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特開2024-98211媒体搬送装置、液体吐出装置、後処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098211
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】媒体搬送装置、液体吐出装置、後処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 29/60 20060101AFI20240716BHJP
   B65H 5/22 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
B65H29/60 G
B65H5/22 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001527
(22)【出願日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】小池 良和
(72)【発明者】
【氏名】川上 和久
(72)【発明者】
【氏名】大橋 一順
(72)【発明者】
【氏名】上野 幸平
【テーマコード(参考)】
3F049
3F053
【Fターム(参考)】
3F049AA10
3F049DA12
3F049DB11
3F049EA24
3F049EA28
3F049LA07
3F049LB03
3F053EA05
3F053EB01
3F053EC10
3F053EC17
3F053ED15
3F053ED25
3F053LA07
3F053LB03
(57)【要約】
【課題】媒体を搬送する経路を容易に切り替えることができる媒体搬送装置、液体吐出装置、後処理装置を提供する。
【解決手段】媒体19を搬送する記録経路38と、記録経路38の下流に配置され、媒体19を搬送する第1搬送経路40と、記録経路38の下流に配置され、媒体19を搬送する反転経路39と、記録経路38が第1搬送経路40及び反転経路39に分岐する第1分岐部51と、記録経路38を搬送される媒体19の搬送先を送風により切り替える切替動作を実行可能であり、媒体19を第1搬送経路40と反転経路39とのいずれかに送る送風部50と、を有し、先に搬送される媒体19を第1媒体とし、第1媒体に続いて搬送される媒体19を第2媒体としたとき、送風部50は、第1媒体と第2媒体との間で搬送先を切り替える場合、第1媒体が第1分岐部51を通過している間に、切替動作を開始する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を搬送する第1経路と、
前記第1経路の下流に配置され、前記媒体を搬送する第2経路と、
前記第1経路の下流に配置され、前記媒体を搬送する第3経路と、
前記第1経路が前記第2経路及び前記第3経路に分岐する分岐部と、
前記第1経路を搬送される前記媒体の搬送先を送風により切り替える切替動作を実行可能であり、該媒体を前記第2経路と前記第3経路とのいずれかに送る送風部と、
を有し、
先に搬送される前記媒体を第1媒体とし、前記第1媒体に続いて搬送される前記媒体を第2媒体としたとき、
前記送風部は、前記第1媒体と前記第2媒体との間で搬送先を切り替える場合、前記第1媒体が前記分岐部を通過している間に、前記切替動作を開始することを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記第2経路に前記媒体を搬送する第1位置と、前記第3経路に前記媒体を搬送する第2位置とに変位可能なフラップ部材を有し、
前記フラップ部材は、前記媒体の坪量が閾値より大きい場合に前記媒体の搬送先に合わせて変位することを特徴とする請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記送風部は、
前記媒体の第1面に送風する第1送風部と、
前記媒体の前記第1面とは反対の第2面に送風する第2送風部と、
を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記第1送風部は、空気を吸引することで前記媒体に送風し、
前記第2送風部は、空気を噴射することで前記媒体に送風することを特徴とする請求項3に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記第2経路は、第1面を下にして前記媒体を排出する第1排出部に前記媒体を搬送する経路であって、
前記第3経路は、前記第1面を上にして前記媒体を排出する第2排出部に前記媒体を搬送する経路であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
前記媒体に記録を行う記録部を備え、
前記第2経路は、前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部に前記媒体を搬送する経路であって、
前記第3経路は、前記記録部により記録された前記媒体を、前記記録部より上流に戻す経路であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
前記媒体に記録を行う記録部と、
前記記録部により記録された前記媒体の記録状態を判定する判定部と、
前記判定部によって正常記録と判定された前記媒体を排出する第1トレイと、
前記判定部によって異常記録と判定された前記媒体を排出する第2トレイと、
を備え、
前記第2経路は、前記第1トレイに前記媒体を搬送する経路であって、
前記第3経路は、前記第2トレイに前記媒体を搬送する経路であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項8】
前記送風部は、記録条件に応じて風量を変更することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項9】
前記送風部は、イオンを含む風を送風することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項10】
前記送風部は、前記切替動作として、前記媒体に送風する風を第1風量から前記第1風量より大きい第2風量に変更することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項11】
前記分岐部において前記第1経路、前記第2経路、及び前記第3経路に接続し、前記第1経路に対する直線経路である第4経路をさらに備え、
前記送風部は、前記媒体の搬送先を前記第4経路にする場合、送風を行わないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項12】
媒体に液体を吐出する吐出部と、
前記吐出部により前記液体を吐出された前記媒体を搬送する第1経路と、
前記第1経路の下流に配置され、前記媒体を搬送する第2経路と、
前記第1経路の下流に配置され、前記媒体を搬送する第3経路と、
前記第1経路が前記第2経路及び前記第3経路に分岐する分岐部と、
前記第1経路を搬送される前記媒体の搬送先を送風により切り替える切替動作を実行可能であり、該媒体を前記第2経路と前記第3経路とのいずれかに送る送風部と、
を有し、
先に搬送される前記媒体を第1媒体とし、前記第1媒体に続いて搬送される前記媒体を第2媒体としたとき、
前記送風部は、前記第1媒体と前記第2媒体との間で搬送先を切り替える場合、前記第1媒体が前記分岐部を通過している間に、前記切替動作を開始することを特徴とする液体吐出装置。
【請求項13】
液体吐出装置に接続した後処理装置であって、
前記液体吐出装置が有する吐出部により液体を吐出された媒体を受け付ける受け付け部と、
前記受け付け部が受け付けた前記媒体を搬送する第1経路と、
前記第1経路の下流に配置され、前記媒体を搬送する第2経路と、
前記第1経路の下流に配置され、前記媒体を搬送する第3経路と、
前記第1経路が前記第2経路及び前記第3経路に分岐する分岐部と、
前記媒体に送風することにより、前記第1経路を搬送された前記媒体の搬送先として、前記第2経路と前記第3経路とのいずれか一方に切り替える切替動作を実行する送風部と、を有し、
先に搬送される前記媒体を第1媒体とし、前記第1媒体に続いて搬送される前記媒体を第2媒体としたとき、
前記送風部は、前記第1媒体と前記第2媒体との間で搬送先を切り替える場合、前記第1媒体が前記分岐部を通過している間に、前記切替動作を開始することを特徴とする後処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置、液体吐出装置、後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1のように、媒体の一例である用紙に印刷を行う液体吐出装置の一例であるインクジェット記録装置がある。インクジェット記録装置は、用紙を搬送する媒体搬送装置の一例である用紙搬送装置を備える。用紙搬送装置は、エアを吹き付けることで用紙の搬送先を切り替える送風部の一例であるエアブロー機構を備える。エアブロー機構は、用紙の先端がエアの吹出口に進入する直前のタイミングでエアを吹き出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-113585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
送風は、指示が出てから媒体に風が当たるまでにタイムラグが生じる。そのため、例えば媒体が高速で搬送される場合、媒体の先端に合わせて送風することは難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する媒体搬送装置は、媒体を搬送する第1経路と、前記第1経路の下流に配置され、前記媒体を搬送する第2経路と、前記第1経路の下流に配置され、前記媒体を搬送する第3経路と、前記第1経路が前記第2経路及び前記第3経路に分岐する分岐部と、前記第1経路を搬送される前記媒体の搬送先を送風により切り替える切替動作を実行可能であり、該媒体を前記第2経路と前記第3経路とのいずれかに送る送風部と、を有し、先に搬送される前記媒体を第1媒体とし、前記第1媒体に続いて搬送される前記媒体を第2媒体としたとき、前記送風部は、前記第1媒体と前記第2媒体との間で搬送先を切り替える場合、前記第1媒体が前記分岐部を通過している間に、前記切替動作を開始する。
【0006】
上記課題を解決する液体吐出装置は、媒体に液体を吐出する吐出部と、前記吐出部により前記液体を吐出された前記媒体を搬送する第1経路と、前記第1経路の下流に配置され、前記媒体を搬送する第2経路と、前記第1経路の下流に配置され、前記媒体を搬送する第3経路と、前記第1経路が前記第2経路及び前記第3経路に分岐する分岐部と、前記第1経路を搬送される前記媒体の搬送先を送風により切り替える切替動作を実行可能であり、該媒体を前記第2経路と前記第3経路とのいずれかに送る送風部と、を有し、先に搬送される前記媒体を第1媒体とし、前記第1媒体に続いて搬送される前記媒体を第2媒体としたとき、前記送風部は、前記第1媒体と前記第2媒体との間で搬送先を切り替える場合、前記第1媒体が前記分岐部を通過している間に、前記切替動作を開始する。
【0007】
上記課題を解決する後処理装置は、液体吐出装置に接続した後処理装置であって、前記液体吐出装置が有する吐出部により液体を吐出された媒体を受け付ける受け付け部と、前記受け付け部が受け付けた前記媒体を搬送する第1経路と、前記第1経路の下流に配置され、前記媒体を搬送する第2経路と、前記第1経路の下流に配置され、前記媒体を搬送する第3経路と、前記第1経路が前記第2経路及び前記第3経路に分岐する分岐部と、前記媒体に送風することにより、前記第1経路を搬送された前記媒体の搬送先として、前記第2経路と前記第3経路とのいずれか一方に切り替える切替動作を実行する送風部と、を有し、先に搬送される前記媒体を第1媒体とし、前記第1媒体に続いて搬送される前記媒体を第2媒体としたとき、前記送風部は、前記第1媒体と前記第2媒体との間で搬送先を切り替える場合、前記第1媒体が前記分岐部を通過している間に、前記切替動作を開始する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】記録システムの一実施形態の模式図である。
図2】液体吐出装置の模式図である。
図3】第1分岐部の模式図である。
図4】第2分岐部の模式図である。
図5】第3分岐部の模式図である。
図6】後処理装置の模式図である。
図7】記録システムの変更例の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、媒体搬送装置、液体吐出装置、後処理装置を備える記録システムの一実施形態を、図面を参照して説明する。図面では、記録システム11が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。
【0010】
<記録システム>
図1に示すように、記録システム11は、供給装置12と、液体吐出装置13と、中間装置14と、後処理装置15と、を備えてもよい。供給装置12、液体吐出装置13、中間装置14、及び後処理装置15は、互いに隣接して設けられてもよい。本実施形態の液体吐出装置13は、供給装置12の上に載せられている。供給装置12、液体吐出装置13、中間装置14、及び後処理装置15のうち少なくとも2つは、一列に並んで設けられてもよい。供給装置12は、液体吐出装置13に接続する。後処理装置15は、中間装置14を介して液体吐出装置13に接続する。
【0011】
供給装置12は、1以上の媒体収容部17と、1以上の給送部18と、を備えてもよい。媒体収容部17は、複数の媒体19を積層状態で収容可能である。給送部18は、媒体収容部17に収容される媒体19を1枚ずつ液体吐出装置13に供給してもよい。媒体収容部17と給送部18は、液体吐出装置13にも設けられてもよい。すなわち、液体吐出装置13は、1以上の媒体収容部17と、1以上の給送部18と、を備えてもよい。本実施形態では、供給装置12と液体吐出装置13が同じ構成の給送部18を備える。給送部18の構成については、後で説明する。
【0012】
記録システム11は、1以上のスタッカーを備えてもよい。例えば、第1スタッカー21、第2スタッカー22、及び第3スタッカー23は、液体吐出装置13が備えてもよい。例えば、第4スタッカー24と第5スタッカー25は、後処理装置15が備えてもよい。第1スタッカー21~第5スタッカー25は、それぞれ記録された媒体19を受ける。
【0013】
液体吐出装置13は、例えば、媒体19に液体の一例であるインクを吐出することによって、画像を記録するインクジェット式のプリンターである。
中間装置14は、液体吐出装置13において記録された媒体19を後処理装置15に送る。
【0014】
後処理装置15は、記録された媒体19に対して後処理を行う。
記録システム11は、1以上の制御部27を備えてもよい。制御部27は、供給装置12、液体吐出装置13、中間装置14、及び後処理装置15のうち少なくとも1つの装置が備えてもよい。制御部27は、記録システム11もしくは制御部27が設けられた装置における各機構の駆動を統括的に制御する。制御部27は、記録システム11もしくは制御部27が設けられた装置で実行される各種動作を制御する。
【0015】
制御部27は、α:コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、β:各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはγ:それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。ハードウェア回路は、例えば特定用途向け集積回路である。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0016】
<液体吐出装置、媒体搬送装置>
図2に示すように、液体吐出装置13は、媒体搬送装置29を備える。媒体搬送装置29は、記録部30を備えてもよい。記録部30は、液体吐出装置13が備えてもよい。図面では、媒体19が搬送される経路を一点鎖線で示す。本実施形態では、媒体19が搬送される方向を搬送方向Dともいう。搬送方向Dは、媒体19が搬送される経路に沿う方向である。本実施形態において、上流とは搬送方向Dの上流であり、下流とは搬送方向Dの下流である。
【0017】
給送部18は、媒体収容部17に収容された媒体19を1枚ずつ媒体搬送装置29に送り出す。給送部18は、給送ローラー32と、分離部33と、を備えてもよい。
給送ローラー32は、媒体19に接する状態で回転することにより、媒体19を媒体収容部17から送り出す。
【0018】
分離部33は、送り出される媒体19を1枚ずつ分離する。分離部33は、重なった状態の媒体19から、最も上の媒体19を分ける。分離部33は、上から2枚目以降の媒体19を媒体収容部17に押し留める。
【0019】
記録部30は、媒体19に記録を行う。記録部30は、媒体19に液体を吐出する吐出部35を備えてもよい。すなわち、液体吐出装置13は、吐出部35を備えてもよい。吐出部35は、液体を吐出する複数のノズル36を有してもよい。吐出部35は、媒体搬送装置29が搬送する媒体19に液体を吐出することで媒体19に記録する。
【0020】
媒体搬送装置29は、記録経路38と、反転経路39と、第1搬送経路40と退避経路41と、第2搬送経路42と、第1排出経路43と、第2排出経路44と、送出経路45と、を備えてもよい。記録経路38、反転経路39、第1搬送経路40、退避経路41、第2搬送経路42、第1排出経路43、第2排出経路44、及び送出経路45は、それぞれ媒体19を搬送する。
【0021】
媒体搬送装置29は、1以上の搬送ローラー47と、無端状の搬送ベルト48と、一対のプーリー49と、を備えてもよい。媒体搬送装置29は、1以上の分岐部と、1以上の送風部50と、を備えてもよい。本実施形態の媒体搬送装置29は、分岐部と送風部50を3つずつ備える。3つの分岐部は、それぞれ第1分岐部51、第2分岐部52、第3分岐部53ともいう。送風部50は、それぞれの分岐部に隣接して設けられる。媒体搬送装置29は、第1排出部54と、第2排出部55と、第3排出部56と、送出部57と、を備えてもよい。本実施形態では、分岐部に搬送された媒体19の上側の面を第1面59といい、第1面59とは反対の下側の面を第2面60ともいう。
【0022】
搬送ローラー47、第1排出部54、第2排出部55、第3排出部56、及び送出部57は、媒体19を挟んだ状態で回転することで、媒体19を搬送してもよい。搬送ローラー47は、媒体19を搬送する経路に沿って設けられる。
【0023】
搬送ベルト48は、一対のプーリー49に掛け渡される。搬送ベルト48は、記録経路38を挟んで記録部30と対向する。搬送ベルト48は、媒体19の一部を平坦な状態に支持する。搬送ベルト48は、媒体19を吸着した状態で回転することで、媒体19を搬送する。
【0024】
第1排出部54は、第1スタッカー21に媒体19を排出する。第1排出部54は、第1面59を下にして媒体19を排出する。
第2排出部55は、第2スタッカー22に媒体19を排出する。第2排出部55は、第1面59を上にして媒体19を排出する。
【0025】
第3排出部56は、第3スタッカー23に媒体19を排出する。第3排出部56は、第1面59を上にして媒体19を排出する。
送出部57は、記録された媒体19を中間装置14に送り出す。
【0026】
媒体搬送装置29は、判定部62を備えてもよい。判定部62は、制御部27がメモリーに記憶されるプログラムを実行することによって実現されてもよい。判定部62は、記録部30により記録された媒体19の記録状態を判定してもよい。判定部62は、例えば画像を検出する図示しないセンサーの検出結果に基づいて記録状態を判定してもよい。判定部62は、例えば搬送ローラー47を駆動するモーターの負荷、ノズル36の吐出具合など基づいて記録状態を判定してもよい。
【0027】
記録経路38は、第1分岐部51より上流の経路である。記録経路38は、給送部18と第1分岐部51と、を結ぶ経路である。記録部30は、記録経路38を搬送させる媒体19に記録を行う。
【0028】
反転経路39は、記録経路38の下流に配置される。反転経路39は、第1分岐部51より下流に配置される。反転経路39は、記録経路38に対して鉛直方向の上方に湾曲する経路であってもよい。反転経路39の下流端は、記録部30より上流において記録経路38に合流する。反転経路39は、媒体19の両面に記録を行う場合に、片面に記録された媒体19を記録部30より上流に戻す。このとき反転経路39は、先に記録された表面が下を向くように媒体19を反転させる。すなわち、記録経路38に戻された媒体19は、記録されていない裏面が記録部30と対向して記録される。片面に記録された媒体19は、記録された表面が第1面59になる。両面に記録された媒体19は、後から記録された裏面が第1面59になる。
【0029】
第1搬送経路40は、記録経路38の下流に配置される。第1搬送経路40は、第1分岐部51より下流に配置される。第1搬送経路40は、第2分岐部52より上流の経路である。第1搬送経路40は、記録経路38に対する直線経路であってもよい。第1搬送経路40は、第1分岐部51と第2分岐部52とを結ぶ経路である。
【0030】
退避経路41は、第1搬送経路40の下流に配置される。退避経路41は、第2分岐部52より下流に配置される。退避経路41は、第1搬送経路40に対して鉛直方向の下方に湾曲する経路であってもよい。退避経路41は、第2分岐部52と第3排出部56とを結ぶ経路である。退避経路41は、第3スタッカー23に媒体19を搬送する経路である。
【0031】
第2搬送経路42は、第1搬送経路40の下流に配置される。第2搬送経路42は、第2分岐部52より下流に配置される。第2搬送経路42は、第3分岐部53より上流の経路である。第2搬送経路42は、第1搬送経路40に対する直線経路であってもよい。第2搬送経路42は、第2分岐部52と第3分岐部53とを結ぶ経路である。
【0032】
第1排出経路43は、第2搬送経路42の下流に配置される。第1排出経路43は、第3分岐部53より下流に配置される。第1排出経路43は、第2搬送経路42に対して鉛直方向の上方に湾曲する経路であってもよい。第1排出経路43は、第3分岐部53と第1排出部54とを結ぶ経路である。第1排出経路43は、第1スタッカー21に媒体19を搬送する経路である。
【0033】
第2排出経路44は、第2搬送経路42の下流に配置される。第2排出経路44は、第3分岐部53より下流に配置される。第2排出経路44は、第2搬送経路42に対する直線経路であってもよい。第2排出経路44は、第3分岐部53と第2排出部55とを結ぶ経路である。第2排出経路44は、第2スタッカー22に媒体19を搬送する経路である。
【0034】
送出経路45は、第2搬送経路42の下流に配置される。送出経路45は、第3分岐部53より下流に配置される。送出経路45は、第2搬送経路42に対して鉛直方向の下方に湾曲する経路であってもよい。送出経路45は、第3分岐部53と送出部57とを結ぶ経路である。
【0035】
<第1分岐部>
記録経路38は、第1分岐部51において反転経路39及び第1搬送経路40に分岐してもよい。記録経路38、反転経路39、及び第1搬送経路40は、第1分岐部51において互いに接続する。
【0036】
記録経路38は、吐出部35により液体を吐出された媒体19を搬送する第1経路の一例であってもよい。
反転経路39は、記録部30により記録された媒体19を、記録部30より上流に戻す第3経路の一例であってもよい。
【0037】
第1搬送経路40は、記録部30により記録された媒体19を排出する排出部に媒体19を搬送する第2経路の一例であってもよい。具体的には、第1搬送経路40、第2搬送経路42、及び第1排出経路43は、排出部の一例である第1排出部54に媒体19を搬送する第2経路の一例であってもよい。第1搬送経路40、第2搬送経路42、及び第2排出経路44は、排出部の一例である第2排出部55に媒体19を搬送する第2経路の一例であってもよい。第1搬送経路40及び退避経路41は、排出部の一例である第3排出部56に媒体19を搬送する第2経路の一例であってもよい。
【0038】
<第2分岐部>
第1搬送経路40は、第2分岐部52において第2搬送経路42と退避経路41とに分岐してもよい。第1搬送経路40、第2搬送経路42、及び退避経路41は、第2分岐部52において互いに接続する。
【0039】
第1搬送経路40は、吐出部35により液体を吐出された媒体19を搬送する第1経路の一例であってもよい。具体的には、記録経路38及び第1搬送経路40は、記録された媒体19を第2分岐部52に搬送する第1経路の一例であってもよい。
【0040】
第2搬送経路42は、第2経路の一例であってもよい。具体的には、第2搬送経路42と第1排出経路43は、第1トレイの一例である第1スタッカー21に媒体19を排出する第2経路の一例であってもよい。第2搬送経路42と第2排出経路44は、第1トレイの一例である第2スタッカー22に媒体19を排出する第2経路の一例であってもよい。第1スタッカー21と第2スタッカー22には、判定部62によって正常記録と判定された媒体19が排出されてもよい。
【0041】
退避経路41は、第2トレイの一例である第3スタッカー23に媒体19を搬送する第3経路の一例であってもよい。第3スタッカー23には、判定部62によって異常記録と判定された媒体19が排出されてもよい。判定部62は、記録状態の判定を媒体19ごとに行ってもよいし、定期的に行ってもよい。制御部27は、異常記録と判定された媒体19の搬送先を、退避経路41に指定する。
【0042】
<第3分岐部>
第2搬送経路42は、第3分岐部53において第1排出経路43、第2排出経路44、及び送出経路45に分岐してもよい。第2搬送経路42、第1排出経路43、第2排出経路44、及び送出経路45は、第3分岐部53において互いに接続する。
【0043】
第2搬送経路42は、吐出部35により液体を吐出された媒体19を搬送する第1経路の一例であってもよい。具体的には、記録経路38、第1搬送経路40、及び第2搬送経路42は、記録された媒体19を第3分岐部53に搬送する第1経路の一例であってもよい。
【0044】
第1排出経路43は、第1排出部54に媒体19を搬送する第2経路の一例であってもよい。この場合、第2排出経路44と送出経路45の一方が第3経路の一例であって、他方が第4経路の一例である。
【0045】
第2排出経路44は、第2排出部55に媒体19を搬送する第3経路の一例であってもよい。第2排出経路44が第4経路の一例であって、送出経路45が第3経路の一例であってもよい。
【0046】
<第1分岐部の送風部>
図3に示すように、送風部50は、第1分岐部51より上流の位置に設けられてもよい。送風部50は、記録経路38において、搬送ベルト48より第1分岐部51に近い位置に設けられてもよい。
【0047】
送風部50は、記録経路38を搬送される媒体19の搬送先を送風により切り替える切替動作を実行可能である。送風部50は、媒体19を反転経路39と第1搬送経路40のいずれかに送る。送風部50は、第1送風部64と、第2送風部65と、のうち少なくとも一方を有してもよい。第1送風部64と第2送風部65は、記録経路38を挟んで設けられる。送風部50は、イオンを含む風を送風してもよい。送風部50は、搬送方向Dの下流に向けて、媒体19の経路に対して斜めに送風してもよい。送風方向を下流に向けたことにより、媒体19の搬送負荷を低減することができる。媒体19に送風することにより、媒体19の乾燥を促進することができる。送風部50は、媒体19の幅方向に亘って送風してもよい。
【0048】
第1送風部64は、鉛直方向において記録経路38の上に設けられてもよい。第1送風部64は、媒体19の第1面59に送風する。第1送風部64は、空気を吸引することで媒体19に送風してもよい。
【0049】
第2送風部65は、鉛直方向において記録経路38の下に設けられてもよい。第2送風部65は、媒体19の第2面60に送風する。第2送風部65は、空気を噴射することで媒体19に送風してもよい。
【0050】
第1分岐部51における媒体19の搬送先を反転経路39にする場合、送風部50は、第1送風部64による空気の吸引と、第2送風部65による空気の噴射と、のうち、少なくとも一方を実行する。
【0051】
送風部50は、切替動作として、媒体19に送風する風を第1風量から第1風量より大きい第2風量に変更してもよい。第1風量は、媒体19の先端が持ち上がらない程度の風量である。第1風量は、ゼロであってもよい。すなわち、第1分岐部51における媒体19の搬送先を第1搬送経路40にする場合、送風部50は、送風を行わなくてもよい。第1風量をゼロにすることで、送風に用いる電力消費を低減することができる。また、第1風量を媒体19の先端が持ち上がらない程度の風量にすることで、第1風量から第2風量への切替時の動作音の大きさの差を小さくできるため、周囲への騒音の影響を小さくすることができる。
【0052】
第2風量は、媒体19を変形させて、媒体19の先端を反転経路39に向けることができる風量である。送風部50は、記録条件に応じて風量を変更してもよい。例えば、送風部50は、第1送風部64及び第2送風部65がそれぞれ有する図示しないファンの回転数を変更することで、風量を変更してもよい。送風部50は、第1送風部64と第2送風部65の一方に送風させることで風量を小さくし、両方に送風させることで風量を大きくしてもよい。
【0053】
記録条件とは、例えば媒体19の種類、媒体19の坪量、媒体19のサイズ、印刷デューティー、記録された面、媒体19を搬送する搬送速度、温度、湿度のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0054】
例えば媒体19の坪量が大きい場合は、小さい場合より風量を大きくしてもよい。媒体19のサイズが大きい場合は、小さい場合より風量を大きくしてもよい。印刷デューティーが高い場合は、低い場合より風量を大きくしてもよい。媒体19の両面に記録されている場合は、媒体19の片面に記録されている場合より風量を大きくしてもよい。すなわち、媒体19の重量が大きい場合は、小さい場合よりも風量を大きくして、媒体19を持ち上げやすくしてもよい。
【0055】
搬送速度が速い場合は、遅い場合より風量を大きくしてもよい。搬送速度が速い場合は、風量を大きくすることにより、短時間で媒体19を誘導してもよい。
媒体搬送装置29が設置された環境の温度及び湿度が低い場合は、高い場合よりも風量を大きくしてもよい。温度及び湿度が低い場合は、高い場合よりも媒体19の剛性が高くなるため、風量を大きくすることで媒体19を曲げやすくすることができる。
【0056】
媒体搬送装置29は、フラップ部材67を有してもよい。フラップ部材67は、第1分岐部51に設けられてもよい。フラップ部材67は、図3に実線で示す第1位置P1と、図3に二点鎖線で示す第2位置P2と、に変位可能である。第1位置P1に位置するフラップ部材67は、先端が下がることで第2位置P2に変位してもよい。第1位置P1に位置するフラップ部材67は、第1搬送経路40に媒体19を搬送する。第2位置P2に位置するフラップ部材67は、反転経路39に媒体19を搬送する。
【0057】
フラップ部材67は、第2位置P2に変位することで、第1搬送経路40の入口を小さくする。フラップ部材67は、第2位置P2に位置しても第1搬送経路40を塞がない。フラップ部材67が第2位置P2に変位することにより、媒体19を反転経路39に送る為に必要な媒体19の変形量を小さくすることができる。
【0058】
フラップ部材67は、第1位置P1に変位することで、反転経路39の入口を小さくする。フラップ部材67は、第1位置P1に位置しても反転経路39を塞がない。フラップ部材67が第1位置P1に変位することにより、第1搬送経路40の入口が大きくなる。
【0059】
媒体19の坪量が閾値以下の場合、フラップ部材67は第1位置P1に位置してもよい。フラップ部材67が第1位置P1に位置するとき、送風部50により反転経路39、第1搬送経路40の何れにも媒体19を搬送可能である。フラップ部材67は、媒体19の坪量が閾値より大きい場合に、媒体19の搬送先に合わせて変位してもよい。
【0060】
<第1分岐部における作用>
図3に示すように、連続して搬送される複数の媒体19のうち、先に搬送される媒体19を第1媒体19fとし、第1媒体19fに続いて搬送される媒体19を第2媒体19sとする。第1媒体19fは、給送部18が送り出した最初の媒体19であっても良く、給送部18が複数の媒体19を送り出した後に送り出される媒体19であっても良い。
【0061】
第1媒体19fと第2媒体19sの搬送先が第1搬送経路40である場合、送風部50は、第2媒体19sの先端が第1分岐部51を通過するまで、風量を第1風量に維持すると共に、フラップ部材67を第1位置P1に維持する。
【0062】
第1媒体19fと第2媒体19sの搬送先が反転経路39である場合、送風部50は、第2媒体19sの先端が第1分岐部51を通過するまで、風量を第2風量に維持すると共に、フラップ部材67を第2位置P2に維持してもよい。
【0063】
送風部50は、第1媒体19fと第2媒体19sとの間で搬送先を切り替える場合、第1媒体19fが第1分岐部51を通過している間に、切替動作を開始する。フラップ部材67は、第1媒体19fと第2媒体19sとの間で搬送先を切り替える場合、第1媒体19fが第1分岐部51を通過している間に、第2媒体19sの搬送先に合わせた位置に変位してもよい。切替動作及びフラップ部材67の変位は、制御部27が送風部50及びフラップ部材67に指示してもよい。
【0064】
具体的には、第1媒体19fの搬送先が第1搬送経路40であり、第2媒体19sの搬送先が反転経路39である場合、第1媒体19fが第1分岐部51を通過している間に、送風部50は、風量を第1風量から第2風量に切り替える。フラップ部材67は、第1媒体19fが第1分岐部51に位置する状態で第2位置P2に変位してもよい。
【0065】
換言すると、送風部50は、第1媒体19fの先端が第1分岐部51を通過してから第1媒体19fの後端が第1分岐部51を通過する前に、第2媒体19sの搬送先に合わせた風量にする。送風部50は、第1媒体19fの先端が第1分岐部51より下流に位置すると共に、第1媒体19fの後端と第2媒体19sが第1分岐部51より上流に位置する間に風量の変更を始める。送風部50は、第1媒体19fが複数の経路に跨っている状態で、第1媒体19fに当てる風の風量を変更する。媒体搬送装置29は、図示しないセンサーによって検出した媒体19の位置に基づいて、切替動作を開始するタイミングを設定してもよい。
【0066】
第1媒体19fが第1分岐部51を通過した後、第1分岐部51まで搬送された第2媒体19sには、第2風量の風が当たる。第2媒体19sは、送風部50による送風によって反転経路39に案内される。
【0067】
第1媒体19fの搬送先が反転経路39であり、第2媒体19sの搬送先が第1搬送経路40である場合、第1媒体19fが第1分岐部51を通過している間に、送風部50は、風量を第2風量から第1風量に切り替える。
【0068】
送風部50は、切替動作として、媒体19に送風する風を第2風量から第1風量に変更してもよい。フラップ部材67は、第1媒体19fが第1分岐部51に位置する状態で第1位置P1に変位してもよい。第1媒体19fが第1分岐部51を通過した後、第2媒体19sが第1分岐部51まで搬送されたとき、送風部50の風量は第1風量になっている。そのため、第2媒体19sは、第1搬送経路40に搬送される。
【0069】
<第2分岐部の送風部>
図4に示すように、送風部50は、第2分岐部52より上流の位置に設けられてもよい。送風部50は、第1搬送経路40において、搬送ローラー47より第2分岐部52に近い位置に設けられてもよい。
【0070】
送風部50は、第1搬送経路40を搬送される媒体19の搬送先を送風により切り替える切替動作を実行可能である。送風部50は、媒体19を退避経路41と第2搬送経路42のいずれかに送る。
【0071】
第1送風部64は、空気を噴射することで媒体19の第1面59に送風してもよい。第2送風部65は、空気を吸引することで媒体19の第2面60に送風してもよい。
第2分岐部52における媒体19の搬送先を退避経路41にする場合、送風部50は、第1送風部64による空気の噴射と、第2送風部65による空気の吸引と、のうち、少なくとも一方を実行する。
【0072】
<第2分岐部における作用>
図4に示すように、第1媒体19fと第2媒体19sの搬送先が第2搬送経路42である場合、送風部50は、第2媒体19sの先端が第2分岐部52を通過するまで、風量を第1風量に維持する。
【0073】
第1媒体19fと第2媒体19sの搬送先が退避経路41である場合、送風部50は、第2媒体19sの先端が第2分岐部52を通過するまで、風量を第2風量に維持する。
第1媒体19fの搬送先が第2搬送経路42であり、第2媒体19sの搬送先が退避経路41である場合、第1媒体19fが第2分岐部52を通過している間に、送風部50は、風量を第1風量から第2風量に切り替える。第1媒体19fが第2分岐部52を通過した後、第2分岐部52まで搬送された第2媒体19sには、第2風量の風が当たる。第2媒体19sは、送風部50による送風によって退避経路41に案内される。
【0074】
第1媒体19fの搬送先が退避経路41であり、第2媒体19sの搬送先が第2搬送経路42である場合、第1媒体19fが第2分岐部52を通過している間に、送風部50は、風量を第2風量から第1風量に切り替える。第1媒体19fが第2分岐部52を通過した後、第2媒体19sが第2分岐部52まで搬送されたとき、送風部50の風量は第1風量になっている。そのため、第2媒体19sは、第2搬送経路42に搬送される。
【0075】
<第3分岐部の送風部>
図5に示すように、送風部50は、第3分岐部53より上流の位置に設けられてもよい。
【0076】
送風部50は、第2搬送経路42を搬送される媒体19の搬送先を送風により切り替える切替動作を実行可能である。送風部50は、媒体19を第1排出経路43、第2排出経路44、及び送出経路45のいずれかに送る。
【0077】
第1送風部64と第2送風部65の少なくとも一方は、空気の吸引及び噴射が可能であってもよい。
送風部50は、媒体19の搬送先を第1排出経路43にする場合、第1送風部64による空気の吸引と、第2送風部65による空気の噴射と、のうち、少なくとも一方を実行する。
【0078】
送風部50は、媒体19の搬送先を第2排出経路44にする場合、送風を行わなくてもよい。
送風部50は、媒体19の搬送先を送出経路45にする場合、第1送風部64による空気の噴射と、第2送風部65による空気の吸引と、のうち、少なくとも一方を実行する。
【0079】
<第3分岐部における作用>
図5に示すように、第1媒体19fと第2媒体19sの搬送先が第1排出経路43である場合、送風部50は、第2媒体19sの先端が第3分岐部53を通過するまで、第1送風部64による空気の吸引と、送風部50による空気の噴射と、を維持してもよい。
【0080】
第1媒体19fと第2媒体19sの搬送先が第2排出経路44である場合、送風部50は、第2媒体19sの先端が第3分岐部53を通過するまで送風を行わない状態を維持してもよい。
【0081】
第1媒体19fと第2媒体19sの搬送先が送出経路45である場合、送風部50は、第2媒体19sの先端が第3分岐部53を通過するまで、第1送風部64による空気の噴射と、第2送風部65による空気の吸引と、を維持してもよい。
【0082】
第1媒体19fの搬送先が第2排出経路44もしくは送出経路45であり、第2媒体19sの搬送先が第1排出経路43である場合、第1媒体19fが第3分岐部53を通過している間に、送風部50は、第1送風部64による空気の吸引と、第2送風部65による空気の噴射と、を開始する。第1媒体19fが第3分岐部53を通過した後、第3分岐部53まで搬送された第2媒体19sは、送風部50による送風によって第1排出経路43に案内される。
【0083】
第1媒体19fの搬送先が第1排出経路43もしくは送出経路45であり、第2媒体19sの搬送先が第2排出経路44である場合、第1媒体19fが第3分岐部53を通過している間に、送風部50は、送風の停止を開始する。第1媒体19fが第3分岐部53を通過した後、第3分岐部53まで搬送された第2媒体19sは、第3分岐部53を直進して第2排出経路44に搬送される。
【0084】
第1媒体19fの搬送先が第1排出経路43もしくは第2排出経路44であり、第2媒体19sの搬送先が送出経路45である場合、第1媒体19fが第3分岐部53を通過している間に、第1送風部64による空気の噴射と、第2送風部65による空気の吸引と、を開始してもよい。第1媒体19fが第3分岐部53を通過した後、第3分岐部53まで搬送された第2媒体19sは、送風部50による送風によって送出経路45に案内される。
【0085】
<後処理装置>
図6に示すように、媒体搬送装置29は、後処理装置15が備えてもよい。後処理装置15は、受け付け部69を備える。受け付け部69は、液体吐出装置13が有する吐出部35により液体を吐出された媒体19を受け付けてもよい。
【0086】
後処理装置15は、受取経路70と、第1後処理経路71と、第2後処理経路72と、を備える。後処理装置15は、第1後処理部73と、第2後処理部74と、を備えてもよい。後処理装置15は、液体吐出装置13と同様に1以上の搬送ローラー47と、送風部50と、を備えてもよい。後処理装置15は、分岐部の一例である第4分岐部75、を備えてもよい。
【0087】
受取経路70は、受け付け部69が受け付けた媒体19を搬送する第1経路の一例である。受取経路70は、第4分岐部75より上流の経路である。受取経路70は、受け付け部69と、第4分岐部75とを結ぶ経路である。
【0088】
第1後処理経路71は、第2経路の一例である。第1後処理経路71は、受取経路70の下流に配置される。第1後処理経路71は、第4分岐部75より下流に配置される。第1後処理経路71は、受取経路70に対する直線経路であってもよい。第1後処理経路71は、第4分岐部75と第4スタッカー24とを結ぶ経路である。第1後処理部73は、第1後処理経路71に設けられてもよい。第1後処理経路71は、第1後処理部73によって後処理された媒体19を、第4スタッカー24に送る。
【0089】
第2後処理経路72は、第3経路の一例である。第2後処理経路72は、受取経路70の下流に配置される。第2後処理経路72は、第4分岐部75より下流に配置される。第2後処理経路72は、受取経路70に対して湾曲した経路であってもよい。第2後処理経路72は、第4分岐部75と第5スタッカー25とを結ぶ経路である。第2後処理部74は、第2後処理経路72に設けられてもよい。第2後処理経路72は、第2後処理部74によって後処理された媒体19を、第5スタッカー25に送る。
【0090】
受取経路70は、第4分岐部75において第1後処理経路71及び第2後処理経路72に分岐してもよい。受取経路70、第1後処理経路71、及び第2後処理経路72は、第4分岐部75において互いに接続する。
【0091】
第1後処理部73と第2後処理部74は、それぞれステープル処理、パンチ処理、シフト処理などを行ってもよい。第1後処理部73と第2後処理部74は、互いに異なる処理を行ってもよい。ステープル処理は、複数の媒体19をステープルで綴じる処理である。パンチ処理は、1枚又は複数枚の媒体19に穴をあける処理である。シフト処理は、媒体19を部ごとに位置をずらして排出する処理である。
【0092】
送風部50は、第4分岐部75より上流の位置に設けられてもよい。第1送風部64と第2送風部65は、水平方向に受取経路70を挟むように設けられてもよい。第1送風部64と第2送風部65は、空気の噴射と吸引の少なくとも一方が可能であってもよい。
【0093】
<後処理装置の作用>
第1媒体19fと第2媒体19sの搬送先が第1後処理経路71である場合、送風部50は、第2媒体19sの先端が第4分岐部75を通過するまで、第1送風部64による空気の吸引と、第2送風部65による空気の噴射と、を維持してもよい。
【0094】
第1媒体19fと第2媒体19sの搬送先が第2後処理経路72である場合、送風部50は、第2媒体19sの先端が第4分岐部75を通過するまで、第1送風部64による空気の噴射と、第2送風部65による空気の吸引と、を維持してもよい。
【0095】
第1媒体19fの搬送先が第2後処理経路72であり、第2媒体19sの搬送先が第1後処理経路71である場合、第1媒体19fが第4分岐部75を通過している間に、送風部50は、第1送風部64による空気の吸引と、第2送風部65による空気の噴射と、を開始する。第1媒体19fが第4分岐部75を通過した後、第4分岐部75まで搬送された第2媒体19sは、送風部50による送風によって第1後処理経路71に案内される。
【0096】
第1媒体19fの搬送先が第1後処理経路71であり、第2媒体19sの搬送先が第2後処理経路72である場合、第1媒体19fが第4分岐部75を通過している間に、送風部50は、第1送風部64による空気の噴射と、第2送風部65による空気の吸引と、を開始する。第1媒体19fが第4分岐部75を通過した後、第4分岐部75まで搬送された第2媒体19sは、送風部50による送風によって第2後処理経路72に案内される。
【0097】
<実施形態の効果>
本実施形態の効果について説明する。
(1-1)送風部50は、先に搬送される第1媒体19fが第1分岐部51を通過している間に、次の第2媒体19sを搬送するための切替動作を開始する。そのため、第1媒体19fが第1分岐部51を通過してから切替動作を開始する場合に比べ、切替動作を開始してから第2媒体19sの搬送先が切り替わるまでの期間を長くすることができる。したがって、高速で媒体19が搬送される場合など、高速な切り換えが必要な場合においても、媒体19を搬送する経路を容易に切り替えることができる。
【0098】
(1-2)フラップ部材67は、媒体19の坪量が大きい場合に、第1搬送経路40に媒体19を搬送する第1位置P1と、反転経路39に媒体19を搬送する第2位置P2と、に変位する。すなわち、媒体19の坪量が大きい場合には、フラップ部材67を用いて切り替えを補助することができる。
【0099】
(1-3)送風部50は、第1送風部64と第2送風部65とを備える。そのため、媒体19の両面に送風することができる。したがって、媒体19の片面に送風する場合に比べ、媒体19の搬送先を切り替えやすくすることができる。
【0100】
(1-4)第1面59に送風する第1送風部64は、空気を吸引することで媒体19に送風する。第2面60に送風する第2送風部65は、空気を噴射することで媒体19に送風する。したがって、媒体19を第1送風部64に近づくように容易に誘導することができる。
【0101】
(1-5)第1排出経路43と第2排出経路44は、それぞれ異なる排出部に繋がる。排出部に媒体19を送る経路は、媒体19が高速で搬送されやすい。しかし、送風部50は、第1媒体19fが第3分岐部53を通過している間に切替動作を開始するため、搬送される媒体19に合わせて搬送先の切り換えを行うことができる。
【0102】
(1-6)反転経路39は、記録部30により記録された媒体19を、記録部30より上流に戻す経路である。例えば媒体19の両面に記録を行う場合は、片面に記録された媒体19を記録部30より上流に戻して反対の面にも記録させる。したがって、媒体19の両面に記録を行う場合においても、搬送される媒体19に合わせて搬送先の切り換えを行うことができる。
【0103】
(1-7)送風部50は、媒体19の搬送先を、正常記録された媒体19を排出する第1スタッカー21、もしくは異常記録された媒体19を排出する第3スタッカー23に切り替える。そのため、媒体19の記録状態を判定する場合でも、媒体19を高速で搬送することができる。
【0104】
(1-8)記録条件によっては、搬送先の切り換えがし難くなることがある。その点、記録条件に応じて風量を変更するため、適切な風量で搬送先の切り換えを行うことができる。
【0105】
(1-9)媒体19、及び媒体19から離散した例えば紙粉などの埃は、媒体19が搬送される際の摩擦などによって帯電することがある。その点、送風部50は、イオンを含む風を送風するため、帯電を低減することができる。したがって、電気的な作用で生じる媒体19及び装置などへの埃の付着を低減できる。
【0106】
(1-10)送風部50は、第1風量から第2風量に変更することで切替動作を行う。したがって、駆動を停止した状態から第2風量の送風を行う場合に比べ、非切替動作時と切替動作時の動作音の差を小さくすることができる。
【0107】
(1-11)第2搬送経路42は、第3分岐部53において第1排出経路43、送出経路45、及び第2排出経路44に分岐する。搬送先が3つある場合でも、送風部50の送風により経路の切り替えを行うことができる。
【0108】
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0109】
図7に示すように、媒体搬送装置29は、供給装置12が備えてもよい。記録システム11は、複数の液体吐出装置13を備えてもよい。分岐部80は、第1経路81を、記録部30より上流に位置で第2経路82と、第3経路83と、に分岐させてもよい。媒体搬送装置29は、媒体19の搬送先を、一の液体吐出装置13に繋がる第2経路82と、他の液体吐出装置13に繋がる第3経路83と、において切り替えてもよい。送風部50は、記録前の媒体19に送風することで、媒体19に付着した紙粉などの埃を低減することができる。これにより記録部30に埃が付着することによる記録不良を低減できる。
【0110】
・液体吐出装置13は、複数の記録部30を備えてもよい。媒体搬送装置29は、媒体19の搬送先を、一の記録部30に繋がる第2経路82と、他の記録部30に繋がる第3経路83と、において切り替えてもよい。
【0111】
・媒体搬送装置29は、中間装置14が備えてもよい。
・記録システム11は、複数の後処理装置15を備えてもよい。媒体搬送装置29は、媒体19の搬送先を一の後処理装置15に繋がる第2経路82と、他の後処理装置15に繋がる第3経路83と、において切り替えてもよい。
【0112】
・第1媒体19fと第2媒体19sは異なる坪量でもよい。フラップ部材67は、第2媒体19sの坪量が閾値より大きい場合に、第2経路に媒体19を搬送する第1位置P1と、第3経路に媒体19を搬送する第2位置P2と、に変位してもよい。
【0113】
・複数の送風部50のうち、少なくとも1つの送風部50は、イオンを含まない風を送風してもよい。
・送風部50は、記録条件に関係なく一定の風量で送風を行ってもよい。
【0114】
・媒体搬送装置29は、第1分岐部51~第3分岐部53のうち、1つもしくは2つを備える構成としてもよい。
・送風部50は、第1面59と第2面60の何れかに送風することで、媒体19の搬送先を切り替えてもよい。
【0115】
・媒体搬送装置29は、第1分岐部51と第2分岐部52の少なくとも一方にフラップ部材67を設けてもよいし、双方にフラップ部材67を設けない構成としてもよい。
・記録システム11は、レーザープリンター、サーマルプリンター、ドットインパクトプリンター、デジタル印刷機などの記録装置を備えてもよい。
【0116】
・液体吐出装置13は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体吐出装置であってもよい。液体吐出装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。ここでいう液体は、液体吐出装置から吐出させることができるような材料であればよい。例えば、液体は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液、のような流状体を含むものとする。液体は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体吐出装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を吐出する装置がある。液体吐出装置は、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。液体吐出装置は、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ、光学レンズ、などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する装置であってもよい。液体吐出装置は、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する装置であってもよい。
【0117】
[定義]
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0118】
[付記]
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0119】
(A)媒体搬送装置は、媒体を搬送する第1経路と、前記第1経路の下流に配置され、前記媒体を搬送する第2経路と、前記第1経路の下流に配置され、前記媒体を搬送する第3経路と、前記第1経路が前記第2経路及び前記第3経路に分岐する分岐部と、前記第1経路を搬送される前記媒体の搬送先を送風により切り替える切替動作を実行可能であり、該媒体を前記第2経路と前記第3経路とのいずれかに送る送風部と、を有し、先に搬送される前記媒体を第1媒体とし、前記第1媒体に続いて搬送される前記媒体を第2媒体としたとき、前記送風部は、前記第1媒体と前記第2媒体との間で搬送先を切り替える場合、前記第1媒体が前記分岐部を通過している間に、前記切替動作を開始する。
【0120】
この構成によれば、送風部は、先に搬送される第1媒体が分岐部を通過している間に、次の第2媒体を搬送するための切替動作を開始する。そのため、第1媒体が分岐部を通過してから切替動作を開始する場合に比べ、切替動作を開始してから第2媒体の搬送先が切り替わるまでの期間を長くすることができる。したがって、高速で媒体が搬送される場合など、高速な切り換えが必要な場合においても、媒体を搬送する経路を容易に切り替えることができる。
【0121】
(B)媒体搬送装置は、前記第2経路に前記媒体を搬送する第1位置と、前記第3経路に前記媒体を搬送する第2位置とに変位可能なフラップ部材を有し、前記フラップ部材は、前記媒体の坪量が閾値より大きい場合に前記媒体の搬送先に合わせて変位してもよい。
【0122】
この構成によれば、フラップ部材は、媒体の坪量が大きい場合に、第2経路に媒体を搬送する第1位置と、第3経路に媒体を搬送する第2位置と、に変位する。すなわち、媒体の坪量が大きい場合には、フラップ部材を用いて切り替えを補助することができる。
【0123】
(C)媒体搬送装置において、前記送風部は、前記媒体の第1面に送風する第1送風部と、前記媒体の前記第1面とは反対の第2面に送風する第2送風部と、を有してもよい。
この構成によれば、送風部は、第1送風部と第2送風部とを備える。そのため、媒体の両面に送風することができる。したがって、媒体の片面に送風する場合に比べ、媒体の搬送先を切り替えやすくすることができる。
【0124】
(D)媒体搬送装置において、前記第1送風部は、空気を吸引することで前記媒体に送風し、前記第2送風部は、空気を噴射することで前記媒体に送風してもよい。
この構成によれば、第1面に送風する第1送風部は、空気を吸引することで媒体に送風する。第2面に送風する第2送風部は、空気を噴射することで媒体に送風する。したがって、媒体を第1送風部に近づくように容易に誘導することができる。
【0125】
(E)媒体搬送装置において、前記第2経路は、第1面を下にして前記媒体を排出する第1排出部に前記媒体を搬送する経路であって、前記第3経路は、前記第1面を上にして前記媒体を排出する第2排出部に前記媒体を搬送する経路であってもよい。
【0126】
この構成によれば、第2経路と第3経路は、それぞれ異なる排出部に繋がる。排出部に媒体を送る経路は、媒体が高速で搬送されやすい。しかし、送風部は、第1媒体が分岐部を通過している間に切替動作を開始するため、搬送される媒体に合わせて搬送先の切り換えを行うことができる。
【0127】
(F)媒体搬送装置は、前記媒体に記録を行う記録部を備え、前記第2経路は、前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部に前記媒体を搬送する経路であって、前記第3経路は、前記記録部により記録された前記媒体を、前記記録部より上流に戻す経路であってもよい。
【0128】
この構成によれば、第3経路は、記録部により記録された媒体を、記録部より上流に戻す経路である。例えば媒体の両面に記録を行う場合は、片面に記録された媒体を記録部より上流に戻して反対の面にも記録させる。したがって、媒体の両面に記録を行う場合においても、搬送される媒体に合わせて搬送先の切り換えを行うことができる。
【0129】
(G)媒体搬送装置は、前記媒体に記録を行う記録部と、前記記録部により記録された前記媒体の記録状態を判定する判定部と、前記判定部によって正常記録と判定された前記媒体を排出する第1トレイと、前記判定部によって異常記録と判定された前記媒体を排出する第2トレイと、を備え、前記第2経路は、前記第1トレイに前記媒体を搬送する経路であって、前記第3経路は、前記第2トレイに前記媒体を搬送する経路であってもよい。
【0130】
この構成によれば、送風部は、媒体の搬送先を、正常記録された媒体を排出する第1トレイ、もしくは異常記録された媒体を排出する第2トレイに切り替える。そのため、媒体の記録状態を判定する場合でも、媒体を高速で搬送することができる。
【0131】
(H)媒体搬送装置において、前記送風部は、記録条件に応じて風量を変更してもよい。
記録条件によっては、搬送先の切り換えがし難くなることがある。その点、この構成によれば、記録条件に応じて風量を変更するため、適切な風量で搬送先の切り換えを行うことができる。
【0132】
(I)媒体搬送装置において、前記送風部は、イオンを含む風を送風してもよい。
媒体、及び媒体から離散した例えば紙粉などの埃は、媒体が搬送される際の摩擦などによって帯電することがある。その点、この構成によれば、送風部は、イオンを含む風を送風するため、帯電を低減することができる。したがって、電気的な作用で生じる媒体及び装置などへの埃の付着を低減できる。
【0133】
(J)媒体搬送装置において、前記送風部は、前記切替動作として、前記媒体に送風する風を第1風量から前記第1風量より大きい第2風量に変更してもよい。
この構成によれば、送風部は、第1風量から第2風量に変更することで切替動作を行う。したがって、駆動を停止した状態から第2風量の送風を行う場合に比べ、非切替動作時と切替動作時の動作音の差を小さくすることができる。
【0134】
(K)媒体搬送装置は、前記分岐部において前記第1経路、前記第2経路、及び前記第3経路に接続し、前記第1経路に対する直線経路である第4経路をさらに備え、前記送風部は、前記媒体の搬送先を前記第4経路にする場合、送風を行わなくてもよい。
【0135】
この構成によれば、第1経路は、分岐部において第2経路、第3経路、及び第4経路に分岐する。搬送先が3つある場合でも、送風部の送風により経路の切り替えを行うことができる。
【0136】
(L)液体吐出装置は、媒体に液体を吐出する吐出部と、前記吐出部により前記液体を吐出された前記媒体を搬送する第1経路と、前記第1経路の下流に配置され、前記媒体を搬送する第2経路と、前記第1経路の下流に配置され、前記媒体を搬送する第3経路と、前記第1経路が前記第2経路及び前記第3経路に分岐する分岐部と、前記第1経路を搬送される前記媒体の搬送先を送風により切り替える切替動作を実行可能であり、該媒体を前記第2経路と前記第3経路とのいずれかに送る送風部と、を有し、先に搬送される前記媒体を第1媒体とし、前記第1媒体に続いて搬送される前記媒体を第2媒体としたとき、前記送風部は、前記第1媒体と前記第2媒体との間で搬送先を切り替える場合、前記第1媒体が前記分岐部を通過している間に、前記切替動作を開始する。この構成によれば、上記媒体搬送装置と同様の効果を奏することができる。
【0137】
(M)後処理装置は、液体吐出装置に接続した後処理装置であって、前記液体吐出装置が有する吐出部により液体を吐出された媒体を受け付ける受け付け部と、前記受け付け部が受け付けた前記媒体を搬送する第1経路と、前記第1経路の下流に配置され、前記媒体を搬送する第2経路と、前記第1経路の下流に配置され、前記媒体を搬送する第3経路と、前記第1経路が前記第2経路及び前記第3経路に分岐する分岐部と、前記媒体に送風することにより、前記第1経路を搬送された前記媒体の搬送先として、前記第2経路と前記第3経路とのいずれか一方に切り替える切替動作を実行する送風部と、を有し、先に搬送される前記媒体を第1媒体とし、前記第1媒体に続いて搬送される前記媒体を第2媒体としたとき、前記送風部は、前記第1媒体と前記第2媒体との間で搬送先を切り替える場合、前記第1媒体が前記分岐部を通過している間に、前記切替動作を開始する。この構成によれば、上記媒体搬送装置と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0138】
11…記録システム、12…供給装置、13…液体吐出装置、14…中間装置、15…後処理装置、17…媒体収容部、18…給送部、19…媒体、19f…第1媒体、19s…第2媒体、21…第1スタッカー、22…第2スタッカー、23…第3スタッカー、24…第4スタッカー、25…第5スタッカー、27…制御部、29…媒体搬送装置、30…記録部、32…給送ローラー、33…分離部、35…吐出部、36…ノズル、38…記録経路、39…反転経路、40…第1搬送経路、41…退避経路、42…第2搬送経路、43…第1排出経路、44…第2排出経路、45…送出経路、47…搬送ローラー、48…搬送ベルト、49…プーリー、50…送風部、51…第1分岐部、52…第2分岐部、53…第3分岐部、54…第1排出部、55…第2排出部、56…第3排出部、57…送出部、59…第1面、60…第2面、62…判定部、64…第1送風部、65…第2送風部、67…フラップ部材、69…受け付け部、70…受取経路、71…第1後処理経路、72…第2後処理経路、73…第1後処理部、74…第2後処理部、75…第4分岐部、80…分岐部、81…第1経路、82…第2経路、83…第3経路、D…搬送方向、P1…第1位置、P2…第2位置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7