(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098269
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】情報端末用スタンド
(51)【国際特許分類】
B62B 5/00 20060101AFI20240716BHJP
B62B 3/00 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
B62B5/00 Z
B62B3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001665
(22)【出願日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】392025238
【氏名又は名称】株式会社サンエイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中筋 保
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA02
3D050BB03
3D050DD01
3D050EE08
3D050EE15
3D050GG06
(57)【要約】
【課題】見栄えや作業性を保ちつつ、メンテナンス性を向上させることができる情報端末用スタンドを提供する。
【解決手段】端末収納装置10は、情報端末Tを収納する端末収納部11と、情報端末Tを充電するためのバッテリを収納するバッテリ収納部と、を有し、端末収納部11は、情報端末Tにおける表示画面Wの周囲を覆う第1壁部13と、端末収納部11とバッテリ収納部とを区画する区画壁部14と、により形成され、バッテリ収納部は、区画壁部14と、バッテリを後側から支持する第2壁部15と、により形成され、区画壁部14は、情報端末Tとバッテリとを接続する充電ケーブルCが通る連通孔14bが設けられており、連通孔14bは、充電ケーブルCが端末収納装置10の外部に露出しないように、第1壁部13及び第2壁部15により覆われている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手押し車に取り付けられ、情報端末を支持するための情報端末用スタンドであって、
前記情報端末を収容する端末収納装置と、
前記端末収納装置が取り付けられる取付部と、
前記取付部ごと前記端末収納装置を支持する支柱と、
前記手押し車におけるフレームに前記支柱を固定するための固定部と、を備え、
前記端末収納装置は、
前記情報端末を収納する端末収納部と、
前記情報端末の背面側に設けられ、前記情報端末を充電するためのバッテリを収納するバッテリ収納部と、
を有し、
前記端末収納部は、前記情報端末の表示画面が視認出来るように、該情報端末における該表示画面の周囲を覆う第1壁部と、前記情報端末の背面を支持し、前記端末収納部と前記バッテリ収納部とを区画する区画壁部と、により形成され、
前記バッテリ収納部は、前記区画壁部と、前記バッテリを後側から支持する第2壁部と、により形成され、
前記区画壁部は、前記情報端末と前記バッテリとを接続する充電ケーブルが通る連通孔が設けられており、
前記連通孔は、前記充電ケーブルが前記端末収納装置の外部に露出しないように、前記第1壁部及び前記第2壁部により覆われていることを特徴とする情報端末用スタンド。
【請求項2】
請求項1に記載の情報端末用スタンドにおいて、
前記端末収納装置は、左右方向に対向する一対の短辺と、上下方向に対向する一対の長辺とを有する矩形箱状をなしており、
前記第1壁部、前記区画壁部、及び前記第2壁部は、前記上側の部分に設けられたヒンジにより互いに接続されていることを特徴とする情報端末用スタンド。
【請求項3】
請求項1に記載の情報端末用スタンドにおいて、
前記端末収納装置は、前記情報端末及び前記バッテリを収納したまま、前記取付部に対して分離可能に取り付けられていることを特徴とする情報端末用スタンド。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載の情報端末用スタンドにおいて、
前記手押し車は、ショッピングカートであり、
前記ショッピングカートは、
商品を入れるためのカゴが配置されるカゴ配置部と、
前記ショッピングカートのユーザが把持する左右一対の把持部から前記カゴ配置部に向かって延びる左右一対のフレームと、
を有し、
前記支柱及び前記固定部は、前記各フレームに対応して一対あり、
前記端末収納装置の下側でかつ前記各支柱の間には、前記端末収納装置の下側から前記商品を前記カゴ配置部に配置された前記カゴに投入可能な空間が形成されることを特徴とする情報端末用スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示された技術は、情報端末用スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、タブレットなどの情報端末をショッピングカートなどの手押し車に取り付ける情報端末用スタンドが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、スキャナの上に情報端末が載置されたショッピングカートが開示されている。特許文献1では、ハンドルフレームの下方に情報端末に電力を送るバッテリが配置されており、情報端末とバッテリとを接続するケーブルは、ショッピングカートのフレーム内に配置されている。
【0004】
特許文献2には、ショッピングカートのハンドルフレームから上側に延びる延長フレームを備え、延長フレームの上端部分に情報端末を取り付ける情報端末用スタンドが開示されている。特許文献2でも、ハンドルフレームの下方に情報端末に電力を送るバッテリが配置されており、情報端末とバッテリとを接続するケーブルを延長フレーム内に配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6966156号公報
【特許文献2】特開2019-151219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ショッピングカートなどの手押し車では、見栄えや、商品の出し入れ等の作業性の観点からケーブルは外に出ていないことが好ましい。特許文献1のようにケーブルをフレーム内に配置したり、特許文献2のようにケーブルを、情報端末を配置するフレーム内に配置したりすれば、ケーブルを出来る限り外に出さないようにすることができる。
【0007】
しかしながら、ケーブルの交換が必要になったときに、新たなケーブルをフレームに挿入して、バッテリの位置で引き出す作業が必要になり面倒である。
【0008】
ここに開示された技術は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこは、見栄えや作業性を保ちつつ、メンテナンス性を向上させることができる情報端末用スタンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、ここに開示された技術の第1の態様では、手押し車に取り付けられ、情報端末を支持するための情報端末用スタンドを対象として、前記情報端末を収容する端末収納装置と、前記端末収納装置が取り付けられる取付部と、前記取付部ごと前記端末収納装置を支持する支柱と、前記手押し車におけるフレームに前記支柱を固定するための固定部と、を備え、前記端末収納装置は、前記情報端末を収納する端末収納部と、前記情報端末の背面側に設けられ、前記情報端末を充電するためのバッテリを収納するバッテリ収納部と、を有し、前記端末収納部は、前記情報端末の表示画面が視認出来るように、該情報端末における該表示画面の周囲を覆う第1壁部と、前記情報端末の背面を支持し、前記端末収納部と前記バッテリ収納部とを区画する区画壁部と、により形成され、前記バッテリ収納部は、前記区画壁部と、前記バッテリを後側から支持する第2壁部と、により形成され、前記区画壁部は、前記情報端末と前記バッテリとを接続する充電ケーブルが通る連通孔が設けられており、前記連通孔は、前記充電ケーブルが前記端末収納装置の外部に露出しないように、前記第1壁部及び前記第2壁部により覆われている、という構成にした。
【0010】
この構成によると、情報端末とバッテリとが1つの収納装置に収納されているため、充電ケーブルの長さをできる限り短くすることができる。また、区画壁部に設けられた連通孔に充電ケーブルを通せば、情報端末とバッテリとを接続することができるため、充電ケーブルの交換作業が容易である。また、連通孔は第1壁部及び第2壁部により前後から覆われているため、ケーブルは端末収納装置から外には出ない。このため、手押し車全体での見栄えや作業性を確保することができる。
【0011】
ここに開示された技術の第2の態様は、前記第1の態様において、前記端末収納装置は、左右方向に対向する一対の短辺と、上下方向に対向する一対の長辺とを有する矩形箱状をなしており、前記第1壁部、前記区画壁部、及び前記第2壁部は、前記上側の部分に設けられたヒンジにより互いに接続されている、とう構成でもよい。
【0012】
この構成によると、第1壁部及び区画壁部を、ヒンジを中心に前後方向或いは上下方向に回動させることで、情報端末、充電ケーブル、及びバッテリを視認できる。また、各壁部の移動を片手で行うことができる。これらにより、メンテナンス性を向上させることができる。
【0013】
ここに開示された技術の第3の態様は、前記第1の態様において、前記端末収納装置は、前記情報端末及び前記バッテリを収納したまま、前記取付部に対して分離可能に取り付けられている、という構成でもよい。
【0014】
この構成によると、端末収納装置を取り外した状態で、情報端末やバッテリのメンテナンスを行うことができる。これにより、メンテナンス性を更に向上させることができる。
【0015】
ここに開示された技術の第4の態様は、前記第1~3の態様のいずれか1つにおいて、前記手押し車は、ショッピングカートであり、前記ショッピングカートは、商品を入れるためのカゴが配置されるカゴ配置部と、前記ショッピングカートのユーザが把持する左右一対の把持部から前記カゴ配置部に向かって延びる左右一対のフレームと、を有し、前記支柱及び前記固定部は、前記各フレームに対応して一対あり、前記端末収納装置の下側でかつ前記各支柱の間には、前記端末収納装置の下側から前記商品を前記カゴ配置部に配置された前記カゴに投入可能な空間が形成される、という構成でもよい。
【0016】
この構成によると、端末収納装置の横から手を伸ばして商品を出し入れする必要がなく、最低限だけ手を伸ばして商品を出し入れすることができる。これにより、ショッピングカートでの作業性を確保することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、ここに開示された技術によると、見栄えや作業性を保ちつつ、メンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る情報端末用スタンドを有するショッピングカートを左側から見た側面図である。
【
図2】
図2は、スタンド周辺を前側から見た斜視図である。
【
図3】
図3は、スタンド周辺を後側から見た斜視図である。
【
図4】
図4は、端末収納装置の第1壁部を開いた状態を示す正面図である。
【
図5】
図5は、端末収納装置の区画壁部を開いた状態を示す正面図である。
【
図6】
図6は、端末収納装置を上側から見た図である。
【
図8】
図8は、情報端末装置と取付部との取付状態を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、左側の支柱と左側のフレームとの接続状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明では、ショッピングカートのユーザから見た上側、下側、前側、後側、左側、及び右側を、それぞれ上側、下側、前側、後側、左側、及び右側という。
【0020】
図1及び
図2は、本実施形態に係る情報端末用スタンド1(以下、単にスタンド1という)が取り付けられたショッピングカート100を示す。ショッピングカート100は、上側カゴ配置部101と下側カゴ配置部102とを有する。詳細な図示は省略するが、上側カゴ配置部101と下側カゴ配置部102とは、左右一対のメインフレーム103により連結されている。
【0021】
各メインフレーム103は、ショッピングカート100のユーザが把持する左右一対の把持部104から上側カゴ配置部101に向かって前側に延びた後、前側に向かって下側に斜めに延びる傾斜部103aを形成している。各メインフレーム103は、傾斜部103aの前端部から上側カゴ配置部101の位置で下側に向かって延びて、上側カゴ配置部101よりも下側の位置で、下側に向かって後側に延びた後、下側に向かって延びている。各メインフレーム103の下端部からは、下側カゴ配置部102を構成する左右一対の下側フレーム105(
図1で左側の下側フレーム105のみ示す)が前側に向かって延びている。各メインフレーム103の下端及び下側フレーム105の前端には、車輪106がそれぞれ取り付けられている。
【0022】
各把持部104は、例えば樹脂、ゴム等の高分子材料製の素材により形成されている。ユーザが各把持部104を把持した状態で、ショッピングカート100を所望の方向に押し引きすることで、ショッピングカート100が移動する。
【0023】
ショッピングカート100は、子供を乗せる子乗せ部107が設けられている。
【0024】
スタンド1は、情報端末Tを収容する端末収納装置10と、端末収納装置10が取り付けられる取付部30と、取付部30ごと端末収納装置10を支持する支柱40と、支柱40を、ショッピングカート100の把持部104の近傍に固定するためのクランプ50と、を備える。
【0025】
端末収納装置10は、左右方向に対向する一対の短辺と、上下方向に対向する一対の長辺とを有する矩形箱状をなしている。端末収納装置10の長辺は、情報端末Tの長辺や後述するバッテリBの長辺よりも長い。端末収納装置10の角部には、角部を覆うコーナーガードが取り付けられていてもよい。
【0026】
端末収納装置10は、
図4に示すように、情報端末Tが収納される端末収納部11と、
図5に示すように、情報端末Tに供給される電力が蓄積されたバッテリBが収納されるバッテリ収納部12とを有する。バッテリ収納部12は、端末収納部11の前側(つまり、情報端末Tに対して背面側)に位置している。
【0027】
端末収納部11は、情報端末における該表示画面Wの周囲を後側から覆う第1壁部13と、情報端末Tの背面を支持し、端末収納部11とバッテリ収納部12とを区画する区画壁部14と、により形成されている。バッテリ収納部12は、区画壁部14と、バッテリBを前側から支持する第2壁部15と、により形成されている。
【0028】
第1壁部13は、
図2に示すように、情報端末Tの表示画面Wが視認出来るように、情報端末Tの表示画面Wに対応する部分に矩形状の孔部13aが右側の部分に設けられている。孔部13aは前後方向に貫通しており、ユーザは孔部13aを介して情報端末Tの表示画面Wに触れることができるようになっている。これにより、ユーザは情報端末Tがタッチパネル式の端末であったときには、情報端末Tの操作を行うことができる。第1壁部13における孔部13aの周囲の部分は、情報端末Tの表示画面W以外の部分を覆う。
【0029】
第1壁部13の後側の面でかつ孔部13aの左側には、商品に付されたバーコードやポイントカードのコードを読み取るハンドスキャナ60を支持するためのスキャナ支持部13bが設けられている。ハンドスキャナ60は、無線で情報端末Tと通信するように構成されている。
【0030】
図4に示すように、第1壁部13の4つの辺には、各辺に沿って延びかつ前側に向かって折り曲げられた第1周壁部13cがそれぞれ設けられている。第1周壁部13cは、区画壁部14の後述する後側周壁部14dを外側から覆う。
【0031】
下側の第1周壁部13cの左右方向の中央には、第1壁部13を移動させて、端末収納部11を開くための指掛け部13dが設けられている。
【0032】
図3に示すように、上側の第1周壁部13cの前端でかつ左右方向の中央部分には、下側に向かって延びる第1舌片部13eが設けられている。
【0033】
区画壁部14は、
図4に示すように、情報端末TとバッテリBとを接続する充電ケーブルCが通る連通孔14bとが設けられている。連通孔14bは、矩形状をなしており、第1壁部13のスキャナ支持部13bに対応する部分全体に設けられている。具体的には、連通孔14bの縦幅は、区画壁部14の上下方向の長さの半分よりも大きく、連通孔14bの横幅は、区画壁部14の左右方向の長さの1/4よりも大きい。このように比較的大きな孔とすることで、端末収納部11とバッテリ収納部12との間での充電ケーブルCの出し入れが容易になる。また、充電ケーブルCを長くしたとしても、充電ケーブルCの撓みを逃がすことができるため、充電ケーブルCにストレスがかかりにくくなる。
【0034】
区画壁部14の下端部における左右方向の中央には、上側に向かって凹んだ凹部14cが設けられている。凹部14cは、第1壁部13の指掛け部13dが通る部分であり、左右方向において、指掛け部13dと同じ位置に設けられている。
【0035】
区画壁部14の上側の長辺を除く3つの辺には、各辺に沿って延びかつ後側に折り曲げられた後側周壁部14dがそれぞれ設けられている。また、
図5及び
図6に示すように、区画壁部14の前側の面からは、区画壁部14の4つの辺に沿うように延びるとともに、前側に向かって延びる前側周壁部14eが設けられている。後側周壁部14dは、区画壁部14と一体であるが、前側周壁部14eは、区画壁部14とは別の部材を、ネジ止めしたり溶接したりしてそれぞれ形成されている。後側周壁部14dの下側部分は、情報端末Tが落下しないように、該情報端末Tを下側から支持する。前側周壁部14eは、第2壁部15の後述する第2周壁部15aを外側から覆う。
【0036】
第2壁部15は、左右方向の長さは、第1壁部13及び区画壁部14と同じであるが、上下方向の長さが、第1壁部13及び区画壁部14よりも短くなっている。具体的には、第2壁部15における上側の長辺が、第1壁部13及び区画壁部14と比較して下側に位置している。
【0037】
図5に示すように、第2壁部15の4つの辺には、各辺に沿って延びかつ後側に向かって折り曲げられた第2周壁部15aがそれぞれ設けられている。第2周壁部15aのうち下側の部分は、バッテリBを下側から支持している。
【0038】
第2壁部15の前側の面には、
図3及び
図8に示すように、第2舌片部15bが設けられている。第2舌片部15bは、下側に向かって第2壁部15から離間するように傾斜して延びた後、第2壁部15に沿って延びている。第2舌片部15bには、取付部30とネジ接続するためのネジ孔15cが形成されている。
【0039】
図6に示すように、第1壁部13、区画壁部14、及び第2壁部15は、上側に設けられた一対の第1ヒンジ16及び一対の第2ヒンジ17により接続されている。一対の第1ヒンジ16は、第1壁部13の第1舌片部13eにおける左右方向の両側端部と、区画壁部14の前側周壁部14eにおける上側の部分とをそれぞれ接続している。一対の第2ヒンジ17は、区画壁部14の前側周壁部14eにおける上側の部分と、第2壁部15の第2周壁部15aにおける上側の部分とをそれぞれ接続している。各第2ヒンジ17は、各第1ヒンジ16の外側に配置されている。具体的には、左側の第2ヒンジ17は、左側の第1ヒンジ16の左側に位置し、右側の第2ヒンジ17は、右側の第1ヒンジ16の右側に位置している。
【0040】
第1ヒンジ16及び第2ヒンジ17により第1壁部13、区画壁部14、及び第2壁部15が接続されていることにより、
図4及び
図5に示すように、第1壁部13及び区画壁部14をめくるようにして移動させることができる。これにより、第1壁部13を回動させることで端末収納部11を開くことができ、区画壁部14を回動させることでバッテリ収納部12を開くことができる。情報端末Tは、区画壁部14の本体部分及び後側周壁部14dに支持されているため、情報端末Tを端末収納部11に配置したままであっても、区画壁部14を回動させて、バッテリ収納部12を開くことができる。
【0041】
図2及び
図3に示すように、端末収納部11及びバッテリ収納部12を閉じた状態では、連通孔14bは、充電ケーブルCが端末収納装置10の外部に露出しないように、第1壁部13により前側から覆われているとともに、第2壁部15により後側から覆われている。
【0042】
支柱40は、
図2に示すように、一対のメインフレーム103に対応して左右一対設けられている。各支柱40は、断面U字状に折り曲げられた2つの鋼板を、U字開口部が互いに対向するように重ねた状態で、互いに重なった部分をネジ止めすることで構成されている。各支柱40は、各メインフレーム103の傾斜部103aの位置に、該傾斜部103aに対して垂直に上側に延びるように配置されている。尚、2つの鋼板をU字開口部が互いに対向するように重ねた状態で溶接することで、各支柱40を形成するようにしてもよい。
【0043】
図7に示すように、支柱40の上端部には、後側の部分の角部が切り欠かれた切欠部41が形成されている。切欠部41には、取付部30の左右方向の端部がねじ等により取付固定される。
【0044】
取付部30は、
図8に示すように、支柱40の上端部を橋渡す架橋部31と、架橋部31の左右方向の中央に設けられかつ端末収納装置10に設けられた第2舌片部15bが係止する係止部32とを有する。架橋部31は、支柱40の上端部と切欠部41とに沿うように、断面略L字状をなしている。係止部32は、架橋部31の前側部分にネジにより接続されていて、架橋部31から前側に向かって延びた後、上側に向かって延びている。図示は省略しているが、係止部32には、第2舌片部15bとネジ接続するためのネジ孔が形成されている。
【0045】
取付部30に端末収納装置10を取り付けるときには、第2舌片部15bを係止部32に係止させた状態で、両者をネジで接続する。ネジを取り外したときには、端末収納装置10は、情報端末T及びバッテリBが収納された状態で、取付部30から分離することができる。
【0046】
クランプ50は、各支柱40の下端部にそれぞれ設けられている。クランプ50は、
図9に示すように、上側挟持部51と下側挟持部52とを有し、メインフレーム103を上下方向から挟持する。詳細には図示していないが、上側挟持部51と下側挟持部52とは、ネジで接続されており、ネジが締められたときに、メインフレーム103を強固に挟持する。
【0047】
前述のように、各支柱40を各メインフレーム103から上側に延びるように配置して、各支柱40の上側端部の高さ位置に取付部30を形成したことにより、
図2に示すように、端末収納装置10の下側でかつ各支柱40の間に空間Sが形成される。この空間Sは、端末収納装置10の下側から商品を上側カゴ配置部101に配置されたカゴに投入可能な空間である。これにより、商品の出し入れが容易になる。
【0048】
以上説明したように、本実施形態にかかる情報端末用スタンド1では、情報端末Tを収納する端末収納装置10は、情報端末Tを収納する端末収納部11と、情報端末Tを充電するためのバッテリBを収納するバッテリ収納部12と、を有し、端末収納部11は、情報端末Tの表示画面Wが視認出来るように、情報端末Tにおける表示画面Wの周囲を覆う第1壁部13と、情報端末Tの背面を支持し、端末収納部11とバッテリ収納部12とを区画する区画壁部14と、により形成され、バッテリ収納部12は、区画壁部14と、バッテリBを後側から支持する第2壁部15と、により形成され、区画壁部14は、情報端末TとバッテリBとを接続する充電ケーブルCが通る連通孔14bが設けられており、連通孔14bは、充電ケーブルCが端末収納装置10の外部に露出しないように、第1壁部13及び第2壁部15により覆われている。このように、情報端末TとバッテリBとが1つの端末収納装置10に収納されているため、充電ケーブルCの長さをできる限り短くすることができる。また、区画壁部14に設けられた連通孔14bに充電ケーブルCを通せば、情報端末TとバッテリBとを接続することができるため、充電ケーブルCの交換作業が容易である。また、連通孔14bは第1壁部13及び第2壁部15により前後から覆われているため、充電ケーブルCは端末収納装置10から外には出ない。このため、ショッピングカート100全体での見栄えや作業性を確保することができる。
【0049】
また、充電ケーブルCが端末収納装置10から外に出ないことにより、子乗せ部107に子供が乗っている状態で、子供が充電ケーブルCを引っ張るおそれがない。
【0050】
また、本実施形態では、第1壁部13、区画壁部14、及び第2壁部15は、第1ヒンジ16及び第2ヒンジ17により互いに接続されている。これにより、第1壁部13及び区画壁部14を、第1ヒンジ16及び第2ヒンジ17を中心に前後方向或いは上下方向に回動させることで、端末収納部11及びバッテリ収納部12を開くことができる。また、第1壁部13及び区画壁部14の移動を片手で行うことができる。これらにより、メンテナンス性を向上させることができる。
【0051】
また、本実施形態では、第1壁部13の下端部に指掛け部13dが設けられている。これにより、指掛け部13dに指を掛けて、第1壁部13を回動させれば、端末収納部11を容易に開くことができる。
【0052】
また、本実施形態では、区画壁部14の上側の長辺を除く3つの辺には、各辺に沿って延びかつ後側に折り曲げられた後側周壁部14dがそれぞれ設けられており、情報端末Tは、下側の後側周壁部14dにより下側から支持されている。これにより、情報端末Tを支持した状態のまま、情報端末Tごと区画壁部14を回動させることができるため、バッテリBの交換が必要な時に情報端末Tを移動させる必要がない。
【0053】
また、本実施形態では、端末収納装置10は、情報端末T及びバッテリBを収納したまま、取付部30に対して分離可能に取り付けられている。これにより、端末収納装置10を取り外した状態で、情報端末TやバッテリBのメンテナンスを行うことができる。これにより、メンテナンス性を更に向上させることができる。
【0054】
また、本実施形態では、ショッピングカート100は、商品を入れるためのカゴが配置される上側カゴ配置部101と、把持部104から上側カゴ配置部101に向かって延びる左右一対のメインフレーム103と、を有し、支柱40は、各メインフレーム103に対応して一対あり、端末収納装置10の下側でかつ各支柱40の間には、端末収納装置10の下側から商品を上側カゴ配置部101に配置されたカゴに投入可能な空間Sが形成される。これにより、端末収納装置10の横から手を伸ばして商品を出し入れする必要がなく、最低限だけ手を伸ばして商品を出し入れすることができる。これにより、ショッピングカート100での作業性を確保することができる。
【0055】
ここに開示された技術は、前述の実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
【0056】
例えば、前述の実施形態では、手押し車としてショッピングカート100を例示したが、これに限らず、荷物を搬送するためのキャリーカートやピッキングカート等を対象にしてもよい。
【0057】
また、前述の実施形態では、子乗せ部107を有するショッピングカート100を例示したが、開示された技術は、子乗せ部107を有していないショッピングカートにも適用可能である。
【0058】
前述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本開示の範囲を限定的に解釈してはならない。本開示の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本開示の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0059】
ここに開示された技術は、手押し車に取り付けられ、情報端末を支持するための情報端末用スタンドとして有用である。
【符号の説明】
【0060】
1 情報端末用スタンド
10 端末収納装置
11 端末収納部
12 バッテリ収納部
13 第1壁部
14 区画壁部
14b 連通孔
15 第2壁部
16 第1ヒンジ
17 第2ヒンジ
30 取付部
40 支柱
50 クランプ(固定部)
100 ショッピングカート(手押し車)
103 メインフレーム
104 把持部
B バッテリ
C 充電ケーブル
S 空間
T 情報端末
W 表示画面