(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097997
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/525 20140101AFI20240711BHJP
A63F 13/60 20140101ALI20240711BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240711BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20240711BHJP
【FI】
A63F13/525
A63F13/60
A63F13/79
A63F13/533
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024079218
(22)【出願日】2024-05-15
(62)【分割の表示】P 2020167944の分割
【原出願日】2020-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】錦戸 誠実
(57)【要約】
【課題】アプリケーションの設定値の選択作業を省力化するための仕組みを実現する。
【解決手段】プリファレンス保持部112は、ユーザが選択した、複数のアプリケーションで共通に使用する一人称視点に関する設定値と、三人称視点のカメラ操作に関する設定値を保持する。提供部114は、アプリケーションにカメラ操作に関する設定値を提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが選択した、複数のアプリケーションで共通に使用する一人称視点のカメラ操作に関する設定値と、三人称視点のカメラ操作に関する設定値を保持する保持部と、
アプリケーションに、カメラ操作に関する設定値を提供する提供部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記保持部は、
入力装置における上向きの操作に対してカメラを上向きに動かす操作を示す第1設定値または入力装置における上向きの操作に対してカメラを下向きに動かす操作を示す第2設定値のいずれかを、上下方向のカメラ操作に関する設定値として保持しており、
前記提供部は、アプリケーションに上下方向のカメラ操作に関する設定値を提供する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記保持部は、
入力装置における上向きの操作に対してカメラを上向きに動かす操作を示す第1設定値、入力装置における上向きの操作に対してカメラを下向きに動かす操作を示す第2設定値、アプリケーションがデフォルト設定しているカメラの上下方向の操作を示す第3設定値のいずれかを、上下方向のカメラ操作に関する設定値として保持しており、
前記提供部は、アプリケーションに上下方向のカメラ操作に関する設定値を提供する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記保持部は、
入力装置における右向きの操作に対してカメラを右向きに動かす操作を示す第4設定値または入力装置における右向きの操作に対してカメラを左向きに動かす操作を示す第5設定値のいずれかを、左右方向のカメラ操作に関する設定値として保持しており、
前記提供部は、アプリケーションに左右方向のカメラ操作に関する設定値を提供する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記保持部は、
入力装置における右向きの操作に対してカメラを右向きに動かす操作を示す第4設定値、入力装置における右向きの操作に対してカメラを左向きに動かす操作を示す第5設定値、アプリケーションがデフォルト設定しているカメラの左右方向の操作を示す第6設定値のいずれかを、左右方向のカメラ操作に関する設定値として保持しており、
前記提供部は、アプリケーションに左右方向のカメラ操作に関する設定値を提供する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
第1設定値、第2設定値、第3設定値のいずれかを選択するためのウィンドウを表示する登録部を備え、
前記登録部は、ユーザが選択した設定値を、前記保持部に保持させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
第4設定値、第5設定値、第6設定値のいずれかを選択するためのウィンドウを表示する登録部を備え、
前記登録部は、ユーザが選択した設定値を、前記保持部に保持させる、
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーションの設定値を設定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームの初回起動時、ユーザは、ゲーム難易度、カメラ操作、字幕など、ゲームにおいて用意されている様々な項目の設定値を選択する。たとえばゲーム難易度の項目は、初心者向けのイージーモード、平均的なプレイヤ向けのノーマルモード、上級者向けのハードモードを設定値として含み、ユーザは自分の実力に合ったプレイモードを選択する。カメラ操作の項目は、アナログスティックの上下操作や左右操作に対して、カメラの動きの向きを定める複数の設定値を含む。具体的にユーザは、アナログスティックの上操作に対して、カメラを上向きに動かすか、または下向きに動かすかを選択し、またアナログスティックの右操作に対して、カメラを右向きに動かすか、または左向きに動かすかを選択する。ユーザが選択したゲームの設定値は、ゲーム進行やゲーム操作の制御に利用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ゲームの初回起動時、ユーザは、各項目の設定値を選択することで、自分の好みに合ったゲーム環境を設定する。逆に言うとユーザは、新しいゲームを開始するたびに各項目の設定値を選択しなければ、自分の好みに合ったゲーム環境を設定できない。そこでゲーム進行やゲーム操作のための設定値の選択作業を省力化できる仕組みを実現することが望まれている。
【0004】
そこで本発明は、アプリケーションの設定値の選択作業を省力化するための仕組みを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の情報処理装置は、ユーザが選択した、複数のアプリケーションで共通に使用する一人称視点のカメラ操作に関する設定値と、三人称視点のカメラ操作に関する設定値を保持する保持部と、アプリケーションに、カメラ操作に関する設定値を提供する提供部とを備える。
【0006】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施例にかかる情報処理システムを示す図である。
【
図2】情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】情報処理装置の機能ブロックを示す図である。
【
図4】プリファレンス情報の設定画面の例を示す図である。
【
図6】プリファレンス情報の設定画面の例を示す図である。
【
図8】一人称視点操作の設定画面の例を示す図である。
【
図10】三人称視点操作の設定画面の例を示す図である。
【
図11】字幕と音声言語の設定画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の実施例にかかる情報処理システム1を示す。情報処理システム1は、ユーザ端末装置である情報処理装置10とサーバ5とを備えたゲームシステムであってよい。アクセスポイント(以下、「AP」とよぶ)8は、無線アクセスポイントおよびルータの機能を有し、情報処理装置10は、無線または有線経由でAP8に接続して、ネットワーク3上のサーバ5と通信可能に接続する。
【0009】
情報処理装置10は、ユーザが操作する入力装置6と無線または有線で接続し、入力装置6はユーザが操作した情報を情報処理装置10に出力する。情報処理装置10は入力装置6から操作情報を受け付けるとシステムソフトウェアやアプリケーションソフトウェアの処理に反映し、出力装置4から処理結果を出力させる。情報処理システム1において情報処理装置10はゲームを実行するゲーム装置(ゲームコンソール)であり、入力装置6は情報処理装置10に対してユーザの操作情報を供給する機器である。入力装置6は、複数のプッシュ式の操作ボタン、アナログ量を入力できるアナログスティック、回動式ボタンなどの複数の入力部を有するゲームコントローラであってよい。
【0010】
補助記憶装置2は、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)などの大容量記憶装置であり、内蔵型記憶装置であってよく、またUSB(Universal Serial Bus)などによって情報処理装置10と接続する外部記憶装置であってもよい。出力装置4は、画像を出力するディスプレイおよび音声を出力するスピーカを有するテレビであってよい。出力装置4は、情報処理装置10に有線ケーブルで接続されてよく、また無線接続されてもよい。
【0011】
撮像装置であるカメラ7は出力装置4の近傍に設けられ、出力装置4周辺の空間を撮像する。
図1ではカメラ7が出力装置4の上部に取り付けられている例を示しているが、出力装置4の側部または下部に配置されてもよく、いずれにしても出力装置4の前方に位置するユーザを撮像できる位置に配置される。カメラ7はステレオカメラであってもよい。
【0012】
サーバ5は、情報処理システム1のユーザに対してネットワークサービスを提供する。サーバ5は、各ユーザを識別するネットワークアカウントを管理しており、各ユーザは、ネットワークアカウントを用いて、サーバ5が提供するネットワークサービスにサインインする。ユーザは情報処理装置10からネットワークサービスにサインインすることで、サーバ5に、ゲームのセーブデータや、またゲームプレイ中に獲得した仮想的な表彰品であるトロフィを登録できる。
【0013】
図2は、情報処理装置10のハードウェア構成を示す。情報処理装置10は、メイン電源ボタン20、電源ON用LED21、スタンバイ用LED22、システムコントローラ24、クロック26、デバイスコントローラ30、メディアドライブ32、USBモジュール34、フラッシュメモリ36、無線通信モジュール38、有線通信モジュール40、サブシステム50およびメインシステム60を有して構成される。
【0014】
メインシステム60は、メインCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置であるメモリおよびメモリコントローラ、GPU(Graphics Processing Unit)などを備える。GPUはゲームプログラムの演算処理に主として利用される。メインCPUはシステムソフトウェアを起動し、システムソフトウェアが提供する環境下において、補助記憶装置2にインストールされたゲームプログラムを実行する機能をもつ。サブシステム50は、サブCPU、主記憶装置であるメモリおよびメモリコントローラなどを備え、GPUを備えない。
【0015】
メインCPUは補助記憶装置2やROM媒体44にインストールされているゲームプログラムを実行する機能をもつ一方で、サブCPUはそのような機能をもたない。しかしながらサブCPUは補助記憶装置2にアクセスする機能、サーバ5との間でデータを送受信する機能を有している。サブCPUは、このような制限された処理機能のみを有して構成されており、したがってメインCPUと比較して小さい消費電力で動作できる。これらのサブCPUの機能は、メインCPUがスタンバイ状態にある際に実行される。
【0016】
メイン電源ボタン20は、ユーザからの操作入力が行われる入力部であって、情報処理装置10の筐体の前面に設けられ、情報処理装置10のメインシステム60への電源供給をオンまたはオフするために操作される。電源ON用LED21は、メイン電源ボタン20がオンされたときに点灯し、スタンバイ用LED22は、メイン電源ボタン20がオフされたときに点灯する。システムコントローラ24は、ユーザによるメイン電源ボタン20の押下を検出する。
【0017】
クロック26はリアルタイムクロックであって、現在の日時情報を生成し、システムコントローラ24やサブシステム50およびメインシステム60に供給する。
【0018】
デバイスコントローラ30は、サウスブリッジのようにデバイス間の情報の受け渡しを実行するLSI(Large-Scale Integrated Circuit)として構成される。図示のように、デバイスコントローラ30には、システムコントローラ24、メディアドライブ32、USBモジュール34、フラッシュメモリ36、無線通信モジュール38、有線通信モジュール40、サブシステム50およびメインシステム60などのデバイスが接続される。デバイスコントローラ30は、それぞれのデバイスの電気特性の違いやデータ転送速度の差を吸収し、データ転送のタイミングを制御する。
【0019】
メディアドライブ32は、ゲームなどのアプリケーションソフトウェア、およびライセンス情報を記録したROM媒体44を装着して駆動し、ROM媒体44からプログラムやデータなどを読み出すドライブ装置である。ROM媒体44は、光ディスクや光磁気ディスク、ブルーレイディスクなどの読出専用の記録メディアである。
【0020】
USBモジュール34は、外部機器とUSBケーブルで接続するモジュールである。USBモジュール34は補助記憶装置2およびカメラ7とUSBケーブルで接続してもよい。フラッシュメモリ36は、内部ストレージを構成する補助記憶装置である。無線通信モジュール38は、Bluetooth(登録商標)プロトコルやIEEE802.11プロトコルなどの通信プロトコルで、たとえば入力装置6と無線通信する。有線通信モジュール40は、外部機器と有線通信し、たとえばAP8を介してネットワーク3に接続する。
【0021】
図3は、情報処理装置10の機能ブロックを示す。情報処理装置10は、処理部100および通信部102を備える。処理部100は、登録部110、プリファレンス保持部112、提供部114、ゲーム実行部120、ゲーム設定値保持部130および出力処理部140を備える。ゲーム実行部120は、ゲームプログラム124、ゲームデータ126および変換情報128を少なくとも含むゲームソフトウェア122を実行する。通信部102は
図2に示す無線通信モジュール38および有線通信モジュール40の機能を併せ持つ構成として表現され、無線通信モジュール38は入力装置6との通信を担当し、有線通信モジュール40はサーバ5との通信を担当してよい。
【0022】
図3において、さまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、回路ブロック、メモリ、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0023】
実施例の情報処理装置10は、複数のアプリケーションに適用可能なユーザの好みを示す情報(以下、「プリファレンス情報」とも呼ぶ)を保持し、新しいアプリケーションが実行されるときに、当該アプリケーションにプリファレンス情報を提供する機能をもつ。たとえばアプリケーションがゲームである場合、ゲームは、ゲーム進行やゲーム操作の設定値にプリファレンス情報を反映することで、ユーザによる設定値選択作業を省略化できる。
【0024】
登録部110は、プリファレンス情報をプリファレンス保持部112に登録する処理を実施する。
図4は、プリファレンス情報の設定画面の例を示す。登録部110が、プリファレンス情報の設定画面を出力装置4に表示する。プリファレンス情報は、ゲームプレイにおけるユーザの好みを示す情報であり、複数のアプリケーションにより共通に利用される。
図4に示す設定画面において、複数の設定項目210、212、214、216、218が用意されており、ユーザは、設定画面上でフォーカス枠200を動かして、1つの設定項目を選択する。ユーザは、フォーカス枠200を設定項目の表示領域に配置し、入力装置6の決定ボタンを操作した後、当該設定項目の設定値を選択する。
図4に示す状態でフォーカス枠200は、ゲーム難易度の設定項目210の表示領域に配置されており、決定ボタンが操作されると、登録部110は、ゲーム難易度を選択するための選択ウィンドウを表示する。
【0025】
図5は、選択ウィンドウ220の例を示す。選択ウィンドウ220には、難易度に関して6つの設定値が選択可能に含まれている。
・Game Default
ゲームがデフォルト設定しているプレイモードを示す設定値。ゲームは、以下に示す5つのプレイモードのいずれかをデフォルト設定しており、通常はNormalがデフォルト設定されている。
・Easiest
超初心者向けのプレイモードを示す設定値。
・Easy
初心者向けのプレイモードを示す設定値。
・Normal
平均的な腕前をもつプレイヤ向けのプレイモードを示す設定値。
・Hard
上級者向けのプレイモードを示す設定値。
・Hardest
超上級者向けのプレイモードを示す設定値。
【0026】
ユーザは選択ウィンドウ220上でフォーカス枠200を動かし、所望のプレイモードを示す設定値の表示領域にフォーカス枠200を配置して、入力装置6の決定ボタンを操作する。
図5に示す状態でフォーカス枠200は“Easy”の表示領域に配置されており、決定ボタンが操作されると、登録部110は、難易度の項目についてイージーモードを示す情報をプリファレンス保持部112に登録する。
【0027】
プリファレンス保持部112は、ゲームの難易度について、ユーザの好みを示す情報を保持する。具体的にプリファレンス保持部112は、複数のレベルで表現されるゲーム難易度について、ユーザが選択した1つのレベルを特定する情報を保持する。実施例においてゲーム難易度は、5つのレベルで表現されているが、それ以外の数のレベルで表現されてよい。
【0028】
図6は、プリファレンス情報の設定画面の例を示す。この設定画面では、ゲーム難易度の設定値が“Easy”に変更されている。ユーザが、フォーカス枠200を設定項目212の表示領域に配置し、入力装置6の決定ボタンを操作すると、登録部110は、パフォーマンスモードまたはレゾリューションモードを選択するための選択ウィンドウを表示する。
【0029】
図7は、選択ウィンドウ222の例を示す。選択ウィンドウ222には、ゲームモードに関して“Game Default”、“Performance Mode”、“Resolution Mode”の3つの設定値が選択可能に含まれている。
・Game Default
ゲームがデフォルト設定しているモードを示す設定値。一般にゲームは、パフォーマンスモードまたはレゾリューションモードのいずれかをデフォルト設定している。
・Performance Mode
フレームレートを下げたり、画像解像度を下げることで、ゲームのパフォーマンスを上げるモードを示す設定値。処理負荷の大きいゲームをプレイする場合は、パフォーマンスモードを設定することが推奨される。
・Resolution Mode
高いフレームレートおよび/または画像解像度を用いるモードを示す設定値。画像を重視するゲームをプレイする場合は、レゾリューションモードを設定することが推奨される。
【0030】
ユーザは、所望のモードを示す設定値の表示領域にフォーカス枠200を配置して、入力装置6の決定ボタンを操作する。
図7に示す状態でフォーカス枠200は“Game Default”の表示領域に配置されており、決定ボタンが操作されると、登録部110は、ゲームモードについてゲームデフォルトを示す情報をプリファレンス保持部112に登録する。
【0031】
プリファレンス保持部112は、ゲームモードについて、ユーザの好みを示す情報を保持する。具体的にプリファレンス保持部112は、ゲーム画像のフレームレートおよび/または解像度に関して、ユーザが選択した設定値を特定する情報を保持する。
【0032】
図8は、設定項目214が選択されたときに表示される一人称視点(First-Person View)操作の設定画面の例を示す。登録部110は、
図4に示す設定画面において設定項目214が選択されると、一人称視点操作の設定画面を出力装置4に表示する。ユーザは、この設定画面において、上下方向の視点操作と、左右方向の視点操作を設定する。視点操作は、ユーザの好みが顕著に現れるところであり、ゲームプレイに大きな影響を及ぼす。
【0033】
図9は、上下方向の視点操作を設定するための選択ウィンドウ224の例を示す。選択ウィンドウ224には、上下方向の視点操作に関して、“Game Default”、“Normal”、“Inverted”の3つの設定値が選択可能に含まれている。
・Game Default
ゲームがデフォルト設定している視点操作を示す設定値。ゲームは、以下のNormalおよびInvertedを用意していてよく、ゲームは、NormalまたはInvertedのいずれかをデフォルト設定していてよい。
・Normal
アナログスティックの上操作に対してゲームキャラクタの視点(仮想カメラ)を上向きに動かす視点操作を示す設定値。アナログスティックの下操作に対して、視点は下向きに動かされる。
・Inverted
アナログスティックの上操作に対してゲームキャラクタの視点を下向きに動かす視点操作を示す設定値。アナログスティックの下操作に対して、視点は上向きに動かされる。
ユーザは、一人称視点の上下操作について、いずれかの設定値を選択する。
【0034】
同様にユーザは、左右方向の視点操作として、アナログスティックの左右操作とゲームキャラクタの視点操作の関係を設定する。具体的にユーザは、アナログスティックの右操作に対して、ゲームキャラクタの視点を右向きに動かす視点操作を示す設定値と、左向きに動かす視点操作を示す設定値と、ゲームがデフォルト設定している向きに動かす視点操作を示す設定値の中から、1つを選択する。
【0035】
登録部110は、一人称視点についてユーザが選択した設定値を示す情報をプリファレンス保持部112に登録する。これによりプリファレンス保持部112は、一人称視点操作についてユーザの好みを示す設定値を保持する。
【0036】
図10は、設定項目216が選択されたときに表示される設定画面の例を示す。登録部110は、
図4に示す設定画面において設定項目216が選択されると、三人称視点操作の設定画面を出力装置4に表示する。ユーザは、この設定画面において、上下方向の視点操作と、左右方向の視点操作を設定する。
【0037】
ユーザは、上下方向の視点操作として、アナログスティックの上下操作とゲームキャラクタの視点操作の関係を設定する。具体的にユーザは、アナログスティックの上操作に対して、ゲームキャラクタの視点(仮想カメラ)を上向きに動かす視点操作を示す設定値と、下向きに動かす視点操作を示す設定値と、ゲームがデフォルト設定している向きに動かす視点操作を示す設定値の中から、1つを選択する。
【0038】
同様にユーザは、左右方向の視点操作として、アナログスティックの左右操作とゲームキャラクタの視点操作の関係を設定する。具体的にユーザは、アナログスティックの右操作に対して、ゲームキャラクタの視点を右向きに動かす視点操作を示す設定値と、左向きに動かす視点操作を示す設定値と、ゲームがデフォルト設定している向きに動かす視点操作を示す設定値の中から、1つを選択する。
【0039】
登録部110は、三人称視点についてユーザが選択した設定値を示す情報をプリファレンス保持部112に登録する。これによりプリファレンス保持部112は、三人称視点操作についてユーザの好みを示す設定値を保持する。
【0040】
図11は、設定項目218が選択されたときに表示される設定画面の例を示す。登録部110は、
図4に示す設定画面において設定項目218が選択されると、字幕と音声言語の設定画面を出力装置4に表示する。ユーザは、この設定画面において、字幕と音声言語の設定を行う。
【0041】
ユーザは、字幕に関して、ゲームデフォルトに従う設定値と、字幕オンにする設定値と、字幕オフにする設定値の中から、1つを選択してよい。またユーザは、音声言語に関して、情報処理装置10の設定言語と同じ言語にする設定値と、ゲームオリジナルの言語にする設定値の中から、1つを選択してよい。登録部110は、字幕と音声言語についてユーザが選択した設定値を示す情報をプリファレンス保持部112に登録する。これによりプリファレンス保持部112は、字幕と音声言語についてユーザの好みを示す設定値を保持する。
【0042】
以上のようにして、ユーザの好みを示すプリファレンス情報がプリファレンス保持部112に保持される。プリファレンス情報は、複数のゲームに適用可能であり、情報処理装置10において初めて実行されるゲームソフトウェアは、プリファレンス情報を参照して、ゲームにおける設定値を決定する。以下、情報処理装置10において初めて起動されるゲームソフトウェア122の挙動について説明する。
【0043】
ゲーム実行部120が、ゲームソフトウェア122を起動する。ゲームソフトウェア122は、ゲームを進行させるゲームプログラム124と、画像データや音声データを含むゲームデータ126と、プリファレンス情報をゲーム設定値に変換するための変換情報128とを少なくとも含んで構成される。ゲームプログラム124は、ユーザによる入力装置6の操作情報を受けて、仮想空間においてプレイヤキャラクタを動かす演算処理を行う。出力処理部140は、ゲームの画像データおよび音声データを生成して、出力装置4から出力させる。出力処理部140は、レンダリング処理などを実行するGPU(Graphics Processing Unit)を含んでよい。
【0044】
ゲームプログラム124は、最初に起動されたときに、プリファレンス保持部112からプリファレンス情報を取得する機能を有する。たとえばゲームプログラム124は、初回起動時に、プリファレンス情報の取得要求を提供部114に送信することをハードコーディングされていてよい。提供部114は、プリファレンス保持部112にアクセス可能であり、取得要求を受け取ると、プリファレンス保持部112に保持されたプリファレンス情報を読み出して、ゲームプログラム124に提供する。
【0045】
ゲームプログラム124は、プリファレンス情報を取得すると、取得したプリファレンス情報にしたがって、ゲームの設定値を決定する。このときゲームプログラム124は、プリファレンス情報を、ゲームの設定値に変換するための変換情報128を利用して、ゲームの設定値を決定してよい。
【0046】
実施例において、プリファレンス保持部112には、ゲームの難易度を5段階のレベルで表現したときの1つのレベルがプリファレンス情報として保持されている。そのためゲームプログラム124が、ゲームの難易度を5段階で設定していれば、プリファレンス情報として設定されたゲームレベルをそのまま適用できる。一方でゲームプログラム124がゲームの難易度を5段階で設定していない場合、たとえば3段階で設定している場合には、プリファレンス情報をゲーム設定値に変換する必要がある。
【0047】
この場合、変換情報128は、“Easiest”、“Easy”のプリファレンス情報を、ゲームの「イージーモード」に変換し、“Normal”のプリファレンス情報を、ゲームの「ノーマルモード」に変換し、“Hard”、“Hardest”のプリファレンス情報を、ゲームの「ハードモード」に変換することを定義する。これによりゲームプログラム124は、プリファレンス情報をゲーム設定値に変換できる。ゲームプログラム124は、プリファレンス情報にもとづいてゲーム設定値を決定すると、決定したゲーム設定値をゲーム設定値保持部130に登録する。したがってゲーム設定値保持部130は、ゲームごとに、ゲーム設定値を保持する。このように実施例の情報処理装置10によれば、ユーザによるゲーム設定値の選択作業を省力化できる。
【0048】
ゲームプログラム124は、初回起動時に設定値の選択画面を出力装置4に表示するように構成されているが、このとき選択画面にはプリファレンス情報にもとづいて決定したゲーム設定値が反映される。そのため難易度についてのゲーム設定値がイージーモードに決定されていれば、設定値の選択画面において、ゲーム難易度の項目には、「イージーモード」がデフォルト選択されていることになる。なおゲームプログラム124は、初回起動時にプリファレンス情報にもとづいてゲーム設定値を決定した場合には、設定値の選択画面を出力装置4に表示しなくてもよい。
【0049】
ゲームプログラム124は、初回起動時に限って、プリファレンス情報をゲーム設定値に反映する処理を行うことが好ましい。ゲームプログラム124は、ゲーム設定値保持部130に保持されたゲーム設定値にしたがって、ゲーム進行およびゲーム操作を制御する。
【0050】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。実施例ではゲームプログラム124について説明したが、ゲーム以外のアプリケーションソフトウェアであってもよい。また実施例では、ユーザ端末装置である情報処理装置10がプリファレンス保持部112を備えているが、情報処理装置として機能するサーバ5が、プリファレンス保持部112を備えてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1・・・情報処理システム、10・・・情報処理装置、100・・・処理部、102・・・通信部、110・・・登録部、112・・・プリファレンス保持部、114・・・提供部、120・・・ゲーム実行部、122・・・ゲームソフトウェア、124・・・ゲームプログラム、126・・・ゲームデータ、128・・・変換情報、130・・・ゲーム設定値保持部、140・・・出力処理部。