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特開2024-98218燃料ホルダ組立体、燃料ホルダ及びハンドル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098218
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】燃料ホルダ組立体、燃料ホルダ及びハンドル
(51)【国際特許分類】
   G21C 3/33 20060101AFI20240716BHJP
   G21C 19/32 20060101ALI20240716BHJP
   G21F 9/36 20060101ALI20240716BHJP
   G21F 5/008 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
G21C3/33 100
G21C19/32 060
G21F9/36 501G
G21F9/36 531B
G21F5/008
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001539
(22)【出願日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】000165697
【氏名又は名称】原子燃料工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】井坂 浩順
(72)【発明者】
【氏名】河野 智美
(72)【発明者】
【氏名】齋木 洋平
(72)【発明者】
【氏名】作花 拓
(57)【要約】
【課題】ハンドルの着脱作業性を向上させる燃料ホルダ組立体、燃料ホルダ及びハンドルを提供する。
【解決手段】矩形状の上蓋12を有する角筒状の収納殻11に核燃料集合体を収納可能な燃料ホルダ10と、逆U字状の把手部22を有し、上蓋12に装着されるハンドル20と、上蓋12とハンドル20とを着脱可能に締結する締結部材30と、を備える燃料ホルダ組立体1であって、上蓋12は、中央に配置されていない複数の雌ネジ14を有し、締結部材30は、雌ネジ14に螺合する雄ネジ34が刻設されているものである。また、ハンドル20の台座部21は、把手部22の側に第2の雌ネジ24を複数有するとともに、第2の雌ネジ24の直径よりも大きな下穴25を有し、複数の雌ネジ24及び下穴25は、台座部21の中央に配置されていないものである。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の上蓋を有する角筒状の収納殻に核燃料集合体を収納可能な燃料ホルダと、
逆U字状の把手部を有し、前記上蓋に装着されるハンドルと、
前記上蓋と前記ハンドルとを着脱可能に締結する締結部材と、を備える燃料ホルダ組立体であって、
前記上蓋は、中央に配置されていない複数の雌ネジを有し、
前記締結部材は、前記雌ネジに螺合する雄ネジが刻設されている、
ことを特徴とする燃料ホルダ組立体。
【請求項2】
前記締結部材は、前記燃料ホルダの長手方向から見て、前記把手部に重ならないように配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料ホルダ組立体。
【請求項3】
前記雄ネジは、前記締結部材の先端部側のみに刻設され、
前記ハンドルは、前記上蓋の前記雌ネジと同径の第2の雌ネジを複数有するとともに、前記第2の雌ネジよりも前記上蓋の側に、前記第2の雌ネジの直径よりも大きな下穴を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料ホルダ組立体。
【請求項4】
矩形状の上蓋を有する角筒状の収納殻に核燃料集合体を収納可能な燃料ホルダであって、
前記上蓋は、ハンドルを締結部材で締結固定するための複数の雌ネジを有し、
前記複数の雌ネジは、中央に配置されていない、
ことを特徴とする燃料ホルダ。
【請求項5】
前記上蓋は、中央に前記雌ネジの直径と異なる直径を有する第3の雌ネジが刻設されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の燃料ホルダ。
【請求項6】
核燃料集合体を収納可能な燃料ホルダに装着されるハンドルであって、
逆U字状の把手部と、締結部材が挿入される台座部と、を備え、
前記台座部は、前記把手部の側に第2の雌ネジを複数有するとともに、前記第2の雌ネジの直径よりも大きな下穴を有し、
前記複数の雌ネジ及び下穴は、前記台座部の中央に配置されていない、
ことを特徴とするハンドル。
【請求項7】
前記複数の雌ネジ及び下穴は、前記ハンドルの装着方向から見て、前記把手部に重ならないように、前記台座部に配置されている、
ことを特徴とする請求項6に記載のハンドル。
【請求項8】
前記台座部は、中央に前記把手部の反対側から窪む凹部を有する円柱状であるか、中央に貫通穴を有する円筒状である、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載のハンドル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料集合体を収容する燃料ホルダ組立体、燃料ホルダ及びハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MOX燃料など原子炉用の核燃料集合体を輸送する場合、核燃料集合体を燃料ホルダに収容し、この燃料ホルダを輸送容器に設けられた複数のロジメント穴に挿入し、輸送している。この燃料ホルダは、断面視L字状の2つの半割体が連結手段で開閉可能に連結されて構成されており、閉鎖時に開放不能になるように係止手段で係止されている。
【0003】
燃料ホルダは、燃料集合体を収容していない状態での保管時や輸送容器のロジメント穴に装荷された輸送時には、長手方向を水平方向にした横置き状態とされている。一方、燃料集合体の収容時や輸送容器への装荷時には、長手方向を鉛直方向にした縦置きの状態とされ、各種作業が行われるため、クレーンなどの扛重機械で燃料ホルダを縦起こししたり、吊り下げたりしている。
【0004】
この縦起こし作業のために、燃料ホルダは、上蓋にハンドルが取り付けられる(例えば、特許文献1参照)。特許文献1にみられる燃料ホルダ組立体では、ハンドル20’の台座の中央に設けられた単一の締結穴を介して、単一の締結部材30’で、燃料ホルダ10’の上蓋に取り付けられている。なお、このハンドル20’は、輸送容器への燃料ホルダ10’の装荷後に、取り外されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-020185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1にみられる燃料ホルダ組立体は、台座の中央に締結穴が設けられているため、締結部材30’を締結穴に挿入又は締結穴から取出す際に、ハンドル20’の把手部に重なることになる。そのため、作業者が直接ハンドル20’を着脱する場合でも、作業者の被ばくを低減するため遠隔操作で着脱する場合でも、ハンドル20’と締結部材30’とが干渉し、作業性が良くなかった。また、締結部材30’の長さや、ハンドル20’の高さも制約を受けることになる。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ハンドルの着脱作業性を向上させる燃料ホルダ組立体、燃料ホルダ及びハンドルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る1つの態様は、矩形状の上蓋を有する角筒状の収納殻に核燃料集合体を収納可能な燃料ホルダと、逆U字状の把手部を有し、前記上蓋に装着されるハンドルと、前記上蓋と前記ハンドルとを着脱可能に締結する締結部材と、を備える燃料ホルダ組立体であって、前記上蓋は、中央に配置されていない複数の雌ネジを有し、前記締結部材は、前記雌ネジに螺合する雄ネジが刻設されているものである。
(2)上記(1)の態様において、前記締結部材は、前記燃料ホルダの長手方向から見て、前記把手部に重ならないように配置されてもよい。
(3)上記(1)又は(2)の態様において、前記雄ネジは、前記締結部材の先端部側のみに刻設され、前記ハンドルは、前記上蓋の前記雌ネジと同径の第2の雌ネジを複数有するとともに、前記第2の雌ネジよりも前記上蓋の側に、前記第2の雌ネジの直径よりも大きな下穴を有してもよい。
(4)本発明に係る別の1つの態様は、矩形状の上蓋を有する角筒状の収納殻に核燃料集合体を収納可能な燃料ホルダであって、前記上蓋は、ハンドルを締結部材で締結固定するための複数の雌ネジを有し、前記複数の雌ネジは、中央に配置されていないものである。
(5)上記(4)の態様において、前記上蓋は、中央に前記雌ネジの直径と異なる直径を有する第3の雌ネジが刻設されてもよい。
(6)本発明に係る別の1つの態様は、核燃料集合体を収納可能な燃料ホルダに装着されるハンドルであって、逆U字状の把手部と、締結部材が挿入される台座部と、を備え、前記台座部は、前記把手部の側に第2の雌ネジを複数有するとともに、前記第2の雌ネジの直径よりも大きな下穴を有し、前記複数の雌ネジ及び下穴は、前記台座部の中央に配置されていないものである。
(7)上記(6)の態様において、前記複数の雌ネジ及び下穴は、前記ハンドルの装着方向から見て、前記把手部に重ならないように、前記台座部に配置されてもよい。
(8)上記(6)又は(7)の態様において、前記台座部は、中央に前記把手部の反対側から窪む凹部を有する円柱状であるか、中央に貫通穴を有する円筒状であってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ハンドルの着脱作業性を向上させる燃料ホルダ組立体、燃料ホルダ及びハンドルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本発明に係る実施形態の燃料ホルダ組立体を示す正面図である。
図1B】燃料ホルダ組立体の上部を示す分解斜視図である。
図2A】本発明に係る実施形態のハンドルを示す上面図である。
図2B図2AのA-A線で切断したハンドルを示す部分断面図である。
図2C図2AのB-B線で切断したハンドルを示す拡大断面図である。
図3A】従来の燃料ホルダ組立体を示す上部斜視図である。
図3B】従来の燃料ホルダ組立体を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通じて同じ要素には同じ符号を付して説明する。
【0012】
図1Aは、本発明に係る実施形態の燃料ホルダ組立体1を示す正面図であり、図1Bは、燃料ホルダ組立体1の上部を示す分解斜視図である。
【0013】
燃料ホルダ組立体1は、核燃料集合体を収納可能な燃料ホルダ10と、燃料ホルダ10に装着されるハンドル20と、燃料ホルダ10とハンドル20とを着脱可能に締結する締結部材30と、を備えている。
【0014】
原子炉用の燃料集合体は、格子に配列された複数の燃料棒で形成されている。そして、燃料棒は、金属製の長尺な被覆管の中に複数の円柱状の核燃料ペレットが封じ込められて構成されている。
【0015】
燃料ホルダ10は、角筒状の収納殻11と、収納殻11の一方端側に設けられた上蓋12と、収納殻11の他方端側に設けられた底板13と、で構成されている。
【0016】
収納殻11は、2つの長尺な断面視L字状の半割体を蝶番により開閉可能に組み付けられるとともに、施錠手段により角筒状態を維持できるように形成されている。また、収納殻11は、内部確認や放熱のための開口窓が複数設けられている。
【0017】
底板13は、略矩形状(正方形)の板状部材であり、収納殻11にボルトなどの固着手段で固定されている。
【0018】
一方、上蓋12も、底板13と同様に、略矩形状(正方形)の板状部材であり、収納殻11にボルトなどの固着手段で固定されている。
【0019】
また、上蓋12は、中央(中心)に円柱状のボス部16が任意付加的に形成されている。さらに、ボス部16は、中心に第3の雌ネジ15が形成されていてもよい。ただし、この雌ネジ15は、ハンドル20を固定するためのものでないことから、後述する雌ネジ14と異なる呼び径(直径)であることが好ましい。
【0020】
さらに、上蓋12は、中央(中心)ではなく、中央から一定の距離だけ離れた円周上に配置されるように、第1の雌ネジ14が設けられている。雌ネジ14の個数は、ハンドル20を締結する締結部材30の個数と同数であり、本実施形態では2つである。
【0021】
なお、本明細書において、上蓋12の中央又は中心は、上蓋12の角部が面取りされていない矩形(正方形)状であると仮定した場合における対角線同士の交点、すなわち、図心あるいは重心に相当する部分である。
【0022】
また、燃料ホルダ10は、複数の燃料棒を保持する上部タイプレート及び下部タイプレート(図示なし)なども備えている。
【0023】
つぎに、締結部材30は、雄ネジ34(例えば、呼び径M12)が刻設されたボルト状のものである。この締結部材30は、全ネジではなく、先端側の1/3~1/2程度のみ雄ネジ34として刻設されており、頭部31と雄ネジ34との間に軸部32を含んでいるとよい。なお、締結部材30の全長は、50mmから60mm程度であるとよい。また、頭部31は、六角穴付きヘッドであるとよい。
【0024】
図2Aは本発明に係る実施形態のハンドル20を示す上面図であり、図2Bは、図2AのA-A線で切断したハンドル20を示す部分断面図であり、図2Cは、図2AのB-B線で切断したハンドル20を示す拡大断面図である。
【0025】
つづいて、ハンドル20は、上述した締結部材30で上蓋12に固定される台座部21と、逆U字状の把手部22と、を備えている。
【0026】
台座部21は、中央に把手部22の反対側から窪む凹部23を有する円柱状である。この台座部21は、例えば、直径が80mm、高さが40mm程度であるとよい。なお、台座部21は、凹部23に代えて、中央に貫通穴を有する円筒状であってもよい。
【0027】
凹部23(場合によっては貫通穴)は、上蓋12の中央に円柱状のボス部16が形成されている場合には、このボス部16を収容できるような直径(例えば、40mm)及び深さに形成されている。
【0028】
把手部22は、台座部21の上面又は周面に溶接され、逆U字状の形状を呈しており、台座部21の中心(中央)の上方を通過するように直径方向に橋渡しされている。この把手部22は、例えば、高さが160mmで、幅が120mm、内寸法が90mm、厚みが20mm程度であるとよい。そして、把手部22は、厚み方向が扛重機械などで挟持され、持ち上げられることになる。
【0029】
ここで、台座部21は、締結部材30の雄ネジ34が挿通可能な、つまり、雄ネジ34の呼び径よりも大きな下穴25を複数(使用する締結部材30の個数と同数)有している。なお、下穴25は、直径が14mmで、深さが30mm程度であるとよい。
【0030】
さらに、台座部21は、複数の下穴25とそれぞれ同心で、把手部22の側に第2の雌ネジ24を有している。この第2の雌ネジ24の呼び径は、締結部材30の雄ネジ34の呼び径に等しい。なお、雌ネジ24の有効長は、10mm程度であるとよい。
【0031】
そして、これら複数の雌ネジ24及び下穴25は、台座部21の中央に配置されておらず、ハンドル20の収納殻11に対する装着方向から見て、把手部22に重ならないように、台座部21に配置されている。例えば、雌ネジ24及び下穴25を2か所に設ける場合、把手部22の厚みの中点を通る線分を中心線とすると、中心線に直交する方向上の対称な位置に配置して設けるとよい。また、雌ネジ24及び下穴25を4か所に設ける場合、中心線から45度傾いた位置から、90度間隔で設けるとよい。
【0032】
上述した燃料ホルダ10、ハンドル20及び締結部材30は、収容する燃料集合体の寸法や重量による強度、耐熱性などを考慮して、SUS304などのステンレス鋼や耐熱ニッケル基合金などの材料から形成されるとよい。
【0033】
最後に、ハンドル20を締結部材30で燃料ホルダ10の上蓋12に取り付けるに際しては、締結部材30の雄ネジ34を、下穴25に到達するまで。ハンドル20の雌ネジ24に螺合させておく。これにより、締結部材30はハンドル20から容易に脱落しないようになるため、取り付け又は取り外し作業の効率が向上する。
【0034】
つづいて、締結部材30の雄ネジ34と上蓋12の雌ネジ14とが螺合可能なように、ハンドル20と燃料ホルダ10との位置合わせを行い、雄ネジ34及び雌ネジ14を螺合させて、ハンドル20の燃料ホルダ10に対する固定が完了する。このとき、ハンドル20の把手部22は、矩形状の上蓋12の対角線に一致する方向に配置されることになる。
【0035】
なお、本実施形態では、複数の締結部材30を用いるため、他の締結部材30の存在によって、下穴25に対する許容がそれぞれ小さくなり、位置決め精度が向上する。ただし、ハンドル20のより高精度の位置決めが必要な場合には、位置決め治具などを用いるとよい。
【0036】
一方、ハンドル20を取り外す場合は、締結部材30を逆回転させて上蓋12の雌ネジ14から引き抜くことで、締結部材30はハンドル20に挿入された状態で、ハンドル20を燃料ホルダ10から分離することができる。
【0037】
以上説明したとおり、本発明に係る実施形態の燃料ホルダ組立体1は、矩形状の上蓋12を有する角筒状の収納殻11に核燃料集合体を収納可能な燃料ホルダ10と、逆U字状の把手部22を有し、上蓋12に装着されるハンドル20と、上蓋12とハンドル20とを着脱可能に締結する締結部材30と、を備える燃料ホルダ組立体1であって、上蓋12は、中央に配置されていない複数の雌ネジ14を有し、締結部材30は、雌ネジ14に螺合する雄ネジ34が刻設されている。
【0038】
これにより、ハンドル20の位置決め性が向上し、また、ハンドル20の着脱作業性を向上させることができる。また、ハンドル20の位置決め精度が向上することから、燃料ホルダ組立体1を移動させるロボットなどの作業機械も、ハンドル20の把手部22を、位置ズレなく確実に保持することができる。また、複数の締結部材30を用いるため、振動や衝撃によっても、ネジの緩みが同時に発生することがなく、ハンドル20が外れるような事故を抑制することができる。
【0039】
実施形態の締結部材30は、燃料ホルダ10の長手方向から見て、把手部22に重ならないように配置されている。これにより、作業者が直接的に又はロボットなどを介して間接的にハンドル20の着脱作業を行ったとしても、ハンドル20の把手部22に干渉することがなく、作業性を向上させることができる。
【0040】
実施形態の雄ネジ34は、締結部材30の先端側のみに刻設されており、ハンドル20は、上蓋12の雌ネジ14と同径の第2の雌ネジ24を複数有するとともに、第2の雌ネジ24よりも上蓋12の側に、第2の雌ネジ24の直径よりも大きな下穴25を有している。これにより、ハンドル20の着脱作業時において、上蓋20に締結部材30を仮止めすることができ、締結部材30の脱落を防止することができる。
【0041】
本発明に係る実施形態の燃料ホルダ10は、矩形状の上蓋12を有する角筒状の収納殻11に核燃料集合体を収納可能な燃料ホルダ10であって、上蓋12は、ハンドル20を締結部材30で締結固定するための複数の雌ネジ14を有し、複数の雌ネジ14は、中央に配置されていない。これにより、作業者が直接的に又はロボットなどを介して間接的にハンドル20の着脱作業を行ったとしても、ハンドル20の把手部22に干渉することがなく、作業性を向上させることができる。
【0042】
実施形態の上蓋12は、中央に雌ネジ14の直径と異なる直径を有する第3の雌ネジ15が刻設されている。これにより、燃料ホルダ10に、従来品のようなハンドル20’(図3A参照)やアイボルトなどを装着することができる。
【0043】
本発明に係る実施形態の核燃料集合体を収納可能な燃料ホルダ10に装着されるハンドル20であって、逆U字状の把手部22と、締結部材30が挿入される台座部21と、を備え、台座部21は、把手部22の側に第2の雌ネジ24を複数有するとともに、第2の雌ネジ24の直径よりも大きな下穴25を有し、複数の雌ネジ24及び下穴25は、台座部21の中央に配置されていない。これにより、ハンドル20の位置決め性が向上し、また、ハンドル20の着脱作業性を向上させることができる。
【0044】
実施形態の複数の雌ネジ24及び下穴25は、ハンドル20の装着方向から見て、把手部22に重ならないように、台座部21に配置されている。これにより、作業者が直接的に又はロボットなどを介して間接的にハンドル20の着脱作業を行ったとしても、ハンドル20の把手部22に干渉することがなく、作業性を向上させることができる。
【0045】
実施形態の台座部21は、中央に把手部22の反対側から窪む凹部23を有する円柱状であるか、中央に貫通穴を有する円筒状である。これにより、中央にボス部16を有する上蓋12であっても、ハンドル20を装着することができる。
【0046】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 燃料ホルダ組立体
10 燃料ホルダ
11 収納殻、12 上蓋、13 底板、14 雌ネジ(第1の雌ネジ)、15 雌ネジ(第3の雌ネジ)、16 ボス部
20 ハンドル
21 台座部、22 把手部、23 凹部、24 雌ネジ(第2の雌ネジ)、25 下穴
30 締結部材
31 頭部、32 軸部、34 雄ネジ
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B