(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098157
(43)【公開日】2024-07-22
(54)【発明の名称】コンタクトレンズ用組成物およびコンタクトレンズ
(51)【国際特許分類】
G02C 7/04 20060101AFI20240712BHJP
C08F 230/08 20060101ALI20240712BHJP
C08F 290/06 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
G02C7/04
C08F230/08
C08F290/06
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024001506
(22)【出願日】2024-01-09
(31)【優先権主張番号】112100906
(32)【優先日】2023-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】112144583
(32)【優先日】2023-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】516103242
【氏名又は名称】視陽光學股▲ふん▼有限公司
【住所又は居所原語表記】NO.1, XINGYE ST., GUISHAN DIST., TAOYUAN CITY 33341, TAIWAN,
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲莊▼ ▲鎮▼嘉
(72)【発明者】
【氏名】陳 力語
【テーマコード(参考)】
2H006
4J100
4J127
【Fターム(参考)】
2H006BB05
2H006BB07
2H006BB08
4J100AJ02P
4J100AL03P
4J100AL08P
4J100AL08Q
4J100AL08S
4J100AL09P
4J100AL66R
4J100AM19P
4J100AM21P
4J100AQ08P
4J100BA02P
4J100BA02S
4J100BA03P
4J100BA08Q
4J100BA08R
4J100BA34Q
4J100BA34R
4J100BA72S
4J100BA75S
4J100BA81Q
4J100BA81R
4J100BB18P
4J100CA03
4J100CA23
4J100DA50
4J100JA34
4J127AA03
4J127AA04
4J127BB021
4J127BB032
4J127BB101
4J127BB112
4J127BB221
4J127BB222
4J127BC021
4J127BC022
4J127BC131
4J127BC132
4J127BD491
4J127BD492
4J127BG041
4J127BG042
4J127BG04Y
4J127BG131
4J127BG132
4J127BG13Y
4J127BG141
4J127BG142
4J127BG14Y
4J127BG271
4J127BG27Y
4J127BG381
4J127BG382
4J127BG38Y
4J127CB151
4J127CB291
4J127CC091
4J127CC251
4J127CC291
4J127DA61
4J127DA64
4J127EA04
4J127FA26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ソフトコンタクトレンズの酸素透過性と伸長性とを適切な範囲でバランスを取ることができるコンタクトレンズ用組成物、およびコンタクトレンズを提供する。
【解決手段】コンタクトレンズ用組成物は、シロキサン混合物、トリス(トリメチルシロキシ)シリプロピルメタクリレート、および親水性モノマーを含む。シロキサン混合物は、第1シロキサンモノマーおよび第2シロキサンモノマーを含む。第1シロキサンモノマーはアクリロイル基を有する。第2シロキサンモノマーは2つのアクリロイル基を有する。シロキサン混合物の、トリス(トリメチルシロキシ)シリプロピルメタクリレートに対する重量比は、約27.5:1と約0.29:1との間である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1シロキサンモノマーおよび第2シロキサンモノマーを含むシロキサン混合物であって、第1シロキサンモノマーはアクリロイル基を有し、かつ第2シロキサンモノマーは2つのアクリロイル基を有する、シロキサン混合物;
トリス(トリメチルシロキシ)シリプロピルメタクリレート;および
親水性モノマー
を含むコンタクトレンズ用組成物であって、
シロキサン混合物の、トリス(トリメチルシロキシ)シリプロピルメタクリレートに対する重量比が、約27.5:1と約0.29:1との間である
コンタクトレンズ用組成物。
【請求項2】
第1シロキサンモノマーは次の式(1)により表され、かつ第2シロキサンモノマーは次の式(2)により表され、
【化1】
式(1)において、
R
1、R
2およびR
3は、各々独立して、C
1-C
4アルキル基であり、
R
4はC
1-C
6アルキル基であり、
nは4~80であり、
Xは次の式(1-1)、次の式(1-2)または次の式(1-3)により表され、
【化2】
式(1-1)において、R
5は、脂肪族または芳香族ジイソシアナートからのNCO基の除去により得られる残基であり、mは3~40であり、
式(1-2)において、R
8はC
1-C
4アルキレン基であり、R
9は-OR
10O-または-NH-であり、R
10およびR
11は、各々独立して、C
1-C
4アルキレン基であり、pは1~2であり、
式(2)において、
R
31およびR
32は、各々独立して、C
1-C
4アルキル基であり、
qは4~120であり、
Yは次の式(2-1)または次の式(2-2)により表され、
Zは次の式(2-3)または次の式(2-4)により表され、
【化3】
式(2-3)において、R
33はC
1-C
4アルキル基であり、
式(2-1)および式(2-3)において、R
34はC
1-C
3アルキレン基であり、R
35およびR
37は、各々独立して、C
1-C
3アルキレン基であり、R
36は、脂肪族または芳香族ジイソシアナートからのNCO基の除去により得られる残基であり、fは0~1であり、gは1~40である、
請求項1記載の組成物。
【請求項3】
第1シロキサンモノマーは次の式(1)により表され、かつ第2シロキサンモノマーは次の式(3)で表され、
【化4】
式(1)において、
R
1、R
2およびR
3は、各々独立して、C
1-C
4アルキル基であり、
R
4はC
1-C
6アルキル基であり、
nは4~80であり、
Xは次の式(1-1)、次の式(1-2)または次の式(1-3)により表され、
【化5】
式(1-1)において、R
5は、脂肪族または芳香族ジイソシアナートからのNCO基の除去により得られる残基であり、mは3~40であり、
式(1-2)において、R
8はC
1-C
4アルキレン基であり、R
9は-OR
10O-または-NH-であり、R
10およびR
11は、各々独立して、C
1-C
4アルキレン基であり、pは1~2であり、
式(3)において、
q1は1~300の整数であり、
q2は1~300の整数であり、
R
38およびR
39は、各々独立して、C
1-C
4炭化水素であり、
R
40、R
41、R
42およびR
43は、各々独立して、C
1-C
20一価炭化水素基、C
1-C
20ハロゲン化一価炭化水素基および親水性側鎖から選択され、R
40、R
41、R
42およびR
43の少なくとも1つは、次の式(3-1)または次の式(3-2)により表される親水性側鎖であり、
【化6】
式(3-1)におけるR
44は、C
1-C
6二価炭化水素基であり、
式(3-1)におけるR
45は、水素またはメチルであり、
式(3-1)におけるR
46は、次の式(3-3)により表される基であり、かつR
50は、C
1-C
4一価炭化水素、水素およびOHからなる群より選択され、
式(3-1)におけるq3は1~20の整数であり、
【化7】
式(3-2)におけるR
47はC
1-C
6二価炭化水素基であり、
式(3-2)におけるR
48は水素またはメチルであり、
式(3-2)におけるR
49は次の式(3-4)により表される基であり、かつR
51は、C
1-C
4一価炭化水素、水素およびOHからなる群より選択され、
式(3-2)におけるq4は1~20の整数であり、
【化8】
式(3)において、Tは、次の式(3-5)または次の式(3-6)により表され、
【化9】
式(3-5)におけるq5は1~10の整数であり、
式(3-6)におけるq6は1~10の整数である、
請求項1記載の組成物。
【請求項4】
親水性モノマーが、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、メチルメタクリレート(MMA)、メタクリル酸(MAA)、N-ビニルピロリドン(NVP)、N,N-ジメチル-アクリルアミド(DMA)、4-アクリロイルモルホリン(AcMO)、2-ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)、グリセリルメタクリレート(GMA)、グリセロールモノ-メタクリレート(GMMA)、アクリル酸(AA)、N,N-ジ(メチルメタクリル-アミド)(DMA)、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、グリシンビニルカルボネート、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート(HFMA)、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、および2-ヒドロキシ-ブチルメタクリレートからなる群より選択される1つまたは複数の物質である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
第1シロキサンモノマーの数平均分子量が約500~10000であり、かつ第2シロキサンモノマーの数平均分子量が約1000~25000である、請求項1~3のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
紫外線吸収剤をさらに含む請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物であって、紫外線吸収剤が、2-[3-(2H-ベンゾトリアゾル-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]エチル-2-メタクリレート、2-(4-ベンジル-3-ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレート、およびN-(4-ヒドロキシ-3(5-メトキシ-2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)フェニル)メタクリルアミドからなる群より選択される1つまたは複数の物質である、組成物。
【請求項7】
熱開始剤をさらに含む請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物であって、熱開始剤がアゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾ-ビス-(2-メチルブチロニトリル)、およびアゾビスイソヘプタンニトリルからなる群より選択される1つまたは複数の物質である、組成物。
【請求項8】
染料または青色光吸収剤をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
青色光吸収剤が、リアクティブイエロー15、修飾リアクティブイエロー15、リアクティブイエロー86、(E)-4-メタクリロイルオキシアゾベンゼン(Y7)、2-(4-アセチル-3-アミノ-2,6-ジメトキシフェノキシ)エチルメタクリレート、2-(4-アミノ-3-プロピオニルフェノキシ)エチルメタクリレート、2-((1-アミノ-8-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)オキシ)エチルメタクリレート、および2-(2-(3-(tert-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(1,10-フェナントロリン-2-イル)フェニル)アセトキシ)エチルメタクリレートからなる群より選択される1つまたは複数の物質である、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
80barrer超の酸素透過性および270%超の伸長性を有するコンタクトレンズ。
【請求項11】
請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物から作製される、請求項10記載のコンタクトレンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンタクトレンズ用組成物、および該組成物から作製されるコンタクトレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
ソフトコンタクトレンズは、その美容性、快適性および利便性により人々に人気を博している。ソフトコンタクトレンズの品質を評価する場合、酸素透過性(Dk)および機械特性が非常に重要な因子である。酸素透過性は、酸素にレンズを通過させるそのレンズの能力を表すことができる。角膜酸素不足、角膜損傷、眼感染、着け心地および他の問題は、酸素透過性を増加させることにより改善することができる。機械特性は、コンタクトレンズが、装着、脱着、および洗浄などの使用者の操作に壊れることなく耐えられるほど十分強いか否かを表すことができる。伸長性は機械特性を評価するための指標の1つである。低伸長性はコンタクトレンズが容易に壊れる原因となり得、コンタクトレンズの耐久性や寿命に影響を与える。しかしながら、従来のソフトコンタクトレンズは、酸素透過性と伸長性とのバランスをとることが難しい。酸素透過性の増加は、伸長性を、コンタクトレンズを破損しやすくする点まで減少させ得、伸長性の増加は酸素透過性を減少させ得、ゆえに着け心地に影響を与える。
【0003】
したがって、ソフトコンタクトレンズの酸素透過性と伸長性とをいかに適切な範囲でバランスを取るかが、なお解決すべき緊急の課題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
一実施態様によれば、コンタクトレンズ用組成物が提供される。コンタクトレンズ用組成物は、シロキサン混合物、トリス(トリメチルシロキシ)シリプロピルメタクリレート、および親水性モノマーを含む。シロキサン混合物は、第1シロキサンモノマーおよび第2シロキサンモノマーを含む。第1シロキサンモノマーはアクリロイル基を有する。第2シロキサンモノマーは2つのアクリロイル基を有する。シロキサン混合物の、トリス(トリメチルシロキシ)シリプロピルメタクリレートに対する重量比は、約27.5:1と約0.29:1との間である。
【0006】
一実施態様によれば、コンタクトレンズが提供される。コンタクトレンズは、80超の酸素透過性(Dk)および270%超の伸長性を有する。
【0007】
本開示の上記およびその他の実施態様は、以下の、非限定的実施態様の詳細な説明に関して首尾よく理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の上記実施態様、ならびに他の目的、特徴および利点の理解を促進するため、好ましい実施態様が以下に詳細に開示される。
【0009】
本開示の一実施態様によれば、コンタクトレンズ用組成物が提供される。該組成物は、シロキサン混合物、トリス(トリメチルシロキシ)シリプロピルメタクリレート(TRIS)、および親水性モノマーを含む。
【0010】
<シロキサン混合物>
シロキサン混合物は、第1シロキサンモノマーおよび第2シロキサンモノマーを含む。第1シロキサンモノマーは第2シロキサンモノマーとは異なるものである。
【0011】
<第1シロキサンモノマー>
第1シロキサンモノマーはアクリロイル基を有する。例えば、アクリロイル基は、
【化1】
で表され得る。第1シロキサンモノマーの数平均分子量は、約500~10000である。一実施態様では、第1シロキサンモノマーは、次の式(1)により表される。
【0012】
【0013】
式(1)において、R1、R2およびR3は、各々独立して、C1-C4アルキル基であり;R4はC1-C6アルキル基であり;nは4~80であり;Xは次の式(1-1)、次の式(1-2)または次の式(1-3)により表される。式(1-1)、式(1-2)および式(1-3)において、各式の左にある記号*は、式(1)のSiとの化学結合を表し、そして各式の右にある記号*は、式(1)のCとの化学結合を表す。
【0014】
【0015】
式(1-1)において、R5は、脂肪族または芳香族ジイソシアナートからのNCO基の除去により得られる残基であり;mは3~40である。式(1-2)において、R8はC1-C4アルキレン基であり;R9は-OR10O-または-NH-であり;R10およびR11は、各々独立して、C1-C4アルキレン基であり;pは1~2である。
【0016】
一実施態様において、第1シロキサンモノマーは、次の式(1A)により表される。
【0017】
【0018】
式(1A)において、hは4~80の整数であり;iは3~40の整数である。第1シロキサンモノマーの数平均分子量は、約1000~10000である。
【0019】
一実施態様において、第1シロキサンモノマーは、次の式(1B)または次の式(1C)により表される。
【0020】
【0021】
式(1B)において、rrは4~80の整数である。式(1C)において、ssは4~80の整数である。
【0022】
一実施態様において、第1シロキサンモノマーは、モノメタクリルオキシプロピルプロピル官能ポリジメチルメトキシアルカンである。一実施態様において、第1シロキサンモノマーは、Gelest Inc.、モリスビル、ペンシルベニア、米国から入手されるMCR-M07またはMCR-M11である。
【0023】
<第2シロキサンモノマー>
第2シロキサンモノマーは2つのアクリロイル基を有する。例えば、アクリロイル基は
【化6】
で表され得る。第2シロキサンモノマーの数平均分子量は約1000~25000である。第2シロキサンモノマーは、次の式(2)または次の式(3)により表される。
【0024】
【0025】
式(2)において、R31およびR32は、各々独立して、C1-C4アルキル基であり;qは4~120であり;Yは次の式(2-1)または次の式(2-2)により表され;Zは次の式(2-3)または次の式(2-4)により表される。式(2-1)および式(2-2)において、各式の左にある記号*は、式(2)のCとの化学結合を表し、そして各式の右にある記号*は、式(2)のSiとの化学結合を表す。式(2-3)および式(2-4)において、各式の左にある記号*は、式(2)のSiとの化学結合を表し、そして各式の右にある記号*は、式(2)のCとの化学結合を表す。
【0026】
【0027】
式(2-3)において、R33はC1-C4アルキル基である。式(2-1)および式(2-3)において、R34はC1-C3アルキレン基であり;R35およびR37は、各々独立して、C1-C3アルキレン基であり;R36は、脂肪族または芳香族ジイソシアナートからのNCO基の除去により得られる残基であり;fは0~1であり;gは1~40である。
【0028】
式(3)において、Tは、二価炭化水素基に結合された重合可能な、フリーラジカル重合活性な、不飽和基であり;R38およびR39は、各々独立して、C1-C20炭化水素基またはC1-C20ハロゲン化炭化水素基であり;R40、R41、R42およびR43は、各々独立して、C1-C20一価炭化水素基、C1-C20ハロゲン化一価炭化水素基および親水性側鎖から選択され;q1は1~1000;q2は1~1000である。親水性側鎖は、次の式(3-1)または次の式(3-2)により表すことができる。
【0029】
【0030】
式(3-1)において、R44はC1-C10二価炭化水素基であり;R45は水素またはメチルであり;R46は、水素、C1-C10一価炭化水素基、および次の式(3-3)により表される基からなる群より選択され;q3は1より大きい整数または1であり;そして記号*は、式(3)のSiとの化学結合を表す。式(3-2)において、R47はC1-C10二価炭化水素基であり;R48は水素またはメチルであり;R49は、水素、C1-C10一価炭化水素基、および次の式(3-4)により表される基からなる群より選択され;q4は1より大きい整数または1であり;そして記号*は、式(3)のSiとの化学結合を表す。
【0031】
【0032】
式(3-3)において、R50はC1-C10一価炭化水素、水素およびOHからなる群より選択され;そして記号*は、式(3-1)のOとの化学結合を表す。式(3-4)において、R51はC1-C10一価炭化水素、水素およびOHからなる群より選択され;そして記号*は、式(3-2)のNとの化学結合を表す。
【0033】
一実施態様において、第2シロキサンモノマーは、式(2)により表され、式(2)のYは式(2-1)により表され;かつ式(2)のZは式(2-3)により表され;R31およびR32は、各々独立して、C1-C4アルキル基であり;R33はC1-C4アルキル基;R34はC1-C3アルキレン基であり;R35およびR37は、各々独立して、C1-C3アルキレン基であり;R36は、脂肪族または芳香族ジイソシアナートからのNCO基の除去により得られる残基であり;qは4~80の整数であり;fは0~1の整数であり;gは1~20の整数である。この実施態様において、第2シロキサンモノマーの数平均分子量は、約1000~10000である。
【0034】
一実施態様において、第2シロキサンモノマーは式(3)により表され、Tは次の式(3-5)または次の式(3-6)により表され;式(3-5)のq5は1~10の整数であり;式(3-6)のq6は1~10の整数であり;R38およびR39は、各々独立して、C1-C4炭化水素であり;R40、R41、R42およびR43は、各々独立して、C1-C20一価炭化水素基、C1-C20ハロゲン化一価炭化水素基および親水性側鎖からなる群より選択され;そしてR40、R41、R42およびR43の少なくとも1つは、上記式(3-1)または上記式(3-2)により表される親水性側鎖であり;q1は1~300の整数であり;q2は1~300の整数である。本実施形態において、式(3-1)のR44は、C1-C6二価炭化水素基であり、式(3-1)のR45は、水素またはメチルであり、式(3-1)のR46は、上記式(3-3)により表される基であり、かつR50は、C1-C4一価炭化水素、水素およびOHからなる群より選択され;そして式(3-1)のq3は1~20の整数である。本実施形態において、式(3-2)のR47はC1-C6二価炭化水素基であり、式(3-2)のR48は水素またはメチルであり;式(3-2)のR49は上記式(3-4)により表される基であり、かつR51は、C1-C4一価炭化水素、水素およびOHからなる群より選択され、そして式(3-2)のq4は1~20の整数である。
【0035】
【0036】
一実施態様において、第2シロキサンモノマーは式(3)により表され、Tは上記式(3-5)または上記式(3-6)により表され;式(3-5)のq5は1~10の整数であり;式(3-6)のq6は1~10の整数であり;R38およびR39は、各々独立して、C1-C4炭化水素であり;R40、R41、R42およびR43のただ1つが上記式(3-1)または上記式(3-2)により表される親水性側鎖であり、R40、R41、R42およびR43のその他は、各々独立して、C1-C20一価炭化水素基およびC1-C20ハロゲン化一価炭化水素基からなる群より選択され;q1は1~300の整数であり;q2は1~300の整数である。本実施形態において、式(3-1)のR44は、C1-C6二価炭化水素基であり、式(3-1)のR45は、水素またはメチルであり、式(3-1)のR46は、上記式(3-3)により表される基であり、かつR50は、C1-C4一価炭化水素、水素およびOHからなる群より選択され;そして式(3-1)のq3は1~20の整数である。本実施形態において、式(3-2)のR47はC1-C6二価炭化水素基であり、式(3-2)のR48は水素またはメチルであり;式(3-2)のR49は上記式(3-4)により表される基であり、かつR51は、C1-C4一価炭化水素、水素およびOHからなる群より選択され、そして式(3-2)のq4は1~20の整数である。
【0037】
一実施態様において、第2シロキサンモノマーは式(3)により表され、Tは上記式(3-5)または上記式(3-6)により表され;式(3-5)のq5は1~10の整数であり;式(3-6)のq6は1~10の整数であり;R38およびR39は、各々独立して、C1-C4炭化水素であり;R40、R41、R42およびR43は、各々独立して、C1-C20一価炭化水素基、C1-C20ハロゲン化一価炭化水素基および親水性側鎖からなる群より選択され;そしてR40、R41、R42およびR43の少なくとも1つは、上記式(3-1)または上記式(3-2)により表される親水性側鎖であり;q1は1~200の整数であり;q2は1~200の整数である。本実施形態において、式(3-1)のR44は、C1-C6二価炭化水素基であり、式(3-1)のR45は、水素またはメチルであり、式(3-1)のR46は、上記式(3-3)により表される基であり、かつR50は、CH3、水素およびOHからなる群より選択され;そして式(3-1)のq3は1~20の整数である。本実施形態において、式(3-2)のR47はC1-C6二価炭化水素基であり、式(3-2)のR48は水素またはメチルであり;式(3-2)のR49は上記式(3-4)により表される基であり、かつR51は、CH3、HおよびOHからなる群より選択され、そして式(3-2)のq4は1~20の整数である。
【0038】
一実施態様において、第2シロキサンモノマーは式(3)により表され、Tは上記式(3-5)または上記式(3-6)により表され、式(3-5)のq5は1~10の整数であり、かつ式(3-6)のq6は1~10の整数であり;R38およびR39は、各々独立して、C1-C4炭化水素であり;R40、R41、R42およびR43のただ1つが上記式(3-1)または上記式(3-2)により表される親水性側鎖であり、R40、R41、R42およびR43のその他は、各々独立して、C1-C20一価炭化水素基およびC1-C20ハロゲン化一価炭化水素基からなる群より選択され;q1は1~200の整数であり;q2は1~200の整数である。本実施形態において、式(3-1)のR44は、C1-C6二価炭化水素基であり、式(3-1)のR45は、水素またはメチルであり、式(3-1)のR46は、上記式(3-3)により表される基であり、かつR50は、CH3、HおよびOHからなる群より選択され、そして式(3-1)のq3は1~20の整数である。本実施形態において、式(3-2)のR47はC1-C6二価炭化水素基であり、式(3-2)のR48は水素またはメチルであり;式(3-2)のR49は上記式(3-4)により表される基であり、かつR51は、CH3、HおよびOHからなる群より選択され、そして式(3-2)のq4は1~20の整数である。
【0039】
一実施態様において、第2シロキサンモノマーは、次の式(2A)により表される。
【0040】
【0041】
式(2A)において、qqは4~80の整数であり;aaは3~40の整数である。この実施態様において、第2シロキサンモノマーの数平均分子量は、約1000~10000である。
【0042】
一実施態様において、第2シロキサンモノマーは、次の式(2B)により表される。
【0043】
【0044】
式(2B)において、ttは4~80の整数であり;bbは1~10の整数である。この実施態様において、第2シロキサンモノマーの数平均分子量は、約1000~1000である。
【0045】
一実施態様において、第2シロキサンモノマーは、次の式(2C)により表される。
【0046】
【0047】
式(2C)において、kkは80~160の整数であり;ccは5~40の整数である。この実施態様において、第2シロキサンモノマーの数平均分子量は、約1000~20000である。
【0048】
一実施態様において、第2シロキサンモノマーは、次の式(2D)により表される。
【0049】
【0050】
式(2D)において、ffは4~80の整数である。この実施態様において、第2シロキサンモノマーの数平均分子量は、約1000~10000である。
【0051】
一実施態様において、第2シロキサンモノマーは、次の式(3A)により表される。
【0052】
【0053】
式(3A)において、q7は1~150の整数であり、q8は1~150の整数であり、かつq9は1~15の整数である。この実施態様において、第2シロキサンモノマーの数平均分子量は、約1000~20000である。
【0054】
一実施態様において、第2シロキサンモノマーは、次の式(3B)により表される。
【0055】
【0056】
式(3B)において、q10は1~150の整数であり、q11は1~150の整数であり、そしてq12は1~15の整数である。この実施態様において、第2シロキサンモノマーの数平均分子量は、約1000~20000である。
【0057】
一実施態様において、第2シロキサンモノマーは二官能アクリレート含有シロキサンモノマーメタクリルオキシプロピルプロピル末端ポリジメチルシロキサンである。一実施態様において、第2シロキサンモノマーは、Gelest Inc.、モリスビル、ペンシルベニア、米国から入手されるDMS-R18、DMS-R22またはDMS-R31である。
【0058】
一実施態様において、シロキサン混合物の総重量に基づいて、第1シロキサンモノマーは50重量%~91重量%の範囲にあり、第2シロキサンモノマーは9重量%~50重量%の範囲にある。一実施態様において、シロキサン混合物の総重量に基づいて、第1シロキサンモノマーは60重量%~91重量%の範囲にあり、第2シロキサンモノマーは9重量%~40重量%の範囲にある。一実施態様において、シロキサン混合物の総重量に基づいて、第1シロキサンモノマーは70重量%~91重量%の範囲にあり、第2シロキサンモノマーは9重量%~30重量%の範囲にある。他の実施態様において、シロキサン混合物は2種以上の異なるシロキサンモノマーを含む。
【0059】
シロキサン混合物は、コンタクトレンズ用組成物の総重量に基づいて、10重量%~55重量%の範囲にある。好ましくは、シロキサン混合物は、コンタクトレンズ用組成物の総重量に基づいて14重量%~45重量%の範囲にある。
【0060】
<トリス(トリメチルシロキシ)シリプロピルメタクリレート(TRIS)>
トリス(トリメチルシロキシ)シリプロピルメタクリレートは、次の式(4)により表すことができる。
【0061】
【0062】
トリス(トリメチルシロキシ)シリプロピルメタクリレートは、コンタクトレンズ用組成物の総重量に基づいて2重量%~34重量%の範囲にある。好ましくは、トリス(トリメチルシロキシ)シリプロピルメタクリレートは、コンタクトレンズ用組成物の総重量に基づいて4重量%~34重量%の範囲にある。トリス(トリメチルシロキシ)シリプロピルメタクリレートが組成物の総重量に基づいて2重量%未満の場合、この組成物から作製されるコンタクトレンズの機械的強度が不十分でありかつその伸長性が低すぎる。トリス(トリメチルシロキシ)シリプロピルメタクリレートが組成物の総重量に基づいて34重量%を超える場合、この組成物から作製されるコンタクトレンズの機械的強度が低下する。
【0063】
一実施態様において、コンタクトレンズ用組成物においては、シロキサン混合物の、トリス(トリメチルシロキシ)シリプロピルメタクリレートに対する重量比は、約27.5:1と約0.29:1との間である。一実施態様において、コンタクトレンズ用組成物においては、シロキサン混合物の、トリス(トリメチルシロキシ)シリプロピルメタクリレートに対する重量比は、約9:1と約3:7との間である。例えば、コンタクトレンズ用組成物においては、シロキサン混合物の、トリス(トリメチルシロキシ)シリプロピルメタクリレートに対する重量比は、約9:1、約3:2、または約3:7とすることができる。
【0064】
<親水性モノマー>
親水性モノマーは、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、メチルメタクリレート(MMA)、メタクリル酸(MAA)、N-ビニルピロリドン(NVP)、N,N-ジメチル-アクリルアミド(DMA)、4-アクリロイルモルホリン(AcMO)、2-ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)、グリセリルメタクリレート(GMA)、グリセロールモノ-メタクリレート(GMMA)、アクリル酸(AA)、N,N-ジ(メチルメタクリル-アミド)(DMA)、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、グリシンビニルカルボネート、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート(HFMA)、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、および2-ヒドロキシ-ブチルメタクリレートからなる群より選択される1つまたは複数の物質であり得る。一実施態様において、親水性モノマーは、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、N-ビニルピロリドン(NVP)およびヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート(HFMA)からなる群より選択される1つまたは複数の物質である。一実施態様において、親水性モノマーは、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)およびN-ビニルピロリドン(NVP)を含む。一実施態様において、親水性モノマーは、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、N-ビニルピロリドン(NVP)および4-アクリロイルモルホリン(AcMO)を含む。一実施態様において、親水性モノマーは、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、N-ビニルピロリドン(NVP)およびヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート(HFMA)を含む。一実施態様において、親水性モノマーは、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、N-ビニルピロリドン(NVP)およびN,N-ジ(メチルメタアクリル-アミド)(DMA)を含む。一実施態様において、親水性モノマーは、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、メタクリル酸(MAA)およびメチルメタクリレート(MMA)を含む。
【0065】
親水性モノマーは、コンタクトレンズ用組成物の総重量に基づいて45重量%~54重量%の範囲にある。好ましくは、親水性モノマーは、コンタクトレンズ用組成物の総重量に基づいて49重量%~51重量%の範囲にある。
【0066】
一実施態様において、コンタクトレンズ用組成物は、さらに紫外線吸収剤、熱開始剤および/または青色光吸収剤を含む。
【0067】
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤は、2-[3-(2H-ベンゾトリアゾル-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]エチル-2-メタクリレ-ト、2-(4-ベンジル-3-ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレート、およびN-(4-ヒドロキシ-3(5-メトキシ-2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)フェニル)メタクリルアミドからなる群より選択される1つまたは複数の物質であり得る。一実施態様において、紫外線吸収剤は、2-[3-(2H-ベンゾトリアゾル-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]エチル-2-メタクリレートである。
【0068】
紫外線吸収剤は、コンタクトレンズ用組成物の総重量に基づいて0.5重量%~2.5重量%の範囲にある。
【0069】
<熱開始剤>
熱開始剤は、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾ-ビス-(2-メチルブチロニトリル)、およびアゾビスイソヘプタンニトリルからなる群より選択される1つまたは複数の物質であり得る。一実施態様において、熱開始剤はアゾビスイソブチロニトリルである。
【0070】
熱開始剤は、コンタクトレンズ用組成物の総重量に基づいて0.45重量%~0.75重量%の範囲にある。
【0071】
<青色光吸収剤>
青色光吸収剤は、リアクティブイエロー15、修飾リアクティブイエロー15、リアクティブイエロー86、(E)-4-メタクリロイルオキシアゾベンゼン(Y7)、2-(4-アセチル-3-アミノ-2,6-ジメトキシフェノキシ)エチルメタクリレート、2-(4-アミノ-3-プロピオニルフェノキシ)エチルメタクリレート、2-((1-アミノ-8-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)オキシ)エチルメタクリレート、および2-(2-(3-(tert-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(1,10-フェナントロリン-2-イル)フェニル)アセトキシ)エチルメタクリレートからなる群より選択される1つまたは複数の物質であり得る。
【0072】
リアクティブイエロー15は、次の式(5-1)により表される。
【0073】
【0074】
修飾リアクティブイエロー15は、次の式(5-2)により表される。
【0075】
【0076】
リアクティブイエロー86は、次の式(5-3)により表される。
【0077】
【0078】
(E)-4-メタクリロイルオキシアゾベンゼンは、次の式(5-4)により表される。
【0079】
【0080】
2-(4-アセチル-3-アミノ-2,6-ジメトキシフェノキシ)エチルメタクリレートは、次の式(5-5)により表される。
【0081】
【0082】
2-(4-アミノ-3-プロピオニルフェノキシ)エチルメタクリレートは、次の式(5-6)により表される。
【0083】
【0084】
2-((1-アミノ-8-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)オキシ)エチルメタクリレートは、次の式(5-7)により表される。
【0085】
【0086】
2-(2-(3-(tert-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(1,10-フェナントロリン-2-イル)フェニル)アセトキシ)エチルメタクリレートは、次の式(5-8)により表される。
【0087】
【0088】
<他の添加剤>
一実施態様において、コンタクトレンズ用組成物は、必要に応じて他の添加剤もさらに含む。添加剤は、染料を含むが、それに限定されるものではない。
【0089】
上記成分は、コンタクトレンズ用組成物を形成するための特定の割合で混合することができる。例えば、コンタクトレンズ用組成物は、透明溶液または着色溶液であってもよい。
【0090】
一実施態様によれば、コンタクトレンズが提供される。本開示により提供されるコンタクトレンズ用組成物は、コンタクトレンズ用成形型に注ぐことができ、組成物における各成分は加熱するかまたは光に曝すことにより反応させてコンタクトレンズを形成することができる。加熱温度は、約30℃と約150℃との間であり得、反応時間は約1時間と12時間との間であり得る。一実施態様において、加熱プロセスは、30~70℃で0~2時間、70~100℃で2~4時間、そして100~150℃で4~12時間で行うことができる。
【0091】
一実施態様において、コンタクトレンズを形成する方法は、さらに水和プロセスを含む。水和プロセスは、コンタクトレンズをアルコールおよび純水に浸漬し、その後コンタクトレンズを平衡とすべき緩衝溶液に入れる工程を含む。
【0092】
本開示は、実施例を参照してさらに詳細に説明される。しかしながら、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0093】
本開示のコンタクトレンズは、高い酸素透過性と高い伸長性を有する。一実施態様において、コンタクトレンズは、コンタクトレンズは、80barrer超の酸素透過性および270%超の伸長性を有する。一実施態様において、コンタクトレンズは、約80~108barrerの酸素透過性および約270%~470%の伸長性を有する。例えば、コンタクトレンズはシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズであり得る。
【実施例0094】
コンタクトレンズ用組成物は、次の表1に示す含有量(重量(wt)%)にしたがい成分を混合することにより形成される。コンタクトレンズ用組成物は、コンタクトレンズ用成形型に入れられ、その後加熱プロセスが該組成物に行われコンタクトレンズが形成される。表1において、シロキサン混合物は、次の式(1A)により表される第1シロキサンモノマーと、式(2A)または式(2B)または式(3A)または式(3B)により表される第2シロキサンモノマーを含み;紫外線吸収剤は2-[3-(2H-ベンゾトリアゾル-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]エチル-2-メタクリレートであり;熱開始剤はアゾビスイソブチロニトリルである。
【0095】
【0096】
実施例1、実施例2、実施例3および比較例1のコンタクトレンズの酸素透過性および伸長性が評価される。酸素透過性および伸長性は、本開示の属する技術分野において周知の従来の方法を用いて測定することができる。以下に示される伸長性は、米国材料試験協会(ASTM)標準 D1708-18に基づく引張試験機を用いて測定される。以下に示す酸素透過性は、ISO 18369-4の酸素透過性試験法に基づくO2透過度測定装置(Permeometer)を用いて測定される。酸素透過性の単位は、barrer[10-11(cm2/秒)(ml O2/ml・mmHg)]である。
【0097】
【0098】
表2に示されるように、本開示の実施例1~3のコンタクトレンズはいずれも80barrer超の酸素透過性と270%超の伸長性を有する。低い伸長性を有しかつ容易に壊れるという欠点を有する比較例のコンタクトレンズと比較した場合、本開示のコンタクトレンズの伸長性はより高く、すなわち本開示のコンタクトレンズは、外からの力により引っ張られた場合に壊れにくい。また、本開示のコンタクトレンズは、なお高い酸素透過性を維持しており、よって着け心地が良い。したがって、本開示のコンタクトレンズ用組成物は、高い酸素透過性および優れた機械特性(高い伸長性)を示し、耐久性があり、容易に壊れず、かつ着け心地が良いという利点を有する。
【0099】
本開示は実施例を用いかつ例示的な実施態様の観点から説明されたが、本開示はそれらに限定されるべきではないことは理解されるべきである。反対に、それは種々の改変や類似した配置(arrangement)や手法を包含することが意図されており、添付の特許請求の範囲は、そのような改変ならびに類似した配置および手法のすべてを包含するように広い解釈が与えられるべきである。