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特開2024-98175水漏れ検知システム、および水漏れ検知方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098175
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】水漏れ検知システム、および水漏れ検知方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20240716BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20240716BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20240716BHJP
   G06K 17/00 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06K19/07 170
G06K19/07 230
G06K7/10 244
G06K17/00 022
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001458
(22)【出願日】2023-01-10
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000150615
【氏名又は名称】株式会社長谷工コーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】TOPPANエッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】別納 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】森山 知之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 哲矢
(72)【発明者】
【氏名】松保 諒
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA00
5L049AA00
(57)【要約】
【課題】設置されたRFIDラベルに対して正しい読み取り方向および距離を判断することを容易とする。
【解決手段】水分を検知するRFIDラベルを用いた住宅における水漏れ検知システム1であって、RFIDラベルの所定の記録情報を読み取る読取装置と、読取装置により受け付けられた所定の情報として、住宅を識別する固有の住宅IDまたはRFIDラベルを識別するラベルIDの少なくとも一方と、RFIDラベルの設置場所に関する設置情報または読取装置によるRFIDラベルの読取が可能な位置に関する読取位置情報の少なくとも一方と、を関連付けて記録するデータベースを有し、読取装置は、住宅IDの入力に基づきデータベースに記録された設置情報または読取位置情報の少なくとも一方を出力する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分を検知するRFIDラベルを用いた住宅における水漏れ検知システムであって、
前記RFIDラベルの所定の記録情報を読み取る読取装置と、
前記読取装置により受け付けられた所定の情報として、前記住宅を識別する固有の住宅IDまたは前記RFIDラベルを識別するラベルIDの少なくとも一方と、前記RFIDラベルの設置場所に関する設置情報または前記読取装置による前記RFIDラベルの読取が可能な位置に関する読取位置情報の少なくとも一方と、を関連付けて記録するデータベースを有し、
前記読取装置は、前記住宅IDの入力に基づき前記データベースに記録された前記設置情報または前記読取位置情報の少なくとも一方を出力する出力部を有する、
ことを特徴とする水漏れ検知システム。
【請求項2】
前記読取装置は、該読取装置により読み取られた前記所定の記録情報である前記ラベルIDとRFIDラベルの導通状態に関する情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部により記憶された前記所定の情報を前記データベースに送信する送信部と、を更に有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の水漏れ検知システム。
【請求項3】
前記読取装置は、点検対象の住宅ごとに設置された点検情報識別用のRFIDラベルから、前記所定の記録情報として前記設置情報または前記読取位置情報の少なくとも一方に関連付く所定の取得コードを読み取る読取部と、
前記読取部により読み取られた前記取得コードを用いて、前記データベースから前記設置情報または前記読取位置情報の少なくとも一方を取得する取得部と、を更に有する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の水漏れ検知システム。
【請求項4】
前記読取装置は、該読取装置により取得された所定の端末位置情報を用いて、前記RFIDラベルの実際の設置個所についての前記設置情報または前記読取位置情報の少なくとも一方を生成する生成部を更に有する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の水漏れ検知システム。
【請求項5】
前記読取装置は、前記住宅の図面データに基づいて前記RFIDラベルの推奨設置個所に関する情報を算出する算出部と、
前記算出部により算出された前記推奨設置個所に関する情報を、所定の形式で表示する表示部と、
前記表示部により表示された前記推奨設置個所に関する情報に基づき設置された前記RFIDラベルの実際の設置個所についての前記設置情報または前記読取位置情報の少なくとも一方を受け付ける受付部と、を更に有する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の水漏れ検知システム。
【請求項6】
水分を検知するRFIDラベルを用いた住宅における水漏れ検知方法であって、
読取装置が、前記RFIDラベルの所定の記録情報を読み取り、
データベースが、前記読取装置により受け付けられた所定の情報として、前記住宅を識別する固有の住宅IDまたは前記RFIDラベルを識別するラベルIDの少なくとも一方と、前記RFIDラベルの設置場所に関する設置情報または前記読取装置による前記RFIDラベルの読取が可能な位置に関する読取位置情報の少なくとも一方と、を関連付けて記録し、
前記読取装置が、前記住宅IDの入力に基づき前記データベースに記録された前記設置情報または前記読取位置情報の少なくとも一方を出力する、
ことを含むことを特徴とする水漏れ検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水漏れ検知用のRFIDラベルを読み取るための水漏れ検知システム、および水漏れ検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
RFID(Radio Frequency Identification)は、電波を用いてRF(Radio Frequency)タグの情報を非接触で読み書きする自動認識技術である。例えば、RFIDは、バッテリレスかつ無線技術によりRFタグに保存されている情報(例えば、RFタグの識別情報等)の取得を可能とする。RFタグは、ラベル型、インレット型、カード型等様々な形状で用いられる。
【0003】
従来、RFIDを用いた技術として、IC(Integrated Circuit)タグ(なお、ICタグと前述のRFタグは、同じ機能を有する)を用いた水分検知センサが知られている(例えば、特許文献1を参照)。水分検知センサは、水分の付着を防ぐ構造のアンテナ部および露出状態の水分検知部という構造を有する。アンテナ部は、RFIDに用いられるICタグを読み取る装置から発せられる電波を受信することで、遠距離かつ非金属物質を透過して情報の受け渡しを行う。
【0004】
他方、水分検知部は、ICタグの回路(配線)が「導通状態」か「非導通状態」かの判別を可能とする端子が設けられており、水分の付着により配線が導通状態になることに基づいて、水分を検知する。なお、水分検知部は、直線状や櫛刃状、更には水分が付着することにより不可逆的に破壊され導通状態となる導通層という構造を有している場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-124657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、設置されたRFIDラベル(RFID技術を用いた水分を検知するラベル型のRFタグのことで、以降は「RFIDラベル」と表記)に対して正しい読み取り方向および距離を判断することが難しい、という課題があった。
【0007】
具体的には、水分検知センサに用いられるRFIDラベルのアンテナ部は、指向性を有しており読み取り可能方向や距離が限定されている場合がある。そのため、RFIDラベルが目視での確認が難しい箇所に設置されている場合、読み取りを行うユーザは、どの方向から、かつどの距離からRFIDラベルを読み取ればよいか分からないという課題があった。
【0008】
そこで、本開示では、設置されたRFIDラベルに対して正しい読み取り方向および距離の判断が容易な水漏れ検知システム、および水漏れ検知方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本開示に係る一形態の水漏れ検知システムは、水分を検知するRFIDラベルを用いた住宅における水漏れ検知システムであって、前記RFIDラベルの所定の記録情報を読み取る読取装置と、前記読取装置により受け付けられた所定の情報として、前記住宅を識別する固有の住宅IDまたは前記RFIDラベルを識別するラベルIDの少なくとも一方と、前記RFIDラベルの設置場所に関する設置情報または前記読取装置による前記RFIDラベルの読取が可能な位置に関する読取位置情報の少なくとも一方と、を関連付けて記録するデータベースを有し、前記読取装置は、前記住宅IDの入力に基づき前記データベースに記録された前記設置情報または前記読取位置情報の少なくとも一方を出力する出力部を備える。
【発明の効果】
【0010】
実施形態の一態様によれば、設置されたRFIDラベルに対して正しい読み取り方向および距離を判断することを容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る水漏れ検知システムの概要を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るRFIDラベルの構造の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るRFIDラベルの設置方法の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る水漏れ検知システムの装置構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る点検情報の一例を示すテーブル図である。
図6図6は、実施形態に係るRFIDラベル設置時の処理手順のフローチャートを示す図である。
図7図7は、実施形態に係るRFIDラベル点検時の処理手順のフローチャートを示す図である。
図8図8は、実施形態に係るRFIDラベル設置時の処理手順のフローチャートを示す図である。
図9図9は、水漏れ検知システムの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0013】
〔1.全体概要〕
本実施形態の水漏れ検知システム1は、水分を検知するRFIDラベル10を用いた住宅における水漏れ検知システム1であって、ユーザU(RFIDラベルの設置、または水漏れ点検を行う作業員のことで、以降は「ユーザ」と統一して表記)により点検対象の住宅に設置されたRFIDラベル10の設置場所および設置方向に関する情報、または読み取り可能な位置に関する情報を受け付け、外部の装置等(例えば、外部記憶装置200)に登録する。
【0014】
さらに、ユーザUにより水漏れ点検が実施される際に、水漏れ検知システム1に含まれるRFIDラベル10の読取機(以降は、「読取装置100」と表記)は、登録された設置場所および設置方向に関する情報、または読み取り可能な位置に関する情報に基づいてRFIDラベル10の読取可能な位置や方向を表示する。前述してきたように、水漏れ検知システム1は、設置されたRFIDラベル10の設置個所や読み取り可能位置または方向の情報を水漏れ点検を実施するユーザUに提供することで、ユーザUによる読み取り作業を容易とする。
【0015】
読取装置100は、設置されたRFIDラベル10から、RFIDラベル10を識別する情報と導通状態から水漏れが発生しているか否かを判定する情報とを読み取り、外部の装置等に登録する。
【0016】
ここで、図1を用いて、RFIDラベル10の設置時の情報登録、および登録された情報を用いた点検情報の表示の一例について説明を行う。図1は、実施形態に係る水漏れ検知システム1の概要を示す図である。まず、読取装置100は、ユーザUの操作に基づき点検対象の住宅を識別する情報(以降、「住宅ID121a」と表記)を受け付ける(図1の(1)を参照)。次に、読取装置100は、キッチンのシンク30内部の正面右側に南向きに設置されたRFIDラベル10に対して、シンク30の正面右側付近から読み取りを行い、RFIDラベル10を識別する情報(以降、「ラベルID121b」と表記)と導通状態から水漏れが発生しているか否かを判定する情報(以降、「導通状態に関する情報121e」と表記)を取得する(図1の(2)を参照)。
【0017】
続けて、読取装置100は、ユーザUにより入力された設置済みのRFIDラベル10の設置場所および設置向きに関する情報(以降、「設置情報121c」と表記)、または読取り可能な位置に関する情報(以降、「読取位置情報121d」と表記)を受け付ける(図1の(3)を参照)。RFIDラベル10の設置対象箇所が複数存在する場合に読取装置100は、同様の手順によりその他の設置場所についての情報を登録する。
【0018】
なお、読取装置100は、記憶した住宅ID121a、ラベルID121b、設置情報121c、読取位置情報121d、導通状態に関する情報121e、等を外部記憶装置200に送信する(図1の(4)を参照)。
【0019】
次に、ユーザUによる水漏れ点検の際の水漏れ検知システム1の処理の概要を説明する。読取装置100は、住宅ID121aに関連付く設置情報121cまたは読取位置情報121dを、外部記憶装置200から取得する(図1の(5)を参照)。
【0020】
読取装置100は、外部記憶装置200から取得した設置情報121cまたは読取位置情報121dに基づき、対象箇所のRFIDラベル10の設置位置および設置方向、または読み取り可能位置を表示する。次に、読取装置100は、前述の情報を参照するユーザUの操作に基づいて、点検対象のRFIDラベル10からラベルID121bと導通状態に関する情報121eとを読み取る(図1の(6)を参照)。
【0021】
点検対象のRFIDラベル10が複数存在する場合に読取装置100は、同様の手順により、その他の設置場所のRFIDラベル10からラベルID121bと導通状態に関する情報121eとを読み取る。読取装置100は、外部記憶装置200にラベルID121b、導通状態に関する情報121eを送信する(図1の(7)を参照)。
【0022】
〔2.水漏れ検知システムのRFIDラベル〕
次に、本実施形態に係る水漏れ検知システム1に用いられるRFIDラベル10の構造および設置方法の一例について、図2および図3を用いて説明する。なお、図2および図3に示されるRFIDラベル10の構造、材料、設置方法は、あくまで一例であり水分を検知できるRFIDラベルであれば構造、材料、設置方法は限定されない。
【0023】
図2は、水漏れ検知に用いるRFIDラベル10の構造の一例を示す図である。図2のRFIDラベル平面構造11に示す通り、RFIDラベル10は、アンテナ部と検知部とを有する。アンテナ部は、水から保護する層(例えば、防水性を有するタック紙等)により保護されており、読取装置100等から発せられた電波を受信して所定の情報の受け渡しを行う。他方、検知部は、検知部分の回路が露出状態となっており、回路への水分の付着により回路が導通状態となることに基づいて水漏れを検知する。
【0024】
図2のRFIDラベル層構成12に示す通り、RFIDラベル10は、離型紙(例えば、台紙等)と、粘着剤と、インレット(RFIDラベルが機能するためのアンテナ部と検知部が回路によって形成されたICチップ)と、タック紙(水分保護層)とを有する構造である。言い換えると、RFIDラベル10は、インレットが粘着剤により離型紙に接着され、更にインレットに含まれるアンテナ部がタック紙により保護されている、という構造を有する。なお、前述した通り検知部は、露出状態である。
【0025】
次に、RFIDラベル10の設置方法の一例について、図3を用いて説明する。図3のRFIDラベル設置例13に示す通り、RFIDラベル10は、粘着剤が塗布された補助材に、水分からの保護のためアンテナ部を地面に対して鉛直方向の上部に、水分の検知のため検知部を地面に対して鉛直方向の下部となるように接着され、対象の場所に設置される。なお、補助材は、任意の角度を有するL字状の構造を有しており、L字を構成する角度は限定されず必要に応じて設定されてよい。また、補助材に用いられる材料は、水分検知ラベルとして十分な強度を有する材料であれば限定されない。
【0026】
〔3.水漏れ検知システムの構成〕
ここから、実施形態に係る水漏れ検知システム1による所定の処理を実行する読取装置100、および外部記憶装置200の構成について説明する。図4は、実施形態に係る水漏れ検知システム1の構成例を示す図である。
【0027】
〔3-1.読取装置の構成〕
図4に示すように、読取装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、読取装置100は、読取装置100を管理する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、タッチパネルやキーボードやマウス等)を有してもよい。また、水漏れ検知システム1を構成する読取装置100は、ネットワークNを介して外部記憶装置200や、複数の読取装置100nと通信を行ってよい。
【0028】
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)やネットワークインタフェースコントローラ等によって実現される。通信部110は、ネットワークN(例えばインターネット)と有線または無線で接続され、ネットワークNを介して外部機器(例えば、外部記憶装置200や読取装置100n等)との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部110は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth、SIM(Subscriber Identity Module)、LPWA(Low Power Wide Area)等の任意の通信規格もしくは通信技術を用いて、情報の送受信を行ってもよい。
【0029】
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、点検情報記憶部121と、図面データ記憶部122と、端末位置情報記憶部123とを有する。
【0030】
点検情報記憶部121は、点検対象の住宅ごとの点検情報(以降は、単に「点検情報」と表記する場合がある)について、住宅ID121aと、ラベルID121bと、設置情報121cと、読取位置情報121dと、導通状態に関する情報121eと、取得コード121fと、推奨設置個所情報121gとを記憶する。なお、点検情報記憶部121(記憶部)は、読取装置100により読み取られた所定の記録情報であるラベルID121bとRFIDラベル10の導通状態に関する情報121eとを関連付けて記憶する。
【0031】
ここで、図5を用いて、点検情報記憶部121により記憶される点検情報の一例について説明する。図5に示す通り、点検情報記憶部121は、点検情報として、住宅名が「〇〇マンション」で、住宅IDが「205」で、ラベルIDが「AAA」で、設置情報に含まれる設置位置が「シンク内部,正面右側,床上10cm」で、設置情報に含まれる設置方向が「南向き」で、読取位置情報に含まれる読取位置が「シンク正面右側,床上1m」で、読取位置情報に含まれる読取方向が「北向き」で、点検実施情報に含まれる点検日時が「2022/11/1」で、点検実施情報に含まれる導通状態が「非導通」で、取得コードが「BBB」で、という内容を記憶できる。なお、図5のテーブル図に記載された項目の種類、名称、内容等は、あくまで一例であり限定されない。
【0032】
ここで図4に戻り、前述の住宅ID121aと、ラベルID121bと、設置情報121cと、読取位置情報121dと、導通状態に関する情報121eと、取得コード121fと、推奨設置個所情報121gとについて、詳細に説明を行う。
【0033】
住宅ID121aは、点検対象の住宅を識別する識別情報である。なお、住宅ID121aは、点検対象の住宅を識別する情報であれば限定されず、例えば、マンションの部屋番号や、住宅の所在地住所等と関連付けられた識別情報(例えば、文字列、数値、記号等)であってよい。
【0034】
ラベルID121bは、水漏れ検知用のRFIDラベル10を識別する識別情報である。なお、ラベルID121bは、RFIDラベル10を識別する情報であれば限定されず、例えば、RFIDラベル10のシリアル番号、製造番号、管理番号(例えば、文字列、数値、記号等)等であってよい。
【0035】
設置情報121cは、RFIDラベル10の設置個所に関する情報である。例えば、設置情報121cは、RFIDラベル10の設置位置を特定するために用いられる情報(例えば、「シンク内部,正面右側,床上10cm」等)や、設置方向を特定するために用いられる情報(例えば、「南向き」等)であってよい。
【0036】
読取位置情報121dは、設置されたRFIDラベル10の読取可能な位置に関する情報である。例えば、読取位置情報121dは、RFIDラベル10の読取可能な位置を特定するために用いられる情報(例えば、「シンク正面右側,床上1m」等)や、読取可能な方向を特定するために用いられる情報(例えば、「北向き」等)であってよい。
【0037】
導通状態に関する情報121eは、設置されたRFIDラベル10の導通状態を表す情報である。例えば、導通状態に関する情報121eは、RFIDラベル10の回路が電気的に接続された状態である「導通」と、RFIDラベル10の回路が電気的に接続されていない状態である「非導通」と、といった状態を表現できる。さらに、導通状態に関する情報121eは、取得日時に関する情報を含んでいてよい。
【0038】
なお、本実施形態の水漏れ検知システム1において、導通状態に関する情報121eは、RFIDラベル10の仕様に基づいて導通状態が「水漏れ発生有り」で、非導通状態が「水漏れ発生無し」で、と読み替えられて記憶されてもよい。
【0039】
取得コード121fは、点検対象の住宅ごとの点検情報を識別する識別情報である。点検情報と関連付けられた取得コード121fは、点検対象の住宅ごとに設置された点検情報識別用のRFIDラベル20等に記憶されていてよい。例えば、読取装置100は、点検情報識別用のRFIDラベル20から読み取った取得コード121fを、点検情報記憶部121に記憶できる。他方で、読取装置100は、ユーザU等により直接入力された取得コード121fを受け付けて記憶してもよい。
【0040】
推奨設置個所情報121gは、点検対象の住宅の図面データに基づき後述の算出部137により算出されたRFIDラベル10の推奨設置個所に関する情報である。例えば、推奨設置個所情報121gは、水漏れ点検を実施可能な箇所、RFIDラベル10を読み取り可能な箇所、RFIDラベル10の設置が容易な箇所等の観点に基づき、点検対象の住宅の図面データ等を用いて算出される推奨設置個所情報121gであってよい。
【0041】
図面データ記憶部122は、点検対象の住宅の図面データ(以降、単に「図面データ」と表記する場合がある)を記憶する。例えば、図面データ記憶部122は、図面データとして、住宅の間取り情報、空調設備施工図、衛生設備施工図、電気配線図等の情報を記憶することができる。なお、図面データ記憶部122は、住宅の図面データの範疇に含まれる情報であれば前述した情報に限定されず記憶することができる。
【0042】
端末位置情報記憶部123は、読取装置100により取得された読取装置100自身の端末位置情報である。なお、ここでいう「端末」とは、読取装置100のことを意味する。例えば、端末位置情報記憶部123は、読取装置100について、GPS(Global Positioning System)等で測位された位置情報、地図や図面データから算出された標高情報、電子コンパス等で算出された方位情報、といった情報を記憶できる。
【0043】
制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等によって、読取装置100内部に記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。制御部130は、読取部131と、受付部132と、生成部133と、取得部134と、出力部135と、送信部136と、算出部137と、表示部138とを含む。
【0044】
読取装置100の読取部131は、RFIDラベル10の所定の記録情報を読み取る。なお、ここでいう所定の記録情報とは、読取装置100により所定のRFIDラベル(例えば、RFIDラベル10やRFIDラベル20等)から読み取られた情報であり、ラベルID121b、導通状態に関する情報121e、取得コード121f等が含まれる。
【0045】
例えば、読取部131は、水漏れ検知用に設置されたRFIDラベル10から、所定の記録情報としてラベルID121bと導通状態に関する情報121eとを読み取る。さらに、読取装置100の読取部131は、点検対象の住宅ごとに設置された点検情報識別用のRFIDラベル20から、所定の記録情報として設置情報121cまたは読取位置情報121dの少なくとも一方に関連付く所定の取得コード121fを読み取る。
【0046】
なお、読取部131は、RFID技術が用いられたRFIDラベルをはじめとするICタグ、RFタグから読み取り可能な情報であれば、前述した所定の記録情報に限定せず読み取ることができる。
【0047】
受付部132は、読取装置100に入力された情報(例えば、ユーザUにより直接入力された情報、プルダウンメニュー等で選択された情報等)を受け付ける。例えば、受付部132は、水漏れ点検を行うユーザUにより入力された、住宅ID121aと、RFIDラベル10の設置情報121cと、RFIDラベル10の読取位置情報121dと、の1つまたは複数の組み合わせを受け付けることができる。
【0048】
さらに、受付部132は、読取部131により読み取られた情報(例えば、ラベルID121b、導通状態に関する情報121e、取得コード121f等)を受け付ける。また、受付部132は、読取装置100の表示部138により表示された図面データ上の所定の位置をユーザU等が選択することにより、設置情報121cや読取位置情報121dを受け付けてもよい。
【0049】
さらに、受付部132は、後述の表示部138により表示されたRFIDラベル10の推奨設置個所に関する情報(推奨設置個所情報121g)に基づき、ユーザUにより設置されたRFIDラベル10の実際の設置個所についての設置情報121cまたは読取位置情報121dの少なくとも一方を受け付ける。例えば、受付部132は、前述した取得コード121fについて、RFIDラベル10の設置時に取得コード121fと住宅ID121a等とを関連付けて受け付けることができる。
【0050】
取得部134は、住宅ID121aまたはラベルID121bに関連付く設置情報221cまたは読取位置情報221dの少なくとも一方を、外部記憶装置200のデータベース221から取得する。さらに、取得部134は、読取部131により読み取られた取得コード121fを用いて、外部記憶装置200のデータベース221から設置情報221cまたは読取位置情報221dの少なくとも一方を取得する。
【0051】
なお、本実施形態では、取得部134は、データベース221に記録された設置情報221cまたは読取位置情報221dから、点検対象の住宅に係る設置情報121cまたは読取位置情報121dを取得する。
【0052】
読取装置100の生成部133は、読取装置100により取得された所定の端末位置情報を用いて、RFIDラベル10の実際の設置個所についての設置情報121cまたは読取位置情報121dの少なくとも一方を生成する。
【0053】
読取装置100の出力部135は、住宅ID121aの入力に基づき外部記憶装置200のデータベース221に記録された設置情報121cまたは読取位置情報121dの少なくとも一方を出力する。具体的には、出力部135は、データベース221から取得した設置情報221cまたは読取位置情報221dを、点検対象の住宅の設置情報121cまたは読取位置情報121dとして出力できる。なお、出力部135は、前述の住宅ID121aに限定せず、例えば、点検対象のRFIDラベル10のラベルIDの入力に基づいて、前述の出力の処理を行ってよい。
【0054】
また、出力部135は、外部記憶装置200のデータベース221に記録された情報だけでなく、読取装置100の記憶部120に記憶された情報を出力することができる。また、出力部135により出力される情報は、読取装置100以外も用いることができる。例えば、ネットワークNを介して接続された端末装置(例えば、移動体通信端末やパーソナルコンピュータ等)は、出力部135により出力された情報に基づいてRFIDラベル10の設置情報121cや読取位置情報121dを表示してよい。
【0055】
送信部136は、記憶部120により記憶された所定の情報を外部記憶装置200のデータベース221に送信する。具体的には、送信部136は、所定の情報として点検情報記憶部121により記憶された住宅ID121aと、ラベルID121bと、設置情報121cと、読取位置情報121dと、導通状態に関する情報121eと、取得コード121fとを外部記憶装置200のデータベース221に送信する。
【0056】
なお、読取装置100は、RFIDラベル10の設置時、および点検時における外部記憶装置200への情報の送信タイミングを限定せず、必要に応じて都度送信してもよいし、纏めて送信してもよい。さらに、送信部136は、前述した情報のうち1つ、または複数組み合わせを必要に応じて送信することができる。また、送信部136は、前述した情報に限定せず、水漏れ点検の範疇に含まれる情報であれば送信することができる。
【0057】
読取装置100の算出部137は、住宅の図面データに基づいてRFIDラベル10の推奨設置個所に関する情報(推奨設置個所情報121g)を算出する。具体的には、算出部137は、図面データに含まれる間取り情報、空調設備施工図、衛生設備施工図、電気配線図等の情報に基づいて、RFIDラベル10の設置個所について、推奨される位置(例えば、設置しやすい、読み取りしやすい等)についての情報である推奨設置個所情報121g(具体的には、推奨される設置個所または設置方向)を算出することができる。
【0058】
また、算出部137は、過去のRFIDラベル10の設置情報(例えば、設置しやすい箇所、読み取りしやすい設置箇所または設置方向等)を入力として学習モデルを学習し、前述の推奨設置個所情報121gを算出することができる。例えば、算出部137は、過去の複数の点検対象の住宅におけるRFIDラベル10の設置情報121cまたは読取位置情報121dを用いて、機械学習等の学習モデルを学習して推奨設置個所情報121gを算出してもよい。
【0059】
表示部138は、読取装置100の表示パネル(例えば、液晶ディスプレイ等)に所定の情報を表示する。例えば、表示部138は、出力部135により出力された住宅ID121aまたはラベルID121bに関連付く設置情報221cや読取位置情報221dを表示する。なお、表示部138は、図面データに前述の設置情報221cや読取位置情報221dを重畳させて表示してもよい。
【0060】
また、表示部138は、算出部137により算出された推奨設置個所に関する情報(推奨設置個所情報121g)を、所定の形式で表示する。例えば、表示部138は、前述の推奨された設置個所を図面データに重畳させて表示してよい。
【0061】
さらに、表示部138は、点検対象の住宅における点検実施情報として、指定された日時における所定の点検箇所のラベルID121bと導通状態に関する情報121eを表示することができる。なお、表示部138は、前述した情報以外にも読取装置100の操作に関する情報や、その他水漏れ点検に関する情報の範疇であれば、限定無く表示することができる。
【0062】
〔3-2.外部記憶装置の構成〕
外部記憶装置200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを有する。なお、外部記憶装置200は、外部記憶装置200を管理する管理者等から各種操作を受け付ける入力部や、所定の情報を表示するための表示部を有してもよい。また、水漏れ検知システム1を構成する外部記憶装置200は、単独の記憶装置(サーバ)であってもよいし、複数の記憶装置により構成されるクラウドサーバであってもよい。さらに、外部記憶装置200は、ネットワークNを介して複数の読取装置100と通信を行ってよい。
【0063】
通信部210は、例えば、NICやネットワークインタフェースコントローラ等によって実現される。通信部210は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、外部機器(例えば、読取装置100等)との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部210は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth、SIM、LPWA等の任意の通信規格もしくは通信技術を用いて、情報の送受信を行ってもよい。
【0064】
記憶部220は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部220は、データベース221と、図面データ記憶部222とを有する。
【0065】
データベース221は、読取装置100により送信された複数の住宅の点検情報を記録する。具体的には、データベース221は、住宅ID221aと、ラベルID221bと、設置情報221cと、読取位置情報221dと、導通状態に関する情報221eと、取得コード221fと、推奨設置個所情報221gとを記憶する。なお、データベース221により記録された住宅ID221a、ラベルID221b、設置情報221c、読取位置情報221d、導通状態に関する情報221e、推奨設置個所情報221gは、読取装置100により送信された複数の点検対象の住宅に係る情報であるが、読取装置100の点検情報記憶部121により記憶された情報と同様の内容であるため、取得コード221f以外の詳細な説明は省略する。
【0066】
さらに、データベース221は、読取装置100により受け付けられた住宅を識別する固有の住宅ID121aまたはRFIDラベル10を識別するラベルID121bの少なくとも一方と、RFIDラベル10の設置場所に関する設置情報121cまたは読取装置100によるRFIDラベル10の読取が可能な位置に関する読取位置情報121dの少なくとも一方と、を関連付けて記録する。
【0067】
取得コード221fは、点検対象の住宅ごとの点検情報を識別する識別情報であり、住宅ごとの点検情報と関連付けられて記録される。具体的には、読取装置100の読取部131は、点検対象の住宅に設置された点検情報識別用のRFIDラベル20に記憶された取得コード121fを読み込む。読取装置100の取得部134は、読取装置100の読取部131により読み取られた取得コード121fとデータベース221により記録される取得コード221fとを突合して、点検対象の住宅の点検情報(例えば、点検対象のRFIDラベル10の設置情報121cや読取位置情報121d等)をデータベース221から取得する。
【0068】
例えば、図5の一例では、読取装置100の取得部134は、取得コード「BBB」を用いて、住宅名が「〇〇マンション」で、住宅IDが「205」で、ラベルIDが「AAA」で、設置情報に含まれる設置位置が「シンク内部,正面右側,床上10cm」で、設置情報に含まれる設置方向が「南向き」で、読取位置情報に含まれる読取位置が「シンク正面右側,床上1m」で、読取位置情報に含まれる読取方向が「北向き」で、という点検対象の住宅の点検情報をデータベース221から取得できる。
【0069】
ここで、図4に戻り説明を続ける。図面データ記憶部222は、点検対象の複数の住宅の図面データを記憶する。例えば、図面データ記憶部222は、図面データとして、住宅の間取り情報、空調設備施工図、衛生設備施工図、電気配線図等の情報を記憶することができる。なお、図面データ記憶部122は、住宅の図面データの範疇に含まれる情報であれば前述した情報に限定されず記憶することができる。
【0070】
制御部230は、例えば、CPUやMPU、GPU等によって、外部記憶装置200内部に記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部230は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。そして、制御部230は、外部記憶装置200が機能を実現するための処理を実施することができる。
【0071】
〔4.変形例〕
上記してきた実施形態では、水漏れ検知システム1によるRFIDラベル10の設置情報の登録、および点検時の情報表示の一例を説明した。しかし、水漏れ検知システム1による処理は上記に限定されるものではない。ここから、本実施形態の水漏れ検知システム1の読取装置100が有する機能を用いて実現される変形例について説明する。
【0072】
〔4-1.変形例1:取得コードの利用〕
変形例1は、点検対象の住宅ごとの点検情報を識別する情報である取得コード121fを利用した実施形態である。読取部131は、予め点検対象の住宅に設置された点検情報識別用のRFIDラベル20に含まれる取得コード121fを読み取る。続けて、取得部134は、読み取られた取得コード121fに関連付く設置情報221cまたは読取位置情報221dを外部記憶装置200のデータベース221から取得する。出力部135は、取得部134により取得された設置情報221cまたは読取位置情報221dに基づく設置情報121cまたは読取位置情報121dを出力する。表示部138は、出力部135により出力された情報に基づき、点検対象の住宅に係る設置情報121cまたは読取位置情報121dを表示する。
【0073】
〔4-2.変形例2:端末位置情報の利用〕
変形例2は、読取装置100により取得された端末位置情報を用いて、RFIDラベル10の設置情報121cと読取位置情報121dとを生成する実施形態である。具体的には、生成部133は、読取装置100により取得された読取装置100自身の端末位置情報(例えば、読取装置100の位置情報、標高情報、方位情報等)を用いて、所定の位置に設置されたRFIDラベル10の設置情報121c(設置位置、設置方向)と読取位置情報121d(読取可能位置、読取可能方向)を生成する。
【0074】
〔4-3.推奨設置個所情報の利用〕
変形例3では、RFIDラベル10の推奨設置個所情報121gを用いた実施形態である。具体的には、算出部137は、点検対象の住宅の図面データに基づいて、推奨されるRFIDラベル10の設置位置、設置方向に関する情報である推奨設置個所情報121gを算出する。表示部138は、算出部137により算出された推奨設置個所情報121gを用いて、図面データにRFIDラベル10の推奨された設置個所を重畳して表示することができる。さらに、受付部132は、推奨設置個所情報121gに基づきユーザUにより設置された実際のRFIDラベル10の設置情報121cと読取位置情報121dとを受け付ける。
【0075】
〔5.処理手順〕
ここから、本実施形態に係る水漏れ検知方法の処理の手順を詳細に説明する。なお、本実施形態が行う処理は、「5-1.RFIDラベルの設置および情報の登録」と、「5-2.登録情報を用いた水漏れ点検の実施」と、「5-3.推奨設置個所情報に基づくRFIDラベルの設置」とに分けられることから、手順の説明もそれぞれ行う。なお、それぞれのフローチャートに記載されたステップは、複数組み合わせて実行されてもよいし、省略されるステップがあってもよい。
【0076】
〔5-1.RFIDラベルの設置および情報の登録〕
図6は、本実施形態に係るRFIDラベル10の設置および情報の登録の手順を示すフローチャートである。まず、受付部132は、住宅ID121aを受け付ける(ステップS101)。次に、読取部131は、設置されたRFIDラベル10からラベルID121bとRFIDラベル10の導通状態に関する情報121eとを読み取る(ステップS102)。
【0077】
受付部132は、設置されたRFIDラベル10に係る設置情報121cまたは読取位置情報121dを受け付ける(ステップS103)。なお、受付部132は、生成部133により端末位置情報に基づいて生成された設置情報121cまたは読取位置情報121dを受け付けてもよい。
【0078】
送信部136は、受付部132により受け付けられた情報(例えば、住宅ID121a、設置情報121cまたは読取位置情報121d)と、読取部131により読み取られた情報(例えば、ラベルID121b、導通状態に関する情報121e)とを外部記憶装置200のデータベース221に送信する(ステップS104)。
【0079】
未登録のRFIDラベル10が存在する場合(ステップS105;Yes)は、工程を戻り処理を継続する。他方、未登録のRFIDラベル10が存在しない場合(ステップS105;No)は、工程を終了する。
【0080】
〔5-2.登録情報を用いた水漏れ点検の実施〕
図7は、登録情報を用いた水漏れ点検として、本実施形態に係るRFIDラベル10の設置情報121cまたは読取位置情報121dの表示の手順を示すフローチャートである。まず、受付部132は、住宅ID121aを受け付ける(ステップS201)。次に、表示部138は、受付部132により受け付けられた住宅ID121aに関連付く設置情報121cまたは読取位置情報121dを表示する(ステップS202)。
【0081】
なお、点検情報識別用のRFIDラベル20が設置されている場合には、読取装置100は、読取部131により当該RFIDラベル20から読み取られた取得コード121fを用いて、外部記憶装置200のデータベース221から対象の設置情報121cまたは読取位置情報121dを取得して、設置情報121cまたは読取位置情報121dとして表示をしてよい。
【0082】
読取部131は、設置されたRFIDラベル10からラベルID121bとRFIDラベル10の導通状態に関する情報121eとを読み取る(ステップS203)。送信部136は、受付部132により受け付けられた情報(例えば、住宅ID121a)と、読取部131により読み取られた情報(例えば、ラベルID121b、導通状態に関する情報121e)とを外部記憶装置200のデータベース221に送信する(ステップS204)。
【0083】
未点検のRFIDラベル10が存在する場合(ステップS205;Yes)は、工程を戻り処理を継続する。他方、未点検のRFIDラベル10が存在しない場合(ステップS205;No)は、工程を終了する。
【0084】
〔5-3.推奨設置個所情報に基づくRFIDラベルの設置〕
図8は、実施形態に係るRFIDラベル10の設置および情報の登録に、推奨設置個所情報121gを用いる手順を示すフローチャートである。まず、受付部132は、住宅ID121aを受け付ける(ステップS301)。次に、表示部138は、算出部137により算出された推奨設置個所情報121gと図面データとに基づき、RFIDラベル10の推奨された設置個所を表示する(ステップS302)。例えば、表示部138は、図面データ上にRFIDラベル10の推奨された設置個所を重畳して表示してよい。
【0085】
読取部131は、設置されたRFIDラベル10からラベルID121bとRFIDラベル10の導通状態に関する情報121eとを読み取る(ステップS303)。受付部132は、RFIDラベル10が実際に設置された設置個所に係る設置情報121cまたは読取位置情報121dを受け付ける(ステップS304)。例えば、受付部132は、推奨設置個所情報121gに基づきユーザUにより設置された実際のRFIDラベル10の設置情報121cと読取位置情報121dとを受け付けることができる。
【0086】
送信部136は、受付部132により受け付けられた情報(例えば、住宅ID121a、設置情報121cまたは読取位置情報121d)と、読取部131により読み取られた情報(例えば、ラベルID121b、導通状態に関する情報121e)と、算出部137により算出された情報(例えば、推奨設置個所情報121g)とを外部記憶装置200のデータベース221に送信する(ステップS305)。
【0087】
未登録のRFIDラベル10が存在する場合(ステップS306;Yes)は、工程を戻り処理を継続する。他方、未登録のRFIDラベル10が存在しない場合(ステップS306;No)は、工程を終了する。
【0088】
〔6.効果〕
前述してきたように、本開示に係る水漏れ検知システム1は、水分を検知するRFIDラベル10を用いた住宅における水漏れ検知システム1であり、読取装置100とデータベース221を有する。読取装置100は、RFIDラベル10の所定の記録情報を読み取る。一方で、データベース221は、読取装置100により受け付けられた所定の情報として、住宅を識別する固有の住宅ID121aまたはRFIDラベル10を識別するラベルID121bの少なくとも一方と、RFIDラベル10の設置場所に関する設置情報121cまたは読取装置100によるRFIDラベル10の読取が可能な位置に関する読取位置情報121dの少なくとも一方と、を関連付けて記録する。読取装置100は、住宅ID121aの入力に基づきデータベース221に記録された設置情報121cまたは読取位置情報121dの少なくとも一方を出力する。
【0089】
このように、本開示に係る水漏れ検知システム1は、RFIDラベル10の設置情報121cまたは読取位置情報121dを登録し、水漏れ点検を実施する際に読取装置100に登録された情報を表示する。これにより、水漏れ検知システム1は、設置されたRFIDラベル10に対して正しい読み取り方向および距離を判断することを容易とする、という効果を提供する。
【0090】
読取装置100は、点検対象の住宅ごとの点検情報を識別するRFIDラベル20から、設置情報121cまたは読取位置情報121dの少なくとも一方に関連付く所定の取得コード121fを読み取る。読取装置100は、読み取られた取得コード121fを用いて、データベース221から設置情報221cまたは読取位置情報221dの少なくとも一方を取得して、点検対象の住宅に係る設置情報121cまたは読取位置情報121dを表示する。その結果、水漏れ検知システム1は、RFIDラベル20を読取装置100が読み取ることで対象の点検情報を取得して、表示することを可能とする、という効果を提供する。
【0091】
読取装置100は、読取装置100により取得された所定の端末位置情報を用いて、RFIDラベル10の実際の設置個所についての設置情報121cまたは読取位置情報121dの少なくとも一方を生成する。それにより、水漏れ検知システム1は、ユーザUによる入力作業を省略して、設置情報1211cまたは読取位置情報121dを登録することを可能とする、という効果を提供する。
【0092】
読取装置100は、図面データに基づいてRFIDラベル10の推奨設置個所情報121gを算出して、所定の形式で表示する。さらに、読取装置100は、表示された推奨設置個所情報121gに基づき、ユーザUにより設置されたRFIDラベル10の実際の設置個所についての設置情報121cまたは読取位置情報121dの少なくとも一方を受け付ける。それにより、水漏れ検知システム1は、RFIDラベル10の設置効率および点検効率の向上という効果を提供する。
【0093】
〔7.その他〕
前述した実施形態に係る処理は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。
【0094】
例えば、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0095】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0096】
また、前述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0097】
また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【0098】
前述してきた実施形態に係る水漏れ検知システム1に含まれる読取装置100、および外部記憶装置200等の情報機器は、例えば図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、実施形態に係る読取装置100を例に挙げて説明する。なお、外部記憶装置200は、読取装置100と同様のコンピュータ1000で実現可能である。
【0099】
図9は、読取装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス1500、および入出力インターフェイス1600を有する。コンピュータ1000の各部は、バス1050によって接続される。
【0100】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。例えば、CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムをRAM1200に展開し、各種プログラムに対応した処理を実行する。
【0101】
ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるBIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0102】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、係るプログラムによって使用されるデータ等を非一時的に記録する、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。具体的には、HDD1400は、プログラムデータ1450の一例である本開示に係る検出処理を実行するプログラムを記録する記録媒体である。なお、HDD1400は、SSD(Solid State Drive)等により代替されてもよい。
【0103】
通信インターフェイス1500は、コンピュータ1000がネットワークN(例えば、インターネット)と接続するためのインターフェイスである。例えば、CPU1100は、通信インターフェイス1500を介して、他の機器からデータを受信したり、CPU1100が生成したデータを他の機器へ送信したりする。
【0104】
入出力インターフェイス1600は、入出力デバイス1650とコンピュータ1000とを接続するためのインターフェイスである。例えば、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、キーボードやマウス等の入力デバイスからデータを受信する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやスピーカーやプリンタ等の出力デバイスにデータを送信する。また、入出力インターフェイス1600は、所定の記録媒体(メディア)に記録されたプログラム等を読み取るメディアインターフェイスとして機能してもよい。メディアとは、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0105】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る読取装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされた検出プログラムを実行することにより、制御部130等の機能を実現する。また、HDD1400には、本開示に係る検出処理を実行するプログラムや、記憶部120内のデータが格納される。なお、CPU1100は、プログラムデータ1450をHDD1400から読み取って実行するが、他の例として、ネットワークNを介して、他の装置からこれらのプログラムを取得してもよい。
【0106】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0107】
10,20 RFIDラベル
100,100n 読取装置
110,210 通信部
120,220 記憶部
121 点検情報記憶部
121a,221a 住宅ID
121b,221b ラベルID
121c,221c 設置情報
121d,221d 読取位置情報
121e,221e 導通状態に関する情報
121f,221f 取得コード
121g,221g 推奨設置個所情報
122,222 図面データ記憶部
123 端末位置情報記憶部
130,230 制御部
131 読取部
132 受付部
133 生成部
134 取得部
135 出力部
136 送信部
137 算出部
138 表示部
200 外部記憶装置
221 データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9