(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098130
(43)【公開日】2024-07-22
(54)【発明の名称】集客支援装置、集客支援プログラム、集客支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0202 20230101AFI20240712BHJP
【FI】
G06Q30/0202
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001411
(22)【出願日】2023-01-09
(71)【出願人】
【識別番号】523009447
【氏名又は名称】株式会社リーゴ
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】宮本 秀範
(72)【発明者】
【氏名】小川 淳
(72)【発明者】
【氏名】眞田 祐季
(72)【発明者】
【氏名】ツェン シュージェー オスティン
(72)【発明者】
【氏名】加藤 健介
(72)【発明者】
【氏名】リュウ バイシアン ベンソン
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB01
5L049BB01
(57)【要約】
【課題】事業者の集客を支援すること。
【解決手段】事業者への集客を支援する集客支援装置であって、前記事業者が展開する事業に関するウェブ上の事業情報と、他の事業者の過去の実績情報をもとに、前記事業情報の中から前記事業の成果に影響のある影響情報を判定する判定部と、前記影響情報を前記事業者と、前記事業者が属する組織に提示する提示部と、を備えることを特徴とする、集客支援装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業者への集客を支援する集客支援装置であって、
前記事業者が展開する事業に関するウェブ上の事業情報と、他の事業者の過去の実績情報をもとに、前記事業情報の中から前記事業の成果に影響のある影響情報を判定する判定部と、
前記影響情報を前記事業者と、前記事業者が属する組織に提示する提示部と、
を備えることを特徴とする、集客支援装置。
【請求項2】
前記事業情報は少なくとも前記事業の事業カテゴリに関する情報を含み、
前記判定部は、前記事業カテゴリにより分類した前記他の事業者の過去の実績情報をもとに、前記事業者が属する前記事業カテゴリにおける前記影響情報を判定すること、
を特徴とする、請求項1に記載の集客支援装置。
【請求項3】
前記事業情報は少なくとも前記事業の事業カテゴリと、前記事業者が事業を行う地域に関する情報を含み、
前記判定部は、前記地域と、前記事業カテゴリにより分類した前記他の事業者の過去の実績情報をもとに、前記事業情報の項目を重み付けし、前記集客に影響のある情報を判定すること、
を特徴とする、請求項1に記載の集客支援装置。
【請求項4】
前記提示部が前記影響情報を前記事業者に提示した後の、前記事業者による前記事業情報の変化をもとに、変化が不十分である前記事業者の情報を前記組織に提示する対応必要事業者提示部と、
を備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の集客支援装置。
【請求項5】
前記事業情報と、前記実績情報をもとに、前記事業者への来訪者数を予測する来訪者数予測部と、
を備えることを特徴とする、請求項4に記載の集客支援装置。
【請求項6】
前記来訪者数予測部によって予測された第1の事業者への来訪者数と、前記第1の事業者と第2の事業者との関係性をもとに、第2の事業者への来訪者数を予測し、前記第2の事業者に提示する波及来訪者数予測部と、
を備えることを特徴とする、請求項5に記載の集客支援装置。
【請求項7】
事業者への集客を支援する集客支援プログラムであって、
プロセッサに、
前記事業者が展開する事業に関するウェブ上の事業情報と、他の事業者の過去の実績情報をもとに、前記事業情報の中から前記事業の成果に影響のある影響情報を判定する判定ステップと、
前記影響情報を前記事業者と、前記事業者が属する組織に提示する提示ステップと、
を実行させる、集客支援プログラム。
【請求項8】
事業者への集客を支援する集客支援方法であって、
プロセッサが、
前記事業者が展開する事業に関するウェブ上の事業情報と、他の事業者の過去の実績情報をもとに、前記事業情報の中から前記事業の成果に影響のある影響情報を判定する判定ステップと、
前記影響情報を前記事業者と、前記事業者が属する組織に提示する提示ステップと、
を実行する、集客支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集客支援装置、集客支援プログラム、集客支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットが普及し、ECも一般的になり、インターネット上でも事業が成立するようになって久しい。一方で、飲食店を始めとして、客がその場に来ることで事業が成立するビジネスも、現在も数多く存在する。特に観光は、その場所・エリアに集客して客に購買行動をしてもらうことで成立している。
【0003】
集客に繋がる取り組みを行うため、顧客に渡すカードのような媒体を用いて、商店や飲食店等のウェブサイトへのアクセスを促す技術が、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、携行可能なカード等の媒体を顧客になりうる人に渡すことで、そのカードから魅力のある商店や飲食店のウェブページに誘導しようとするものである。一方、現在では、顧客はウェブ検索など、ウェブ上で情報をみたり、収集したりして訪問する場所を決定することが広く行われているため、このような活動をおこなう顧客に対し、集客に繋がる取り組みとはなっていない。
【0006】
また、特に観光においては一つの店舗の取り組みだけではなく、地域のブランディングや、キャンペーンを同時期に展開するなど、自治体や地域・エリア単位での取り組みが効果的であるが、特許文献1は、単一の店舗での取り組みになってしまっている。
【0007】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、事業者への集客を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を達成するため、事業者への集客を支援する集客支援装置であって、前記事業者が展開する事業に関するウェブ上の事業情報と、他の事業者の過去の実績情報をもとに、前記事業情報の中から前記事業の成果に影響のある影響情報を判定する判定部と、前記影響情報を前記事業者と、前記事業者が属する組織に提示する提示部と、を備えることを特徴とする、集客支援装置を提供する。
【0009】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、事業者への集客を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る集客支援システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】サーバ装置10のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】サーバ装置10のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態の事業情報記憶部131に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態の実績情報記憶部132に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態の関係性情報記憶部133に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態のサーバ装置10の情報処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
事業者への集客を支援する集客支援装置であって、
前記事業者が展開する事業に関するウェブ上の事業情報と、他の事業者の過去の実績情報をもとに、前記事業情報の中から前記事業の成果に影響のある影響情報を判定する判定部と、
前記影響情報を前記事業者と、前記事業者が属する組織に提示する提示部と、
を備えることを特徴とする、集客支援装置。
[項目2]
前記事業情報は少なくとも前記事業の事業カテゴリに関する情報を含み、
前記判定部は、前記事業カテゴリにより分類した前記他の事業者の過去の実績情報をもとに、前記事業者が属する前記事業カテゴリにおける前記影響情報を判定すること、
を特徴とする、項目1に記載の集客支援装置。
[項目3]
前記事業情報は少なくとも前記事業の事業カテゴリと、前記事業者が事業を行う地域に関する情報を含み、
前記判定部は、前記地域と、前記事業カテゴリにより分類した前記他の事業者の過去の実績情報をもとに、前記事業情報の項目を重み付けし、前記集客に影響のある情報を判定すること、
を特徴とする、項目1に記載の集客支援装置。
[項目4]
前記提示部が前影響情報を前記事業者に提示した後の、前記事業者による前記事業情報の変化をもとに、変化が不十分である前記事業者の情報を前記組織に提示する対応必要事業者提示部と、
を備えることを特徴とする、項目1から3のいずれかに記載の集客支援装置。
[項目5]
前記事業情報と、前記実績情報をもとに、前記事業者への来訪者数を予測する来訪者数予測部と、
を備えることを特徴とする、項目4に記載の集客支援装置。
[項目6]
前記来訪者数予測部によって予測された第1の事業者への来訪者数と、前記第1の事業者と第2の事業者との関係性をもとに、第2の事業者への来訪者数を予測し、前記第2の事業者に提示する波及来訪者数予測部と、
を備えることを特徴とする、項目5に記載の集客支援装置。
[項目7]
事業者への集客を支援する集客支援プログラムであって、
プロセッサに、
前記事業者が展開する事業に関するウェブ上の事業情報と、他の事業者の過去の実績情報をもとに、前記事業情報の中から前記事業の成果に影響のある影響情報を判定する判定ステップと、
前記影響情報を前記事業者と、前記事業者が属する組織に提示する提示ステップと、
を実行させる、集客支援プログラム。
[項目8]
事業者への集客を支援する集客支援方法であって、
プロセッサが、
前記事業者が展開する事業に関するウェブ上の事業情報と、他の事業者の過去の実績情報をもとに、前記事業情報の中から前記事業の成果に影響のある影響情報を判定する判定ステップと、
前記影響情報を前記事業者と、前記事業者が属する組織に提示する提示ステップと、
を実行する、集客支援方法。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る集客支援システムの全体構成例を示す図である。集客支援システムは、サーバ装置10と、事業者端末20と、組織端末30と、を備える。
【0014】
本実施形態の集客支援システムは、サーバ装置10を含んで構成される。サーバ装置10は、事業者端末20と、組織端末30と、通信ネットワークNWを介して通信可能に接続される。通信ネットワークNWは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0015】
==サーバ装置10==
サーバ装置10は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。本実施形態においては、説明の便宜上1台を例示しているが、これに限定されず、複数台であってもよい。
【0016】
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。サーバ装置10は、CPU101、メモリ102、記憶装置103、通信インタフェース104、入力装置105、出力装置106を備える。記憶装置103は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース104は、通信ネットワークNWに接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(UNIVERSAL SERIAL BUS)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置305は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置306は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述するサーバ装置10の各機能部はCPU101が記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより実現され、サーバ装置10の各記憶部はメモリ102及び記憶装置103が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0017】
==事業者端末20==
事業者端末20は、集客により顧客を獲得する事業者の担当者が扱うコンピュータである。例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。ユーザは、たとえば事業者端末20で実行されるアプリケーションやWEBブラウザによりサーバ装置10にアクセスすることができる。
【0018】
なお、本実施形態における事業者は、事業を行う主体であって、一つの事業体であってもよいし、1つの事業体の中における一つの支店などの事業単位であってもよいし、フランチャイズに加盟するフランチャイジー等であってもよいが、これらに限定されない。
【0019】
==組織端末30==
組織端末30は、事業者が属する組織の担当者が扱うコンピュータである。例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。ユーザは、たとえば組織端末30で実行されるアプリケーションやWEBブラウザによりサーバ装置10にアクセスすることができる。
【0020】
なお、本実施形態における組織は、事業者が拠点を置く自治体やDMO、所属する商工会、業界団体、組合など、また、商店街などの有志団体などを含んでよいし、フランチャイズの本部機能を有するフランチャイザー、同一事業体で複数店舗を展開する事業者の本社等で店舗管理を行っている部門などを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0021】
図3に、サーバ装置1の機能構成を示す。
図1に示すように、サーバ装置1は、事業情報記憶部131と、実績情報記憶部132と、関係性情報記憶部133の各記憶部と、事業情報取得部111と、実績情報取得部112と、判定部113と、提示部114と、対応必要事業者提示部115と、来訪者数予測部116と、波及来訪者数予測部117と、の各処理部を備える。
【0022】
事業情報記憶部131は、
図4に一例を示すように、事業者端末20またはインターネット上の任意のウェブページより取得した、事業者が実施している事業に関する情報(事業情報)を記憶する。事業情報は、事業者の名前、住所、連絡先、業務内容、事業カテゴリ、店舗がある場合には店舗の名前、住所、連絡先、提供サービス・メニュ、価格、開店・閉店時間、営業日、画像・映像等の情報を含み、また、それらの情報に対する顧客を含む一般のユーザの反応(検索数、閲覧数、クリック数、いいね!などの態度を表す数、書き込まれたテキスト(クチコミ)、顧客の評価(点数など)等の情報も含むが、これらに限定されない。
【0023】
実績情報記憶部132は、
図5に一例を示すように、事業者が実施している事業の実績(成果)を記憶する。実績は、例えば訪問者数や売上、販売数等に関する情報を含むが、これらに限定されない。
【0024】
関係性情報記憶部133は、
図6に一例を示すように、事業者間の関係性と、その関係性に応じて事業者Aに行った顧客がその後に事業者Bに行く確率を記憶する。
【0025】
以上が、集客支援システムが備える各記憶部に関する説明である。以下に、集客支援システムが備える各処理部に関する説明を記載する。
【0026】
事業情報取得部111は、事業者端末20またはインターネット上の任意のウェブページより、事業者が実施している事業に関する情報を取得し、事業情報記憶部131に記憶する。
【0027】
事業情報は、事業者、組織、事業者の顧客、事業者に興味のある人、事業者を紹介するウェブサイト等を運営する者などがインターネット上に入力した情報を含み、また、事業者の顧客や事業者に興味のある人によるインターネット上の挙動(事業者のウェブページのビュー数、滞在時間、直帰率、予約等のコンバージョン等、ウェブマーケティングに用いる様々な指標)の情報を含んでもよい。
【0028】
ここで、インターネット上の任意のウェブページの例としては、事業者の事業を紹介するウェブサイト(ホームページ)や、各種SNS、また、事業者が利用する、事業紹介に繋がるウェブサービス(類似する業種の事業者や近隣エリアの事業者の情報を掲載したポータルサイトや、ユーザが検索サービス利用時に関連する事業の情報が提示される情報管理ツール等)、事業者の顧客や、事業者に興味のある人が写真をアップしたり、書き込みをしたりするなどして情報が蓄積されるサイトなどを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0029】
実績情報取得部112は、事業者端末20または組織端末30より、事業者が行う事業の実績(成果)に関する情報を取得する。なお、実績情報取得部112は、事業者の建物の入り口等に設置された人感センサ等を用いて訪問者数を実績情報として取得しても良いし、事業者の建物や建物の近辺などに設置されたカメラ等の画像から画像処理技術により事業者を訪れた人や車の数をカウントして、実績情報として取得してもよい。また、実績情報取得部112は、POSやモバイルオーダーシステムなどから、購入者数、売上、商品・サービスごとの販売数の情報などを取得してもよい。また、事業者が独自にカウントした購入者数や売上、商品・サービスごとの販売数の情報などを事業者端末20から取得してもよい。
【0030】
判定部113は、事業情報と、事業者の過去の実績情報をもとに、事業情報の中で事業の成果に影響のある情報(影響情報)を判定する。
【0031】
判定部113は、一例として、高い実績(例えば集客人数が多いことや、売上が高いことなど)を上げている事業者の事業情報と、低い実績の事業者の事業情報を比較し、高い実績を上げている事業者では充実している(情報が入力されていること、情報が多く入力されていることなどを意味する)が、低い実績の事業者では充実していない事業情報を、影響情報として判定する。
【0032】
判定部113は、一例として、事業情報と過去の実績情報を多変量解析などの統計的な手法で分析することにより、実績と相関のある事業情報を、事業の成果に影響のある情報として判定しても良い。この場合、相関の程度によって重み付けをし、相関度の高い事業情報を、優先度の高い、影響情報として判定してもよい。
【0033】
判定部113は、一例として、事業情報に含まれる事業カテゴリが共通する複数の事業者の事業情報と過去の実績情報をもとに、特定の事業カテゴリにおいて、影響情報を上述した方法によって判定してもよい。
【0034】
判定部113は、一例として、事業情報に含まれる事業エリアが共通する複数の事業者の事業情報と過去の実績情報をもとに、特定の事業エリアにおいて、影響情報を上述した方法によって判定してもよい。
【0035】
判定部113は、一例として、事業情報に含まれる事業カテゴリと事業エリアが共通する複数の事業者の事業情報と過去の実績情報をもとに、特定の事業カテゴリと事業エリアにおいて、影響情報を上述した方法によって判定してもよい。
【0036】
なお、本実施形態における事業カテゴリは、例えば、飲食店、宿泊施設、小売施設、大型商業施設などの、行われているビジネスの種類によって分類されるものであってもよいし、飲食店の中で、居酒屋、イタリアンレストラン、街中華などの提供しているサービス、商品の種類によって分類されるものであってもよい。
【0037】
また、本実施形態における事業エリアは、例えば、自治体そのものであってもよいし、観光地や空港、駅などの観光拠点、集客したい商店街などの任意の場所から所定の半径の円で囲んで設定したエリアや、任意の場所から徒歩N分圏内のように設定したエリアでもよいし、駅前のアーケード商圏、国道沿いなどの任意に設定したエリアであってもよいが、これらに限定されない。
【0038】
提示部114は、前記判定部が判定した影響情報を、事業者と、事業者が属する組織に提示する。これにより、影響情報を事業者と事業者が属する組織の両方が把握することができるため、両者が協力して改善に向けた取り組みを行うことが可能となる。また、提示部114は、事業者ごとの影響情報に加え、事業カテゴリ、事業エリアにおける影響情報も提示するため、事業者と、事業者が属する組織は、地域のマクロ情報を参考にすることができる。例えば、同地域や他地域のレストランが集客のためにウェブ上でどの様な取り組みをしているのか、どのような取り組みが成功しているかを把握することができる。なお、提示部114は、影響情報を事業者だけに提示しても良いし、組織にだけ提示してもよい。
【0039】
対応必要事業者提示部115は、提示部114が影響情報を事業者に提示した後に、影響情報の拡充を行わない事業者を、組織に提示する。なお、対応必要事業者提示部115は、提示部114が影響情報を事業者に提示した後に、影響情報の拡充を行わない事業者に対し、再度影響情報を提示してもよい。
【0040】
対応必要事業者提示部115は、提示部114が影響情報を事業者に提示する前の時点の事業情報と、影響情報を提示した後に所定の時間を経たあとの事業情報を比較し、事業情報に変化がない事業者、影響情報に変化のない事業者、重要度の高い影響情報に変化のない事業者など、事業情報の拡充が十分でない事業者を判定し、組織に提示する。
【0041】
来訪者数予測部116は、事業情報と、実績情報をもとに、事業者への来訪者数を予測し、事業者または組織に提示する。
【0042】
来訪者数予測部116は、一例として、事業情報に含まれる事業カテゴリと、実績情報に含まれる来客者数の情報をもとに、事業者への来訪者数を予測する。
【0043】
来訪者数予測部116は、一例として、事業情報に含まれる事業エリアと、実績情報に含まれる来客者数の情報をもとに、事業者への来訪者数を予測する。
【0044】
来訪者数予測部116は、一例として、事業情報と過去の実績情報を多変量解析などの統計的な手法で解析することにより、実績情報の充実度が似ている事業者の来訪者数を予測すればよい。また、来訪者数予測部116は、事業情報と過去の実績情報を教師データとして、事業情報を入力情報とし、来訪者数を出力情報とする予測モデルを生成し、当該予測モデルによって来訪者数を予測してもよい。
【0045】
来訪者数予測部116は、一例として、事業情報に含まれる事業カテゴリが共通する複数の事業者の事業情報と過去の実績情報をもとに、特定の事業カテゴリにおいて、特定の事業者への来訪者数を、上述した方法によって予測してもよい。
【0046】
来訪者数予測部116は、一例として、事業情報に含まれる事業エリアが共通する複数の事業者の事業情報と過去の実績情報をもとに、特定の事業エリアにおいて、特定の事業者への来訪者数を、上述した方法によって予測してもよい。
【0047】
来訪者数予測部116は、一例として、事業情報に含まれる事業カテゴリと事業エリアが共通する複数の事業者の事業情報と過去の実績情報をもとに、特定の事業カテゴリと事業エリアにおいて、特定の事業者への来訪者数を、上述した方法によって予測してもよい。
【0048】
波及来訪者数予測部117は、前記来訪者数予測部116によって予測された事業者Aへの来訪者数と、事業者Aと事業者Bとの関係性をもとに、事業者Bへの来訪者数を予測し、事業者または組織に提示する。
【0049】
波及来訪者数予測部117は、
図6に一例を示す、事業者Aへの来訪者数と、事業者Aと事業者Bの間の距離、という関係性をもとに、事業者Bへの来訪者数を予測してもよい。波及来訪者数予測部117は、事業者Aと事業者Bの間の距離が近いほど、事業者Aから事業者Bへの来訪者が多くなるように、事前に設定された波及訪問率を用いて、距離が離れるに従って所定の割合で事業者Bへの来訪者数が減るように予測すればよい。
【0050】
波及来訪者数予測部117は、一例として、事業者Aへの来訪者数と、事業者Aと事業者Bの事業カテゴリの相性、という関係性をもとに、事業者Bへの来訪者数を予測してもよい。
【0051】
ここでいう相性は、例えば、
図6に一例を示す、事業者Aに行った顧客が、次に事業者Bに行く可能性が高いか低いか、という関係性であって、事業者Aに行った顧客が、次に事業者Bに行かない確率(減少率)が設定されている。これは、主に事業カテゴリが同じだと連続で店舗を回りにくいような関係性や、スポーツ施設(事業者A)で汗を流した後に食事(事業者B)に行く、などのアクティビティの相性の関係性を定めたものであって、波及訪問率を用いて事業者Bの波及訪問者数を予測すればよい。なお、事業者Aを出発する時間によって、事業者Bに行く確率(波及訪問率)は変動しうるので、事業者Aの出発時間に応じて、波及訪問率が設定されていてもよい。
【0052】
図7を用いて、本実施形態のサーバ装置10の代表的な処理の流れを説明する。サーバ装置10は、事業情報を取得する(1001)。サーバ装置10は、実績情報を取得する(1002)。サーバ装置10は、事業情報と実績情報をもとに、集客に影響のある影響情報を判定する(1003)。サーバ装置10は、影響情報を事業者と組織に提示する(1004)。サーバ装置10は、影響情報を提示する前後の事業者情報を比較して、対応が必要な事業者の情報を組織に提示する(1005)。サーバ装置10は、事業情報と実績情報をもとに、来訪者数を予測し、事業者と組織に提示する(1006)。サーバ装置10は、事業者Aの予想来訪者数と、事業者Aと事業者Bの関係性をもとに、事業者Aを訪れた顧客の中から事業者Bを訪問する波及来訪者数を予測し、事業者と組織に提示する(1007)。
【0053】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0054】
本明細書において説明した装置は、単独の装置として実現されてもよく、一部または全部がネットワークで接続された複数の装置(例えばクラウドサーバ)等により実現されてもよい。例えば、サーバ装置10のCPUおよび記憶装置は、互いにネットワークで接続された異なるサーバにより実現されてもよい。
【0055】
本明細書において説明した装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、およびソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。本実施形態に係るサーバ装置10の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、PC等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0056】
また、本明細書において説明した処理は、必ずしも説明した順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0057】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【符号の説明】
【0058】
10 サーバ装置
20 事業者端末
30 組織端末
NW ネットワーク
101 プロセッサ
102 メモリ
103 記憶装置
104 通信インタフェース
105 入力装置
106 出力装置
111 事業情報取得部
112 実績情報取得部
113 判定部
114 提示部
115 対応必要事業者提示部
116 来訪者数予測部
117 波及来訪者数予測部
131 事業情報記憶部
132 実績情報記憶部
133 関係性情報記憶部