(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098140
(43)【公開日】2024-07-22
(54)【発明の名称】転換式乳児用セーフティカーシート組立体
(51)【国際特許分類】
B62B 7/12 20060101AFI20240712BHJP
B60N 2/28 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
B62B7/12
B60N2/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023202408
(22)【出願日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】299773
(32)【優先日】2023-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(71)【出願人】
【識別番号】511246142
【氏名又は名称】ドーナ ホールディングス リミテッド
【住所又は居所原語表記】FLAT/RM 04 2/F, WestLands Centre, 20 Westlands Road, Quarry Bay, Hong Kong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マザール ヨアフ
(72)【発明者】
【氏名】レレンタール モラン
(72)【発明者】
【氏名】ジルバースタイン ガイ
(72)【発明者】
【氏名】ホルツマン マキシム
【テーマコード(参考)】
3B087
3D051
【Fターム(参考)】
3B087CE07
3D051AA01
3D051AA21
3D051BA03
3D051CB02
3D051CD02
3D051CG04
3D051CG07
3D051DD16
3D051DD18
(57)【要約】 (修正有)
【課題】転換式乳児用セーフティカーシート組立体において、組立体が車内に位置決めされる場合、シート組立体に隣接して着座している子供、または車の座席自体の車輪による汚れ/破損/損傷を防止する。
【解決手段】転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、直立状態と伸長状態との間で操作可能な上部シートと、車輪を備えた遠位端部を有する脚部とを含み、これら脚部は、シート組立体の第一モードでは上部シートの直立状態のみと組み合わせ可能である格納状態と、シート組立体が車輪によって転動することを可能にする動作状態との間で操作可能であり、上部シートの伸長状態は、シート組立体の第二モードでは脚部の動作状態のみと組み合わせ可能であるが、脚部の動作状態及び上部シートの直立状態も少なくとも互いに組み合わせ可能である。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
転換式乳児用セーフティカーシート組立体であって、
背もたれ部及び足部を有する上部シートであって、前記背もたれ部及び前記足部がその間に第一角度を形成する直立状態と、前記背もたれ部及び前記足部がその間に前記第一角度よりも大きい第二角度を形成する伸長状態との間で操作可能である、前記上部シートと、
車輪を備えた遠位端部を有する脚部であって、前記シート組立体の第一モードでは前記上部シートの前記直立状態のみと組み合わせ可能である格納状態と、前記シート組立体が前記車輪によって転動することを可能にする動作状態との間で操作可能であり、前記上部シートの前記伸長状態は前記シート組立体の第二モードでは前記脚部の前記動作状態のみと組み合わせ可能であるが、前記脚部の前記動作状態及び前記上部シートの前記直立状態も少なくとも互いに組み合わせ可能である、前記脚部と、
を含む、前記転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【請求項2】
前記脚部の前記動作状態は、前記シート組立体の第三モードでは前記上部シートの前記直立状態と組み合わせ可能であり、前記シート組立体は、その前記第三モードのみからその前記第一モード及び前記第二モードになることができる、請求項1に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【請求項3】
前記シート組立体の前記第二モード中の前記脚部の操作は前記伸長状態中である前記上部シートによって少なくとも間接的に防止されるという特徴、
前記シート組立体の前記第一モード中の前記上部シートの操作は前記格納状態中である前記脚部によって少なくとも間接的に防止されるという特徴、
のうちの少なくとも1つを有するように動作可能である、請求項1または2に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【請求項4】
少なくとも前記脚部が前記格納状態中である場合、前記上部シートの前記直立状態から前記伸長状態への操作を防止するように動作可能なシート操作防止配置、及び
少なくとも前記上部シートが前記伸長状態中である場合、前記脚部の前記動作状態から前記格納状態への操作を防止するように動作可能な脚部操作防止配置、
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【請求項5】
転換式乳児用セーフティカーシート組立体であって、
背もたれ部及び足部を有する上部シートと、
前記背もたれ部及び前記足部がその間に第一角度を形成する直立状態と、前記背もたれ部及び前記足部がその間に前記第一角度より大きい第二角度を形成する伸長状態との間で前記上部シートを操作するように動作可能なシート操作機構と、
車輪に関連する遠位端部を有する脚部であって、前記カーシート組立体がその内に乳幼児を固定するのに適した位置で車内に取り付け可能である格納状態と、前記シート組立体が前記車輪によって転動することができる動作状態との間で操作されるように動作可能である、前記脚部と、
少なくとも前記脚部が格納状態中である場合、前記上部シートの前記直立状態から前記伸長状態への操作を防止するように動作可能なシート操作防止配置であって、前記シート操作防止配置はシートトリガ部材及びシート停止部材を含み、前記脚部がその前記動作状態中である場合、前記シートトリガ部材は前記脚部によってトリガされると、前記シート停止部材を動作させるように動作可能である、前記シート操作防止配置と、
を含む、前記転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【請求項6】
転換式乳児用セーフティカーシート組立体であって、
前部及び後部を有する下部支持体であって、前記下部支持体の最下部領域を水平方向に通過する基準面を有する、前記下部支持体と、
前記下部支持体に関節連結可能に連結され、前記下部支持体の前記後部に関連する背もたれ部、及び前記下部支持体の前記前部に関連する足部を有する、上部シートと、
車輪を有する脚部であって、少なくとも前記車輪が前記基準面より上に位置しており、前記組立体がその内に乳幼児を固定するのに適した位置で車内に取り付け可能である格納状態と、前記車輪によって前記シート組立体が転動することを可能にするように少なくとも前記車輪が前記基準面より下に位置している動作状態との間で操作可能である、前記脚部と、
前記格納状態と前記動作状態との間で前記脚部を操作するように動作可能な脚部操作機構と、
前記背もたれ部及び前記足部がその間に第一角度を形成する直立状態と、前記背もたれ部及び前記足部がその間に前記第一角度より大きい第二角度を形成する伸長状態との間で前記上部シートを操作するように動作可能なシート操作機構と、
使用者が前記シート操作機構を操作することを可能にするように動作可能なシート操作アクチュエータ、及び使用者が前記脚部操作機構を操作することを可能にするように動作可能な少なくとも1つの脚部操作アクチュエータと、
を含み、
(a)前記シート操作アクチュエータが前記下部支持体の前記前部に関連する位置に位置決めされ、前記少なくとも1つの脚部操作アクチュエータが前記下部支持体の前記前部から後方に離隔される位置に位置決めされること、または
(b)前記少なくとも1つの脚部操作アクチュエータが前記下部支持体の前記前部に関連する位置に位置決めされ、前記シート操作アクチュエータが前記下部支持体の前記前部から後方に離隔される位置に位置決めされること、
という条件のうちの1つは満たされる、前記転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【請求項7】
前記シート操作アクチュエータは、前記下部支持体の前記前部に位置決めされる、請求項6に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【請求項8】
前記脚部の前記格納状態は、前記シート組立体の第一モードを規定する、前記上部シートの前記直立状態のみと組み合わせ可能であり、前記上部シートの前記伸長状態は、前記シート組立体の第二モードを規定する、前記脚部の前記動作状態のみと組み合わせ可能であり、前記脚部の前記動作状態及び前記上部シートの前記直立状態も、前記シート組立体の第三モードを規定する、少なくとも互いに組み合わせ可能である、請求項6または7に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【請求項9】
前記シート組立体の前記第二モード中の前記脚部の操作は前記伸長状態中である前記上部シートによって少なくとも間接的に防止されるという特徴、または
前記シート組立体の前記第一モード中の前記上部シートの操作は前記格納状態中である前記脚部によって少なくとも間接的に防止されるという特徴、
のうちの少なくとも1つを有するように動作可能である、請求項8に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【請求項10】
少なくとも前記上部シートが前記伸長状態中である場合、前記脚部の前記動作状態から前記格納状態への操作を防止するように動作可能な脚部操作防止配置、または
少なくとも前記脚部が前記格納状態中である場合、前記上部シートの前記直立状態から前記伸長状態への操作を防止するように動作可能なシート操作防止配置、
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項6から9のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【請求項11】
乳児用セーフティカーシート組立体であって、
背もたれ部及び足部を有するシートと、
枢動可能なアタッチメントによって前記シートのハンドル取り付け領域で前記シートに連結されるハンドルであって、前記枢動可能なアタッチメントは複数の異なる位置の間で前記ハンドルの枢動を可能にし、前記ハンドルは前記ハンドル取り付け領域に対向するシート対向領域、及び反対側の外部対向領域を有する、前記ハンドルと、
側部保護モジュールであって、その上の衝撃エネルギーの少なくとも一部を吸収し、前記外部対向領域で前記ハンドル上に選択的に取り付け可能である、前記側部保護モジュールと、
を含む、前記乳児用セーフティカーシート組立体。
【請求項12】
前記側部保護モジュールは、前記ハンドルと共に、そこに取り付けられる場合に枢動可能であるように構成される、請求項11に記載の組立体。
【請求項13】
前記側部保護モジュールは、互いから離隔された第一ハンドル係合部及び第二ハンドル係合部を含み、前記ハンドルの前記外部対向領域は、前記側部保護モジュールが前記ハンドルに取り付けられる場合、前記第一ハンドル係合部を係合するための第一モジュール係合部、及び前記第二ハンドル係合部を係合するための第二モジュール係合部を含み、前記第一ハンドル係合部及び前記第二ハンドル係合部の少なくとも1つは、ハンドル連結要素を含み、前記第一モジュール係合部及び前記第二モジュール係合部のうちの対応する少なくとも1つは、モジュール連結要素を含み、前記ハンドル連結要素及び前記モジュール連結要素は、磁気連結機構によって互いに係脱可能に連結可能である、請求項11または12に記載の組立体。
【請求項14】
前記第一ハンドル係合部及び前記第二ハンドル係合部のうちの少なくとも1つは、向き固定機構の第一部分を含み、前記第一モジュール係合部及び前記第二モジュール係合部のうちの対応する少なくとも1つは、前記向き固定機構の第二部分を含み、前記向き固定機構の前記第一部分及び前記第二部分は、前記側部保護モジュールが前記ハンドルに関して前記側部保護モジュールの向きを固定するように前記ハンドルに取り付けられる場合、互いに係合するように動作可能である、請求項13に記載の組立体。
【請求項15】
車輪を備えた遠位端部、及び前記シートにその脚部取り付け領域で連結された反対側の近位端部を有する脚部をさらに含み、前記脚部取り付け領域は前記組立体の少なくとも側面図で前記ハンドル取り付け領域と少なくとも部分的に重なる、請求項11から14のいずれか1項に記載の組立体。
【請求項16】
転換式乳児用セーフティカーシート組立体であって、その内に乳幼児を固定するのに適しており、前記組立体が車内に位置決めされるのに適している第一格納モードと、前記組立体が外部支持面に沿って転動可能である第二動作モードとを有し、前記組立体が、前記格納モード中であり、外部支持面上に、その上で中立位置と、前傾斜位置及び後傾斜位置のうちの少なくとも1つとの間で揺動可能であるように位置決めされる場合、前記組立体は、
前記中立位置では前記外部支持面に接触するように動作可能である1つ以上の最下部領域と、
前記前傾斜位置及び前記後傾斜位置のうちの対応する少なくとも1つにある場合、前記外部支持面に接触するように動作可能である前部領域及び後部領域のうちの少なくとも1つと、
前記中立位置にある場合、前記組立体の前記1つ以上の最下部領域を有し、前記外部支持面を仮想で表す水平方向基準面と、
前部及び後部を有する下部支持体であって、前記組立体が前記中立位置にある場合、前記水平方向基準面に最も近いシート最下部領域を有する、前記下部支持体と、
前記下部支持体に連結され、前記下部支持体の前記後部に関連する背もたれ部、及び前記下部支持体の前記前部に関連する足部を有する、上部シートと、
脚部であって、それらの近位端部で前記下部支持体に連結され、そこに少なくとも前記動作モード中に固定された車輪を備えた遠位端部を有し、前記脚部は前記車輪を備えた各脚部の少なくとも一部が前記基準面より上に位置している、前記組立体の前記格納モードに少なくとも関連する格納状態と、前記車輪によって前記シート組立体が転動することを可能にするように、前記車輪を備えた各脚部の少なくとも一部が前記基準面より下に位置している、前記組立体の前記動作モードに少なくとも関連する動作状態との間で操作可能である、前記脚部と、
を含み、
前記脚部は、一対の後脚部及び一対の前脚部を構成し、
前記対のうちの少なくとも一対の前記脚部は、前記格納状態中の場合、前記少なくとも一対の前記脚部は前記中立位置内の前記基準面より上に位置決めされる第一領域と、前記前部領域及び前記後部領域のうちの前記少なくとも1つを構成する少なくとも1つの第二領域と、前記第一領域及び前記第二領域から離隔された少なくとも1つの第三領域とを有し、前記少なくとも1つの第二領域は前記少なくとも1つの第三領域の材料以外の材料から作製される揺動関与部を有し、前記材料は、前記揺動関与部が前記第三領域を作製する前記材料から作製された場合に有する揺動特性と比較して、少なくとも1つの揺動特性を改善するようなものである、前記転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【請求項17】
前記揺動特性は、
前記揺動関与部が摩擦増大部を構成するようなより高い摩擦能力、または
前記揺動関与部が軟質接触部を構成するような柔らかさ、
のうちの少なくとも1つである、請求項16に記載の組立体。
【請求項18】
前記下部支持体及び前記脚部のうちの少なくとも1つは、前記1つ以上の最下部領域及び前記少なくとも1つの第二領域から離隔された少なくとも1つの他の領域を含み、前記1つ以上の最下部領域のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの他の領域よりも高い摩擦能力を有する材料から作製された摩擦増大部を含む、請求項16または請求項17に記載の組立体。
【請求項19】
前記少なくとも一対の脚部のうちの脚部の車輪は、前記脚部に連結される場合、前記前傾斜位置及び前記後傾斜位置のうちの前記少なくとも1つでは前記組立体の揺動を制限するためのストッパを構成する、請求項16から18のいずれか1項に記載の組立体。
【請求項20】
前記揺動関与部を有する各脚部は、第一材料から作製され、前記揺動関与部は、前記第一材料以外の第二材料から作製され、前記揺動関与部は、前記対応する脚部に前記基準面に対向するその表面で取り付けられたライナーの形態である、請求項16から19のいずれか1項に記載の組立体。
【請求項21】
乳児用シートであって、少なくとも使用の際に、
プラスチック材料から作製されたシェルであって、外部に対向する外側部、及び前記シートの布製カバーが前記シェルに取り付けられることができる内側部を有し、前記シェルは1つの後壁部及び2つの側壁部を有し、それぞれがそれぞれの上縁部に結合する対応する内面及び外面を有し、前記後壁部及び前記側壁部の前記上縁部は連続して結合し、シェル上縁部を構成し、前記布製カバーは前記シェルの少なくとも前記内側部を、そこに前記布製カバーが係脱可能に連結される場合に覆う、前記シェルと、
キャノピーと、
前記カバー及び前記キャノピーを、前記シェル上縁部に隣接する前記シェルに係脱可能に連結するためのジッパー配置であって、前記ジッパー配置はキャノピージッパー及びカバージッパーを含み、前記ジッパーのそれぞれは分離型のものであり、ジッパーボックス及びジッパーピンを含み、
前記後壁部及び前記側壁部の前記外面で前記後壁部に隣接するそれらの部分に少なくとも沿って、前記シェル上縁部に隣接する前記シェルに縫い付けられる、前記ジッパーボックス及び前記ジッパーピンのうちの1つを備えたシェルジッパー半体、ならびに
前記ジッパーボックス及び前記ジッパーピンのうちのもう1つを備えたマッチングジッパー半体であって、第一ジッパーの前記マッチングジッパー半体は前記カバーに縫い付けられ、第二ジッパーの前記マッチングジッパー半体は前記キャノピーに縫い付けられ、任意選択で、前記ジッパーボックスは前記シェルジッパー半体上に位置しており、前記ジッパーピンは前記マッチングジッパー半体上に位置している、前記マッチングジッパー半体、
を有する、前記ジッパー配置と、
を含む、前記乳児用シート。
【請求項22】
前記ジッパーのそれぞれの前記シェルジッパー半体は、前記シェルジッパー半体が前記シェルに縫い付けられる基部、及びジッパー歯部を備えたフラップ部を含み、前記2つのジッパーの両方の前記シェルジッパー半体は前記シェルジッパー半体の前記基部で前記シェルに縫い付けられることにより、前記シェルジッパー半体の前記フラップ部は、前記ジッパーの前記対応するマッチング半体を係合する場合、別々に、かつ互いから独立して操作されることができる、請求項21に記載の乳児用シート。
【請求項23】
前記カバー及び前記キャノピーの両方が前記シェルに前記ジッパーで付けられる場合、前記キャノピージッパーは、前記キャノピージッパーの長さに沿って前記カバージッパーの上に位置している、請求項21または請求項22に記載の乳児用シート。
【請求項24】
前記2つのジッパーのシェル半体のジッパーボックスは、前記シェルの異なる側壁部に、またはそれらに隣接して位置しており、前記カバージッパーが前記キャノピージッパーとは反対の方向に締結されることを可能にする、請求項21から23のいずれか1項に記載の乳児用シート。
【請求項25】
前記シェルジッパー半体の両方は、少なくとも1つの共通の縫い目によって前記シェルに合わせて縫い付けられる、請求項21から24のいずれか1項に記載の乳児用シート。
【請求項26】
転換式乳児用セーフティカーシート組立体であって、
前部及び後部を有する下部支持体であって、前記下部支持体の最下部領域を水平方向に通過する基準面を有する、前記下部支持体と、
前記下部支持体に連結され、前記下部支持体の前記後部に関連する背もたれ部、及び前記下部支持体の前記前部に関連する足部を有する、上部シートと、
車輪を有する脚部であって、少なくとも前記車輪が前記基準面より上に位置しており、前記組立体がその内に乳幼児を固定するのに適した位置で車内または支持面上に位置決めされるのに適している、格納状態と、前記シート組立体が前記車輪によって転動することを可能にするように、少なくとも前記車輪が前記基準面より下に位置している、動作状態との間で前記脚部は操作可能であり、前記脚部は後輪に関連する一対の後脚部、及び前輪に関連する一対の前脚部を構成し、前記前輪はその前記格納状態中に前記下部支持体から側方に、少なくとも前記組立体の背面図では前記後輪よりも大きく突出し、前記前脚部は前記動作状態から前記格納状態に操作されることで、前記格納状態中に前記前輪が前記足部よりも前記背もたれ部の近くに位置決めされるように枢動可能であり、少なくとも前記前輪はクイックリリース機構によって前記前脚部に連結される、前記脚部と、
を含む、前記組立体。
【請求項27】
前記前輪は、車輪取り外し方向内で前記下部支持体に対して側方に延出する前記前脚部から取り外し可能である、請求項26に記載の組立体。
【請求項28】
前記前輪のそれぞれは、前記車輪が対応する前脚部に連結される場合、前記車輪取り外し方向に沿って延在する脚部連結要素を含み、前記前脚部のそれぞれは、前記車輪取り外し方向に沿って延在する車輪連結要素を含む、請求項27に記載の組立体。
【請求項29】
前記脚部連結要素及び前記車輪連結要素は、前記車輪取り外し方向に平行な車輪回転軸を中心として前記車輪連結要素に対して前記脚部連結要素と共に前記車輪を回転させることを可能にするように、互いに係脱可能に連結可能であり、前記脚部連結要素及び前記車輪連結要素は、前記クイックリリース機構を少なくとも部分的に構成する、請求項28に記載の組立体。
【請求項30】
前記前輪のそれぞれは、支持面と、その上で前記組立体が前記車輪によって転動する場合に接触するようになるように動作可能である転動領域、及び前記支持面と、その上で前記組立体が転動する場合に接触しないように動作可能である残りの領域を有し、前記前輪のそれぞれは、少なくとも前記車輪を対応する前脚部から取り外すために、使用者によって保持されるのに適した前記残りの領域に位置決めされた車輪保持部を含む、請求項26から29のいずれか1項に記載の組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベビーキャリアとして使用されることができ、例えばベビーカーとして、使用されるために転動可能になるように転換されることができる、乳児用セーフティカーシート組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示の主題が言及する種類の乳児用セーフティカーシート組立体は、例えば、US8434781に開示されている。それは一般に、車輪を備えた遠位端部を有する脚部を含み、シートが車内に取り付けられるように構成される格納状態と、シート組立体が車輪によって転動することを可能にする動作状態との間で操作可能である。
【0003】
US9629476は、乳幼児用寝かごから乳幼児用シートまたはチャイルドシートに転換されることができる装置を開示する。装置は、フレーム組立体、及びフレーム組立体によって支持されたシート構造体を含む。シート構造体は、座面を画定し、少なくとも傾斜した座らせる位置と倒した寝かせる位置との間で可動である。
【発明の概要】
【0004】
本開示の主題のいくつかの態様によれば、背もたれ部及び足部を有するシートを含む転換式乳児用セーフティカーシート組立体が提供され、シートは、背もたれ部及び足部がその間に第一角度を形成する直立状態と、背もたれ部及び足部がその間に第一角度より大きい第二角度を形成する伸長状態との間で操作可能であり、組立体は、車輪を備えた遠位端部を有する脚部をさらに含み、脚部は、シート組立体がその内に乳幼児を固定するのに適した位置で車内または外部支持面上に取り付け可能であることを可能にするシートの少なくとも直立状態と組み合わせ可能である格納状態と、シート組立体が車輪によって転動することを可能にする動作状態との間で操作可能である。
【0005】
直立状態及び伸長状態での背もたれ部の向きも、それが仮想水平面に対して成す角度によって規定されることができることで、前者の状態でのこの角度は、後者の状態での角度よりも大きい。
【0006】
本願及び特許請求の範囲では、「基準面」、「基面」などとも称されることができる、仮想水平面に関していくつかの特徴が説明されている。
【0007】
上記のシート組立体はハンドルバーをさらに含み、ハンドルバーは、異なる位置の間で枢動可能であり、調節可能な長さを有することにより、ハンドルバーがセーフティカーシート組立体を使用するモードに応じていくつかの状態を取ることが可能になる。さらに特に、ハンドルバーは、一般に垂直方向に向けられるキャリア状態、及び前方に延出し、キャリア状態よりも長い長さを有することができるベビーカー状態を少なくとも取ることができる。任意選択では、ハンドルバーは、後方に向けられ、シートの背もたれ部に隣接して位置決めされる格納状態をさらに取ることができる。
【0008】
本開示の主題の脚部の一態様によれば、脚部の格納状態は、シートの直立状態のみと組み合わせが可能であることができる。
【0009】
従って、シート組立体は、少なくとも以下のモード、
組立体の格納モードも構成することができるカーシート取り付けモードであって、シートはその直立状態にあり、脚部は格納状態にあり、ハンドルは取り付けられる車に適した任意の位置にある(例えば、格納状態にあることができ、またはベビーカー状態と同じ向きを有するが、より短い長さを有する跳ね返り防止状態にあることができることで、車の前面衝突及び後面衝突の可能性がある間及びその後に安定する機能がセーフティカーシートに与えられ、これらのような衝突に関連する回転力を、乳児が車の表面(例えば、シート背面)に対向している状態でシートを取り付けて、最小にすることによって、乳児がその表面に自分の頭を当てることを防止する)、カーシート取り付けモードと、
シートがその直立状態にあり、脚部が動作状態にあり、ハンドルがキャリア状態にある、転動可能なキャリアモードと、
シートがその直立状態にあり、脚部が動作状態にあり、ハンドルがベビーカー状態にある、直立ベビーカーモードと、
シートがその伸長状態にあり、脚部が動作状態にあり、ハンドルがベビーカー状態にある、伸長ベビーカーモードと、
の際に使用されることができる。
【0010】
本開示の主題のさらなる態様によれば、シートの伸長状態は、シート組立体の第二モード中に脚部の動作状態のみと組み合わせ可能であるが、脚部の動作状態及びシートの直立状態も少なくとも互いに組み合わせ可能である。
【0011】
任意選択で、脚部の動作状態は、シート組立体の第三モードではシートの直立状態と組み合わせ可能であり、シート組立体は、その第三モードからのみその第一モード及び第二モードになることができる。
【0012】
任意選択で、転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、シート組立体の第二モード中の脚部の操作が伸長状態中であるシートによって少なくとも間接的に防止されるように構成される。
【0013】
シート組立体の第一モード中のシートの操作は格納状態中である脚部によって少なくとも間接的に防止されることができる。
【0014】
代替に、またはさらに、転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、少なくとも脚部が格納状態にある場合、シートの直立状態から伸長状態への操作を防止するように構成されたシート操作防止配置をさらに含むことができる。
【0015】
従って、本開示の主題のさらなる態様によれば、背もたれ部及び足部を有するシートを含む転換式乳児用セーフティカーシート組立体が提供され、背もたれ部及び足部がその間に第一角度を形成する直立状態と、背もたれ部及び足部がその間に第一角度より大きい第二角度を形成する伸長状態との間でシートを操作するように動作可能なシート操作機構、ならびに少なくとも脚部が格納状態にある場合、シートの直立状態から伸長状態への操作を防止するように構成されたシート操作防止配置が設けられる。
【0016】
上記の態様のいずれかでは、転換式乳児用セーフティカーシートは、少なくともシートが伸長状態にある場合、脚部の動作状態から格納状態への操作を防止するように構成された脚部操作防止配置をさらに含むことができる。
【0017】
従って、本開示の主題のさらに別の態様によれば、転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、提供され、それらの格納状態と動作との間で脚部を操作するように動作可能な脚部操作機構、及び少なくともシートが伸長状態にある場合、脚部の動作状態から格納状態への操作を防止するように構成された脚部操作防止配置を含む。この態様の転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、前述の態様のシート操作防止配置も有することができる。
【0018】
上記の態様のいずれかによる転換式乳児用セーフティカーシート組立体でのシート操作防止配置に関しては、少なくとも以下の特徴、
シート操作防止配置がシートの伸長状態の方への操作を防止するロック状態と、シート操作防止配置がシートの直立状態と伸長状態との間での操作を可能にするロック解除状態との間でシート操作防止配置はその状態を変化させるように構成されることができるという特徴、
シート操作防止配置はロック状態では、シートを停止することによってシートの伸長状態の方への操作を防止するように構成されることができるという特徴、
シート操作防止配置はロック状態では、シート操作機構を停止することによってシートの伸長状態の方への操作を防止するように構成されることができるという特徴、
シート操作防止配置はシートがその直立状態にある場合にのみシート操作機構を停止するように構成されることができるという特徴、
シート操作防止配置は脚部によってそれらの格納状態中に、例えば脚部の遠位端部によって構成されることができるという特徴、
シートの背もたれ部が直立状態では基面に対して第一後部角度に位置決めされ、伸長状態では第一後部角度よりも小さい第二後部角度に位置決めされ、背もたれが直立状態から伸長状態まで後方に操作可能である場合、脚部の遠位端部は脚部の格納状態では、シートの背もたれ部の後面と接触して、背もたれ部の後方操作を阻止するように堅く位置決めされることで、少なくとも脚部が格納状態にある場合にシートの直立状態から伸長状態への操作を防止するように構成されることができるという特徴、
のうちの1つ以上をそれらのいずれかの組み合わせで有することができる。
【0019】
上記の態様のいずれかによる転換式乳児用セーフティカーシートでの脚部操作防止配置に関しては、少なくとも以下の特徴、
少なくともシートが伸長状態中である場合、脚部の動作状態から格納状態への操作を防止するように構成されることができるという特徴、
脚部操作防止配置が脚部の格納状態の方への操作を防止するロック状態と、脚部操作防止配置が脚部の格納状態と動作状態との間での操作を可能にするロック解除状態との間で、脚部操作防止配置はその状態を変化させるように構成されることができるという特徴、
脚部操作防止配置はロック状態では、脚部を停止することによって脚部の格納状態の方への操作を防止するように構成されることができるという特徴、
脚部操作防止配置はロック状態では、脚部操作機構を停止することによって脚部の格納状態の方への操作を防止するように構成されることができるという特徴、
脚部操作防止配置は脚部がそれらの動作状態にある場合に脚部操作機構を停止するように構成されることができるという特徴、
脚部操作防止配置は伸長状態中のシートによって、例えばシートの背もたれ部によって構成されることができるという特徴、
のうちの1つ以上をそれらの任意の組み合わせでさらに有することができる。
【0020】
上記の態様のいずれかによる転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、上述のようなシート操作機構及び脚部操作機構を含む場合、シート操作機構を使用者が操作することを可能にするように構成されたシート操作アクチュエータ、及び脚部操作機構を使用者が操作することを可能にするように構成された少なくとも1つの脚部操作アクチュエータをさらに含むことができ、1つ/複数のシート操作アクチュエータまたは脚部操作アクチュエータは、前者か後者かいずれかがシート組立体の前部に関連する位置に位置決めされ、後者か前者かいずれかが、それぞれ、シート組立体の前部から後方に離隔された位置に位置決めされる。例えば、シート操作アクチュエータは、下部支持体の前部に位置決めされることができる。
【0021】
従って、本開示の主題のさらに別の態様によれば、転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、提供され、背もたれ部及び足部を備えたシート、脚部、格納状態と動作状態との間で脚部を操作するように動作可能な脚部操作機構、ならびに背もたれ部及び足部がその間に第一角度を形成する直立状態と、背もたれ部及び足部がその間に第一角度よりも大きい第二角度を形成する伸長状態との間でシートを操作するように動作可能なシート操作機構を含み、シート組立体は、シート操作機構を使用者が操作することを可能にするように構成されたシート操作アクチュエータ、及び脚部操作機構を使用者が操作することを可能にするように構成された少なくとも1つの脚部操作アクチュエータをさらに含み、シート及び脚部操作アクチュエータは、1つ/複数が組立体の前面に関連する位置に位置決めされ、もう1つ/複数がそこから長手方向に離隔された位置に位置決めされることで、それらが混同されるリスクが低下する。例えば、シート操作アクチュエータは足部に隣接して位置決めされることができ、1つ/複数の脚部操作アクチュエータは背もたれ部に隣接して位置決めされることができる。さらに特に、シート操作アクチュエータは足部の最前面に位置決めされたシートハンドルの形態であることができ、1つ/複数の脚部操作アクチュエータのうちの少なくとも1つは背もたれ部の頂部後側部に位置決めされた脚部ハンドルの形態であることができる。
【0022】
換言すれば、1つより多い脚部操作アクチュエータが存在する場合、それらのそれぞれは、シート操作アクチュエータから離隔されたそれらの位置に関して上述の条件を満たす。
【0023】
上記の態様のいずれかによる、または本開示の主題のさらに別の態様による転換式乳児用セーフティカーシート組立体では、脚部の近位部はシートの対向する短手方向側部に関節連結可能に連結されることができ、組立体は少なくとも1つの側部保護モジュールをさらに含むことができる。
【0024】
側部保護モジュール(複数可)は、それぞれシートの対応する左及び右の短手方向側部上に取り付けられることができる。シートは、下部支持体及び上部シート部によって構成されることができ、これらは、上記の態様のいずれかと同様な方法で構造を有し、合わせて動作可能である。いくつかの例では、シートは、合わせて一体化して、またはユニタリで形成された下部支持体及び上部シート部によって構成されることができる。シート組立体がその格納またはカーシート取り付けモードであり、車のサイドドアに隣接して車内に位置決めされる場合、組立体上への車のドアからの衝撃のシナリオでは、車のドアに対向する組立体の側部上に取り付けられた側部保護モジュールは、衝突エネルギーの少なくとも一部を吸収することにより、組立体に着座している乳幼児が怪我をすることを防止する。
【0025】
従って、本開示の主題のさらに別の態様によれば、転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、提供され、背もたれ部及び足部を有するシートと、複数の異なる位置の間でハンドルの枢動を可能にする枢動可能なアタッチメントによってシートのハンドル取り付け領域でシートに連結されたハンドルであって、ハンドル取り付け領域に対向するシート対向領域、及び反対側の外部対向領域を有する、ハンドルと、側部保護モジュールであって、その上への衝撃エネルギーの少なくとも一部を吸収し、外部対向領域でハンドル上に選択的に取り付け可能である、側部保護モジュールと、を含む。
【0026】
上記の態様のいずれか、または以下に記載の態様のいずれかによる、転換式乳児用セーフティカーシート組立体では、シートの背もたれ部及び足部は、シートの状態を直立状態と伸長状態との間で変化させるように異なる方法で操作可能であることができる。例えば、背もたれ部及び足部は下部支持体に取り付けられることができ、下部支持体は、背もたれ部が枢動して関節部で連結される下部支持体の後部の後部関節部、及び上部シートの足部が摺動可能に関節部で連結されるように構成される下部支持体の前部に前部関節部を含むことができ、シートの直立状態と伸長状態との間での変化は、足部の関節部の摺動に伴う背もたれ部の関節部の枢動によって達成可能である。
【0027】
従って、本開示の主題のさらに別の態様によれば、転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、提供され、前部及び後部を有する下部支持体であって、下部支持体の最下部領域を水平方向に通過する基準面を有する、下部支持体、下部支持体に連結され、下部支持体の後部に関連する背もたれ部、及び下部支持体の前部に関連する足部を有する上部シートであって、背もたれ部及び足部がその間に第一角度を形成する直立状態と、背もたれ部及び足部がその間に第一角度よりも大きい第二角度を形成する伸長状態との間で操作可能である、上部シート、車輪を備える脚部であって、少なくとも車輪が基準面より上に位置している格納状態と、少なくとも車輪が基準面より下に位置していることで、シート組立体が車輪によって転動することが可能になる動作状態との間で操作可能である、脚部、を含み、下部支持体は、背もたれ部が枢動して関節部で連結される下部支持体の後部に後部関節部、及び上部シートの足部が摺動可能に関節部で連結されるように構成される下部支持体の前部に前部関節部を含み、上部シートの直立状態と伸長状態との間の状態変化は、足部の関節部の摺動を伴う背もたれ部の関節部の枢動によって達成可能である。背もたれ部は下部支持体の長手方向軸に垂直な枢軸を中心として枢動して関節部で連結されることができ、足部は下部支持体の長手方向軸に沿って摺動可能に関節部で連結されることができる。背もたれ部及び足部は互いに連結されることができるため、それらのうちの一方の操作は他方の操作を誘導する。
【0028】
上述の全ての態様では、シートは、上部シート及び下部支持体を任意選択で含むことができ、上部シートがシート組立体の対応するモード中に上述の直立状態及び伸長状態を取ることを可能にするように、上部シートは下部支持体に関節部で連結され、その上に取り付けられる。さらに、または代替に、シートの背もたれ部、またはシートが下部支持体も含む場合には上部シートの背もたれ部は、中間部を含むことができ、この中間部に足部は連結され、中間部はシートまたは上部シートの直立状態と伸長状態との間の操作時に垂直軸を中心に可動である。
【0029】
上記の全ての態様では、シートの背もたれ部は、上縁部を有するシェルであって、シェルまたは上縁部に近いその少なくとも一部がプラスチック材料から作製され、そこに上縁部に隣接して縫い付けるように構成される、シェル、少なくとも背もたれ部を覆うための布をシェルに取り付けるための少なくとも1つのジッパー、及び/またはキャノピーを含むことができる。
【0030】
従って、本開示の主題のさらに別の態様によれば、乳児用シートは、提供され、少なくとも使用時に、
プラスチック材料から作製され、外部に対向する外側部、及びシートの布製カバーがシェルに取り付けられることができる内側部を有するシェルであって、シェルは1つの後壁部及び2つの側壁部を有し、それぞれがそれぞれの上縁部で結合する対応する内面及び外面を有し、後壁部及び側壁部の上縁部は連続して結合し、シェル上縁部を構成し、
布製カバーはシェルの少なくとも内側部を、そこに布製カバーが係脱可能に連結される場合に覆う、シェルと、
キャノピーと、
カバー及びキャノピーを、シェル上縁部に隣接するシェルに係脱可能に連結するためのジッパー配置であって、ジッパー配置はキャノピージッパー及びカバージッパーを含み、ジッパーのそれぞれは分離型のものであり、ジッパーボックス及びジッパーピンを含み、
後壁部及び側壁部の外面で後壁部に隣接するそれらの部分に少なくとも沿って、シェル上縁部に隣接するシェルに縫い付けられる、ジッパーボックス及びジッパーピンのうちの1つを備えたシェルジッパー半体、ならびに
ジッパーボックス及びジッパーピンのうちのもう1つを備えたマッチングジッパー半体であって、第一ジッパーのマッチングジッパー半体はカバーに縫い付けられ、第二ジッパーのマッチングジッパー半体はキャノピーに縫い付けられる、マッチングジッパー半体、
を有する、ジッパー配置と、を含む。
【0031】
任意選択で、ジッパーボックスはシェルジッパー半体上に位置していることができ、ジッパーピンはマッチングジッパー半体上に位置していることができる。
【0032】
上記の乳児用シートは、以下に列挙されるその任意選択の特徴のいずれかを含み、本開示の主題の前述の態様のそれぞれのものによる転換式乳児用セーフティカーシート組立体の一部だけでなく、他の任意の乳児用セーフティカーシート組立体を構成することができる。それは、任意の他のベビーキャリアまたはベビーカーなどの一部を構成することもできる。
【0033】
本開示の主題のこの態様による乳児用シートは、少なくとも以下の特徴、
ジッパーのそれぞれのシェルジッパー半体は、シェルジッパー半体がシェルに縫い付けられる基部、及びジッパー歯部を備えたフラップ部を含むことができ、2つのジッパーの両方のシェルジッパー半体はシェルジッパー半体の基部でシェルに縫い付けられることができることにより、シェルジッパー半体のフラップ部は、ジッパーの対応するマッチング半体を係合する場合、別々に、かつ互いから独立して操作されることができるという特徴、
カバージッパーのシェルジッパー半体はシェルの上縁部から第一範囲まで離隔されることができ、キャノピージッパーのシェルジッパー半体はシェルの上縁部から第一範囲よりも小さい第二範囲まで離隔されることができるという特徴、
カバージッパーのシェルジッパー半体はシェルの上縁部の少なくとも一部に沿って延在することができ、キャノピージッパーのシェルジッパー半体はカバージッパーのシェルジッパー半体の一部に沿って延在することができるという特徴、
カバー及びキャノピーの両方がシェルにジッパーで付けられる場合、キャノピージッパーは、キャノピージッパーの長さに沿ってカバージッパーの上に位置していることができるという特徴、
2つのジッパーのシェル半体のジッパーボックスは、シェルの異なる側壁部に、またはそれらに隣接して位置していることができ、カバージッパーがキャノピージッパーとは反対の方向に締結されることを可能にするという特徴、
シェルジッパー半体の両方は、少なくとも間接的に、少なくとも1つの共通の縫い目によって合わせてシェルに縫い付けられることができるという特徴、
シェル上縁部は段付きジッパー受容凹部を含むことができ、ジッパー受容凹部はジッパーのシェル半体がシェルに縫い付けられる第一壁部、及び第一壁部に対して横方向に向けられ、凹部の深さを規定する高さを有する第二壁部を含むことができるという特徴、
ジッパー配置は、シェル半体の基部を収容し、少なくとも1つの共通の縫い目によってそれと共にシェルに縫い付けられる布製バインディングをさらに含むことができ、この場合、シェルジッパー半体の基部とのバインディングは、ジッパー受容凹部の深さに対応する厚さを有することができるという特徴、
シェルジッパー半体の基部は、少なくとも1つの共通の縫い目に加えて予め形成された連結部によって互いに連結されることができ、予め形成された連結部は交止及びまたは縫合によって任意選択で形成されることができるという特徴、
カバージッパーは、キャノピージッパーよりも長くなり、キャノピージッパーに対してシェルの2つの側壁部のそれぞれに沿ってさらに下方に延出することができるという特徴、
キャノピーが締結される場合、キャノピージッパーのみが締結解除されることができ、カバージッパーは少なくとも部分的にアクセス不能な状態に留まるという特徴、
のうちの1つ以上をそれらの任意の組み合わせで含むことができる。
【0034】
上記の態様のいずれかによる、または本開示の主題のさらに別の態様による転換式乳児用セーフティカーシート組立体では、組立体は、格納モード中で、かつ外部支持面上に位置決めされる場合、その上で中立位置と、前傾斜位置及び後傾斜位置のうちの少なくとも1つとの間で揺動可能であることができる。組立体の領域の少なくとも一部は、外部支持面にその上で揺動中に接触するが、この領域が、揺動中に外部支持面に接触しないその他の一部の領域を作製する材料から作製された場合に有する揺動特性と比べて、少なくとも1つの揺動特性を改善する材料から作製されることができる。
【0035】
従って、本開示の主題のさらに別の態様によれば、転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、提供され、その内に乳幼児を固定するのに適しており、組立体が車内に位置決めされるのに適している第一格納モードと、組立体が外部支持面に沿って転動可能である第二動作モードとを有し、組立体は、格納モード中であり、外部支持面上に、その上で中立位置と、前傾斜位置及び後傾斜位置のうちの少なくとも1つとの間で揺動可能であるように位置決めされる場合、組立体は、中立位置では外部支持面に接触するように動作可能な1つ以上の最下部領域、前傾斜位置及び後傾斜位置のうちの対応する少なくとも1つである場合、外部支持面に接触するように動作可能な前部領域及び後部領域のうちの少なくとも1つ、中立位置である場合、組立体の1つ以上の最下部領域を有し、外部支持面を仮想で表す水平方向基準面、前部及び後部を有する下部支持体であって、組立体が中立位置にある場合に水平方向基準面に最も近いシート最下部領域を有する、下部支持体、下部支持体に連結され、下部支持体の後部に関連する背もたれ部、及び下部支持体の前部に関連する足部を有する上部シート、脚部であって、それらの近位端部で下部支持体に連結され、そこに少なくとも動作モード中に固定された車輪を備えた遠位端部を有し、脚部は車輪を備えた各脚部の少なくとも一部が基準面より上に位置している、組立体の格納モードに少なくとも関連する格納状態と、車輪を備えた各脚部の少なくとも一部が基準面より下に位置しているため、シート組立体が車輪によって転動することが可能になる組立体の動作モードに少なくとも関連する動作状態との間で操作可能であり、脚部は一対の後脚部及び一対の前脚部を構成し、これらの対の少なくとも一対の脚部は、格納状態である場合、この少なくとも一対の脚部が中立位置では基準面より上に位置決めされる第一領域、前部領域及び後部領域のうちの少なくとも1つを構成する少なくとも1つの第二領域、ならびに第一領域及び第二領域から離隔された少なくとも1つの第三領域を有し、少なくとも第二領域は少なくとも1つの第三領域の材料以外の材料から作製された揺動関与部を有し、この材料は揺動関与部が第三領域を作製する材料から作製された場合に有する揺動特性と比較して、少なくとも1つの揺動特性を改善するようなものである、脚部を含む。
【0036】
上記の態様のいずれかによる、または本開示の主題のさらに別の態様による転換式乳児用セーフティカーシート組立体では、少なくとも前輪は、クイックリリース機構によって前脚部に連結されることができることにより、少なくとも組立体が車内に位置決めされる場合に前輪の取り外しを可能にする。
【0037】
従って、本開示の主題のさらに別の態様によれば、転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、提供され、前部及び後部を有する下部支持体であって、下部支持体の最下部領域を水平方向に通過する基準面を有する、下部支持体、下部支持体に連結され、下部支持体の後部に関連する背もたれ部と、下部支持体の前部に関連する足部とを有する上部シート、車輪を有する脚部であって、脚部は少なくとも車輪が基準面より上に位置しており、組立体がその内に乳幼児を固定するのに適した位置で車内または支持面上に位置決めされるのに適している格納状態と、少なくとも車輪が基準面より下に位置しているため、シート組立体が車輪によって転動することが可能になる動作状態との間で操作可能であり、脚部は後輪に関連する一対の後脚部、及び前輪に関連する一対の前脚部を構成し、前輪はその格納状態では下部支持体から側方に、組立体の少なくとも背面図では後輪より大きく突出し、前脚部は格納状態では前輪が足部よりも背もたれ部の近くに位置決めされるように、動作状態から格納状態まで操作されるように枢動可能であり、少なくとも前輪はクイックリリース機構によって前脚部に連結される、脚部を含む。
【0038】
本開示の主題の上述の態様及び特徴だけでなく、追加の態様及び特徴は、以下に提示される本開示の主題の実施形態にさらに明記される。
【0039】
実施形態1.転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、
背もたれ部及び足部を有する上部シートであって、背もたれ部及び足部がその間に第一角度を形成する直立状態と、背もたれ部及び足部がその間に第一角度よりも大きい第二角度を形成する伸長状態との間で操作可能である、上部シートと、
車輪を備えた遠位端部を有する脚部であって、内部に乳幼児を固定するのに適した位置で車内に取り付け可能なシート組立体の第一モードでは上部シートの直立状態のみと組み合わせ可能である格納状態と、シート組立体が車輪によって転動することを可能にする動作状態との間で操作可能であり、上部シートの伸長状態はシート組立体の第二モードでは脚部の動作状態のみと組み合わせ可能であるが、脚部の動作状態及び上部シートの直立状態も少なくとも互いに組み合わせ可能である、脚部とを含む。
【0040】
実施形態2.脚部の動作状態は、シート組立体の第三モードでは上部シートの直立状態と組み合わせ可能であり、シート組立体は、その第三モードのみからその第一モード及び第二モードになることができる、実施形態1に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0041】
実施形態3.シート組立体の第二モード中の脚部の操作が伸長状態中である上部シートによって少なくとも間接的に防止されるように構成される、実施形態1または2に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0042】
実施形態4.シート組立体の第一モード中の上部シートの操作が格納状態中である脚部によって少なくとも間接的に防止されるようにさらに構成される、実施形態1、2または3に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0043】
実施形態5.少なくとも脚部が格納状態にある場合、上部シートの直立状態から伸長状態への操作を防止するように構成されたシート操作防止配置をさらに含む、実施形態1から4のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0044】
実施形態6.シート操作防止配置は、シート操作防止配置が上部シートの伸長状態の方への操作を防止するロック状態と、シート操作防止配置が上部シートの直立状態と伸長状態との間での操作を可能にするロック解除状態との間でその状態を変化させるように構成される、実施形態5に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0045】
実施形態7.シート操作防止配置は、ロック状態では、上部シートを停止することによって、上部シートの伸長状態の方への操作を防止するように構成される、実施形態6に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0046】
実施形態8.シート操作防止配置は、ロック状態では、シート操作機構を停止することによって、上部シートの伸長状態の方への操作を防止するように構成される、実施形態6に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0047】
実施形態9.シート操作防止配置は、上部シートがその直立状態にある場合にのみシート操作機構を停止するように構成される、実施形態8に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0048】
実施形態10.シート操作防止配置はシートトリガ部材及びシート停止部材を含み、
シートトリガ部材は、脚部がその動作状態にある場合、脚部によってトリガされると、シート停止部材を動作させるように構成され、
シート停止部材は、シートトリガ部材によって動作可能であり、その動作時に、その停止状態から解放状態に操作され、シート操作機構は停止から解放される、実施形態8または9に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0049】
実施形態11.脚部がそれらの動作状態にある場合にのみ、脚部はシートトリガ部材をトリガするように構成される、実施形態10に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0050】
実施形態12.下部支持体をさらに含み、下部支持体は下部支持体の2つの短手方向側部に2つの脚部取り付け領域を有し、シートトリガ部材は、下部支持体上に、脚部取り付け領域のうちの少なくとも1つに隣接して配置され、脚部のうちの少なくとも1つは、脚部のうちの少なくとも1つの近位端部の周りに位置決めされた前部突出部を含み、前部突出部は、脚部がそれらの動作状態にある場合、シートトリガ部材をトリガするように構成される、実施形態10または11に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0051】
実施形態13.シート操作防止配置は、脚部によってそれらの格納状態中に構成される、実施形態5に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0052】
実施形態14.シート操作防止配置は、脚部の遠位端部によって構成される、実施形態13に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0053】
実施形態15.上部シートの背もたれ部は、直立状態では、基面に対して第一後部角度で位置決めされ、伸長状態では、第一後部角度よりも小さい第二後部角度で位置決めされ、背もたれは、直立状態から伸長状態まで後方に操作可能である、先行実施形態のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0054】
実施形態16.脚部の遠位端部は、脚部の格納状態では、上部シートの背もたれ部の後面と接触して堅く位置決めされることで、背もたれ部の後方操作を阻止することにより、少なくとも脚部が格納状態にある場合に上部シートの直立状態から伸長状態への操作を防止するように構成される、実施形態15に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0055】
実施形態17.少なくとも上部シートが伸長状態にある場合、脚部の動作状態から格納状態への操作を防止するように構成された脚部操作防止配置をさらに含む、実施形態1から16のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0056】
実施形態18.脚部操作防止配置が脚部の格納状態の方への操作を防止するロック状態と、脚部操作防止配置が脚部の格納状態と動作状態との間での操作を可能にするロック解除状態との間で、脚部操作防止配置はその状態を変化させるように構成される、実施形態17に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0057】
実施形態19.脚部操作防止配置は、ロック状態では、脚部を停止することによって脚部の格納状態の方への操作を防止するように構成される、実施形態18に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0058】
実施形態20.脚部操作防止配置は、ロック状態では、脚部操作機構を停止することによって脚部の格納状態の方への操作を防止するように構成される、実施形態19に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0059】
実施形態21.脚部操作防止配置は、脚部がそれらの動作状態にある場合、脚部操作機構を停止するように構成される、実施形態20に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0060】
実施形態22.脚部操作防止配置は、脚部トリガ部材及び脚部停止部材を含み、
脚部トリガ部材は、その直立状態にある場合、上部シートによってトリガされると、脚部停止部材を動作させるように構成され、
脚部停止部材は、脚部トリガ部材によって動作可能であり、その動作時に、その停止状態から解放状態に操作され、脚部操作機構は停止から解放される、実施形態20または21に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0061】
実施形態23.上部シートがその直立状態にある場合にのみ、上部シートは脚部トリガ部材をトリガするように構成される、実施形態22に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0062】
実施形態24.脚部トリガ部材は、上部シートに連結され、シート操作機構の一部として構成されることにより、上部シートの直立状態への操作時に、脚部トリガ部材は、上部シートを直立状態に維持するようにさらに構成される、実施形態23に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0063】
実施形態25.脚部操作防止配置は、上部シートによってその伸長状態中に構成される、実施形態20または21に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0064】
実施形態26.脚部操作防止配置は、上部シートの背もたれ部によって構成される、実施形態25に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0065】
実施形態27.背もたれ部は中間部を含み、この中間部に足部は連結される、実施形態17から26のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0066】
実施形態28.中間部は、上部シート最下部を構成し、上部シート最下部は、上部シートの直立状態と伸長状態との間での操作の際に垂直軸を中心に可動である、実施形態27に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0067】
実施形態29.背もたれ部の少なくとも中間部は、可撓性材料から形成される、実施形態27または28に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0068】
実施形態30.転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、
背もたれ部及び足部を有する上部シートと、
背もたれ部及び足部がその間に第一角度を形成する直立状態と、背もたれ部及び足部がその間に第一角度より大きい第二角度を形成する伸長状態との間で上部シートを操作するように動作可能なシート操作機構と、
車輪に関連する遠位端部を有する脚部であって、カーシート組立体がその内に乳幼児を固定するのに適した位置で車内に取り付け可能である格納状態と、シート組立体が車輪によって転動することができる動作状態との間で操作されるように構成される、脚部と、
少なくとも脚部が格納状態中である場合、上部シートの直立状態から伸長状態への操作を防止するように構成されたシート操作防止配置と、を含む。
【0069】
実施形態31.シート操作防止配置は、シート操作防止配置が上部シートの伸長状態の方への操作を防止するロック状態と、シート操作防止配置が上部シートの直立状態と伸長状態との間での操作を可能にするロック解除状態との間で状態を変化させるように構成される、実施形態30に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0070】
実施形態32.シート操作防止配置は、ロック状態では、上部シートを停止することによって、上部シートの伸長状態の方への操作を防止するように構成される、実施形態31に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0071】
実施形態33.シート操作防止配置は、ロック状態では、シート操作機構を停止することによって、上部シートの伸長状態の方への操作を防止するように構成される、実施形態31に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0072】
実施形態34.シート操作防止配置は、上部シートがその直立状態にある場合にのみシート操作機構を停止するように構成される、実施形態33に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0073】
実施形態35.シート操作防止配置はシートトリガ部材及びシート停止部材を含み、
シートトリガ部材は、脚部がそれらの動作状態にある場合、脚部によってトリガされると、シート停止部材を動作させるように構成され、
シート停止部材は、シートトリガ部材によって動作可能であり、その動作時に、その停止状態から解放状態に操作され、シート操作機構は停止から解放される、実施形態33または34に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0074】
実施形態36.脚部がそれらの動作状態にある場合にのみ、脚部はシートトリガ部材をトリガするように構成される、実施形態35に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0075】
実施形態37.下部支持体をさらに含み、下部支持体は下部支持体の2つの短手方向側部に2つの脚部取り付け領域を有し、シートトリガ部材は、下部支持体上に、脚部取り付け領域のうちの少なくとも1つに隣接して配置され、脚部のうちの少なくとも1つは、脚部のうちの少なくとも1つの近位端部の周りに位置決めされた前部突出部を含み、前部突出部は、脚部がそれらの動作状態にある場合、シートトリガ部材をトリガするように構成される、実施形態35または36に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0076】
実施形態38.シート操作防止配置は、脚部によってそれらの格納状態中に構成される、実施形態30に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0077】
実施形態39.シート操作防止配置は、脚部の遠位端部によって構成される、実施形態38に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0078】
実施形態40.上部シートの背もたれ部は、直立状態では、基面に対して第一後部角度で位置決めされ、伸長状態では、第一後部角度よりも小さい第二後部角度で位置決めされ、背もたれは、直立状態から伸長状態まで後方に操作可能である、実施形態30から39のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0079】
実施形態41.脚部の遠位端部は、脚部の格納状態では、上部シートの背もたれ部の後面と接触して堅く位置決めされることで、背もたれ部の後方操作を阻止することにより、少なくとも脚部が格納状態にある場合に上部シートの直立状態から伸長状態への操作を防止するように構成される、実施形態32または33のいずれか1項に従属している場合の実施形態40に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0080】
実施形態42.少なくとも上部シートが伸長状態にある場合、脚部の動作状態から格納状態への操作を防止するように構成された脚部操作防止配置をさらに含む、実施形態30から41のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0081】
実施形態43.脚部操作防止配置が脚部の格納状態の方への操作を防止するロック状態と、脚部操作防止配置が脚部の格納状態と動作状態との間での操作を可能にするロック解除状態との間で、脚部操作防止配置はその状態を変化させるように構成される、実施形態42に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0082】
実施形態44.脚部操作防止配置は、ロック状態では、脚部を停止することによって脚部の格納状態の方への操作を防止するように構成される、実施形態43に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0083】
実施形態45.脚部操作防止配置は、ロック状態では、脚部操作機構を停止することによって脚部の格納状態の方への操作を防止するように構成される、実施形態43に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0084】
実施形態46.脚部操作防止配置は、脚部がそれらの動作状態にある場合、脚部操作機構を停止するように構成される、実施形態45に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0085】
実施形態47.脚部操作防止配置は、脚部トリガ部材及び脚部停止部材を含み、
脚部トリガ部材は、その直立状態にある場合、上部シートによってトリガされると、脚部停止部材を動作させるように構成され、
脚部停止部材は、脚部トリガ部材によって動作可能であり、その動作時に、その停止状態から解放状態に操作され、脚部操作機構は停止から解放される、実施形態45または46に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0086】
実施形態48.上部シートがその直立状態にある場合にのみ、上部シートは脚部トリガ部材をトリガするように構成される、実施形態47に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0087】
実施形態49.脚部トリガ部材は、上部シートに連結され、シート操作機構の一部として構成されることにより、上部シートの直立状態への操作時に、脚部トリガ部材は、上部シートを直立状態に維持するようにさらに構成される、実施形態48に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0088】
実施形態50.脚部操作防止配置は、上部シートによってその伸長状態中に構成される、実施形態42または43に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0089】
実施形態51.脚部操作防止配置は、上部シートの背もたれ部によって構成される、実施形態50に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0090】
実施形態52.背もたれ部は中間部を含み、この中間部に足部は連結される、実施形態42から51のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0091】
実施形態53.中間部は、上部シート最下部を構成し、上部シート最下部は、上部シートの直立状態と伸長状態との間での操作の際に垂直軸を中心に可動である、実施形態52に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0092】
実施形態54.背もたれ部の少なくとも中間部は、可撓性材料から形成される、実施形態52または53に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0093】
実施形態55.転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、
背もたれ部及び足部を有する上部シートと、
背もたれ部及び足部がその間に第一角度を形成する直立状態と、背もたれ部及び足部がその間に第一角度より大きい第二角度を形成する伸長状態との間で上部シートを操作するように動作可能なシート操作機構と、
車輪に関連する遠位端部を有する脚部と、
車内でカーシート組立体がその内に乳幼児を固定するのに適した位置に取り付け可能である格納状態と、シート組立体が車輪によって転動することができる動作状態との間で脚部を操作するように動作可能な脚部操作機構と、
少なくとも上部シートが伸長状態中である場合、脚部の動作状態から格納状態への操作を防止するように構成された脚部操作防止配置と、を含む。
【0094】
実施形態56.脚部操作防止配置が脚部の格納状態の方への操作を防止するロック状態と、脚部操作防止配置が脚部の格納状態と動作状態との間での操作を可能にするロック解除状態との間で、脚部操作防止配置はその状態を変化させるように構成される、実施形態55に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0095】
実施形態57.脚部操作防止配置は、ロック状態では、脚部を停止することによって脚部の格納状態の方への操作を防止するように構成される、実施形態56に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0096】
実施形態58.脚部操作防止配置は、ロック状態では、脚部操作機構を停止することによって脚部の格納状態の方への操作を防止するように構成される、実施形態56に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0097】
実施形態59.脚部操作防止配置は、脚部がそれらの動作状態にある場合、脚部操作機構を停止するように構成される、実施形態58に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0098】
実施形態60.脚部操作防止配置は、脚部トリガ部材及び脚部停止部材を含み、
脚部トリガ部材は、その直立状態にある場合、上部シートによってトリガされると、脚部停止部材を動作させるように構成され、
脚部停止部材は、脚部トリガ部材によって動作可能であり、その動作時に、その停止状態から解放状態に操作され、脚部操作機構は停止から解放される、実施形態58または59に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0099】
実施形態61.上部シートがその直立状態にある場合にのみ、上部シートは脚部トリガ部材をトリガするように構成される、実施形態60に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0100】
実施形態62.脚部トリガ部材は、上部シートに連結され、シート操作機構の一部として構成されることにより、上部シートの直立状態への操作時に、脚部トリガ部材は、上部シートを直立状態に維持するようにさらに構成される、実施形態61に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0101】
実施形態63.脚部操作防止配置は、上部シートによってその伸長状態中に構成される、実施形態55に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0102】
実施形態64.脚部操作防止配置は、上部シートの背もたれ部によって構成される、実施形態63に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0103】
実施形態65.背もたれ部は中間部を含み、この中間部に足部は連結される、実施形態55から64のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0104】
実施形態66.中間部は、上部シート最下部を構成し、上部シート最下部は、上部シートの直立状態と伸長状態との間での操作の際に垂直軸を中心に可動である、実施形態65に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0105】
実施形態67.背もたれ部の少なくとも中間部は、可撓性材料から形成される、実施形態65または66に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0106】
実施形態68.少なくとも脚部が格納状態にある場合、上部シートの直立状態から伸長状態への操作を防止するように構成されたシート操作防止配置をさらに含む、実施形態55から67のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0107】
実施形態69.シート操作防止配置は、シート操作防止配置が上部シートの伸長状態の方への操作を防止するロック状態と、シート操作防止配置が上部シートの直立状態と伸長状態との間での操作を可能にするロック解除状態との間で状態を変化させるように構成される、実施形態68に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0108】
実施形態70.シート操作防止配置は、ロック状態では、上部シートを停止することによって、上部シートの伸長状態の方への操作を防止するように構成される、実施形態68または69に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0109】
実施形態71.シート操作防止配置は、ロック状態では、シート操作機構を停止することによって、上部シートの伸長状態の方への操作を防止するように構成される、実施形態68または69に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0110】
実施形態72.シート操作防止配置は、上部シートがその直立状態にある場合にのみシート操作機構を停止するように構成される、実施形態71に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0111】
実施形態73.シート操作防止配置はシートトリガ部材及びシート停止部材を含み、
シートトリガ部材は、脚部がそれらの動作状態にある場合、脚部によってトリガされると、シート停止部材を動作させるように構成され、
シート停止部材は、シートトリガ部材によって動作可能であり、その動作時に、その停止状態から解放状態に操作され、シート操作機構は停止から解放される、実施形態71または72に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0112】
実施形態74.脚部がそれらの動作状態にある場合にのみ、脚部はシートトリガ部材をトリガするように構成される、実施形態73に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0113】
実施形態75.下部支持体の2つの短手方向側部に2つの脚部取り付け領域を有する下部支持体をさらに含み、シートトリガ部材は、下部支持体上に、脚部取り付け領域のうちの少なくとも1つに隣接して配置され、脚部のうちの少なくとも1つは、脚部のうちの少なくとも1つの近位端部の周りに位置決めされた前部突出部を含み、前部突出部は、脚部がそれらの動作状態にある場合、シートトリガ部材をトリガするように構成される、実施形態73または74に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0114】
実施形態76.シート操作防止配置は、脚部によってそれらの格納状態中に構成される、実施形態68に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0115】
実施形態77.シート操作防止配置は、脚部の遠位端部によって構成される、実施形態76に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0116】
実施形態78.上部シートの背もたれ部は、直立状態では、基面に対して第一後部角度で位置決めされ、伸長状態では、第一後部角度よりも小さい第二後部角度で位置決めされ、背もたれは、直立状態から伸長状態まで後方に操作可能である、実施形態68から77のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0117】
実施形態79.脚部の遠位端部は、脚部の格納状態では、上部シートの背もたれ部の後面と接触して堅く位置決めされることで、背もたれ部の後方操作を阻止することにより、少なくとも脚部が格納状態にある場合に上部シートの直立状態から伸長状態への操作を防止するように構成される、実施形態70または71のいずれか1項に従属している場合の実施形態78に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0118】
実施形態80.転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、
前部及び後部を有する下部支持体であって、下部支持体の最下部領域を水平方向に通過する基準面を有する、下部支持体と、
下部支持体に関節連結可能に連結され、下部支持体の後部に関連する背もたれ部、及び下部支持体の前部に関連する足部を有する、上部シートと、
車輪を有する脚部であって、少なくとも車輪が基準面より上に位置しており、組立体がその内に乳幼児を固定するのに適した位置で車内に取り付け可能である格納状態と、車輪によってシート組立体が転動することを可能にするように少なくとも車輪が基準面より下に位置している動作状態との間で操作可能である、脚部と、
格納状態と動作状態との間で脚部を操作するように動作可能な脚部操作機構と、
背もたれ部及び足部がその間に第一角度を形成する直立状態と、背もたれ部及び足部がその間に第一角度より大きい第二角度を形成する伸長状態との間で上部シートを操作するように動作可能なシート操作機構と、
シート操作機構を使用者が操作することを可能にするように構成されたシート操作アクチュエータと、脚部操作機構を使用者が操作することを可能にするように構成された脚部操作アクチュエータと、
を含み、
シート操作アクチュエータ及び脚部操作アクチュエータは、下部支持体の前部に関連する位置に1つが位置決めされ、下部支持体の前部から後方に離隔された位置にもう1つが位置決めされる。
【0119】
実施形態81.シート操作アクチュエータは、下部支持体の前部に位置決めされる、実施形態80に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0120】
実施形態82.脚部の格納状態は、シート組立体の第一モードを規定する、上部シートの直立状態のみと組み合わせ可能であり、上部シートの伸長状態は、シート組立体の第二モードを規定する、脚部の動作状態のみと組み合わせ可能であり、脚部の動作状態及び上部シートの直立状態も、シート組立体の第三モードを規定する、少なくとも互いに組み合わせ可能である、実施形態80または81に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0121】
実施形態83.シート組立体は、その第三モードのみから、その第一モード及び第二モードになることができる、実施形態80、81または82に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0122】
実施形態84.シート組立体の第二モード中の脚部の操作が伸長状態中である上部シートによって少なくとも間接的に防止されるように構成される、実施形態82または83に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0123】
実施形態85.シート組立体の第一モード中の上部シートの操作が格納状態中である脚部によって少なくとも間接的に防止されるようにさらに構成される、実施形態80から84のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0124】
実施形態86.少なくとも上部シートが伸長状態にある場合、脚部の動作状態から格納状態への操作を防止するように構成された脚部操作防止配置をさらに含む、実施形態80から85のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0125】
実施形態87.少なくとも脚部が格納状態にある場合、上部シートの直立状態から伸長状態への操作を防止するように構成されたシート操作防止配置をさらに含む、実施形態80から86のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0126】
実施形態88.シート操作防止配置は、シート操作防止配置が上部シートの伸長状態の方への操作を防止するロック状態と、シート操作防止配置が上部シートの直立状態と伸長状態との間での操作を可能にするロック解除状態との間で状態を変化させるように構成される、実施形態87に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0127】
実施形態89.シート操作防止配置は、ロック状態では、上部シートを停止することによって、上部シートの伸長状態の方への操作を防止するように構成される、実施形態88に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0128】
実施形態90.シート操作防止配置は、ロック状態では、シート操作機構を停止することによって、上部シートの伸長状態の方への操作を防止するように構成される、実施形態88または89に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0129】
実施形態91.シート操作防止配置は、上部シートがその直立状態にある場合にのみシート操作機構を停止するように構成される、実施形態89または90に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0130】
実施形態92.シート操作防止配置は、脚部をそれらの格納状態で含む、実施形態87から91のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0131】
実施形態93.シート操作防止配置は、脚部の遠位端部を含む、実施形態92に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0132】
実施形態94.上部シートの背もたれ部は、直立状態から伸長状態まで後方に操作可能である、実施形態80から93のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0133】
実施形態95.脚部の遠位端部は、脚部の格納状態では、上部シートの背もたれ部の後面と接触して堅く位置決めされることで、背もたれ部の後方操作を阻止することにより、少なくとも脚部が格納状態にある場合に上部シートの直立状態から伸長状態への操作を防止するように構成される、実施形態94に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0134】
実施形態96.脚部操作防止配置が脚部の格納状態の方への操作を防止するロック状態と、脚部操作防止配置が脚部の格納状態と動作状態との間での操作を可能にするロック解除状態との間で、脚部操作防止配置はその状態を変化させるように構成される、実施形態86、及び実施形態86に直接または間接的に従属している実施形態87から95のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0135】
実施形態97.脚部操作防止配置は、ロック状態では、脚部を停止することによって脚部の格納状態の方への操作を防止するように構成される、実施形態96に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0136】
実施形態98.脚部操作防止配置は、ロック状態では、脚部操作機構を停止することによって脚部の格納状態の方への操作を防止するように構成される、実施形態96または97に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0137】
実施形態99.脚部操作防止配置は、脚部がそれらの動作状態にある場合、脚部操作機構を停止するように構成される、実施形態98に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0138】
実施形態100.脚部操作防止配置は、上部シートによってその伸長状態中に構成される、実施形態86、または実施形態86に直接もしくは間接的に従属している場合には実施形態87から99のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0139】
実施形態101.脚部操作防止配置は、上部シートの背もたれ部を含む、実施形態100に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0140】
実施形態102.乳児用シートは、少なくとも使用の際に、
プラスチック材料から作製され、外部に対向する外側部、及びシートの布製カバーがシェルに取り付けられることができる内側部を有するシェルであって、シェルは1つの後壁部及び2つの側壁部を有し、それぞれがそれぞれの上縁部で結合する対応する内面及び外面を有し、後壁部及び側壁部の上縁部は連続して結合し、シェル上縁部を構成し、
布製カバーはシェルの少なくとも内側部を、そこに布製カバーが係脱可能に連結される場合に覆う、シェルと、
キャノピーと、
カバー及びキャノピーを、シェル上縁部に隣接するシェルに係脱可能に連結するためのジッパー配置であって、ジッパー配置はキャノピージッパー及びカバージッパーを含み、ジッパーのそれぞれは分離型のものであり、ジッパーボックス及びジッパーピンを含み、
後壁部及び側壁部の外面で後壁部に隣接するそれらの部分に少なくとも沿って、シェル上縁部に隣接するシェルに縫い付けられる、ジッパーボックス及びジッパーピンのうちの1つを備えたシェルジッパー半体、ならびに
ジッパーボックス及びジッパーピンのうちのもう1つを備えたマッチングジッパー半体であって、第一ジッパーのマッチングジッパー半体はカバーに縫い付けられ、第二ジッパーのマッチングジッパー半体はキャノピーに縫い付けられる、マッチングジッパー半体を有し、
任意選択で、ジッパーボックスはシェルジッパー半体上に位置しており、ジッパーピンはマッチングジッパー半体上に位置している、ジッパー配置と、を含む。
【0141】
実施形態103.ジッパーのそれぞれのシェルジッパー半体は、シェルジッパー半体がシェルに縫い付けられる基部、及びジッパー歯部を備えたフラップ部を含み、2つのジッパーの両方のシェルジッパー半体はシェルジッパー半体の基部でシェルに縫い付けられることにより、シェルジッパー半体のフラップ部は、ジッパーの対応するマッチング半体を係合する場合、別々に、かつ互いから独立して操作されることができる、実施形態102に記載の乳児用シート。
【0142】
実施形態104.カバージッパーのシェルジッパー半体はシェルの上縁部から第一範囲まで離隔され、キャノピージッパーのシェルジッパー半体はシェルの上縁部から第一範囲よりも小さい第二範囲まで離隔される、実施形態102または103に記載の乳児用シート。
【0143】
実施形態105.カバージッパーのシェルジッパー半体はシェルの上縁部の少なくとも一部に沿って延在し、キャノピージッパーのシェルジッパー半体はカバージッパーのシェルジッパー半体の一部に沿って延在する、実施形態102から104のいずれか1項に記載の乳児用シート。
【0144】
実施形態106.カバー及びキャノピーの両方がシェルにジッパーで付けられる場合、キャノピージッパーは、キャノピージッパーの長さに沿ってカバージッパーの上に位置している、実施形態102から105のいずれか1項に記載の乳児用シート。
【0145】
実施形態107.2つのジッパーのシェル半体のジッパーボックスは、シェルの異なる側壁部に、またはそれらに隣接して位置しており、カバージッパーがキャノピージッパーとは反対の方向に締結されることを可能にする、実施形態102から106のいずれか1項に記載の乳児用シート。
【0146】
実施形態108.シェルジッパー半体の両方は、少なくとも1つの共通の縫い目によってシェルに合わせて縫い付けられる、実施形態102から107のいずれか1項に記載の乳児用シート。
【0147】
実施形態109.シェル上縁部は段付きジッパー受容凹部を含み、ジッパー受容凹部はジッパーのシェル半体がシェルに縫い付けられる第一壁部、及び第一壁部に対して横方向に向けられ、凹部の深さを規定する高さを有する第二壁部を含む、実施形態102から108のいずれか1項に記載の乳児用シート。
【0148】
実施形態110.ジッパー配置は、シェル半体の基部を収容し、少なくとも1つの共通の縫い目によってそれと共にシェルに縫い付けられる布製バインディングをさらに含む、実施形態111に直接または間接的に従属している場合には実施形態108または109に記載の乳児用シート。
【0149】
実施形態111.シェルジッパー半体の基部とのバインディングは、ジッパー受容凹部の深さに対応する厚さを有する、実施態様109に従属している場合には実施態様110に記載の乳児用シート。
【0150】
実施形態112.シェルジッパー半体の基部は、少なくとも1つの共通の縫い目に加えて予め形成された連結部によって互いに連結され、予め形成された連結部は任意選択で交止により形成されることができる、実施形態108、または実施形態108に直接もしくは間接的に従属している場合、実施形態108が実施形態103に直接もしくは間接的に従属している場合、実施形態109から111のいずれか1項に記載の乳児用シート。
【0151】
実施形態113.カバージッパーは、キャノピージッパーよりも長く、カバージッパーは、キャノピージッパーに対してシェルの2つの側壁部のそれぞれに沿ってさらに下方に延出する、実施形態102から112のいずれか1項に記載の乳児用シート。
【0152】
実施形態114.キャノピーが締結される場合、キャノピージッパーのみは締結解除されることができ、カバージッパーは少なくとも部分的にアクセスできない状態に留まる、実施形態102から113のいずれか1項に記載の乳児用シート。
【0153】
実施形態115.転換式乳児用セーフティカーシート組立体であって、その内に乳幼児を固定するのに適しており、組立体が車内に位置決めされるのに適している第一格納モードと、組立体が外部支持面に沿って転動可能である第二動作モードとを有し、組立体は、格納モード中であり、外部支持面上に、その上で中立位置と、前傾斜位置及び後傾斜位置のうちの少なくとも1つとの間で揺動可能であるように位置決めされる場合、
中立位置では外部支持面に接触するように動作可能である1つ以上の最下部領域、
前傾斜位置及び後傾斜位置のうちの対応する少なくとも1つにある場合、外部支持面に接触するように動作可能である前部領域及び後部領域のうちの少なくとも1つ、
中立位置である場合、組立体の1つ以上の最下部領域を有し、外部支持面を仮想で表す水平方向基準面、
前部及び後部を有する下部支持体であって、組立体が中立位置にある場合、水平方向基準面に最も近いシート最下部領域を有する、下部支持体、
下部支持体に連結され、下部支持体の後部に関連する背もたれ部、及び下部支持体の前部に関連する足部を有する、上部シート、
脚部であって、それらの近位端部で下部支持体に連結され、そこに少なくとも動作モード中に固定された車輪を備えた遠位端部を有し、脚部は車輪を備えた各脚部の少なくとも一部が基準面より上に位置している、組立体の格納モードに少なくとも関連する格納状態と、車輪によってシート組立体が転動することを可能にするように、車輪を備えた各脚部の少なくとも一部が基準面より下に位置している組立体の動作モードに少なくとも関連する動作状態との間で操作可能である、脚部、
を含み、
脚部は一対の後脚部及び一対の前脚部を構成し、
対のうちの少なくとも一対の脚部は、格納状態中の場合、少なくとも一対の脚部は中立位置内の基準面より上に位置決めされる第一領域と、前部領域及び後部領域のうちの少なくとも1つを構成する少なくとも1つの第二領域と、第一領域及び第二領域から離隔された少なくとも1つの第三領域とを有し、少なくとも1つの第二領域は少なくとも1つの第三領域の材料以外の材料から作製される揺動関与部を有し、材料は揺動関与部が第三領域を作製する材料から作製された場合に有する揺動特性と比較して、少なくとも1つの揺動特性を改善するようなものである、組立体。
【0154】
実施形態116.揺動特性は、以下の、
揺動関与部が摩擦増大部を構成するようなより高い摩擦能力、または
揺動関与部が軟質接触部を構成するような柔らかさ、
のうちの少なくとも1つである、実施形態115に記載の組立体。
【0155】
実施形態117.1つ以上の最下部領域及び少なくとも1つの第二領域は、少なくとも組立体の側面図で見えるような、連続した湾曲形状を構成する、実施形態115または116に記載の組立体。
【0156】
実施形態118.少なくとも1つの第二領域は、対応する脚部の格納状態では、
下部支持体の後部からさらに後方に延出する、前部領域及び後部領域のうちの少なくとも1つの後部領域と、
下部支持体の前部からさらに前方に延出する、前部領域及び後部領域のうちの少なくとも1つの前部領域と、
のうちの少なくとも1つを構成する、実施形態115から117のいずれか1項に記載の組立体。
【0157】
実施形態119.下部支持体及び脚部のうちの少なくとも1つは、1つ以上の最下部領域及び少なくとも1つの第二領域から離隔された少なくとも1つの他の領域を含み、1つ以上の最下部領域のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの他の領域の材料以外の材料から作製された揺動関与部を含み、材料は、揺動関与部がもう1つの領域を作製する材料から作製された場合に有する揺動特性と比較して、少なくとも1つの揺動特性を改善するようなものである、実施形態115から118のいずれか1項に記載の組立体。
【0158】
実施形態120.第二領域の揺動関与部、及び1つ以上の最下部領域のうちの少なくとも1つの揺動関与部は、同じ材料から作製される、実施形態119に記載の組立体。
【0159】
実施形態121.少なくとも1つの他の領域は、下部支持体及び脚部のうちの少なくとも1つの領域の大部分を構成する、実施形態119または120に記載の組立体。
【0160】
実施形態122.組立体の1つ以上の最下部領域は、シート最下部領域を含む、実施形態115から121のいずれか1項に記載の組立体。
【0161】
実施形態123.下部支持体は、下部支持体の前部と後部との間に延在し、シート最下部領域を有する湾曲底部を含み、湾曲底部は、格納モードで、かつ外部支持面上に、その上で中立位置と、前傾斜位置及び後傾斜位置のうちの少なくとも1つとの間で揺動可能であるように位置決めされる場合、組立体の能力に少なくとも部分的に関与する、実施形態122に記載の組立体。
【0162】
実施形態124.組立体の1つ以上の最下部領域は、脚部の対のうちの少なくとも一対の第一領域を含む、実施形態115から123のいずれか1項に記載の組立体。
【0163】
実施形態125.第一領域は少なくとも1つの第三領域の材料以外の材料から作製された揺動関与部を含み、材料は、揺動関与部が第三領域を作製する材料から作製された場合に有する揺動特性と比較して、少なくとも1つの揺動特性を改善するようなものである、実施形態124に記載の組立体。
【0164】
実施形態126.第二領域の揺動関与部及び第一領域の揺動関与部は、同じ材料から作製される、実施形態125に記載の組立体。
【0165】
実施形態127.第一領域は、組立体の少なくとも側面図では少なくとも1つの第二領域のうちの1つと少なくとも部分的に合致する、実施形態124から126のいずれか1項に記載の組立体。
【0166】
実施形態128.少なくとも一対の脚部のうちの脚部の車輪は、脚部に連結される場合、前傾斜位置及び後傾斜位置のうちの少なくとも1つでは組立体の揺動を制限するためのストッパを構成する、実施形態115から127のいずれか1項に記載の組立体。
【0167】
実施形態129.少なくとも一対の脚部の脚部の車輪は、そこに係脱可能に連結される、実施形態115から127のいずれか1項に記載の組立体。
【0168】
実施形態130.車輪が脚部から係脱される場合、組立体の揺動範囲は、車輪が脚部に連結される場合に比べて増大し、この範囲は、組立体の揺動中に水平方向基準面と合致する、組立体の全領域によって画定される、実施形態129に記載の組立体。
【0169】
実施形態131.少なくとも一対の脚部は、前脚部対である、実施形態115から130のいずれか1項に記載の組立体。
【0170】
実施形態132.少なくとも1つの第二領域は、組立体の対応する後傾斜位置内の基準面と合致する後部領域を構成する、実施形態131に記載の組立体。
【0171】
実施形態133.摩擦増大部が作製される材料は、少なくとも1つの第三領域の材料よりも柔らかくなることにより、揺動関与部は軟質接触部を構成する、実施形態116、または実施形態116に直接もしくは間接的に従属している場合には実施形態117から132のいずれか1項に記載の組立体。
【0172】
実施形態134.軟質接触部は、組立体の揺動を減衰させる、実施形態133に記載の組立体。
【0173】
実施形態135.揺動関与部が作製される材料は、少なくとも一対の脚部の機械的損傷を防止する、実施形態115から134のいずれか1項に記載の組立体。
【0174】
実施形態136.少なくとも1つの第三領域は、少なくとも一対の脚部の大部分を構成する、実施形態115から135のいずれか1項に記載の組立体。
【0175】
実施形態137.揺動関与部を有する各脚部は、第一材料から作製され、揺動関与部は、第一材料以外の第二材料から作製される、実施形態115から136のいずれか1項に記載の組立体。
【0176】
実施形態138.揺動関与部は、対応する脚部に、基準面に対向するその表面で取り付けられたライナーの形態である、実施形態137に記載の組立体。
【0177】
実施形態139.転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、
前部及び後部を有する下部支持体であって、下部支持体の最下部領域を水平方向に通過する基準面を有する、下部支持体、
下部支持体に連結され、下部支持体の後部に関連する背もたれ部、及び下部支持体の前部に関連する足部を有する、上部シート、
車輪を有する脚部であって、少なくとも車輪が基準面より上に位置しており、組立体がその内に乳幼児を固定するのに適した位置で車内または支持面上に位置決めされるのに適している、格納状態と、シート組立体が車輪によって転動することを可能にするように、少なくとも車輪が基準面より下に位置している、動作状態との間で脚部は操作可能であり、脚部は後輪に関連する一対の後脚部、及び前輪に関連する一対の前脚部を構成し、前輪はその格納状態中に下部支持体から側方に、少なくとも組立体の背面図では後輪よりも大きく突出し、前脚部は動作状態から格納状態に操作されるように枢動可能であることで、格納状態中に前輪は足部よりも背もたれ部のより近くに位置決めされ、少なくとも前輪はクイックリリース機構によって前脚部に連結される、脚部を含む。
【0178】
実施形態140.前輪は、下部支持体に対して側方に延出する車輪取り外し方向内で前脚部から取り外し可能である、実施形態139に記載の組立体。
【0179】
実施形態141.前輪のそれぞれは、車輪が対応する前脚部に連結される場合、車輪取り外し方向に沿って延在する脚部連結要素を含み、前脚部のそれぞれは、車輪取り外し方向に沿って延在する車輪連結要素を含む、実施形態140に記載の組立体。
【0180】
実施形態142.脚部連結要素及び車輪連結要素は、互いに係脱可能に連結可能であることにより、車輪取り外し方向に平行な車輪回転軸を中心として車輪連結要素に対して脚部連結要素と共に車輪を回転させることが可能になる、実施形態141に記載の組立体。
【0181】
実施形態143.脚部連結要素及び車輪連結要素は、クイックリリース機構を少なくとも部分的に構成する、実施形態142に記載の組立体。
【0182】
実施形態144.クイックリリース機構は、車輪連結要素からの脚部連結要素の解放を作動させるためのリリースアクチュエータをさらに含む、実施形態143に記載の組立体。
【0183】
実施形態145.リリースアクチュエータは、前輪及び対応する前脚部のうちの1つに位置決めされる、実施形態144に記載の組立体。
【0184】
実施形態146.前輪のそれぞれは、支持面と、その上で組立体が車輪によって転動する場合に接触するようになるように構成された転動領域、及び支持面と、その上で組立体が転動する場合に接触しないように構成された残りの領域を有し、前輪のそれぞれは、少なくとも車輪を対応する前脚部から取り外すために、使用者によって保持されるのに適した残りの領域に位置決めされた車輪保持部を含む、実施形態139から145のいずれか1項に記載の組立体。
【0185】
実施形態147.後輪は、クイックリリース機構によって後脚部に連結される、実施形態139から146のいずれか1項に記載の組立体。
【0186】
実施形態148.乳児用セーフティカーシート組立体は、
背もたれ部及び足部を有するシートと、
枢動可能なアタッチメントによってシートのハンドル取り付け領域でシートに連結されるハンドルであって、枢動可能なアタッチメントは複数の異なる位置の間でハンドルの枢動を可能にし、ハンドルはハンドル取り付け領域に対向するシート対向領域、及び反対側の外部対向領域を有する、ハンドルと、
側部保護モジュールであって、その上の衝撃エネルギーの少なくとも一部を吸収し、外部対向領域でハンドル上に選択的に取り付け可能である、側部保護モジュールと、を含む。
【0187】
実施形態149.側部保護モジュールは、そこに取り付けられる場合、ハンドルと共に枢動可能であるように構成される、実施形態148に記載の組立体。
【0188】
実施形態150.側部保護モジュールは、長手方向軸に沿って延在する細長い形状を有し、長手方向軸に沿って少なくとも部分的に互いから離隔された第一ハンドル係合部及び第二ハンドル係合部を含む、実施形態148または149に記載の組立体。
【0189】
実施形態151.ハンドルの外部対向領域は、第一ハンドル係合部に係合するための第一モジュール係合部、及び側部保護モジュールがハンドルに取り付けられる場合に第二ハンドル係合部に係合するための第二モジュール係合部を含む、実施形態150に記載の組立体。
【0190】
実施形態152.第一ハンドル係合部及び第二ハンドル係合部のうちの少なくとも1つは、ハンドル連結要素を含み、第一モジュール係合部及び第二モジュール係合部のうちの対応する少なくとも1つは、モジュール連結要素を含み、ハンドル連結要素及びモジュール連結要素は、互いに係脱可能に連結可能である、実施形態151に記載の組立体。
【0191】
実施形態153.ハンドル連結要素及びモジュール連結要素は、クイックリリース機構によって互いに係脱可能に連結可能である、実施形態152に記載の組立体。
【0192】
実施形態154.クイックリリース機構は、磁気連結機構である、実施形態153に記載の組立体。
【0193】
実施形態155.第一ハンドル係合部及び第二ハンドル係合部のうちの少なくとも1つは、向き固定機構の第一部分を含み、第一モジュール係合部及び第二モジュール係合部のうちの対応する少なくとも1つは、向き固定機構の第二部分を含み、向き固定機構の第一部分及び第二部分は、側部保護モジュールがハンドルに関して側部保護モジュールの向きを固定するようにハンドルに取り付けられる場合、互いに係合するように構成される、実施形態151から154のいずれか1項に記載の組立体。
【0194】
実施形態156.向き固定機構は、ハンドルの枢動中に、ハンドルに対する側部保護モジュールの向きを維持するように構成される、実施形態155に記載の組立体。
【0195】
実施形態157.側部保護モジュールは、長手方向軸に対してオフセットに位置決めされた少なくとも1つの第三ハンドル係合部を含み、ハンドルの外部対向領域は、側部保護モジュールがハンドルに取り付けられる場合、少なくとも1つの第三ハンドル係合部に係合するように構成された少なくとも1つの第三モジュール係合部を含む、実施形態151から156のいずれか1項に記載の組立体。
【0196】
実施形態158.少なくとも1つの第三ハンドル係合部はハンドル連結要素を含み、少なくとも1つのモジュール係合部はモジュール連結要素を含み、ハンドル連結要素及びモジュール連結要素は、互いに係脱可能に連結可能である、実施形態157に記載の組立体。
【0197】
実施形態159.ハンドル連結要素及びモジュール連結要素は、クイックリリース機構によって互いに係脱可能に連結可能である、実施形態158に記載の組立体。
【0198】
実施形態160.クイックリリース機構は、磁気連結機構である、実施形態159に記載の組立体。
【0199】
実施形態161.側部保護モジュールがハンドルに取り付けられる場合、側部保護モジュールをハンドル及びシートのうちの少なくとも1つに連結するためのケーブル連結配置をさらに含む、実施形態148から160のいずれか1項に記載の組立体。
【0200】
実施形態162.ケーブル連結配置は、側部保護モジュールに連結可能な第一端部、ならびにハンドル及びシートのうちの少なくとも1つに連結可能な第二端部を有するケーブルを含む、実施形態161に記載の組立体。
【0201】
実施形態163.側部保護モジュールは、ハンドルに選択的に取り付け可能な第一モジュール部分、及び第一モジュール部分に選択的に取り付け可能な第二モジュール部分を含む、実施形態148から162のいずれか1項に記載の組立体。
【0202】
実施形態164.側部保護モジュールは、第二モジュール部分が第一モジュール部分に取り付けられる場合、第一モジュール部分及び第二モジュール部分を互いに選択的にロックするためのロック配置を含む、実施形態163に記載の組立体。
【0203】
実施形態165.車輪を備えた遠位端部と、シートにその脚部取り付け領域で連結された反対側の近位端部とをさらに含み、この脚部取り付け領域は組立体の少なくとも側面図でハンドル取り付け領域と少なくとも部分的に重なる、実施形態148から164のいずれか1項に記載の組立体。
【0204】
実施形態166.シートは、その最下部領域を水平方向に通過する基準面を有し、脚部は、少なくとも遠位端部が基準面より上に位置しており、組立体がその内に乳幼児を固定している状態で車内に位置決めされるのに適している、格納状態と、遠位端部に連結された車輪によってシート組立体が転動することを可能にするように、少なくとも遠位端部が基準面より下に位置している、動作状態との間で操作可能であり、脚部は、動作状態から格納状態に操作されるようにシートの背もたれ部に向かい後方に枢動可能であるため、格納状態では、遠位端部は足部よりも背もたれ部のより近くに位置決めされ、脚部は、少なくとも動作状態では後輪に関連する一対の後脚部、及び少なくとも動作状態では前輪に関連する一対の前脚部を構成する、実施形態165に記載の組立体。
【0205】
実施形態167.前輪及び後輪のうちの少なくとも1つの車輪は、対応する脚部にその格納状態で連結される場合、追加の側部保護モジュールを構成する、実施形態166に記載の組立体。
【0206】
実施形態168.脚部の格納状態では、少なくとも1つの車輪は、少なくとも組立体の背面図では、少なくとも1つの車輪とシートの同じ側部上の少なくとも別の車輪よりも大きくシートから側方に突出する、実施形態167に記載の組立体。
【0207】
実施形態169.少なくとも1つの車輪は前輪であり、少なくとも別の車輪は後輪である、実施形態168に記載の組立体。
【0208】
実施形態170.転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、
前部及び後部を有する下部支持体であって、下部支持体の最下部領域を水平方向に通過する基準面を有する、下部支持体、
下部支持体に連結された上部シートであって、下部支持体の後部に関連する背もたれ部と、下部支持体の前部に関連する足部とを有し、背もたれ部及び足部がその間に第一角度を形成する直立状態と、背もたれ部及び足部がその間に第一角度よりも大きい第二角度を形成する伸長状態との間で操作可能である、上部シート、
車輪を有する脚部であって、少なくとも車輪が基準面より上に位置している格納状態と、車輪によってシート組立体が転動することを可能にするように少なくとも車輪が基準面より下に位置している動作状態との間で操作可能である、脚部、
を含み、
下部支持体は、背もたれ部が枢動して関節部で連結される下部支持体の後部に後部関節部、及び上部シートの足部が摺動可能に関節部で連結されるように構成される下部支持体の前部に前部関節部を含み、上部シートの直立状態と伸長状態との間での状態の変化は、足部の関節部の摺動に伴う背もたれ部の関節部の枢動によって達成可能である、転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0209】
実施形態171.背もたれ部は下部支持体の長手方向軸に垂直な枢軸を中心として枢動して関節部で連結され、足部は下部支持体の長手方向軸に沿って摺動可能に関節部で連結される、実施形態170に記載の組立体。
【0210】
実施形態172.上部の背もたれ部及び足部は互いに連結されるため、それらのうちの一方の操作は他方の操作を誘導する、実施形態170または171に記載の組立体。
【0211】
実施形態173.上部シートは、背もたれ部及び足部を互いに固定して連結する中間部をさらに含む、実施形態170から172のいずれか1項に記載の組立体。
【0212】
実施形態174.中間部は、上部シート最下部を構成し、上部シート最下部は、上部シートの直立状態と伸長状態との間での操作の際に垂直軸を中心に可動である、実施形態173に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0213】
実施形態175.背もたれ部の少なくとも中間部は、可撓性材料から形成される、実施形態173または174に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0214】
実施形態176.中間部は、凹状であり、可撓性材料から形成されることにより、上部シートの伸長状態への操作の際に曲げることができる、実施形態173から175のいずれか1項に記載の組立体。
【0215】
実施形態177.上部シートを直立状態と伸長状態との間で操作するように動作可能なシート操作機構と、上部シートの直立状態から伸長状態への操作を防止するように動作可能なシート操作防止配置とをさらに有する、実施形態170から176のいずれか1項に記載の組立体。
【0216】
実施形態178.シート操作防止配置は、シート操作防止配置が上部シートの伸長状態の方への操作を防止するロック状態と、シート操作防止配置が上部シートの直立状態と伸長状態との間での操作を可能にするロック解除状態との間で状態を変化させるように構成される、実施形態177に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0217】
実施形態179.シート操作防止配置は、ロック状態では、上部シートを停止することによって、上部シートの伸長状態の方への操作を防止するように動作可能である、実施形態177または178に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0218】
実施形態180.シート操作防止配置は、ロック状態では、シート操作機構を停止することによって、上部シートの伸長状態の方への操作を防止するように動作可能である、実施形態177または178に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0219】
実施形態181.シート操作防止配置は、上部シートがその直立状態にある場合にのみシート操作機構を停止するように動作可能である、実施形態180に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0220】
実施形態182.シート操作防止配置は、脚部によってそれらの格納状態中に構成される、実施形態177から181のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0221】
実施形態183.シート操作防止配置は、脚部の遠位端部によって構成される、請求項182に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0222】
実施形態184.後部関節部は関節部凹部の形態であり、関節部凹部は、下部支持体の側壁部内に位置決めされ、その内に背もたれ部の1つ以上の関節連結可能な要素を自由に受容することにより、これらの要素が枢軸を中心として枢動することが可能になるように構成される、実施形態170、または実施形態170に直接もしくは間接的に従属している場合には実施形態171から183のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0223】
実施形態185.背もたれ部の1つ以上の関節連結可能な要素は、背もたれ部とユニタリに形成される、または組み立てられる、後部枢軸を含む、実施形態184に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0224】
実施形態186.前部関節部は、長手方向軸に対して平行に延在する細長い関節部スロットの形態であり、その内に足部の少なくとも1つの対応する関節連結可能な要素を摺動可能に受け入れるように構成される、実施形態170、または実施形態170に直接もしくは間接的に従属している場合には実施形態171のいずれか1項に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0225】
実施形態187.足部の関節連結可能な要素は、足部とユニタリに形成される、または組み立てられるスライドバーを含む、実施形態186に記載の転換式乳児用セーフティカーシート組立体。
【0226】
本明細書で開示される主題をよりよく理解し、それが実際にどのように実行され得るかを例示するために、ここで、添付の図面を参照して、非限定的な例としてのみ実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0227】
【
図1A】本開示の主題の一例による乳児用セーフティカーシート組立体のカーシート取り付けまたは格納モードでの側面図を示し、組立体は以下で使用されることができる。
【
図1B】本開示の主題の一例による乳児用セーフティカーシート組立体の伸長ベビーカーモードでの側面図を示し、組立体は以下で使用されることができる。
【
図1C】本開示の主題の一例による乳児用セーフティカーシート組立体の直立ベビーカーモードでの側面図を示し、組立体は以下で使用されることができる。
【
図1D】本開示の主題の一例による乳児用セーフティカーシート組立体の転動可能なキャリアモードでの側面図を示し、組立体は以下で使用されることができる。
【
図2A】本開示の主題の一例による乳児用セーフティカーシート組立体に使用されることができる下部支持体の正面斜視図である。
【
図2B】
図2AではA-A方向に沿って、側壁部の内面に対して垂直に取られた、
図2Aに示される下部支持体の1つの側壁部の図である。
【
図3A】本開示の主題の一例による乳児用セーフティカーシート組立体では、
図2A及び
図2Bに示された下部支持体と共に使用されることができる、覆われていない上部シートの正面斜視図であり、上部シートはその直立状態にある。
【
図3C】
図3Aに示された上部シートの、切欠き面に垂直な
図3AのB-B方向で見た斜視切欠き側面図である。
【
図3D】
図3Aから
図3Cに示された上部シートの正面斜視図であり、上部シートはその伸長状態にある。
【
図4A】
図2A及び
図2Bに示された下部支持体に取り付けられた
図3Aから
図3Eに示された上部シートを有するシート組立体の上面斜視図であり、上部シートは
図3Aから
図3Cに示された直立状態にあり、その足部は図面を簡略化するために取り除かれている。
【
図4B】
図4Aに示されたシート組立体の領域4Bの拡大斜視図であり、シート操作機構及びシート操作防止配置を含み、図面を簡略化するために、上部シートの足部が取り除かれている。
【
図4C】
図4Bに示されたシート組立体の領域4Cの拡大図である。
【
図4D】
図4Aに示されたシート組立体の領域4Dの拡大図である。
【
図4E】
図3D及び
図3Eに示されるように、シート組立体の上部シートがその伸長状態にある場合の、
図4Dに示された領域を示す。
【
図4F】本開示の主題の一例による乳児用セーフティカーシート組立体の脚部の近位端部の拡大図であり、脚部はその動作状態で示される。
【
図4G】
図4Fの脚部の近位端部であり、脚部はその格納状態で示される。
【
図5B】脚部操作機構及び脚部操作防止配置を含む、
図5Aの領域5Bの拡大図である。
【
図5C】シート組立体の上部シートがその伸長状態にある場合の、
図5Bに示されたシートの領域62を示す。
【
図6】本開示の主題の別の例によるシート操作防止配置を示す、
図4Aのシート組立体の背面斜視図である。
【
図7A】本開示の主題の一例による格納モード中の乳児用セーフティカーシート組立体を、側部保護モジュールと共に概略的に示す背面斜視図である。
【
図7B】本開示の主題の一例による車内に位置決めされた2つの乳児用セーフティカーシート組立体を、それぞれ側部保護モジュールと共に、それぞれ格納モードで概略的に示す背面図である。
【
図7C】本開示の主題の一例による、側部保護モジュールを備えた、格納モード中の乳児用セーフティカーシート組立体の側面図であり、そのハンドルは跳ね返り防止状態にある。
【
図7D】ハンドルがキャリア状態である、
図7Cの乳児用セーフティカーシート組立体の側面図である。
【
図7E】ハンドルが格納状態である、
図7Cの乳児用セーフティカーシート組立体の側面図である。
【
図7F】
図7Cの乳児用セーフティカーシート組立体のハンドル及び側部保護モジュールの異なる図を示す。
【
図7G】本開示の主題の一例による、2つのモジュール部分を有する側部保護モジュールの異なる図を示す。
【
図7H】本開示の主題の一例による、ケーブル連結配置によってハンドルにさらに連結される側部保護モジュールの側面斜視図である。
【
図8A】本開示の主題の一例による、直立動作モード中の乳児用セーフティカーシート組立体の正面斜視図である。
【
図8B】本開示の主題の一例による、シート組立体の、それにキャノピーが取り付けられている背面斜視図である。
【
図9】本開示の主題の一例による、ジッパー配置がシート組立体内にある、上部シートの一部の、そこにジッパー長さの大部分に沿って布製カバーがジッパーで付けられている拡大斜視図である。
【
図11】本開示の主題のさらなる例による、乳児用シートの背もたれに布製カバー及びキャノピーを取り付けるために、ジッパー配置が有することができる概略断面図である。
【
図12A】本開示の主題の一例による、格納モード中の乳児用セーフティカーシート組立体の側面図であり、その中立位置で示されている。
【
図12B】
図12Aの乳児用セーフティカーシート組立体の側面図であり、その後傾斜位置で示されている。
【
図12C】
図12Aの乳児用セーフティカーシート組立体の側面斜視図であり、その後傾斜位置で示されている。
【
図12D】
図12Aの乳児用セーフティカーシート組立体の側面斜視図であり、その中立位置で示されている。
【
図13A】本開示の主題の一例による、格納モード中の乳児用セーフティカーシート組立体の正面斜視図である。
【
図13E】
図13Bと同じ図であり、対応する前脚部から取り外された両方の前輪を示す。
【
図13F】
図13Aの乳児用セーフティカーシート組立体の、そこから取り外された前脚部及び前輪を示す。
【発明を実施するための形態】
【0228】
本開示の主題の一例による、転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、
図1A~
図1Dに示されるような、動作モード中の使用のために構成された任意のシート組立体であることができる。これらの動作モードは、
図1Aに示されたカーシート取り付けモードであり、以降本明細書では格納モード20と呼ばれ、
図1Bに示された伸長ベビーカーモードであり、以降本明細書では伸長動作モード24と呼ばれ、
図1Cに示された直立ベビーカーモード及び
図1Dに示された転動可能なキャリアモードであり、両方とも以降本明細書では直立動作モード22と呼ばれる。
【0229】
本例では、転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、
図1A~
図1Dに示され、10と称され、下部支持体30、下部支持体30に関節部で連結され、その上に取り付けられた上部シート50、車輪に関連する遠位端部71及び下部支持体30に枢動して関節部で連結された近位端部72を有する脚部70、ならびに
図1A~
図1Dに示されるような複数の位置の間で枢動するように構成されたハンドルバー12を含む。
【0230】
ハンドルバーは、セーフティカーシート組立体が使用されるモードに応じてハンドルバーがいくつかの状態を取ることを可能にする、調節可能な長さを有することができる。
【0231】
本例のハンドルバー12は、一般に垂直方向(
図1D)に向けられるキャリア状態(
図1D)、前方に延出し、キャリア状態よりも長い長さを有することができるベビーカー状態(
図1B及び
図1C)、及び後方に向けられる格納状態(
図1A)を少なくとも取ることができる。
【0232】
下部支持体30は、支持面26に接触するように構成されたシート最下部領域32を含み、支持面は、例えば、車両シートまたはその上に固定して取り付けられた基部または地面であることができ、支持面上のシート組立体はセーフティシートとして使用されるように構成される。支持面26は、格納モード20である場合、その上にシート組立体10を取り付ける/位置決めするのに適している。シート最下部領域32は、仮想水平方向基面34を規定し、2つの脚部取り付け領域42をさらに含み、これら2つの脚部取り付け領域に、脚部の近位端部72は以下の2つの状態の間で枢動して関節部で連結される:
(a)格納状態(
図1A)であって、格納状態では、シート組立体10のシート最下部領域32が支持面26に接触することができるように、脚部の遠位端部は水平方向基面34の上に、またはそれより上に位置決めされ、シート組立体は、支持面に取り付けられる、または支持面の上に位置決めされる、格納状態、及び
(b)動作状態(
図1B、
図1C及び
図1D)であって、動作状態では、シート組立体が車輪によって転動することができ、車輪が支持面26上の水平方向基面34より下に位置決めされる、動作状態。
【0233】
上部シート50は、後部背もたれ部52、及び背もたれ部52よりも水平方向基面34から短い距離まで離隔される前部足部54を含む。背もたれ部52は、シート組立体10上に着座した乳幼児の頭及び背中を支持し、頭をよりよく支持するように構成され、背もたれ部には、当技術分野で既知のような、初期位置と上昇位置との間で調節されるように構成されたヘッドレスト組立体53が設けられることができる。
【0234】
上部シート50は、以下の2つの状態の間で操作可能である:
(a)上部シート50に固定された乳幼児のための着座位置を可能にする直立状態(
図1A、
図1C及び
図1D)であって、直立状態では、背もたれ部52が第一向きを有し、足部54と第一角度αを形成する、直立状態、及び
(b)上部シート50に固定された乳幼児のためのフルフラット位置を可能にする伸長状態(
図1B)であって、伸長状態では、背もたれ部52が第一向きよりも水平方向の向きにより近い第二向きを有し、第一角度αよりも大きい第二角度βを足部54と形成する、伸長状態。
【0235】
具体的には、第一角度αは約90~130度であることができ、第二角度βは約140~170度であることができる。
【0236】
概して、シート組立体は、上部シート及び脚部の上記の状態の間の複数の組み合わせを、少なくとも1つのこのような組み合わせを防止しながら可能にするように構成されることができる。例えば、このような防止された組み合わせは、脚部の格納状態と上部シートの伸長状態との間のものであることができ、これにより、シート組立体がその上に乳児を横たえながら車内に入れられる可能性が除外される。
【0237】
後者の例によれば、
図1Eに示されるように、シート組立体10は、上部シート50の伸長状態を、脚部70の動作状態のみと組み合わせることを可能にするように構成される。これにより、シート組立体は、脚部70がそれらの動作状態にある場合にのみ、上部シート50の直立状態と伸長状態との間での操作を可能にするように構成される。そのような操作は、直立動作モード24と伸長動作モード22との間の移行の際に行われることができる。またシート組立体10は、脚部70の格納状態を、上部シート50の直立状態のみと組み合わせることを可能にするように構成される。このように、シート組立体は、上部シート50がその直立状態にある場合にのみ、脚部70の動作状態と格納状態との間での操作を可能にするように構成される。そのような操作は、直立動作モード24と格納モード20との間の移行の際に行われることができる。
【0238】
従って、シート組立体の直立動作モード24では、脚部70の動作状態は、上部シート50の直立状態と組み合わせ可能であり、シート組立体は、その第三直立動作モード24からのみ、その第一格納モード20及び第二伸長動作モード22になることができる。
【0239】
ここで、脚部及び上部シートの状態の上記の組み合わせを可能にする、下部支持体30及び上部シート50の構造及びそれらの組立体及び動作方法の非限定的な例は、対応する図面を参照して以下で詳細に説明される。
【0240】
概して、下部支持体の基本構造は、少なくとも1つの関節部を含むことができ、この関節部に、上部シートの少なくとも一部は、直立状態と伸長状態との間でその状態の変化を可能にするように関節部で連結されるように構成される。
【0241】
下部支持体は、上部シートの背もたれ部及び足部がそれぞれ関節部で連結されることができる後部及び前部の関節部を含むことができる。1つ/複数の関節部は、同じ種類または異なる種類の関節部を上部シートの1つ/複数の関連する部分に設けるように構成されることができ、すなわち、それらは両方とも枢動もしくは直動関節部を設けるように構成されることができる、またはむしろそれらのうちの1つに枢動関節部を設け、もう1つに上部シートの関連する部分の直動関節部を設けることができる。さらに特に、下部支持体は、背もたれ部が枢動して関節部で連結されるように構成される、下部支持体の後部に後部関節部、及び上部シートの足部が摺動可能に関節部で連結されるように構成される、下部支持体の前部に前部関節部を含むことができる。
【0242】
下部支持体は、非対称ボウルの形態であることができ、非対称ボウルは、底部、下部の長手方向軸に沿って互いから離隔された高い後壁部及び低い前壁部、ならびに2つの側壁部であって、それらの間に、その内面に対して垂直に取られた各側壁部の側面図で最もよく見られるようなこの軸に対して概ね平行に延在する、2つの側壁部を含むことができる。後壁部及び前壁部は、概して、下部支持体の側面図で見られるように、互いから離れて延在することができることにより、長手方向軸に沿った、それらの間の距離は、下部支持体の底部から離れる方向に増大する。
【0243】
後部関節部は下部支持体の側壁部の後部領域に、例えば下部支持体の底部よりも側壁部の頂部の近くに、位置していることができ、前部関節部は下部支持体の前壁部に位置していることができる。従って上部シートの背もたれ部は、下部支持体の長手方向Dに垂直な軸を中心として枢動して後部関節部に連結されるように構成されることができ、上部シートの足部は、長手方向に沿って前部関節部に摺動可能に連結されるように構成されることができる。
【0244】
本例では、下部支持体30は、
図2A及び
図2Bに詳細に示され、その最下部領域を構成する底部33と、高い後壁部36と、低い前壁部37であって、前壁部及び後壁部が底部から離れて、また下部支持体30の長手方向Dでは互いから離れて延在する、低い前壁部と、方向Dに対して概して平行に向けられ、頂部後部領域31を有する2つの側壁部35とを含む。
【0245】
さらに下部支持体30は、背もたれ部52が下部支持体の長手方向Dに対して垂直な枢軸(図示せず)を中心に枢動して関節部で連結されるように構成される、後部関節部38を側壁部35の頂部後部領域31に、そして上部シート50の足部54が長手方向に沿って摺動可能に関節部で連結されるように構成される、前部関節部39を前壁部37に含む。
【0246】
さらに特に、本例では、後部関節部38は、側壁部35の頂部後部領域31内に位置決めされた関節部凹部の形態であり、その内に上部シート50の背もたれ部52の1つ以上の関節連結可能な要素を自由に受容することにより、背もたれと共にこれらの要素が枢軸を中心に枢動することが可能になるように構成され、前部関節部39は、長手方向Dに対して平行に延在する細長い関節部スロット39A及び39Bの形態であり、上部シート50の足部54の対応する関節連結可能な要素を、その内に摺動可能に受容するように構成される。
【0247】
上記に示されるように、下部支持体30は、脚部70の近位端部72が脚部70の動作状態と格納状態との間で枢動して関節部で連結される、2つの脚部取り付け領域42(そのうちの1つは
図2A及び
図2Bに示される)と、それらの格納状態及び動作状態のいずれか1つで脚部70をロックし、それらをロック解除し、これらの状態間での操作を可能にするように構成される、脚部操作機構(
図2A及び
図2Bに示されない)とを含む。例えば本出願人のUS8469389及びUS9505321などに記載されている構成のうちのいずれか1つを含むが、これらに限定されない、上記のロック配置を設ける脚部操作機構の異なる構成が使用されることができ、そこからのこれらの構成の説明は参照により本明細書に援用されている。
【0248】
本開示の主題によるシート組立体の上部シートは、上述のように、その少なくとも一部が1つ/複数の関節部のうちの1つ以上に連結されることを可能にすることにより、上部シートの直立状態と伸長状態との間の状態の変化が可能になる構成を有する。さらに特に、下部支持体が後部及び前部の関節部を含む場合、上部シートの背もたれ部及び足部は、要望通り下部支持体の関節部に連結されるようにそれぞれ構成された関節連結可能な要素を含むことができる。例えば、上部シートの背もたれ部の関節連結可能な要素は、下部支持体の後部関節部に枢動して連結されるように構成されることができ、上部シートの足部の関節連結可能な要素は、下部支持体の前部関節部に摺動可能に連結されるように構成されることができる。上部シートの背もたれ部及び足部は、互いに関節部で連結されることができることにより、これらの一方の運動は、他方への操作を誘導する。
【0249】
【0250】
図3Aから
図3Eでは、上部シート50の背もたれ部52の関節連結可能な要素は後部枢軸38Aによって構成され、この後部枢軸は、背もたれ部とユニタリで形成され、または組み立てられ、下部支持体30の後部関節部38の凹部内に自由に受容された端部を有することにより、背もたれ部の垂直方向に近い向き(すなわち、直立状態)と水平方向に近い向き(すなわち、伸長状態)との間での背もたれ部に対する軸の枢動が可能になる。上部シート50の足部54の関節連結可能な要素はスライドバー56によって構成され、スライドバーは、足部54とユニタリに形成され、または組み立てられ、下部支持体30の関節部スロット39A及び39B内に摺動可能に受容されることにより、足部54の最内位置及び最外位置に対応する、スロット39A及び39B内のスライドバー56の極端な位置の間での足部54に対するスライドバー56の運動が可能になる。背もたれ部52の垂直方向に近い向き及び足部54の最内位置、ならびに背もたれ部52の水平方向に近い向き及び足部54の最外位置は、それぞれ上部シート50の直立状態及び伸長状態に対応する。
【0251】
一般に、上部シートの背もたれ部及び足部は、互いに直接または間接的に連結されることができる。代替に、背もたれ部及び足部は、互いに連結されることなく、別個に下部支持体に連結されることができる。背もたれ部及び足部は、互いに連結される場合、直接に、または中間部背もたれ部を介して間接的に関節部で連結されることができることにより、これらの部の一方の操作/回転が行われながら、これらの部の他方の回転/操作が行われることが可能になる。また背もたれ部及び足部は、1つの部を操作することによってもう1つの部の操作を誘導するように、互いに固定して連結されることができる。
【0252】
本例では、上部シート50は、背もたれ部52及び足部54を互いに固定して連結する中間部57も含む。具体的には(
図3Cに最もよく示されるように)、中間部57は、背もたれ部52の底部として構成され、その下縁部58から前方に延出し、その前縁部59で足部54に固定して連結されるように構成される。中間部57は、凹状であり、上部シート50上に着座した乳幼児の尻を受容するように構成される。中間部57は、可撓性材料から形成されることにより、上部シート50の伸長状態への操作時に曲がることが可能になり、伸長状態では、中間部57は直立状態より小さい凹状になる。
【0253】
また背もたれ部52及び足部54は、下部支持体30の側壁部35内に形成された短手方向の中間部アパーチャ38B内に端部が自由に受容される前部枢軸(図示せず)によって構成された関節連結可能な要素によって、互いに枢動して連結される。この枢動連結は短手方向の中間部アパーチャ38Bを相互連結する水平軸Xを規定し、この水平軸を中心に背もたれ部52及び足部54が枢動する。
【0254】
概して上部シートは、
図1Aから
図1Dに関して上述のように、上部シートを、その状態を直立状態と伸長状態との間で変化させるように誘導するように動作可能なシート操作機構をさらに含むことができる。この機構は、足部の位置を不変に維持しながら(上部シートの直立状態では背もたれの異なる向きを与えるために)、上部シートの背もたれ部のみの操作を誘導するように構成されること、及び/または背もたれ部及び足部のそれぞれを動かすように、または足部の運動を引き起こすことで背もたれ部の運動が誘導されるように構成されることができる(後者の場合は両方とも、上部シートの状態をその直立状態と伸長状態との間で変化させるように構成されることができる)。シート操作機構は、使用者によって作動されるのに利用可能な位置に位置決めされたシート操作アクチュエータを含むことができる。
【0255】
図4A~
図4Cに示された本例では、上部シート50のシート操作機構は、60と称され、上部シート50の操作を作動させてその状態を変化させるためのシート操作アクチュエータ61、及び上部シートがその状態を変化させるのを防止するためのシートロック機構63を含む。
【0256】
シート操作アクチュエータ61は、足部54の最前部に配置されたシートハンドル62によって構成される。シートハンドル62は、使用者がシートハンドル62を把持することを可能にするように構成されたシートハンドル外部62Aと、使用者がハンドルにそれぞれの押す力及び引く力を加えることによって、それぞれ足部54のその最内位置と最外位置との間での運動、及び背もたれ部52の直立状態と伸長状態との間のそれぞれの運動を可能にするように足部54に可動に連結されたシートハンドル内部62Bとを含む。
【0257】
概して、シート操作機構は、上部シートがその状態を直立状態と伸長状態との間で変化させることを選択的に防止するように構成されたシートロック機構をさらに含むことができる。さらに特に、シートロック機構は、上部シートの運動ひいてはその状態における変化をシートロック機構が防止するロック状態と、シートロック機構が上部シートの運動ひいてはその状態における変化を可能にするロック解除状態とを有することができる。シートロック機構は、上部シートの少なくとも一部を下部支持体の少なくとも一部に対して、そしてより具体的には、下部支持体の少なくとも2つの異なる部分に対して、選択的にロックするように構成されることができる。シートロック機構は、下部支持体に位置決めされた第一ロック部と、第一ロック部と相互作用して背もたれ部を下部支持体に対して選択的にロックするように構成されている、背もたれ部に合致する位置に位置決めされた第二ロック部とによって構成されることができる。下部支持体は2つより多い異なる部分によって構成されることができ、これらの部分に上部シートがロックされることにより、上部シートがその直立状態と伸長状態との間でシートロック機構によって徐々に操作されることが可能になり、上部シートが直立状態と伸長状態との間で、かつ直立状態及び伸長状態を含む複数の状態で下部支持体に対して固定されることが可能になる。
【0258】
図4A、
図4D及び
図4Eを参照すると、シートロック機構63は、上部シート50が下部支持体30に選択的にロックされることで、その状態が変化することを防止するように構成される。このために、シートロック機構63は、下部支持体30に位置決めされた第一ロック部63Aと、第一ロック部63Aと相互作用して、背もたれ部52が下部支持体30に選択的にロックされるように構成されている、背もたれ部52に位置決めされた第二ロック部63Bとを含む。
【0259】
さらに特に、シートロック機構63の第一ロック部63Aは、細長いガイドスロット41、及び複数の固定アパーチャ42A~42Cを含み、これらは全て、各側壁部35の内面35A上に形成される。(側壁部35の外面は概して35Bで示される)。アパーチャ42A~42Cは、細長いガイドスロット41に対して平行な方向に沿って互いから離隔される。細長いガイドスロット41は、背もたれ部の下縁部58が直立状態と伸長状態との間のその運動に沿って移動する曲率と同様の曲率を有する湾曲方法で形成される。細長いガイドスロット41は、その内に第二ロック部63Bの対応するガイド要素を摺動可能に受け入れることにより、ガイド要素がスロットに沿って異なる位置を取ることが可能になるように構成され、アパーチャ42A~42Dは、その内に第二ロック部63Bの対応するロック要素を、ガイド要素が細長いガイドスロット41内でそれぞれの位置を取る場合に受け入れ、上部シート50が下部支持体にロックされるように構成される。また第一ロック部63Aのアパーチャ42A~42Dは、上部シート50に少なくとも1つ(及び本例では2つ)の追加の中間状態を直立状態と伸長状態との間に設けることにより、さらなる向きを与えるように構成される。
【0260】
シートロック機構63の第二ロック部63Bは、上部シート50上に位置決めされ、2つのピンホルダー64(1つしか見えない)を含み、これら2つのピンホルダーは、背もたれ部52と下部支持体の底部33との間の背もたれ部52に取り付けられ、異なる側壁部35の内面35Aに隣接して位置しており、アクチュエータ61の作動時に並行して作動するように構成される。各ピンホルダー64は、ピンホルダー64を方向Dに対して概して垂直でかつ互いに平行に横断するガイドピン66及びロックピン68を含む。各ガイドピン66及びロックピン68は、対応するピンホルダー64の内側から(すなわち、最も近い側壁部35から離れて)延出する作動部67Aと、ピンホルダー64の外側から(すなわち、最も近い側壁部35に向かい)延出し、第一ロック部63Aと相互作用するように構成されたロック可能部67Bとを含む。
【0261】
ガイドピン66のロック可能部67Bは、背もたれ部52の状態間での操作をガイドするために、細長いガイドスロット41の内側に少なくとも部分的に位置決めされるように構成され、その内で摺動可能に動くように構成される。本例では、ガイドピン66のロック可能部67Bは、細長いガイドスロット41内に保持される。ロックピン68は、複数のアパーチャ42A~42Cのいずれか1つに挿入され、いずれか1つから取り外されて、直立状態(すなわち、ロックピン68のロック可能部67Bがアパーチャ42A内にある場合)、伸長状態(すなわち、ロックピン68のロック可能部67Bがアパーチャ42C内にある場合)、及びそれらの間の少なくとも1つの中間状態(すなわち、ロックピン68のロック可能部67Bがアパーチャ42B内にある場合)を含む、上部シート50の状態のそれぞれでは、背もたれ部52を固定するように位置決めされ、構成される。
【0262】
本例では、ピンホルダー64は、シートアクチュエータ61によって作動し、シートロック機構の状態をロック解除状態に変化させることにより、上部シート50が下部支持体30に停止されているのを解放するように構成される。このために、ピンホルダー64は、ロックピン68の少なくともロック可能部67Bが複数のアパーチャ42A~42Cのうちの1つに挿入される固定位置と、ロックピンのロック可能部67Bがアパーチャ42A~42Cの外部にある遠隔位置との間の長手方向Dに対して垂直な経路に沿って操作されるように構成される。従って、シートアクチュエータ61の作動時に、ピンホルダー64は、その遠隔位置の方に操作されることにより、ロックピン68のロック可能部67Bをアパーチャ42A~42Cのうちの1つから引き出す。
【0263】
本開示の主題によるシート組立体の脚部に関して、US9505321に記載されているような脚部及び脚部ロック配置(その説明は上記に示されるように参照により本明細書に援用されている)を参照すると、使用者が利用可能な位置に位置決めされた少なくとも1つの脚部操作アクチュエータを含む脚部操作機構、及び脚部ロック機構によって操作されるように構成されることができる。脚部は、それらの格納状態と動作状態との間で操作可能である。
【0264】
図5Aから
図5Cを参照すると、本例のシート組立体10の脚部操作機構90は、脚部70の操作を作動させるための脚部操作アクチュエータ91と、脚部ロック配置を作動させて格納状態及び動作状態のいずれか1つで脚部を停止するための脚部ロック機構(図示せず)とを含む。本例では、脚部操作アクチュエータ91は、使用者が容易にアクセスできるように、背もたれ部52の頂部後側部に位置決めされた脚部ハンドル92によって構成される。脚部ハンドル92は、使用者が脚部ハンドル92を把持することを可能にするように構成された脚部ハンドル外部92Aと、背もたれ部52に固定して連結された脚部ハンドル内部92Bとを含む。脚部ハンドル92は脚部ロック機構に動作可能に連結されることにより、使用者がそれぞれの力をハンドル92に加えると、ロック配置がロック解除され、脚部70のそれらの格納状態と動作状態との間での運動が可能になる。
【0265】
上述のように本例では、シートハンドル62は足部54の最前部に位置決めされ、脚部ハンドル92は背もたれ部52の頂部後側部に位置決めされるが、これらの位置は、それらが混同されるリスクを低下させるために、互いから離隔されている限り異なることができる。
【0266】
前述のように、シート組立体は、脚部の格納状態と、上部シートの伸長状態との間の少なくとも組み合せを防止するように構成されることができることにより、シート組立体がその上に乳児を横たえている状態で車内に入れられる可能性が除外される。さらに特に、シート組立体は、このような操作により、脚部がそれらの格納状態であり、上部シートがその伸長状態であるという状態になる場合、上部シートまたは脚部のうちのいずれか1つの操作を防止するように構成されることができる。場合によっては、シート組立体は、脚部または上部シートのうちのいずれか1つの特定の状態がもう1つの操作の防止を引き起こすことができるように構成されることができる。場合によっては、シート組立体は、上部シート及び脚部のうちの少なくとも1つの特定の状態を識別し、特定の状態が維持されている間にもう1つの操作を防止するように構成された、少なくとも1つの操作防止配置を含むことができる。そのような操作防止配置は、機械的な機構か電気的な機構かいずれかを含むことができる。さらにより特に、シート組立体は、上部シート及び脚部のそれぞれについて操作防止配置を含むことができ、それぞれがそれらのそれぞれの部分の特定の状態を識別するように構成されることができる。
【0267】
操作防止配置は、上部シートか脚部かいずれかの操作を、上部シートまたは脚部のもう1つが特定の状態にない限り、防止するように構成されることができる。例えば、操作防止配置は、脚部が格納状態にある場合、シートの直立状態から伸長状態への操作を防止するように構成されてよい。別の例では、操作防止配置は、シートが伸長状態にある場合、脚部の動作状態から格納状態への操作を防止するように構成されてよい。
【0268】
操作防止配置は、上部シートか脚部かいずれかの操作を、それぞれ上部シートもしくは脚部を停止することによって、またはそれぞれシート操作機構もしくは脚部操作機構を停止することによって防止するように構成されることができる。
【0269】
操作防止配置は、識別構成要素、例えば、シート組立体の上部シートまたは脚部の状態を識別するように構成されたトリガ部と、それぞれのシートまたは脚部操作機構を選択的に停止するようにトリガ部によって作動する、またはトリガされるように構成された停止部とを有することができる。操作防止配置のトリガ部及び/または停止部は、シート組立体の異なる部分の上に位置決めされること、またはその異なる部分によって構成されることができる。場合によっては、操作防止配置は上部シートもしくは脚部の操作機構を、それぞれのロック機構のものと同様の方法で停止するように構成されることができる、または操作防止配置はそれと構成される、もしくは統合されることができる。
【0270】
例えば、本開示の主題によるシート組立体は、少なくとも脚部が格納状態中である場合、上部シートの直立状態から伸長状態への操作を防止するように構成されたシート操作防止配置を含むことができる。一例では、シート操作防止配置が脚部によってその動作状態でトリガされない限り、シート操作防止配置は、上部シートの伸長状態への操作を防止するように構成される。
【0271】
シート操作防止配置が上部シートの伸長状態の方への操作を防止するロック状態と、シート操作防止配置が上部シートの直立状態と伸長状態との間での操作を可能にするロック解除状態との間で、シート操作防止配置は状態を変化させるように構成されることができる。
【0272】
本例では、シート操作防止配置は、
図4Bでは100として示される。脚部70がそれらの格納状態にある場合、シート操作防止配置100は、上部シート50の直立状態から伸長状態への操作を防止するように構成される。シート操作防止配置100は、脚部70がそれらの動作状態にある場合、脚部70によってトリガされるように構成され、トリガされると、シート操作防止配置100の状態がロック状態からロック解除状態に変化することにより、上部シート50がその直立状態と伸長状態との間で操作されることができる。
【0273】
場合によっては、シート操作防止配置は、ロック状態にある間、シート操作機構を停止することによって、上部シートの直立状態から伸長状態の方への操作を防止するように構成される。より具体的には、シート操作防止配置は、脚部がそれらの格納状態にある場合、シート操作機構を停止するように構成されることができる。またシート操作防止配置は、脚部がそれらの動作状態にある場合、シート操作機構の停止を解放するように構成されることもできる。このように、シート操作防止配置100は、上部シート50がその直立状態にある場合にのみシート操作機構を停止するように構成される。
【0274】
場合によっては、シート操作防止配置は、シートトリガ部材及びシート停止部材を含む。シートトリガ部材は、脚部がその動作状態にある場合、脚部によってトリガされると、シート停止部材を動作させるように構成されてもよい。シート停止部材は、シートトリガ部材によって動作可能であり、その動作時に、シート停止部材がシート操作機構を停止して上部シートの直立状態から伸長状態への操作を防止する停止状態から、シート操作機構が停止から解放されることで上部シートの直立状態と伸長状態との間での操作が可能になる解放状態に操作される。特定の例では、脚部がそれらの動作状態にある場合にのみ、脚部はシートトリガ部材をトリガするように構成される。
【0275】
図4B及び
図4Cは、シートトリガ部材102及びシート停止部材110を含むシート操作防止配置100の例示的な実施形態を示す。シートトリガ部材102は、脚部70がそれらの動作状態にある場合にのみ脚部によってトリガされ、結果としてシート停止部材110を動作させるように構成される。またシートトリガ部材102は、脚部70がそれらの動作状態にある間、シート停止部材110の動作を維持するように構成される。シート停止部材110は、シート停止部材110がシート操作機構60を停止して上部シート50の直立状態から伸長状態への操作を防止する停止状態と、シート操作機構60がシート停止部材110によって停止から解放されることで上部シート50の直立状態と伸長状態との間での操作が可能になる解放状態とを有するように構成される。
【0276】
一般に、シートトリガ部材は、シート組立体の下部支持体上に、その脚部取り付け領域のうちの少なくとも1つに隣接して配置されてもよい。これらのような場合には、脚部のうちの少なくとも1つは、その近位端部の周りに位置決めされた前部突出部を含んでもよく、前部突出部は、脚部がそれらの動作状態にある場合、シートトリガ部材をトリガするように構成される。換言すれば、脚部がそれらの動作状態に移行する、または動作状態にある場合、その前部突出部はシートトリガ部材をトリガすると、シートトリガ部材がシート停止部材を動作させて、その動作がシート停止部材をその停止状態からその解放状態に操作することにより、シート停止部材は、シート操作機構の停止を解放するため、上部シートの直立状態と伸長状態との間での操作が可能となる。これに対応して、脚部が動作状態にない場合(すなわち、脚部が格納状態まで、または格納状態の方に動く場合)、その前部突出部は、シートトリガ部材をトリガしなくなり、この場合、シート停止部材は、その停止状態になるため、シート操作機構を停止することにより、上部シートの直立状態から伸長状態への操作を防止する。
【0277】
本例では、
図4B、
図4C、
図4F及び
図4Gを参照すると、シートトリガ部材102は、脚部取り付け領域42のうちの少なくとも1つの前で、かつそれに隣接して下部支持体30上に配置されたトリガ本体103を含む。場合によっては、シートトリガ部材102は、側壁部35のうちの1つの内に配置される、またはそこから短手方向に突出する。可動部材104はトリガ本体103の長さを通して延在し、この長さは、脚部70のうちの1つの少なくとも一部に、より具体的には脚部70がそれらの動作状態にある場合にその脚部70の近位端部72の前部側部に到達して接触するのに十分な長さを有する。シートトリガ部材102をトリガする少なくとも脚部70の近位端部72は、そこから前方に延出する前部突出部105を含み、この前部突出部は、脚部がその動作状態にある場合、可動部材104を衝止するように構成される。シートトリガ部材102は、シート停止部材110に、機械的か電気的かいずれかで、動作可能に連結される。図中、可動部材104は、ケーブル101を介して、シート停止部材110に動作可能に連結されることにより、シート停止部材110は、脚部70がそれらの動作状態にあるときに前部突出部105によって衝止される場合に動作する。このように、シート操作防止配置100(
図4F)のロック解除状態では、脚部70が動作状態にある場合、シートトリガ部材102の可動部材104は、脚部70のうちの1つの前部突出部105によってトリガ本体103に衝止される。シートトリガ部材102の衝止により、シート停止部材110が動作して、停止状態から解放状態に操作されることにより、シート操作機構60を解放するため、上部シート50が直立状態と伸長状態との間で操作されることができる。これに対応して、シート操作防止配置100(
図4G)のロック状態では、脚部70が動作状態にない場合、シートトリガ部材102の可動部材104は、脚部70のうちの1つの前部突出部によって衝止されない。このため、シートトリガ部材102は脚部70によってトリガされないことにより、シートトリガ部材102はシート停止部材110を動作させない。これにより、シート停止部材110は、その停止状態を呈し、シート操作機構60を停止することにより、上部シート50が直立状態から伸長状態に操作されるのを防止する。従って、シート組立体10の脚部70は一般に、ロック状態とロック解除状態との間でシート操作防止配置100の状態を変化させるように構成される。このように、シート操作防止配置は、一般に脚部によって構成される。特に、シート操作防止配置のロック状態は、一般に、格納状態中の脚部によって構成され、シート操作防止配置のロック解除状態は、一般に、動作状態中の脚部によって構成される。
【0278】
シート停止部材110は、シートトリガ部材102がそのトリガ時に動作状態中の脚部70によって動作するように構成される。シート停止部材110は、シート操作防止配置100のロック状態に関連する停止状態と、シート操作防止配置100のロック解除状態に関連する解放状態との間で操作可能である。停止状態では、シート停止部材110はシート操作機構60の操作を停止し、解放状態では、シート停止部材110はシート操作機構60の停止を解放することにより、その操作が可能になる。
【0279】
本例では、シート停止部材110は、ピボットピン114によって下部支持体30及び/または足部54に枢動して連結された歯止め部を含み、シートハンドル内部62Bに隣接して位置決めされる。シート停止部材110は、1つの端部に係合部111、及びそのもう1つの端部にレバー部112を含む。レバー部112は、シートトリガ部材102の可動部材104に直接か間接的かいずれかで連結されるため、可動部材104の運動により、シート停止部材110が作動して、ピボットピン114を中心として枢動する。示される例では、レバー部112は、ケーブル101を介して可動部材104に動作可能に連結される。さらにシート停止部材110は、その停止状態の方にシート停止部材110を付勢するように構成された圧縮ばね(図示せず)を含むことができる。
【0280】
シート停止部材110の停止状態では、係合部111は、シートハンドル62の少なくとも一部に機械的に連通していることにより、シートハンドル62がシート操作機構60を操作するために使用されるのを防止するように構成される。本例では、シートハンドル内部62Bは、シートハンドル凹部115及び係合部111をさらに含み、この係合部は、その後端部の周りに短手方向で前方に突出する停止歯部116を含む。停止歯部116は、シートハンドル62のシートハンドル凹部115内に受け入れられるように形成されるため、その内に停止歯部116が受け入れられる場合、シート停止部材110は、シートハンドル62、ひいてはシート操作機構60を、使用者が動作させて上部シート50をその直立状態から伸長状態に操作するのを停止する。
【0281】
動作中、シートトリガ部材102が動作状態中の脚部70によってトリガされる場合、可動部材104が前部突出部105によって動くと、今度は、シート停止部材110がシートハンドル凹部115から離れて第一方向内で枢動するため、停止部材110はその解放状態を呈する。シートトリガ部材102が脚部70によりトリガされなくなる場合(すなわち、脚部70が動作状態から離れて、または出て、格納状態の方に操作される場合)、可動部材104が動いて、対応する脚部取り付け領域42の方に戻ると、シート停止部材110が第一方向とは反対の第二方向内に枢動し、その結果、停止歯部116がシートハンドル凹部115内に挿入されることにより、シート停止部材110がロック状態になる。
【0282】
他の場合(図示せず)では、シート操作防止配置は、そのロック状態では、上部シートを停止することにより、上部シートの伸長状態の方への操作を防止するように構成される。これらのような場合、停止状態では、シート操作防止配置のシート停止部材は、上部シートに当接して、その操作を防止するように構成されることができる。例えば、シート停止部材は、シートトリガ部材102に直接または間接的に連結されるボルトによって構成されることができる。停止状態では、このようなシート停止部材は、上部シート50の足部54上に位置した対応する穴部内に位置決めされることにより、上部シート50の操作を停止するように構成されることができ、解放状態では、シート停止部材は、シートトリガ部材102が脚部70によってトリガされる場合、穴部から取り外されるように構成されることができる。
【0283】
さらに他の場合では、シート操作防止配置は、脚部及び/またはこれに関連する構造体によって構成されることができる。一例では、シート操作防止配置は、脚部の遠位端部によって構成されることができる。
【0284】
一般に、シート組立体の上部シートが直立状態から伸長状態に操作される場合、上部シートの対応する背もたれ部は、背もたれ部が基面に対して第一後部角度に位置決めされる第一位置から、背もたれ部が第一後部角度よりも小さい第二後部角度に位置決めされる第二位置に動く。第一後部角度から第二後部角度への背もたれのこの操作は、それぞれ上部シートの直立状態及び伸長状態に関連しているが、背もたれ部の後方操作を形成すると理解されることができる。シート操作防止配置は、背もたれ部の後方操作を選択的に阻止するように構成され得る。例えば、脚部の遠位端部がシート操作防止配置を構成する場合には、脚部の遠位端部は、その格納状態では、背もたれ部の後面に接触して堅く位置決めされるため、背もたれ部の後方操作を阻止することにより、上部シートの直立状態から伸長状態への操作を防止するように構成されてもよい。
【0285】
一例では、
図6を参照すると、シート操作防止配置は、後脚部支持体76の遠位端部71を相互連結する後部バー84を含むことができる。脚部70がそれらの格納状態にある場合、後部バー84は、その直立状態にある場合、背もたれ部52の後面に対して堅く位置決めされるように構成される。このように、後部バー84は、背もたれ部52が後方に操作されるのを物理的に阻止して、上部シート50の直立状態から伸長状態への操作を防止する。前脚部支持体74の遠位端部71を相互連結する前部バー82(
図5Aに示される)も、背もたれ部52の後方操作を阻止するように構成され得ることにより、上部シート50が直立状態から伸長状態に操作されるのを防止し得ることが予想される。
図5Aに示されるように、前部バー82が前脚部支持体の遠位端部を相互連結することに加えて、前部バー80は、前脚部支持体74を脚部支持体の遠位端部と近位端部との間のその位置で相互連結する。
【0286】
本シート組立体の操作防止配置は、代替に、またはさらに、脚部操作機構の操作を防止するように構成された脚部操作防止配置を有してもよい。本例では、シート組立体10は、少なくとも上部シート50が伸長状態にある場合、脚部70の動作状態から格納状態への操作を防止するように構成された脚部操作防止配置120を有する。シート操作防止機構と同様に、脚部操作防止配置120もその状態を、脚部70の格納状態の方への操作を防止するロック状態と、脚部70の動作状態と格納状態との間での操作を可能にするロック解除状態との間で変化させるように構成される。
【0287】
場合によっては、脚部操作防止配置120はロック状態では、脚部操作機構90を停止することによって脚部70の格納状態の方への操作を防止するように構成される。特に、脚部操作防止配置120は、上部シート50がその伸長状態にある場合、脚部70の格納状態の方への操作を停止するように構成される。このように、脚部操作防止配置120は、脚部70がそれらの動作状態にある場合に脚部操作機構90を停止するように構成される。
【0288】
一般的に、脚部操作防止配置は、脚部トリガ部材及び脚部停止部材を含むことができる。脚部トリガ部材は、その直立状態にある場合、上部シートによってトリガされると、脚部停止部材を動作させるように構成され得る。トリガされた脚部トリガ部材による脚部停止部材の動作は、脚部停止部材を停止状態から解放状態に操作することにより、解放状態では、脚部停止部材は脚部を操作する操作機構の停止を解放する。場合によっては、上部シートが直立状態にある場合にのみ、上部シートは、脚部トリガ部材をトリガするように構成される。また脚部トリガ部材は、上部シートがその直立状態にある間、脚部停止部材の動作を維持するように構成されることができる。
【0289】
図4D及び
図4Eに最良に示される、本例では、脚部トリガ部材は、上部シート50に連結され、シート操作機構60の一部として構成され、上部シート50の直立状態への操作時に、脚部トリガ部材は、上部シート50を直立状態に維持するように構成される。より具体的には、脚部トリガ部材は、シートロック機構63によって、さらにより具体的には、上部シート50のガイドピン66及び下部支持体30の細長いガイドスロット41によって構成されてよい。この目的で、細長いガイドスロット41は、細長いガイドスロット41の長さを通してその内部に延在するスロット内部フレーム123をさらに含む。スロット内部フレーム123は、細長いガイドスロット41の最前縁部から、その最後縁部からの距離までの深さの差異を形成するように構成されることにより、ガイドピン66は、スロット内部フレーム123に対して位置決めされながら、細長いガイドスロット41内に部分的にのみ挿入されることができる。最後縁部では、スロット内部フレーム123は、スロット内部フレーム123よりも大きい深さを有するスロット凹部124を規定する。スロット凹部124は、その内に、細長いガイドスロット41の残りの部分よりもガイドピン66のロック可能部67Bのより大きい部分を受け入れるように構成される。
【0290】
従って、脚部トリガ部材は、ガイドピン66が細長いガイドスロット41内に挿入される深さに基づいて、上部シート50の状態を「識別」するように構成される。特に、上部シート50が、脚部操作防止配置120のロック解除状態に関連している、その直立状態にある場合、脚部トリガ部材は、スロット凹部124内に挿入され(
図4D)、この挿入は、脚部トリガ部材をトリガして脚部停止部材を動作させ、それをその解放状態に操作することにより、脚部70は、動作状態と格納状態との間で操作されることができる。これに対応して、上部シート50が、脚部操作防止配置120のロック状態に関連している、その直立状態にない場合、脚部トリガ部材は、スロット内部フレーム123に対して細長いガイドスロット41内に挿入され(例えば、
図4E)、脚部トリガ部材は、上部シート50によってトリガされず、ひいては脚部停止部材を動作させないため、脚部の伸長状態の方への操作が防止される。このように、上部シート50が直立状態にある場合、脚部操作防止配置120はそのロック解除状態にあることにより、脚部は動作状態と格納状態との間で操作可能である。上部シート50が直立状態にない場合(例えば、伸長状態にある場合)、脚部操作防止配置120はそのロック状態にあることにより、脚部の動作状態への操作が防止される。
【0291】
脚部操作防止配置120の脚部停止部材130は、脚部停止部材130が脚部操作機構90を停止する停止状態と、脚部操作機構90が脚部停止部材130の停止から解放される解放状態とを有するように構成される。脚部停止部材130は、脚部トリガ部材による動作によって状態を変化させるように構成され、脚部トリガ部材に直接か間接的にかいずれかで連結される。脚部停止部材130は、脚部操作防止配置120のロック状態に関連する停止状態と、脚部操作防止配置120のロック解除状態に関連する解放状態との間で操作可能である。停止状態では、脚部停止部材130は脚部操作機構90の操作を停止し、解放状態では、脚部停止部材130は脚部操作機構90の操作を可能にする。
【0292】
図5Bに示される、本例では、シート組立体10は、一対の脚部停止部材130を含み、それぞれがシート停止部材110と同様に設計され、1つの端部に係合部131、及びそのもう1つの端部にレバー部132を有する歯止め部によって形成される。脚部停止部材130は、上部シート50に、具体的には背もたれ部52に、そのそれぞれの中央に位置した枢軸134によって枢動して連結される。各脚部停止部材130もまた、そのレバー部132では、ガイドピン66のホルダー部67A(すなわち、脚部トリガ部材)に直接か間接的かいずれかで連結される。脚部停止部材130はホルダー部67Aに連結されることにより、ホルダー部67Aの操作(すなわち、細長いガイドスロット41に沿ってガイドピン66を摺動させることによるもの)の結果、脚部停止部材130が枢動する。
【0293】
本明細書に示されていない、いくつかの場合には、脚部停止部材130は、脚部停止部材130をその停止状態に付勢するように設計された停止ばね(図示せず)をさらに含むことができる。
【0294】
一般に、停止状態では、脚部停止部材130の係合部131は、脚部ハンドル92の少なくとも一部に当接/接触して、脚部ハンドル92が脚部操作機構90を操作するために使用されるのを防止するように設計される。本例では、脚部ハンドル内部92Bは、脚部ハンドル凹部135及び係合部131をさらに含み、この係合部は、その後端部の周りの短手方向で前方に突出する停止歯部136を含む。脚部ハンドル凹部135は、脚部停止部材130の係合部131の停止歯部136を受け入れるように形成されるため、停止歯部が脚部ハンドル凹部135の内側に受け入れられる場合、脚部停止部材130は、脚部ハンドル92、ひいては脚部操作機構90を、使用者が動作させて脚部70をその動作状態から格納状態に操作するのを停止する。
【0295】
動作中、脚部トリガ部材が上部シート50によってトリガされる場合(すなわち、上部シート50がその直立状態に操作される場合)、ガイドピン66はスロット凹部124内に(ピンホルダー64がそこに加える圧縮力によって)挿入されることにより、脚部停止部材130は脚部ハンドル凹部135から離れて第一方向内に枢動するため、脚部停止部材130はその解放状態を呈する。脚部トリガ部材がスロット凹部124から引き出され、細長いガイドスロット41に沿ってその内で摺動する場合(すなわち、上部シート50がその直立状態から操作される場合)、ホルダー部67Aはピンホルダー64から遠ざかると、脚部停止部材130は第一方向とは反対の第二方向に枢動して脚部ハンドル凹部135に入ることにより、脚部停止部材130はそのロック状態になる。これにより、脚部停止部材130は脚部ハンドル92を停止して、使用者が脚部操作機構90を動作させて脚部70を操作することを防止する。
【0296】
他の場合には(図示せず)、脚部操作防止配置120は、そのロック状態では、脚部70を停止することによって脚部70の格納状態の方への操作を防止するように構成されることができる。これらのような場合、脚部停止部材130は、その停止状態では、脚部70に当接/接触してその操作を防止するように構成されることができる。これらのような場合、脚部停止部材130は、その伸長状態では上部シート50によって、より具体的には、その背もたれ部52によって構成されることができる。
【0297】
例えば、背もたれ部は、その伸長状態では、格納状態への脚部70の操作を、その少なくとも一部がその格納状態中の位置に動くのを阻止することによって、物理的に防止することができる。この例では、背もたれ部52を使用して、一対の後脚部支持体76の後部バー84がその格納状態中の位置に到達することを防止することにより、脚部70をその動作状態に維持することが強いられる。
【0298】
本開示の主題による転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、シート組立体に側部衝撃保護を提供するように構成された1つ以上の側部保護モジュールを含むことができる。さらに特に、側部保護モジュールは、その上の衝撃エネルギーの少なくとも一部を吸収するように構成される。例として、少なくともシート組立体がその格納またはカーシート取り付けモードであり、車のサイドドアに隣接して車内に位置決めされる場合、組立体上への車のドアからの衝撃のシナリオでは、車のドアに対向する組立体の側部上に取り付けられた側部保護モジュールは、衝突エネルギーの少なくとも一部を吸収することにより、組立体に着座している乳幼児が怪我をすることを防止する。
【0299】
一般に、シート組立体は、背もたれ部及び足部を有するシートを含むことができる。いくつかの例では、シートは、下部支持体及び上部シート部によって構成されることができ、これらは、組立体10に関して本明細書で上述されるものと同様の方法で構造を有し、合わせて動作可能である。いくつかの例では、シートは、合わせて一体化して、またはユニタリで形成された下部支持体及び上部シート部によって構成されることができる。従って、以下のシートの説明は、ハンドルをシートに連結するためのハンドル取り付け領域を有し、乳幼児が内部に着座することを可能にするための上部シート部、及びシートに機械的強度を与えるための下部支持体を有する、任意のシートに適用される。
【0300】
組立体は、シートのハンドル取り付け領域でシートに枢動して連結されたハンドルを含む。この連結により、ハンドルは複数の位置の間で枢動して、少なくとも跳ね返り防止またはベビーカー状態、キャリア状態及び格納状態を取ることが可能になる。ハンドルはシート連結部を含むことができ、シート連結部では、ハンドルは、シートに連結され、ハンドル取り付け領域に対向するシート対向領域、及び反対側の外部対向領域を有する。ハンドル及びシートの連結は、複数の異なる位置の間でのハンドルの枢動を可能にする、機械的、電気的、または磁気的連結を含む、任意の適切な連結配置によるものであることができる。
【0301】
本明細書では、ハンドルがシートの両方の短手方向側部でシートに連結され、簡潔にするために、シートの1つの側部のみ、対応するハンドル取り付け領域、及びハンドルの対応する部分が本明細書に記載されており、その説明がもう1つの側部にも同様に適用されることを理解されたい。また、シート組立体は、2つの側部保護モジュールを含むことができ、1つはハンドル/シートの各側部上にあり、簡潔にするために本明細書では1つのみが説明されている。1つの側部保護モジュールの説明は、もう1つの側部保護モジュールにも当てはまる。
【0302】
側部保護モジュールは、ハンドルの外部対向領域でハンドルに選択的に取り付け可能であり、このような側部保護モジュールは、ハンドルよりも大きい程度までシートの短手方向に延出する。側部保護モジュール及びハンドルの連結は、側部保護モジュールの選択的な取り付け及び係脱を可能にしながら、側部保護モジュールがそこに連結される場合にハンドルと共に枢動可能になる、機械的、電気的、または磁気的な連結を含む、任意の適切な連結配置によるものであることができる。ハンドルがハンドル取り付け領域に枢動して連結されることにより、ハンドル取り付け領域が嵩張り、構造が複雑になり、ハンドル取り付け領域に連結されたハンドルの部分に側部保護モジュールが取り付けられ、それと共に合わせて枢動可能になるため、ハンドルが連結配置の複雑な構造を必要とすることを理解されたい。
【0303】
図7Aから
図7Hで示される本例では、転換式乳児用セーフティカーシート組立体210は、上部シート部250及び下部支持体230によって構成されたシート202を含む。本明細書では、シート組立体210が格納モードにあることが示されているが、シート組立体10に関して本明細書で上述されたものと同様の動作モードを有することができることを理解されたい。実際には、シート組立体210は、例えばモードに関連する、上述のシート組立体10の特徴の一部または全部を含むことができ、組立体10の動作モード及び格納モード、ならびに脚部70の動作状態及び格納状態の対応する説明は、組立体210及び脚部270に当てはまる。
【0304】
シート202は、2つの短手方向側部202A及び202Bを有し、それぞれが対応するハンドル取り付け領域205を有し、対応するハンドル取り付け領域には、ハンドル212が枢動して連結される。例えば、ハンドル212の各側部での2つのシート連結部213は、シート202の2つの短手方向側部202A及び202Bでハンドル取り付け領域205に連結される。シート連結部213は、ハンドル取り付け領域205に対向するシート対向領域213A、及び反対側の外部対向領域213Bを含む。
【0305】
側部保護モジュール206は、ハンドル212の対応する側部に取り付けられているように示される。ハンドル212を跳ね返り防止状態、キャリア状態、及び格納状態でそれぞれ示す
図7C、
図7D、及び
図7Eで見られるように、側部保護モジュール206はハンドル212と共に枢動可能である。
【0306】
一般に、側部保護モジュール206は、長手方向軸に沿って延在する細長い形状を有することができることにより、側部保護モジュールは、長手方向軸に沿って延在する長手方向寸法を有することができ、この長手方向寸法は、長手方向軸を横切って延在する短手方向寸法よりも長い。細長い形状は、矩形、多角形、三角形、長円形、楕円形、卵形状、滴形状などであることができる。
【0307】
側部保護モジュールは、ハンドルを少なくとも2つの部分で係合し、さらに特に、長手方向軸に沿って少なくとも部分的に延在する少なくとも2つの部分で固定して係合する。このように、側部保護モジュールは、長手方向軸に沿って少なくとも部分的に互いから離隔された第一ハンドル係合部及び第二ハンドル係合部を含み、ハンドルは、外部対向領域に、第一ハンドル係合部を係合するための対応する第一モジュール係合部、及び第二ハンドル係合部を係合するための第二モジュール係合部を含む。2つの係合のうちの少なくとも1つは、側部モジュールをハンドルに取り付けるための連結であることができ、2つの係合のうちの少なくとも1つは、側部モジュールがハンドルと共に枢動可能であるように、側部モジュールのハンドルに対する向きを固定するための向き固定であることができる。
【0308】
例えば、第一ハンドル係合部及び第二ハンドル係合部のうちの少なくとも1つと、対応する第一モジュール係合部及び第二モジュール係合部との係合は、側部保護モジュールをハンドル上に取り付けるための連結配置を構成することができる。連結配置は、第一ハンドル係合部及び第二ハンドル係合部のうちの少なくとも1つに位置決めされたハンドル連結要素と、第一モジュール係合部及び第二モジュール係合部のうちの少なくとも1つに位置決めされた対応するモジュール連結要素とを含むことができる。連結要素は、連結配置がクイックリリース機構を構成することができるように互いに係脱可能に連結されることができる。一般的に、連結配置は、側部保護モジュールをハンドルに係脱可能に連結することを可能にする、任意の適切な構造を有することができる。例えば、連結配置は、クイックリリース機構を構成する機械的、電気的、または磁気的な連結配置であることができる。
【0309】
さらに、第一及び第二ハンドル係合部のうちの少なくとも1つと、対応する第一及び第二モジュール係合部との係合は、側部保護モジュールをハンドルに取り付けることに関与するかどうかにかかわらず、側部保護モジュールのハンドルに対する向きを固定する向き固定機構を構成することができる。概して、向き固定機構は、側部保護モジュールに位置決めされた第一部分、及びハンドルに位置決めされた第二部分を含むことができる。第一部分及び第二部分は、互いにそのように係合して、それらの間の相対的な枢動を防止することができると、向きが固定されて、ハンドルと共に側部保護部が枢動することが可能になる。向き固定機構は、第一部分及び第二部分を固定して係合し、必ずしもそれらを互いに連結することなく、1つのもう1つに対する相対的な枢動を防止するのに適切な任意の構造を有することができる。いくつかの例では、向き固定機構は、連結配置によって構成されることができる。
【0310】
図7Aから
図7Hで示される本例では、側部保護モジュールは、長手方向軸LAを含む細長い形状を有する。側部保護モジュール206、及びハンドル212のシート連結部213は、それぞれハンドル係合部及びモジュール係合部を含むものとして示されている。
図7Fは、側部保護モジュール206及びシート連結部213の異なる図を示し、
図7Fの左上部分は、ハンドル212に取り付けられた側部保護モジュール206の断面図を示し、この断面図は、ハンドルの枢軸PAに対して垂直な平面に沿って取られており、見る方向V1によって表される(
図7A)、その短手方向に最外領域から側部保護モジュールに枢軸PAに沿って延在する短手方向で見られるようなものである。
図7Fの右上部分は、ハンドル212の断面図を示し、この断面図は、ハンドルの枢軸PAに対して垂直な平面に沿って取られており、見る方向V2(
図7A)によって表される、ハンドル212のシート対向領域から外部対向領域まで枢軸PAに沿って延在する短手方向で見られるようなものである。
図7Fの左下部分は、ハンドル212から係脱された側部保護モジュール206の断面図を示し、この断面図は、
図7Fの左上部分の図が取られた平面に平行な平面に沿って取られており、ハンドルに、そこに連結される場合に対向する側部保護モジュールの内面の方にさらに位置決めされており、
図7Fの左上部分と同じ方向に見られるようなものである。
図7Fの右下部分は、ハンドル212から係脱された側部保護モジュール206の断面図を示し、この断面図は、
図7Fの左下部分の図が取られる平面と同じ平面に沿って取られており、
図7Fの右上部分と同じ方向に見られるようなものである。
【0311】
図7Fに見られるように、側部保護モジュール206は、長手方向軸LAに沿って離隔されている第一ハンドル係合部206-1及び第二ハンドル係合部206-2を含み、ハンドルは、第一モジュール係合部212-1及び第二モジュール係合部212-2を含む。本例では、第一ハンドル係合部206-1及び第一モジュール係合部212-1は磁気連結機構を構成し、その1つが磁石であり、もう1つが磁石または磁気要素(必ずしも磁石ではないが、磁石に吸着される)であることができる。磁石(複数可)及び/または磁石及び磁気要素は、ハンドル連結要素及びモジュール連結要素を構成する。さらに、本例では、第二ハンドル係合部206-1及び第二モジュール係合部212-1は向き固定機構を構成し、この向き固定機構では、第二ハンドル係合部206-2は向き固定機構の第一部分を構成する凹部であり、第二モジュール係合部212-2は向き固定機構の第二部分を構成する突出部であり、この突出部は、側部保護モジュール206がハンドル212に取り付けられる場合、凹部内に受け入れられることにより、側部保護モジュール206はハンドル212に対して回転/枢動できないため、側部保護モジュール206の向きはハンドル212に対して固定される。
【0312】
一般に、側部保護モジュールは、長手方向軸に対してオフセットに位置決めされた少なくとも1つの第三ハンドル係合部を含み、ハンドルの外部対向領域は、側部保護モジュールがハンドルに取り付けられる場合、少なくとも1つの第三ハンドル係合部に係合するように構成された対応する少なくとも1つの第三モジュール係合部を含むことができる。少なくとも1つの第三ハンドル係合部と、対応する少なくとも1つの第三モジュール係合部との係合は連結配置を構成することができ、この連結配置は、少なくとも1つの第三ハンドル係合部に位置決めされたハンドル連結要素と、少なくとも1つの第三モジュール係合部に位置決めされた対応する第三モジュール連結要素とを含むことができる。連結要素は、連結配置がクイックリリース機構を構成することができるように互いに係脱可能に連結されることができる。一般的に、連結配置は、側部保護モジュールをハンドルに係脱可能に連結することを可能にする、任意の適切な構造を有することができる。例えば、連結配置は、クイックリリース機構を構成する機械的、電気的、または磁気的な連結配置であることができる。いくつかの例では、少なくとも1つの第三ハンドル係合部と、対応する第三モジュール係合部との係合は、側部保護モジュールをハンドルに取り付けることに関与するかどうかにかかわらず、側部保護モジュールのハンドルに対する向きを固定する向き固定機構を構成することができる。概して、向き固定機構は、側部保護モジュールに位置決めされた第一部分、及びハンドルに位置決めされた第二部分を含むことができる。第一部分及び第二部分は、互いにそのように係合して、それらの間の相対的な枢動を防止することができると、向きが固定されて、ハンドルと共に側部保護部が枢動することが可能になる。向き固定機構は、第一部分及び第二部分を固定して係合し、必ずしもそれらを互いに連結することなく、1つのもう1つに対する相対的な枢動を防止するのに適切な任意の構造を有することができる。
【0313】
場合によっては、側部保護モジュールは2つの第三ハンドル係合部を含むことができ、それぞれが長手方向軸のオフセットにあり、その反対側の上に位置決めされることができる。ハンドルは、1つのみの第三モジュール係合部を含むことができ、この第三モジュール係合部は、側部保護モジュールが連結されているのがハンドルのどちら側かに応じて、2つの第三ハンドル係合部のうちの1つを係合する。例えば、ハンドルの左側の第三モジュール係合部は、2つの第三ハンドル係合部のうちの1つを係合することができ、ハンドルの右側の第三モジュール係合部は、2つの第三ハンドル係合部のうちのもう1つを係合することができる。第三ハンドル係合部及びモジュール係合部の構造及び位置決めにより、シートの両側で側部保護モジュールの使用が可能になり、シートの異なる側部に異なる側部保護モジュールを製造する必要がなくなる。
【0314】
本例では、
図7Fで最もよく見られるように、側部保護モジュール206は2つの第三係合部206-3を含み、ハンドルは1つの第三モジュール係合部212-3を含む。本例では、第三ハンドル係合部206-3及び第三モジュール係合部212-3のそれぞれは磁気連結機構を構成し、その1つが磁石であり、もう1つが磁石または磁気要素(必ずしも磁石ではないが、磁石に吸着される)であることができる。磁石(複数可)及び/または磁石及び磁気要素は、ハンドル連結要素及びモジュール連結要素を構成する。第三モジュール係合部212-3は、側部保護モジュール206が連結されているのがハンドル206のどちら側(左または右)かに応じて、2つの第三ハンドル係合部206-3のうちの1つを係合する。
【0315】
一般に、側部保護モジュールは、ハンドルに選択的に取り付け可能な1つより多い部分、すなわち、少なくとも第一モジュール部分と、第一モジュール部分に選択的に取り付け可能な少なくとも第二モジュール部分とを含むことができる。側部保護モジュールは、第二モジュール部分が第一モジュール部分に取り付けられる場合、第一モジュール部分及び第二モジュール部分を互いに選択的にロックするためのロック配置を含むことができる。第一モジュール部分及び第二モジュール部分は、任意の適切な機械的、電気的、または磁気的な連結配置によって互いに連結されることができる。ロック配置は、ロック時に第二モジュール部分を第一モジュール部分から係脱するのを防止するのに適切な任意の構造を有することができる。側部保護モジュールが2つの部分で形成されることにより、例えば、車内の空間の利用可能性に応じて、シートからその短手方向の伸長を選択することが可能になる。
【0316】
本例では、
図7Gで最もよく見られるように、側部保護モジュール206は、ハンドル212に選択的に取り付け可能な第一モジュール部分206Aと、第一モジュール部分206Aに選択的に取り付け可能な第二モジュール部分206Bとを含む。側部保護モジュール206は、第二モジュール部分206Bが第一モジュール部分206Aに取り付けられる場合、第一モジュール部分206A及び第二モジュール部分206Bを互いに選択的にロックするためのロック配置207をさらに含む。本例では、ロック配置207は、そのように構造化されることで、第一及び第二モジュール部分206A及び206Bの係脱を防止するロック状態と、第一及び第二モジュール部分206A及び206Bの係脱を可能にするロック解除状態との間で、第一モジュール部分206Aに対して第二モジュール部分206Bを枢動することによって、置換可能である。
【0317】
概して、組立体は、側部保護モジュールがハンドルに取り付けられる場合、側部保護モジュールをハンドル及びシートのうちの少なくとも1つに連結するためのケーブル連結配置をさらに含むことができる。ケーブル連結配置は、側部保護モジュールに連結可能な第一端部、ならびにハンドル及びシートのうちの少なくとも1つに連結可能な第二端部を有するケーブルを含むことができる。いくつかの例では、第二端部は、ハンドルまたはシートの代わりに脚部に連結されることができる。ケーブル連結配置は、側部保護モジュールがその上での不意な衝撃の場合に飛び散るのを防止する。例えば、クイックリリース機構が衝撃に耐えることができず、側部保護モジュールがハンドルから係脱される場合、側部保護モジュールは、飛び散らず、代わりにケーブル連結配置によりハンドルまたはシートから懸吊される。本例では、ケーブル連結配置208は、ケーブル208Aがその1つの端部で側部保護モジュール206に連結され、もう1つの端部でハンドル212に連結されるものとして、
図7Hで最もよくわかる。
【0318】
概して、組立体は、車輪を備えた遠位端部と、シートにその脚部取り付け領域で連結された反対側の近位端部とを有する脚部をさらに含むことができる。脚部取り付け領域は、上部シートまたは下部支持体の一部を構成することができ、シートの左右両側の上に位置決めされる。脚部は、前脚部対、及び後脚部対を構成し、前脚部対及び後脚部対のうちの少なくとも1つは脚部取り付け領域でシートに連結されることができる。脚部取り付け領域は、組立体の側面図では、ハンドルに取り付けられる場合、ハンドル取り付け領域と、そして任意選択で側部保護モジュールと、少なくとも部分的に重複することができる。例えば、ハンドルの枢軸に対して平行な短手方向軸は、ハンドルに取り付けられる場合、ハンドル取り付け領域の少なくとも一部及び脚部取り付け領域の少なくとも一部を通過し、任意選択で側部保護モジュールの少なくとも一部を通過する。
【0319】
ハンドル取り付け領域及び脚部取り付け領域のこの重複により、側部保護モジュールが取り付けられる領域に厚い材料層が設けられることで、側部の衝撃からの保護が増強される。1つの領域に脚部だけでなくハンドルも取り付けられ、両方が独立して枢動可能であることにより、その領域が嵩張り、構造が複雑になり、厚い材料層(短手方向で厚い)を有することを理解されたい。さらに、ハンドル取り付け領域に連結されたハンドルの部分に側部保護モジュールを取り付けることにより、その領域がさらにより嵩張り、より厚い材料層を有することで、側部衝撃の場合にその領域のエネルギー吸収能力が高まる。
【0320】
側部保護モジュール206に加えて、車輪も追加の側部保護モジュールを構成することができる。例えば、脚部が格納状態にある場合、車輪はシートの短手方向側部の上に位置決めされることによって、後輪及び前輪のうちの少なくとも1つの車輪は、シートの短手方向の両側部の上に、追加の側部保護モジュールを構成することが可能になる。
【0321】
本例では、脚部270は、車輪286を備えた遠位端部271と、脚部取り付け領域242(
図13Aに最もよく見える)に連結された近位端部272とを有し、そのうちの1つのみが
図7Aから
図7Eに見える。脚部取り付け領域242は、組立体の側面図(
図7Cから
図7E)でハンドル取り付け領域205と重複する。換言すれば、組立体の側面図では、脚部取り付け領域242及びハンドル取り付け領域205のうちの1つは、脚部取り付け領域242及びハンドル取り付け領域205のうちのもう1つの視界を少なくとも部分的に遮断する。
【0322】
本例では、脚部の格納状態(
図7Aから
図7E)では、前脚部270Aの前輪286Aは、シート202の同じ側の上で後脚部270Bの後輪286Bよりも大きくシート202から側方に突出し、追加の側部保護モジュールを構成する。いくつかの例では、後輪は、シートから、シートの同じ側の上で前輪よりも大きく側方に突出し、追加の側部保護モジュールを構成する場合がある。
【0323】
動作状態と格納状態との間での脚部の枢動は、組立体10の脚部70に関して本明細書に上述されており、その説明も脚部270に適用される。例えば、脚部270は、脚部70と同様の方法で、動作状態から格納状態に操作されると、格納状態では、遠位端部271がシート202の足部254よりも背もたれ部252のより近くに位置決めされるように、シートの背もたれ部252に向かい後方に枢動可能である。
【0324】
本開示の主題による転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、布製カバー及びキャノピーの両方が独立してその背もたれ部にジッパーで付けられることを可能にするジッパー配置を有することができる。実際には、ジッパー配置は、係脱可能に連結可能な布製カバー及びキャノピーを含む任意の乳児用シートと共に使用されることができるため、以下の説明は、プラスチックから作製されたシェルを含む背もたれ部を有し、シェルの内側を少なくとも部分的に覆うように布製カバーを適用することができる外側部及び内側部を有するような任意のシートに適用可能であるとみなされるべきである。シートのプラスチック製シェルは、1つの後壁部及び2つの側壁部を含むことができ、これら3つの壁部のそれぞれは、対応する内面及び外面を有し、内面及び外面はそれぞれの上縁部で結合する。後壁部及び側壁部のそれぞれの上縁部は、合わせて、シェルの連続した上縁部を形成するように結合する。言い換えれば、シェルの連続した上縁部は、それぞれの後壁部及び側壁部の上縁部によって規定される。
【0325】
ジッパー配置は、2つのジッパーを含むことができ、それぞれが分離ジッパータイプのものである。ジッパー配置は、カバージッパー及びキャノピージッパーを含むことができ、それぞれが、例えばシェル上縁部の少なくとも一部に沿って隣接し、シェルに縫い付けられたシェルジッパー半体と、マッチングジッパー半体とを有し、カバージッパーのマッチングジッパー半体が布製カバーに縫い付けられ、キャノピージッパーのマッチングジッパー半体がキャノピーに縫い付けられることができる。このように、布製カバー及びキャノピーは両方ともジッパーで付けられることができ、シェルジッパー半体のそれぞれのものへのそれらのジッパー部分はシェルに縫い付けられる。
【0326】
キャノピー及びカバージッパーのそれぞれの2つの半体のそれぞれは、ジッパー歯部を備えた歯付き部と、そのような歯の無い基部とを含み、これら基部を使用して、歯付き部がフラップ可能なままでありながら、ジッパー半体をシェルまたはカバー/キャノピーに縫い付ける。カバー及びキャノピージッパーのそれぞれのシェルジッパー半体は、少なくとも1つの縫い目によって、その基部でシェルに縫い付けられる。これにより、カバー及びキャノピージッパーのシェル半体の歯付き部は、互いから独立してフラップ可能になるため、カバー及びキャノピーを取り付ける場合に離隔されることができる。
【0327】
キャノピージッパーのシェルジッパー半体の基部は、シェル外面と、カバージッパーのシェルジッパー半体、例えば、カバージッパーの基部との間に少なくとも部分的に位置していることができる。任意選択で、2つのジッパーのシェルジッパー半体は、シェルに合わせて、すなわち、少なくとも1つの共通の縫い目によって、縫い付けられることができる。
【0328】
2つのジッパーのシェル半体の歯付き部の歯部は、シェル上縁部から概ね同じまたは異なる距離まで離隔されることができる。後者の場合、カバージッパーのシェルジッパー半体の歯部は、シェルの上縁部からキャノピージッパーの上縁部よりも大きい距離まで離隔されることができる。いずれの場合も、2つのジッパーのシェル半体の歯部は、互いに対して、そしてシェル上縁部に対して概して平行であることができる。
【0329】
場合によっては、2つのジッパーは、反対方向で締結されるように構成されることができ、例えば、キャノピージッパーは、シェルの第一側壁部からシェルの第二側壁部の方に締結されるように構成され、カバージッパーは、シェルの第二側壁部から第一側壁部の方に締結されるように構成されることができる。各ジッパーが異なる方向から締結される、このような配置は、例えばキャノピーまたはカバーを連結すると、または取り外すと、使用を容易にし得る。
【0330】
場合によっては、ジッパーの長さは異なる。キャノピージッパーは、カバージッパーよりも短い長さまで延出してもよく、カバージッパーは、シェルの2つの側壁部に沿ってさらに延在し得る。任意選択で、キャノピージッパーは、締結時に、締結されたカバージッパーより上で少なくとも部分的に層状になるため、キャノピーがシートに連結される場合、キャノピージッパーのみがシートの外部から見える。キャノピーが連結される場合、少なくともその長さの一部に沿ってカバージッパーにアクセスできない。これにより、シートからのカバーの意図しない取り外しの尤度が低下し得、またキャノピーを取り外す前のカバーの取り外しを防止し得る。
【0331】
カバージッパーは、さらに延在することなく(例えば、カバージッパーは足部まで延在しない)、シートの背もたれ部に位置していることができる。これは、ジッパーが同様に足部まで延在する場合に必要とされる距離よりも短い距離に沿って、カバージッパーがシェルに縫い付けられるという点で、潜在的な製造上の利点を提供する可能性がある。
【0332】
図8A、
図8B及び
図9を参照すると、シート組立体210の示される例では、上部シート250は、背もたれ部252を含み、この背もたれ部は、プラスチック製のシェル255を含み、このシェルに布製カバー223は取り外し可能に適用可能である。背もたれ部252のプラスチック製シェル255は、概ね連続した輪郭に形成されたシェル255の本体を画定するように一体化して形成される、概して3つの壁部、すなわち、1つの後壁部213及び2つの対向する側壁部204A、204Bを含む。後壁部213及び側壁部204のそれぞれは、対応する内面及び外面を有し、これら表面はそれぞれ結合して、それぞれの壁部204A、204B、213の連続した外縁部または上縁部204’、213’を規定する。それぞれの壁部204A、204B、213の上縁部204’、213’は、合わせて1つになり、シェル255の概ね連続した最外上縁部を形成する。
【0333】
図9は、キャノピー150(図示せず)及び布製カバー223がシェル255の上縁部に沿って独立してジッパーで付けられることができる、ジッパー配置200の一部を備えたシェル255の一部を示す。上縁部(図示せず)は、第一側壁部204Aに沿って、後壁部213の頂部まで延在し、次いで反対側の側壁部204Bを下る。ジッパー配置200は、その上縁部に並んで延在し、それに隣接して、または少なくともその実質的な部分に沿って延在するように、シェル255に縫い付けられる。
【0334】
図示の例では、ジッパー配置200の一部が示される。第一ジッパーの1つの半体200Aは、キャノピー150に縫い付けられた第一ジッパー(図示せず)の対応する半体と合致するように構成され、第二ジッパーの1つの半体200Cは、布製カバー223に縫い付けられる第二ジッパーの対応する半体200Dと合致するように構成される。ジッパー配置200のこれら2つの半体200A、200Cは、上部シート250に縫い付けられ、それぞれキャノピー150及び布製カバー223にジッパー連結部を設けるように構成されることから、「シェルジッパー半体」200A、200Cと呼ばれてもよい。
【0335】
カバージッパーは、部分的に締結された状態で示されることにより、ジッパーの引手290より上に構成された一部では、半体200C及び半体200Dは、それらの歯部が噛み合った状態で、合わせてジッパーで付けられる。引手より下では、2つの半体は互いから分離している。
【0336】
キャノピージッパーの場合、カバージッパーよりも短い距離(側壁部204Aに沿ったより短い距離など)まで延在する、ジッパーのシェル半体200Aのみが示される。キャノピージッパーの引手292は、ジッパーのスタータボックス294が位置しているジッパー歯部の始点に示される。
【0337】
キャノピー150に合致するように構成されるジッパー半体200Aは、ジッパー半体200Aがシェル255の上縁部に対して直接隣接して平行である長さ及び経路に沿って延在するように、シェル255の上縁部の最も近くに縫い付けられることができる。
【0338】
布製カバー223に合致するように構成されるジッパー半体200Cは、シェルジッパー半体200Aから内向きに離隔されることができる。
【0339】
ジッパー配置の例示的な構成では、シェルに縫い付けられる第一及び第二ジッパーの両方の半体は、それら自体を合わせて、縫い付けられ得る。
図9では、カバーのシェルジッパー半体200C、及びキャノピーのシェルジッパー半体200Aは、シェルジッパー半体200A、200Cがそれらの長さに沿って互いに概して隣接しているように、概して連続した布製ストリップを介して合わせて縫い付けられる。このような構成では、これらのシェルジッパー半体200A、200Cのそれぞれは、それらの長さに沿って互いから離隔されることにより、互いに対して、そして上部シート250のシェル255の上縁部に対して概して平行なそれぞれの経路に沿って移動する。布製カバー223にジッパーを付けるシェルジッパー半体200Cは、キャノピー150にジッパーを付けるシェルジッパー半体200Aから内向きに離隔される。
【0340】
シェルジッパー半体の長さが異なってよい。例えば、シェルジッパー半体は、シートの上縁部に沿って同じ範囲まで延在する必要はない。例えば、カバーのジッパー半体と合致するように構成されるシェルジッパー半体は、シェルの上縁部に沿って第一範囲まで延在してよく、この範囲は、上縁部の実質的な長さまたは全長であってもよい。一方、キャノピーのジッパー半体と合致するように構成されるシェルジッパー半体は、シェルの上縁部に沿って第二範囲まで延在してよく、第一範囲は第二範囲よりも大きい。言い換えれば、キャノピーにジッパーで付けられるように構成されるジッパー半体は、布製シートカバーにジッパーで付けられるように構成されるジッパー半体よりも長さが短くてもよい。ジッパー長さにおけるこの差異は、布製カバー及びキャノピーのサイズ及び配置に対応する。
【0341】
再び
図9を参照すると、上部シート250の内側は、そこに適用された布製カバー223によって実質的に覆われるように構成される。このように、上部シート250に縫い付けられ、布製カバー223にジッパーを付けるように構成されるシェルジッパー半体200Cは、シェル255の上縁部全体の実質的に周囲に延在するように構成されることにより、布製カバー223は、上部シート250の内側を覆うようにシェルジッパー半体200Cの全長に沿ってジッパーで付けられることができる。
【0342】
日光及び/または雨からの保護を提供するように構成されるキャノピー(図示せず)150は、上部シート250の上部領域から概して外向きに延出することにより、上部シート250内の乳幼児の身体の少なくとも一部でないとしても、少なくとも頭の上に延出して遮蔽するように配置されてよい。このように、
図9を参照すると、キャノピー150にジッパーを付けるシェルジッパー半体200Aは、シェル255の側壁部204の上縁部204’に沿ってわずかに高い位置から始まる。比較すると、布製カバー223にジッパーを付けるシェルジッパー半体200Cは、シェル255の側壁部204の上縁部204’の実質的に最下部領域から始まる。言い換えれば、キャノピー150にジッパーを付けるように構成されるシェルジッパー半体200Aは、後壁部213の上縁部213’に沿って、各側壁部204のそれぞれの上縁部204’の下に延在する。少なくとも、キャノピーのジッパー半体に連結するシェルジッパー半体200Aは、布製カバー223にジッパーを付けるように構成されるシェルジッパー半体200Cほど側壁部204の上縁部204’の下に延在しない。このように、キャノピー150にジッパーで付けられるように構成されるシェルジッパー半体200Aは、シェル255の上縁部に直接隣接しているように、シェル255に縫い付けられる。一方、布製カバー223にジッパーで付けられるように構成されるシェルジッパー半体200Cは、シェルジッパー半体200Aからその長さに沿って内向きに離隔されるようにシェルジッパー半体200Aに縫い付けられることにより、ジッパー半体200Cは、シェルジッパー半体200Aに直接隣接しており、そこから内向きに離隔される長さに沿って延在する。
【0343】
ジッパー配置のカバージッパー及びキャノピージッパーは、それらの締結が反対の方向になるように構成される。示される例では、キャノピージッパーの引手は、閉じたキャノピージッパーを開けるために、側壁部204Aから始まり側壁部204B(この図には示されていない)の方に引かれるように構成され、カバージッパーの引手は、閉じたカバージッパーを開けるために、側壁部204Bから側壁部204Aの方に、反対方向で引かれるように構成される。従って、キャノピージッパーの開始ボックスは側壁部204Aでキャノピージッパー歯部の始点に構成され、カバージッパーの開始ボックスは側壁部204Bでカバージッパー歯部の始点に構成される。
【0344】
ジッパー配置は、
図10にさらに示される。キャノピージッパーのシェルジッパー半体200Aは、シェル255の最外上縁部に沿って少なくとも部分的に延在する。カバージッパーのシェルジッパー半体200Cは、シェルジッパー半体200Aに平行で、そこから内向きに離隔され、側壁部に沿ってより長い距離に延在する(側壁部204Aは本明細書に示されている)。
【0345】
シェルジッパー半体200A、200Cは、プラスチック製シェル255に縫い付けられる。各ジッパー半体は、概して、フラップ可能な歯部300、及びジッパー半体をシェルに取り付ける基部(見えない)からなる。
図10では、縫い目302は、ジッパー半体のフラップ可能な部分の下で、シェルの最外上縁部に対して平行に延在するように示される。(本例では、シェルハーフジッパー200Aのフラップ可能な部分は縫い目を中心に部分的に折り返されることにより、縫い目は折り返されたフラップ可能な部分の上下に見える。)
【0346】
任意選択で、シェルジッパー半体の基部は、バインディング、例えば、布製バインディングによって少なくとも部分的に合わせて付けられる。いくつかの実施形態では、合わせて付けられたシェルジッパー半体及びそれらのバインディングの配置は、その上縁部に隣接するシェルに沿って形成されている、指定された凹部、例えば段付き凹部内に嵌め込まれる。このような構造では、バインディングは、シェルの外面より上に突出しないように、シェル上縁部とアライメントされることができる。シェルジッパー半体と共にバインディングは、少なくとも1つの共通の縫い目によってシェルに連結されることができる。凹部内に配置されたバインディングを有することは、プラスチック製シェルにバインディングを取り付ける縫い目が(段付き凹部によって画定される)比較的薄いプラスチック層を通して作られるという点でさらに有利であり得る。
【0347】
本例では、上記の構造は、ジッパー配置の一部を含む、背もたれ部の長さに沿った断面図を示す、
図10に示される。キャノピージッパーのシェルジッパー半体200A及びカバージッパーのシェルジッパー半体200Cが示される。シェルジッパー半体のそれぞれは、フラップ可能な歯部300(それぞれの単一歯部のみがこの断面図に示される)及び基部304を含む。両方の基部は、バインディング306(例えば、布製バインディング、リボンまたはテープ)によって合わせて付けられる。任意選択で、基部は互いに交止される。
【0348】
シェルジッパー半体をバインディングで合わせて付けられる配置は、シェル255のプラスチック材料で形成された指定の段付き凹部308内に嵌め込まれることにより、この配置は、シェルの表面を越えて突出しないため、滑らかな外側輪郭が規定される。凹部308は、シェルの最外上縁部の長さに沿って延在してよい。
【0349】
シェルジッパー半体をバインディングで合わせて付けられる配置は、
図11に示されない、1つ以上の縫い目によってシェルのプラスチック材料に縫い付けられる。示されるような段付き凹部308は、1つ以上の縫い目などによって、ジッパー配置が(バインディングと共に)シェルに縫い付けられる第一壁部309と、シェルの外側の背面に対向する表面に対して凹部の深さを設定する高さを規定する、第一壁部に対して直角な第二壁部311とを含む。シェルジッパー半体を含むバインディングの厚さは、凹部によって規定される深さと同様であってもよく、またはそれより小さくてもよいことにより、バインディングは、シェル表面から外向きに突出しない。さらに、シェルの厚さが凹部の第一壁部に沿って減少することから、その壁部でジッパー配置をシェルのプラスチック材料に縫い付けることが容易になり得る。
【0350】
図11に戻ると、この例では、縫い目302は2つの縫い目で構成され、第一内側縫い目は、バインディングと、シェルジッパー半体の基部とを合わせて保持し、第二外側縫い目は、シェルジッパー半体をバインディングで合わせて付けられた配置を、凹部でシェルのプラスチック材料に保持する。
【0351】
本開示の主題による転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、格納モード中に外部支持面上に位置決めされる場合、その上で中立位置と、前傾斜位置及び後傾斜位置のうちの少なくとも1つとの間で揺動可能であることができる。
【0352】
概して、組立体は、中立位置では、外部支持面に接触するように動作可能な1つ以上の最下部領域を有することができ、この外部支持面は、プラットフォーム、地面、床、またはその上での組立体の位置決め及び揺動を可能にする他の任意の適切な表面であることができる。組立体は、その揺動によって前傾斜位置及び後傾斜位置のうちの対応する1つに組立体を傾ける場合、外部支持面に接触するように動作可能である、前部領域及び後部領域のうちの少なくとも1つをさらに有することができる。例えば、前部領域及び/または後部領域は、組立体が中立位置にある場合に外部支持面より上に位置決めされることができ、組立体がその前傾斜位置及び/または後傾斜位置に傾く場合(または換言すれば揺動する場合)に外部支持面に接触することができる。外部支持面は、組立体が中立位置にある場合に組立体の1つ以上の最下部領域を含み、組立体が対応する傾斜位置にある場合に前部領域及び/または後部領域を含む、基準面によって概して仮想で表されることができる。
【0353】
場合によっては、1つ以上の最下部領域は、組立体が中立位置にある場合にシート最下部領域、すなわち、下部支持体の最下部領域と、組立体が中立位置にある場合に脚部最下部領域(脚部の最下部領域)であることができる、組立体の脚部の第一領域とのうちの少なくとも1つを含むことができる。例えば、組立体が中立位置にある場合、下部支持体の最下部領域及び脚部の最下部領域のいずれか一方または両方は、組立体の1つ以上の最下部領域を構成することができる。いずれの場合も、支持体の最下部領域、すなわち、シート最下部領域は、中立位置では、基準面と合致するかどうかにかかわらず、基準面に最も近い。換言すれば、組立体の1つ以上の最下部領域がシート最下部領域を有しない場合、シート最下部領域は、基準面に最も近く位置決めされる下部支持体の領域である。
【0354】
場合によっては、組立体の前部領域及び/または後部領域は(前脚部対及び後脚部対のうちの)少なくとも1対の脚部の少なくとも1つの第二領域によって構成されることができ、中立状態では、外部支持面より上に位置決めされることができ、前傾斜位置及び/または後傾斜位置では、例えば脚部の湾曲形状によって、外部支持面に接触するように動作可能であることができる。例えば、脚部の第二領域(複数可)は、さらに下部支持体の対応する前部及び/または下部支持体の後部よりも前方向及び/または後方向内に延在することができることにより、下部支持体のみがその湾曲底部による揺動に関与する場合の揺動範囲であるものに比べて、組立体の揺動範囲が増大することができる。揺動範囲は、中立位置と傾斜位置との間の揺動の全サイクル中にその結果として組立体が揺動する場合に外部支持面に接触する組立体の総面積または総湾曲長さによって規定されることができる。
【0355】
従って、少なくとも組立体の側面図で見られるように、第二領域(複数可)と、組立体の最下部領域(複数可)を構成するどのような領域も、合わせて、連続した湾曲形状を構成する。例えば、シート最下部領域が組立体の最下部領域を部分または全体的に構成する場合には、シート最下部領域及び脚部の第二領域(複数可)は、組立体の側面図で連続した湾曲形状を構成する。
【0356】
実際には、脚部の第二領域(複数可)は、第二領域(複数可)のそれぞれの上に揺動関与部を有することができる。揺動関与部は、脚部の部分であることができ、この部分の少なくとも一部は、組立体の揺動に関与する、または言い換えれば、少なくとも揺動の何らかの段階で外部支持面に接触する。
【0357】
また第二領域(複数可)を有する脚部は少なくとも1つの第三領域を有することができ、この少なくとも1つの第三領域は、第一及び第二領域(複数可)から離隔され、そこでの組立体の揺動のどの段階でも外部支持面に接触し得ない、脚部のこれらの領域を構成することができる。実際には、組立体の揺動のどの段階でも外部支持面に接触し得ない第三領域(複数可)は、脚部の大部分を含み得る。揺動関与部(複数可)は、第二領域(複数可)(または少なくとも揺動関与部(複数可))が第三領域(複数可)を作製する材料から作製される場合に有する揺動特性と比べて、第二領域(複数可)の少なくとも1つの揺動特性を改善する材料から作製されることができる。例えば、少なくとも第三領域(複数可)が組立体の揺動のどの段階でも外部支持面に接触し得ないことから、第三領域(複数可)は、いかなる揺動特性も改善する必要のない材料から作製されることができる。揺動特性は、概して、組立体に位置決めされた乳幼児に滑らかで快適な体験を与えることに関与する特性であることができる。
【0358】
場合によっては、揺動特性は、揺動関与部が摩擦増大部を構成するようなより高い摩擦能力であることができる。揺動中に外部支持面に接触する領域での摩擦増大部は、揺動の制御、例えば、揺動の速度、揺動の程度(範囲)、及び外部支持面上での組立体の意図しない摺動に対する防止を提供することにより、乳幼児に安全で快適な揺動体験を提供する。摩擦増大部が作製される材料は、少なくとも1つの第三領域よりも高い摩擦能力を有する材料、または揺動中に外部支持面と接触の無いままである領域を有することができる。本明細書では、本説明の目的上、任意の2つの材料の摩擦能力の間の比較が、例えば同じ外部支持面に関して、摩擦能力に影響する可能性のあるすべてのそれらの条件が同じである際に行われるとみなされることを理解されたい。例えば、摩擦増大部を作製する材料の摩擦能力が他のどの材料よりも高いということは、摩擦増大部を作製する材料の摩擦能力が、同じ状況、物性、及び環境下で、同じ外部支持面に対して測定される場合、その他の材料よりも高いことを意味する。言い換えれば、摩擦増大部の材料により、第三領域(複数可)(または外部支持面と接触していない脚部の他の領域)と外部支持面との間に存在する摩擦よりも、摩擦増大部と外部支持面との間の摩擦が大きくなりやすい。
【0359】
場合によっては、揺動特性は、揺動関与部が軟質接触部を構成するような柔らかさであることができる。揺動中に外部支持面に接触する領域での軟質接触部により、そこでの接触が柔らかくなるため、例えば、組立体がその傾斜位置に近づく場合に揺動が減衰することにより、揺動が滑らかになり、制御される。本明細書では、摩擦増大部を作製する材料が上述の両方の揺動特性を向上させるようなものであることができる、つまり、軟質接触部としても機能する摩擦増大部を設けることを理解されたい。
【0360】
実際には、全ての領域、例えば、1つ以上の最下部領域は、下部支持体及び脚部のいずれか一方または両方によって構成されるかどうかにかかわらず、第二領域(複数可)に関して上述のものと同様の揺動関与部を有することができ、第二領域(複数可)に関して上述の揺動関与部の全ての説明は、組立体の1つ以上の最下部領域の揺動関与部に適用される。例えば、組立体の1つ以上の最下部領域の揺動関与部は、組立体の少なくとも1つの他の領域の材料(揺動中に外部支持面と接触しておらず、下部支持体及び脚部のうちの少なくとも1つの大部分を構成し得る)以外の材料から作製されることができ、また揺動関与部が他の領域を作製する材料から作製された場合に有する揺動特性と比較して、少なくとも1つの揺動特性を向上させるようなものであることができる。揺動特性は、第二領域(複数可)に関して上述のものと同じ方法で揺動関与部が摩擦増大部を構成するようなより高い摩擦能力と、第二領域(複数可)に関して上述のものと同じ方法で揺動関与部が軟質接触部を構成するような柔らかさとのうちの少なくとも1つである。1つ以上の最下部領域の揺動関与部の材料は、第二領域(複数可)の揺動関与部の材料と同じであること、または異なることができる。
【0361】
場合によっては、外部支持面からの接触がないままである領域の材料は、プラスチック、アルミニウム、または任意の他の金属/合金もしくは組立体に強度を与えるのに十分に硬く、組立体を人間が運搬するのに十分に軽い任意の他の材料を含む。外部支持面に接触する領域(揺動関与部)の材料は、より軟質の材料、例えば、上述の揺動特性を与えるのに適したゴムまたは任意の他の材料を含むことができる。揺動特性に加えて、揺動関与部の材料は、例えば摩耗及び引裂による、脚部及び/または下部支持体への機械的損傷、及び例えば外部支持面がマットまたはその他の軟質上部層を含む場合、外部支持面への機械的損傷だけでなく、組立体が車のシートの上に位置決めされる場合、車のシートへの機械的損傷に対する抵抗/防止を与える。
【0362】
ロッカとしての組立体の動作中、すなわち、組立体がその格納モード及び中立位置で外部支持面上に位置決めされる場合、1つ以上の最下部領域は(基準面と合致する)外部支持面に接触する。組立体がその傾斜位置に向かい揺動する(傾斜する/傾く)場合、最初に1つ以上の最下部領域が(それらの湾曲形状により)揺動に関与する。第二領域(複数可)が外部支持面と、脚部の湾曲形状により接触するようになると、組立体のその傾斜位置の方へのさらなる傾きを可能にすることにより、1つ以上の最下部領域のみが関与した場合の揺動範囲であるものと比較して、揺動範囲が増大する。脚部の車輪は、傾斜位置での組立体の揺動を制限することにより、揺動の範囲及び程度を制限するためのストッパを構成する。いくつかの例では、車輪は脚部から係脱可能であり、それらのような例では、脚部の遠位端部はストッパとして機能する。遠位端部の直径は、車輪の直径より小さくなることができるので、車輪が係脱される場合、揺動範囲はさらに増大することができる。
【0363】
図12Aから
図12Eに示された本例では、転換式乳児用セーフティカーシート組立体210はその格納モード(少なくとも
図1Aに組立体10が示されているモードと同様のもの)で示されており、動作モード(少なくとも
図1Bから
図1Dに組立体10が示されているモード(複数可)と同様のもの)を有することができる。組立体210は、水平方向基準面234(本明細書では「基面」、「基準面」、及び「水平方向基面」とも称され、これらすべての用語は互換的に使用される)を有し、
図12Aから
図12Dでは、外部支持面234を表し、外部支持面234上の中立位置(
図12A及び
図12Dに示される)と、後傾斜位置(
図12B及び
図12Cに示される)との間で揺動可能である。下部支持体230は、図示の例では組立体210の1つ以上の最下部領域のうちの1つを構成する、シート最下部領域232を有する湾曲底部233を含む。例えば、
図12A及び
図12Dから分かるように、中立位置では、基準面234はシート最下部領域232を含む。下部支持体230は、後部238及び前部239をさらに含み、これらの間に湾曲底部233は、延在し、組立体210の揺動を少なくとも部分的に容易にする。
【0364】
上部シート250は、下部支持体230の後部238に関連する後部背もたれ部252、及び下部支持体230の前部239に関連する前部足部254を含む。乳幼児は、彼/彼女の足が前部足部254の方に、そして背中が後部背もたれ部252の方に位置決めされている状態で、上部シート250内に着座することができる。
【0365】
組立体210は脚部270をさらに含み、これら脚部は、車輪278を備えた遠位端部271であって、これら車輪が遠位端部に係脱可能に、または固定して連結されることができる、遠位端部と、下部支持体30に枢動して関節部で連結される近位端部272とを有する。脚部270は、車輪を備えた各脚部の少なくとも一部が基準面234より上に位置している(
図12Aから
図12Dに示されるように)、組立体の格納モードに少なくとも関連する格納状態と、例えば組立体10の脚部70に関して本明細書で上述されるような方法での車輪の構成によってシート組立体が転動することを可能にするように、車輪を備えた各脚部の少なくとも一部が基準面234より下に位置している、組立体の動作モードに少なくとも関連する動作状態との間で操作可能である。
【0366】
脚部270は、一対の前脚部270A及び一対の後脚部270Bを構成し、このうち図示の例では、前脚部270Aは、本明細書の以下で説明されるように、湾曲形状を有し、組立体の揺動に関与する。いくつかの例では、後脚部もまた、前脚部に加えて、またはその代替に、揺動に関与するように形成されることができることを理解されたい。
【0367】
本例では、前脚部270Aは、図示の例では、組立体の1つ以上の最下部領域のうちの別の1つも構成する、脚部最下部領域273でもある第一領域273を有する。例えば、
図12A及び
図12Dから分かるように、中立位置では、脚部最下部領域273は、基準面234より上に位置決めされ、そのうえ基準面と合致する。いくつかの例では、第一領域は脚部最下部領域を構成しなくてもよく、または脚部最下部領域を構成してもよいが、組立体の1つ以上の最下部領域を構成しなくてもよい。例えば、第一領域は、基準面234より上に位置していてもよく、その基準面と合致しなくてもよい。
【0368】
本例では、前脚部270Aは第二領域275を有し、この第二領域もまた、組立体210の後部領域275を構成するため、組立体の揺動に関与する。例えば、
図12B及び
図12Cから分かるように、後傾斜位置では、第二領域275は基準面234と合致する、すなわち、外部支持面234に、その上に組立体が位置決めされて後傾斜位置にある場合、接触するように動作可能である。第二領域275は、後方向RD、すなわち、下部支持体230の後部238にさらに延在し、図示の例では、組立体210の側面図に、シート最下部領域232及び前脚部270Aの第一領域273を含む、組立体の1つ以上の最下部領域と共に連続した湾曲形状を構成する(
図12Eに最もよく見える)。図示の例では、第一領域273も組立体の揺動に関与するため、第二領域275は第一領域273に隣接しており、そこと部分的に重複する場合さえある。いくつかの例では、第一領域及び第二領域は離隔されてよい。
【0369】
本例では、前脚部270Aは、第一領域273だけでなく第二領域275から離隔された第三領域277を有する。本明細書では、図示の例に第三領域277が基準面234とは反対側を向いているように示されているが、一部の例では、基準面234に向いていることができ、揺動中に外部支持面に接触しない脚部の一部に、例えば車輪が存在するため外部支持面に接触し得ない脚部の遠位端部に、またはそれに隣接して、位置決めされることができることを理解されたい。実際には、脚部のこれらのようないずれかの領域は、組立体の揺動中に外部支持面に接触しない第三領域を構成することができる。
【0370】
前脚部270Aは、第三領域277を作製する材料でもあることができる、第一材料から作製されることができる。実際には、第三領域277は、前脚部270Aの大部分を構成することができる。第二領域275は、第一材料以外の第二材料から作製された揺動関与部275Aを有する。第二材料は、揺動関与部275Aが第一材料から作製された場合に有する揺動特性に比べて、揺動関与部275Aの少なくとも1つの揺動特性を改善するようなものである。例えば、第二材料は、第一材料と比較してより高い摩擦能力を有することができる、及び/または第一材料よりも柔らかくなることができる。従って、揺動関与部275Aは、摩擦増大部及び/または軟質接触部を構成することができる。
【0371】
下部支持体230は、シート最下部領域232から離隔されたもう1つの領域240を含む。本明細書では、図示の例にもう1つの領域240が基準面234の方に向いていないことが示されているが、一部の例では、基準面234に向いていることができ、揺動中に外部支持面に接触しない下部支持体の一部に、例えば湾曲底部233に、例えばシート最下部領域232が湾曲底部233の他の部分に対して基準面の方に突出するように形成されることから、外部支持面に接触し得ない一部に、位置決めされることができることを理解されたい。湾曲底部のこれらのような他の部分は、もう1つの領域を構成してもよい。もう1つの領域240は、少なくともこれらの領域が両方とも外部支持面とそこでの組立体の揺動中に接触していない脚部及び下部支持体のそれらの領域を表すことから、第三領域277と共に考慮されることができる。従って、もう1つの領域240は、脚部270A及び下部支持体240の大部分を構成し得る。
【0372】
下部支持体230は、もう1つの領域240を作製する材料でもあることができる、第三材料から作製されることができる。シート最下部領域232は、第三材料以外の第四材料から作製された揺動関与部232Aを有する。第四材料は、揺動関与部232Aが第三材料から作製された場合に有する揺動特性に比べて、揺動関与部232Aの少なくとも1つの揺動特性を改善するようなものである。例えば、第四材料は、第三材料と比較してより高い摩擦能力を有することができる、及び/または第三材料よりも柔らかくなることができる。従って、揺動関与部232Aは、摩擦増大部及び/または軟質接触部を構成することができる。
【0373】
本例では、前脚部270Aの第一領域273も組立体210の1つ以上の最下部領域を構成し、その揺動に関与するため、第一領域は、第一及び第三材料以外の第五材料から作製される、揺動関与部273Aも有する。第五材料は、揺動関与部273Aが第一または第三材料から作製された場合に有する揺動特性に比べて、揺動関与部273Aの少なくとも1つの揺動特性を改善するようなものである。例えば、第五材料は、第一及び第三材料と比較してより高い摩擦能力を有することができる、及び/または第一及び第三材料よりも柔らかくなることができる。従って、揺動関与部273Aは、摩擦増大部及び/または軟質接触部を構成することができる。
【0374】
本明細書では、第一及び第三材料が、同じまたは異なるものであることができ、プラスチック、アルミニウム、または任意の他の金属/合金もしくは組立体に強度を与えるのに十分に硬く、組立体を人間が運搬するのに十分に軽い任意の他の材料を含むことができることを理解されたい。第二、第四及び第五材料は、同じまたは異なるものであることができ、より柔らかい材料、例えば、ゴム、または上述の揺動特性を与えるのに適した他の任意の材料を含むことができる。実際には、本例では、第一領域273の揺動関与部273Aと、第二領域の揺動関与部275Aとは、基準面234に向いている前脚部270Aの面の上に連続して形成される。
【0375】
本例では、揺動関与部は、対応する部分(脚部及び下部支持体)に取り付けられたライナーの形態であるように示されている。本明細書では、揺動関与部の一部または全てが対応する部分内に、ライナーの形態でそこに取り付けられる代わりに形成されることができることを理解されたい。例えば、下部支持体及び/または脚部は、その内に揺動関与部を受け入れるための凹部を含んでもよい。いくつかの例では、揺動関与部の一部または全部は、対応する部分とユニタリに形成されることができる。いくつかの例では、揺動関与部の一部または全部は、対応する部分と一体化して形成されることができる。
【0376】
ロッカとしての組立体210の動作中、すなわち、組立体210がその格納モード及び中立位置で外部支持面上に位置決めされる場合、下部支持体230の湾曲底部233の最下部領域232、及び第一領域273は外部支持面(基準面234と合致する)に接触する。組立体210がその後傾斜位置に向かい揺動する(傾斜する/傾く)場合、最初に湾曲底部233(その湾曲形状により)及び第一領域273は揺動に関与する。下部支持体230の後部238が外部支持面と接触するようになると同時に、第二領域275(後部238よりもさらに後方に延在し、湾曲している)が外部支持面と、前脚部270Aの湾曲形状により接触するようになると、組立体210のその後傾斜位置の方へのさらなる傾きが可能になることにより、下部支持体のみが関与していた場合の揺動範囲であるものと比較して、揺動範囲が増大する。前脚部270Aの車輪286Aは、後傾斜位置での組立体の揺動を制限することにより、揺動の範囲及び程度を制限するためのストッパを構成する。いくつかの例(
図13Aから
図13Fに示されるようなもの)では、車輪286Aは脚部から係脱可能であり、それらのような例では、遠位端部271はストッパとして機能する。遠位端部271の直径は、車輪286Aの直径より小さくなるため、車輪が係脱される場合、揺動範囲はさらに増大する。
【0377】
本開示の主題による転換式乳児用セーフティカーシート組立体は、クイックリリース機構によって対応する脚部に連結された1つ以上の車輪を含むことができる。これらのような車輪は、例えば、組立体がそのカーシート取り付けモードまたは格納モード中に使用される場合、シート組立体から係脱されることができる。車輪を係脱することができると、組立体が車内に位置決めされる場合、シート組立体に隣接して着座している子供、または車の座席自体の車輪による汚れ/破損/損傷を防止することができる。
【0378】
図13Aから
図13Fに示された本例では、転換式乳児用セーフティカーシート組立体210は、後部238及び前部239を有する下部支持体230と、本明細書ではシート最下部領域232とも呼ばれる、下部支持体230の最下部領域232を通過する水平方向基準面234とを含む。上部シート250は、上部シート250の背もたれ部252が下部支持体230の後部238に連結され、上部シート250の足部254が下部支持体230の前部239に連結されるように下部支持体230に連結される。
【0379】
組立体10は、
図13Aから
図13Eで示される格納状態と動作状態との間で操作可能な車輪286を有する脚部270をさらに含む。本明細書では、脚部270が組立体10に関して上述の脚部70の特徴の一部または全部を含むことができ、格納状態と動作状態との間の脚部70の操作に少なくとも関するその記述も脚部270に適用され、本明細書では本説明の簡潔さのために繰り返されていないことを理解されたい。例えば、脚部270の格納状態では、車輪286は基準面234より上に位置しており、組立体210は、その内に乳幼児を固定するのに適した位置で、車内または支持面上に位置決めされるのに適しており、脚部270の動作状態では、車輪286は、シート組立体210が車輪286によって転動することを可能にするように、基準面234より下に位置していることができる。
【0380】
脚部270は、前輪286Aを有する前脚部対270Aと、後輪286Bを有する後脚部対270Bとを構成する。一般に、脚部270の前脚部対270A及び後脚部対270Bのうちの少なくとも1つは、脚部70と同様の方法で、動作状態から格納状態に操作されると、格納状態では、車輪286が足部254よりも背もたれ部252の近くに位置決めされるように、背もたれ部252に向かい後方に枢動可能であることができる。本例では、前脚部対270A及び後脚部対270Bの両方は、動作状態から格納状態に操作されると、格納状態では、車輪286が足部254よりも背もたれ部252の近くに位置決めされるように、背もたれ部252に向かい後方に枢動可能である。いくつかの例では、前脚部対270Aのみが後方に枢動可能であり、格納状態では、前輪286Aは、足部254よりも背もたれ部252の近くに位置決めされる。
【0381】
本例では、
図13Cで最もよく見られるように、脚部270の格納では、前輪286Aは、組立体210の背面図(
図13C)に後輪286Bよりも大きく、下部支持体230に対して側方に(矢印LTで示された短手方向に)突出する。本例では、前輪286Aはクイックリリース機構によって前脚部270Aに連結される。いくつかの例では、後輪286Bは、後輪の連結及び係脱を可能にし、連結時に車輪が転動することを可能にするのに適した任意の構造を有するクイックリリース機構によって、後脚部270Bにも連結されることができる。
【0382】
概して、前輪286Aは、下部支持体230に対して側方に延出する、例えば矢印LTによって示された短手方向に平行に延出する、車輪取り外し方向での車輪の取り外しを可能にするクイックリリース機構によって、前脚部270Aに連結されることができる。車輪の側方向での取り外しによって、組立体を車内に位置決めした後、組立体に隣接して車内で着座している人が車輪を取り外すことが可能になる。
【0383】
各前輪は、その対応する脚部に同じ方法で係脱可能に連結されることができるが、本明細書では簡潔にするために1つのみが説明されている。前輪286Aは、車輪が対応する脚部に連結される場合、車輪取り外し方向に沿って延在する脚部連結要素を含むことができ、対応する前脚部270Aは、車輪取り外し方向に沿って延在する車輪連結要素を含むことができる。脚部連結要素及び車輪連結要素は、クイックリリース機構を構成することができ、車輪取り外し方向に平行な車輪回転軸を中心として車輪連結要素に対して脚部連結要素と共に車輪を回転させることを可能にするように互いに係脱可能な連結を可能にするのに適した任意の構造を有することができる。例えば、脚部連結要素及び車輪連結要素は、一対の細長い凹部及び細長い突出部を構成することができ、これらのうちの1つは車輪の上にあることができ、もう1つは脚部の上にあることができる。いくつかの例では、脚部連結要素及び車輪連結要素は、脚部に対して車輪が回転することを可能にするように、互いに係脱可能に連結される、機械的、電気的、または磁気的な連結配置の2つの部分を構成することができる。
【0384】
クイックリリース機構は、車輪連結要素からの脚部連結要素の解放を作動させるためのリリースアクチュエータを含む。例えば、リリースアクチュエータは、使用者が車輪を取り外すために作動させることができる、ボタンまたはレバーの形態(機械的か電子的/電気的かいずれかのもの)であることができる。リリースアクチュエータは、使用者がリリースアクチュエータにアクセスするのに適した任意の位置で脚部または車輪に位置決めされることができ、車輪の解放の意図しない作動を防止するのに十分に隠されることができる。
【0385】
本例では、前輪286Aは、車輪286Aが脚部270Aに連結される場合、車輪取り外し方向WRに対して平行に延出する、細長い突出部の形態の脚部連結要素287を有する。前脚部270Aは、車輪取り外し方向に対して平行に延在する細長い凹部の形態の細長い車輪連結要素288を含む。突出部287及び凹部288は、車輪回転軸WAを中心とした車輪の回転を可能にするクイックリリース機構を構成する。前輪286Aを前脚部270Aに連結するために、突出部287は凹部288に挿入され、その内にロックされることにより、車輪286Aが脚部270Aに固定して連結され、前輪286Aが前脚部270Aに対して回転することが可能になる。
【0386】
クイックリリース機構は、前脚部270Aに位置決めされたボタンの形態でリリースアクチュエータ289を含む。車輪286Aを脚部270Aから係脱するには、ボタン289を押し、凹部288から突出部287を解放することにより、車輪286Aの解放を作動させてから、車輪取り外し方向WRで車輪286Aを取り外すことができる。
【0387】
概して、車輪286は、支持面とその上で組立体210が車輪286によって転動する場合に接触するようになるように構成される、転動領域と、支持面とその上で組立体が転動する場合に接触しないように構成される、残りの領域とを含む。車輪286は、残りの領域に位置決めされ、少なくとも対応する脚部270から車輪286を取り外すために使用者によって保持されるのに適している車輪保持部を含むことができる。残りの領域は、車輪の中心にあること、またはその中心に隣接していることができ、車輪保持部は、中央ディスクまたはその一部によって構成されることができる。車輪保持部は、例えば車輪の汚れた転動領域に触れることなく車輪を脚部から取り外すように、使用者が車輪を保持することを可能にする。
【0388】
本例では、前輪286Aは、転動領域293と、車輪保持部295Aを有する残りの領域295とを含む。少なくとも対応する前脚部270Aから車輪286Aを取り外すために、使用者によって保持されるのに適している。
【外国語明細書】