処理装置20又はアプリサーバと適宜通信することにより、ユーザインターフェースが提供されてもよい。なおこの場合、端末装置10と情報処理装置20、又は端末装置10とウェブサーバとにより、適宜、ユーザに係る認証処理等が行われてもよい。
【0095】
図8は、端末装置10の出力部15により表示されるユーザインターフェースの一例である。
図8は、一例としてある入居者施設のユーザに提供されるユーザインターフェース400が示されている。
図8に示されるようにユーザインターフェース400は、オブジェクト410、グラフ420、及びテーブル430を含む。オブジェクト410は、ユーザの入力に基づくフィルタ機能を提供するオブジェクトである。グラフ420は、複数の要介護者に係る情報を示す。テーブル430は、各要介護者に対するサジェストを含む各種情報を示す。
【0096】
オブジェクト410は、オブジェクト411~415を含む。オブジェクト411は、期間に基づくフィルタリング機能を提供する。一例として
図8に示すオブジェクト411は、選択フィールド、トグルスイッチ、及び入力フィールドを含む。ユーザはオブジェクト411を操作することにより、グラフ420に表示される統計情報の期間を、日数、週数、月数等により指定可能である。またユーザは、期間の開始日付、終了日付をオブジェクト411の入力フィールドに入力等することにより、期間の始期及び終期を指定可能である。ここで
図8ではオブジェクト411は未入力状態であり期間が指定されていない。オブジェクト411により期間が指定されていない場合、デフォルトの期間の情報が表示される。デフォルトの期間は、例えば直近2週間の期間である。
図8のグラフ420は、2021年11月22日から2週間後までの期間における情報を示している。
【0097】
オブジェクト412は、サジェスト内容に基づくフィルタリング機能を提供する。一例として
図8に示すオブジェクト412は、サジェスト内容毎のチェックボックス、及びサジェスト内容毎の棒グラフのオブジェクト413とを含む。ユーザはオブジェクト412を操作することにより、テーブル430に表示される要介護者に係る情報を、特定のサジェスト内容が対応付けられているもののみにフィルタリングすることができる。ここで
図8では、「区変検討」が選択されている。この場合、テーブル430に表示される情報は、サジェスト内容に「区変検討」を含むもののみに限定される。オブジェクト413は、各サジェスト内容の件数を示す。ユーザはオブジェクト413を確認することで、各サジェスト内容の件数を容易に比較することができる。
【0098】
オブジェクト414は、所定ケアに係るサジェスト内容によるフィルタリング機能を提供する。一例として
図8に示すオブジェクト414は、サジェスト内容毎のチェックボックス、及びサジェスト内容毎の棒グラフのオブジェクト415とを含む。ユーザはオブジェクト414を操作することにより、テーブル430に表示される要介護者に係る情報を、所定ケアに係る特定のサジェスト内容が対応付けられているもののみにフィルタリングすることができる。ここで
図8では、いずれのチェックボックスも選択されていない。この場合、テーブル430に表示される情報は、所定ケアに係るサジェスト内容に基づいてはフィルタリングされず、全件表示される。オブジェクト415は、所定ケアに係る各サジェスト内容の件数を示す。ユーザはオブジェクト415を確認することで、所定ケアに係る各サジェスト内容の件数を容易に比較することができる。
【0099】
グラフ420は、各要介護者の第1基準時間に係るグラフ421、第2基準時間に係るグラフ422、及びケア予定時間に係る棒グラフ423を含む。グラフ420の横軸は各要介護者を示し、縦軸はケアに係る時間を示す。ユーザはグラフ420により、各要介護者のケア予定時間と、第1基準時間及び第2基準時間とを容易に比較することができる。なお
図8では、グラフ420において各要介護者の氏名を表示していない例を示しているがこれに限られない。グラフ420の横軸には、各要介護者の氏名が表示されてもよい。
【0100】
テーブル430は、部屋番号、氏名、介護度、短期目標終了日、区変検討提案発生日、サジェスト内容、所定ケアのサジェスト内容を含む。部屋番号、氏名、介護度、及び短期目標終了日は、介護データベース220に基づき生成される。区変検討提案発生日、サジェスト内容及び所定ケアのサジェスト内容は、例えば
図5から
図7に示したフローチャートに係る処理により生成される。具体的には区変検討提案発生日は、
図5のステップS300において区変検討をサジェストとして決定した時点の日時に基づき定められる。サジェスト内容及び所定ケアのサジェスト内容は、それぞれ
図6及び
図7に示したサジェスト決定処理に基づき定められる。つまり本実施形態におけるケアマネジメント支援方法では、複数の要介護者の各々に対応するサジェストを一覧表示することができる。このようにすることで、複数の要介護者に対する対応策を適時に把握できる。
【0101】
なお
図8に示すように、テーブル430は、対応状況、及び審査結果を含んでもよい。これらはサジェスト及び所定ケアのサジェストに付随する情報である。テーブル430にこれらの情報を含める場合、対応する情報は、要介護者毎に介護データベース220に記憶される。
【0102】
図9は、端末装置10の出力部15により表示されるユーザインターフェースの別の一例である。
図9は、個別の要介護者の情報に係るユーザインターフェース500である。かかるユーザインターフェース500は、例えば
図8のテーブル430により表示された特定の要介護者がクリック又はタップ等により選択された場合に提供されるようにしてもよい。
【0103】
ユーザインターフェース500は、オブジェクト511~513、テーブル520、及びテーブル530を含む。オブジェクト511は、要介護者に係るサジェスト及び所定ケアのサジェストを表示する。オブジェクト512は、要介護者に対するケアの実施率を表示する。オブジェクト513は、要介護者に対するケアの非定時率を表示する。
【0104】
テーブル520は、要介護者に対するケア全体のスケジュール及び実績における詳細情報を示す。
図9に示すテーブル520は、実施率の程度、実施率の値、非定時率の程度、非定時率の値、非定時件数、予定時間(2週間前)、予定時間(1週間前)、第1基準時間、第2基準時間、及び対象週の情報を含む。実施率の程度は、「高い」又は「低い」のいずれかである。実施率の程度は、実施率が第1閾値以上である場合に「高い」と表示され、実施率が第1閾値未満である場合に「低い」と表示される。他方で非定時率の程度は、「高い」又は「低い」のいずれかである。非定時率の程度は、非定時率が第2閾値以上である場合に「高い」と表示され、非定時率が第2閾値未満である場合に「低い」と表示される。
【0105】
テーブル530は、要介護者に対する所定ケアのスケジュール及び実績における詳細情報を示す。
図9に示すテーブル530は、所定ケアの種類毎の、実施率の程度、実施率、非定時率の程度、非定時率、非定時件数、スケジュール件数の情報を含む。所定ケアの実施率の程度は、「高い」又は「低い」のいずれかである。実施率の程度は、実施率が第3閾値以上である場合に「高い」と表示され、実施率が第3閾値未満である場合に「低い」と表示される。他方で所定ケアの非定時率の程度は、「高い」又は「低い」のいずれかである。非定時率の程度は、非定時率が第4閾値以上である場合に「高い」と表示され、非定時率が第4閾値未満である場合に「低い」と表示される。
【0106】
ユーザは、ユーザインターフェース500により、各要介護者に対するサジェストを容易に把握でき、また当該サジェストの根拠であるスケジュール及び実績の情報を詳細に把握することができる。
【0107】
以上説明したように、本実施形態によれば、情報処理装置20が、介護度に係る情報と、スケジュールと、ケアの実績情報とに基づき、要介護者に係るサジェストを提示する。つまり本実施形態によれば、ケアマネジメントサイクルに係る改善提案が介護度に係る情報、スケジュール、及び実績情報を総合して決定されるという点で、介護支援に関する技術が改善される。
【0108】
また本実施形態によれば、介護度に係る情報は、第1基準時間、すなわち要介護者に設定された所定の介護度よりも高い介護度に対応する基準援助時間を含む。したがって、要介護者に設定された介護度を超えた程度のケアが行われる場合に、適切な提案を提示することができる。
【0109】
また本実施形態では実績情報が実施率を含む。つまり本実施形態によれば、要介護者に対するケアが実際に行われたか否かに基づき、サジェストが提示されるため、より現実に即した提案を提示することができる。
【0110】
また本実施形態では実績情報が非定時率を含む。つまり本実施形態によれば、要介護者に対するケアが突発的に生じる程度に基づきサジェストが提示される。突発的なケアは生産性を低下させる恐れが高いため、非定時率に基づくサジェストを提示することにより、生産性の低下を防止する提案を提示することができる。
【0111】
なお本実施の形態では、サジェストが、介護度の区分変更、実施率に係る警告、非定時率に係る警告、所定ケアに係る警告の少なくともいずれか1つである例を示したがこれに限られない。サジェストは、例えば空振り率に係る警告を含んでもよい。空振り率とは、あるケアがスケジュールにおいて予定されており、ケアスタッフ等のユーザがケアの準備していたものの、実際には当該ケアが不必要になり実施されなかったケア(以下、空振りケアという。)の件数と、スケジュールされた予定のケアの件数との比率である。空振り率に係る警告をする場合、実績情報が空振り率を含む。空振りケアは生産性を低下させる恐れが高いため、空振り率に基づくサジェストを提示することにより、生産性の低下を防止する提案を提示することができる。またサジェストは、辞退率に係る警告を含んでもよい。辞退率とは、あるケアがスケジュールにおいて予定されており、ケアスタッフ等のユーザがケアの準備していたものの、実際には要介護者等の辞退、お断り、又は拒絶により当該ケアが実施されなかったケア(以下、辞退ケアという。)の件数と、スケジュールされた予定のケアの件数との比率である。辞退率に係る警告をする場合、実績情報が辞退率を含む。辞退ケアは生産性を低下させる恐れが高いため、辞退率に基づくサジェストを提示することにより、生産性の低下を防止する提案を提示することができる。またこの他にも、実施率が所定値(例えば第1閾値よりも低い所定値)よりも低い場合に、実施されたケアに係るデータ入力がされていない恐れ、又はデータが誤入力されている恐れがある。例えばこのような場合、ケアマネジメント支援システム1は、データ入力にかかる不備の警告をサジェストとして提示してもよい。
【0112】
なお、情報処理装置20の制御部21は、サジェストに対応したアクションに係るステータスを提示してもよい。サジェストに対応したアクションとは、サジェストに基づく取るべき具体的な行為である。例えばサジェストが区変検討である場合、かかるサジェストに対応したアクションは、「区変判断」、「本人/家族確認」、及び「申請」を含む。区変判断は、要介護者の区変検討が妥当であるかを判断する行為である。当該行為は、例えば要介護者の各種状況等を含む総合的判断に基づき、ケアマネージャ等のユーザにより実行される。「本人/家族確認」は、要介護者の介護度の区分を変更することの当事者又は関係者への確認を行う行為である。当該行為は、要介護者本人又は家族の少なくともいずれか一方に対して、ケアマネージャ等のユーザにより実行される。「申請」は、要介護者の介護度を変更するための書類作成及び郵送等の申請手続きを行う行為である。当該行為は、例えば介護士等のユーザにより実行される。例えば「区変判断」、「本人/家族確認」、及び「申請」はこの順に実行されるプロセスである。かかるプロセスにおいて、各アクションは、各アクションの実行状況が容易に把握可能であることが望ましい。そこで、制御部21は、サジェストに対応したアクションに係るステータスを提示してもよい。
【0113】
図10及び
図11は、制御部21が提示するサジェストに対応したアクションに係るステータスが、端末装置10の出力部15により表示される一例を示す図である。
図10及び
図11に示すように、サジェストに対応したアクションに係るステータスは、ユーザインターフェースにより表示される。
図10に示すユーザインターフェース600は、タブ610及びタブ620を含む。タブ610及びタブ620は、ユーザインターフェース600に表示される情報を切り替えるオブジェクトである。タブ610がクリック等により選択された場合、進行中のプロセスに係る情報がユーザインターフェース600により表示される。他方でタブ620がクリック等により選択された場合、完了したプロセスに係る情報がユーザインターフェース600により表示される。
図10及び
図11は、それぞれタブ610がクリック等により選択された場合、及びタブ620がクリック等により選択された場合のユーザインターフェース600を示している。進行中のプロセスに係る情報は、ユーザが管理対象として選択した任意の要介護者(以下、プロセス管理対象の要介護者ともいう。)の情報のうち、未完了のアクションのステータスを含む。換言すると進行中のプロセスに係る情報は、プロセス管理対象の要介護者のプロセスの進捗状況を含む。
【0114】
図10のユーザインターフェース600は、進行中プロセス一覧611と、選択者情報612と、入力ボタン613と、やること一覧614とを含む。進行中プロセス一覧611は、プロセス管理対象の要介護者のうち必要なアクションが残っている要介護者と、取るべき次のアクションとを対応付けた表形式のオブジェクトである。
図10に示す進行中プロセス一覧611においてプロセス管理対象の要介護者のうち必要なアクションが残っている要介護者は入居者A~Cである。また入居者A~Cに対して取るべき次のアクションは、それぞれ区変判断、区変判断、及び家族/本人確認である。
【0115】
選択者情報612は、進行中プロセス一覧611のうちクリック等により選択された要介護者の情報である。
図10では入居者Aが選択され、入居者Aの情報が表示されている。選択者情報612は、取るべき次のアクションと、当該アクションを実行した開始日とを含む。入力ボタン613は、サジェストに対応したアクションに係るステータスをユーザが入力するためのオブジェクトである。アクションに係るステータスは、アクションの開始日時、進行状況、完了日時、結果詳細を含む。結果詳細は、各アクションにおける判断結果、確認結果、承諾結果、及びこれらの判断等の理由を含む。つまり入力ボタン613により、各アクションのステータスに係る各種情報が収集される。
【0116】
やること一覧614は、タブ620に対応した表形式のオブジェクトである。やること一覧614は、選択された要介護者に対するサジェストに対応した各アクションに係るステータスを含む。かかるステータスは、入力ボタン613により収集された情報により作成及び更新される。やること一覧614には、
図10に示すように、各アクションのステータスがアクションと対応付けて示される。かかるユーザインターフェース600により、サジェストに対応したアクションに係るステータスを、ユーザは容易に把握することができる。特にどのアクションが停滞しているのか、いつから停滞しているのか、停滞しているアクションの担当者が誰であるのか、停滞している理由等の情報をユーザが容易に把握でき、ケアマネジメントを効率化することができる。
【0117】
図11は、タブ620がクリック等により選択された場合のユーザインターフェース600を示している。上述したように、タブ620がクリック等により選択された場合、完了したプロセスに係る情報が表示される。完了したプロセスに係る情報は、プロセス管理対象の要介護者の情報であって、アクションがすべて完了している対象者の情報等を含む。換言すると完了したプロセスに係る情報は、プロセス管理対象の要介護者の完了アクションの情報を含む。
図11に示すユーザインターフェース600は、検索メニュー621と、検索結果一覧622と、完了アクション一覧623とを含む。検索メニュー621は、完了したプロセスに係る情報から所定の情報を検索するためのオブジェクトである。
図11の検索メニュー621は、要介護者の部屋番号又は氏名の少なくともいずれか一方の条件を指定することで、該当する情報を検索して検索結果一覧622に表示する機能を提供する。検索結果一覧622は、検索メニュー621により指定された条件に該当する要介護者の情報を一覧表示するオブジェクトである。検索結果一覧622に表示された要介護者の情報をクリック等により選択すると、当該情報に対応した完了アクションの情報が、完了アクション一覧623に示される。完了アクション一覧623は、検索結果一覧622にて選択された要介護者の完了アクションの情報を一覧表示するオブジェクトである。かかるユーザインターフェース600により、サジェストに対応したアクションに係るステータスの完了実績をユーザは容易に把握することができる。
【0118】
図12は、上記アクションに係るステータスの集計情報が端末装置10の出力部15により表示されるユーザインターフェースの一例を示す図である。かかる集計情報は、複数の入居者施設の管理者(以下、エリアマネージャーともいう。)又は本社の幹部者等向けの情報である。
図12に示すユーザーインターフェース700は、
図10及び
図11に示す情報を集約した集計情報を含む。具体的には集計情報は、区変検討がサジェストされた要介護者の人数、区変検討のサジェストがされてから3ヶ月以上経過した要介護者の人数、所定のサジェスト(例えば非定時率の警告等)がされた要介護者の人数、当該所定のサジェストがされてから3ヶ月以上経過した要介護者の人数の情報を含む。
図12のユーザーインターフェース700に示すように、集計情報は表形式のオブジェクトにより表示される。ここで区変検討に係る集計情報のうち所定人数を超えるセルは、強調表示されてもよい。ここで集計情報における集計対象は、プロセス管理対象の要介護者のうち、実行されるべきアクションのステータスが未入力の要介護者のみである。換言すると実行されるべきアクションのステータスが入力済みの要介護者は集計から除外される。例えば区変判断の結果、区分変更しないとされてステータスが入力済みの要介護者は、当該集計情報においてカウント対象外となる。このように集計情報の対象者を実行されるべきアクションのステータスが未入力の要介護者のみに限定することで、アクションが必要な要介護者のみの集計結果を示すことができる。
【0119】
なお、
図12の集計情報の一覧のうち、特定の情報(例えば1列目の各事業部)をクリック等により選択可能にしてもよい。また選択された情報の詳細情報を別のユーザインタフェースにより提供してもよい。例えば、ある事業部が選択された場合に、当該事業部内の施設一覧が表示されてもよい。また当該事業部内の施設一覧において、施設ごとの集計情報が示されてもよい。このようにすることで、ある事業部の中で、どの施設において実行されるべきアクションが滞留しているか等、個別施設に焦点を当てた分析及び対策を容易に行うことができる。さらに、かかる施設一覧において、特定の情報をクリック等により選択可能にしてもよい。また選択された情報の詳細情報(例えば施設内の入居者一覧の情報等)を別のユーザインタフェースにより提供してもよい。また、
図12のユーザインタフェースにおいて、区分変更をした場合の金銭効果等を算出して表示するようにしてもよい。このように、
図12の集計情報を起点として、よりブレークダウンした詳細情報及び金銭効果の情報等に容易にアクセスできるようにすることで、ケアマネジメントサイクルの効率化を促進することができる。またこれらの情報は、エリアマネージャー、本社の幹部者によるモニタリング用途としても利用可能である。
【0120】
なお本実施の形態では、介護データベース220が情報処理装置20の記憶部22に記憶される例を示したがこれに限られない。例えば介護データベース220は、クラウドサーバ等の外部機器に記憶されていてもよい。この場合、情報処理装置20は、ステップS100及びS200にて外部機器から通信部23を介して必要な情報を取得する。あるいは介護データベース220の一部が、クラウドサーバ等の外部機器に記憶されていてもよい。この場合も情報処理装置20は、記憶部22を参照する他、ステップS100及びS200にて外部機器から通信部23を介して必要な情報を取得する。
【0121】
なお本実施の形態では、介護度に係る情報は第1基準時間及び第2基準時間を含む場合について説明したがこれに限られない。例えば介護度に係る情報は、第1基準時間又は第2基準時間のいずれか一方のみを含んでもよい。また本実施の形態では、第1基準時間が所定の介護度よりも1段階高い介護度に対応する基準援助時間である例を示したがこれに限らない。例えば第1基準時間は、所定の介護度よりも2段階以上高い介護度に対応する基準援助時間であってもよい。あるいは第1基準時間は、所定の介護度に対応する基準援助時間(第2基準時間)と、所定の介護度よりも1段階高い介護度に対応する基準援助時間との中間の任意の援助時間であってもよい。
【0122】
なお、非定時ケアは、緊急的に行った排泄ケアが含まれるとしたが、非定時ケアの内容はこれに限られない。例えば非定時ケアは、ナースコールによる緊急介助を含む。また非定時ケアは、排泄ケアが間に合わなかった場合の失禁に対する介助を含む。
【0123】
なお、本実施の形態に係るサジェストは上記で例示したものに限られない。例えばサジェストは、実施率、空振り率、辞退率に基づく任意の警告を含んでもよい。例えば排便が長期に渡ってないケースには、実施率、空振り率、辞退率等に影響する。情報処理装置20は実施率、空振り率、辞退率等に基づき、このようなケースが生じていることをサジェストとして提示してもよい。つまり実施率・空振り率・辞退率の少なくともいずれかに基づき、排泄等の行為が一定期間行われていないことのアラートがサジェストとして提示されてもよい。
【0124】
なお本実施の形態では、所定の介護度に係る情報と、スケジュールと、ケアの実績情報とに基づき、要介護者に係るサジェストを提示するようにしているが、これに限られない。例えば、要介護者に係るアセスメントにおけるADL情報、又は各種介護サービスに係るサービス計画書情報と、ケアの実績情報とに基づき、要介護者に係るサジェストを提示してもよい。例えばADL情報と実績(内容・頻度)とが所定の基準に照らして乖離している場合、サジェストとしてアラートが提示されてもよい。例えばADL情報において排泄が自立と評価されている場合において、排泄援助の実績が所定回数以上である場合等に、アラートが提示されてもよい。またサービス計画書情報(2表・3表)と実績(内容・頻度)とが所定の基準に照らして乖離している場合、サジェストとしてアラートが提示されてもよい。例えば居宅サービス計画書の3表において排泄援助が各日の時間帯毎に一定の回数が記載されている場合において、排泄援助の実績が当該所定回数以上である場合、3表記載の時間帯以外に一定数発生している場合、排泄援助の失敗による失禁が発生している場合、あるいは排泄援助のためのナースコールが一定回数以上発生している場合等に、アラートが提示されてもよい。
【0125】
なお本実施の形態では、所定の介護度が設定された要介護者に係るケアのスケジュール及び要介護者に係るケアの実績情報は、個人単位で管理されることを前提としているが、これに限られない。例えば入居者施設における複数の要介護者のグループ単位で、ケアのスケジュール及及びケアの実績情報が管理されてもよい。換言すると、集団援助等を行う入居者施設において、当該集団のスケジュール及び実績情報は、個人単位で管理されても、所定のグループ毎に集約されて管理されてよい。グループ単位で管理する場合においては、所定の介護度に係る情報と当該グループ単位のスケジュールとケアの実績情報とに基づき、サジェストを提示するようにしてもよい。
【0126】
なお本実施形態において介護度は、介護度1~5、及び要支援1~2の7段階で評価され得るとしたが、これに限られない。介護度は、日常生活の中でどの程度の介護又は支援が必要であるかを示す任意の指標であってよく、日本の要介護度認定システムで定められるものの他、諸外国で定められている同様の指標を含む。具体的には介護度は、例えば韓国の制度で定めされている5段階に区分され得る情報(軽度のものから順に「5等級」、「4等級」、「3等級」、「2等級」、「1等級」)であってもよい。あるいは介護度は、例えばオランダの長期介護保険で定められている7段階の指標(VV04―VV10)であってもよい。また介護度は、例えばドイツの公的介護保険で定められる5段階の指標(介護度1~5)であってもよい。
【0127】
なお情報処理装置20の制御部21は、要介護者に係る情報収集シートを端末装置10の出力部15により出力してもよい。情報収集シートは、例えば介護度に係る情報、スケジュール、ケアの実績情報を含む。
図13は、端末装置10の出力部15により表示されるユーザインターフェースの一例である。
図13には、入居者施設のユーザに提供されるユーザインターフェース800が示されている。
図13に示されるようにユーザインターフェース400は、オブジェクト801、及びテーブル802を含む。オブジェクト801は、情報収集シートを出力するためのオブジェクトである。テーブル802は、各要介護者に対するサジェストを含む各種情報を示す。例えばテーブル802において情報収集シートの出力対象の入居者がチェックボックスにより特定されてよい。チェックボックスが選択された状態で、オブジェクト801が選択されると、情報収集シートが出力される。
図14は、出力された情報収集シートの一例を示す図である。
図14に示す情報収集シートは、入居者の氏名、介護度、スケジュール、入居者に対するサジェスト、ADLの情報等を含む。このように情報収集シートが各種情報を含むことにより、ユーザは、要介護者の状況を容易に把握することができる。
【0128】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0129】
1 ケアマネジメントシステム
10 端末装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 入力部
15 出力部
20 情報処理装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
30 ネットワーク
220 介護データベース
400、500、600、700、800 インターフェース
410~415、511~513、801 オブジェクト
420~422 グラフ
423 棒グラフ
430、520、530、802 テーブル
610、620 タブ
611 進行中プロセス一覧
612 選択者情報
613 入力ボタン
614 やること一覧
621 検索メニュー
622 検索結果一覧
623 完了アクション一覧