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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098253
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】ソフトスタート制御装置、半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
H02M3/155 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001641
(22)【出願日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】000106276
【氏名又は名称】サンケン電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】中野 利浩
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA18
5H730AS01
5H730AS02
5H730AS04
5H730AS05
5H730AS11
5H730BB13
5H730BB14
5H730BB57
5H730BB86
5H730CC04
5H730DD04
5H730EE59
5H730FD01
5H730FD31
5H730FG05
5H730XC04
5H730XC14
(57)【要約】
【課題】出力電圧に残存電圧がある状態で起動されても、起動時間を短縮したスムーズな起動ができるソフトスタート制御装置を提供する。
【解決手段】PFC回路の出力電圧Vout1を負帰還制御によって目標電圧に制御するPFC制御回路40に設けられ、PFC回路の起動時に、目標電圧を初期値から逓増させるソフトスタート制御装置(ソフトスタート回路10)であって、初期値を起動時の出力電圧Vout1の残存電圧に応じた値に設定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング電源装置の出力電圧を負帰還制御によって目標電圧に制御する負帰還制御装置に設けられ、前記スイッチング電源装置の起動時に、前記目標電圧を初期値から逓増させるソフトスタート制御装置であって、
前記初期値を起動時の前記出力電圧の残存電圧に応じた値に設定することを特徴とするソフトスタート制御装置。
【請求項2】
スイッチング電源装置の出力電流を負帰還制御によって目標電流に制御する負帰還制御装置に設けられ、前記スイッチング電源装置の起動時に、出力電圧を初期値から逓増させるソフトスタート制御装置であって、
前記初期値を起動時の前記出力電圧の残存電圧に応じた値に設定することを特徴とするソフトスタート制御装置。
【請求項3】
前記残存電圧が予め設定された閾電圧以上である場合、前記出力電圧の上昇率を前記初期値が0Vの通常時よりも低く変更することを特徴とする請求項1又は2に記載のソフトスタート制御装置。
【請求項4】
前記残存電圧に応じて、前記初期値が0Vの通常時の起動時間で起動するように、前記出力電圧の上昇率を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載のソフトスタート制御装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の負帰還制御装置及びソフトスタート制御装置が基板上に集積化されていることを特徴とする半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング電源装置のソフトスタートを制御するソフトスタート制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スイッチング電源装置の起動時は、負荷側の特性により突入電流や出力電圧のオーバーシュートが発生する場合がある。突入電流や出力電圧のオーバーシュートを抑制するために、所定の時間を掛けて出力電圧を緩やかに立ち上げるソフトスタートを用いることが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6382020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、瞬低や出力コンデンサが大きい場合、出力電圧がある程度高い状態で再起動が掛ることがある。この場合、ソフトスタートによる目標値よりも出力電圧が高い状態となるため、出力電圧を下げる方向に制御が行われて起動時間が長くなることがある。特に、LEDを点灯させるLED照明用電源では起動時間が問題となる。
【0005】
本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、出力電圧に残存電圧がある状態で起動されても、起動時間を短縮したスムーズな起動ができるソフトスタート制御装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るソフトスタート制御装置は、上記の目的を達成するため、次のように構成される。
本発明に係るソフトスタート制御装置は、スイッチング電源装置の出力電圧を負帰還制御によって目標電圧に制御する負帰還制御装置に設けられ、前記スイッチング電源装置の起動時に、前記目標電圧を初期値から逓増させるソフトスタート制御装置であって、前記初期値を起動時の前記出力電圧の残存電圧に応じた値に設定することを特徴とする。
また、本発明に係るソフトスタート制御装置は、スイッチング電源装置の出力電流を負帰還制御によって目標電流に制御する負帰還制御装置に設けられ、前記スイッチング電源装置の起動時に、出力電圧を初期値から逓増させるソフトスタート制御装置であって、前記初期値を起動時の前記出力電圧の残存電圧に応じた値に設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のソフトスタート制御装置は、出力電圧に残存電圧がある状態で起動されても、起動時間を短縮したスムーズな起動ができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係るソフトスタート制御装置を備えたスイッチング電源装置の実施の形態を示す回路図である。
図2図1に示すPFC制御部の構成を示す図である。
図3】ソフトスタート電圧を説明する波形図である。
図4】ソフトスタートを説明する波形図である。
図5図1に示す点灯制御部の構成を示す図である。
図6図2に示すPFC制御部をデジタル回路で構成した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0010】
本実施の形態のスイッチング電源装置1は、LED(発光ダイオード)6を点灯させるLED照明用電源であり、図1を参照すると、交流電源2と、交流電源2の交流入力電圧を全波整流する全波整流回路3とを備える。また、スイッチング電源装置1は、全波整流回路3の直流出力電圧が入力されるPFC回路(力率改善回路)4と、DCDCコンバータ5とを備える。
【0011】
PFC回路4は、平滑用コンデンサC1と、インダクタL1と、ダイオードD1との直列回路を備える。平滑用コンデンサC1の一端とインダクタL1の一端との接続点は、全波整流回路3の正極出力に、平滑用コンデンサC1の他端は、全波整流回路3の負極出力に接続されている。PFC回路4は、インダクタL1の一端とダイオードD1のアノードとの接続点と、全波整流回路3の負極出力との間に接続されたスイッチング素子Q1とを備える。PFC回路4は、ダイオードD1のカソードと、全波整流回路3の負極出力との間に接続された出力コンデンサC2を備える。スイッチング素子Q1は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等で構成される。
【0012】
PFC回路4は、スイッチング素子Q1のオンオフ制御によって電圧と電流の位相のずれを補正するPFC制御部40を備える。PFC制御部40は、ソフトスタート回路10を内蔵して集積回路化した半導体装置である。
【0013】
PFC制御部40は、図2を参照すると、誤差増幅器41と、比較器42と、発振回路43と、ドライブ回路44と、ソフトスタート回路10と、を備える。PFC回路4の出力電圧VOUT1は、抵抗R1、R2で分圧され、フィードバック電圧VFB1として誤差増幅器41の反転入力端子に入力される。誤差増幅器41は、2つの非反転入力端子を備える。誤差増幅器41は、一方の非反転入力端子に基準電圧Vref1が入力され、他方の非反転入力端子にソフトスタート回路10から出力されるソフトスタート電圧VAが入力される。誤差増幅器41は、基準電圧Vref1とソフトスタート電圧VAとの内の低い方の電圧と、フィードバック電圧VFB1との誤差信号Veを出力する。
【0014】
比較器42は、非反転入力端子に誤差信号Veが、反転入力端子に発振回路43より出力される固定周期の三角波がそれぞれ入力される。比較器42は、誤差信号Veと発振回路43の三角波との比較結果をPWM信号として出力する。
【0015】
ドライブ回路44は、比較器42の比較結果(PWM信号)に基づく駆動信号を生成してスイッチング素子Q1をオンオフ制御する。これにより、出力電圧VOUT1は、PFC制御部40によってフィードバック電圧VFB1が基準電圧Vref1に一致するように制御される。
【0016】
ソフトスタート回路10は、コンデンサC4と、コンデンサC4を充電する定電流源11と、初期値設定用のスイッチ12と、リセット用のスイッチ13と、を備え、コンデンサC4の電圧をソフトスタート電圧VAとして出力する。
【0017】
PFC回路4の起動前は、リセット用のスイッチ13によってコンデンサC4の電荷が放電された状態で、ソフトスタート電圧VAは、0Vである。
【0018】
PFC回路4が起動すると、初期値設定用のスイッチ12が一時的にオンされ、アンプ45によってレベル調整されたフィードバック電圧VFB1によってコンデンサC4が充電される。また、PFC回路4が起動すると、定電流源11によるコンデンサC4―の充電が開始される。
【0019】
出力コンデンサC2に電荷の残存がなく、出力電圧VOUT1が0Vの状態でPFC回路4が起動した場合、初期値設定用のスイッチ12が一時的にオンされても、フィードバック電圧VFB1によってコンデンサC4が充電されない。従って、ソフトスタート電圧VAは、図3(a)に示すように、0Vを初期値として、定電流源11によるコンデンサC4の充電で定電流源11の電源電圧V1まで逓増(緩やかに上昇)する。定電流源11の電源電圧V1は、基準電圧Vref1以上に設定されている。これにより、出力電圧VOUT1は、図4(a)に示すように、0Vから逓増(緩やかに上昇)して目標電圧に到達するソフトスタートを行われる。
【0020】
出力コンデンサC2に電荷の残存があり、出力電圧VOUT1に残存電圧がある状態でPFC回路4が起動した場合、初期値設定用のスイッチ12が一時的にオンされると、フィードバック電圧VFB1によってコンデンサC4が充電される。従って、ソフトスタート電圧VAの初期値は、残存電圧に応じた値(残存電圧が抵抗R1、R2で分圧されたフィードバック電圧VFB1をアンプ45によってレベル調整した値)となる。ソフトスタート電圧VAは、図3(b)に示すように、残存電圧に応じた値を初期値として定電流源11によるコンデンサC4の充電で定電流源11の電源電圧V1まで逓増(緩やかに上昇)する。これにより、出力電圧VOUT1は、図4(b)に示すように、残存電圧から逓増(緩やかに上昇)して目標電圧に到達するソフトスタートを行われる。
【0021】
DCDCコンバータ5は、PFC回路4における出力コンデンサC2の正極端子と負極端子との間に接続された、スイッチング素子Q2と、インダクタL2と、出力コンデンサC3との直列回路を備える。スイッチング素子Q2は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等で構成される。DCDCコンバータ5は、インダクタL2に発生する逆起電力を整流するダイオードD1を備える。
【0022】
DCDCコンバータ5は、スイッチング素子Q2のオンオフ制御によってLED6を点灯させる点灯制御部50を備える。点灯制御部50は、ソフトスタート回路10を内蔵して集積回路化した半導体装置である。
【0023】
点灯制御部50は、図5を参照すると、誤差増幅器41と、比較器42と、発振回路43と、ドライブ回路44と、ソフトスタート回路10と、を備える。LED6を流れる出力電流Ioutは、抵抗Rsによってフィードバック電圧VFB2として検出されて誤差増幅器41の反転入力端子に入力される。誤差増幅器41は、2つの非反転入力端子を備える。誤差増幅器41は、一方の非反転入力端子に基準電圧Vref2が入力され、他方の非反転入力端子にソフトスタート回路10から出力されるソフトスタート電圧VAが入力される。誤差増幅器41は、基準電圧Vref2とソフトスタート電圧VAとの内の低い方の電圧と、フィードバック電圧VFB2との誤差信号Veを出力する。
【0024】
比較器42は、非反転入力端子に誤差信号Veが、反転入力端子に発振回路43より出力される固定周期の三角波がそれぞれ入力される。比較器42は、誤差信号Veと発振回路43の三角波との比較結果をPWM信号として出力する。
【0025】
ドライブ回路44は、比較器42の比較結果(PWM信号)に基づく駆動信号を生成してスイッチング素子Q2をオンオフ制御する。定常動作時は、誤差信号Veによって比較器42の出力状態が決まるように、ソフトスタート回路10から出力されるソフトスタート電圧VAが設定されている。これにより、LED6を流れる電流は、点灯制御部50によってフィードバック電圧VFB2が基準電圧Vref2に一致するように制御される。
【0026】
ソフトスタート回路10は、コンデンサC4と、コンデンサC4を充電する定電流源11と、初期値設定用のスイッチ12と、リセット用のスイッチ13と、を備え、コンデンサC4の電圧をソフトスタート電圧VAとして出力する。
【0027】
DCDCコンバータ5の起動前は、リセット用のスイッチ13によってコンデンサC4の電荷が放電された状態で、ソフトスタート電圧VAは、0Vである。
【0028】
DCDCコンバータ5が起動すると、初期値設定用のスイッチ12が一時的にオンされ、アンプ45によってレベル調整されたフィードバック電圧VFB3によってコンデンサC4が充電される。フィードバック電圧VFB3は、DCDCコンバータ5の出力電圧VOUT2を抵抗R3、R4で分圧した電圧である。また、DCDCコンバータ5が起動すると、定電流源11によるコンデンサC4の充電が開始される。
【0029】
出力コンデンサC3に電荷の残存がなく、出力電圧VOUT2が0Vの状態でDCDCコンバータ5が起動した場合、初期値設定用のスイッチ12が一時的にオンされても、フィードバック電圧VFB2によってコンデンサC4が充電されない。従って、ソフトスタート電圧VAは、図3(a)に示すように、0Vを初期値として、定電流源11によるコンデンサC4の充電で定電流源11の電源電圧V1まで逓増(緩やかに上昇)する。定電流源11の電源電圧V1は、基準電圧Vref2以上に設定されている。これにより、出力電圧VOUT1は、図4(a)に示すように、0Vから逓増(緩やかに上昇)して目標電圧に到達するソフトスタートを行われる。
【0030】
出力コンデンサC3に電荷の残存があり、出力電圧VOUT2に残存電圧がある状態でDCDCコンバータ5が起動した場合、初期値設定用のスイッチ12が一時的にオンされると、フィードバック電圧VFB3によってコンデンサC4が充電される。従って、ソフトスタート電圧VAの初期値は、残存電圧に応じた値(残存電圧が抵抗R3、R4で分圧されたフィードバック電圧VFB3をアンプ45によってレベル調整した値)となる。ソフトスタート電圧VAは、図3(b)に示すように、残存電圧に応じた値を初期値として定電流源11によるコンデンサC4の充電で定電流源11の電源電圧V1まで逓増(緩やかに上昇)する。これにより、出力電圧VOUT1は、図4(b)に示すように、残存電圧から逓増(緩やかに上昇)して目標電圧に到達するソフトスタートを行われる。
【0031】
PFC回路4及びDCDCコンバータ5において、ソフトスタート回路10におけるコンデンサC4の充電は、定電流源11の代わりに設けた抵抗とコンデンサC4とで決まる時定数で緩やかに上昇させても良い。この場合、目標電圧に近づくほど上昇が緩やかになるため、出力電圧VOUT1、VOUT2のオーバーシュートをさらに抑制できる。
【0032】
また、ソフトスタート回路10は、残存電圧に応じてソフトスタート電圧VAの上昇率を変更しても良い。例えば、図4(c)に示すように、ソフトスタート回路10は、残存電圧が予め設定された閾電圧以上である場合、ソフトスタート電圧VAの上昇率を初期値が0Vの通常時よりも低く変更する。図4(c)に示す例では、起動時間を短縮しつつ、出力電圧VOUT1、VOUT2のオーバーシュートを抑制できる。また、図4(d)に示すように、ソフトスタート回路10は、残存電圧に応じて、初期値が0Vの通常時の起動時間で起動(残存電圧から目標電圧まで上昇)するように、ソフトスタート電圧VAの上昇率を変更する。図4(d)に示す例では、起動時間を短縮できないが、出力電圧VOUT1、VOUT2のオーバーシュートをさらに抑制できる。
【0033】
さらに、PFC制御部40及び点灯制御部50の一部もしくは全部は、デジタル回路で構成しても良い。さらに、ソフトスタート回路10は、一般的なPFC回路やDC/DCコンバータにも適応できる。
【0034】
図6は、ソフトスタート回路10及び誤差増幅器41の機能をDSP(デジタルシグナルプロセッサ)60で構成したPFC制御部40の構成例である。DSP60は、ソフトスタート制御部61及びフィードバック制御演算部62として機能する。フィードバック電圧VFB1は、ADC(アナログデジタルコンバータ)71によってフィードバック値に変換されてSS(ソフトスタート)制御部61及びフィードバック制御演算部62に入力される。
【0035】
SS(ソフトスタート)制御部61は、起動時に、フィードバック値を初期値として制御目標値72まで逓増(緩やかに上昇)するソフトスタート値を出力する。制御目標値72は、基準電圧Vref1に対応するデジタル値であり、ソフトスタート値は、ソフトスタート電圧VAに対応するデジタル値である。
【0036】
フィードバック制御演算部62は、ソフトスタート値と、フィードバック値との誤差値をPWM生成部73に出力する。誤差値は、誤差信号Veに対応するデジタル値である。PWM生成部73は、誤差信号Veに応じたPWM信号を生成してドライブ回路44に出力する。点灯制御部50も同様にデジタル回路として構成できる。
【0037】
以上説明したように、本実施の形態は、PFC回路4(スイッチング電源装置1)の出力電圧Vout1を負帰還制御によって目標電圧に制御する負帰還制御装置(PFC制御部40)に設けられ、PFC回路4の起動時に、目標電圧を初期値から逓増させるソフトスタート制御装置(ソフトスタート回路10)であって、初期値を起動時の出力電圧Vout1の残存電圧に応じた値に設定する。
この構成により、負帰還制御によって出力電圧Vout1を目標電圧に制御するPFC回路4が、出力電圧に残存電圧がある状態で起動されても、起動時間を短縮したスムーズな起動ができる。
【0038】
また、本実施の形態において、DCDCコンバータ5(スイッチング電源装置1)の出力電流Ioutを負帰還制御によって目標電流に制御する負帰還制御装置(点灯制御部50)に設けられ、DCDCコンバータ5の起動時に、出力電圧Vout2を初期値から逓増させるソフトスタート制御装置(ソフトスタート回路10)であって、初期値を起動時の出力電圧Vout2の残存電圧に応じた値に設定する。
この構成により、負帰還制御によって出力電流Ioutを目標電流に制御するDCDCコンバータ5が、出力電圧に残存電圧がある状態で起動されても、起動時間を短縮したスムーズな起動ができる。
【0039】
さらに、本実施の形態において、残存電圧が予め設定された閾電圧以上である場合、出力電圧Vout1、Vout2の上昇率を初期値が0Vの通常時よりも低く変更する。
この構成により、起動時間を短縮しつつ、出力電圧VOUT1、VOUT2のオーバーシュートを抑制できる。
【0040】
さらに、本実施の形態において、残存電圧に応じて、初期値が0Vの通常時の起動時間で起動するように、出力電圧Vout1、Vout2の上昇率を変更する。
この構成により、起動時間を短縮できないが、出力電圧VOUT1、VOUT2のオーバーシュートをさらに抑制できる。
【0041】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、同一構成要素には、各図において、同一符号を付している。
【符号の説明】
【0042】
1 スイッチング電源装置
2 交流電源
3 全波整流回路
4 PFC回路
5 DCDCコンバータ
6 LED
10 ソフトスタート回路
11 定電流源
12、13 スイッチ
40 PFC制御部
41 誤差増幅器
42 比較器
43 発振回路
44 ドライブ回路
45 アンプ
50 点灯制御部
60 DSP(デジタルシグナルプロセッサ)
61 SS(ソフトスタート)制御部
62 フィードバック制御演算部
71 ADC(アナログデジタルコンバータ)
72 制御目標値
73 PWM生成部
out 出力電流
OUT1、VOUT2 出力電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6