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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098035
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】部分放電変換器
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/12 20200101AFI20240711BHJP
   G01R 31/14 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
G01R31/12 A
G01R31/14
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024080624
(22)【出願日】2024-05-17
(62)【分割の表示】P 2019220102の分割
【原出願日】2019-12-05
(31)【優先権主張番号】16/235,747
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504407000
【氏名又は名称】パロ アルト リサーチ センター,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】トッド・カリン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・キーゼル
(72)【発明者】
【氏名】アジャイ・ラガバン
(57)【要約】
【課題】変圧器などの電気デバイスの部分放電監視装置を提供する。
【解決手段】電気システムの部分放電(PD)イベントを感知するように構成されたPDセンサ411を含むPD変換器440。少なくとも1つの発光デバイス(LED)412が、PDセンサと直列に配置されている。LEDは、電気センサ信号をPDセンサから受信するように、かつ電気センサ信号に応じて光信号を生成するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部分放電変換器であって、
電気システムの部分放電イベントを感知するように構成された部分放電(PD)センサと、
前記PDセンサと直列の少なくとも1つの発光デバイス(LED)であって、前記LEDが、
前記PDセンサから電気センサ信号を受信し、
前記電気センサ信号に応じて光信号を生成する、ように構成されている、少なくとも1つのLEDと、を備える、部分放電変換器。
【請求項2】
前記PDセンサが、過渡接地電圧センサ、又は高周波結合コンデンサを含む、請求項1に記載の部分放電変換器。
【請求項3】
前記PDセンサと前記LEDとの間に接続されたハイパスフィルタを更に備える、請求項1に記載の部分放電変換器。
【請求項4】
前記LEDと並列に配置された電圧調整器を更に備え、前記電圧調整器が、前記LEDのターンオン電圧を約0Vにするように構成されている、請求項1に記載の部分放電変換器。
【請求項5】
前記LEDの応答時間が、
約5nsを超える立ち上がり時間と、
約5nsを超える立ち下がり時間と、を含む、請求項1に記載の部分放電変換器。
【請求項6】
部分放電監視システムであって、
複数の部分放電(PD)変換器であって、各部分放電変換器が、
監視対象の電気システムの部分放電(PD)イベントを感知するように、かつ前記PDイベントに応じて電気センサ信号を生成するように構成されたPDセンサと、
前記PDセンサと直列の少なくとも1つの発光デバイス(LED)であって、前記LEDが、
前記PDセンサから電気センサ信号を受信し、
前記電気センサ信号に応じてアナログ光信号を生成する、ように構成されている、少なくとも1つのLEDと、を含む、複数のPD変換器と、
前記LEDから光を受け取るように光学的に連結され、かつ前記監視対象の電気システムに近接した位置から、前記監視対象の電気システムから遠隔の位置に前記アナログ光信号を搬送するように構成された、少なくとも1つの光ファイバと、
前記アナログ光信号に応じてアナログ電気信号を生成するように構成された、前記遠隔位置にある少なくとも1つの受光デバイスと、を備える、部分放電監視システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのLEDデバイスが、
前記PDセンサと直列の少なくとも1つの第1のLEDであって、前記第1のLEDが、前記PDセンサから前記電気センサ信号を受信するように連結されており、前記第1のLEDが、前記電気センサ信号の正方向パルスに応じて第1のアナログ光信号を生成するように構成されている、少なくとも1つの第1のLEDと、
前記PDセンサ内で直列の少なくとも1つの第2のLEDであって、前記第2のLEDが、前記PDセンサから前記電気センサ信号を受信するように連結されており、前記第2のLEDが、前記電気センサ信号の負方向パルスに応じて第2のアナログ光信号を生成するように構成されている、少なくとも1つの第2のLEDと、を含み、
前記少なくとも1つの光ファイバが、
前記第1のLEDから前記第1のアナログ光信号を受信するように光学的に連結され、かつ前記監視対象の電気システムに近接した位置から、前記監視対象の電気システムから遠隔の位置に前記第1のアナログ光信号を搬送するように構成された、少なくとも1つの第1の光ファイバと、
前記第2のLEDから前記第2のアナログ光信号を受信するように光学的に連結され、かつ前記監視対象の電気システムに近接した位置から、前記監視対象の電気システムから遠隔の位置に前記第2のアナログ光信号を搬送するように構成された、少なくとも1つの第2の光ファイバと、を含み、
前記少なくとも1つの受光デバイスが、
前記第1のアナログ光信号に応じて第1のアナログ電気信号を生成するように構成された少なくとも1つの第1の受光デバイスと、
前記第2のアナログ光信号に応じて第2のアナログ電気信号を生成するように構成された少なくとも1つの第2の受光デバイスと、を含む、請求項6に記載の監視システム。
【請求項8】
前記アナログ電気信号又は前記アナログ電気信号から導出された信号を分析するように、かつ前記分析に基づいて前記PDイベントを検出するように構成されたPD検出プロセッサを更に備える、請求項6に記載の監視システム。
【請求項9】
前記電気センサ信号又は前記電気センサ信号から導出された信号の少なくとも1つの値を閾値と比較するように、かつ前記比較に基づいて前記PDイベントを検出するように構成されたPD検出プロセッサを更に備える、請求項6に記載の監視システム。
【請求項10】
前記PDイベントの電荷転送の大きさを判定するように構成されたPD検出プロセッサを更に備える、請求項6に記載の監視システム。
【請求項11】
前記PD検出プロセッサが、変換アルゴリズムを適用して前記PDイベントの電荷転送の大きさを判定するように構成されている、請求項10に記載の監視システム。
【請求項12】
PD検出プロセッサを更に備え、前記PD検出プロセッサが、
前記電気センサ信号又は前記電気センサ信号から導出された信号のシグネチャを、前に取得した、前記電気センサ信号又は前記電気センサ信号から導出された前記信号のシグネチャと比較し、
前記比較に基づいて前記電気システムの劣化を判定する、ように構成されている、請求項6に記載の監視システム。
【請求項13】
PD検出プロセッサを更に備え、前記PD検出プロセッサが、
前記電気システムの使用パターン及び負荷パターンの一方又は両方をPDイベントの特性に基づいて判定し、
使用パターン及び負荷パターンの一方又は両方に基づいて前記電気システムの故障を予測する、ように構成されている、請求項6に記載の監視システム。
【請求項14】
部分放電変換器であって、
電気システムの部分放電(PD)イベントを感知するように、かつ前記PDイベントに応じて電気センサ信号を生成するように構成されたPDセンサと、
前記PDセンサから前記電気センサ信号を受信するように連結された第1の発光デバイス(LED)であって、前記第1のLEDが、前記電気センサ信号の正方向パルスに応じて第1の光信号を生成するように構成されている、第1のLEDと、
前記第1のLEDと並列の第2のLEDであって、前記第2のLEDが、前記PDセンサから前記電気センサ信号を受信するように連結されており、前記第2のLEDが、前記電気センサ信号の負方向パルスに応じて第2の光信号を生成するように構成されている、
第2のLEDと、を備える、部分放電変換器。
【請求項15】
部分放電監視システムであって、
複数の部分放電変換器であって、各部分放電変換器が、
電気システムの部分放電(PD)イベントを感知するように構成されたPDセンサと、
前記部分放電イベントによって発生した電気センサ信号を前記PDセンサから受信するように連結された第1の発光デバイス(LED)であって、前記第1のLEDは、前記第1のLEDが前記電気センサ信号の正方向パルスに応じて第1のアナログ光信号を生成するように配置されている、第1のLEDと、
前記第1のLEDと並列に配置された第2のLEDであって、前記第2のLEDが、前記PDセンサから前記電気センサ信号を受信するように連結されており、前記第2のLEDは、前記第2のLEDが前記電気センサ信号の負方向パルスに応じて第2の光信号を生成するように配置されている、第2のLEDと、を含む、複数の部分放電変換器と、
前記第1のアナログ光信号に対応する第1のファイバ光信号を搬送するように構成された少なくとも1つの第1の光ファイバと、
前記第2のアナログ光信号に対応する第2のファイバ光信号を搬送するように構成された少なくとも1つの第2の光ファイバと、を備える、部分放電監視システム。
【請求項16】
方法であって、
監視対象の電気システムの部分放電イベントを検知することと、
前記PDイベントに応じて電気センサ信号を生成することと、
前記電気センサ信号をアナログ光信号に変換することと、
前記監視対象の電気システムの位置から、前記監視対象の電気システムから遠隔の位置に、光ファイバを介して前記アナログ光信号を送信することと、
前記アナログ光信号に応じて、前記遠隔位置でアナログ電気信号を生成することと、を含む、方法。
【請求項17】
前記電気センサ信号を前記アナログ光信号に変換することが、
前記電気センサ信号の正方向パルスを第1のアナログ光信号に変換することと、
前記電気センサ信号の負方向パルスを第2のアナログ光信号に変換することと、を含み、
前記アナログ光信号を送信することが、
前記監視対象の電気システムに近接した位置から、前記監視対象の電気システムから遠隔の位置に、第1の光ファイバを介して前記第1のアナログ光信号を送信することと、
前記監視対象の電気システムに近接した位置から、前記監視対象の電気システムから遠隔の前記位置に、第2の光ファイバを介して前記第2のアナログ光信号を送信することと、を含み、
前記遠隔位置で前記アナログ電気信号を生成することが、
前記第1のアナログ光信号に応じて第1のアナログ電気信号を生成することと、
前記第2のアナログ光信号に応じて第2のアナログ電気信号を生成することと、を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記アナログ電気信号又は前記アナログ電気信号から導出された信号を分析して前記PDイベントを検出することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記電気センサ信号又は前記電気センサ信号から導出された信号の少なくとも1つの値を閾値と比較することと、前記比較に基づいて前記PDイベントを検出することと、を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記PDイベントの電荷転送の大きさを判定することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記電気センサ信号又は前記電気センサ信号から導出された信号のシグネチャを、前に取得した、前記電気センサ信号又は前記電気センサ信号から導出された前記信号のシグネチャと比較することと、
前記比較に基づいて前記電気システムの劣化を判定することと、を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記電気システムの使用パターン及び負荷パターンの一方又は両方をPDイベントの1つ以上の特性に基づいて判定することと、
前記電気システムの前記使用パターン及び負荷パターンの一方又は両方に基づいて前記電気システムの故障を予測することと、を更に含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
部分放電(PD)は、絶縁体内で又は電気デバイスの電極の近くで発生する小さな電気的火花である。部分放電は、放電の経路が1つの導体から別の導体に又は接地に到達しないため、アーク放電とは異なる。部分放電監視は、電気デバイスの劣化を検出するための重要なツールであり得る。PDの存在は、絶縁劣化、接続不良、水分侵入、意図しない場所での高電圧、又は他の問題を示し得る。
【発明の概要】
【0002】
いくつかの実施形態は、電気システムの部分放電(PD)イベントを感知するように構成されたPDセンサを含むPD変換器を対象とする。少なくとも1つの発光デバイス(LED)が、PDセンサと直列に配置されている。LEDは、電気センサ信号をPDセンサから受信するように、かつ電気センサ信号に応じて光信号を生成するように構成されている。
【0003】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのLEDは、PDセンサから電気センサ信号を受信するように、かつ電気センサ信号の正方向パルスに応じて第1の光信号を生成するように連結された第1のLEDを含む。第2のLEDが、第1のLEDと並列に配置されている。第2のLEDは、電気センサ信号をPDセンサから受信するように、かつ電気センサ信号の負方向パルスに応じて第2の光信号を生成するように連結されている。
【0004】
いくつかの実施形態は、PD監視システムを含む。監視システムは、上述の実施形態のいずれかによる複数のPD変換器を含む。少なくとも1つの光ファイバが、LEDから光を受け取るように、かつ監視対象の電気システムに近接した位置から、監視対象の電気システムから遠隔の位置にアナログ光信号を搬送するように光学的に連結されている。遠隔位置に位置する少なくとも1つの受光デバイスが、アナログ光信号に応じてアナログ電気信号を生成する。
【0005】
いくつかの実施形態は、PD監視システムを含む。監視システムは、上述の実施形態のいずれかによる複数のPD変換器を含む。少なくとも1つの光ファイバが、LEDから光を受け取るように、かつ監視対象の電気システムに近接した位置から、監視対象の電気システムから遠隔の位置にアナログ光信号を搬送するように光学的に連結されている。遠隔位置に位置する少なくとも1つの受光デバイスが、アナログ光信号に応じてアナログ電気信号を生成する。
【0006】
いくつかの実施形態は、PDイベントを示す信号を取得する方法を対象とする。この方法によれば、監視対象の電気システムのPDイベントが感知され、PDイベントに応じて電気センサ信号が生成される。電気センサ信号は、アナログ光信号に変換される。アナログ光信号は、監視対象の電気システムの位置から、監視対象の電気システムから遠隔の位置に、光ファイバを介して送信される。アナログ光信号に応じて、アナログ電気信号が遠隔位置で生成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】様々な実施形態による、電気-光変換器を含むPD検出回路の概略図である。
図2】様々な実施形態による、電気-光変換器を含むPD検出回路の概略図である。
図3】様々な実施形態による、電気-光変換器を含むPD検出回路の概略図である。
図4】様々な実施形態による、電気-光変換器を含むPD検出回路の概略図である。
図5】いくつかの実施形態による、N個のPDセンサ及びN個の電気-光変換器を含むPD監視システムを概略的に示す。
図6】いくつかの実施形態による、中央処理回路の一部分の代表的な実施形態を示すブロック図である。
図7】PDイベント中の結合コンデンサの両端電圧のグラフである。
図8A】いくつかの実施形態による、部分放電システムのブロック図を示す。
図8B】いくつかの実施形態による、PD検出システムのより詳細なブロック図を提供する。
図9】PDセンサ信号、及びPD信号のエンベロープを示す。
図10】いくつかの実施形態による、片側直接電気エンベロープ発生器を備えるPD検出システムの簡略化された概略図である。
図11】いくつかの実施形態による、片側直接増幅電気エンベロープ発生器を備えるPD検出システムの簡略化された概略図である。
図12】いくつかの実施形態による、両側直接電気エンベロープ発生器を備えるPD検出システムの簡略化された概略図である。
図13】いくつかの実施形態による、片側増幅光エンベロープ発生器を含むPD検出システムの簡略化された概略図である。
図14】いくつかの実施形態による、両側光エンベロープ発生器を含むPD検出システムの簡略化された概略図である。
図15】いくつかの実施形態による、両側光エンベロープ発生器1810を含むPD検出システム1800の簡略化された概略図である。
図16A】いくつかの実施形態による、電気-光変換器の第1のLEDからの光信号を表すトランスインピーダンス増幅器の電圧信号出力のグラフである。
図16B】いくつかの実施形態による、電気-光変換器の第2のLEDからの光信号を表すトランスインピーダンス増幅器の電圧信号出力のグラフである。
図17A】容量式PDセンサからの最大信号に対する第1のLEDからの光信号を表す電圧信号の比較を示す。
図17B】容量式PDセンサからの最大信号に対する第2のLEDからの光信号を表す電圧信号の比較を示す。
図18】いくつかの実施形態による、2つのLEDからの電圧信号に基づいて部分放電電荷振幅を予測するモデルを当てはめるために使用される多項式面を示す。
図19】いくつかの実施形態による、容量式PDセンサを使用して測定されたPD電荷に対するモデルを使用して予測されたPD電荷の比較を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
部分放電(PD)は、高電圧の構成要素、例えば、約1000ボルトを超える動作電圧を有する構成要素において、より発生する可能性が高いが、PDはまた、より低い電圧の構成要素にも影響を及ぼし得る。部分放電部位は、電気デバイスの絶縁体の欠陥が存在する場所に対応し得る。PDについてデバイスを監視することにより、より深刻な故障が発生する前に、そのデバイスを修理する必要があることを早期に警告することが可能になる。
【0009】
部分放電(PD)イベントは、導体間又は導体と接地との間の絶縁材を部分的にのみ架橋する局所的な放電である。各PDイベントは、感知され得る高周波電気信号を生成する。
【0010】
本明細書で論じられるいくつかの実施形態は、部分放電イベントの発生について電気デバイスを監視することを対象とする。電気デバイスは、電気システムの電気的に接続された構成要素である。一実施例では、電気システムは、電気デバイス、例えば変圧器、と、変圧器を電力網に又は別の電気デバイスに接続するコネクタと、を含む。
【0011】
本明細書で論じられるいくつかの実施形態は、電気-光変換器を含むPD検出回路を対象とする。図1は、PDセンサ411からの電気センサ信号を光信号に変換するように構成された電気-光変換器410を含むPD検出回路440の概略図である。一般に、PDセンサ411は、任意の種類のPDセンサであり得る。例えば、PDセンサ411は、容量結合式センサであり得るか、又はそれを含み得る。PDセンサ411は、過渡接地電圧センサ、又は高周波結合コンデンサ、であり得るか、又はそれを含み得る。変換器410は、PDセンサ411と直列の発光デバイス(LED)412を含む。いくつかの実施形態では、電流制限抵抗器もまた、LED412と直列又は並列のいずれかで含まれ得る。
【0012】
LED412は、例えば、発光ダイオード又はレーザを含み得る。PDセンサ411は、矢印480によって示されるループで流れる電流を生じさせる電気信号を生成する。電気信号は、電気信号に応じてPDイベントを示すアナログ光信号413を生成するLED412を駆動する。LED412は、更なる処理のために、アナログ光信号413を遠隔位置に搬送するように配置された光ファイバ420に光学的に連結され得る。いくつかの実施形態では、変換器410、及び光ファイバ420の入力端425は、監視対象の電気的構成要素401の位置に配設され、更なる処理は、PDイベントの発生を検出する及び/又は遠隔位置でPDイベントの発生に関する情報を抽出する。
【0013】
いくつかの実施形態では、PDイベントに関する情報は、図1にあるように、光ファイバ420を介してアナログ光信号413によって搬送され得る。他の実施形態では、光信号は電気信号に再変換され、電気信号は、PDイベントを示す情報を遠隔位置に搬送する。例えば、アナログ光信号413は、光検出器によって電気信号に変換され得、電気信号は、例えば、フィルタリング、増幅及び/又はアナログ-デジタル(A/D)変換によって、処理され得る。フィルタリング、増幅、及びA/D変換を実装する回路は、監視対象構成要素401の位置に配設することができる。いくつかの実施形態では、デジタル化された電気信号は、デジタル光信号が光ファイバに結合される前に、デジタル光信号に再変換され得る。このような実施形態では、デジタル光信号は、監視対象の電気的構成要素からのPDイベントに関する情報を遠隔位置に搬送する。
【0014】
図2は、いくつかの実施形態による、電気-光変換器510の別のバージョンの概略図である。この例では、変換器510は、任意選択的に、ハイパスフィルタ530を含む。図2に示される実施形態では、ハイパスフィルタ530は、直列に接続されたコンデンサ531及び抵抗器532を含む。ハイパスフィルタ530は、電気センサ信号の低周波を減衰させる。抵抗532は、LED 512、514への電流を制限するように選択されている。
【0015】
第1及び第2のLED 512、514は、反対の極性で、互いに平行して配置されている。第1及び第2のLED 512、514は、PDセンサ411によって生成された電気信号を光信号513、515に変換する。第1のLED 512は、センサ信号の正方向部分に応じて第1のアナログ光信号513を生成し、第2のLED 514は、センサ信号の負方向部分に応じて第2のアナログ光信号515を生成する。
【0016】
部分放電イベントによって引き起こされる電圧変動は、典型的には非常に速い(数十nsで振動する)。このような速い信号を記録するには、高価なデータ取得カードが必要である。LED回路にローパスフィルタリングを追加すると、より安価な構成要素で記録することができる低速の生成された光パルス(0.5μ秒~数μ秒)がもたらされる。いくつかの実施形態では、LED 512、514は、LED 512、514の応答時間がセンサ信号のローパスフィルタリングを提供するように選択され得る。例えば、いくつかの実装では、許容可能なセンサ信号のローパスフィルタリングは、LED 512、514が約5nsの立ち上がり時間及び立ち下がり時間を有するときに達成され得る。代替的には、ローパスフィルタは回路に追加され得る。
【0017】
LED 512、514はそれぞれ、対応する第1及び第2の光ファイバ521、522に光学的に連結され得る。LED 512は光ファイバ521に光学的に連結され、LED 514は光ファイバ522に光学的に連結される。いくつかの実施形態では、変換器510、及び光ファイバ521、522の入力端525、526は、監視対象の電気デバイス401に位置する。光ファイバ521、522は、更なる処理のために第1及び第2のアナログ光信号513、515を遠隔位置に搬送するように延在する。LED及び光ファイバを含む光相互接続は、監視対象構成要素と、光信号が受信及び処理される遠隔位置との間に、良好な電気絶縁及び低い電磁干渉を有する信号経路を提供する。
【0018】
上述のように、いくつかの実施形態では、PDイベントに関する情報は、光ファイバ521、522を介してアナログ光信号513、515によって搬送され得る。他の実施形態では、光信号513、515は、監視対象の電気デバイス401の位置で電気信号に変換され、電気信号は、前述したように、PDを示す情報を遠隔位置に搬送する。
【0019】
LEDとセンサとの間に介在するオペアンプなどの能動デバイスなしでLEDがPDセンサに接続されている、図1図2、及び図3に示される直接電気-光変換器の場合、LEDのターンオン電圧よりも小さい電圧を発生させるPDイベントは、光信号を生成しない。しかしながら、これは、60Hzの(基底)周波数のうちのいくらかで結合するためにハイパスフィルタ特性を変更することによって調整され得る。この60Hzの基底周波数は、小さなイベントさえも光信号に変換されるようにLEDをバイアスするために使用され得る。デバイスの感度を高めるために、より低いターンオン電圧を有するLEDを使用することも可能である。
【0020】
図3は、PD検出のための電気-光変換器610の実施形態を示す。変換器610は、変換器510と併せて前述したのと多くの同じ構成要素を有する。変換器610は、追加的に、LED 512、514と接地との間に接続された整流器/調整器641を含み、LED 512、514の有効ターンオン電圧を約0Vにする。図3に示される構成では、整流器/調整器641の包含は、約1nC未満の電荷を測定することを可能にし、小さなPDさえもLED 512、514から光出力を生成することが可能になる。整流器/調整器641は、LEDの両端電圧が入力信号411の高周波成分にのみ関連するように、電圧入力411への接続を有し得る。
【0021】
図4は、監視対象の電気的構成要素401のPDイベントを検出するための電気-光変換器710の別の実装を示す。変換器710は、PDセンサ411と、互いに反対の極性で並列に配置されているLED 712、714との間に連結された演算増幅器742を含む。抵抗器743は、LED 712、714への電流を制限するように選択されている。PDセンサ411とLED 712、714との間に増幅器742を使用することは(LEDへ直接の方法と比較して)、PD電荷と線形である出力光パワーを提供する。この技術を使用すると、小さなPDイベントが、測定可能な光信号を生成することができる。
【0022】
いくつかの実装によれば、PD監視システムは、単一の構成要素の複数の位置を監視するためにその構成要素上に位置付けられた、又は複数の構成要素上に位置付けられた、複数の上述のようなPD変換器を含むことができる。図5は、N個のPDセンサ811-1、811-2、~811-N、及びN個の電気-光変換器810-1、810-2~810-Nを含むPD監視システムを概略的に示す。各PD変換器810-1、810-2、~810-Nはそれぞれ、対応する電気的構成要素801-1、801-2、~801-Nに近接して位置付けられている。PDセンサ811-1、811-2、811-Nは、それぞれ、構成要素801-1、801-2、801-NのPDイベントを感知するために、構成要素801-1、801-2、801-Nに連結されている。PDセンサ811-1、811-2、811-Nのセンサ出力は、それぞれ、PD変換器810-1、810-2、810-Nに連結されている。
【0023】
本実施形態で例示される各PD変換器810-1、810-2、~810-Nは、図3又は図4に関連して前述したように、2つのLEDを含む。各LEDは、光ファイバ821-1、822-1、821-2、822-2~821-N、822-Nに光学的に連結されている。PD変換器810-1、810-2~810-N、及び光ファイバ821-1、822-1、821-2、822-2~821-N、822-Nの入力端825-1、826-1、825-2、826-2、~825-N、826-Nは、監視対象構成要素801-1、801-2、~801-Nにごく近接して位置付けられている。光ファイバ821-1、822-1、821-2、822-2~821-N、822-Nは、監視対象構成要素801-1、801-2、~801-NのPDイベントに関する情報を含む光信号を、PD情報を抽出するために光信号が電気信号に変換され、処理される、中央処理回路860に搬送する。
【0024】
図6は、中央処理回路860の一部分の代表的な実施形態を示すブロック図である。図6に示される中央処理回路の部分は、光ファイバ821、822の出力端にそれぞれ光学的に連結された第1及び第2の光検出器921、922を含む。光ファイバ821、822は、光信号、例えば、PDについて監視されている構成要素に位置するPD変換器の第1及び第2のLEDからのアナログ光信号を搬送する。光検出器921、922は、光信号を受信し、それらを電気信号に変換する。例えば、各光検出器は、シリコンp-i-nダイオード、シリコン光電子増倍器、又は他の種類の光検出器を含み得る。光から電気への変換後、各光検出器921、922からの電気信号は、例えば、演算増幅器を使用して実装されているトランスインピーダンス増幅器931、932によって、増幅される。次いで、増幅された電気信号は、A/D変換器941、942によってデジタル化され、デジタル化された信号は、デジタル化された信号からPD情報を抽出するように構成された回路950に提供される。いくつかの実施形態では、回路は、デジタル化された信号からPD情報を抽出するための記憶されたプログラム命令を実行するプロセッサを含む。追加の信号処理が、PD変換器と中央処理回路950との間の通信リンクに沿った任意の場所に、及び/又は処理回路950によって、実装され得る。
【0025】
部分放電イベントは総電荷量の点において様々であり、PDイベントで転送された総電荷量(クーロンで測定)を判定することは有用であり得る。より大きな電荷のPDイベントは、典型的には、電気デバイス上でのより大きな損傷又は電圧ストレスを示す。ACシステムの場合、PDが発生する位相角もまた、中電圧及び高電圧の構成要素における問題を識別するために使用され得る。
【0026】
PDイベントの大きさは、PDセンサにおける電荷の量によって特徴付けられ得る。PDイベントの電荷の量は、PDセンサ信号の大きさに関連する。センサ信号の大きさからPDイベントの電荷への変換は、電気デバイスがオフにされると既知の電荷が電気デバイスに注入される、部分放電検出プロセッサによって実装された較正技術を通じて得ることができる。
【0027】
センサ信号が、LEDを直接的に(例えば、図1図2図3の構成のように、PDセンサとLEDとの間に介在する増幅器なしで)駆動するように使用される場合、PD電荷は、測定電圧と線形関係にならない。しかしながら、両方のLED上でのイベントの既知の電圧の大きさ/形状があれば、PD電荷を計算することができる。フォトダイオードを使用して電気信号に逆変換された光信号は、電荷を判定するための2次元当てはめ又は式を使用して結合され得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、PDイベントプロセッサは、PDイベント信号に基づいて電気システムの劣化を検出するように構成され得る。例えば、プロセッサは、異なる時点で取られたPDイベント信号から得た情報を記憶し得る。プロセッサは、連続するPDイベントからの情報を比較して、電気システムが変化していること、例えば、時間と共に劣化していることを判定し得る。一シナリオでは、プロセッサは、連続するPDイベントに対するPD電荷信号の大きさ及び/又は転送された総電荷量を取得し得る。PD電荷信号の大きさ及び/又はそれらが経時的に増加する速度の場合、プロセッサは、壊滅的な故障が発生する前にオペレータが措置を講じることを可能にするアラート又は通知をトリガし得る。別のシナリオでは、プロセッサは、第1の時点でのPDイベントに対応するPDセンサ信号(又は他の信号)の第1のシグネチャ(例えば、スナップショット)を取得し、この第1のシグネチャを、第2の時点で発生するPDイベントから得られる第2のシグネチャと比較し得る。プロセッサは、第1及び第2のシグネチャの形態、大きさ、タイミング、エンベロープ立ち上がり時間、エンベロープ立ち下がり、時間、及び/又は他のパラメータを比較して、電気システムの変化を検出し得る。信号シグネチャの変化が劣化を示す場合、プロセッサは、信号シグネチャの変化に応じたアラート又は通知をトリガして、オペレータが適切な措置を講じることを可能にし得る。いくつかの実施形態によれば、プロセッサは、最近の使用傾向及び/又は負荷パターンの傾向に基づいて監視対象の電気システムの故障時間を予測するように構成され得る。
【0029】
部分放電検出における1つの問題は、PD信号を正確に記録するために、典型的には、高速なデータ取得デバイス(毎秒1億サンプルよりも速い)が必要とされることである。これらの高速なデータ取得デバイスは高価である。本明細書で論じられる実施形態は、高周波数のPD信号(例えば、>20MHz)をより低い周波数(例えば、2MHz)のデジタル化器上で記録するための検出器及び方法を対象とする。本明細書に記載されるいくつかのアプローチは、PDイベントの信号のエンベロープを抽出することを含む。PD信号のエンベロープは、PD信号自体よりも、安価で低い周波数のデジタル化器を使用してデジタル化することができる。
【0030】
PDイベントの電気信号をピックアップするために、部分放電センサ、例えば、容量式センサ、過渡接地電圧プローブ、高周波変流器又は高周波アンテナからの信号が使用され得る。いくつかのPDセンサ、例えば、容量式センサ及び/又は変流器は、電力がACである場合、監視対象の電気システムの基底動作周波数を検出することも可能であり得る。いくつかのシナリオでは、例えば高電圧DC送電では、意図される「基底」周波数は存在しないが、振動及び/又は他の信号異常をチェックするために、そのような信号の低周波数成分を記録することが望ましい場合がある。
【0031】
図8Aは、いくつかの実施形態による、部分放電システム1100のブロック図を示す。システムは、電気システムの部分放電(PD)イベントを感知するように、かつPDイベントに応じてセンサ信号を生成するように構成されたPDセンサ1101を備える。PDセンサ1101は、結合コンデンサ、過渡接地電圧センサ、変流器、及びアンテナのうちの1つ以上を含み得る。図9に示されるように、PDセンサ信号1200は、例えば、数十MHz程度の周波数成分を有する、比較的高い周波数の信号である。PD信号1200のエンベロープ1201は、PD信号の正方向のピークをつなぐ正方向部分1201aと、負方向のピークをつなぐ負方向部分1201bとを有する曲線である。エンベロープ信号1201の最高周波数成分は、例えば、1MHz未満、又は100KHz未満であり得る。
【0032】
エンベロープ発生器1110は、PDセンサ1101からセンサ信号を受信するように連結されている。エンベロープ発生器1110は、センサ信号からエンベロープ信号を抽出する。エンベロープ発生器1110は、センサ信号の正方向部分及びセンサ信号の負方向部分の一方又は両方からエンベロープ信号を抽出し得る。
【0033】
デジタル化器1150は、エンベロープ発生器1110に連結されており、エンベロープ信号をエンベロープ信号のデジタル表現に変換するように構成されている。いくつかの実施形態では、デジタル化器1150の帯域幅は、測定される所望の周波数成分の約1/5未満、又は更には約1/10未満であり得る。デジタル化器の出力は、エンベロープ信号を分析してPDイベントの特性を判定するように構成されているプロセッサ1175に提供され得る。例えば、プロセッサ1175は、PDイベント中に転送された総電荷量を判定し得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ1175は、異なる時点で取られたエンベロープ信号から得た情報を記憶し得る。プロセッサ1175は、連続するPDイベントから得たエンベロープ信号からの情報を比較して、電気システムが劣化しているか、又は別の方法で経時的に変化していることを判定し得る。例えば、プロセッサは、連続するPDイベントに対するエンベロープ信号の大きさ及び/又は転送された総電荷量を取得し得る。エンベロープ信号の大きさ、位相分解されたPDパターン、及び/又は転送された総電荷量が経時的に増加している場合、プロセッサ1175は、増加するエンベロープ信号の大きさ及び/又は転送された総電荷量に応じたアラート又は通知をトリガして、壊滅的な故障が発生する前にオペレータが措置を講じることを可能にし得る。別のシナリオでは、プロセッサは、第1の時点での第1のPDイベント中のエンベロープ信号の第1のシグネチャ(例えば、スナップショット)を取得し、この第1のシグネチャを、第2の時点で得られる第2のPDイベント中の第2のシグネチャと比較し得る。プロセッサ1175は、第1及び第2のシグネチャの形態、大きさ、エンベロープタイミング、立ち上がり時間、エンベロープ立ち下がり時間、及び/又は他のパラメータを比較して、電気システムの変化を検出し得る。信号シグネチャの変化が劣化と一致する場合、プロセッサ1175は、信号シグネチャの変化に応じたアラート又は通知をトリガして、オペレータが適切な措置を講じることを可能にし得る。
【0034】
電気システムのより高い使用率及び/又はより高い負荷は、より高い頻度で発生し、より高い大きさを有し、より大きな転送された総電荷量をもたらし、並びに/又はシステムの使用率及び/若しくは負荷を示す他の特性を有するPDイベントに相関する。いくつかの実施形態によれば、プロセッサ1175は、これらのPDイベント特性を追跡し続け、電気システムの使用率及び/又は負荷を経時的に判定し得る。いくつかの実装では、プロセッサは、システムの使用傾向及び/若しくは負荷傾向に基づいて、並びに/又はPDイベントの特性に基づいて、電気システムの故障までの時間を予測することができる。
【0035】
図8Bは、いくつかの実施形態による、PD検出システム1100Bのより詳細なブロック図を提供する。PDセンサ1101は、監視対象の電気システムのPDイベントに応じて電気信号を提供する。図8Bに示されるように、エンベロープ発生器1110は、PDセンサに連結されたハイパスフィルタを含む。ハイパスフィルタ1111は、電気的PDセンサ信号内の約50kHz未満の周波数が、フィルタ1111によって実質的に減衰させられるように、カットオフ周波数を有し得る。例えば、PDイベントについてAC電気システムを監視するとき、ハイパスフィルタ1111は、典型的には、ライン周波数を遮断し得る。エンベロープ発生器1110は、1)ハイパスフィルタ1111の出力において信号の負方向部分を遮断し、正方向部分を通過させ、2)ハイパスフィルタ1111の出力において信号の正方向部分を遮断し、負方向部分を通過させ、並びに/又は3)ハイパスフィルタ1111の出力において信号の正方向部分及び負方向部分の絶対値を提供する整流器回路1112を含むことができる。整流器回路1112の出力は、整流された信号から高周波成分を減衰させるローパスフィルタ1113に連結され、ローパスフィルタ1113の出力においてエンベロープ信号を提供する。エンベロープ発生器1110は、任意選択的に、エンベロープ信号を増幅する増幅器1114を含む。エンベロープ信号は、デジタル化器1150のデジタル化器要素1151によってアナログ信号からデジタル信号に変換される。任意選択的に、整流器1112の出力における電気信号は、光信号に変換され得、光信号は、増幅器1114による増幅前に電気信号に再変換され得る。光信号は、いくつかの実装において電気絶縁又は電磁干渉の低減のために望ましい場合がある。
【0036】
いくつかの実施形態では、ハイパスフィルタ1111及び/又はローパスフィルタ1113のカットオフ周波数は、調整可能であり得る。調整可能なフィルタは、異なる周波数でのPD信号振幅のスペクトルが生成されることを可能にする。調整可能フィルタはまた、特定の測定帯域を選択することにも使用され得、したがって、無線周波数信号、他の発生源からのPDなど、環境背景ノイズをピックアップするのを回避し、PD検出システムの感度を高めることができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、PD検出システム1100Bは、任意選択的に、監視対象のAC電気システムの動作周波数を検出するチャネル1160を含むことができる。チャネル1160は、PDイベントについて監視されているACシステムの動作周波数を超える、例えば、その10倍、100倍、1000倍の、周波数を実質的に減衰させると同時に、監視対象のACシステムの動作周波数よりも低い周波数を通過させるローパスフィルタ1115を含む。フィルタリングされた信号は、増幅器構成要素1116及び/又は1117によって増幅され得る。いくつかの実施形態では、増幅器1116と1117との間の信号は、電気信号であり得る。他の実施形態では、増幅器1116の出力は光信号に変換され、増幅器1117の入力前に電気信号に再変換され得る。増幅器1117の出力は、デジタル化器構成要素1152によってアナログ信号からデジタル信号に変換される。基底周波数を検出することにより、検出されたPDイベントの位相角は、同じデジタル化器を使用して容易に記録することができる。
【0038】
デジタル化器構成要素1151、1152の出力は、プロセッサに連結され得る(図8Bには図示せず)。プロセッサは、例えば、図8Aに関連して更に説明されるように、エンベロープ信号を分析するように構成され得る。
【0039】
図10図15は、様々な実施形態による、いくつかのPD検出システムの簡略化された概略図を提供する。図10図15に示される概略構成は、本明細書に記載されるアプローチに従ってPD信号の周波数を、より費用効果的にデジタル化及び分析されることができるより低い周波数のエンベロープ信号にダウンコンバートするPD検出システムを実現するための多くの回路実装のうちのほんのいくつかを提供する。
【0040】
図10は、いくつかの実施形態による、片側直接電気エンベロープ発生器1310を備えるPD検出システム1300の簡略化された概略図である。PDセンサ1101は、監視対象の電気システムのPDイベントに応じて電気信号を提供する。図10に示されるように、エンベロープ発生器1310は、PDセンサ1101に連結されたハイパスフィルタ1311aを含む。図10において、ハイパスフィルタ1311は、コンデンサ1321及び抵抗器1322を含む受動フィルタとして示されているが、他の種類のハイパスフィルタ回路が使用されてもよいことは理解されるであろう。エンベロープ発生器1310は、ハイパスフィルタ1311の出力1311bでの信号の負方向部分を遮断し、正方向部分を通過させるように配置されているダイオードとして例示された整流器回路1312を含む。整流器回路1312の出力1312bは、整流された信号から高周波成分を減衰させるローパスフィルタ1313に連結され、ローパスフィルタ1313の出力1313bにおいてエンベロープ信号を提供する。図10において、ローパスフィルタ1313は、コンデンサ1324及び抵抗器1323を含む受動フィルタとして示されているが、他の種類のローパスフィルタ回路が使用されてもよいことは理解されるであろう。エンベロープ信号は、デジタル化器1350のデジタル化器構成要素1351によってアナログ信号からデジタル信号に変換される。
【0041】
いくつかの実施形態では、ハイパスフィルタ1311及び/又はローパスフィルタ1313のカットオフ周波数は、調整可能であり得る。調整可能なフィルタは、異なる周波数でのPD信号振幅のスペクトルが生成されることを可能にする。調整可能フィルタはまた、無線周波数信号、他の発生源からのPDなど、環境背景ノイズをピックアップするのを回避することにも使用され得、したがって、PD検出システムの感度を高めることができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、PD検出システム1300は、任意選択的に、監視対象のAC電気システムの動作周波数を検出する第2のチャネル1360を含むことができる。チャネル1360は、電気システムの動作周波数よりも低い周波数を通過させながら、動作周波数を超える、例えば、その10倍、100倍、1000倍の、周波数を実質的に減衰させるローパスフィルタ1315を含む。図10において、ローパスフィルタ1315は、コンデンサ1325及び抵抗器1326を含む受動フィルタとして示されているが、他の種類のローパスフィルタ回路が使用されてもよいことは理解されるであろう。ローパスフィルタ1315の出力1315bは、デジタル化器構成要素1352によってアナログ信号からデジタル信号に変換される。デジタル化器構成要素1351、1352の出力は、プロセッサに連結され得る(図10には図示せず)。プロセッサは、例えば、図8Aに関連して更に説明されるように、エンベロープ信号を分析するように構成され得る。
【0043】
図11は、いくつかの実施形態による、片側直接増幅電気エンベロープ発生器1410を備えるPD検出システム1400の簡略化された概略図である。PD検出システム1400の構成要素の多くは、片側直接電気エンベロープ発生器1310に関連して前述したものと類似している。PD検出システム1400は、ハイパスフィルタ1311とローパスフィルタ1313との間に接続された増幅器1490及びバイアス抵抗器1491、1492を含む。整流器1312は、任意選択的に、ハイパスフィルタ1311と増幅器1490との間に、及び/又は増幅器1490とローパスフィルタ1313との間に接続され得る。エンベロープ発生器1410の出力は、デジタル化器構成要素1351に提供される増幅されたエンベロープ信号を提供する。デジタル化器構成要素1351によって生成されたデジタル化された信号は、上述のようにPDイベントの更なる分析を実行するプロセッサに提供され得る(図11には図示せず)。この特定の実施形態では、監視対象のACシステムの動作周波数を検出するための任意選択の別個のチャネルが任意選択的に含まれてもよいが、図示されてはいない。
【0044】
図12は、いくつかの実施形態による、両側直接電気エンベロープ発生器1510を備えるPD検出システム1500の簡略化された概略図である。PDセンサ1101は、監視対象の電気システムのPDイベントに応じて電気信号を提供する。エンベロープ発生器1510は、コンデンサ1521及び抵抗器1522を含む受動ハイパスフィルタとしてここに表されるハイパスフィルタ1511を含む。図12に示されるように、エンベロープ発生器1510は、2つの電気チャネル1571、1572を含み、チャネル1571は、ハイパスフィルタ1511の正方向信号出力を通過させ、チャネル1572は、ハイパスフィルタ1511の負方向信号出力を通過させる。整流器1512は、正方向のハイパスフィルタリングされた信号をローパスフィルタ1513に渡す。逆向きに配置された整流器1514は、負方向のハイパスフィルタリングされた信号をローパスフィルタ1516に渡す。
【0045】
ローパスフィルタ1513は、正方向信号から高周波成分を減衰させ、ローパスフィルタ1513の出力1513bにおいて正方向のエンベロープ部分を提供する。図12において、ローパスフィルタ1513は、コンデンサ1524及び抵抗器1523を含む受動フィルタとして示されているが、他の種類のローパスフィルタ回路が使用されてもよいことは理解されるであろう。ローパス回路がデジタル化器に内蔵されることも可能であり、いくつかの実施形態では、追加のローパスフィルタを必要としない。エンベロープ信号の正方向部分は、デジタル化器1550によってアナログ信号からデジタル信号に変換される。
【0046】
ローパスフィルタ1516は、負方向信号から高周波成分を減衰させ、ローパスフィルタ1516の出力1516bにおいて負方向のエンベロープ部分を提供する。図12において、ローパスフィルタ1516は、コンデンサ1528及び抵抗器1527を含む受動フィルタとして示されているが、他の種類のローパスフィルタ回路が使用されてもよいことは理解されるであろう。エンベロープ信号の負方向部分は、デジタル化器1550によってアナログ信号からデジタル信号に変換される。
【0047】
PD検出システム1500は、任意選択的に、監視対象のAC電気システムの動作周波数を検出するチャネル1560を含むことができる。チャネル1560は、電気システムの動作周波数よりも低い周波数を通過させながら、動作周波数を超える、例えば、その10倍、100倍、1000倍の、周波数を実質的に減衰させるローパスフィルタ1515を含む。図12において、ローパスフィルタ1515は、コンデンサ1526及び抵抗器1525を含む受動フィルタとして示されているが、他の種類のローパスフィルタ回路が使用されてもよいことは理解されるであろう。ローパスフィルタ1515の出力1515bは、デジタル化器1550によってアナログ信号からデジタル信号に変換され得る。デジタル化器1550の出力は、プロセッサに連結され得る(図12には図示せず)。プロセッサは、例えば、図8Aに関連して更に説明されるように、エンベロープ信号を分析するように構成され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、ハイパスフィルタ1511及び/又はローパスフィルタ1513、1515、1516のカットオフ周波数は、上述のように調整可能であり得る。
【0049】
図13は、いくつかの実施形態による、片側増幅光エンベロープ発生器1610を含むPD検出システム1600の簡略化された概略図である。PDセンサ1101は、監視対象の電気システムのPDイベントに応じて電気信号を提供する。エンベロープ発生器1610は、コンデンサ1621及び抵抗器1622を含む受動ハイパスフィルタとしてここに表されるハイパスフィルタ1611を含む。ハイパスフィルタ1611は、一般に、任意の種類のハイパスフィルタを含み得、任意選択的に、本明細書で論じられるような調整可能なカットオフ周波数を有し得る。
【0050】
整流器1612は、任意選択的に、ハイパスフィルタ1611の出力1611bにおいて、ハイパスフィルタ1611と増幅器1690との間に連結され得る。整流器1612は、ハイパスフィルタリングされた信号の正方向部分を通過させる。出力1611bでの信号の高周波成分が増幅器1690のスルーレートを超えると、増幅器1690の出力での増幅された信号は歪んでいる可能性がある。いくつかの構成では、整流器1612の特性は、増幅器1690のスルーレート要件が低減されるように選択され得る。例えば、整流器1612の応答時間(立ち上がり時間及び/又は立ち下がり時間)は、出力1611bでの信号の高周波成分を減衰させるように選択され得る。
【0051】
増幅器1690の出力1690bでの信号は発光ダイオード(LED)1693を駆動し、LED 1693を通る電流は、抵抗器1691によって制限されている。LED 1693によって生成された光は、光検出器1681によって検出され、光検出器出力1681bにおいて電気信号に変換される。任意選択的に、増幅器1682は、第2の増幅の段を提供するために、エンベロープ発生器1610に含められる。増幅器1682の出力1682bでの増幅された信号は、デジタル化器1650によってデジタル化される。デジタル化器1650によって生成されたデジタル化された信号は、上述のようにPDイベントの更なる分析を実行するプロセッサに提供され得る(図13には図示せず)。
【0052】
様々な実施形態では、光検出器1681bの出力での信号のローパスフィルタリングは、増幅器1682の帯域幅を低減することによって達成され得る。エンベロープ発生器1610のローパスフィルタリング機能は、整流器1612、LED 1693、光検出器1681及び/又は増幅器1682によって提供され得る。これらの構成要素のそれぞれ、一部、又は全ての過渡入力応答特性及び/又は過渡出力応答特性が、エンベロープ信号を生成するローパスフィルタリングを提供し得る。この特定の実施形態では、監視対象のACシステムの動作周波数を検出するための任意選択の別個のチャネルが含まれてもよいが、図示されてはいない。
【0053】
図14は、いくつかの実施形態による、両側光エンベロープ発生器1710を含むPD検出システム1700の簡略化された概略図である。PDセンサ1101は、監視対象の電気システムのPDイベントに応じて電気信号を提供する。エンベロープ発生器1710は、コンデンサ1721及び抵抗器1722を含む受動ハイパスフィルタとしてここに表されるハイパスフィルタ1711を含む。ハイパスフィルタ1711は、一般に、任意の時間のハイパスフィルタを含み得、任意選択的に、本明細書で論じられるような調整可能なカットオフ周波数を有し得る。
【0054】
ハイパスフィルタ1711の出力1711bでの信号は、LED 1793及び1794を駆動する。LED 1793を含む第1のチャネル1771は、出力1711bでの信号の正方向部分を第1の光信号に変換する。LED 1794を含む第2のチャネル1772は、ハイパスフィルタ出力1711bでの信号の負方向部分を第2の光信号に変換する。光検出器1781は、光検出器1781の出力1781bにおいて第1の光信号を電気信号に再変換する。光検出器1783は、光検出器1783の出力1783bにおいて第2の光信号を電気信号に再変換する。
【0055】
任意選択的に、増幅器1782、1784がエンベロープ発生器1710に含められる。出力1782b、1784bでの増幅された信号は、それぞれ、デジタル化器構成要素1751、1752によってデジタル化される。デジタル化器構成要素1751、1752によって生成されたデジタル化された信号は、上述のようにPDイベントの更なる分析を実行するプロセッサに提供され得る(図14には図示せず)。
【0056】
様々な実施形態では、信号チャネル1771内でのエンベロープ発生器1710のローパスフィルタリングは、LED 1793、光検出器1781及び/又は増幅器1782によって提供され得る。帯域幅、過渡入力応答、及び/又は過渡出力応答など、これらの構成要素のそれぞれ、一部、又は全ての特性が、エンベロープ信号を生成するローパスフィルタリングを提供し得る。同様に、様々な実施形態では、信号チャネル1772内でのエンベロープ発生器1710のローパスフィルタリングは、LED 1794、光検出器1783及び/又は増幅器1784によって提供され得る。帯域幅、過渡入力応答、及び/又は過渡出力応答など、これらの構成要素のそれぞれ、一部、又は全ての特性が、エンベロープ信号を生成するローパスフィルタリングを提供し得る。この特定の実施形態では、監視対象のACシステムの動作周波数を検出するための任意選択の別個のチャネルが含まれてもよいが、図示されてはいない。
【0057】
図15は、いくつかの実施形態による、両側光エンベロープ発生器1810を含むPD検出システム1800の簡略化された概略図である。PD検出システム1800の構成要素の多くは、両側光エンベロープ発生器1700に関連して前述したものと類似している。エンベロープ発生器1810は、コンデンサ1821及び抵抗器1822を含むハイパスフィルタ1811とLED 1893、1894との間に接続された増幅器1890を含む。受動アナログフィルタとして示されているが、ハイパスフィルタ1811は、一般に、任意の種類のフィルタであり得る。いくつかの実施形態では、ハイパスフィルタは、上述のように調整可能である。抵抗器1891は、LED 1893及び1894を通る電流を制限するように含められている。チャネル1871内のLED 1873は、増幅器1890の出力1890bでの信号の正方向部分を第1の光信号に変換する。チャネル1872内のLED 1874は、増幅器1890の出力1890bでの信号の負方向部分を第2の光信号に渡す。
【0058】
第1の光信号は、光検出器1881の出力1881bにおいて電気信号に再変換される。第2の光信号は、光検出器1883の出力1883bにおいて電気信号に再変換される。
【0059】
任意選択的に、増幅器1882、1884がエンベロープ発生器1810に含められる。出力1882b、1884bでの増幅された信号は、それぞれ、デジタル化器構成要素1851、1853によってデジタル化される。デジタル化器構成要素1851、1853によって生成されたデジタル化された信号は、上述のようにPDイベントの更なる分析を実行するプロセッサに提供され得る(図15には図示せず)。
【0060】
様々な実施形態では、信号チャネル1871内でのエンベロープ発生器1810のローパスフィルタリングは、LED 1873、光検出器1881及び/又は増幅器1882によって提供され得る。帯域幅、過渡入力応答、及び/又は過渡出力応答など、これらの構成要素のそれぞれ、一部、又は全ての特性が、エンベロープ信号を生成するローパスフィルタリングを提供し得る。同様に、様々な実施形態では、信号チャネル1872内でのエンベロープ発生器1810のローパスフィルタリングは、LED 1874、光検出器1883及び/又は増幅器1884によって提供され得る。帯域幅、過渡入力応答、及び/又は過渡出力応答など、これらの構成要素のそれぞれ、一部、又は全ての特性が、エンベロープ信号を生成するローパスフィルタリングを提供し得る。この特定の実施形態では、監視対象のACシステムの動作周波数を検出するための任意選択の別個のチャネルが含まれてもよいが、図示されてはいない。
【実施例0061】
110V-7000Vの計器用変圧器を使用した試験を実施して、本明細書に記載のPD変換器を実証した。図2に示されるPD変換器回路を使用する容量結合器を試験した。90VACを印加して空気中で変圧器を作動させることによって、内部部分放電を生成した。図7は、PDイベント中の結合コンデンサの両端電圧のグラフである。図7では、複数のPDイベントの電圧グラフが重ね合わされている。
【0062】
第1及び第2の変換器LED(図2中の要素512及び514)の光信号は、第1及び第2のシリコン光電子増倍器検出器を使用して電気信号に変換された。第1及び第2の光電子増倍器検出器の出力は、第1及び第2のトランスインピーダンス増幅器によって増幅された。図16Aは、第1のLEDからの光信号を表すトランスインピーダンス増幅器の電圧信号出力のグラフであり、異なる軌跡は異なるPDイベントを表す。図16Bは、第2のLEDからの光信号を表すトランスインピーダンス増幅器の電圧信号出力のグラフである。この実施例のPD変換器で使用されたLEDは500μ秒の応答時間を有し、したがって、図16A及び図16Bに示される電圧信号内に、容量結合器からの信号の高速振動は存在しなかった。
【0063】
図17Aは、容量式PDセンサ(図2中の要素411)からの最大信号(PD電荷)に対する第1のLED(図2中の構成要素512)からの光信号を表す電圧信号の比較を示す。図17Bは、容量式PDセンサ(図2中の構成要素411)からの最大信号(PD電荷)に対する第2のLED(図2中の構成要素514)からの光信号を表す電圧信号の比較を示す。これらの比較から、容量式PDセンサのPD電荷は、第1及び第2のLEDの光信号を表す電圧信号に相関することに留意されたい。
【0064】
図18に示される多項式面を使用して、2つのLEDからの電圧信号に基づいて部分放電電荷振幅を予測するモデルを当てはめた。図19は、容量式PDセンサを使用して測定されたPD電荷に対するモデルを使用して予測されたPD電荷の比較を示す。図19に示されている比較は、図2中にあるような電気-光PD変換器が、1nCよりも大きい大きさを有するPDの正確な測定を提供することができることを示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2024-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部分放電変換器であって、
電気システムの部分放電イベントを感知するように構成された部分放電(PD)センサと、
前記PDセンサと直列の少なくとも1つの発光デバイス(LED)であって、前記LEDが、
前記PDセンサから電気センサ信号を受信し、
前記電気センサ信号に応じてアナログ光信号を生成する、ように構成されている、少なくとも1つのLEDと、
前記PDセンサと前記少なくとも1つのLEDとの間に連結された演算増幅器と、を備える、部分放電変換器。
【請求項2】
前記PDセンサが、過渡接地電圧センサ、又は高周波結合コンデンサを含む、請求項1に記載の部分放電変換器。
【請求項3】
前記PDセンサと前記LEDとの間に接続されたハイパスフィルタを更に備える、請求項1に記載の部分放電変換器。
【請求項4】
前記LEDの応答時間が、
約5nsを超える立ち上がり時間と、
約5nsを超える立ち下がり時間と、を含む、請求項1に記載の部分放電変換器。
【請求項5】
部分放電監視システムであって、
各々が請求項1乃至4のいずれかに記載の部分放電変換器である複数の部分放電(PD)変換器と、
前記LEDから光を受け取るように光学的に連結され、かつ前記監視対象の電気システムに近接した位置から、前記監視対象の電気システムから遠隔の位置に前記アナログ光信号を搬送するように構成された、少なくとも1つの光ファイバと、
前記アナログ光信号に応じてアナログ電気信号を生成するように構成された、前記遠隔位置にある少なくとも1つの受光デバイスと、を備える、部分放電監視システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのLEDデバイスが、
前記PDセンサと直列の少なくとも1つの第1のLEDであって、前記第1のLEDが、前記PDセンサから前記電気センサ信号を受信するように連結されており、前記第1のLEDが、前記電気センサ信号の正方向パルスに応じて第1のアナログ光信号を生成するように構成されている、少なくとも1つの第1のLEDと、
前記PDセンサ内で直列の少なくとも1つの第2のLEDであって、前記第2のLEDが、前記PDセンサから前記電気センサ信号を受信するように連結されており、前記第2のLEDが、前記電気センサ信号の負方向パルスに応じて第2のアナログ光信号を生成するように構成されている、少なくとも1つの第2のLEDと、を含み、
前記少なくとも1つの光ファイバが、
前記第1のLEDから前記第1のアナログ光信号を受信するように光学的に連結され、かつ前記監視対象の電気システムに近接した位置から、前記監視対象の電気システムから遠隔の位置に前記第1のアナログ光信号を搬送するように構成された、少なくとも1つの第1の光ファイバと、
前記第2のLEDから前記第2のアナログ光信号を受信するように光学的に連結され、かつ前記監視対象の電気システムに近接した位置から、前記監視対象の電気システムから遠隔の位置に前記第2のアナログ光信号を搬送するように構成された、少なくとも1つの第2の光ファイバと、を含み、
前記少なくとも1つの受光デバイスが、
前記第1のアナログ光信号に応じて第1のアナログ電気信号を生成するように構成された少なくとも1つの第1の受光デバイスと、
前記第2のアナログ光信号に応じて第2のアナログ電気信号を生成するように構成された少なくとも1つの第2の受光デバイスと、を含む、請求項に記載の監視システム。
【請求項7】
前記アナログ電気信号又は前記アナログ電気信号から導出された信号を分析するように、かつ前記分析に基づいて前記PDイベントを検出するように構成されたPD検出プロセッサを更に備える、請求項に記載の監視システム。
【請求項8】
前記電気センサ信号又は前記電気センサ信号から導出された信号の少なくとも1つの値を閾値と比較するように、かつ前記比較に基づいて前記PDイベントを検出するように構成されたPD検出プロセッサを更に備える、請求項に記載の監視システム。
【請求項9】
前記PDイベントの電荷転送の大きさを判定するように構成されたPD検出プロセッサを更に備える、請求項に記載の監視システム。
【請求項10】
PD検出プロセッサを更に備え、前記PD検出プロセッサが、
前記電気センサ信号又は前記電気センサ信号から導出された信号のシグネチャを、前に取得した、前記電気センサ信号又は前記電気センサ信号から導出された前記信号のシグネチャと比較し、
前記比較に基づいて前記電気システムの劣化を判定する、ように構成されている、請求項に記載の監視システム。
【請求項11】
PD検出プロセッサを更に備え、前記PD検出プロセッサが、
前記電気システムの使用パターン及び負荷パターンの一方又は両方をPDイベントに基づいて判定し、
使用パターン及び負荷パターンの一方又は両方に基づいて前記電気システムの故障を予測する、ように構成されている、請求項に記載の監視システム。
【請求項12】
請求項1乃至4のいずれかに記載の部分放電変換器であって、
第1の発光デバイス(LED)は、前記PDセンサから前記電気センサ信号を受信するように連結され、前記電気センサ信号の正方向パルスに応じて第1のアナログ光信号を生成するように構成されており、
第2のLEDは、前記第1のLEDと並列であって、前記PDセンサから前記電気センサ信号を受信するように連結されており、前記第2のLEDが、前記電気センサ信号の負方向パルスに応じて第2のアナログ光信号を生成するように構成されている、
分放電変換器。
【請求項13】
部分放電監視システムであって、
請求項12に記載の複数の部分放電変換器と、
前記第1のアナログ光信号に対応する第1のファイバ光信号を搬送するように構成された少なくとも1つの第1の光ファイバと、
前記第2のアナログ光信号に対応する第2のファイバ光信号を搬送するように構成された少なくとも1つの第2の光ファイバと、を備える、部分放電監視システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
部分放電イベントによって引き起こされる電圧変動は、典型的には非常に速い(数十nsで振動する)。このような速い信号を記録するには、高価なデータ取得カードが必要である。LED回路にローパスフィルタリングを追加すると、より安価な構成要素で記録することができる低速の生成された光パルス(0.5μ秒~数μ秒)がもたらされる。いくつかの実施形態では、LED 512、514は、LED 512、514の応答時間がセンサ信号のローパスフィルタリングを提供するように選択され得る。例えば、いくつかの実装では、許容可能なセンサ信号のローパスフィルタリングは、LED 512、514が約5nsの又は5nsを超える立ち上がり時間及び立ち下がり時間を有するときに達成され得る。代替的には、ローパスフィルタは回路に追加され得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
PDイベントの大きさは、PDセンサにおける電荷の量によって特徴付けられ得る。PDイベントの電荷の量は、PDセンサ信号の大きさに関連する。センサ信号の大きさからPDイベントの電荷への変換は、電気デバイスがオフにされると既知の電荷が電気デバイスに注入される、部分放電検出プロセッサによって実装された較正技術を通じて得ることができる。尚、部分放電検出プロセッサは、電気センサ信号又は電気センサ信号から導出された信号の少なくとも1つの値を閾値と比較するように、かつ当該比較に基づいてPDイベントを検出するように構成されてもよい。