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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098212
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】印刷装置、及び、印刷装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/46 20060101AFI20240716BHJP
   B41J 11/70 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
B41J29/46
B41J11/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001528
(22)【出願日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】戸▲高▼ 伸悟
(72)【発明者】
【氏名】近藤 僚太
【テーマコード(参考)】
2C058
2C061
【Fターム(参考)】
2C058AB01
2C058AC06
2C058AE04
2C058AE10
2C058AF31
2C058AF51
2C058LA03
2C058LC02
2C058LC16
2C061AP10
2C061AQ04
2C061AS14
(57)【要約】
【課題】発行時ブザーを鳴動させるため、うるさく感じることがある。
【解決手段】印刷装置は、外部装置と通信可能であって、印刷データ及びカットコマンドを受信可能な通信部と、第1周辺装置、及び、第2周辺装置のいずれかと接続可能なコネクターと、印刷データを記録紙に印刷可能なヘッドと、カットコマンドに基づき、記録紙をカット可能なカッターと、ヘッド及びカッターを制御する制御部と、を備え、制御部は、通信部により、所定期間、受信がなかった後、複数の印刷データ、及び、複数のカットコマンドを含む受信情報を受信すると、受信情報に含まれる少なくとも一のカットコマンドに基づき、コネクターを介して、第1周辺装置へ駆動命令を送信して駆動させ、他のカットコマンドに基づいては、第1周辺装置へ駆動命令を送信しない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と通信可能であって、印刷データ及びカットコマンドを受信可能な通信部と、
第1周辺装置、及び、第2周辺装置のいずれかと接続可能なコネクターと、
前記印刷データを記録紙に印刷可能なヘッドと、
前記カットコマンドに基づき、前記記録紙をカット可能なカッターと、
前記ヘッド及び前記カッターを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記通信部により、所定期間、受信がなかった後、複数の前記印刷データ、及び、複数の前記カットコマンドを含む受信情報を受信すると、
前記受信情報に含まれる少なくとも一の前記カットコマンドに基づき、前記コネクターを介して、前記第1周辺装置へ駆動命令を送信して駆動させ、他の前記カットコマンドに基づいては、前記第1周辺装置へ前記駆動命令を送信しない、印刷装置。
【請求項2】
前記記録紙を搬送可能なローラーを備え、
前記制御部は、
前記所定期間、前記通信部による受信がない場合には、前記ローラーにより、所定距離、前記記録紙を搬送した後、前記受信情報に含まれる最後の前記カットコマンドに基づき前記記録紙をカットする、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記所定距離は、前記ヘッド及び前記カッターの間の距離である、請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記一の前記カットコマンドは、前記受信情報に含まれる最初の前記カットコマンドである、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記コネクターは、前記第1周辺装置とは異なる前記第2周辺装置と接続可能であり、
前記制御部は、前記通信部により前記第2周辺装置に対する駆動命令を受信すると、駆動信号を生成し、前記コネクターを介して前記第2周辺装置へ前記駆動信号を送信して駆動させる、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記第1周辺装置は鳴動装置であり、前記第2周辺装置はキャッシュドロワーである、請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
外部装置と通信可能であって、印刷データ及びカットコマンドを受信可能な通信部と、第1周辺装置と接続可能なコネクターと、前記印刷データを記録紙に印刷可能なヘッドと、前記カットコマンドに基づき、前記記録紙をカット可能なカッターとを備える印刷装置の制御方法であって、
前記通信部により、所定期間、受信がなかった後、複数の前記印刷データ、及び、複数の前記カットコマンドを含む受信情報を受信すると、
前記受信情報に含まれる一の前記カットコマンドに基づき、前記コネクターを介して、前記第1周辺装置へ駆動命令を送信して駆動させ、他の前記カットコマンドに基づいては、前記第1周辺装置へ前記駆動命令を送信しない、印刷装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、及び、印刷装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
伝票の発行に際し、キッシュドロワー用のインターフェイスから通知装置へ信号を出力して、ブザーを鳴動させるプリンターが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-138811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のプリンターは、伝票を発行する度にブザーを鳴動させるため、作業するスタッフによっては、うるさく感じることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
印刷装置は、外部装置と通信可能であって、印刷データ及びカットコマンドを受信可能な通信部と、第1周辺装置、及び、第2周辺装置のいずれかと接続可能なコネクターと、前記印刷データを記録紙に印刷可能なヘッドと、前記カットコマンドに基づき、前記記録紙をカット可能なカッターと、前記ヘッド及び前記カッターを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記通信部により、所定期間、受信がなかった後、複数の前記印刷データ、及び、複数の前記カットコマンドを含む受信情報を受信すると、前記受信情報に含まれる少なくとも一の前記カットコマンドに基づき、前記コネクターを介して、前記第1周辺装置へ駆動命令を送信して駆動させ、他の前記カットコマンドに基づいては、前記第1周辺装置へ前記駆動命令を送信しない。
【0006】
外部装置と通信可能であって、印刷データ及びカットコマンドを受信可能な通信部と、第1周辺装置と接続可能なコネクターと、前記印刷データを記録紙に印刷可能なヘッドと、前記カットコマンドに基づき、前記記録紙をカット可能なカッターとを備える印刷装置の制御方法であって、前記通信部により、所定期間、受信がなかった後、複数の前記印刷データ、及び、複数の前記カットコマンドを含む受信情報を受信すると、前記受信情報に含まれる一の前記カットコマンドに基づき、前記コネクターを介して、前記第1周辺装置へ駆動命令を送信して駆動させ、他の前記カットコマンドに基づいては、前記第1周辺装置へ前記駆動命令を送信しない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1周辺装置を接続した印刷装置の構成を示すブロック図。
図2】印刷装置の主要部の構成を示す模式図。
図3】第1周辺装置を接続したときの第1周辺装置、及び、印刷装置の主要部を示す回路図。
図4】複数の印刷データ及び複数のカットコマンドを含む受信情報を受信したときの印刷装置の制御方法を示す状態遷移図。
図5図4に係る印刷装置の制御方法を実行したときの印刷結果を示す模式図。
図6】受信無しとなったときの印刷装置の制御方法を示す状態遷移図。
図7図6に係る印刷装置の制御方法を実行したときの印刷結果を示す模式図。
図8】受信無しとなった後、次の受信情報を受信したときの印刷装置の制御方法を示す状態遷移図。
図9図8に係る印刷装置の制御方法を実行したときの印刷結果を示す模式図。
図10】第2周辺装置を接続したときの第2周辺装置、及び、印刷装置の主要部を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.実施形態
1-1.第1周辺装置が接続された印刷装置
図1に示すように、印刷装置1は、第1制御部11、第1記憶部12、通信部13、ヘッド15a及びローラー15bを含む印刷部14、カッター16、駆動回路17、コネクターCN18、電源19を含んで構成される。なお、以下では、コネクターCN18を、単にCN18と称する。
印刷装置1は、CN18を介して第1周辺装置2と接続可能であり、通信部13を介して外部装置4と通信可能である。実施形態に係る印刷装置1は、例えば、POS(Point Of Sale)システムに使用される。
【0009】
第1制御部11は、印刷装置1の各部を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)、入出力を管理するUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)、論理回路であるFPGA(Field Programmable Gate Array)やPLD(Programmable Logic Device)などを含んで構成されている。CPUはプロセッサーともいう。
第1記憶部12は、書き換え可能な不揮発性メモリーであるフラッシュROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)、揮発性メモリーであるRAM(Random Access Memory)などを含んで構成されている。
第1制御部11のCPUは、第1記憶部12の不揮発性メモリーに記憶されたファームウェアなどのプログラム及び設定情報を読み出し、第1記憶部12のRAMを作業領域として用いて実行する。
【0010】
印刷部14は、ヘッド15a、ローラー15bを含んで構成される。後述の記録紙PAは、例えば長尺状の感熱紙である。ヘッド15aは、例えばラインサーマルヘッドである。第1制御部11は、ローラー15bを回転して記録紙PAを搬送させ、ヘッド15aを駆動して、記録紙PAに印刷させる。
カッター16は移動可能な切断刃を有する。第1制御部11は、切断刃を移動して記録紙PAを切断させる。印刷され、切断された記録紙PAは、店舗で顧客に渡すレシートや、レストランの調理場で調理を指示する伝票などとして発行される。
【0011】
なお、第1制御部11は、カッター16の切断刃の可動範囲に対して、移動させる距離を調整することが可能である。
これにより、第1制御部11は、切断刃を可動範囲に対して十分に移動させて、記録紙PAを完全に切断して切り離す、いわゆるフルカットが可能である。また、第1制御部11は、切断刃を可動範囲に対して途中まで移動させて、記録紙PAを部分的に切断する、いわゆるパーシャルカットが可能である。
フルカットされたレシートは、スタッフが顧客に渡し易い形態となっている。一方、パーシャルカットされた伝票は部分的に長尺状の記録紙PAに繋がっているので、印刷装置1から落下せず、仮にスタッフが取り出さなくても、調理場の床に落ちて散乱することがない。
【0012】
通信部13は、コンピューターやタブレット端末等の外部装置4と通信可能な回路や基板等を含んでいる。通信部13は、例えば、コネクターを有し、有線のシリアル通信方式であるUSB(Universal Serial Bus)に対応するものでもよい。また、通信部13は、例えば、アンテナを有し、無線のネットワーク通信方式であるイーサネット(Ethernet(登録商標)、IEEE802.3)などに対応するものでもよい。
【0013】
後述のように、第1制御部11は、通信部13を介して印刷データを受信すると、印刷部14のヘッド15a及びローラー15bを制御して、記録紙PAに印刷をする。
また、第1制御部11は、通信部13を介してカットコマンドを受信すると、カッター16を制御して、記録紙PAをカットする。
【0014】
CN18は、例えば、6極を有するモジュラージャックであり、いわゆるRJ-11と称されるコネクターである。CN18は、第1周辺装置2、及び、後述の第2周辺装置3のいずれかと接続可能である。
後述のように、駆動回路17は、第1周辺装置2に対し、CN18を介して、所定の情報又は信号の送受信が可能である。また、駆動回路17は、第2周辺装置3に対しても同様である。
第1周辺装置2は、CN18を介して、印刷装置1から電力の供給を受けて動作することができる。また、第2周辺装置3も同様である。
【0015】
電源19は、例えば、約+24V、約+3.3Vの電圧を生成し、出力可能である。なお、以下では、+24Vを単に24Vと称し、+3.3Vを単に3.3Vと称する。さらに、電流、電圧を表す際、「約」を付すことを省略する。
電源19は、ヘッド15a、ローラー15bを含む印刷部14、カッター16、駆動回路17などのいわゆるアクチュエーターを駆動するように、24Vを供給可能である。また、電源19は、第1制御部11、第1記憶部12、通信部13などのロジック回路に、3.3Vを供給可能である。さらに、電源19は、CN18を介して、第1周辺装置2、第2周辺装置3に24Vを供給可能である。
【0016】
ところで、図1に示す例では、印刷装置1は、調理場において、調理を指示する伝票を発行するように構成される。この場合、第1周辺装置2は、例えば、鳴動する機能を有する鳴動装置であることが好ましい。印刷装置1は、第1周辺装置2に対し、駆動である鳴動をさせることができる。
第1周辺装置2の鳴動により、印刷装置1が伝票を発行したことをスタッフに知らせることができる。このように、伝票を発行する印刷装置1を利用して第1周辺装置2も鳴動するように構成すると、伝票を発行したことをスタッフが気付き易い。スタッフは、すぐに印刷装置1から伝票を取り出して調理することができる。なお、このとき、印刷装置1は、伝票をパーシャルカットにすることが好ましい。
【0017】
図2に、印刷部14を構成するヘッド15a及びローラー15b、カッター16等の配置を示す。長尺状の記録紙PAはロール紙PBとして巻かれている。ローラー15bは、記録紙PAを介してヘッド15aに対向する位置にあり、プラテンともいう。
記録紙PAは、ヘッド15a及びローラー15bに挟まれる。第1制御部11の制御の下、ローラー15bは、記録紙PAをロール紙PBから引き出し、搬送方向FFへ搬送する。
【0018】
搬送方向FFの上流から下流へ向かって、ヘッド15a及びローラー15b、カッター16が配置される。ヘッド15aの位置とカッター16の位置とは離れており、搬送方向FFに沿ってギャップGPの距離がある。
このギャップGPがあることにより、ヘッド15aにより印刷された記録紙PAは、カッター16の位置まで搬送された後に、カットされる必要がある。印刷された記録紙PAが、カッター16の位置まで搬送されずにカットされてしまうと、印刷された記録紙PAの途中の位置でカットされてしまい、レシートや伝票の体をなさなくなってしまうからである。
【0019】
次に、図3を参照しながら、印刷装置1が、第1周辺装置2を駆動させる構成について、説明する。なお、説明の便宜上、印刷装置1側は、駆動回路17及びCN18を中心に示している。
印刷装置1は、CN18を介して、モジュラーケーブルなどにより、第1周辺装置2と接続される。
【0020】
第1周辺装置2は、第2制御部21、第2記憶部22、ブザー23、電圧変換器24を含んで構成される。第2制御部21は、第1制御部11と同様に、CPU等を含んで構成され、第2記憶部22は、第1記憶部12と同様に、不揮発性メモリー、揮発性メモリー等を含んで構成される。
なお、第2記憶部22は第2制御部21に内蔵されていてもよい。また、ブザー23も第2制御部21に内蔵されていてもよい。
【0021】
第1周辺装置2の電圧変換器24は、印刷装置1から供給される24Vを3.3Vに変換し、ロジック回路である第2制御部21、及び、第2記憶部22等へ供給することが可能である。
なお、ブザー23が3.3Vで駆動される構成の場合には、ブザー23は電圧変換器24から3.3Vの供給を受けるように構成される。また、ブザー23が24Vで駆動される構成の場合には、ブザー23は印刷装置1からの24Vの供給を受けるように構成される。第2制御部21、及び、第2記憶部22等も24Vで駆動される場合には、電圧変換器24はなくてもよい。
このように、第1周辺装置2は、印刷装置1から電力の供給を受けて駆動することができる。
【0022】
印刷装置1の第1制御部11は、出力ポートP1,P2を有し、入力ポートINを有している。
第1周辺装置2の第2制御部21は、出力ポートOUT,Sを有し、入力ポートR,CLKを有している。第2制御部21は、出力ポートOUTからブザー23へ鳴動信号を出力し、鳴動させることができる。
【0023】
印刷装置1の駆動回路17は、トランジスターTR1,TR2を有する。トランジスターTR1,TR2は、24Vを用いて駆動可能である。
トランジスターTR1のベース、トランジスターTR2のベースは、それぞれ、第1制御部11の出力ポートP1,P2に接続される。第1制御部11は、出力ポートP2からClock信号を出力し、このClock信号に同期させて、所定の情報をData信号として出力ポートP1から出力する。
トランジスターTR1のベース、トランジスターTR2のベースにそれぞれ入力された、Data信号、Clock信号は、24Vを用いて増幅されて、それぞれのコレクターからCN18を介して、第1周辺装置2へ送信される。
なお、このData信号には駆動命令が含まれ、第1周辺装置2が鳴動装置である場合には、鳴動命令が含まれる。
【0024】
CN18は、6極の端子を有するコネクターであり、各端子には番号1~6が付される。
CN18の端子1は、印刷装置1及び第1周辺装置2のそれぞれのアースを接続し、電位を合わせる。
CN18の端子2は、印刷装置1から第1周辺装置2へ、増幅されたData信号を送信する。このとき、CN18の端子5は、Data信号と同期する増幅されたClock信号を、印刷装置1から第1周辺装置2へ送信する。
【0025】
CN18の端子3は、第1周辺装置2の出力ポートSから印刷装置1へ、ステータス信号を送信する。ステータス信号は、第1制御部11の入力ポートINに入力される。ステータス信号は、例えば、ブザー23を鳴動中であることを示す信号である。第1制御部11は、入力ポートINに入力されるステータス信号により、ブザー23が鳴動中であると判断することができる。
CN18の端子4は、印刷装置1から第1周辺装置2へ24Vを供給する。CN18の端子6は、印刷装置1のグランドと、第1周辺装置2の第2制御部21のグランドポートGを接続して、双方のグランドレベルを合わせる。
【0026】
第1周辺装置2の第2制御部21は、印刷装置1から送信されたData信号、Clock信号を、それぞれ入力ポートR,CLKから受信する。第2制御部21は、入力ポートCLKから受信したClock信号のタイミングに合わせて、入力ポートRからData信号を受信し、Data信号から鳴動命令を取得することができる。このように、印刷装置1及び第1周辺装置2は、Clock信号に同期させながら通信をする、いわゆるシリアル通信が可能である。
第2制御部21は、取得した鳴動命令に基づき鳴動信号を生成し、出力ポートOUTからブザー23へ出力して鳴動させることができる。
なお、第1周辺装置2は、Data信号及びClock信号を、電圧変換器24を用いて、3.3Vに変換するようにしてもよい。
【0027】
1-2.第1周辺装置が接続された印刷装置の制御方法
次に、図4図5を参照しながら、印刷装置1による印刷、カット、及び、第1周辺装置2を駆動させる制御方法について、説明する。印刷装置1に接続される第1周辺装置2は、例えば鳴動装置である。
まず、外部装置4に、一連の料理の注文情報が入力されたとする。外部装置4は、一連の料理の注文情報に従って、調理Aを指示する印刷データAである「Cooking A0 … A9」、調理Bを指示する印刷データBである「Cooking B0 … B9」、調理Cを指示する印刷データCである「Cooking C0 … C9」、調理Dを指示する印刷データDである「Cooking D0 … D9」を含む、一連の印刷データを生成する。そして、外部装置4は、各印刷データに、それぞれカットコマンドを付加し、トランザクション情報を生成する。
ここで、トランザクション情報は、一連の処理に係る情報を指す。実施例では、トランザクション情報は、上述の複数の印刷データ、及び、複数のカットコマンドを含む。
【0028】
外部装置4は、調理を指示する一連の処理をするため、トランザクション情報を一括して印刷装置1へ送信する。印刷装置1は、通信部13によりトランザクション情報を一括して受信する。なお、印刷装置1が受信するトランザクション情報を、受信情報と称する。
なお、図4では、具体的に説明するため、外部装置4が、トランザクション情報に含まれる、複数の印刷データ、及び、複数のカットコマンドを、上述の順に、順次、送信するものとする。また、印刷装置1は、上述の順に、順次、受信情報に含まれる、複数の印刷データ、及び、複数のカットコマンドを受信するものとする。
【0029】
図4に示すように、最初に、外部装置4は、トランザクション情報に含まれる、印刷データA、カットコマンドAを印刷装置1へ送信する(S101)。
印刷装置1の第1制御部11は、通信部13により印刷データAを受信し、印刷部14により印刷データAを記録紙PAに印刷する印刷DAを実行する(S102)。
続いて、第1制御部11は、通信部13によりカットコマンドAを受信し、カッター16により記録紙PAをカットするカットCAを実行する(S103)。このとき、第1制御部11は、カットCAの実行に連動させて、鳴動命令BAを生成し、CN18を介して第1周辺装置2へ送信する(S103)。
【0030】
第1周辺装置2の第2制御部21は、CN18を介して鳴動命令BAを受信し、ブザー23を鳴動させる鳴動Aを実行する(S104)。
このように、印刷装置1の第1制御部11が、カットCAの実行に連動させて鳴動命令BAを生成し、第1周辺装置2へ送信して鳴動Aを実行させる。このため、外部装置4は鳴動命令BAに相当するコマンドを印刷装置1へ送信しなくて済む。
【0031】
同様に、次に、外部装置4は印刷データB、カットコマンドBを印刷装置1へ送信する(S105)。印刷装置1の第1制御部11は、受信した印刷データBを印刷部14により印刷する印刷DBを実行する(S106)。
続いて、第1制御部11は、受信したカットコマンドBに基づき、カッター16によりカットCBを実行する(S107)。このとき、第1制御部11は、カットCBの実行に連動させて、鳴動命令BBを生成して第1周辺装置2へ送信する(S107)。
第1周辺装置2の第2制御部21は、受信した鳴動命令BBに基づき、ブザー23を鳴動させる鳴動Bを実行する(S108)。
【0032】
同様に、次に、外部装置4は印刷データC、カットコマンドCを印刷装置1へ送信する(S109)。印刷装置1の第1制御部11は、受信した印刷データCを印刷部14により印刷する印刷DCを実行する(S110)。
続いて、第1制御部11は、受信したカットコマンドCに基づき、カッター16によりカットCCを実行する(S111)。このとき、第1制御部11は、カットCCの実行に連動させて、鳴動命令BCを生成して第1周辺装置2へ送信する(S111)。
第1周辺装置2の第2制御部21は、受信した鳴動命令BCに基づき、ブザー23を鳴動させる鳴動Cを実行する(S112)。
【0033】
次に、外部装置4は印刷データD、カットコマンドDを印刷装置1へ送信する(S113)。印刷装置1の第1制御部11は、受信した印刷データDを印刷部14により印刷する印刷DDを実行する(S114)。
ここで、外部装置4は、トランザクション情報の送信が終了するので、送信データ無し状態となる(S115)。
第1制御部11は、通信部13に次の受信が無く、受信情報が無いことを検知すると、受信した受信情報の最後のカットコマンドDに基づくカットCDの実行を一旦保留する(S116)。また、第1制御部11は、カットCDの実行に連動させる、鳴動命令BDの第1周辺装置2への送信もしない。なお、カットコマンドDは受信情報に含まれる最後のカットコマンドである。
【0034】
図2に示すように、ヘッド15a及びカッター16の間にギャップGPがある。このため、第1制御部11が印刷DDを実行したとき、後述の図5に示すように、記録紙PAに印刷された印刷結果DDは、カッター16の位置まで搬送されていない。この状態でカットCDが実行されて記録紙PAがカットされてしまうと、印刷結果DDの途中の位置でカットされてしまう。
このため、第1制御部11は、次の受信情報が無いことを検知すると、カットCDの実行を保留する。
【0035】
図5は、図4の印刷装置1の制御部方法を実行した記録紙PAへの印刷結果ADを示す。図5には、スタッフが伝票を取り出さず、印刷結果ADが印刷装置1に残っているものとして示している。ヘッド15aから搬送方向FFへシフトした位置に、カッター16がある。それらの間の距離がギャップGPである。
なお、図5は、例えば、印刷データAである「Cooking A0 … A9」に係る印刷DAを記録紙PAに実行し印刷した結果を、印刷結果DAとして示す。以下、同様に、印刷結果DB~印刷結果DDを示す。
また、例えば、カットCAを記録紙PAに実行しカットした結果を、図5にカット結果CAとして示す。以下、同様に、カット結果CB~カット結果CCを示す。
さらに、例えば、カットCAに連動して鳴動命令BAの送信を実行し鳴動させたことを、便宜上、カット結果CAの位置において、図5に鳴動命令送信BAとして示す。以下、同様に、鳴動命令送信BB~鳴動命令送信BCを示す。
【0036】
ところで、図5に示すように、ヘッド15aとカッター16の間にはギャップGPがあるため、第1制御部11が印刷DDを実行した後、印刷結果DDの位置はカッター16の位置を越えていない。
このため、第1制御部11は、印刷DDを実行した後には、受信したカットコマンドDに対応するカットCDの実行を保留する。また、第1制御部11は、鳴動命令BDの送信も保留する。なお、受信情報において、印刷データDは最後の印刷データとなり、カットコマンドDは最後のカットコマンドとなる。
【0037】
次に、図6に示すように、外部装置4に次の料理の注文情報が入力されず、送信データ無し状態が継続したとする(S201)。
印刷装置1の第1制御部11は、通信部13に次の受信が無く、受信情報が無い状態(S202)が続き、所定期間経過したと判断すると(S203)、フラグを立てる(S204)。なお、所定期間は、例えば、2秒程度である。
このとき、第1制御部11は、受信情報であるトランザクション情報が一区切りとなったと判断することができる。
【0038】
ここで、フラグを立てるとは、具体的には、第1制御部11が、受信情報が無い状態が続き所定期間経過した旨の情報を、第1記憶部12に記憶することを指す。
例えば、第1制御部11は、第1記憶部12の所定領域に対し、初期状態は値が「0」であるところ、フラグとして「1」の値を書き込む。
後で、第1制御部11が、この第1記憶部12の所定領域を読み込んだとき、値が「1」であればフラグを立っていると判断し、受信情報が無い状態が続き所定期間経過した、と判断することができる。
【0039】
なお、印刷装置1の電源19がONとなった後、第1制御部11は、通信部13に受信が無く、受信情報が無い状態が続き、所定期間経過したと判断した場合にも、フラグを立てるようにしてもよい。
すなわち、この場合、第1制御部11は、事前に、上述の印刷データA~印刷データD、及び、各カットコマンドなどを含む受信情報を受信していない。第1制御部11は、事前に、受信情報を受信していない場合であっても、通信部13に受信が無く、所定期間経過した場合にも、フラグを立てて、後述と同様に処理してもよい。
【0040】
第1制御部11は、ローラー15bにより記録紙PAを、搬送方向FFへ向かって、所定距離であるギャップGPに相当する距離を搬送する(S205)。
この結果を、図7の印刷結果DGに示す。記録紙PA上の印刷結果DDの位置がカッター16の位置を越えることができる。この場合、印刷結果DDの位置がカッター16の位置を越えればよいので、第1制御部11は、記録紙PAをギャップGPの距離以上、搬送してもよい。なお、図7では、便宜上、印刷結果DDのみを示す。
そして、第1制御部11は、保留していたカットCDを実行する(S206)。図7に示すように、印刷結果DDは、カッター16の位置を越えた位置でカットされ、カット結果CDとなる。印刷結果DDは、途中でカットされず、伝票の体裁となって発行されることができる。
【0041】
このとき、第1制御部11は、カットCDの実行に連動させて、保留していた鳴動命令BDを第1周辺装置2へ送信し(S206)、第1周辺装置2に鳴動Dを実行させる(S207)。図7のカッター16の位置に、カット結果CD、鳴動命令送信BDを示す。
スタッフは、第1周辺装置2の鳴動Dにより印刷DDが発行されたことを知ることができ、カットされた印刷結果DDを印刷装置1から取り出すことができる。
また、このとき、記録紙PA上のギャップGPの領域は、搬送により、印刷されていない空白の領域となる。第1制御部11は、ギャップGPの距離を搬送して空白を生じさせる代わりに、印刷部14により、トランザクション情報が一区切りとなった旨を印刷するようにしてもよい。
【0042】
次に、外部装置4には次の一連の料理の注文情報が入力されたとする。図8に示すように、外部装置4は、次の一連の料理の注文情報に従って、調理Eを指示する印刷データEである「Cooking E0 … E9」、調理Fを指示する印刷データFである「Cooking F0 … F9」、調理Gを指示する印刷データGである「Cooking G0 … G9」、調理Hを指示する印刷データHである「Cooking H0 … H9」の各印刷データを生成する。そして、外部装置4は、各印刷データに、それぞれカットコマンドを付加し、次のトランザクション情報を生成する。
【0043】
上述の図4の場合と同様に、図8の場合も、外部装置4は、次のトランザクション情報を印刷装置1へ送信する。印刷装置1は、通信部13により、次のトランザクション情報である次の受信情報を受信する。
図8においても、具体的に説明するため、外部装置4は、上述の順に、順次、次の受信情報に含まれる、複数の印刷データ、及び、複数のカットコマンドを送信するものとする。
また、印刷装置1は、上述の順に、順次、次の受信情報に含まれる、複数の印刷データ、及び、複数のカットコマンドを受信し、処理するものとする。
【0044】
図8に示すように、外部装置4は、次のトランザクション情報に含まれる、最初の印刷データE、カットコマンドEを印刷装置1へ送信する(S301)。
印刷装置1の第1制御部11は、通信部13により印刷データE、カットコマンドEを受信する。
このとき、第1制御部11は、フラグが書き込まれる第1記憶部12の所定領域の値を読み込む。第1制御部11は、フラグが立っていることを示す「1」の値であるか否かをチェックする、フラグチェックを実行する(S302)。第1制御部11は、フラグが立っていることを示す「1」の値を読み込んだとき、受信情報が無い状態が続き所定期間経過した、と判断する。
【0045】
このように判断した結果、第1制御部11は、次の受信情報に含まれる少なくとも一のカットコマンドに基づき、CN18を介して、第1周辺装置2へ鳴動命令を送信して鳴動をさせる処理を実行する。第1制御部11は、次の受信情報に含まれる他のカットコマンドに基づいては、第1周辺装置2へ鳴動命令を送信しない。
この例では、第1制御部11は、一のカットコマンドを、次の受信情報に含まれる最初のカットコマンドであるカットコマンドEと判断して処理するものとする。また、第1制御部11は、カットコマンドE以外を他のカットコマンドであると判断する。
【0046】
なお、第1制御部11は、フラグが立っていないことを示す「0」の値を読み込んだとき、受信情報が無い状態が所定期間続いていないと判断する。第1制御部11は、図6に示す処理をしていないと判断することができる。
この場合、第1制御部11は、次の受信情報に含まれる最初の印刷データEの印刷DEを実行した後、保留していたカットCD及び鳴動命令BDを実行する。以降、第1制御部11は、次の受信情報に含まれるカットコマンドに基づき、上述の図4の場合と同様の処理をする。
【0047】
フラグが立っている場合の処理の説明を続ける。図8に示すように、印刷装置1の第1制御部11は、通信部13により印刷データEを受信し、印刷部14により印刷データEを記録紙PAに印刷する印刷DEを実行する(S303)。
続いて、第1制御部11は、受信したカットコマンドEに基づき、カッター16により記録紙PAをカットするカットCEを実行する(S304)。このとき、第1制御部11は、一のカットコマンドをカットコマンドEであるとして処理する。具体的には、第1制御部11は、カットCEの実行に連動させて、鳴動命令BEを生成し、CN18を介して第1周辺装置2へ送信する(S304)。
第1周辺装置2の第2制御部21は、CN18を介して鳴動命令BEを受信し、ブザー23を鳴動させる鳴動Eを実行する(S305)。
【0048】
次に、外部装置4は印刷データF、カットコマンドFを印刷装置1へ送信する(S306)。印刷装置1の第1制御部11は、受信した印刷データFを印刷部14により印刷する印刷DFを実行する(S307)。
続いて、第1制御部11は、受信したカットコマンドFに基づき、カッター16によりカットCFを実行する(S308)。このとき、第1制御部11は、カットコマンドFは他のカットコマンドであるとして判断し、処理する。具体的には、第1制御部11は、カットCFの実行に連動させて鳴動命令を生成せず、CN18を介して第1周辺装置2へ送信もしない。
【0049】
次に、外部装置4は印刷データG、カットコマンドGを印刷装置1へ送信する(S309)。印刷装置1の第1制御部11は、受信した印刷データGを印刷部14により印刷する印刷DGを実行する(S310)。
続いて、第1制御部11は、受信したカットコマンドGに基づき、カッター16によりカットCGを実行する(S311)。このとき、第1制御部11は、カットコマンドGは他のカットコマンドであると判断し、鳴動命令を生成せず、第1周辺装置2へ送信もしない。
【0050】
次に、外部装置4は印刷データH、カットコマンドHを印刷装置1へ送信する(S312)。印刷装置1の第1制御部11は、受信した印刷データHを印刷部14により印刷する印刷DHを実行する(S313)。
ここで、外部装置4は、トランザクション情報の送信が終了するので、送信データ無し状態となる(S314)。
第1制御部11は、通信部13に次の受信が無く、受信情報が無いことを検知すると、受信したカットコマンドHに基づくカットCHの実行を一旦保留する(S315)。なお、カットコマンドHは次の受信情報に含まれる最後のカットコマンドである。
【0051】
なお、この場合、第1制御部11は、図6に示す場合と同様に、次の受信が無く、所定期間経過すると、ギャップGPの搬送をした後、保留していたカットCHの実行をする。
第1制御部11は、カットコマンドHは他のカットコマンドであると判断し、保留したカットCHの実行に際し、鳴動命令を生成せず、第1周辺装置2へ送信もしない。
【0052】
なお、このとき、第1制御部11は、カットCHの実行に連動させて、鳴動命令BHを生成し、第1周辺装置2へ送信し、第1周辺装置2を鳴動させるようにしてもよい。
所定期間経過しているので、スタッフがうるさく感じるおそれも少なく、却って、上述の印刷結果DDの場合のように、スタッフは印刷DHが発行されたことを知ることができ、カットされた印刷結果DHを印刷装置1から取り出すことができる。
【0053】
ここでは、第1制御部11は、一のカットコマンドを、受信情報に含まれる最初のカットコマンドである、カットコマンドEとした。第1制御部11は、一のカットコマンドとして、任意の順番のカットコマンドを割り当てることができる。例えば、第1制御部11は、一のカットコマンドを、受信情報に含まれる2番目のカットコマンドである、カットコマンドFとしてもよい。また、第1制御部11は、一のカットコマンドを、受信情報に含まれる2つ以上のカットコマンドの任意の組み合わせとしてもよい。
このように、第1制御部11は、伝票を発行する際、1回など、特定の回数だけ第1周辺装置2のブザー23を鳴動させることができる。第1制御部11は、伝票を発行する度にブザー23を鳴動させることがなく、スタッフがうるさく感じることを抑制することができる。
【0054】
図9は、図8の印刷装置1の制御方法を実行した記録紙PAへの印刷結果EHを、図5の印刷結果ADの場合と、同様にして示す。
図9では、印刷データEである「Cooking E0 … E9」に係る印刷DEを記録紙PAに実行した結果を、印刷結果DEとして示す。以下、同様に、印刷結果DF~印刷結果DHを示す。
【0055】
また、カットCEを記録紙PAに実行した結果を、カット結果CEとして示す。以下、同様に、カット結果CF~カット結果CGを示す。
さらに、一のカットコマンドであるカットコマンドEに対応するカットCEの実行に連動して、鳴動命令BEの送信を実行する。このことを、便宜上、カット結果CEの位置において、鳴動命令送信BEとして示す。他のカットコマンドであるカットコマンドF、カットコマンドGに対応する、カット結果CF、カット結果CGでは、鳴動命令送信はしない。
【0056】
ヘッド15aとカッター16の間にはギャップGPがあるため、第1制御部11が印刷DHを実行した後、印刷結果DHの位置はカッター16の位置を越えていない。
このため、第1制御部11は、印刷DHを実行した後には、受信したカットコマンドHに対応するカットCHの実行を保留する。また、第1制御部11は、カットコマンドHが一のカットコマンドである場合には、鳴動命令BHの送信も保留する。
【0057】
ここで、鳴動命令の態様について説明する。鳴動命令の1つ目の例として、第1周辺装置2のブザー23を鳴動させる鳴動信号の波形を指定する態様がある。具体的には、鳴動命令は、ブザー23を鳴動させるON時間、及び、OFF時間を指定する情報を含む。この場合、鳴動命令には、ON時間、及び、OFF時間を繰り返す回数を指定する情報が含まれていてもよい。
【0058】
印刷装置1の第1制御部11は、鳴動命令に基づき、ブザー23を鳴動させるON時間、及び、OFF時間に係る波形を、鳴動命令であるData信号として生成し、第1周辺装置2へ送信する。この場合、第1制御部11はClock信号を出力しなくてもよい。
第1周辺装置2は、受信したData信号である波形により、ブザー23を直接ON、OFFさせて駆動し、鳴動させることができる。この場合、第1周辺装置2の第2制御部21は、鳴動信号を生成する処理をしなくてもよい。さらには、第1周辺装置2は、第2制御部21を備えなくてもよい。
なお、鳴動命令の1つ目の例では、OFF時間を固定とし、OFF時間を含めないような態様としてもよい。
【0059】
鳴動命令の2つ目の例として、第1周辺装置2のブザー23の鳴動に係る音階情報、及び、鳴動に係る時間情報を含む態様がある。
印刷装置1の第1制御部11は、鳴動命令に基づき、音階情報、及び、時間情報を、鳴動命令であるData信号として生成し、Clock信号と同期させて、第1周辺装置2へ送信する。
この場合、第1周辺装置2の第2記憶部22には、ブザー23の鳴動に係る音階情報に対応する駆動信号の情報が予め記憶されている。第2制御部21は、受信した鳴動命令に基づき、第2記憶部22から指定された音階情報に対応する駆動信号の情報を読み出して駆動信号を生成し、指定された時間情報の期間に従ってブザー23を鳴動させることができる。
【0060】
鳴動命令の2つ目の例では、鳴動命令の1つ目の例と比べ、印刷装置1の第1制御部11は、ブザー23を鳴動させるため、複雑な波形の情報を生成しなくて済む。さらに、第1制御部11は、ブザー23を鳴動させる間、鳴動命令を送信し続ける必要がない。第1制御部11は、鳴動に係る処理を早急に終了し、次の処理を実行することができる。
【0061】
鳴動命令の3つ目の例として、第1周辺装置2のブザー23の鳴動に係るメロディー情報を含む態様がある。例えば、メロディー情報は、メロディーを指定する情報を含む。
印刷装置1の第1制御部11は、鳴動命令に基づき、メロディー情報を鳴動命令であるData信号として生成し、Clock信号と同期させて、第1周辺装置2へ送信する。
この場合、第1周辺装置2の第2記憶部22には、メロディー情報に対応するもので、ブザー23を指定されたメロディーとして鳴動させる一連の音階や時間等の詳細情報が予め記憶されている。
第2制御部21は、受信した鳴動命令に基づき、第2記憶部22から指定されたメロディーに対応する詳細情報を読み出し、駆動信号を生成し、ブザー23を鳴動させることができる。
【0062】
鳴動命令の3つ目の例では、鳴動命令の1つ目の例と比べ、印刷装置1の第1制御部11は、ブザー23を鳴動させるため、複雑な波形の情報を生成しなくて済む。さらに、第1制御部11は、ブザー23を鳴動させる間、鳴動命令を送信し続ける必要がない。第1制御部11は、鳴動に係る処理を早急に終了し、次の処理を実行することができる。
【0063】
また、鳴動命令の2つ目の例では、印刷装置1の第1制御部11は、ブザー23にメロディーを鳴動させようとする場合、印刷装置1の第1制御部11は、メロディーに係る一連の音階及び長さを指定する情報を生成して第1周辺装置2へ送信する必要がある。
鳴動命令の3つ目の例では、第1制御部11は、メロディーを指定すればよく、メロディーに係る一連の音階や時間の情報を送信する必要がない。第1制御部11は、鳴動に係る処理を早急に終了し、次の処理を実行することができる。
【0064】
1-3.第2周辺装置が接続された印刷装置
POSシステムには、金銭等を収納する引き出しであり、キャッシュドロワーである第2周辺装置3が備えられる場合がある。
図10では、図3の第1周辺装置2に替えて、第2周辺装置3を印刷装置1に接続した場合を示す。
【0065】
図10を参照しながら、印刷装置1が、第2周辺装置3を駆動させる構成について、説明する。印刷装置1は、CN18を介して、モジュラーケーブルなどにより、第2周辺装置3と接続される。
第2周辺装置3は、引き出し(図示省略)、プランジャーL1,L2、フック(図示省略)、バネ(図示省略)、スイッチSWを有する。プランジャーL1,L2は、電磁石を含むアクチュエーターであり、フックに接続される。引き出しは、閉時、フックによりロックされている。スタッフが引き出しを閉じるように押し込むと、引き出しはフックによりロックされるように構成される。このとき、閉じた引き出しにより、バネは圧縮される。
【0066】
第2周辺装置3のプランジャーL1,L2が駆動されると、対応する引き出しをロックしていたフックが外れ、バネが伸長する力により引き出しが開くように構成される。なお、以下では、プランジャーL1,L2を駆動することを、第2周辺装置3を駆動するとも称する。
ところで、店舗では、同じ第2周辺装置3において、スタッフ2名がそれぞれ個別の引き出しを使用し、管理することがある。このため、この例では、第2周辺装置3は、2台の引き出しを有しており、それぞれに対応するようにプランジャーL1,L2を有している。
【0067】
プランジャーL1,L2の駆動には、例えば24V、1A程度の電力の印加が必要である。印刷装置1の電源19は、プランジャーL1,L2を駆動可能な電力を有している。このため、POSシステムでは、印刷装置1に第2周辺装置3が接続される。
また、印刷装置1の近くに第2周辺装置3が配置されるので、店舗のスタッフが、印刷装置1が発行したレシートを顧客に渡すと共に、第2周辺装置3の引き出しを開閉し、顧客と現金の授受をすることができる。
【0068】
印刷装置1の通信部13により、外部装置4から第2周辺装置3に対する駆動命令を受信すると、第1制御部11は、プランジャーL1,L2を駆動するための駆動信号T1,T2を生成し、出力ポートP1,P2から出力する。駆動信号T1,T2は、それぞれ、Highレベルの電圧の期間T1,T2を有する信号である。なお、第1制御部11は、駆動信号T1,T2を同時には出力せず、第2周辺装置3に対する駆動命令の指示に基づき、いずれか一方を出力する。期間T1,T2は、例えば、100msec~200msecである。
第1制御部11から出力された駆動信号T1,T2は、それぞれ、24Vを用いてトランジスターTR1,TR2により増幅されて、それぞれのコレクターからCN18の端子2,5を介して第2周辺装置3へ送信される。
【0069】
CN18の端子2,5は、プランジャーL1,L2のそれぞれの一方の端に接続される。プランジャーL1,L2のそれぞれの他方の端は、CN18の端子4に接続され、印刷装置1から24Vが供給される。
プランジャーL1,L2は、駆動信号T1,T2により駆動され、対応する引き出しを開けることができる。このとき、プランジャーL1,L2には、例えば、24Vで、1Aの電流が、100msec~200msecの期間に亘って流される。
なお、CN18の端子1は、印刷装置1及び第2周辺装置3のそれぞれのアースを接続し、電位を合わせる。
【0070】
スイッチSWは、2台の引き出しのうちいずれかが開くと開状態となり、2台の引き出しのいずれもが閉まると閉状態となるように構成されている。
スイッチSWの一方の端は、CN18の端子6を介して、印刷装置1のグランドレベルに接続されている。スイッチSWの他方の端は、CN18の端子3を介して、印刷装置1の第1制御部11の入力ポートINに接続される。
【0071】
入力ポートINは、3.3Vにプルアップされる。従って、第1制御部11は、入力ポートINによりHighレベルの電圧である3.3Vを検出すると、スイッチSWが開状態であると判断できる。すなわち、第1制御部11は、2台の引き出しのうちいずれかが開いていると判断できる。
一方、第1制御部11は、入力ポートINがLowレベルの電圧であるグランドレベルを検出すると、スイッチSWが閉状態であると判断できる。すなわち、第1制御部11は、2台の引き出しのいずれもが閉じていると判断できる。
【0072】
上述の実施形態によれば、印刷装置1の第1制御部11は、通信部13により、複数の印刷データ、及び、複数のカットコマンドを含むトランザクション情報である受信情報を外部装置4から受信する。第1制御部11は、受信情報を受信後、所定期間、次の受信がない場合には、受信情報に含まれる少なくとも一のカットコマンドに基づき、CN18を介して、第1周辺装置2へ駆動命令を送信して駆動させる。一方、第1制御部11は、受信情報に含まれる他のカットコマンドに基づいては、第1周辺装置2へ駆動命令を送信しない。
このような構成により、第1周辺装置2が鳴動装置である場合、印刷装置1は、伝票を発行する度に第1周辺装置2を鳴動させることがなく、スタッフがうるさく感じることを抑制することができる。
【0073】
以上、本実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
【0074】
印刷装置1のヘッド15aは、ラインサーマルヘッドの例で説明したが、印刷方式は問わない。例えば、インクジェットヘッドでもよい。
第1周辺装置2は、ブザー23の鳴動を、自励方式で構成してもよく、他励方式で構成してもよい。
第1周辺装置2は鳴動装置の例で説明したが、表示装置であってもよい。また、第2周辺装置3はキャッシュドロワーの例で説明したが、釣銭機であってもよい。
【0075】
上述の実施形態では、印刷装置1の第1制御部11は、通信部13に受信が無く、所定期間経過した場合に、フラグを立てていた。フラグの代わりに第1記憶部12の所定領域にメモリースイッチを設定し、第1制御部11は、外部装置4からのメモリースイッチに「1」を指定するコマンドに基づき、メモリースイッチに「1」を書き込み、同様に処理することもできる。この場合、値は「1」でなくともよく、第1制御部11が識別できる任意の値でもよい。
【符号の説明】
【0076】
1…印刷装置、2…第1周辺装置、3…第2周辺装置、4…外部装置、11…第1制御部、12…第1記憶部、13…通信部、14…印刷部、15a…ヘッド、15b…ローラー、16…カッター、17…駆動回路、18…コネクターCN、19…電源、21…第2制御部、22…第2記憶部、23…ブザー、24…電圧変換器、FF…搬送方向、GP…ギャップ、L1,L2…プランジャー、P1,P2…出力ポート、PA…記録紙、T1,T2…駆動信号、TR1,TR2…トランジスター。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10