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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098053
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/52 20140101AFI20240711BHJP
   A63F 13/24 20140101ALI20240711BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20240711BHJP
   A63F 13/42 20140101ALI20240711BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALN20240711BHJP
【FI】
A63F13/52
A63F13/24
A63F13/65
A63F13/42
G06F3/0481
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024081353
(22)【出願日】2024-05-17
(62)【分割の表示】P 2021066816の分割
【原出願日】2020-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】澤田 夏子
(57)【要約】
【課題】ゲーム装置等に関して、実物と表示面の画像とを重ね合わせて配置することで、興趣性をより高めること等が実現できる技術を提供する。
【解決手段】ゲーム装置1は、筐体10と、ゲームを実行するゲーム実行部と、ゲームのゲーム要素を表示する表示面23を含む表示部20と、ユーザによるゲームに係わる操作が可能である操作部30と、操作部30の動きを検出する検出部50とを備える。ゲーム実行部は、検出部50による操作部30の動きの検出結果に基づいて、表示面23におけるゲーム要素の表示を変化させるようにゲームを実行可能である。操作部20は、少なくともゲームの実行に係わる操作部30の操作中に、ユーザの視点から表示面23を見る第1方向で、操作部30の少なくとも一部である第1部分31が表示面23のゲーム要素の画像と重ね合わせられた状態として見えるように配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
ゲームを実行するゲーム実行部と、
前記ゲーム実行部によって実行される前記ゲームのゲーム要素の画像を表示する表示面を含む表示部と、
ユーザによる前記ゲームに係わる操作が可能である操作部と、
前記操作部の動きを検出する検出部と、
を備え、
前記ゲーム実行部は、前記検出部による前記操作部の動きの検出結果に基づいて、前記表示面における前記ゲーム要素の表示を変化させるように前記ゲームを実行可能であり、
前記操作部は、少なくとも前記ゲームの実行に係わる前記操作部の操作中に、前記ユーザの視点から前記表示面を見る第1方向で、前記操作部の少なくとも一部である第1部分が前記表示面の前記ゲーム要素の画像と重ね合わせられた状態として見えるように配置されている、
ゲーム装置。
【請求項2】
請求項1記載のゲーム装置において、
前記第1部分は、前記筐体の内側に配置され、
前記操作部は、前記筐体の外側に配置され前記第1部分と連動し前記ユーザによって触って動かされる第2部分をさらに有する、ゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム装置において、
前記操作部は、前記第1部分と連動する第3部分をさらに有し、
前記検出部は、前記第3部分の動きを検出し、
前記筐体内には、前記第3部分の少なくとも一部を前記第1方向で見えないように遮蔽する遮蔽部を備える、ゲーム装置。
【請求項4】
請求項3に記載のゲーム装置において、
前記遮蔽部は、前記検出部の少なくとも一部を前記第1方向で見えないように遮蔽する、ゲーム装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記第1方向で、前記表示面、前記第1部分、の順に配置されており、
前記表示面は、透過型表示面である、ゲーム装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記検出部は、前記操作部による第1操作を検出可能な第1検出部と前記操作部による第2操作を検出可能な第2検出部とを有する、ゲーム装置。
【請求項7】
請求項6に記載のゲーム装置において、
前記第1検出部は、前記第1方向で前記ユーザが前記表示面を見た場合に前記操作部の少なくとも一部が前記表示面を横切る第1動作を前記第1操作として検出する、ゲーム装置。
【請求項8】
請求項7に記載のゲーム装置において、
前記第2検出部は、前記第1動作とは異なる第2動作を前記第2操作として検出し、
前記第2検出部は、前記第2操作時に所定の触覚効果を付与することが可能である、ゲーム装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記操作部の前記第1部分は、前記操作部への操作に応じて前記表示面と略平行な平面上を移動するよう構成されている、ゲーム装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記操作部の動きを規制する規制部をさらに備え、
前記規制部は、前記第3部分の動きを規制することにより前記第1部分の動きを規制可能に構成されている、ゲーム装置。
【請求項11】
請求項2~4のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記第2部分の少なくとも一部は、三次元方向の動きが可能に構成されている、ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置や玩具等の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム装置や玩具等において、拡張現実(Augmented Reality:AR)等の技術を用いることで、興趣性をもたらそうとするものが各種提案されている。例えば、ユーザの視点から見て、実物(例えば模型)に対し前または後に配置された表示装置の表示面で画像を重ね合わせて表示するものがある。
【0003】
上記に係わる先行技術例として、特開2006-218293号公報(特許文献1)が挙げられる。特許文献1には、玩具として、以下の旨が記載されている。部屋(家の模型に対応する)の内部には、部屋の前面から目視可能な透明LCDスクリーンが配置され、そのスクリーンの前部および後部には、椅子等の内装体や木等の外装体が配置される。そのスクリーンには、女の子等のキャラクタ(画像に対応する)が表示される。ユーザは、そのスクリーンのキャラクタ等を見ながらゲームを楽しむことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-218293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の例のように、模型等の構造体の内部に表示面が配置され、表示面の前や後に配置された実物と関連付けて表示面の画像を変化させることで、興趣性をもたらすようなゲーム装置や玩具が提案されている。しかしながら、このような従来技術、例えば特許文献1の玩具では、内装体や外装体等の実物は、ユーザによって操作するものではなく、ゲームの操作は所定のスイッチ/ボタンによってなされる。よって、ユーザの操作によってゲームをプレイする上での興趣性に関して十分ではない。
【0006】
本発明の目的は、実物と関連付けて表示面の画像を変化させることが可能なゲーム装置等の技術に関して、興趣性をより高めること等が実現できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のうち代表的な実施の形態は、以下に示す構成を有する。一実施の形態のゲーム装置は、筐体と、ゲームを実行するゲーム実行部と、前記ゲーム実行部によって実行される前記ゲームのゲーム要素を表示する表示面を含む表示部と、ユーザによる前記ゲームに係わる操作が可能である操作部と、前記操作部の動きを検出する検出部と、を備え、前記ゲーム実行部は、前記検出部による前記操作部の動きの検出結果に基づいて、前記表示面における前記ゲーム要素の表示を変化させるように前記ゲームを実行可能であり、前記操作部は、少なくとも前記ゲームの実行に係わる前記操作部の操作中に、前記ユーザの視点から前記表示面を見る第1方向で、前記操作部の少なくとも一部である第1部分が前記表示面の前記ゲーム要素の画像と重ね合わせられた状態として見えるように配置されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明のうち代表的な実施の形態によれば、ゲーム装置等の技術に関して、実物と表示面の画像とを重ね合わせて配置することで、興趣性をより高めること等が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1のゲーム装置における全体外観構成を示す、前面側から見た斜視図である。
図2】実施の形態1のゲーム装置で、前面からの構成概要を示す模式図である。
図3】実施の形態1のゲーム装置で、側面からの構成概要を示す模式図である。
図4】実施の形態1のゲーム装置で、上側からの構成概要を示す模式図である。
図5】実施の形態1のゲーム装置で、背面側から見た斜視図である。
図6】実施の形態1のゲーム装置で、表示例(第1例、第2例)を示す図である。
図7】実施の形態1のゲーム装置で、表示例(第3例、第4例)を示す図である。
図8】本発明の実施の形態2のゲーム装置における、側面からの構成概要を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態1)
図1図7を用いて、本発明の実施の形態1のゲーム装置について説明する。図1は、実施の形態1のゲーム装置1の全体外観構成として前面側から見た斜視図である。図2は、ゲーム装置1で、ユーザ視点から前面側を見る平面視に対応する平面(X-Y面)での概要構成を示す模式図である。図3は、ゲーム装置1で、側面を見る平面視に対応する断面(Y-Z面)での構成概要を示す模式図である。図4は、ゲーム装置1を上側から見た断面(X-Z面)での構成概要を示す模式図である。図5は、ゲーム装置1の背面側からの斜視図である。なお、説明上の方向として、図示するX,Y,Z方向を用いる場合がある。X方向は左右方向(表示面23での水平方向)、Y方向は上下方向(表示面23での垂直方向)、Z方向は前後方向や奥行き方向、ユーザ視点からゲーム装置1の表示面23等を見る第1方向等に対応する。
【0011】
図1等で、概要として、ゲーム装置1は、対象物として飲食物(例えばタピオカドリンク)を模したゲームを可能とする装置あるいは玩具である。ゲーム装置1の筐体10は、その飲食物を模した構造体である。ゲーム装置1は、前面側の表示面23にゲームに係わる画像を表示し、ユーザである子供等が、手指によって、ストローを模した操作部30を操作することで、ゲームを行うことができる。
【0012】
ゲーム装置1は、筐体10と、ゲームを実行するゲーム実行部と、ゲーム実行部によって実行されるゲームのゲーム要素の画像を表示する表示面23を含む表示部21と、ユーザによるゲームに係わる操作が可能である操作部30と、操作部30の動き等の状態を検出する検出部50とを備える。ゲーム実行部は、検出部50による操作部30の動きの検出結果に基づいて、表示面23におけるゲーム要素の表示を変化させるようにゲームを実行可能である。操作部30は、少なくともゲームの実行に係わる操作部30の操作中に、ユーザの視点から表示面23を見る第1方向で、操作部30の少なくとも一部である第1部分31が表示面23のゲーム要素の画像と重ね合わせられた状態として見えるように配置されている。
【0013】
ユーザによる操作部30の操作としては、第2部分32を主にX方向に揺動する等の第1動作AC1に対応する第1操作と、Y方向にある所定の物体を押すような第2動作AC2に対応する第2操作とが可能である。これらの動作・操作がゲームへの入力に相当する。本実施の形態においては、第1動作AC1は、ストローをかき回す動作を模した動作である。第2動作AC2は、ストローをつつく動作を模した動作である。
【0014】
[1-1:全体構成]
図1に示されるように、実施の形態1のゲーム装置1は、大別して、筐体10、表示部20、操作部30、ボタン操作部40、検出部50、および遮蔽部60を備える。図1では示していないが、ゲーム装置1は、他に、規制部80(図3図5)、基板100(図3)、電池収容部90(図3)、スピーカ等を備える。筐体10は、概略的に、蓋11と容器12との2つの部分を有し、これらは飲食物の蓋と容器を模した形状を有する。蓋11は、容器12の上面に固定されている。筐体10は、本例では、概略的に円柱の背面側の一部を縦(Y方向)に平らにカットして取り除いたような形状を有し、水平面に対応するX-Z面では図4のような形状を有する。図4に示されるように、筐体10は、概略的に、前面側に凸型の曲面形状を有し、背面側に平面形状を有する。
【0015】
図1図4のように、筐体10の前面側には表示部20が設けられている。表示部20は、表示装置21と窓22とを有する。窓22は、筐体10の前面の一部に例えば概略的に矩形の領域として設けられている。窓22は、単なる開口部の構成、あるいはその開口部に透過性部材を固定した構成とする。窓22に扉等を設けた構成としてもよい。窓22の後側には表示装置21が配置されている。表示装置21は、透過型の表示面23や、表示駆動回路等を有する。表示装置21の表示駆動回路は、基板100(図3)からの制御に基づいて表示面23に画像を表示する。表示面23は、画像が表示可能な領域に対応する。透過型の表示面23は、ユーザ視点からの第1方向で、後側に配置されている第1部分31等の実物が透過して見える性質や機能を持つ表示面である。なお、窓22よりも表示面23の方が、X-Y面での面積が大きい構成である。ユーザ視点から表示面23を見る方向が、Z方向からある程度の角度まででずれた場合でも、表示面23の画像の視認には差し支えない。表示装置21は、本実施の形態においては、透過型液晶表示装置を用いているが、ユーザ視点からの第1方向で表示装置21を介して操作部40を視認可能な透過性を有する表示装置であればこれに限らず適用できる。
【0016】
Z方向で、表示面23の後側は空間となっており(図3等)、その空間で操作部30の第1部分31を動かすことが可能である。第1部分31の後側には、筐体10内の空間を仕切るように遮蔽部60が配置されている。遮蔽部60によって、第1方向で見て遮蔽部60よりも後側にある実物が見えないように遮蔽される。遮蔽部60の後側には、操作部30の第3部分33や検出部50、図3の電池収容部90等が配置されている。
【0017】
操作部30は、第1部分31、第2部分32、第3部分33、軸受部35、連結部36等を有する。蓋11の一部には軸受部35を有する。軸受部35では、操作部30が支持されている。軸受部35は操作部30の動きの支点となる。軸受部35では、第2部分32と第1部分31とを、概略的に1本の棒状物体となるように接続している。第2部分32は、筐体10の外側、特に蓋11の上側に出るように配置されている。第2部分32は、ユーザが手指によって直接的に把持等して、触って動かして操作できる部分である。第1部分31は、筐体10内において第1方向で表示面23と重ね合わせて配置される部分である。第3部分33は、Z方向で、第1部分31および遮蔽部60の後側に重ね合わせて配置される部分である。第3部分33は、連結部36を介して第1部分31に固定されている。第3部分33は、第1部分31の動きに連動して一体的に動く。第3部分33は、遮蔽部60や規制部80によって遮蔽され、ユーザ視点からは見えないように配置されている。
【0018】
実施の形態1では、操作部30による操作として、第1動作AC1と第2動作AC2とが独立的に可能である。図1等のように、第1動作AC1は、少なくともX方向の左右での揺動のような動作を含む。第2動作AC2は、少なくともZ方向の上下での押し込んで戻るような動作を含む。
【0019】
筐体10において例えば前面側の窓22の下側には、ボタン操作部40が設けられている。ボタン操作部40は、ゲーム装置1に係わる基本操作をユーザによって入力可能な部分である。ボタン操作部40は、図2のように、例えば3つのハードウェアボタンとして、ボタン41,42,43を有する。例えば、ボタン41では選択操作、ボタン42では決定操作、ボタン43ではキャンセル操作ができるように設定されている。ボタン操作部40は、基板100(図3)と接続されており、各ボタンの操作の状態がコントローラによって把握される。なお、筐体10の他の面に操作ボタン等が設けられてもよい。
【0020】
検出部50は、図1では簡略的に配置箇所が図示されており、詳しくは図2図5で示される。検出部50は、操作部30の動作の状態を検出する部分である。検出部50は、図2等に示す第1検出部51と、第2検出部52とを有する。第1検出部51は、第1動作AC1に対応した第3部分33のX方向の動きや位置の状態を検出する部分である。第2検出部52は、第2動作AC2に対応した第3部分33のY方向の動きや位置の状態を検出する部分である。検出部50で検出された状態は、基板100(図3)のコントローラによって、操作部30による操作入力として把握される。
【0021】
実施の形態1では、ストローを模した操作部30は、第1部分31、第2部分32、および第3部分33の形状を、単に円柱または円筒の形状とするのではなく、部分毎に異ならせた形状としている。具体的には、まず、第2部分32は、実物(本実施の形態においてはストロー)に近い立体的な形状に見えるように、円柱または円筒の形状、すなわち水平面での断面が略真円の形状としている(図4等)。また、本実施の形態において操作部30はストローを模しているが、実際のストローとは異なり、第2部分32は、円柱の形状として上側の先端部が閉じている。これにより、第2部分32の強度を向上することができる。第1部分31は、第1方向でストローのように見えればよく(図2)、円柱や円筒に限定する必要は無い。本例では、円柱をZ方向でつぶしたような形状、すなわち水平面での断面が楕円の形状としている(図1図3)。即ち、第1方向に対応するZ方向の厚みを第1部分31と第2部分32とで異ならせて(本実施の形態においては、第1部分31の厚みを第2部分32の厚みよりも小さくする)いる。第1方向に対応するZ方向からユーザが見た形状を第2部分32の形状と略同じ形状にしておくことで、ユーザが第1方向から見た場合には第1部分31と第2部分32とが一体的な実物の立体形状のように見える。また、第1部分31のZ方向での厚さの寸法を第2部分32の厚さの寸法よりも小さくした場合は、ゲーム装置1は、全体的に筐体10のZ方向での厚さの寸法が小さく抑えられる。したがって、子供がゲーム装置1の筐体10を持って操作する場合に、子供の小さい手で筐体10を持っても操作しやすくなる。それ故、子供は一方の手で筐体10を持ち、前面側の表示面23を見ながら、他方の手で第2部分32を操作することが容易になる。第3部分33は、第1方向から見た場合には遮蔽部60によって遮蔽されて見えないように配置されているので、各種の形状が許容され、本例では、Z方向で第2部分32の厚みよりも薄い平板形状としている(図1図3)。これにより、第1部分31および第3部分33は、それぞれZ方向の厚さが第2部分32のZ方向の厚さよりも薄くされており、第1部分31のZ方向での厚さを薄くした場合と同様の効果を生じ得る。なお、第1部分31や第3部分33を第2部分32と同様の形状としてもよい。
【0022】
[1-2:前面構成]
図2で、ゲーム装置1の前面において、容器12の例えば一点鎖線で示す中央付近を中心に、窓22、表示面23、第1部分31、および遮蔽部60が配置されている。透過型の表示面23には、基板100(図3)のコントローラによるゲームに関する制御に基づいて、ゲーム要素の画像が表示される(後述の図6等)。ユーザ視点からの第1方向では、第1部分31は、表示面23を透過して背後に画像と重ね合わせられた状態として見える。すなわち、ユーザは、表示面23で画像として模されている飲食物容器内部を、第1部分31で模されているストローによってかき混ぜるような感覚での操作や視認が可能である。
【0023】
図2では、操作部30の実線で示す第1部分31および第2部分32の状態は、X方向では中央の位置XCにあってY方向に直立した基本状態を示す。基本状態で、第2部分32は、上側の所定の位置Y1から下側の所定の位置Y2までに設けられている。第1部分31は、上側の所定の位置Y3から下側の所定の位置Y4までに設けられている。第1部分31の背後には、破線で示すように、第3部分33が隠れている。なお、本例では、Y方向で、第2部分32よりも第1部分31や第3部分33の方が長い。そのため、第1動作AC1に関して、第1部分31の先端部31aの動作AC1aの範囲や第3部分33の先端部33aの動作の範囲は、第2部分32の先端部の動作の範囲よりも広い。
【0024】
実施の形態1では、図示のように、操作部30は、Z方向では第1部分31と第3部分33とが遮蔽部60等を介して分離して配置され、Y方向では下側に第1部分31よりも第3部分33の方が長い。第3部分33の下側の先端部33aは、第1部分31の下側の先端部31aの位置Y4よりも下方の位置Y7にある。これにより、ユーザ視点からの第1方向で、第1部分31の先端部31aについては、窓22および表示面23内の好適な位置Y4に見えるように設計されている。特に、先端部31aは、表示面23のうちの下半分領域内に配置されている。この設計は、ストローの先端によって後述のゲーム要素である粒状物体をつつく等の模擬の動作を、ユーザから見えやすいようにしたいためである。なおかつ、遮蔽部60によって見えない第3部分33の先端部33aについては、筐体10の底面近くに配置された第2検出部52の押圧スイッチによって検出しやすいように設計されている。また、これに併せて、第1部分31の動きの規制は、主に規制部80(図3図5)による第3部分33の動きの規制として設計されている。第1部分31を含む空間301(図3)には、第1部分31以外の余計な実物が配置されていない。これにより、第1方向での表示面23の画像とストローを模した第1部分31との重ね合わせによって飲食物を模した感覚を、より高めることができる。
【0025】
変形例としては、第1部分31の先端部31aが、他の位置、例えば窓22や表示面23の領域の下辺付近の位置に配置されてもよい。
【0026】
操作部30の二点鎖線で示す第1部分31および第2部分32の状態は、第1動作AC1に応じたX方向の左右の位置の状態を示す。破線矢印で示す第1動作AC1は、第2部分32の動き範囲を概略的に示す。破線矢印で示す動作AC1aは、第1動作AC1のうち特に第1部分31の先端部31aの動き範囲を概略的に示す。ユーザによる第2部分32に対する第1動作AC1に応じて、第1部分31の先端部31aは、動作AC1aのように、X方向で左右に弧を描くように揺動する。例えば、ユーザが第2部分32を右側に倒すと、第1部分31の先端部31aが左側に動く。第1部分31の先端部31aの動きに連動して、第3部分33の先端部33aは、左側の位置XLの方に動く。このような第1動作AC1は、所定の動き範囲内で可能なように設計されており、後述の規制部80や遮蔽部60によっても規制される。
【0027】
第1検出部51は、第3部分33の先端部33aについてのX方向での動きや位置の状態を検出する。本例では、第1検出部51は、先端部33aの位置を、左側の位置XL、右側の位置XR、または中央の位置XCの付近、という3種類の3値の概略的な位置として検出する。第1検出部51の検出結果として、左側の位置XLと右側の位置XRとのいずれでも無い場合の状態は、中央の位置XCの付近の状態として対応付けられる。この中央付近状態は、正確には、左側の位置XLと右側の位置XRとの間にある状態である。
【0028】
破線矢印で示す第2動作AC2は、ユーザによる第2部分32の押し込み時の動き範囲を概略的に示す。対応して、第2動作AC2のうちの動作AC2aは、第1部分31の先端部31aの動き範囲を概略的に示す。第1動作AC1によって第1部分31等がX方向で左右の位置にある状態でも、同様に、第2動作AC2が可能である。本例では、第2動作AC2を検出するための第2検出部52は、例えば押圧スイッチを用いて構成される。その押圧スイッチが筐体10の底面近くに配置されている。この押圧スイッチは、第3部分33の先端部33aによる接触および押圧に応じて、オフ状態からオン状態に切り替えられる。第1部分31の先端部31aの位置をユーザが第1方向から見たときに表示面23での容器内部を模した画像と重なるように配置した場合、第3部分33の先端部33aは、第2動作AC2時に押圧スイッチの上面に接触できるように、第1部分31の先端部31aの位置Y4よりも下方の位置Y7に配置される必要があり、第3部分33のY方向の長さは、第1部分31のY方向の長さよりも長くなる。
【0029】
[1-3:側面構成]
図3で、筐体10の側面から見た構成において、ユーザ視点からの第1方向で、例えばY方向での中央付近の位置YCで、前から後へ順に、窓22、表示装置21の表示面23、第1部分31、遮蔽部60、第3部分33、および電池収容部90等が配置されている。Z方向で、位置Z1には窓22、位置Z2には表示面23、位置Z3には第1部分31、位置Z4には遮蔽部60、位置Z5には第3部分33が配置されている。位置Z2と位置Z3間の距離は距離d1となる。なお、本例では、Z方向で窓22の位置Z1に対し後側の位置Z2に表示面23が配置されているが、これに限らず、窓22の位置Z1に表示面23が配置されてもよい。
【0030】
筐体10の底面付近には基板100が配置されている。これに限らず、基板100は、筐体10内の空いている領域に配置されればよく、筐体10の背面付近や、遮蔽部60の背後等に配置されていてもよい。基板100は、複数の基板で構成されてもよい。筐体10の背面付近には電池収容部90が設けられている。電池収容部90には、筐体10背面の蓋部の開閉に応じて電池が取り外し可能に収容される。その電池は基板100等に電力を供給する。基板100には、ボタン操作部40、表示装置21、および検出部50の各センサやスイッチ等も接続されている。基板100のコントローラは、第1検出部51や第2検出部52の検出結果に基づいて、操作部30の状態を把握する。
【0031】
基板100は、ゲーム装置1を制御する電子回路基板であり、特に、ゲーム等を制御するコンピュータまたはコントローラに相当する。基板100は、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ、入出力インタフェース、通信インタフェース、およびバス等を備え、CPU等によってコントローラが構成される。コントローラは、プログラム処理等に基づいて、ゲームを制御し実行するゲーム実行部を構成する。ゲーム実行部は、表示装置21の表示面23における、ゲームを構成するゲーム要素等の画像の表示を制御する。
【0032】
筐体10内には、窓22や遮蔽部60で囲われて第1部分31の殆どが含まれている空間301を有する。この空間301は、飲食物容器内部の液体等を模した部分としてユーザに認識される空間となる。遮蔽部60は、図3のように、少なくとも、第1部分31と第3部分33との間に配置されたX-Y面を持つ平板状の部分60aを有し、この部分60aによって第1方向で第3部分33や検出部50が遮蔽されている。さらに、遮蔽部60は、図示のように、その部分60aから前方に窓22付近まで延在するX-Z面を持つ上面部と、X-Z面を持つ下面部と、Y-Z面を持つ左右側面部とを有してもよい。これにより、遮蔽部60は、第1部分31の殆どが含まれる空間301を構成することができる。表示装置21は、例えば容器12または遮蔽部60に固定されている。また、遮蔽部60の上面部の一部には、第1部分31を上下に通す規制部61も有する。規制部61によっても第1部分31の動きが規制される。
【0033】
蓋11の下側、軸受部35と規制部61との間の位置では、第1部分31の上側の一部に、連結部36の一方端が固定され、Z方向の後方に延在している。連結部36の他方端には、第3部分33の上側の一部が固定され、第3部分33がY方向で下方に位置Y7まで延在している。
【0034】
第3部分33の先端部33aの動作範囲の付近には、規制部80、第1検出部51、および第2検出部52が配置されている(後述の図4図5)。位置Y6には、第1検出部51、特に赤外線センサが配置されている。位置Y8の付近には、基板100上に接続されている第2検出部52として押圧スイッチが配置されている。
【0035】
基本状態での第2動作AC2時には、動作AC2aのように、第1部分31の先端部31aが下方に位置Y4から位置Y5まで変位する。その動作と連動して、第3部分33の先端部33aも、動作AC2bのように下方に位置Y7から位置Y8(または第2検出部52の押圧スイッチの上面の位置)まで変位する。これに伴い、先端部33aは、第2検出部52の押圧スイッチの上面に接触しその上面を押圧するように押し込む。押圧スイッチは、この押し込みの際の状態を、少なくともオン/オフの2値の状態として検出する。すなわち、基本状態で第2動作AC2がされた場合、押圧スイッチは、オフ状態からオン状態に変わる。なお、第2検出部52は、より詳細に、押圧の度合いを複数の値として検出できる押圧センサ等で構成されてもよい。あるいは、第2検出部52は、単にタッチセンサで構成され、接触有無の2値の状態を検出してもよい。ここで、第2動作AC2時には、位置Y5は、ユーザが第1方向から見たときに表示面23での容器内部を模した画像と重なるように配置されるように設計しておくことが好ましい。そのように設計しておくことで、第2動作AC2時に第1部分31が変位しても、第1部分31の先端までをユーザが視認可能となる。
【0036】
実施の形態1では、第2動作AC2に伴って、飲食物内の粒状物体が持つ弾性の感触を模するために、第2検出部52として押圧スイッチを用いている。この押圧スイッチは、第2動作AC2時に上面が押下された際に、ユーザに対し、弾性のような所定の触覚効果を付与する。すなわち、この際に、ユーザは、ストローの先端によって弾性を有する物体をつつくような感触を得られる。
【0037】
蓋12の上側に出ている第2部分32は、変形しにくい硬い部品、例えば合成樹脂や金属等で構成されてもよいが、実施の形態1では特に、第1部分31よりも軟らかい部材、例えばゴム等の弾性部品で構成されている。図3では、その軟らかい部材で構成された第2部分32の状態について、二点鎖線で第2部分32bとして示す。このように、第2部分32は、ユーザの手指による第1動作AC1の負荷に応じて弾性変形する。第2部分32が硬い部品で構成される前者の構成とする場合、第2部分32の操作がより直接的に第1部分31等に伝達される作用が得られる。
【0038】
実施の形態1のように第2部分32が軟らかい部品で構成される後者の構成とする場合、以下のような作用、効果が得られる。ユーザである子供が、第2部分32を激しく動かした場合、図示のような第2部分32bの弾性変形によって、その動作を受け止めて緩衝することができる。これにより、操作部30の激しい動きによる部品損傷等を防止できる。また、実施の形態1では、第1動作AC1については主にX方向の動きを検出する構成としている(図4等)。この際、後者の構成では、ユーザが第2部分32を弾性変形によってZ方向にもある程度動かすことが可能であり、検出自体は主にX方向としつつも、疑似的にZ方向での操作感を実現できる。すなわち、ストローを水平面(X-Z面)内でかき回すような動作もある程度まで模擬できる。
【0039】
規制部80は、第3部分33の動きの規制によって第1部分31の動きを規制する。詳しくは、第3部分33の先端部33aの動きは、規制部80によって左右方向や前後方向で所定の範囲内に規制され、それとともに、連動している第1部分31の先端部31aの動きも、所定の範囲内に規制される。この規制により、第1部分31の先端部31aの動きは、動作AC1aのように、表示面23に略平行な平面(X-Y面)上を移動する動き、言い換えると、表示面23を横切るような動きとなる。
【0040】
なお、遮蔽部60は、第1方向で第3部分33や検出部50の少なくとも一部を見えないように遮蔽する遮蔽機能のみならず、操作部30の動きを規制する規制機能を兼ね備えてもよい。逆に、規制部80は、規制機能のみならず、遮蔽機能を兼ね備えてもよい。遮蔽部60と規制部80とが一体的に構成されてもよい。遮蔽部60は、規制機能として、特に第1部分31が表示装置21等の他部位に接触しないように防止する、あるいは接触する場合でも緩衝して損傷等を防止する機能を有してもよい。
【0041】
[1-4:上面構成]
図4で、筐体10の上面は、概略的に、Z方向では後部に矩形の領域を有し、前部には半楕円形の領域を有する。筐体10の少なくとも前面側は、飲食物容器を模した曲面形状となっている。実施の形態1では、筐体10は、Z方向での厚さを小さくすることや、机等の水平な載置面に安定的に置けること等を考慮して、図示のように前面側を曲面形状、背面側を平面形状としている。筐体10の形状はこれに限らず、前面側を平面形状、背面側を曲面形状としてもよいし、前面側および背面側の両方を曲面形状としてもよいし、前面側および背面側の両方を平面形状としてもよい。また、筐体10のY方向での形状は、図1図3では、底面側と上面側の面積を同じとして図示しているが、図2のように、底面側よりも上面側の面積が大きい形状でもよい。
【0042】
筐体10の蓋12における上面での中央に近い所定の位置(位置XCおよび位置Z3)には、操作部30を通す穴に軸受部35が設けられている。X方向で中央の位置XCには、基本状態で、第2部分32、第1部分31、および第3部分33が配置されている。X方向で左側の位置XLには、第1検出部51を構成する赤外線センサとして、左側のセンサ51Lが配置され、右側の位置XRには、右側のセンサ51Rが配置されている。
【0043】
第1動作AC1は、少なくともX方向での左右の揺動のような動作を含む。第2部分32に対する第1動作AC1に連動して、第1部分31の先端部31aは、動作AC1aのような範囲を有し、第3部分33の先端部33aは、動作AC1bのような範囲を有する。なお、Y方向で第1部分31よりも第3部分33の方が長いので、動作AC1aよりも動作AC1bの方が、X方向での範囲が若干広い。
【0044】
第1動作AC1は、実際のストローのかき回しのような動作をより正確に模したい場合には、X方向のような一方向の動作に限らず、Z方向の動作も含めた動作を可能としてもよい。実施の形態1では、このようなZ方向の動作もある程度まで許容される。図4で、第1動作AC1は、Z方向の前後での揺動のような動作AC12も可能である。また、第1動作AC1は、水平面内で円弧状に自由に回すような動作AC13も可能である。そのような第1動作AC1の規定に応じて、軸受部35を含む機構が実装される。第1動作AC1としてX方向の動きのみしか受け付けない実装としてもよい。
【0045】
ただし、操作部30に関してZ方向の動きを許容する場合、操作部30の周囲の部材の損傷防止等のために、第1部分31が表示装置21等を含む他部位に接触しないことが望ましい。実施の形態1では、第2部分32に対するX方向やZ方向を含む第1動作AC1がされた場合に、第3部分33の動きが規制部80によって規制されることで、第1部分31の動きが規制される。これにより、第1部分31の先端部31aは、表示装置21等の他部位には接触しないようにすることができる。
【0046】
規制部80は、本例では、遮蔽部60の後側に配置されているX-Y面を持つ平板状の部分80aと、第3部分33の動作AC1bの範囲に対して外側の左右の位置に配置されているY-Z面を持つ平板状の部分80bとを有する(詳しくは図5)。第1動作AC1に応じて、第3部分33の先端部33aがX方向で左側の位置XLまたは右側の位置XRよりも外側に動いた場合、規制部80の部分80bによってその動きが所定の範囲となるように規制される。また、第3部分33の先端部33aがZ方向で前側に動いた場合、規制部80の部分80aによってその動きが規制される。
【0047】
第1検出部51は、本例では、赤外線センサとして、左右の2個のセンサ51L,51Rを用いて、第3部分33の先端部33aが、左側の位置XL、右側の位置XR、またはそれらの間にある状態を検出する。2個のセンサ51L,51Rは、例えば、Z方向で遮蔽部60と規制部80の部分80aとの間に配置されている(図5)。例えば、左側の位置XLに配置された左側のセンサ51Lは、Z方向で後側に赤外線を出射する。その赤外線は、規制部80の穴を通じて規制部80によって囲まれた空間に入る。その赤外線は、左側の位置XLに先端部33aがある場合には、その先端部33aによって遮られて反射され、センサ51Lに戻る。センサ51Lは、赤外線が先端部33aによって遮られない場合にはオフ状態として検出し、遮られた場合にはオン状態として検出する。基板100のコントローラは、第1動作AC1に関して、左側のセンサ51Lの検出結果がオン状態の場合には、第3部分33が左側の位置XLにある状態と判断できる。すなわち、コントローラは、その場合、第1部分31の先端部31aがX方向で概略的に左側の位置にある状態と判断できる。右側のセンサ51Rについても同様の作用が成り立つ。また、コントローラは、2個のセンサ51L,51Rの検出結果が両方ともオフ状態の場合には、少なくとも先端部31aがX方向で左側の位置XLと右側の位置XRとの間の位置にあると判断でき、さらに第1部分31の先端部31aがX方向で概略的に中央の位置XCの付近にある状態と判断してもよい。第1検出部51は、このような構成に限らず、他のスイッチやセンサを用いて実装されてもよい。第1検出部51は、X方向での位置をより細かく検出できる構成としてもよいし、さらにZ方向での位置も検出できる構成としてもよい。
【0048】
また、本例では、第2検出部52の押圧スイッチは、X方向では中央の位置XCに配置されており、第3部分33の先端部33aによる押圧を受け付ける上面の面積が所定の範囲となるように設計されている。このため、第1動作AC1に応じて、第3部分33の先端部33aがX方向で中央の位置XCの付近にある場合には、第2動作AC2によって押圧スイッチをオン状態にすることができる。一方、第1動作AC1に応じて第3部分33の先端部33aがX方向で左右の位置、すなわち上記面積の範囲の外側にある場合には、第2動作AC2がされたとしても、押圧スイッチをオン状態にできない。このようにしておくことで、第3部分33と連動して動く第1部分31の第2動作AC2時における位置をX方向で中央の位置XCの付近とすることができ、第2動作AC2時における第1方向から見たときの第1部分31と表示面23の画像との配置関係を所定の配置関係に定めることが可能となる。第2検出部52は、このような構成に限らず、例えば押圧スイッチの面積をX方向でより大きくして第2動作AC2を受け付ける範囲をより広げた構成とすることで先端部33aがX方向で左右の位置にあるときに第2動作AC2がなされても押圧スイッチをオン状態にすることができる。また、第2検出部52をX方向で複数設けることでも先端部33aがX方向で左右の位置にあるときに第2動作を検出することができる。
【0049】
図4等で、動作AC12等のように、ユーザが第2部分32をZ方向に動かした場合、前述の弾性(図3の第2部分32b)による緩衝を介しつつ、それに連動して、第1部分31および第3部分33もZ方向にある程度まで動かされる。その際、第1部分31は、規制部80や遮蔽部60によって、表示装置21等の他部位に接触しないように動きが規制される。もしくは、第1部分31が他部位に接触する場合でも、緩衝して損傷等から保護できるように、そのための部材を設けてもよい。例えば、遮蔽部60の各面や、表示装置21の背面に、弾性部材等による保護材を設けてもよい。あるいは、第1部分31の先端部31aが弾性部材等で構成されてもよい。
【0050】
[1-5:背面構成]
図5で、背面側から見た構成において、操作部30の第1部分31の動きは、検出部50(第1検出部51および第2検出部52)によって第3部分33の動きとして検出される。第3部分33の先端部33aは、図示のような規制部80によって動きが規制され、X方向での動作AC1bやY方向での動作AC2bは許容される。規制部80は、X-Y面を持つ前面側の部分80aと、Y-Z面を持つ左右側面の部分80bと、X-Z面を持つ底面の部分80cとを有する。底面の部分80cの中央には、押圧スイッチの上面が露出するように配置されていることで、Y方向での動作AC2bが許容されるように構成されている。
【0051】
また、本例では、第3部分33の先端部33aは、図示のように、Y方向で下側に凸型の曲面形状を有する。これにより、先端部33aによって第2検出部52の押圧スイッチの上面を押しやすいようにしている。規制部80の底面の部分80cは、先端部33aの動作AC1bの範囲に合わせて曲面形状を有する。規制部80の形状は、これに限らず可能である。規制部80は、Z方向で後側にも、その方向への動きを規制するためのX-Y面を持つ平板状の部分を設けてもよい。
【0052】
また、規制部80や第3部分33の先端部33aにも、部位同士の衝突時の緩衝のために、弾性部材等による保護材を設けてもよい。ユーザが第2部分32を激しく動かした場合でも、先端部33aは、規制部80のいずれかの部分(80a,80b,80c)に当たって止められる。これにより、第3部分33に連動する第1部分31の先端部31aの動きも所定の範囲内に留められる。また、第2動作AC2の際に弾性の操作感を出すための構成要素として、先端部33aに弾性部材等を用いてもよい。
【0053】
変形例として、第1検出部51は、規制部80の左右側面の部分80b等に設けられるタッチセンサや近接センサ等で構成してもよい。例えば、先端部33aが規制部80の左側の部分80bのセンサに接触した場合に、左側の位置XLの状態として検出される。
【0054】
[1-6:遊び方]
ゲーム装置1の基本操作や遊び方等については以下の通りである。子供等のユーザは、表示面23の表示を見ながら、ボタン操作部40のボタンを押す等して、ゲーム等の選択や決定等の基本操作を行う。ゲーム装置1のゲーム実行部は、ゲームを実行し、表示面23にゲーム要素の画像を表示する。ユーザは、表示面23の画像を見ながら操作部30を操作し、前述の第1動作AC1や第2動作AC2を行うことで、ゲームをプレイする。
【0055】
最初、ゲーム装置1は、電源オン状態で、表示面23に、図示しないメニュー画面を表示する。ユーザは、メニュー画面を見て、ボタン操作部40のボタンを操作することで、プレイするゲーム等を選択・決定する。メニュー画面からは、下記の基本ゲームを含むいくつかのゲームのモードや、ユーザ設定モード、待ち受け画面モード等に遷移可能である。ゲーム装置1は、ゲーム実行部によって、下記の基本ゲームを含むいくつかのゲームを提供する。なお、ゲームは、下記の例に限らず、プログラム等の設計に応じて、様々なゲームが提供可能である。ゲーム装置1は、基本ゲームが選択・決定された場合、プログラム処理に基づいて、表示面23に基本ゲームのゲーム要素の画像の表示を開始する。
【0056】
[1-7:基本ゲーム]
ゲーム装置1における基本ゲームの構成例を以下に説明する。基本ゲームは、対象物である飲食物としてタピオカドリンクを模したゲームであり、名称が例えば「タピオカ探しゲーム」である。この基本ゲームでは、子供等のユーザが、タピオカドリンクを構成する粒状物体であるタピオカを探して取得し、収集する。ゲーム装置1の筐体10は、タピオカドリンクを模した形状(特に容器12および蓋11)であり、操作部30は、ストローを模した形状である。表示面23には、タピオカドリンク(特に容器内部の液体や粒状物体)を模した画像が表示される。ユーザには、第1方向で表示面23での容器内部を模した画像と、ストローを模した第1部分31とが重ね合わせられた状態で見える。
【0057】
基本ゲームでは、ユーザが表示面23の画像を見ながら操作部30を操作することで、タピオカドリンクに対するストローのかき回しのような第1動作AC1や、粒状物体をつつくような第2動作AC2を模擬する。これにより、基本ゲームでは、ユーザが、タピオカドリンクを構成する色々な種類の粒状物体であるタピオカ、例えば未取得タピオカを探し、発見する。そして、ユーザが、操作部30による所定の吸引の動作に模した動作(特に第2動作AC2)によって、そのタピオカを捕獲・取得する。ゲーム実行部は、基本ゲーム上、検出部50による検出に基づいて、ユーザによる操作部30の操作を判断し、所定の条件等に応じて、粒状物体の取得の成功や失敗を判断する。
【0058】
前述の第1動作AC1(対応する第1操作)は、ストローのかき回しによってタピオカドリンク内部の液体および粒状物体を流動させる操作として反映される。第2動作AC2(対応する第2操作)は、弾性を持つ粒状物体であるタピオカをストローでつつくまたは押すような動作として反映される。第2動作AC2は、第3部分33によって第2検出部52の押圧スイッチを弾性の感触を伴って押す動作として検出される。これにより、ユーザには、弾性を持つタピオカをつつくような感触を得る。
【0059】
また、基本ゲームでは、ストローによって粒状物体を吸引することも模擬する。実施の形態1では、この吸引動作については、機構の簡易化やコスト低減も考慮し、上下方向の動作である第2動作AC2と共通の動作として実装している。基本ゲームでは、時間軸上のゲーム進行状況の切り替わりに応じて、第2動作AC2は、機能として、粒状物体をつつく動作から吸引動作に切り替えられる。なお、変形例としては、つつく動作を模した第2動作AC2とは別に、吸引動作を模した別の第3動作が、別の機構(例えば吸引用の操作ボタン)で実装されてもよい。
【0060】
[1-8:基本ゲームに関する表示例]
図6および図7は、基本ゲームに係わる表示装置21の表示面23での表示例を示す。
1. ゲーム装置1のゲーム実行部は、基本ゲーム開始時、表示面23に、図示しないが、タピオカドリンクのオーダー等を模したゲーム設定画面を表示する。このゲーム設定画面は、今回の基本ゲームの内容、例えば難易度や出現する粒状物体の種類等を設定するための画面であり、詳細は特に限定せず、省略した構成としてもよい。
【0061】
ゲーム装置1は、ゲーム設定画面で、タピオカドリンク(対応する基本ゲーム)を構成するためのパラメータを表示し、ユーザによる選択操作を受け付ける。ゲーム設定画面で、ユーザは、例えば、ドリンクのベースとなる液体の種類(例えばストレートティーやミルクティー)、氷の量、甘さ等のパラメータの値を選択できる。ゲーム装置1は、選択されたパラメータの値に応じて、今回の基本ゲームにおけるタピオカドリンク内部構成を決定する。タピオカドリンク内部構成は、液体内に含まれる複数のタピオカ、または少なくとも特定の1つのタピオカについての配分構成を含む。配分構成は、例えばプログラム処理に基づいて出現するタピオカを確率的に抽選する処理、あるいは、予め規定されたテーブルから規定のタピオカを読み出す処理等で実現できる。ゲーム難易度は、例えば、タピオカの数や、タピオカの流動の速度等によっても調整できる。
【0062】
予め、基本ゲームの要素として、ユーザが取得できる候補となる複数の種類のタピオカ(粒状物体)について、画像および情報を含むデータが用意されている。例えば、黒、白、橙、青等の各色のタピオカが用意されている。また、その他にも、いちごタピオカ等の食べ物を模したタピオカや、猫タピオカ等の動物を模したタピオカや、フィクションやストーリー上のキャラクタを模したタピオカ等も用意されている。また、各タピオカには、例えばノーマル、レアといったように、レアリティ、すなわち出現確率の違い等が設定されている。また、各タピオカの画像は、静止画またはアニメーションとして、例えば笑顔、怒り顔、泣き顔、無表情等の各表情を持つタピオカの画像が用意されている。
【0063】
本例では、基本ゲーム開始時のタピオカドリンクのタピオカ配分構成としては、取得候補となる1つの特定のタピオカが、抽選によって決定されるものとする。タピオカドリンク内で出現するその1つの特定のタピオカ以外の複数のタピオカについては、演出上の規定のタピオカとし、取得不可能とする。これに限らず、同時に2個以上のタピオカを抽選して出現させること等も勿論可能である。
【0064】
2. ゲーム装置1は、上記基本ゲームの設定の決定後、基本ゲームを開始する。図6の(A)は、表示の第1例として、基本ゲーム開始時(特に「探索開始フェイズ」)の表示例を示す。ユーザ視点から見て、窓22を介した表示面23では、タピオカドリンク内部の液体(例えばストレートティー)を表す画像g0や、複数のタピオカの各タピオカを表す画像g1等が表示される。このタピオカの画像g1は、子供向けに擬人化されていて目や口を含む表情を持つ画像とする場合である。表示面23の画像の背後には、ストローを模した第1部分31が透過されて見えている。また、表示面23には、適宜に、ゲーム操作や各種情報をユーザにガイドするための文字列等の画像g2(例えば「スタート!」)が表示される。本例では、この時点で、ゲーム装置1は、上記抽選された特定の種類のタピオカの画像をまだ出現・表示させず、演出用の一定の複数のタピオカを表す画像g1を表示する。本例では、画像g1は、一定の色で笑顔のタピオカとしている。これにより、取得候補のタピオカを未知とすることで、ユーザの期待感を高めることができる。
【0065】
3. 基本ゲーム開始後、ユーザは、第2部分32を動かし、ゲーム実行部は、操作部30の操作の検出に応じて、表示面23の画像を変化させる。図6の(B)は、その際(特に「探索フェイズ」)の表示(第2例)を示す。ユーザは、ストローをかき混ぜるような第1動作AC1、例えばX方向で左右に反復的に揺動する動作を行う。これにより、第1部分31の先端部31aは、表示面23で左右に反復的に揺動する。ゲーム装置1は、第1動作AC1に応じた第3部分33(図2等)の状態を第1検出部51によって検出する。ゲーム装置1は、その検出した状態に応じて、図6の(B)のように、表示面23で、タピオカドリンク内部の液体の画像g0やタピオカの画像g1を変化させる。具体的には、表示面23では、容器内で液体および複数のタピオカが流動する様子がアニメーション等の画像で表示される。液体の画像g0は、例えば上面が波立つような画像や、液体内で泡が生じるような画像である。この際、各タピオカは、例えばX方向(図示の矢印)やY方向で円弧を描くように流動してもよい。各タピオカは、流動に応じて表示面23内に現れたり消えたりしてもよい。
【0066】
4. ゲーム装置1は、例えば第1動作AC1による流動が一定以上の状態になった場合等の所定の契機で、図6の(B)のように、表示面23に、上記抽選された特定のタピオカを表す画像g3を出現・表示させる。本例では、この時点では、特定のタピオカを、まだ正体を見せずに未知のタピオカとし、未知のタピオカを表す画像g3としている。これにより、ユーザの期待感を高めることができる。この未知の特定のタピオカ(画像g3)は、ユーザによる取得が可能な候補の状態を表し、他の一定のタピオカ(画像g1)と同様に、液体内を流動するように表示される。この未知の特定のタピオカの画像g3は、例えば、サングラスをかけたタピオカや、‘?’マークが付いたタピオカ等としてもよい。変形例としては、この時点で特定のタピオカの正体を見せた画像を表示させてもよい。
【0067】
また、ゲーム装置1は、所定の契機で、表示面23に、特定のタピオカが取得可能な領域(「捕獲エリア」、「ターゲット枠」)を表す画像g4(例えば破線丸枠)を表示する。本例では、この領域は、表示面23において、X方向では中央に配置され、Y方向では第1部分31の先端部31aに対応させて下半分程度の領域として配置されている。この領域は、特定のタピオカ(画像g3)がこの領域内にある時に第2動作AC2によってそのタピオカを取得・吸引可能であることを表す。
【0068】
5. ユーザは、特定のタピオカ(画像g3)が、図6の(B)の領域(画像g4)内に入ったタイミングで、ストローを下方に押すような第2動作AC2を行う。この第2動作AC2は、特に第1段階の吸引動作に相当する。ゲーム装置1は、その第2動作AC2を、第2検出部52の押圧スイッチによって検出する。この第2動作AC2は、前述のように、X方向で中央付近に対する動作でないと成功できない。ゲーム装置1は、領域(画像g4)内に特定のタピオカ(画像g3)が入っている時に、第2動作AC2によって押圧スイッチがオン状態にされた場合、その特定のタピオカの取得のための第1段階の吸引を成功と判定する。ゲーム装置1は、第1段階の吸引を成功とした場合、下記のように次の表示に移行させる。この際、演出例としては、特定のタピオカがストロー先端部内に吸引される様子をアニメーション等で表示してもよい。
【0069】
6. 図7の(A)は、第1段階の吸引の成功後の第2段階の吸引の際(特に「取得チャンスフェイズ」)の表示例(第3例)を示す。この際、ゲーム装置1は、表示面23で、図6の(B)から図7の(A)のように、ゲーム進行上のフェイズを切り替える。図7の(A)のフェイズでは、表示面23に、拡大されたタピオカドリンクおよびストローの一部を表す画像が表示される。本例では、表示面23には、液体や他のタピオカの一部を表す画像g5、円筒状のストローの一部を表す画像g6、および、そのストロー内に入った特定のタピオカを表す画像g7を有する。本例では、この時点で、特定のタピオカの画像g7は、まだ正体を見せず、一定のタピオカ(例えば笑顔のタピオカ)としている。これに限らず、この時点で、この画像g7は、画像g3と同様に未知を表すタピオカの画像としてもよいし、後述の正体を現した画像としてもよい。
【0070】
このフェイズでは、ユーザに特定のタピオカ(画像g7)および画像上のストロー(画像g6)に着目させて、第2動作AC2を用いた第2段階の吸引動作を試行させる。このフェイズでは、画像上のストロー(画像g6)が表示され、画像上のストローと実物の第1部分31とが重なっている。このフェイズでは、ユーザに画像上のストロー(画像g6)に着目してもらいたいため、背後にある実物の第1部分31についてはユーザから見えにくい方が好ましい。よって、本例では、第1部分31が見えにくくなるように、表示面23に大きなサイズや特定の色等で目立つようにして、ストローの画像g6や特定のタピオカの画像g7を表示している。
【0071】
7. 続いて、ユーザは、図7の(A)のような表示面23を見ながら、第2動作AC2を用いて第2段階の吸引動作を行う。この段階(「取得チャンスフェイズ」)での第2動作AC2は、ストローによるタピオカの吸引を模した動作であり、第2動作AC2で模擬される。1回の第2動作AC2は、第2検出部52の押圧スイッチによる検出状態が、オフ状態から、短い時間のオン状態を経て、オフ状態へと変わる操作に対応する。この1回の第2動作AC2は、ゲーム上では所定量の吸引に対応付けられる。また、長押しによる第2動作AC2を設けてもよい。1回の長押しによる第2動作AC2は、押圧スイッチのオン状態がより長く続く操作に対応し、ゲーム上では連続的な吸引に対応付けられる。ユーザは、適宜に、何回かの第2動作AC2や長押しによる第2動作AC2を行う。ゲーム装置1は、それらの第2動作AC2に応じて、表示面23で、長いストロー内部(画像g6)を特定のタピオカ(画像g7)が次第に上昇して吸引される様子を、アニメーション等で表示する。ゲーム装置1は、表示面23で、例えば長いストローのうちの一部をスクロールとともに表示する。
【0072】
また、ゲーム装置1は、このフェイズでは、表示面23内に、所定のゲージを表す画像g8を表示してもよい。このゲージは、吸引時の呼吸を模したゲーム要素である。ゲーム装置1は、吸引に関する第2動作AC2に応じて、このゲージの量を大小に変化させる。例えば、ゲーム装置1は、第2動作AC2によるオン状態に応じてゲージの量を増大させ、オフ状態に応じて減少させる。また、ゲーム装置1は、ゲージの量が一定量を超えた場合、息切れ状態にし、所定のペナルティを生じさせることもできる。
【0073】
ゲーム装置1は、第2動作AC2による特定のタピオカ(画像g7)の吸引・上昇の量が、所定量を超えた場合、第2段階の吸引を成功と判定し、すなわち、その特定のタピオカの取得を成功と判定する。これにより、ゲーム装置1は、次の表示に移行させる。ゲーム装置1は、ユーザがうまく吸引に関する第2動作AC2ができず、特定のタピオカの吸引・上昇が所定量に満たなかった場合、第2段階の吸引を失敗と判定する。この場合、ゲーム装置1は、表示を例えば図6の(B)のように吸引前の状態に戻し、やり直しを可能とするように制御する。
【0074】
また、ゲーム装置1は、図7の(A)のような第2段階の吸引時には、他のゲーム要素として、液体(画像g5)内の他のタピオカ達がストロー内の特定のタピオカ(画像g7)の吸引を邪魔するようにストロー(画像g6)付近に纏わりつくように表示してもよい。この場合、ゲーム装置1は、ユーザによる第1動作AC1を受け付け、第1動作AC1がされた場合には、他のタピオカ達を振りほどくように表示する。
【0075】
8. 図7の(B)は、上記特定のタピオカの取得の成功時(「タピオカ取得成功フェイズ」)の表示例(第4例)を示す。ゲーム装置1は、図7の(A)から(B)のように表示を遷移させる。ゲーム装置1は、表示面23に、所定の演出(例えば発光や変身)とともに、特定のタピオカが正体を現す様子をアニメーション等で表示する。ゲーム装置1は、表示面23で、中央付近に、最初の抽選で決定されていた種類の特定のタピオカ(本例ではいちごタピオカ)を表す画像g9を表示する。また、ゲーム装置1は、その画像g9とともに、その特定のタピオカの種類や名前の文字列や、レアリティ等を表す画像g10を表示する。この時点で、ユーザに具体的なタピオカが判明し、ユーザは達成感を得られる。
【0076】
9. ゲーム装置1は、ユーザが取得したそのタピオカの画像・情報を、そのユーザの持つタピオカリストに登録する。ゲーム装置1は、ユーザが持つタピオカリスト等のリストをメモリに保持する。ユーザは、適宜に、メニュー画面での基本操作に応じて、自分のタピオカリストを表示面23に表示し、タピオカリストから所望のタピオカを選択し、詳細の画像・情報を見ることができる。また、ユーザは、タピオカリストから選択した所望のタピオカ(「マイタピオカ」)を、待ち受け画面モード等で表示する画像として設定することもできる。ゲーム装置1は、非ゲーム時、待ち受け画面モードでは、時計等の表示とともに、上記マイタピオカを含む画像を表示する。待ち受け画面モードでは、例えばタピオカドリンク内をマイタピオカが流動する様子がアニメーション等で表示される。また、この際、ユーザが操作部30を操作することで、そのマイタピオカに影響を与えることもできる。これにより、ユーザは、マイタピオカの鑑賞や、コミュニケーション等の相互作用を楽しむことができる。
【0077】
上記基本ゲームに関する変形例として以下としてもよい。まず、上記タピオカの取得を2段階で制御する構成に関して、上記第2段階(図7の(A))を省略し、第1段階(図6の(B))の成功によって特定のタピオカが取得できる構成としてもよい。また、他のゲームの例としては、ユーザが取得した粒状物体の数や、取得に要した時間等に応じて、スコア等が高くなるゲームも可能である。
【0078】
変形例として、ゲーム装置1は、基本ゲーム開始時に決定したタピオカ配分構成を、表示面23にそのまま各タピオカの画像として表示してもよい。ユーザは、表示面23での複数のタピオカのうち取得したい所望のタピオカを選択して取得すべく操作する。この場合、表示面23の内容がより複雑となり、ゲーム難易度がより高くなる。
【0079】
[1-9:効果等]
上記のように、実施の形態1のゲーム装置1によれば、例えば飲食物を模した実物(筐体10や操作部30)と表示面23のゲーム要素の画像とを重ね合わせて表示を制御することで、興趣性をより高めること等ができる。このゲーム装置1によれば、ユーザが、ストローを模した操作部30について、表示面23を通じてゲーム要素の画像に対し実物である第1部分31が重ね合わせられた状態として視認できつつ、第2部分32を操作でき、その操作に反応させてゲーム要素の画像を変化させることができる。そのため、ユーザの操作によるゲームのプレイ上の興趣性を高めることができる。また、このゲーム装置1は、子供向けを想定し、例えば高価なセンサを使用せずに低コストで実現できる。操作部30の構成に併せて、検出部50は、安価なセンサやスイッチを用いて実現できる。
【0080】
[1-10:変形例]
実施の形態1の変形例として以下も可能である。操作部30は、ユーザが手で把持する第2部分32が無い構成でもよい。例えば、筐体10に、ストローを模した第2部分32の代わりに、筐体10内の第1部分31等を動かすための、ストローを模していない操作部が設けられてもよい。ストローを模していない操作部としては、例えば、ボタン操作部40で第2部分32の動かす操作が可能になる構成としてもよい。また、第1部分31の配置方法として、第1部分がX方向に延在するような構成とすることで、ゲーム装置1を飲食物以外の実物を模すような構成とすることもできる。
【0081】
検出部50の第1検出部51や第2検出部52は、操作部30の一部または操作部30の付近のいずれかの箇所に実装されればよい。例えば、図1等の軸受部35において検出部50が実装されてもよい。また、第1部分31の付近で、表示面23の画像に対し重ならない位置に検出部50が実装されてもよい。この場合、操作部30は、第1部分31の背後に第3部分33を設けなくてもよい。
【0082】
ゲーム装置1は、第1方向で第1部分31と表示面23とが重ね合わせられていない状態を設けてもよい。例えば、筐体10内に第1部分31を挿抜できる機構、例えば第1部分31を伸縮できる機構を設けてもよいし、筐体10に操作部30を取り付け・取り外しできる機構を設けてもよい。この場合、例えば非ゲーム時に、ユーザから見た第1方向で、表示面23の画像のみ見える状態にすることができる。
【0083】
(実施の形態2)
図8は、実施の形態1の変形例として、実施の形態2のゲーム装置1における側面から見た断面での模式図を示す。実施の形態2では、Z方向で前から後へ順に、窓22、操作部30の第1部分31、表示装置21の表示面23、遮蔽部60、第3部分33、等が配置されている。Z方向で、位置Z21に第1部分31が配置され、その背後に、距離d2を置いて、位置Z22に表示面23が配置されている。本例では、距離d2は図3の距離d1よりも短く、第1部分31と表示面23とがより近くに配置されている。第1動作AC1は、X方向での動作に限定されてもよい。また、本例では、蓋11内において軸受部35および連結部36が実装されている。実施の形態2でも、ユーザ視点からは第1部分31と画像とが重ね合わせられた状態を視認できる。
【0084】
また、実施の形態2では、第1部分31は、非透過性部材で構成されてもよいが、画像との重ね合わせの感覚をより高めるために、透過性部材で構成されている。ユーザには、第1部分31を透過して背後の表示面23の画像が見える。また、第1部分31は、実際のストローを用いて構成されてもよい。また、表示装置21は、非透過型の表示面23を持つ構成としてもよく、遮蔽部60を省略してもよい。表示装置21を非透過型の表示面23とした場合には、透過型の表示面とする場合よりもゲーム装置1を安価にすることが可能である。
【0085】
他の実施の形態として、ゲーム装置1は、非透過型の表示面23を有する構成とし、その表示面23に、ユーザによる操作部30の特に第2部分32の操作の状態に合わせて、ストローを表す画像を表示するようにしてもよい。この場合、筐体10内に第1部分31を設けず、第2部分32は、表示面23の画像と重なる位置に配置される第1部分31とは別の実物を操作可能とすることもできる。
【0086】
以上、本発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は前述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。実施の形態の構成要素の追加や削除や置換、各種の組合せによる構成が可能である。前述した機能等は、一部または全部をハードウェアで実装してもよいし、ソフトウェアプログラム処理で実装してもよい。機能等を構成するプログラムやデータは、コンピュータ読取可能な記憶媒体に格納されてもよいし、通信網上の装置に格納されてもよい。本発明は、ゲームおよび模擬に係わる対象物として飲食物に限らずに適用できる。飲食物の他の例としてはスープや鍋料理等、棒状物体の他の例としてはスプーンや箸等が挙げられる。飲食物以外の対象物の例としては、魚釣り、虫取り等が挙げられる。
【符号の説明】
【0087】
1…ゲーム装置、10…筐体、11…蓋、12…容器、20…表示部、21…表示装置、22…窓、23…表示面、30…操作部、31…第1部分、32…第2部分、33…第3部分、35…軸受部、36…連結部、40…ボタン操作部、50…検出部、51…第1検出部、52…第2検出部、60…遮蔽部、80…規制部、90…電池収容部、100…基板。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8