(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098138
(43)【公開日】2024-07-22
(54)【発明の名称】生体情報推定装置、方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/1455 20060101AFI20240712BHJP
A61B 10/00 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
A61B5/1455
A61B10/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128258
(22)【出願日】2023-08-07
(31)【優先権主張番号】10-2023-0002877
(32)【優先日】2023-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鄭 明 薫
(72)【発明者】
【氏名】朴 珍 映
(72)【発明者】
【氏名】嚴 槿 ▲せん▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 貞 恩
(72)【発明者】
【氏名】金 潤 載
(72)【発明者】
【氏名】文 鉉 皙
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038KK00
4C038KL07
4C038KM03
4C038KX02
4C038KY03
4C038VB12
4C038VB40
(57)【要約】
【課題】生体情報推定装置及び方法を提供する。
【解決手段】生体情報推定装置が開示される。生体情報推定装置は、被検体から第1光路を有する少なくとも1つの第1光信号及び第1光路と異なる第2光路を有する少なくとも1つの第2光信号を検出するセンサー;及び少なくとも1つの第1光信号に基づいて第1吸光度を取得し、少なくとも1つの第2光信号に基づいて第2吸光度を取得し、第1吸光度と第2吸光度との差に基づいて生体情報を推定するプロセッサ;を含みうる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体から第1光路を有する少なくとも1つの第1光信号及び前記第1光路と異なる第2光路を有する少なくとも1つの第2光信号を検出するセンサーと、
前記少なくとも1つの第1光信号に基づいて第1吸光度を取得し、前記少なくとも1つの第2光信号に基づいて第2吸光度を取得し、前記第1吸光度と前記第2吸光度との差に基づいて生体情報を推定するプロセッサと、
を含む、生体情報推定装置。
【請求項2】
前記センサーは、
被検体に光を照射する少なくとも1つの光源と、
前記少なくとも1つの光源によって照射された光から被検体によって散乱または反射した第1光路を有する少なくとも1つの第1光信号を検出する少なくとも1つの第1ディテクターと、
前記少なくとも1つの光源によって照射された光から前記被検体によって散乱または反射した第2光路を有する少なくとも1つの第2光信号を検出する少なくとも1つの第2ディテクターと、
を含む、請求項1に記載の生体情報推定装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの光源は、センサーの中央に配され、
前記少なくとも1つの第1ディテクターは、前記センサーの中心から第1距離に第1同心円状に配列された複数の第1ディテクターを含み、
前記少なくとも1つの第2ディテクターは、前記センサーの中心から第2距離に第2同心円状に配列された複数の第2ディテクターを含む、請求項2に記載の生体情報推定装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1ディテクターは、センサーの中央に配され、
前記少なくとも1つの光源は、前記センサーの中央から第1距離に第1同心円状に配列された複数の光源を含み、
前記少なくとも1つの第2ディテクターは、前記第1同心円状から第2距離に第2同心円状に配列された複数の第2ディテクターを含む、請求項2に記載の生体情報推定装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第2ディテクターは、センサーの中央に配され、
前記少なくとも1つの光源は、前記センサーの中央から第2距離に第2同心円状に配列された複数の光源を含み、
前記少なくとも1つの第1ディテクターは、前記第2同心円状から第1距離に第1同心円状に配列される複数の第1ディテクターを含む、請求項2に記載の生体情報推定装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光源は、
波長範囲が400nm以上600nm以下である、請求項2に記載の生体情報推定装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの光源と前記少なくとも1つの第1ディテクターとの間、または前記少なくとも1つの光源と前記少なくとも1つの第2ディテクターとの間に配された少なくとも1つの隔壁をさらに含む、請求項2に記載の生体情報推定装置。
【請求項8】
前記第1光路と第2光路との差は、2mm以上15mm以下である、請求項1に記載の生体情報推定装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記少なくとも1つの第1光信号が検出されることに基づいて、前記少なくとも1つの第1光信号を第1ログドメインに変換し、該変換された少なくとも1つの第1光信号を組み合わせて前記第1吸光度を取得し、
前記少なくとも1つの第2光信号が検出されることに基づいて、前記少なくとも1つの第2光信号を第2ログドメインに変換し、該変換された第2光信号を組み合わせて前記第2吸光度を取得する、請求項1に記載の生体情報推定装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
算術平均、調和平均、幾何平均のうちの少なくとも1つを用いて、前記変換された少なくとも1つの第1光信号を組み合わせ、前記変換された少なくとも1つの第2光信号を組み合わせる、請求項9に記載の生体情報推定装置。
【請求項11】
前記生体情報は、抗酸化数値を含み、
前記プロセッサは、
複数の波長に対する第1吸光度と第2吸光度との差に基づいて抗酸化ピークを決定し、該決定された抗酸化ピークに基づいて抗酸化数値を取得する、請求項1に記載の生体情報推定装置。
【請求項12】
センサーを通じて、被検体から第1光路を有する少なくとも1つの第1光信号を検出する段階と、
前記センサーを通じて、前記第1光路と異なる第2光路を有する少なくとも1つの第2光信号を検出する段階と、
プロセッサを通じて、前記少なくとも1つの第1光信号に基づいて第1吸光度を取得する段階と、
前記プロセッサを通じて、前記少なくとも1つの第2光信号に基づいて第2吸光度を取得する段階と、
前記プロセッサを通じて、前記取得された第1吸光度と第2吸光度との差に基づいて生体情報を推定する段階と、
を含む、生体情報推定方法。
【請求項13】
前記センサーは、
被検体に光を照射する少なくとも1つの光源と、
少なくとも1つの光源によって照射された光から前記被検体によって散乱または反射した第1光路を有する少なくとも1つの第1光信号を検出する少なくとも1つの第1ディテクターと、
少なくとも1つの光源によって照射された光から前記被検体によって散乱または反射した第2光路を有する少なくとも1つの第2光信号を検出する少なくとも1つの第2ディテクターと、
を含む、請求項12に記載の生体情報推定方法。
【請求項14】
前記第1吸光度を取得する段階は、
前記少なくとも1つの第1光信号が検出されることに基づいて、少なくとも1つの第1光信号のそれぞれを第1ログドメインに変換し、該変換された少なくとも1つの第1光信号を組み合わせて前記第1吸光度を取得し、
前記第2吸光度を取得する段階は、
前記少なくとも1つの第2光信号が検出されることに基づいて、前記少なくとも1つの第2光信号のそれぞれを第2ログドメインに変換し、該変換された少なくとも1つの第2光信号を組み合わせて前記第2吸光度を取得する、請求項12に記載の生体情報推定方法。
【請求項15】
前記生体情報は、抗酸化数値を含み、
前記生体情報を推定する段階は、
複数の波長に対する第1吸光度と第2吸光度との差に基づいて抗酸化ピークを決定し、該決定された抗酸化ピークに基づいて抗酸化数値を取得する、請求項12に記載の生体情報推定方法。
【請求項16】
ユーザの身体に着用されて前記ユーザの抗酸化数値を推定する装置であって、
前記身体に向けて光を照射する光源と、
前記光源から離隔して位置し、前記光源によって照射された光がユーザの身体によって散乱または反射した光を第1光信号として検出する第1ディテクターと、
前記光源から前記第1ディテクターよりもさらに遠い距離に位置し、前記光源によって照射されて前記身体によって散乱または反射した光を第2光信号として検出する第2ディテクターと、
前記第1光信号及び前記第2光信号を用いて前記ユーザの抗酸化数値を推定するプロセッサと、
を含む、装置。
【請求項17】
前記装置は、前記ユーザの手首に着用されるスマートウォッチである、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、
前記光源のキャリブレーションを行うことなく前記抗酸化数値を推定する、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記光源と、前記第1ディテクター及び前記第2ディテクターとの間に配された隔壁と、をさらに含む、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記第2ディテクターは、
前記第1ディテクターよりも前記光源から2mm以上15mm以下、さらに離隔する、請求項16に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗酸化数値のような生体情報を推定する生体情報推定装置、方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
活性酸素は、白血球の殺菌作用のような生物学的保護因子として重要であるが、生体内の活性酸素の過度な生成は、多様な組織疾病を起こすと知られている。活性酸素を発生させる通常の因子は、ストレス、アルコール、過酸化物、薬物などがあり、このような因子によって発生する活性酸素は、脳神経疾患、循環器疾患、癌、消化管疾患、肝疾患、動脈硬化、腎臓疾患、糖尿病及び老化などの原因となる。生体は、酸素毒性から自らを保護するために一連の酸化保護システムを有する。抗酸化成分は、このような酸化保護システムを正常に作動させる役割を果たす。抗酸化成分は、ビタミンE、ビタミンC、カロテノイド(carotenoid)、フラボノイド(flavonoid)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/0289414号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、生体情報推定装置、方法及び装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、被検体から第1光路を有する少なくとも1つの第1光信号及び前記第1光路と異なる第2光路を有する少なくとも1つの第2光信号を検出するセンサー;及び少なくとも1つの第1光信号に基づいて第1吸光度を取得し、前記少なくとも1つの第2光信号に基づいて第2吸光度を取得し、前記第1吸光度と前記第2吸光度との差に基づいて生体情報を推定するプロセッサ;を含みうる。
【0006】
この際、センサーは、被検体に光を照射する少なくとも1つの光源;前記少なくとも1つの光源によって照射された光から被検体によって散乱または反射した第1光路を有する少なくとも1つの第1光信号を検出する少なくとも1つの第1ディテクター;及び前記少なくとも1つの光源によって照射された光から前記被検体によって散乱または反射した第2光路を有する少なくとも1つの第2光信号を検出する少なくとも1つの第2ディテクター;を含みうる。
【0007】
前記少なくとも1つの光源は、センサーの中央に配され、前記少なくとも1つの第1ディテクターは、前記センサーの中心から第1距離に第1同心円状に配列された複数の第1ディテクターを含み、前記少なくとも1つの第2ディテクターは、前記センサーの中心から第2距離に第2同心円状に配列された複数の第2ディテクターを含みうる。
【0008】
前記少なくとも1つの第1ディテクターは、センサーの中央に配され、前記少なくとも1つの光源は、前記センサーの中央から第1距離に第1同心円状に配列された複数の光源を含み、前記少なくとも1つの第2ディテクターは、前記第1同心円状から第2距離に第2同心円状に配列された複数の第2ディテクターを含みうる。
【0009】
前記少なくとも1つの第2ディテクターは、センサーの中央に配され、前記少なくとも1つの光源は、前記センサーの中央から第2距離に第2同心円状に配列された複数の光源を含み、前記少なくとも1つの第1ディテクターは、前記第2同心円状から第1距離に第1同心円状に配列される複数の第1ディテクターを含みうる。
【0010】
少なくとも1つの光源は、波長範囲が400nm以上600nm以下である。
【0011】
前記少なくとも1つの光源と前記少なくとも1つの第1ディテクターとの間、または前記少なくとも1つの光源と前記少なくとも1つの第2ディテクターとの間に配された少なくとも1つの隔壁をさらに含みうる。
【0012】
前記第1光路と第2光路との差は、2mm以上15mm以下である。
【0013】
プロセッサは、前記少なくとも1つの第1光信号が検出されることに基づいて、前記少なくとも1つの第1光信号を第1ログドメインに変換し、該変換された少なくとも1つの第1光信号を組み合わせて前記第1吸光度を取得し、前記少なくとも1つの第2光信号が検出されることに基づいて、前記少なくとも1つの第2光信号を第2ログドメインに変換し、該変換された第2光信号を組み合わせて前記第2吸光度を取得することができる。
【0014】
プロセッサは、算術平均、調和平均、幾何平均のうちの少なくとも1つを用いて、前記変換された少なくとも1つの第1光信号を組み合わせ、前記変換された少なくとも1つの第2光信号を組み合わせることができる。
【0015】
生体情報は、抗酸化数値を含み、前記プロセッサは、前記複数の波長に対する第1吸光度と第2吸光度との差に基づいて抗酸化ピークを決定し、該決定された抗酸化ピークに基づいて抗酸化数値を取得することができる。
【0016】
一態様によれば、生体情報推定方法は、センサーを通じて、被検体から第1光路を有する少なくとも1つの第1光信号を検出する段階;前記センサーを通じて、前記第1光路と異なる第2光路を有する少なくとも1つの第2光信号を検出する段階;プロセッサを通じて、前記少なくとも1つの第1光信号に基づいて第1吸光度を取得する段階;前記プロセッサを通じて、前記少なくとも1つの第2光信号に基づいて第2吸光度を取得する段階;及び前記プロセッサを通じて、前記取得された第1吸光度と第2吸光度との差に基づいて生体情報を推定する段階;を含みうる。
【0017】
センサーは、被検体に光を照射する少なくとも1つの光源;少なくとも1つの光源によって照射された光から前記被検体によって散乱または反射した第1光路を有する少なくとも1つの第1光信号を検出する少なくとも1つの第1ディテクター;及び少なくとも1つの光源によって照射された光から前記被検体によって散乱または反射した第2光路を有する少なくとも1つの第2光信号を検出する少なくとも1つの第2ディテクター;を含みうる。
【0018】
前記第1吸光度を取得する段階は、前記少なくとも1つの第1光信号が検出されることに基づいて、少なくとも1つの第1光信号のそれぞれを第1ログドメインに変換し、該変換された少なくとも1つの第1光信号を組み合わせて前記第1吸光度を取得し、前記第2吸光度を取得する段階は、前記少なくとも1つの第2光信号が検出されることに基づいて、前記少なくとも1つの第2光信号のそれぞれを第2ログドメインに変換し、該変換された少なくとも1つの第2光信号を組み合わせて前記第2吸光度を取得することができる。
【0019】
前記生体情報は、抗酸化数値を含み、前記生体情報を推定する段階は、前記複数の波長に対する第1吸光度と第2吸光度との差に基づいて抗酸化ピークを決定し、該決定された抗酸化ピークに基づいて抗酸化数値を取得することができる。
【0020】
一態様によれば、ユーザの身体に着用されて前記ユーザの抗酸化数値を推定する装置であって、前記身体に向けて光を照射する光源;前記光源から離隔して位置し、前記光源によって照射された光がユーザの身体によって散乱または反射した光を第1光信号として検出する第1ディテクター;前記光源から前記第1ディテクターよりもさらに遠い距離に位置し、前記光源によって照射されて前記身体によって散乱または反射した光を第2光信号として検出する第2ディテクター;及び前記第1光信号及び前記第2光信号を用いて前記ユーザの抗酸化数値を推定するプロセッサ;を含みうる。
【0021】
前記装置は、前記ユーザの手首に着用されるスマートウォッチでもある。
【0022】
プロセッサは、前記光源のキャリブレーションを行うことなく前記抗酸化数値を推定することができる。
【0023】
装置は、前記光源と、前記第1ディテクター及び前記第2ディテクターとの間に配された隔壁と、をさらに含みうる。
【0024】
第2ディテクターは、前記第1ディテクターよりも前記光源から2mm以上15mm以下さらに離隔する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】一実施形態による生体情報推定装置のブロック図である。
【
図2A】センサー構造の多様な実施形態を示した図面である。
【
図2B】センサー構造の多様な実施形態を示した図面である。
【
図2C】センサー構造の多様な実施形態を示した図面である。
【
図3A】複数のディテクターから検出された複数の光信号をログドメインに変換して組み合わせる例を説明する図面である。
【
図3B】複数のディテクターから検出された複数の光信号をログドメインに変換して組み合わせる例を説明する図面である。
【
図4】ログドメインに変換して組み合わせた場合と組み合わせていない場合とのセンサー間の偏差を示すグラフである。
【
図5】他の実施形態による生体情報推定装置のブロック図である。
【
図6】一実施形態による生体情報推定方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
その他の実施形態の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。記載の技術の利点及び特徴、そして、それらを果たす方法は、図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すると、明確になる。明細書の全般に亘って同じ参照符号は、同じ構成要素を称する。
【0027】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素の説明に使われるが、構成要素は、用語によって限定されるものではない。用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。単数の表現は、文脈上、取り立てて明示しない限り、複数の表現を含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に取り立てて言及しない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含みうることを意味する。また、明細書に記載の「...部」、「モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアとして具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって具現可能である。
【0028】
図1は、一実施形態による生体情報推定装置のブロック図である。
【0029】
図1を参照すれば、生体情報推定装置100は、センサー110及びプロセッサ120を含む。
【0030】
センサー110は、ユーザの被検体から互いに異なる光路を有する2つ以上の光信号を測定することができる。被検体は、例えば、皮膚表皮層の厚さが厚い手の平や足の裏、静脈血または毛細血が位置するか、腰骨動脈部に隣接した領域、その他の人体内の血管密度が高い部位である手指、足指または耳たぶなど人体の末梢部位、手首、耳の奥などの身体部位である。
【0031】
センサー110は、被検体に光を照射する光源111と被検体からの反射光を検出するディテクター112とを含みうる。光源111は、例えば、発光ダイオード(light emitting diode)、レーザダイオード(laser diode)及び蛍光体の少なくともいずれか一つを含む。光源の波長範囲は、400nm~600nmである。光源111は、1つまたは複数個(例:3個以上)からなり、互いに異なる波長の光を照射することができる。光源111の個数、波長帯域などは、生体情報の種類、装置100のフォームファクタのサイズなどによって自在に変形設計される。複数の光源111は、時分割で順次駆動されるか、同時駆動される。または、既定の光源の単位で同時駆動されながら全体として順次駆動されても良い。ディテクター112は、フォトダイオード(photo diode)またはフォトトランジスタ(photo transistor)などを含み、1つ以上からなる。但し、これに制限されるものではなく、CMOS(complementary metal-oxide semiconductor)イメージセンサー、CCD(charge-coupled device)イメージセンサーなどからなりうる。
【0032】
光源111とディテクター112は、2つ以上の光路を有するように配置される。例えば、第1光路を有するように光源111から第1距離上にディテクター(以下、「第1ディテクター」と称する)が配され、第2光路を有するように光源111から第2距離上にディテクター(以下、「第2ディテクター」と称する)が配置される。光源とディテクターとの個数及び配置形態は、特に制限されるものではない。第2ディテクターは、第1ディテクターよりも光源111から2mm以上15mm以下さらに離隔して配置される。光路の差は、2mm以上15mm以下である。これに制限されず、装置100のフォームファクタのサイズ、被検体接触部位などによって自在に変形されうる。
【0033】
図2Aないし
図2Cは、センサー110構造の多様な実施形態を図示したものである。
【0034】
図2Aを参照すれば、光源(L1、L2、L3、L4)がセンサー110の中央に配され、第1ディテクター(P11、P12、P13、P14)と第2ディテクター(P21、P22、P23、P24)は、光源(L1、L2、L3、L4)の中心(CP)からそれぞれ第1距離(LD1)及び第2距離(LD2)上に同心円状に配置される。光源(L1、L2、L3、L4)の中心(CP)は、光源が1つである場合、その光源の中心を意味し、光源が複数である場合、複数の光源が形成する空間の中心を意味する。
【0035】
図2Bを参照すれば、センサー110の中央に第1ディテクター(P11)が配され、光源(L1、L2、L3、L4)が第1ディテクター(P11)の中心から第1距離(LD1)上に同心円状に配置される。第2ディテクター(P21、P22、P23、P24)は、光源(L1、L2、L3、L4)から第2距離(LD2)上に同心円状に配置される。すなわち、光源(L1、L2、L3、L4)が配された同心円と第2ディテクター(P21、P22、P23、P24)が配された同心円との距離が第2距離(LD2)である。
【0036】
図2Cを参照すれば、センサー110の中央に第2ディテクター(P21)が配され、第2ディテクター(P21)の中心から第2距離(LD2)上に光源(L1、L2、L3、L4)が同心円状に配置される。また、光源(L1、L2、L3、L4)から内側方向に第1距離(LD1)上に第1ディテクター(P11、P12、P13、P14)が同心円状に配置される。
【0037】
図2Aないし
図2Cを参照すれば、センサー110は、光源(L1、L2、L3、L4)から照射された光が第1ディテクター(P11、P12、P13、P14)および第2ディテクター(P21、P22、P23、P24)に直ちに入ることを遮断するための隔壁210、221、222、231、232、233、234をさらに含みうる。隔壁210、221、222、231、232、233、234は、光源(L1、L2、L3、L4)の全体を取り囲む環状(
図2Aの210、
図2Bの222)、光源(L1、L2、L3、L4)のそれぞれを取り囲む環状(
図2Cの231、232、233、234)、ディテクター(P11)を取り囲む環状(
図2Bの221)などからなる。但し、これに制限されず、三角状、四角状など多様な形態に変形可能であり、センサー110の配置構造、フォームファクタ、推定しようとする生体情報の種類、推定目的、要求される正確度などを考慮して必要に応じて省略されることもある。
【0038】
再び
図1を参照すれば、プロセッサ120は、センサー110と電気的に、または無線通信で連結されてセンサー110を制御することができる。プロセッサ120は、ユーザの抗酸化推定要請に応じてセンサー110の光源111を駆動し、光源111が点いた状態で第1光路上の第1ディテクター112と第2光路上の第2ディテクター112とを駆動して、それぞれ第1光信号と第2光信号とを取得することができる。この際、第1ディテクター112と第2ディテクター112とを同時駆動するか、第1ディテクターまたは第2ディテクターを駆動した後、第2ディテクターまたは第1ディテクターを順次駆動することができる。光源111が互いに異なる波長を有する複数の光源からなる場合、各波長の光源を時分割して順次駆動し、各波長別に第1光信号と第2光信号とを取得することができる。
【0039】
プロセッサ120は、各波長別に第1光信号を用いて第1吸光度を取得し、第2光信号を用いて第2吸光度を取得し、第1吸光度と第2吸光度とに基づいて抗酸化数値を取得することができる。例えば、各波長別に第1吸光度と第2吸光度との差に基づいて抗酸化数値を推定することができる。後述するように、互いに異なる光路を有する光信号の吸光度の差を用いて抗酸化数値を推定するために、抗酸化数値を推定する前に初期出射光量を取得するための光源のキャリブレーションを行う必要がない。
【0040】
図3A及び
図3Bは、複数のディテクターから検出された複数の光信号をログドメインに変換して組み合わせる例を説明する図面である。
【0041】
図3Aを参照すれば、一般的に、光源(L)から放出された光が被検体に散乱または反射してディテクター(P)に到達する場合、ディテクター(P)から測定された光量は、ランベルト・ベールの法則(Lambert-Beer’s law)によって数式1として表現される。
【0042】
【0043】
ここで、Iは、ディテクターによって検出される光量を意味する。I0は、光源から出射された光量であって、キャリブレーション時点に標準反射体を通じて測定された光量である。εは、抗酸化成分の吸収係数、cは、抗酸化成分の濃度、dは、光源(L)とディテクター(P)との距離を意味する。
【0044】
プロセッサ120は、各波長の光源に対して、第1ディテクターによって検出された第1光信号の第1光量と、第2ディテクターによって検出された第2光信号の第2光量と、を数式1の線形関係式でそれぞれ表現することができる。
【0045】
プロセッサ120は、それぞれの第1光量及び第2光量に対する線形関係式にログ演算を適用して線形ドメインをログドメインに変換することができ、数式2のように表現される。この際、ログ演算適用時に、ログの底は、10または自然定数eになり、これに制限されるものではない。また、製作されるセンサーの特性によってログ演算の代わりに、非線形関数、回帰式、経験式を利用することができ、これに制限されるものではない。
【0046】
【0047】
プロセッサ120は、各波長別に、ログドメインに変換された第1光量と第2光量とをそれぞれ組み合わせて第1吸光度と第2吸光度とを取得することができる。
図3Bの(1)のように、特定波長の光源(L)に対して4個のディテクター(P1、P2、P3、P4)がそれぞれ距離(d1、d2、d3、d4)で配された場合、数式2を通じてログドメインに変換されたそれぞれの光量を組み合わせて、
図3Bの(2)のように、光源(L)に対して平均距離(d
avg)を有する1つのディテクター(P
avg)から検出された光量で平均化することができる。これを通じて、特定波長の光源(L)に対する複数のディテクター(P1、P2、P3、P4)の距離(d1、d2、d3、d4)偏差を相殺することができる。数式3は、4個のディテクター(P1、P2、P3、P4)のログドメインの光量を組み合わせる例である。
【0048】
【0049】
組み合わせ関数(f)は、算術平均(数式4)、調和平均(数式5)、幾何平均(数式6)のうちの1つであるが、これに制限されるものではない。プロセッサ120は、算術平均、調和平均、または幾何平均を行うために算術平均フィルター、調和平均フィルター、または幾何平均フィルターを利用できる。
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
一般的に、センサーの光源とディテクターとの配置偏差は、光源-ディテクター間の光路長の変化を発生させ、これは、測定信号の強度を変更して生体情報推定の正確度を減少させうる。本実施形態において、複数のディテクターから取得された複数の光量は、ログドメインに変換して組み合わせることにより、距離偏差を相殺させることができる。
【0054】
図4は、距離情報を平均化した場合と平均化していない場合とのセンサー間の偏差を示すグラフである。X軸は、距離情報を平均化していない一般的な場合(一般)、距離情報を算術平均(log算術)、幾何平均(log幾何)及び調和平均(log調和)した場合を示し、Y軸は、センサー間の偏差の百分率を示す。ログドメインに変換された距離情報を平均化して生体情報を測定した場合の偏差は、一定に保持され、そうではない一般的な場合の偏差よりも低いことが分かる。
【0055】
プロセッサ120は、このように各波長別に第1光路の第1光量と第2光路の第2光量とをそれぞれ組み合わせて第1吸光度と第2吸光度とを取得し、該取得された第1吸光度と第2吸光度との差を用いて抗酸化数値を取得することができる。数式7は、第1吸光度と第2吸光度との差を求める式である。
【0056】
【0057】
A1、A2は、特定波長の光源に対する第1吸光度及び第2吸光度を示す。I1、I2は、それぞれ第1光量の組み合わせ値及び第2光量の組み合わせ値を意味する。Δは、第1光路と第2光路との差を示す。I0は、光源の出射光量を意味し、関係式から消去される。したがって、標準反射波などを用いて光源の出射光を測定するキャリブレーション過程を行う必要がなく、ユーザ便宜性を向上させ、このように2つ以上の光路上の光量を用いて温度変化、素子劣化、センサー製作の特性による光量変化を自動で補正することにより、正確性を向上させうる。
【0058】
プロセッサ120は、各波長別に第1吸光度と第2吸光度との差が求められれば、吸光度の差を用いて抗酸化数値を求めうる。プロセッサ120は、抗酸化ピークを特徴値で取得することができる。数式8は、3個の波長を利用した抗酸化ピークを取得する例であり、数式9は、4個の波長を利用した抗酸化ピークを取得する例である。
【0059】
【0060】
ここで、AOは、特徴値の一例であって、抗酸化ピークを示す。λ1、λ2、λ3は、波長を示し、Aλ1、Aλ2、Aλ3は、前記数式7を通じて取得した各波長別の吸光度の差を示す。λ1、λ2、λ3順に長波長である。
【0061】
【0062】
ここで、Aλ1、Aλ2、Aλ3、Aλ4は、数式7を通じて取得した各波長別の吸光度の差を示す。a、b、c、dは、既定の係数であり、eは、既定の定数である。
【0063】
プロセッサ120は、数式8及び数式9を通じて取得した抗酸化ピークに基づいて抗酸化数値を取得することができる。一例として、抗酸化ピーク値を抗酸化数値で取得することができる。他の例として、数式10のように定義された抗酸化推定モデルに抗酸化ピーク値を入力して抗酸化数値を取得することができる。数式10は、線形関数式を例示しているが、これに制限されるものではなく、ログ関数式、指数関数式など非線形関数式でも定義される。
【0064】
【0065】
ここで、Yは、抗酸化数値を示し、a及びbは、既定の値を示す。
【0066】
図5は、他の実施形態による生体情報推定装置のブロック図である。
【0067】
図5を参照すれば、生体情報推定装置500は、センサー510、プロセッサ520、保存部530、出力部540及び通信部550を含みうる。センサー510、プロセッサ520は、
図1の実施形態のセンサー110及びプロセッサ120と同一なので、詳しい説明は省略する。
【0068】
保存部530は、プロセッサ520によって実行されるプログラム(アプリケーションソフトウェア)を保存することができる。プログラムは、前述した生体情報推定を含む多様な機能を行う1つ以上の命令語及び命令に対する入力データ及び/または出力データなどを保存することができる。例えば、センサー510の駆動条件、生体情報推定モデル、ユーザの情報(例:年齢、性別、身長、体重など)、センサーから測定した光信号、生体情報推定値などを保存することができる。
【0069】
保存部530は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、SDまたはXDメモリなど)、RAM(Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、PROM(Programmable Read-Only Memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクなどの記録媒体を含み、これに制限されるものではない。
【0070】
出力部540は、プロセッサ520の処理結果をユーザに提供することができる。出力部540は、表示装置541を含み、表示装置541を通じてグラフィックユーザインターフェースを提供し、生体情報推定結果をグラフィックユーザインターフェースに視覚的にディスプレイすることができる。例えば、経時的な抗酸化数値の変化推移を示すグラフを表示することができ、グラフ上にタイムライン上で移動可能な視覚的客体を表示することができる。出力部540は、ユーザが視覚的客体を移動して所望の時点を選択する場合、これに応答して選択された時点の生体情報、吸光度情報などを表示することができる。また、生体情報が正常範囲を外れる場合、警告情報を表示することができる。また、出力部540は、これと共に音声出力モジュール、ハプティックモジュールなどをさらに含み、音声、振動、触感などの非視覚的な方式でユーザに生体情報推定結果を提供することができる。
【0071】
通信部550は、プロセッサ520の制御によって有線または無線通信技術を用いて外部装置と連結し、各種のデータを送受信することができる。外部機器は、スマートフォン、タブレットPC、デスクトップPC、ノート型パソコン、クラウドなどの情報処理装置を含みうる。例えば、外部装置のセンサーによって測定された光信号データを受信してプロセッサ520に伝達することができ、プロセッサ520によって測定された生体情報推定値を外部装置に伝送しうる。
【0072】
通信部550は、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)通信、BLE(Bluetooth Low Energy)通信、近距離無線通信(Near Field Communication、NFC)、WLAN通信、ジグビー(Zigbee)(登録商標)通信、赤外線(Infrared Data Association、IrDA)通信、WFD(Wi-Fi Direct)通信、UWB(ultra-wideband)通信、Ant+通信、Wi-Fi通信、RFID(Radio Frequency Identification)通信、3G通信、4G通信、5G通信、及び6G通信などを含む多様な有線または無線通信技術を用いて外部機器と通信することができる。但し、これに限定されるものではない。
【0073】
図6は、一実施形態による生体情報推定方法のフローチャートである。
【0074】
図6は、
図1及び
図5の生体情報推定装置100、500によって行われる一実施形態であって、重複説明を避けるために簡単に記述する。後述する段階のうち、段階(612)ないし段階(617)は、説明の順序と関係なく同時進行しうる。または、第1光路に対する段階(612、614、615)を先に進行し、第2光路に対する段階(613、615、617)を後で進行することもでき、その逆の場合も可能である。
【0075】
まず、以前波長の光源をオフ(OFF)し、次の駆動する波長の光源をオン(ON)することができる(611)。光源は、複数の互いに異なる波長の光を照射するように複数形成され、一定の順序で順次駆動される。光源の波長範囲は、400nm以上600nm以下でもある。
【0076】
次いで、第1光路上に配された第1ディテクターを用いて駆動された波長に対する第1光信号を測定し(612)、該測定された第1光信号の第1光量を、ログ演算を適用してログドメインに変換し(614)、ログドメインに変換された第1光量を組み合わせて第1吸光度を取得することができる(616)。第1ディテクターは、第1光路を有するように光源から第1距離上に配置される。ログ演算は、常用ログ、自然ログなど制限されるものではない。組み合わせは、算術平均、幾何平均、調和平均のうちの1つを利用できるが、これに制限されるものではない。
【0077】
同様に、第2光路上に配された第2ディテクターを用いて駆動された波長に対する第2光信号を測定し(613)、該測定された第2光信号の第2光量を、ログ演算を適用してログドメインに変換し(615)、ログドメインに変換された第2光量を組み合わせて第2吸光度を取得することができる(616)。第2ディテクターは、第2光路を有するように光源から第2距離上に配置される。
【0078】
次いで、段階(611)から駆動された波長に対する第1吸光度と第2吸光度との差を算出することができる(618)。第1吸光度と第2吸光度との差を求める過程で光源の出射光量が消去されるので、光源の出射光量を求めるためのキャリブレーション過程を行う必要がなくてユーザ便宜性を向上させうる。
【0079】
次いで、駆動する次の波長が残っていれば(619)、次の波長に対して段階(611)ないし段階(618)を行い、あらゆる波長に対する計算が完了したならば(619)、段階(618)から求められた各波長の吸光度の差に基づいて生体情報を推定することができる(620)。例えば、各波長の吸光度の差を組み合わせて抗酸化ピークを取得し、抗酸化ピークを抗酸化推定モデルに入力して抗酸化数値を取得することができる。
【0080】
図7ないし
図9は、前述した生体情報推定装置100、500を含む電子装置の多様な構造を例示的に示す図面である。
【0081】
電子装置は、例えば、スマートウォッチ、スマートバンド、スマートメガネ、スマートイヤホン、スマートリング、スマートパッチ、スマートネックレスタイプのウェアラブル機器、及びスマートフォン、タブレットPCなどのモバイル機器、または家電機器やモノのインターネット(Internet of Things)を基盤とする多様なIoT機器(例:ホームIoT機器など)である。
【0082】
電子装置は、センサー装置、プロセッサ、入力装置、通信モジュール、カメラモジュール、出力装置、保存装置、及び電力モジュールを含みうる。電子装置の構成は、特定機器に一体に搭載されるか、2つ以上の機器に分散搭載される。センサー装置は、生体情報推定装置100、500のセンサー110、510を含み、その他にジャイロセンサー、GPS(Global Positioning System)などの追加的なセンサーを含みうる。
【0083】
プロセッサは、保存装置に保存されたプログラムなどを実行してプロセッサに連結された構成要素を制御することができ、これを通じて生体情報推定を含む多様なデータ処理または演算を行うことができる。プロセッサは、中央処理装置及びアプリケーションプロセッサのようなメインプロセッサ及び、これと独立して、または共に運用可能な補助プロセッサ、例えば、グラフィック処理装置、イメージシグナルプロセッサ、センサーハブプロセッサ、コミュニケーションプロセッサなどを含みうる。
【0084】
入力装置は、電子装置の各構成要素で使われる命令及び/またはデータをユーザなどから受信することができる。入力装置は、マイク、マウス、キーボード、及び/またはデジタルペン(スタイラスペンなど)を含みうる。
【0085】
通信モジュールは、電子装置とネットワーク環境内にある他の電子装置やサーバまたはセンサー装置との間の直接(有線)通信チャネル及び/または無線通信チャネルの樹立、及び樹立された通信チャネルを通じた通信遂行を支援することができる。通信モジュールは、プロセッサと独立して運用され、直接通信及び/または無線通信を支援する1つ以上のコミュニケーションプロセッサを含みうる。通信モジュールは、例えば、セルラー通信モジュール、近距離無線通信モジュール、GNSS(Global Navigation Satellite Systemなど)通信モジュールなどの無線通信モジュール、及び/または、例えば、LAN(Local Area Network)通信モジュール、電力線通信モジュールなどの有線通信モジュールを含みうる。このように多種の通信モジュールは、単一チップなどで統合されるか、互いに別途の複数チップとして具現可能である。無線通信モジュールは、加入者識別モジュールに保存された加入者情報(例:国際モバイル加入者識別子(IMSI)など)を用いて通信ネットワーク内で電子装置を確認及び認証することができる。
【0086】
カメラモジュールは、静止画及び動画を撮影することができる。カメラモジュールは、1つ以上のレンズを含むレンズアセンブリー、イメージセンサー、イメージシグナルプロセッサ、及び/またはフラッシュを含みうる。カメラモジュールに含まれたレンズアセンブリーは、イメージ撮影の対象である被写体からの放出光を収集することができる。
【0087】
出力装置は、電子装置によって生成されるか、処理されたデータを視覚的/非視覚的な方式で出力することができる。出力装置は、音響出力装置、表示装置、オーディオモジュール及び/またはハプティックモジュールを含みうる。
【0088】
音響出力装置は、音響信号を電子装置の外部に出力することができる。音響出力装置は、スピーカー及び/またはレシーバーを含みうる。スピーカーは、マルチメディア再生または録音再生のように一般的な用途として使われ、レシーバーは、着信電話を受信するために使われる。レシーバーは、スピーカーの一部として結合されているか、または独立した別途の装置として具現可能である。
【0089】
表示装置は、電子装置の外部に情報を視覚的に提供することができる。表示装置は、ディスプレイ、ホログラム装置、またはプロジェクター及び当該装置を制御するための制御回路を含みうる。表示装置は、タッチを感知するように設定されたタッチ回路(Touch Circuitry)及び/またはタッチによって発生する力の強度を測定するように設定されたセンサー回路(圧力センサーなど)を含みうる。
【0090】
オーディオモジュールは、音を電気信号に変換させるか、逆に電気信号を音に変換させることができる。オーディオモジュールは、入力装置を通じて音を取得するか、音響出力装置及び/または電子装置と直接または無線で連結された他の電子装置のスピーカー及び/またはヘッドホンを通じて音を出力することができる。
【0091】
ハプティックモジュールは、電気的信号をユーザが触覚または運動感覚を通じて認知することができる機械的な刺激(振動、動きなど)または電気的な刺激に変換することができる。ハプティックモジュールは、モータ、圧電素子、及び/または電気刺激装置を含みうる。
【0092】
保存装置は、センサー装置の駆動のために必要な駆動条件及び、その他の電子装置の構成要素が必要とする多様なデータ、例えば、ソフトウェア及びこれと関連した命令に対する入力データ及び/または出力データなどを保存することができる。保存装置は、揮発性メモリ及び/または不揮発性メモリを含みうる。
【0093】
電力モジュールは、電子装置に供給される電力を管理することができる。電力管理モジュールは、PMIC(Power Management Integrated Circuit)の一部として具現可能である。電力モジュールは、バッテリを含み、バッテリは、再充電不可能な1次電池、再充電可能な2次電池及び/または燃料電池を含みうる。
【0094】
図7を参照すれば、電子装置は、スマートウォッチ700として具現され、本体と手首ストラップとを含みうる。本体の前面には、ディスプレイが設けられて、時間情報、受信メッセージ情報などを含む多様なアプリケーション画面が表示される。本体の裏面にセンサー装置710が配置される。
【0095】
図8を参照すれば、電子装置は、スマートフォン(Smart Phone)のようなモバイル装置800として具現可能である。モバイル装置800は、ハウジング及びディスプレイパネルを含みうる。ハウジングは、モバイル装置800の外観を形成しうる。ハウジングの前面には、ディスプレイパネル及びカバーガラス(Cover Glass)が順に配され、ディスプレイパネルは、カバーガラスを通じて外部に露出される。ハウジングの裏面または側面には、センサー装置810、カメラモジュール、及び/または赤外線センサーなどが配置される。ハウジングの内部には、プロセッサ及びその他の多様な構成が配置される。
【0096】
図9を参照すれば、電子装置は、イヤー(Ear)ウェアラブル装置900としても具現可能である。イヤーウェアラブル装置900は、本体とイヤーストラップ(Ear Strap)とを含みうる。ユーザは、イヤーストラップを耳殻にかけて着用することができる。イヤーストラップは、イヤーウェアラブル装置900の形態によって省略が可能である。本体は、ユーザの外耳道(External Auditory Meatus)に挿入される。本体にセンサー装置910とプロセッサとが配され、プロセッサは、センサー装置910によって測定された光信号を用いて生体情報を推定することができる。または、イヤーウェアラブル装置900は、外部装置と協業してイヤーウェアラブル装置900のセンサー装置910で測定した光信号を、通信モジュールを通じて外部装置に伝送し、外部装置のプロセッサで生体情報を推定させうる。この際、生体情報推定値は、外部装置のディスプレイを通じて視覚的に出力され、選択的にイヤーウェアラブル装置900の本体内に設けられた音響出力モジュールを通じて出力される。
【0097】
一方、本実施形態は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータで読み取り可能なコードとして具現することが可能である。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取れるデータが保存されるあらゆる種類の記録装置を含む。
【0098】
コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記録装置などがあり、また、キャリアウェーブ(例えば、インターネットを介した伝送)の形態で具現するものを含む。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークで連結されたコンピュータシステムに分散されて、分散方式でコンピュータで読み取り可能なコードとして保存されて実行可能である。そして、本実施形態を具現するための機能的な(functional)プログラム、コード及びコードセグメントは、本技術分野のプログラマーによって容易に推論されうる。
【0099】
当業者ならば、開示された技術的思想や必須的な特徴を変更せずとも、他の具体的な形態で実施可能であることを理解できるであろう。したがって、前述した実施形態は、あらゆる面で例示的なものであり、限定的ではないということを理解せねばならない。
【符号の説明】
【0100】
100:生体情報推定装置
110:センサー
111:光源
112:ディテクター
120:プロセッサ