IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントの特許一覧

特開2024-98257画像生成装置、画像生成方法および画像生成プログラム
<>
  • 特開-画像生成装置、画像生成方法および画像生成プログラム 図1
  • 特開-画像生成装置、画像生成方法および画像生成プログラム 図2
  • 特開-画像生成装置、画像生成方法および画像生成プログラム 図3
  • 特開-画像生成装置、画像生成方法および画像生成プログラム 図4
  • 特開-画像生成装置、画像生成方法および画像生成プログラム 図5
  • 特開-画像生成装置、画像生成方法および画像生成プログラム 図6
  • 特開-画像生成装置、画像生成方法および画像生成プログラム 図7
  • 特開-画像生成装置、画像生成方法および画像生成プログラム 図8
  • 特開-画像生成装置、画像生成方法および画像生成プログラム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098257
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】画像生成装置、画像生成方法および画像生成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20240716BHJP
   A63F 13/25 20140101ALI20240716BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
G06T19/00 300B
A63F13/25
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001646
(22)【出願日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】池田 貴一
(72)【発明者】
【氏名】中川 武
(72)【発明者】
【氏名】天田 崇
(72)【発明者】
【氏名】中村 和城
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
【Fターム(参考)】
5B050BA09
5B050BA11
5B050CA07
5B050DA10
5B050EA07
5B050EA12
5B050EA13
5B050EA18
5B050EA27
5B050FA02
5B050FA09
5E555AA15
5E555AA27
5E555BA08
5E555BA09
5E555BA27
5E555BB08
5E555BC11
5E555BE16
5E555BE17
5E555CA29
5E555DA08
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】仮想空間内のユーザの配置のずれにより三次元画像に対してユーザが違和感を覚えることを抑制する技術を提供する。
【解決手段】本発明の画像生成装置200は、ヘッドマウントディスプレイ100の位置及び方向の少なくとも1つの指示入力とは異なる指示入力に基づいて、仮想空間においてユーザが配置される位置及び方向である基準位置及び基準方向の少なくとも1つを決定する基準決定部202と、基準位置及び基準方向の少なくとも1つに基づいて、仮想空間におけるユーザの視点位置及び視点方向の少なくとも1つを決定する視点決定部203と、視点位置及び視点方向の少なくとも1つに基づいて、仮想空間のオブジェクトをレンダリングして三次元画像を生成するレンダリング部204と、三次元画像を新たな基準位置及び基準方向の少なくとも1つに合うように変換するリプロジェクション処理を実行するリプロジェクション部205bと、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドマウントディスプレイの位置及び方向の少なくとも1つの指示入力とは異なる指示入力に基づいて、仮想空間においてユーザが配置される位置及び方向である基準位置及び基準方向の少なくとも1つを決定する基準決定部と、
前記基準位置及び基準方向の少なくとも1つに基づいて、前記仮想空間における前記ユーザの視点位置及び視点方向の少なくとも1つを決定する視点決定部と、
前記視点位置及び視点方向の少なくとも1つに基づいて、前記仮想空間のオブジェクトをレンダリングして三次元画像を生成するレンダリング部と、
前記三次元画像を新たな前記基準位置及び基準方向の少なくとも1つに合うように変換するリプロジェクション処理を実行するリプロジェクション部と、
を備える、画像生成装置。
【請求項2】
前記視点決定部は、前記ヘッドマウントディスプレイの位置及び方向の少なくとも1つの指示入力にさらに基づいて、前記視点位置及び視点方向の少なくとも1つを決定し、
前記リプロジェクション処理は、前記ヘッドマウントディスプレイの位置及び方向の少なくとも1つから前記ヘッドマウントディスプレイの新たな前記位置及び方向の少なくとも1つへの変化量と、前記基準位置及び基準方向の少なくとも1つから前記新たな基準位置及び基準方向の少なくとも1つへの変化量とに基づいて、前記三次元画像を新たな前記視点位置及び視点方向の少なくとも1つに合うように変換する、
請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項3】
前記三次元画像を前記ヘッドマウントディスプレイに表示させた後、前記リプロジェクション処理を施した三次元画像を前記ヘッドマウントディスプレイに表示させる表示制御部を備え、
前記リプロジェクション処理は、前記三次元画像が表示されたタイミングから所定時間経過後の前記新たな基準位置及び基準方向の少なくとも1つに合うように前記三次元画像を変換する、
請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項4】
前記リプロジェクション処理は、前記ヘッドマウントディスプレイに前記三次元画像が表示されるときの前記新たな基準位置及び基準方向の少なくとも1つに合うように前記三次元画像を変換する、
請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項5】
前記異なる指示入力は、前記ヘッドマウントディスプレイとは異なるユーザ入力装置を介した指示入力と、前記仮想空間内での予め定められたシーンを進行させるための指示入力と、のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項6】
ヘッドマウントディスプレイの位置及び方向の少なくとも1つの指示入力とは異なる指示入力に基づいて、仮想空間におけるユーザの基準位置及び基準方向の少なくとも1つを決定するステップと、
前記基準位置及び基準方向の少なくとも1つに基づいて、前記仮想空間における前記ユーザの視点位置及び視点方向の少なくとも1つを決定するステップと、
前記視点位置及び視点方向の少なくとも1つに基づいて、前記仮想空間のオブジェクトをレンダリングして三次元画像を生成するステップと、
前記三次元画像を新たな前記基準位置及び基準方向の少なくとも1つに合うように変換するリプロジェクション処理を実行するステップと、
を備える、画像生成方法。
【請求項7】
コンピュータに、
ヘッドマウントディスプレイの位置及び方向の少なくとも1つの指示入力とは異なる指示入力に基づいて、仮想空間におけるユーザの基準位置及び基準方向の少なくとも1つを決定するステップと、
前記基準位置及び基準方向の少なくとも1つに基づいて、前記仮想空間における前記ユーザの視点位置及び視点方向の少なくとも1つを決定するステップと、
前記視点位置及び視点方向の少なくとも1つに基づいて、前記仮想空間のオブジェクトをレンダリングして三次元画像を生成するステップと、
前記三次元画像を新たな前記基準位置及び基準方向の少なくとも1つに合うように変換するリプロジェクション処理を実行するステップと、
を実行させるための画像生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像生成技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム機に接続されたヘッドマウントディスプレイを頭部に装着して、ヘッドマウントディスプレイに表示された画面を見ながら、コントローラなどを操作してゲームプレイすることが行われている。ヘッドマウントディスプレイを装着すると、ヘッドマウントディスプレイに表示される映像以外をユーザは見ないため、映像世界への没入感が高まり、ゲームのエンタテインメント性を一層高める効果がある。また、ヘッドマウントディスプレイに仮想現実(VR:Virtual Reality)映像を表示させ、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザが頭部を回転させると、360度見渡せる全周囲の仮想空間が表示される。これにより、さらに映像への没入感が高まり、ゲームなどのアプリケーションの操作性も向上する。
【0003】
このようにヘッドマウントディスプレイにヘッドトラッキング機能をもたせて、ユーザの頭部の位置及び方向と連動して視点位置及び視点方向を変えてVR映像を生成した場合、VR映像の生成から表示までに遅延がある。そのため、映像生成時に前提としたユーザの頭部の位置及び方向と、VR映像をヘッドマウントディスプレイに表示した時点でのユーザの頭部の位置及び方向との間でずれが発生する場合がある。その結果、ユーザは酔ったような感覚(「VR酔い(Virtual Reality Sickness)」などと呼ばれる)に陥ることがある。そこで、描画画像を映像表示時のヘッドマウントディスプレイの位置及び方向に合ったものに補正するリプロジェクション処理が一般的に用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仮想空間におけるユーザの視点位置及び視点方向は、ヘッドマウントディスプレイの位置及び方向だけでなく、仮想空間においてユーザが配置される位置及び方向の変化に応じて変化する。このユーザが配置される位置及び方向は、映像生成時点と次の映像生成時点との間に変化する場合がある。この場合、この間に変化したユーザの配置される位置及び方向が反映されず、三次元画像がユーザの予期したものは異なるものとなり、ユーザが違和感を覚える場合がある。
【0005】
上記を鑑み、本発明の目的は、仮想空間内のユーザの配置のずれにより三次元画像に対してユーザが違和感を覚えることを抑制する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の画像生成装置は、ヘッドマウントディスプレイの位置及び方向の少なくとも1つの指示入力とは異なる指示入力に基づいて、仮想空間においてユーザが配置される位置及び方向である基準位置及び基準方向の少なくとも1つを決定する基準決定部と、前記基準位置及び基準方向の少なくとも1つに基づいて、前記仮想空間における前記ユーザの視点位置及び視点方向の少なくとも1つを決定する視点決定部と、前記視点位置及び視点方向の少なくとも1つに基づいて、前記仮想空間のオブジェクトをレンダリングして三次元画像を生成するレンダリング部と、前記三次元画像を新たな前記基準位置及び基準方向の少なくとも1つに合うように変換するリプロジェクション処理を実行するリプロジェクション部と、を備える。
【0007】
本発明の他の態様の画像生成方法は、ヘッドマウントディスプレイの位置及び方向の少なくとも1つの指示入力とは異なる指示入力に基づいて、仮想空間におけるユーザの基準位置及び基準方向の少なくとも1つを決定するステップと、前記基準位置及び基準方向の少なくとも1つに基づいて、前記仮想空間における前記ユーザの視点位置及び視点方向の少なくとも1つを決定するステップと、前記視点位置及び視点方向の少なくとも1つに基づいて、前記仮想空間のオブジェクトをレンダリングして三次元画像を生成するステップと、前記三次元画像を新たな前記基準位置及び基準方向の少なくとも1つに合うように変換するリプロジェクション処理を実行するステップと、を備える。
【0008】
本発明の他の態様の画像生成プログラムは、コンピュータに、ヘッドマウントディスプレイの位置及び方向の少なくとも1つの指示入力とは異なる指示入力に基づいて、仮想空間におけるユーザの基準位置及び基準方向の少なくとも1つを決定するステップと、前記基準位置及び基準方向の少なくとも1つに基づいて、前記仮想空間における前記ユーザの視点位置及び視点方向の少なくとも1つを決定するステップと、前記視点位置及び視点方向の少なくとも1つに基づいて、前記仮想空間のオブジェクトをレンダリングして三次元画像を生成するステップと、前記三次元画像を新たな前記基準位置及び基準方向の少なくとも1つに合うように変換するリプロジェクション処理を実行するステップと、を実行させるための画像生成プログラムである。
【0009】
なお、以上の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、プログラム、プログラムを記録した一時的なまたは一時的でない記憶媒体、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、仮想空間内のユーザの配置のずれにより三次元画像に対してユーザが違和感を覚えることを抑制する技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ヘッドマウントディスプレイの外観図である。
図2】画像生成システムの構成図である。
図3図2の画像生成装置の構成図である。
図4】基準位置及び基準方向、HMD位置及びHMD方向、並びに視点位置及び視点方向の関係を説明するための図である。
図5】第1実施形態の画像生成装置における画像生成に関する処理の流れを示すフローチャートである。
図6】基準位置及び基準方向の変化量とHMD位置及びHMD方向の変化量と新たな視点位置及び視点方向との関係を説明するための図である。
図7】第1実施形態のリプロジェクション処理の流れを説明するための図である。
図8】第2実施形態の画像生成装置における画像生成に関する処理の流れを示すフローチャートである。
図9】第2実施形態のリプロジェクション処理の流れを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1実施形態
図1は、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)100の外観図である。HMD100は、ユーザの頭部に装着してディスプレイに表示される静止画や動画などを鑑賞し、ヘッドフォンから出力される音声や音楽などを聴くための表示装置である。
【0013】
HMD100に内蔵または外付けされたジャイロセンサや加速度センサなどによりHMD100を装着したユーザの頭部の位置と頭部の回転角や傾きなどの方向を計測することができる。HMD100においては、例えば、HMD100の電源がオンされた時点の頭部の位置及び方向を基準として頭部の位置及び方向が検出される。HMD100には、さらに、ユーザの目を撮影するカメラが設けられてもよい。HMD100に搭載されたカメラにより、ユーザの凝視方向、瞳孔の動き、瞬きなどを検出することができる。
【0014】
図2は、本実施形態に係る画像生成システムの構成図である。画像生成システム1は、HMD100、画像生成装置200及び入力装置300を含む。
【0015】
本実施形態の画像生成装置200は、ゲーム機である。画像生成装置200は、ネットワークを介してサーバに接続されてもよい。その場合、サーバは、複数のユーザがネットワークを介して参加できるゲームなどのオンラインアプリケーションを画像生成装置200に提供してもよい。
【0016】
画像生成装置200は基本的に、コンテンツのプログラムを処理し、三次元画像を生成してHMD100に送信する。コンテンツのプログラムやデータは、例えば、ゲームなどのコンテンツのアプリケーションソフトウェア、およびライセンス情報を記録したROM媒体(不図示)からメディアドライブ(不図示)によって読み出される。このROM媒体は、光ディスクや光磁気ディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスクなどの読出専用の記録メディアである。ある態様の画像生成装置200は、HMD100を装着したユーザの頭部の位置及び方向(以下、HMD位置及びHMD方向)並びに後述の基準位置及び基準方向に基づいて視点位置及び視点方向を決定し、それに応じた視野となるようにコンテンツの三次元画像を所定のレートで生成し、HMD100に送信する。
【0017】
HMD100は、画像生成装置200が生成した三次元画像を受信して表示する。HMD100に表示される三次元画像は、予めカメラで撮影された画像の他、ゲーム画像のようなコンピュータグラフィックスによる画像や、ネットワーク経由で配信される遠隔地のライブ画像であってもよい。また、HMD100に表示される三次元画像は、VR画像、AR(拡張現実)画像、MR(複合現実)画像等であってもよい。
【0018】
入力装置300は、ユーザから受け付けた各種入力を画像生成装置200に供給する。例えば、入力装置300は、仮想空間内のユーザの位置及び方向を変更するための指示入力を画像生成装置200に供給する。入力装置300は、ゲームコントローラ、キーボード、マウス、ジョイスティック、ユーザのジェスチャを取得するビデオカメラ、平板型ディスプレイの表示画面上に設けたタッチパッドなど、一般的な入力装置のいずれか、またはそれらの組み合わせによって実現される。本実施形態の入力装置300は、ユーザ入力装置の一例である。
【0019】
図3は、図2の画像生成装置200の機能構成図である。同図は機能に着目したブロック図を描いており、これらの機能ブロックはハードウェアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現することができる。画像生成装置200の少なくとも一部の機能は、HMD100によって実装されてもよい。あるいは、画像生成装置200の少なくとも一部の機能は、ネットワークを介して画像生成装置200に接続されたサーバによって実装されてもよい。画像生成装置200は、ゲーム制御部201と、基準決定部202と、視点決定部203と、レンダリング部204と、画像処理部205と、送信部206と、記憶部207と、を備える。
【0020】
ゲーム制御部201は、記憶部207から読み出したゲームプログラムを実行してゲームを進行させる。ゲーム制御部201は、仮想空間内で予め定められたシーンを進行させるための指示入力を基準決定部202に送信して、仮想空間内のユーザの後述の基準位置及び基準方向を変更させる。「仮想空間内で予め定められたシーン」とは、例えば、仮想空間内でオブジェクトがユーザに及ぼす作用を表すシーンや、仮想空間内で発生するイベントシーン等を指す。「仮想空間内でオブジェクトがユーザに及ぼす作用」とは、例えば、仮想空間内で、ユーザが物体のオブジェクトに衝突する、ユーザが敵キャラクタのオブジェクトに押される又は引っ張られるなどのユーザとオブジェクトとの位置関係に応じて予め定められる方向にユーザを移動させる作用や、ユーザが乗り物のオブジェクトに乗るなどの乗り物の予め定められた進行経路に従ってユーザを移動させる作用等を指す。「仮想空間内で発生するイベントシーン」は、ムービーシーンなどの予め定められたパターンでユーザの強制的に移動させるシーン等を指す。
【0021】
基準決定部202は、HMD100の位置及び方向(以下、HMD位置及びHMD方向)の指示入力とは異なる指示入力に基づいて、仮想空間においてユーザが配置される位置及び方向である基準位置及び基準方向を決定する。基準位置及び基準方向は、HMD位置及びHMD方向の変化によらずに変化する。例えば、基準位置及び基準方向は、入力装置300を介した指示入力、及び仮想空間内での予め定められたシーンを進行させるためのゲーム制御部201からの指示入力のうちの少なくとも1つに基づいて変化する。例えば、基準位置は仮想空間内のユーザの身体的な中心部(例えば、胴体の中心部など)に設定され、基準方向は仮想空間内のユーザの身体の向き(例えば、胴体の向きなど)に設定される。なお、基準位置をユーザの身体的な中心部に設定することはあくまで一例であり、基準位置としては、少なくともユーザの位置に基づく任意の位置に設定することができる。
【0022】
例えば、基準決定部202は、記憶部207から仮想空間における基準位置及び基準方向を読み出し、入力装置300及びゲーム制御部201の少なくとも1つから受け付けた指示入力に基づいて基準位置及び基準方向を決定する。基準決定部202は、この決定した基準位置及び基準方向によって記憶部207における基準位置及び基準方向を更新する。
【0023】
視点決定部203は、HMD位置及びHMD方向並びに基準位置及び基準方向を取得し、これらに基づいて、仮想空間におけるユーザの視点位置及び視点方向を決定する。例えば、視点決定部203は、基準位置及び基準方向を基準として、基準位置及び基準方向に対するHMD100の相対位置及び相対方向を反映させるように、視点位置及び視点方向を決定する。
【0024】
図4を用いて、基準位置及び基準方向、HMD位置及びHMD方向、並びに視点位置及び視点方向の関係を説明する。図4は、互いに直交するx軸、y軸、及びz軸からなる三次元仮想空間をz方向から見た図である。x軸を中心軸とした回転角度α、y軸を中心軸とした回転角度β、及びz軸を中心軸とした回転角度γとする。図4に示すように、基準位置が(x1、y1、z1)に決定され、HMD位置が(x2、y2、z2)と検出された場合、視点位置は(x1+x2、y1+y2、z1+z2)に決定される。また、基準方向が(α1、β1、γ1)に決定され、HMD方向が(α2、β2、γ2)と検出された場合、視点方向は(α1+α2、β1+β2、γ1+γ2)に決定される。
【0025】
レンダリング部204は、記憶部207から画像の生成に必要な画像データを読み出し、仮想空間のオブジェクトをレンダリングして三次元画像を生成する。例えば、レンダリング部204は、視点決定部203によって決定されたユーザの視点位置及び視点方向に基づいて、HMD100を装着したユーザの視点位置から視点方向に見える仮想空間のオブジェクトをレンダリングして三次元画像を生成する。
【0026】
画像処理部205は、レンダリングされた画像に必要に応じた処理を施すことにより、HMD100で表示される三次元画像(以下、HMD画像という)を生成し、送信部206に与える。画像処理部205は、ポストプロセス部205aと、リプロジェクション部205bと、歪み処理部205cと、を含む。
【0027】
ポストプロセス部205aは、レンダリング部204から供給された画像に対して、被写界深度調整、トーンマッピング、アンチエイリアシングなどのポストプロセスを施し、三次元画像が自然で滑らかに見えるように後処理を施す。
【0028】
リプロジェクション部205bは、リプロジェクション処理を実行する。リプロジェクション処理は、第1リプロジェクション処理と第2リプロジェクションとを含む。第1リプロジェクション処理及び第2リプロジェクションについては後述する。リプロジェクション部205bは、リプロジェクション処理を施した三次元画像を歪み処理部205cに供給する。
【0029】
歪み処理部205cは、三次元画像に対してHMD100の光学系で生じる歪みに合わせて画像を変形(distortion)させて歪ませる処理を施す。
【0030】
送信部206は、画像処理部205において生成されたHMD画像をHMD100に送信する。本実施形態の送信部206は、第1リプロジェクション処理を施したHMD画像を送信した後、第2リプロジェクション処理を施したHMD画像を送信する。これにより、本実施形態の送信部206は、第1リプロジェクション処理を施したHMD画像をHMD100に表示させた後、第2リプロジェクション処理を施したHMD画像をHMD100に表示させる。本実施形態の送信部は、表示制御部の一例である。
【0031】
記憶部207は、基準位置及び基準方向、画像の生成に必要なデータや各種処理を実行するための各種プログラムを格納している。
【0032】
図5を用いて、本実施形態の画像生成装置における画像生成に関する処理S100を説明する。
【0033】
ステップS101で、基準決定部202は、基準位置及び基準方向を決定する。本実施形態の基準決定部202は、入力装置300及びゲーム制御部201の少なくとも1つから受け付けた指示入力に基づいて、三次元画像をレンダリングするタイミング(以下、描画タイミング)での位置及び方向となるように基準位置及び基準方向を決定する。
基準決定部202は、決定した基準位置及び基準方向を視点決定部203に供給する。また、基準決定部202は、基準位置及び基準方向を新たに決定した場合には、その新たに決定した基準位置及び基準方向をリプロジェクション部205bに供給する。
【0034】
ステップS102で、視点決定部203は、HMD位置及びHMD方向並びに基準位置及び基準方向に基づいて視点位置及び視点方向を設定する。視点決定部203は、決定された視点位置及び視点方向をレンダリング部204に供給する。
【0035】
ステップS103で、レンダリング部204は、決定された視点位置及び視点方向に基づいて、仮想空間のオブジェクトをレンダリングして三次元画像を生成する。レンダリング部204は、生成した三次元画像を画像処理部205のポストプロセス部205aに供給する。
【0036】
ステップS104で、ポストプロセス部205aは、レンダリングした三次元画像について、ポストプロセスを実行する。ポストプロセス部205aは、ポストプロセスを施した三次元画像をリプロジェクション部205bに供給する。
【0037】
ステップS105で、リプロジェクション部205bは、新たな第1HMD位置及び第1HMD方向を取得する。ここでの新たな第1HMD位置及び第1HMD方向は、三次元画像の描画タイミングで得られたHMD位置及びHMD方向である。
【0038】
ステップS106で、リプロジェクション部205bは、HMD位置及びHMD方向から新たな第1HMD位置及び第1HMD方向への変化量に基づいて、ポストプロセスを施した三次元画像に対して第1リプロジェクション処理を実行する。第1リプロジェクション処理は、HMD位置及びHMD方向及び新たなHMD位置及びHMD方向に基づいて、ポストプロセスが施された三次元画像を新たなHMD位置及びHMD方向に合うように変換する処理である。第1リプロジェクション処理により、ステップS102におけるHMD位置及びHMD方向と描画タイミングで得られた新たな第1HMD位置及び第1HMD方向とのずれによる遅延を低減することができる。リプロジェクション部205bは、ポストプロセス及び第1リプロジェクション処理を施した三次元画像を歪み処理部205cに供給する。
【0039】
ステップS107で、歪み処理部205cは、ポストプロセス及び第1リプロジェクション処理を施した三次元画像に対して歪み処理を実行する。歪み処理部205cは、ポストプロセス、第1リプロジェクション処理及び歪み処理を施した三次元画像を送信部206に供給する。
【0040】
ステップS108で、送信部206は、ポストプロセス、第1リプロジェクション処理及び歪み処理を施した三次元画像をHMD画像としてHMD100に送信する。これにより、HMD100において第1リプロジェクション処理が施されたHMD画像が表示されることになる。
【0041】
ステップS109で、リプロジェクション部205bは、新たな基準位置及び基準方向並びに新たな第2HMD位置及び第2HMD方向を取得する。新たな基準位置及び基準方向並びに新たな第2HMD位置及び第2HMD方向は、例えば、HMD画像がHMD100に表示されるタイミングから所定時間経過後の基準位置及び基準方向並びにHMD位置及びHMD方向である。例えば、レンダリングが60fps(フレーム/秒)のフレームレートで行われ、フレームインターバルが16.6ミリ秒である場合、HMD画像がHMD100に表示されるタイミングから所定時間として8.3ミリ秒経過後の基準位置及び基準方向並びにHMD位置及びHMD方向が新たな基準位置及び基準方向並びに新たな第2HMD位置及び第2HMD方向とされる。なお、HMD画像がHMD100に表示されるタイミングは、画像生成装置200でレンダリングされた画像がHMD100に伝送される際に想定される伝送時間等を考慮して定められる。
【0042】
ステップS110で、リプロジェクション部205bは、基準位置及び基準方向から新たな基準位置及び基準方向への変化量(以下、基準位置及び基準方向の変化量という)と、HMD位置及びHMD方向から新たな第2HMD位置及び第2HMD方向への変化量(以下、HMD位置及びHMD方向の変化量という)と、に基づいて、第2リプロジェクション処理を実行する。第2リプロジェクション処理は、基準位置及び基準方向及び新たな基準位置及び基準方向とHMD位置及びHMD方向及び新たなHMD位置及びHMD方向とに基づいて、ポストプロセスが施された三次元画像を新たな視点位置及び視点方向に合うように変換する処理である。第2リプロジェクション処理により、ポストプロセスが施された三次元画像が新たな視点位置及び視点方向から見える三次元画像に変換される。
【0043】
ここで、図6を用いて、基準位置及び基準方向の変化量とHMD位置及びHMD方向の変化量と新たな視点位置及び視点方向との関係を説明する。図6に示すように、ステップS102において決定された視点位置を(x、y、z)とし、基準位置の変化量を(Δxr、Δyr、Δzr)とし、HMD位置の変化量を(Δxh、Δyh、Δzh)とすると、新たな視点位置は(x+Δxr+Δxh、y+Δyr+Δyh、z+Δzr+Δzh)と表される。また、ステップS102において決定された視点方向を(α、β、γ)とし、基準方向の変化量を(Δαr、Δβr、Δγr)とし、HMD方向の変化量を(Δαh、Δβh、Δγh)とすると、新たな視点方向は(α+Δαr+Δαh、β+Δβr+Δβh、γ+Δγr+Δγh)と表される。
【0044】
リプロジェクション部205bは、例えば、上記のように表される新たな視点位置に基づいて視点位置を線形補完し、上記のように表される新たな視点方向に基づいて視点方向を球面線形補完することにより、リプロジェクション処理を実行する。これにより、新たな視点位置及び視点方向に合うように三次元画像が変換される。リプロジェクション部205bは、第2リプロジェクション処理を施した三次元画像を歪み処理部205cに供給する。
【0045】
ステップS111で、歪み処理部205cは、第2リプロジェクション処理を施した三次元画像に対して歪み処理を実行する。歪み処理部205cは、ポストプロセス、第2リプロジェクション処理及び歪み処理を施した三次元画像を送信部206に供給する。
【0046】
ステップS112で、送信部206は、ポストプロセス、第2リプロジェクション処理及び歪み処理を施した三次元画像をHMD画像としてHMD100に送信する。これにより、HMD100において第2リプロジェクション処理が施されたHMD画像が表示されることになる。
【0047】
ステップS112の後、処理S100は終了する。
【0048】
図7を用いて、第1実施形態のリプロジェクション処理の流れを説明する。図7中、同期タイミングVsyncはHMD100の表示パネルの垂直同期タイミングを示す。三次元画像の描画タイミングに到達すると、その描画タイミングにおける基準位置及び基準方向並びにHMD位置及びHMD方向に基づくレンダリング処理1が実行される。次に、描画された三次元画像に対して、レンダリング処理1の描画タイミングで得られた新たな第1HMD位置及び第1HMD方向に基づいて第1リプロジェクション処理が実行され、その第1リプロジェクション処理済みの三次元画像がHMD100に送信される。その結果、タイムスタンプt0で第1リプロジェクション処理が適用された三次元画像1-1がHMD100で表示される(上記ステップS101~S108に対応)。第1リプロジェクション処理において基準位置及び基準方向を考慮しない理由は、上述のように三次元画像1-1が描画タイミングでの基準位置及び基準方向が用いられることから、タイムスタンプt0における基準位置及び基準方向が概ね反映されているとみなすことができるためである。次に、レンダリング処理1において描画された三次元画像に対して、タイムスタンプt0から所定時間経過後(例えば、タイムスタンプt1の直前)の新たな基準位置及び基準方向並びに新たな第2HMD位置及び第2HMD方向に基づいて第2リプロジェクション処理が実行され、その第2リプロジェクション処理済みの三次元画像がHMD100に送信される。ここでの所定時間は、例えば、三次元画像がHMD100に表示されるタイミングから次のフレームの三次元画像がHMD100に表示されるタイミングまでの間のフレームインターバル時間未満の時間であり、例えば、フレームインターバル時間の半分に相当する時間に設定することができる。例えば、フレームインターバル時間が16.6msである場合、所定時間は8.3msに設定される。その後、タイムスタンプt1で第2リプロジェクション処理が適用された三次元画像1-2がHMD100で表示される(上記ステップS109~S112に対応)。
【0049】
次の描画タイミングに到達すると、その描画タイミングにおける基準位置及び基準方向並びにHMD位置及びHMD方向に基づくレンダリング処理2が実行される。次に、描画された三次元画像に対して、レンダリング処理2の描画タイミングで得られた新たな第1HMD位置及び第1HMD方向に基づいて第1リプロジェクション処理が実行され、タイムスタンプt2で第1リプロジェクション処理が適用された三次元画像2-1がHMD100で表示される。次に、レンダリング処理2において描画された三次元画像に対してタイムスタンプt2から所定時間経過後(例えば、タイムスタンプt3の直前)の新たな基準位置及び基準方向並びに新たな第2HMD位置及び第2HMD方向に基づいて第2リプロジェクション処理が実行され、タイムスタンプt3で第2リプロジェクション処理が適用された三次元画像2-2がHMD100で表示される。
【0050】
ここで、映像生成時点と次の映像生成時点との間に例えば入力装置300やゲーム制御部201からの指示入力がなされることにより、この間に仮想空間のユーザの基準位置及び基準方向が変更する場合がある。描画が例えば60fps(フレーム/秒)のフレームレートで行われているとすると、CPUが十分高速であったとしても、16.67ミリ秒ほどの間に変化した基準位置及び基準方向がHMD画像に反映されないこととなる。その結果、HMD画像がユーザの予期したものは異なるものとなり、ユーザが違和感を覚える場合がある。
【0051】
本実施形態では、三次元画像を新たな基準位置及び基準方向に合うように変換するリプロジェクション処理が実行される。本構成によると、映像生成時点と次の映像生成時点との間の基準位置及び基準方向の変化がHMD画像に反映されるため、この基準位置及び基準方向の変化によりHMD画像に対してユーザが違和感を覚えることを抑制することができる。
【0052】
本実施形態では、第2リプロジェクション処理は、HMD位置及びHMD方向から新たな第2HMD位置及び第2HMD方向への変化量と、基準位置及び基準方向から新たな基準位置及び基準方向への変化量とに基づいて、三次元画像を新たな視点位置及び視点方向に合うように変換する。本構成によると、基準位置及び基準方向の変化に加えて、HMD位置及びHMD方向の変化を加味してリプロジェクション処理が実行されるため、HMD画像に対してユーザが違和感を覚えることをより効果的に抑制できる。
【0053】
本実施形態では、送信部206は、三次元画像をHMD100に表示させた後、第2リプロジェクション処理を施した三次元画像をHMD100に表示させ、第2リプロジェクション処理は、三次元画像が表示されたタイミングから所定時間経過後の新たな基準位置及び基準方向に合うように変換する。本構成によると、三次元画像を表示した後に、新たな基準位置及び基準方向に合うように変換した画像を補間することにより、より高フレームレートでの表示を実現できる。
【0054】
以下、実施形態の変形例について説明する。
【0055】
本実施形態では、HMD位置及びHMD方向並びに基準位置及び基準方向に基づいて視点位置及び視点方向が決定されたが、これに限定されず、基準位置及び基準方向に基づいて視点位置及び視点方向が決定されてもよい。この場合、新たな基準位置及び基準方向に基づいて、リプロジェクション処理が実行されればよい。
【0056】
本実施形態では、位置及び方向についてリプロジェクション処理が実行されたが、位置及び方向の少なくとも1つについてリプロジェクション処理が実行されてもよい。
【0057】
本実施形態では、図7に示すように、三次元画像の描画タイミングから次の描画タイミングまでの間に、第2リプロジェクション処理が適用された三次元画像が1つ生成されて表示されたが、これに限定されず、第2リプロジェクション処理が適用された三次元画像がそれぞれ異なるタイムスタンプにおいて2つ以上生成されてそれぞれ表示されてもよい。
【0058】
本実施形態では、第1リプロジェクション処理を施したHMD画像を送信した後、第2リプロジェクション処理を施したHMD画像を送信したが、これに限定されず、リプロジェクション処理を施していないHMD画像(すなわち、ステップS103のレンダリング処理により生成された三次元画像)を送信した後、第2リプロジェクション処理を施したHMD画像を送信してもよい。
【0059】
第2実施形態
以下、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
【0060】
図8を用いて、本実施形態の画像生成装置における画像生成に関する処理S200を説明する。ステップS201~S208は、図5のステップS101~S104、S109~S112と基本的に同様である。すなわち、本実施形態の処理S200は、図5のステップS108のような新たなHMD位置及びHMD方向のみに基づく第1リプロジェクション処理を実行するものではなく、三次元画像がHMD100に表示されるタイミングの新たな基準位置及び基準方向並びに新たなHMD位置及びHMD方向に基づく第2リプロジェクション処理を実行するものである。
【0061】
図9を用いて、第2実施形態のリプロジェクション処理の流れを説明する。三次元画像の描画タイミングに到達すると、その描画タイミングにおける基準位置及び基準方向並びにHMD位置及びHMD方向に基づくレンダリング処理1が実行される。次に、レンダリング処理1において描画された三次元画像に対して、その三次元画像がHMD100に表示されるタイミングの新たな基準位置及び基準方向並びに新たなHMD位置及びHMD方向に基づいて第2リプロジェクション処理が実行され、その第2リプロジェクション処理済みの三次元画像がHMD100に送信される。ここでは、例えば、三次元画像がHMD100に送信されるタイミング(タイムスタンプt0)に得られた基準位置等を「三次元画像がHMD100に表示されるタイミングの新たな基準位置等」とみなしてもよいし、描画タイミング後に新たに得られた基準位置等に基づいて公知の手法により予測された「三次元画像がHMD100に表示されるタイミングの新たな基準位置等」が用いられてもよい。その後、三次元画像がHMD100に表示されるタイミングでの新たな基準位置及び基準方向並びに新たなHMD位置及びHMD方向に基づくリプロジェクション処理が適用された三次元画像がHMD100で表示される。
【0062】
ここで、三次元画像の生成から表示までの間には若干の遅延があるため、この間に基準位置及び基準方向がずれる場合がある。これに対し、本実施形態では、リプロジェクション処理は、三次元画像がHMD100に表示されるタイミングの新たな基準位置及び基準方向に合うように三次元画像を変換する。本構成によると、ユーザが基準位置及び基準方向のずれを感知しにくくなるため、HMD画像に対してユーザが違和感を覚えることをより効果的に抑制できる。
【0063】
第2実施形態においても、第1実施形態の変形例のように、三次元画像の描画タイミングから次の描画タイミングまでの間に、そのレンダリング処理における三次元画像が最初に表示されたタイミングから所定時間経過後の新たな基準位置及び基準方向に合うように新たにリプロジェクション処理が適用された三次元画像が1つ又は複数表示されてもよ
即ち、図9においては1つのレンダリング処理に対して第2リプロジェクション処理を1回のみ行う実施形態としたが、1つのレンダリング処理に対して、複数回の第2リプロジェクション処理を行う実施形態としてもよい。
【0064】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。そのような変形例を説明する。
【符号の説明】
【0065】
100 ヘッドマウントディスプレイ、 200 画像生成装置、 201 ゲーム制御部、 202 基準決定部、 203 視点決定部、 204 レンダリング部、 205 画像処理部、 205a ポストプロセス部、 205b リプロジェクション部、 205c 歪み処理部、 206 送信部、 207 記憶部、 300 入力装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9