(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098235
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】ガス絶縁開閉装置及び開閉器
(51)【国際特許分類】
H02B 13/065 20060101AFI20240716BHJP
H02B 3/00 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
H02B13/065 Z
H02B3/00 K
H02B3/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001600
(22)【出願日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】保坂 勝幸
(72)【発明者】
【氏名】高橋 裕二
【テーマコード(参考)】
5G017
【Fターム(参考)】
5G017AA01
5G017EE05
(57)【要約】
【課題】吸着剤の吸湿状態や機器の健全性を外部から視認することができ、安全性の向上とランニングコストの低減を図ることのできるガス絶縁開閉装置及び開閉器を提供する。
【解決手段】開閉器と、接続母線と、を構成要素とし、それぞれの前記構成要素は、絶縁性のガスが封入された金属容器内に収容されているガス絶縁開閉装置であって、それぞれの前記構成要素の少なくとも一つは、前記金属容器内に配設され、前記絶縁性のガスに含有する水分を吸着する吸着剤と、前記金属容器に設けられた前記吸着剤を交換するための開口に開閉可能に配設され、透明な部材から構成された蓋と、を具備している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉器と、接続母線と、を構成要素とし、それぞれの前記構成要素は、絶縁性のガスが封入された金属容器内に収容されているガス絶縁開閉装置であって、
それぞれの前記構成要素の少なくとも一つは、
前記金属容器内に配設され、前記絶縁性のガスに含有する水分を吸着する吸着剤と、
前記金属容器に設けられた前記吸着剤を交換するための開口に開閉可能に配設され、透明な部材から構成された蓋と、
を具備したことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
【請求項2】
ガス絶縁開閉装置を構成する開閉器であって、
絶縁性のガスが封入された金属容器と、
前記金属容器内に収容され、移動して開閉動作を行う可動導体と、
前記金属容器内に配設され、前記絶縁性のガスに含有する水分を吸着する吸着剤と、
前記金属容器に設けられた前記吸着剤を交換するための開口に開閉可能に配設され、透明な部材から構成された蓋と、
を具備し、
前記蓋は、前記可動導体と対向する位置に配設され、前記吸着剤は、前記蓋の周囲に環状に配設されている、
ことを特徴とする開閉器。
【請求項3】
請求項2記載の開閉器であって、
前記蓋は、中央部に凸レンズ形状とされた部位を有し、前記凸レンズ形状とされた部位の焦点が前記可動導体表面近傍になるよう配設され、前記吸着剤は、前記蓋の前記凸レンズ形状とされた部位の周囲に配設されている、
ことを特徴とする開閉器。
【請求項4】
請求項2記載の開閉器であって、
前記蓋は、中央部に魚眼レンズ形状とされた部位を有し、前記吸着剤は、前記蓋の前記魚眼レンズ形状とされた部位の周囲に配設されている、
ことを特徴とする開閉器。
【請求項5】
請求項2記載の開閉器であって、
前記蓋は、平板形状とされ、前記蓋と対向する前記金属容器の内側面に反射鏡が配設されている
ことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
【請求項6】
請求項5記載の開閉器であって、
前記反射鏡が凹面鏡である
ことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
【請求項7】
請求項5記載の開閉器であって、
前記反射鏡が凸面鏡である
ことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ガス絶縁開閉装置及び開閉器に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス絶縁開閉装置(GIS)は、遮断器、断路器、接地開閉器などの開閉器と接続母線で構成されると共に、高圧の絶縁性のガス(例えばSF6ガス等)を金属容器に密閉することで高い絶縁性と電流遮断性能を有する。また、封入するガスに水分が含有することにより絶縁性が低下するため、各構成機器には吸着剤(一般に、吸湿すると変色するゼオライト等が用いられる)を金属容器内に設置する。これらガス絶縁開閉装置の構成機器である開閉器は、可動ロッドを可動電極-固定電極間で動かすことにより開閉動作を行うが、この開閉動作を繰り返すことによる可動ロッド等の損耗状態を外部から目視確認することはできなかった。
【0003】
以上の従来のガス絶縁開閉装置、及びその構成要素である母線や開閉器を、具体的に図を用いて説明する。
【0004】
図10は、複母線方式ガス絶縁開閉装置の典型的な側面図を示している。
図10において、主母線A(2)、主母線B(3)とケーブルヘッド4との間に、遮断器1、断路器5、6、7、接地開閉器8、9等の開閉器が、接続母線10、11、12を介して接続されている。
【0005】
また、接続母線は、
図11に示すように、高電圧の導体20が絶縁スペーサ21により機械的に保持されると共に電気的に絶縁されている。これらが金属容器22内に収容され、絶縁性のガスが封入されている。また、前述のガスの水分を吸湿するための吸着剤23を金属容器22内に配設するための吸着装置26が設置されている。
【0006】
図11に示す例では、金属容器22には、吸着剤23を出し入れするための開口22aが設けられており、この開口22aの部分に吸着剤23を収容するための凹部24及び開口22aの部分を開閉可能に閉塞するための蓋25が設けられて吸着装置26が構成されている。なお、吸着剤23及び後述する吸着剤37は、例えば、袋状の入れ物に収容されて配設されている。
【0007】
ガス絶縁開閉装置の開閉器の一つである断路器/接地開閉器が一つの金属容器に収納された機器を
図12に示す。
図12において、金属容器33内には断路器30の可動ロッド(可動導体)34が可動電極35と固定電極36の間を水平方向に移動し開閉動作を行う。また、接地開閉器31は、固定電極36側に設置され、上下に移動して開閉動作を行う。これらの可動電極35と固定電極36は、それぞれ両側の絶縁スペーサ32に電気的、機械的に絶縁保持されている。また、ガスの水分を吸湿するための吸着剤37を金属容器33内に配設するための吸着装置40が設置されている。
【0008】
図12に示す例では、金属容器33には、吸着剤37を出し入れするための開口33aが設けられており、この開口33aの部分に吸着剤37を収容するための凹部38及び開口33aの部分を開閉可能に閉塞するための蓋39が設けられて吸着装置40が構成されている。
【0009】
以上のような構造を持つガス絶縁開閉装置の構成機器(開閉器や接続母線等)に設置される吸着装置26、40の蓋25、39は、内部の高圧ガスを気密封入するために金属製の平板を使用するのが一般的であった。そのために吸着剤23、37の吸湿による変色状況を外部から目視確認することはできなかった。
【0010】
また、開閉器についても構成部品が金属容器内に収納されているため、一般的には内部の状況を外部から目視確認することはできない。そこで、開閉器の開閉動作、すなわち可動ロッドの位置を外部から目視確認するため、あるいは開閉動作を繰り返すことによる可動ロッド等の損耗状況を目視確認するために、覗き窓を設けることがある。例として、特許文献1では、開閉器の内部を外部から目視により点検するための内部点検装置が説明されている。この内部点検装置は、ガス絶縁機器の容器に設けられた円形の開口部に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述したように、従来のガス絶縁開閉装置では、封入ガスの絶縁性能を維持するために吸湿によって変色する吸着剤を金属容器内に封入しているにも関わらず、外部より吸着剤の変色の状況を目視確認することはできない。したがって、ある期間が経過すると吸着剤を交換することになるが、この作業はガス絶縁開閉装置を停電状態にして、内部の封入ガスを回収して大気(空気)に置換した上でガス絶縁開閉装置の各機器を分解して(吸着装置の蓋を取り外して)吸着剤を交換するという、時間もかかり費用も高額となり、大掛かりな工事になる。
【0013】
さらに、分解した結果、吸着剤が吸湿してなく再使用可能な状態であっても、大気に置換した段階で吸着剤が吸湿するために新品への交換が必要になってしまう。このため、金属容器内の吸着剤の変色の状態(交換する必要があるか否か)を外部から判別することのできるガス絶縁開閉装置及び開閉器の開発が望まれていた。
【0014】
また、ガス絶縁開閉装置を構成する開閉器は前述のように、開閉動作を外部から目視確認するため、あるいは開閉動作を繰り返すことによる可動ロッド等の損耗状況を目視確認するために、覗き窓を一つ、あるいは複数個、設けることがあった。その方法はアクリルやガラスなどの平板を金属容器の可動ロッドの対向する位置に配置して、「覗き見る」もので、大型のガス絶縁開閉装置になると覗き窓から可動ロッドが離れているために明瞭に可動ロッドの状態を目視することは困難であった。また可動ロッドの覗き窓から反対側、即ち裏側の状態を直接目視することはできないため、死角に当たる可動ロッドの裏側の状態は、ガス絶縁開閉装置を停電状態にして内部の封入ガスを回収し大気に置換した上で開閉器を分解し、金属容器内に作業者が入って可動ロッドを直接目視する以外に確認手段がなかった。これらの作業は工期が長くなり、費用も高額な大掛かりな工事になる。
【0015】
また、開閉器は運転時に高電圧である可動電極、固定電極を金属容器から電気的に絶縁し機械的に固定するために、エポキシ樹脂など絶縁物で製造された絶縁スペーサを使用する。開閉器の開閉動作で発生する微細な金属粉などが、飛散あるいは静電力で移動して絶縁スペーサ表面に付着すると絶縁耐力が大幅に低下することが知られている。そこで絶縁スペーサの表面状態を目視、監視することが望ましいが、金属容器に収納されているために直接目視することは困難である、さらに前述の覗き窓は可動ロッドを目視するために配置されているために視野が狭く、開閉器内の他の部品、例えば絶縁スペーサ表面の状態を目視することは困難である。
【0016】
以上より、開閉器の可動ロッドを明瞭に目視でき、死角となる可動ロッドの裏側、あるいは開閉器内の配置される絶縁スペーサ表面の状態まで、開閉器を分解することなく、外部から容易に目視確認することのできるガス絶縁開閉装置及び開閉器の開発が望まれていた。
【0017】
そこで本発明は、吸着剤の吸湿状態や機器の健全性を外部から視認することができ、安全性の向上とランニングコストの低減を図ることのできるガス絶縁開閉装置及び開閉器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
実施形態のガス絶縁開閉装置は、開閉器と、接続母線と、を構成要素とし、それぞれの前記構成要素は、絶縁性のガスが封入された金属容器内に収容されているガス絶縁開閉装置であって、それぞれの前記構成要素の少なくとも一つは、前記金属容器内に配設され、前記絶縁性のガスに含有する水分を吸着する吸着剤と、前記金属容器に設けられた前記吸着剤を交換するための開口に開閉可能に配設され、透明な部材から構成された蓋と、を具備したことを特徴とする。
【0019】
実施形態の開閉器は、ガス絶縁開閉装置を構成する開閉器であって、絶縁性のガスが封入された金属容器と、前記金属容器内に収容され、移動して開閉動作を行う可動導体と、前記金属容器内に配設され、前記絶縁性のガスに含有する水分を吸着する吸着剤と、前記金属容器に設けられた前記吸着剤を交換するための開口に開閉可能に配設され、透明な部材から構成された蓋と、を具備し、前記蓋は、前記可動導体と対向する位置に配設され、前記吸着剤は、前記蓋の周囲に環状に配設されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、吸着剤の吸湿状態や機器の健全性を外部から視認することができ、安全性の向上とランニングコストの低減を図ることのできるガス絶縁開閉装置及び開閉器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1実施形態に係るガス絶縁開閉装置の接続母線の断面構成を模式的に示す図。
【
図2】第2実施形態に係る開閉器の断面構成を模式的に示す図。
【
図3】
図2を矢視A-Aより見た断面構成を模式的に示す図。
【
図4】第3実施形態に係る開閉器の断面構成を模式的に示す図。
【
図5】
図4を矢視B-Bより見た断面構成を模式的に示す図。
【
図6】第4実施形態に係る開閉器の断面構成を模式的に示す図。
【
図7】
図6を矢視C-Cより見た断面構成を模式的に示す図。
【
図8】第5実施形態に係る開閉器の断面構成を模式的に示す図。
【
図9】
図8を矢視D-Dより見た断面構成を模式的に示す図。
【
図10】従来のガス絶縁開閉装置の側面構成を模式的に示す図。
【
図11】従来のガス絶縁開閉装置の接続母線の断面構成を模式的に示す図。
【
図12】従来のガス絶縁開閉装置の開閉器の断面構成を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施形態に係るガス絶縁開閉装置について、図面を参照して説明する。実施形態に係るガス絶縁開閉装置は、
図10に示したように、遮断器、断路器、接地開閉器等の開閉器と、接続母線とを構成要素とするものであり、以下では、各構成要素の構成について説明する。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、本発明をガス絶縁開閉装置の接続母線について適用した第1実施形態の断面構成を模式的に示す図である。なお前述した従来の接続母線の構造を示す
図11と対応する部分には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
【0024】
図1において、金属容器22内に吸着剤23を設けるための吸着装置101は、
図11に示した従来の吸着装置26における金属製の蓋25を、ガラス、アクリル等の透明な部材からなる蓋102としている。これによって、吸着剤23の吸湿による変色の状況は、接続母線を分解することなく、金属容器22の外部より目視確認ができるようになっている。
【0025】
なお、本第1実施形態では、本発明を接続母線に適用した場合について説明したが、接続母線に限定されるものではなく、例えば、
図12に示した開閉器の吸着装置40の蓋39に適用しても同様の効果を得ることができる。
【0026】
(第2実施形態)
図2は、本発明をガス絶縁開閉装置の開閉器について適用した第2実施形態の断面構成を模式的に示す図である。また
図3は、
図2をA-A断面から見た断面図である。なお前述した従来の開閉器の構造を示す
図12と対応する部分には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
【0027】
図2、
図3に示すように、本第2実施形態では、吸着装置201は、金属容器33内の可動ロッド(可動導体)34と対向する位置に配置されている。また、吸着装置201は、ガラス、アクリル等の透明な部材からなり、中央部が凸レンズ形状とされた蓋203を具備している。この蓋203の凸レンズの焦点は、例えば、可動ロッド34の表面近傍に設定することができる。また、吸着剤202は、凸レンズ形状の周囲に位置するように、円環状にまとめられている。
【0028】
図3は、
図2を可動ロッド34および吸着装置201の位置(A-A)で輪切りにした断面図であり、
図2および
図3の矢印(破線)は外部から目視したときに見える光線を概略示したものである。このように本第2実施形態においては、開閉器を分解して内部を確認することなく、吸着剤202の吸湿による変色の状況が外部から目視確認できるだけでなく、可動ロッド34の位置や、開閉動作に伴う可動ロッド34の損傷状況を外部から明瞭に目視確認することができる。
【0029】
(第3実施形態)
図4は、本発明をガス絶縁開閉装置の開閉器について適用した第3実施形態の断面構成を模式的に示す図である。また
図5は、
図4をB-B断面から見た断面図である。なお前述した従来の開閉器の構造を示す
図12と対応する部分には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
【0030】
図4、
図5に示すように、本第3実施形態では、吸着装置301は、金属容器33内の可動ロッド34と対向する位置に配置されている。また、吸着装置301は、ガラス、アクリル等の透明な部材からなり、中央部が魚眼レンズ形状とされた蓋303を具備している。この蓋303の魚眼レンズは、例えば、その可視範囲が両端の絶縁スペーサ32にまで広がるように設定することができる。また、吸着剤302は、魚眼レンズ形状の周囲に位置するように、円環状にまとめられている。
【0031】
図5は、
図4を可動ロッド34および吸着装置301の位置(B-B)で輪切りにした断面図であり、
図4および
図5の矢印(破線)は外部から目視したときの光線を概略示したものである。この第3実施形態の場合、開閉器を分解して内部を確認することなく吸着剤302の吸湿による変色の状況が外部から目視確認できるだけでなく、魚眼レンズをその可視範囲が両端の絶縁スペーサ32にまで広がるように設定することにより、可動ロッド34の状態や損傷状況だけでなく、絶縁スペーサ32の表面の状況まで外部から目視確認することができる。
【0032】
(第4実施形態)
図6は、本発明をガス絶縁開閉装置の開閉器について適用した第4実施形態の断面構成を模式的に示す図である。また
図7は、
図6をC-C断面から見た断面図である。なお前述した従来の開閉器の構造を示す
図12と対応する部分には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
【0033】
図6、
図7に示すように、本第4実施形態では、吸着装置401は、金属容器33内の可動ロッド34と対向する位置に配置されている。また、吸着装置401は、ガラス、アクリル等の透明な部材からなり、中央部が平板形状とされた蓋403を具備している。また、吸着剤402は、蓋403の周囲に位置するように、円環状にまとめられている。さらに、可動ロッド34から吸着装置401と反対側の金属容器33内側面には、蓋403と対向するように、反射鏡としての凹面鏡404が取り付けられている。
【0034】
図7は、
図6を可動ロッド34および吸着装置401の位置(C-C)で輪切りにした断面図であり、
図6および
図7の矢印(破線)は外部から目視したときに見える光線を概略示したものである。このように本第4実施形態においては、開閉器を分解して内部を確認することなく吸着剤402の吸湿による変色の状況が外部から目視確認できるだけでなく、可動ロッド34の位置や、開閉動作に伴う可動ロッド34の損傷状況、特に吸着装置401から見て死角となる可動ロッド34の裏側の状態まで外部から明瞭に目視確認することができる。
【0035】
(第5実施形態)
図8は、本発明をガス絶縁開閉装置の開閉器について適用した第5実施形態の断面構成を模式的に示す図である。また
図9は、
図8をD-D断面から見た断面図である。なお前述した従来の開閉器の構造を示す
図12と対応する部分には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
【0036】
図8、
図9に示すように、本第5実施形態では、吸着装置501は、金属容器33内の可動ロッド34と対向する位置に配置されている。また、吸着装置501は、ガラス、アクリル等の透明な部材からなり、中央部が平板形状とされた蓋503を具備している。また、吸着剤502は、蓋503の周囲に位置するように、円環状にまとめられている。さらに、可動ロッド34から吸着装置501と反対側の金属容器33内側表面には、蓋503と対向するように、反射鏡としての凸面鏡504が取り付けられている。
【0037】
図9は
図8を可動ロッド34および吸着装置501の位置(D-D)で輪切りにした断面図であり、
図8および
図9の矢印(破線)は外部から目視したときに見える光線を概略示したものである。このように本第5実施形態においては、開閉器を分解して内部を確認することなく吸着剤502の吸湿による変色の状況が外部から目視確認できるだけでなく、可動ロッド34の位置や、開閉動作に伴う可動ロッド34の損傷状況に加えて、可動電極35や固定電極36の陰になり直接目視確認できない、両側の絶縁スペーサ32の死角となる部分の表面状態まで凸面鏡504を通して外部から明瞭に目視確認することができる。
【0038】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0039】
20……導体、21……絶縁スペーサ、22……金属容器、22a……開口、23……吸着剤、24……凹部、25……蓋、26……吸着装置、30……断路器、31……接地開閉器、32……、33……金属容器、33a……開口、34……可動ロッド(可動導体)、35……可動電極、36……固定電極、37……吸着剤、38……凹部、39……蓋、40……吸着装置、101……吸着装置、102……蓋、201……吸着装置、202……吸着剤、203……蓋、301……吸着装置、302……吸着剤、303……蓋、401……吸着装置、402……吸着剤、403……蓋、404……凹面鏡、501……吸着装置、502……吸着剤、503……蓋、504……凸面鏡。