(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000980
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】ベルト
(51)【国際特許分類】
D21F 3/00 20060101AFI20231226BHJP
D21F 7/08 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
D21F3/00
D21F7/08 Z
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023098085
(22)【出願日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】20225561
(32)【優先日】2022-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(71)【出願人】
【識別番号】515183610
【氏名又は名称】バルメット テクノロジーズ オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】パスカル シュイヴェンス
【テーマコード(参考)】
4L055
【Fターム(参考)】
4L055CE79
4L055CE90
4L055CH02
4L055EA15
4L055EA40
4L055FA08
(57)【要約】
【課題】繊維ウェブ機械のためのベルトを提供する。
【解決手段】
本発明は、繊維ウェブ機械のためのベルトに関し、ベルトは内側表面(10)と外側表面(11)とを有し、ベルト(1)の外側表面(11)は、長さ(21)及び幅(22)を有するベルト摩耗インジケータ(20)を備え、ベルト摩耗インジケータ(20)は、ベルトの外側表面からベルト摩耗インジケータの底部までベルトの深さ方向に画定される、少なくとも0.1mmの深さまで延在する、凹部(24)を備え、ベルトは少なくとも実質的に溝が形成されていない外側表面を備え、0.1mm以上の深さを有する偏差は、ベルトの外側表面の表面エリアの10%以下を形成する。本発明はさらに、ベルト摩耗インジケータの使用に関する。
【選択図】
図3b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維ウェブ機械のためのベルトであって、
前記ベルトは、内側表面と外側表面とを有し、
前記ベルトの前記外側表面は、長さ及び幅を有するベルト摩耗インジケータを備え、
前記ベルト摩耗インジケータは、前記ベルトの前記外側表面から前記ベルト摩耗インジケータの底部まで前記ベルトの深さ方向に画定され、少なくとも0.1mmの深さまで延在する、凹部を備え、
前記ベルトは少なくとも実質的に溝が形成されていない外側表面を備え、
0.1mm以上の深さを有する偏差は、前記ベルトの前記外側表面の表面エリアの10%以下、好ましくは3%以下である、
ベルト。
【請求項2】
前記ベルト摩耗インジケータは、前記凹部の中に塗料を含み、
前記塗料は、前記ベルトの色から視覚的に知覚可能である、
請求項1記載のベルト。
【請求項3】
前記ベルト摩耗インジケータは、前記凹部の中にUV検出塗料を含む、
請求項1又は2記載のベルト。
【請求項4】
- 前記ベルトは、少なくとも2つのベルト摩耗インジケータを有し、及び/又は
- 前記ベルトは、2000個以下のベルト摩耗インジケータを有する、
請求項1乃至3いずれか1項記載のベルト。
【請求項5】
前記ベルト摩耗インジケータの長さは、前記ベルトが摩耗するにつれて減少する、
請求項1乃至4いずれか1項記載のベルト。
【請求項6】
前記ベルト摩耗インジケータの幅は、前記ベルトが摩耗するにつれて減少する、
請求項1乃至5いずれか1項記載のベルト。
【請求項7】
前記ベルト摩耗インジケータは、前記深さ方向において、前記ベルト摩耗インジケータの頂部から前記ベルト摩耗インジケータの底部へ先細になっている、
請求項1乃至6いずれか1項記載のベルト。
【請求項8】
- 前記ベルト摩耗インジケータの前記幅は、1mmと10mmとの間の範囲内である、
請求項1乃至7いずれか1項記載のベルト。
【請求項9】
- 前記ベルト摩耗インジケータの前記長さは、1mmと50mmとの間の範囲内である
請求項1乃至8いずれか1項記載のベルト。
【請求項10】
- 前記ベルト摩耗インジケータの前記底部と補強構造の外側表面との間の距離は、前記深さ方向において、前記ベルト摩耗インジケータの底部から前記補強構造の最も外側の表面まで画定され、少なくとも0.01mm、好ましくは少なくとも0.1mmである、
請求項1乃至9いずれか1項記載のベルト。
【請求項11】
- 前記ベルト摩耗インジケータの前記底部と補強構造の外側表面との間の距離は、前記深さ方向において、前記ベルト摩耗インジケータの底部から前記補強構造の最も外側の表面まで画定され、1mm以下、好ましくは少なくとも0.5mm以下である、
請求項1乃至10いずれか1項記載のベルト。
【請求項12】
前記ベルト摩耗インジケータは、円筒形プラグの形状を有する、
請求項1乃至11いずれか1項記載のベルト。
【請求項13】
前記ベルト摩耗インジケータは、1つ以上の溝を含む形状を有する、
請求項1乃至12いずれか1項記載のベルト。
【請求項14】
前記ベルトの全てのベルト摩耗インジケータの合計外側表面エリアは、前記ベルトの外側表面エリアの1%以下、好ましくは0.5%以下を覆う、
請求項1乃至13いずれか1項記載のベルト。
【請求項15】
前記ベルトは、スリーブロールベルトである、
請求項2乃至14いずれか1項記載のベルト。
【請求項16】
前記ベルトは、シュープレスベルトである、
請求項2乃至14いずれか1項記載のベルト。
【請求項17】
前記ベルトは、カレンダーロールのロールカバーなどのロールカバーである、
請求項2乃至14いずれか1項記載のベルト。
【請求項18】
繊維ウェブ機械においてベルトのベルト摩耗インジケータを使用する方法であって、
前記ベルト摩耗インジケータは、少なくとも1つのベルト摩耗インジケータが前記ベルトの任意の停止位置において観察可能であるように、前記ベルトの円周の周りに分散され、
各ベルト摩耗インジケータは凹部を備え、前記凹部は、前記ベルトの深さ方向において、前記ベルトの外側表面から前記ベルト摩耗インジケータの底部まで画定され、少なくとも0.1mmの深さまで延在する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は繊維ウェブ機械(a fiber web machine)のためのベルトに関する。本発明はさらに、繊維ウェブ機械のベルトのベルト摩耗インジケータを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
抄紙機、及び、板紙、パルプ並びにティッシュ機械は、典型的には、形成セクション、プレスセクション、及び乾燥セクションを備える。製紙、パルプ製造、板紙製造において、繊維ウェブの物性を低下させることなく生産効率を改善するために、湿潤繊維ウェブからの脱水量をいかに増加させるかが課題となっている。
【0003】
今日、これらの機械は、典型的には、水の除去又は繊維ウェブの搬送をサポートするためのフェルト及びワイヤを有する。さらに、抄紙機は、乾燥された繊維ウェブの平滑性を改善するための(1つ以上の)カレンダー機などの、最終製品特性を改善するための仕上げセクションを有してもよい。
【0004】
繊維ウェブ機械は、識別機能を有する、異なるセクションに配置された、多くの種類のロールを備えることがよく知られている。例えば、湿潤繊維材料からの自由水(free water)の除去を改善するために、スリーブロールを形成セクションで使用することができる。シュープレスは、例えば、その中の繊維ウェブ中の残留水の除去を改善するためにプレスセクションにおいて使用することができる。スリーブロール及びシュープレスロールは両方とも、ベルトが適切に動ける(run)ことを必要とする。
【0005】
WO200371030は、ポリマー材料を含むベルトの例を開示している。しかしながら、産業界では、繊維ウェブ機械用の新たなベルトが依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、繊維ウェブ機械のためのベルトに関する。本発明の1つの目的は、繊維ウェブ機械のための改良されたベルトを提供することである。
【0007】
本発明の態様は、独立請求項に記載されていることを特徴とする。本発明の様々な実施形態が従属請求項に開示されている。
【0008】
繊維ウェブ機械は、抄紙機(a paper machine)であり得、又は板紙、パルプ、若しくはティッシュ機械(a board, pulp, or tissue machine)であり得る。
【0009】
繊維ウェブ機械は、スリーブロールを含み得る。スリーブロールは、典型的には、繊維ウェブ機械のワイヤセクションに配置される。スリーブロールのおかげで、ワイヤセクションの水除去を改善することができる。有利には、本明細書によるベルトは、スリーブロールベルトである。
【0010】
さらに、繊維ウェブ機械は、シュープレスを含み得る。シュープレスは、典型的には、繊維ウェブ機械のプレスセクションに配置される。シュープレスのおかげで、プレスセクションの水除去を改善することができる。一実施形態では、本明細書によるベルトはシュープレスベルトである。
【0011】
さらに、繊維ウェブ機械は、少なくとも1つのカレンダーを備えることができる。カレンダーのおかげで、乾燥繊維ウェブの平滑性(smoothness)を改善することができる。一実施形態において、本明細書によるベルトは、カレンダーロールのロールカバーである。
【0012】
したがって、ベルトは、スリーブロールベルト、又はシュープレスベルト、又はロールカバーであり得る。
【0013】
本明細書によるベルトは、ベルト摩耗インジケータを含む。ベルト摩耗インジケータは、溝のない外側表面を有するベルトに有利に使用される。スリーブロール及びカレンダーロールは、好ましくは、前記の溝のない表面を有するベルトを備える。したがって、有利には、ベルト摩耗インジケータを有するベルトは、カレンダーロールのベルトカバー又はスリーブロールベルトである。
【0014】
スリーブロールベルトの摩耗レベルを決定することは、従来、特に困難であり、したがって、ベルト摩耗インジケータは、スリーブロールベルトに特に有用であり得る。したがって、最も有利には、ベルト摩耗インジケータを有するベルトは、スリーブロールベルトである。
【0015】
本明細書によるベルトは、内側表面と外側表面とを有する。ベルトは、本体材料を含む本体を含むことができる。さらに、ベルトは、例えば本体内に埋め込まれることができる補強構造を含むことができる。使用中、ベルトは、典型的に閉ループを形成する。ベルトは不透過性ベルトであることができる。
【0016】
ベルトの外側表面は、長さ及び幅を有するベルト摩耗インジケータを備える。ベルト摩耗インジケータは、ベルトの外側表面からベルトの深さ方向に画定される、所定の深さまで延在する凹部を備えることができる。
【0017】
ベルトは、溝のない外側表面を有することができ、0.1mmを超える深さを有する偏差(deviations)は、ベルトの外側表面の表面エリアの10%以下、好ましくは3%以下を形成する。一実施形態では、ベルトは、ベルト摩耗インジケータを除いていかなる偏差も有さず、すなわち、ベルトは、滑らかな(smooth)又は少なくとも実質的に滑らかな外側表面を有することができる。
【0018】
ベルト摩耗インジケータは、ベルトの色から視覚的に知覚可能である(visually perceptible)少なくとも1つの視覚的に区別可能な(visually distinctive)材料を含むことができる。例えば、ベルト摩耗インジケータは、凹部の中に塗料を含み得る。
【0019】
視覚的に区別可能な材料に代えて又は加えて、ベルト摩耗インジケータは、少なくとも1つのUV検出材料を含むことができる。例えば、ベルト摩耗インジケータは、凹部内にUV検出塗料を含むことができる。
【0020】
ベルトは、少なくとも1つのベルト摩耗インジケータを備える。好ましくは、ベルトは、少なくとも2つのベルト摩耗インジケータを備える。さらに、ベルトは2000個以下のベルト摩耗インジケータを備える。
【0021】
上述したように、ベルト摩耗インジケータは、ベルトの深さ方向においてベルトの外側表面からベルト摩耗インジケータの底部まで画定されることができる深さまで延在する。ベルト摩耗インジケータの少なくとも深さは、ベルトが摩耗するにつれて減少することができる。一実施形態において、ベルト摩耗インジケータの長さは、ベルトが摩耗するにつれて減少する。代替的又は追加的に、ベルト摩耗インジケータの幅は、ベルトが摩耗するにつれて減少することができる。一実施形態では、ベルト摩耗インジケータは、深さ方向において、ベルト摩耗インジケータの上部からベルト摩耗インジケータの底部へと先細になっている。
【0022】
ベルト摩耗インジケータの幅は、ベルトが摩耗する前の新たなベルトから測定して、1mmと10mmとの間の範囲とすることができる。したがって、ベルト摩耗インジケータは容易に視認可能である。
【0023】
ベルトは、ベルトの補強構造を保護するために、ベルト摩耗インジケータと糸などのベルトの補強構造との間に安全な距離を有するように配置されることができる。したがって、ベルト摩耗インジケータは好ましくは、ベルトの深さ方向に画定される、ベルトの補強構造の最も外側の表面の深さよりも少なくとも0.01mm小さい、好ましくは少なくとも0.1mm小さい深さまで延在する。
【0024】
したがって、ベルト摩耗インジケータの底部と補強構造の外側表面との間の距離は、ベルト摩耗インジケータの底部から補強構造の最も外側の表面までの深さ方向に画定され、少なくとも0.01mm、好ましくは少なくとも0.1mmであることができる。このように、ベルト摩耗インジケータは、ベルトの補強構造を保護するために使用することができる。
【0025】
ベルトが摩耗しすぎて安全でなくなる前の任意の時点においてベルトの摩耗率を決定するために、ベルト摩耗インジケータとベルトの補強構造との間の距離は、ベルト摩耗インジケータの底部から補強構造の最も外側の表面まで、ベルトの深さ方向において画定され、1.5mm以下、好ましくは1mm以下とすることができる。
【0026】
ベルト摩耗インジケータは、例えば、円筒状プラグの形状又は1つ以上の溝の形状を有することができる。
【0027】
ベルトの全てのベルト摩耗インジケータは、ベルトの外側表面エリアの10%未満を覆うことができる。好ましくは、ベルト摩耗インジケータは、ベルト摩耗インジケータの外側表面の総エリアとして画定される、ベルトの外側表面エリアの3%以下、より好ましくは1%以下、最も好ましくは0.5%以下を覆う。
【0028】
この新規な解決策は多くの利点を有する。繊維ウェブ機械の機械コンポーネントは、典型的にはコンパクトに配置されているので、従来、空間が限られているため、検査又は保守は困難であった。ベルトの摩耗は、停止(shut down)中に制御された方法でベルトを交換する時間を有するために十分に早く検出されるべきである。コストを節約するために、ベルトはできるだけ遅く交換されることが多い。しかしながら、ベルトは破損する前に新たなものと交換しなければならない。
【0029】
ベルトは時間とともに摩耗するので、ベルトの検査及び保守は、動作不良を回避するために適時に行われる必要がある。
【0030】
ベルトの非常に小さいが良好に配置されたエリアを覆うことができるベルト摩耗インジケータのおかげで、現在の摩耗率にかかわらず、ベルトの摩耗率(wear rate)を常に見ることが可能である。さらに、ベルトの外側表面上の摩耗インジケータの低いカバレッジは、ベルトの動作性能又は繊維ウェブの物理的特性に影響を与えない。
【0031】
従来、ベルトの摩耗率を決定することは困難かつ高価であった。例えば、WO200371030は、ポリマー材料を含む抄紙機ベルトを開示しており、このベルトは、異なる色を有する2つの層を有することができる。しかしながら、この種の解決策では、層全体が摩耗する前に摩耗率を知ることは不可能であり、これは動作不良を回避するには遅すぎるか、又は、選択された停止期間中に制御された方法でベルトを交換する時間を有するのに十分早くベルトの摩耗率を決定することができない。したがって、この種の解決策を使用することによって、任意の可能な時間におけるベルトの摩耗率を見ることは不可能である。このため、ベルトメンテナンスを事前に準備することができない。
【0032】
本明細書によるベルトのおかげで、ベルトの正確な摩耗率を費用効率的に決定することができる。
【0033】
新規なベルト摩耗インジケータは、ベルトの他の特性に実質的に影響を及ぼすことなく、ベルトが使用中に破損する可能性があるようにベルトが摩耗したときを示すことができる。さらに、新規なベルト摩耗インジケータは、任意の特定の瞬間にベルトがどの程度摩耗したかを示すことができる。新規なベルトのおかげで、困難な又は信頼できない測定デバイスを使用することなく、溝の無いベルトの摩耗レベルを容易に示すことが可能である。さらに、ベルトの摩耗率は、例えば、選択された停止期間中に、制御された方法でベルトを交換する時間を有するのに十分に早く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
以下では、図面を参照して本発明を説明する。
【
図1a】
図1aは、スリーブロールの例示的な位置を示す図である。
【
図1b】
図1bは、スリーブロールの実施例を示す図である。
【
図2a】
図2aは、ベルトの実施例を示す図である。
【
図2b】
図2b~3aは、ベルト用のいくつかの実施例構造を示す図である。
【
図3a】
図2b~3aは、ベルト用のいくつかの実施例構造を示す図である。
【
図3b】
図3bは、ベルト摩耗インジケータの例示的な位置を示す図である。
【
図4a】
図4a~4fは、ベルト摩耗インジケータのいくつかの例示的な断面を示す。
【
図4b】
図4a~4fは、ベルト摩耗インジケータのいくつかの例示的な断面を示す。
【
図4c】
図4a~4fは、ベルト摩耗インジケータのいくつかの例示的な断面を示す。
【
図4d】
図4a~4fは、ベルト摩耗インジケータのいくつかの例示的な断面を示す。
【
図4e】
図4a~4fは、ベルト摩耗インジケータのいくつかの例示的な断面を示す。
【
図4f】
図4a~4fは、ベルト摩耗インジケータのいくつかの例示的な断面を示す。
【0035】
図面は、縮尺通りではない場合がある例示である。図中、同様の部分は同じ参照番号で示されている。
【発明を実施するための形態】
【0036】
この解決策は、いくつかの実施形態を参照して以下でより詳細に説明されるが、これらは限定的なものとみなされるべきではない。
【0037】
この明細書では、以下の数字と記号を有する図を参照する:
1 ベルト
1a ベルト本体の厚さ
2 ベルトの第1端部
3 ベルトの第2端部
5 例えばワイヤ又はフェルトなどの繊維ウェブ機械ファブリック
6 繊維ウェブ
10 ベルトの内側表面
11 ベルトの外側表面
14 ベルトの本体
20 ベルト摩耗インジケータ
21 ベルト摩耗インジケータの長さ
22 ベルト摩耗インジケータの幅
23 ベルト摩耗インジケータの深さ
24 ベルト摩耗インジケータの凹部
25 凹部内の塗料等のベルト摩耗インジケータのフィリング
26 ベルト摩耗インジケータの位置エリアの長さ
27 ベルトの外側の端部エリア
28 隣り合うベルト摩耗インジケータの間の距離
29 摩耗インジケータの円周繰り返し(circumference repetition of wear indicators)、すなわち、MDで決定される最初の摩耗インジケータと最後の摩耗インジケータとの間の距離
30 補強構造
31 補強構造の第1糸層
32 補強構造の第2糸層
60 ベルトの取付点
100 スリーブロール
102 スリーブロールのサポートシャフト
110 スリーブロールの曲線要素
α ベルト摩耗インジケータとベルトの外側表面との間の角度
D1 ベルトの第1方向
D2 ベルトの第2方向
MD ベルトの進行方向(travel direction of the belt)
CD ベルトの横方向
C1 スリーブロールの第1曲線
C2 スリーブロールの第2曲線
【0038】
特許請求の範囲及び明細書に記載の実施形態及び実施例は、特に明記しない限り、相互に自由に組み合わせることができる。
【0039】
本明細書において、用語「含む(comprising)」はオープン用語として使用される場合があるが、クローズド用語「からなる(consisting of)」も含む。したがって、別段の指示がない限り、「含む」という単語は「含む又はからなる」と読むことができる。
【0040】
本明細書及び特許請求の範囲の目的のために、別段の指示がない限り、全ての範囲は、開示された最大点及び最小点の任意の組み合わせを含み、その中の任意の中間範囲を含み、それらは本明細書に具体的に列挙されてもされなくてもよい。
【0041】
「厚さ」とは、ベルトの深さ方向を意味する。
【0042】
本出願では、用語「進行方向(travel direction)」MD及び「横方向(cross direction)」CDが使用される。進行方向MDは、使用中のベルトの回転方向を指す。横方向CDは、長手方向を指し、典型的にはベルト1の進行方向MDを横切る方向を指す。使用中、横方向は、ベルトの回転軸に実質的に平行である。
【0043】
本出願では、「実質的に平行」という用語は、1つの方向が前記実質的に平行な方向から10度を超えて逸脱しないこと、最も好ましくは3度を超えて逸脱しないことを意味する。したがって、例えば、「進行方向に実質的に平行(substantially parallel to the travel direction)」は、本出願では、方向が前記進行方向から10度を超えて逸脱しないこと、好ましくは3度を超えて逸脱しないことを意味する。
【0044】
「溝のない表面(non-grooved surface)」という用語は、0.1 mmを超える深さを有する偏差(deviations)が前記表面の10%以下を形成し、好ましくは表面が平面又は少なくとも主に平面である、ベルトのそのような外側表面を指す。この明細書は、溝付き表面を有するベルトに関するものではない。従来、溝は、特定の動作要件を満たすために、例えば、ベルトに対して2つの方向に水を除去するために、ベルトの外側表面全体にわたって分配されてきた。驚くべきことに、スリーブロールベルトなどの溝のない外側表面を有するいくつかのベルトは、溝付き表面を有するベルトよりも多くの利点を示している。したがって、新規なベルトは、0.1mmを超える深さを有する偏差が前記表面の10%以下を形成する溝なし表面を有する。
【0045】
本明細書による繊維ウェブ機械は、スリーブロール、シュープレス、及びカレンダーのうちの少なくとも1つを備えることができる。
【0046】
カレンダー
繊維ウェブ機械は、カレンダーを含み得る。
【0047】
カレンダーの機能は、典型的には、処理される繊維ウェブの平滑性を改善することである。カレンダーは、典型的には、圧力下で閉じて繊維ウェブを圧縮して滑らかにする少なくとも2つのロールを有する。
【0048】
ベルトは、使用時に、ベルト1がカレンダーロール間に形成されたプレスゾーンを通過することができるように、カレンダーロールに関連する(in connection with)(配置される)ことができる。
【0049】
シュープレス
繊維ウェブ機械は、シュープレスを含み得る。
【0050】
このベルト1を備えたシュープレスは、繊維ウェブの脱水に用いることができる。シュープレスは、典型的には、カウンターロールとプレスシューとを備え、それらの間にプレスゾーンが形成される。したがって、延長されたプレスゾーン、即ち、所謂ロングニップが、プレスシューとカウンターロールとの間に形成される。シュープレスの機能は、典型的には、繊維ウェブから水を除去することである。
【0051】
ベルトは、動作中にベルトがカウンターロールとプレスシューとの間のプレスゾーンを通過するようにシュープレスに関連して配置されるか、又は配置されることができる。
【0052】
典型的には、プレスシューとカウンターロールとの間のニップ内を通る、シュープレスベルト、少なくとも1つの抄紙機ファブリック及び脱水されるべき繊維ウェブの全てが圧縮されるように、プレスシュー及びカウンターロールはプレスゾーンにおいて互いに押圧される。
【0053】
スリーブロール繊維ウェブ機は、スリーブロールを含み得る。ベルトはスリーブロールベルトであり得る。
【0054】
スリーブロールベルトは、好ましくは溝のないベルトである;したがって、スリーブロールベルトの摩耗は、ベルト摩耗インジケータ20なしでは気づくことが困難であり得る。さらに、
図1aに示すように、スリーブロールベルトは、典型的には、アクセスが困難である。したがって、ベルト摩耗インジケータは、スリーブロールベルトのために特に有利であり得る。本明細書によるベルトを有するスリーブロール100は、成形セクション内の水分除去を改善するために成形セクション内に配置することができる。
【0055】
図1bは、スリーブロールの一実施例を示す。ベルト1を備えたスリーブロール100は、ワイヤ5上の繊維ウェブ6を脱水するために使用することができる。ベルト1は、スリーブロール100上に配置され得る。
【0056】
スリーブロール100は、サポートシャフト102を備えることができる。ベルト1は、スリーブロール100の外側表面の周りに配置することができる。したがって、ベルト1をサポートシャフト102周りに周回させる(led to circle)ことができる。
【0057】
ベルト1は、その外側表面11が繊維ウェブ6に面し、その内側表面10がスリーブロール100に面するように、スリーブロール100に関連して配置され得る。これによりループ形状を有するベルト1によってスリーブロール100を取り囲むことができる。
【0058】
さらに、スリーブロール100は、サポートシャフト102上に互いに距離を置いて配置されたサポート要素を備えることができる。スリーブロールの外側表面の周りを回ることができるベルト1は、サポート要素によってサポートされることができる。
【0059】
スリーブロール100は、湾曲要素110をさらに備えることができる。動作中、ベルトは、典型的には、湾曲要素上の脱水ゾーンを通り抜ける。湾曲要素110は、湾曲要素110上でベルトを伸張させる力を増大させることができる。湾曲要素110は可動であり得、即ち、湾曲要素110の表面上のベルトの曲率半径は、湾曲要素110をスリーブロールの中心に向かって、又はスリーブロールの外側表面から外向きに移動させることによって制御することができる。したがって、ベルト1の伸張は、通常の速度から非常に高い速度まで変化し得る。
【0060】
ベルトの周長は、可動湾曲要素110により、ベルトの動作時間中に増減され得る。したがって、ベルトは、スリーブロールの湾曲要素110によって引き起こされる伸張を取り扱うことができるように、高い弾性を有することができる。さらに、ベルトは、容易に破断しないように良好な強度特性を有することができる。
【0061】
上述したように、ベルト1は、固定サポートシャフト102の周りを周回するように導かれることができる。さらに、(1つ以上の)ワイヤ5は、曲線脱水ゾーンC1、C2を介して導かれることができ、脱水ゾーンはベルト1によってサポートされることができる。
【0062】
スリーブロール100は、典型的には少なくとも2つの部分曲線C1、C2を含む少なくとも1つの曲線脱水ゾーンC1、C2を含むことができ、したがって、第1部分曲線C1の曲率半径は、ベルトの進行方向MDにおいて第1部分曲線に続く第2部分曲線C2の曲率半径よりも大きくてもよい。これは、繊維ウェブからの水の除去を改善することができる。
【0063】
曲線脱水ゾーンC1、C2は、スリーブロール100の曲線要素110によって形成されることができる。曲線要素110の湾曲の度合は、ベルト1の進行方向において増加することができ、それにより、増加する脱水圧力が、例えば、曲線要素110上の前記少なくとも1つの曲線脱水ゾーンC1、C2上のワイヤ間を進む繊維ウェブ6に加えられる。曲線要素110上の曲線脱水ゾーンC1、C2は、曲率半径が好ましくはワイヤの進行方向において減少するように、いくつかの曲線を含むことができる。これは、繊維ウェブからの水の除去を改善することができる。
【0064】
湾曲要素110は、2つ以上の位置の間で移動することができる。したがって、曲線要素110は、曲線要素110上のベルト1の曲率半径を制御するために使用することができる。
【0065】
曲線要素110の第1位置は、曲線要素上に第1表面を形成し得る。第1表面は、湾曲要素の近くの表面と同じ曲率半径を有し得る。
【0066】
湾曲要素110の第2位置では、湾曲要素の外側表面は、外向きに移動され得る。したがって、曲線要素110の第2位置は、曲線要素上に第2表面を形成し得る。第2表面は、湾曲要素の近くの表面と比較した場合、減少した曲率半径を有し得る。
【0067】
湾曲要素110の第2位置では、ベルト1は、湾曲要素110に起因して伸張する必要があり得る。さらに、湾曲要素100が可動である場合、ベルト1は、湾曲要素が第1/後退位置に戻るときに、その元の形状に戻る必要があり得る。したがって、ベルト1は、良好な弾性及び適切な強度特性を有する必要があり得る。
【0068】
スリーブロール100は、ベルト1の内側表面10とスリーブロール100の外側表面との間にオイル潤滑剤をさらに含むことができる。ベルト1の内側表面10は、スリーブロール100の外側表面に対して摺動することができる。処理されるべき繊維ウェブ6は、典型的にはワイヤ5などの1つ以上のファブリックによってサポートされてベルト1に導かれ得る。
【0069】
ベルト
本明細書によるベルトは、スリーブロールベルトであるように構成されることができる。あるいは、本明細書によるベルトは、シュープレスベルト又はカレンダーロールのロールカバーであるように構成されることができる。
【0070】
ベルトは内側表面10と外側表面11とを有することができる。ベルトは、補強構造31、32を備えることができる。
【0071】
ベルトは、少なくとも動作中、閉ループを形成することができ、すなわち、ベルト1は、無端ループのような形状とすることができる。
【0072】
ベルト1は、長さ、円周、及び厚さを有することができる。厚さは最小寸法である。円周及び長さは、スリーブロール100、シュープレス又はカレンダーロールにベルトを適合させるように選択することができる。ベルト1の周長は、ベルト1の内径が使用時に目的に適したものとなるように決定される。
【0073】
ベルト1は不透過性ベルトであることができる。したがって、ベルトの外側表面11に影響を与えることなく、例えばベルトの内側表面10上のオイル層を使用することが可能である。
【0074】
本出願において、「弾性(elasticity)」という用語は、力が除去されたときに元の形状に戻るベルトの能力を指す。弾性率(%)は、ベルトがどれだけ弾性的に伸びることができるかを示す値である。ベルトは、ベルトを伸張させる力が取り除かれた後に元の長さに戻るように、ベルトの進行方向に1.5%以上弾性的に伸張するように構成されてもよい。一実施形態において、ベルトは、ベルトを伸張させる力が除去された後に元の長さに戻るように、ベルトの進行方向に1.5%~5.0%、より好ましくは2.0%~4.0%の範囲で弾性的に伸張するように構成されることができる。したがって、ベルトは、少なくともベルトの進行方向において、良好な伸縮性及び弾性を有し得る。これにより、ベルトが損傷しにくくなる。ベルト1はさらに屈曲可能(bendable)であってもよく、すなわち、ベルトは、破断することなく少なくとも所定の曲率半径まで屈曲することが可能であり得る。
【0075】
横方向におけるベルトの長さは、機械幅にしたがって画定され、例えば、1.5m~13mの範囲内であり得る。
【0076】
ベルト1の周長、すなわち1回転の長さは、ベルト1の内径が使用時に使用に適したものとなるように決定される。スリーブロールベルト、シュープレスベルト、カレンダーロールの周長は異なっていてもよい。ベルトの内径は、700mm~2000mmの範囲であってもよい。
【0077】
ベルトは、外縁部27(
図3b参照)を有することができ、外縁部27は、典型的には繊維ウェブ又はファブリックと接触しない。外縁27は、200mm~400mm、好ましくは250mm~350mmの範囲の長さを有してもよい。
【0078】
ベルトの厚さ1aは、少なくとも1.5mm、より好ましくは少なくとも2mm、最も好ましくは3mm以上であることができる。したがって、適切な強度を得ることが可能であるとともに、たとえば糸などの補強構造をベルト内に配置することが可能である。
【0079】
ベルトの厚さ1aは、10mm以下、より好ましくは7mm以下、最も好ましくは4mm以下、例えば2.5mm~5mmの範囲内であり得る。この厚さは、ベルトの材料と共に、ベルト、特にスリーブロールベルト及びシュープレスベルトに良好な強度特性を提供することができる。カレンダーロールのロールカバーに関して言えば、その厚さは、その動作条件に依存して40mmまでであり得る。
【0080】
ベルト1は、本体14を有する。本体は、本体材料を含むことができるか、又は本体材料からなることができる。好ましくは、ベルト1は圧縮された後に初期形状を再びとる能力を有する弾性体を含む。したがって、ベルト1は、良好な弾性を有するために弾性体を含むことができる。
【0081】
ベルト1は、繊維ウェブ機械に適しており、ワイヤ、フェルト、又は繊維ウェブを傷つけず、適切な伸張特性及び強度特性を有する材料から作製されることができる。
【0082】
本体は、(1つ以上の)ポリマーを含むか又は(1つ以上の)ポリマーからなることができる。本体14は、エラストマー材料を含むか又はエラストマー材料からなってもよい。ベルト1は、その主原料としてエラストマー材料を含むことができる。
【0083】
本体14はポリウレタンを含むことができる。本体14は、主にポリウレタンを含むことができ、例えば、ベルトの総重量から計算して、少なくとも50重量%のポリウレタンを含むことができる。ポリウレタンは、弾性及び屈曲性などのベルトの特性を改善することができ、特に、ファブリック5及び繊維ウェブ6と組み合わせて使用するのに適する。したがって、ポリウレタンは、良好な強度及び弾性特性を得るために使用することができ;したがって、ベルトは、破断することなく動作時間中に伸張及び屈曲することが可能であり得る。さらに、ベルトは、ベルトの総重量から計算して、99.9重量%以下、より好ましくは97重量%以下、又は95重量%以下のポリウレタンを含んでもよい。例えば、補強構造31、32は、(1つ以上の)他の材料を含むことができる。ポリウレタンの製造方法は、当業者に公知である。ポリウレタンの製造プロセスは、従来技術の方法に基づくことができる。
【0084】
ベルト本体は、特定の組成及び硬度を有し、耐クラック性、耐摩耗性、及び耐屈曲疲労性の良好な物理的特性を有するポリウレタンからなる(1つ以上の)層を有することができる。
【0085】
ベルトは、補強構造30、31、32を備えることができる。補強構造30は、本体14をサポートするサポート構造であることができる。ベルトの弾性は実質的に高くなければならず、したがって、補強構造30はベルトの弾性を過度に減少させるべきではない。
【0086】
補強構造30、31、32は、糸を含むことができる。「糸(yarn)」という用語は、比較的小さな断面を有する長い構造を指す。糸は、撚りの有無にかかわらず、繊維及び/又はフィラメントから構成されることができる。用語「フィラメント」は、非常に長い繊維を指す。
【0087】
糸は多重もろより糸であってもよい。糸は、合成ポリマーをベースとすることができる。
【0088】
ベルトは、少なくとも2つの方向、すなわち、第1方向D1及び第2方向D2に配列されたいくつかの糸を有することができる。第1方向D1は、ベルトの進行方向MDに平行又は実質的に平行であることができる。第2方向D2は、ベルトの回転軸に対して平行又は実質的に平行であることができる。
【0089】
各層内の隣接する糸は、互いに接触しているか又は互いに結合しているか、あるいは、互いに離間しているか、のいずれかであることができる。
【0090】
異なる層31、32内の糸は、次の層の糸と接触しているか又は結合されているか、あるいは、互いに離間しているか、のいずれかであることができる。好ましくは、互いの上にある補強糸層31、32は、互いに分離されている。したがって、糸層は、いかなる方法でも互いに固定されたり互いに結合されたりする必要はない。しかしながら、異なる層の糸が次の層の糸と接触又は結合している場合、補強構造の強度特性を改善することができる。
【0091】
糸は弾性体に埋め込まれることができる。したがって、糸は、本体の材料によって完全に取り囲まれることができる。
【0092】
糸は、高強度、高弾性率、及び高弾性率を有する合成繊維を含むことができる。糸は、ポリアミド(PA)、例えばナイロン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、レーヨン、ビスコース、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアラミド、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶タルプラスチック(LCP)、ポリイミド、及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のうちの少なくとも1つを含むか又は少なくとも1つからなることができる。上述の材料を含むか又はそれからなる糸は、ベルトを強化することができるが、それでもベルトの必要なレベルの屈曲及び伸張を可能にする。
【0093】
図2a~b及び
図3aを参照すると、ベルトは溝のない外側表面11を有することができる。上述したように、「溝のない表面(non-grooved surface)」という用語は、0.1mmを超える深さを有する偏差が表面の10%以下を形成するようなベルトの外側表面を指す。したがって、好ましくは、ベルトの外側表面11は、多くの平行な溝を含まない。ベルトは、滑らかな外側表面を有することができる。特に、スリーブロールベルトの外側表面は、好ましくは滑らか又は実質的に滑らか(smooth)である。滑らかな外側表面を有するベルト1は、ベルト摩耗インジケータを除いて、0.1mmを超える深さを有する溝もパターンも有さないことができる。
【0094】
ベルトの外側表面11は、わずかなパターニング、即ち所謂バフ仕上げ(buffing)を含むことができる。ベルト1の外側表面11上のバフ仕上げの深さは、例えば0~50μm又は3~30μmであることができる。ベルトの外側表面の適切な粗さは、繊維ウェブ機械ファブリックとの協働に有利な効果を有することができる。
【0095】
ベルト摩耗インジケータ
ベルト1は、1つ以上のベルト摩耗インジケータ20を備える。ベルト摩耗インジケータのいくつかの実施例が
図2b~4fに示されている。ベルト摩耗インジケータ20は、ベルトがすぐに破損し得るほど、ベルトが摩耗したときにユーザに警告するために使用され得る。ベルト摩耗インジケータのおかげで、停止中にベルトの摩耗を容易にチェックすることができ、ベルトは、所定の停止中に制御可能な新たなものと交換することができる。
【0096】
ベルト摩耗インジケータ20は、凹部24を備えるか又は凹部24からなることができる。ベルトの摩耗は、例えばカメラによって記録され、及び/又は、例えばベルト摩耗インジケータ20の深さ、幅及び/又は長さとして測定され得る。
【0097】
したがって、ベルト摩耗インジケータは、(めくら)穴の形態を有することができる。
【0098】
ベルト摩耗インジケータ20は、フィリングを有しない凹部24を含むか又はからなることができ、あるいはベルト摩耗インジケータ20は、フィリング25を有する凹部24を含むか又はからなることができる。したがって、凹部24はフィリング25で少なくとも部分的に充填されてもよい。
【0099】
フィリングは、塗料を含むか又は塗料からなることができる。
【0100】
好ましくは、凹部はフィリングで完全に充填されず、凹部の少なくともいくつかの表面上に塗料の層のみが存在する。凹部は、凹部の全て又は実質的に全ての表面上に塗料を有してもよい。
【0101】
ベルト摩耗インジケータの(1つ以上の)色は、ベルトの(1つ以上の)色と異なることができる。ベルト摩耗インジケータ20は、ベルトの色から視覚的に知覚可能な色を有することができる。したがって、塗料などのフィリング25は、好ましくは、ベルトの色から視覚的に知覚可能な色を有する。したがって、凹部24は、視認性を向上させるために塗装されてもよい。
【0102】
ベルトの色から視覚的に知覚可能な(1つ以上の)色に代えて又は加えて、ベルト摩耗インジケータは、UV検出可能な塗料などのUV検出可能な成分を含むことができる。したがって、ベルト摩耗インジケータはUV検出塗料を有することができる。
【0103】
UV検出可能塗料は、ベルトと同じ色を有してもよく、又はUV検出可能塗料の色は、ベルトの色から視覚的に知覚可能であってもよい。
【0104】
ベルト摩耗インジケータが、塗料などのUV検出可能成分を有する場合、ベルト摩耗インジケータはベルトと同じ色を有することができ、依然として、停止中にベルトの外側表面から容易に検出することができる。
【0105】
一実施形態では、ベルト摩耗インジケータ20の色は、ベルトの色と同じである。ベルト摩耗インジケータの色がベルトの色と同じであり、ベルト摩耗インジケータがUV検出可能成分を有していない場合、ベルト摩耗インジケータの位置を見ることが困難な場合がある。しかしながら、ベルトの摩耗は、依然としてカメラによって記録されることができ、及び/又は例えばベルト摩耗インジケータ20の深さとして、測定されることができる。
【0106】
ベルト摩耗インジケータ20がフィリングを含む場合、フィリングはベルトと同時に摩耗するように設計することができる。したがって、繊維ウェブにおけるマーキングを回避することが可能である。フィリングは、例えば、凹部の少なくともいくつかの表面を覆う凹部内の塗料であってもよい。この実施形態は、目視検査の容易さを大幅に改善することができる特に費用効率の高い解決策であり得る。さらに、塗料などのフィリングのおかげで、ベルトの摩耗を、例えばカメラによって容易に測定及び/又は記録することができる。
【0107】
設置後、ベルトは、典型的には、ベルトの小さなエリアのみを視覚的にチェックすることができる。アクセスの難しさは、主に、
図1aに示すように、ロールを取り囲むいくつかのフレーム、ガード型シーティング、及び脱水要素によるものである。容易な目視検査を得るために、ベルトは、好ましくは、
図3bに示されるように、互いから離間され、ベルトの全周にわたって位置付けられる、いくつかのベルト摩耗インジケータを有する。したがって、保守のためにロールがどの位置に停止しても、摩耗インジケータのうちの少なくとも1つを観察又はアクセスすることができる。
【0108】
ベルトは、1つ以上のベルト摩耗インジケータ、好ましくは少なくとも10個のベルト摩耗インジケータを備えることができる。
【0109】
したがって、ベルト摩耗インジケータの総量は、少なくとも2pcs/ベルトかつ2000pcs/ベルト以下、好ましくは少なくとも30pcs/ベルト、より好ましくは少なくとも40pcs/ベルトかつ500pcs/ベルト以下であることができる。したがって、いつでも、ベルトの任意の位置に、ベルトの停止位置の設置場所で見ることができる少なくとも1つのベルト摩耗インジケータ20を設けることが可能である。さらに、ベルトの特性にあまり影響を与えない費用効果の高い解決策を得ることが可能である。この種の摩耗インジケータは、外部センサなどを設置することなく、容易かつ迅速に製造することができる。さらに、ベルトの強度特性に影響を及ぼさないようにするために、摩耗インジケータが多すぎないことが有利であり得る。
【0110】
ベルトが複数のベルト摩耗インジケータを備える場合、ベルト摩耗インジケータは、互いに離間され得る。
【0111】
ベルト摩耗インジケータ20は、例えば、矩形形状、プラグ形状などの円筒形状、円錐形状、円錐台形状、又は溝形状などのストリップ形状を有することができる。
【0112】
一実施形態では、ベルト摩耗インジケータ20は、円筒形プラグの形状を有する。円筒形プラグの形状は、特に深い凹部を有するベルトの耐久性にとって有利であり得る。
【0113】
一実施形態では、ベルト摩耗インジケータ20は、少なくとも10mmの長さを有する溝の形状を有する。(1つ以上の)溝の形状は、ベルトの正確な摩耗率(wear rate)の検出の容易性を改善するという技術的効果を提供することができる。横方向に配向された溝を使用することによって、CD方向における局所的摩耗の正確な位置を示す容易さを改善することができる。さらに、MD方向に配向された溝は、サポート糸の問題など、局所的なMD不連続を見つけるのに役立つ。
【0114】
一実施形態では、ベルト摩耗インジケータ20は、それぞれが少なくとも1mm、好ましくは少なくとも10mm、好ましくは100mm未満の長さを有するいくつかの平行な溝の形状を有する。いくつかの平行な溝を含むこの種の形状は、ベルト摩耗の情報のようなマトリックスを明らかにするために使用されてもよい。形状を形成する隣接する溝間の距離は、例えば、5mm~50mmであることができる。
【0115】
ベルト摩耗インジケータ20は、
図2bに示されるような円形断面、又は
図3aに示されるようなストリップ状断面、又は任意の他の形態を有することができる。ベルト摩耗インジケータ20は、例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形、五角形、及び多角形の断面のうちの少なくとも1つを有することができる。
【0116】
ベルト摩耗インジケータ20は、容易に測定されるべき適切な幅22及び長さ21を有することができる。さらに、ベルト摩耗インジケータ20は、ベルトの摩耗レベルを示すことができるように、適切な深さ23まで延在することができる。
【0117】
一実施形態では、全ての又は少なくとも実質的に全てのベルト摩耗インジケータは、1mm~10mmの幅22を有する。
【0118】
ベルト摩耗インジケータ20は、1mm~10mm、好ましくは2mm~6mmの幅22を有することができる。この種のベルト摩耗インジケータは、ベルトの動作性能に影響を与えることなくベルトの摩耗率を決定するために使用することができる。したがって、ベルト摩耗インジケータ20は、1mm以上、好ましくは1.5mm以上、最も好ましくは2mm以上の幅22を有することができる。さらに、ベルト摩耗インジケータ20は、10mm以下、好ましくは8mm以下、より好ましくは7mm以下、最も好ましくは6mm以下の幅22を有することができる。ベルト摩耗インジケータの幅は、互いに隣り合うインジケータの異なる深さをコード化及び/又はマークするために使用することができる。幅22は、新たなベルトから決定されるベルト摩耗インジケータ20の最大幅22として測定することができる。
【0119】
ベルト摩耗インジケータは、1mm以上、好ましくは2mm以上、最も好ましくは3mm以上の長さ21を有することができる。さらに、ベルト摩耗インジケータ20は、100mm以下、好ましくは40mm以下、より好ましくは20mm以下、最も好ましくは10mm以下、例えば6mm以下の長さ22を有することができる。長さ21は、新たなベルトから決定される、ベルトの外側表面に沿ったベルト摩耗インジケータ20の最大測定値として測定することができる。ベルト摩耗インジケータの長さは、互いに隣り合うインジケータの異なる深さをコード化及び/又はマークするために使用することができる。この種のベルト摩耗インジケータは、ベルトの動作性能に影響を及ぼすことなくベルトの摩耗率を決定するために使用されることができる。
【0120】
ベルト摩耗インジケータ20の深さ23は、ベルト摩耗インジケータの位置において、(新たなベルトから)ベルトの深さ方向に決定することができる。ベルト摩耗インジケータ20の深さ23は、典型的に、ベルトが摩耗するにつれて減少する。
【0121】
ベルト摩耗インジケータ20は、ベルトが摩耗する前に、ベルトの深さ方向に決定される6mm以下の深さ23に延在するように配置されることができるる。ベルト摩耗インジケータ20は、例えば、ベルトが摩耗する前に、ベルトの外側表面から深さ方向に画定される、0.1mm~4.2mmの深さ23まで延在するように配置されることができる。好ましくは、ベルト摩耗インジケータ20は、ベルトが摩耗する前に、ベルトの外側表面から深さ方向に決定される、少なくとも0.3mmの深さ23まで、より好ましくは少なくとも0.5mmの深さまで延在するる。
【0122】
ベルトは、ベルト摩耗インジケータと補強構造(糸など)との間に安全な距離を有することができる。
【0123】
ベルト摩耗インジケータと、補強構造の最も外側の表面との間の距離は、ベルト摩耗インジケータの底部から補強構造の外側表面までベルトの深さ方向に決定される、少なくとも0.01mm、好ましくは少なくとも0.05mm、より好ましくは少なくとも0.08mm、最も好ましくは少なくとも0.1mmであり得る。したがって、ベルト摩耗インジケータ20は、ベルトが摩耗したときに、糸に損傷を与える前に、ユーザに警告することができる。
【0124】
ベルト摩耗インジケータと補強構造の最も外側の表面との間の距離は、ベルト摩耗インジケータの底部から補強構造の外側表面までベルトの深さ方向に画定して、1.5mm以下、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.8mm以下、最も好ましくは0.5mm以下であり得る。したがって、ベルト摩耗インジケータ20は、ベルトが摩耗しすぎて安全でなくなる前にいつでもユーザに警告することができる。
【0125】
ベルト摩耗インジケータ20の形状は、インジケータの上部からインジケータの底部に向かって先細であることができる。したがって、ベルト摩耗インジケータ20は、ベルトの外側表面からベルト摩耗インジケータ20の底部まで深さ方向に先細になるテーパ形状を有することができる。したがって、ベルト摩耗インジケータ20の長さ21及び/又は幅22は、ベルト摩耗インジケータ20の深さ23とともに減少することができる。したがって、ベルトが摩耗するにつれて、ベルト摩耗インジケータ20は、より短く及び/又はより薄くなり得る。これは、摩耗レベルは、ベルト摩耗インジケータ20の長さ21及び/又は幅22としてベルトの外側表面から測定され得るので、ベルトの摩耗を検出する容易さを改善し得る。
【0126】
ベルト摩耗インジケータは、ベルトの総外表面積の10%以下を覆うことができる。好ましくは、ベルト摩耗インジケータは、ベルトの総外側表面の面積の3%以下、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下、最も好ましくは0.5%以下を覆う。したがって、ベルトの動作性能に影響を与えることなく、ベルトの摩耗を費用効率よく容易に決定することができる。
【0127】
ベルトの停止位置において少なくとも1つのベルト摩耗インジケータを容易に見つけるために、2つの最も近いベルト摩耗インジケータ間の距離は、ベルトの機械方向で決定される、50cm以下、好ましくは40cm以下、最も好ましくは30cm以下であることができる。
代替的に又は追加的に、2つの隣り合うベルト摩耗インジケータ間の距離28は、少なくとも10mm、例えば10mm~300mm、好ましくは30mm~200mm、最も好ましくは50mm~100mmであることができる。
【0128】
図3bに示すように、ベルト摩耗インジケータは、目視検査を容易にするために斜めに配置することができる。したがって、例えばスリーブロールの困難な位置にもかかわらず、ベルトの任意の位置において、ベルトの摩耗レベルを確認する容易さを改善することができる。さらに、螺旋状に配置されたベルト摩耗インジケータは、形成ファブリック(forming fabric)を有するエリア内と形成ファブリックを有さないエリア内との摩耗の差を見る利点を与える。さらに、螺旋状に配置されたベルト摩耗インジケータのおかげで、いくつかのベルト摩耗インジケータが常に形成ファブリックの下に配置されるように異なる幅の形成ファブリックを使用することができるが、ベルトの摩耗は可能な限りロールの端部の近くで測定することができる。
【0129】
摩耗インジケータの円周繰り返し29は、ベルトの円周に依存し得る。MDにおいて最初のベルト摩耗インジケータから最後のベルト摩耗インジケータまで画定される、摩耗インジケータの円周繰り返し29は、例えば、400mm~1300mm、例えば500mm~1000mmであることができる。ベルト摩耗インジケータは、シャットダウンが行われるときはいつでも、そのシャットダウン位置でベルトの摩耗を観察することができるように、全周にわたって分布することが好ましい。さもなければ、(1つ以上の)摩耗インジケータを見るためにロールを回転させることは容易ではない。
【0130】
ベルト摩耗インジケータは、ベルト摩耗インジケータの(1つ以上の)位置エリア26(a location area(s)26)内に配置されることができる。ベルト1は、ベルト摩耗インジケータの第1位置エリアを有することができ、第1位置エリアの長さは、ベルトの第1端部2からベルトの中心に向かって延在する。ベルト1は、ベルト摩耗インジケータの第2位置エリアを有してもよく、第2位置エリアの長さは、ベルトの第2端部3からベルトの中心に向かって延在する。したがって、一実施形態では、ベルト摩耗インジケータの位置は、ベルト摩耗インジケータの第1位置エリア26及び/又は第2位置エリアを超えない。ベルト摩耗インジケータの(1つ以上の)第1及び/又は第2位置エリアの長さは、ベルトの外側縁部エリア27を除くベルトの(1つ以上の)端部2、3からベルトの中心に向かって画定される、例えば、20cm~1.5mの範囲、好ましくは30cm~1.2mの範囲、最も好ましくは少なくとも40cmであってもよい。
【0131】
一実施形態では、ベルトの外側表面の中央エリアには、ベルト摩耗インジケータがない。これにより、ベルトの製造コストを低減することができる。さらに、ベルトの側部エリアからベルトの摩耗率を決定することが典型的にはより容易であるので、ベルト摩耗インジケータはベルトの中央において必要ないことがある。
【0132】
ベルトは均一に摩耗するはずである。しかしながら、場合によっては、ベルトの中心がベルトの他の部分よりも早く又は遅く摩耗することがある。したがって、一実施形態では、ベルトは、ベルトの外側表面の中央エリアにも摩耗インジケータを備える。この実施形態では、ベルトがベルトの外側表面エリア全体にわたって均一に摩耗したかどうかを決定することが可能である。したがって、一実施形態では、少なくとも1つのベルト摩耗インジケータ20は、ベルトの中心又は実質的に中心に位置することができる。したがって、ベルトを交換した後に、ベルトの摩耗レベルをベルトの全外側表面を通して検査することができる。
【0133】
図4fを参照すると、ベルト摩耗インジケータ20は、ベルト摩耗インジケータ20の位置においてベルトの外側表面に対して、70~110度、好ましくは80~100度の角度αを形成することができる。角度αは、製造プロセスの容易さを改善することができる。さらに、角度αを有するベルト摩耗インジケータは、ベルトの特性に実質的に影響を与えないことができる。さらに、この記角度のおかげで、ベルト摩耗インジケータ20のユーザは、他の角度と比較して、ベルトの摩耗をより容易に解釈する(interpret)ことができる。
【0134】
ベルトの製造方法
ベルトは、当業者に知られている方法を用いて製造することができる。例えば、
- いくつかのサポート糸(support yarns)を提供するステップと、
- エラストマー材料を鋳造する(casting)ことによってベルト用の本体を成形するステップと、
- 任意選択で、前記材料を硬化させるステップと、
- 前記ベルトの前記外側表面に(1つ以上の)ベルト摩耗インジケータを提供するステップと、
によって、ベルトを製造することができる。
【0135】
したがって、繊維ウェブ機械用のベルトを製造する方法は、以下の:
- 本体14を形成するために本体材料を鋳造するステップと、
- ベルトの補強構造31、32を提供するステップと、
- 任意選択で、本体材料を硬化させるステップと、
- 外側表面にいくつかのベルト摩耗インジケータを提供するステップと、
を含むことができる。
【0136】
ベルト摩耗インジケータ20、特にベルト摩耗インジケータの凹部は、例えば、マイクロドリル技術によって、又はレーザ若しくは溶融ツールによって形成されてもよい。
【0137】
溝付きタイプのインジケータは、例えば、固定直径円形ブレード(a fixed diameter round blade)等の溝付けツールを用いて行われてもよい。さらに、フィリングは、使用される場合、例えば、塗料を塗布することによって加えられてもよい。
【0138】
ベルトは、繊維ウェブ機械の、スリーブロール、又はシュープレス、又はカレンダーロール上に設置されるように意図され得る。
図2b及び
図3bを参照すると、ベルトは、例えば、ベルトの設置のための、ベルトの複数の取付点60をさらに備えてもよい。
【0139】
ベルト摩耗インジケータのおかげで、ベルトの摩耗を容易に決定することができる。さらに、実験的試験中に、本明細書によるベルト摩耗インジケータは、ベルトの強度特性などのベルトの他の特性に影響を及ぼさないことが示された。さらに、ベルト摩耗インジケータは、繊維ウェブの表面にマーキングを引き起こさなかった。
【0140】
本発明は、図示及び実施例の助けを借りて記載されている。本発明は、上記の実施形態のみに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内で変更することができる。
【外国語明細書】